(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】広告配信システム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/61 20140101AFI20241009BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20241009BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20241009BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20241009BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20241009BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241009BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20241009BHJP
【FI】
A63F13/61
A63F13/30
G09F19/00 Z
A63F13/49
A63F13/80 A
A63F13/79
A63F13/86
(21)【出願番号】P 2022042945
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特許第6464278(JP,B1)
【文献】特許第5313409(JP,B1)
【文献】特開2015-090509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/61
A63F 13/30
G09F 19/00
A63F 13/49
A63F 13/80
A63F 13/79
A63F 13/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置にネットワークを介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置に表示される一連のゲーム画面のうちの特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システムであって、
前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステムにネットワークを介して接続され、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ、及び前記特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手段と、
前記ゲーム広告の定型様式として用意される所定のフォーマットに含まれる前記特定のゲーム画面が組み込まれるべき部分としての画面部分に前記特定のゲーム画面を組み込むことにより前記ゲーム広告を生成する広告生成手段と、
複数の特定のゲーム画面の一部に対応する前記ゲーム広告が生成される場合に、前記複数の特定のゲーム画面から一部の特定のゲーム画面を所定の選定基準に基づいて選定する画面選定手段と、
前記複数の特定のゲーム画面が当該複数のゲーム画面を通じてそれぞれプレイした複数のプレイヤとしての複数の提供者から前記広告素材として提供される場合に、各提供者によって使用されるユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、前記ユーザ端末装置を介して情報を通知するための通知先の情報と各提供者とを関連付ける通知先データに基づいて、各提供者に所定の情報を通知する情報通知手段と、
を備え
、
前記情報取得手段は、前記複数の特定のゲーム画面のそれぞれに対応する前記画面情報を前記ゲームシステムから取得し、
前記広告生成手段は、前記一部の特定のゲーム画面に対応する前記ゲーム広告を生成し、
前記画面情報は、各提供者の情報を更に含み、
前記情報通知手段は、各提供者の情報、及び前記通知先データに基づいて、前記一部のゲーム画面を提供した提供者に当該一部のゲーム画面への選定を前記所定の情報として通知する、広告配信システム。
【請求項2】
前記所定のフォーマットとして、前記ゲームのプレイ状況に応じた複数のフォーマットが用意され、
前記広告生成手段は、前記複数のフォーマットのうち前記状況情報に基づいて特定される前記特定のゲーム画面のプレイ状況に対応するフォーマットを前記ゲーム広告の生成に使用する、請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
前記広告表示装置として前記複数のユーザによってそれぞれ使用される複数の広告表示装置が接続され、前記ゲーム広告を前記複数の広告表示装置に配信する、請求項1
又は2に記載の広告配信システム。
【請求項4】
前記広告表示装置、及び前記ゲームシステムに接続されるコンピュータを、請求項1~
3のいずれか一項に記載の広告配信システムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項5】
複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置にネットワークを介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置に表示される一連のゲーム画面のうちの特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システムに組み込まれるコンピュータに、
前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステムにネットワークを介して接続され、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ、及び前記特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手順と、
前記ゲーム広告の定型様式として用意される所定のフォーマットに含まれる前記特定のゲーム画面が組み込まれるべき部分としての画面部分に前記特定のゲーム画面を組み込むことにより前記ゲーム広告を生成する広告生成手順と、
複数の特定のゲーム画面の一部に対応する前記ゲーム広告が生成される場合に、前記複数の特定のゲーム画面から一部の特定のゲーム画面を所定の選定基準に基づいて選定する画面選定手順と、
前記複数の特定のゲーム画面が当該複数のゲーム画面を通じてそれぞれプレイした複数のプレイヤとしての複数の提供者から前記広告素材として提供される場合に、各提供者によって使用されるユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、前記ユーザ端末装置を介して情報を通知するための通知先の情報と各提供者とを関連付ける通知先データに基づいて、各提供者に所定の情報を通知する情報通知手順と、
を実行させ
、
前記情報取得手順は、前記複数の特定のゲーム画面のそれぞれに対応する前記画面情報を前記ゲームシステムから取得し、
前記広告生成手順は、前記一部の特定のゲーム画面に対応する前記ゲーム広告を生成し、
前記画面情報は、各提供者の情報を更に含み、
前記情報通知手順は、各提供者の情報、及び前記通知先データに基づいて、前記一部のゲーム画面を提供した提供者に当該一部のゲーム画面への選定を前記所定の情報として通知する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置にネットワークを介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置に表示される一連のゲーム画面のうちの特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告を、広告表示装置に広告として配信する広告配信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置にネットワークを介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置に表示される一連のゲーム画面のうちの特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告を、広告表示装置に広告として配信する広告配信システムが存在する。例えば、このような広告表示装置として各ユーザによって使用される端末装置を利用するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームの広告ではその魅力を伝えるために実際のゲーム画面が使用される場合も多い。このようなゲーム画面を用意するためには、求めるゲーム画面(プレイ状況)が生じるまで実際にプレイするか、求めるゲーム画面を作り出すかする必要がある。このため、広告素材の用意には手間暇がかかってしまう傾向がある。結果的に古いゲーム画面が使用され続けたり、一番良いシーン(プレイ状況)に対応するゲーム画面を用意できなかったりする可能性がある。
【0005】
一方で、プレイヤは最新のゲーム画面でプレイしている場合が多いし、そのプレイにおいて広告素材としてより魅力的なゲーム画面を自然に生じさせている場合も多い。そもそもどのようなゲーム画面が広告素材として魅力的か、プレイヤの方が詳しい可能性もある。このため、プレイヤによるプレイにおいて生じるゲーム画面を広告素材として活用できれば、手間暇を低減できるだけでなく、最新のゲーム画面、なかなか見られないゲーム画面、或いは魅力的なゲーム画面といった各種のゲーム画面の収集も期待できる。
【0006】
また、プレイヤのニーズは多様に変化しており、各プレイヤは単にプレイを楽しむだけでなく、好きなゲームを他のユーザと共有したい、そのゲームに何らかの形で貢献したい、或いはゲームのプレイを何らかの収益につなげたい、といったニーズを抱く場合もある。プレイヤによるプレイにおいて生じるゲーム画面を広告素材として活用できれば、貢献欲等のプレイヤのニーズに応えることもできる。さらに、プレイヤのニーズに応えることにより、各種ゲーム画面の収集促進も期待できる。
【0007】
特許文献1のシステムでは、端末装置のディスプレイに、ブラウザアプリケーションの実行中に、ブラウザ画像に加えて、端末装置のメモリに記憶された画像を含む広告が表示される。広告に含まれる画像にはゲーム画面に対応する画像が使用される場合もある。しかし、このシステムでは自己のプレイしたゲームの画像が自己の端末装置に広告として表示されるに過ぎず、その広告は自己以外の他のユーザを含む複数のユーザには配信されない。つまり、各ユーザがプレイしたゲームの画像の用途は自己用の広告に限定されている。このため、特許文献1のシステムでは、ゲームの画像を広告素材として十分に活用できていない。また、ユーザの貢献欲等のニーズに応えることもできない。結果として、ユーザにより収集も促進されず、なかなか見られない画像、やより魅力的な画像といった各種の画像の収集につながらない可能性も高い。
【0008】
