(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】ストローユニット、蓋ユニットおよび容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/06 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
B65D47/06 110
(21)【出願番号】P 2021052027
(22)【出願日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】水流 猛志
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-120855(JP,A)
【文献】特表2018-502021(JP,A)
【文献】中国実用新案第210643588(CN,U)
【文献】実公平04-015015(JP,Y2)
【文献】特開2001-002133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体に着脱可能に取り付けられる蓋ユニットにストローを取り付けるためのストローユニットであって、
外部から力を加えられても変形しにくい材質を用いて構成されている第1ストローと、
第2ストローと、
前記第1ストローおよび第2ストローを接続するためのストロージョイント部と、
前記ストロージョイント部の一端を覆うように設置される上シール部材と、
前記ストロージョイント部の他端を覆うように設置される下シール部材と、
を備え、
前記ストロージョイント部は、前記第1ストローの一端、および、前記第2ストローの一端を固定する構成を有して
おり、
前記上シール部材は、
前記第1ストローからの漏れを防ぐシール部と、前記容器本体の内部と連通する空気孔を確保するとともに、蓋ユニットが閉じられたときに、前記空気孔を密閉するための空気孔シール部とを有する、
ストローユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のストローユニットと、
開閉自在な蓋を有する蓋
ユニットであって、前記ストローユニットを装着することができる前記蓋
ユニットと、
前記
蓋に装着される蓋シール部材と、
を備え、
前記蓋シール部材は、前記蓋
ユニットの前記蓋を閉じたときに、前記ストローユニットの前記第1ストローの一方の端部を密閉する位置に配置されている、
蓋ユニット。
【請求項3】
請求項
2に記載の蓋ユニットと、
前記蓋ユニットを着脱可能に装着する容器本体と、
を備える容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に着脱可能なストローユニット(ストロー取り付け機構)についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に、「上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、上部に通液口が設けられたキャップ本体と、
前記キャップ本体にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられた状態で、前記通液口を開閉する蓋体と、
前記キャップ本体の前記ヒンジ部とは反対側に位置して、前記蓋体を前記キャップ本体に対して固定する蓋ロック機構とを備え、
前記ヒンジ部の下方に指掛け部が設けられていることを特徴とするキャップユニット(例えば、特開2018-008715号公報参照。)」であって、
「前記通液口は、可撓性を有するストローにより構成され、
前記ストローは、前記キャップ本体の上部から突出して設けられて、前記蓋ロック機構により前記蓋体が前記キャップ本体に対して固定されたときに、前記蓋体の内側に折り曲げられた状態で収容されることを特徴とする」キャップユニット(例えば、特開2018-008715号公報参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように、可撓性のストローが、キャップ本体の上部から突出して設けられて、蓋ロック機構により蓋体がキャップ本体に対して固定されたときに、蓋体の内側に折り曲げられた状態で収容されていると、蓋体が閉じているとき、折り曲げられているストローによる弾性力(復元力)が蓋体にかかっている状態となる。このような状態の蓋体をユーザーが開くと、ユーザーが予想している以上の勢いで蓋体が開いてしまい、ユーザーにとっては使用しにくい問題点がある。
【0005】
また、可撓性のストローにはゴム部材が用いられることが多く、ゴム部材で形成されているストローに口を付けて飲むことに抵抗のあるユーザーは、ゴム部材のストローを使用したくなくなるという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、使い勝手がよく、ユーザーが蓋を開けるときに勢いよく蓋が開くようなことが起きることなく、安全かつ確実に蓋を開けることができる蓋付き容器および当該容器に使用されるストローユニット(ストロー取り付け機構)を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
上部が開口した容器本体に着脱可能に取り付けられる蓋ユニットにストローを取り付けるためのストローユニットであって、
第1ストローと、
第2ストローと、
前記第1ストローおよび第2ストローを接続するためのストロージョイント部と、
を備え、
前記ストロージョイント部は、前記第1ストローの一端、および、前記第2ストローの一端を固定する構成を有している、
ストローユニットである。
【0008】
これにより、分割されたストローである第1ストローと第2ストローとをストロージョイント部に接続することで、ストローユニットを構成することができる。
第2の発明は、第1の発明であって、
前記ストロージョイント部の一端を覆うように設置される上シール部材と、
前記ストロージョイント部の他端を覆うように設置される下シール部材と、
をさらに備える。
【0009】
これにより、上シール部材および下シール部材を備えるストロージョイント部を実現することができる。そして、例えば、上シール部材および下シール部材を備えるストロージョイント部を、蓋ユニットの所定の場所に装着することで、ストロージョイント部、並びに、ストロージョイント部に装着された第1ストローおよび/または第2ストローの位置決めを確実かつ正確に行うことができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明であって、
