IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 四国化工機株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社コオエイの特許一覧 ▶ ウシオライティング株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】口栓貼付装置及び口栓貼付方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/18 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
B65B61/18
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022533695
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(86)【国際出願番号】 JP2021014678
(87)【国際公開番号】W WO2022004090
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2020114773
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000180298
【氏名又は名称】四国化工機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591017559
【氏名又は名称】株式会社コオエイ
(73)【特許権者】
【識別番号】391025512
【氏名又は名称】ウシオライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】西尾 陽次
(72)【発明者】
【氏名】松田 勝
(72)【発明者】
【氏名】杉本 茂
(72)【発明者】
【氏名】三浦 聖司
(72)【発明者】
【氏名】奥野 喜久
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-519843(JP,A)
【文献】特開平03-114738(JP,A)
【文献】特表平11-514941(JP,A)
【文献】特開2005-054956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付装置であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布する塗布装置を備え
前記プレート状のフランジ部の外形は、
前記筒状部の通孔に対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所と大きい箇所を有し、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に前記接着剤を塗布する位置を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所では、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記筒状部の通孔から径方向外方へ離間する距離を大きくしてなり、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなる、
口栓貼付装置。
【請求項2】
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付装置であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布する塗布装置を備え
第1搬送装置により連続的に搬送される前記口栓の前記貼付面に、前記塗布装置により前記接着剤を順次塗布した後、第2搬送装置により連続的に搬送される前記容器本体の所定位置に、前記口栓を押し付けて、前記口栓を前記容器本体に順次貼り付け、
前記第1搬送装置は
前記貼付面を外側にして、前記口栓を位置決め保持可能なキャリア本体を有する複数の搬送キャリアと、
前記複数の搬送キャリアを一定間隔おきに搬送可能な、上側経路と下側経路とを有する無端ループ状の第1搬送体と、
前記第1搬送体を駆動する第1駆動部と
を備え、
前記第2搬送装置は、
前記下側経路に沿って搬送される前記口栓に順次対面するように、前記容器本体を一定間隔おきに縦向きに位置決め保持して連続的に搬送する第2搬送体と、
前記第2搬送体を前記第1搬送体と同期して駆動する第2駆動部と
を備え
前記搬送キャリアは、
前記下側経路に沿って搬送される前記口栓を、前記口栓に対面する前記容器本体に押し付ける押圧部材を有し、
前記下側経路において、前記押圧部材により前記口栓を前記容器本体に押し付けながら、前記口栓及び前記容器本体を前記下側経路に沿って搬送する、
口栓貼付装置。
【請求項3】
前記塗布装置は、
前記口栓の前記貼付面に前記接着剤を塗布する塗布ノズルと、
搬送される前記口栓の前記貼付面に前記塗布ノズルを対面させながら、前記塗布ノズルを一定距離だけ前記口栓の搬送方向の前方側へ往動させた後、前記塗布ノズルを元の位置まで復動させるノズル移動装置と、
前記ノズル移動装置による前記塗布ノズルの往動期間内において、前記塗布ノズルを環状に回転運動させるノズル回転装置と、
を備える、
請求項1又は2に記載の口栓貼付装置。
【請求項4】
前記ノズル移動装置による前記塗布ノズルの往動期間内の移動速度を調整することで、前記貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布する、
請求項に記載の口栓貼付装置。
【請求項5】
前記プレート状のフランジ部の外形は角丸長方形状である、
請求項に記載の口栓貼付装置。
【請求項6】
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなる、
請求項に記載の口栓貼付装置。
【請求項7】
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付方法であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布し、
前記プレート状のフランジ部の外形は、
前記筒状部の通孔に対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所と大きい箇所を有し、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に前記接着剤を塗布する位置を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所では、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記筒状部の通孔から径方向外方へ離間する距離を大きくしてなり、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなる、
口栓貼付方法。
【請求項8】
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付方法であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布し、
第1搬送装置の複数の搬送キャリアのキャリア本体に前記口栓を位置決め保持した状態で、前記口栓を前記搬送キャリアとともに搬送方向に連続的に搬送しながら、前記接着剤を塗布する塗布装置により前記口栓の前記貼付面に前記接着剤をオーバル形状に順次塗布し、第2搬送装置により前記口栓と同方向に連続的に同期して搬送される前記容器本体の所定位置に、前記搬送キャリアに設けた押圧部材で前記口栓を押し付けながら、前記口栓及び前記容器本体を連続的に搬送して、前記口栓を前記容器本体に順次貼り付ける、
