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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】空気ばね式機械要素と免震装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20241009BHJP
   F16F 9/02 20060101ALI20241009BHJP
   F16F 9/48 20060101ALI20241009BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
F16F15/02 Z
F16F9/02
F16F9/48
E04H9/02 331Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021026695
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022128262
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】391039494
【氏名又は名称】株式会社エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】早川 政光
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-321874(JP,A)
【文献】特開平04-175530(JP,A)
【文献】特開2011-069393(JP,A)
【文献】特開昭61-082031(JP,A)
【文献】特開平05-213194(JP,A)
【文献】特許第5082044(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/02
F16F 9/02
F16F 9/48
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる空気ばね式機械要素であって、
気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系とを、
備え、
前記空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力の大きさと荷重付加側ばね力の大きさとに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用している際に、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を前記荷重付加側空気ばね構造に連続して適用する、
ことを特徴とする空気ばね式機械要素。
【請求項2】
支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる空気ばね式機械要素であって、
気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系とを、
備え、
前記空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力の大きさと荷重付加側ばね力の大きさとに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用している際に、
前記空気ばね圧力一定機能を前記荷重付加側空気ばね構造に連続して適用する、
ことを特徴とする空気ばね式機械要素。
【請求項3】
支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる空気ばね式機械要素であって、
気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系とを、
備え、
前記空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力の大きさと荷重付加側ばね力の大きさとに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用している際に、
前記空気ばね気体密閉機能を前記荷重付加側空気ばね構造に連続して適用する、
ことを特徴とする空気ばね式機械要素。
【請求項4】
支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる空気ばね式機械要素であって、
気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系とを、
備え、
前記空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力の大きさと荷重付加側ばね力の大きさとに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用している際に、
前記空気ばね大気導通機能を前記荷重付加側空気ばね構造に連続して適用する、
ことを特徴とする空気ばね式機械要素。
【請求項5】
基礎に支持され対象物を支持する免震装置であって、
下から上方向に重なる複数の架台であって基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台と、
前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である上下方向ばね要素と、
を備え、
前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを、
有し、
ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
第一支持力が対象物を支える、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を前記上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする際に、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を連続して前記上下方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に適用する、
ことを特徴とする免震装置。
【請求項6】
前記リンク機構に前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成され、
前記水平可動部の水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向の主ばね力である水平方向ばね力を前記水平可動部に位置する作用点に作用させ前記連結部材を介して前記水平方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第二支持力を作用させる空気ばね式機械要素である水平方向ばね要素と、
を備え、
第一支持力と第二支持力との合力が対象物を支える、
ことを特徴とする請求項5に記載の免震装置。
【請求項7】
前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする際に、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素及び前記水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に連続して適用する、
ことを特徴とする請求項6に記載の免震装置。
【請求項8】
前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする際に、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系のもつ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に連続して適用する、
ことを特徴とする請求項6に記載の免震装置。
【請求項9】
前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする際に、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系のもつ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に連続して適用する、
ことを特徴とする請求項6に記載の免震装置。
【請求項10】
所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に連続して適用する第二手順とを、順に繰り返す、
ことを特徴とする請求項7に記載の免震装置。
【請求項11】
所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に連続して適用する第二手順とを、順に繰り返す、
ことを特徴とする請求項7に記載の免震装置。
【請求項12】
所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に連続して適用する第二手順とを、順に繰り返す、
ことを特徴とする請求項7に記載の免震装置。
【請求項13】
基礎に支持され対象物を支持する免震装置であって、
下から上方向に重なる複数の架台であって基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台と、
前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である上下方向ばね要素と、
前記リンク機構に前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成され、
前記水平可動部の水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向の主ばね力である水平方向ばね力を前記水平可動部に位置する作用点に作用させ前記連結部材を介して前記水平方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第二支持力を作用させる空気ばね式機械要素である水平方向ばね要素と、
を備え、
第一支持力と第二支持力との合力が対象物を支え、
前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とを、
有し、
ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素及び前記水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用し、
所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返し、
前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値である、
ことを特徴とする免震装置。
【請求項14】
基礎に支持され対象物を支持する免震装置であって、
下から上方向に重なる複数の架台であって基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台と、
前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である上下方向ばね要素と、
前記リンク機構に前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成され、
前記水平可動部の水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向の主ばね力である水平方向ばね力を前記水平可動部に位置する作用点に作用させ前記連結部材を介して前記水平方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第二支持力を作用させる空気ばね式機械要素である水平方向ばね要素と、
を備え、
第一支持力と第二支持力との合力が対象物を支え、
前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とを、
有し、
ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素及び前記水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用し、
所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返し、
前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える値であり、
ここで、前記空気ばね制御系の空気ばね気体出し入れ機能の制御時定数は前記空気ばね構造が最も縮んで前記相対距離が最小である状態から、前記空気ばね構造に空気を入れ始めて(前記所定距離-最小相対距離)の63%に達するまでの時間であり、
ここで、最小相対距離は相対距離の最小値である、
ことを特徴とする免震装置
【請求項15】
基礎に支持され対象物を支持する免震装置であって、
下から上方向に重なる複数の架台であって基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台と、
前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である上下方向ばね要素と、
前記リンク機構に前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成され、
前記水平可動部の水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向の主ばね力である水平方向ばね力を前記水平可動部に位置する作用点に作用させ前記連結部材を介して前記水平方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第二支持力を作用させる空気ばね式機械要素である水平方向ばね要素と、
を備え、
第一支持力と第二支持力との合力が対象物を支え、
前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とを、
有し、
ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致し、
前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、
前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、
前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素及び前記水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用し、
所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返し、
前記空気ばね制御系の制御時定数が3秒を超える値である、
ことを特徴とする免震装置。
【請求項16】
基礎に支持され対象物を支持する免震装置であって、
下から上方向に重なる複数の架台であって基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台と、
前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である上下方向ばね要素と、
を備え、
前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、
ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、
主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化し、
前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、
第一支持力が対象物を支え、
前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能を持ち、
地震が発生しないとき、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に連続して適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、
地震が発生したとき、前記空気ばね気体密閉機能を全ての前記空気ばね構造に連続して適用する、
ことを特徴とする免震装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主ばね力を作用させる空気ばね式機械要素とそれを利用した免震装置に係る。特に、本発明は、空気ばね式機械要素を採用した上下方向ばね要素または水平方向ばね要素を組み合わせた構造に特徴のある免震装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震が発生すると、家屋や構造物や自動販売機や家具や棚や製造設備が水平、垂直にゆすられる。
また、移動体の中に設けられた構造物や自動販売機や家具や棚や製造設備が、移動体の移動中に、水平、垂直にゆすられる。
また、日常の僅かな揺れを嫌う製造設備が、地盤から僅かな加速度でゆすられる。
これらの家屋や構造物や自動販売機や家具や棚や製造設備や美術品、その他を対象物と呼称する。
直下型地震等による垂直加速度が大きかったり、垂直にゆすられる時間が長かったり、許容する加速度が小さいとき、被支持体が損傷したり、対象物が支持するものが転倒したり、損傷したりする。また、製造設備が所要の性能を発揮できない。
