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特許7568881地下構造推定方法及び地下構造推定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】地下構造推定方法及び地下構造推定システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/30 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G01V1/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024107010
(22)【出願日】2024-07-02
【審査請求日】2024-07-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠松 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】高井 剛
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-349491(JP,A)
【文献】特開2006-337191(JP,A)
【文献】特開平11-287865(JP,A)
【文献】特開2006-292415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V1/00-99/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微動アレイによって観測地点における地盤の微動を観測し、観測された前記微動から地盤を伝播する波の周波数と位相速度との関係を用いて、少なくとも基盤層におけるS波速度及び前記基盤層の上面までの深さを逆解析することによって算出して、前記観測地点での地下構造を推定する地下構造推定方法であって、
複数の前記観測地点のうち所定の前記観測地点をグループ観測地点としてグループ化し、
当該グループ化された全ての前記グループ観測地点の前記基盤層における前記S波速度を同一のものとして前記逆解析を行い、前記グループ観測地点それぞれの前記基盤層における前記S波速度及び前記基盤層の上面までの深さを算出する地下構造推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載された地下構造推定方法であって、
複数の前記観測地点それぞれにおいて前記逆解析を行って前記基盤層における前記S波速度を算出し、
前記複数の前記観測地点のうち、前記基盤層における前記S波速度が所定の範囲内にある前記観測地点を前記グループ観測地点として前記グループ化する地下構造推定方法。
【請求項3】
観測地点における地盤の微動を観測する微動アレイと、
前記微動アレイによって観測された前記微動から地盤を伝播する波の周波数と位相速度との関係を用いて、少なくとも基盤層におけるS波速度及び前記基盤層の上面までの深さを逆解析することによって算出して、前記観測地点での地下構造を推定する演算装置と、を備えた地下構造推定システムであって、
前記演算装置は、
複数の前記観測地点のうち所定の前記観測地点をグループ観測地点としてグループ化し、当該グループ化された全ての前記グループ観測地点の前記基盤層における前記S波速度を同一のものとして前記逆解析を行い、前記グループ観測地点それぞれにおける前記基盤層における前記S波速度及び前記基盤層の上面までの深さを算出する地下構造推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下構造推定方法及び地下構造推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、微動アレイによって地下構造を推定する地下構造推定方法(微動アレイ探査)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-287865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された発明では、微動計を三角形や円形に設置し、観測した地盤を伝播する波の相関解析を行って、周波数と位相速度との関係を算出している。さらに、算出した周波数と位相速度との関係を用いて、各地層におけるS波速度、及び各地層の深さを逆解析して求めている。
【0005】
このような微動計を用いて地下構造を推定する場合においては、例えば、観測地点どうしが近い地点で基盤層のS波速度が略同じ値になること、あるいは、基盤層の上面までの深さと標準貫入試験でN値に明瞭な変化が生じる深度が略同じ値になることを確認することによって、推定精度を把握している。
【0006】
