(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】タグ読取装置
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
G06K7/10 140
(21)【出願番号】P 2020165546
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 宗貢
(72)【発明者】
【氏名】坪田 啓太
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-143023(JP,A)
【文献】特開2004-213547(JP,A)
【文献】特開2002-368629(JP,A)
【文献】特開平11-032451(JP,A)
【文献】特開2004-038574(JP,A)
【文献】国際公開第2019/134603(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグに記憶されている情報を読み取るためのタグ読取装置であって、
電波の送信と、前記電波に対する前記RFIDタグからの応答の受信と、を実行可能なリーダと、
第1種のRFIDタグと、第2種のRFIDタグと、を含む複数種類のRFIDタグの中から、前記第1種のRFIDタグを判別するための判別情報を記憶するメモリと、
前記リーダが、前記電波を送信して、対象のRFIDタグから前記電波に対する第1の応答を受信する場合に、受信済みの前記第1の応答と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別する判別部と、
前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記リーダを介して、前記第1種のRFIDタグに記憶されている特定の情報を読み取るための要求を前記第1種のRFIDタグである前記対象のRFIDタグに送信する第1の要求送信部であって、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグでないことが判別される場合に、前記要求は前記対象のRFIDタグに送信されない、前記第1の要求送信部と、
を備える、タグ読取装置。
【請求項2】
受信済みの前記第1の応答は、前記RFIDタグの第1の記憶領域に記憶されている第1の情報と、前記RFIDタグのうち、前記第1の記憶領域とは異なる第2の記憶領域に記憶されている第2の情報と、を含み、
前記判別部は、
前記第1の応答内の前記第1の情報と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別し、
前記第1の応答内の前記第1の情報と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグでないと判別される場合に、前記第1の応答内の前記第2の情報と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別する、請求項1に記載のタグ読取装置。
【請求項3】
受信済みの前記第1の応答は、前記対象のRFIDタグを識別するための第1の識別情報を含み、
前記タグ読取装置は、さらに、
前記リーダが前記対象のRFIDタグから前記第1の応答を受信する場合に、受信済みの前記第1の応答内の前記第1の識別情報を前記メモリに記憶する記憶制御部と、
前記第1の識別情報が前記メモリに記憶された後に、次のRFIDタグから前記電波に対する第2の応答を受信し、かつ、受信済みの前記第2の応答が、前記メモリに記憶されている前記第1の識別情報と同じ第2の識別情報を含む場合に、前記メモリ内の前記判別情報を利用した判別を実行することなく、前記第1種のRFIDタグに記憶されている前記情報を読み取るための前記要求を前記第1種のRFIDタグである前記次のRFIDタグに送信する第2の要求送信部と、
を備える、請求項1又は2に記載のタグ読取装置。
【請求項4】
前記タグ読取装置は、さらに、
前記タグ読取装置のユーザへの報知動作を実行する報知部と、
前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、第1の報知動作を前記報知部に実行させ、前記対象のRFIDタグが前記第2種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記第1の報知動作とは異なる第2の報知動作を前記報知部に実行させる、報知制御部と、
を備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載のタグ読取装置。
【請求項5】
前記報知制御部は、さらに、
前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合において、前記要求を前記第1種のRFIDタグである前記対象のRFIDタグに送信する前に、前記第1種のRFIDタグに記憶されている前記特定の情報を読み取る通信を開始することをユーザに報知する第3の報知動作を前記報知部に実行させる、請求項
4に記載のタグ読取装置。
【請求項6】
前記第1種のRFIDタグの消費電力は、前記第2種のRFIDタグの消費電力よりも大きく、
前記タグ読取装置は、さらに、
