(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20210101AFI20241009BHJP
【FI】
G03B11/04 Z
(21)【出願番号】P 2024031370
(22)【出願日】2024-03-01
【審査請求日】2024-03-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立川 忠則
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0288779(US,A1)
【文献】特開2022-176555(JP,A)
【文献】特開2020-201886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/04
H04N 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向を向く表示面を有する表示部と、
前記第1の方向を向く前面と前記前面に形成された撮像用孔とを有し、前記表示面の周囲を囲う枠体と、
前記枠体の内部において前記撮像用孔と位置合わせして配設され、前記第1の方向を撮像方向とするカメラユニットと、
前記枠体に取り付けられるシャッター部品と、を備え、
前記シャッター部品は、
前記カメラユニットの幅方向の両側に設けられ
、クランク状に形成され、第1の面を有する第1の部分と、前記第1の部分と接続された第2の部分と、を有する一対の腕と、
一方の前記腕から他方の前記腕に亘って設けられ
前記第1の面に固定され前記撮像用孔から前記カメラユニットへの入光を遮断する遮光板と、を有
し、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも前記前面に近い、
電子機器。
【請求項2】
前記遮光板は、一対の前記腕のそれぞれに対して固定され、略平板状に形成される、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
一対の前記腕の厚さに対する前記遮光板の厚さの比率は34%以下である、
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
一対の前記腕のそれぞれの厚さは、0.6mm以上であり、
前記遮光板の厚さは、0.2mm以下である、
請求項1または2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等のLCD(Liquid Crystal Display)を備える電子機器において、筐体の外部(例えば、電子機器を使用する使用者等)を撮像するカメラが知られている。カメラは、筐体に配設されるカメラシャッター構造によって、筐体外部に露出した状態と、筐体外部に露出していない状態とに切り替え可能となっているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラシャッター構造が筐体に配設される場合、カメラユニットの表面を覆うカメラシートとカメラユニットとの間にカメラシャッター部品を入れ込むため、カメラユニットを筐体の表面から離して設置する必要がある。このため、カメラシャッター構造が筐体に配設されない場合よりもカメラシート等が大きくなり、これに伴いカメラユニット付近のカバーが大きくなる虞がある。
【0005】
本発明の一実施形態に係る目的は、カメラユニット付近のカバーの大きさを従来よりも小さくすることができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る電子機器は、表示部と、枠体と、カメラユニットと、シャッター部品と、を備える。表示部は、第1の方向を向く表示面を有する。枠体は、第1の方向を向く前面と前面に形成された撮像用孔とを有し、表示面の周囲を囲う。カメラユニットは、枠体の内部において撮像用孔と位置合わせして配設され、第1の方向を撮像方向とする。シャッター部品は、枠体に取り付けられる。シャッター部品は、一対の腕と、遮光板と、を有する。一対の腕は、カメラユニットの幅方向の両側に設けられカメラユニット側から前面側に向けて伸びる。遮光板は、一方の腕から他方の腕に亘って設けられ撮像用孔からカメラユニットへの入光を遮断する。
【0007】
前記電子機器では、一対の腕は、クランク状に形成され、第1の面を有する第1の部分と、第1の部分と接続された第2の部分と、を有する。遮光板は、第1の面に固定される。第1の部分は、第2の部分よりも前面に近い。
【0008】
前記電子機器では、遮光板は、一対の腕のそれぞれに対して固定され、略平板状に形成される。
【0009】
前記電子機器では、一対の腕の厚さに対する遮光板の厚さの比率は34%以下である。
【0010】