前記上シール部材は、
前記第1ストローからの漏れを防ぐシール部と、前記容器本体の内部と連通する空気孔を確保するとともに、蓋ユニットが閉じられてときに、前記空気孔を密閉するための空気孔シール部とを有する。
【0011】
これにより、空気孔シール部を一体として有する上シール部材を実現でき、部品点数を削減することができる。
【0012】
第4の発明は、
第1から第3のいずれかの発明であるストローユニットと、
開閉自在な蓋を有する蓋体であって、前記ストローユニットを装着することができる前記蓋体と、
前記蓋体に装着される蓋シール部材と、
を備え、
前記蓋シール部材は、前記蓋体の前記蓋を閉じたときに、前記ストローユニットの前記第1ストローの一方の端部を密閉する位置に配置されている、
蓋ユニットである。
【0013】
この蓋ユニットでは、ストローユニットのストロージョイント部を蓋体の所定の位置に装着することで、第1ストローおよび第2ストローの位置(上下位置)を確実に位置決めすることができる。そして、これにより、ストローの位置(特に、第1ストローの上端の位置)が固定されるので、蓋を閉じたときに、第1ストローの端面(上部の端面)と蓋に設けた蓋シール部材とのシールを確実なものとすることができる。
【0014】
また、この蓋ユニットにおいて、蓋を閉じた状態から開く場合、ストローユニットの第1ストローから蓋シール部材が離れるだけなので、第1ストローが変形することはない。その結果、この蓋ユニットでは、ユーザーが蓋を開けるときに勢いよく蓋が開くようなことが起きることなく、安全かつ確実に蓋を開けることができる。
【0015】
第5の発明は、
第4の発明である蓋ユニットと、
前記蓋ユニットを着脱可能に装着する容器本体と、
を備える容器である。
【0016】
これにより、第4の発明と同様の効果を奏する容器を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、使い勝手がよく、ユーザーが蓋を開けるときに勢いよく蓋が開くようなことが起きることなく、安全かつ確実に蓋を開けることができる蓋付き容器および当該容器に使用されるストローユニット(ストロー取り付け機構)を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る容器100の外観を示す図(斜視図)。
【
図2】第1実施形態に係る容器100の上面図と側面図。
【
図3】第1実施形態に係る容器100の分解斜視図。
【
図4】第1実施形態に係る容器100の縦断面図(
図1のA-A線による断面図)。
【
図5】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の断面図(
図1のA-A線による断面図)。
【
図6】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における断面図。
【
図7】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における斜視図。
【
図8】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図。
【
図9】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22の斜視図。
【
図10】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した斜視図。
【
図11】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分の上面図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した上面図。
【
図12】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LL、および、ストロー装着ユニット23の上面図。
【
図13】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のスライダー22S、および、ロックレバー22LLの斜視図。
【
図14】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aおよび蓋本体21の第1係止部231aの部分の断面斜視図。
【
図15】第1実施形態に係る容器100のストロー装着ユニット23の斜視図。
【
図16】第1実施形態に係る容器100のストローユニット3の分解斜視図。
【
図17】第1実施形態に係る容器100のストローユニット3の側面図。
【
図18】第1実施形態に係る容器100のストローユニット3のストロージョイント部3_JTの斜視図および断面斜視図。
【
図19】第1実施形態に係る容器100のストローユニット3のストロージョイント部3_JTおよび下ストロー31の断面斜視図。
【
図20】第1実施形態に係る容器100のストローユニット3(ストロージョイント部3_JTに、下ストロー31、上ストロー32、下シール部材33、および、上シール部材34を装着した状態のストローユニット3)の縦断面図。
【
図21】第1実施形態に係る容器100の下シール部材33の斜視図および断面斜視図。
【
図22】第1実施形態に係る容器100の上シール部材34の斜視図および断面斜視図。
【
図23】第1実施形態に係る容器100の蓋本体21およびストロー装着ユニット23の斜視図(ストロー装着ユニット23を蓋本体21に装着した状態の図)。
【
図24】第1実施形態に係る容器100の蓋本体21およびストロー装着ユニット23の斜視図(ストロー装着ユニット23を蓋本体21に装着した状態の図)。
【
図25】第1実施形態に係る容器100の蓋本体21、ストロー装着ユニット23、および、ストローユニット3の斜視図(ストロー装着ユニット23が装着された蓋本体21にストローユニット3を装着した状態の図)。
【
図26】第1実施形態に係る容器100の蓋本体21、ストロー装着ユニット23、および、ストローユニット3の断面斜視図(ストロー装着ユニット23が装着された蓋本体21にストローユニット3を装着した状態の図)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
