(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241009BHJP
【FI】
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2023025366
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2020050272の分割
【原出願日】2020-03-19
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】堀内 達雄
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-090875(JP,A)
【文献】特開2020-006138(JP,A)
【文献】特開2014-030610(JP,A)
【文献】特開2016-202622(JP,A)
【文献】特開2018-143500(JP,A)
【文献】[シノアリス]ギルドイベント「ギルドボックスガチャ~忘却ノ物語~」とは? <初心者向け>,TeNSINoALICE[online],2018年11月05日,インターネット<URL:https://tenshinoalice.hatenablog.com/entry/sinoalice-kouryaku-syoshinsya-guildboxgachya>,[2023年12月19日検索]
【文献】戦貨ガチャの報酬を直接リサイクルへ突っ込む方法,リミテッドリーシャちゃんねる[online],2019年02月21日,インターネット<URL:https://lisciachannel.com/archives/6144>,[2023年12月26日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1ユーザを含む複数ユーザで共有され管理される第1グループに含まれるオブジェクトの残数を表示した画面に対して前記第1ユーザから
受け付けた抽選要求に応じて、複数の
オブジェクトからいずれかの
オブジェクトを決定し、決定した
オブジェクトを前記第1ユーザに提供し、
前記複数の
オブジェクトのうち、所定の1又は複数の
オブジェクトから形成されるグループであって前記グループ内の前記
オブジェクトの残数が前
記第1グループから、前記いずれかの
オブジェクトが決定される場合、前記第1グループ内の前記
オブジェクトの残数を減らし、
前記第1ユーザからの1回の前記抽選要求に応じて、前記第1グループと、所定の1又は複数の
オブジェクトから形成されるグループであってグループ内の
オブジェクトの残数が前記第1ユーザを含む複数ユーザで共有されない第2グループとに含まれる前記複数の
オブジェクトから、前記いずれかの
オブジェクトを決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1ユーザから前記いずれかの
オブジェクトの決定
に係る複数回の抽選要求を受け付けた場合、前記いずれかの
オブジェクトを、少なくとも1回は前記第1グループから
提供する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサが、
第1ユーザを含む複数ユーザで共有され管理される第1グループに含まれるオブジェクトの残数を表示した画面に対して前記第1ユーザから
受け付けた抽選要求に応じて、複数の
オブジェクトからいずれかの
オブジェクトを決定し、決定した
オブジェクトを前記第1ユーザに提供し、
プロセッサが、前記複数の
オブジェクトのうち、所定の1又は複数の
オブジェクトから形成されるグループであって前記グループ内の前記
オブジェクトの残数が前
記第1グループから、前記いずれかの
オブジェクトが決定される場合、前記第1グループ内の前記
オブジェクトの残数を減らし、
プロセッサが、前記第1ユーザからの1回の前記抽選要求に応じて、前記第1グループと、所定の1又は複数の
オブジェクトから形成されるグループであってグループ内の
オブジェクトの残数が前記第1ユーザを含む複数ユーザで共有されない第2グループとに含まれる前記複数の
オブジェクトから、前記いずれかの
オブジェクトを決定する、
情報処理方法。
【請求項4】
第1ユーザを含む複数ユーザで共有され管理される第1グループに含まれるオブジェクトの残数を表示した画面に対して前記第1ユーザから
受け付けた抽選要求に応じて、複数の
オブジェクトからいずれかの
オブジェクトを決定し、決定した
オブジェクトを前記第1ユーザに提供し、
前記複数の
オブジェクトのうち、所定の1又は複数の
オブジェクトから形成されるグループであって前記グループ内の前記
オブジェクトの残数が前
記第1グループから、前記いずれかの
オブジェクトが決定される場合、前記第1グループ内の前記
オブジェクトの残数を減らし、
前記第1ユーザからの1回の前記抽選要求に応じて、前記第1グループと、所定の1又は複数の
オブジェクトから形成されるグループであってグループ内の
オブジェクトの残数が前記第1ユーザを含む複数ユーザで共有されない第2グループとに含まれる前記複数の
オブジェクトから、前記いずれかの
オブジェクトを決定する、
処理を
プロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等のタッチパネルディスプレイを有する通信端末が普及し、各ユーザは、自身の通信端末を所有している。そのような中で、インターネット上でコミュニティ型のサービスをユーザに提供するサービス、すなわち、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」という。)が知られている。このようなSNSの1つとして、オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)がユーザに提供されている。
【0003】
オンラインゲームでは、ゲーム内に登場するキャラクタやアイテム等のオブジェクトが抽選により提供される場合がある(例えば、特許文献1参考。)。抽選においては、一般的には、オブジェクトごとに当選確率が設定されており、ユーザから抽選要求がなされた場合に、設定された当選確率に基づいてそのユーザに提供するオブジェクトが選択される。低い当選確率が設定されているオブジェクトは、希少性、すなわちレア度が高く、その分、ゲームを有利に進行させることができるように設計されていることが多い。そのため、ユーザは、ゲームにおいてレアカードの入手を目指すことが多い。ゲームによっては、低い当選確率が設定されているレア度の高いオブジェクトを効率よく入手するために、連続して抽選を行うこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、オンラインゲームでは、一般的に、オブジェクトごとに当選確率が設定されている。ユーザはそれぞれ、ユーザ毎に提供された一様の母集団から、オブジェクトの抽選処理が行われるため、他のユーザの抽選結果に自身の抽選結果が影響されることはなかった。
【0006】
