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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】ゲーム管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/792 20140101AFI20241009BHJP
   G06Q 20/28 20120101ALI20241009BHJP
【FI】
A63F13/792
G06Q20/28
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023110155
(22)【出願日】2023-07-04
(62)【分割の表示】P 2019058869の分割
【原出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2023126296
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄次郎
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-079153(JP,A)
【文献】国際公開第2013/187472(WO,A1)
【文献】特開2011-070524(JP,A)
【文献】特開2015-192751(JP,A)
【文献】特開2014-113371(JP,A)
【文献】無料会員とプレミアムコース,「ジャンナビ麻雀オンライン」公式サイト[online],2018年11月29日,https://web.archive.org/web/20181129085348/https://www.jannavi.net/palyguide_Accounting.php
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1期間にリリース済みの第1ゲームを含むゲーム群に対するユーザからの前記第1期間における第1課金額に基づいて、前記第1ゲームのアイテムを前記ユーザに対して付与
前記第1期間の後の第2期間に前記ゲーム群に第2ゲームが新たに追加された場合に、前記第1課金額と、前記ゲーム群に対する前記ユーザからの前記第2期間における第2課金額とに基づいて、前記第2ゲームのアイテムを、前記ユーザに対して付与する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、第1期間にリリース済みの第1ゲームを含むゲーム群に対するユーザからの前記第1期間における第1課金額に基づいて、前記第1ゲームのアイテムを前記ユーザに対して付与
プロセッサが、前記第1期間の後の第2期間に前記ゲーム群に第2ゲームが新たに追加された場合に、前記第1課金額と、前記ゲーム群に対する前記ユーザからの前記第2期間における第2課金額とに基づいて、前記第2ゲームのアイテムを、前記ユーザに対して付与する、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、第1期間にリリース済みの第1ゲームを含むゲーム群に対するユーザからの前記第1期間における第1課金額に基づいて、前記第1ゲームのアイテムを前記ユーザに対して付与
前記第1期間の後の第2期間に前記ゲーム群に第2ゲームが新たに追加された場合に、前記第1課金額と、前記ゲーム群に対する前記ユーザからの前記第2期間における第2課金額とに基づいて、前記第2ゲームのアイテムを、前記ユーザに対して付与する、
処理を実行させる、プログラム。
【請求項4】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置に接続されるサーバ装置とを含む情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
第1期間にリリース済みの第1ゲームを含むゲーム群に対するユーザからの前記第1期間における第1課金額に基づいて、前記第1ゲームのアイテムを前記ユーザに対して付与
前記第1期間の後の第2期間に前記ゲーム群に第2ゲームが新たに追加された場合に、前記第1課金額と、前記ゲーム群に対する前記ユーザからの前記第2期間における第2課金額とに基づいて、前記第2ゲームのアイテムを、前記ユーザに対して付与する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのスマートフォンなどの携帯端末に提供され、インターネット回線を通じて他のユーザと交流可能な、いわゆるソーシャルゲームがある。このようなソーシャルゲームでは、ユーザが課金することによりユーザにとって有利なアイテムやキャラクターを入手可能になる課金システムを導入している。
