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特許7568879情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q50/40
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024026905
(22)【出願日】2024-02-26
【審査請求日】2024-03-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年8月28日に、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが、ウェブサイトにて、我妻弘幸、角田晃一、鈴木哲詩、尹盛郁、渡辺昌寛、柴原伸泰、芳野さゆり、大甲隼土、高島望、沼田篤彦、佐藤大志、本橋暁、竹田匡範、稲葉宏明、杉山純也、新居義典、安達到、小寺高載、大北要、田川翔、及び中島崇博が発明した情報処理システムに関して公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】角田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】尹 盛郁
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌寛
(72)【発明者】
【氏名】柴原 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】芳野 さゆり
(72)【発明者】
【氏名】大甲 隼土
(72)【発明者】
【氏名】高島 望
(72)【発明者】
【氏名】沼田 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大志
(72)【発明者】
【氏名】本橋 暁
(72)【発明者】
【氏名】竹田 匡範
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 宏明
(72)【発明者】
【氏名】杉山 純也
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】安達 到
(72)【発明者】
【氏名】小寺 高載
(72)【発明者】
【氏名】大北 要
(72)【発明者】
【氏名】田川 翔
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇博
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特許第7284254(JP,B2)
【文献】特開2023-069424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得する取得部と、
店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客の端末装置において行われた際に、前記取得部により取得される前記複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、前記商品の配送が可能であるか否かを推定する推定部と、
前記推定部により前記商品の配送が可能でないと推定された場合、前記顧客の注文の受け付けを行わない注文管理部と、
複数の前記受託希望ユーザがそれぞれ担当している配送の件数である担当件数の情報が記憶された記憶部と、を備え
前記推定部は、
前記担当件数が所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が所定数以上である場合、前記商品の配送が可能であると推定し、
前記担当件数が前記所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が前記所定数未満である場合、前記商品の配送が可能でないと推定し、
前記注文管理部は、前記推定部により前記商品の配送が可能であると推定された場合、前記店舗における前記商品のピッキングを指示するための注文受付通知を店舗端末に送信する
情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部は、複数の前記受託希望ユーザのそれぞれの位置情報を取得し、
前記推定部は、
所定のエリア内に位置し、且つ前記担当件数が前記所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が前記所定数以上である場合、前記商品の配送が可能であると推定し、
前記所定のエリア内に位置し、且つ前記担当件数が前記所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が前記所定数未満である場合、前記商品の配送が可能でないと推定する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記所定のエリアは、前記店舗の位置を中心とする円形のエリアとして設定されている
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記注文管理部により前記顧客の注文の受け付けが行われない場合、前記注文を受け付けることができない旨を前記端末装置に通知する通知部を更に備える
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータが、
配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得し、
