(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】精算装置、プログラム、サーバ装置用プログラム、及び精算方法
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20241009BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 321N
G07G1/12 321P
(21)【出願番号】P 2020095057
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和行
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-272047(JP,A)
【文献】特開2017-199198(JP,A)
【文献】特開2014-026576(JP,A)
【文献】特開2017-062670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が所持する情報媒体から該顧客の会員種別を特定する特定処理手段と、
前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける受付処理手段と、
前記特定処理手段により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する検出処理手段と、を備え、
前記受付処理手段は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理手段で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子と、他の決済種別の指定を受け付けるための操作子とを異なる表示態様で表示し、
前記検出処理手段で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子は、当該決済種別を指定して精算した場合に付与される
ポイントに関する情報が付された表示態様であ
り、
前記検出処理手段により検出された決済種別での精算においてポイント付与が優遇される期間である場合に、該検出された決済種別での精算を推奨する、
ことを特徴とする精算装置。
【請求項2】
前記受付処理手段により前記他の決済種別の指定を受け付けた場合、前記検出処理手段で検出した決済種別での精算を推奨す
る決済種別推奨手段、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の精算装置。
【請求項3】
所定の情報記憶部を参照して、前記顧客が保有するポイント残高に係る情報を抽出する抽出処理手段と、
前記受付処理手段により所定の決済種別の指定を受け付ける場合に、前記ポイント残高に応じて、ポイント利用を推奨するポイント利用推奨手段、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の精算装置。
【請求項4】
精算装置として機能するコンピュータに対し、
顧客が所持する情報媒体から該顧客の会員種別を特定する特定処理と、
前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける受付処理と、
前記特定処理により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する検出処理と、を実行させ、
前記受付処理は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子と、他の決済種別の指定を受け付けるための操作子とを異なる表示態様で表示し、
前記検出処理で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子は、当該決済種別を指定して精算した場合に付与される
ポイントに関する情報が付された表示態様であ
り、
前記検出処理により検出された決済種別での精算においてポイント付与が優遇される期間である場合に、該検出された決済種別での精算を推奨させる、
プログラム。
【請求項5】
接続可能に構成された所定の端末上で一部または全部の機能を実行させるサーバ装置が実行するプログラムであって、
前記サーバ装置が前記所定の端末に対し、
前記所定の端末からのアクセスに応じて、
情報媒体の読取装置から取得した情報から会員種別を特定する特定処理と、
前記特定処理で特定した会員種別に関連づけられている決済種別を検出する検出処理と、を実行させ、
前記所定の端末が、顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子と、他の決済種別の指定を受け付けるための操作子とを異なる表示態様で表示させ、
前記検出処理で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子は、当該決済種別を指定して精算した場合に付与される
ポイントに関する情報が付された表示態様であ
り、
前記検出処理により検出された決済種別での精算においてポイント付与が優遇される期間である場合に、該検出された決済種別での精算を推奨させる、
サーバ装置用プログラム。
【請求項6】
接続可能に構成された所定の端末上で一部または全部の機能を実行させるサーバ装置によって実行される方法であって、
前記サーバ装置が、
前記所定の端末からのアクセスに応じて、
情報媒体の読取装置から取得した情報から会員種別を特定する特定処理と、
前記特定処理で特定した会員種別に関連づけられている決済種別を検出する検出処理と、を実行し、
前記所定の端末が、顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子と、他の決済種別の指定を受け付けるための操作子とを異なる表示態様で表示させ、
前記検出処理で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子は、当該決済種別を指定して精算した場合に付与される
ポイントに関する情報が付された表示態様であ
り、
前記検出処理により検出された決済種別での精算においてポイント付与が優遇される期間である場合に、該検出された決済種別での精算を推奨する、
ことを特徴とする精算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の会計時、所定の決済種別による決済を促す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやドラッグストアなど会員カードやポイントカードにクレジット決済機能付カードやプリペイド機能付きカードなど発行し、会員獲得を行なっている。また、経営母体が経営する店舗やチェーン店でのみ利用可能なクレジット決済機能付きカード、所謂ハウスカードを発行している場合がある。
こういった店舗やチェーン店では、クレジットカート、プリペイドカード、ハウスなど非現金決済の利用率を高めたいという要望がある。
【0003】
例えば、顧客が店舗においてカードを提示せずにカード決済が可能なハウスカード決済システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載のシステムでは、顧客に対して直接的に、非現金決済の利用を訴求することができない。
【0006】
そこで本発明は、所定の決済種別による決済を促すことを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る精算装置は、顧客が所持する情報媒体から該顧客の会員種別を特定する特定処理手段と 、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける受付処理手段と、前記特定処理手段により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する検出処理手段と、を備え、前記受付処理手段は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理手段で検出された決済種別と、他の決済種別とで態様を変えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るPOSシステムのネットワーク構成を示したネットワーク構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る精算装置が備える機能を示した機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る精算装置に備えられるメカキーの一例を示した図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る精算装置により発行されるレシートの一例を示した図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る精算装置により実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る精算装置により実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る精算装置により実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図8】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図9】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図10】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図11】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図12】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図13】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図14】本実施形態に係る精算装置の店員側入出力部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図16】本実施形態に係る精算装置に表示される画面の一例を示した図である。