本発明は、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザからの抽選要求に応じて、複数の対象からいずれかの対象を決定し、決定した対象を前記ユーザに提供する決定部と、前記複数の対象のうち、所定の1又は複数の対象から形成されるグループであって前記グループ内の前記対象の残数が複数ユーザで共有され管理される前記グループである共有グループから、前記いずれかの対象が決定される場合、前記共有グループ内の前記対象の残数を減らす更新部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における情報処理装置の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態におけるゲームシステムのネットワーク構成の一例を示す図であ る。
【
図3】本実施形態におけるゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態におけるサーバにより管理されるデータベースのデータ構造例を 示す図である。
【
図5】本実施形態における抽選画面例(抽選前)を示す図である。
【
図6】本実施形態における抽選画面例(抽選後)を示す図である。
【
図7】本実施形態における抽選画面例(特典が当たった場合)を示す図である。
【
図8】本実施形態におけるゲームシステム全体のシーケンス図である。
【
図9】本実施形態における共有ボックス残数取得処理(S5)のフローチャートで ある。
【
図10】本実施形態の実施例1における抽選処理(S10)のフローチャートであ る。
【
図11】本実施形態の実施例2における抽選処理(S10)のフローチャートであ る。
【
図12】本実施形態におけるプログラムを実行するコンピュータのハードウェア環 境の構成ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態における情報処理装置の一例を示す図である。情報処理装置1は、決定部2、更新部3を含む。情報処理装置1の一例として、後述するサーバ15が挙げられる。
【0011】
決定部2は、ユーザからの抽選要求に応じて、複数の対象からいずれかの対象を決定し、決定した対象をユーザに提供する。決定部2の一例として、後述する抽選部34及び提供部36が挙げられる。
【0012】
更新部3は、複数の対象のうち、所定の1又は複数の対象から形成されるグループであってグループ内の対象の残数が複数ユーザで共有され管理されるグループである共有グループから、いずれかの対象が決定される場合、共有グループ内の対象の残数を減らす。更新部3の一例として、後述するボックス管理部35が挙げられる。ここで、共有グループとは、後述するように共有ボックス管理データベース43により管理される共有ボックスである。
【0013】
このように構成することにより、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
【0014】
決定部2は、共有グループと、複数のユーザのそれぞれについて独立して管理されるユーザ別グループとから、いずれかの対象を決定してもよい。ユーザ別グループとは、後述するように、後述するようにユーザ別ボックス管理データベース44により管理されるユーザ別ボックスである。共有グループには、ユーザ別グループに含まれる抽選対象よりも希少性の高い抽選対象が多く含まれている。また、共有グループとユーザ別グループでは、抽選対象が異なる構成となるように構成してもよく、共有グループのほうがユーザ別グループよりも希少性の高い抽選対象が含まれていればよい。言い換えると、共有グループには、ユーザ別グループよりもユーザが欲しい希少性の高いゲーム要素(キャラクタやアイテム)が含まれている。
【0015】
このように構成することにより、ユーザは、共有グループとユーザ別グループから抽選を行うことができるので、共有グループから抽選が行われる場合には、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
【0016】
決定部2は、共有グループに設定された第1確率と、ユーザ別グループに設定された第2確率とに基づいて、共有グループとユーザ別グループから、いずれかの対象を決定してもよい。そして、共有グループからいずれかの対象が決定された場合、決定部2は、第1確率を下げ、第2確率を上げるようにしてもよい。
【0017】
このように構成することにより、共有テーブルから抽選対象の残数が減る機会を減らすことができる。
【0018】
決定部2は、共有グループ内における対象の残数が減少するほど、共有グループ内の希少性の高い対象を決定してもよい。
【0019】
このように構成することにより、共有グループ内における対象の残数が減るほど、よりレア度の高い対象を獲得できる期待値が高まり、継続して抽選を行うことの意欲を保つことができる。
【0020】
決定部2は、共有グループ内の抽選対象の残数が所定数以下の場合にいずれかの対象を決定して提供した場合、決定した対象に加えて特典を提供してもよい。ここで、特典は、例えば、ゲーム内に登場するキャラクタやアイテム、ゲーム内通貨等のオブジェクトであってもよいし、ゲームを有利に進めるための所定の効果であってもよいし、所定の音楽や、クーポン券等であってもよい。
【0021】
このように構成することにより、例えば、最後に抽選された場合には、当選したオブジェクト以外に、さらに特典を提供することができるので、ユーザの期待値を一層高めることができる。
【0022】
所定数以下とは、例えば、「1」以下を表し、共有グループで最後に抽選されたオブジェクト以外に、さらに特典を提供してもよい。一例として、最後に特典として希少度の高いゲーム要素(アイテムやキャラクタ)などをユーザに特典として付与することで、最後の抽選対象に対して積極的にユーザが抽選を行わせることができる。
【0023】
決定部2は、対象の残数に応じて、ユーザからの要求に対して連続していずれかの対象の決定を行う試行数を変動させてもよい。
【0024】
このように構成することにより、対象の残数に応じて、連続抽選できる回数を変動させることができることができる。したがって、例えば、最後に抽選された場合には、当選したオブジェクト以外に、さらに特典を提供する場合において、対象の残数5の場合、連続抽選できる回数を4以下に抑えることにより、当該連続抽選処理における試行で、特典を獲得することがないように調整することができる。
【0025】
更新部3は、ユーザ別グループからいずれかの対象が決定される場合、ユーザ別グループ内の対象の残数を減らすようにしてもよい。このとき、決定部2は、ユーザ別グループ内の対象の残数が無くなった場合、ユーザ別グループ内の対象を初期状態にリセット(残数を初期値に戻す処理を実行)し、リセット前と比べて共有グループが抽選される第1確率を上げるようにしてもよい。
【0026】
このように構成することにより、多く抽選を行っているユーザほど、共有ボックスから抽選対象が取得できるため、より希少性の高い抽選対象(ゲーム要素)を得ることができるようになる。
【0027】
決定部2は、ユーザからいずれかの対象の決定を複数回連続して行う旨の要求がされた場合、いずれかの対象を、少なくとも1回は共有グループから決定するようにしてもよい。
【0028】
このように構成することにより、連続抽選を選択させるモチベーションを向上させることができる。