店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客の端末装置において行われた際に、前記複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、前記商品の配送が可能であるか否かを推定し、
記憶部に記憶されている、複数の前記受託希望ユーザがそれぞれ担当している配送の件数である担当件数の情報に基づいて、前記担当件数が所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が所定数以上であるか否かを判断し、
前記担当件数が所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が所定数以上である場合、前記商品の配送が可能であると推定し、
前記担当件数が前記所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が前記所定数未満である場合、前記商品の配送が可能でないと推定し、
前記商品の配送が可能でないと推定された場合、前記顧客の注文の受け付けを行わないようにし、
前記商品の配送が可能であると推定された場合、前記店舗における前記商品のピッキングを指示するための注文受付通知を店舗端末に送信する
情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得させ、
店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客の端末装置において行われた際に、前記複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、前記商品の配送が可能であるか否かを推定させ、
記憶部に記憶されている、複数の前記受託希望ユーザがそれぞれ担当している配送の件数である担当件数の情報に基づいて、前記担当件数が所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が所定数以上であるか否かを判断させ、
前記担当件数が所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が所定数以上である場合、前記商品の配送が可能であると推定させ、
前記担当件数が前記所定件数未満の前記受託希望ユーザの数が前記所定数未満である場合、前記商品の配送が可能でないと推定させ、
前記商品の配送が可能でないと推定された場合、前記顧客の注文の受け付けを行わないようにさせ
前記商品の配送が可能であると推定された場合、前記店舗における前記商品のピッキングを指示するための注文受付通知を店舗端末に送信させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に記載の配送依頼システムがある。この配送依頼システムは、顧客により商品が注文された際に、商品を配送する配送員を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2024-4135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配送依頼システムでは、顧客からの注文の処理方法に関して改善の余地がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より適切に顧客からの注文を処理することが可能な情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する情報処理システムは、取得部と、推定部と、注文管理部と、備える。取得部は、配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得する。推定部は、店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客の端末装置において行われた際に、取得部により取得される複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、商品の配送が可能であるか否かを推定する。注文管理部は、推定部により商品の配送が可能でないと推定された場合、顧客の注文の受け付けを行わない。
【0006】
上記課題を解決する情報処理方法は、コンピュータが、配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得し、店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客の端末装置において行われた際に、複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、商品の配送が可能であるか否かを推定し、商品の配送が可能でないと推定された場合、顧客の注文の受け付けを行わないようにする。
【0007】
上記課題を解決するプログラムは、コンピュータに、配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得させ、店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客の端末装置において行われた際に、複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、商品の配送が可能であるか否かを推定させ、商品の配送が可能でないと推定された場合、顧客の注文の受け付けを行わないようにさせる。