前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記リーダの出力を高める電力制御部を備える、請求項1から
5のいずれか一項に記載のタグ読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、RFID(Radio Frequency Identifierの略)タグに記憶されている情報を読み取るためのタグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ユーザによって指定される情報を記憶する一般的なRFIDタグだけでなく、様々な種類の特殊なRFIDタグが登場している。例えば、特許文献1には、センサの計測情報を記憶する特殊なRFIDタグが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特殊なRFIDタグの登場により、一般的なRFIDタグと特殊なRFIDタグが混在する環境が増加している。例えば、一般的なRFIDタグと特殊なRFIDタグが混在する環境において特殊なRFIDタグの情報を読み取るときに、ユーザは、タグ読取装置を操作して、その設定を特殊なRFIDタグを利用しない設定から特殊なRFIDタグを利用する設定に変更する。ユーザは、設定を変更する操作に煩わしさを感じ得る。
【0005】
本明細書では、複数種類のRFIDタグが混在する環境において、ユーザの利便性を向上させるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示するタグ読取装置は、電波の送信と、前記電波に対する前記RFIDタグからの応答の受信と、を実行可能なリーダと、第1種のRFIDタグと、第2種のRFIDタグと、を含む複数種類のRFIDタグの中から、前記第1種のRFIDタグを判別するための判別情報を記憶するメモリと、前記リーダが、前記電波を送信して、対象のRFIDタグから前記電波に対する第1の応答を受信する場合に、受信済みの前記第1の応答と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別する判別部と、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記リーダを介して、前記第1種のRFIDタグに記憶されている特定の情報を読み取るための要求を前記第1種のRFIDタグである前記対象のRFIDタグに送信する第1の要求送信部であって、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグでないことが判別される場合に、前記要求は前記対象のRFIDタグに送信されない、前記第1の要求送信部と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、タグ読取装置は、受信済みの第1の応答とメモリ内の判別情報とを利用して、対象のRFIDタグが第1種のRFIDタグであることを判別し、第1種のRFIDタグに記憶されている特定の情報を読み取るための要求を対象のRFIDタグに自動的に送信する。ユーザは、タグ読取装置を操作して、タグ読取装置の設定を、当該要求を送信しない設定から当該要求を送信する設定に変更しなくてもよい。複数種類のRFIDタグが混在する環境において、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0008】
受信済みの前記第1の応答は、前記RFIDタグの第1の記憶領域に記憶されている第1の情報と、前記RFIDタグのうち、前記第1の記憶領域とは異なる第2の記憶領域に記憶されている第2の情報と、を含み、前記判別部は、前記第1の応答内の前記第1の情報と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別し、前記第1の応答内の前記第1の情報と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグでないと判別される場合に、前記第1の応答内の前記第2の情報と、前記メモリ内の前記判別情報と、を利用して、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別してもよい。
【0009】
このような構成によれば、複数の領域内の情報を利用してRFIDタグの種類を判別するので、判別の精度を向上させることができる。
【0010】
受信済みの前記第1の応答は、前記対象のRFIDタグを識別するための第1の識別情報を含み、前記タグ読取装置は、さらに、前記リーダが前記対象のRFIDタグから前記第1の応答を受信する場合に、受信済みの前記第1の応答内の前記第1の識別情報を前記メモリに記憶する記憶制御部と、前記第1の識別情報が前記メモリに記憶された後に、次のRFIDタグから前記電波に対する第2の応答を受信し、かつ、受信済みの前記第2の応答が、前記メモリに記憶されている前記第1の識別情報と同じ第2の識別情報を含む場合に、前記メモリ内の前記判別情報を利用した判別を実行することなく、前記第1種のRFIDタグに記憶されている前記情報を読み取るための前記要求を前記第1種のRFIDタグである前記次のRFIDタグに送信する第2の要求送信部と、を備えてもよい。
【0011】
このような構成によれば、種類の判別が一度終了している次のRFIDタグについて、再度の判別を省略することができる。再度の判別を省略することにより、次のRFIDタグに記憶されている情報を速やかに読み取ることができる。