【0003】
この様な免震装置を設計する際には、必要な免震特性を実現できる様に免震装置を構成する要素の諸元を選択する。
空気ばねを免震装置を構成する機械要素として使用することが考えられる。
空気ばねは、圧縮気体の弾性力を利用したばね装置である。
空気ばねには、ピストン式空気ばね、じゃばら式空気ばねがある。
空気ばねは、設定高さに対する圧縮・伸長によるストローク変化に対して、有効面積の変化と圧力の変化によりばね力を出力するばね特性がえられる。
ピストン式空気ばねでは、有効面積の変化はない。
空気ばねを単体で使用する場合、空気ばねの空気室に充満する気体の動的なポリトロピック指数の影響で圧縮・伸長端でばね特性が非線形になる。
例えば、免震装置に空気ばねを使用する時に、動的なポリトロピック特性に注意しなければならない。
考案者は、複数の空気ばねを組み合わせて使用すると空気ばねの伸縮・伸長による有効面積の変化や圧力の変化が相殺するように作用し、複数の空気ばねの合成されたばね特性は線形にちかい特性がえられることに着想した。
また、空気ばねの空気室に気体を出し入れすることで、ばねストロークを変化させることができる。
さらに、空気ばねを単体で使用する場合に比べ、直列に組み合わせた複数の空気ばねのばね定数を足しあわせたばねが得られる。
【0004】
免震したい揺れは、揺れの種類に応じて所定の周期成分をもつ。
一般的に、地震による加速度は0.1秒から1秒の最大周期成分をもつ。
0.1秒から1秒の最大周期成分をもつ加速度に対応するためには、免震装置は、それに対応できる周期成分をもつ必要がある。ばね定数は小さいと周期が大きくなり、ばね定数が大きくなると周期が小さくなる。
ばね定数が小さくする場合、対象物の質量が微小変化したときに、免震装置の対象物を支える高さが変化する。
また、免震装置に支持される対象物に上下方向の加速度が生じると、対象物の慣性力により免震装置の高さが変化する。
発明者は、これらの現象を考慮し、空気ばね式機械要素とそれを採用して上下方向の安定性を強化した免震装置を提供しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、空気ばね式機械要素と基礎に支持され対象物を支持する免震装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の実施形態にかかる支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる空気ばね式機械要素を、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とを、備え、前記空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿って作用点にばね力を発生させる構造であり、
前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力の大きさと荷重付加側ばね力の大きさとに対応して変化し、前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力である、ものとした。
【0007】
上記本発明の構成により、荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とが、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる。前記空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造である。前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結される。主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力の大きさと荷重付加側ばね力の大きさとに対応して変化する。前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力である。前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力である。
その結果、連結された1対の空気ばね構造を伸縮させると、1対の空気ばね構造の非線形なばね特性が相殺しあって、一体として安定したばね特性をもつ主ばね力を出力できる。
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0009】
本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素は、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、主ばね力が、主ばね力の向きと前記荷重支持側ばね力の向きとが同じであり、主ばね力の向きと前記荷重付加側ばね力の向きとが反対であり、前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致する。
上記の実施形態の構成により、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結される。主ばね力が、主ばね力の向きと前記荷重支持側ばね力の向きとが同じであり、主ばね力の向きと前記荷重付加側ばね力の向きとが反対であり、前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致する。
その結果、特定方向に沿って並ぶ1対の前記空気ばね構造が一体として主ばね力を作用点に作用させることができる。
【0010】
本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素は、前記荷重支持側空気ばね構造と、前記荷重付加側空気ばね構造と、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系と、を備え、前記空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用し、前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
上記の実施形態の構成により、空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる。前記空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、又は前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用する。前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
その結果、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
【0011】
本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素は、前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空気ばね構造と、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系と、を備え、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用し、前記空気ばね圧力一定機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
上記の実施形態の構成により、空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用し、前記空気ばね圧力一定機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
その結果、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
【0012】
本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素は、前記荷重支持側空気ばね構造と、前記荷重付加側空気ばね構造と、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系と、を備え、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用し、前記空気ばね気体密閉機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
上記の実施形態の構成により、空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用する。前記空気ばね気体密閉機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
その結果、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
【0013】
本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素は、前記荷重支持側空気ばね構造と、前記荷重付加側空気ばね構造と、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる空気ばね制御系と、を備え、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用し、前記空気ばね大気導通機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
上記の実施形態の構成により、空気ばね制御系が、前記空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を前記荷重支持側空気ばね構造に適用する。前記空気ばね大気導通機能を前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
その結果、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の実施形態に係る基礎に支持され対象物を支持する免震装置を、下から上方向に重なる複数の架台であって基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台と、前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ、直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である上下方向ばね要素と、を備え、前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重支持側空気ばね構造と荷重付加側空気ばね構造とを、有し、ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造であり、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化し、前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力であり、ものとした。
【0015】
上記本発明の構成により、基礎に支持される下架台と対象物を支持する単数または多段に重なる複数の上架台とが、下から上方向に重なる複数の架台である。連結部材が、前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する。上下方向ばね要素が、前記相対距離の変化に対応して変化する上方向の主ばね力である上方向ばね力を上架台に位置する作用点に作用させ、直接にまたは前記連結部材を介して前記上方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させる空気ばね式機械要素である。前記空気ばね式機械要素が、支持点を支えとして作用点に主ばね力を作用させる機械要素であって、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる荷重支持側空気ばね構造と荷重付加側空空気ばね構造とを、有する。ここで、空気ばね構造は気体を充満させた空気室の一方の方向に沿って長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造である。前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結される。主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力とに対応して変化する。前記荷重付加側ばね力は前記荷重付加側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力である。前記荷重支持側ばね力は前記荷重支持側空気ばね構造が支持点を支えとして作用点に作用させるばね力である。
その結果、空気ばね式機械要素が作用させる主ばね力により直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係る免震装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0017】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで前記荷重付加側ばね力の向きと反対であり、主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致する。
上記の実施形態の構成により、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結される。主ばね力の向きが前記荷重支持側ばね力の向きと同じで主ばね力の向きが前記荷重付加側ばね力の向きと反対である。主ばね力が前記荷重支持側ばね力と前記荷重付加側ばね力との合力に一致する。
その結果、特定方向に沿って並ぶ1対の前記空気ばね構造が一体として出力した主ばね力により直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
【0018】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を前記上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を前記上下方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
上記の実施形態の構成により、空気ばね制御系が、前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を前記上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を前記上下方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に適用する。
その結果、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
【0019】
本発明の実施形態に係る免震装置は、連結部材が、前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有し、該リンク機構に前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成され、前記水平可動部の水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向の主ばね力である水平方向ばね力を前記水平可動部に位置する作用点に作用させ前記連結部材を介して前記水平方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第二支持力を作用させる空気ばね式機械要素である水平方向ばね要素と、を備え、第一支持力と第二支持力との合力が対象物を支える。
上記の実施形態の構成により、連結部材が、前記下架台と前記上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有し、該リンク機構に前記下架台と前記上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成される。水平方向ばね要素が、前記水平可動部の水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向の主ばね力である水平方向ばね力を前記水平可動部に位置する作用点に作用させ前記連結部材を介して前記水平方向ばね力により上架台に支持される対象物に上方向の第二支持力を作用させる空気ばね式機械要素である。前記水平方向ばね要素の作用点が水平可動部に位置する。第一支持力と第二支持力との合力が対象物を支える。
その結果、上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素が各々の作用点に作用させる主ばね力により直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の支持力を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安全性を維持できる。
【0020】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用する。