【0008】
これらによれば、顧客が商品を注文した際に商品を配送することが可能でないと推定される場合には顧客の注文が受け付けられないため、より適切に顧客からの注文を処理することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムによれば、顧客の利便性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態の商品管理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図3】実施形態の配送管理サーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図4】実施形態の推定部により実行される処理の手順を示すフローチャート。
図5】実施形態の受託希望ユーザと店舗との位置関係を模式的に示す図。
図6】実施形態の情報処理システムの動作例を示すシーケンスチャート。
図7】実施形態のコンピュータのハードウェア的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<実施形態>
はじめに、本実施形態の情報処理システムの概要について説明する。
【0012】
(情報処理システムの概要)
図1に示される本実施形態の情報処理システム10は、コンビニエンスストア等の店舗で販売されている商品を、顧客により指定された配達先等に配送するサービスを提供するためのシステムである。図1に示されるように、情報処理システム10は、顧客端末20、ユーザ端末30、店舗端末40、商品管理サーバ装置50、配送管理サーバ装置60、及び配送業者システム70を備えている。端末20,30,40は、スマートフォンやタブレッド等のスマートデバイスや、所定の場所に設置されたパーソナルコンピュータ等により構成されている。サーバ装置50,60及びシステム70はサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ等により構成されている。
【0013】
端末20,30,40、サーバ装置50,60、及びシステム70は通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク11は、例えばインターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0014】
顧客端末20は、本サービスを利用することが可能な顧客により所持される。なお、図1では顧客端末20が一つのみ図示されているが、顧客端末20は複数の顧客によりそれぞれ所持されている。本実施形態では、顧客端末20が顧客の端末装置の一例である。顧客端末20には、複数の店舗でそれぞれ販売されている商品を注文することが可能な専用の注文アプリケーションがインストールされている。顧客は、注文アプリケーションを操作して、例えば複数の店舗のうちのいずれかを選択することにより、その店舗で販売されている商品の配達を注文することができる。その際、顧客は、例えば商品の希望配達日時や配達先の場所を設定することができる。顧客が端末20を操作して店舗の商品を注文すると、顧客端末20は注文要求通知を商品管理サーバ装置50に送信する。
【0015】
商品管理サーバ装置50は、複数の店舗でそれぞれ販売されている商品を統括的に管理している。商品管理サーバ装置50は、顧客端末20から送信される注文要求通知を受信すると、配送可否推定要求を配送管理サーバ装置60に対して送信する。配送管理サーバ装置60は商品の配送を統括的に管理している。配送可否推定要求は、注文された商品の配送が可能であるか否かの推定を要求するための通知である。配送管理サーバ装置60は、配送可否推定要求を商品管理サーバ装置50から受信すると、現在の配送状況等に基づいて、注文された商品の配送が可能であるか否かを推定するとともに、その推定結果を商品管理サーバ装置50に送信する。
【0016】
商品管理サーバ装置50は、注文された商品の配送が可能であると配送管理サーバ装置60により推定された場合、顧客からの商品の注文を受け付けて、実際に商品を配送するための処理を実行する。具体的には、商品管理サーバ装置50は、まず、店舗端末40に注文受付通知を送信する。注文受付通知には、注文毎に個別に付与される注文番号、商品が置かれている店舗の識別番号、注文された商品の識別番号、商品の個数、及び商品の配達先等が含まれている。
【0017】
店舗端末40は、複数の店舗のそれぞれに設けられており、各店舗の従業員により操作される。店舗端末40には、商品の注文に関連する各種操作を実行することが可能な専用の店舗用アプリケーションがインストールされている。店舗端末40は、商品管理サーバ装置50から送信される注文受付通知を受信すると、その通知に応じた商品やその個数等を店舗用アプリケーション上で画像や文字等を用いて表示する。店舗の従業員は、店舗端末40に表示される画像や文字等に基づいて、店舗の商品に対して注文があったこと、並びに注文された商品及びその個数を認識することができる。その後、店舗の従業員が、注文された商品を確保して、それに対応した操作を店舗用アプリケーション上で行うと、その旨を示すピッキング完了通知が店舗端末40から商品管理サーバ装置50に通知される。商品管理サーバ装置50は、店舗端末40から送信されるピッキング完了通知を受信すると、商品の配送を要求するための配送要求通知を配送管理サーバ装置60に送信する。配送要求通知には、注文番号、店舗番号、商品番号、商品の個数、及び商品の配達先等の情報が含まれている。