しかしながら、微動アレイ探査では、周辺で行われている交通振動などがノイズとなり、逆解析で対象とする位相速度の周波数帯域が限定される場合があること、また、逆解析で同定する未知パラメータの数が多いことが原因となり、解が安定せずに隣接する観測地点で基盤層のS波速度が大きく異なる、あるいは、基盤層の上面までの深さが標準貫入試験によるN値と乖離するといったように、地下構造の推定精度が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、地下構造の推定精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、微動アレイによって観測地点における地盤の微動を観測し、観測された微動から地盤を伝播する波の周波数と位相速度との関係を用いて、少なくとも基盤層におけるS波速度及び基盤層の上面までの深さを逆解析することによって算出して、観測地点での地下構造を推定する地下構造推定方法であって、複数の観測地点のうち所定の観測地点をグループ観測地点としてグループ化し、当該グループ化された全てのグループ観測地点の基盤層におけるS波速度を同一のものとして逆解析を行い、グループ観測地点それぞれの基盤層におけるS波速度及び基盤層の上面までの深さを算出する。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、複数の観測地点の波の周波数と位相速度との関係を用いて、基盤層のS波速度を同一とする条件の下で、同時に逆解析をしているので、十分な周波数帯域の位相速度を評価できない観測地点があったとしても、逆解析の未知パラメータを減らす工夫をすることで、地下構造の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明に係る地盤構造推定システムの概略図である。
図2図2は、本発明に係る微動アレイにおける振動センサの配置を示す図である。
図3図3は、逆解析によって算出した分散特性の一例を示す図である。
図4図4は、地盤のS波速度構造の一例を示す図である。
図5図5は、本発明に係る地盤構造推定システムのおけるS波速度構造の推定方法の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、複数の観測地点における基盤層のS波速度を同一として算出した分散特性の一例を示す図である。
図7図7は、複数の観測地点における基盤層のS波速度を同一として推定した地盤のS波速度構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る地盤構造推定システム100について説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る地盤構造推定システム100の概略図である。本実施形態に係る地盤構造推定システム100は、地表Sに設置した複数の微動アレイ10によって地盤Gの常時微動を同時に観測し、観測した常時微動を用いて相関解析することにより、周波数とレイリー波の位相速度との関係を求める。その周波数と位相速度との関係の再現性に基づいて、地盤GのS波速度構造(地下構造)を推定する。なお、本実施形態では、説明をわかりやすくするために、地盤Gが、基盤層1と、基盤層1より地表S側の表土層2の二層とであり、基盤層1が工学的基盤である場合を例に説明する。なお、工学的基盤とは、構造物の設計に際して地震動策定の基礎とする硬質な地盤のことを意味し、例えば、S波速度Vs1が400m/s以上の地層である。
【0013】
図1に示すように、地盤構造推定システム100は、地表Sに設置された複数の微動アレイ10と、微動アレイ10によって測定された微動データを用いて周波数と位相速度との関係を計算し、地盤GのS波速度構造を解析する解析装置20(演算装置)と、を有する。
【0014】
図2(A)に示すように、微動アレイ10は、例えば、4個の振動センサ11によって構成される。4個の振動センサ11は、正三角形の頂点となる位置と正三角形の中心となる位置とに配置される。微動アレイ10は、常時微動の鉛直成分を観測する。
【0015】
微動アレイ10は、調査対象となる敷地内に適当な間隔を開けて複数設置される。図1に示す例では、観測地点P1~P6の6カ所に微動アレイ10を設置しているが、設置個所の個数や微動アレイ10同士の間隔は、適宜選択可能である。
【0016】
微動アレイ10によって得られる分散特性の周波数範囲は、微動アレイ10における振動センサ11の間隔によって決定される。このため、本実施形態では、例えば、地盤Gの探査深度に基づいて周波数範囲を3~4つに分けて、これらの周波数範囲に応じて振動センサ11の間隔を変えて、常時微動をそれぞれ測定する。
【0017】
なお、本実施形態では、微動アレイ10を4つの振動センサ11によって構成しているが、振動センサ11の個数は4つに限らず適宜変更できる。例えば、図2(B)のように、7個の振動センサ11を大きさが異なる2つの三角形の頂点およびそれらの中心に配置し、同時に観測を行ってもよい。また、振動センサ11を配置する位置も正三角形の頂点に相当する位置に限らない。例えば、7個の振動センサ11を所定半径の円の中心となる位置と、この所定半径の円の円周上に60°間隔に6個設けてもよい。さらに、異なる半径の複数の円の円周上のそれぞれに複数の振動センサ11を設けてもよい。
【0018】