上記の実施形態の構成により、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有する。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と、前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用する。
その結果、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
【0021】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持ち、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系のもつ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用する。
上記の実施形態の構成により、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有する。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系のもつ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用する。
その結果、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
【0022】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有し、前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系のもつ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用する。
上記の実施形態の構成により、前記空気ばね式機械要素が前記荷重支持側空気ばね構造と前記荷重付加側空空気ばね構造と前記空気ばね構造の空気室に出し入れする気体を制御できる空気ばね制御系とを有する。前記空気ばね制御系が前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする空気ばね気体出し入れ機能と前記空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。前記空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。前記空気ばね圧力一定機能、前記空気ばね気体密閉機能、または前記空気ばね大気導通機能のうちの前記空気ばね制御系のもつ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造に各々に適用する。
その結果、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
【0023】
本発明の実施形態に係る免震装置は、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す。
上記の実施形態の構成により、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す。
その結果、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
【0024】
本発明の実施形態に係る免震装置は、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す。
上記の実施形態の構成により、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す。
その結果、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
【0025】
本発明の実施形態に係る免震装置は、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す。
上記の実施形態の構成により、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す。
その結果、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
【0026】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値である。
上記の実施形態の構成により、前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値である。
その結果、前記空気ばね気体出し入れ機能が空気ばね構造の空気室に気体を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
【0027】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える値であり、ここで、前記空気ばね制御系の空気ばね気体出し入れ機能の制御時定数は前記空気ばね構造が最も縮んで前記相対距離が最小である状態から前記空気ばね構造に空気を入れ始めて前記離間距離が(前記所定距離-最小相対距離)の63%に達するまでの時間であり、ここで、最小相対距離は相対距離の最小値である。
上記の実施形態の構成により、前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える値である。ここで、前記空気ばね制御系の空気ばね気体出し入れ機能の制御時定数は前記空気ばね構造が最も縮んで前記相対距離が最小である状態から前記空気ばね構造に空気を入れ始めて前記離間距離が(前記所定距離-最小相対距離)の63%に達するまでの時間であり。ここで、最小相対距離は相対距離の最小値である。
その結果、前記空気ばね制御系が空気ばねの空気を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
【0028】
本発明の実施形態に係る免震装置は、前記空気ばね制御系の制御時定数が3秒を超える値である。
上記の実施形態の構成により、前記空気ばね制御系の制御時定数が3秒を超える値である。
その結果、略3秒×1/3=1秒を超える周期の加速度を持つ地震発生したときに前記空気ばね制御系が空気ばねの空気を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
【0029】
本発明の実施形態に係る免震装置は、地震が発生したとき、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する。
上記の実施形態の構成により、地震が発生したとき、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する。
その結果、空気ばね機構のばね特性を安定させ垂直加速度を免震できる免震装置の地震時の応答性を維持できる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明に係る空気ばね式機械要素は、その構成により、以下の効果を有する。
気体を充満させた空気室の特定方向の長さを変化させて空気室の容積を変化させて特定方向に沿ってばね力を出力する1対の空気ばね構造である荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とを、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室と前記荷重支持側空気ばね構造の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に前記荷重付加側空気ばね構造と前記荷重支持側空気ばね構造とが連結され、主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力の大きさが小さくなると大きくなる様に、前記荷重支持側ばね力の大きさと前記荷重付加側ばね力の大きさに対応して変化する様にしたので、連結された1対の空気ばね構造を伸縮させると、1対の空気ばね構造の非線形なばね特性が相殺しあって、一体として略線形なばね特性をもつ主ばね力を出力できる。
また、1対の前記空気ばね構造の空気室が特定方向に沿って並び、一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に連結され、主ばね力が、主ばね力の向きと前記荷重支持側ばね力の向きとが同じであり、主ばね力の向きと前記荷重付加側ばね力の向きとが反対であり、荷重支持側ばね力と荷重付加側ばね力との合力に一致する様にしたので、特定方向に沿って並ぶ1対の前記空気ばね構造が一体として主ばね力を作用点に作用させることができる。
また、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
また、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を圧力一定、にする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
また、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を密閉にする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する。
また、前記空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を大気導通にする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れすることにより前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する
【0031】
以上説明したように、本発明に係る免震装置の運用方法は、その構成により、以下の効果を有する。
下架台と上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材と、上架台に相対距離に対応して変化する上方向ばね力を作用する上下方向ばね要素とを有し、直接または連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の支持力を作用させる免震装置において、上下方向ばね要素に空気ばね式機械要素を採用する様にしたので、空気ばね式機械要素が作用させる主ばね力により、直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、1対の前記空気ばね構造の空気室が特定方向に沿って並び、一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に連結され、主ばね力が、前記荷重支持側空気ばね構造が作用点に作用させる荷重支持側ばね力と前記荷重付加側空気ばね構造が作用点に作用させる荷重付加側ばね力との合力に一致する様にしたので、特定方向に沿って並ぶ1対の前記空気ばね構造が一体として出力した主ばね力により、直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の第一支持力を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れして前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、下架台と上架台とに回動可能に連結されるリンク機構に下架台と上架台の上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部を形成される連結部材と、上架台に相対距離に対応して変化する上方向ばね力を作用する上下方向ばね要素と水平可動部に相対変位に対応して変化する水平方向ばね力を作用させる水平方向ばね要素とで構成される免震装置において、上下方向ばね要素と水平方向ばね要素に空気ばね式機械要素を採用する様にしたので、上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素が各々の作用点に作用させる主ばね力により、直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物に上方向の支持力を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安全性を維持できる。
また、上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れして前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、上下方向ばね要素及び前記上下方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れして前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造の空気室に気体を出し入れして前記荷重支持側空気ばね構造が伸縮して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造と上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重付加側空気ばね構造の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、所定のタイミングで、前記空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素及び水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造に適用して前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す様にしたので、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
また、所定のタイミングで上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造への空気の出し入れをして前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造への空気の出し入れを停止して空気ばねの空気を閉じ込める手順とを繰り返す様にしたので、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
また、所定のタイミングで水平方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造への空気の出し入れをして前記相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と上下方向ばね要素の前記荷重支持側空気ばね構造への空気の出し入れを停止して空気ばねの空気を閉じ込める手順とを繰り返す様にしたので、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
また、前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値である様にしたので、前記空気ばね気体出し入れ機能が空気ばね構造の空気室に気体を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
また、前記空気ばね制御系の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える様にしたので、前記空気ばね制御系が空気ばねの空気を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
また、前記空気ばね制御系の制御時定数が3秒を超える値である様にしたので、略3秒×1/3=1秒を超える周期の加速度を持つ地震発生したときに前記空気ばね制御系が空気ばねの空気を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
また、地震が発生したとき、前記空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する様にしたので、空気ばね機構のばね特性を安定させ垂直加速度を免震できる免震装置の地震時の応答性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素の概念図その1である。
図2】本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素の概念図その2である。
図3】本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素の作用説明図その1である。
図4】本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素の作用説明図その2である。
図5】本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素の作用説明図その3である。
図6】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その1である。
図7】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その2である。
図8】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その3である。
図9】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その4である。