【0012】
本明明細書が開示する他のタグ読取装置は、電波の送信と、前記RFIDタグからの前記電波に対する応答の受信と、を実行可能なリーダと、前記リーダを介して、第1種のRFIDタグと、第2種のRFIDタグと、を含む複数種類のRFIDタグの中から、前記第1種のRFIDタグを判別するため判別電波を送信する判別電波送信部と、前記判別電波に対する応答結果を利用して、対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであるのか否かを判別する判別部と、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記リーダを介して、前記第1種のRFIDタグに記憶されている特定の情報を読み取るための要求を前記第1種のRFIDタグである前記対象のRFIDタグに送信する第1の要求送信部であって、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグでないことが判別される場合に、前記要求は前記対象のRFIDタグに送信されない、前記第1の要求送信部と、を備える。
【0013】
このような構成によれば、タグ読取装置は、判別電波に対する応答結果を利用して、対象のRFIDタグが第1種のRFIDタグであることを判別し、第1種のRFIDタグに記憶されている情報を読み取るための要求を対象のRFIDタグに自動的に送信する。ユーザは、タグ読取装置を操作して、タグ読取装置の設定を、当該要求を送信する設定から当該要求を送信する設定に変更しなくてもよい。複数種類のRFIDタグが混在する環境において、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
前記判別電波は、前記第1種のRFIDタグが解釈可能であり、前記第2種のRFIDタグが解釈不可能なコマンドであってもよい。
【0015】
前記第1種のRFIDタグは、第1の通信プロトコルを利用して通信可能であり、前記第2種のRFIDタグは、前記第1の通信プロトコルとは異なる第2の通信プロトコルを利用して通信可能であり、前記判別電波は、前記第1の通信プロトコルに従ったコマンドであってもよい
【0016】
前記タグ読取装置は、さらに、前記タグ読取装置のユーザへの報知動作を実行する報知部と、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、第1の報知動作を前記報知部に実行させ、前記対象のRFIDタグが前記第2種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記第1の報知動作とは異なる第2の報知動作を前記報知部に実行させる、報知制御部と、を備えてもよい。
【0017】
このような構成によれば、複数種類のRFIDタグが混在する環境において、どの種類のRFIDタグが読み取られるのかユーザに知らせることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0018】
前記報知制御部は、さらに、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合において、前記要求を前記第1種のRFIDタグである前記対象のRFIDタグに送信する前に、前記第1種のRFIDタグに記憶されている前記特定の情報を読み取る通信を開始することをユーザに報知する第3の報知動作を前記報知部に実行させてもよい。
【0019】
このような構成によれば、第1種のRFIDタグ(例えば特殊なRFIDタグ)の情報の読み取りを開始することをユーザに知らせることができる。
【0020】
前記第1種のRFIDタグの消費電力は、前記第2種のRFIDタグの消費電力よりも大きく、前記タグ読取装置は、さらに、前記対象のRFIDタグが前記第1種のRFIDタグであることが判別される場合に、前記リーダの出力を高める電力制御部を備えてもよい。
【0021】
このような構成によれば、電波の電力の不足により、消費電力の大きい第1種のRFIDタグに記憶されている情報の読み取りが失敗することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】タグ読取装置のブロック図、一般的なRFIDタグ、及び、特殊なRFIDタグを示す。
【
図2】第1実施例のタグ読取装置において実行される処理のフローチャート示す。
【
図4】第2、第3実施例のタグ読取装置において実行される処理のフローチャート示す。
【
図5】第4実施例のタグ読取装置において実行される処理のフローチャート示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施例)
第1実施例に係るタグ読取装置10は、RFID(Radio Frequency Identifierの略)タグ(例えば100、200)に記憶されている情報を読み取るため装置である。なお、
図1では、理解の簡略化のために2個のRFIDタグ100、200のみを図示しているが、実際には、3個以上のRFIDタグが存在する環境が想定される。
【0024】
(RFIDタグ;
図1)