解析装置20には、微動アレイ10によって観測された微動の波形データが入力される。解析装置20は、微動の波形データをもとに周波数と位相速度との関係を算出し、その関係の再現性に基づいて地盤GのS波速度構造を逆解析法(インバージョン法)により算出する。以下に具体的に説明する。
【0019】
解析装置20は、微動アレイ10によって観測された微動データを用いて、空間自己相関法(いわゆる、SPAC法)によってレイリー波の分散特性を算出する。分散特性は、図3に示すような周波数Fと位相速度PVとの関係を示すものである。図3における「〇」は、観測データを示している。また、図3における理論分散特性Lrは、地盤GのS波速度構造から算出される理論上の周波数Fと位相速度PVとの関係である。
【0020】
本実施形態の地盤構造推定システム100では、観測分散特性Loに理論分散特性Lrが適合するS波速度構造を逆解析することによって求めることで、地盤GのS波速度構造を推定する。本実施形態では、基盤層1のS波速度Vs1と、表土層2のS波速度Vs2と、表土層2の層厚、つまり、地表Sから基盤層1の上面1aまでの深さHと、をパラメータとして、逆解析を行う。逆解析の方法として遺伝的アルゴリズムを使用する。遺伝的アルゴリズムは、周知のものであるので、ここでは説明を省略する。なお、逆解析の方法は、これに限らず、最小二乗法などを用いてもよい。
【0021】
このようにして得られた地盤GのS波速度構造を図4に示す。図4の横軸は、S波速度Vsであり、縦軸は、地表Sからの深さHである。図4に示す例では、基盤層1の上面1aまでの深さHは、H1になっている。
【0022】
本実施形態では、調査対象となる敷地内の観測地点P1~P6(図1参照)それぞれにおいて、S波速度構造を推定する。なお、以下では、観測地点P1~P6に関して、特定の観測地点を意味しない場合は、単に「観測地点P」という。
【0023】
ところで、近接した観測地点P(例えば、図1における観測地点P1と観測地点P2)では、基盤層1におけるS波速度Vs1が同程度になることが考えられる。また、基盤層1の深さHは、標準貫入試験によって明らかにされる支持層深度とおおむね対応することが考えられる。しかしながら、例えば、周辺で行われている交通振動の影響などにより、観測した微動の波形データから、どちらかの観測地点で、十分な周波数帯域の位相速度を評価できない場合がある。また、観測地点P1と観測地点P2とにおいて、基盤層1のS波速度Vs1、表土層2のS波速度Vs2、及び表土層2の層厚(地表Sから基盤層1の上面1aまでの深さH)を推定する場合、未知パラメータは計6個と多くなる。このように、限定的な周波数しかデータが得られておらず、また、未知パラメータの数が多い状況では、観測地点P1と観測地点P2とにおいて推定される基盤層1のS波速度Vs1が大きく異なる場合がある。また、観測地点P1と観測地点P2において推定された表土層2の層厚が、標準貫入試験によるN値に基づく支持層深度と略対応しない場合がある。
【0024】
このように、各々の観測地点Pで得られた観測データに基づいてS波速度構造を推定する場合には、地盤GにおけるS波速度構造の推定精度に問題が生じてしまうおそれがある。
【0025】
そこで、本実施形態の地盤構造推定システム100では、複数の観測地点Pをグループ化し、拘束条件を設けて、グループ化された観測地点Pについて同時に逆解析を行う。以下に、本実施形態の地盤構造推定システム100におけるS波速度構造の推定方法を、図5に示すフローチャートを参照しながら、具体的に説明する。
【0026】
まず、ステップS1において、観測地点P1~P6それぞれにおいて逆解析を行う。具体的には、微動アレイ10によって観測された微動データに基づいて周波数と位相速度との関係を算出し、上述した逆解析を行い、観測地点P1~P6それぞれにおける基盤層1のS波速度Vs1、表土層2におけるS波速度Vs2、及び基盤層1の上面1aまでの深さHを算出する。
【0027】
ステップS2では、観測地点P1~P6をグループ化する。具体的には、ステップS1において算出した基盤層1のS波速度Vs1が所定の範囲内にある観測地点P1~P6(例えば、基盤層1のS波速度Vs1の差が100m/s~200m/s程度の範囲内にある観測地点P)をグループとする。なお、以下では、グループ化された観測地点Pを「グループ観測地点Pg」という。
【0028】
ステップS3では、各グループ観測地点Pgにおける基盤層1のS波速度Vs1、表土層2のS波速度Vs2、及び基盤層1の上面1aまでの深さHを再度算出する。具体的には、グループ化された全てのグループ観測地点Pgの基盤層1におけるS波速度Vs1を共通の値(S波速度Vs1com)として、全てのグループ観測地点Pgについて同時に逆解析を行い、各グループ観測地点Pgにおける基盤層1のS波速度Vs1com、表土層2のS波速度Vs2、及び基盤層1の上面1aまでの深さHを算出する。
【0029】
本実施形態の地盤構造推定システム100では、このようにして地盤Gの地下構造(S波速度構造)を推定する。
【0030】
