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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】消費材管理システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241009BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20241009BHJP
【FI】
A47J27/00 109Z
A47J27/00 109R
G06Q30/0601
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021006968
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111508
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 優司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 章浩
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/152273(WO,A1)
【文献】特開2020-101682(JP,A)
【文献】特開2001-299581(JP,A)
【文献】特開昭63-286117(JP,A)
【文献】特開2005-112499(JP,A)
【文献】特開2003-044726(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1679167(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0154948(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/13
A47J 27/20-29/06
A47J 33/00-36/42
G06Q 10/00-10/30
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費材を加工する加工部と、少なくとも前記加工に関する情報および日時情報を含む情報である加工関連情報含有情報を規定のタイミングで送信する送信部とを有する加工装置と、
前記加工装置に通信接続されており、前記加工装置から送信されてくる前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶すると共に、前記消費材の貯蓄量の情報を記憶する第1記憶部と、前記消費材の貯蓄量の情報と前記加工に関する情報とに基づいて前記消費材が使い切られるまでの推定日数を算出する推定日数算出部とを有するサーバと、を備え、
前記加工装置は、前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶する第2記憶部をさらに有し、
前記送信部は、前記加工関連情報含有情報を前記規定のタイミングで送信すると共に、前記第2記憶部に蓄積して記憶される前記加工関連情報含有情報を定期的に前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1記憶部に蓄積して記憶される前記日時情報に対して、前記加工装置から定期的に送信されてくる前記日時情報を照合して、一致しない前記日時情報が存在しないかを定期的に確認する定期確認部をさらに有し、前記定期確認部において一致しない前記日時情報が存在することが確認された場合、前記推定日数算出部に対して、前記加工装置から定期的に送信されてきた前記加工関連情報含有情報に含まれる前記加工に関する情報を用いて前記推定日数を再算出させ
費材管理システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記定期確認部において一致しない前記日時情報が存在することが確認された場合、前記加工装置から定期的に送信されてきた前記加工関連情報含有情報を用いて、前記第1記憶部に蓄積して記憶される前記加工関連情報含有情報を更新する
請求項に記載の消費材管理システム。
【請求項3】
消費材を加工する加工部と、少なくとも前記消費材の積算消費量の情報を含む前記加工に関する情報を含む情報である加工関連情報含有情報を規定のタイミングで送信する送信部とを有する加工装置と、
前記加工装置に通信接続されており、前記加工装置から送信されてくる前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶すると共に、前記消費材の貯蓄量の情報を記憶する第1記憶部と、前記消費材の貯蓄量の情報と前記加工に関する情報とに基づいて前記消費材が使い切られるまでの推定日数を算出する推定日数算出部とを有するサーバと、を備え、
前記加工装置は、前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶する第2記憶部をさらに有し、
前記送信部は、前記加工関連情報含有情報を前記規定のタイミングで送信すると共に、前記第2記憶部に蓄積して記憶される前記加工関連情報含有情報を定期的に前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1記憶部に蓄積して記憶される前記積算消費量の情報のうちの最新の積算消費量の情報に対して、前記加工装置から定期的に送信されてくる前記積算消費量の情報のうちの最新の積算消費量の情報を照合して、前記最新の積算消費量の情報に不一致がないかを定期的に確認する定期確認部をさらに有し、前記定期確認部において前記最新の積算消費量の情報に不一致があることが確認された場合、前記推定日数算出部に対して、前記加工装置から定期的に送信されてきた前記加工関連情報含有情報に含まれる前記最新の積算消費量の情報を用いて前記推定日数を再算出させ
費材管理システム。
【請求項4】
前記加工装置は、炊飯器であり、
前記消費材は、米であり、
前記規定のタイミングは、少なくとも前記米の合数判定完了時、むらし処理到達時および炊飯完了時である
請求項1からのいずれか1項に記載の消費材管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費材の消費状態を管理する消費材管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「制御手段が米使用量計測手段により米の使用積算量を記憶手段に記憶し、米が残り少ない時は通信手段と受信手段からのデータを送受信データ表示手段で表示し、その中から米銘柄指定手段にて指定し、通信手段と送信手段で発注すると共に、指定した銘柄米の調理シーケンスを記憶手段に記憶し、米銘柄設定手段にて設定された調理シーケンスで調理物を調理するように調理手段を制御する、ジャー炊飯器」が提案されている(例えば、特開2001-299581号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-299581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、多数の加工装置(例えば、炊飯器など)における消費材(例えば、米など)の消費状態をサーバ側で正確に管理しようとする場合、加工装置とサーバとの間で通信障害などが起きた場合の対策を検討しておく必要がある。しかし、現在、そのようなシステムにおいて通信障害等に対する対策を十分に検討した例は見らない。
【0005】