【
図17】本実施形態に係る精算装置に表示される画面の一例を示した図である。
【
図18】本実施形態に係る精算装置に表示される画面の一例を示した図である。
【
図19】本発明の他の実施形態に係るPOS端末により実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図20】本発明の実施形態に係るPOS端末により実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
●商品販売データ処理装置の機能構成
以下、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。
図1に示すPOSシステムは、3台の第1精算装置1-1、第2精算装置1-2、第3精算装置1-3と、ストアコントローラSC(ストアコンピュータ、管理装置とも称される)を備え、夫々はLANを介して通信可能に接続されている。
なお、以下において、第1精算装置1-1、第2精算装置1-2、第3精算装置1-3は、特に区別しない場合には、精算装置1と総称する。また、精算装置1は3台に限られず、一又は複数で構成される。
【0010】
第1精算装置1-1、第2精算装置1-2、第3精算装置1-3はそれぞれ、決済端末2-1、決済端末2-2、決済端末2-3を備えている。第1決済端末2-1、第2決済端末2-2、第3決済端末2-3は所定の専用回線等を介して外部の決済サーバ20と通信可能に構成されている。第1決済端末2-1、第2決済端末2-2、第3決済端末2-3はそれぞれ、クレジットカード等の決済媒体から決済処理に必要な情報を取得すると共に、第1精算装置1-1、第2精算装置1-2、第3精算装置1-3から会計情報を取得すると、これらの情報に基づいた決済処理を決済サーバ20に要求し、決済処理の結果を第1精算装置1-1、第2精算装置1-2、第3精算装置1-3に返す。
なお、以下において、第1決済端末2-1、第2決済端末2-2、第3決済端末2-3は、特に区別しない場合には、決済端末2と総称する。
【0011】
ここで、POSシステム又は精算装置1は、本発明に係る商品販売データ処理装置を構成する。即ち、POSシステムは、本発明に係る商品販売データ処理装置の機能実行に必要な機能部をストアコントローラSCや精算装置1に分散保持させたシステムとして実現した商品販売データ処理装置であり、精算装置1は、本発明に係る商品販売データ処理装置の機能実行に必要な機能部あるいはストアコントローラSCの機能を集約させた装置として実現した商品販売データ処理装置である。
【0012】
なお、POSシステムとしてストアコントローラSCを有する場合には例えば、ストアコントローラSCに商品情報記憶部などを備えさせ、精算装置1は、ストアコントローラSCの商品情報記憶部を参照して、売上データを送信する。また、ストアコントローラSCは在庫管理や発注管理、等の基幹業務を担う。また、ストアコントローラSCは各業務に応じて複数のサーバ装置で構成されていてもよい。
また、ストアコントローラSCがない場合には例えば、第1精算装置1-1にストアコントローラSCの機能を備えさせると共に、ストアコントローラSCの機能を兼任する第1精算装置1-1に商品情報等の管理を実行させ、他の第2精算装置1-2、第3精算装置1-3とデータ連携させる。また他の例では、各精算装置1が個々に商品情報を管理するように運用してもよい。
【0013】
また、タブレットPOSなどのクライアント端末に対してクラウドサービスにより機能を提供するように構成してもよい。このような構成は、Web-Posとも称される形式であり、具体的には、所謂シンクライアント方式あるいはアプリケーションをウェブ化させるウェブクライアント方式等により、タブレットPOSなどのクライアント端末が実行する機能の一部または全部をサーバ装置に実行させる。この場合、クライアント端末は、顧客が所持する場合もあり、店員や店舗の端末を介することなく、一連の処理が完結することもある。
【0014】
図2に示される精算装置1は、顧客が購入する商品の登録処理と精算処理を実行する装置であって、本発明に係る商品販売データ処理装置を構成する。
この精算装置1は、CPU(Central Processing Unit)101などの演算装置、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103などの記憶装置を有しており、インターフェース回路104を介して、店員側入出力部11、顧客側入出力部12、商品読取部13、媒体読取部14、釣銭釣札部15、印刷部16、及び決済端末2が接続されている。
【0015】
また、精算装置1は、制御部100によって実行されるソフトウェア資源として、少なくとも、商品情報記憶部、顧客情報記憶部、登録処理部、特定処理部、検出処理部、抽出処理部、受付処理部、制限処理部、報知処理部、決済種別推奨処理部、ポイント利用推奨処理部、精算処理部、及び発行処理部からなる機能ブロックを構成する。
なお、制御部100によって実行されるコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
また、本実施形態では、本発明に係る商品販売データ処理装置を精算装置1として実現した場合の機能構成を示しているが、POSシステムとして実現する場合には、POSシステムを構成する複数のハードウェア資源に各機能部が分散して備えられる。
【0016】
店員側入出力部11はタッチパネル式ディスプレイ、液晶ディスプレイ又はタッチ式ディスプレイとメカキーとの組み合わせ等によって実現され、店員が各種の情報を入力する入力手段、及び各種の情報を店員に対して出力する出力手段を構成している。
【0017】
なお、メカキーによって設けられるキーは、一般的な精算装置に設けられるのと同様に、80~90個程度、少なくとも20~40個程度である。このようなキーによって直感的な操作が可能であり、操作者が操作に困った場合であっても滞りがでないような構成となっている。
図3はこのようなメカキーの一例を示しており、数字キー(1キー、2キー、…、9キー、0キー、00キー)、小計キー、現計キー、クリアキー、個キー、商品登録キー、ファンクションキー、プリセットキーなどのキーが設けられている。数字キーは、同時に2つのキーを押下する可能性を下げるため、キートップの面積が比較的小さく、その他のファンクションキーは、キートップに機能名などの文字情報が表示されるため、キートップの面積が比較的大きく、形成されていてもよい。
なお、メカキーは、精算装置1の本体部に対して着脱可能に構成されたものであってもよい。
【0018】
このメカキーによって決済処理が実行される際の操作の一例について言及すると、現金支払いの場合は、[小計キー]を押して合計金額を算出し、預り金額を入力した後に[現計]キーを押下する。そうすると、釣銭金額が算出されて釣銭が払い出されると共に、印刷部16によりレシートが発行される。なお、本実施形態のように、現金決済が釣銭釣札部15によって行われる場合には、紙幣や貨幣の投入後、合計金額を上回ると[現計キー]が有効になり、合計金額に満たないとエラーになる。また、ドロアの場合は、預り金額を入力して[現計キー]を押下すると、ドロアがオープンされるので、店員は手動で釣銭を返却する。レシートは、ドロアオープンと同時、またはその後に発行される。
【0019】
なお、会計1、会計2、会計3と表示された[会計キー]は最大30個ほど設けられるが、これが非現金決済の場合のキーとなる。例えば、[会計1キー]はクレジット決済、[会計2キー]は電子マネー決済といった使い方をする。
なお、本実施形態において、非現金決済を要求するボタンが必要とされるが、そのようなボタンの構成は特に限定されず、その一例では、タッチパネルディスプレイにおいて、[小計キー]の押下後に預り金額がテンキー入力されたのに応じてポップアップで表示する。また、他の例では、メカキーに[クレジットキー]を設ける。
【0020】
顧客側入出力部12は、タッチパネル式ディスプレイ等であり、顧客が各種の情報を入力する入力手段、及び各種の情報を顧客に対して出力する出力手段を構成している。なお、本実施形態において、顧客側入出力部12は、顧客に対して情報を出力する出力手段としてのみ構成されるものとしてもよい。
【0021】