【0029】
図2は、本実施形態におけるゲームシステムのネットワーク構成の一例を示す図である。ゲームシステム11は、1以上のユーザ端末12、サーバ15、及び通信ネットワーク16を含む。1以上のユーザ端末12、及びサーバ15は、通信ネットワーク16を介して、相互に通信可能に接続されている。
【0030】
ユーザ端末12は、例えばユーザが携帯するスマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の通信ネットワーク16に接続可能な通信機能を有する携帯電子端末装置である。ユーザ端末12は、操作表示部13、音が入力されるマイクロフォン、音を出力するスピーカ、及びカメラ等を有する。操作表示部13は、画面14への入力操作が可能であるとともに、画面14に画像を表示するデバイスであり、例えばタッチパネルディスプレイである。
【0031】
ユーザ端末12は、インターネット上のアプリケーションプログラムのダウンロードサイトから所定のアプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールすることができる。これにより、ユーザは、ユーザ端末12の操作表示部13に入力操作を行うことにより、そのアプリケーションプログラムを操作することができる。本実施形態では、一例として、通信を介してクラウドサーバ等にアクセスしてオンライン上でゲームを行うことが可能なゲームアプリケーションソフトウエア(以下「ゲームアプリケーションソフトウエア」という。)がユーザ端末12にインストールされるものとする。
【0032】
ユーザは、このゲームアプリケーションソフトウエアをユーザ端末12上で起動させることによって、ユーザ端末12をサーバ15へアクセスさせることができる。ユーザ端末12がサーバ15にアクセスする場合には、例えば、予め登録されているログインユーザIDの入力が求められてもよい。
【0033】
ユーザ端末12にインストールされたゲームアプリケーションソフトウエアが起動すると、ユーザ端末12の画面14には、後述するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)画面が表示される。GUI画面には、子供や家族の写真や動画をサーバ15に登録したり、登録した写真や動画を閲覧するための画面が表示される。
【0034】
ユーザは、ユーザ端末12にインストールされたゲームアプリケーションソフトウエアを起動させ、GUI画面を操作して、サーバ15にアクセスすることができる。そして、ユーザは、GUI画面を操作して、ユーザ端末12に保持されている写真や動画をサーバ15にアップロードすることができる。
【0035】
サーバ15は、端末装置12にインストールされたゲーム用アプリケーションに関する管理する情報処理装置である。例えば、サーバ15は、ゲーム用アプリケーションを使用するユーザに関する情報(例えば、プレイ内容やプレイしているキャラクタのステータス情報、ポイント情報等)を管理したり、課金に関する情報を管理したりする。サーバ15は、1台以上の物理的な情報処理装置により構成されるサーバシステムであってもよいし、1台以上の仮想サーバ装置により構成される仮想サーバシステムであってもよい。
【0036】
サーバ15は、1台以上の物理的な情報処理装置により構成されるサーバシステムであってもよいし、1台以上の仮想サーバ装置により構成される仮想サーバシステムであってもよい。
【0037】
図3は、本実施形態におけるゲームシステム11の機能ブロックの一例を示す図である。以下では、ユーザ端末12、サーバ15のそれぞれが有する機能について説明する。
【0038】
ユーザ端末12は、操作表示部13、通信部21、制御部22、及び記憶部23を含む。通信部21は、通信ネットワーク16に接続された機器との通信を可能にするインターフェースである。ここでは、通信部21は、通信ネットワーク16を介して、サーバ15と通信を行う。
【0039】
操作表示部13は、ユーザの入力操作により入力が可能であると共に、表示も可能なタッチパネルディスプレイである。なお、本実施形態では、一例として、タッチパネルディスプレイを用いるが、これに限定されず、入力部と表示部とがそれぞれ独立していてもよい。
【0040】
制御部22は、ユーザ端末12全体の動作を制御する。制御部22は、記憶部23に格納されているゲームアプリケーションプログラム24のユーザインターフェース(UI)データに基づいて、画面14の表示状態を制御する。
【0041】
記憶部23は、インストールされたゲームアプリケーションプログラム24、ゲーム要素データ25、及び各種データ等を格納する。ここで、データにはステータス情報や文字データだけでなく、グラフィカルデータも含む。ゲーム要素データ25は、ゲーム内で用いる背景データ、キャラクタやアイテム等のオブジェクトデータ、パラメータ等の数値データ等を含む。
【0042】
サーバ15は、通信部31、制御部32、記憶部41を含む。通信部31は、通信ネットワーク16に接続された機器との通信を可能にするインターフェースである。通信部31は、通信ネットワーク16を介して、ユーザ端末12と通信を行う。
【0043】
制御部32は、サーバ15全体の動作を制御する。それと共に、制御部32は、ユーザ端末12からの要求に応じて処理を実行し、実行結果をユーザ端末12に返す等の制御を行う。制御部32は、本実施形態に係るアプリケーションプログラムを実行することにより、要求取得部33、抽選部34、ボックス管理部35、提供部36として機能する。
【0044】
要求取得部33は、ユーザ端末12からの要求を取得する。本実施形態では、要求の一例として、抽選対象が含まれている抽選ボックスから、いずれかの抽選対象を抽選で引き出す旨の要求であり、単発の抽選を要求する単発抽選要求及び所定回数(2回以上)の連続して抽選を要求する連続抽選要求がある。
【0045】
抽選部34は、ユーザ端末12からの要求に基づいて、抽選対象が含まれている抽選ボックスから、いずれかの抽選対象を当選対象として決定する。ここで、抽選ボックスは、個別ボックスと、共有ボックスを含む。個別ボックスは、ユーザ毎に提供された一様の、抽選対象となるオブジェクトの母集団であり、具体的にはユーザ別ボックス管理データベース44で管理されている。共有ボックスは、全ユーザによって共有される、抽選対象となるオブジェクトの母集団であり、具体的には共有ボックス管理データベース43で管理されている。以下、データベースを「DB」と称する。
【0046】
また、抽選部34は、抽選ボックスから、いずれかの抽選対象を当選対象として決定するだけでなく、所定のルールに基づいて特典管理DB45から特典対象のオブジェクトを特定する情報を読み出す。
【0047】
ボックス管理部35は、抽選ボックスから、いずれかの抽選対象が当選対象として決定された場合、抽選ボックスから、その当選対象を減らす。より具体的には、ボックス管理部35は、共有ボックスからいずれかの抽選対象が当選対象として決定された場合、共有ボックス(共有ボックス管理DB43)からその当選対象を減らし、個別ボックスからいずれかの抽選対象が当選対象として決定された場合、個別ボックス(ユーザ別ボックス管理DB44)からその当選対象を減らす。ボックス管理部35は、当選したオブジェクト