口栓貼付方法。
【請求項9】
前記プレート状のフランジ部の外形は角丸長方形状である、
請求項に記載の口栓貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用の容器本体の所定位置に口栓を貼り付ける口栓貼付装置及び口栓貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体用の容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付装置がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
前記口栓(例えば、特許文献1の開封具2、特許文献2の注口栓2)は、口栓本体とそれに着脱自在に取り付けられる蓋部材(例えば、特許文献1のキャップ7、特許文献2のキャップ5)とを備える。口栓本体は、筒状部(例えば、特許文献2のスパウト7)と、筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部(例えば、特許文献1の外側に突出した環状フレーム5、特許文献2のプレート状フランジ6)とからなる。
【0004】
前記口栓貼付装置は、口栓本体の前記プレート状のフランジ部に接着剤を塗布し、前記容器本体の外面(例えば頂面)の所定位置に前記口栓を貼り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2009-525230号公報
【文献】特開2013-245018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記口栓を前記容器本体に貼り付けるための接着剤は、前記口栓本体の前記プレート状のフランジ部に塗布される。前記接着剤は、前記フランジ部の前記筒状部の通孔に近い位置に環状に略同一の幅で塗布される。
【0007】
前記通孔に近い位置に環状に接着剤を塗布して前記口栓を前記容器本体に貼り付ける場合、以下の(1)ないし(4)のような改良すべき問題がある。
【0008】
(1)前記口栓に外力が作用すると、前記容器本体から前記フランジ部が剥がれやすい。
(2)前記接着剤を塗布する幅が略同一であるので、前記フランジ部の前記筒状部の通孔まわりの最小幅の部分に合わせた幅でしか接着剤を塗布できないため、貼付け強度向上に制限がある。
(3)前記口栓のフランジ部を貼り付ける、容器本体の貼付面に凹凸があると、前記フランジ部と前記貼付面との間に隙間ができやすい。
(4)前記容器本体と前記口栓との搬送方向の位置ずれ、及び前記容器本体と前記口栓との搬送方向に直交する方向の位置ずれの両方に対する位置ずれの余裕度が小さい。
【0009】
本発明は、口栓の貼付け強度を向上できるとともに、口栓のプレート状のフランジ部と容器本体の貼付面との間に隙間ができにくく、容器本体と口栓との位置ずれの余裕度を大きくできる口栓貼付装置及び口栓貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨は以下の通りである。
【0011】
〔1〕
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付装置であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布する塗布装置を備え
前記プレート状のフランジ部の外形は、
前記筒状部の通孔に対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所と大きい箇所を有し、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に前記接着剤を塗布する位置を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所では、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記筒状部の通孔から径方向外方へ離間する距離を大きくしてなり、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなる、
口栓貼付装置。
【0012】
〔2〕
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付装置であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布する塗布装置を備え、
第1搬送装置により連続的に搬送される前記口栓の前記貼付面に、前記塗布装置により前記接着剤を順次塗布した後、第2搬送装置により連続的に搬送される前記容器本体の所定位置に、前記口栓を押し付けて、前記口栓を前記容器本体に順次貼り付け、
前記第1搬送装置は
前記貼付面を外側にして、前記口栓を位置決め保持可能なキャリア本体を有する複数の搬送キャリアと、
前記複数の搬送キャリアを一定間隔おきに搬送可能な、上側経路と下側経路とを有する無端ループ状の第1搬送体と、
前記第1搬送体を駆動する第1駆動部と
を備え、
前記第2搬送装置は、
前記下側経路に沿って搬送される前記口栓に順次対面するように、前記容器本体を一定間隔おきに縦向きに位置決め保持して連続的に搬送する第2搬送体と、
前記第2搬送体を前記第1搬送体と同期して駆動する第2駆動部と
を備え
前記搬送キャリアは、
前記下側経路に沿って搬送される前記口栓を、前記口栓に対面する前記容器本体に押し付ける押圧部材を有し、
前記下側経路において、前記押圧部材により前記口栓を前記容器本体に押し付けながら、前記口栓及び前記容器本体を前記下側経路に沿って搬送する、
口栓貼付装置。
【0013】
〔3〕
前記塗布装置は、
前記口栓の前記貼付面に前記接着剤を塗布する塗布ノズルと、
搬送される前記口栓の前記貼付面に前記塗布ノズルを対面させながら、前記塗布ノズルを一定距離だけ前記口栓の搬送方向の前方側へ往動させた後、前記塗布ノズルを元の位置まで復動させるノズル移動装置と
前記ノズル移動装置による前記塗布ノズルの往動期間内において、前記塗布ノズルを環状に回転運動させるノズル回転装置と、
を備える
〔1〕又は〔2〕に記載の口栓貼付装置。
【0014】
〔4〕
前記ノズル移動装置による前記塗布ノズルの往動期間内の移動速度を調整することで、前記貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布する、
〔3〕に記載の口栓貼付装置。
【0015】
〔5〕
前記プレート状のフランジ部の外形は角丸長方形状である、
〕に記載の口栓貼付装置。
【0016】
〔6〕
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなる、
〔1〕に記載の口栓貼付装置。
【0017】
〔7〕
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付方法であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布し、
前記プレート状のフランジ部の外形は、
前記筒状部の通孔に対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所と大きい箇所を有し、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に前記接着剤を塗布する位置を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所では、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記筒状部の通孔から径方向外方へ離間する距離を大きくしてなり、