商品読取部13は、商品に付されたバーコードあるいは二次元コードなどが読み取る定置型やハンディタイプのスキャナ等によって実現され、コード化されていた商品情報を取得することができる。
【0022】
媒体読取部14は、顧客の情報媒体を読み取る。
ここで、情報媒体は会員顧客を識別可能な情報を保持した媒体であり、本例では会員カードやポイントカード、これらのカードにクレジット決済機能又は、プリペイドカード機能などの非現金決済処理を可能とする機能をもたせた非現金決済機能付き会員カード、あるいは携帯型情報端末によって構成される。
ポイントカードは、会員のポイントを管理するための情報媒体であり、会員を識別可能な情報をもつ一方、決済に関わる情報をもたない。なお、ポイントとは、商品の精算処理上、金銭に代えて使用し得る有価価値である。
非現金決済機能付き会員カードは、ポイントカードを兼ねたハウスカードでも良い。ハウスカードは、発行する企業やグループなどが経営する店舗やチェーンストアでしか利用できないクレジットカードである。
【0023】
この情報媒体は、会員カードやポイントカードであれば、会員を識別可能な情報を格納した磁気ストライプが設けられていたり、会員を識別可能な会員番号が印字等されたりしている。これに応じた媒体読取部14は、磁気カードリーダによって実現され、磁気ストライプから会員を識別可能な情報を読み取る。
また、情報媒体が携帯型情報端末等のスマートデバイスであれば、媒体読取部14は当該スマートデバイスとデータ通信可能な通信手段によって実現され、例えばNFC(Near Field Communication)規格による無線通信により当該スマートデバイスから会員を識別可能な情報を取得する。
尚、会員コードやポイントカードに識別情報がバーコード印刷等されている場合や、スマートデバイスに会員を識別可能な二次元コード等を画面上に表示させる場合には、商品読取部13にて読み取ることもできる。具体的には、バーコード体系を商品等と判別可能にすれば、ボタン操作による切替えは不要である。もちろん、読み取る情報を宣言してもよい。
【0024】
釣銭釣札部15は、現金支払いによる商品の精算処理を可能にするための機能部である。この釣銭釣札部15は、物理的な機構として硬貨投入口、硬貨払出口、紙幣投入口、紙幣払出口等を備え、金銭の入金を受け付けると共に、入金された金銭を計数したり、会計額に応じて釣銭を払い出したりする。
【0025】
印刷部16は、顧客による商品の精算処理後にレシートを印刷したり、所定の商品について使用可能なクーポン券などを印刷したりする機能部である。この印刷部16は、レシートプリンタ等によって実現され、この場合には、会計の処理内容やクーポン情報を感熱紙等の所定の紙媒体に印刷し、レシート発行口より排出する。
なお、レシートとクーポン券は、物理的に別体として設けられた複数の印刷部16によってそれぞれ印刷してもよいし、一の印刷部16によってレシートとクーポン券を一体的に印刷してもよい。
【0026】
決済端末2は、所定の決済媒体を利用した決済を可能とする機能部である。この決済端末2は、単独で決済サーバ20に与信照会を実行し、信用照会を実行し、認証されると、精算装置1から決済額に係る情報の提供を受けて、決済サーバ20に決済を要求する。そして、決済サーバ20から処理結果を受信すると、当該処理結果を精算装置1に返す。
ここで、決済媒体とは例えば、クレジットカードや電子マネーカード、デビットカード等であり、外部の決済サーバ20と与信等の照会処理を適宜に実行し、所定の決済媒体を利用した決済を実行する。なお、この決済端末2は、会員コードを読取る機能を備えても良い。
なお、本実施形態では、決済端末2は精算装置1と情報の送受信が可能に接続された別体の端末として設けられているが、これにかかわらず、精算装置1の一部を構成する端末として設けることもできる。
【0027】
商品情報記憶部は、店舗で販売されている商品に関する情報を記憶した記憶部である。
商品に関する情報には例えば、商品の名称や価格、割引、ポイント付与倍率等に係る情報が含まれる。
【0028】
顧客情報記憶部は、会員顧客等の情報を記憶した記憶部である。
この顧客情報記憶部には、顧客を識別可能な識別情報に関連付けて、顧客の氏名等の情報、顧客の会員種別、会員種別に応じた決済種別、商品の購入等に応じて顧客に対して発行されたポイントの残高等の情報が記憶されている。
会員種別に係る情報は、ポイントカードを保有する会員、又は非現金決済機能付き会員カードを保有する会員の別を把握可能な情報である。
会員種別に応じた決済種別とは、ポイントカードを保有する会員、又は非現金決済機能付き会員カードを保有する会員といった会員の種別に応じて推奨される決済種別であり、例えば、非現金決済機能付きカードを保持する会員については非現金決済による決済、クレジット会員についてはクレジットと現金、プリペイド会員についてはプリペイドと現金、現金会員や一般客は全部、といったように決済種別が会員種別ごとに関連付けられている。
【0029】
登録処理部は、顧客が購入する商品を決済処理の対象商品として登録する。
この登録処理部は、商品読取部13によって購入対象商品の情報を読み取ったり、店員側入出力部11から購入対象商品の情報を受け付けたりすると、商品情報記憶部を参照して商品の名称や金額などの情報を抽出し、商品に設定された割引などの情報と合わせて登録する。一会計の中で精算すべきすべての商品の情報は、登録データとして決済処理の際の参照データとなる。
【0030】
特定処理部は、顧客の情報媒体に格納された情報に基づき、当該情報媒体を保持する顧客の会員種別を特定する。即ち、媒体読取部14により、顧客の情報媒体に格納された顧客を識別可能な情報を取得した上、顧客情報記憶部に記憶されている会員種別を参照して、当該顧客の会員種別を特定する。
なお、媒体読取部14によらず、情報媒体に印字されている会員番号を店員側入出力部11から店員に入力させ、これにより、顧客を識別可能な情報を取得することもできる。
【0031】
検出処理部は、特定処理部により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する。
【0032】
抽出処理部は、商品情報記憶部や顧客情報記憶部から各種の情報を抽出する。
この抽出処理部は例えば、顧客情報記憶部を参照して、顧客が保有するポイント残高に係るポイント情報を抽出する。
【0033】
受付処理部は、店員側入出力部11により、購入商品として登録された商品の決済において、複数の決済種別から、所定の決済種別の指定を受け付けるための操作子等を店員側入出力部11や顧客側入出力部12に表示させ、当該操作子を介した決済種別の指定を受け付ける。
決済種別には例えば、現金、ポイント、商品券(金券)、クレジットカードの別がある。このうち、ポイントは現金やクレジットカードによる決済と併用できる場合、決済額から所定の数量のポイント相当額を減じることができる。商品券(金券)については購入金額が商品券の金額に満たない場合、余剰分(所謂釣銭)を払い出しが可能なものもあれば払い出しが不可能なものもあり、条件に応じて決済額に充当できる。なお、他の決済とクレジットカードの併用についても、ポイント付与等の条件において可能な場合もあれば不可能な場合もある。
【0034】
この受付処理部は、所定の決済種別と他の決済種別とを態様を変えて表示させる表示処理部としても機能し、顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、検出処理部で検出された決済種別と、他の決済種別とで態様を変える。例えば、複数の決済種別から、所定の決済種別の指定を受け付けるための操作子について、検出処理部で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子と、その他の決済種別の指定を受け付けるための操作子とを、態様を変えて店員側入出力部11や顧客側入出力部12に表示させることができる。
これにより、検出処理部によって検出された決済種別を分かりやすく顧客や店員に案内し、当該決済種別による決済を推奨することができる。
なお、例えば、自社クレジットや自社プリペイドなど、会員特定されるまでは決済種別を表示しさせないもものとしてもよい。
【0035】
決済種別推奨処理部は、複数の決済種別のうち、検出処理部によって検出された決済種別であって、顧客の会員種別に応じて推奨される決済種別による決済を推奨する処理部である。
例えば、所定の情報媒体を保持する顧客が、非現金決済機能付き会員カードを保持する会員であり、当該会員に推奨の決済種別が非現金決済である場合には、決済種別として非現金決済を推奨する。
また、この決済種別推奨処理部は、決済金額に応じたポイント付与の倍率が高く設定されるなど、検出処理部によって検出された決済種別によって決済するとポイント付与が優遇される期間、あるいはポイント付与が優遇される条件を満たす場合において、当該検出処理部によって検出された決済種別による決済を推奨することもできる。
なお、本実施形態において、決済種別推奨処理部による決済種別の推奨は、複数の決済種別のうち、指定可能な決済種別の指定のみ許容し、その他の決済種別の指定や決済操作を拒否するものであってもよい。また、所定の決済種別が指定されたり、所定の決済操作が実行されたりした場合には、当該所定の決済種別が指定可能とされた決済種別であった場合、あるいは当該所定の決済操作が実行された場合にのみ、指定あるいは操作を許容するものとしてもよい。
【0036】