そこで、本発明は、各プレイヤのプレイによって生じるゲーム画面を広告素材として活用することができる広告配信システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の広告配信システムは、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置にネットワークを介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置に表示される一連のゲーム画面のうちの特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システムであって、前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステムにネットワークを介して接続され、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ、及び前記特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手段と、前記ゲーム広告の定型様式として用意される所定のフォーマットに含まれる前記特定のゲーム画面が組み込まれるべき部分としての画面部分に前記特定のゲーム画面を組み込むことにより前記ゲーム広告を生成する広告生成手段と、を備える、ものである。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、前記広告表示装置、及び前記ゲームシステムに接続されるコンピュータを、上述の広告配信システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0011】
本発明の制御方法は、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置にネットワークを介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置に表示される一連のゲーム画面のうちの特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システムに組み込まれるコンピュータに、前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステムにネットワークを介して接続され、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ、及び前記特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手順と、前記ゲーム広告の定型様式として用意される所定のフォーマットに含まれる前記特定のゲーム画面が組み込まれるべき部分としての画面部分に前記特定のゲーム画面を組み込むことにより前記ゲーム広告を生成する広告生成手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一形態に係るネットワークシステムの全体構成の一例を示す図。
【
図2】ネットワークシステムに構築されるシステムの概要を示す図。
【
図3】ゲーム広告サービスの概略的な手順の一例を説明するための説明図。
【
図4】広告素材の判別方法を説明するための説明図。
【
図5】条件データの内容の一例を説明するための説明図。
【
図7】広告素材の提供に伴う報酬の一例を説明するための説明図。
【
図8】プレイヤ指定型で広告素材が判別される場合のゲーム画面の一例を模式的に示す図。
【
図9】第1の方法に係るゲーム広告の生成を説明するための説明図。
【
図10】第2の方法に係るゲーム広告の生成を説明するための説明図。
【
図12】サーバにおける制御系の要部の一例を示す機能ブロック図。
【
図13】広告表示装置、及びゲーム機における制御系の要部の一例を示す機能ブロック図。
【
図18】第1素材収集処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図19】第2素材収集処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図20】募集情報取得処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図21】画面情報取得処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図22】ゲーム広告生成処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図23】初期報酬付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図24】追加報酬付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(全体構成)
以下、本発明のゲームシステム、及び広告配信システムの一形態を説明する。本形態のゲームシステム、及び広告配信システムは、ユーザに対して所定のサービスを提供するネットワークシステムの一部として構成される。所定のサービスにはゲーム広告サービスが含まれる。ゲーム広告サービスは、ゲームを提供するためのゲームシステムと、広告を配信するための広告配信システムとの組み合わせにより実現されるサービスである。以下では、まずネットワークシステムの概要について説明し、その後、ゲームシステム、及び広告配信システムの構成を説明する。
図1に示すように、ネットワークシステム1は、サーバSVを含んでいる。サーバSVには、ゲーム機3、及び広告表示装置4がネットワークNTを介して接続される。
【0014】
サーバSVは、一例として、複数のサーバユニット2A、2B…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。ネットワークNTは、サーバSVに対してゲーム機3、及び広告表示装置4を通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバSV、ゲーム機3、及び広告表示装置4とをそれぞれインターネットに接続するLAN、或いはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等とを含んでよい。
【0015】
ゲーム機3は、ユーザにゲームを提供するゲーム装置である。本発明のゲームシステムはネットワークシステム1において適宜に構成され得るが、以下ではゲーム機3として構成される場合、つまりゲーム機3がゲームシステムとして機能する場合について説明する。ゲーム機3は、ゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよいが、
図1の例では、アーケードゲーム機3A、パーソナルコンピュータ3B、及びモバイル端末装置3Cが示されている。
【0016】
アーケードゲーム機3Aはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の徴収(消費)と引き換えにユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機(装置)である。パーソナルコンピュータ3B、及びモバイル端末装置3Cは、いずれもネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される(個別に使用される)コンピュータ装置の一例である。モバイル端末装置3Cには携帯電話、或いは携帯情報端末(例えば、タブレット端末、及び携帯型パーソナルコンピュータ等)といった各種のコンピュータ装置が含まれ得るが、
図1の例ではモバイル端末装置3Cとしてスマートフォンが示されている。この種のコンピュータ装置は、一般的にユーザ端末装置と呼ばれる。ユーザ端末装置は、ソフトウェア(アプリケーション)の実行に伴い各種のサービスを提供するが、このようなサービスにはゲームが含まれる。つまり、パーソナルコンピュータ3B等のユーザ端末装置は、所定のアプリケーションの実行に伴い、ゲームをプレイするためのゲーム装置として機能する。また、ユーザ端末装置に設けられるアプリケーションには広告を表示するためのアプリケーションが含まれる場合もあり、ユーザ端末装置はそのアプリケーションの実行に伴い広告表示装置4として機能する場合もある。
【0017】
なお、各種アプリケーションは適宜にユーザ端末装置に提供されてよく、例えばネットワークNTを介してサーバSVから提供されてもよいし、記憶媒体等を介して提供されてもよい。また、パーソナルコンピュータ3B等に限定されず、各種のユーザ端末装置がゲーム機3として利用されてよく、例えば据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がゲーム機3として利用されてもよい。さらに、ゲーム機3は、アーケードゲーム機3A、パーソナルコンピュータ3B、或いはモバイル端末装置4Cといった複数種類のゲーム装置を含む形態に限定されず、例えばいずれか一種類のゲーム装置のみで構成されてもよい。
【0018】
広告表示装置4は、広告配信システムを介して配信される広告を表示する装置である。広告表示装置4として広告を表示可能な適宜の装置が利用されてよく、例えば複数のユーザによって見られるように公共の場に設置される一台の表示装置が利用されてもよいが、
図1の例ではネットワーク接続可能な各種のコンピュータ装置が利用されている。また、このようなコンピュータ装置は各種のコンピュータ装置を適宜に含み得るが、
図1の例ではアーケードゲーム機4A、パーソナルコンピュータ4B、及びモバイル端末装置4Cを含んでいる。
【0019】
アーケードゲーム機4A、パーソナルコンピュータ4B、及びモバイル端末装置4Cは、上述のアーケードゲーム機3A、パーソナルコンピュータ3B、及びモバイル端末装置3Cと同様の装置である。ゲーム機3、及び広告表示装置4として同種の装置が使用される場合も、それぞれ異なる種類の装置が使用される場合もある。さらに、例えば一台のユーザ端末装置がゲーム機3、及び広告表示装置4の両方として機能する場合もある。以下では、ユーザ端末装置を代表して同じ一台のモバイル端末装置がゲーム機3、及び広告表示装置4の両方として機能する場合について説明するが、ゲーム機3として機能する場合にはモバイル端末装置3C(以下、モバイルゲーム機3Cと呼ぶ場合がある)と、広告表示装置4として機能する場合にはモバイル端末装置4C(以下、モバイル広告装置4Cと呼ぶ場合がある)とそれぞれ表記して互いを区別する。また、ネットワークシステム1には、このようなユーザ端末装置として適宜の数のモバイルゲーム機3C、及び適宜の数のモバイル広告装置4Cが接続され得る。
【0020】
(ネットワークシステムに構築されるシステム)
次に、
図2を参照してゲーム広告サービスを実現するためにネットワークシステム1に構築されるシステムについて説明する。
図2は、ネットワークシステム1に構築されるシステムの概要を示す図である。ゲーム広告サービスは、モバイルゲーム機3C(ゲーム機3)が提供するゲームのゲーム画面を含む広告としてゲーム広告をモバイル広告装置4C(広告表示装置4)に配信するためのサービスである。
図3に示すように、ネットワークシステム1のサーバSV上には、ゲーム広告サービスを実現するためにゲーム配信システム20、及び広告配信システム30が構築される。これらのシステム20、30、はサーバSVに含まれるサーバユニット2A等を適宜に利用して実現されるシステムである。