【0020】
図1は、第1実施形態に係る容器100の外観を示す図(斜視図)である。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る容器100の上面図と側面図である。
【0022】
図3は、第1実施形態に係る容器100の分解斜視図である。
【0023】
図4は、第1実施形態に係る容器100の縦断面図(
図1のA-A線による断面図)である。
【0024】
図5は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の断面図(
図1のA-A線による断面図)である。
【0025】
図6は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における断面図である。
【0026】
図7は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における斜視図である。
【0027】
図8は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図である。
【0028】
図9は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22の斜視図である。
【0029】
図10は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した斜視図である。
【0030】
図11は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分の上面図(上方から見た平面図)であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した上面図である。
【0031】
図12は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LL、および、ストロー装着ユニット23の上面図(上方から見た平面図)である。
【0032】
図13は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のスライダー22S、および、ロックレバー22LLの斜視図である。
【0033】
図14は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aおよび蓋本体21の第1係止部231aの部分の断面斜視図である。
【0034】
図15は、第1実施形態に係る容器100のストロー装着ユニット23の斜視図である。
【0035】
図16は、第1実施形態に係る容器100のストローユニット3の分解斜視図である。
【0036】
図17は、第1実施形態に係る容器100のストローユニット3の側面図である。具体的には、
図17の左図は、下ストロー31および上ストロー32の側面図であり、
図17の中図は、下ストロー31、上ストロー32、および、ストロージョイント部3_JTの側面図であり、
図17の右図は、ストローユニット3の側面図である。
【0037】
図18は、第1実施形態に係る容器100のストローユニット3のストロージョイント部3_JTの斜視図および断面斜視図である。
【0038】
図19は、第1実施形態に係る容器100のストローユニット3のストロージョイント部3_JTおよび下ストロー31の断面斜視図である。
【0039】
図20は、第1実施形態に係る容器100のストローユニット3(ストロージョイント部3_JTに、下ストロー31、上ストロー32、下シール部材33、および、上シール部材34を装着した状態のストローユニット3)の縦断面図である。
【0040】
図21は、第1実施形態に係る容器100の下シール部材33の斜視図および断面斜視図である。
【0041】
図22は、第1実施形態に係る容器100の上シール部材34の斜視図および断面斜視図である。
【0042】
図23は、第1実施形態に係る容器100の蓋本体21およびストロー装着ユニット23の斜視図(ストロー装着ユニット23を蓋本体21に装着した状態の図)である。
【0043】
図24は、第1実施形態に係る容器100の蓋本体21およびストロー装着ユニット23の斜視図(ストロー装着ユニット23を蓋本体21に装着した状態の図)である。
【0044】
図25は、第1実施形態に係る容器100の蓋本体21、ストロー装着ユニット23、および、ストローユニット3の斜視図(ストロー装着ユニット23が装着された蓋本体21にストローユニット3を装着した状態の図)である。
【0045】
図26は、第1実施形態に係る容器100の蓋本体21、ストロー装着ユニット23、および、ストローユニット3の断面斜視図(ストロー装着ユニット23が装着された蓋本体21にストローユニット3を装着した状態の図)である。
【0046】
また、
図1~
図26に示すように、x軸、y軸、z軸を設定するものとする。また、x軸正方向を前(あるいは、前方、前方向)といい、x軸負方向を後(あるいは、後方、後方向)という。また、z軸正方向を上(あるいは、上方、上方向)といい、z軸負方向を下(あるいは、下方、下方向)という。また、y軸正方向を手前(あるいは、手前方向)といい、y軸負方向を奥(あるいは、奥方向)という。
【0047】
<1.1:容器の構成>
容器100は、
図1~
図4に示すように、容器本体1と、容器本体1に着脱自在に取り付けられる蓋ユニット2と、蓋ユニット2に着脱可能に取り付けられるストローユニット3とを備えている。容器100は、例えば、飲料水を入れて運搬することが可能であるとともに、ユーザーが蓋ユニット2の蓋部分を開けて、ストローユニット3のストローで、容器100内部の飲料水を飲むことを可能とする容器である。
【0048】
(1.1.1:容器本体)
容器本体1は、有底筒状の形状(例えば、
図1~
図4に示すように、縦長円筒形状)を有しており、正立させた状態において、上方に開口部を有している。容器本体1は、例えば、ステンレス鋼などの金属板を真空二重構造に形成した真空断熱構造とすることが好ましい。容器本体1は、蓋ユニット2により、その開口部が気密に塞がれることにより、容器本体1の内部の空間の密閉状態とすることができる。
【0049】
(1.1.2:蓋ユニット)
蓋ユニット2は、蓋本体21と、蓋22と、ストロー装着ユニット23と、第1シール部材24と、第2シール部材25とを備える。
【0050】