このほか、決済種別推奨処理部による所定の決済種別の推奨は、所定の決済種別以外の決済種別による決済を使用しないことを推奨、あるいは決済種別の指定を所定の決済種別による決済の指定にのみ制限するものであってもよい。また、例えば、所定の決済種別がクレジットカードによる決済の場合において、他の決済種別との併用を制限するものであってもよい。また、後述する他の例における禁止処理部のように、所定の決済種別以外の決済種別による決済を禁止するものであってもよい。
【0037】
報知処理部は、所定のデータ処理の実行やエラーの発生など、所定の状況を店員等に報知するための機能部である。
この報知処理部は本例において、決済種別推奨処理部によって推奨される決済種別以外の決済種別が指定される場合に、その旨を報知する。例えば、非現金決済が推奨される場合に、非現金決済以外の決済種別が指定されると、その旨を店員側入出力部11や顧客側入出力部12上で報知する。また、所定の決済種別以外の決済種別による決済を制限することにより、当該所定の決済種別による決済を推奨する場合には、当該所定の決済種別以外の決済種別を指定できない旨を店員側入出力部11や顧客側入出力部12上で報知することができる。
【0038】
ポイント利用推奨処理部は、顧客が保有するポイント残高やポイントの付与倍率等の条件に応じてポイント利用を推奨する。
例えば、ポイントの付与率が通常通りの期間、ポイントの失効期限が近付いた時、あるいは購入金額が所定の金額を超えてポイント付与倍率の付与や所定のポイント数、具体的には20ポイント加算など、(特定商品の購入や特定日の来店など)が優遇される等の条件に応じて、店員側入出力部11や顧客側入出力部12上で、顧客のポイント残高や利用の推奨するメッセージを表示してポイントの利用を推奨する。なお、ポイントに限らず、クーポン券や贈呈品などの特典でも良い。
【0039】
精算処理部は、登録処理部によって生成された登録データに基づき、登録された商品の合計額や税込みの会計額を算出して精算処理を実行する。精算処理は、指定された決済種別に応じて、現金の場合は釣銭釣札部15により、非現金決済機能付き会員カードを含むクレジットカード、電子マネー及びプリペイドカードの場合には決済端末2により実行される。
また、精算処理部は必要に応じて、顧客が保有するポイントを会計額から引いたり、顧客に対して付与されるべきポイントの数量を算出し、算出したポイントを顧客に付与したりする。
【0040】
発行処理部は、商品の会計時、レシートや商品の購入時に使用可能なクーポン券などを印刷部16に発行させる。
図4は、本実施形態において発行されるレシートの一例を示している。レシートには、買い上げ商品の明細、買い上げ金額、付与等されたポイント、その他のメッセージ等が印字されている。
ポイントについては、顧客が非現金決済機能付き会員カード(レシートではハウスカード会員である場合を例にとって「ハウスカード」と記載されている)の会員であって、当該現金決済機能付き会員カードによる決済が推奨の決済種別であった場合に、当該推奨の決済種別で決済していれば適用される倍率、適用のあったポイントの数量などが印字されているようになっている。
メッセージとしては、非現金決済機能付き会員カードの使用を促すものが印字されている。
図4の例では、現金決済であった結果、非現金決済機能付き会員カードを利用した場合であれば適用された、通常より高いポイント倍率が適用されなかったこと、このような高いポイント倍率の適用を受けられるよう、非現金決済機能付き会員カードの利用がお勧めであることが印字されている。
【0041】
なお、精算装置1はこれらの機能部のほか、商品の登録処理や精算処理、あるいはこれらの処理の管理のための機能部として、店員の識別情報等の店員情報を記憶した店員情報記憶部、処理の履歴を記憶した履歴記憶部などを適宜に備える。
また、これらの機能部を外部あるいは上位のサーバ等に備えさせ、これらの機能部に記憶されているデータや処理結果を精算装置1が参照、表示するように構成してもよい。
【0042】
●精算装置1による処理の流れ
次に、本実施形態に係る精算装置1によって実行される処理の流れについて、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0043】
図5に示されるように、精算装置1において店員が商品読取部13により購入対象商品を一つずつ、バーコードを読み取るなどすると、登録処理部は随時、商品を登録し、登録データを生成する(S101、S102)。
すべての購入対象商品の登録が完了すると、決済額として登録商品の合計額が算出される(S103)。
【0044】
一方、
図6に示されるように、顧客が会員である場合には、商品の登録処理と並行して、店員は顧客から会員カードを受け取り、媒体読取部14により会員カードを読み取る(S201、S202)。なお、会員カードの読み取りは、商品の登録前、登録中、精算時のいずれであってもよく、また会員を識別可能な情報は、会員カード上に印字等された情報から取得してもよい。
会員カードが読み取られると、特定処理部は、会員カードに格納されていた会員を識別可能な情報に基づき、顧客情報記憶部を参照して、会員の会員種別を特定する(S203)。
なお、精算装置1は、会員顧客の情報を取得すると、会員顧客の情報やポイント残高を店員側入出力部11や顧客側入出力部12上に適宜、表示する。また、顧客が会員であると特定されるので、会員顧客向けの特別売価などを適用し、すでに登録済みの対象商品があった場合には、「会員特別価格が適用されました」などの報知を行う。
【0045】
検出処理部は、特定された会員種別に基づき、推奨される決済種別を検出する(S204)。
商品の登録が完了すると(S205)、ポイントの付与倍率が通常とは異なる日である場合には(S206)、
図7に示されるように、決済種別推奨処理部により、検出された決済種別を推奨して、決済種別の指定を受け付け可能に待機する。(S301)。
決済種別の推奨は例えば、複数の決済種別のうち、所定の決済種別が推奨であることを示すメッセージの表示等によって行われる。
なお、本実施形態におけるS206の処理において、ポイントの付与倍率が通常とは異なる日は、非現金決済機能付き会員カードの会員が当該非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済を行った場合に、ポイントの付与倍率が通常よりも高い日を意味する。通常とは異なる付与倍率は、所定の期間や曜日指定、あるいは毎月、5日、15日、25日といったように条件設定され、当該条件設定に係る情報を保持する所定のテーブル等を参照することで把握される。
【0046】
店員が複数の決済種別から所定の決済種別を指定すると(S302)、指定された決済種別が推奨の決済種別であった場合には、受付処理部によってかかる指定が受け付けられ、精算処理部により当該受け付けられた決済種別に基づいた決済が実行される(S306)。
非現金決済であれば、決済端末2が非現金決済機能付き会員カード等に格納された情報やコード決済を実行するための情報を取得すると共に、精算装置1から提供された決済額に係る情報を決済サーバ20に送信する。決済サーバ20で非現金決済が実行されると、処理結果が決済端末2を介して精算装置1に返される。
また、現金決済であれば、釣銭釣札部15によって現金の入金と釣銭釣札の払い戻しを行う。
【0047】
一方、S302の処理において、推奨外の決済種別が指定された場合には、精算装置1は、報知処理部により、推奨の決済種別ではない旨のメッセージを店員側入出力部11に表示して、店員に報知する(S303)。
【0048】
ここで、本実施形態では、推奨外の決済種別であることを報知しつつ、所定の要求操作を実行することにより、指定可能な決済種別の変更が受け付けられるようになっている。
店員により、他の決済種別に変更する操作を受け付けた場合には、決済種別を変更し(S305)、変更後の決済種別による決済処理が実行される(S306)。
決済種別が変更されない場合、例えば、店員が誤って、指定するはずであった推奨の決済種別と異なる決済種別を指定してしまった場合には、再度、決済種別の指定を受け付ける。
【0049】
他方、S206の処理において、ポイントの付与倍率が通常の日である場合には、抽出処理部により顧客情報記憶部からポイント残高に係る情報が抽出され、ポイント利用推奨処理部は、店員側入出力部11に顧客のポイント残高を表示させてポイントの利用を推奨する(S207)。
【0050】
店員は、ポイント残高に係る情報を把握した上、顧客に対して適宜にポイントの利用を勧め、顧客から決済種別の希望を聞く。店員側入出力部11上では、複数の決済種別が指定可能に展開されており、店員が顧客の希望に応じた決済種別を指定すると、受付処理部は、当該決済種別の指定を受け付ける(S209)。そして、指定された決済種別に基づいた決済処理が実行される(S210)。
なお、ポイントを利用した上で、会員種別に関連付けられた決済種別による決済を推奨するものとしてもよい。
【0051】
また、S201において顧客が会員でなかった場合には、商品登録が完了すると(S208)、顧客の希望に応じた決済種別の指定が受け付けられ(S209)、指定された決済種別に基づいた決済処理が実行される(S210)。
【0052】