【0003】
また、ゲーム内で利用可能なアイテムをランダムに入手可能なアイテム抽選機能などが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-41561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のゲームでは、課金システムがゲームごとに独立しており、ユーザはゲームごとに課金を行っていた。ユーザが複数のゲームを他人より有利にプレイをしたい場合、ユーザはゲームごとに課金をする必要があった。ユーザにとっては複数のゲームに課金を分散させるよりは、1つのゲームに課金を集約させる方がよりゲームを有利にプレイすることが可能となるため、ユーザがプレイするゲームは課金している一部のゲームに限られてしまい、課金しているゲーム以外のゲームをプレイする動機付けが生じにくかった。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、課金を行うことにより、ユーザにとって複数のゲームをプレイする動機付けを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、受付部と、付与部を備え、前記受付部は、ユーザからの課金を受け付け、前記付与部は、前記課金の課金金額に基づいて換算される複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨を、前記ユーザに対して付与する、ゲーム管理システムが提供される。
【0008】
このような構成とすることにより、ユーザからの課金が複数のゲームにおけるゲーム内通貨として付与されるため、ユーザにとっては複数のゲームのそれぞれを他人よりも有利にプレイすることが可能となり、ユーザにとって複数のゲームをプレイする動機付けを向上させることができる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴が独立に発明を構成する。
【0010】
好ましくは、前記複数のゲームは、所定のグループに含まれ、前記受付部は、前記所定のグループに対する前記ユーザからの課金を受け付ける。好ましくは、前記複数のゲームは、所定のグループに含まれ、前記受付部は、前記所定のグループに含まれるいずれか一つのゲームに対する前記ユーザからの課金を受け付ける。好ましくは、前記付与部は、前記課金金額と、前記複数のゲームごとの係数に基づいて換算される、前記複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨を、前記ユーザに付与する。好ましくは、対象金額設定部をさらに備え、前記対象金額設定部は、前記ユーザから受け付けた課金金額のうち、前記複数のゲームのそれぞれについてゲーム内通貨の換算対象とする対象金額を設定し、前記付与部は、前記対象金額設定部により設定された前記複数のゲームのそれぞれの対象金額に基づいて換算された、前記複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨を、前記ユーザに対して付与する。好ましくは、第1記憶部と第2記憶部をさらに備え、前記第1記憶部は、前記ユーザから受け付けた課金の履歴情報を記憶し、前記第2記憶部は、前記ユーザから受け付けた課金に基づいて、前記ユーザに対して付与した前記複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨の付与についての履歴情報を記憶し、前記対象金額設定部は、前記第1記憶部と前記第2記憶部に記憶される情報に基づいて、前記ユーザから受け付けた課金金額のうち、前記複数のゲームのそれぞれについて前記ユーザにゲーム内通貨を付与していない金額の少なくとも一部を、前記複数のゲームのそれぞれの対象金額に設定する。好ましくは、前記ユーザの課金後に提供を開始したゲームについて、前記対象金額設定部は、前記課金の履歴情報に基づいて予め定められた期間での累積課金額を算出し、前記対象金額を設定する。好ましくは、前記第1記憶部は、前記複数のゲームそれぞれについて、前記予め定められた期間を記憶する。好ましくは、前記第2記憶部は、前記複数のゲームそれぞれについて、前記ゲーム内通貨の上限額が設定されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係るゲーム管理システム100の概要を示す図である。