前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなる、
口栓貼付方法
【0018】
〔8〕
容器本体を連続的に搬送しながら、前記容器本体に対して注ぎ口となる口栓を接着剤で貼り付ける口栓貼付方法であって、
前記口栓は、
口栓本体と、
前記口栓本体に着脱自在に取り付けられる蓋部材とからなり、
前記口栓本体は、
筒状部と、
前記筒状部の軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部とからなり、
前記プレート状のフランジ部の前記筒状部の通孔のまわりの貼付面に前記接着剤をオーバル形状に塗布し、
第1搬送装置の複数の搬送キャリアのキャリア本体に前記口栓を位置決め保持した状態で、前記口栓を前記搬送キャリアとともに搬送方向に連続的に搬送しながら、前記接着剤を塗布する塗布装置により前記口栓の前記貼付面に前記接着剤をオーバル形状に順次塗布し、第2搬送装置により前記口栓と同方向に連続的に同期して搬送される前記容器本体の所定位置に、前記搬送キャリアに設けた押圧部材で前記口栓を押し付けながら、前記口栓及び前記容器本体を連続的に搬送して、前記口栓を前記容器本体に順次貼り付ける、
口栓貼付方法。
【0019】
〔9〕
前記プレート状のフランジ部の外形は角丸長方形状である、
〕に記載の口栓貼付方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る口栓貼付装置及び口栓貼付方法によれば、口栓のプレート状のフランジ部の筒状部の通孔のまわりの貼付面に接着剤をオーバル形状に塗布する。それにより、前記通孔に近い位置に接着剤を環状に塗布するものよりも接着剤が径方向外方に位置するので、容器本体に対する口栓の貼付け強度を向上できる。その上、口栓を貼り付ける、容器本体の貼付面に凹凸があっても、口栓のプレート状のフランジ部と容器本体の貼付面との間に隙間ができにくい。
【0021】
また、プレート状のフランジ部の外形を、前記筒状部の通孔に対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所と大きい箇所を有するものとし、前記貼付面に接着剤を塗布する位置を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所では、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記筒状部の通孔から径方向外方へ離間する距離を大きくしてなると、前記貼付け強度が一層大きくなる。その上、前記プレート状のフランジ部の前記貼付面に塗布する前記接着剤の幅を、前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが小さい箇所よりも前記フランジ部の前記径方向外方へ延びる長さが大きい箇所の方を大きくしてなると、前記貼付け強度がより一層大きくなる。
【0022】
しかも、口栓のプレート状のフランジ部の筒状部の通孔に近い位置に接着剤を環状に塗布するものと比較して、容器本体と口栓との搬送方向の位置ずれの余裕度を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、口栓貼付装置の正面図である。
図2図2は、図1のII-II線断面図である。
図3図3は、第2搬送装置要部の平面図である。
図4図4は、第2搬送装置を除く口栓貼付装置の正面図である。
図5図5は、口栓貼付装置の口栓貼付位置付近の正面図である。
図6図6は、搬送キャリアの平面図である。
図7図7は、図6のVII-VII線断面図である。
図8図8は、搬送キャリアの正面図である。
図9図9は、図6のIX-IX線断面図である。
図10図10は、図1のX-X線断面図である。
図11図11は、口栓貼付装置の制御系のブロック図である。
図12図12は、容器本体及び口栓の分解斜視図である。
図13図13は、口栓の分解斜視図である。
図14図14は、口栓の貼付面に塗布されたオーバル形状の接着剤の例を示す要部拡大図である。
図15A図15Aは、口栓の貼付面に塗布されたオーバル形状の接着剤の別の例を示す要部拡大図である。
図15B図15Bは、口栓の貼付面に塗布されたオーバル形状の接着剤の更に別の例を示す要部拡大図である。
図16図16は、蓋部材の撮影画像の説明図である。
図17図17は、容器本体の撮影画像の説明図である。
図18図18は、容器の撮影画像の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
本明細書において、前後、左右、及び上下の方向の定義は、図中に示す方向に従う。すなわち、前方は図中矢印S、右方は図中矢印R、上方は図中矢印Uである(例えば、図1及び図2参照)。また、後方から前方へ向かって見た図(例えば図1)を正面図とする。
また、口栓において、口栓本体の円筒状である筒状部の円筒軸の方向を「軸方向」、前記円筒軸から離間する、軸方向に直交する方向を「径方向外方」という。
【0026】
<口栓貼付装置>
図1図2図11図12に示すように、口栓貼付装置10は、第1搬送装置20と、塗布装置60と、第2搬送装置80と、位置補正装置90と、制御装置120とを備える。第1搬送装置20は、図示外の供給装置から口栓供給位置P1に順次供給される口栓1を一定間隔おきに連続的に矢印Aの方向へ搬送する。塗布装置60は、第1搬送装置20により搬送される口栓1の貼付面1aに対して接着剤Gをオーバル形状に塗布する。第2搬送装置80は、第1搬送装置20の下側において容器本体5を一定間隔おきに連続的に矢印Bの方向(左方)へ搬送する。位置補正装置90は、口栓1が容器本体5の適正位置に接着されるように、口栓1と容器本体5の位置を補正する。制御装置120は、第1搬送装置20と塗布装置60と第2搬送装置80と位置補正装置90とが同期して作動するように制御する。
【0027】
この口栓貼付装置10では、第1搬送装置20により搬送される口栓1の貼付面1aに、塗布装置60により接着剤Gをオーバル形状に塗布する。口栓1と容器本体5の位置を位置補正装置90により補正した後、口栓貼付位置P2において、容器本体5の貼付面5aに口栓1を貼り付ける。第1搬送装置20と第2搬送装置80との協働により、容器本体5に口栓1を貼り付けた状態を維持しながら搬送して、容器本体5に口栓1が貼り付けられた容器6を容器排出位置P3から送り出す。接着剤Gは、例えばホットメルト接着剤である。
【0028】
<口栓>
図12及び図13に示すように、口栓1は、口栓本体2と、口栓本体2に着脱自在に取り付けられる蓋部材3とからなる。口栓本体2は、筒状部2aと、筒状部2aの軸方向の一端部から径方向外方へ突出するプレート状のフランジ部2bとからなる。
【0029】
図14に示すように、口栓本体2のプレート状のフランジ部2bの外形は、筒状部2aの通孔Hに対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所aと大きい箇所bを有する、例えば角丸長方形状である。フランジ部2bの外径の角丸長方形状の角R部は、搬送方向の前後で曲率半径が異なる。
【0030】
<容器本体>
図12に示す分解斜視図において、容器本体5は、例えば直方体状であるが、円柱状や楕円柱状であってもよいし、6角柱や8角柱などの多角柱状であってもよい。更に、口栓1を貼り付ける、容器本体5の貼付面5aは必ずしも水平面である必要はなく、ゲーブルトップの容器本体5のように、水平面から傾斜している貼付面5aに対して口栓1を貼り付けることもできる。
【0031】
容器本体5を立てた状態で容器本体5の貼付面5aが傾斜している場合においても、貼付面5aに対して、口栓1を略垂直に押し当てるようにする。例えば、第1搬送装置20、塗布装置60、及び位置補正装置90の第2補正装置100を所定角度傾斜させる。それにより、後述する第1搬送体であるチェーン28を傾けて設置する。あるいは、第1搬送装置20、塗布装置60、及び位置補正装置90の第2補正装置100を所定角度傾斜させずに、容器本体5の貼付面5aが水平になるように、第2搬送装置80により容器本体5を傾斜させて搬送する。