本発明の課題は、複数の加工装置およびサーバなどから構成される消費材の消費状態を管理するシステムにおいて、通信障害等があっても通信回復時に消費材の消費状態を正確に管理し直すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】

本発明に係る消費材管理システムは、
消費材を加工する加工部と、少なくとも前記加工に関する情報および日時情報を含む情報である加工関連情報含有情報を規定のタイミングで送信する送信部とを有する加工装置と、
前記加工装置に通信接続されており、前記加工装置から送信されてくる前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶すると共に、前記消費材の貯蓄量の情報を記憶する第1記憶部と、前記消費材の貯蓄量の情報と前記加工に関する情報とに基づいて前記消費材が使い切られるまでの推定日数を算出する推定日数算出部とを有するサーバと、を備え、
前記加工装置は、前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶する第2記憶部をさらに有し、
前記送信部は、前記加工関連情報含有情報を前記規定のタイミングで送信すると共に、前記第2記憶部に蓄積して記憶される前記加工関連情報含有情報を定期的に前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1記憶部に蓄積して記憶される前記日時情報に対して、前記加工装置から定期的に送信されてくる前記日時情報を照合して、一致しない前記日時情報が存在しないかを定期的に確認する定期確認部をさらに有し、前記定期確認部において一致しない前記日時情報が存在することが確認された場合、前記推定日数算出部に対して、前記加工装置から定期的に送信されてきた前記加工関連情報含有情報に含まれる前記加工に関する情報を用いて前記推定日数を再算出させる。
【0007】
上記構成によれば、消費材の消費状態の管理が加工装置側ではなくサーバ側で行われる。このため、加工装置の情報処理量を低減することができる。また、上記構成によれば、定期確認部において一致しない加工関連情報含有情報が存在することが確認された場合、推定日数算出部が、加工装置から定期的に送信されてきた加工関連情報含有情報に含まれる加工に関する情報を用いて推定日数を再算出する。このため、加工装置とサーバとの間に通信障害等があっても通信回復時に消費材の消費状態を正確に管理し直すことができる。また、上記構成によれば、偶然の情報の一致を避けることができる。
【0008】

)に記載の発明では、
前記サーバは、前記定期確認部において一致しない前記日時情報が存在することが確認された場合、前記加工装置から定期的に送信されてきた前記加工関連情報含有情報を用いて、前記第1記憶部に蓄積して記憶される前記加工関連情報含有情報を更新すると好適である。
【0009】
上記構成によれば、第1記憶部に蓄積して記憶される加工関連情報含有情報をできるだけ正確に維持することができる。
【0010】

本発明に係る消費材管理システムは、
消費材を加工する加工部と、少なくとも前記消費材の積算消費量の情報を含む前記加工に関する情報を含む情報である加工関連情報含有情報を規定のタイミングで送信する送信部とを有する加工装置と、
前記加工装置に通信接続されており、前記加工装置から送信されてくる前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶すると共に、前記消費材の貯蓄量の情報を記憶する第1記憶部と、前記消費材の貯蓄量の情報と前記加工に関する情報とに基づいて前記消費材が使い切られるまでの推定日数を算出する推定日数算出部とを有するサーバと、を備え、
前記加工装置は、前記加工関連情報含有情報を蓄積して記憶する第2記憶部をさらに有し、
前記送信部は、前記加工関連情報含有情報を前記規定のタイミングで送信すると共に、前記第2記憶部に蓄積して記憶される前記加工関連情報含有情報を定期的に前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1記憶部に蓄積して記憶される前記積算消費量の情報のうちの最新の積算消費量の情報に対して、前記加工装置から定期的に送信されてくる前記積算消費量の情報のうちの最新の積算消費量の情報を照合して、前記最新の積算消費量の情報に不一致がないかを定期的に確認する定期確認部をさらに有し、前記定期確認部において前記最新の積算消費量の情報に不一致があることが確認された場合、前記推定日数算出部に対して、前記加工装置から定期的に送信されてきた前記加工関連情報含有情報に含まれる前記最新の積算消費量の情報を用いて前記推定日数を再算出させる。
【0011】
上記構成によれば、加工装置とサーバの定期通信において積算消費量の情報のみが必要とされる。したがって、付帯情報が付される場合に比べて通信負荷を軽減することができる。
【0012】

上記発明では、
前記加工装置は、炊飯器であり、
前記消費材は、米であり、
前記規定のタイミングは、少なくとも前記米の合数判定完了時、むらし処理到達時および炊飯完了時であると好適である。
【0013】
上記構成によれば、炊飯器の消費電力や、炊飯器とサーバとの間の通信量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システムを示す模式図である。
図2】本発明の実施の形態に係る炊飯器における制御系を示す模式的ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係るサービスサーバの構成を示す模式的ブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係るサービスサーバの補助メモリ内に記憶されるプライグラムやデータ等のイメージ図である。
図5】本発明の実施の形態に係るサービスサーバのデータベースを構成する顧客情報管理テーブルのイメージ図である。
図6】本発明の実施の形態に係るサービスサーバのデータベースを構成する炊飯器ログ管理テーブルのイメージ図である。
図7】本発明の実施の形態に係るサービスサーバのデータベースを構成する発注管理テーブルのイメージ図である。
図8】本発明の実施の形態に係るサービスサーバのデータベースを構成する炊飯シーケンス管理テーブルのイメージ図である。
図9】本発明の実施の形態に係るサービスサーバにおいて実行される米の自動発注処理を表すフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態に係るサービスサーバにおいて実行される到着予定日の登録処理を表すフローチャートである。
図11】本発明の実施の形態に係るサービスサーバにおいて実行される炊飯シーケンスの自動更新処理を表すフローチャートの幹部分である。
図12】本発明の実施の形態に係るサービスサーバにおいて実行される炊飯シーケンスの自動更新処理を表すフローチャートの枝部分である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<本発明の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システムの構成>