(抽選ボックスから減らしたオブジェクト)に関する情報を、ユーザ管理DB42に追加する。
【0048】
また、ボックス管理部35は、ユーザ端末12からの問い合わせに応じて、共有ボックス管理DB43から、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を取得する。
【0049】
提供部36は、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を、問い合わせ元のユーザ端末12に応答する。また、提供部36は、通信部31を介して、当選結果として選ばれた抽選対象をユーザ端末12に提供する。通信部31は、提供部36より抽選結果情報(当選結果として選ばれた抽選対象)を受け取ると、ユーザ端末12に送信する。すると、ユーザ端末12の画面14には、受信した抽選結果情報が表示される。
【0050】
記憶部41は、本実施形態に係るプログラム、そのプログラムに用いるデータを含む。また、記憶部41は、ユーザ保有オブジェクト管理DB42、共有ボックス管理DB43、ユーザ別ボックス管理DB44、特典管理DB45を含む。
【0051】
ユーザ保有オブジェクト管理DB42は、ユーザが保有するオブジェクトを管理するデータベースである。共有ボックス管理DB43は、ゲームシステム11をプレイする全ユーザによって共有される共有ボックスにおける、抽選対象となるオブジェクトの残数を管理するデータベースである。ユーザ別ボックス管理DB44は、ユーザ毎に提供された一様の、抽選対象となるオブジェクトを管理するデータベースである。特典管理DB45は、特典としてのオブジェクトを管理するデータベースである。
【0052】
図4は、本実施形態におけるサーバ15により管理されるデータベースのデータ構造例を示す図である。以下ではユーザ保有オブジェクト管理DB42の各レコードをユーザ保有オブジェクト情報と称する場合がある。共有ボックス管理DB43の各レコードを共有ボックス情報と称する場合がある。ユーザ別ボックス管理DB44の各レコードをユーザ別ボックス情報と称する場合がある。特典管理DB45の各レコードを特典情報と称する場合がある。なお、
図4のデータベースのデータ構造は、説明の便宜のための概念的な構造例であって、これらに限定されない。
【0053】
ユーザ保有オブジェクト管理DB42は、「ユーザID」、「オブジェクト1」、「オブジェクト2」・・・・のデータ項目を含む。項目「ユーザID」には、ユーザを特定する情報(ユーザID)が格納される。項目「オブジェクト1」、「オブジェクト2」、・・・には、ユーザが保有するオブジェクトを特定する情報(オブジェクトID)が格納される。
【0054】
共有ボックス管理DB43は、「オブジェクトID」、「レア度」、「初期設定数」、「当選数」、「残数」、「当選確率」のデータ項目を含む。項目「オブジェクトID」には、オブジェクトを特定する情報(オブジェクトID)が格納される。項目「レア度」には、オブジェクトの希少性を示すランク情報が格納される。希少性は、この例では、C<B<A<Sの順で希少性が高くなる。項目「初期設定数」には、共有ボックス内で最初に設定されているそのオブジェクトの個数が格納される。項目「当選数」には、そのオブジェクトが抽選により当選した回数が格納される。項目「残数」には、共有ボックス内におけるそのオブジェクトの残数、すなわち、初期設定数から当選数を差し引いた値が格納される。項目「当選確率」には、抽選において第1確率で共有ボックスが選択された場合に、共有ボックスに含まれる各オブジェクト(抽選対象)の当選する確率が格納される。例えば、
図4(B)の例では、共有ボックスには、オブジェクトID=A0001のオブジェクト、オブジェクトID=A0002のオブジェクト、及びオブジェクトID=A0003のオブジェクトが含まれている。オブジェクトID=A0001のオブジェクトの残数は8であり、オブジェクトID=A0002のオブジェクトの残数は10であり、オブジェクトID=A0003のオブジェクトの残数は1である。このことから、共有ボックス内のオブジェクトの残数は、8+10+1=19である。このことから、オブジェクトID=A0001のオブジェクトの当選確率は、(8/19)×100≒42%である。オブジェクトID=A0002のオブジェクトの当選確率は、(10/19)×100≒53%である。オブジェクトID=A0003のオブジェクトの当選確率は、(1/19)×100≒5%である。
【0055】
ユーザ別ボックス管理DB44は、「ユーザID」、「オブジェクトID」、「レア度」、「初期設定数」、「当選数」、「残数」、「当選確率」のデータ項目を含む。項目「ユーザID」には、ユーザを特定する情報(ユーザID)が格納される。項目「オブジェクトID」には、オブジェクトを特定する情報(オブジェクトID)が格納される。項目「レア度」には、オブジェクトの希少性を示すランク情報が格納される。希少性は、この例では、C<B<A<Sの順で希少性が高くなる。項目「初期設定数」には、共有ボックス内で最初に設定されているそのオブジェクトの個数が格納される。項目「当選数」には、そのオブジェクトが抽選により当選した回数が格納される。項目「残数」には、共有ボックス内におけるそのオブジェクトの残数、すなわち、初期設定数から当選数を差し引いた値が格納される。項目「当選確率」には、抽選において第2確率でユーザ別ボックスが選択された場合に、ユーザ別ボックスに含まれる各オブジェクト(抽選対象)の当選する確率が格納される。例えば、
図4(C)の例では、ユーザID=user001のユーザのユーザ別ボックスには、オブジェクトID=A0008のオブジェクト、オブジェクトID=A0009のオブジェクト、及びオブジェクトID=A0010のオブジェクトが含まれている。オブジェクトID=A0008のオブジェクトの残数は1であり、オブジェクトID=A0009のオブジェクトの残数は11であり、オブジェクトID=A0010のオブジェクトの残数は10である。このことから、ユーザ別ボックス内のオブジェクトの残数は、1+11+10=22である。このことから、オブジェクトID=A0008のオブジェクトの当選確率は、(1/22)×100≒5%である。オブジェクトID=A0009のオブジェクトの当選確率は、(11/22)×100=50%である。オブジェクトID=A0010のオブジェクトの当選確率は、(10/22)×100≒45%である。
【0056】
特典管理DB45は、「特典ID」、「レア度」のデータ項目を含む。項目「特典ID」には、特典として設定されているオブジェクトを特定する情報(オブジェクトID)が格納されている。項目「レア度」には、特典として設定されているオブジェクトの希少性を示すランク情報が格納される。
【0057】
図5は、本実施形態における抽選画面例(抽選前)を示す図である。ユーザ端末12において、ユーザがゲームアプリケーションプログラム24を起動させると、抽選画面51が表示する。
【0058】
抽選画面51は、抽選ボックス表示欄52、「単発抽選」ボタン53、「連続抽選」ボタン54、共有ボックス内の総オブジェクトの残数表示欄55を含む。抽選ボックス表示欄52には、抽選ボックスの絵柄が表示されている。「単発抽選」ボタン53をタップすると、1回だけ抽選が行われる。「連続抽選」ボタン54をタップすると、2回以上の所定回数だけ連続して抽選が行われる。共有ボックス内の総オブジェクトの残数表示欄55には、共有ボックス内の総オブジェクトの残数が表示される。