蓋本体21は、例えば、
図1~
図7に示すように、容器本体1に着脱可能な部材であって、略円筒形の形状を有している。蓋本体21は、ストロー装着ユニット23を収容する部材であり、ストロー装着ユニット23を収容した状態で、容器本体1に着脱可能に取り付けられる。また、蓋本体21は、蓋22を回動自在に取り付けるためのヒンジ部21hを有しており、ヒンジ部21hを介して、蓋22と接続される。なお、ヒンジ部21hは、取っ手部22bに指を掛けて容器100を持ち上げるときに、大きな負荷がかかるので、強度の高い材質(例えば、金属)により構成されることが好ましい。
【0051】
蓋22は、例えば、
図1~
図10に示すように、外装部22aと、取っ手部22bと、ベース部22cと、内装部22dと、ヒンジ部22hとを有しており、蓋22の内側(内装部22dの内側)に、ストローユニット3を収容する部材である。また、蓋22は、ロック解除レバー22RLと、スライダー22Sと、ロックレバー22LLとを備える。また、蓋22は、蓋22の後端側に設けられたヒンジ部22hを介して蓋本体21に回動自在に取り付けられる。
【0052】
外装部22aは、ベース部22cと内装部22dを収容するために内側が中空な構造を有している。そして、外装部22aは、例えば、
図1、
図2、
図8に示すように、平面視において略円形状の底部22a1と、底部から上方に縮径しながら延びる胴部と、胴部の上端において縮径された略円形状の上部22a3とを有している。そして、平面視において、外装部22aの上部の中心の位置は、外装部22aの底部の中心の位置に対して、前方(x軸正方向)となるように、外装部22aの底部、胴部および上部が形成されている。また、外装部22aの上部22a3の略中心部分に、
図8に示すように、第2シール部材25を装着するための開口部22a_holeが形成されている。また、
図9に示すように、外装部22aの胴部22a2の後方側(x軸負方向側)には、ロック解除レバー22RLを収容するための開口部22a2_holeが形成されている。
【0053】
取っ手部22bは、例えば、
図1~
図5、
図8、
図9に示すように、リング形状(側方(y軸方向)から見たときにリング形状)を有しており、外装部22aから後端部から後方へ延びるように形成されている。具体的には、取っ手部22bの一端は、外装部22aの胴部22a2の上部付近に接続されており、他端は、外装部22aの胴部22a2の下部付近に接続されている。そして、取っ手部22bは、
図4、
図5に示すように、断面視において、外装部22aの胴部22a2の上部付近および下部付近から略円弧形状(略円弧の一部の形状)で外方へ延びるように形成されている。また、取っ手部22bは、ヒンジ部22hと接続されている。これにより、取っ手部22bは、ヒンジ部22hを介して、ヒンジ部22hおよびヒンジ部21hの回転軸である軸ax_r_hを回転中心として、回動することができる。また、取っ手部22bは、
図4、
図5、
図8に示すように、ロック解除レバー22RLと対向する位置に設けられている。
【0054】
また、取っ手部22bの指掛け部(指を引っ掛ける部分(取っ手部22bのロック解除レバー22RLと対向する部分))がヒンジ部22h(ヒンジ軸)の上方近傍となるように、取っ手部22bが構成される。
【0055】
ベース部22cは、外装部22aの内部に設置され、その底部は、平面視で略円形であり、その半径は、外装部22aの底部22a1の内径と略同一である。そして、ベース部22cは、外装部22aの底部22a1において接続(固定)されており、これにより、ベース部22cは、外装部22aとともに、ヒンジ部22hおよびヒンジ部21hの回転軸ax_r_hを中心として、回動される。
【0056】
また、ベース部22cには、
図7に示すように、スライダー22Sの下端部を突出させるための2つの開口部22c_hole_aおよび22c_hole_aが形成されている。
【0057】
また、ベース部22cは、
図5に示すように、ロック解除レバー22RLの回転軸を設定するためのヒンジ部22chを有しており、ロックレバー22LLがヒンジ部22chに、回転軸が軸ax_22RLとなるように、回動自在に接続される。つまり、ベース部22cには、ロック解除レバー22RLが軸ax_22RLを回転軸として回動自在に設置されている。
【0058】
また、ベース部22cには、
図5、
図10に示すように、スライダー22Sが上下(z軸方向)(
図10の矢印Dir22Sの方向)にスライド可能となるように設置されている。また、ベース部22cには、ロックレバー22LLが前後(x軸方向)(
図10の矢印Dir22LLの方向)にスライド可能となるように設置されている。
【0059】
また、ベース部22cには、
図11に示すように、ロックレバー22LLを前方(x軸正方向)に付勢するための弾性部材(例えば、バネ)の一端を固定するための弾性体固定部22c_st_a、および、22c_st_bが設置されている。
【0060】
内装部22dは、外装部22aの内壁に沿うような形状で形成されており、その内側にストロー装着ユニット23に装着された上ストロー32を収容する空間を確保する部材である。また、内装部22dは、
図10に示すように、上部に、第2シール部材25を収容するための開口部22d_holeを有している。また、内装部22dは、
図10に示すように、スライダー22Sが上下にスライド可能(移動可能)な状態で、スライダー22Sを保持するスライダー保持部22dsを有している。
【0061】
ヒンジ部22hは、ベース部22cから後方へ延設されている。そして、ヒンジ部22hは、
図10に示すように、蓋本体21のヒンジ部21hと、蓋22が蓋本体21に対して回動自在(軸ax_r_hを回転軸として回動自在)となるように、接続される。なお、ヒンジ部22hは、取っ手部22bに指を掛けて容器100を持ち上げるときに、大きな負荷がかかるので、強度の高い材質(例えば、金属)により構成されることが好ましい。
【0062】
ロック解除レバー22RLは、蓋22が蓋本体21に対してロックされた状態から解除し、蓋22による開閉ができる状態とするためのレバー(ロック解除レバー)である。ロック解除レバー22RLは、例えば、
図5、