本発明の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100は、図1に示されるように、主に、複数の炊飯器RC、サービスサーバSVt、受注管理サーバSVaおよび通信ネットワークNTから構築されている。図1に示されるように、各炊飯器RCは、無線ルータRTを介して通信ネットワークNTに接続されている。また、図1に示されるように、サービスサーバSVtおよび受注管理サーバSVaは通信ネットワークNTに接続されている。そして、各炊飯器RCは無線ルータRTおよび通信ネットワークNTを介してサービスサーバSVtに通信接続可能に設定されている。また、サービスサーバSVtおよび受注管理サーバSVaは通信ネットワークNTを介して相互に通信接続可能に設定されている。以下、本炊飯シーケンス自動更新システム100の構成要素である炊飯器RC、サービスサーバSVtおよび受注管理サーバSVaについてそれぞれ詳述する。
【0016】
1.炊飯器
本発明の実施の形態に係る炊飯器RCは、主に、本体、内鍋、蓋体およびヒンジ部品から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。なお、この炊飯器RCは、一例であって、本実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100では、無線通信機能を有する他の炊飯器RCが接続されてもかまわない。
【0017】
(1)本体
本体は、主に、筐体、メインヒータ、センターセンサ、保温ヒータ、送風ファンユニット、電源回路基板、自動巻取式電源コードユニットおよびレバー機構から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0018】
(1-1)筐体
筐体は、主に、収容体、肩部材および保護枠から構成されており、断熱材、メインヒータ、保温ヒータ、送風ファンユニット、電源回路基板、自動巻取式電源コードユニットおよびレバー機構等を収容している。
【0019】
収容体は、上側に開口する角椀状の容器体である。肩部材は、平面視において略角丸長方形状を呈する枠体であって、収容体の上側の部位に嵌合されており、収容体の上側の開口の縁部を覆っている。また、この肩部材の前下側にはレバー機構が取り付けられている。また、この肩部材の下側には、保護枠が取り付けられている。保護枠は、内鍋の外周を保護すると共に肩部材の形状を保つ役目を担っている。
【0020】
(1-2)メインヒータ
メインヒータは、例えば、誘導加熱コイルやシーズヒータ等であって、内鍋を加熱するためのものである。このメインヒータは、内鍋の下側に配設されている。また、図2に示されるように、このメインヒータMHは、電源回路基板CPを介して制御回路基板CTに通信接続されており、制御回路基板CTからの制御信号に基づいてその加熱度が制御される。
【0021】
(1-3)センターセンサ
センターセンサは、内鍋の底部の温度を検知すると共に内鍋の有無を検知するためセンサであって、保護枠の底部の開口から突出されるように配設されている。また、このセンターセンサは、コイルバネによって上方に向かって付勢されている。また、図2に示されるように、このセンターセンサSSは、電源回路基板CPを介して制御回路基板CTに通信接続されており、運転中は常時、その計測信号を制御回路基板CTに送信している。また、このセンサーセンサが内鍋によって押し下げられると、その下方に配設される接点が閉じ、それに起因する検知信号が制御回路基板CTに送られる。このようにして内鍋の存否検知が行われている。
【0022】
(1-4)保温ヒータ
保温ヒータは、炊飯後の炊きあがったご飯を保温するためのヒータであって、肩部材の内部に配設されている。また、図2に示されるように、この保温ヒータKHは、電源回路基板CPを介して制御回路基板CTに通信接続されており、制御回路基板CTからの制御信号に基づいてその加熱度が制御される。
【0023】
(1-5)送風ファンユニット
送風ファンユニットは、軸流ファンおよびヒートシンク等から構成されるものであって、上述の通り、筐体111の収容体の底壁部の上側に配設されている。この送風ファンユニットが駆動されると、上記底壁部に形成されている吸気口から外部の空気が吸い込まれて筐体内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、電源回路基板などの発熱部品に供給されて、それらの部品等を冷却する。また、図2に示されるように、この送風ファンユニットFUは、電源回路基板CPを介して制御回路基板CTに通信接続されており、制御回路基板CTからの制御信号に基づいてその発停が制御されている。
【0024】
(1-6)電源回路基板
電源回路基板は、電源回路を構成する基板であって、AC電源、インバータ、スイッチング電源、いくつかの発熱部品を実装している。なお、この電源回路基板は、筐体の後側の空間に収容されている。また、図2に示されるように、この電源回路基板CPは、メインヒータMH、センターセンサSS、保温ヒータKHおよび送風ファンユニットFUに電気的に接続されていると共に、制御回路基板CTに通信接続されている。
【0025】
(1-7)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニットは、電源コードおよび自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、筐体の後側の空間に収容されている。電気コードは、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。また、この電源コードは電源回路基板に接続されている。
【0026】
(1-8)レバー機構
レバー機構は、蓋体の開閉を司る機構であって、主として、開レバー、ストッパーおよびバネ部材等から構成されており、肩部材の前下側に配設されている。
【0027】
開レバーは、蓋体を開くための揺動型のレバーであって、筐体の収容体の前側上端において前方に突出するように配設されている。そして、この開レバーは、バネ部材を介してストッパーに押圧力を付与する。開レバーから押圧力を付与されたストッパーは、その回動軸を基点として回動する。使用者が開レバーを下方へ回動させると、本体に対する蓋体の係止が解除され、蓋体が開く。ストッパーは、主に、回動軸、係止部および押圧力受け部から構成されており、本体の収容体に回動(揺動)可能に設けられている。係止部は、先端部分が屈曲した形状を有しており、ストッパーの上端側に設けられている。そして、この係止部は、蓋体が閉じられる際、蓋体の爪部材の爪部を係止する。
【0028】
(2)内鍋
内鍋は、上方に開口する椀状の鍋であって、肩部材の開口を通って保護枠内に収容される。内鍋130は、メインヒータによって加熱される。
【0029】
(3)蓋体
蓋体は、主に、蓋基板、爪部材、外装体、操作ボタン群、情報表示パネル、制御回路基板、通信回路基板、蒸気センサ、蒸気処理ユニットおよび内蓋から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0030】
(3-1)蓋基板
蓋基板は、情報表示パネル、制御回路基板、通信回路基板、蒸気処理ユニットおよび内蓋等を支持するものである。蓋基板の後端にはヒンジ部品の可動部材が締結されている。そして、このヒンジ部品により、本体に対して蓋体が開閉可能となっている。なお、このヒンジ部品では、ねじりバネによって蓋体が開方向に向かって付勢されている。また、この蓋基板の下面には、着脱自在に内蓋が配設されている。
【0031】
(3-2)爪部材
爪部材は、一対の爪部を有する金属製部材であって、蓋基板の前側に配設されている。なお、蓋体を閉じる際、この爪部材の爪部は、本体のレバー機構によって係止される。
【0032】
(3-3)外装体