近年では、様々な種類のRFIDタグが登場している。一般的なRFIDタグ100は、ユーザによって指定される情報(例えば商品番号)を記憶するRFIDタグである。一方、特殊なRFIDタグ200は、ユーザによって指定される情報を記憶する機能だけでなく、他の機能を有する。当該他の機能は、例えば、センサ(図示省略)の測定値を記憶する機能である。なお、変形例では、当該他の機能は、例えば、様々な情報(例えば商品名、値段)を特殊なRFIDタグに備えられているディスプレイに表示する機能である。
【0025】
図1に示すように、RFIDタグは、記憶領域として、EPC(Electronic Product Codeの略)領域、TID(Tag identifierの略)領域、及び、ユーザ領域を備える。EPC領域は、GS1の規格に準拠したGS1識別コードを記憶するための領域である。TID領域は、RFIDタグの製造者によって指定される情報(例えばモデル名、製造番号)を記憶するための領域である。ユーザ領域は、RFIDタグを利用するユーザによって指定されるユーザ指定情報(例えば商品番号)を記憶するための領域である。
【0026】
例えば、特殊なRFIDタグ200において、センサの測定値は、ユーザ領域のうち、特定のアドレスによって識別される特定の領域に記憶される。なお、変形例では、センサの測定値は、TID領域内の特定の領域に記憶されてもよい。
【0027】
RFIDタグは、後述するタグリーダ20から読取のトリガとなるトリガ信号を受信すると、EPC領域、TID領域、及び、ユーザ領域の各領域に記憶されている情報をトリガ信号に対する応答として送信する。ここで、特殊なRFIDタグにおいて、当該応答は、特定の領域に記憶されている測定値を含まない。特殊なRFIDタグは、タグリーダ20からトリガ信号とは異なる要求信号を受信すると、特定の領域内の測定値を要求信号に対する応答として送信する。要求信号は、特定の領域を識別する特定のアドレスを含む。
【0028】
(タグ読取装置10の構成;
図1)
タグ読取装置10は、ユーザによって携帯される可搬式の端末装置である。また、タグ読取装置10は、周囲に存在するRFIDタグに記憶されている情報を読み取り可能な端末装置である。タグ読取装置10は、指示ボタン12と、表示部14と、タグリーダ20と、制御部30と、を備える。
【0029】
指示ボタン12は、電波(即ちキャリア信号)の送信を指示するためのボタンである。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0030】
タグリーダ20は、タグ読取装置10の周囲に存在するRFIDタグに記憶された情報を読み取るためのリーダである。タグリーダ20は、送信回路22と、受信回路24と、アンテナ26と、を備えている。送信回路22は、制御部30からの指示に応じて、アンテナ26によって放射されるキャリア信号を生成するための回路である。
【0031】
受信回路24は、アンテナ26を介して、RFIDタグから受信した応答を制御部30に供給するための回路である。応答は、アンテナ26から放射されたキャリア信号に対して各RFIDタグから放射されるキャリア信号である。
【0032】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム40に従って、様々な処理を実行する。例えば、CPU32は、タグリーダ20を介して、RFIDタグと通信を行うことにより、当該RFIDタグに記憶されている情報を読み取ることができる。読取済みの情報は、表示部14に表示される。また、読取済みの情報は、外部の装置(例えばサーバ)に送信されてもよい。
【0033】
メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、プログラム40に加えて、判別情報42と、管理テーブル50と、を記憶する。制御部30は、メモリ34内のプログラム40に従って様々な処理(例えば、
図2の処理)を実行する。
【0034】
判別情報42は、一般的なRFIDタグ100と特殊なRFIDタグ200との中から、特殊なRFIDタグ200を判別するための情報である。判別情報42は、例えば、特殊なRFIDタグ200に固有の文字列(例えば特殊なモデル名、特殊なGS1識別コード)である。
【0035】
管理テーブル50は、複数個の特殊なRFIDの読取結果を管理するテーブルである。管理テーブル50は、複数個の特殊なRFIDのそれぞれについて、当該RFIDを識別する製造番号と、当該RFIDから読み取られた読取情報と、成功フラグと、を対応付けて記憶する。特殊なRFIDタグの読取が成功する場合には、読取情報は、ユーザ領域内の情報(例えばユーザ指定情報、センサの測定値)を含み、成功フラグは、「ON」を示す。特殊なRFIDタグの読取が失敗する場合には、読取情報は、ユーザ領域内の情報の一部又は後述するエラー情報を含み、成功フラグは、「OFF」を示す。また、一般的なRFIDの読取結果は、別のテーブルによって管理される。なお、変形例では、一般的なRFIDの読取結果も同じ管理テーブル50によって管理されてもよい。
【0036】
管理テーブル50内の各情報は、当該情報の読取から所定の期間(例えば1時間)が経過すると、管理テーブル50から削除される。
【0037】
(タグ読取装置の処理;
図2)
図2を参照して、タグ読取装置10のCPU32がプログラム40に従って実行する処理について説明する。
図2の処理は、RFIDタグ内の情報を読み取るための処理である。
