IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社PFUの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
B65H5/06 D
B65H5/06 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023542137
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 JP2021030460
(87)【国際公開番号】W WO2023021667
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】森川 修一
(72)【発明者】
【氏名】下坂 喜一郎
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特許第4024486(JP,B2)
【文献】特開2019-64762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を発生させるモータと、
媒体搬送方向と直交する方向において少なくとも中央部が直線状に延伸し、且つ、前記駆動力に従って回転するように設けられた第1シャフトと、
前記第1シャフトに固定され、媒体を搬送する搬送ローラと、
第2シャフトと、
前記第2シャフトに回転可能に設けられ、前記搬送ローラに従動して回転する従動ローラと、
前記第2シャフトの媒体搬送方向と直交する方向の中央部を媒体搬送方向の下流側に押圧する押圧部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第2シャフトは、回転不能に設けられ、
前記従動ローラは、前記第2シャフトに対して回転可能に設けられる、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第2シャフトは、回転可能に設けられ、
前記従動ローラは、前記第2シャフトの回転に伴って回転するように、前記第2シャフトに固定される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記第2シャフトは、前記第1シャフトより媒体搬送方向の上流側に配置され、
前記押圧部は、前記第2シャフトの媒体搬送方向と直交する方向の中央部を媒体搬送方向の下流側且つ前記第1シャフト側に押圧する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
媒体搬送方向と直交する方向に直線状に延伸し、且つ、前記駆動力に従って回転するように設けられた第3シャフトと、
前記第3シャフトに固定され、媒体を搬送する第2搬送ローラと、
前記第3シャフトより媒体搬送方向の下流側に配置された第4シャフトと、
前記第4シャフトに回転可能に設けられ、前記第2搬送ローラに従動して回転する第2従動ローラと、
前記第4シャフトの媒体搬送方向と直交する方向の中央部を、媒体搬送面と直交する方向に沿って前記第3シャフト側に押圧する第2押圧部と、をさらに有する、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記押圧部は、第2シャフトと当接する傾斜面を有し、
前記傾斜面の傾斜角度を変更する角度変更部をさらに有する、請求項1~5の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
搬送される媒体の厚さを検出する検出部をさらに有し、
前記角度変更部は、前記検出された厚さに基づいて、前記傾斜面の傾斜角度を変更する、請求項6に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記押圧部による前記従動ローラを前記搬送ローラ側に押圧する押圧力を変更する押圧力変更部をさらに有する、請求項1~5の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
搬送される媒体の厚さを検出する検出部をさらに有し、
前記押圧力変更部は、前記検出された厚さに基づいて、前記押圧力を変更する、請求項8に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
駆動力を発生させるモータと、
媒体搬送方向と直交する方向において少なくとも中央部が直線状に延伸し、且つ、前記駆動力に従って回転するように設けられた第1シャフトと、
前記第1シャフトに固定され、媒体を搬送する搬送ローラと、
媒体搬送方向と直交する方向の中央部が端部より媒体搬送方向の下流側に位置するように傾斜した第2シャフトと、
前記第2シャフトに回転可能に設けられ、前記搬送ローラに従動して回転する従動ローラと、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、媒体搬送装置に関し、特に、搬送ローラ及び従動ローラを有する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スキャナ等の媒体搬送装置は、搬送ローラにより搬送された媒体を撮像して画像を生成する。このような媒体搬送装置において、搬送される媒体にしわが発生すると、媒体を撮像した画像にノイズが含まれる可能性がある。
【0003】
原稿を搬送する2以上の原稿搬送ローラと、原稿搬送ローラと対向する2以上の従動コロとを備える原稿搬送装置が開示されている(特許文献1を参照)。この原稿搬送装置において、原稿搬送ローラを支持する原稿搬送ローラ軸の軸方向中央部において原稿搬送ローラ軸を回転可能に支持する軸受は、原稿搬送ローラ軸の端部において原稿搬送ローラ軸を回転可能に支持する軸受より原稿搬送方向下流側に設けられる。原稿搬送ローラ軸は、単一の原稿搬送ローラ軸で構成され、原稿搬送方向下流側に向けて湾曲した状態で第3の軸受に回転可能に支持されている。
【0004】
媒体を搬送する、回転駆動される駆動ローラと、駆動ローラとの間で媒体をニップして従動回転する従動ローラとを備える媒体搬送装置が開示されている(特許文献2を参照)。この媒体搬送装置は、従動ローラの回転軸の一方の軸端側及び他方の軸端側に配置され、従動ローラが駆動ローラに接する方向に回転軸を押圧する押圧部材と、回転軸と押圧部材の間に介在するスペーサを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4024486号
【文献】特開2019-64762号公報
【発明の概要】
【0006】
媒体搬送装置では、媒体を良好に搬送することが求められている。
【0007】
媒体搬送装置の目的は、媒体を良好に搬送することを可能とすることにある。
【0008】
実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、駆動力を発生させるモータと、媒体搬送方向と直交する方向に直線状に延伸し、且つ、駆動力に従って回転するように設けられた第1シャフトと、第1シャフトに固定され、媒体を搬送する搬送ローラと、第2シャフトと、第2シャフトに回転可能に設けられ、搬送ローラに従動して回転する従動ローラと、第2シャフトの媒体搬送方向と直交する方向の中央部を媒体搬送方向の下流側に押圧する押圧部と、を有する。
【0009】
また、実施形態の一側面に係る媒体搬送装置は、駆動力を発生させるモータと、媒体搬送方向と直交する方向に直線状に延伸し、且つ、駆動力に従って回転するように設けられた第1シャフトと、第1シャフトに固定され、媒体を搬送する搬送ローラと、媒体搬送方向と直交する方向の中央部が端部より媒体搬送方向の下流側に位置するように傾斜した第2シャフトと、第2シャフトに回転可能に設けられ、搬送ローラに従動して回転する従動ローラと、を有する。
【0010】
本実施形態によれば、媒体搬送装置は、媒体を良好に搬送することが可能となる。
【0011】
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】搬送機構130について説明するための模式図である。
図4】第1従動ローラ117等について説明するための模式図である。
図5】第1従動ローラ117等について説明するための模式図である。
図6】第1押圧部材133について説明するための模式図である。
図7】(A)、(B)は、第1押圧部材133について説明するための模式図である。
図8】搬送機構130の動作について説明するための模式図である。
図9】搬送機構130の動作について説明するための模式図である。
図10】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図11】記憶装置150及び処理回路160の概略構成を示す図である。
図12】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図13】(A)、(B)は、他の第1押圧部材233について説明するための模式図である。
図14】他の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図15】(A)、(B)は、他の第1押圧部材333について説明するための模式図である。
図16】(A)、(B)は、他の第1押圧部材333について説明するための模式図である。
図17】他の支持部材437について説明するための模式図である。
図18】他の搬送機構530について説明するための模式図である。
図19】他の搬送機構530について説明するための模式図である。
図20】他の搬送機構630について説明するための模式図である。
図21】他の搬送機構730について説明するための模式図である。
図22】他の搬送機構730について説明するための模式図である。