外装体は、略直方体状のカバー部材であって、蓋基板の上側を覆っている。なお、この外装体の上面には、操作ボタン群143が配設されている。また、この外装体には、蒸気口が形成されている。
【0033】
(3-4)操作ボタン群
操作ボタン群は、例えば、発停ボタンや、炊飯方法の選択ボタン等から成るものであって炊飯器RCの運転方法を使用者に選択させるためのものである。そして、この操作ボタン群143中の各操作ボタンは、上述の通り、外装体の上面に配設されている。また、操作ボタン群143中の各操作ボタンBPは、図2に示されるように制御回路基板CTに実装されており、コイルバネ(図示せず)によって上方に向かって付勢されている。なお、使用者によって操作ボタンBPが押圧されると、それに起因する信号が制御回路基板CTに送信される。
【0034】
(3-5)情報表示パネル
情報表示パネルは、操作ボタン群の直ぐ後ろに配設されている。この情報表示パネルには、炊飯メニュー情報、炊飯経過情報等の各種情報が表示される。なお、この情報表示パネルDIは、図2に示されるように制御回路基板CTに通信接続されており、制御回路基板CTからの指令に基づいて情報を表示している。
【0035】
(3-6)制御回路基板
制御回路基板CTは、制御回路を構成する基板であって、図2に示されるようにマイクロコンピュータMC、EEPROM30等の電子部品や各操作ボタンBP等を実装しており、蓋体の情報表示パネルDI、通信回路基板CC、蒸気センサVS等に通信接続されると共に、本体の電源回路基板CPを介してメインヒータMHや、センターセンサSS、保温ヒータKH、送風ファンユニットFU等に通信接続されている。なお、EEPROMには、炊飯シーケンスや、合数判定シーケンス、ソフトウェアタイマー、時計プログラム等のプログラムや、各種データが格納されている。なお、本実施の形態において、各種データには、製品番号データや、合数判定シーケンスによって得られた数日分の推定消費合数データおよび推定消費合数積算値データが含まれている。推定消費合数データの導出方法は以下に記載の通りであり、推定消費合数積算値は推定消費合数の積算値である。
【0036】
本発明の実施の形態に炊飯器RCでは、マイクロコンピュータは、炊飯開始から蒸気センサVSの検知温度が特定温度(例えば、95℃等)に達するまでの時間を計測し、その計測時間に基づいて内鍋内のお米の合数判定(推定消費合数データの導出)を行っている。すなわち、この合数判定は、お米の合数が増えるに連れて加えられる水の量も増えて高温の水蒸気になるまでの時間がかかることを利用して行われている。つまり、蒸気センサVSの検知温度が特定温度に達するまでの時間が長い程その合数が多くなり、同時間が短い程その合数が短くなる。なお、推定消費合数の値は機種等によって異なる場合があるため、各機種において実験的に得られたデータに基づいてその判定ロジックが構築されている。
【0037】
また、この炊飯器RCにおいて、マイクロコンピュータは、合数判定完了毎に、発信日時データDTh、製品番号データ、推定消費合数データおよび推定消費合数積算値データをデータセットとしてサービスサーバSVtに送信している。また、このマイクロコンピュータは、炊飯シーケンスの実行中、炊飯開始時、合数判定完了時、むらし到達時、炊飯完了時に、通信回線基板を介してサービスサーバSVtに状態通知データ等の各種データを送信している。また、このマイクロコンピュータは、炊飯器RCの待機中(電源が入っているが炊飯はされていない状態)において、サービスサーバSVtから通知指令データを受信すると、待機状態にあることを示すデータをサービスサーバSVtに送信する。
【0038】
(3-7)通信回路基板
通信回路基板には、無線ルータRTと無線接続可能なアンテナ部AT(図2参照)等が実装されている。アンテナ部としては、例えば、最近の携帯電話に多く使用されている平面構造のアンテナが挙げられる。また、この通信回路基板CCは、図2に示されるように制御回路基板CTと通信接続されており、制御回路基板CTから送られてきたデータ等をサービスサーバSVtに送信したり、サービスサーバSVtから送信されてきたデータ等を制御回路基板に送信したりする。
【0039】
(3-8)蒸気センサ
蒸気センサは、内鍋から上昇してくる蒸気の温度を計測するためのセンサであって、蒸気処理ユニットの入口に配設されている。なお、この蒸気センサVSは、図2に示されるように制御回路基板CTに通信接続されており、運転中は常時、その計測信号を制御回路基板CTに送信している。
【0040】
(3-9)蒸気処理ユニット
蒸気処理ユニットは、炊飯時に内鍋から上昇してくる水蒸気をトラップして内鍋に戻すものであって、蓋体の後側に配設されている。
【0041】
(3-10)内蓋
内蓋は、内鍋の上部を覆って密閉するための部材であって、蓋基板の下側に着脱自在に取り付けられている。また、この内蓋には、蒸気の通り道としての開口が形成されている。
【0042】
(4)ヒンジ部品
ヒンジ部品は、主に、基部材、可動部材およびねじりバネから構成されている。可動部材は、基部材に対して回動可能に連結されている。ねじりバネは、基部材に対して可動部材を開く方向に付勢している。
【0043】
2.サービスサーバ
(1)サービスサーバの構成
サービスサーバSVtは、図3に示されるように、主に、サーバ本体1a、入力装置22、ディスプレイ23および通信装置24から構成されている。なお、入力装置22としては、例えば、キーボード、マウス、スキャナ、あるいはOCR(Optical Character Reader)等が挙げられる。また、通信装置24としては、例えば、ルータ等が挙げられる。
【0044】
サーバ本体1aは、図3に示されるように、主に、中央処理演算部11、メインメモリ13、補助メモリ14、接続部12、補助メモリインターフェイス15、入力インターフェイス16、ディスプレイインターフェイス17、通信インターフェイス18およびクロック25から構成されている。そして、このサーバ本体1aでは、中央処理演算部11が第1バス線19を介して、メインメモリ13が第2バス線20を介して、各種インターフェイス15~18およびクロック25が第3バス線21を介して接続部12に接続されている。
【0045】
(1-1)中央処理演算部
中央処理演算部11は、例えば、マイクロプロセッサと呼ばれる半導体チップ等であって、主に、制御部11aおよび演算部11bから構成される(他に1次キャッシュメモリや2次キャッシュメモリ等を含んでいてもよい)。制御部11aは、図3に示されるように、メインメモリ13に一時記憶されるプログラムを読み込み、読み込んだプログラムに従って各部11b~14,25および各装置22~24を制御する。演算部11bは、制御部11aの命令に従ってメインメモリ13から必要なデータを取得して演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理等)を行う。
【0046】
(1-2)メインメモリ
メインメモリ13は、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)等の半導体チップである。メインメモリ13は、プログラムやデータ等を補助メモリ14から取得して一時記憶したり、入力装置22において入力されたデータを一時記憶したり、演算部11bや通信装置24等から送信されるデータ等を一時記憶したりする。また、このメインメモリ13は、制御部11aの命令に応じて一時記憶しているデータ等を各部11b~14および各装置22~24に送信する。
【0047】
(1-3)接続部