【0059】
図6は、本実施形態における抽選画面例(抽選後)を示す図である。例えば、
図5において、「単発抽選」ボタン53をタップすると、抽選が行われ、抽選ボックス52から当選したオブジェクトが排出される演出がなされた後、
図6の状態となる。
【0060】
図6の抽選画面51は、
図5に、当選オブジェクト61がオーバーラップした情報である。当選オブジェクト61には、オブジェクトの絵柄と、そのレア度が表示されている。
【0061】
図7は、本実施形態における抽選画面例(特典当選の場合)を示す図である。
図7(A)は、残り1個のオブジェクトを引く前の抽選画面例を示す。
図7(B)は、残り1個のオブジェクトを引いて特典が当選した場合の抽選画面例を示す。
【0062】
例えば、共有ボックスを用いて抽選が行われた場合、共有ボックスには有限個のオブジェクトしか入っていない前提である。そのため、例えば、残り1個のオブジェクトを引いたユーザには、特典として、さらにオブジェクト(例えば、レア度の高いオブジェクト)を提供するようにしてもよい。
【0063】
例えば、
図7(A)の抽選画面51において、共有ボックス内の総オブジェクトの残数として、「1」が表示されている。この状態において、「単発抽選」ボタン53をタップすると、抽選が行われる。すると、
図7(B)に示すように抽選ボックス52から共有ボックス内最後のオブジェクト61が輩出される演出がなされ、さらに、特定としてレア度Sのオブジェクト71が提供される演出がされる。このとき、共有ボックス内の総オブジェクトの残数は、「0」で表示される。
【0064】
図8は、本実施形態におけるゲームシステム全体のシーケンス図である。まず、ユーザ、ユーザ端末12にインストールされているゲームアプリケーションプログラム24を起動させる。すると、ユーザ端末12は、サーバ15に接続要求を行う(S1)。サーバ15は、その接続要求に対して、接続許可を応答し(S2)、ユーザ端末12とサーバ15間の接続が完了する。
【0065】
ユーザは、操作表示部13を操作して、画面14に抽選画面51を表示させる(S3)。ユーザ端末12は、ゲームアプリケーションプログラム24に基づいて、サーバ15に、共有ボックスの総オブジェクトの残数を問い合わせる(S4)。
【0066】
サーバ15は、ユーザ端末12からの問い合わせに応じて、共有ボックス残数取得処理を行う(S5)。すなわち、サーバ15は、ユーザ端末12からの問い合わせに応じて、ゲームシステム11をプレイする全ユーザによって共有されている共有ボックス管理DB43から、共有ボックスの総オブジェクトの残数を取得する。S5の処理の詳細については、後述する。
【0067】
サーバ15は、問い合わせ結果として、共有ボックス管理DB43から取得した共有ボックスの総オブジェクトの残数を、問い合わせ元のユーザ端末12に送信する(S6)。
【0068】
ユーザ端末12は、サーバ15から問い合わせ結果を受信すると、問い合わせ結果に基づいて、抽選画面51の残数表示欄55に、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を反映する(S7)。
【0069】
ユーザは、抽選画面51において、「単発抽選」ボタン53または「連続抽選」ボタン54をタップする(S8)。すると、ユーザ端末12は、サーバ15に対して、抽選要求
(単発抽選要求または連続抽選要求)を送信する(S9)。
【0070】
すると、サーバ15は、抽選要求に基づいて抽選処理を実行する(S10)。サーバ15は、単発抽選要求を取得した場合には、単発抽選処理を行う。また、サーバ15は、連続抽選要求を取得した場合には、連続抽選処理を行う。S10の処理の詳細については、後述する。
【0071】
サーバ15は、抽選処理後、共有ボックス内の総オブジェクトの残数と、抽選結果として当選したオブジェクト情報(特典も当たっている場合には特典についてのオブジェクト情報を含む)をユーザ端末12に送信する(S11)。
【0072】
ユーザ端末12は、サーバ15から共有ボックス内の総オブジェクトの残数と、抽選結果を受信する。すると、ユーザ端末12は、共有ボックス内の総オブジェクトの残数に基づいて、抽選画面51の残数表示欄55に、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を反映する。さらに、ユーザ端末12は、受信した抽選結果に基づいて、抽選画面51に、当選したオブジェクトの絵柄を表示させ、特典も当たっている場合にはその特定についてのオブジェクトの絵柄も表示させる(S12)。具体的には、例えば、ユーザ端末12の記憶部23には、ゲーム要素データ25が格納されている。ゲーム要素データ25には、抽選対象のオブジェクトに関するグラフィックデータ、パラメータデータ等も含まれるとする。ただし、抽選対象のオブジェクトエータは、抽選にて当選しない限り、ユーザには使用したり、表示させたりすることができない。ユーザ端末12は、抽選結果として当選したオブジェクトのオブジェクトIDを取得すると、ゲーム要素データ25からそのオブジェクトIDに対応するグラフィックデータ等を読み出し、抽選画面51に表示させることができる。S12の処理後、再びS3に戻る。
【0073】
なお、破線で囲んだ処理(S3~S7)は、抽選画面51が表示されている間、発生する。すなわち、抽選画面51が開いている各ユーザ端末12は、サーバ15に対して、定期的に、共有ボックスの総オブジェクトの残数の問い合わせを行っている。定期的とは、例えば、n(nは0より大きい実数)秒間隔であってもよい。
【0074】
図9は、本実施形態における共有ボックス残数取得処理(S5)のフローチャートである。共有ボックス残数取得処理(S5)は、ユーザ端末12の画面14に他の画面から遷移して抽選画面51が表示された場合に実行されると共に、抽選画面51が表示されている間は定期的に実行される。
【0075】
サーバ15(要求取得部33)は、画面14に他の画面から遷移して抽選画面51が表示されたユーザ端末12、または抽選画面51が表示されているユーザ端末12から、共有ボックスの総オブジェクトの残数についての問い合わせ要求を取得する(S21)。
【0076】
サーバ15(ボックス管理部35)は、問い合わせ要求に応じて、共有ボックス管理DB43から、共有ボックスの総オブジェクトの残数を取得する(S22)。
図4(B)の場合、オブジェクトID=A0001のオブジェクトの残数は8であり、オブジェクトID=A0002のオブジェクトの残数は10であり、オブジェクトID=A0003のオブジェクトの残数は1である。これより、共有ボックスの総オブジェクトの残数は、8+10+1=19となる。
【0077】
サーバ15ボックス管理部35)は、問い合わせ結果として、共有ボックス管理DB43から取得した共有ボックスの総オブジェクトの残数を、問い合わせ元のユーザ端末12に送信する(S23)。
【0078】