図23】他の処理回路860の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の一側面に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、薄紙、厚紙、カード又は封筒等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0015】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。図1において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示し、矢印A3は媒体搬送面と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0016】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なように、ヒンジHにより下側筐体101に回転可能に係合している。
【0017】
載置台103は、下側筐体101に係合し、給送及び搬送される媒体を載置する。排出台104は、上側筐体102に係合し、排出された媒体を載置する。なお、排出台104は、下側筐体101に係合してもよい。
【0018】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0019】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0020】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、超音波センサ114、第2媒体センサ115、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、撮像装置118、第2搬送ローラ119及び第2従動ローラ120等を有している。
【0021】
なお、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第2搬送ローラ119及び/又は第2従動ローラ120のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第2搬送ローラ119及び/又は第2従動ローラ120は、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。
【0022】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。下側ガイド101aは、媒体搬送面を形成する。
【0023】
第1媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。第1媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、第1媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0024】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。なお、給送ローラ112が上側筐体102に、分離ローラ113が下側筐体101に設けられ、給送ローラ112は、載置台103に載置された媒体を上側から順に給送してもよい。
【0025】
超音波センサ114は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側且つ第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117より上流側に配置される。超音波センサ114は、超音波発信器114a及び超音波受信器114bを含む。超音波発信器114a及び超音波受信器114bは、それぞれ上側筐体102及び下側筐体101に、媒体の搬送路の近傍に搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発信器114aは、超音波を発信する。一方、超音波受信器114bは、超音波発信器114aにより発信され、媒体を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。なお、超音波発信器114aが下側筐体101に配置され、超音波受信器114bが上側筐体102に配置されてもよい。
【0026】
第2媒体センサ115は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側且つ第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第2媒体センサ115は、媒体搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサ115と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。受光器は、受光する光の強度に基づいて、第2媒体センサ115の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
【0027】
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2媒体センサ115は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等により、媒体の存在を検出してもよい。
【0028】
第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117は、それぞれ搬送ローラ及び従動ローラの一例であり、給送ローラ112より下流側に、相互に対向して配置される。第1搬送ローラ116は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置118に搬送する。第1従動ローラ117は、下側筐体101に、第1搬送ローラ116の下側に設けられ、第1搬送ローラ116に従動して回転する。
【0029】
撮像装置118は、第1搬送ローラ116より下流側に配置され、第1搬送ローラ116によって搬送された媒体を撮像する。撮像装置118は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置118a及び第2撮像装置118bを含む。第1撮像装置118aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置118aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置118aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0030】
同様に、第2撮像装置118bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置118bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置118bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0031】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置118a及び第2撮像装置118bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0032】
第2搬送ローラ119及び第2従動ローラ120は、撮像装置118より下流側に、相互に対向して配置される。第2搬送ローラ119は、上側筐体102に設けられ、第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117によって搬送され、撮像装置118によって撮像された媒体を排出台104に排出する。第2従動ローラ120は、下側筐体101に、第2搬送ローラ119の下側に設けられ、第2搬送ローラ119に従動して回転する。
【0033】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図2の矢印A4の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体給送時、矢印A5の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0034】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ116が矢印A6の方向に回転することによって、第1撮像装置118aと第2撮像装置118bの間に送り込まれる。撮像装置118により読み取られた媒体は、第2搬送ローラ119が矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0035】
図3は、媒体搬送装置100の搬送機構130について説明するための斜視図である。
【0036】
図3に示すように、搬送機構130は、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第2搬送ローラ119及び第2従動ローラ120に加えて、第1シャフト131、第2シャフト132、第1押圧部材133、第3シャフト134、第4シャフト135及び第2押圧部材136等を有する。図3に示す例では、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第2搬送ローラ119及び第2従動ローラ120は二つずつ配置されている。
【0037】
第1シャフト131は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に直線状にまっすぐ延伸し、且つ、後述するモータにより発生された駆動力に従って回転するように設けられる。第1シャフト131には、第1搬送ローラ116が第1シャフト131の回転に伴って回転するように固定されている。
【0038】
第2シャフト132は、第1シャフト131と対向し、且つ、媒体搬送方向と直交する幅方向A2と略平行に延伸するように設けられる。第2シャフト132には、第1従動ローラ117が、第2シャフト132の延伸方向と直交する方向に沿って回転可能に設けられている。
【0039】