【0021】
ゲーム配信システム20は、例えばサーバユニット2A、及びゲームデータベースDB1(例えばサーバユニット2の一つ)を利用し、ゲーム関連サービスを提供するシステムとして構築される。ゲーム関連サービスはモバイルゲーム機3Cが提供するゲームに関連するサービスである。ゲーム関連サービスはゲームに関連する各種のサービスを含んでいてよく、例えばゲーム画面がゲーム配信システム20にて描画される場合にはそのゲーム画面を配信するサービスを含むが、一例としてモバイルゲーム機3Cにてゲーム画面が描画されるようにそのゲーム画面の描画に必要な各種のゲーム情報(例えば複数のユーザがネットワークNTを介して一緒にゲームをプレイする場合にそれらの複数のユーザにそれぞれ対応するモバイルゲーム機3Cの操作情報等)を取得したり配信したりする情報配信サービスを含む。
【0022】
なお、ゲーム関連サービスは、例えばその他にも複数のユーザが一緒にゲームをプレイする場合にそれらの複数のユーザ(協力者、及び対戦者の両方を含む)をマッチングするためのマッチングサービスを含んでいてよい。同様に、ゲーム関連サービスはネットワークNTを介してモバイルゲーム機3Cのプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、モバイルゲーム機3Cからユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、認証したユーザのプレイデータをモバイルゲーム機3Cから受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをモバイルゲーム機3Cに提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、モバイルゲーム機3Cのユーザから料金を徴収する課金サービス等を適宜に含んでいてもよい。
【0023】
一方、広告配信システム30は、例えばサーバユニット2B、及び広告データベースDB2(例えばサーバユニット2の一つ)を利用し、広告配信サービスを提供するシステムとして構築される。広告配信サービスは、モバイル広告装置4Cに広告を配信するためのサービスである。広告配信システム30は単独で広告が配信されるように広告配信サービスを提供してもよいが、一例として広告が他のサービスの一部に組み込まれるように広告配信サービスを提供する。また、このような他のサービスとして各種のサービスが適宜に利用されてよいが、例えばモバイル広告装置4Cに動画を配信する動画配信サービスが利用される。つまり、広告配信システム30は、動画配信サービスで配信される動画の最初、最後、或いは適宜途中といった一部に広告が組み込まれるように広告配信サービスを提供する。このような動画配信サービスはネットワークシステム1内に構築される他のシステム、或いはネットワークシステム1外に構築される他のシステムといった適宜のシステム(サーバ装置等の単独の装置を含む)によって提供されてもよいが、一例として広告配信システム30によって提供される。つまり、広告配信サービスは動画配信サービスの一部として提供される。
【0024】
広告配信サービスを介して提供される(動画配信サービスを通じて配信される動画に差し込まれる)広告には、ゲーム広告が含まれる。そして、このようなゲーム広告が配信される場合の広告配信サービスはゲーム広告サービスの一部として機能する。このようなゲーム広告は適宜のシステムで生成されてよく、例えばモバイルゲーム機3Cで生成されてもゲーム配信システム20で生成されてもよいが、一例として広告配信システム30にて生成される。また、ゲーム広告に含まれるゲーム画面はゲーム配信システム20を介して(経由して)間接的に提供されてもよいが、
図2の例ではモバイルゲーム機3Cから直接的に提供されている。この場合、広告配信システム30はモバイルゲーム機3Cに接続され、モバイルゲーム機3Cと連携してゲーム広告サービス(広告配信サービス)を提供する。
【0025】
ゲーム配信システム20と広告配信システム30とは同じ運営者によって運営されてもよいが、一例として互いに異なる運営者によって運営される。この場合において、広告配信システム30はゲーム広告をモバイル広告装置4Cに無料で配信してもよいが、一例として有料で配信する。また、ゲーム広告の配信費用は一律に定額であってもよいが、一例として従量制に設定される。つまり、モバイル広告装置4Cへの配信数が増えるに従って増加するように配信費用は設定される。このような配信費用はモバイル広告装置4Cのユーザ(以下、視聴者と呼ぶ場合がある)が負担してもよいが、一例としてゲーム配信システム20の運営者によって負担される。ゲーム配信システム20と広告配信システム30との間は情報の送受信が不要な場合(例えば運営者が共通している場合等)には接続されなくてもよいが、一例として接続され、それらの間で配信数や配信費用といった各種費用の精算に必要な情報の送受信が実行される。ネットワークシステム1には各種のシステムが適宜に構築され得るが、一例としてゲーム広告サービスを実現するために、これらのゲーム配信システム20、及び広告配信システム30が構築される。
【0026】
(ゲーム広告サービスの概要)
次に、
図3を参照してゲーム広告サービスの概要について説明する。
図3は、ゲーム広告サービスの概略的な手順の一例を説明するための説明図である。
図3に示すように、ゲーム広告サービスは、F1~F5の五つの手順を含んでいる。具体的には、ゲーム配信システム20は、モバイルゲーム機3Cからリクエストがあるとゲーム情報を配信する(F1)。ゲーム情報はゲームの進行、及びゲーム画面の描画といったゲームのプレイに必要な情報である。このような情報には、例えば過去の実績(プレイデータ等)、複数のモバイルゲーム機3C間で共通のゲームがプレイされる場合の他のモバイルゲーム機3Cの操作情報、或いはオブジェクト情報といった情報が含まれる。
【0027】
モバイルゲーム機3Cは、ゲーム配信システム20からゲーム情報を取得すると、そのゲーム情報に基づくゲーム画面50をモニタMOに表示し、そのゲーム画面50を介してゲームを提供する。モバイルゲーム機3Cは、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、及び野球ゲーム等のスポーツゲーム(アクションゲームとして提供される場合、及びシミュレーションゲームとして提供される場合の両方を含む)といった各種のゲームを適宜に提供してよいが、
図3の例では麻雀ゲームを提供している。
【0028】
麻雀ゲームは、モバイルゲーム機3Cにおいて所定のアプリケーション(以下、ゲームアプリと呼ぶ場合がある)を通じて提供される。このようなゲームアプリは適宜に実現されてよいが、例えばSDK(Software Development Kit)の技術を用いて実現される。このようなゲームアプリを通じて、モバイルゲーム機3Cには、ゲームをプレイするユーザ(以下、プレイヤと呼ぶ場合がある)のプレイ行為に従って生じるプレイ状況に応じて一連のゲーム画面が表示される。例えば、モバイルゲーム機3Cが麻雀ゲームを提供する場合、麻雀ゲームではプレイヤのプレイ行為(ツモや打牌等)を通じて国士無双、或いは四暗刻といった各種の役が形成されるが、モニタMOにはその役が形成された状態やその役に至るまでのプレイ状況をそれぞれ示す一連のゲーム画面50が表示される。
【0029】
また、モバイルゲーム機3Cは、一連のゲーム画面50の一部として広告素材を特定するための所定の広告条件を満たす特定のゲーム画面50(動画及び静止画の両方を含む)が生じた場合、その特定のゲーム画面50を判別し、その特定のゲーム画面50を広告素材として表示するための画面情報を生成する。そして、モバイルゲーム機3Cは、その画面情報を広告配信システム30に送信する(F2)。このため、ゲームアプリには、一連のゲーム画面50から特定のゲーム画面50を判別したり、その特定のゲーム画面50に対応する画面情報を生成したり、それを広告配信システム30に送信したりする機能が設けられる。
【0030】
画面情報は、特定のゲーム画面50に関する各種の情報を適宜に含み得るが、例えば表示用データ、提供者の情報、種類の情報、プレイ状況の情報、題目の情報、評価値の情報、及び通知先の情報を含んでいる。表示用データは特定のゲーム画面50を表示するためのデータである。表示用データとして特定のゲーム画面50を表示可能な各種のデータが適宜に機能してよく、例えば特定のゲーム画面50に至るためのプレイヤの操作情報を含むいわゆるリプレイデータが機能してもよいが、一例として動画データ(特定のゲーム画面50が静止画の場合には画像データに対応する)が機能する。このような表示用データは、特定のゲーム画面50をそのまま表示するように構成されてもよいが、一例として一部に編集が適用されたゲーム画面50を表示するように構成される。具体的には、表示用データは、対戦型ゲームにおける対戦相手の名称等、対戦相手のプライバシに関する部分をマスキング(消去、及び塗りつぶしの両方を含む)したゲーム画面50を表示するように構成される。このような編集はプレイヤによって手動で実行されてもよいが、一例としてゲームアプリによって自動的に実行される。つまり、ゲームアプリは、このようなマスキングの編集を含むゲーム画面50が特定のゲーム画面50として表示されるように特定のゲーム画面50を編集しつつ、表示用データを生成する。
【0031】
提供者は、特定のゲーム画面50(広告素材)を提供したプレイヤ(以下、提供者と呼ぶ場合がある)を示す情報である。提供者の情報として各提供者を識別可能な各種の情報が利用されてよく、例えばゲーム配信システム20が各プレイヤを識別するためのプレイヤIDを発行している場合はそのプレイヤIDが利用されてもよいが、一例として視聴者IDが利用される。視聴者IDは、動画配信サービスを利用する各視聴者を識別するために広告配信システム30がプレイヤIDとは別の体系にて独自に発行するIDである。このため、ゲームアプリは、視聴者IDの情報を入力するための入力機会も提供する。また、提供者が視聴者IDを有していない場合、ゲームアプリは広告配信システム30を介して新しく視聴者IDが発行されるように広告配信システム30と連携する機能も有する。
【0032】
なお、広告配信システム30は、各種アプリケーションの配信、ショッピング、或いはeメールといった複数のサービスを含むプラットフォームサービスを提供してよく、動画配信(広告配信)サービスはそのプラットフォームサービスの一部として機能してよい。この場合、広告配信システム30はプラットフォームサービスの各サービスにおいて共用されるように各サービスに共通のプラットフォームIDを発行してもよく、視聴者IDとしてそのプラットフォームIDが利用されてもよい。この場合、ゲーム配信システム20はプレイヤIDとしてプラットフォームIDを利用してもよい。つまり、プレイヤIDと視聴者IDとは同じIDであってもよい。
【0033】