ユーザ端末12は、サーバ15から問い合わせ結果を受信すると、問い合わせ結果に基づいて、抽選画面51の残数表示欄55に、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を反映する。
【0079】
これにより、画面14に他の画面から遷移して抽選画面51が表示されたユーザ端末12、または抽選画面51が表示されているユーザ端末12は、問い合わせ時点における最新の共有ボックス内の総オブジェクトの残数を、抽選画面51の残数表示欄55に反映させることができる。
【0080】
図10は、本実施形態の実施例1における抽選処理(S10)のフローチャートである。実施例1では、抽選ボックスとして共有ボックスを用いる例について説明する。制御部32は、本実施形態に係るプログラムを読み込むことにより、要求取得部33、抽選部34、ボックス管理部35、提供部36として機能する。
【0081】
要求取得部33は、ユーザ端末12より送信された抽選要求(ユーザIDを含む。)を取得する(S31)。抽選部34は、抽選要求が単発抽選要求か連続抽選要求かを判定する(S32)。抽選部34は、抽選要求が単発抽選要求と判定した場合(S32でNO)、パラメータn(整数)に、「1」を設定する(S33)。抽選部34は、抽選要求が連続抽選要求と判定した場合(S32でYES)、パラメータn(整数)に、「X」(X:所定の整数)を設定する(S34)。
【0082】
抽選部34は、抽選要求に基づいて、共有ボックス管理DB43からいずれかのオブジェクトを決定する(S35)。ボックス管理部35は、共有ボックス管理DB43から、決定したオブジェクトの当選数を加算し、残数を減らし、当選確率を更新する(S36)。ボックス管理部35は、減算後の共有ボックス内の総オブジェクト数の残数を取得する。このとき、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、決定したオブジェクトのオブジェクトIDをユーザ保有オブジェクト管理DB42に追加する。
【0083】
ボックス管理部35は、共有ボックス管理DB43から、共有ボックス内の総オブジェクト数の残数が所定数以下か否かを判定する(S37)。ここで、所定数は、任意の整数であってよく、例えば、0であってもよい。共有ボックス内の総オブジェクト数の残数が所定数より大きい場合(S37でNO)、提供部36は、S36で取得した共有ボックス内の総オブジェクト数の残数と、S32で決定したオブジェクトについてのオブジェクト情報をユーザ端末12に送信する(S38)。
【0084】
共有ボックス内の総オブジェクト数の残数が所定数以下の場合(S37でYES)、抽選部34は、特典管理DB45から特典として登録されているオブジェクトIDを取得する(S39)。このとき、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、取得した特典のオブジェクトIDをユーザ保有オブジェクト管理DB42に追加する。
【0085】
提供部36は、S36で取得した共有ボックス内の総オブジェクト数の残数と、S32で決定したオブジェクトについてのオブジェクト情報及び特典としてのオブジェクト情報をユーザ端末12に送信する(S40)。
【0086】
S35~S40の処理は、n回繰り返される。なお、S34において、抽選部34は、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を確認し、その残数に応じて、連続抽選できる回数を変動させるようにしてもよい。
【0087】
図11は、本実施形態の実施例2における抽選処理(S10)のフローチャートである。実施例2では、抽選ボックスとして共有ボックス及びユーザ別ボックスを用いる例について説明する。
【0088】
要求取得部33は、ユーザ端末12より送信された抽選要求(ユーザIDを含む。)を取得する(S51)。抽選部34は、抽選要求が単発抽選要求か連続抽選要求かを判定する(S52)。抽選部34は、抽選要求が単発抽選要求と判定した場合(S52でNO)、パラメータn(整数)に、「1」を設定する(S53)。抽選部34は、抽選要求が連続抽選要求と判定した場合(S52でYES)、パラメータn(整数)に、「X」(X:所定の整数)を設定する(S54)。
【0089】
抽選部34は、第1確率と第2確率に基づいて、共有ボックス(共有ボックス管理DB43)及びユーザ別ボックス(ユーザ別ボックス管理DB44)からいずれかのオブジェクトを決定する(S55)。ここで、第1確率は、共有ボックス及びユーザ別ボックスから共有ボックスが選択される確率であり、確率k(0<k≦1)で示される。第2確率は、共有ボックス及びユーザ別ボックスからユーザ別ボックスが選択される確率であり、確率1-kで示される。
【0090】
ボックス管理部35は、決定したオブジェクトが共有ボックスから決定されたか否かを判定する(S56)。決定したオブジェクトが共有ボックスから決定されたと判定した場合(S56でYES)、ボックス管理部35は、共有ボックス管理DB43から、決定したオブジェクトの当選数を加算し、残数を減らし、当選確率を更新する(S57)。ボックス管理部35は、減算後の共有ボックス内の総オブジェクト数の残数を取得する。このとき、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、決定したオブジェクトのオブジェクトIDをユーザ保有オブジェクト管理DB42に追加する。
【0091】
また、このとき、抽選部34は、第1確率及び第2確率を調整してもよい(S58)。例えば、共有ボックスからオブジェクトが決定された場合、抽選部34は、第1確率を下げ、第2確率を上げるように調整してもよい。
【0092】
ボックス管理部35は、共有ボックス管理DB43から、共有ボックス内の総オブジェクト数の残数が所定数以下か否かを判定する(S59)。ここで、所定数は、任意の整数であってよく、例えば、0であってもよい。共有ボックス内の総オブジェクト数の残数が所定数より大きい場合(S59でNO)、提供部36は、S57で取得した共有ボックス内の総オブジェクト数の残数と、S55で決定したオブジェクトについてのオブジェクト情報をユーザ端末12に送信する(S60)。
【0093】
共有ボックス内の総オブジェクト数の残数が所定数以下の場合(S59でYES)、抽選部34は、特典管理DB45から特典として登録されているオブジェクトIDを取得する(S61)。このとき、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、取得した特典のオブジェクトIDをユーザ保有オブジェクト管理DB42に追加する。
【0094】
提供部36は、S57で取得した共有ボックス内の総オブジェクト数の残数と、S32で決定したオブジェクトについてのオブジェクト情報及び特典としてのオブジェクト情報をユーザ端末12に送信する(S62)。
【0095】
決定したオブジェクトがユーザ別ボックスから決定されたと判定した場合(S56でNO)、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、ユーザ別ボックス管理DB44から、決定したオブジェクトの当選数を加算し、残数を減らし、当選確率を更新する(S63)。ボックス管理部35は、減算後のユーザ別ボックス内の総オブジェクト数の残数を取得する。このとき、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、決定したオブジェクトのオブジェクトIDをユーザ保有オブジェクト管理DB42に追加する。