前記電子機器では、一対の腕のそれぞれの厚さは、0.6mm以上であり、遮光板の厚さは、0.2mm以下である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、カメラユニット付近のカバーの大きさを従来よりも小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態のカメラシャッター構造が配設された筐体を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のカメラシャッター構造が配設された筐体の一部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の電子機器におけるカメラユニットおよびアタッチメントを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、筐体に配設されたカメラユニットおよびカメラシャッター構造を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のカメラシャッター構造におけるシート部品が配設されていないカメラシャッター部品を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態のカメラシャッター構造におけるシート部品が配設されたカメラシャッター部品を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、カバーに取り付けられたシャッター部品をカバーの背面側から示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における、筐体に設置されたカメラをY軸を法線とする平面で切断した断面図である。
【
図9】
図9は、対比例における、筐体に設置されたカメラをY軸を法線とする平面で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、電子機器1の実施形態を詳細に説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0014】
まず、本実施形態に係る電子機器1の概略と構造について説明する。
図1は、本実施形態のカメラシャッター構造17が配設された筐体10を示す斜視図である。
図1に示す表示装置11が取り付けられた電子機器1筐体10は、例えば、LCD一体型のパーソナルコンピュータ(PC)である。電子機器1筐体10は、液晶画面である表示装置11と不図示のパソコン本体とが一体化された構造を筐体10の内部に有している。
【0015】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。筐体10の短手方向をX軸方向とし、筐体10の長手方向をY軸方向とし、筐体10の厚さ方向をZ軸方向とする。X軸方向は上下方向とも称され得る。Y軸方向は左右方向とも称され得る。Z軸方向は前後方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、筐体10の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。また、+Z方向は第1の方向の一例であり、-Z方向は第2の方向の一例である。
【0016】
電子機器1は、+Z方向を向く表示面11aを有する表示装置11と、+Z方向を向く前面122と前面122に形成された撮像用孔122aとを有し、表示面11aの周囲を囲うカバー12と、カバー12の内部において撮像用孔122aと位置合わせして配設され、+Z方向を撮像方向とするカメラユニット16と、カバー12に取り付けられるシャッター部品17aとを備えている。表示装置11は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置11は、表示面11aに画像を表示可能である。表示面11aは、開口111を通して筐体10の外部へ露出される。表示面11aに、例えば、タッチパネルが設けられても良い。その場合、ユーザは、表示面11aへのタッチ操作により表示装置11を操作することができる。カバー12は、矩形枠状に形成されている。表示装置11は、表示部の一例である。カバー12は、枠体の一例である。
【0017】
図2は、本実施形態のカメラシャッター構造17が配設された筐体10の一部を示す斜視図である。
図2に示されるように、カバー12の上面121には、孔121aが形成されている。孔121aは、Y軸方向に延在し、略矩形状に形成されている。孔121aは、Y軸方向におけるカバー12の中心付近に形成されている。孔121aは、筐体10の内部と外部とを連通している。
【0018】
カバー12の前面122には、撮像用孔が形成されている。撮像用孔は、後述するカメラ161が筐体10の外部から入る光を受光するための孔である。撮像用孔は、筐体10の内部と外部とを貫通している。撮像用孔は、Y軸方向において、カバー12の中心付近に形成されている。
【0019】
カバー12の前面122には、カメラシート13が配設されている。カメラシート13は、撮像用孔と、前面122の一部とを+Z方向から覆っている。カメラシート13は、Y軸方向に延在し、略矩形状に形成されている。カメラシート13は、Y軸方向におけるカバー12の中心付近に配設されている。カメラシート13は、筐体10の外部から内部へ向かう光を透過する。
【0020】
カメラシート13の-Z方向側には、後述するカメラユニット16が配設されている。カメラユニット16は、表示装置11の上方(+X方向)において、Y軸方向におけるカバー12の中心付近に配置されている。
【0021】
図3は、本実施形態の電子機器1におけるアタッチメント14およびカメラユニット16を示す斜視図である。アタッチメント14は、後述するカメラユニット16を筐体10に固定する部材である。アタッチメント14は、Y軸方向に延在している。アタッチメント14は、+X方向における端部において、+Z方向に突出している。筐体10は、
図3において図示を省略している。
【0022】