種類の情報はゲームの種類を示す情報である。ゲーム広告サービスは一種類のゲームのみを対象に提供されてもよく、その場合には種類の情報は省略され得るが、一例としてゲーム広告サービスは複数種類のゲームを対象に提供される。種類の情報は、それらのゲームの種類の判別に使用される。プレイ状況は、特定のゲーム画面50に対応するプレイ状況を示す情報である。プレイ状況の情報はゲームに生じるプレイ状況を示す各種の情報を適宜に含み得るが、例えば後述の広告募集を通じて広告素材に要求される募集要項に対応する情報を含む。題目の情報は、特定のゲーム画面50に付与されるべき題目を示す情報である。特定のゲーム画面50にはゲーム広告60用に適宜の題目が付与されてよく、題目の情報はその題目に応じて構成されるが、一例として後述の募集要項の題目を含むように構成される。なお、題目は提供者によって任意に入力されてもよく、その場合にはゲームアプリはその題目を入力する機会を提供する。
【0034】
評価値の情報は、特定のゲーム画面50に対応するプレイ状況(換言すれば特定のゲーム画面50)の評価結果として算出される評価値を示す情報である。評価値は、所定のロジックに基づいて算出される。所定のロジックはゲームの種類、及び各ゲームに含まれ得る各種の要素等に適宜に構成され得るが、例えば野球ゲームにおいて満塁ホームランが特定のプレイ状況として募集されている場合、その満塁ホームランが生じたイニング、及びホームラン打者(具体的な選手、或いは4番等の打順のいずれでもよい)といった要素を利用するように構成される。具体的には、例えば同じ満塁ホームランに対応するプレイ状況であっても7回よりも8回、8回よりも9回といった具合にイニングが大きくなるほど高い価値が算出される。また、2番打者よりも3番打者、3番打者よりも4番打者といった具合に4番打者(主力選手)が最も高くなるように各打順に設定される価値が算出される。そして、これらの二つの価値に基づいて二つの価値の平均値、或いは合計値等が評価値として算出される。あるいは、例えば7回、及び4番打者の募集要項で広告が募集されている場合に、7回、及び4番打者による満塁ホームランが完全一致として最も評価が高く、6回の4番打者、8回の4番打者、若しくは7回の3番打者といった具合に募集要項との一致度に応じて募集要項と相違するに従って評価値が低くなるロジックが適用されてもよい。また、新しい選手(キャラクタ)に対するニーズが考慮され、新しい選手を含むか否か等に応じて適宜に評価値が加算されてもよい。
【0035】
同様に、例えば麻雀ゲームにおける役満が特定のプレイ状況として特定される場合、役満の種類、あがりまでのツモ数、親か否か、牌の種類(例えば字牌の有無等)といった要素を利用するように所定のロジックは構成される。そして、例えば出現確率や出現数(既に配信済みの役や過去に出現済の優先度が低くなるように設定される)に応じて各役満に設定される価値、ツモ数が少なくなるほど高くなる価値、親の場合に子の場合よりも高くなる価値、及び各牌の種類に設定される価値に基づいて、これらの価値の合計値等が評価値として算出される。評価値は、広告配信システム30等の他のシステム等において算出されてもよいが、一例としてこのようにモバイルゲーム機3C(モバイルアプリ)にて算出される。
【0036】
通知先は提供者の通知先を示す情報である。広告配信システムから提供者には必要に応じて各種の情報が通知される場合があり、通知先はその際に使用される。このため、そのような通知が省略される場合には通知先の情報も省略され得るが、一例として特定のゲーム画面50を含むゲーム広告60が配信対象として採用された場合にその採用が広告配信システムから提供者に通知される。通知先情報はその通知に使用される。通知先の情報には広告配信システムから提供者への通知方法に応じて各種の情報が適宜に含まれ得るが、一例として配信対象への採用通知は提供者が利用するユーザ端末装置(例えばモバイルゲーム機3C、及びモバイル広告装置4Cとして機能するもの)にeメールを通じて通知される。このため、通知先の情報には提供者のeメールアドレスの情報が含まれる。また、ゲームアプリは、このようなeメールアドレスを入力する機会も付与する。
【0037】
一方、広告配信システム30は、モバイルゲーム機3Cから画面情報を取得すると、その画面情報を保存する。また、広告配信システム30は、広告募集の募集期限といった所定の時期に保存した画面情報に基づいてゲーム広告60を生成する(F3)。この生成は適宜に実現されてよく、例えば手動で実現されてもよいが、一例として自動で実現される。広告配信システム30はゲーム広告60の自動生成を適宜に実現し得るが、一例として画面情報及びゲーム広告60用の所定のフォーマットに基づいて実現される。具体的には、広告配信システム30は、画面情報に含まれる表示用データ(動画データ)、種類、及び題目の情報に基づいて、所定のフォーマットに適用することによりゲーム広告60を生成する。ゲーム広告の生成の詳細は後述する。
【0038】
また、広告配信システム30は、特定のゲーム画面50として一台、或いは複数のモバイルゲーム機3Cから複数のゲーム画面50が提供される場合、その全てをゲーム広告60として配信してもよいが、
図3の例ではその一部のみを配信対象として配信する。このような一部のゲーム画面50はゲーム広告60の生成後に選定されてもよいが、一例としてゲーム広告60の生成前に選定される。つまり、特定のゲーム画面50として提供された複数のゲーム画面50から一部のゲーム画面50が選定され、その選定された一部のゲーム画面50に基づいてゲーム広告60が生成される。このような一部は適宜に選定されてよいが、一例として広告効果が高いと想定される対象を選別するための選定基準に基づいて実行される。選定基準に基づく選定は次の手順で実行される。
【0039】
すなわち、広告配信システム30は、画面情報に含まれる評価値を所定の選定基準で評価して各ゲーム画面50を選定する。具体的には、広告配信システム30は、評価値が所定値よりも高いゲーム画面50をゲーム広告60の対象と選定するように、その所定値を選定基準としてそれを超えるか否かにより広告化するゲーム画面50を選定する。一例として、選定基準に基づく選定は、このような手順で実行される。そして、広告配信システム30は、配信対象として選定した一部のゲーム画面50の提供者に配信対象(広告化対象)への採用を通知する(F4)。この通知はゲームアプリ等を通じて実現されてよいが、一例として上述のとおりeメールを通じて実現される。
【0040】
また、広告配信システム30は、その作成したゲーム広告60を各種の動画の適宜のタイミングに挿入されるようにモバイル広告装置4Cに配信する(F5)。挿入対象の動画及びタイミングは適宜に決定されてよいが、一例として動画の種類等とそれを視聴する視聴者の傾向との関係を判別する所定のロジックに基づいて決定される。具体的には、挿入対象の動画及びタイミングは、ゲーム広告60に興味を抱きやすい傾向の視聴者にゲーム広告60が配信されるように、所定のロジックに基づいてそのような傾向の視聴者が視聴する動画、及びその動画のランダムの時期に決定される。そして、モバイル広告装置4Cは、広告配信システム30からゲーム広告60が配信されるとそのゲーム広告60をモニタMOに表示する。一例として、このような手順でゲーム広告サービスは実現される。
【0041】
(広告素材の判別)
次に、
図4を参照して、モバイルゲーム機3Cにおける広告素材(特定のゲーム画面50)の収集について説明する。広告素材としての特定のゲーム画面50は上述のとおりゲームアプリにおいて広告条件に基づいて判別される。広告条件は一連のゲーム画面50の一部を特定可能な各種の条件を適宜に含み得るが、例えば状況指定条件と、指定結果条件とを含んでいる。状況指定条件は、予め指定された特定のプレイ状況が生じた場合にその特定のプレイ状況に対応するゲーム画面50を自動的に特定のゲーム画面50として判別する(ピックアップする)ための条件である。状況指定条件を満たす特定のプレイ状況の情報はゲーム配信システム20からモバイルゲーム機3Cに適宜に提供され得るが、一例として広告募集の募集要項として提供される。
【0042】
一方、指定結果条件は、プレイヤの指定結果を利用する条件である。つまり、指定結果条件が利用される場合、特定のゲーム画面50(特定のプレイ状況)は、指定を通じてプレイヤによって判別(ピックアップ)される。プレイヤによるゲーム画面50の指定は広告募集とは無関係に任意の時期に自由に実行されてもよいが、一例として状況指定条件の場合と同様に広告募集に応じてその募集要項に対応するゲーム画面50においてのみ実行可能に構成される。具体的には、プレイヤには、募集要項に対応する特定のプレイ状況を示すゲーム画面50の場合にそれを広告素材として指定するか否か指定する指定機会が付与される。そして、その指定機会において広告素材として指定された場合にそのゲーム画面50が特定のゲーム画面50として判別される。結果として、広告素材の判別方法には状況指定条件に基づく自動ピックアップ型と、プレイヤの指定に基づくプレイヤ指定型の二つの方法が含まれる。
【0043】
図4は、広告素材の判別方法を説明するための説明図である。
図4の例は、
図3の例におけるゲーム配信システム20とモバイルゲーム機3Cとの間の判別方法に応じた手順を示している。具体的には、
図4の例の(A)は自動ピックアップ型の手順を、(B)はプレイヤ指定型の手順をそれぞれ示している。この場合、
図4の(A)に示すように、自動ピックアップ型で広告素材が判別される場合、ゲーム配信システム20から条件データCD(ゲーム情報の一部であっても、別であってもよい)が配信される。条件データCDは、広告募集の募集要項(特定のゲーム画面50の判別に必要な条件)の情報が記述されたデータである。モバイルゲーム機3Cは条件データCDを取得すると、その条件データCDに記述された募集要項(状況指定条件)を満たす特定のプレイ状況が生じた場合に自動的にその特定のプレイ状況に対応するゲーム画面50を特定のゲーム画面50として判別する。この例において条件データCDが本発明の広告情報として機能する。
【0044】
具体的には、モバイルゲーム機3Cは特定のプレイ状況の判別を適宜に実行してよいが、例えばプレイ状況の情報を示すプレイログの記録をゲームの開始に伴い開始し、そのプレイログに基づいて判別する。また、モバイルゲーム機3Cは一連のゲーム画面50の録画(表示用データとしてリプレイデータが生成される場合はオブジェクト構成や操作情報等のリプレイデータの生成に必要な情報の記録)を適宜の時期に開始する。このような時期としてゲームのプレイ開始時が採用され、プレイ開始から継続的に一連のゲーム画面50が録画(キャプチャ)されてもよいが、一例として募集要項において時期が指定されている場合には、そのような指定の条件に該当する時期が録画の開始時期として利用される。つまり、例えば野球ゲームにおいて最終回の満塁ホームラン等、イニングが指定されている場合、一連のゲーム画面50の録画はその最終回等の指定されたイニングから開始される。あるいは、麻雀ゲームにおいて役満のあがりが指定されている場合、例えば一連のゲーム画面50の録画は役満に対する聴牌(テンパイ)の状態から開始される。そして、その録画された一連のゲーム画面50から特定のプレイ状況に対応する特定のゲーム画面50が取得される。この場合、特定のゲーム画面50以外の部分(不要部分)の録画は適宜の時期に消去される。なお、ゲーム画面50の録画等は広告募集の募集期間にかかわらず常時実行されてもよいが、一例としてその募集期間に限定されて事項される。つまり、ゲーム画面50の録画等は募集期間の開始時に開始され、終了時に終了する。
【0045】
一方、