第1押圧部材133は、押圧部の一例であり、二つの第1従動ローラ117の間において、即ち媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部において、第2シャフト132と当接するように配置される。特に、第1押圧部材133は、幅方向A2において、各第1従動ローラ117の配置位置の中心位置に配置されることが好ましい。これにより、二つの第1従動ローラ117は、第1押圧部材133を挟んで線対称に配置され、各第1従動ローラ117が各第1搬送ローラ116を押圧する押圧力が均一となるため、媒体搬送装置100は、媒体のスキューの発生を抑制できる。第1押圧部材133は、第2シャフト132を第1シャフト131側に、即ち上方に押圧するように、第2シャフト132の下方側に当接するように設けられる。
【0040】
第3シャフト134は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に直線状にまっすぐ延伸し、且つ、後述するモータにより発生された駆動力に従って回転するように設けられる。第3シャフト134には、第2搬送ローラ119が第3シャフト134の回転に伴って回転するように固定されている。
【0041】
第4シャフト135は、第3シャフト134と対向し、且つ、媒体搬送方向と直交する幅方向A2に直線状にまっすぐ延伸するように設けられる。第4シャフト135には、第2従動ローラ120が第4シャフト135の延伸方向と直交する方向に沿って回転可能に設けられている。
【0042】
第2押圧部材136は、第2押圧部の一例であり、二つの第2従動ローラ120の間において、即ち媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部において、第4シャフト135と当接するように配置される。特に、第2押圧部材136は、幅方向A2において、各第2従動ローラ120の配置位置の中心位置に配置されることが好ましい。これにより、二つの第2従動ローラ120は、第2押圧部材136を挟んで線対称に配置され、各第2従動ローラ120が各第2搬送ローラ119を押圧する押圧力が均一となるため、媒体搬送装置100は、媒体のスキューの発生を抑制できる。第2押圧部材136は、第4シャフト135を第3シャフト134側に、即ち上方に押圧するように、第4シャフト135の下方側に当接するように設けられる。
【0043】
図4及び図5は、第1従動ローラ117及び第2シャフト132について説明するための模式図である。図4は、第1従動ローラ117及び第2シャフト132の斜視図であり、図5は、第1従動ローラ117及び第2シャフト132を側方から見た模式図である。
【0044】
図4及び図5に示すように、媒体搬送装置100は、さらに支持部材137を有する。支持部材137は、樹脂部材又は金属部材で形成され、第2シャフト132を、二つの第1従動ローラ117の外側において、即ち媒体搬送方向と直交する幅方向A2の端部において支持するように設けられる。支持部材137には、第2シャフト132の幅方向A2の端部が挿入される切り欠き部(又は開口部)が形成される。切り欠き部(又は開口部)には、平面状に形成された支持面137aが設けられる。一方、第2シャフト132の幅方向A2の端部にはDカットがなされた被支持面132aが設けられる。支持面137aと被支持面132aが当接されることにより、第2シャフト132は、支持部材137によって固定され、回転不能に設けられる。一方、第1従動ローラ117は、第2シャフト132に対して回転可能に設けられる。
【0045】
第1従動ローラ117が第2シャフト132に対して回転可能に設けられることにより、後述するように第2シャフト132の幅方向A2の中央部が下流側に押圧された状態でも、第2従動ローラ120は、第1搬送ローラ116に従動して良好に回転する。
【0046】
図6及び図7(A)、(B)は、第1押圧部材133について説明するための模式図である。図6は、第2シャフト132が載置された状態の第1押圧部材133の斜視図であり、図7(A)は、第2シャフト132が載置されていない状態の第1押圧部材133の斜視図であり、図7(B)は、第1押圧部材133を側方から見た模式図である。
【0047】
図6及び図7(A)、(B)に示すように、第1押圧部材133は、第1当接面133aを有する。第1当接面133aは、第2シャフト132と当接し且つ第2シャフト132を押圧する。第1当接面133aは、傾斜面の一例であり、媒体搬送方向A1及び幅方向A2と平行な媒体搬送面に対して傾斜するように、特に、下流側ほど下方に向かうように傾斜するように形成される。即ち、第1押圧部材133は、媒体搬送面と直交する高さ方向A3に沿って第2シャフト132を下方から押圧した場合に、第2シャフト132の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部を媒体搬送方向A1の下流側に押圧するように設けられる。
【0048】
図8は、搬送機構130の動作について説明するための模式図である。図8は、搬送機構130を側方から見た模式図である。
【0049】
上記したように、第2シャフト132は、第1シャフト131と対向するように設けられ、第4シャフト135は、第3シャフト134と対向するように設けられる。但し、図8に示すように、第2シャフト132は、第1シャフト131より上流側に配置される。これにより、第1搬送ローラ116の下方に設けられた第1従動ローラ117は、第1搬送ローラ116より上流側に配置される。したがって、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117のニップ面は下流側ほど下方に向かうように傾斜する。一方、第4シャフト135は、第3シャフト134より下流側に配置される。これにより、第2搬送ローラ119の下方に設けられた第2従動ローラ120は、第2搬送ローラ119より下流側に配置される。したがって、第2搬送ローラ119と第2従動ローラ120のニップ面は下流側ほど上方に向かうように傾斜する。
【0050】
図8において、経路Rは、理想的に搬送される媒体の先端が通過する経路を示す。第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117のニップ面が下流側ほど下方に向かうように傾斜していることにより、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117によって搬送される媒体の先端は、下方に向かうように搬送される。媒体の先端は、第1撮像装置118aのガラス面Gに接触し、ガラス面Gに沿って搬送される。第2搬送ローラ119と第2従動ローラ120のニップ面が下流側ほど上方に向かうように傾斜していることにより、第1撮像装置118aと第2撮像装置118bの間を通過した媒体の先端は、第2搬送ローラ119と第2従動ローラ120によって引っ張られる。
【0051】
媒体の先端がガラス面Gに沿って搬送されることにより、撮像位置において媒体から撮像装置118の各撮像センサまでの距離は一定となる。したがって、被写界深度が浅い等倍光学系タイプのCISが用いられる場合でも、ピントずれの発生が抑制され、撮像装置118は、安定した画像を取得することができる。特に、幅方向A2(主走査方向)において媒体から撮像装置118の各撮像センサまでの距離が一定となるので、入力画像内で水平方向にムラが発生することが抑制される。
【0052】
また、媒体の先端は、ガラス面Gに沿って搬送されるので、媒体の先端によりガラス面Gのクリーニング、即ちガラス面G上の異物の除去が可能となる。異物は、第1撮像装置118aのガラス面Gだけでなく、第2撮像装置118bのガラス面にも付着する可能性があるが、第2撮像装置118bのガラス面に付着した異物は自重により落下し、第1撮像装置118aのガラス面G上に付着する可能性が高い。媒体の先端が下方に配置された第1撮像装置118aのガラス面Gに沿って搬送されることにより、媒体搬送装置100は、第2撮像装置118bのガラス面から落下した異物も除去することが可能となる。
【0053】
また、図8に示すように、第1押圧部材133は、第1弾性部材133bを有する。第1弾性部材133bは、ねじリコイルばね等のばね部材であり、一端が下側筐体101に支持され、他端が第1押圧部材133に当接するように設けられる。なお、第1弾性部材133bは、板ばね等の他のばね部材、又は、ゴム部材等でもよい。第1弾性部材133bは、第1当接面133aに対して、高さ方向A3に沿って下方から上方に向かう押圧力を加える。
【0054】
一方、第2押圧部材136は、第2当接面136aを有する。第2当接面136aは、第4シャフト135と当接し且つ第4シャフト135を押圧する。第2当接面136aは、媒体搬送面に対して平行になるように形成される。また、第2押圧部材136は、第2弾性部材136bを有する。第2弾性部材136bは、ねじリコイルばね等のばね部材であり、一端が下側筐体101に支持され、他端が第2押圧部材136に当接するように設けられる。なお、第2弾性部材136bは、板ばね等の他のばね部材、又は、ゴム部材等でもよい。第2弾性部材136bは、第2当接面136aに対して、高さ方向A3に沿って下方から上方に向かう押圧力を加える。
【0055】
図9は、搬送機構130の動作について説明するための模式図である。図9は、搬送機構130を上方から見た模式図である。
【0056】
上記したように、第1押圧部材133の第1当接面133aは、下流側ほど下方に向かうように傾斜しつつ、第1弾性部材133bにより、第2シャフト132の幅方向A2の中央部を上方に向けて押圧する。これにより、第1押圧部材133は、第2シャフト132の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部を第1シャフト131側に押圧するとともに、媒体搬送方向A1の下流側に押圧する。したがって、図9に示すように、第2シャフト132は、幅方向A2の中央部が下流側に配置され、幅方向A2の端部が上流側に配置されるように湾曲する。これにより、第2シャフト132を回転軸とする各第1従動ローラ117は、幅方向A2の外側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は外側に向けて引っ張られるように搬送される。
【0057】
したがって、媒体搬送装置100は、媒体のしわの発生を抑制することが可能となる。搬送される媒体にしわが発生すると、その媒体を撮像した画像、特にカラー画像又はグレースケール画像において、階調性が低下する可能性及びノイズが発生する可能性がある。媒体搬送装置100は、媒体のしわの発生を抑制することにより、入力画像における媒体のしわに起因する階調性の低下及びノイズの発生を抑制できる。