なお、S210の決済処理の詳細について、非現金決済機能付き会員カードを使用した非現金決済、あるいはその他のクレジットカードに基づく決済では、決済端末2が決済サーバ20に与信照会を実行する。与信照会が認証されると、決済端末2は精算装置1から取得した決済額に係る情報に基づいて、決済サーバ20に決済を要求する。決済サーバ20で決済が実行されると、処理結果が決済端末2を介して精算装置1に返される。これにより決済処理が完了し、ポイントの付与やレシートの発行等が行われる。
なお、非現金決済について、コード決済に関しては、決済端末2ではなく、精算装置1のスキャナでバーコードを読み取るための「キー」のみが有効になる。
【0053】
また、クレジットカードに基づく決済では、決済端末2側で加盟店契約の有無のチェックなど、既知のクレジットカード決済に付随する処理が実行されるほか、クレジットカードの種別に応じて適宜、クレジットカード番号を所定のルールで暗号化するなど、PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)規格に準拠したセキュリティスタンダードで処理が実行される。なお、PCIDSS規格に準拠しなくてもよい場合には、会員顧客の情報を取得することで、外部の決済サーバ20を介することなく決済処理を完結させることもできる。即ち、金額や取引の種類に応じてPIN入力等のステップを省略できる場合には、情報媒体を読み取って会員顧客の情報を取得すれば、以降、改めて情報媒体を読み込む必要がない。ただし、ハウスカードで他の決済種別が選択された場合には、再び「カードを差し込んでください」などの表示をし、決済端末2での決済処理を再開することになる。
【0054】
また、現金決済の場合には、釣銭釣札部15により現金が受け付けられ、決済額に応じて釣銭が払い戻されるなどして、現金決済が実行される。
【0055】
なお、ポイントの利用があった場合には、決済額から所定のポイント相当額の金額が減じられ、ポイント利用後の決済額に基づいた決済が実行される。なお、ポイントの利用は、全てのポイント、500ポイント等の一定数量のポイント、失効期限が迫っているポイントなど、適宜な数量とすることができる。
【0056】
以上のとおり決済処理が完了すると、発行処理部は印刷部16により、レシートやクレジットカード決済による売上票、クーポン券等を発行させる。尚、紙媒体に代えて電子レシート等電子データを生成、出力させてもよい。
●画面例
【0057】
続いて、本実施形態において、店員側入出力部11に展開される画面の例について説明する。
図8は、商品登録が完了した際の画面を示している。なお、
図8の例では、店員側入出力部11がタッチパネル式ディスプレイとメカキーによって構成されている場合を示している。
図9についても同様である。
【0058】
画面G101上には、登録処理部によって登録された商品を一覧的に表示する商品明細G11、登録商品の点数を表示する買上点数表示欄G12、登録された商品の小計表示欄G13、合計表示欄G14が設けられており、これにより商品登録に関する情報が表示されている。また、顧客情報表示欄G15が設けられており、顧客マスタに記憶されている情報に基づいて、会員ナンバー、保有ポイントに係る情報が表示されている。
商品明細G11には、商品ごとに名称や価格等、商品情報記憶部に記憶されている情報に基づいた情報が表示されている。
【0059】
また、合計金額を出す小計キーG21、決済種別を指定するための操作子として、クレジット決済を指定するクレジットボタンG221、お会計券による精算を指定するお会計券ボタンG222、プリペイドカードにチャージを行うチャージボタンG223、会計キーG23、現金決済を指定する現計キーG24が設けられている。本例では、会計キーG23は、会計1キー、会計2キー、会計3キーの3つ設けられており、それぞれ、クレジット決済、電子マネーによる決済、コード決済などの決済種別が割り当てられている。いずれかの操作子を押下することによって、操作子に割り当てられた決済種別を指定することができる。なお、以下の説明において、3つの会計1キー、会計2キー、会計3キーを区別して言及するときはそれぞれ、会計1キーG23-1、会計2キーG23-2、会計3キーG23-3と称する。
なお、店員側入出力部11上のクレジットボタンG221、お会計券ボタンG222、チャージボタンG223、は、推奨の決済種別である場合には店員の注意を引きやすいよう、点滅等させてもてよい。また、メカキーに対応するボタンが設けられている場合、例えば、メカキーにクレジット決済を指定する会計キーG23が設けられている場合には、店員側入出力部11上にクレジットボタンG22を設けなくてもよい。
また、タッチスクリーン上のキーは、任意に設定でき、そのサイズや位置を変えることができる。また、このキー配置可能な領域は小計操作で切り替えることもできる。また、テンキーと同様のキーを配置することもできる。
【0060】
店員は、全ての購入対象商品を登録すると、小計キーG21を押下して合計額を算出させ、合計額を顧客に伝え、所定の決済種別に対応する操作子を押下し、当該所定の決済種別を指定する。
なお、小計キーG21が押下されたタイミングで、指定可能な決済種別が制限される場合には、当該指定可能な決済種別に係る情報を画面上に表示するようにしてもよい。
また、複数の決済種別が指定可能な場合に、指定が推奨される所定の決済種別を他の決済種別と異なる態様で表示してもよい。例えば、非現金決済機能付き会員カードによるクレジットカード決済指定ボタンを電子マネーやコード決済の指定ボタンと比較して、視認又は指定しやすいように目立たせたり、色分けしたり、大きく表示したりしてもよいし、非現金決済機能付き会員カードによるクレジットカード決済指定ボタン以外の決済種別を非表示にしてもよい。これらは、非現金決済機能付き会員カードの決済種別に応じて制御を行えばよい。また、それぞれの決済種別のメリットやデメリット、例えば、ポイント優遇によるポイントの差、キャンペーンによる特典などの情報を決済種別ごとに表示してもよい。
【0061】
なお、現金決済は通常、決済種別の指定を経ずに行われる。即ち、ドロアの場合には、「テンキー」による数値入力から「現計キー」押下により処理が行われる。そのため、非現金決済機能付き会員カードによる決済が推奨されるにもかかわらず、「テンキー」が押下された場合には、エラーとしてもよい。また、本例のように釣銭釣札機15の場合には、釣銭釣札機15から入金情報を受信すると、エラー処理として自動で入金貨幣を払い出したり、排出ボタンの押下等による排出操作に応じて入金貨幣を返却したりするとよい。
【0062】
所定の決済種別の推奨如何にかかわらず、現金決済が行われるときは、本実施形態のように精算装置1が釣銭釣札部15を備える場合には、店員は顧客から預かった金銭を釣銭釣札部15に投入し、払い出された釣銭を顧客に渡す。
精算装置1が釣銭釣札部15に代えてドロアを備える場合には、
図9に示されるように、店員が預かり金額をテンキーで入力して現計キーG24を押下すると、預り金表示欄G31とお釣り表示欄G32にそれぞれ、預り金とお釣りの額が表示されると共に、ドロアが開き、店員は釣銭を顧客に渡す。
【0063】
非現金決済では、店員は指定する決済種別に応じて、クレジット決済を指定するクレジットボタンG22あるいは会計キーG23を押下する。
図10は、会計1キーG23-1が押下され、当該会計1キーに割り当てられた決済種別による決済が実行された場合の画面の例を示しており、決済種別表示欄G33には、指定された決済種別が決済額と共に表示されている。
【0064】
なお、指定可能な決済種別の数が多い場合には、指定可能な決済種別を分かり易く表示すべく、テンキー押下のタイミング等で、指定可能な決済種別ごとの操作子を画面上に展開してもよい。
図11は、そのような画面の一例を示している。この
図11の例では、指定可能な決済種別の操作子を一覧的に表示する決済種別指定欄G25が設けられ、この決済種別指定欄G25には、クレジットボタンG251、コード決済ボタンG252、電子マネーボタンG253、プリペイドボタンG254、ポイント支払ボタンG255、金券支払ボタンG256が設けられており、いずれかのボタンを押下すると、対応する決済種別による決済処理に移行する。
なお、ここでも、推奨のクレジットボタンG251が他の決済種別よりも大きく目立つ態様で表示されている。
【0065】
図12は、
図7を参照して説明したS303の処理、即ち推奨の決済種別とは異なる決済種別が指定された場合に、その旨を報知する店員側入出力部11上の画面の一例を示している。
ここでは、推奨の決済種別は非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済であり、
図8の例に示される画面から、非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済が割り当てられたクレジットボタンG22又は会計1キーG23-1以外の会計2キー、会計3キーが押下されたり、現計キーG24が押下されたりした場合には、非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済以外の決済種別が指定されたことになる。精算装置1はこれに対して、
図12に示される画面をポップアップ表示等で店員側入出力部11上に展開する。なお、
図12の例に限らず、推奨の決済種別以外の決済種別を指定できない旨のメッセージを表示してもよい。
【0066】