図4の(B)に示すように、ユーザ指定型で広告素材が特定される場合、モバイルゲーム機3Cに表示される一連のゲーム画面50からプレイヤが特定のゲーム画面50を指定する。具体的には、例えば特定のゲーム画面50の指定が広告募集とは無関係に実行される場合、ゲーム配信システム20からモバイルゲーム機3Cへの条件データCDの配信は省略されてもよいが、一例として自動ピックアップ型と同様に実行される。モバイルゲーム機3Cは条件データCDを取得すると、その条件データCDに記述された募集要項に対応する特定のプレイ状況が生じた場合にその特定のプレイ状況に対応するゲーム画面50を特定のゲーム画面50として指定するための指定機会をプレイヤに付与する。そして、その指定機会においてプレイヤによって特定のゲーム画面50として指定された場合に、その指定されたゲーム画面50が特定のゲーム画面50として判別される。この場合も、モバイルゲーム機3Cは一連のゲーム画面50の録画を適宜の時期に開始してよく、例えばゲームのプレイ開始時から開始してもよいが、一例として自動ピックアップ型の場合と同様に募集要項に応じて開始する。不要部分についても自動ピックアップ型の場合と同様である。一例として、自動ピックアップ型、及びプレイヤ指定型では、このような手順で特定のゲーム画面50が一連のゲーム画面50からピックアップされる。
【0046】
(条件データ)
次に、
図5を参照して、条件データCDの一例について説明する。
図5は、条件データCDの内容の一例を説明するための説明図である。条件データCDは各種の情報を適宜に含み含んでいてよく、それらは適宜にプレイヤに案内されても、案内されなくてもよいが、
図5の例は条件データCDに含まれる情報のうちプレイヤに案内される情報を示している。また、
図5の(A)は自動ピックアップ型の場合の内容を、(B)はプレイヤ指定型の内容を、それぞれ示している。さらに、モバイルゲーム機3Cは各種のゲームを提供し得るが、
図5の(A)は野球ゲームが、(B)は麻雀ゲームが、それぞれモバイルゲーム機3Cによって提供される場合を示している。
図5の(A)に示すように、モバイルゲーム機3Cが野球ゲームを提供する場合、条件データCDは、“野球ゲーム”、“募集広告”、“プレイ状況”、“長さ”、及び“題目”の情報を含んでいる。これらのうち“野球ゲーム”、“募集広告”、“プレイ状況”、及び“長さ”の情報が主な募集要項として機能する。
【0047】
“野球ゲーム”は、ゲームの種類(野球ゲーム)を示す情報である。“募集広告”は、広告募集の募集形式を示す情報である。募集形式は広告素材を募集するための各種の形式を適宜に含み得るが、例えば募集広告、及び選択広告の二種類の形式を含んでいる。募集広告は、自動ピックアップ型の募集形式、つまり状況指定条件に基づいて特定のゲーム画面50を自動的に判別する方式の募集形式である。一方、選択広告は、プレイヤ指定型の募集形式、つまりプレイヤの指定によって手動で特定のゲーム画面50を判別する方式の募集形式である。“募集広告”は、これらのうち募集広告の募集形式を示す情報である。
【0048】
“プレイ状況”は、広告素材として募集する特定のプレイ状況(ゲームシーン)を示す情報である。“プレイ状況”は特定のプレイ状況を判別し得る各種の情報を適宜に含んでいてよく、例えば特定のキャラクタ、アイテムといったゲーム中の要素を指定する情報を含んでいてもよいが、
図5の例では“グランドスラム”、及び“ホームラン”の情報を含んでいる。“グランドスラム”はグランドスラム(満塁ホームラン)の状況を、“ホームラン”はホームランの状況を、それぞれ示している。グランドスラムの情報が記述されている場合、野球ゲームのグランドスラムの状況が特定のプレイ状況として特定され、そのグランドスラムに対応するゲーム画面50が特定のゲーム画面50として特定される。ホームランの情報が記述されている場合も同様である。
【0049】
“長さ”は広告素材として募集するゲーム画面50の長さ(尺)を示す情報である。“長さ”にはゲーム画面50の長さとして適宜の時間の情報が記述されてよいが、
図5の例では“6秒”、及び“静止画”の情報が記述されている。“6秒”は6秒の長さ(動画)を示す情報であり、グランドスラムに対応するゲーム画面50として6秒の長さの動画を募集する情報である。一方、“静止画”は静止画を示す情報であり、ホームランに対応するゲーム画面50として静止画を募集する情報である。“長さ”は静止画を指定する情報を含むため、動画、及び静止画の画像の種類を示す情報としても機能する。
【0050】
“題目”は、ゲーム広告60に表示される題目(キャッチコピ)を示す情報である。“題目”には各種の題目が適宜に記述され得るが、
図5の例では“熱いぜ”、及び“いよいよ開幕”の情報が記述されている。“熱いぜ”はグランドスラムのゲーム画面50がゲーム広告60に使用される場合に、“いよいよ開幕”はホームランのゲーム画面50がゲーム広告60に使用される場合に、それぞれ題目として表示される。この例においてゲームの種類、及びプレイ状況の情報が本発明の条件の情報として機能する。
【0051】
一方、
図5の(B)に示すように、モバイルゲーム機3Cが麻雀ゲームを提供する場合、条件データCDは、“麻雀ゲーム”、“選択広告”、“プレイ状況”、“長さ”、及び“題目”の情報を含んでいる。これらの情報は野球ゲームの場合と同様であるが、“麻雀ゲーム”はゲームの種類として麻雀ゲームを、“選択広告”は選択広告の募集形式を、それぞれ示している。また、“プレイ状況”には麻雀ゲームに生じ得る特定のプレイ状況として“国士無双”、及び“九蓮宝燈”といった特定の役満を示す情報が、“長さ”には“6秒”、及び“15秒”といった長さ(いずれも動画)を示す情報が、それぞれ記述されている。
【0052】
同様に、“題目”には、題目として“フリー”及び“奇跡のあがり”の情報が記述されている。“奇跡のあがり”は“熱いぜ”等と同様に題目を直接示す情報であるが、“フリー”は題目の自由入力を許容する情報である。“題目”に“フリー”の情報が記述されている場合、例えばプレイヤに題目を入力する機会が付与され、そこで入力された題目がゲーム広告60に表示される。また、選択広告の場合、題目の情報は広告素材として判別されるべき特定のプレイ状況の理解をプレイヤに促すための情報としても機能する。なお、条件データCDには、これらに限定されず、広告募集、或いはゲーム広告60の仕様に必要な各種の情報が含まれていてよい。例えば、広告素材の提供に伴いその内容等に応じて異なる報酬が付与される場合等、条件データCDは報酬の情報を含んでいてよい。同様に、例えばゲーム広告60に採用される数に制限がある場合、採用人数の情報を含んでいてもよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。
【0053】
(募集告知画面)
次に、
図6を参照して、募集告知画面について説明する。
図6は、募集告知画面の一例を模式的に示す図である。ゲーム広告60の広告素材(特定のゲーム画面50)が広告募集に基づいて収集される場合、その広告募集はeメール等の適宜の方法で通知されてよいが、一例として募集告知画面を通じて告知される。このような募集告知画面は適宜に実現されてよく、例えば情報提供サービスの一つとしてゲームアプリを通じて実現されてもよいが、一例としてゲーム配信システム20が提供するWebサイトを通じて実現される。具体的には、ゲーム配信システム20はモバイルゲーム機3Cが提供するゲームに関する各種情報を提供するためのWebサイトを構築して配信し、モバイルゲーム機3CはWebサイトを閲覧するためのブラウザアプリ(アプリケーション)を通じてWebサイトにアクセスのうえ、募集告知画面を表示する。
図6の例は、このような場合の募集告知画面を示している。
【0054】
図6に示すように、募集告知画面ASは広告募集欄AS1を含んでいる。広告募集欄AS1は広告募集に関する情報を表示するための欄である。広告募集欄AS1には広告募集に関する各種の情報が適宜に表示され得るが、
図6の例では募集要項に関する情報が表示されている。具体的には、“国士無双”、“先着1000名”、“100ポイントが提供されます”、及び“動画はCMなどに使用されます”といった募集対象のプレイ状況、使用可能人数、報酬、及び用途の情報が募集要項の情報として表示されている。広告募集欄AS1の情報は適宜に作成されてよく、例えばゲーム配信システム20の運営者による入力によって作成されてもよいが、一例として予め用意された定型文に募集要項に応じた事項(条件データCDの各情報)が当てはめられて作成される。このため、
図6の募集告知画面ASが表示される場合、例えば条件データCDは“先着1000名”等の先着人数(あるいは採用人数)、及び“100ポイント”等の報酬の情報を含んでいてよい。
【0055】
(広告素材の提供に伴う報酬)
次に、
図7を参照して、広告素材(特定のゲーム画面50)の提供に伴う報酬について説明する。
図7は、広告素材の提供に伴う報酬の一例を説明するための説明図である。
図7の例は、広告素材の提供に関連するゲームアプリの画面の遷移、及び動画配信アプリに表示される動画配信画面70の一例を模式的に示している。また、
図7の例は、自動ピックアップ型で特定のゲーム画面50が判別される場合を示している。この場合、
図7に示すように、モバイルゲーム機3Cにはゲームアプリを通じてゲーム画面50、許諾画面CS、及び報酬付与画面RSが広告素材の提供に関連する画面として順に表示される。
【0056】
ゲーム画面50は一連のゲーム画面50のうち特定のプレイ状況に対応する特定のゲーム画面50である。自動ピックアップ型では、上述のとおり条件データCDに基づいて自動で特定のゲーム画面50が判別される。許諾画面CSは、特定のゲーム画面50のゲーム広告60への使用を許諾するための画面である。ゲーム広告60への使用許諾は適宜に実現されてよく、例えばゲームのプレイ開始時に実際に広告素材が提供されるか否かにかかわらず一律に実行されてよく、その場合、許諾画面CSはプレイ開始時に表示されてもよいが、一例として特定のゲーム画面50が判別された後に表示される。同様に、許諾画面CSは適宜に構成されてよいが、
図7の例では許諾説明欄CS1を含んでいる。許諾説明欄CS1は、特定のゲーム画面50のゲーム広告60への使用に関する各種の説明文を表示するための欄である。許諾説明欄CS1には各種の説明文が適宜に表示されてよいが、
図7の例ではゲーム広告60への提供の有無を確認する文章、及び報酬を説明する文章が表示されている。
【0057】
さらに、許諾説明欄CS1には許諾の可否に関する意思表示をするための“はい”ボタンCS1a、及び“いいえ”ボタンCS1bが設けられる。モバイルゲーム機3Cにはプレイ行為等のプレイヤの指示を入力するための各種の入力装置が適宜に設けられ得るが、一例としてプレイヤのタッチ操作に応じた位置を検出するタッチパネルが設けられ、“はい”ボタンCS1a、及び“いいえ”ボタンCS1bはいずれもタッチ操作が実行されるべき位置として機能する。そして、“はい”ボタンCS1a、は許諾可を示す選択肢として、“いいえ”ボタンCS1bは許諾不可を示す選択肢として、それぞれ機能する。つまり、“はい”ボタンCS1aが選択された場合には特定のゲーム画面50がゲーム広告60用の広告素材として広告配信システム30に提供される。一方、“いいえ”ボタンCS1bが選択された場合には特定のゲーム画面50の広告配信システム30への提供(ひいてはゲーム広告60への使用)が見送られる。
【0058】