【0058】
特に、第1搬送ローラ116の下方に設けられた第1従動ローラ117は、第1搬送ローラ116より上流側に配置され、且つ、第1押圧部材133の第1当接面133aは、第2シャフト132の幅方向A2の中央部を上方に向けて押圧する。そのため、仮に、第1押圧部材133が第2シャフト132の幅方向A2の中央部を下流側に向けて押圧しない場合、第2シャフト132は、第1弾性部材133bによる押圧力を逃がすように、幅方向A2の中央部が上流側に配置されるように湾曲する。これにより、第2シャフト132を回転軸とする各第1従動ローラ117は、幅方向A2の内側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は内側に向けて押し付けられるように搬送される。そのため、媒体のしわが発生しやすくなる。媒体搬送装置100では、第1押圧部材133が、第2シャフト132の幅方向A2の中央部を下流側に押圧することにより、媒体のしわの発生を良好に抑制することが可能となる。
【0059】
一方、第2搬送ローラ119の下方に設けられた第2従動ローラ120は、第2搬送ローラ119より下流側に配置され、且つ、第2押圧部材136の第2当接面136aは、第4シャフト135の幅方向A2の中央部を上方に向けて押圧する。そのため、第4シャフト135は、第2弾性部材136bによる押圧力を逃がすように、幅方向A2の中央部が下流側に配置されるように湾曲する。これにより、第4シャフト135を回転軸とする各第2従動ローラ120は、幅方向A2の外側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は外側に向けて引っ張られるように搬送される。そのため、媒体のしわの発生が抑制される。
【0060】
上記したように、第2押圧部材136の第2当接面136aは、媒体搬送面に対して平行になるように形成されている。そのため、第2押圧部材136は、第4シャフト135の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部を、媒体搬送面と直交する高さ方向A3に沿って上方に(第3シャフト134側に)押圧する。これにより、第2押圧部材136は、第4シャフト135が湾曲し過ぎることを抑制し、媒体に外側に向かう力が加わり過ぎて媒体の損傷が発生することを抑制できる。
【0061】
一方、媒体搬送装置100において、第1搬送ローラ116の回転軸である第1シャフト131及び第2搬送ローラ119の回転軸である第3シャフト134は、直線状にまっすぐ延伸するように設けられる。これにより、媒体搬送装置100は、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ119による媒体の搬送力を確保して、媒体を適切に搬送することができる。
【0062】
なお、第2押圧部材136は、第1押圧部材133と同様に、第4シャフト135の幅方向A2の中央部を下流側に押圧し、第4シャフト135を幅方向A2の中央部が下流側に配置されるように湾曲させてもよい。
【0063】
また、第1押圧部材133の第1当接面133aは、媒体搬送面に対して傾斜するように形成されるのでなく、媒体搬送面に対して平行になるように形成されてもよい。その場合、第1押圧部材133の第1弾性部材133bは、第1押圧部材133が第2シャフト132を媒体搬送方向A1の下流側に押圧するように、高さ方向A3に対して傾いた方向に向けて第1押圧部材133に力を加えるように設けられる。
【0064】
図10は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0065】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ141、インタフェース装置142、記憶装置150及び処理回路160等をさらに有する。
【0066】
モータ141は、一又は複数のモータを有し、処理回路160からの制御信号によって、給送ローラ112の回転軸、分離ローラ113の回転軸、第1シャフト131及び第3シャフト134を回転させるための駆動力を発生させる。これにより、モータ141は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ119を回転させて媒体を搬送させる。
【0067】
インタフェース装置142は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置142の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース装置を有してもよい。
【0068】
記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0069】
処理回路160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路160として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0070】
処理回路160は、操作装置105、表示装置106、第1媒体センサ111、超音波センサ114、第2媒体センサ115、撮像装置118、モータ141、インタフェース装置142及び記憶装置150等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路160は、第1媒体センサ111、第2媒体センサ115から受信した第1媒体信号、第2媒体信号に基づいて、モータ141の駆動制御、撮像装置118の撮像制御等を行う。処理回路160は、撮像装置118から入力画像を取得し、インタフェース装置142を介して情報処理装置に送信する。
【0071】
図11は、記憶装置150及び処理回路160の概略構成を示す図である。
【0072】
図11に示すように、記憶装置150には、制御プログラム151、検出プログラム152及び押圧制御プログラム153等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路160は、制御部161、検出部162及び押圧制御部163として機能する。
【0073】
図12は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0074】
以下、図12に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0075】
最初に、制御部161は、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105又はインタフェース装置142から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0076】
次に、制御部161は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部161は、一連のステップを終了する。
【0077】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部161は、モータ141を駆動して、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ119を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS103)。
【0078】
次に、制御部161は、媒体の先端が第2媒体センサ115の位置を通過するまで待機する(ステップS104)。制御部161は、第2媒体センサ115から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ115の位置を通過したと判定する。
【0079】
次に、制御部161は、撮像装置118に媒体を撮像させて、撮像装置118から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置142を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS105)。
【0080】
次に、制御部161は、第1媒体センサ111から受信する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS106)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部161は、処理をステップS104へ戻し、ステップS104~S106の処理を繰り返す。
【0081】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部161は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ119を停止させるように、モータ141を制御し(ステップS107)、一連のステップを終了する。
【0082】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、第1搬送ローラ116の回転軸である第1シャフト131をまっすぐにしつつ第1従動ローラ117の回転軸である第2シャフト132のみを湾曲させることにより、媒体の搬送力を確保しつつ媒体のしわの発生を抑制する。したがって、媒体搬送装置100は、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0083】
特に、媒体搬送装置100は、給送ローラ112及び分離ローラ113(分離部)と、第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117(搬送部)との間における媒体のしわの発生を抑制することが可能となった。
【0084】
また、媒体搬送装置100は、第1当接面133aを傾斜させた一つの第1押圧部材133のみを用いて第2シャフト132の幅方向A2の中央部を押圧することにより、各第1従動ローラ117を幅方向A2の外側に向けて回転させる。これにより、媒体搬送装置100は、装置コストの増大を抑制しつつ、媒体のしわの発生を抑制することが可能となった。