【0032】
<第2搬送装置>
図1図3に示すように、第2搬送装置80は、相互に機械的に連動するように直列状に配置された3台の下部コンベア81と、下部コンベア81の上側に配置された前後1対の側部コンベア83、82とを備える。また、第2搬送装置80は、相互に機械的に連動するように側部コンベア83、82間へ1つずつ容器本体5を供給する前後1対の供給コンベア88、87と、下部コンベア81により搬送される容器本体5の高さに応じて、昇降テーブル89aとともに下部コンベア81を昇降させる昇降機構89とを備える。なお、下部コンベア81及び側部コンベア82、83が第2搬送体に相当する。
【0033】
下部コンベア81は、モータ81aにより駆動され、側部コンベア82、83は、サーボモータ82a、83aにより駆動される。供給コンベア87、88は、側部コンベア82,83と同期するようにサーボモータ87aにより駆動され、昇降機構89は、サーボモータ89bにより駆動される。モータ81a、サーボモータ82a、83a等が第2駆動部に相当する。
【0034】
前後の側部コンベア83、82には容器本体5の前後両側部を縦向き姿勢に位置決め保持する保持部材86が一定間隔おきに設けられる。容器本体5は、下部コンベア81により縦向き姿勢に支持されながら矢印Bの方向(左方)へ搬送され、前後の供給コンベア88、87により、前後の側部コンベア83、82間へ順次送り込まれる。容器本体5は、保持部材86間に1つずつ縦向き姿勢に位置決め保持された状態で、一定間隔おきに矢印Bの方向へ連続的に搬送される。第2搬送装置80は、容器本体5を一定間隔おきに連続的に搬送可能なものであれば任意の構成の搬送装置で構成することが可能であり、例えば特表2010-527315号公報、欧州特許第2960188号明細書などに記載のような搬送装置で構成することもできる。
【0035】
<第1搬送装置>
第1搬送装置20は、図1図2図4図9に示すように、貼付面1aを外側にして、口栓1を位置決め保持可能な複数の搬送キャリア30と、複数の搬送キャリア30を一定間隔おきに搬送可能な第1搬送装置本体21と、第1搬送装置本体21を駆動するサーボモータ22とを備える。
【0036】
第1搬送装置本体21は、前後に間隔をあけて縦向きに配置された第2支持板25及び第1支持板24と、両支持板24、25に回転自在に支持された左右1対の回転軸26と、左右の回転軸26にそれぞれ設けられたスプロケット27と、左右のスプロケット27に架け渡した、上側経路28aと下側経路28bとを有する無端ループ状のチェーン28とを備える。なお、第1搬送装置本体21は、チェーン28を前後に2本備えており、前後のチェーン28が第1搬送体に相当する。スプロケット27及びサーボモータ22等が第1駆動部に相当する。
【0037】
第1搬送装置20のサーボモータ22と第2搬送装置80のサーボモータ82a、83aとは、図11に示す制御装置120により同期駆動される。そして、口栓貼付位置P2において、第1搬送装置20により搬送される口栓1の貼付面1aが、第2搬送装置80により搬送される容器本体5の貼付面5aに順次対面して、口栓1が容器本体5に貼り付けられる。口栓1が容器本体5に貼り付けられた状態を維持しながら、第1搬送装置20と第2搬送装置80との協働により、第1搬送装置20の下側経路28bに沿って容器排出位置P3まで順次搬送される。
【0038】
<搬送キャリア>
搬送キャリア30は、上側経路28aに位置する場合と下側経路28bに位置する場合とで移動する方向及び上下が逆になるので、図6図9に示す搬送キャリア30が上側経路28aに位置する場合について説明する。
【0039】
図6図9に示すように、前後のチェーン28には前後方向に細長い板状のベース部31が一定間隔おきに設けられ、ベース部31には前後の支持板25、24に形成された角丸長方形の案内溝25a、24aに沿って移動可能なガイド輪32が設けられる。搬送キャリア30のベース部31は、案内溝24a、25aに沿ってガイド輪32が案内されることで、がたつくことなく移動できる。
【0040】
ベース部31には可動板31aが前後方向に移動可能に設けられ、可動板31aにはベース部31から後方へ突出するキャリア支持部31bが一体的に設けられる。キャリア支持部31bの左部には前後1対の軸受部材33が縦向きに設けられる。軸受部材33には、図8に示すようにキャリア本体34が上下方向に移動自在に支持される。
【0041】
キャリア本体34には、キャリア支持部31bの後部の上側に、搬送方向前方側(図6の右方)へ開口する平面視略U字状の口栓保持部材35が設けられる。また、キャリア本体34には、口栓保持部材35の基部35aに、軸受部材33を挿通する前後1対のガイドロッド36が設けられる。図8に示すように、ガイドロッド36が軸受部材33により上下方向に案内されることで、口栓保持部材35は、上下方向に移動自在にキャリア支持部31bに取り付けられる。
【0042】
ガイドロッド36の下端部は連結板36aで連結され、キャリア支持部31bと連結板36a間においてガイドロッド36には圧縮コイルバネからなるバネ部材38が外装され、連結板36aの前端部には外周押圧ローラ39が回転自在に設けられる。キャリア本体34は、バネ部材38により下方へ常時付勢され、図8に実線で示す基準位置に保持される。キャリア本体34は、外周押圧ローラ39が後述する外周押圧操作板56により操作されることで、図8に仮想線で示す突出位置に移動する。
【0043】
口栓保持部材35には右方へ延びる前後1対のアーム部35bが一体的に設けられ、前後のアーム部35b間には口栓1の蓋部材3が嵌合可能な口栓収容部37が設けられる。前後のアーム部35bの先端部(右端部)には下方へ延びる支持部35cがそれぞれ設けられ、前後1対の支持部35cの下端部には軸部材40が回転自在に設けられる。
【0044】
前後の支持部35c間において軸部材40には上方へ延びる開閉体41が相対回転不能に設けられる。開閉体41は、口栓収容部37の右側の開口部を開放した図9に仮想線で示す開放位置と、口栓収容部37の右側の開口部を閉塞した図9に実線で示す閉塞位置とにわたって、軸部材40とともに回動自在に口栓保持部材35に支持される。
【0045】
後側の支持部35cから後方へ突出する軸部材40の後端部にはレバー部材42が相対回転不能に設けられる。レバー部材42の下端部には、レバー部材42及び軸部材40を介して開閉体41を開閉操作するための開閉ローラ43が回転自在に設けられる。
【0046】
図6図8に示すように、口栓保持部材35の基部35aには後方へ突出する支持ピン44aが設けられ、レバー部材42の上端部には支持ピン44bが設けられる。支持ピン44a,44b間にはレバー部材42を図8における反時計方向へ常時付勢する引張コイルバネからなるバネ部材45が設けられ、開閉体41はバネ部材45の付勢力により閉塞位置側へ常時付勢される。
【0047】
口栓1は、図9のように開閉体41が開放位置に操作された状態で、貼付面1aを上側にして、口栓収容部37の右側の開口部を通って口栓収容部37内へ装填される。それにより、口栓1のフランジ部2bが口栓保持部材35の上面に載置され、口栓1は口栓収容部37に支持される。この状態で開閉体41が閉塞位置に回動することで、口栓収容部37内に口栓1が位置決め保持される。
【0048】
キャリア支持部31bには、口栓収容部37に保持された口栓1を突き出して容器本体5に押し付けるための押圧機構46が設けられる。すなわち、図7図9に示すように、キャリア支持部31bの後部には可動ロッド47が上下方向に移動自在に設けられ、可動ロッド47の下端部には押圧ローラ48が回転自在に支持される。可動ロッド47とキャリア支持部31b間において可動ロッド47には圧縮コイルバネからなるバネ部材49が外装され、可動ロッド47は、図9に示す下限位置に常時付勢される。