図10に示すように、ベース部22cのヒンジ部22chを介して、軸ax_22RLを回転軸として回動自在となるように、ベース部22cに接続されている。また、ロック解除レバー22RLの端部は、スライダー22Sの上面と当接しており、ユーザーがロック解除レバー22RLを押下することで、スライダー22Sの上面に下方向の力を加え、それによって、スライダーを下方向にスライドさせる機能を有している。
【0063】
スライダー22Sは、例えば、
図5、
図13に示すように、スライド部23S1と、スライド部23S1から延設されている第1脚部22S2_aと、スライド部23S1から第1脚部22S2_aとは反対方向に延設されている第2脚部22S2_bとを有している。スライダー22Sは、
図5、
図13に示すように、上端部が略平面であり、上端部がロック解除レバー22RLの端部と当接している。そして、ユーザーがロック解除レバー22RLを押下したとき、ロック解除レバー22RLの端部からの力がスライダー22Sの上面に加わり、それによって、スライダー22Sが下方向にスライドする。
【0064】
スライド部23S1は、
図5、
図13に示すように、後方側が斜面となるように形成されており、当該斜面がロックレバー22LLと当接するように配置される。
【0065】
第1脚部22S2_aは、
図13に示すように、スライド部23S1から延設されており、その下端部が、スライダー22Sが下方向に移動(スライド)したときに、ベース部22cの開口部22c_hole_a(
図7を参照)から下方向(外方)へ突出する形状を有している。
【0066】
第2脚部22S2_bは、
図13に示すように、スライド部23S1から延設されており、その下端部が、スライダー22Sが下方向に移動(スライド)したときに、ベース部22cの開口部22c_hole_b(
図7を参照)から下方向(外方)へ突出する形状を有している。
【0067】
なお、ロック解除レバー22RLの端部からの力がスライダー22Sの上面に加わり、それによって、スライダー22Sが下方向にスライドしたときに、第1脚部22S2_aおよび第2脚部22S2_bが、ベース部22cの開口部22c_hole_a、22c_hole_b(
図7を参照)から突出することで、再ロック防止機能が実現される。
【0068】
ロックレバー22LLは、例えば、
図5、
図10~
図13に示すように、スライダー当接部22LL1と、第1延設部22LL2_aと、第2延設部22LL2_bと、第1弾性部材係合部22LL3_aと、第2弾性部材係合部22LL3_bと、第1ツメ部22LL4_aと、第2ツメ部22LL4_bとを有する。
【0069】
スライダー当接部22LL1は、スライダー22Sのスライド部23S1の後ろ側の斜面と当接するような斜面を構成するように形成されている。つまり、スライダー当接部22LL1は、断面視において、略直角三角形の形状を有している(
図5、
図13を参照)。このため、スライダー22Sのスライド部23S1が下方向に移動(スライド)した場合、スライド部23S1の斜面から、スライダー当接部22LL1の斜面に力が加わり、それによって、スライダー当接部22LL1が後方向(x軸負方向)へ移動する。
【0070】
第1延設部22LL2_aは、
図11、
図12に示すように、平面視において、内装部22dの外壁部を囲むように延設された形状を有しており、スライダー当接部22LL1と、第1弾性部材係合部22LL3_aと、第1ツメ部22LL4_aとに接続されている。なお、第1延設部22LL2_aは、
図13に示すように、スライダー当接部22LL1と接続されている端部とは逆側の端部の下面において、第1ツメ部22LL4_aと接続されている。
【0071】
第2延設部22LL2_bは、
図11、
図12に示すように、平面視において、内装部22dの外壁部を囲むように延設された形状を有しており、スライダー当接部22LL1と、第2弾性部材係合部22LL3_bと、第2ツメ部22LL4_bとに接続されている。なお、第2延設部22LL2_bは、
図13に示すように、スライダー当接部22LL1と接続されている端部とは逆側の端部の下面において、第2ツメ部22LL4_bと接続されている。
【0072】
第1弾性部材係合部22LL3_aは、
図11に示すように、ベース部22cの弾性体固定部22c_st_aと対向する位置に設置される。そして、第1弾性部材係合部22LL3_aは、第1弾性部材係合部22LL3_aと弾性体固定部22c_st_aとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、前方(x軸正方向)に付勢される。
【0073】
第2弾性部材係合部22LL3_bは、
図11に示すように、ベース部22cの弾性体固定部22c_st_bと対向する位置に設置される。そして、第2弾性部材係合部22LL3_bは、第2弾性部材係合部22LL3_bと弾性体固定部22c_st_bとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、前方(x軸正方向)に付勢される。
【0074】
第1ツメ部22LL4_aは、
図12、
図13に示すように、第1延設部22LL2_aの端部の下面に接続され、前方(x軸正方向)に延びるように形成されている。第1ツメ部22LL4_aは、蓋22が閉じている状態において、第1弾性部材係合部22LL3_aと弾性体固定部22c_st_aとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、第1弾性部材係合部22LL3_aおよび第1延設部22LL2_aとともに、前方(x軸正方向)に付勢されており、かつ、第1ツメ部22LL4_aの先端がストロー装着ユニット23の第1係止部231aと係止している(
図14を参照)。これにより、蓋22が蓋本体21と密着した状態となり、蓋22が閉じた状態を維持できる。
【0075】
第2ツメ部22LL4_bは、
図12、
図13に示すように、第2延設部22LL2_bの端部の下面に接続され、前方(x軸正方向)に延びるように形成されている。第2ツメ部22LL4_bは、蓋22が閉じている状態において、第2弾性部材係合部22LL3_bと弾性体固定部22c_st_bとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、第2弾性部材係合部22LL3_bおよび第2延設部22LL2_bとともに、前方(x軸正方向)に付勢されており、かつ、第2ツメ部22LL4_bの先端がストロー装着ユニット23の第2係止部231bと係止している。これにより、蓋22が蓋本体21と密着した状態となり、蓋22が閉じた状態を維持できる。