【0085】
また、媒体搬送装置100において、第1搬送ローラ116の回転軸(駆動軸)である第1シャフト131は、湾曲せずに、直線状にまっすぐ延伸するように設けられている。これにより、媒体搬送装置100は、第1シャフト131の金属疲労、及び、第1シャフト131と第1シャフト131の軸受けとの間の摩耗の発生を抑制し、装置寿命の低減を抑制することが可能となった。
【0086】
一般に、搬送ローラの回転軸は、媒体搬送力の安定性を保つために、軸径を大きく(回転軸を太く)して、従動ローラからの押圧力による撓みを軽減させる必要がある。仮に、搬送ローラの回転軸の軸径を大きくしつつ、搬送ローラの回転軸を湾曲させると、搬送ローラの回転軸にかかる反力が大きくなり、媒体搬送力の安定性が損なわれる。特に、媒体搬送装置がA3用紙等の大型媒体の搬送をサポートする場合、各搬送ローラの回転軸であるシャフトが長くなり、シャフトにかかる反力は大きくなる。一方、搬送ローラの回転軸の軸径を小さく(回転軸を細く)すると、媒体搬送中の搬送ローラの振動が大きくなり、媒体搬送力の安定性が損なわれる。一方、媒体搬送装置100では、第1搬送ローラ116の回転軸である第1シャフト131が直線状に延伸しているため、第1シャフト131に反力がかからず、第1シャフト131を太くしても媒体搬送力の安定性が損なわれない。
【0087】
図13(A)、(B)は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における第1押圧部材233について説明するための模式図である。図13(A)、(B)は、第1押圧部材233を側方から見た模式図である。図13(A)は、第1位置に配置された第1押圧部材233を示し、図13(B)は、第1位置と異なる第2位置に配置された第1押圧部材233を示す。
【0088】
図13(A)、(B)に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第1押圧部材133の代わりに第1押圧部材233を有し、さらに第2モータ238及び角度変更部材239を有する。
【0089】
第1押圧部材233は、第1当接面233a、第1弾性部材233b、回転軸233c及び係合部233dを有する。第1当接面233aは、第1当接面133aと同様に、第2シャフト132と当接し且つ第2シャフト132を押圧する。第1当接面233aは、傾斜面の一例であり、媒体搬送面に対して傾斜するように、特に、下流側ほど下方に向かうように傾斜するように形成される。第1弾性部材233bは、第1弾性部材133bと同様の構成を有し、第1当接面233aに対して高さ方向A3に沿って下方から上方に向かう押圧力を加える。回転軸233cは、下側筐体101に固定され、第1押圧部材233を回転(揺動)可能に支持する。即ち、第1押圧部材233、特に第1当接面233aは、回転軸233cを中心に回転(揺動)可能に設けられている。係合部233dは、角度変更部材239に係合するように設けられている。
【0090】
第2モータ238は、角度変更部材239をスライド移動させるための第2駆動力を発生させる。
【0091】
角度変更部材239は、角度変更部の一例である。角度変更部材239は、第2モータ238が発生した第2駆動力により矢印A8の方向にスライド移動し、第1押圧部材233の第1当接面233aの媒体搬送面に対する傾斜角度を変更するように設けられる。角度変更部材239は、被係合部239aを有する。被係合部239aは、第1押圧部材233の係合部233dを挟持するように支持する。
【0092】
装置起動時、角度変更部材239は、図13(A)に示す初期位置に配置され、第1押圧部材233は、第1位置に配置される。一方、第2モータ238が回転して第2駆動力を発生させると、角度変更部材239は、図13(B)に示す移動位置に移動し、第1押圧部材233は、第2位置に配置される。第1押圧部材233の係合部233dは、角度変更部材239の被係合部239aに挟持されながら左上方に移動し、第1押圧部材233は、回転軸233cを中心に回転(揺動)する。これにより、媒体搬送面に対する第1当接面233aの傾斜角度が変更し、第1押圧部材233が、第2シャフト132の幅方向A2の中央部を下流側に押圧する力が大きくなる。
【0093】
なお、角度変更部材239は、第2モータ238からの第2駆動力でなく、作業者による手動によりスライド移動し、第1押圧部材233の第1当接面233aの媒体搬送面に対する傾斜角度を変更するように設けられてもよい。上記したように、第1従動ローラ117は下側筐体101に設けられ、第1搬送ローラ116は、下側筐体101に対してヒンジHにより開閉可能(回転可能)に設けられた上側筐体102に設けられる。上側筐体102の回転支持部であるヒンジHは、ある程度のがたつきを有し、さらにヒンジHの配置位置(回転位置)は装置毎にばらつきを有する。そのため、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117の接触状態は、装置毎にばらつきを有する。したがって、第1従動ローラ117が媒体搬送方向A1において第1搬送ローラ116を押す力の成分と、高さ方向A3において第1搬送ローラ116を押す力の成分とのバランスは装置毎に変動し、搬送される媒体に加えられる幅方向A2の外側に向かう力は装置毎に変動する。媒体搬送装置では、第1当接面233aの傾斜角度を変更可能に角度変更部材239が設けられることにより、装置毎に個別に、搬送される媒体に加えられる幅方向A2の外側に向かう力の大きさを調整できる。
【0094】
また、角度変更部材239は、第1従動ローラ117が第1搬送ローラ116を押す力の全体の大きさを一定に保ちつつ力の方向を変更するため、媒体搬送中における媒体搬送力を一定に保つことができる。したがって、媒体搬送装置は、入力画像内における副走査方向の媒体の間延び又は縮みの発生を抑制できる。
【0095】
図14は、本実施形態に係る媒体搬送装置の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0096】
図14に示したフローチャートは、図12に示したフローチャートの代わりに実行される。図14のステップS201~S204、S207~S209の処理は、図12のステップS101~S104、S105~S107の処理と同様であるため、説明を省略し、以下では、ステップS205~S206についてのみ説明する。なお、図14に示すフローチャートが実行される前に、角度変更部材239は初期位置に配置され、第1押圧部材233は第1位置に配置される。
【0097】
ステップS204で媒体の先端が第2媒体センサ115の位置を通過した後、検出部162は、搬送される媒体の厚さを検出する(ステップS205)。検出部162は、超音波センサ114から受信する超音波信号に基づいて、媒体の厚さを検出する。超音波発信器114aにより発信されて媒体を透過する超音波は、その媒体によって減衰し、その媒体が厚いほど、超音波の減衰量は大きくなる。媒体搬送装置100は、超音波受信器114bが受信する超音波の大きさ、即ち超音波信号の信号値と、媒体の厚さとの関係を規定したテーブルを予め記憶装置150に記憶しておく。検出部162は、記憶装置150に記憶されたテーブルを参照し、受信した超音波信号の信号値に対応する媒体の厚さを特定する。
【0098】
また、検出部162は、超音波センサ114から受信する超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かをさらに判定してもよい。複数の媒体が重なって搬送される場合、媒体を透過する超音波は、重なって搬送される媒体の間の空気層で減衰する。したがって、検出部162は、超音波信号の信号値が重送閾値以下であるか否かによって、媒体の重送が発生したか否かを判定することができる。重送閾値は、一枚の用紙が搬送された時の超音波信号の信号値と、二枚の用紙が搬送された時の超音波信号の信号値との間の値に設定される。検出部162が媒体の重送が発生したと判定した場合、制御部161は、モータ141を停止して媒体の搬送及び排出を停止する。なお、制御部161は、現在搬送中の媒体を排出してから媒体読取処理を停止させてもよい。また、制御部161は、モータ141を駆動し、搬送路に残っている媒体を逆送させて載置台103に一旦戻してから再給送(分離)するように各ローラを制御してもよい。これにより、利用者は、媒体を載置台103に再載置して再給送する必要がなくなり、制御部161は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。また、制御部161は、媒体の重送が発生したことを示す情報を表示装置106に表示し又はインタフェース装置142を介して情報処理装置に送信することにより利用者に通知してもよい。
【0099】
また、検出部162は、超音波センサ114以外の厚さセンサを用いて、媒体の厚さを検出してもよい。厚さセンサは、超音波センサ114が配置される位置に配置される。なお、厚さセンサは、媒体搬送路上の任意の位置に配置されてもよい。厚さセンサは、例えば媒体の搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器のペアと、他方の側に設けられた発光器及び受光器のペアとを含む。反射光センサは、一方のペアが媒体の一方の面に光を照射してから反射光を受光するまでの時間と、他方のペアが媒体の他方の面に光を照射してから反射光を受光するまでの時間とから、各ペアと媒体の各面までの距離を検出する。反射光センサは、二つのペアの間の距離から、検出した各距離を減算した減算値を厚さとして示す厚さ信号を生成する。媒体搬送装置100は、厚さ信号の信号値と、媒体の厚さとの関係を規定したテーブルを予め記憶装置150に記憶しておく。検出部162は、記憶装置150に記憶されたテーブルを参照し、受信した厚さ信号の信号値に対応する媒体の厚さを特定する。なお、厚さセンサは光を用いるものに限定されず、厚さセンサとして、圧力センサ、接触片を用いた厚さセンサ等の、媒体の厚さを検出可能な他の任意のセンサが用いられてもよい。また、検出部162は、センサによって検出される厚さに代えて、又は加えて、ユーザーにより指定された設定(厚紙もしくは薄紙の指定又はハガキ等の媒体種の指定)に基づいて厚さを特定してもよい。