図2】管理サーバ30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ゲーム管理システム100の機能構成を示すブロック図である。
図4図4Aは課金履歴記憶部42のテーブル構成を示す図である。図4Bは通貨情報記憶部44のテーブル構成を示す図である。
図5】第2実施形態に係るゲーム管理システム200の概要を示す図である。
図6】ゲーム管理システム200の機能構成を示すブロック図である。
図7図7Aは課金履歴記憶部142のテーブル構成を示す図である。図7Bは通貨情報記憶部144のテーブル構成を示す図である。
図8】ゲーム管理システム200における課金額と付与額の関係を説明する図である。
図9】第3実施形態に係るゲーム管理システム300の概要を示す図である。
図10】ゲーム管理システム300の機能構成を示すブロック図である。
図11図11Aは課金履歴記憶部242のテーブル構成を示す図である。図11Bは通貨情報記憶部244のテーブル構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.第1実施形態>
(1.1.ゲーム管理システム100の概要)
図1を参照し、第1実施形態に係るゲーム管理システム100の概要を説明する。図1に示すように、ゲーム管理システム100は、管理サーバ30とゲーム提供システム50を備え、ユーザ端末10と通信可能に構成される。ゲーム提供システム50は、複数のサーバ装置により実現される。
【0013】
ユーザ端末10は、ゲームユーザ(以下、単にユーザという)が所有するスマートフォンなどの携帯端末で実現されている。管理サーバ30は、ユーザからの課金を受け付け、課金情報を管理するサーバである。ゲーム提供システム50は、複数のゲームを提供可能に構成される。ゲーム提供システム50は、複数のゲームをそれぞれ所定のグループに分類して管理する。
【0014】
ユーザは、ゲーム提供システム50が提供するゲームについて、分類された複数のグループから、何れかのグループを指定して課金を行う。管理サーバ30は、ユーザからの課金を受け付け、当該課金の金額とゲームごとに設定された換算係数(以下、単に係数ともいう)とに基づいて換算される、ユーザが指定したグループ内の複数のゲームの夫々のゲーム内通貨をユーザに対して付与する。なお、複数のゲームのすべてが同一のグループに属している場合、管理サーバ30は、ユーザからグループを指定する処理をスキップしてもよい。
【0015】
このような構成とすることにより、ユーザからの課金が複数のゲームにおけるゲーム内通貨として付与されるため、ユーザにとっては複数のゲームのそれぞれを他人よりも有利にプレイすることが可能となり、ユーザにとって複数のゲームをプレイする動機付けを向上させることができる。
【0016】
ここで、グループは、例えばゲームを提供する企業であり、該企業が提供しているゲームが同じグループに分類されてもよい。1つの企業が出す複数のゲームが同じグループに分類されることで、ユーザは、該グループに対する課金で、その企業が出す複数のゲームのそれぞれを他人よりも有利にプレイすることが可能となり、ユーザにとって複数のゲームをプレイする動機付けを向上させることができる。
【0017】
(1.2.管理サーバ30のハードウェア構成)
図2を参照し、管理サーバ30のハードウェア構成を説明する。なお、ゲーム提供システム50は管理サーバ30が備える構成によって実装可能であるため、説明は繰り返さない。
【0018】
図2は、本実施形態に係る管理サーバ30のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ30は、管理サーバ30全体の動作を司る主制御部31、主制御部31による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる主記憶部32、各種プログラムおよび各種データ等が予め記憶された補助記憶部33を備えている。
【0019】
さらに、管理サーバ30は、通信回線を介してユーザ端末10およびゲーム提供システム50等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行う通信部34を備えている。また、キーボードおよびマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部35、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ36を備えていてもよい。