報酬付与画面RSは、広告素材(特定のゲーム画面50)の提供により付与される報酬を表示するための画面である。広告素材の提供に対応する報酬として各種の特典が適宜に付与されてよく、例えば物理的な特典が付与されてもよいが、一例として電子的な特典が付与される。電子的な特典には各種の電子的要素が適宜に含まれてよく、例えばゲーム内のアイテム、キャラクタに設定されるパラメータの上昇、ゲーム内における各種の価値、或いはゲーム進行の優遇や特別な展開のプレイ等の各種権利(資格)といった適宜の要素を含み得るが、
図7の例では電子的な特典(所定の要素の一例)としてポイントが付与されている。
【0059】
ポイントは適宜の価値として機能してよく、例えばゲームが所定の対価と引き換えにプレイされる場合のその対価として機能する価値、或いはゲーム内において使用される価値といった価値のいずれか一方の価値として機能してもよいが、
図7の例ではその両方として機能する。つまり、広告素材の提供に伴い、プレイ用の対価、及びゲーム内におけるアイテム等の購入の両方に使用可能な所定量のポイントが報酬としてその広告素材の提供者に付与される。このようなポイントはゲーム配信システム20によって発行されてもよいが、一例として広告配信システム30によって発行される。また、広告配信システム30がプラットフォームサービスを提供する場合、このポイントはプラットフォームサービスの各サービスにおいて共用されるポイントとして機能する。
【0060】
また、報酬としての所定量のポイントは固定的な量であっても、可変的な量であってもよい。例えば広告素材の提供に伴い一律に同量(固定量)のポイントが付与されても、広告素材の内容に応じて異なる量(可変量)のポイントが付与されてもよいが、一例として固定量、及び可変量の両方が付与される。これらの固定量、及び可変量は広告素材の提供時等の適宜の時期に付与されてよく、いずれも同じ時期に付与されてもよいが、一例として固定量は広告素材の提供時に、可変量は事後的に、それぞれ付与される。
【0061】
具体的には、報酬付与画面RSは、初期報酬付与画面RS1、及び事後報酬付与画面RS2を含んでいる。初期報酬付与画面RS1は広告素材の提供時に報酬として付与される固定量(例えば100ポイント)のポイント(以下、初期報酬と呼ぶ場合がある)を表示するために、広告素材の提供時に表示される報酬付与画面RSである。一方、事後報酬付与画面RS2は事後的に報酬として付与される可変量(例えば50ポイント)のポイント(以下、追加報酬と呼ぶ場合がある)を表示するために、事後的に表示される報酬付与画面RSである。追加報酬(可変量)は広告素材の内容に基づいて適宜に算出されてよく、例えば所定の評価基準等を利用した適宜のロジックに基づいて算出されてもよいが、
図7の例ではゲーム広告60として広告効果(広告実績)に応じて算出される。
【0062】
広告効果は適宜に判別されてよく、例えばゲームアプリをモバイルゲーム機3Cにダウンロードさせるために用意されるWebサイトにゲーム広告60がリンクするように構成される場合においてそのリンク数、或いはそのリンクから実際にゲームアプリがダウンロードされた数に応じて判別されてもよいが、
図7の例ではゲーム広告60としてモバイル広告装置4Cに配信された数としての配信数(配信実績)に応じて判別される。つまり、追加報酬は、ゲーム広告60の配信数に応じて算出される。具体的には、追加報酬は、配信数が多い(広告効果が高い)ほど、ポイント量が多く(価値が高く)なるように算出される。
【0063】
ゲーム広告60は、動画配信画面70を通じて配信される。また、動画配信画面70はモバイル広告装置4Cに適宜に表示されてよいが、
図7の例では動画配信アプリを通じて表示される。動画配信アプリは、動画(換言すれば広告)を表示する装置としてモバイル広告装置4Cを機能させるためのアプリケーションである。このため、事後報酬付与画面RS2は、動画配信アプリの動画配信画面70を通じてモバイル広告装置4Cに実際にゲーム広告60が配信された後に表示される。
【0064】
また、追加報酬は適宜の時期に算出されてよく、例えば所定期間(適宜に集計の終了期限が設けられていてもよいし、ゲーム広告60の配信中は継続されてもよい)毎等の一定の周期で算出されてもよいが、一例として追加報酬は配信数に応じて配信数が増えるに従って報酬額が増えるように複数段階に設定され、配信数が各段階に到達する毎に各段階に設定される報酬額(ポイント量)が追加報酬として算出される。そして、事後報酬付与画面RS2はその算出された追加報酬を通知するために表示される。つまり、事後報酬付与画面RS2は、配信数が各段階に到達する毎にその配信実績に応じてボーナス的に付与される追加報酬を通知するように表示される。
【0065】
事後報酬付与画面RS2は、例えばポイント確認用のサイトが用意される場合、そのサイトにアクセス可能な適宜のアプリケーション(例えばブラウザアプリ等)を通じて表示されてもよいが、一例としてゲームアプリを通じて表示される。また、事後報酬付与画面RS2は、追加報酬の算出後に広告素材の提供者がゲームアプリにおいてプレイヤID若しくは視聴者IDを入力した場合に、ポップアップ、若しくは各種通知を確認するための所定の操作により表示される。一例として、広告素材の提供に伴い、このような報酬が付与される。
【0066】
(プレイヤ指定型の指定方法)
次に、
図8を参照して、プレイヤ指定型で広告素材が判別される場合の指定方法について説明する。広告素材の指定はモバイルゲーム機3Cに入力可能な各種の操作を通じて適宜に実現されてよいが、一例としてゲーム画面50へのタッチ操作を通じて実現される。
図8は、プレイヤ指定型で広告素材が判別される場合のゲーム画面50の一例を模式的に示す図である。
図8に示すように、プレイヤ指定型で広告素材が判別される場合、ゲーム画面50には素材指定ボタン55が設けられる。素材指定ボタン55は、現在表示中のゲーム画面50を広告素材として指定するためのタッチ操作が実行されるべき位置を示す画像である。
【0067】
素材指定ボタン55は、プレイヤに任意の時期の指定が許容される場合等、一連のゲーム画面50において常に表示されていてもよいが、一例として広告募集が実行されている場合にはその広告募集の募集要項に対応するゲーム画面50にのみ表示される。例えば、麻雀において役満が募集されている場合には、役満のあがりに対応するゲーム画面50に素材指定ボタン55が表示される。また、素材指定ボタン55にタッチ操作された後は、
図7の例と同様に許諾画面CS、及び報酬付与画面RSが順次表示される。この例において素材指定ボタン55へのタッチ操作が本発明の指定指示として機能する。
【0068】
(ゲーム広告の生成)
次に、
図9~
図11を参照して、ゲーム広告60の生成について説明する。
図9及び
図10は、いずれもゲーム広告60の生成を説明するための説明図である。ゲーム広告60は適宜に生成され得るが、
図9の例は第1の方法に係るゲーム広告60の生成を説明するための説明図である。ゲーム広告60は上述のとおり所定のフォーマットと画面情報とに基づいて生成されるが、第1の方法は画面情報の各情報を同時に表示するゲーム広告60の生成に適用される。具体的には、
図9の例はゲーム画面50等の配置位置が予め設定された定型様式として用意される所定のフォーマット(テンプレート)と、そのフォーマットの各配置位置に配置されるべき情報とが組み合わされてゲーム広告60が生成される場合を示している。また、ゲーム広告60は適宜の情報を含んでいてよいが、
図9の例はゲーム名、そのゲームの配給者名(配給者名を示すロゴ等を含む)、題目、及びゲーム画面50を含む場合を示している。
【0069】
図9に示すように、第1の方法に係るフォーマット61Aは、ゲーム画面領域62、ゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65を含んでいる。ゲーム画面領域62、ゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65は、それぞれゲーム画面50、ゲーム名63a、配給者名64a、及び題目65aが配置されるべき領域(部分)である。このため、これらの領域62~65にゲーム名63a等の情報が埋め込まれてゲーム広告60が生成される。
【0070】
また、所定のフォーマット61Aとしてゲームの種類、及びプレイ状況にかかわらず一律のフォーマットが使用されてもよいが、一例としてゲームの種類毎に生じ得る複数のプレイ状況に応じた複数のフォーマット61Aが用意される。各フォーマット61A間では適宜の相違が生じてよく、例えばゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65の全て、或いは一部において位置、範囲、大きさといった相違が生じてよいが、一例として題目領域65の位置等に相違が生じる。このような相違は適宜に設定されてよいが、一例としてゲーム画面50が示すプレイ状況への影響が比較的少ない位置等に題目領域65が配置されるように設定される。つまり、プレイ状況に応じて題目領域65の位置、範囲、大きさの少なくとも一部が互いに相違する複数のフォーマット61Aが用意される。そして、広告素材として提供されたゲーム画面50のプレイ状況に基づいて、そのプレイ状況に対応するフォーマット61Aがゲーム広告60の生成用に使用される。
【0071】
ゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65に配置されるべきゲーム名63a、配給者名64a、及び題目65aは適宜に用意されてよいが、一例としてゲーム名領域63、及び配給者領域64はゲームの種類毎に用意される。一方、ゲーム画面50、及び題目65aは、モバイルゲーム機3Cから送信される画面情報(あるいは後述の画面データ)に基づいて表示される。具体的には、ゲーム画面領域62のゲーム画面50は画面情報に含まれる表示用データに基づいて、題目65aは画面情報に含まれる題目の情報に基づいて、それぞれ表示される。そして、これらのゲーム名63a、配給者名64a、及び題目65aの情報が、プレイ状況に応じたフォーマット61Aのゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65にそれぞれ配置され、ゲーム広告60が生成される。
【0072】
一方、
図10の例は、第2の方法に係るゲーム広告60の生成を説明するための説明図である。第2の方法は、画面情報の各情報を順次表示するゲーム広告60の生成に適用される。
図10の例は、第2の方法に係るフォーマット61Bの一例を示している。また、
図10の例は、
図9の例と同様にゲーム名、題目、ゲーム画面50、及びゲームの配給者名を順に表示する部分を含むゲーム名、そのゲームの配給者名、題目、及びゲーム画面50を含むゲーム広告60に適用される場合のフォーマット61Bを示している。さらに、これらの情報は適宜の順番で表示されてよいが、
図10の例はゲーム名、題目、ゲーム画面50、及びゲームの配給者名の順に表示される場合のフォーマット61Bを示している。この場合、
図10に示すように、第2の方法に係るフォーマット61Bは、タイトル動画66、題目動画67、画面動画68、及び配給者動画69を順に含むように、ゲーム広告60に対応する長さを有する動画として形成される。
【0073】