【0100】
次に、押圧制御部163は、検出部162により検出された媒体の厚さに基づいて、第1押圧部材233を制御する(ステップS206)。押圧制御部163は、検出された媒体の厚さに基づいて、第2モータ238を制御し、角度変更部材239を移動させて、第1押圧部材233の第1当接面233aの傾斜角度を変更する。例えば、押圧制御部163は、媒体の厚さが厚さ閾値より大きい場合、角度変更部材239を初期位置から移動させず、第1押圧部材233を第1位置に配置する。一方、押圧制御部163は、媒体の厚さが厚さ閾値以下である場合、角度変更部材239を初期位置から移動位置に移動させて、第1押圧部材233を第2位置に配置させる。厚さ閾値は、例えば、しわが発生しやすい薄紙の厚さと、しわが発生しにくいPPC用紙の厚さとの間の値に設定される。
【0101】
なお、押圧制御部163は、媒体の厚さが小さいほど(媒体が薄いほど)、第1当接面233aの傾斜角度が大きくなるように、角度変更部材239の位置を三段階以上の多段階で変更してもよい。これにより、押圧制御部163は、媒体毎に、幅方向A2の外側に向かう力の大きさをより細かく調整することが可能となり、媒体のしわの発生をより適切に抑制することができる。
【0102】
このように、角度変更部材239は、検出部162により検出された媒体の厚さに基づいて、第1押圧部材233の第1当接面233aの傾斜角度を変更する。これにより、媒体搬送装置は、しわが発生しにくいPPC用紙等を装置の初期設定に従って適切に搬送しつつ、しわが発生しやすい薄紙を幅方向A2の外側に向けてより強く引っ張り、薄紙におけるしわの発生を抑制することができる。
【0103】
なお、押圧制御部163は、媒体の厚さにかかわらず、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて、第1当接面233aの傾斜角度の変更が指示された場合に、第1当接面233aの傾斜角度を変更してもよい。
【0104】
また、制御部161は、入力画像に含まれる媒体がしわを有するか否かを判定し、入力画像に含まれる媒体がしわを有すると判定した場合、しわを除去するように入力画像を補正してもよい。
【0105】
その場合、制御部161は、例えば機械学習技術を利用して、入力画像に含まれる媒体がしわを有するか否かを判定する。媒体搬送装置100は、画像が入力された場合に、その画像に含まれる媒体がしわを有している度合いを出力するように事前学習された識別器を予め記憶装置150に記憶しておく。この識別器は、例えばディープラーニング等により、しわを有する媒体が含まれるサンプル画像及び/又はしわを有する媒体が含まれないサンプル画像を用いて事前学習される。識別器は、入力された画像に含まれる媒体がしわを有している可能性が高いほど、出力値が高くなるように学習される。制御部161は、入力画像を識別器に入力し、識別器から出力された出力値を取得する。制御部161は、出力値が閾値以上である場合、入力画像に含まれる媒体がしわを有すると判定し、出力値が閾値未満である場合、入力画像に含まれる媒体がしわを有さないと判定する。
【0106】
制御部161は、入力画像に含まれる媒体がしわを有すると判定した場合、入力画像に、平滑化フィルタ、ガウシアンフィルタ等のフィルタを適用することにより、しわを除去するように入力画像を補正する。
【0107】
また、制御部161は、入力画像に含まれる媒体がしわを有すると判定した場合、第1当接面233aの傾斜角度の変更を提案する情報を表示装置106に表示し又はインタフェース装置142を介して情報処理装置に送信することにより、利用者に通知してもよい。
【0108】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、搬送される媒体の厚さに基づいて第1押圧部材233の第1当接面233aの傾斜角度を変更する場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0109】
図15(A)、(B)、図16(A)、(B)は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における第1押圧部材333について説明するための模式図である。図15(A)、図16(A)は、第1押圧部材333を側方から見た模式図であり、図15(B)、図16(B)は、第1押圧部材333を上流側から見た模式図である。図15(A)、(B)は、第1位置に配置された第1押圧部材333を示し、図16(A)、(B)は、第1位置と異なる第2位置に配置された第1押圧部材333を示す。
【0110】
図15(A)、(B)、図16(A)、(B)に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第1押圧部材133の代わりに第1押圧部材333を有し、さらに第2モータ338及び押圧力変更部材339を有する。
【0111】
第1押圧部材333は、第1当接面333a、第1弾性部材333b及び保持部材333cを有する。第1当接面333aは、第1当接面133aと同様に、第2シャフト132と当接し且つ第2シャフト132を押圧する。第1当接面333aは、傾斜面の一例であり、媒体搬送面に対して傾斜するように、特に、下流側ほど下方に向かうように傾斜するように形成される。第1弾性部材333bは、第1弾性部材133bと同様の構成を有し、第1当接面333aに対して高さ方向A3に沿って下方から上方に向かう押圧力を加える。但し、第1弾性部材333bの一端は、下側筐体101でなく保持部材333cに支持される。保持部材333cは、第1弾性部材333bの一端を支持するように設けられる。
【0112】
第2モータ338は、後述する押圧力変更部材339のカム部材を回転移動させるための第3駆動力を発生させる。
【0113】
押圧力変更部材339は、押圧力変更部の一例である。押圧力変更部材339は、第2モータ338が発生した第3駆動力によりカム部材を矢印A9の方向に回転移動させて、第1押圧部材333による第1従動ローラ117を第1搬送ローラ116側に押圧する押圧力を変更するように設けられる。押圧力変更部材339は、カム部材339a及び回転軸339bを有する。カム部材339aは、例えば、第2モータ338が発生した第3駆動力により回転可能に設けられた板カムである。カム部材339aは、保持部材333cの第1弾性部材333bを支持する面の反対側の面に当接するように設けられる。回転軸339bは、カム部材339aの回転軸であり、第2モータ338に取り付けられる。
【0114】
装置起動時、押圧力変更部材339のカム部材339aは、図15(A)、(B)に示す初期位置に配置され、第1押圧部材333は、第1位置に配置される。一方、第2モータ338が回転して第3駆動力を発生させると、カム部材339aは、図16(A)、(B)に示す移動位置に回転移動し、第1押圧部材333は、第2位置に配置される。カム部材339aの回転に伴い、第1押圧部材333の保持部材333cは上方に移動し、第1弾性部材333bが第1押圧部材333を押圧する力は大きくなる。これにより、第1押圧部材333が第2シャフト132を押圧する力が大きくなり、第1従動ローラ117が第1搬送ローラ116を押圧する力が大きくなる。
【0115】
なお、押圧力変更部材339は、第2モータ338からの第3駆動力でなく、作業者による手動により回転移動し、第1押圧部材333による押圧力を変更するように設けられてもよい。上記したように、搬送される媒体に加えられる幅方向A2の外側に向かう力は装置毎に変動する。媒体搬送装置では、第1押圧部材333による押圧力を変更可能に押圧力変更部材339が設けられることにより、装置毎に個別に、搬送される媒体に加えられる幅方向A2の外側に向かう力の大きさを調整できる。
【0116】
特に、押圧力変更部材339は、角度変更部材239と比較して単純な構造を有しているため、媒体搬送装置は、装置コストの増大を抑制しつつ、装置毎に個別に、搬送される媒体に加えられる幅方向A2の外側に向かう力を調整することが可能となる。
【0117】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、図14に示した媒体読取処理と同様の媒体読取処理を実行する。なお、この場合、図14に示すフローチャートが実行される前に、押圧力変更部材339のカム部材339aは初期位置に配置され、第1押圧部材333は第1位置に配置される。
【0118】
但し、ステップS205において、押圧制御部163は、検出された媒体の厚さに基づいて、第2モータ338を制御し、カム部材339aを回転させて、第1押圧部材333による第1従動ローラ117を第1搬送ローラ116側に押圧する押圧力を変更する。例えば、押圧制御部163は、媒体の厚さが厚さ閾値より大きい場合、カム部材339aを初期位置から回転移動させず、第1押圧部材333を第1位置に配置する。一方、押圧制御部163は、媒体の厚さが厚さ閾値以下である場合、カム部材339aを初期位置から移動位置に回転移動させて、第1押圧部材333を第2位置に配置させる。
【0119】
なお、押圧制御部163は、媒体の厚さが小さいほど(媒体が薄いほど)、第1押圧部材333による押圧力が大きくなるように、カム部材339aの位置を三段階以上の多段階で変更してもよい。これにより、押圧制御部163は、媒体毎に、幅方向A2の外側に向かう力の大きさをより細かく調整することが可能となり、媒体のしわの発生をより適切に抑制することができる。
【0120】
このように、押圧力変更部材339は、検出部162により検出された媒体の厚さに基づいて、第1押圧部材333による第1従動ローラ117を第1搬送ローラ116側に押圧する押圧力を変更する。これにより、媒体搬送装置は、しわが発生しにくいPPC用紙等を装置の初期設定に従って適切に搬送しつつ、しわが発生しやすい薄紙を幅方向A2の外側に向けてより強く引っ張り、薄紙におけるしわの発生を抑制することができる。
【0121】
なお、押圧制御部163は、媒体の厚さにかかわらず、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて、押圧力変更部材339による押圧力の変更が指示された場合に、押圧力変更部材339による押圧力を変更してもよい。
