IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大正製薬株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20241009BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 31/16 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 31/164 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241009BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241009BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20241009BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241009BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20241009BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K8/19
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/41
A61K8/49
A61K8/63
A61K9/08
A61K31/122
A61K31/135
A61K31/16
A61K31/164
A61K31/19
A61K47/04
A61K47/10
A61K47/12
A61P17/14
A61P43/00 121
A61Q7/00
A61K8/35
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022178186
(22)【出願日】2022-11-07
(62)【分割の表示】P 2021113393の分割
【原出願日】2017-09-07
(65)【公開番号】P2022190158
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2016180100
(32)【優先日】2016-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】弁理士法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有泉 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一裕
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸山 友里
(72)【発明者】
【氏名】塩川 めぐみ
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-188620(JP,A)
【文献】特開2014-214097(JP,A)
【文献】特開2014-214098(JP,A)
【文献】特開2002-308740(JP,A)
【文献】国際公開第2014/184173(WO,A1)
【文献】国際公開第2001/076540(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)2w/w%以上のミノキシジル、
b)ヒノキチオール、
c)プロピレングリコール、及び
d)酸
を含有することを特徴とするpH5.0~7.0である外用組成物。
【請求項2】
ミノキシジルの濃度が5w/w%以上である請求項1記載の外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミノキシジルを有効成分とする外用組成物に関する。更に詳細には、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を配合したミノキシジル含有外用組成物の経時的な着色を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ミノキシジルは化学名を6-(1-ピペリジニル)-2,4-ピリミジンジアミン-3-オキサイドと称し、育毛剤としての適応が知られており(特許文献1)、優れた育毛・発毛効果を発揮する薬剤として多数の報告がある。
また、グリチルレチン酸は抗炎症作用があること(特許文献2)、パントテニールエチルエーテルは細胞賦活作用があること(特許文献3)、パンテノールは創傷治癒促進作用があること(特許文献4)、ヒノキチオールは抗菌作用があること(特許文献5)、ジフェンヒドラミンはかゆみ抑制作用があること(特許文献6)が報告されており、多くの育毛剤に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第4139619号明細書
【文献】特開2009-221190号公報
【文献】WO2007/074602号公報
【文献】特開2012-126733号公報
【文献】特開2000-1432号公報
【文献】特許第5008162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、優れた育毛剤を開発するため、ミノキシジルと酸を含有する組成物に、特定の有効成分、すなわちグリチルレチン酸、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、又は塩酸ジフェンヒドラミンを配合したミノキシジル含有外用組成物を製造し、安定性を評価したところ、意外にも、特定の有効成分の配合によりミノキシジル単独製剤よりも着色が増悪することがわかった。本発明は、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を配合したミノキシジル含有外用組成物において、製剤の着色を抑制したミノキシジル含有外用組成物を提供することを課題とする。
【0005】
今までに2w/w%以上のミノキシジルと、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、又はジフェンヒドラミン及び/又はその塩との間に、製剤の着色増悪に影響を与えるような相互作用を生じるか否かについて、報告された例はない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、又はジフェンヒドラミン及び/又はその塩を配合したミノキシジル含有外用組成物を製造する場合は、特定の多価アルコールを選択することにより、経時的な製剤の着色を抑制したミノキシジル含有外用組成物が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)a)2w/w%以上のミノキシジル、
b)グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分、