アタッチメント14の前面である実装面14aには、カメラユニット16が配設されている。カメラユニット16は、Y軸方向に延在している。カメラユニット16は、たとえば、ビス止めによってアタッチメント14の実装面14aに固定されている。カメラユニット16の前面16aには、カメラ161、LED(Light Emitting Diode)162、一対のマイク163が配設されている。前面16aは、+Z方向を向いている。
図3において、二点鎖線はカメラ161の画角及びマイク163の収音方向を示している。
【0023】
カメラ161は、筐体10の前方(+Z方向)を撮影する光学デバイスである。カメラ161は、Y軸方向におけるカメラユニット16の中心付近に配設されている。カメラ161は、当該カメラ161の撮影方向が+Z方向となる向き、すなわちカメラ161のレンズ161aが+Z方向を向く向きで、前面16aに固定されている。
【0024】
LED162は、カメラ161の起動状態を点灯または消灯によって通知する光源である。LED162は、当該LED162が発する光の向きが+Z方向となる向きで、前面16aに固定されている。
【0025】
一対のマイク163は、たとえば、電子機器1の使用者が筐体10に向かって発する声を収音する。一対のマイク163は、Y軸方向において互いに離間している。マイク163は、当該マイク163が収音する方向が+Z方向となる向きで、前面16aに固定されている。前面16aにおいて、一対のマイク163の間に、カメラ161およびLED162が配設されている。
【0026】
図4は、筐体10に配設されたカメラユニット16およびカメラシャッター構造17を示す斜視図である。
図4に示されるように、本実施形態のシャッター部品17aは、カメラユニット16の幅方向の両側に設けられカメラユニット16側から前面122側に向けて伸びる一対の腕172と、一方の腕172から他方の腕172に亘って設けられ撮像用孔からカメラユニット16への入光を遮断するシート部品174と、を有する。シート部品174は、遮光板の一例である。また、シャッター部品17aは、操作部171と、一対の爪173とを有する。なお、
図4においては、カバー12の記載を省略している。また、
図4において、二点鎖線はカメラ161の画角を示している。
【0027】
一対の腕172の間には、空間Sが形成されている。空間Sは、カメラユニット16と、一対の腕172と、シート部品174とによって囲まれた空間である。Y軸方向における空間Sの中心付近には、カメラ161の前端部が位置している。カメラ161の前端部は、シート部品174に近接している。一対の腕172およびシート部品174の詳細については後述する。
【0028】
図5は、本実施形態のカメラシャッター構造17におけるシート部品174が配設されていないシャッター部品17aを示す斜視図である。
図5に示されるように、操作部171は、略直方体形状の平板状に形成されている。操作部171は、Y軸方向に延在している。操作部171は、カバー12の上面121に対してY軸方向にスライド可能である。
【0029】
一対の腕172は、シート部品174を操作部171に固定する部材である。一対の腕172は、+X方向における端部において、操作部171の背面171aに固定されている。一対の腕172は、クランク状に形成されている。一対の腕172は、前面172a1を有する第1の部分172aと、第1の部分172aと接続された第2の部分172bとを有する。シート部品174は、前面172a1に固定される。第1の部分172aは、第2の部分172bよりもカバー12に近い。一対の腕172は、Y軸方向において互いに離間している。第1の部分172aは、XY平面において略平板状に形成されている。前面172a1は、+Z方向を向いている。第2の部分172bは、XY平面において略平板状に形成されている。第1の部分172aの+X方向における端部は、第2の部分172bの-X方向における端部と接続されている。なお、
図5においては、カバー12の記載を省略している。
【0030】
一対の爪173は、シャッター部品17aを筐体10に固定する部材である。一対の爪173は、+X方向における端部において、操作部171の背面171aに固定されている。一対の爪173は、略直方体形状に形成され、-X方向における端部が-Z方向に突出している。一対の爪173は、-Z方向における操作部171の端部に配設されている。一対の爪173は、Y軸方向に互いに離間している。一対の爪173は、Y軸方向において、一対の腕172と略重なる位置に配設されている。
【0031】
図6は、本実施形態のカメラシャッター構造17におけるシート部品174が配設されたシャッター部品17aを示す斜視図である。シート部品174は、前面122とカメラ161との間に配設されている。シート部品174は、カメラ161が撮像用孔から入光する光を遮断する部材である。
図6に示されるように、シート部品174は、一対の腕172のそれぞれの前面172a1に対して固定されている。シート部品174は、一方の腕172から他方の腕172に亘って設けられている。シート部品174は、平板状に形成されている。一対の腕172の間には、上述した空間Sが形成されている。なお、
図6においては、筐体10、カバー12及びカメラユニット16(カメラ161)の記載を省略している。
【0032】