【0122】
また、制御部161は、入力画像に含まれる媒体がしわを有するか否かを判定し、入力画像に含まれる媒体がしわを有すると判定した場合、しわを除去するように入力画像を補正し、又は、押圧力の変更の提案を利用者に通知してもよい。
【0123】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、搬送される媒体の厚さに基づいて第1押圧部材333による押圧力を変更する場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0124】
図17は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の支持部材437について説明するための模式図である。図17は、第1従動ローラ117及び第2シャフト132の斜視図である。
【0125】
図17に示すように、支持部材437は、支持部材137の代わりに用いられ、二つの第2従動ローラ120の外側において、即ち媒体搬送方向と直交する幅方向A2の端部において、第2シャフト132を支持するように設けられる。支持部材437には、円形状の穴部が形成され、その穴部に第2シャフト132の幅方向A2の端部が挿入されることにより、支持部材437は第2シャフト132を回転可能に支持する。これにより、第2シャフト132は、回転可能に設けられる。一方、第2従動ローラ120は、第2シャフト132の回転に伴って回転するように、第2シャフト132に固定される。
【0126】
なお、支持部材137の代わりに支持部材437が用いられる場合も、第1押圧部材133の代わりに、第1押圧部材233及び角度変更部材239、又は、第1押圧部材333及び押圧力変更部材339が用いられてもよい。
【0127】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2シャフト132が回転可能に設けられる場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0128】
図18及び図19は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の搬送機構530について説明するための模式図である。図18は、搬送機構530を上方から見た模式図である。図19は、搬送機構530を側方から見た模式図である。
【0129】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図18及び図19に示すように、媒体搬送装置は、搬送機構130の代わりに、搬送機構530を有する。搬送機構530は、搬送機構130と同様の構成を有する。但し、搬送機構530は、第2シャフト132及び第1押圧部材133の代わりに、第2シャフト532及び第1押圧部材533を有する。
【0130】
第2シャフト532は、第2シャフト132と同様の構成を有する。但し、第2シャフト532は、媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部が端部より媒体搬送方向A1の下流側に位置するように傾斜している。特に、第2シャフト532は、湾曲するように傾斜している。第2シャフト532には、第1従動ローラ117が、第2シャフト532の延伸方向と直交する方向に沿って回転可能に設けられている。第2シャフト532は、回転不能に設けられ、第1従動ローラ117は、第2シャフト532に対して回転可能に設けられる。第2シャフト532は、第1シャフト131より上流側に配置され、第1従動ローラ117は、第1搬送ローラ116より上流側に配置される。
【0131】
第1押圧部材533は、二つの第1従動ローラ117の間において、即ち媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部において、第2シャフト532と当接するように配置される。第1押圧部材533は、第2シャフト532を第1シャフト131側に、即ち上方に押圧するように、第2シャフト532の下方側に当接するように設けられる。第1押圧部材533は、第1当接面533a及び第1弾性部材533bを有する。
【0132】
第1当接面533aは、第2シャフト532と当接し且つ第2シャフト532を押圧する。第1当接面533aは、媒体搬送面に対して平行になるように形成される。第1弾性部材533bは、第1弾性部材133bと同様の構成を有し、一端が下側筐体101に支持され、他端が第1押圧部材533に当接するように設けられる。第1弾性部材533bは、第1当接面533aに対して高さ方向A3に沿って下方から上方に向かう押圧力を加える。
【0133】
この場合も、第2シャフト532を回転軸とする各第1従動ローラ117は、幅方向A2の外側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は外側に向けて引っ張られるように搬送されるため、媒体のしわの発生が抑制される。一方、第1搬送ローラ116の回転軸である第1シャフト131は、直線状にまっすぐ延伸するように設けられる。これにより、媒体搬送装置は、第1搬送ローラ116による媒体の搬送力を確保して、媒体を適切に搬送することが可能となる。
【0134】
また、第2シャフト532が予め湾曲していることにより、第1押圧部材533の第1当接面533aは傾斜を有する必要がなくなる。これにより、媒体搬送装置は、第1押圧部材533と第2押圧部材136の部品共通化を図ることが可能となり、装置コストの低減を図ることが可能となる。
【0135】
なお、第2シャフト132の代わりに第2シャフト532が用いられる場合も、第1押圧部材133の代わりに、第1押圧部材333及び押圧力変更部材339が用いられてもよい。また、支持部材137の代わりに支持部材437が用いられて、第2シャフト532が回転可能に設けられ、第1従動ローラ117が第2シャフト532の回転に伴って回転するように第2シャフト532に固定されてもよい。
【0136】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2シャフト532が湾曲するように傾斜している場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0137】
図20は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の搬送機構630について説明するための模式図である。図20は、搬送機構630を上方から見た模式図である。
【0138】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図20に示すように、媒体搬送装置は、搬送機構130の代わりに、搬送機構630を有する。搬送機構630は、搬送機構530と同様の構成を有する。但し、搬送機構630は、第2シャフト532の代わりに、第2シャフト632を有する。第2シャフト632は、第2シャフト532と同様の構成を有する。但し、第2シャフト632は、屈曲するように傾斜している。
【0139】
この場合も、第2シャフト632を回転軸とする各第1従動ローラ117は、幅方向A2の外側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は外側に向けて引っ張られるように搬送されるため、媒体のしわの発生が抑制される。一方、第1搬送ローラ116の回転軸である第1シャフト131は、直線状にまっすぐ延伸するように設けられる。これにより、媒体搬送装置は、第1搬送ローラ116による媒体の搬送力を確保して、媒体を適切に搬送することが可能となる。
【0140】
また、第2シャフト632が予め屈曲していることにより、第1押圧部材533の第1当接面533aは傾斜を有する必要がなくなる。これにより、媒体搬送装置は、第1押圧部材533と第2押圧部材136の部品共通化を図ることが可能となり、装置コストの低減を図ることが可能となる。
【0141】
なお、第2シャフト132の代わりに第2シャフト632が用いられる場合も、第1押圧部材133の代わりに、第1押圧部材333及び押圧力変更部材339が用いられてもよい。また、支持部材137の代わりに支持部材437が用いられて、第2シャフト632が回転可能に設けられ、第1従動ローラ117が第2シャフト632の回転に伴って回転するように第2シャフト632に固定されてもよい。
【0142】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2シャフト532が屈曲するように傾斜している場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0143】
図21及び図22は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の搬送機構730について説明するための模式図である。図21は、搬送機構730を上方から見た模式図であり、図22は、搬送機構730を側方から見た模式図である。
【0144】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図21及び図22に示すように、媒体搬送装置は、搬送機構130の代わりに、搬送機構730を有する。搬送機構730は、第1搬送ローラ716、第1従動ローラ717、第2搬送ローラ719、第2従動ローラ720、第1シャフト731、第2シャフト732、第1押圧部材733、第3シャフト734、第4シャフト735及び第2押圧部材736等を有する。
【0145】
第1搬送ローラ716、第1従動ローラ717、第2搬送ローラ719、第2従動ローラ720、第1シャフト731、第2シャフト732、第1押圧部材733、第3シャフト734、第4シャフト735及び第2押圧部材736は、それぞれ第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第2搬送ローラ119、第2従動ローラ120、第1シャフト131、第2シャフト132、第1押圧部材133、第3シャフト134、第4シャフト135及び第2押圧部材136と同様の構成を有する。