画面上には、顧客が非現金決済機能付き会員カードを保有する会員であること(図中、「ハウスカード会員」と表示)を示す会員種別表示欄G41、指定された決済種別を、会員種別に応じて推奨される非現金決済機能付き会員カードに指定し直して決済を実行するためのクレジット決済指定ボタンG42、決済種別を推奨の非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済から他の決済種別に変更するための決済種別変更ボタンG43が設けられている。「ハウスカード」に代えて、「クレジット会員」、「プリペイド会員」、「電子マネー会員」などと表示してもよい。
【0067】
クレジット決済指定ボタンG42には、ポイント付与倍率が通常日とは異なる高い期間であることが表示されており、これを把握した店員を通じて、顧客に高い付与倍率のポイントをインセンティブにして推奨の非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済を勧めることができる。
また、クレジット決済指定ボタンG42は、その他の決済種別に変更して決済を行うための決済種別変更ボタンG43よりも大きく、中央に分かりやすく態様で表示されており、店員の注意を引き付けるようになっている。
なお、決済種別変更ボタンG43は、具体的な決済種別ごとのボタンに置き換えられていてもよい。この場合でも、各ボタンは、クレジット決済指定ボタンG42とは異なる態様で表示されるのが好適である。
【0068】
なお、本実施形態では、決済種別推奨処理部によって会員種別に応じて推奨される決済種別とされた決済種別以外の決済種別が指定された場合、所定の操作に応じて推奨外の決済種別に変更可能としたが、他の実施形態では、推奨の決済種別以外の他の決済湯別の指定を制限又は禁止するようにしてもよい。
また、これにかかわらず、推奨外の決済種別が指定された場合には、推奨の決済種別から他の決済種別に変更するための画面や操作を経ることなく、他の決済種別による決済に移行させることもできる。
【0069】
また、推奨の決済種別以外の決済種別が店員によって指定された場合には、
図13に示される画面を店員側入出力部11上に展開する。
画面上には、顧客が非現金決済機能付き会員カードを保有する会員であることを示す会員種別表示欄G41と共に、非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済が推奨の決済種別であり、その他の決済種別ではポイントも付与されない旨のメッセージが表示されている。
店員はかかるメッセージを確認すると、確認ボタンG51を押下して、推奨の非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済に進むことになる。
【0070】
図14は、
図6を参照して説明したS207の処理、即ちポイント残高を表示してポイント利用を推奨する店員側入出力部11上の画面の一例を示している。
画面上では、ポイント残高表示欄G61にポイント残高が表示され、ポイントの利用を促すメッセージが表示されている。
店員はポイント残高を確認すると、顧客にポイントの利用を提案する。確認ボタンG62の押下によって画面は閉じ、決済処理に進むことになる。
【0071】
なお、以上の本実施形態では、非現金決済機能付き会員カードを所有する顧客に対し、ポイントの付与倍率が通常とは異なる期間では、推奨の決済種別を非現金決済機能付き会員カードに制限するものとしているが、ポイントの付与倍率によらず、非現金決済機能付き会員カードを所有する顧客に対しては、指定可能な決済種別を非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済のみに制限することもできる。
【0072】
また、ポイントの付与倍率が通常よりも高い日には、ポイントの利用を推奨することなく、推奨の決済種別を推奨したが、これにかかわらず、他の条件を適宜に設定してもよい。例えば、ポイントの失効期限が迫っている場合には、付与倍率によらず、ポイントの利用を推奨してもよい。
【0073】
また、推奨の決済種別、ポイント利用の推奨メッセージ等は、顧客側入出力部12に表示させるようにしてもよい。これらの情報表示は、小計画面の一部領域に表示してもよいし、ポップアップで表示してもよい。
また、顧客側入出力部12から、顧客が決済種別を指定できるようになっていてもよい。この場合には、上述した処理において、店員が行った決済種別の指定を顧客が顧客側入出力部12を介して行う。
【0074】
また、決済種別推奨処理部によって推奨された決済種別が指定されたか、あるいは変更されたか、といった情報を含めて取引履歴データを蓄積することで、各決済種別の利用率や、顧客動向などの分析を行うことができる。
【0075】
なお、以上の本実施形態では、店員が商品の登録から会計までを行う形式の精算装置1の場合について説明したが、これにかかわらず、顧客自ら商品登録と精算を行うフルセルフ式、店員が登録機で商品登録をし、顧客が精算機で精算を行うセミセルフ式のいずれのPOS端末についても本発明は適用可能である。
【0076】
即ち、フルセルフ式の場合は、顧客がPOS端末の画面上で商品登録を行い、登録開始時には会員カードをスキャンまたは磁気カードを読み取らせるなどして、会員情報を提供する。すべての商品の登録が完了すると、決済種別を指定するボタンを表示する。この際、指定可能な決済種別を推奨の決済種別として指定しやすいようにボタンの態様を変えて表示するとよい。
【0077】
セミセルフ式のPOS端末の場合は、POS端末は相互に通信可能な登録機と精算機によって構成される。ここで、セミセルフ式のPOS端末における決済について、現金決済は、精算機側に設けられている釣銭釣札部15で支払いを行うことになる。
一方、非現金決済については、登録機と精算機の構成によって、後述のとおり処理は異なる。
【0078】
まず、登録装置の画面例を
図15により説明しておく。
登録装置の画面G102上には、合計金額を出す小計キーG21、精算用のお会計券を発行するお会計券発行ボタンG225、登録データの送信先の精算装置を指定する精算装置指定ボタンG226、G227、精算装置の釣銭残高を確認する釣銭残高ボタンG228、G229、会計キーG23、現金決済を指定する現計キーG24などが設けられている。
この例においても、タッチスクリーン上のキーは、任意に設定でき、そのサイズや位置を変えることができる。また、テンキーと同様のキーを配置することもできる。
【0079】
<登録機に決済端末2が接続すると共に印刷部16がある場合>
この場合には、店員が登録機で決済種別を指定して非現金決済を実行すると、顧客は精算機にまわる必要がない。
【0080】
<登録装置に決済端末2が接続する一方、印刷部16がない場合>
この場合には、店員が登録機で決済種別を指定して非現金決済を実行すると、顧客はレシートを受け取るためにのみ精算機へまわる。
【0081】
<精算機に決済端末2が接続する場合>
この場合には、決済種別の指定が登録機で行うパターンと精算機で行うパターンとがある。即ち、前者の場合には、顧客が精算機側にまわって決済種別を指定すると、これに応じて決済端末2が決済処理を実行する。後者の場合には、店員が登録機側で決済種別を指定し、精算機が当該指定された決済種別に係る情報と共に商品の登録データを受け取ると、これに応じて精算機に接続する決済端末2が決済処理を実行する。
【0082】
なお、現金決済の場合には、上述のとおり、精算機側に設けられている釣銭釣札部15で支払いを行うことになるが、ポイントや商品券の支払いについても、現金の取扱いがないのであれば、顧客は精算機にまわる必要がなく、追加入金や釣銭がある場合にのみ精算機にまわればよい。
また、決済端末2は登録機又は精算機のいずれかに接続し、決済端末2は、接続先の登録機又は精算機から決済額に係る情報を受信して、決済サーバ20に決済処理を要求する。
【0083】
ここで、フルセルフ式のPOS端末、あるいはセミセルフ式のPOS端末を構成する精算機において、顧客から決済種別の指定を受け付ける場合の画面例を
図16~
図18に示す。
図16は、特定の決済種別が推奨されていない場合の画面例を示しており、各種の決済種別を指定するための現金指定ボタンG71、クレジットカード指定ボタンG72、交通系IC指定ボタンG73、ポイント支払指定ボタンG74が同じ態様で設けられており、顧客又は店員は所望の決済種別を指定する。
なお、
図16中、お会計券の表示欄は、お会計券の使用時に表示され、その他の場合には表示されない。
【0084】
一方、
図17は、決済種別推奨処理部により、推奨の決済種別として非現金決済機能付き会員カード(クレジットカード)による決済が推奨された場合を示しており、推奨の決済種別を指定する操作子と、他の決済種別を指定する操作子の表示態様を変えた場合を示している。この例では、クレジットカードによる決済を指定するクレジットカード指定ボタンG72が、他の現金指定ボタンG71、交通系ICボタンG72、ポイント支払ボタンG73よりも大きく目立つ態様で表示されている。
また、この
図17の例では、推奨の非現金決済機能付き会員カードによる決済により、ポイントが優遇される旨のメッセージが表示され、当該非現金決済機能付き会員カードによる決済を顧客に勧めている。
【0085】
また、