接続部12は、チップセット等の半導体チップであって、メインメモリ13およびクロック25を中央処理演算部11に接続させると共に、各種インターフェイス15~18を介して補助メモリ14、入力装置22、ディスプレイ23および通信装置24を中央処理演算部11に接続している。
【0048】
(1-4)補助メモリ
補助メモリ14は、例えば、ハーディスクドライブやSSD等である。本発明の実施の形態において、この補助メモリ14には、図4に示されるように、オペレーティングシステム14a、デバイスドライバ14b、米管理アプリケーション14c、炊飯シーケンス14dといったプログラム、各種データ等が格納されている。この補助メモリ14は、制御部11aの命令に応じてメインメモリ13にプログラムやデータ等を供給したりメインメモリ13から送信されるデータ等を格納したりする。なお、この補助メモリ14は、外付けタイプであっても構わない。
【0049】
オペレーティングシステム14aは、例えば、WINDOWS(登録商標)、MACOS(登録商標)、OS/2、UNIX(登録商標)(例えば、Linux(登録商標)等、あるいはBeOS(登録商標)等であって、各部12~14、各種インターフェイス15~18、各装置22~24等のハードウェア監視や、ユーザインターフェイスの提供、各種データの監視、アプリケーションの共通部分の処理等を行う。デバイスドライバ14bは、補助メモリ14、接続部12、および各装置22~24それぞれに対して用意されている専用プログラムであって、オペレーティングシステム14aが補助メモリ14、接続部12および各装置22~24を制御するための橋渡しを行う。
【0050】
米管理アプリケーション14cは、炊飯器RCからサービスサーバSVtに送信されてくるデータセットをデータベースDB(図4参照)に格納したり、データベースDBに格納される各種データに基づいて米が完全になくなる日の7日前の日を算出したり、米が完全になくなる日の7日前の日になったときに、自動的に受注管理サーバSVaに対して発注データを送信したり(図9参照)、米の到着予定日になったときにその米の銘柄に応じた炊飯シーケンスを炊飯器RCに自動的に送信して更新させたりする(図11および図12参照)ためのプログラムである。なお、米管理アプリケーション14cによって実行される上述の処理については後に詳述する。
【0051】
この米管理アプリケーション14cは、上述の通り、データベースDBを備えている。このデータベースDBには、主に、顧客情報管理テーブル、炊飯器ログ管理テーブル、発注管理テーブルおよび炊飯シーケンス管理テーブルが含まれている。
【0052】
顧客情報管理テーブルTB0はいわゆるマスターテーブルであって、この顧客情報管理テーブルTB0では、図5に示されるように顧客IDデータ、サービス登録者の氏データ、サービス登録者の名データ、サービス登録者の住所データ、サービス登録者の電話番号データ、サービス登録者の電子メールデータ、炊飯器RCの製品番号データDTi、自動発注フラグデータ、米の初期残合数データDTr、米の銘柄データDTn、発注合数データDTo等が行単位で関連付けられて記憶されている。なお、これらのデータは、事前にサービス登録者が炊飯器RCの購入時等にサービス提供者のWebサイトを通じて入力されている。顧客IDデータは、サービス提供がサービス登録者に対して付与したサービス登録者に固有の識別番号のデータである。炊飯器RCの製品番号データDTiは、製造時に付与される炊飯器RCに固有の識別番号のデータである。なお、この製品番号の上二文字は機種を表している。自動発注フラグデータは、サービス登録者がサービス提供者に対してコメの自動発注をしてもらうことを希望するか否かを示すデータである。なお、「YES」は自動発注を希望する旨を示し、「NO」は自動発注を希望しない旨を示している。ここで、自動発注フラグデータが「YES」となっているサービス登録者に対してのみ自動発注サービスおよび炊飯シーケンス更新サービスが行われる。米の初期残合数データDTrは、サービス登録時に残っている米の合数のデータである。米の銘柄データDTnは、自動発注時に購入を希望する米の銘柄のデータである。なお、この希望銘柄データDTnは、サービス登録者のWebサイトを通じて常に変更することができる。発注合数データDToは、自動発注時に希望する米の合数のデータである。なお、この発注合数データDToも、サービス登録者のWebサイトを通じて常に変更することができる。
【0053】
炊飯器ログ管理テーブルTB1は、図6に示されるように製品番号データDTi毎に設けられる複数のテーブルを含むテーブル群である。各炊飯器ログ管理テーブルTB1では、発信日時データDTh、推定消費合数データDTc、推定消費合数積算値データDTg、推定消費合数の移動平均データおよび米の推定残合数データDTy等が行単位で関連付けられて記憶されている。発信日時データDThは、炊飯器RCがサービスサーバSVtに対して推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTg等を送信した日時の情報であって、製品番号データDTi、推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTgとデータセットとして送信されてくる。推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTgは、上述の通りであって、合数判定完了毎に炊飯器RCから送信されてくる。推定消費合数の移動平均データは、10回分の推定消費合数の移動平均値のデータである(推定消費合数データの数が10に満たない場合は、そのときに存在する個数の推定消費合数データから移動平均値のデータを導出する。)。推定残合数データDTyは、N-1回目(すなわちN回の1回前)の推定残合数からN回目の推定消費合数を差し引いた値のデータである。なお、初回の推定残合数は、初期残合数から初回の推定合数を差し引いた値となる。
【0054】
また、サービスサーバSVtが受注管理サーバSVaから到着予定日のデータを受信した場合、発注データ中の米の発注合数データを米の推定消費合数データDTcとしてこの炊飯器ログ管理テーブルTB1に書き込む。なお、かかる場合、発注合数は負の値とされる。このため、その際の推定残合数は、その前の回の推定残合数に発注合数の絶対値が足された値となる(負の値を差し引くことになるため。)。
【0055】
発注管理テーブルTB2は、図7に示されるように製品番号データDTi毎に設けられる複数のテーブルを含むテーブル群である。各発注管理テーブルTB2では、発注番号データ、発注日時データ、米の銘柄データDTn、発注合数データDToおよび到着予定日データDTp等が行単位で関連付けられて記憶されている。発注番号データは、発注を特定するための固有の番号のデータであって、サービスサーバSVtによって自動付与される。発注日時データは、サービスサーバSVtが受注管理サーバSVaに対して米を発注した際の日時のデータである。なお、この発注日時データは、サービスサーバSVtが受注管理サーバSVaに対して発注データを送信した際に、時計プログラムから取得される。米の銘柄データDTnは、上述の通りであるが、発注管理テーブルTB2における銘柄データDTnは、自動発注準備時(発注データ作成時)に、製品番号データDTiを顧客情報管理テーブルTB0に照合して引き出されるものである。発注合数データDToは、上述の通りであるが、発注管理テーブルTB2における発注合数データDToは、自動発注準備時(発注データ作成時)に、製品番号データDTiを顧客情報管理テーブルTB0に照合して引き出されるものである。到着予定日データDTpは、発注した米が顧客の住居等に届く予定の日のデータであって、自動発注後に受注管理サーバSVaから提供される。