【0146】
但し、第1搬送ローラ716、第2搬送ローラ719、第1シャフト731及び第3シャフト734は、下側筐体101に設けられる。一方、第1従動ローラ717、第2従動ローラ720、第2シャフト732、第1押圧部材733、第4シャフト735及び第2押圧部材736は、上側筐体102に設けられる。第2シャフト732及び第1従動ローラ717は、それぞれ第1シャフト731及び第1搬送ローラ716より下流側に配置される。一方、第4シャフト735及び第2従動ローラ720は、それぞれ第3シャフト734及び第2搬送ローラ719より上流側に配置される。
【0147】
第2シャフト732は、幅方向A2に直線状にまっすぐ延伸するように設けられる。第1押圧部材733は、第2押圧部の一例であり、第2シャフト732を第1シャフト731側に、即ち下方に押圧するように、第2シャフト732の上方側に当接するように設けられる。第1押圧部材733は、第1当接面733a及び第1弾性部材733bを有する。第1当接面733aは、媒体搬送面に対して平行になるように形成される。第1弾性部材733bは、第1弾性部材133bと同様の構成を有し、一端が上側筐体102に支持され、他端が第1押圧部材733の裏面側に当接するように設けられる。第1弾性部材733bは、第1当接面733aに対して高さ方向A3に沿って上方から下方に向かう押圧力を加える。
【0148】
第4シャフト735は、幅方向A2と略平行に延伸するように設けられる。第2押圧部材736は、押圧部の一例であり、第4シャフト735を第3シャフト734側に、即ち下方に押圧するように、第4シャフト735の上方側に当接するように設けられる。第2押圧部材736は、第2当接面736a及び第2弾性部材736bを有する。第2当接面736aは、傾斜面の一例であり、媒体搬送面に対して傾斜するように、特に、下流側ほど上方に向かうように傾斜するように形成される。これにより、第2押圧部材736は、高さ方向A3に沿って第2シャフト732を上方から押圧した場合に、第2シャフト732の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部を媒体搬送方向A1の下流側に押圧するように設けられる。第2弾性部材736bは、第2弾性部材136bと同様の構成を有し、一端が上側筐体102に支持され、他端が第2押圧部材736に当接するように設けられる。第2弾性部材736bは、第2当接面736aに対して媒体搬送面と直交する高さ方向A3に沿って上方から下方に向かう押圧力を加える。
【0149】
これにより、第4シャフト735は、幅方向A2の中央部が下流側に配置され、幅方向A2の端部が上流側に配置されるように湾曲する。したがって、第4シャフト735を回転軸とする各第2従動ローラ720は、幅方向A2の外側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は外側に向けて引っ張られるように搬送されるため、媒体のしわの発生が抑制される。
【0150】
特に、第2搬送ローラ719の上方に設けられた第2従動ローラ720は、第2搬送ローラ719より上流側に配置され、且つ、第2押圧部材736の第2当接面736aは、第4シャフト735の幅方向A2の中央部を下方に向けて押圧する。そのため、仮に、第2押圧部材736が第4シャフト735の幅方向A2の中央部を下流側に向けて押圧しない場合、第4シャフト735は、第2弾性部材736bによる押圧力を逃がすように、幅方向A2の中央部が上流側に配置されるように湾曲する。これにより、第4シャフト735を回転軸とする各第2従動ローラ720は、幅方向A2の内側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は内側に向けて押し付けられるように搬送される。そのため、媒体のしわが発生しやすくなる。媒体搬送装置では、第2押圧部材736が、第4シャフト735の幅方向A2の中央部を下流側に押圧することにより、媒体のしわの発生を良好に抑制することが可能となる。
【0151】
一方、第1搬送ローラ716の上方に設けられた第1従動ローラ717は、第1搬送ローラ716より下流側に配置され、且つ、第1押圧部材733の第1当接面733aは、第2シャフト732の幅方向A2の中央部を下方に向けて押圧する。そのため、第2シャフト732は、第1弾性部材733bによる押圧力を逃がすように、幅方向A2の中央部が下流側に配置されるように湾曲する。これにより、第2シャフト732は、幅方向A2の中央部が下流側に配置され、幅方向A2の端部が上流側に配置されるように湾曲する。そのため、第2シャフト732を回転軸とする各第1従動ローラ717は、幅方向A2の外側に向けて媒体を搬送させるように回転し、媒体は外側に向けて引っ張られるように搬送されるため、媒体のしわの発生が抑制される。
【0152】
上記したように、第1押圧部材733の第1当接面733aは、媒体搬送面に対して平行になるように形成されている。そのため、第1押圧部材733は、第2シャフト732の媒体搬送方向と直交する幅方向A2の中央部を、高さ方向A3に沿って下方に、即ち第1シャフト731側に押圧する。これにより、第1押圧部材133は、第2シャフト132が、幅方向A2の中央部が下流側に配置されるように湾曲し過ぎることを抑制し、媒体に外側に向かう力が加わり過ぎて媒体の損傷が発生することを抑制できる。
【0153】
一方、第1搬送ローラ716の回転軸である第1シャフト731及び第2搬送ローラ719の回転軸である第3シャフト734は、直線状にまっすぐ延伸するように設けられる。これにより、媒体搬送装置は、第1搬送ローラ716及び第2搬送ローラ719による媒体の搬送力を確保して、媒体を適切に搬送することが可能となる。
【0154】
なお、搬送機構130の代わりに搬送機構730が用いられる場合も、角度変更部材239が用いられ、第2押圧部材736は、第1押圧部材233と同様に回転可能に設けられてもよい。または、押圧力変更部材339が用いられ、第2押圧部材736は、第1押圧部材333と同様に押圧力を変更可能に設けられてもよい。また、支持部材137の代わりに支持部材437が用いられて、第4シャフト735が回転可能に設けられ、第2従動ローラ720が第4シャフト735の回転に伴って回転するように第4シャフト735に固定されてもよい。また、第4シャフト735は、第2シャフト532と同様に湾曲するように傾斜し、第2押圧部材736の第2当接面736aは、第2押圧部材136の第2当接面136aと同様に、傾斜しないように設けられてもよい。または、第4シャフト735は、第2シャフト632と同様に屈曲するように傾斜し、第2押圧部材736の第2当接面736aは、第2押圧部材136の第2当接面136aと同様に、傾斜しないように設けられてもよい。
【0155】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2従動ローラ720が上側筐体102に設けられる場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0156】
特に、媒体搬送装置100は、第2搬送ローラ719及び第2従動ローラ720の周辺での媒体のしわの発生を抑制することが可能となった。
【0157】
図23は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路860の概略構成を示す図である。処理回路860は、媒体搬送装置100の処理回路160の代わりに使用され、処理回路160の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路860は、制御回路861、検出回路862及び押圧制御回路863等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0158】
制御回路861は、制御部の一例であり、制御部161と同様の機能を有する。制御回路861は、操作装置105又はインタフェース装置142から操作信号を、第1媒体センサ111から第1媒体信号を、第2媒体センサ115から第2媒体信号を受信し、受信した各情報に基づいてモータ141を制御する。また、制御回路861は、撮像装置118から入力画像を取得し、インタフェース装置142に出力する。
【0159】
検出回路862は、検出部の一例であり、検出部162と同様の機能を有する。検出回路862は、超音波センサ114から超音波信号を受信し、受信した超音波信号に基づいて媒体の厚さを検出し、検出結果を押圧制御回路863に出力する。
【0160】
押圧制御回路863は、押圧制御部の一例であり、押圧制御部163と同様の機能を有する。押圧制御回路863は、検出回路862から媒体の厚さの検出結果を受信し、媒体の厚さに基づいて第2モータ238又は338を制御する。
【0161】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路860を用いる場合も、媒体を良好に搬送することが可能となった。
【0162】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、媒体搬送装置は、印刷対象物等を媒体として搬送するプリンタでもよい。その場合、媒体搬送装置は、撮像装置118の代わりに印刷装置を有する。印刷装置は、撮像装置118が配置される位置に配置される。媒体搬送装置は、搬送される媒体(印刷対象物)にしわが発生することを抑制できるため、印刷対象物への印刷を良好に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0163】
100 媒体搬送装置、116、716 第1搬送ローラ、117、717 第1従動ローラ、119、719 第2搬送ローラ、120、720 第2従動ローラ、131、731 第1シャフト、132、532、632、732 第2シャフト、133、233、333、533、733 第1押圧部材、134、734 第3シャフト、135、735 第4シャフト、136、736 第2押圧部材、162 検出部、239 角度変更部材、339 押圧力変更部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23