【0020】
これら主制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、操作入力部35、モニタ36は、システムバス37を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部31は、主記憶部32、補助記憶部33へのアクセス、操作入力部35に対する操作状態の把握、モニタ36に対する画像の表示、並びに通信部34を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を各々行なうことができる。
【0021】
(1.3.ゲーム管理システム100の機能構成)図3を参照し、ゲーム管理システム100の機能構成を説明する。上述したように、ゲーム管理システム100は、管理サーバ30とゲーム提供システム50を備える。
【0022】
(1.3.1.管理サーバ30)
図3に示すように、管理サーバ30は、受付部41と、課金履歴記憶部42と、付与部43を備える。受付部41および付与部43は、主制御部31の機能として実現される。課金履歴記憶部42は、補助記憶部33の機能として実現される。
【0023】
受付部41は、ユーザからの課金を受け付け、課金履歴記憶部42へ課金の履歴情報を登録する。
【0024】
課金履歴記憶部42は、ユーザから受け付けた課金の履歴情報を記憶する。課金履歴記憶部42は、課金履歴テーブルT1と、付与係数テーブルT2を含む。課金履歴テーブルT1および付与係数テーブルT2の構成については、詳細を後述する。
【0025】
付与部43は、課金履歴テーブルT1および付与係数テーブルT2を参照し、ユーザの課金金額に基づいて換算される複数のゲームそれぞれのゲーム内通貨を、ユーザに対して付与する。課金金額に基づくゲーム内通貨の付与については、詳細を後述する。
(1.3.2.ゲーム提供システム50)
【0026】
ゲーム提供システム50は、通貨情報記憶部44と提供部47を備える。通貨情報記憶部44は、補助記憶部33の機能として実現される。提供部47は、主制御部31の機能として実現される。
【0027】
通貨情報記憶部44は、付与部43によって付与されたゲーム内通貨の履歴情報を記憶する。通貨情報記憶部44は、通貨付与テーブルT3を含む。通貨付与テーブルT3の構成については、詳細を後述する。提供部47は、ユーザに対して、複数のゲームを提供可能に構成される。
【0028】
上述した機能構成は、主制御部31として実装されたCPU(Central Processing Unit)が、プログラムを実行することによって各種機能を実現することができるし、ハードウェアによって実現してもよい。
【0029】
プログラムを実行することで実現される場合、当該プログラムは、補助記憶部33に格納してもよく、コンピューターが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。また、ハードウェアによって実現する場合、ASIC、SOC、FPGA、またはDRPなどの種々の回路によって実現することができる。
【0030】
(1.4.課金履歴記憶部42および通貨情報記憶部44のテーブル構成)図4Aおよび図4Bを参照し、課金履歴記憶部42および通貨情報記憶部44のテーブル構成を説明する。課金履歴記憶部42は、課金履歴テーブルT1と、付与係数テーブルT2を含む。通貨情報記憶部44は、通貨付与テーブルT3を含む。
【0031】
(1.4.1.課金履歴テーブルT1)
課金履歴テーブルT1は、ユーザによる課金の履歴を記憶するテーブルである。図4Aに示すように、課金履歴テーブルT1は、課金ID列と、ユーザID列と、課金グループ列と、課金額(円)列と、課金日列を有する。課金ID列は、課金履歴テーブルT1のレコードを一意に識別するための課金IDを保持する。ユーザID列は、課金を行ったユーザを一意に識別するためのユーザIDを保持する。
【0032】
課金グループ列は、ユーザが課金時に指定したグループ名を保持する。ゲーム管理システム100では、ゲーム提供システム50によって提供される複数のゲームは、所定のグループに分類されており、ユーザはグループを指定して課金を行うように構成されている。
【0033】
課金額(円)列は、ユーザによる課金の金額(以下、課金額ともいう)を保持する。課金日列は、ユーザによる課金が行われた日付を保持する。