図2の処理は、指示ボタン12の押下げをトリガとして開始され、指示ボタン12の押下げが解除されるまで繰り返し実行される。
【0038】
S10では、CPU32は、トリガ信号の送信をタグリーダ20の送信回路22に指示する。これにより、送信回路22は、アンテナ26を介したトリガ信号の送信を開始する。
【0039】
S12では、CPU32は、タグリーダ20を介して、周囲に存在するRFIDタグ(以下では「対象のRFIDタグ」と記載)からS10のトリガ信号に対する応答を受信する。そして、CPU32は、当該応答が、管理テーブル50に記憶されている製造番号を含むのか否かを判断する。例えば、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグであり、かつ、過去に対象のRFIDタグから応答を受信している場合には、後述する判別処理(S20、
図3参照)において、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグであることが判別されて、対象のRFIDタグの製造番号が管理テーブル50に記憶される(
図3のS66参照)。即ち、対象のRFIDタグの判別は過去に実行済みである。CPU32は、トリガ信号に対する応答が、管理テーブル50に記憶されている製造番号を含むと判断する場合(S12でYES)に、S20の判別処理をスキップして、S30に進む。種類の判別が一度終了している対象のRFIDタグについて、再度の判別を省略することができる。再度の判別を省略することにより、対象のRFIDタグに記憶されている情報を速やかに読み取ることができる。
【0040】
S30では、CPU32は、管理テーブル50において、S12で受信した応答に含まれる製造番号に対応付けて記憶されている成功フラグが「ON」を示すのか否かを判断する。CPU32は、成功フラグが「ON」を示すと判断する場合(S30でYES)に、対象のRFIDタグの読取が過去に成功していたと判断して、S32~S44の処理をスキップして、S10の処理に戻る。
【0041】
CPU32は、成功フラグが「OFF」を示すと判断する場合(S30でNO)に、S32において、特殊タグ通信を開始する。特殊タグ通信は、タグリーダ20を介して、要求信号を送信することと、タグリーダ20を介して、当該要求信号に対する応答を受信すること、を含む。ここで、特殊なRFIDタグ200に記憶されている測定値の情報量が多い場合には、要求信号は繰り返し送信される。このため、特殊タグ通信の処理時間は、比較的に長い。
【0042】
続くS34では、CPU32は、開始通知を表示部14に表示させる。開始通知は、特殊タグ通信を開始したことをユーザに通知するためのメッセージである。これにより、ユーザは、特殊タグ通信が開始されたことを知ることができる。また、長い処理時間の間に、ユーザが対象のRFIDタグの周囲から離れると、特殊タグ通信が中断されて、特殊なRFIDタグ200の読取が失敗する。開始通知により、ユーザが対象のRFIDタグの周囲から離れることを抑制することができる。
【0043】
続くS40では、CPU32は、S32で開始した特殊タグ通信が中断したのか否かを判断する。CPU32は、特殊なRFIDタグ200内の測定値の全てを受信することなく、特殊タグ通信が中断したと判断する場合(S40でYES)に、S42以降の処理をスキップして、S10の処理に戻る。
【0044】
CPU32は、特殊タグ通信が中断することなく、特殊なRFIDタグ200内の測定値の全てを受信したと判断する場合(S40でNO)に、S42において、第1の成功通知を表示部14に表示させる。第1の成功通知は、特殊なRFIDタグ200内の測定値の読取が成功したことをユーザに通知するメッセージである。
【0045】
続くS44では、CPU32は、S12で受信した応答に含まれる製造番号に対応付けて、成功フラグ「ON」を管理テーブル50に記憶する。
【0046】
続くS46では、CPU32は、特殊タグ通信により読み取られた測定値(即ち読取結果)を表示部14に表示させる。S46の処理が終了すると、CPU32は、S10の処理に戻る。
【0047】
また、CPU32は、S10のトリガ信号に対する応答が、管理テーブル50に記憶されているいずれの製造番号も含まないと判断する場合(S12でNO)に、S20において、判別処理(
図3参照)を実行する。S20の処理が終了すると、CPU32は、S10の処理に戻る。
【0048】
(判別処理;
図3)
S50では、CPU32は、
図2のS10のトリガ信号に対する応答のうちのEPC領域内の情報が、メモリ34内の判別情報42と一致するのか否かを判断する。CPU32は、EPC領域内の情報が判別情報42(例えば特殊なGS1識別コード)と一致すると判断する場合(S50でYES)に、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグ200であると判断して、S62に進む。
【0049】
S62、S64は、
図2のS32、S34と同様である。続くS66では、CPU32は、S10のトリガ信号に対する応答に含まれる製造番号を管理テーブル50に記憶する。この時点では、CPU32は、当該製造番号に対応付けて読取情報を管理テーブル50に記憶せず、当該製造番号に対応付けて成功フラグ「OFF」を管理テーブル50に記憶する。
【0050】