図10】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その5である。
図11】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その6である。
図12】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その7である。
図13】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その8である。
図14】本発明の実施形態に係る免震装置の概念図その9である。
図15】本発明の実施形態に係る免震装置の作用説明図その1である。
図16】本発明の実施形態に係る免震装置の作用説明図その2である。
図17】本発明の実施形態に係る免震装置の作用説明図その3である。
図18】本発明の実施形態に係る免震装置の作用説明図その4である。
図19】本発明の実施形態に係る免震装置の性能特性図である。
図20】本発明の実施形態に係る免震装置の運用図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を、図を基に、説明する。
最初に、本発明の実施形態にかかる空気ばね式機械要素を、説明する。
本発明の実施形態にかかる空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を支えとして作用点S2に主ばね力Oを作用させる機械要素である。
主ばね力Oは、大きさと向きを持つ。
主ばね力Oは、支持点S1と作用点S2との離間距離の変化に応じて大きさを変化させる力である。
【0034】
本発明の実施形態にかかる空気ばね式機械要素Kは、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とで構成される。
本発明の実施形態にかかる空気ばね式機械要素Kは、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20と空気ばね制御系30とで構成されてもよい。
【0035】
荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とは、気体を入れられる空気室を各々にもつ1対の空気ばね構造であって一方の空気ばね構造の空気室の容積が大きくなると他方の空気ばね構造の空気室の容積が小さくなる構造である。
空気ばね構造は、気体を充満させた空気室の一方の方向の長さを変化させて空気室の容積を変化させ一方の方向に沿ってばね力を発生させる構造である。
荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とは、一体構造であってもよい。
荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とは、別体構造であってもよい。
荷重付加側ばね力Q1は、荷重付加側空気ばね構造10が支持点S1を支えとして作用点S2に作用させるばね力である。
荷重付加側ばね力Q1は、大きさと向きを持つ。
荷重付加側ばね力Q1の大きさは、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の荷重付加側面積A1に荷重付加側圧力P1を乗じた値である。
荷重支持側ばね力Q2は、荷重支持側空気ばね構造20が支持点S1を支えとして作用点S2に作用させるばね力である。
荷重支持側ばね力Q2は、大きさと向きを持つ。
荷重支持側ばね力Q2の大きさは、荷重支持側空気ばね構造20の空気室の荷重支持側面積A2に荷重支持側圧力P2を乗じた値である。
【0036】
荷重付加側空気ばね構造10の空気室と荷重支持側空気ばね構造20の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが連結される。
主ばね力Oの大きさが、荷重支持側ばね力Q2の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力Q2の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力Q1の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力Q1の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力Q2と荷重付加側ばね力Q1とに対応して変化する。
【0037】
荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが直列にならんでもよい。
図1(B)に、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが直列にならぶ様子が示される。
例えば、荷重付加側空気ばね構造10の空気室と荷重支持側空気ばね構造20の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが連結される。
主ばね力Oの向きが荷重支持側ばね力Q2の向きと同じで荷重付加側ばね力Q1の向きと反対である。
主ばね力Oが荷重支持側ばね力Q2と荷重付加側ばね力Q1との合力に一致する。
【0038】
荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが並列にならんでもよい。
図1(C)に、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが並列にならぶ様子が示される。
例えば、荷重付加側空気ばね構造10の空気室と荷重支持側空気ばね構造20の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に荷重付加側空気ばね構造と荷重支持側空気ばね構造とが連結される。
例えば、主ばね力Oの向きが、荷重支持側ばね力Q2の向きと反対で、荷重付加側ばね力Q1の向きと同じである。
例えば、主ばね力Oの向きが、荷重支持側ばね力Q2の向きと同じで、荷重付加側ばね力Q1の向きと反対である。
図1(C)に、主ばね力Oの向きが、荷重支持側ばね力Q2のてこの原理で反転して作用する向きと同じで、荷重付加側ばね力Q1の向きと反対である様子が示される。
主ばね力Oの大きさが、荷重支持側ばね力Q2の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力Q2の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力Q1の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力Q1の大きさが小さくなると大きくなる様に、連結される構造に応じて荷重支持側ばね力Q2の大きさと荷重付加側ばね力Q1の大きさとに対応して変化する。
【0039】
図1(B)(C)、図2(A)(B)に、荷重付加側空気ばね構造10の空気室と荷重支持側空気ばね構造20の空気室とが特定方向に沿って並び一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが連結されている様子が示される。
図1(B)(C)、図2(B)に、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とは、別体構造である様子が示される。
図2(A)に、荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とは、一体構造である様子が示される。
図1図2には、空気ばね構造がシリンダー構造であるように模式的に示されるが、ジャバラ構造であってもよい。
図1(B)、図2(B)に、別体構造の荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20の外部構造が、支持点S1を支えにして、荷重付加側ばね力Q1と荷重支持側ばね力Q2を伝達するロッドを伝わって作用点S2に主ばね力Oを作用させる様子が示される。
図2(A)に、一体構造の荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20の外部構造が、支持点S1を支えにして、荷重付加側ばね力Q1と荷重支持側ばね力Q2を伝達するロッドを伝わって作用点S2に主ばね力Oを作用させる様子が示される。
図1(A)のグラフに、空気ばね式機械要素が伸縮したときに、支持点S1を支えとして作用点S2に作用する主ばね力Oと、荷重付加側ばね力Q1と荷重支持側ばね力Q2の変化の関係が示される。
荷重付加側ばね力Q1と荷重支持側ばね力Q2とは、空気ばねの空気室に充満する気体の動的なポリトロピック指数の影響で圧縮・伸長端でばね特性が非線形になる。
荷重付加側ばね力Q1と荷重支持側ばね力Q2との非線形なばね特性が相殺しあって、主ばね力Oの特性が線形に近くなる。
【0040】
空気ばね制御系30は、空気ばね構造の空気室の空気の出入りを制御できる系である。
空気ばね制御系30は、空気ばね気体出し入れ機能と、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。
空気ばね制御系30は、空気ばね気体出し入れ機能を持つ。
空気ばね気体出し入れ機能は、空気ばね構造の空気室の気体を出し入れする機能である。
例えば、空気ばね制御系30は、サーボ弁33を使用して空気ばね気体出し入れ機能を実現する。
空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能を持つ。
例えば、空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能を持つ。
例えば、空気ばね制御系30は、空気ばね気体密閉機能を持つ。
例えば、空気ばね制御系30は、空気ばね大気導通機能を持つ。
空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能のうちのひとつの機能を選択できてもよい。
例えば、コントローラ40が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能のなかから1つの機能を選択する。
空気ばね圧力一定機能は、空気ばね構造の空気室の気体の圧力を一定にできる機能である。
例えば、空気ばね制御系30は、通気ポートへつながるリリーフ弁34を作動させて空気ばね圧力一定機能を実現する。
空気ばね気体密閉機能は、空気ばね構造の空気室の気体を密閉できる機能である。
例えば、空気ばね制御系30は、通気ポートへつながるラインを閉止して空気ばね気体密閉機能を実現する。
通気ポートは、空気ばね構造の空気室に気体を出し入れするポートである。
空気ばね大気導通機能は、空気ばね構造の空気室の気体を通気ポートを通じて大気に導通する機能である。
例えば、空気ばね制御系30は、通気ポートへつながるラインを大気に解放して空気ばね気体密閉機能を実現する。
空気ばね制御系30は、空気源と空気ばね構造の空気室とを導通するラインの途中に流量制御弁38を持っていてもよい。
【0041】
空気ばね制御系30は、空気ばね気体出し入れ機能を空気ばね構造に適用する。
【0042】
空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能のうちの2つの機能を持っていてもよい。
空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能のうちの2つの機能を切り替えて、空気ばね構造に適用してもよい。
【0043】
空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能の3つの機能を持っていてもよい。
空気ばね気体出し入れ機能と、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、又は空気ばね大気導通機能の3つの機能を切り替えて空気ばね構造に適用する。
【0044】
空気ばね制御系30は、空気ばね気体出し入れ機能を荷重支持側空気ばね構造20に適用してもよい。
空気ばね制御系30は、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系の持つ機能を荷重付加側空気ばね構造10に適用してもよい。
【0045】
以下、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と空気ばね圧力一定機能とを持つ場合を、図を基に、説明する。
図3には、空気ばね制御系30が空気源31とライン32とサーボ弁33とリリーフ弁34とで構成される様子が示される。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を荷重支持側空気ばね構造20に適用し、空気ばね圧力一定機能を荷重付加側空気ばね構造10に適用する。
空気源31の気体が、ライン32に導かれサーボ弁33を経由して荷重支持側空気ばね構造20の空気室に導入される。
サーボ弁33が作動して気体を荷重支持側空気ばね構造20の空気室に出し入れさせる。
空気源31の気体が、ライン32に導かれリリーフ弁34を経由して荷重付加側空気ばね構造10の空気室に導入される。
リリーフ弁34が作動して荷重付加側空気ばね構造10の空気室の圧力を設定された一定の圧力にする。
【0046】
以下、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と空気ばね気体密閉機能とを持つ場合を、図を基に、説明する。
図4には、空気ばね制御系30が、空気源31とライン32とサーボ弁33とライン閉止弁35とで構成される様子がしめされる。
空気ばね制御系30が、空気源31とライン32とサーボ弁33とリリーフ弁34とライン閉止弁35とで構成されてもよい。
図4には、二点破線で囲ったリリーフ弁34が示される。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を荷重支持側空気ばね構造20に適用し、空気ばね気体密閉機能を荷重付加側空気ばね構造10に適用する。
図4中、ライン閉止弁35は、黒塗りにより閉止された弁を模式的に示される。
サーボ弁33が作動して気体を荷重支持側空気ばね構造20の空気室に出し入れさせる。
例えば、空気源31の気体が、ライン32に導かれリリーフ弁34を経由して荷重付加側空気ばね構造10の空気室に導入される。
コントローラ40の制御によりライン閉止弁35が閉止されると、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を密閉できる。
【0047】
以下、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と空気ばね大気導通機能を持つ場合を、図を基に、説明する。
図5には、空気ばね制御系30が空気源31とライン32とサーボ弁33と大気解放弁36と大気解放ライン37とで構成される様子が示される。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を荷重支持側空気ばね構造20に適用し、空気ばね大気導通機能を荷重付加側空気ばね構造10に適用する。
サーボ弁33が作動して気体を荷重支持側空気ばね構造20の空気室に出し入れさせる。
コントローラ40の制御により大気解放弁36が開くと、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体が、通気ポートに導通する大気解放ライン37に導かれ大気解放弁36を経由して大気に導通される。
【0048】
次に、本発明の実施にかかる免震装置を、説明する。
本発明の実施にかかる免震装置は、本発明の実施形態にかかる空気ばね式機械要素Kをアクチエータとして用いる免震装置である。
後述する上下方向ばね要素400または水平方向ばね要素500が空気ばね式機械要素Kで構成される。
【0049】
本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と単数または多段に重なる上架台と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成される。
本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と単数の上架台と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成されてもよい。
本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と多段に重なる上架台と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成されてもよい。
例えば、本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と第一上架台101と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成される。
例えば、本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成される。
例えば、本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と第三上架台と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成される。
例えば、本発明の実施形態にかかる免震装置は、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と第三上架台と・・・・第(N-1)上架台と第N上架台と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成される。