【0034】
このようにして、課金履歴テーブルT1はユーザによる課金の履歴を記憶し、受付部41は、ユーザからの課金を受け付け、課金履歴テーブルT1へ登録する。
【0035】
(1.4.2.付与係数テーブルT2)
付与係数テーブルT2は、ゲーム提供システム50が提供するゲームごとに、ユーザによる課金額をゲーム内通貨へ換算する換算係数を記憶するテーブルである。付与係数テーブルT2は、ゲームID列と、ゲーム名列と、ゲームグループ列と、係数列を有する。ゲームID列は、ゲーム提供システム50が提供する複数のゲームを一意に識別するためのゲームIDを保持する。ゲーム名列は、当該ゲームの名称を保持する。
【0036】
ゲームグループ列は、当該ゲームが分類されるグループの名称を保持する。係数列は、当該ゲームが課金額から換算される際の換算係数を保持する。
【0037】
付与部43は、課金履歴テーブルT1および付与係数テーブルT2を参照し、ユーザの課金金額に基づいて換算される複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨を、通貨付与テーブルT3に登録する。
【0038】
(1.4.3.通貨付与テーブルT3)
通貨付与テーブルT3は、付与部43によって付与されたゲーム内通貨の履歴情報を記憶するテーブルである。図4Bに示すように、通貨付与テーブルT3は、No列と、課金ID列と、付与対象ゲーム列と、通貨付与額(円)列と、加算日列を有する。
【0039】
No列は、通貨付与テーブルT3内のレコードを一意に識別するための連番を保持する。課金ID列は、課金履歴テーブルT1の課金ID列の外部キーであり、付与部43によるゲーム内通貨の付与に紐づく課金IDを保持する。
【0040】
付与対象ゲーム列は、付与部43によるゲーム内通貨の付与が行われたゲーム名を保持する。通貨付与額(円)列は、ユーザの課金金額と換算係数に基づいて、付与部43によって付与されたゲーム内通貨の金額を保持する。加算日列は、付与部43によるゲーム内通貨の付与が行われた日付を保持する。
【0041】
なお、ゲーム内通貨の付与は、対象となるゲームにおける通貨の単位(または通貨に相当するアイテム)で行われる。そこで、通貨付与テーブルT3は、各ゲームに対応したゲーム内通貨の単位での金額(または通貨に相当するアイテムの個数)を保持する列を備えてもよい。
【0042】
(1.4.4.ゲーム内通貨の付与の流れ)
以下、付与部43によるゲーム内通貨の付与について、課金ID=3の場合(課金履歴テーブルT1におけるレコードR1)を例示して説明する。受付部41は、ユーザから10000円の課金を受け付けると、課金履歴テーブルT1に課金ID=3のレコードR1を登録する。
【0043】
付与部43は、課金履歴テーブルT1および付与係数テーブルT2を参照し、課金額に基づくゲーム内通貨の付与額を通貨付与テーブルT3に登録する。ここで、課金ID=3の課金は、グループAに対して課金されているため(課金履歴テーブルT1におけるレコードR1参照)、付与部43は、付与係数テーブルT2を参照し、グループAに属するゲームの換算係数を取得する。
【0044】
付与係数テーブルT2において、グループAに属するゲームA1、A2、A3の換算係数は、それぞれ1、1、0.5となっている(付与係数テーブルT2におけるレコードR2参照)。そこで、付与部43は、課金額10000円に対して換算係数を乗じた10000円、10000円、5000円をグループAに属するゲームA1、A2、A3においてゲーム内通貨としてユーザに付与し、通貨付与テーブルT3に登録する(通貨付与テーブルT3におけるレコードR3参照/図1に対応)。
【0045】
以上のようにして、本実施形態に係るゲーム管理システム100は、受付部41と、付与部43を備える。受付部41はユーザからの課金を受け付け、付与部43は、課金金に基づいて換算される複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨を、ユーザに対して付与する。
【0046】
このような構成とすることにより、ユーザからの課金が複数のゲームにおけるゲーム内通貨として付与されるため、ユーザにとっては複数のゲームのそれぞれを他人よりも有利にプレイすることが可能となり、ユーザにとって複数のゲームをプレイする動機付けを向上させることができる。また、グループ内に多くのゲームを含めることで、ユーザが当該グループ内で様々なゲームを楽しむことが可能となり、ユーザの長期利用が実現される。