【0076】
ストロー装着ユニット23は、ストローユニット3を装着するための部材である。また、ストロー装着ユニット23は、蓋本体21に装着される部材であり、
図15に示すように、上面に、第1係止部231aと、第2係止部231bとが設置されている。
【0077】
また、ストロー装着ユニット23には、
図15に示すように、ストローユニット3の下シール部材33を装着(配置)するための開口部23_hole1と、ストローユニット3の上シール部材34を装着(配置)するとともに空気孔を確保するための開口部23_hole2とが設けられている。
【0078】
第1シール部材24は、容器本体1の上部の開口部を密閉するための部材である。第1シール部材24は、ストロー装着ユニット23の下部に装着され、さらに、第1シール部材24が装着されたストロー装着ユニット23が蓋本体21に装着された状態において、容器本体1の上部の開口部を密閉する。
【0079】
第2シール部材25は、ストローユニット3の上ストロー32の上端を密閉するための部材である。第2シール部材25は、
図5に示すように、蓋22の外装部22aの開口部22a_holeおよび内装部22dの開口部22d_holeに配置され、蓋22を閉じた状態において、上ストロー32の上端を密閉する。これにより、蓋22を閉じた状態において、容器本体1に収容されている飲料水等が、ストローユニット3を介して、外部に漏れることを防止することができる。
【0080】
(1.1.3:ストローユニット)
ストローユニット3は、容器本体1に収容されている飲料水等を吸い上げるための部材であり、下ストロー31と、上ストロー32と、ストロージョイント部3_JTと、下シール部材33と、上シール部材34と、を備える。
【0081】
下ストロー31は、
図3、
図16、
図17に示すように、略円筒状の部材であり、その上端部がストロージョイント部3_JTに装着(接続)される。下ストロー31は、外部から力を加えられても変形しにくい材質(例えば、金属(例えば、ステンレス鋼)や樹脂材料)(剛性の高い物質)を用いて構成される。下ストロー31の材料としては、剛性の高いステンレス鋼やチタンなどを使用することが好ましい。
【0082】
上ストロー32は、
図3、
図16、
図17に示すように、略円筒状の部材であり、その下端部がストロージョイント部3_JTに装着(接続)される。上ストロー32は、外部から力を加えられても変形しにくい材質(例えば、金属(例えば、ステンレス鋼)や樹脂材料)(剛性の高い物質)を用いて構成される。上ストロー32の材料としては、剛性の高いステンレス鋼やチタンなどを使用することが好ましい。なお、上ストロー32の材質は、下ストローの材質と同じであってもよく、また、異なっていてもよい。例えば、上ストロー32を、ユーザーが口を付けても衛生状態を維持できるであるような材質(衛生的な物質)(抗菌された材質、Ag合金、さびにくい金属、衛生的な樹脂(抗菌処理された樹脂)等)を用いて実現してもよい。
【0083】
ストロージョイント部3_JTは、下ストロー31および上ストローを接続するための部材である。ストロージョイント部3_JTは、
図3、
図16~
図19に示すように、略円筒形の胴部3_JT_aと、第1外側周縁部3_JT_bと、第2外側周縁部3_JT_cと、第3外側周縁部3_JT_dと、内側周縁部3_JT_eとを有する。
【0084】
胴部3_JT_aは、
図18、
図19に示すように、略円筒形状の部材である。胴部3_JT_aは、その内径が、下ストロー31および上ストロー32を収容(挿入)できるように、下ストロー31の上端部(ストロージョイント部3_JTに接続する側の端部)の外径よりも大きく、かつ、上ストロー32の下端部(ストロージョイント部3_JTに接続する側の端部)の外径よりも大きくなるように形成される。また、上ストロー32および下ストローの端部を凸形加工した場合、上ストロー32および下ストローを圧入取付できるように、胴部3_JT_aの内側の一部(内壁部の一部)に、上ストロー32および下ストローの端部の凸形状に応じた形状(圧入取付できるように上ストロー32および下ストローの端部の凸形状に対応する凹形状)の部分を形成するようにしてもよい(
図20を参照)。
【0085】
第1外側周縁部3_JT_bは、
図18、
図19に示すように、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aから外側へ略均等に突出するように形成される。つまり、第1外側周縁部3_JT_bは、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aの外壁を囲むリング形状を有する部材である。すなわち、第1外側周縁部3_JT_bは、上方からの平面視において、胴部3_JT_aの中心軸(円筒軸)を中心(中心軸)とするリング形状(2つの同心円で規定される形状)を有する部材である。また、第1外側周縁部3_JT_bは、上シール部材34をストロージョイント部3_JTに装着したときの上シール部材34の位置を決めるための部材(位置決め用の部材)である(
図20を参照)。
【0086】
第2外側周縁部3_JT_cは、
図18、
図19に示すように、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aから外側へ略均等に突出するように形成される。つまり、第2外側周縁部3_JT_cは、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aの外壁を囲むリング形状を有する部材である。すなわち、第2外側周縁部3_JT_cは、平面視において、胴部3_JT_aの中心軸(円筒軸)を中心(中心軸)とするリング形状(2つの同心円で規定される形状)を有する部材である。また、第2外側周縁部3_JT_cは、下シール部材33をストロージョイント部3_JTに装着したときの下シール部材33の位置を決めるための部材(位置決め用の部材)である(
図20を参照)。
【0087】
第3外側周縁部3_JT_dは、
図18、