【0056】
炊飯シーケンス管理テーブルTB3は、図8に示されるように機種毎に設けられる複数のテーブルを含むテーブル群である。なお、機種データDTxは、いずれかの製品番号データDTiの上二文字と一致している。各炊飯シーケンス管理テーブルTB3では、米の銘柄データおよび炊飯シーケンス保存URLデータが行単位で関連付けられて記憶されている。米の銘柄データDTnは、上述の通りである。なお、炊飯シーケンス管理テーブルTB3における銘柄データDTnは、サービス提供者によって事前に登録されたものである。炊飯シーケンス保存URLデータDTdは、各銘柄の米の炊飯に適する炊飯シーケンス14dの保存場所を示すURLのデータである。なお、この炊飯シーケンス保存URLデータDTdは、サービス提供者によって事前に登録されたものである。
【0057】
炊飯シーケンス14dは、炊飯器RCの制御プログラムであって、機種ごとに米の各銘柄に適したものが用意されている。
【0058】
(1-5)インターフェイス
補助メモリインターフェイス15は、補助メモリ14を接続部12に接続する。入力インターフェイス16は、例えば、PS/2、USB、IEEE1212、RS232、あるいはIrDA(Infrared Data Association)等のインターフェイスであって、メインメモリ13にデータを入力するためのキーボード、マウス、スキャナ、あるいはOCR等といった入力装置22を接続する。ディスプレイインターフェイス17は、例えば、AGP(Accelerated Graphics Port)、PCI(Peripheral Component Interconnect)、あるいはRS232等のインターフェイスであって、メインメモリ13から送信されてきたデータを文字や画像として表示するためのCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイ等といったディスプレイ23を接続する。通信インターフェイス18は、通信ネットワークNTに通信接続するための通信装置124を接続する。
【0059】
(2)米管理アプリケーションによる米管理
上述した米管理アプリケーション14cでは、図9に示されるフローチャートに表される自動発注処理、および、図11および図12に示されるフローチャートに表されている炊飯シーケンス更新処理等が実行される。以下、図9に示されるフローチャートを用いて自動発注処理について説明した後に、図11および図12に示されるフローチャートを用いて炊飯シーケンス更新処理について説明する。
【0060】
(2-1)自動発注処理
図9に示されるフローチャートにおいて、ステップS1では、サービスサーバSVtの中央処理演算部11が、炊飯器RCから発信日時データDTh、製品番号データDTi、推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTgのデータセットを受信したか否かを判定する。ステップS1における判定の結果、上記データセットが受信されたと判定された場合、処理はステップS2に移る。一方、ステップS1における判定の結果、上記データセットが受信されていないと判定された場合、処理はステップS1に戻る。
【0061】
ステップS2では、中央処理演算部11が、受信した上記データセットを炊飯器ログ管理テーブルTB1に登録する。
【0062】
ステップS3では、中央処理演算部11が、炊飯器ログ管理テーブルTB1中のデータに基づいて、製品番号データDTiに対応する炊飯器RCの所有者(顧客)において米が尽きるまでの推定日数を算出する。具体的には、以下の計算式(A)を成立させる最初のM値を求める(なお、M値は1以上の整数である。)。なお、初回の計算式は式(B)の通りとなる。そして、このM値が推定日数とされる。
【0063】
(最新の推定残合数)-(最新の推定消費合数の移動平均値)×M≦0・・・式(A)
【0064】
(初期残合数)-(二回目の推定消費合数)×M≦0・・・式(B)
【0065】
ステップS4では、中央処理演算部11が、ステップ3で求められた推定日数が7日以下であるか否かを判定する。ステップS3における判定の結果、推定日数が7日以下であると判定された場合、処理はステップS5に移る。一方、ステップS3における判定の結果、推定日数が7日以下ではない、すなわち、7日超であると判定された場合、処理は終了する。
【0066】
ステップS5では、中央処理演算部11が、発注データを生成して発注管理テーブルTB2に登録する。具体的には、中央処理演算部11は、発注番号データを生成すると共に、顧客情報管理テーブルTB0に製品番号データDTiを照合して、製品番号データDTiに関連付けられたサービス登録者の氏データ、サービス登録者の名データ、サービス登録者の住所データ、サービス登録者の電話番号データ、サービス登録者の電子メールデータ、米の銘柄データDTnおよび発注合数データDToを引き出し、それらのデータをセット化して発注データとする。
【0067】
ステップS6では、中央処理演算部11が、受注管理サーバSVaに対して発注データを送信する。その後、この一連の処理は終了する。
【0068】
その後、中央処理演算部11は、図10に示されるフローチャートに示される処理を実行する。図10に示されるフローチャートにおいて、ステップS11では、中央処理演算部11が、受注管理サーバSVaから発注番号データおよび到着予定日データのデータセットを受信したか否かを判定する。ステップS11における判定の結果、上記データセットが受信されたと判定された場合、処理はステップS12に移る。一方、ステップS11における判定の結果、上記データセットが受信されていないと判定された場合、処理はステップS11に戻る。
【0069】
ステップS12では、中央処理演算部11が、データセット中の発注番号データを確認して、対応する到着予定日データの入力欄にその到着予定日データを登録する。その後、この一連の処理は終了する。
【0070】
(2-2)炊飯シーケンス更新処理
図11および図12に示されるフローチャートにおいて、ステップS21では、サービスサーバSVtの中央処理演算部11が、時計プログラムで示される実際の日のデータが到着予定データDTpに一致しているか否かを判定する。ステップS21における判定の結果、実際の日のデータが到着予定データDTpに一致していると判定された場合、処理はステップS22に移る。一方、ステップS21における判定の結果、実際の日のデータが到着予定データDTpに一致していないと判定された場合、処理は終了する。
【0071】
ステップS22では、中央処理演算部11が、時計プログラムで示される実際の日のデータが到着予定データDTpを超えているか否かを判定する。ステップS22における判定の結果、実際の日のデータが到着予定データDTpを超えていると判定された場合、処理はステップS31に移る。一方、ステップS22における判定の結果、実際の日のデータが到着予定データDTpに超えていないと判定された場合、処理はステップS23に移る(なお、炊飯シーケンス更新処理の最初の段階では、通常、実際の日のデータが到着予定データDTpを一致しており超えていないため、処理はそのままステップS23に移る。)。
【0072】