【0096】
ボックス管理部35は、ユーザ別ボックス管理DB44から、ユーザ別ボックス内の総オブジェクト数の残数が0か否かを判定する(S64)。ユーザ別ボックス内の総オブジェクト数の残数が0でない場合(S64でNO)、提供部36は、S55で決定したオブジェクトについてのオブジェクト情報をユーザ端末12に送信する(S67)。
【0097】
ユーザ別ボックス内の総オブジェクト数の残数が0の場合(S64でNO)、ボックス管理部35は、ユーザIDに基づいて、ユーザ別ボックス管理DB44で管理しているユーザ別ボックス内のオブジェクトの個数を初期状態にリセットする(S65)。ボックス管理部35は、リセット前に比べて第1確率kを上げる(S66)。
【0098】
提供部36は、S32で決定したオブジェクトについてのオブジェクト情報をユーザ端末12に送信する(S67)。
【0099】
S55~S67を含むループ処理は、n回繰り返される。ただし、n(=X)≧2の場合、少なくとも1回のループ処理の第1確率は1に設定されるようにしてもよい。すなわち、抽選部34は、連続抽選の際には、少なくとも1回は共有ボックスから抽選を行うようにしてもよい。
【0100】
また、S54において、抽選部34は、共有ボックス内の総オブジェクトの残数を確認し、その残数に応じて、連続抽選できる回数を変動させるようにしてもよい。
【0101】
図12は、本実施形態におけるプログラムを実行するコンピュータのハードウェア環境の構成ブロック図の一例である。コンピュータ101は、ユーザ端末12、サーバ15として機能する。コンピュータ101は、CPU102、ROM103、RAM104、記憶装置105、入力I/F106、出力I/F107、通信I/F108、読取装置109、バス110によって構成されている。
【0102】
ここで、CPUは、中央演算装置を示す。ROMは、リードオンリメモリを示す。RAMは、ランダムアクセスメモリを示す。I/Fは、インターフェースを示す。バス110には、CPU102、ROM103、RAM104、記憶装置105、入力I/F106、出力I/F107、通信I/F108、及び必要に応じて読取装置109が接続されている。
【0103】
コンピュータ101がサーバ15の場合、CPU102は、記憶装置105から本実施形態に係るプログラムを読み出し、要求取得部33、抽選部34、ボックス管理部35、提供部36として機能する。ROM103は、読み出し専用のメモリを示す。RAM104は、一時的に記憶するメモリである。
【0104】
記憶装置105は、大容量の情報を記憶する装置である。記憶装置105としては、ハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリカードなど様々な形式の記憶装置を使用することができる。記憶装置105には、本発明の実施形態に係るプログラムや、記憶部41に格納されている各種データが記憶されている。
【0105】
入力I/F106は、キーボード、マウス、電子カメラ、ウェブカメラ、マイク、スキャナ、センサ、タブレット、タッチパネルディスプレイ、情報読取装置等の入力装置と接続することが可能である。また、出力I/F107は、ディスプレイ、タッチパネル、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ等の出力装置と接続することが可能である。
【0106】
通信I/F108は、通信ネットワークと接続して他の装置と通信するためのポート等のインターフェースである。通信ネットワークは、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、専用線、有線、無線等の通信網であってよい。読取装置109は、可搬型記録媒体を読み出す装置である。
【0107】
上記実施形態で説明した処理を実現するプログラムは、プログラム提供者側から通信ネットワークおよび通信I/F108を介して、例えば記憶装置105に格納されてもよい。また、上記実施形態で説明した処理を実現するプログラムは、市販され、流通している可搬型記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、この可搬型記憶媒体は読取装置105にセットされて、CPU102によってそのプログラムが読み出されて、実行されてもよい。可搬型記憶媒体としてはCD-ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、USBメモリ装置、半導体メモリカードなど様々な形式の記憶媒体を使用することができる。このような記憶媒体に格納されたプログラムが読取装置109によって読み取られる。
【0108】
また、当該プログラムは、スタンドアローン型のコンピュータにインストールされてもよいし、クラウドコンピュータによりインストールされて機能のみをユーザに提供してもよい。また、本実施形態では、ユーザ端末12にサーバ15と通信可能なアプリケーションプログラムをインストールして、本実施形態におけるゲームシステム11の制御を行ったが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末12にインストールされたWebブラウザを用いて、サーバ15にアクセスし、サーバ15側で運用されている本実施形態に係るシステムを使用してもよい。
【0109】
本実施形態によれば、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
【0110】
また、抽選部34は、連続抽選にて、複数回共有ボックスからオブジェクトが決定された場合には、当該連続抽選におけるその後の抽選において、第2確率を下げるようにしてもよい。これにより、当該連続抽選における多回数の当選を抑制することができる。
【0111】
抽選部34は、共有ボックスから取り出された多くのオブジェクトを入手しているユーザほど、第2確率を上げるようにしてもよい。これにより、ユーザ間の平等性を担保することができる。
【0112】
また、抽選部34は、共有ボックス内におけるオブジェクトの残数が減少するほど、共有ボックス内の希少性の高いオブジェクトを決定してもよい。すなわち、抽選部34は、レア度の低いものから当選させていき、残数が少なくなればなるほど、よりレア度の高いオブジェクトを当選させるようにしてもよい。
【0113】
特典は、例えば、ゲーム内に登場するキャラクタやアイテム、ゲーム内通貨等のオブジェクトであってもよいし、ゲームを有利に進めるための所定の効果であってもよいし、所定の音楽や、クーポン券等であってもよい。また特典は、抽選画面51において、抽選前に特典の内容を表示させてもよい。例えば、共有ボックス内にある最後のオブジェクトを引き当てたユーザが貰える特典の内容を抽選画面51において、抽選前に特典の内容を表示させてもよい。
【0114】