続くS70~S76は、
図2のS40~S46と同様である。S76の処理が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0051】
また、CPU32は、EPC領域内の情報が判別情報42と一致しないと判断する場合(S50でNO)に、S52に進む。S52では、CPU32は、
図2のS10のトリガ信号に対する応答のうちのTID領域内の情報が、メモリ34内の判別情報42と一致するのか否かを判断する。CPU32は、TID領域内の情報が判別情報42(例えば特殊なモデル名)と一致すると判断する場合(S52でYES)に、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグ200であると判断して、S62に進む。例えば、S52の判断を実行しない比較例が想定される。特殊なRFIDタグ200に固有な情報は、EPC領域に限らず、TID領域に記憶される可能性がある。上記の比較例では、TID領域内に特殊なRFIDタグ200に固有な情報が記憶されているRFIDタグを特殊なRFIDタグ200として判別することができない。S50の判断に加えてS52の判断を実行することにより、TID領域内に固有な情報が記憶されているRFIDタグを特殊なRFIDタグ200として適切に判別することができる。複数の領域内の情報を利用してRFIDタグの種類を判別するので、判別の精度を向上させることができる。なお、変形例では、上記の比較例の構成を採用してもよい。
【0052】
また、CPU32は、TID領域内の情報が判別情報42と一致しないと判断する場合(S52でNO)に、対象のRFIDタグが一般的なRFIDタグ100であると判断して、S82に進む。
【0053】
S82では、CPU32は、第2の成功通知を表示部14に表示させる。第2の成功通知は、一般的なRFIDタグ100の読取が成功したことをユーザに通知するメッセージである。ここで、第2の成功通知は、第1の成功通知とは異なる。ユーザは、第1及び第2の成功通知のいずれかを見ることで、一般的なRFIDタグ100と特殊なRFIDタグ200が混在する環境において、どの種類のRFIDタグを読み取られるのか知ることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0054】
続くS86では、CPU32は、
図2のS10のトリガ信号に対する応答のうち、少なくともユーザ指定情報(即ち、一般的なRFIDタグ100の読取結果)を表示部14に表示させる。S86が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0055】
(本実施例の効果)
タグ読取装置10は、トリガ信号に対する応答と判別情報42とを利用して、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグ200であることを判別し(
図3のS50でYES、又は、S52でYES)、特殊なRFIDタグ200に記憶されている測定値を読み取るための要求信号を対象のRFIDタグに自動的に送信する(S62)。ユーザは、タグ読取装置10を操作して、その設定を、当該要求信号を送信しない設定から当該要求信号を送信する設定に変更しなくてもよい。複数種類のRFIDタグが混在する環境において、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0056】
(対応関係)
タグ読取装置10、タグリーダ20、メモリ34、表示部14が、それぞれ、「タグ読取装置」、「リーダ」、「メモリ」、「報知部」の一例である。判別情報42が、「判別情報」の一例である。特殊なRFIDタグ200、一般的なRFIDタグ100が、それぞれ、「第1種のRFIDタグ」、「第2種のRFIDタグ」の一例である。EPC領域、TID領域が、それぞれ、「第1の記憶領域」、「第2の記憶領域」の一例である。トリガ信号に対する応答が、「第1の応答(及び第2の応答)」の一例である。センサの測定値が、「特定の情報」の一例である。要求信号が、「要求」の一例である。製造番号が、「第1の識別情報(及び第2の識別情報)」の一例である。
図3のS72の第1の成功通知の表示、S82の第2の成功通知の表示が、それぞれ、「第1の報知動作」、「第2の報知動作」の一例である。
図3の開始通知の表示が、「第3の報知動作」の一例である。
【0057】
図3のS50、S52の判断が、「判別部」によって実現される処理の一例である。
図3のS62、S66の処理が、それぞれ、「第1の要求送信部」、「記憶制御部」によって実現される処理の一例である。
図2のS32の処理が、「第2の要求送信部」の一例である。
【0058】
(第2実施例)
第2実施例では、判別情報42とは異なる手段を利用いて、特殊なRFIDタグ200を判別するための技術を開示する。第2実施例は、判別情報42を備えない点、及び、タグ読取装置10の処理の内容が異なる点を除いて、第1実施例と同様である。第2実施例では、複数種類のRFIDタグが混在する環境において、特殊なRFIDタグ200のみを読み取る。
【0059】
(タグ読取装置の処理;
図4)
図4の処理は、
図2の処理と同様に、指示ボタン12の押下げをトリガとして開始され、指示ボタン12の押下げが解除されるまで繰り返し実行される。
【0060】