ステップS23では、中央処理演算部11が、製品番号データDTiに対応する炊飯器RCに対して通知指令データを送信して、その炊飯器RCが待機中であるか否かを判定する。ステップS23における判定の結果、炊飯器RCが待機中であると判定された場合(すなわち、サービスサーバSVtが、通知指令データ送信から一定期間内に炊飯器RCから待機状態にあることを示すデータを受信した場合)、処理はステップS24に移る。一方、ステップS23における判定の結果、炊飯器RCが待機中でないと判定されたと判定された場合(すなわち、サービスサーバSVtが、通知指令データ送信から一定期間内に炊飯器RCから待機状態にあることを示すデータを受信しなかった場合)、処理はステップS26に移る。
【0073】
ステップS24では、中央処理演算部11が、炊飯シーケンス管理テーブルTB3に製品番号データDTiおよび銘柄データDTnを照合して、その製品番号データDTiおよび銘柄データDTnに関連付けられた炊飯シーケンス保存URLデータDTdから炊飯シーケンスをダウンロードする。その炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信する。
【0074】
ステップS25では、中央処理演算部11が、S24においてダウンロードした炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信する。そして、この処理は終了する。
【0075】
ステップS26では、中央処理演算部11が、ソフトウェアタイマーを起動させて時間を計測させる。
【0076】
ステップS27では、中央処理演算部11が、ソフトウェアタイマーの経過時間が1時間に達したか否かを判定する。ステップS27の判定の結果、ソフトウェアタイマーの経過時間が1時間に達したと判定された場合、処理はステップS22に戻る。一方、ステップS27の判定の結果、ソフトウェアタイマーの経過時間が1時間に達していないと判定された場合、処理はステップS27に戻る。
【0077】
ステップS31では、中央処理演算部11が、炊飯器RCが炊飯開始の通知信号を送ってきたか否かを判定する。ステップS31の判定の結果、炊飯器RCが炊飯開始の通知信号を送ってきたと判定された場合、処理はステップS32に戻る。一方、ステップS31の判定の結果、炊飯器RCが炊飯開始の通知信号を送ってきていないと判定された場合、処理はステップS31に戻る。
【0078】
ステップS32では、中央処理演算部11が、炊飯シーケンス管理テーブルTB3に製品番号データDTiおよび銘柄データDTnを照合して、その製品番号データDTiおよび銘柄データDTnに関連付けられた炊飯シーケンス保存URLデータDTdから炊飯シーケンスをダウンロードする。その炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信する。
【0079】
ステップS33では、中央処理演算部11が、S32においてダウンロードした炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信する。そして、この処理は終了する。
【0080】
すなわち、中央処理演算部11は、その日が到着予定日になったら炊飯器RCが待機中であることを確認し、待機中であれば、製品番号データDTiおよび銘柄データDTnに適した炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信して、その炊飯器RCの炊飯シーケンスを書き換える(更新する)。また、中央処理演算部11は、炊飯器RCが待機中でなかった場合、1時間おきに炊飯器RCの状態を確認し、炊飯器RCが待機中になったときに炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信して、その炊飯器RCの炊飯シーケンスを書き換える(更新する)。さらに、中央処理演算部11は、到着予定日に炊飯器RCが待機状態にならなかった場合、その後、炊飯器RCから炊飯開始の通知データが届くのを待って、炊飯器RCから炊飯開始の通知データが届いたときに炊飯シーケンスを炊飯器RCに送信して、その炊飯器RCの炊飯シーケンスを書き換える(更新する)。
【0081】
3.受注管理サーバ
受注管理サーバSVaは、様々な人々や組織から通信ネットワークNTを介して発注される商品の受注を管理するためのものである。なお、この受注管理サーバSVaは、サービスサーバSVtのハードウェア構成とほぼ同様のハードウェア構成を有するコンピュータである。このため、この受注管理サーバSVaを構成する各種ハードウェアの説明は省略する。
【0082】
この受注管理サーバSVaは、サービスサーバSVtから発注データを受信した場合、その発注データを自身の補助メモリに記憶する。なお、この発注データには、上述の通り、発注番号データや、サービス登録者の氏データ、サービス登録者の名データ、サービス登録者の住所データ、サービス登録者の電話番号データ、サービス登録者の電子メールデータ、米の銘柄データ、米の発注合数データ等が含まれている。なお、米の銘柄データや発注合数データは、事前に、炊飯器RCや、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等を用いてサービスサーバSVtに登録されている。なお、米の銘柄データや米の発注合数データは、各炊飯器RCの所有者の識別データに関連付けられている。そして、受注管理サーバSVaに、その米の到着予定日が入力された場合、受注管理サーバSVaは、その到着予定日のデータを発注番号データとセットにしてサービスサーバSVtに送信する。
【0083】
<通信異常対策>
本実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100では、サービスサーバSVtと炊飯器RCとの間で通信異常が生じて炊飯器RCがサービスサーバSVtに発信日時データDTh、製品番号データ、推定消費合数データおよび推定消費合数積算値データを送信できない状況になっても、サービスサーバSVtの炊飯器ログ管理テーブルTB1を正常に保つための対策が施されている。以下、この対策について詳述する。
【0084】
上述の通り、この炊飯シーケンス自動更新システム100では、炊飯器RCにおいて、マイクロコンピュータMCは、合数判定完了毎に、発信日時データDTh、製品番号データ、推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTgをデータセットとしてサービスサーバSVtに送信している。また、このマイクロコンピュータMCは、通信異常対策として、例えば、1日おきに、EEPROM30に記憶されている数日分の発信日時データDTh、製品番号データ、推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTg(以下、これらのデータをまとめて「定期送信データ」という場合がある。)を、サービスサーバSVtに送信している。

そして、サービスサーバSVtは、定期送信データの受信後、定期送信データ中の複数の発信日時データDThそれぞれを炊飯器ログ管理テーブルTB1内の発信日時データDThに照合して、定期送信データ中の発信日時データDTh中に炊飯器ログ管理テーブルTB1内の発信日時データDThと一致しない発信日時データDThが存在しないかを確認し、定期送信データ中の発信日時データDTh中に炊飯器ログ管理テーブルTB1内の発信日時データDThと一致しない発信日時データDThが存在した場合、定期送信データを用いて炊飯器ログ管理テーブルTB1を更新する(なお、定期送信データ中の発信日時データDTh中に炊飯器ログ管理テーブルTB1内の発信日時データDThと一致しない発信日時データDThが存在しなかった場合は、そのまま処理を終える。)。例えば、炊飯器ログ管理テーブルTB1中に発信日時データDThとしてM月D日およびM月D+2日のデータが存在し、定期送信データ内にM月D日、M月D+1日およびM月D+2日のデータが存在する場合、サービスサーバSVtは、炊飯器ログ管理テーブルTB1のM月D日分の行と、M月D+2日分の行との間にM月D+1日分の行を挿し込み、その行に定期送信データ中の推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTgを登録する。サービスサーバSVtは、このように定期送信データを用いて炊飯器ログ管理テーブルTB1を更新した場合、その直後に自動発注処理および炊飯シーケンス更新処理を実行する。