タイトル動画66、題目動画67、及び配給者動画69は、ゲーム広告60のうちゲーム名(タイトル)、題目、及び配給者名をそれぞれ表示するための動画部分である。このため、タイトル動画66はゲームの種類毎(あるいはゲーム名の表示の仕方毎。他の情報も同様。)に、題目動画67は題目毎に、配給者動画69は配給者毎に、予めそれぞれ用意される。このため、これらのゲームの種類等に応じて用意されるタイトル動画66等の組合せにより各フォーマット61Bは形成される。なお、タイトル動画66、題目動画67、及び配給者動画69は、適宜のデータで管理されるゲーム名、題目、及び配給者名の情報の差し込みを通じて随時形成されてもよい。例えばゲーム配信システム20が広告配信システム30として機能する場合等、広告配信システム30が条件データCDを有している場合、条件データCDで管理されるゲーム名、及び題目が後述の画面動画68と同様に適宜に差し込まれ、ゲーム広告60の生成毎にタイトル動画66、及び題目動画67が形成されてよい。配給者動画69も同様である。
【0074】
一方、画面動画68はゲーム画面50を表示するための動画部分である。画面動画68には予めナレーション等の音声が予め含まれていてもよいが、広告素材として提供されたゲーム画面50が事後的に組み込まれる。つまり、ゲーム毎、題目(プレイ状況にも相当)毎に用意されるフォーマット61Bの画面動画68にゲーム画面50が組み込まれてゲーム広告60が生成される。第2の方法に係るフォーマット61Bとして複数のフォーマット61Bが適宜に用意され得るが、一例としてこのようなフォーマット61Bが用意され、ゲーム画面50等との組合せによりゲーム広告60が生成される。この例において、ゲーム画面領域62、或いは画面動画68が、本発明の画面部分として機能する。なお、以下では、第1の方法に係るフォーマット61A、及び第2の方法に係るフォーマット61Bを区別しない場合、それらを代表してフォーマット61と呼ぶ場合がある。
【0075】
図11は、編集画面の一例を模式的に示す図である。編集画面は、特定のゲーム画面50、或いはゲーム広告60を編集するための画面である。特定のゲーム画面50は編集されず素材のままゲーム広告60として使用されてもよく、その場合、編集画面は省略されてよい。また、特定のゲーム画面50が編集される場合、特定のゲーム画面50は適宜の時期に編集されてよく、例えば広告素材として提供された後に広告配信システム30に保存され、事後的に広告配信システム30にアクセスのうえ編集されても、許諾画面CSにおける使用許諾の前、或いは後に編集されてもよい。つまり、編集画面は、例えば事後的に広告配信システム30を介して表示されても、使用許諾の前後に表示されてもよい。このように編集画面は適宜に活用され得る(あるいは省略され得る)が、一例としてゲーム広告60の編集に使用される。また、このような編集画面を通じた編集は、例えばモバイルゲーム機3Cにおいてブラウザアプリ、或いはゲームアプリといった適宜のアプリケーションを通じて実行されてもよいが、一例としてゲーム配信システム20の運営者によって実行される。つまり、編集画面はゲーム配信システム20に表示される。
図11の例は、このような場合の編集画面を示している。
【0076】
図11に示すように、編集画面80は、広告領域81、第1編集領域82、第2編集領域83を含んでいる。第1編集領域82、及び第2編集領域83は、いずれも各種の編集を指示するための領域であるが、それぞれに異なる指示が割り当てられる。具体的には、第1編集領域82は編集内容の保存、やり直しといった指示が割り当てられる領域である。一方、第2編集領域83は、ゲーム広告60に含まれるゲーム画面50の長さや範囲、別の素材(別のゲーム画面50を含む)の重畳表示、或いはリプレイデータに基づいてゲーム画面50が表示される場合のカメラアングル等を編集するための指示が割り当てられる領域である。このため、第1編集領域82、及び第2編集領域83には、これらの保存等の指示に対応する指示用のボタンが適宜に設けられる。
【0077】
一方、広告領域81は、編集対象の動画を表示するための領域である。ゲーム広告60が編集される場合、広告領域81には編集対象としてゲーム広告60が表示される。また、第1編集領域82、及び第2編集領域83を通じて編集が実行された場合、広告領域81には編集後のゲーム広告60が表示される。つまり、広告領域81には、第1編集領域82、及び第2編集領域83を通じて実行された編集がリアルタイムに反映される。一例として、このような編集画面80を通じてゲーム広告60は編集される。なお、編集画面80は編集されない場合に確認画面として利用されるが、編集機会が省略される場合、編集画面80の代わりに単なる確認画面(例えば編集画面80の編集機能が省略された画面)が提供されてもよい。
【0078】
(制御系の要部の構成)
次に、
図12及び
図13を参照して、ネットワークシステム1のうち、ゲーム広告サービスに関わる制御系の要部の構成について説明する。
図12は、サーバSVにおける制御系の要部の一例を示している。なお、
図12の構成は、
図2のネットワークシステム1の構成の具体例の一つであり、
図2に対応する構成要素には
図2と共通の参照符号が付されている。
【0079】
図12に示すように、ゲーム配信システム20には、制御部21と、記憶部22とが設けられる。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部22には、制御部21にて参照されるべきコンピュータプログラムPG1、及びデータが記憶される。このようなデータには各種のデータが適宜に含まれ得るが、
図12の例では条件データCDが示されている。条件データCDは、広告素材として特定のゲーム画面50が募集される場合の募集要項の情報が記述されたデータである。
【0080】
制御部21は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU等)を利用して構成される。制御部21には、制御部21を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG1との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、
図12の例ではゲーム広告サービスに関連する論理的装置として、ゲーム配信部23、及び素材募集部24が設けられている。
【0081】
ゲーム配信部23は、モバイルゲーム機3Cがゲームを提供するために必要な各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、例えば複数のモバイルゲーム機3Cで共通のゲームをプレイする場合において各モバイルゲーム機3C(プレイヤ)をマッチングしたり、各モバイルゲーム機3Cにおける進行状況や操作状況といった各種ゲーム情報を共有したりする処理が含まれる。同様に、ゲーム配信部23が実行する処理には、例えばその他にも前回までのプレイ実績を次回のプレイに引き継ぐためのプレイデータを配信したり、対価の徴収が必要な場合に対価を徴収したりする処理が含まれる。
【0082】
素材募集部24は、広告素材の募集に関する各種の処理を行う論定的装置である。このような処理には、運営者によって入力された情報に基づいて条件データCDを生成したり、その条件データCDをモバイルゲーム機3Cに配信(実際の配信はゲーム配信部23経由で実行されてもよく、その場合のゲーム配信部23への提供を含む)したりする処理が含まれる。この例においてゲーム配信システム20を構成するサーバユニット2が本発明のサーバ装置として機能する。
【0083】
広告配信システム30には、制御部31と、記憶部32とが設けられる。記憶部32は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部32には、制御部31にて参照されるべきコンピュータプログラムPG2及びデータが記憶される。このようなデータには各種のデータが適宜に含まれ得るが、
図12の例では動画データMD、画面データSD、様式データTD、及び通知先データADが示されている。
【0084】
動画データMDは、各種の動画(静止画の場合の画像を含む)を表示するためのデータである。各種の動画には、動画配信サービス用の動画、及びその動画に適宜に挿入されるゲーム広告60が含まれる。また、ゲーム広告60には更に特定のゲーム画面50が含まれる。このため、動画データMDは特定のゲーム画面50を表示するための表示用データ(動画データ)を含む。つまり、動画データMDは、動画配信用の動画、ゲーム画面50、及びゲーム広告60を表示するためのデータとして機能する。また、動画データMDは、ゲーム広告60用のゲーム画面50として複数のゲーム画面50がモバイルゲーム機3Cから送信される場合には、複数のゲーム画面50をそれぞれ表示する複数の表示用データを含む。
【0085】
画面データSDは、各広告素材のうち特定のゲーム画面50に関する情報を管理するためのデータである。このような情報には、ゲーム画面50の管理に必要な情報等の各種の情報が適宜に含まれるが、例えばモバイルゲーム機3Cから送信される画面情報が含まれる。画面データSDの詳細は後述する。
【0086】
様式データTDは、ゲーム広告60を生成するための所定のフォーマット61を定義するためのデータである。様式データTDによりプレイ状況に応じて題目領域65の位置等が相違する各フォーマット61A、或いはタイトル動画66等が相違する各フォーマット61Bが実現される。様式データTDの詳細は後述する。
【0087】
通知先データADは、各プレイヤの通知先を管理するための情報である。通知先の情報は適宜に利用され得るが、例えば特定のゲーム画面50が配信対象に選定された場合にその特定のゲーム画面50の提供者に配信対象への採用を通知するために使用される。通知先データADの詳細は後述する。
【0088】
制御部31は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源を利用して構成される。制御部31には、制御部31を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、
図12の例ではゲーム広告サービスに関連する論理的装置として、広告生成部33、広告配信部34、及び報酬付与部35が示されている。
【0089】
広告生成部33は、広告の生成に関する各種の処理を行う論理的装置である。そのような広告にはゲーム広告60も含まれる。このため、広告生成部33が実行する処理には、ゲーム広告60の生成に関する各種の処理が含まれる。このような処理には、例えば、特定のゲーム画面50をモバイルゲーム機3Cから取得したり、その特定のゲーム画面50に対応するプレイ状況に応じたフォーマット61を判別したり、そのフォーマット61の所定の場所(部分)に適宜の情報を配置したりする処理が含まれる。広告生成部33は、このような処理の一例として、画面情報取得処理、及びゲーム広告生成処理を実行する。画面情報取得処理、及びゲーム広告生成処理の手順の詳細は後述する。
【0090】