【0018】
配送管理サーバ装置60は、商品管理サーバ装置50から送信される配送要求通知を受信すると、商品の配送を配送員又は配送業者に依頼する。具体的には、配送管理サーバ装置60は、商品の配送を依頼する配送依頼通知をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は、商品の配送業務の受託を希望する受託希望ユーザにより所持されている。受託希望ユーザは、配送業者の一部の従業員や各店舗の従業員等である。なお、図1ではユーザ端末30が一つのみ図示されているが、ユーザ端末30は複数の受託希望ユーザによりそれぞれ所持されている。ユーザ端末30には、商品の配送に関連する各種操作を実行することが可能な専用の配送アプリケーションがインストールされている。受託希望ユーザが、配送アプリケーションや配送用の専用のウェブサイト等を通じて、今回の商品の配送を受託する操作を行うと、すなわち配送員として立候補する操作を行うと、そのユーザ端末30から配送管理サーバ装置60に受託通知が送信される。これにより、その端末30を所持している受託希望ユーザが、今回の商品を実際に配送する配送員として選定される。この場合、配送管理サーバ装置60は、注文が確定したことを示す注文確定通知をユーザ端末30に送信する。その後、配送員として選定された受託希望ユーザが店舗に赴いて商品を回収して、その商品を配達先に配達する。以下では、配送員として選定された受託希望ユーザを単に「ユーザ」と称することもある。
【0019】
一方、配送業務の受託を希望する受託希望ユーザが存在するものの、その受託希望ユーザが今回の商品の配送員として立候補しなかった場合、あるいは配送業務の受託を希望するユーザがそもそも存在しない場合、配送管理サーバ装置60は配送依頼通知を配送業者システム70に送信する。配送業者システム70は複数の配送業者の配送状況を統括的に管理している。配送業者システム70は、例えば各配送業者により商品を配達することが可能な時間帯や配達料金等に基づいて一つの配送業者を選定するとともに、その配送業者に配送依頼通知を送信する。この場合、選定された配送業者が店舗の商品を回収した後、その商品を顧客に配達する。
【0020】
(商品管理サーバ装置の構成)
次に、商品管理サーバ装置50の構成について具体的に説明する。図2に示されるように、商品管理サーバ装置50は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを備えている。
【0021】
通信部51は通信ネットワーク11を介して顧客端末20、店舗端末40、及び配送管理サーバ装置60と各種通信を行う。
記憶部52には、商品管理サーバ装置50が有する各種情報が記憶されている。例えば、記憶部52には、商品管理サーバ装置50を動作させるための各種プログラムが記憶されている。
【0022】
制御部53は商品管理サーバ装置50を制御する。制御部53は、例えば記憶部52に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、注文管理部530、及び通知部531等を有している。
注文管理部530は顧客からの商品の注文を管理する。例えば、注文管理部530は、顧客が商品を注文した際に顧客端末20から送信される注文要求通知を通信部51により受信すると、受信した注文要求通知に関する処理を実行する。具体的には、注文管理部530は、まず、配送可否推定要求を配送管理サーバ装置60に送信する。これにより、注文された商品の配送が可能であるか否かの推定結果が配送管理サーバ装置60から商品管理サーバ装置50に送信される。
【0023】
注文管理部530は、注文された商品の配送が可能であると推定された場合、当該商品の注文を受け付ける。これにより商品を顧客に配送するための処理、具体的には、上述した店舗端末40への注文要求通知の送信や、配送管理サーバ装置60への配送要求通知の送信等が行われる。
【0024】
一方、注文管理部530は、注文された商品の配送が可能でないと推定された場合、当該商品の注文を受け付けない。この場合、商品を顧客に配送するための処理は行われない。例えば、上述した店舗端末40への注文要求通知の送信や、配送管理サーバ装置60への配送要求通知の送信等は行われない。
【0025】
通知部531は、注文管理部530により商品の注文が受け付けられた場合、その旨を示す注文成立通知を顧客端末20に送信する。顧客端末20は、商品管理サーバ装置50から送信される注文成立通知を受信すると、注文が成立したことをディスプレイに表示する等して顧客に通知する。また、通知部531は、注文管理部530により商品の注文が受け付けられなかった場合、その旨を示す注文不成立通知を顧客端末20に送信する。顧客端末20は、商品管理サーバ装置50から送信される注文不成立通知を受信すると、注文が不成立であることをディスプレイに表示する等して顧客に通知する。このように、顧客は、商品を注文した後に端末20のディスプレイに表示される通知により、自身の注文が成立したか否かを認識することができる。
【0026】
(配送管理サーバ装置の構成)
次に、配送管理サーバ装置60の構成について具体的に説明する。図3に示されるように、配送管理サーバ装置60は、通信部61、記憶部62、及び制御部63等を備えている。
【0027】
通信部61は通信ネットワーク11を介してユーザ端末30、商品管理サーバ装置50、及び配送業者システム70等と各種通信を行う。