図18は、非現金決済機能付き会員カード(クレジットカード)による決済が推奨の決済種別である場合に、当該クレジットカードによる決済を案内する場合を示している。この画面上では、クレジットカードによる決済以外の決済種別による決済は、決済種別の変更を要求する変更ボタンG75から変更して行うようになっている。
また、
図18の例では、非現金決済機能付き会員カード以外の決済ではポイントが付与されない旨のメッセージが表示され、当該非現金決済機能付き会員カードによる決済を顧客に勧めている。
なお、これらの
図17や
図18の例にかかわらず、非現金決済機能付き会員カードによる決済の実行を要求するボタンのみを設けるようにしたり、決済種別を指定するステップを省略し、非現金決済機能付き会員カードによる決済を実行する画面に遷移したりするようにしてもよい。
【0086】
また、以上により説明した本発明の実施形態に係る精算装置1について、ソフトウェア資源は適宜の設計によりいずれかのハードウェア資源に分散又は集約させることができるし、ハードウェア資源も物理的に一体をなす装置あるいは別体をなす装置として構成することもできる。これにより例えば、中央集権的な上位の装置やシステムが一元的に処理するように構成することもできる。また、精算装置1を登録装置と精算装置という別体の装置で構成し、所定の通信網を介して接続されて協働するように構成することもできる。
【0087】
なお、本発明の実施においては、会員情報に決済種別が関連づけて管理されていれば、非現金機能付き会員カードのように、会員カードと決済手段が一体型の情報媒体であってもよいし、会員の特定と決済手段が異なる媒体やアプリであってもよい。
例えば、コード決済の場合であれば、以下のように処理が実行される。即ち、精算装置1は、顧客端末上に表示された会員バーコードを読み取ると、顧客側入出力部12に「〇〇(コード決済)がお得です」と表示して顧客に案内を行い、店員側入出力部11では、決済種別を指定する画面で当該「〇〇(コード決済)」を他の決済種別と表示態様を変えて表示し、店員が容易に把握、選択できるようにする。なお、顧客側入出力部12においても、同様に表示態様を変えて当該「〇〇(コード決済)」を表示し、顧客が決済種別を指定できるようになっていてもよい。
そして、コード決済が指定された場合には、顧客は別途、顧客端末でコード決済のためのアプリを起動させて決済用のコードを表示させ、精算装置1は当該決済用のコードを読み取って決済を行う。なお、精算装置1側で表示、あるいはシールなどに印刷された決済用の二次元コードを、顧客の顧客端末のカメラで読み取って決済を行ってもよい。
決済が完了すると精算装置1に決済完了が通知され、精算装置1はこれに応じレシートを発行して操作を完了する。また、顧客端末には、メール等で決済店舗、取引金額等がメールで通知される。このように、会員の特定と決済手段が異なる媒体やアプリである場合にも、本発明の適用が可能である。
【0088】
また、以上の本実施形態においては、会員種別関連付けられた決済種別による決済を推奨したが、他の実施形態においては、上記した決済種別推奨処理部に代えて、所定の決済種別のみを指定可能に制限する制限処理部を設け、当該所定の決済種別による決済の利用促進を図ることもできる。以下では、そのような制限処理部を備えたPOS端末が実行する処理の一例を説明する。
なお、以下の例では、非現金決済機能付き会員カードによる決済を指定可能な決済種別としている。
また、商品の登録に係る処理フローは、上記した実施形態と同様である。
【0089】
図19に示されるように、顧客が会員である場合には、商品の登録処理と並行して、店員は顧客から会員カードを受け取り、媒体読取部14により会員カードを読み取る(S401、S402)。なお、会員カードの読み取りは、商品の登録前、登録中、精算時のいずれであってもよく、また会員を識別可能な情報は、会員カード上に印字等された情報から取得してもよい。
会員カードが読み取られると、特定処理部は、会員カードに格納されていた会員を識別可能な情報に基づき、顧客情報記憶部を参照して、会員カードの媒体種別を特定する(S403)。
なお、POS端末1は、会員顧客の情報を取得すると、会員顧客の情報やポイント残高を店員側入出力部11や顧客側入出力部12上に適宜、表示する。また、顧客が会員であると特定されるので、会員顧客向けの特別売価などを適用し、すでに登録済みの対象商品があった場合には、「会員特別価格が適用されました」などの報知を行う。
【0090】
会員カードが非現金決済機能付き会員カードであった場合には、決済額の算出を待って決済のための処理に移行する(S404、S405)。
ポイントの付与倍率が通常とは異なる日である場合には(S406)、
図20に示されるように、制限処理部により、非現金決済機能付き会員カードを使用した非現金決済のみが指定付可能な決済種別とされ、当該非現金決済機能付き会員カードを使用した非現金決済のみを指定可能に待機する(S501)。
なお、本実施形態におけるS406の処理において、ポイントの付与倍率が通常とは異なる日は、非現金決済機能付き会員カードの会員が当該非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済を行った場合に、ポイントの付与倍率が通常よりも高い日を意味する。通常とは異なる付与倍率は、所定の期間や曜日指定、あるいは毎月、5日、15日、25日といったように条件設定され、当該条件設定に係る情報を保持する所定のテーブル等を参照することで把握される。
【0091】
店員が複数の決済種別から所定の決済種別を指定すると(S502)、指定された決済種別が非現金決済機能付き会員カードを使用した非現金決済であった場合には、受付処理部によってかかる指定が受け付けられ、会計処理部により非現金決済機能付き会員カードを使用した非現金決済が実行される(S506)。
決済端末2が非現金決済機能付き会員カードに格納された情報を取得すると共に、POS端末1から提供された決済額に係る情報を決済サーバ20に送信する。決済サーバ20で非現金決済が実行されると、処理結果が決済端末2を介してPOS端末1に返される。
なお、決済端末2で処理しない現金決済やコード決済などが指定された場合には例えば、決済端末2は「カードをお取りください」といったメッセージと共に処理を中止する。
【0092】
一方、S502の処理において、指定可能な決済種別とは異なる決済種別が指定された場合には、POS端末1は当該指定された決済種別による決済を拒否すると共に、報知処理部により、指定可能な決済種別ではない旨のメッセージを店員側入出力部11に表示して、エラーを報知する(S503)。
【0093】
ここで、本実施形態では、エラーを報知しつつ、所定の要求操作を実行することにより、指定可能な決済種別の変更が受け付けられるようになっている。
店員により、決済種別を指定可能な決済種別から他の決済種別に変更する操作を受け付けた場合、本実施形態であれば非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済から現金決済に変更する操作を受け付けた場合には、決済種別を変更し(S505)、変更後の決済種別による決済処理が実行される(S506)。
決済種別が変更されない場合、例えば、店員が誤って、指定するはずの決済種別と異なる決済種別を指定してしまった場合には、再度、決済種別の指定を受け付ける。
【0094】
他方、S506の処理において、ポイントの付与倍率が通常の日である場合には、抽出処理部により顧客情報記憶部からポイント残高に係る情報が抽出され、ポイント利用推奨処理部は、店員側入出力部11に顧客のポイント残高を表示させてポイントの利用を推奨する(S507)。
【0095】
店員は、ポイント残高に係る情報を把握した上、顧客に対して適宜にポイントの利用を勧め、顧客から決済種別の希望を聞く。店員側入出力部11上では、複数の決済種別が指定可能に展開されており、店員が顧客の希望に応じた決済種別を指定すると、受付処理部は、当該決済種別の指定を受け付ける(S409)。そして、指定された決済種別に基づいた決済処理が実行される(S410)。
【0096】
また、S401において顧客が会員でなかった場合には、商品登録が完了すると(S408)、顧客の希望に応じた決済種別の指定が受け付けられ(S409)、指定された決済種別に基づいた決済処理が実行される(S410)。
【0097】
<付記>
本発明の一の観点に係る商品販売データ処理装置は、顧客の情報媒体に格納された情報に基づき、当該情報媒体の媒体種別を特定する特定処理手段と、複数の決済種別から、所定 の決済種別の指定を受け付ける受付処理手段と、前記媒体種別が非現金決済機能付き会員カードであった場合に、指定可能な前記決済種別を制限する制限処理手段と、を有する。
【0098】
また、前記決済種別について、非現金 決済以外の決済種別を指定できない旨を報知する報知処理手段、をさらに有し、前記制限処理手段は、前記媒体種別が非現金決済機能付き会員カードであった場合に、非現金決済以外の決済種別の指定を制限するものとしてもよい。
【0099】
また、前記制限処理手段はさらに、非現金決済による決済金額に応じたポイント付与の倍率が高く設定された所定の期間において、非現金決済以外の決済種別の指定を制限するものとしてもよい。
【0100】
また、所定の情報記憶部を参照して、前記顧客が保有するポイント残高に係る情報を抽出する抽出処理手段と、前記ポイント残高に応じて、ポイント利用を推奨する推奨処理手段と、を備えるものとしてもよい。
【0101】