【0050】
下架台100とN(N=1、・・・)個の上架台とが、下から上方向に順に重なる。
例えば、下架台100と第一上架台101とが、下から上方向に順に重なる。
例えば、下架台100と第一上架台101と第二上架台102とが、下から上方向に順に重なる。
例えば、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と第三上架台とが、下から上方向に順に重なる。
例えば、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と第三上架台と第四上架台とが、下から上方向に順に重なる。
例えば、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と第三上架台と第四上架台と・・・・・第(N-1)上架台と第N上架台とが、下から上方向に順に重なる。
【0051】
連結部材200は、下架台100と単数または多段に重なる複数の上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有し、リンク機構に下架台100と上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部Xを形成される部材である。
連結部材200は、下架台100と単数の上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有し、リンク機構に下架台100と上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部Xを形成される部材であってもよい。
連結部材200は、下架台100と多段に重なる複数の上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有し、リンク機構に下架台100と上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部Xを形成される部材であってもよい。
【0052】
連結部材200は、N個の相対距離である第一相対距離の変化と・・・第N(N=2、・・・)相対距離の変化とを、1つの相対距離が大きくなるとき他の相対距離も大きくなり且つ1つの相対距離が小さくなるとき他の相対距離も小さくなる様に、連動させる。
例えば、連結部材200は、第一相対距離の変化と第二相対距離の変化とを、1つの相対距離が大きくなるとき他の相対距離も大きくなり且つ1つの相対距離が小さくなるとき他の相対距離も小さくなる様に、連動させる。
例えば、連結部材200は、第一相対距離の変化と第二相対距離の変化と第三相対距離の変化とを、1つの相対距離が大きくなるとき他の相対距離も大きくなり且つ1つの相対距離が小さくなるとき他の相対距離も小さくなる様に、連動させる。
例えば、連結部材200は、第一相対距離の変化と第二相対距離の変化と・・・・第N相対距離の変化とを、1つの相対距離が大きくなるとき他の相対距離も大きくなり且つ1つの相対距離が小さくなるとき他の相対距離も小さくなる様に、連動させる部材である。
ここで、第一相対距離は、下架台100と第一上架台101との上下方向の相対距離である。第二相対距離は、第一上架台101と第二上架台102との上下方向の相対距離である。第三相対距離は、第二上架台と第三上架台との上下方向の相対距離である。・・・第N相対距離は、第(N-1)上架台と第N上架台との上下方向の相対距離である。
【0053】
連結部材200は、上架台に上部を回動可能に連結されるリンクに水平可動部Xを形成されてもよい。
連結部材200は、第一上架台101に上部を回動可能に連結されるリンクに水平可動部Xを形成され、第二上架台102に上部を回動可能に連結されるリンクに水平可動部を形成される・・・・、または第N上架台に上部を回動可能に連結されるリンクに水平可動部を形成されてもよい。
連結部材200は、第一上架台101に上部を回動可能に連結されるリンクの下部に水平可動部Xを形成され、第二上架台102に上部を回動可能に連結されるリンクの下部に水平可動部を形成される・・・・、または第N上架台に上部を回動可能に連結されるリンクの下部に水平可動部を形成されてもよい。
例えば、連結部材200は、第一上架台101に上部を回動可能に連結され下部に水平可動部Xを形成される下向リンクである第一下向主リンク201dと第二上架台102に上部を回動可能に連結され下部に水平可動部を形成される下向リンクである第二下向主リンク202dとで構成される。
例えば、連結部材200は、第一上架台101に上部を回動可能に連結され下部に水平可動部Xを形成される下向リンクである第一下向主リンク201dと第二上架台102に上部を回動可能に連結され下部に水平可動部を形成される下向リンクである第二下向主リンク202dと・・・第N上架台に上部を回動可能に連結され下部に水平可動部を形成される第N下向主リンクとで構成される。
【0054】
リンクは、回転軸を平行にして回動できる少なくとも2つの連結部をもつ部材である。
2つの連結部を繋ぐ仮想の線を仮想軸と呼称するときに、下向リンクは仮想軸を斜めに傾け、上部を架台に回動可能に連結されるリンクであり、上向リンクは仮想軸を斜めに傾け、下部を架台に回動可能に連結されるリンクである。
下向リンクは、上部を架台に回動可能に連結される。
上向リンクは、下部を架台に回動可能に連結される。
【0055】
連結部材200は、N(N=1、・・・)個の上向リンクとN(N=1、・・・・)個の下向リンクとで構成される。
N個の上向リンクは、上向主リンク200uと第一上向主リンク201uと・・・(N-1)個の上向主リンクとで構成される。
N個の下向リンクは、第一下向主リンク201dと第二下向主リンク202d・・と第N下向主リンクである。
例えば、連結部材200が上向主リンク200uと第一下向主リンク201dと第一上向主リンク201uと第二下向主リンク202dとで構成される。
例えば、連結部材200が上向主リンク200uと第一下向主リンク201dと第一上向主リンク201uと第二下向主リンク202dと第二上向主リンクと第三下向主リンクとで構成される。
例えば、連結部材200が上向主リンク200uと第一下向主リンク201dと第一上向主リンク201uと第二下向主リンク202dと第二上向主リンクと・・・第(N-1)下向主リンクと第(N-1)上向き主リンクと第N下向主リンクとで構成される。
【0056】
連結部材200は、免震装置が単数の上架台をもつとき、以下の構成をもつ。
上向主リンク200uが下部を下架台100に回動可能に連結され第一下向主リンク201dに回動可能に連結されるリンクであって、第一下向主リンク201dが上部を第一上架台101に回動可能に連結され上部より下方に位置する部位を上向主リンク200uに回動可能に連結され下部に水平可動部を形成されるリンクである。
【0057】
連結部材200は、免震装置が多段に重なる複数の上架台をもつとき以下の構成をもつ。
上向主リンク200uが、下部を下架台100に回動可能に連結され中間部を第一下向主リンク201dに回動可能に連結され上部を第二下向主リンク202dの下部に回動可能に連結されるリンクであってもよい。
第一下向主リンク201dが、上部を第一上架台101に回動可能に連結され上部より下方に位置する部位を上向主リンク200uの中間部に回動可能に連結されるリンクである。
第一上向主リンク201uが、下部を第一上架台101に回動可能に連結され下部より上方に位置する部位である中間部を第二下向主リンク202dの中間部に回動可能に連結される上部を直上に位置する下向リンクである第三下向主リンク203dの下部に回動可能に連結されるリンクである。
第二下向主リンク202dが、上部を第一上架台の直上の上架台である第二上架台102に回動可能に連結され中間部を第一上向主リンク201uに回動可能に連結され下部を上向主リンク200uの上部に回動可能に連結されるリンクである。
・・・・
第(N-2)上向主リンクが、下部を第(N-1)上架台の直下の上架台である第(N-2)上架台に回動可能に連結され、中間部を第(N-1)下向主リンクの中間部に回動可能に連結され、上部を第N下向主リンクの下部に回動可能に連結されるリンクである。
第(N-1)下向主リンクが、上部を第(N-1)上架台に回動可能に連結され、中間部を第(N-2)上向主リンクの中間部に回動可能に連結され、下部を直下に位置する上向リンクである第(N-3)上向リンクの上部に回動可能に連結されるリンクである。
第(N-1)上向主リンクが、下部を第(N-1)上架台に回動可能に連結され下部より上方に位置する部位を第N下向主リンクの中間部に回動可能に連結されるリンクである。
第N下向主リンクが上部を第N上架台に回動可能に連結され中間部を第(N-1)上向主リンクに回動可能に連結され下部を第(N-2)上向主リンクの上部に回動可能に連結されるリンクである。
【0058】
上下方向ばね要素400は、上架台に相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、直接にまたは連結部材200を介して上方向ばね力O1により上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる。
上下方向ばね要素400は、上架台に下架台を支えとして相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、直接にまたは連結部材200を介して上方向ばね力O1により上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させてもよい。
【0059】
免震装置が単数の上架台をもつとき、上下方向ばね要素400は以下の構成をもつ。
上下方向ばね要素400は、上架台に相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、直接に上方向ばね力O1により上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる。
例えば、上下方向ばね要素400は、上架台に下架台100を支えとして相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、直接に上方向ばね力O1により上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させてもよい。
【0060】
上下方向ばね要素400は、免震装置が多段に重なる複数の上架台をもつとき、以下の構成をもつ。
上下方向ばね要素400は、第一上架台101、第二上架台102・・または第N上架台に、下方に位置する架台を支えとして、第一相対距離、第二相対距離・・または第N相対距離のうちの少なくとも一方の相対距離の変化に対応して変化する上方向ばね力O1を作用させ、直接または連結部材200を介して上方向ばね力O1により第N上架台に支持される対象物50に、上方向の第一支持力F1を作用させる機械要素であってもよい。
例えば、上下方向ばね要素400は、第一上架台101または第二上架台102に、下方に位置する架台を支えとして、第一相対距離または第二相対距離のうちの少なくとも一方の相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、上方向ばね力O1により第二上架台102に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第一上架台101に、下方に位置する架台を支えとして、第一相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、上方向ばね力により最上段の上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第二上架台102に、下方に位置する架台を支えとして、第二相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第三上架台に、下方に位置する架台を支えとして、第三相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第N上架台に、下方に位置する架台を支えとして、第N相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる機械要素である。
【0061】
上下方向ばね要素400は、第一上架台101、第二上架台102・・または第N上架台に、直下に位置する架台を支えとして、第一相対距離、第二相対距離・・または第N相対距離のうちの少なくとも一方の相対距離の変化に対応して変化する上方向ばね力O1を作用させ、連結部材200を介して上方向ばね力O1により第N上架台に支持される対象物50に第一支持力F1を作用させる機械要素であってもよい。
例えば、上下方向ばね要素400は、第一上架台101または第二上架台102に、直下に位置する架台を支えとして、第一相対距離または第二相対距離のうちの少なくとも一方の相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、連結部材200を介して上方向ばね力O1により第二上架台102に支持される対象物50に第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第一上架台101に、直下に位置する架台である下架台100を支えとして、第一相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、連結部材200を介して上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第二上架台102に、直下に位置する架台である第一上架台101を支えとして、第二相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、連結部材200を介して上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第三上架台に、直下に位置する架台である第二上架台102を支えとして、第三相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、連結部材200を介して上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に第一支持力F1を作用させる機械要素である。
例えば、上下方向ばね要素400は、第N上架台に、直下に位置する架台である第(N-1)上架台を支えとして、第N相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ、連結部材200を介して上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に第一支持力F1を作用させる機械要素である。
【0062】
上下方向ばね要素400は、上下方向ばね要素400が下架台100と第一上架台101との間、第一上架台101と第二上架台102との間・・・または第(N-1)上架台と第N上架台との間に設けられてもよい。
例えば、上下方向ばね要素400が下架台100と第一上架台101との間に設けられる。上下方向ばね要素400が下架台100を支えとして第一上架台101に上方向ばね力O1を作用させる。
例えば、上下方向ばね要素400が第一上架台101と第二上架台102との間に設けられる。上下方向ばね要素400が第一上架台101を支えとして第二上架台102に上方向ばね力O1を作用させる。
例えば、上下方向ばね要素400が第二上架台102と第三上架台との間に設けられる。上下方向ばね要素400が第二上架台102を支えとして第三上架台に上方向ばね力O1を作用させる。
例えば、上下方向ばね要素400が第(N-1)上架台と第N上架台との間に設けられる。上下方向ばね要素400が第(N-1)上架台を支えとして第N上架台に上方向ばね力O1を作用させる。
【0063】
水平方向ばね要素500は、水平可動部Xに水平可動部Xの水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向のばね力である水平方向ばね力O2を作用させて、連結部材200を介して最上段の上架台に支持する対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる機械要素であってもよい。
【0064】
上下方向ばね要素400は、前述した空気ばね式機械要素Kで構成される。
上下方向ばね要素400は、つる巻きばねと前述した空気ばね式機械要素Kとで構成されてもよい。
水平方向ばね要素500は、前述した空気ばね式機械要素Kまたはつる巻きばねのどちらか一方で構成されてもよい。
水平方向ばね要素500は、前述した空気ばね式機械要素Kで構成される。
水平方向ばね要素500は、つる巻きばねと前述した空気ばね式機械要素Kとで構成されてもよい。
つる巻きばねは、圧縮つる巻きばねであってもよい。
つる巻きばねは、引っ張りつる巻きばねであってもよい。
図6に、上下方向ばね要素400につる巻きばねと空気ばね式機械要素Kを採用し、水平方向ばね要素500につる巻きばねを採用した免震装置が示される。
図7乃至14に、上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500とに空気ばね式機械要素Kを採用した免震装置が示される。
【0065】
上下方向ばね要素400が上方向ばね力O1により最上段の上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させ、水平方向ばね要素500が連結部材200を介して最上段の上架台に支持される対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる結果、F1+F2の合力が最上段の上架台に支持される対象物50に作用する。