シート部品174のZ軸方向における厚さは、一対の腕172のZ軸方向における厚さに対して十分に薄い。より詳細には、たとえば、一対の腕172の厚さに対するシート部品174の厚さの比率は、34%以下である。また、たとえば、一対の腕172のそれぞれの厚さは、0.6mm以上であり、シート部品174の厚さは、0.2mm以下である。
【0033】
シート部品174には、孔174aが形成されている。孔174aは、カメラ161が前方(+Z方向)を撮影する場合に、シート部品174が撮影方向(+Z方向)を遮らないようにするための孔である。孔174aは、略円形に形成されている。孔174aは、シート部品174をZ軸方向に貫通している。電子機器の使用者がカメラ161を用いて撮影する際には、孔174aと撮像用孔とがZ軸方向において重なるようにシャッター部品17aが位置合わせされる。
【0034】
(シャッター部品の取付手順)
次に、
図7を参照して、シャッター部品17aがカバー12に取り付けられる手順について説明する。
図7は、カバー12に取り付けられたシャッター部品17aをカバー12の背面側から示す斜視図である。まず、シャッター部品17aは、操作部171の背面171aが下方(-X方向)を向く向きで、カバー12の上面121に形成される孔121aに対して-X方向に挿入される。そして、シャッター部品17aは、一対の爪173がカバー12の背面123に勘合することによって、カバー12に固定される。
【0035】
この状態において、シャッター部品17aは、X軸方向に対しては一対の爪173によって固定されているが、Y軸方向に対しては固定されておらず、カバー12に対してY軸方向にスライド可能となっている。シャッター部品17aがカバー12に対してY軸方向にスライドすることによって、シャッター部品17aは、孔174aと撮像用孔とがZ軸方向において重なるように位置合わせされ、カメラ161が筐体10の外部に対して露出する撮影位置と、カメラ161がシート部品174によって筐体10の外部から遮光される非撮影位置とに切り替えられる。
【0036】
(カメラシャッター構造の効果)
次に、
図8および
図9を参照して、カメラシャッター構造17の効果を説明する。
図8は、本実施形態における、筐体10に設置されたカメラ161をY軸を法線とする平面で切断した断面図である。
図8において、二点鎖線はカメラ161の画角θ1、θ2を示している。画角θ1、θ2が示す範囲は、X軸方向において、カメラシート13が配設される範囲内に位置している。カメラ161が筐体10の外部を撮影するためには、画角θ1、θ2によって決められるカメラ161の撮影範囲が筐体10の外部から入光する光を透過するカメラシート13の位置する範囲内にある必要がある。
【0037】
シート部品174は、カメラシート13とカメラ161との間に配設されている。カメラシート13とカメラ161との間には、シート部品174が配設される。また、カバー12の前面122とカメラ161の前端部との間の長さは、L1である。
【0038】
ここで、対比例として、本実施形態よりも厚いシート部品を有する構成を想定する。以下の説明において、本実施形態と同一の構成については、説明を省略することがある。
図9は、対比例における、筐体10Aに設置されたカメラ161をY軸を法線とする平面で切断した断面図である。
図9において、二点鎖線はカメラ161の画角θ1、θ2を示している。対比例におけるカメラ161は、本実施形態におけるカメラ161と同一の構造である。このため、対比例における画角θ1、θ2は、本実施形態における画角θ1、θ2と同じ大きさである。また、シート部品174Aは、本実施形態と同様に、カメラシート13Aとカメラ161との間に配設されている。シート部品174Aは、シート部品174よりもZ軸方向の厚さが厚い。また、カバー12Aの前面122Aとカメラ161との間の長さは、L2である。
【0039】
上述の対比例に対して、本実施形態におけるカメラシャッター構造17は、対比例におけるシート部品174AよりもZ軸方向における厚さの薄いシート部品174を有する。また、カバー12の前面122とカメラ161との間の長さL1は、カバー12Aの前面122Aとカメラ161との間の長さL2よりも短い。
【0040】
この構造により、本実施形態におけるカメラシャッター構造17は、シート部品174の厚さが薄くなった分だけカメラ161をカバー12の前面122に近づけることができる。すると、カメラシート13に占める画角θ1、θ2が示す撮影範囲が狭くなる。これにより、カメラシート13のX軸方向における長さを従来構造よりも短くすることができる。ひいてはカメラユニット16付近のカバー12の大きさを従来よりも小さくすることができる。
【0041】
以上の実施形態において、電子機器は、表示装置11と、カバー12と、カメラユニット16と、シャッター部品17aと、を備える。表示装置11は、+Z方向を向く表示面11aを有する。カバー12は、+Z方向を向く前面122と前面122に形成された撮像用孔とを有し、表示面11aの周囲を囲う。カメラユニット16は、カバー12の内部において撮像用孔と位置合わせして配設され、+Z方向を撮像方向とする。シャッター部品17aは、カバー12に取り付けられる。シャッター部品17aは、一対の腕172と、シート部品174と、を有する。一対の腕172は、カメラユニット16の幅方向の両側に設けられカメラユニット16側から前面122側に向けて伸びる。シート部品174は、一方の腕172から他方の腕172に亘って設けられ撮像用孔からカメラユニット16への入光を遮断する。