【0047】
<2.第2実施形態>
図5図8を参照して、第2実施形態に係るゲーム管理システム200の概要を説明する。なお、以下においては、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
(2.1.ゲーム管理システム200の概要)
図5を参照し、ゲーム管理システム200の概要を説明する。図5に示すように、ゲーム管理システム200では、ユーザが、管理サーバ130に対して毎月の定額課金を行う点で第1実施形態と異なる。
【0049】
ユーザからの毎月の定額課金を受け付けた管理サーバ130は、ゲーム提供システム150が提供する複数のゲームについて、ゲーム内通貨を毎月付与する。その一方で、ユーザの定額課金が開始された後にリリースされた新しいゲームについては、リリースされた月の課金額と、リリースされた月までに累積した課金額との合計額について、ゲーム内通貨を付与する。
【0050】
(2.2.ゲーム管理システム200の機能構成)
図6を参照し、ゲーム管理システム200の機能構成を説明する。ゲーム管理システム200は、管理サーバ130とゲーム提供システム150を備える。
【0051】
図6に示すように、管理サーバ130は、受付部141と、課金履歴記憶部142と、付与部143と、提供部147の他に、対象金額設定部145を備える。対象金額設定部145は、ユーザから受け付けた課金金額のうち、複数のゲームのそれぞれについてゲーム内通貨の換算対象とする対象金額を設定する。
【0052】
具体的には、対象金額設定部145は、ユーザの課金が開始された時点で既にリリースされているゲームについては、毎月の課金額を対象金額として設定する。その一方で、ユーザの課金が開始された後にリリースされたゲームについては、リリースされた月の課金額と、リリースされた月までに累積した課金額との合計額を、対象金額として設定する。
【0053】
付与部143は、対象金額設定部145により設定された対象金額に基づいて、複数のゲームのそれぞれについてゲーム内通貨を付与し、ゲーム提供システム150が備える通貨情報記憶部144へ登録する。
【0054】
(2.3.課金履歴記憶部142および通貨情報記憶部144のテーブル構成)
図7Aおよび図7Bを参照し、課金履歴記憶部142および通貨情報記憶部144のテーブル構成を説明する。課金履歴記憶部142は、課金履歴テーブルT11と、付与係数テーブルT12と、リリース条件テーブルT13を含む。通貨情報記憶部144は、通貨付与テーブルT14を含む。
【0055】
(2.3.1.課金履歴テーブルT11)
課金履歴テーブルT11は、図7Aに示すように、図4の課金履歴テーブルT1における課金日列の代わりに、課金開始日列を有する。課金開始日列は、ユーザによる定額課金が開始された日付を保持する。
【0056】
(2.3.2.リリース条件テーブルT13)
リリース条件テーブルT13は、ゲーム提供システム150が提供するゲームごとに、ゲームがリリースされる時期と、リリース時においてゲーム内通貨の付与対象となる課金の累積期間を記憶する。リリース条件テーブルT13は、ゲームID列と、ゲーム名列と、リリース日列と、課金累積期間(月)列を有する。
【0057】
リリース日列は、当該ゲームがリリースされる日付を保有する。課金累積期間(月)列は、当該ゲームがリリースされる際に、ゲーム内通貨の換算対象として設定されるリリース前の課金の累積期間(特許請求の範囲における「予め定められた期間」に相当)を保持する。
【0058】
(2.3.3.ゲーム内通貨の付与の流れ)
以下、付与部143によるゲーム内通貨の付与について、課金ID=1の場合(課金履歴テーブルT11におけるレコードR11)を例示して説明する。受付部141は、ユーザから3000円の定額課金の開始を受け付けると、課金履歴テーブルT11に、課金ID=1のレコードR11を登録する。
【0059】
対象金額設定部145は、ユーザから受け付けた課金金額のうち、課金対象のグループに含まれる複数のゲームのそれぞれについて、ゲーム内通貨の換算対象とする対象金額を設定する。
【0060】
ここで、レコードR11が登録された時点では、ゲームA1~A3は既にリリースされている(リリース条件テーブルT13におけるレコードR12参照)。よって、対象金額設定部145は、定額課金額である3000円をゲーム内通貨への換算の対象金額として設定する。
【0061】