【0049】
可動ロッド47の上部には上方へ突出する押圧ロッド50が上下移動自在に設けられ、押圧ロッド50の上端部には口栓1の蓋部材3に押し付けられる押圧部材50aが設けられる。押圧ロッド50の高さ方向の途中部には規制ピン51が装着され、可動ロッド47には規制ピン51の両端部が挿通される規制孔52が設けられ、可動ロッド47には圧縮コイルバネからなるバネ部材53が内装される。押圧ロッド50は、可動ロッド47に対して規制孔52が形成されている範囲において上下方向に相対移動可能に支持されるとともに、バネ部材53により上方へ常時付勢される。
【0050】
図4図5図7に示すように、後側の第1支持板24には、開閉ローラ43を操作するための第1開放操作板55U及び第2開放操作板55Lと、外周押圧ローラ39を操作するための外周押圧操作板56と、押圧ローラ48を操作するための押圧操作板57とが設けられる。
【0051】
具体的には、第1支持板24の後方上部には、左右方向に細長い第1開放操作板55Uが設けられる。第1開放操作板55Uは、第1搬送装置20に対する口栓供給位置P1を含むチェーン28の上側経路28aの上流部の一定領域に対応させて、開閉ローラ43を上側へ押して、開閉体41を開放位置に操作する。図示外の供給装置により口栓供給位置P1へ順次供給される口栓1が、搬送キャリア30の口栓収容部37に装填され、その後開閉体41が閉塞位置に復帰することで、キャリア本体34の口栓収容部37に対して口栓1が精度よく保持される。
【0052】
図4図5図7に示すように、第1支持板24の後方下部には、左右方向に細長い外周押圧操作板56と、左右方向に細長い第2開放操作板55Lとが設けられる。外周押圧操作板56は、容器本体5に対して口栓1を貼り付ける口栓貼付位置P2を含む一定領域に対応させて、外周押圧ローラ39を下方へ押して、キャリア本体34に保持された口栓1の外周部を容器本体5に押し付ける。第2開放操作板55Lは、開閉ローラ43を下側へ押して、開閉体41を開放位置に操作する。
【0053】
キャリア本体34に保持された口栓1の外周部がキャリア本体34とともに容器本体5に押し付けられた後、開閉体41が解放され、口栓1がキャリア本体34から容器本体5上に受け渡される。
【0054】
図4図5図7に示すように、第1支持板24の後方下部には、左右方向に細長い押圧操作板57が設けられる。押圧操作板57は、チェーン28の下側経路28bの略全長に対応させて、押圧ローラ48を下側へ押して、押圧部材50aを口栓1の蓋部材3の上面に圧接させ、口栓1を容器本体5に押し付ける。
【0055】
外周押圧操作板56により容器本体5に押し付けられた口栓1の蓋部材3上面に押圧部材50aを押し付けて、下側経路28bに沿って口栓1及び容器本体5を搬送している間において、容器本体5に口栓1を押し付けて接着剤Gにより口栓1を容器本体5に接着する。なお、押圧部材50aにより容器本体5に対して口栓1が押し付けられてから、キャリア本体34が上方へ復帰する。
【0056】
<塗布装置>
塗布装置60は、図1図2図4図10に示すように、左右1対の塗布ユニット61と、ノズル移動装置62と、ノズル回転装置70とを備える。塗布ユニット61は、口栓1の貼付面1aに接着剤Gを塗布する。ノズル移動装置62は、塗布ユニット61の塗布ノズル61aが口栓1の貼付面1aに対面するように、塗布ユニット61を第1搬送装置20と同期して口栓1の搬送方向に沿って一定距離L(図4)だけ往復移動させる。ノズル回転装置70は、ノズル移動装置62による塗布ユニット61の往動期間内において、塗布ユニット61の塗布ノズル61aを貼付面1aに対面させながら塗布ユニット61を環状に回転運動させる。なお、塗布ユニット61は、接着剤Gを紐状に吐出可能な任意の周知の構成のものを採用できる。
【0057】
<ノズル移動装置>
図2に示すように、第2支持板25の上部には後方へ延びるベース板63が設けられ、ベース板63の上側には可動ベース64が左右方向に移動自在に設けられる。ベース板63の前方位置において第2支持板25の前方には、図4に示すように左右1対の歯付きプーリ65が設けられる。左右の歯付きプーリ65には無端ループ状の歯付きベルト66が架け渡され、可動ベース64は歯付きベルト66の途中部に連結される。可動ベース64はサーボモータ67により左右方向に往復移動する。
【0058】
すなわち、ノズル移動装置62は、搬送される口栓1の貼付面1aに塗布ノズル61aを対面させながら、塗布ノズル61aを一定距離L(図4)だけ口栓1の搬送方向の前方側へ往動させた後、塗布ノズル61aを元の位置まで復動させる。
【0059】
<ノズル回転装置>
図2図10に示すように、
可動ベース64にはサーボモータ71が回転軸71aを上下方向に向けて設置され、サーボモータ71の後側において可動ベース64には左右1対の軸部材72が軸心を上下方向に向けて回転自在に支持される。サーボモータ71の回転軸71aには駆動歯車71bが固定され、左右の軸部材72の上端部には、駆動歯車71bに噛み合う左右1対の従動歯車72aが固定される。駆動歯車71bが矢印Eで示す方向へ回転することで、左右の従動歯車72aが矢印Fで示す同方向へ回転する。
【0060】
左右の軸部材72の下端部には半径方向の外方側へ突出する突出部72bが形成され、突出部72bには下方へ延びる偏心軸74が軸部材72の偏心位置に固着される。左右の偏心軸74にはキャリア本体34の上方位置まで延びる偏心回転台75が片持ち状に支持されるとともに、左右の偏心軸74は偏心回転台75に回転自在に連結される。
【0061】
偏心回転台75には接着剤Gを紐状に吐出可能な左右1対の塗布ユニット61が設けられる。1対の塗布ユニット61の塗布ノズル61aは、サーボモータ71により左右の軸部材72が1回転することで、偏心回転台75とともに、軸部材72と偏心軸74の軸心間の距離に相当する一定半径の円周に沿った移動軌跡Tを描いて1回転する。
【0062】
すなわち、ノズル回転装置70は、ノズル移動装置62による塗布ノズル61aの往動期間内において、塗布ノズル61aを環状に回転運動させる。
【0063】
<ノズル移動装置及びノズル回転装置の駆動制御>
ノズル移動装置62のサーボモータ67とノズル回転装置70のサーボモータ71とは、図11に示す制御装置120により、第1搬送装置20のサーボモータ22と同期して駆動される。具体的には、口栓1が第1搬送装置20により塗布開始位置に搬送されると、当該口栓1の貼付面1aに塗布ノズル61aが対面するように、塗布ユニット61がノズル移動装置62により第1搬送装置20と同期して塗布終了位置まで搬送方向へ往動する。そして、塗布ノズル61aが、ノズル回転装置70により、塗布ユニット61の往動期間内において環状に1回転する。
【0064】
制御装置120により、後述するように口栓1の移動速度に対するノズル移動装置62による塗布ノズル61aの往動期間内の移動速度を調整するとともに、塗布ユニット61が制御される。それにより、口栓1の貼付面1aに接着剤Gがオーバル形状に塗布される。
【0065】
このように口栓1の貼付面1aに接着剤Gを塗布した後、塗布ユニット61は、塗布開始位置へ復動する。次に塗布開始位置に順次搬送される口栓1に対しても、前記と同様にノズル移動装置62により塗布ユニット61を往復動させるとともに、ノズル回転装置70により塗布ノズル61aを回転させ、搬送される口栓1の貼付面1aに接着剤Gを順次塗布する。
【0066】
なお、接着剤Gが塗布された口栓1は、口栓1に対する接着剤Gの塗布状態が第3撮像装置113により撮影されて、図11に示す制御装置120により画像解析される。接着剤Gが口栓1に対して適正に塗布されていないと判定された場合には、口栓貼付装置10の下流側において当該容器6を系外へ排出する。