また、ユーザ別ボックスで管理されているオブジェクトと、共有ボックスで管理されているオブジェクトとの内容を異なるものにしてもよい。異なるものとは、例えば、種別が異なるものであったり、レア度が異なるもの(例えば、共有ボックスで管理されているオブジェクトがユーザ別ボックスで管理されているオブジェクトよりもそのレア度が高い)であってもよい。
【0115】
抽選部34は、連続抽選の際には、少なくとも1回は共有ボックスから抽選を行うようにしてもよい。この場合、抽選画面51には、連続抽選が選択された場合には、少なくとも1回は共有ボックスから抽選が行われる旨を表示させておいてもよい。この場合、ユーザは、連続抽選を選択する傾向が強くなることが期待できる。
【0116】
また、抽選部34は、共有ボックス(共有ボックス管理DB43)またはユーザ別ボックス(ユーザ別ボックス管理DB44)からランダムにオブジェクトを抽選してもよいし、例えば所定のルールに基づいてオブジェクトを抽選してもよい。所定のルールとは、例えば、レア度の小さい順でオブジェクトを当選させたり、レア度の高い順でオブジェクトを当選させたり等である。
【0117】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0118】
上記実施形態に加え、さらに、以下を付記する。
(付記1)
ユーザからの抽選要求に応じて、複数の対象からいずれかの対象を決定し、決定した対象を前記ユーザに提供する決定部と、
前記複数の対象のうち、所定の1又は複数の対象から形成されるグループであって前記グループ内の前記対象の残数が複数ユーザで共有され管理される前記グループである共有グループから、前記いずれかの対象が決定される場合、前記共有グループ内の前記対象の残数を減らす更新部と、
を備える情報処理装置。
このように構成することにより、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
(付記2)
前記決定部は、前記共有グループと、前記複数のユーザのそれぞれについて独立して管理されるユーザ別グループとから、前記いずれかの対象を決定する
付記1に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、ユーザは、共有グループとユーザ別グループから抽選を行うことができるので、共有グループから抽選が行われる場合には、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
(付記3)
前記決定部は、前記共有グループに設定された第1確率と、前記ユーザ別グループに設定された第2確率とに基づいて、前記共有グループと前記ユーザ別グループから、前記いずれかの対象を決定し、前記共有グループから前記いずれかの対象が決定された場合、前記第1確率を下げ、前記第2確率を上げる
付記2に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、共有テーブルから抽選対象の残数が減る機会を減らすことができる。
(付記4)
前記決定部は、前記共有グループ内における前記対象の残数が減少するほど、前記共有グループ内の希少性の高い前記対象を決定する
付記1~3に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、共有グループ内における対象の残数が減るほど、よりレア度の高い対象を獲得できる期待値が高まり、継続して抽選を行うことの意欲を保つことができる。
(付記5)
前記決定部は、前記残数が所定数以下の場合に前記いずれかの対象を決定して提供した場合、決定した対象に加えて特典を提供する
付記1~4に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、例えば、最後に抽選された場合には、当選したオブジェクト以外に、さらに特典を提供することができるので、ユーザの期待値を一層高めることができる。
(付記6)
前記決定部は、前記対象の残数に応じて、前記ユーザからの要求に対して連続して前記いずれかの対象の決定を行う試行数を変動させる
付記1~5に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、対象の残数に応じて、連続抽選できる回数を変動させることができることができる。したがって、例えば、最後に抽選された場合には、当選したオブジェクト以外に、さらに特典を提供する場合において、対象の残数5の場合、連続抽選できる回数を4以下に抑えることにより、当該連続抽選処理における試行で、特典を獲得することがないように調整することができる。
(付記7)
前記更新部は、前記ユーザ別グループから、前記いずれかの対象が決定される場合、前記ユーザ別グループ内の前記対象の残数を減らし、
前記決定部は、前記ユーザ別グループ内の前記対象の残数が無くなった場合、前記ユーザ別グループ内の対象を初期状態にリセットし、リセット前と比べて前記第1確率を上げる
付記2~5に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、多く抽選を行っているユーザほど、共有ボックスから抽選対象が取得できるため、より希少性の高い抽選対象(ゲーム要素)を得ることができるようになる。
(付記8)
前記決定部は、前記ユーザから、前記いずれかの対象の決定を複数回連続して行う旨の要求がされた場合、前記いずれかの対象を、少なくとも1回は前記共有グループから決定する
付記1~5に記載の情報処理装置。
このように構成することにより、連続抽選を選択させるモチベーションを向上させることができる。
(付記9)
コンピュータに、
ユーザからの抽選要求に応じて、複数の対象からいずれかの対象を決定し、決定した対象を前記ユーザに提供する決定処理と、
前記複数の対象のうち、所定の1又は複数の対象から形成されるグループであって前記グループ内の前記対象の残数が複数ユーザで共有され管理される前記グループである共有グループから、前記いずれかの対象が決定される場合、前記共有グループ内の前記対象の残数を減らす更新処理と、
を実行させる制御プログラム。
このように構成することにより、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
(付記10)
コンピュータが、
ユーザからの抽選要求に応じて、複数の対象からいずれかの対象を決定し、決定した対象を前記ユーザに提供する決定処理と、
前記複数の対象のうち、所定の1又は複数の対象から形成されるグループであって前記グループ内の前記対象の残数が複数ユーザで共有され管理される前記グループである共有グループから、前記いずれかの対象が決定される場合、前記共有グループ内の前記対象の残数を減らす更新処理と、
を実行する情報処理方法。
このように構成することにより、有限の抽選対象の残数が複数のユーザで共有して管理される抽選において、未だ抽選されていない対象の当選へのユーザの期待値を向上させることができる。
【符号の説明】
【0119】
1 情報処理装置
2 決定部
3 更新部
11 ゲームシステム
12 ユーザ端末
15 サーバ
16 通信ネットワーク
31 通信部
32 制御部
33 要求取得部
34 抽選部
35 ボックス管理部
36 提供部
41 記憶部
42 ユーザ保有オブジェクト管理DB
43 共有ボックス管理DB
44 ユーザ別ボックス管理DB
45 特典管理DB