図19に示すように、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aから外側へ略均等に突出するように形成される。つまり、第3外側周縁部3_JT_dは、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aの外壁を囲むリング形状を有する部材である。すなわち、第3外側周縁部3_JT_dは、平面視において、胴部3_JT_aの中心軸(円筒軸)を中心(中心軸)とするリング形状(2つの同心円で規定される形状)を有する部材である。また、第3外側周縁部3_JT_dは、下シール部材33をストロージョイント部3_JTに装着したときに、下シール部材33がストロージョイント部3_JTと密着した状態を維持するための部材である(
図20を参照)。
【0088】
なお、第3外側周縁部3_JT_dは、第3外側周縁部3_JT_dの外側への突出量(突出している長さ)が、第2外側周縁部3_JT_cの外側への突出量(突出している長さ)よりも小さくなるように形成される。
【0089】
内側周縁部3_JT_eは、
図18、
図19に示すように、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aから内側へ略均等に突出するように形成される。つまり、内側周縁部3_JT_eは、胴部3_JT_aの所定の高さの位置において、胴部3_JT_aの内壁に囲まれるリング形状を有する部材である。すなわち、内側周縁部3_JT_eは、平面視において、胴部3_JT_aの中心軸(円筒軸)を中心(中心軸)とするリング形状(2つの同心円で規定される形状)を有する部材である。また、内側周縁部3_JT_eは、その内径が、下ストロー31の上端部(ストロージョイント部3_JTに接続する側の端部)の外径よりも小さく、かつ、上ストロー32の下端部(ストロージョイント部3_JTに接続する側の端部)の外径よりも小さくなるように形成される。これにより、下ストロー31および上ストロー32をストロージョイント部3_JTに装着するときに、下ストロー31の上端部(ストロージョイント部3_JTに接続する側の端部)、および、上ストロー32の下端部(ストロージョイント部3_JTに接続する側の端部)が、それぞれ、内側周縁部3_JT_eの下面および上面と接触するように、下ストロー31および上ストロー32を配置することができる。つまり、これにより、下ストロー31および上ストロー32をストロージョイント部3_JTに装着するときに、下ストロー31および上ストロー32の位置を正確に決めることができる(
図19(下ストロー31をストロージョイント部3_JTに装着したときの図)、
図20(下ストロー31および上ストロー32をストロージョイント部3_JTに装着したときの図)を参照)。
【0090】
なお、内側周縁部3_JT_eは、
図18、
図19に示すように、第1外側周縁部3_JT_bと、第2外側周縁部3_JT_bとの間の領域に配置される。
【0091】
そして、ストロージョイント部3_JTは、
図20に示すように、内側の下部に、下ストロー31が装着(挿入)され、内側の上部に、上ストロー32が装着(挿入)され、外側の下部において、下シール部材33が装着され、外側の上部において、上シール部材34が装着される。
【0092】
下シール部材33は、ストローユニット3が蓋本体21に装着された状態において、容器本体1の上部の開口部(下ストローが配置される付近の開口領域)を密閉するための部材である。下シール部材33は、
図16、
図17に示すように、ストロージョイント部3_JTの下部に装着される。下シール部材33は、
図21に示すように、略円筒形の部材であり、上部付近に凹部が形成されている。そして、下シール部材33は、上部付近の凹部がストロージョイント部3_JTの第3外側周縁部3_JT_dと当接するように、ストロージョイント部3_JTに装着される。これにより、
図20に示すように、下シール部材33を、ストロージョイント部3_JTの所定の位置に正確に装着することができる。
【0093】
上シール部材34は、ストローユニット3が蓋本体21に装着された状態において、上ストローの外側の周縁部付近を密閉するための部材である。さらに、上シール部材34は、
図16、
図17の右図、
図20、
図21に示すように、ストローシール部34aと、接続部34bと、空気孔シール部34cとを有している。
【0094】
ストローシール部34aは、
図22に示すように、略円筒状の形状を有しており、側壁部の外側の一部に接続部34bが接続されている。そして、ストローシール部34aは、
図20に示すように、下端部が、ストロージョイント部3_JTの第1外側周縁部3_JT_bの上面と接触し、かつ、外壁部が、ストロージョイント部3_JTの胴部3_JT_aの外壁部と接触するように、ストロージョイント部3_JTに装着される。そして、ストローシール部34aは、
図20に示すように、上ストロー32がストロージョイント部3_JTに装着されている場合、上部の内壁部が、上ストロー32の内壁部と接触するような形状を有している。これにより、ストローシール部34aを、上ストロー32が装着されているストロージョイント部3_JTに装着することで、上ストロー32からの飲料水等の漏れを防ぐことができる。
【0095】
接続部34bは、
図22に示すように、ストローシール部34aと、空気孔シール部34cとを連絡する部材である。接続部34bは、一端がストローシール部34aに接続され、かつ、他端が空気孔シール部34cと接続されている。
【0096】
空気孔シール部34cは、
図22に示すように、平板状の平板部34c1と、空気孔部34c2とを有する。
【0097】
平板部34c1は、平板状の部材であり、接続部34bに接続されている。また、平板部34c1の平板状部分を貫通するように空気孔部34c2が形成されている。
【0098】
空気孔部34c2は、
図22に示すように、略円筒形状の部材であり、平板部34c1の平板状部分を貫通するように形成されている。空気孔部34c2は、上シール部材34が、ストロー装着ユニット23に装着されるとき、ストロー装着ユニット23の開口部23_hole2(
図15を参照)に配置され、容器本体1との空気孔を確保するとともに、蓋22が閉じた状態において、当該空気孔を密閉する(塞ぐ)ための部材である(
図5、
図6を参照)。なお、蓋22が閉じた状態において、空気孔部34c2の上端が、蓋22のベース部22cの下面と密着した状態となることで、当該空気孔を密閉する(塞ぐ)。
【0099】
このように、空気孔シール部34cは、蓋22が開いている状態では、容器本体1の内部と貫通しており、外部から容器本体1の内部へ空気が入る経路(
図6の矢印Dir1の経路)を確保する(