【0067】
ノズル移動装置62による塗布ユニット61の移動距離、塗布ユニット61の復動速度、ノズル回転装置70による塗布ユニット61の回転速度、塗布ユニット61の個数などは適宜に設定できる。塗布ユニット61の個数(塗布ノズル61aの個数)は、1つでもよいが隣接する複数の口栓1の貼付面1aにそれぞれ対面可能にて複数個設けるのが好ましい実施態様である。このような実施態様によれば、ノズル移動装置62による塗布ユニット61の移動回数を少なくして、ノズル移動装置62の耐久性を向上できる。
【0068】
<口栓のフランジ部に接着剤をオーバル形状に塗布すること>
本発明の実施の形態に係る口栓貼付装置10は、塗布装置60により、前記のとおり、口栓1のプレート状のフランジ部2bの筒状部2aの通孔Hのまわりの貼付面1aに接着剤Gをオーバル形状に塗布する。
【0069】
それにより、通孔Hに近い位置に接着剤Gを環状に塗布するものよりも接着剤Gが径方向外方に位置するので、容器本体5に対する口栓1の貼付け強度を向上できる。その上、口栓1を貼り付ける、容器本体5の貼付面5aに凹凸があっても、口栓1のプレート状のフランジ部2bと貼付面5aとの間に隙間ができにくい。
【0070】
しかも、口栓1のプレート状のフランジ部2bの筒状部2aの通孔Hに近い位置に接着剤Gを環状に塗布するものと比較して、容器本体5と口栓1との搬送方向の位置ずれの余裕度を大きくできる。
【0071】
図10に示す第1搬送装置20の移動速度V0とノズル移動装置62による塗布ノズル61aの往動期間内の移動速度V1との関係について説明する。仮にV1=V0であれば、口栓1を搬送する第1搬送装置20の移動速度V0とノズル移動装置62の移動速度V1が同じであり、口栓1に対する塗布ノズル61aの搬送方向の相対速度はゼロである。その場合、塗布ノズル61aを環状に回転運動させるノズル回転装置70により、接着剤Gは口栓1の貼付面1aに環状に略同一の幅で塗布されることになる。
【0072】
本発明の実施の形態に係る口栓貼付装置10では、口栓1の貼付面1aに対して、接着剤Gを塗布装置60によりオーバル形状に塗布するために、ノズル移動装置62による塗布ノズル61aの往動期間内の移動速度V1を調整する。例えば、塗布ノズル61aの往動期間内の移動速度V1を部分的に高速にする。すなわち、ノズル移動装置62による塗布ノズル61aの往動期間内において、口栓1の移動速度V0よりも塗布ノズル61aを高速に移動させる範囲(V1>V0とする範囲、図14の高速範囲c参照。)を設ける。
【0073】
それにより、口栓1の貼付面1aに対して、塗布ノズル61aは、例えば図10のような楕円形の移動軌跡Tを描いて1回転する。このとき塗布ノズル61aから接着剤Gが吐出されることで、塗布ノズル61aに対面配置される口栓1の貼付面1aには、楕円形の移動軌跡Tに沿って接着剤Gが図14のように塗布される。
【0074】
図14において、口栓本体2の角丸長方形状のプレート状のフランジ部2bの外形は、筒状部2aの通孔Hに対して、径方向外方へ延びる長さが小さい箇所aと大きい箇所bを有する。フランジ部2bの貼付面1aに接着剤Gを塗布する位置は、フランジ部2bの径方向外方へ延びる長さが大きい箇所bでは、フランジ部2bの径方向外方へ延びる長さが小さい箇所aよりも、筒状部2aの通孔Hから径方向外方へ離間する距離Iが大きくなる。それにより、角丸長方形状のプレート状のフランジ部2bの形状に適合させて、接着剤Gが径方向外方に位置するので、容器本体5に対する口栓1の貼付け強度が一層大きくなる。
【0075】
図14において、フランジ部2bの貼付面1aに塗布する接着剤Gの幅Wは、塗布ノズル61aを高速に移動させる範囲である高速範囲cでは狭くなる。角丸長方形状のプレート状のフランジ部2bの径方向外方へ延びる長さが小さい箇所aよりもフランジ部2bの径方向外方へ延びる長さが大きい箇所bの方が接着剤Gの幅Wが大きくなる。それにより、角丸長方形状のプレート状のフランジ部2bの形状に適合させて、フランジ部2bの径方向外方へ延びる長さが小さい箇所aでは接着剤Gの幅Wが小さくなり、フランジ部2bの径方向外方へ延びる長さが大きい箇所bでは接着剤Gの幅Wが大きくなるので、容器本体5に対する口栓1の貼付け強度がより一層大きくなる。
【0076】
口栓1のフランジ部2bの貼付面1aに塗布される接着剤Gのオーバル形状は、図14のような楕円形に限定されない。例えば、接着剤Gを楕円に近い形状に塗布してもよく、図15Aのような長円形、又は長円形に近い形状に塗布してもよく、図15Bのような卵形、又は卵形に近い形状に塗布してもよい。
【0077】
<位置補正装置>
図11に示す位置補正装置90は、第1測定装置110と、図1図2に示す第1補正装置91と、図2図6図7に示す第2補正装置100とを備える。第1測定装置110は、図1に示す、第1搬送装置20により搬送される口栓1と、第2搬送装置80により搬送される容器本体5のうちの、対応する口栓1と容器本体5における、搬送方向(左右方向、第1方向)に対する位置ずれと、前後方向(第2方向)に対する位置ずれを順次測定する。第1補正装置91は、容器本体5を第2搬送装置80とともに搬送方向へ位置補正して、搬送方向に対する位置ずれを補正する。第2補正装置100は、口栓1をキャリア本体34とともに搬送キャリア30のベース部31に対して前後方向へ位置補正して、前後方向に対する位置ずれを補正する。
【0078】
<第1補正装置>
図1図2に示すように、口栓貼付装置10の下部には支持台92が設けられ、支持台92上には可動台93がガイドレール94に沿って搬送方向に移動自在に支持され、可動台93には第2搬送装置80が設置される。支持台92の右部にはサーボモータ95と、サーボモータ95の回転運動を搬送方向の直線運動に変換する変換器96とを含む駆動部97が設けられる。駆動部97により、第2搬送装置80は、可動台93とともに、搬送方向に位置補正可能に支持台92に支持される。このような構成の第1補正装置91により、容器本体5は、第2搬送装置80により搬送されながら搬送方向に位置補正(図1の矢印Cの方向)される。
【0079】
<第2補正装置>
第2補正装置100は、図2図6図7に示すように、搬送キャリア30の可動板31aの前部に回転自在に設けられた補正ローラ101と、補正ローラ101を前後方向に位置補正する補正装置本体102と、補正ローラ101を初期位置へ復帰させる復帰用レール108とを備える。補正装置本体102は、サーボモータ103と、サーボモータ103の回転運動を操作ロッド104の前後方向の直線運動に変換する変換器105とを有する駆動部106と、操作ロッド104の先端部に設けられた操作部材107とを備え、第2支持板25の右部の下部に設けられている。
【0080】
操作部材107には、補正ローラ101が挿通可能な口栓1の搬送方向に延びるガイド溝107aが設けられ、ガイド溝107aには、搬送方向の上流側へ行くにしたがって幅広である導入部107bが形成される。図1の第1搬送装置20により搬送キャリア30が口栓貼付位置P2の直前位置に搬送されたときに、当該搬送キャリア30の図6図7に示す補正ローラ101が操作部材107の導入部107bに挿入される。導入部107bで位置調整された状態で、補正ローラ101がガイド溝107aを通過することで、搬送キャリア30の可動板31a及びキャリア支持部31bが前後方向に位置補正される。それにより、搬送キャリア30のキャリア本体34に保持されている口栓1が前後方向(図7の矢印Dの方向)に位置補正される。
【0081】