例えば、免震装置が単数の上架台をもつとき、上下方向ばね要素400が上方向ばね力O1により上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させ、水平方向ばね要素500が連結部材200を介して上架台に支持される対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる結果、F1+F2の合力が上架台に支持される対象物50に作用する。
例えば、免震装置が多段に重なる複数の上架台をもつとき、上下方向ばね要素400が上方向ばね力O1により最上段の上架台である第N上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させ、水平方向ばね要素500が連結部材200を介して最上段の上架台である第N上架台に支持される対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる結果、F1+F2の合力が第N上架台に支持される対象物50に作用する。
【0066】
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能をもつ。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能を持つ。
空気ばね気体出し入れ機能、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、空気ばね大気導通機能は前述したものと同じなので、説明を省略する。
【0067】
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系の持つ機能を上下方向ばね要素400の荷重付加側空気ばね構造10に適用してもよい。
【0068】
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系30の持つ機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用してもよい。
【0069】
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系30のもつ機能を水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用してもよい。
【0070】
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系30のもつ機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用してもよい。
【0071】
所定のタイミングで、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする空気ばねレベル制御工程S20と、空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する空気ばねレベル制御停止工程S30とを繰り返してもよい。
図20に、空気ばねレベル制御工程S20と空気ばねレベル制御停止工程S30とを繰り返す様子が示される。
図20中、免震装置据付工程S10は、揺れがないときに免震装置を据え付ける工程である。バランスウエイト150を用いて、相対距離を所定の距離である所定距離に設定する。
【0072】
所定のタイミングで、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする空気ばねレベル制御工程S20と、空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する空気ばねレベル制御停止工程S30とを繰り返してもよい。
【0073】
所定のタイミングで、空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする空気ばねレベル制御工程S20と、空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する空気ばねレベル制御停止工程S30とを繰り返してもよい。
【0074】
空気ばね制御系30は、空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を出し入れできる装置である。
空気ばね気体出し入れ機能は、空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を出し入れして、相対距離を所定距離に維持しようとすることができる機能である。
空気ばね制御系30は、サーボ弁33を介して空気ばね式機械要K素の空気室の空気を出し入れする。
レベル制御機構39が、上架台の上下方向の移動に応じてサーボ弁33を駆動する。
例えば、サーボ弁33はポートを切り替え可能なバルブであり、レベル制御機構39はサーボ弁33のポートを切り替える機構である。
上架台が上方に移動し相対距離が所定距離より大きくなると、空気ばね制御系30が空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を抜いて、上架台が下がり相対距離を小さくなる。
上架台が下方に移動し相対距離が所定距離より小さくなると、空気ばね制御系30が空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を入れて、上架台が上がり相対距離を大きくなる。
所定距離は、相対距離の可動範囲のなかの所定の距離である。
例えば、所定距離は相対距離の可動範囲の略中央値である。
【0075】
免震したい揺れがないとき、空気ばね制御系30が空気ばね気体出し入れ機能を適用して、空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を出し入れして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとしてもよい。
例えば、地震が発生しないとき、空気ばね制御系30が空気ばね気体出し入れ機能を適用して空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を出し入れして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
【0076】
免震したい揺れがあるとき、空気ばね制御系30の空気ばね気体出し入れ機能が空気室の空気を出し入れして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとしてもよい。
その結果、免震したい揺れがあるとき、上架台が上下方向に移動し下架台100に入力する加速度を免震しつつ、空気ばね制御系30の気体出し入れ機能が空気ばね制御系30の制御時定数に応じて相対距離を所定距離に近づけようとする。
例えば、地震が発生したとき、空気ばね制御系30が空気ばね気体出し入れ機能を適用して、空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を出し入れして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
その結果、地震が発生したとき、上架台が上下方向に移動し下架台100に入力する加速度を免震しつつ、空気ばね制御系30が空気ばね気体出し入れ機能を適用して、空気ばね制御系30の制御時定数に応じて相対距離を所定距離に近づけようとする。
【0077】
免震したい揺れがあるとき、空気ばね制御系30が空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用し、空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を気密にしてもよい。
その結果、免震したい揺れがあるとき、上架台が上下方向に移動し下架台100に入力する加速度を免震する。
例えば、地震が発生したとき、空気ばね制御系30が空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用し、空気ばね式機械要素Kの空気室の空気を気密にしてもよい。
その結果、地震が発生したとき、上架台が上下方向に移動し下架台100に入力する加速度を免震する。
【0078】
空気ばね制御系30の制御時定数が免震したい揺れによる上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値である。
空気ばね制御系30の制御時定数が地震の上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値であってもよい。
例えば、空気ばね制御系30の制御時定数が地震の上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きの最大周期より大きい値である。
例えば、空気ばね制御系30の制御時定数が地震による上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きの最大周期より十分に大きい値である。
例えば、空気ばね制御系30の制御時定数が地震による上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きの最大周期の3倍より大きい値である。
【0079】
空気ばね制御系30の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える値であってもよい。
空気ばね制御系30の制御時定数が地震の上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える値であってもよい。
ここで、空気ばね制御系30の制御時定数は空気ばね構造が最も縮んで相対距離が最小である状態から空気ばね構造に空気を入れ始めて離間距離が(所定距離-最小相対距離)の63%に達するまでの時間である。
ここで、最小相対距離は相対距離の最小値である。
例えば、地震による加速度の最大周期が1秒のとき、空気ばね制御系30の制御時定数は3秒である。
【0080】
空気ばね制御系30の制御時定数が3秒を超える値であってもよい。
その結果、地震が発生して上架台が上下方向に移動して地震の加速度を免震されたとき、空気ばね制御系30が空気ばね気体出し入れ機能を適用して空気ばね構造の空気室の空気を出し入れして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする際に、上架台が1秒の周期より小さな周期で上下移動するのをさまたげない。
地震が終了したとき、空気ばね制御系30が空気ばね構造の空気を出し入れして相対距離を所定の距離である所定距離になるように上架台の位置が変化し、相対距離が所定距離になった位置で上架台が上下移動を停止する。
【0081】
図19は、本発明の実施形態に係る免震装置の性能特性図である。
図19は、横軸に下架台と最上段の上架台との間の相対距離の縮み量を表し、縦軸に上架台に上方向に作用する支持力を表す。
図19中、実線は上下方向ばね要素400の上方向ばね力O1により直接または連結部材200を介して最上段の上架台に支持される対象物50に発生する上方向の第一支持力F1を示し、破線は水平方向ばね要素500の水平方向ばね力O2により連結部材200を介して最上段の上架台に支持される対象物50に発生する上方向の第二支持力F2を示し、太線は、両者の支持力の合成支持力F1+F2を示す。
実線は、第二支持力F2が相対距離が縮むにつれて力が大きくなる様子を示す。このような関係を示すばねを「正ばね」と呼称する。
破線は、第二支持力F2が相対距離が縮むにつれて力が小さくなる様子を示す。このような関係を示すばねを「負ばね」と呼称する。
空気ばね制御系30の制御時定数を地震による上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値に設定すると、地震の加速度の周期の範囲では、地震が発生したとき空気ばね制御系30が空気ばねの空気を出し入れして相対距離を所定距離に維持しようとしても、空気ばね制御系30の制御が遅い。従って、支持力F1+F2は実線に近似するカーブに沿って移動し、上架台が地震の加速度の周期に対応して上下方向の移動することを妨げない。
【0082】
以下に本発明の複数の実施形態に係る免震装置の実施例を、図を基に、各々に説明する。
以下では、免震したい揺れが地震による揺れであるとして、説明する。
【0083】
最初に、本発明の実施形態に係る免震装置その1を、図を基に、説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る免震装置その1の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その1は、下架台100と第一上架台101とバランスウエイト150と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500と空気ばね制御系30とで構成される。
【0084】
下架台100は基礎に支持される構造体である。
【0085】
上架台は、対象物50を支持する第一上架台101で構成される。
下架台100と第一上架台101とは、下から上方向に重なる。
【0086】
連結部材200は、下架台100と単数の上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有し、リンク機構に下架台100と上架台との上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部Xを形成される部材である。
【0087】
連結部材200は、1個の上向リンクと1個の下向リンクとで構成される。
上向リンクは、左右1対の上向主リンク200uで構成される。
下向リンクは、左右1対の第一下向主リンク201dで構成される。
上向主リンク200uが、下部を下架台100に回動可能に連結され、上部を第一下向主リンク201dに回動可能に連結されるリンクである。
第一下向主リンク201dが、上部を第一上架台101に回動可能に連結され上部より下方に位置する部位を上向主リンク200uに回動可能に連結され、下部に水平可動部Xを形成されるリンクである。
【0088】
上下方向ばね要素400は、第一上架台101に相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ直接に上方向ばね力O1により第一上架台101に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる。
上下方向ばね要素400は、つるまきばねと前述した空気ばね式機械要素Kとで構成されてもよい。
図6(A)に、上下方向ばね要素400がつるまきばねと空気ばね式機械要素Kとで構成されている様子が示される。
図6(B)に、上下方向ばね要素400がつるまきばねで構成されている様子が示される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0089】
水平方向ばね要素500は、水平可動部Xに水平可動部Xの水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向のばね力である水平方向ばね力O2を作用させて、連結部材200を介して最上段の上架台に支持する対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる機械要素である。
水平方向ばね要素500は、つるまきばねと前述した空気ばね式機械要素Kとで構成されてもよい。
図6(A)に、水平方向ばね要素400がつるまきばねで構成されている様子が示される。
図6(B)に、水平方向ばね要素500がつるまきばねと前述した空気ばね式機械要素Kとで構成されている様子が示される。
水平方向ばね要素500を構成するつるまきばねは、引っ張りつる巻きばねで構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を水平可動部Xに固定される。
【0090】
上下方向ばね要素400が上方向ばね力O1により第一上架台101に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させ、水平方向ばね要素500が水平可動部Xに作用する水平方向ばね力O2により連結部材200を介して第一上架台101に支持される対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる結果、F1+F2の合力が上架台に支持される対象物に作用する。
【0091】
空気ばね制御系30は、空気ばね気体出し入れ機能を荷重支持側空気ばね構造20に適用して、相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系30の持つ機能を荷重付加側空気ばね構造10に適用する。
例えば、レベル制御機構39がサーボ弁33を駆動して荷重支持側空気ばね構造20の空気室の空気を出し入れし、ライン閉止弁35を開き、大気解放弁を閉じて、リリーフ弁34を作動させて荷重付加側空気ばね構造10の空気室の圧力を一定にし、相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
ここで、レベル制御機構39は相対距離の変化に応じてサーボ弁33を駆動する機構である。