記憶部62には、配送管理サーバ装置60が有する各種情報が記憶されている。例えば、記憶部62には、配送管理サーバ装置60を動作させるための各種プログラムが記憶されている。また、記憶部62には、受託希望ユーザDB(database)620、及び店舗DB621等が記憶されている。
【0028】
受託希望ユーザDB620には、複数の受託希望ユーザごとに、ユーザID、パスワード、位置情報、及び担当件数等が紐付けられて記憶されている。ユーザIDは、各受託希望ユーザを一意に識別することが可能な識別子である。パスワードは、受託希望ユーザにより任意に設定される文字列等である。ユーザID及びパスワードは、例えば受託希望ユーザが配送アプリケーションや配送用の専用のウェブサイトにログインする際にユーザ端末30から配送管理サーバ装置60に送信されて、配送管理サーバ装置60におけるユーザ認証に用いられる。位置情報は、受託希望ユーザの位置、換言すればユーザ端末30の位置を示す情報であって、例えばユーザ端末30が位置している緯度経度である。担当件数は、受託希望ユーザが担当している配送の件数の情報である。担当件数は、受託希望ユーザが配送員として選定されている注文数に等しい。
【0029】
店舗DB621は、商品の注文が可能な複数の店舗ごとに、店舗ID、店舗において注文可能なメニュー、及び店舗の位置情報等が記憶されている。店舗の位置情報は、例えば店舗が位置している緯度経度である。
制御部63は配送管理サーバ装置60を制御する。制御部63は、例えば記憶部62に記憶されているプログラムを実行することにより実現される機能的な構成として、取得部630、及び推定部631等を有している。
【0030】
取得部630は複数の受託希望ユーザのそれぞれの位置情報を取得する。ユーザ端末30には、例えばGPS(Global Positioning System)を利用してユーザ端末30の現在の緯度経度等の位置情報を検出する位置センサが搭載されている。ユーザ端末30は、位置センサにより検出される位置情報を所定の周期で配送管理サーバ装置60に送信する。したがって、取得部630は、複数の受託希望ユーザのそれぞれのユーザ端末30から送信される位置情報を所定の周期で取得する。取得部630は、複数のユーザ端末30からそれぞれ取得した位置情報を、ユーザの位置情報として、複数の受託希望ユーザのそれぞれのユーザIDに関連付けて受託希望ユーザDB620に記憶させる。このように、受託希望ユーザDB620に登録されている位置情報は、取得部630が位置情報を取得する周期に対応した、ユーザ端末30の直近の位置を示すものである。
【0031】
なお、取得部630は、ユーザ端末30の直近の位置情報に代えて、ユーザ端末30の現在の位置情報を取得してもよい。
以下では、取得部630により取得されるユーザの位置情報、換言すれば受託希望ユーザDB620に登録されているユーザの位置情報を「ユーザの現在の位置情報」とも称する。
【0032】
推定部631は、注文された商品の配送が可能であるか否かを推定する。図4は、商品管理サーバ装置50から送信される配送可否推定要求を受信した際に推定部631により実行される推定処理の手順を示すフローチャートである。
図4に示されるように、推定部631は、まず、現時点で配送業務の受け付けが可能なユーザを抽出する(ステップS10)。例えば図5に示されるように受託希望ユーザとしてユーザR11~R16が存在する場合、推定部631は、ユーザR11~R16に対してステップS10の判断処理を実行する。
【0033】
具体的には、図5に示されるように、例えばユーザR15が、自身のユーザ端末30において配送アプリケーションからログアウトしている場合、推定部631は、現時点でユーザR15は配送業務の受け付けが可能でないユーザであると判断する。
また、例えばユーザR16が、自身のユーザ端末30において配送アプリケーションにログインしているものの、配送受付操作をオフ操作している場合、推定部631は、現時点でユーザR16は配送業務の受け付けが可能でないユーザであると判断する。配送アプリケーションでは、配送受付操作がオン操作されている場合、配送管理サーバ装置60から送信される配送依頼通知を受信できる状態、換言すれば配送業務の受け付けが可能な状態となる。一方、配送アプリケーションでは、配送受付操作がオフ操作されている場合、配送管理サーバ装置60から送信される配送依頼通知を受信できない状態、換言すれば配送業務の受け付けが不可能な状態となる。したがって、受託希望ユーザは、配送業務を受け付けたいときには配送アプリケーションにおいて配送受付操作をオン操作し、配送業務を受け付けたくないときには配送アプリケーションにおいて配送受付操作をオフ操作すればよい。
【0034】
さらに、例えばユーザR11~R14が、自身のユーザ端末30において配送アプリケーションにログインし、且つ配送受付操作をオン操作している場合、推定部631は、ユーザR11~R14は配送業務の受け付けが可能なユーザであると判断する。
このようにして現時点で配送業務の受け付けが可能なユーザとしてユーザR11~R14が抽出された場合、図4に示されるように、推定部631は、それらのユーザR11~R14の中から、注文対象の店舗を基準とする所定のエリアA10内に位置している受託希望ユーザを更に抽出する(ステップS11)。具体的には、所定のエリアA10は、例えば図5に示されるように、注文対象の店舗の位置を中心とする所定半径rの円形のエリアとして設定されている。推定部631は、注文対象の店舗の位置情報を店舗DB621から取得する。所定半径rは例えば10kmに設定される。推定部631は、図5に示されるように所定のエリアA10を設定した後、受託希望ユーザDB620に登録されている複数のユーザのそれぞれの現在の位置情報に基づいて、所定のエリアA10内に位置している受託希望ユーザを抽出する。例えば図5に示されるように所定のエリアA10内にユーザR11~R13が位置しており、且つユーザR14が所定のエリアA10外に位置している場合、推定部631は、所定のエリアA10内に位置している受託希望ユーザとしてユーザR11~R13を抽出する。