図2図4に示すように、復帰用レール108は、上側経路28aの略全長にわたって前側の第2支持板25により支持される。復帰用レール108には下側を開口させたガイド溝108aが全長にわたって設けられ、ガイド溝108aの左端部には、搬送方向の上流側へ行くにしたがって幅広である図示外の導入部が形成される。前記導入部に補正ローラ101が挿入されることで、キャリア本体34の前後位置が初期位置に復帰する。また、補正ローラ101がガイド溝108aを通過している間において、補正ローラ101の前後移動がガイド溝108aで規制されることで、キャリア本体34が前後方向に精度よく保持された状態で搬送される。
【0082】
<第1測定装置>
図11に示す第1測定装置110は、図1図4に示す、第1撮像装置111と第2撮像装置112とを備える。第1撮像装置111は、搬送キャリア30のキャリア本体34に保持された口栓1における容器本体5に対する貼付面1aを撮像する。第2撮像装置112は、第2搬送装置80の保持部材86に保持された容器本体5の貼付面5aを撮像する。第1撮像装置111及び第2撮像装置112は、CCDカメラを主体として構成される。
【0083】
図11に示す制御装置120は、第1搬送装置20により所定の撮像位置に口栓1が搬送される毎に、第1撮像装置111により口栓1の貼付面1aを撮像し、画像処理を行って搬送方向と前後方向に対する口栓1の位置ずれを測定する。また、制御装置120は、第2搬送装置80により所定の撮像位置に容器本体5が搬送される毎に、第2撮像装置112により容器本体5の貼付面5aを撮像し、画像処理を行って搬送方向と前後方向に対する容器本体5の位置ずれを測定する。
【0084】
例えば、制御装置120は、図16に示すように、第1撮像装置111の画像データに基づいて、キャリア本体34に保持された口栓1の開口部1bの中心R1を演算する。また、制御装置120は、図16に示すように、予め記憶された適正位置における開口部1bの中心S1に対する中心R1の、前後方向に対する位置ずれΔT1と、搬送方向に対する位置ずれΔF1を求める。
【0085】
一方、制御装置120は、図17に示すように、第2撮像装置112の画像データに基づいて、側部コンベア82、83の保持部材86に位置決め保持された容器本体5の開口部5bの中心R2を演算する。また、制御装置120は、図17に示すように、予め記憶された適正位置における開口部5bの中心S2に対する中心R2の、前後方向に対する位置ずれΔT2と搬送方向に対する位置ずれΔF2とを求める。
【0086】
そして、制御装置120は、前後方向に対する位置ずれΔT1,ΔT2と、搬送方向に対する位置ずれΔF1、ΔF2とに基づいて、口栓貼付位置P2において搬送される口栓1及び容器本体5における、搬送方向に対する位置ずれと、前後方向に対する位置ずれを順次演算する。制御装置120は、接着剤Gにて接着される口栓1と容器本体5の搬送方向に対する位置ずれと前後方向に対する位置ずれを演算した後、少なくとも口栓貼付位置P2において口栓1を容器本体5に貼り付けるときに、口栓1及び容器本体5間における搬送方向及び前後方向に対する位置ずれをゼロに近づけるように、第1補正装置91と第2補正装置100を制御する。
【0087】
なお、第1補正装置91により第2搬送装置80を搬送方向へ移動させると、既に口栓1が貼り付けられている容器本体5も、搬送方向に微小移動する。したがって、口栓1を容器本体5に押し付けている押圧部材50aと容器本体5との間に搬送方向に対する位置変位が発生する。しかし、前記位置変位は、押圧部材50aが口栓1の蓋部材3の上面を滑ることで吸収されるので、容器本体5に対する口栓1の位置ずれは発生しない。
【0088】
第1補正装置91による補正により押圧部材50aと容器本体5との間に搬送方向に対する位置変位が発生しても、容器本体5に対する口栓1の位置ずれを発生させないようにする構成として、押圧部材50aと押圧ロッド50との間に、前記位置変位を吸収する構成を備えるようにしてもよい。例えば、押圧ロッド50と押圧部材50aとの間にバネ部材などの弾性部材を設けてもよく、押圧ロッド50の先端部に対して押圧部材50aを搬送方向に移動可能にしてもよい。
【0089】
<口栓貼付装置の作動>
本発明の実施の形態に係る口栓貼付装置10の作動について説明すると、図1に示すように、第1搬送装置20により搬送キャリア30が矢印Aで示す方向へ連続的に搬送される。また、第2搬送装置80により容器本体5が矢印Bで示す方向へ、第1搬送装置20と同期して連続的に搬送される。
【0090】
上側経路28aの上流部において第1開放操作板55U(図4)により開閉ローラ43(図8)が上方へ操作されて開閉体41が開放され(図9の二点鎖線)、口栓供給位置P1において、口栓1が図示外の供給装置からキャリア本体34に順次供給されて、口栓収容部37に収容される。その後開閉体41が閉塞位置に回動することで(図9の実線)、貼付面1aを上側にして口栓1がキャリア本体34に位置決め保持される。
【0091】
次に、上側経路28aの下流部において、口栓1の貼付面1aに対して塗布装置60により接着剤Gがオーバル形状に塗布される。
【0092】
塗布装置60による接着剤Gの塗布前において、図16に示すように、キャリア本体34に保持された口栓1の貼付面1aが第1撮像装置111により撮像され、制御装置120の記憶部に順次保存される。また、図17に示すように、第2搬送装置80の保持部材86に位置決め保持された容器本体5の貼付面5aが、口栓貼付位置P2よりも上流側において第2撮像装置112により撮像され、制御装置120の記憶部に順次保存される。
【0093】
そして、制御装置120において、第1撮像装置111と第2撮像装置112からの画像データが解析されて、口栓貼付位置P2において貼り付けられる口栓1及び容器本体5における、搬送方向に対する位置ずれと、前後方向に対する位置ずれが順次演算される。また、前記演算で求めた前記搬送方向に対する位置ずれ及び前記前後方向に対する位置ずれをゼロに近づけるように、制御装置120が、口栓貼付位置P2の直前において、第1補正装置91により、容器本体5を第2搬送装置80とともに搬送方向へ位置補正するとともに、第2補正装置100により、口栓1をキャリア本体34とともに搬送キャリア30のベース部31に対して前後方向へ位置補正する。
【0094】
次に、図4及び図5に示すように、口栓貼付位置P2において、外周押圧操作板56により外周押圧ローラ39が下方へ操作されて、キャリア本体34が下方へ移動し、キャリア本体34に支持されている口栓1が容器本体5に押し付けられる。次に、押圧操作板57により押圧ローラ48が下方へ操作され、押圧部材50aが蓋部材3の上面に押し付けられるので、口栓1が容器本体5に押し付けられる。その後キャリア本体34が上方へ復帰するとともに、第2開放操作板55Lにより開閉ローラ43が下方へ押し下げられて開閉体41が開放位置に回動し、キャリア本体34から容器本体5上に口栓1が受け渡される。
【0095】
こうして、図4及び図5に示すように、押圧部材50aにより容器本体5に対して口栓1を押し付けた状態で、容器本体5及び口栓1が下側経路28bに沿ってその下流部まで搬送された後、押圧ローラ48が押圧操作板57から離脱して、押圧部材50aが上方へ移動し、口栓1が容器本体5に貼り付けられた容器6が得られる。なお、口栓1は、容器本体5との接着が安定するように、できるだけ長い期間にわたって押圧部材50aにより容器本体5に押し付けることが好ましいが、下側経路28bの途中部において、容器本体5に対する押圧部材50aの押し付け動作が中断されるように構成してもよい。
【0096】
本発明の実施の形態に係る口栓貼付装置10では、容器本体5及び口栓1を連続搬送して容器6の生産性を向上しつつ、口栓貼付装置10の全体構成を簡略にして、その製作コストを安くできる。具体的には、特許文献1における移送コンベア・ホイール10と圧力装置70とを1台の第1搬送装置20で構成して、口栓貼付装置10の製作コストを安くできる。
【0097】