例えば、レベル制御機構39がサーボ弁33を駆動して荷重支持側空気ばね構造20の空気室の空気を出し入れし、ライン閉止弁35を閉じ、大気解放弁を閉じて、荷重付加側空気ばね構造10の空気室を気密にし、相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
例えば、レベル制御機構39がサーボ弁33を駆動して荷重支持側空気ばね構造20の空気室の空気を出し入れし、ライン閉止弁35を閉じ、大気解放弁を開き、荷重付加側空気ばね構造10の空気室を通気ポートを通過して大気に導通し、相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
【0092】
次に、本発明の実施形態に係る免震装置その2を、図を基に、説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る免震装置その2の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その2は、下架台100と第一上架台101と連結部材200と上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500とで構成される。
【0093】
下架台100は基礎に支持される構造体である。
【0094】
上架台は、対象物50を支持する第一上架台101で構成される。
下架台100と第一上架台101は下から上方向に重なる。
【0095】
連結部材200は、1個の上向リンクと1個の下向リンクとで構成される。
上向リンクは、左右1対の上向主リンク200uで構成される。
下向リンクは、左右1対の第一下向主リンク201dで構成される。
上向主リンク200uが、下部を下架台100に回動可能に連結され第一下向主リンク201dに回動可能に連結されるリンクである。
第一下向主リンク201dが、上部を第一上架台101に回動可能に連結され上部より下方に位置する部位を上向主リンク200uに回動可能に連結され下部に水平可動部Xを形成されるリンクである。
【0096】
上下方向ばね要素400は、第一上架台101に相対距離の変化に対応して変化する上方向のばね力である上方向ばね力O1を作用させ直接に上方向ばね力O1により第一上架台101に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させる。
上下方向ばね要素400は、1つの空気ばね式機械要素Kで構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kが、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0097】
水平方向ばね要素500は、水平可動部Xに水平可動部Xの水平方向の相対変位に対応して変化する水平方向のばね力である水平方向ばね力O2を作用させて、連結部材200を介して最上段の上架台に支持する対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる機械要素である。
水平方向ばね要素500は、1つの空気ばね式機械要素Kで構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を左右1対の水平可動部Xの一方の水平可動部Xに固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xの他方の水平可動部Xに固定される。
【0098】
上下方向ばね要素400が上方向ばね力O1により第一上架台101に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させ、水平方向ばね要素500が水平可動部Xに作用する水平方向ばね力O2により連結部材200を介して第一上架台101に支持される対象物50に上方向の第二支持力F2を作用させる結果、F1+F2の合力が上架台に支持される対象物に作用する。
【0099】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0100】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その3を、図を基に、説明する。
図8は、本発明の実施形態にかかる免震装置その3の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その3は、下架台100と第一上架台101と2組の連結部材200と2組の上下方向ばね要素400と2組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0101】
下架台100と第一上架台101と2組の連結部材200と上下方向ばね要素400と2組の水平方向ばね要素500との基本構成は、免震装置その1、2のものと同じなので、異なる点のみを説明する。
【0102】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0103】
2組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
【0104】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0105】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その4を、図を基に、説明する。
図9は、本発明の実施形態にかかる免震装置その4の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その4は、下架台100と第一上架台101と2組の連結部材200と2組のガイド部材300と2組の上下方向ばね要素400と2組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0106】
下架台100と第一上架台101と2組の連結部材200と上下方向ばね要素400と2組の水平方向ばね要素500との基本構成は、免震装置その3のものと同じなので、異なる点のみを説明する。
【0107】
ガイド部材300は、1対の第一上ガイドリンク301uと1対の第一下ガイドリンク301dと1対の連動リンク310とで構成される。
第一下ガイドリンク301dは、下端を下架台100に回動可能に連結され、上端を第二ガイドリンクの下端に回動可能に連結されるリンクである。
第一上ガイドリンク301uは、下端を第一下ガイドリンク301dの上端に回動可能に連結され、上端を第一上架台101に回動可能に連結されるリンクである。
連動リンク310は、一方の端部を上向主リンク200uの上端に回動可能に連結され、他方の端部を第一下ガイドリンク301dの上端に回動可能に連結されるリンクである。
【0108】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0109】
2組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
【0110】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0111】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その5を、図を基に、説明する。
図10は、本発明の実施形態にかかる免震装置その5の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その5は、下架台100と第一上架台101と1組の連結部材200と1組のガイド部材300と2組の上下方向ばね要素400と1組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0112】
下架台100と第一上架台101と1組の連結部材200と1組のガイド部材300と2組の上下方向ばね要素400と1組の水平方向ばね要素500との基本構成は、免震装置その4のものと同じなので、異なる点のみを説明する。
【0113】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kでは、支持点S1が下架台100に固定され、作用点S2が第一上架台101に固定される。
【0114】
1組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
【0115】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0116】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その6を、図を基に、説明する。
図11は、本発明の実施形態にかかる免震装置その6の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その6は、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と1組の連結部材200と1組のガイド部材300と2組の上下方向ばね要素400と1組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0117】
連結部材200は、下架台100と複数の第一上架台101と第二上架台102に回動可能に連結されるリンク機構を有し、該リンク機構に下架台100と第一上架台101と第二上架台102の上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部Xを形成される部材である。
【0118】
連結部材200は、2個の上向リンクと2個の下向リンクとで構成される。
上向リンクは、左右1対の上向主リンク200uと左右1対の第一上向主リンク201uとで構成される。
下向リンクは、左右1対の第一下向主リンク201dと左右1対の第二下向主リンク202dとで構成される。
上向主リンク200uが、下部を下架台100に回動可能に連結され第一下向主リンク201dに回動可能に連結され上部を第二下向主リンク202dの下部に回動可能に連結されるリンクである。
第一下向主リンク201dが、上部を第一上架台101に回動可能に連結され上部より下方に位置する部位を上向主リンク200uに回動可能に連結され下部に水平可動部Xを形成されるリンクである。
第一上向主リンク201uが、下部を第一上架台101に回動可能に連結され第二下向主リンク202dの中間部に回動可能に連結されるリンクである。
第二下向主リンク202dが、上部を第二上架台102に回動可能に連結され中間部を第一上向主リンク201uに回動可能に連結され下部を上向主リンク200uの上部に回度可能に連連結されるリンクである。
【0119】
ガイド部材300は、1対の第一ガイドリンク301と1対の第二ガイドリンク302と1対の連動リンク310とで構成される。
第一ガイドリンク301は、下端を下架台100に回動可能に連結され、上端を第二ガイドリンクの下端に回動可能に連結されるリンクである。
第二ガイドリンク302は、下端を第一ガイドリンク301の上端に回動可能に連結され、上端を第二上架台102に回動可能に連結されるリンクである。
連動リンク310は、一方の端部を上向主リンク200uの上端に回動可能に連結され、他方の端部を第一ガイドリンク301の上端に回動可能に連結されるリンクである。
【0120】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0121】
1組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
【0122】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0123】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その7を、図を基に、説明する。
図12は、本発明の実施形態にかかる免震装置その7の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その7は、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と1組の連結部材200と1組のガイド部材300と2組の上下方向ばね要素400と1組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0124】
連結部材200の主要構成は、免震装置その6のものと同じなので、説明を省略する。
【0125】
ガイド部材300は、1対の第一下ガイドリンク301dと1対の第一上ガイドリンク301uと第二下ガイドリンク302dと1対の第二上ガイドリンク302uと1対の第一連動リンク311と1対の第二連動リンク312とで構成される。
第一下ガイドリンク301dは、下端を下架台100に回動可能に連結され、上端を第一上ガイドリンク301uの下端に回動可能に連結されるリンクである。
第一上ガイドリンク301uは、下端を第一下ガイドリンク301dの上端に回動可能に連結され、上端を第二下ガイドリンク302dの下端に回動可能に連結されるリンクである。
第二下ガイドリンク302dは、下端を第一上ガイドリンク301uの上端に回動可能に連結され、上端を第二上ガイドリンク302uの下端に回動可能に連結されるリンクである。
第二上ガイドリンク302uは、上端を第二上架台102に回動可能に連結され、下端を第二下ガイドリンク302dの上端に回動可能に連結されるリンクである。
第一連動リンク311は、一方の端部を上向主リンク200uの中間部に回動可能に連結され、他方の端部を第一下ガイドリンク301dの上端に回動可能に連結されるリンクである。
第二連動リンク312は、一方の端部を第一上向リンク201uの上端に回動可能に連結され、他方の端部を第二下ガイドリンク302dの上端に回動可能に連結されるリンクである。
【0126】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0127】
1組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
【0128】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0129】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その8を、図を基に、説明する。
図13は、本発明の実施形態にかかる免震装置その8の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その8は、下架台100と第一上架台101と第二上架台102と1組の連結部材200と1組のガイド部材300と2組の上下方向ばね要素400と1組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0130】
連結部材200の主要構成は、免震装置その7のものと同じなので、説明を省略する。
【0131】
ガイド部材300は、第一上ガイドリンク301uと第二下ガイドリンク302dとを備えない点を除きその他の構成は免震装置その7と同じなので、説明を省略する。
【0132】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0133】
1組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
【0134】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0135】
つぎに、本発明の実施形態にかかる免震装置その9を、図を基に、説明する。
図14は、本発明の実施形態にかかる免震装置その9の概念図である。
本発明の実施形態に係る免震装置その9は、下架台100と第一上架台101と2組の連結部材200と2組の上下方向ばね要素400と2組の水平方向ばね要素500とで構成される。
【0136】
連結部材200の主要構成は、免震装置その3のものとおなじなので、説明を省略する。
【0137】
2組の上下方向ばね要素400は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
上下方向ばね要素400を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を第一上架台101に固定される。
【0138】
2組の水平方向ばね要素500は、1対の空気ばね式機械要素Kで各々に構成される。
水平方向ばね要素500を構成する空気ばね式機械要素Kは、支持点S1を下架台100に固定され、作用点S2を左右1対の水平可動部Xに各々に固定される。
水平方向ばね要素500は、水平可動部Xに押し方向の水平方向ばね力O2を作用させる。
【0139】
空気ばね制御系30については、後述する。
【0140】
以下に、本発明の実施形態にかかる空気ばね制御系30を、図を基に、説明する。
【0141】
最初に、本発明の実施形態にかかる免震装置の空気ばね制御系その1を、図を基に、説明する。
図15は、本発明の実施形態にかかる免震装置の作用説明図その1である。
図中、免震装置が複数の上下方向ばね要素400、複数の水平方向ばね要素を持つときも、1つの上下方向ばね要素400、1つの水平方向ばね要素で代表する。以下、同じ。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を持つ。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能を持つ。