例えば、図1における観測地点P1、P2、P5及びP6をグループとし、図5に示す付フローチャートに従って逆解析を行った結果の一例を図6及び図7に示す。図5に示すフローチャートのステップS1において観測地点P1、P2、P5及びP6を別々に逆解析した場合には、未知数は12個になるが、図5に示すフローチャートのステップS3において基盤層1のS波速度Vs1を共通の値(S波速度Vs1com)とした場合には、未知パラメータの数を9個に減らすことができる。また、観測地点P2では、他の観測地点P1、P5及びP6と比べて低周波数側の位相速度が得られておらず、その不足データを観測地点P1、P5及びP6で補うことができる。
【0031】
本実施形態のS波速度構造の推定方法では、図7に示すように、観測地点P2における基盤層1の上面1aの深さHは13mであり、他の観測地点P1(深さH=16m)、P5(深さH=21m)、P6(深さH=22m)より浅くなっている。また、基盤層1におけるS波速度Vs1comは、545m/sとなっており、400m/s以上とされる工学的基盤の条件を満足する。観測地点P1、P2、P5及びP6における基盤層1の上面1aまでの深さHは、標準貫入試験や土質柱状図などの既存の地盤調査資料と対応することが確認され、適切なものと言える。なお、観測地点P1、P2、P5及びP6のS波速度構造を別々に推定した結果(図5に示すフローチャートのステップS1での結果)では、基盤層1の上面1aまでの深さHは、観測地点P2よりも観測地点P1の方が深く推定され、既存の地盤調査資料と対応しない結果であった。また、観測地点P1と観測地点P2で基盤層1のS波速度Vs1に150m/s程度の違いがあった。
【0032】
このように、本実施形態のS波速度構造の推定方法では、基盤層1のS波速度Vs1を同一のものとして、各グループ観測地点Pgにおける逆解析を同時に行っている。これにより、微動アレイ10によって取得した各グループ観測地点Pgにおけるデータを共有することで、未知パラメータの数を減らして、安定した逆解析を行うことができる。この結果、十分な周波数帯域の位相速度が取得できていないグループ観測地点Pg(図6及び図7に示す例では、観測地点P2)が存在しても、他のグループ観測地点Pgにおける低周波数のデータを考慮して逆解析が行わるため、低周波数のデータが不足することに起因する誤差の影響が低減され、地盤GのS波速度構造(地下構造)の推定精度を向上させることができる。
【0033】
なお、上記実施形態では、まず、観測地点P1~P6それぞれにおいて逆解析を行い(ステップS1)、その結果に基づいて、観測地点P1~P6のグループ化を行っている(ステップS2)が、これに限らない。例えば、観測地点P1~P6の間の距離などに基づいて、観測地点P1~P6をグループ化してもよい。この場合には、ステップS1の工程を省略することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、周波数Fと位相速度PVとの分散特性を空間自己相関法によって算出しているが、これに代えて、周波数-波数スペクトル法により算出してもよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0036】
上記実施形態では、地盤Gが二層である場合を例に説明したが、実際には、例えば、ボーリング調査などで地層の数を把握しておき、各層のS波速度Vsをパラメータに含め、逆解析を行う。
【0037】
また、上記実施形態では、基盤層1が工学的基盤である場合(S波速度Vs1が400m/s以上である場合)を例に説明したが、これ限らず、基盤層1のS波速度Vs1が400m/sより小さなS波速度の地層であってもよい。つまり、上記実施形態の地下構造推定方法は、基盤層1のS波速度Vs1が400m/sより小さなS波速度の地層についても適用できる。
【符号の説明】
【0038】
100・・・地盤構造推定システム
1・・・基盤層
1a・・・上面
2・・・表土層
10・・・微動アレイ
11・・・振動センサ
20・・・解析装置(演算装置)
G・・・地盤
H・・・深さ
P,P1,P2,P3,P4,P5,P6・・・観測地点
Pg・・・グループ観測地点
S・・・地表
【要約】
【課題】地下構造の推定精度を向上させる。
【解決手段】微動アレイ10によって観測地点P1~P6における地盤の微動を観測し、観測された微動から地盤Gを伝播する波の周波数と位相速度との関係を用いて、少なくとも基盤層1におけるS波速度Vs1及び基盤層1の上面1aまでの深さHを逆解析することによって算出して、観測地点P1~P6での地下構造を推定する地下構造推定方法である。地下構造推定方法は、複数の観測地点P1~P6のうち所定の観測地点をグループ観測地点Pgとしてグループ化し、グループ化された全てのグループ観測地点Pgの基盤層1におけるS波速度Vs1を同一のものとして逆解析を行い、グループ観測地点Pgそれぞれの基盤層1におけるS波速度Vs1及び基盤層1の上面1aまでの深さHを算出する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7