図6を参照)。蓋22が閉じている状態では、空気孔シール部34cの空気孔部34c2の上部が蓋22のベース部22cの下面と密着した状態となり、これにより、空気孔を密閉する。
【0100】
なお、ストローユニット3は、ストローシール部34aをストロー装着ユニット23の開口部23_hole1に装着するとともに、上シール部材34の空気孔シール部34cをストロー装着ユニット23の開口部23_hole2に装着することで、ストロー装着ユニット23に装着される(
図15、
図23~
図26を参照)。
【0101】
そして、下シール部材33および上シール部材34を装着したストロージョイント部3_JTが位置決め部として機能し、ストローユニット3を蓋本体21に取り付けたときに、ストローの上下位置(上ストロー32および下ストロー31の位置)を確実に位置決めすることができる。そして、これにより、ストローの上下位置(特に、上ストロー32の位置)が固定されるので、蓋22を閉じたときに、上ストロー32の端面(上部の端面)と蓋22に設けた(装着した)上シール部材34とのシールを確実なものとすることができる。
【0102】
例えば、ストローユニット3がストロー装着ユニット23に装着された蓋ユニット2において、蓋22を閉じている場合、
図5に示すように、上ストロー32の上部を、蓋22に装着された第2シール部材25が密閉する(シールする)状態となる。そして、蓋22を閉じている状態から蓋22を開くと、つまり、蓋22をヒンジ部21hの回転軸ax_r_hを中心に回動させると、上ストロー32の上部が第2シール部材25から離れ、上ストロー32の上部と第2シール部材25の密閉状態が解消される。このとき(蓋22を開くとき)、上ストロー32は、剛性の高い材質により構成されており、その上部が第2シール部材25から離れる場合においても変形することがない。これにより、ユーザーが蓋22を開けるときに勢いよく蓋22が開くようなことが起きることなく、安全かつ確実に蓋22を開けることができる。
【0103】
≪まとめ≫
容器100では、従来技術のように、蓋を閉じたときに、ストローを変形させてシールする構造ではないので、蓋22を閉じた状態から、蓋22を開いたときに、蓋22が勢いよく開くことがない。
【0104】
また、ストローを分割構造とすることで、各ストロー(上ストロー32および下ストロー31)の端面の凸形状加工が可能となり、各ストロー(上ストロー32および下ストロー31)を接続するストロージョイント部3_JT(例えば、樹脂部材を用いて構成されるストロージョイント部3_JT)への取付(圧入取付)が可能となる。
【0105】
また、容器100では、下シール部材33および上シール部材34を装着したストロージョイント部3_JTが位置決め部として機能し、ストローユニット3を蓋本体21に取り付けたときに、ストローの上下位置(上ストロー32および下ストロー31の位置)を確実に位置決めすることができる。そして、これにより、ストローの上下位置(特に、上ストロー32の位置)が固定されるので、蓋22を閉じたときに、上ストロー32の端面(上部の端面)と蓋22に設けた(装着した)上シール部材34とのシールを確実なものとすることができる。
【0106】
また、容器100において、ストロージョイント部3_JTに装着された下シール部材33は、ストローユニット3をストロー装着ユニット23に取り付けるときに、容器本体1からの飲み物等の漏れを防止する機能も実現する。
【0107】
また、容器100において、ストロージョイント部3_JTに装着される上シール部材34を、ストロー付きボトルでは必須となる空気抜き孔(空気孔)をシールする部位を併せ持つ構造とすることで、空気抜き孔(空気孔)をシールする単独部品(小さな形状の部品)をもう1個設けるより、部品点数削減となり、また、お手入れ時の部品の紛失を防止することができる。
【0108】
以上のように、本発明により、使い勝手がよく、ユーザーが蓋を開けるときに勢いよく蓋が開くようなことが起きることなく、安全かつ確実に蓋を開けることができる容器100(蓋付き容器)および当該容器100に使用されるストローユニット3(ストロー取り付け機構)を実現することができる。
【0109】
[他の実施形態]
上記実施形態の容器100のストローユニット3では、上ストロー32、下ストロー31、ストロージョイント部3_JT、上シール部材34、および、下シール部材33を、ユーザーが分解することを想定していないが、ストローユニット3において、上ストロー32、下ストロー31、ストロージョイント部3_JT、上シール部材34、および/または、下シール部材33を、(例えば、お手入れ(例えば、洗浄等)のために)ユーザーが分解することが可能な構成としてもよい。この場合、上ストロー32、下ストロー31、ストロージョイント部3_JT、上シール部材34、および/または、下シール部材33を、分解後に組み立てる場合に、それぞれの部材の位置が所定の位置に確実に固定されるために、位置決め用機構(例えば、所定の位置に設けたツメ部、突出部、凹部等)を設けるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザーにより、ストローユニット3が分解された後、再度組み立てた場合においても各部品が所定の位置に正確に配置されるようになり、ストローユニット3としての機能を確実に再現できるようになる。
【0110】
上記実施形態において、「同じ」は、概ね同じであることを含む概念である。
【0111】
また、上記実施形態において、構成部材のうち、上記実施形態に必要な主要部材のみを簡略化して示している部分がある。したがって、上記実施形態において明示されなかった任意の構成部材を備えうる。また、上記実施形態および図面において、各部材の寸法は、実際の寸法および寸法比率等を忠実に(厳密に)表したものではない部分がある。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で寸法や寸法比率等の変更は可能である。
【0112】
なお、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0113】
100 容器
1 容器本体
2 蓋ユニット
21 蓋本体21
22 蓋
23 ストロー装着ユニット
3 ストローユニット
31 下ストロー(第2ストロー)
32 上ストロー(第1ストロー)
33 下シール部材
34 上シール部材34
3_JT ストロージョイント部