【0035】
このようにして、所定のエリアA10内に位置している受託希望ユーザとしてユーザR11~R13が抽出された場合、図4に示されるように、推定部631は、それらのユーザR11~R13の中から、担当件数が所定件数未満の受託希望ユーザを更に抽出する(ステップS12)。具体的には、推定部631は、ユーザR11~R13のそれぞれの担当件数の情報を受託希望ユーザDB620から取得するとともに、取得したユーザR11~R13のそれぞれの担当件数が所定数未満であるか否かを判断する。所定件数が「2件」に設定されており、且つユーザR11の担当件数が0件である場合、推定部631は、ユーザR11は商品を配送することが可能な受託希望ユーザであると判断する。また、ユーザR12の担当件数が1件である場合、推定部631は、ユーザR12も商品を配送することが可能な受託希望ユーザであると判断する。これに対して、ユーザR13の担当件数が3件である場合、推定部631は、ユーザR13は商品を配送することが可能でない受託希望ユーザであると判断する。
【0036】
このようにして、担当件数が所定件数未満の受託希望ユーザとしてユーザR11,R12が抽出された場合、推定部631は、最終的に抽出されたユーザの数が所定数以上であるか否かを判断する(ステップS13)。例えば、所定数が「1」に設定されており、且つ最終的に二人のユーザR11,R12が抽出された場合、推定部631は、最終的に抽出されたユーザの数が所定数以上であると判断する(ステップS13:YES)。この場合、推定部631は、注文された商品の配送が可能であると推定する(ステップS14)。一方、推定部631は、最終的に抽出されたユーザの数が所定数未満である場合(ステップS13:NO)、注文された商品の配送が可能でないと推定する(ステップS15)。
【0037】
推定部631は、注文された商品の配送が可能であるか否かをこのようにして推定した後、その推定結果を商品管理サーバ装置50に送信する。
(情報処理システムの動作例)
次に、本実施形態の情報処理システム10の動作例について説明する。
【0038】
図6に示されるように、本実施形態の情報処理システム10では、顧客が端末20において注文アプリケーションを操作して商品を注文すると(ステップS20)、注文要求通知が顧客端末20から商品管理サーバ装置50に送信される(ステップS21)。商品管理サーバ装置50の注文管理部530は、顧客端末20から送信される注文要求通知を受信すると(ステップS30)、配送可否推定要求を配送管理サーバ装置60に送信する(ステップS31)。
【0039】
配送管理サーバ装置60の推定部631は、商品管理サーバ装置50から送信される配送可否推定要求を受信すると(ステップS40)、図4に示される推定処理を実行するとともに(ステップS41)、推定結果を商品管理サーバ装置50に送信する(ステップS42)。
【0040】
商品管理サーバ装置50の注文管理部530は、配送管理サーバ装置60から送信される推定結果を受信すると(ステップS32)、当該推定結果に基づいて、注文された商品の配送が可能であるか否かを判断する(ステップS33)。注文された商品の配送が可能であると注文管理部530により判断された場合(ステップS33:YES)、商品管理サーバ装置50の通知部531は注文成立通知を顧客端末20に送信する(ステップS34)。以降、商品管理サーバ装置50及び配送管理サーバ装置60は、注文された商品を実際に配送するための処理を実行する。
【0041】
一方、配送管理サーバ装置60の推定結果に基づいて、注文された商品の配送が可能でないと注文管理部530により判断された場合(ステップS33:NO)、商品管理サーバ装置50の通知部531は注文不成立通知を顧客端末20に送信する(ステップS35)。この場合、注文された商品を実際に配送するための以降の処理が実行されずに、一連の処理が終了される。
【0042】
(情報処理システムのハードウェア的な構成)
次に、図7を参照して、コンピュータ100により端末20,30,40、サーバ装置50,60、及び配送業者システム70を実現する場合のコンピュータ100のハードウェア的な構成の一例について説明する。
【0043】
図7に示されるように、コンピュータ100は、プロセッサ101、記憶装置102、通信装置103、入力装置104、及び出力装置105等を有している。プロセッサ101はCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等である。記憶装置102は、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)の少なくとも一つにより構成される。通信装置103は有線通信又は無線通信を行う。入力装置104は、入力操作を受け付ける装置であり、例えばキーボード、タッチパネル、マウス、マイクの少なくとも一つにより構成される。出力装置105は、情報の出力を行う装置であり、例えばディスプレイ、タッチパネル、及びスピーカの少なくとも一つにより構成される。
【0044】
(本実施形態の情報処理システムの作用及び効果)