付与部143は、対象金額設定部145によって設定された対象金額と、付与係数テーブルT12の係数列に保持された換算係数に基づいて、ゲームA1~A3についてゲーム内通貨を付与し、通貨付与テーブルT14に登録する。このようにして、月次の定額課金が行われるたびに、通貨付与テーブルT14に、付与されたゲーム内通貨の履歴情報が登録される(通貨付与テーブルT14のレコードR14)。
【0062】
これに対して、課金ID=1による定額課金の開始の後にゲームA4がリリースされると(リリース条件テーブルT13におけるレコードR13参照)、対象金額設定部145は、リリース条件テーブルT13を参照し、ゲームA4についての課金累積期間を取得する。そして、ゲームA4のリリースされた月における定額課金額(3000円)と、ゲームA4についての累積期間(2ヶ月)に相当する課金額(6000円)に基づいて、ゲーム内通貨への換算の対象金額(9000円)を設定する。付与部143は、対象金額設定部145によって設定された対象金額と、付与係数テーブルT12の係数列に保持されたゲームA4の換算係数(1)に基づいて、ゲームA4についてゲーム内通貨を付与し、通貨付与テーブルT14に履歴情報を登録する(レコードR15に相当)。
【0063】
図8を参照し、上述したゲーム管理システム200における課金額と付与額の関係を説明する。図8に示すように、1月から開始したユーザの課金に対して、既存のゲームA1~ゲームA3については、定額課金額に換算係数を乗じた額がゲーム内通貨として毎月付与される。それに対して、ユーザの定額課金が開始された後にリリースされたゲームA4については、リリース前の課金(すなわち、ゲーム内通貨を付与していない金額)の一部についても、ゲーム内通貨への換算対象となっている。
【0064】
このように、ゲーム管理システム200は、対象金額設定部145をさらに備え、ユーザから受け付けている定額課金額のうち、ゲーム内通貨の換算対象とする対象金額を設定する。対象金額設定部145は、ユーザの定額課金の開始後に提供を開始したゲームについては、課金の履歴情報に基づいて予め定められた期間での累積課金額を算出し、対象金額を設定する。付与部143は、設定された前対象金額に基づいて換算されたゲーム内通貨を付与する。
【0065】
このような構成とすることにより、ユーザは新しいゲームがリリースされるたびに、それまでの課金によって累積した額がゲーム内通貨として付与されることになるため、ユーザが新しいゲームをプレイする動機付けとなる。また、定額課金制となっていることにより、当該システムを利用するユーザ数が増加すると顧客吸引力が増加するため、新規ユーザが参入する動機付けとなる。
【0066】
<3.第3実施形態>
図9図11を参照して、第3実施形態に係るゲーム管理システム300の概要を説明する。
【0067】
(3.1.ゲーム管理システム300の概要)
図9を参照し、ゲーム管理システム300の概要を説明する。図9に示すように、ゲーム管理システム300は、管理サーバを備えていない点で上記実施形態と異なる。
【0068】
ユーザは、ゲーム提供システム250に対して、ゲームを指定して課金を行う。ゲーム提供システム250は、ユーザが指定した課金対象のゲームと、当該ゲームが属するグループ内の他のゲームに対して、ゲーム内通貨を付与する。
【0069】
(3.2.ゲーム管理システム300の機能構成)
図10を参照し、ゲーム管理システム300の機能構成を説明する。ゲーム管理システム300は、ゲーム提供システム250を備える。図10に示すように、ゲーム提供システム250は、受付部241と、課金履歴記憶部242と、付与部243と、通貨情報記憶部244と、提供部247を備える。
【0070】
(3.3.課金履歴記憶部242および通貨情報記憶部244のテーブル構成)
図11Aおよび図11Bを参照し、課金履歴記憶部242および通貨情報記憶部244のテーブル構成を説明する。課金履歴記憶部242は、課金履歴テーブルT21と、付与比率テーブルT22を含む。通貨情報記憶部244は、通貨付与テーブルT23を含む。
【0071】
(3.3.1.課金履歴テーブルT21)
課金履歴テーブルT21は、図11Aに示すように、図4の課金履歴テーブルT1における課金グループ列の代わりに、課金ゲーム列を有する。課金ゲーム列は、ユーザが指定した課金対象のゲーム名を保持する。
【0072】
(3.3.2.付与比率テーブルT22)
付与比率テーブルT22は、図4の付与係数テーブルT2における係数列の代わりに、比率列を有する。比率列は、ユーザが課金時に指定したゲームと当該ゲームとにおいて、課金額をゲーム内通貨へ換算する際の換算比率を保持する。