S110では、CPU32は、特殊タグ専用信号の送信をタグリーダ20の送信回路22に指示する。これにより、送信回路22は、アンテナ26を介した特殊タグ専用信号の送信を開始する。特殊タグ専用信号は、特殊なRFIDタグ200が解釈可能であり、一般的なRFIDタグ100が解釈不可能なコマンドである。特殊タグ専用信号は、例えば、所定の識別データ(例えば特殊なGS1識別コード、特殊なモデル名、特殊な製造番号、又はこれら情報の一部)を含み、当該所定の識別データを記憶するRFIDタグのみの応答を指示するコマンドである。また、変形例では、特殊タグ専用信号は、特殊なRFIDタグ200のみが有する特定のアドレスを指定するコマンドであってもよい。一般的なRFIDタグ100は、特殊タグ専用信号を受信しても、当該信号に対する応答を送信しない。これに対して、特殊なRFIDタグ200は、特殊タグ専用信号を受信すると、当該信号に対する応答を送信する。特殊タグ専用信号の応答結果を利用することで、複数種類のRFIDタグの中から特殊なRFIDタグ200を判別することができる。
【0061】
続くS112では、CPU32は、タグリーダ20を介して、対象のRFIDタグからS110の特殊タグ専用信号に対する応答を受信するのか否かを判断する。CPU32は、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグ200であることに起因して、対象のRFIDタグから応答を受信したと判断する場合(S112でYES)に、S114に進む。
【0062】
S114では、CPU32は、対象のRFIDタグから受信した応答がエラー情報を含むのか否かを判断する。エラー情報は、例えば、特殊なRFIDタグ200のセンサに不具合が発生していることを示す情報である。CPU32は、当該応答がエラー情報を含まないと判断する場合(S114でNO)に、S116に進む。
【0063】
S116、S118は、
図2のS32、S46と同様である。即ち、特殊なRFIDタグ200の計測値が読み取られ、その結果が表示される。S118の処理が終了すると、CPU32は、S110の処理に戻る。
【0064】
また、CPU32は、対象のRFIDタグが一般的なRFIDタグ100であること、又は、周囲にRFIDタグが存在しないことに起因して、対象のRFIDタグから応答を受信しないと判断する場合(S112でNO)に、S114以降の処理をスキップして、S110の処理に戻る。また、CPU32は、対象のRFIDタグから受信した応答がエラー情報を含むと判断する場合(S114でYES)に、S116以降の処理をスキップして、S110の処理に戻る。
【0065】
(本実施例の効果)
タグ読取装置10は、特殊タグ専用信号に対する応答結果を利用して、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグ200であることを判別し(S112でYES)、特殊タグ通信を自動で実行する(S116)。第1実施例と同様に、ユーザは、タグ読取装置10の設定を変更しなくてよい。複数種類のRFIDタグが混在する環境において、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0066】
(対応関係)
特殊タグ専用信号が、「判別電波」の一例である。
図4のS110、S112、S116が、それぞれ、「判別電波送信部」、「判別部」、「要求送信部」によって実現される処理に一例である。
【0067】
(第3実施例)
第3実施例は、
図4のS110の内容が異なる点を除いて、第2実施例と同様である。特殊なRFIDタグ200は、第1の通信プロトコルをサポートしており、一般的なRFIDタグ100は、第2の通信プロトコルをサポートしている。例えば、第1の通信プロトコルと第2の通信プロトコルの双方は、同一の団体によって策定されたプロトコルであり、第1の通信プロトコルは、第2の通信プロトコルよりも新しい世代(即ちバージョン)におけるプロトコルである。また、変形例では、第1の通信プロトコルと第2の通信プロトコルは、異なる団体によって策定されたプロトコルであってもよい。
【0068】
S110では、CPU32は、第1の通信プロトコルに従った特殊タグ専用信号の送信をタグリーダ20の送信回路22に指示する。一般的なRFIDタグ100は、第1の通信プロトコルをサポートしていないので、第1の通信プロトコルに従った特殊タグ専用信号を受信しても、当該信号に対する応答を送信しない。即ち、S112でNOと判断される。これに対して、特殊なRFIDタグ200は、特殊タグ専用信号を受信すると、当該信号に対する応答を送信する。即ち、S112でYESと判断される。特殊タグ専用信号の応答結果を利用することで、複数種類のRFIDタグの中から特殊なRFIDタグ200を判別することができる。第1の通信プロトコルに従った特殊タグ専用信号が、「判別電波」の一例である。
【0069】
(第4実施例)
第4実施例では、第2実施例と同様の手段を利用して、特殊なRFIDタグ200だけでなく、一般的なRFIDタグ100も読み取る。第4実施例は、
図5のS215、S217、及び、S226の処理が追加されることを除いて、第2実施例と同様である。
【0070】
(タグ読取装置の処理;
図5)
S210~S214は、
図4のS110~S114と同様である。CPU32は、対象のRFIDタグから受信した応答がエラー情報を含まないと判断する場合(S214でNO)に、S215に進む。