図15は、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と、選択できる空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、及び空気ばね大気導通機能とを持つ様子が示される。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系30の持つ機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用してもよい。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能の内から選択した機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用する。
図15は、ライン閉止弁35を開き、大気解放弁36を閉じ、リリーフ弁34を作動させて空気ばね圧力一定機能を選択する様子を示す。
ライン閉止弁35を閉じ大気解放弁36を閉じると空気ばね気体密閉機能を選択できる。
ライン閉止弁35を閉じ大気解放弁35を開くと空気ばね大気導通機能を選択できる。
【0142】
次に、本発明の実施形態にかかる免震装置の空気ばね制御系その2を、図を基に、説明する。
図16は、本発明の実施形態にかかる免震装置の作用説明図その2である。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能とを持つ。
図15は、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と、選択できる空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、空気ばね大気導通機能とを持つ様子が示される。
空気ばね制御系30は、流量調整弁38が空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能と適用するラインに設けられる点で異なり、他の構造は本発明の実施形態にかかる免震装置の空気ばね制御系その1のものと同じである。
【0143】
次に、本発明の実施形態にかかる免震装置の空気ばね制御系その3を、図を基に、説明する。
図17は、本発明の実施形態にかかる免震装置の作用説明図その3である。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を持つ。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能を持つ。
図17は、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と、選択できる空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、空気ばね大気導通機能とを持つ様子が示される。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちの空気ばね制御系30が持つ機能を水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用してもよい。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能の内から選択した機能を水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用する。
図17は、ライン閉止弁35を開き、大気解放弁36を閉じリリーフ弁34を作動させて空気ばね圧力一定機能を選択する様子を示す。
ライン閉止弁35を閉じ大気解放弁36を閉じると、空気ばね気体密閉機能を選択できる。
ライン閉止弁35を閉じ大気解放弁36を開くと、空気ばね大気導通機能を選択できる。
【0144】
次に、本発明の実施形態にかかる免震装置の空気ばね制御系その4を、図を基に、説明する。
図18は、本発明の実施形態にかかる免震装置の作用説明図その4である。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を持つ。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうちのすくなくとも1つの機能を持つ。
図18は、空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能と、選択できる空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、空気ばね大気導通機能とを持つ様子が示される。
空気ばね制御系30が、空気ばね気体出し入れ機能を水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して、相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能のうち空気ばね制御系30がもつ機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用してもよい。
空気ばね制御系30が、空気ばね圧力一定機能、空気ばね気体密閉機能、または空気ばね大気導通機能の内から選択した機能を上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10に各々に適用する。
図18は、ライン閉止弁35を開き、大気解放弁36を閉じ、リリーフ弁34を作動させて空気ばね圧力一定機能を選択する様子を示す。
ライン閉止弁35を閉じ大気解放弁36を閉じると、空気ばね気体密閉機能を選択できる。
ライン閉止弁35を閉じ大気解放弁36を開くと、空気ばね大気導通機能を選択できる。
【0145】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る空気ばね式機械要素Kは、その構成により、以下の効果を有する。
気体を充満させた空気室の特定方向の長さを変化させて空気室の容積を変化させて特定方向に沿ってばね力を出力する1対の空気ばね構造である荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とを、荷重付加側空気ばね構造10の空気室と荷重支持側空気ばね構造20の空気室との一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に荷重付加側空気ばね構造10と荷重支持側空気ばね構造20とが連結され、主ばね力の大きさが、荷重支持側ばね力Q2の大きさが大きくなると大きくなり、荷重支持側ばね力Q2の大きさが小さくなると小さくなり、荷重付加側ばね力Q1の大きさが大きくなると小さくなり、荷重付加側ばね力Q1の大きさが小さくなると大きくなる様に、荷重支持側ばね力Q2の大きさと荷重付加側ばね力Q1の大きさに対応して変化する様にしたので、連結された1対の空気ばね構造を伸縮させると、1対の空気ばね構造の非線形なばね特性が相殺しあって、一体として略線形なばね特性をもつ主ばね力を出力できる。
また、1対の空気ばね構造の空気室が特定方向に沿って並び、一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に連結され、主ばねが、主ばね力Oの向きと荷重支持側ばね力Q2の向きとが同じであり、主ばね力Oの向きと荷重付加側ばね力Q1の向きとが反対であり、荷重支持側ばね力Q2と荷重付加側ばね力Q1との合力に一致する様にしたので、特定方向に沿って並ぶ1対の空気ばね構造が一体として主ばね力Oを支持点S1を支えとして作用点S2に作用させることができる。
また、空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れすることにより荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力Oを出力する。
また、空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を圧力一定、にする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れすることにより荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力Oを出力する。
また、空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を密閉にする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れすることにより荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力Oを出力する。
また、空気ばね構造の空気室の気体を出し入れし、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を大気導通にする様にしたので、1対の空気ばね構造のうちの荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れすることにより荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力Oを出力する
【0146】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る免震装置の運用方法は、その構成により、以下の効果を有する。
下架台100と上架台とに回動可能に連結されるリンク機構を有する連結部材200と、上架台に相対距離に対応して変化する上方向ばね力O1を作用する上下方向ばね要素500とを有し、直接または連結部材200を介して上架台に支持される対象物50に上方向の支持力を作用させる免震装置において、上下方向ばね要素400に空気ばね式機械要素Kを採用する様にしたので、空気ばね式機械要素Kが作用させる主ばね力Oにより直接にまたは連結部材200を介して上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、1対の空気ばね構造の空気室が特定方向に沿って並び、一方の空気室が伸びるとき他方の空気室が縮む様に連結され、主ばね力Oが、荷重支持側空気ばね構造20が支持点S1を支えとして作用点S2に作用させる荷重支持側ばね力Q2と、荷重付加側空気ばね構造10が支持点S1を支えとして作用点S2に作用させる荷重付加側ばね力Q1との合力に一致する様にしたので、特定方向に沿って並ぶ1対の空気ばね構造が一体として出力した主ばね力Oにより直接にまたは連結部材200を介して上架台に支持される対象物50に上方向の第一支持力F1を作用させて、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、上下方向ばね要素の荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れして荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、下架台100と上架台とに回動可能に連結されるリンク機構200に下架台100と上架台の上下方向の相対距離の変化に対応して水平方向に相対変位する水平可動部Xを形成される連結部材200と、上架台に相対距離に対応して変化する上方向ばね力O1を作用する上下方向ばね要素400と、水平可動部Xに相対変位に対応して変化する水平方向ばね力O2を作用させる水平方向ばね要素500とで構成される免震装置において、上下方向ばね要素400と水平方向ばね要素500に空気ばね式機械要素Kを採用する様にしたので、上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500が各々の作用点S2に作用させる主ばね力Oにより、直接にまたは連結部材を介して上架台に支持される対象物50に上方向の支持力Fを作用させ、垂直加速度を免震できる免震装置の安全性を維持できる。
また、上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れして荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力Oを出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れして荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、水平方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造Kと上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20の空気室に気体を出し入れして荷重支持側空気ばね構造20が伸縮して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとし、上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20と上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重付加側空気ばね構造10の空気室の気体を圧力一定、密閉、大気導通のうちの一つにし、1対の空気ばね構造が一体で主ばね力を出力する様にしたので、垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を維持できる。
また、所定のタイミングで、空気ばね気体出し入れ機能を上下方向ばね要素400及び水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20に適用して相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と、空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する第二手順とを繰り返す様にしたので、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
また、所定のタイミングで上下方向ばね要素400の荷重支持側空気ばね構造20への空気の出し入れをして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と上下方向ばね要素の荷重支持側空気ばね構造20への空気の出し入れを停止して空気ばねの空気を閉じ込める手順とを繰り返す様にしたので、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
また、所定のタイミングで水平方向ばね要素500の荷重支持側空気ばね構造20への空気の出し入れをして相対距離を所定の距離である所定距離に維持しようとする第一手順と上下方向ばね要素の荷重支持側空気ばね構造20への空気の出し入れを停止して空気ばねの空気を閉じ込める手順とを繰り返す様にしたので、所定のタイミングで垂直加速度を免震できる免震装置の安定性を変更できる。
また、空気ばね制御系30の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度による上架台の上下方向の動きを邪魔しない値である様にしたので、空気ばね気体出し入れ機能が空気ばね構造の空気室に気体を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
また、空気ばね制御系30の空気ばね気体出し入れ機能の制御時定数が免震したい揺れの上下方向の加速度の最大周期の3倍を越える様にしたので、空気ばね制御系30が空気ばねの空気を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
また、空気ばね制御系30の制御時定数が3秒を超える値である様にしたので、略3秒×1/3=1秒を超える周期の加速度を持つ地震発生したときに空気ばね制御系30が空気ばねの空気を出し入れしても免震装置の応答性を確保できる。
また、地震が発生したとき、空気ばね気体密閉機能を全ての空気ばね構造に適用する様にしたので、空気ばね機構のばね特性を安定させ垂直加速度を免震できる免震装置の地震時の応答性を維持できる。
【0147】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0148】
O 主ばね力
O1 上方向ばね力
O2 水平方向ばね力
Q1 荷重付加側ばね力
Q2 荷重支持側ばね力
P1 荷重付加側圧力
P2 荷重支持側圧力
A1 荷重付加側面積
A2 荷重支持側面積
S1 支持点
S2 作用点
X 水平可動部
F1 第一支持力
F2 第二支持力
K 空気ばね式機械要素
10 荷重付加側空気ばね構造
20 荷重支持側空気ばね構造
30 空気ばね制御系
31 空気源
32 ライン
33 サーボ弁
34 リリーフ弁
35 ライン閉止弁
36 大気解放弁
37 大気解放ライン
38 流量制御弁
39 レベル制御機構
40 コントローラ
50 対象物
100 下架台
101 第一上架台
102 第二上架台
150 バランスウエイト

200 連結部材
200u 上向主リンク
201d 第一下向主リンク
201u 第一上向主リンク
202d 第二下向主リンク
202u 第二上向主リンク


300 ガイド部材
301 第一ガイドリンク
301u 第一上ガイドリンク
301d 第一下ガイドリンク
302 第二ガイドリンク
302u 第二上ガイドリンク
302d 第二下ガイドリンク
310 連動リンク
311 第一連動リンク
312 第二連動リンク
400 上下方向ばね要素
500 水平方向ばね要素

S10 免震装置据付工程
S20 空気ばねレベル制御工程
S30 空気ばねレベル制御停止工程
【先行技術文献】
【特許文献】
【0149】
【文献】特許第5082044号
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