また、複数の決済種別から、所定の決済種別の指定を受け付けるための操作子を表示する第一の表示処理手段と、指定が制限されている決済種別と、指定が制限されていない種別とを態様を変えて表示する第二の表示処理手段と、を備えるものとしてもよい。
【0102】
また、顧客の情報媒体に格納された情報に基づき、当該情報媒体の媒体種別を特定する特定処理手段と、複数の決済種別から、所定の決済種別の指定を受け付ける受付処理手段と、前記媒体種別が非現金決済機能付き会員カードであった場合に、前記所定の決済種別として現金決済の指定を禁止する禁止処理手段と、を有するものとしてもよい。
【0103】
また、前記非現金決済機能付き会員カードによる決済を実行する決済端末、と接続され、前記被現金決済機能付き会員カードによる決済が実行される場合に、前記決済端末に対して、決済額に係る情報を送信する第一の決済額情報送信手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0104】
また、商品の登録を行う登録機と、登録された商品の精算を行う精算機と、によって構成され、前記登録機は、前記精算機に対し、決済額に係る情報と共に、指定可能な前記決済種別に係る情報を送信する第二の決済額情報送信手段、を有するものとしてもよい。
【0105】
また、本発明の別の観点に係るコンピュータプログラムは、商品販売データ処理装置として機能するコンピュータに対し、顧客の情報媒体に格納された情報に基づき、当該情報媒体の媒体種別を特定する特定処理手段と、複数の決済種別から、所定の決済種別の指定を受け付ける受付処理と、前記媒体種別が非現金決済機能付き会員カードであった場合に、指定可能な前記決済種別を制限する制限処理と、を実行させる。
【0106】
●実施形態総括
本発明は、商品の会計時、所定の決済種別による決済を促す技術に関する。
【0107】
スーパーマーケットやドラッグストアなど会員カードやポイントカードにクレジット決済機能付カードやプリペイド機能付きカードなど発行し、会員獲得を行なっている。また、経営母体が経営する店舗やチェーン店でのみ利用可能なクレジット決済機能付きカード、所謂ハウスカードを発行している場合がある。店舗では釣銭準備金、釣銭釣札機の残高管理など現金を取扱う業務を削減したいという傾向もあり、非現金決済機能付き会員カードを利用客には、なるべく非現金での決済を推奨したい。こういった店舗やチェーン店では、クレジットカート、プリペイドカード、ハウスなど非現金決済の利用率を高めたいという要望がある。
【0108】
例えば、顧客が店舗においてカードを提示せずにカード決済が可能なハウスカード決済システムであって、クレジットカード会社のシステムと加盟店端末がネットワークで接続され、前記クレジットカード会社のシステムは、加盟店からの紹介を受けた顧客からのハウスカード発行依頼に基づいて、ハウスカードを前記加盟店に送付する手段を備え、前記加盟店端末は、所定の来店確認手段から前記顧客の来店確認を受けて店内に通知する常連客来店通知手段と、前記常連客来店通知手段によって前記顧客の来店が通知されたことを条件に、前記送付され、前記加盟店に保管された前記ハウスカードを用いて、前記顧客の支払いの請求を行う決済手段と、を備えるハウスカード決済システムが知られている(特許第578173号公報)。
【0109】
しかしながら、上記特許文献記載のシステムでは、顧客に対して直接的に、非現金決済機能付きカードの利用を訴求することができない。
【0110】
そこで本発明は、所定の決済種別による決済を促すことを目的の一つとする。
【0111】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る精算装置は、顧客が所持する情報媒体から該顧客の会員種別を特定する特定処理手段と 、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける受付処理手段と、前記特定処理手段により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する検出処理手段と、を備え、前記受付処理手段は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理手段で検出された決済種別と、他の決済種別とで態様を変えることを特徴とする。
【0112】
また、前記受付処理手段により前記他の決済種別の指定を受け付けた場合、前記検出処理手段で検出した決済種別での精算を推奨する第一の決済種別推奨手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0113】
また、前記検出処理手段により検出された決済種別での精算において、ポイント付与が優遇される期間である場合には、該検出された決済種別での精算を推奨する第二の決済種別推奨手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0114】
また、所定の情報記憶部を参照して、前記顧客が保有するポイント残高に係る情報を抽出する抽出処理手段と、前記受付処理手段により所定の決済種別の指定を受け付ける場合に、前記ポイント残高に応じて、ポイント利用を推奨するポイント利用推奨手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0115】
また、前記受付処理手段は、前記検出処理手段で検出された決済種別の指定を受け付けるための操作子と、前記他の決済種別の指定を受け付けるための操作子とを態様を変えて表示するものとしてもよい。
【0116】
また、本発明の別の観点に係る精算装置は、顧客が所持する情報媒体から該顧客の会員種別を特定する特定処理手段と、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける受付処理手段と、前記特定処理手段により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する検出処理手段と、を備え、前記受付処理手段は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理手段で検出された決済種別以外の決済種別の受け付けを禁止することを特徴とする。
【0117】
また、本発明の別の観点に係るプログラムは、精算装置として機能するコンピュータに対し、顧客が所持する情報媒体から該顧客の会員種別を特定する特定処理と、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける受付処理と、前記特定処理により特定された会員種別に関連付けられた決済種別を検出する検出処理と、を実行させ、前記受付処理は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理で検出された決済種別と、他の決済種別とで態様を変える。
【0118】
また、本発明の別の観点に係るサーバ装置用プログラムは、接続可能に構成された所定の端末上で一部または全部の機能を実行させるサーバ装置が実行するプログラムであって、前記サーバ装置が前記所定の端末に対し、前記所定の端末からのアクセスに応じて、情報媒体の読取装置から取得した情報から会員種別を特定する特定処理と、前記特定処理で特定した会員種別に関連づけられている決済種別を検出する検出処理と、を実行させ、前記受付処理は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理で検出された決済種別と、他の決済種別とで態様を変える。
【0119】
また、本発明の別の観点に係る精算方法は、接続可能に構成された所定の端末上で一部または全部の機能を実行させるサーバ装置によって実行される方法であって、前記サーバ装置が、前記所定の端末からのアクセスに応じて、情報媒体の読取装置から取得した情報から会員種別を特定する特定処理と、前記特定処理で特定した会員種別に関連づけられている決済種別を検出する検出処理と、を実行し、前記受付処理は、前記顧客が所望する決済種別の指定を受け付ける場合において、前記検出処理で検出された決済種別と、他の決済種別とで態様を変えることを特徴とする。
【0120】
本発明によれば、所定の決済種別による決済を促すことができるので、非現金決済機能付き会員カードによる非現金決済の利用率を高めることができる。この結果、非現金決済機能付き会員カードを保有する会員には、お得に買い物してもらえるので、顧客を囲い込むことができる。また、店舗としても、非現金決済の利用率が増えることで、店内での現金管理の負荷を軽減できるし、商品販売データ処理装置での現金決済が低減すると総じて通過率がアップし、レジ待ちの待機列の発生を抑制することも期待できる。
また、非現金決済機能付き会員カードを保有する顧客であっても、ポイントの利用に適するタイミングである、ポイントの付与倍率が通常の日である場合には、適宜にポイント利用を勧めることができる。
また、本発明は、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア等、様々な小売店に導入できる。
【符号の説明】
【0121】
1 :精算装置
11 :店員側入出力部
12 :顧客側入出力部
13 :商品読取部
14 :媒体読取部
15 :釣銭釣札部
16 :印刷部
100 :制御部
104 :インターフェース回路
2 :決済端末
20 :決済サーバ