【0085】
<本発明の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システムの特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100では、米の消費状態の管理が炊飯器側ではなくサービスサーバ側で行われる。このため、この炊飯シーケンス自動更新システム100では、炊飯器の情報処理量を低減することができる。
【0086】
(2)
本発明の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100では、炊飯器RCのマイクロコンピュータMCが、定期的に、EEPROM30に記憶されている数日分の定期送信データをサービスサーバSVtに送信しており、サービスサーバSVtが、定期送信データの受信後に、複数の発信日時データDThそれぞれを炊飯器ログ管理テーブルTB1内の発信日時データDThに照合して、定期送信データ中の発信日時データDTh中に炊飯器ログ管理テーブルTB1内の発信日時データDThと一致しない発信日時データDThが存在した場合、定期送信データを用いて炊飯器ログ管理テーブルTB1を更新する。このため、この炊飯シーケンス自動更新システム100では、炊飯器RCとサービスサーバSVtとの間に通信障害等があっても通信回復時に米の消費状態を正確に管理し直すことができる。
【0087】
<変形例>
(A)
先の実施の形態では炊飯シーケンス自動更新システム100では炊飯器RCにおける米の消費量が管理されたが、同様のロジックで他の加工装置における消費材の消費量が管理されてもよい。
【0088】
(B)
先の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100は顧客が米の銘柄を選択することができる仕様になっていたが、顧客が米の銘柄を選択することができない仕様になっていてもかまわないし、顧客が米の品種しか選択することができない仕様になっていてもかまわない。かかる場合、受注管理サーバSVaは、到着予定日のデータ、米の銘柄データおよび発注番号データをセットにしてサービスサーバSVtに送信する。そして、サービスサーバSVtは、その米の銘柄データに基づいて炊飯シーケンスを選択して炊飯器RCに送信することになる。
【0089】
(C)
先の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100ではサービスサーバSVtにおいて生成される発注データにサービス登録者の氏データ、サービス登録者の名データ、サービス登録者の住所データ、サービス登録者の電話番号データ、サービス登録者の電子メールデータ等が含められていたが、受注管理サーバSVaに顧客IDデータ、サービス登録者の氏データ、サービス登録者の名データ、サービス登録者の住所データ、サービス登録者の電話番号データ、サービス登録者の電子メールデータ等が既に登録されている場合は、それらの情報に代えて顧客IDデータを発注データに含ませるようにすればよい(かかる場合、発注データには、発注番号データ、顧客IDデータ、米の銘柄データDTnおよび発注合数データDToを含めればよいことになる。)。
【0090】
(D)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、通信ネットワークNTを介して顧客のスマートフォンやタブレット等の携帯端末を接続可能とし、サービスサーバSVtからその携帯端末に各種通知(例えば、合数判定完了通知、推定合数通知、むらし到達通知、炊飯完了通知、米が尽きるまでの推定日数の通知、7日後に米がなくなる旨の通知、米の到着予定日通知など)が送信されるようにしてもよい。なお、このような通知は、炊飯器RCの状態が変化する度に携帯端末に送信されてもよい。このようにすれば、炊飯器RCの状態が変化する度に、炊飯器RCの所有者がその加工装置の状態を把握することができる。このため、炊飯器RCの所有者は、その都度都度で適正に炊飯されているかを確認することができる。
【0091】
(E)
先の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100では炊飯器RCにおける米の消費量を合数で管理していたが、合数に代えて重さで管理してもよい。
【0092】
(F)
先の実施の形態に係る炊飯シーケンス自動更新システム100では通信異常対策として発信日時データDThが利用されたが、推定消費合数積算値データDTgが利用されてもよい。かかる場合、具体的には以下の処理がなされることになる。なお、かかる場合、発信日時データDThは不要となるが、発信日時データDThは存在していてもかまわない。
【0093】
かかる場合、サービスサーバSVtは、定期送信データの受信後、定期送信データ中の最新の推定消費合数積算値データDTgを炊飯器ログ管理テーブルTB1内の最新の推定消費合数積算値データDTgに照合して、定期送信データ中の推定消費合数積算値データDTgが炊飯器ログ管理テーブルTB1内の推定消費合数積算値データDTgと一致するか否かを確認し、定期送信データ中の推定消費合数積算値データDTgが炊飯器ログ管理テーブルTB1内の推定消費合数積算値データDTgと一致しない場合、定期送信データを用いて炊飯器ログ管理テーブルTB1を更新する(なお、定期送信データ中の推定消費合数積算値データDTgが炊飯器ログ管理テーブルTB1内の推定消費合数積算値データDTgと一致した場合は、そのまま処理を終える。)。例えば、炊飯器ログ管理テーブルTB1中の推定消費合数積算値データDTgが60であり、定期送信データ中の推定消費合数積算値データDTgが66である場合、サービスサーバSVtは、炊飯器ログ管理テーブルTB1の最新の行を作成し、その行に定期送信データ中の推定消費合数データDTcおよび推定消費合数積算値データDTgを登録する。サービスサーバSVtは、このように定期送信データを用いて炊飯器ログ管理テーブルTB1を更新した場合、その直後に自動発注処理および炊飯シーケンス更新処理を実行する。
【0094】
上記変形例は、単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
11 中央処理演算部(推定日数算出部,定期確認部)
14 補助メモリ(第1記憶部)
30 EEPROM(第2記憶部)
100 炊飯シーケンス自動更新システム(消費材管理システム)
CC 通信回路基板(送信部)
RC 炊飯器(加工装置)
SVt サービスサーバ(サーバ)
DTc 推定消費合数データ(加工に関する情報)
DTg 推定消費合数積算値データ(加工に関する情報,消費材の積算消費量の情報)
DTh 発信日時データ(日時情報
DTr 初期残合数データ(消費の貯蓄量の情報)
DTy 推定残合数データ(消費の貯蓄量の情報)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12