【0071】
S215では、CPU32は、タグリーダ20のアンテナ26によって放射される電波の出力を高める。具体的には、CPU32は、タグリーダ20の設定を第1の強度の電波を放出する設定から、第1の強度よりも高い第2の強度の電波を放出する設定に変更する。これにより、後述するS216の特殊タグ通信において第2の強度の要求信号が送信される。
【0072】
S216は、
図4のS116と同様である。続くS217では、CPU32は、タグリーダ20の設定を第2の強度の電波を放出する設定から第1の強度の電波を放出する設定に戻す。S217が終了すると、CPU32は、S218に進む。
【0073】
また、CPU32は、対象のRFIDタグから、特殊タグ専用信号に対する応答を受信しないと判断する場合(S212でNO)に、S226に進む。S226では、CPU32は、対象のRFIDタグが一般的なRFIDタグであると判断して、タグリーダ20を介して、トリガ信号を対象のRFIDタグに送信する。ここで、トリガ信号の強度は第1の強度である。そして、CPU32は、タグリーダ20を介して、対象のRFIDタグからユーザ指定情報を受信する。S226が終了すると、CPU32は、S218に進む。
【0074】
また、CPU32は、対象のRFIDタグから受信した応答がエラー情報を含むと判断する場合(S114でYES)に、S215~S217をスキップして、S218に進む。
【0075】
S218では、CPU32は、読取結果を表示部14に表示させる。例えば、対象のRFIDタグが特殊なRFIDタグ200であると判断され、かつ、エラー情報が受信されない場合(S212でYES、S214でNO)には、読取結果は、特殊タグ通信により読み取られた測定値である。また、例えば、対象のRFIDタグが一般的なRFIDタグ100であると判断される場合(S212でNO)には、読取結果は、ユーザ指定情報である。また、例えば、エラー情報が受信される場合(S214でYES)には、読取結果は、エラー情報である。S218が終了すると、S210の処理に戻る。
【0076】
このような構成によれば、第1実施例と同様に、特殊なRFIDタグ200だけでなく、一般的なRFIDタグ100も読み取ることができる。
【0077】
また、特殊なRFIDタグ200の消費電力は、一般的なRFIDタグ100の消費電力よりも大きいのが通例である。ここで、消費電力は、RFIDタグが、RFIDタグ内の情報をキャリア信号として送信する際に消費される電力であり、当該電力は、タグリーダ20が放射した電波によって発生する。このため、タグリーダ20が放射する電波の出力(強度)が低いと、電力の不足によって、特殊なRFIDタグ200に記憶されている情報の読み取りが失敗する可能性がある。本実施例によれば、タグリーダ20によって放射される電波の出力を高めること(
図5のS215)により、特殊なRFIDタグ200に記憶されている情報の読み取りが失敗することを抑制することができる。
図5のS215の処理が、「電力制御部」によって実現される処理の一例である。
【0078】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0079】
(変形例1)第1実施例において、S82及びS86の処理が実行されなくてもよい。即ち、第1実施例において、特殊なRFIDタグ200の読取のみが実行されてもよい。
【0080】
(変形例2)「第2の記憶領域」は、TID領域に限らず、例えば、EPC領域、ユーザ領域でもよい。また、「第1の記憶領域」は、EPC領域に限らず、例えば、TID領域、ユーザ領域であってもよい。一般的に言えば、「第2の記憶領域」は「第1の記憶領域」と異なっていればよい。
【0081】
(変形例3)
図3のS52の判断は実行されなくてもよい。本変形例では、「第2の記憶領域」を省略可能である。
【0082】
(変形例4)
図3のS66の処理及び
図2のS12、S30~S46の処理が実行されなくてもよい。本変形例では、「記憶制御部」及び「第2の要求送信部」を省略可能である。
【0083】
(変形例5)「報知動作」は、通知の表示に限らず、例えば、通知を示すブザー音又は音声の出力、通知を示すライトの点灯であってもよい。
【0084】
(変形例6)
図3のS72及びS82のうちの少なくとも一方の処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「第1の報知動作」及び「第2の報知動作」のうちの少なくとも一方を省略可能である。
【0085】
(変形例7)
図3のS64の処理は省略可能である。本変形例では、「第3の報知動作」を省略可能である。
【0086】
(変形例8)
図5のS215の処理は、第1実施例で採用されてもよい。また、他の変形例では、第4実施例においてS215の処理は実行されなくてもよい。当該他の変形例では、「電力制御部」を省略可能である。
【0087】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0088】
10 タグ読取装置
12 指示ボタン
14 表示部
20 タグリーダ
22 送信回路
24 受信回路
26 アンテナ
30 制御部
34 メモリ
40 プログラム
42 判別情報
50 管理テーブル
100 RFIDタグ
200 RFIDタグ