c)プロピレングリコール、及び
d)酸を含有することを特徴とする外用組成物、
(2)ミノキシジルの濃度が5w/w%以上である(1)に記載の外用組成物、
(3)a)2w/w%以上のミノキシジル、
b)グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分、
c)プロピレングリコール、及び
d)酸を混合して混合物を調製する工程と、
前記混合物にe)水、f)低級アルコールを加えて全量調製する工程を含むことを特徴とする外用組成物の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を配合した2w/w%以上のミノキシジル含有外用組成物において、製剤の経時的な着色を抑制したミノキシジル含有外用組成物を提供することが可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によれば、2w/w%以上のミノキシジル、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分、プロピレングリコール、及び酸を含有する外用組成物は、ミノキシジル製剤の着色を抑制したものとなる。
【0010】
本発明の外用組成物において用いるミノキシジルは、通常医薬品に用いられる品質のものを適宜使用することができる。また、本発明によれば、ミノキシジルの含有量は2w/w%以上であり、さらに好ましくは3w/w%以上であり、さらにより好ましくは5w/w%以上である。5w/w%以上となると、より製剤の着色が進行するため、本発明ではこの範囲で実施する意義が大きい。
【0011】
本発明の外用組成物において用いる多価アルコールは、本発明の効果である、製剤の経時的な着色を抑制する点からプロピレングリコールである。プロピレングリコールの配合量は、全組成物中好ましくは2~55w/w%であり、より好ましくは2~35w/w%であり、さらに好ましくは2~15w/w%である。本発明の外用組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲でプロピレングリコール以外の多価アルコールを含んでもよいが、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールは配合しない方が本発明の効果の点から好ましく、プロピレングリコールのみを配合することが本発明の効果の点から最も好ましい。
【0012】
ミノキシジルを基剤中に溶解させるためには酸を用いることが知られている。本発明の外用組成物において用いる酸としては、本発明の外用組成物の液性を7以下に調節する成分が好ましく、無機酸もしくは炭素数が6以下の有機酸が挙げられる。具体的にはリン酸、クエン酸、乳酸、塩酸、酢酸、硫酸、硝酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、グルコン酸であり、好ましくはリン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸である。これら酸を1種又は2種以上組み合わせてもよい。
【0013】
また、本発明の外用組成物は、主薬成分のミノキシジルの安定性、使用時の肌への刺激感、薬物の浸透性、使用感等の点から、そのpHを4.0~9.5の範囲に調整することが好ましく、5.0~7.0の範囲がさらに好ましい。さらに、pHの上限としては、好ましくは6.5未満であり、より好ましくは6.3以下、さらに好ましくは6.1以下である。
【0014】
本発明の外用組成物において用いるグリチルレチン酸及び/又はその塩の配合量は、本発明の着色を抑制するとの課題の点から外用組成物中0.01~1w/w%が好ましく、0.02~0.5w/w%がより好ましく、0.05~0.1w/w%が更に好ましく、また、ミノキシジル1質量部に対して0.02質量部以上が好ましい。パントテニールエチルエーテルの配合量は、本発明の着色を抑制するとの課題の点から外用組成物中0.1~5w/w%が好ましく、0.2~2w/w%がより好ましく、0.2~1w/w%が更に好ましく、また、ミノキシジル1質量部に対して0.2質量部以上が好ましい。パンテノールの配合量は、本発明の着色を抑制するとの課題の点から外用組成物中0.1~5w/w%が好ましく、0.2~2w/w%がより好ましく、0.2~1w/w%が更に好ましく、また、ミノキシジル1質量部に対して0.2質量部以上が好ましい。ヒノキチオールの配合量は、本発明の着色を抑制するとの課題の点から外用組成物中0.01~0.1w/w%が好ましく、0.01~0.05w/w%がより好ましく、0.02~0.05w/w%が更に好ましく、また、ミノキシジル1質量部に対して0.01質量部以上が好ましい。ジフェンヒドラミン及び/又はその塩の配合量は、本発明の着色を抑制するとの課題の点から外用組成物中0.01~1w/w%が好ましく、0.02~0.5w/w%がより好ましく、0.05~0.1w/w%が更に好ましく、また、ミノキシジル1質量部に対して0.02質量部以上が好ましい。
【0015】
本発明の外用組成物には、更に必要により高級アルコールを配合することができる。高級アルコールの例としては、炭素数が6~24のジアセトンアルコール、カプロイルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソセチルアルコール、セトステアリルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルデカノール、ノナデカノール、アラキルアルコール、オクチルドデカノール、ヘンイコサノール、ベヘニルアルコール、デシルテトラデカノールがより好ましく、そのうち、ジアセトンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキシルデカノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール、デシルテトラデカノールがさらに好ましい。本発明の高級アルコールは、1種又は2種以上組み合わせて使用しても良い。高級アルコールの含有量は、外用組成物中0.05~10w/w%が好ましく、0.1~5w/w%がより好ましく、0.25~1.5w/w%が更に好ましい。
【0016】
本発明の外用組成物には、更に必要により低級アルコールや水を配合することができる。低級アルコールとしては、炭素数1~5のものが好ましく、例えばエタノールやイソプロパノールなどが好ましく、これらを組み合わせて使用しても良い。低級アルコールの含有量は、全組成物中20w/w%以上が好ましく、より好ましくは30w/w%以上であり、より好ましくは35w/w%以上であり、更に好ましくは50w/w%以上である。水の配合量は、2~75w/w%が好ましく、より好ましくは5~50w/w%である。
【0017】