また、口栓1及び容器本体5は、下側経路28bに沿って搬送されている間において、押圧部材50aにより口栓1が容器本体5に押し付けられるので、口栓1を容器本体5に対して確実に貼り付けることができる。
【0098】
しかも、対応して搬送される口栓1と容器本体5における、搬送方向に対する位置ずれと、前後方向に対する位置ずれを順次測定し、搬送方向に対する容器本体5の位置ずれを補正するとともに、前後方向に対する口栓1の位置ずれを補正することで、容器本体5の適正位置に精度良く口栓1を貼り付けることができる。
【0099】
また、口栓貼付装置10は、不良品を検出する検査装置を備えるのが好ましい実施態様である。図11に示す検査装置115は、容器本体5の開口部5bの位置と口栓1の貼付位置の少なくとも一方が不良な容器6を検出する。それにより、前記不良な容器6を排出できる。なお、この検査装置115は、口栓貼付装置10以外の周知の構成の口栓貼付装置に対しても適用できる。
【0100】
検査装置115は、容器本体5の基準位置Kを原点位置としたX方向及びY方向に対する、開口部5bの中心S2(図17)の座標を測定する第2測定装置116と、口栓1の蓋部材3における上面の中心S3(図18)の座標を測定する第3測定装置117とを備え、制御装置120により、開口部5bと口栓1とが適正位置に配置されているか否かを検査する。
【0101】
第2測定装置116は、図4図11に示す、第2搬送装置80の保持部材86に保持された容器本体5の上面を撮像する前述の第2撮像装置112を備える。第3測定装置117は、図4図11に示す、口栓貼付装置10から排出される容器6の口栓1を含む上面を撮像する第4撮像装置114を備える。第2撮像装置112及び第4撮像装置114は、CCDカメラを主体として構成される。
【0102】
容器本体5における基準位置Kは、図12図17及び図18に示すように、容器本体5の胴部5cの側部の溶着部5dの側縁Xと、胴部5cの上部の溶着部5eの側縁Yとの交点に設定されている。ただし、基準位置Kは、容器本体5の上面に印刷等により設けることも可能である。また、容器本体5の側縁Xと側縁Yとを容器本体5のX方向とY方向とにそれぞれ設定したが、容器本体5の上面の任意の方向をX方向及びY方向に設定することもできる。
【0103】
制御装置120では、第2搬送装置80により所定の撮像位置に容器本体5が搬送される毎に、第2撮像装置112により容器本体5の上面を撮像し、画像処理を行う。そして、図17に示すように、側縁Xに沿ったX方向と側縁Yに沿ったY方向における、開口部5bの中心S2の座標(x1、y1)を測定し、中心S2の座標(x1、y1)を、撮像した容器本体5に紐づけして順次記憶する。
【0104】
また、口栓貼付装置10から排出される容器6の上面を第4撮像装置114にて撮像し、画像処理を行う。そして、図18に示すように、側縁Xに沿ったX方向と側縁Yに沿ったY方向における、蓋部材3の上面の中心S3の座標(x2、y2)を測定して、撮像した容器6に紐づけして順次記憶する。
【0105】
図11に示す制御装置120の判定部は、第2撮像装置112にて撮像した容器本体5について、前記のように記憶した開口部5bの中心S2の座標(x1、y1)と、予め設定した開口部5bの中心S2の適正な座標とを比較し、X方向及びY方向に対する位置ずれをそれぞれ演算する。前記判定部は、演算したX方向及びY方向の位置ずれが予め設定した所定の範囲内であれば、開口部5bが適正位置に形成されていると判定し、前記位置ずれが前記所定の範囲を超えた場合は、開口部5bが適正位置に形成されていないと判定する。
【0106】
図11に示す制御装置120の判定部は、第4撮像装置114にて撮像した容器6について、前記のように記憶した蓋部材3の上面の中心S3の座標(x2、y2)と、予め設定した蓋部材3の中心S3の適正な座標とを比較し、X方向及びY方向の位置ずれをそれぞれ演算する。前記判定部は、演算したX方向及びY方向の位置ずれが予め設定した所定の範囲内であれば、容器本体5に対する口栓1の貼付位置が適正であると判定し、前記位置ずれが前記所定の範囲を超えた場合は、容器本体5に対する口栓1の貼付位置が適正ではないと判定する。
【0107】
制御装置120の判定部が、開口部5bが適正位置に形成されていないと判定した場合、及び/又は容器本体5に対する口栓1の貼付位置が適正ではないと判定した場合は、容器6が不良品であるので、容器6の搬送系から排出する。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0109】
1 口栓 1a 貼付面
1b 開口部 2 口栓本体
2a 筒状部 2b フランジ部
3 蓋部材 5 容器本体
5a 貼付面 5b 開口部
5c 胴部 5d 溶着部
5e 溶着部 6 容器
10 口栓貼付装置 20 第1搬送装置
21 搬送装置本体 22 サーボモータ(第1駆動部)
24 第1支持板 24a 案内溝
25 第2支持板 25a 案内溝
26 回転軸 27 スプロケット(第1駆動部)
28 チェーン(第1搬送体) 28a 上側経路
28b 下側経路 30 搬送キャリア
31 ベース部 31a 可動板
31b キャリア支持部 32 ガイド輪
33 軸受部材 34 キャリア本体
35 口栓保持部材 35a 基部
35b アーム部 35c 支持部
36 ガイドロッド 36a 連結板
37 口栓収容部 38 バネ部材
39 外周押圧ローラ 40 軸部材
41 開閉体 42 レバー部材
43 開閉ローラ 44a 支持ピン
44b 支持ピン 45 バネ部材
46 押圧機構 47 可動ロッド
48 押圧ローラ 49 バネ部材
50 押圧ロッド 50a 押圧部材
51 規制ピン 52 規制孔
53 バネ部材 55U 第1開放操作板
55L 第2開放操作板 56 外周押圧操作板
57 押圧操作板 60 塗布装置
61 塗布ユニット 61a 塗布ノズル
62 ノズル移動装置 63 ベース板
64 可動ベース 65 歯付きプーリ
66 歯付きベルト 67 サーボモータ
70 ノズル回転装置 71 サーボモータ
71a 回転軸 71b 駆動歯車
72 軸部材 72a 従動歯車
72b 突出部 74 偏心軸
75 偏心回転台 80 第2搬送装置
81 下部コンベア(第2搬送体) 81a モータ(第2駆動部)
82 側部コンベア(第2搬送体) 82a サーボモータ(第2駆動部)
83 側部コンベア(第2搬送体) 83a サーボモータ(第2駆動部)
86 保持部材 87 供給コンベア
87a サーボモータ 88 供給コンベア
89 昇降機構 89a 昇降テーブル
89b サーボモータ 90 位置補正装置
91 第1補正装置 92 支持台
93 可動台 94 ガイドレール
95 サーボモータ 96 変換器
97 駆動部 100 第2補正装置
101 補正ローラ 102 補正装置本体
103 サーボモータ 104 操作ロッド
105 変換器 106 駆動部
107 操作部材 107a ガイド溝
107b 導入部 108 復帰用レール
108a ガイド溝 110 第1測定装置
111 第1撮像装置 112 第2撮像装置
113 第3撮像装置 114 第4撮像装置
115 検査装置 116 第2測定装置
117 第3測定装置 120 制御装置
A~F 方向 G 接着剤
H 通孔
I 筒状部の通孔から径方向外方へ接着剤が離間する距離
K 基準位置 L 一定距離
P1 口栓供給位置 P2 口栓貼付位置
P3 容器排出位置 R 右方
S 前方 T 移動軌跡
U 上方 V0 第1搬送装置の移動速度
V1 ノズル移動装置による塗布ノズルの往動期間内の移動速度
W 接着剤の幅
a 筒状部の通孔に対して径方向外方へ延びる長さが小さい箇所
b 筒状部の通孔に対して径方向外方へ延びる長さが大きい箇所
c 高速範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18