以上説明した通り、本実施形態の情報処理システム10は、取得部630と、推定部631と、注文管理部530とを備える。取得部630は、複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得する。推定部631は、店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客端末20において行われた際に、取得部630により取得される複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、商品の配送が可能であるか否かを推定する。注文管理部530は、推定部631により商品の配送が可能であると推定された場合、顧客の注文の受け付けを行い、推定部631により商品の配送が可能でないと推定された場合、顧客の注文の受け付けを行わない。
【0045】
顧客からの注文を一旦受け付けた後、例えば店舗において商品をピックアップすることができなかった時点や、配送員を選定することができなかった時点で顧客の注文をキャンセルすると、注文がキャンセルされるまでに時間を要する。そのため、顧客が不満を感じるおそれがある。この点、本実施形態の情報処理システム10では、顧客により商品が注文された際に、商品のピックアップや配送員の選定が行われるよりも前に、商品の配送が可能であるかが推定されて、商品の配送が可能でないと推定される場合には、顧客の注文が受け付けられないため、より適切に顧客の注文を処理することが可能となる。
【0046】
取得部630は、複数の受託希望ユーザのそれぞれの位置情報を取得する。推定部631は、所定のエリアA10内に位置し、且つ担当件数が所定件数未満の受託希望ユーザの数が所定数以上である場合、商品の配送が可能であると推定する。また、推定部631は、所定のエリアA10内に位置し、且つ担当件数が所定件数未満の受託希望ユーザの数が所定数未満である場合、商品の配送が可能でないと推定する。
この構成によれば、商品の配送が可能であるか否かを容易に推定することが可能となる。
【0047】
情報処理システム10は通知部531を更に備える。通知部531は、注文管理部530により顧客の注文の受け付けが行われない場合、注文を受け付けることができない旨を顧客端末20に通知する。
この構成によれば、注文の受け付け難しいことを、より早期に顧客が認知することができるため、顧客の利便性を向上させることが可能となる。
【0048】
<他の実施形態>
本開示は上記の具体例に限定されるものではない。
【0049】
例えば推定部631は、図4に示される推定処理とは別の処理を用いて、商品の配送が可能であるか否かを推定してもよい。例えば、推定部631は、図4に示される処理を、ステップS12に示される処理を省略して実行することにより、すなわち担当件数の情報を用いることなく、商品の配送が可能であるか否かを推定してもよい。
【0050】
上記実施形態の推定部631は、店舗を中心とする所定のエリアA10内に位置しているという条件、及び担当件数が所定件数未満であるという条件を満たしている受託希望ユーザを、商品を配送することが可能なユーザであると判断するものであった。しかしながら、推定部631は、別の条件を更に満たす受託希望ユーザを、商品を配送することが可能なユーザであると判断するものであってもよい。別の条件としては、例えば受託希望ユーザの配送の評価値が所定値以上であるという条件を用いることが可能である。配送の評価値は、受託希望ユーザが過去に配送した際の顧客からの評価を数値化したものである。
【0051】
商品管理サーバ装置50及び配送管理サーバ装置60がそれぞれ有する機能的な構成は、ユーザ端末30のみ、商品管理サーバ装置50のみ、配送管理サーバ装置60のみ、あるいはユーザ端末30、配送管理サーバ装置60、及びユーザ端末30のそれぞれに設けられていてもよい。例えば、商品管理サーバ装置50が有する注文管理部530及び通知部531の少なくとも一方がユーザ端末30や配送管理サーバ装置60に設けられていてもよい。また、配送管理サーバ装置60が有する取得部630及び推定部631の少なくとも一方がユーザ端末30や商品管理サーバ装置50に設けられていてもよい。さらに、商品管理サーバ装置50及び配送管理サーバ装置60は一つのサーバ装置として構成されていてもよい。
【0052】
上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0053】
10:情報処理システム、20:顧客端末(端末装置)、100:コンピュータ、530:注文管理部、531:通知部、630:取得部、631:推定部。
【要約】
【課題】より適切に顧客からの注文を処理することが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システム10は、取得部と、推定部と、注文管理部とを備える。取得部は、配送業務の受託を希望する複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報を取得する。推定部は、店舗に存在する商品の配送を注文する操作が顧客端末20において行われた際に、取得部により取得される複数の受託希望ユーザのそれぞれの情報に基づいて、商品の配送が可能であるか否かを推定する。注文管理部は、推定部により商品の配送が可能でないと推定された場合、顧客の注文の受け付けを行わない。
【選択図】図1
図1
図2
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図4
図5
図6
図7