本発明の外用組成物には、更に必要により高級脂肪酸を配合することができる。高級脂肪酸の例としては、炭素数10~22のものが好ましく、例えばイソステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせてもよい。このうち、炭素数18のものが好ましく、特にイソステアリン酸又はオレイン酸が好ましい。高級脂肪酸の配合量は、全組成物中好ましくは0.1~10w/w%であり、より好ましくは1~6w/w%である。
【0018】
本発明の外用組成物には、更に必要により界面活性剤を配合することができる。しかしながら、界面活性剤の添加は、使用感やミノキシジルの皮膚吸収に影響を与える可能性があり、本発明の外用組成物では、界面活性剤を配合しなくてもミノキシジルの溶解性を確保できるため、実質的に界面活性剤を含まないものとすることが好ましい。
【0019】
本発明の外用組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、一般の外用剤に用いられる種々の活性成分や補助成分を配合することができる。例えば、賦形剤、育毛成分(6-ベンジルアミノプリン、アデノシン、ペンタデカン酸グリセリド、何首鳥等)、血管拡張剤(塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、センブリ抽出液、オタネニンジンエキス、チクセツニンジンチンキ、トウガラシチンキ等)、抗ヒスタミン剤(塩酸イソチペンジル等)、抗炎症剤(グアイアズレン等)、角質溶解剤(尿素、サリチル酸等)、殺菌剤(グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、第4級アンモニウム塩、ピロクトンオラミン等)、保湿剤(ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸等)、各種動植物(イチイ、ボタンピ、カンゾウ、オトギリソウ、附子、ビワ、カワラヨモギ、コンフリー、アシタバ、サフラン、サンシシ、ローズマリー、セージ、モッコウ、セイモッコウ、ホップ、プラセンタ、ノコギリヤシ、パンプキンシード等)の抽出物、ビタミン類(酢酸レチノール、アスコルビン酸、硝酸チアミン、シアノコバラミン、ビオチン等)、抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ピロ亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、エデト酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソプロピルガレート等)、溶解補助剤(アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、各種植物油、各種動物油、アルキルグリセリルエーテル、炭化水素類等)、代謝賦活剤、ゲル化剤(水溶性高分子等)、粘着剤、香料、清涼化剤(ハッカ油、カンフル等)、染料等の通常使用される成分を配合することができる。
【0020】
本発明の外用組成物の剤形の例としては、液剤、ローション剤等が挙げられる。
本発明の外用組成物の調製は、常法に従い、上記各成分を含有することにより調製される。
【0021】
かくして得られる本発明の外用組成物は、頭髪用剤、睫毛用剤、眉毛用剤等の皮膚適用製剤等として使用することができる。
【0022】
本発明の外用組成物の製造方法としては、例えばa)2w/w%以上のミノキシジル、b)グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分、c)プロピレングリコール、及びd)酸を混合して混合物を調製し、その混合物にe)水及びf)低級アルコールを加えて全量調製する方法、a)2w/w%以上のミノキシジル、b)グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分、c)プロピレングリコール、d)酸、e)水を混合して混合物を調製し、その混合物にf)低級アルコールを加えて全量調製する方法などが挙げられる。
【0023】
以下に、実施例、比較例及び参考例を記載し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。
【実施例
【0024】
(実施例1~10、比較例1~17及び参考例1)
実施例1~10、比較例1~17及び参考例1の処方を表1~2に示す。表1~2に記載の各成分を混合、撹拌して溶解し、エタノールを加えて全量100gとして製剤を調製した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
(試験方法1:熱安定性試験-1)
実施例1、比較例1~3及び参考例1の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で3日間保管後、製剤を目視で観察し、色調を確認した。
【0028】
【表3】
【0029】
(結果)
表3から明らかなように、多価アルコールにプロピレングリコールを配合したミノキシジル含有製剤(実施例1)の着色は経時的に進行しなかった(無色)が、多価アルコールにプロピレングリコール以外を配合したミノキシジル含有製剤(比較例1~3)の着色は経時的に進行した(微黄色)。
【0030】
(試験方法2:熱安定性試験-2)
実施例2、及び比較例4~5の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で5日間保管後、製剤を目視で観察し、色調を確認した。
【0031】
【表4】
【0032】
(結果)
表4から明らかなように、多価アルコールにプロピレングリコールを配合したミノキシジル含有製剤(実施例2)の着色は経時的に進行しなかった(無色)が、多価アルコールにプロピレングリコール以外を配合したミノキシジル含有製剤(比較例4~5)の着色は経時的に進行した(微黄色)。
【0033】
また,同じ微黄色でも、グリチルレチン酸の濃度が高い製剤の方が強い色調を示した。
【0034】
(試験方法3:熱安定性試験-3)
実施例3~10、比較例6~17及び参考例1の試験液を65℃(相対湿度成り行き)で5日間保管後、製剤を目視で観察し、色調を確認した。
【0035】
【表5】
【0036】
(結果)
表5から明らかなように、多価アルコールにプロピレングリコールを配合したミノキシジル含有製剤(実施例3~10)の着色は経時的に進行しなかった(無色)が、多価アルコールにプロピレングリコール以外を配合したミノキシジル含有製剤(比較例6~17)の着色は経時的に進行した(微黄色又は黄色)。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明により、グリチルレチン酸及び/又はその塩、パントテニールエチルエーテル、パンテノール、ヒノキチオール、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の有効成分を配合したミノキシジル含有外用組成物において、製剤の経時的な着色を抑制したミノキシジル含有外用組成物を提供することが可能になった。