【0073】
(3.3.3.ゲーム内通貨の付与の流れ)
以下、付与部243によるゲーム内通貨の付与について、課金ID=2の場合(課金履歴テーブルT21におけるレコードR21)を例示して説明する。受付部241は、ユーザから6000円の課金を受け付けると、課金履歴テーブルT21に課金ID=2のレコードR21を登録する。
【0074】
付与部243は、課金履歴テーブルT21および付与比率テーブルT22を参照し、課金額に基づくゲーム内通貨の付与額を通貨付与テーブルT23に登録する。ここで、課金ID=2の課金は、ゲームA3に対して課金されている(課金履歴テーブルT21におけるレコードR21参照)。そこで、付与部243は、付与比率テーブルT22を参照し、ゲームA3が属するグループA内のゲームの換算係数を取得する。
【0075】
付与比率テーブルT22において、グループAに属するゲームA1、A2、A3の換算係数は、それぞれ1、1、0.5となっている(付与比率テーブルT22におけるレコードR22参照)。すなわち、ゲームA3に対して、ゲームA1およびA2は、2倍の比率で課金額がゲーム内通貨へと換算されることとなる。付与部243は、課金額6000円について、ゲームA1、A2、A3に対して12000円、12000円、6000円をゲーム内通貨として付与し、通貨付与テーブルT23に登録する(通貨付与テーブルT23のレコードR23/図9に相当)。
【0076】
以上のようにして、ゲーム管理システム300では、受付部241は、所定のグループに含まれるいずれか一つのゲームに対するユーザからの課金を受け付け、付与部243は、課金金額に基づいて換算される複数のゲームのそれぞれのゲーム内通貨を、ユーザに対して付与する。
【0077】
このような構成とすることにより、管理サーバとゲーム提供システムといった構成を取る必要がなくなるため、より簡易な構成で、本発明を適用することが可能となる。
<4.その他の実施形態>
【0078】
以上、本願発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ユーザ端末10は、スマートフォンなどの携帯端末として実現されていたが、この例に限定されることはない。たとえば、家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、ユーザ端末10を実現してもよい。
【0079】
また、通貨情報記憶部は、複数のゲームそれぞれについて、ユーザに付与されるゲーム内通貨の上限額が設定される構成としてもよい。このようにすることで、定額課金の場合などに、課金額が累積しすぎることによりゲーム内におけるユーザ間の均衡を大きく崩れ、興趣が削がれるといった不具合を防ぐことができる。
【0080】
また、第2実施形態において、ユーザによって、毎月の課金額を適宜変更できる構成としてもよい。この場合、課金履歴テーブルT11は、課金変更日列を有してもよい。
【0081】
また、上記実施形態においては、ユーザによる課金は円単位で行われているが、この例に限定されることはない。たとえば、ドルなどの外貨で行われてもよいし、ブロックチェーンなどの暗号技術に基づく暗号通貨(仮想通貨)で行われてもよい。または、特定の企業が発行する買い物時に利用できるポイントなどで行われてもよい。
【0082】
さらに、本発明は、上述のシステムを実現させるために管理サーバおよびゲーム提供システムを機能させるプログラムとして実現することもできる。
【0083】
さらに、本発明は、上述のプログラムを格納する、コンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【0084】
本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0085】
10 :ユーザ端末
30,130:管理サーバ
31 :主制御部
32 :主記憶部
33 :補助記憶部
34 :通信部
35 :操作入力部
36 :モニタ
37 :システムバス
41,141,241:受付部
42,142,242:課金履歴記憶部
43,143,243:付与部
44,144,244:通貨情報記憶部
47,147,247:提供部
145 :対象金額設定部
50,150,250:ゲーム提供システム
100,200,300:ゲーム管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11