【0042】
上述の構成において、カメラユニット16の幅方向の両側には、一対の腕172が設けられる。腕172は、カメラユニット16側から前面122側に向けて伸びる。一方の腕172から他方の腕172に亘って、シート部品174が設けられる。この構造により、一対の腕172に設けられるシート部品174は、カメラユニット16側から前面122側に向けて伸びる腕172によってカバー12の前面122に近づけられる。このため、カバー12の前面122とシート部品174との距離が短くなり、その分シート部品174に近接するカメラ161のレンズ161aがカバー12の前面122に近づくことができる。すると、カメラシート13に占める画角θ1、θ2が示す撮影範囲が小さくなるため、カメラシート13の幅を小さくすることができる。ひいては、電子機器1は、カメラユニット16付近のカバー12の大きさを従来構造よりも小さくすることができる。
【0043】
また、本実施形態において、一対の腕172は、クランク状に形成され、前面172a1を有する第1の部分172aと、第1の部分172aと接続された第2の部分172bと、を有する。シート部品174は、前面172a1に固定される。第1の部分172aは、第2の部分172bよりも前面122に近い。
【0044】
これにより、第1の部分172aに固定されるシート部品174は、カバー12の前面122により近づけられる。これに伴い、カメラ161も同様に、カバー12の前面122により近づけられる。すると、カメラシート13に占める画角θ1、θ2が示す撮影範囲が小さくなる。このため、カメラシャッター構造17は、カメラシート13のX軸方向における長さを短くすることができる。ひいては、カメラシャッター構造17は、カメラユニット16付近のカバー12の大きさを従来よりも小さくすることができる。
【0045】
また、本実施形態において、シート部品174は、一対の腕172のそれぞれに対して固定され、略平板状に形成される。
【0046】
上述の構造において、カメラ161の一部は、一対の腕172の間にある空間Sに配設されている。一方、一対の腕172が一体化して一つの腕となっている構造を想定すると、当該腕はXY平面において略直方体形状に形成され、カメラ161が向く方向(カメラ161の+Z方向側)に上述の空間Sは形成されない。すなわち、腕172がY軸方向に一対となって配設されていることによって、カメラ161が向く方向に空間Sが形成される。カメラシャッター構造17は、空間Sにカメラ161の一部が重なるようにカメラ161を配設することによって、カメラ161をカバー12の前面122により近づけられる。すると、カメラシート13に占める画角θ1、θ2が示す撮影範囲が小さくなる。このため、カメラシャッター構造17は、カメラシート13のX軸方向における長さを短くすることができる。ひいては、カメラシャッター構造17は、カメラユニット16付近のカバー12の大きさを従来よりも小さくすることができる。
【0047】
また、本実施形態において、シート部品174は、カメラシート13とカメラ161との間に配設されている。この構造において、カメラシャッター構造17は、シート部品174のZ軸方向における厚さを薄くする分だけ、カメラ161をカバー12の前面122に近づけることができる。また、本実施形態において、一対の腕172の厚みに対するシート部品174の厚みの比率は34%以下である。より詳細には、一対の腕172のそれぞれの厚みは、0.6mm以上であり、シート部品174の厚みは、0.2mm以下である。
【0048】
すなわち、シート部品174の厚さは、一対の腕172の厚みに対して十分薄いため、カメラシャッター構造17は、カメラ161をカバー12の前面122により近づけることができる。すると、カメラシート13に占める画角θ1、θ2が示す撮影範囲が小さくなる。このため、カメラシャッター構造17は、カメラシート13のX軸方向における長さを短くすることができる。ひいては、カメラシャッター構造17は、カメラユニット16付近のカバー12の大きさを従来よりも小さくすることができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 電子機器
10 筐体
11 表示装置
11a 表示面
12 カバー
16 カメラユニット
17 カメラシャッター構造
17a シャッター部品
122a 撮像用孔
172 腕
172a 第1の部分
172a1 前面
172b 第2の部分
174 シート部品
θ1、θ2 画角
L1、L2 カバーの前面とカメラとの間の長さ
S 空間
【要約】
【課題】カメラユニット付近のカバーの大きさを従来よりも小さくすることができる電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態の電子機器は、表示部と、枠体と、カメラユニットと、シャッター部品と、を備える。表示部は、第1の方向を向く表示面を有する。枠体は、第1の方向を向く前面と前面に形成された撮像用孔とを有し、表示面の周囲を囲う。カメラユニットは、枠体の内部において撮像用孔と位置合わせして配設され、第1の方向を撮像方向とする。シャッター部品は、枠体に取り付けられる。シャッター部品は、一対の腕と、遮光板と、を有する。一対の腕は、カメラユニットの幅方向の両側に設けられカメラユニット側から前面側に向けて伸びる。遮光板は、一方の腕から他方の腕に亘って設けられ撮像用孔からカメラユニットへの入光を遮断する。
【選択図】
図4