広告配信部34は、モバイル広告装置4Cへの広告の配信に関する各種の処理を行う論理的装置である。広告はモバイル広告装置4Cに適宜に配信されてよいが、一例として上述のとおりゲーム広告60は動画配信サービスを介して配信される動画に挿入されるように配信される。このため、広告配信部34が実行する処理には、例えばモバイル広告装置4Cに動画を配信したり、その動画の適宜の時期に挿入されるようにゲーム広告60を配信したりする処理が含まれる。また、ゲーム広告60の生成後に配信対象のゲーム画面50(ゲーム広告60)が選定される場合、広告配信部34が実行する処理には、その一部のゲーム画面50の選定に関連する処理も含まれる。
【0091】
報酬付与部35は、広告素材の提供に対応する報酬の付与に関する各種の処理を行う論理的装置である。広告素材には特定のゲーム画面50が含まれ、その特定のゲーム画面50の提供に伴いその提供者には上述のとおり報酬の一例としてポイントが付与される。また、報酬には初期報酬(固定量のポイント)と追加報酬(可変量のポイント)とが含まれる。このため、報酬付与部35が実行する処理には、これらの初期報酬、及び追加報酬を付与するための処理が含まれる。報酬付与部35は、このような処理の一例として初期報酬付与処理、及び追加報酬付与処理を実行する。初期報酬付与処理、及び追加報酬付与処理の手順の詳細は後述する。
【0092】
一方、
図13は、モバイルゲーム機3C、及びモバイル広告装置4Cにおける制御系の要部の一例を示している。
図13に示すように、モバイル広告装置4Cは、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット91を含む。制御ユニット91には、各種の入力装置、若しくは出力装置が接続され得るが、
図13の例ではタッチパネルTP、通信装置CU、及びモニタMOが接続されている。タッチパネルTP、通信装置CU、及びモニタMOのそれぞれは、スマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアである。
【0093】
制御ユニット91には、そのハードウエアと所定のユーザ端末プログラムPGaとの組み合わせによって実現される論理的装置としてサービス管理部95が設けられる。サービス管理部95は、ユーザ端末プログラムPGaに含まれる動画配信アプリのプログラムの実行に伴い設けられる論理的装置である。サービス管理部95は動画配信サービスに関連する各種の処理を実行するが、そのような処理には動画に適宜に挿入されるゲーム広告60を表示するための処理が含まれる。なお、モバイル広告装置4Cには、制御ユニット91に対する外部記憶装置としてユーザ端末プログラムPGaを記憶する記憶ユニット、スピーカ等の出力装置といった各種のハードウエアがその他にも適宜に設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0094】
モバイルゲーム機3Cには、制御ユニット11と、記憶部12とが設けられる。また、制御ユニット11には各種の入力装置及び出力装置が適宜に接続され得るが、
図13の例ではモバイル広告装置4Cと同様にタッチパネルTP、通信装置CU、及びモニタMOが接続されている。タッチパネルTP、通信装置CU、及びモニタMOのそれぞれは、上述のとおりスマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアである。この例においてタッチパネルTP、及びモニタMOが、本発明の入力装置、及び表示装置としてそれぞれ機能する。
【0095】
記憶部12は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部12には、制御ユニット11にて参照されるべきコンピュータプログラムPGg及びデータが記憶される。このようなデータには各種のデータが適宜に含まれ得るが、
図13の例では条件データCD、及び動画データMDが示されている。
【0096】
条件データCDは、上述のとおりゲーム広告60用のゲーム画面50が募集される場合の募集要項に関する情報が記述されたデータである。表示用データDDは、広告素材として提供される特定のゲーム画面50(動画)を表示するための動画データである。なお、特定のゲーム画面50として静止画が提供される場合、表示用データDDはその静止画を表示するための画像データとして機能する。この例において表示用データDDが本発明の表示用データとして機能する。
【0097】
制御ユニット11は、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成される。制御ユニット11には、そのハードウエアとコンピュータプログラムPGgとの組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、
図13の例ではゲーム広告サービスに関連する論理的装置として、ゲーム制御部16、及び素材収集部17が示されている。
【0098】
ゲーム制御部16は、ゲームを提供するために必要な各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、例えば、ゲーム配信システム20から各種のゲーム情報を取得したり、そのゲーム情報に基づいて一連のゲーム画面50をモニタMOに表示させたりする処理が含まれる。
【0099】
素材収集部17は、広告素材としての特定のゲーム画面50の収集に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、ゲーム配信システム20から条件データCDを取得したり(ゲーム配信システム20から直接取得する場合、及びゲーム制御部16を介して間接的に取得する場合の両方を含む)、それに基づいて一連のゲーム画面50から特定のゲーム画面を判別したりする処理が含まれる。また、素材収集部17が実行する処理には、特定のゲーム画面50が広告素材として活用されるように広告配信システム30に提供したり、ゲーム画面50等の編集の機会を付与したりする処理が含まれる。素材収集部17は、これらのような処理の一例として、素材収集処理、及び募集情報取得処理を実行する。素材収集処理、及び募集情報取得処理の手順の詳細は後述する。
【0100】
(各種データの詳細)
次に、
図14~
図17を参照して、条件データCD、画面データSD、様式データTD、及び通知先データADの詳細について説明する。
図14は、条件データCDの構成の一例を示す図である。条件データCDは広告募集の募集要項に関する各種の情報を適宜に含み得るが、
図15の例では
図5の例に示す情報に関連する部分を示している。この場合、
図14に示すように、条件データCDは、広告募集毎にその募集要項を管理するための条件レコードCDRを含んでいる。また、条件レコードCDRは、このような管理を実現するために、“条件ID”、“募集形式”、“種類”、“プレイ状況”、“長さ”、及び“題目”の情報を含んでいる。
【0101】
“条件ID”は、各広告募集を識別するための広告募集毎にユニークな条件IDを示す情報である。“募集形式”、“種類”、“プレイ状況”、“長さ”、及び“題目”は、
図5の例の募集形式、ゲームの種類、プレイ状況、長さ、及び題目にそれぞれ対応する情報である。このため、“募集形式”には“募集広告”、或いは“選択広告”を示す情報が、“種類”には“野球ゲーム”、或いは“麻雀ゲーム”といったゲームの種類を示す情報が、それぞれ記述される。同様に、“プレイ状況”には“グランドスラム”等の特定のプレイ状況を示す情報が、“長さ”には“6秒”等の長さを示す情報が、“題目”には“熱いぜ”等の題目を示す情報が、それぞれ記述される。
【0102】
なお、条件レコードCDRには、これらに限定されず、募集要項の都合等に応じて適宜の情報が含まれていてよい。例えば、条件レコードCDRは、詳細情報を含んでいてもよい。詳細情報は、募集要項としての特定のプレイ状況の詳細を解説するための情報である。例えば、詳細情報には、より評価値の高いプレイ状況を説明する情報、或いはプレイヤが十分に把握できないタイプの状況が特定のプレイ状況(換言すれば指定すべき特定のゲーム画面50)として“プレイ状況”において指定される場合にその特定のプレイ状況の詳細を解説する情報といった情報が記述される。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。
【0103】
図15は、画面データSDの構成の一例を示す図である。画面データSDは各ゲーム画面50(広告素材)を管理するための各種の情報を適宜に含み得るが、
図15の例はモバイルゲーム機3Cから提供される画面情報に関連する部分を示している。
図15に示すように、画面データSDは、広告素材としてのゲーム画面50毎にそのゲーム画面50の情報を管理するための画面レコードSDRを含んでいる。また、画面レコードSDRは、このような管理を実現するために、“素材ID”、“種類”、“プレイ状況”、“題目”、“提供者”、及び“評価値”の情報を含んでいる。
【0104】
“素材ID”は、広告素材として提供された各ゲーム画面50を識別するためにゲーム画面50毎にユニークな素材IDを示す情報である。一方、“種類”、“プレイ状況”、“題目”、“提供者”、及び“評価値”は、画面情報に含まれるゲームの種類、プレイ状況、題目、提供者、及び評価値をそれぞれ示す情報である。
【0105】
具体的には、“種類”は、各ゲーム画面50に対応するゲームの種類を示す情報である。“種類”にはゲームの種類の情報として各種の情報が適宜に記述されてよいが、一例としてゲーム名の情報が記述される。また、“種類”の情報は広告素材として複数種類のゲームのゲーム画面50が収集される場合に使用され、一種類のゲームのみのゲーム画面50が広告素材として収集される場合には省略されてもよい。
【0106】
“プレイ状況”は、各ゲーム画面50に対応するプレイ状況を示す情報である。“プレイ状況”には各種のゲームに応じて適宜にプレイ状況が記述されてよく、例えば野球ゲームの場合にはヒット、ホームラン、或いは満塁ホームラン等の打席の結果、4番打者等の打者、7回等のイニングといったプレイ状況が記述される。同様に、麻雀ゲームの場合には、国士無双等のあがり役、ツモ数、あがり役における牌の種類、東場等の場といった情報がプレイ状況として記述される。
【0107】
“題目”は、各ゲーム画面50に付与されるべき題目(キャッチコピ)の情報である。題目の情報には、“熱いぜ”や“奇跡のあがり”といった条件データCDで各ゲーム画面50に設定される題目の情報が記述される。
【0108】
“提供者”は各ゲーム画面50を広告素材として提供した提供者(プレイヤ)を示す情報である。“提供者”にはプレイヤID等の各ユーザを識別可能な適宜の情報が記述され得るが、一例として視聴者IDの情報が記述される。また、“評価値”は、各ゲーム画面50の評価値を示す情報である。画面レコードSDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、画面レコードSDRには、これらに限定されず、募集要項の都合等に応じて適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。また、例えばゲーム配信システム20が広告配信システム30として機能する場合等、画面データSDの代わりに条件データCDが利用されてもよく、この場合には画面データSDは省略されてもよい。つまり、条件データCDは広告配信システム30等において画面データSD(あるいは画面情報の一部)等として適宜に使い回されてもよい。
【0109】
図16は、様式データTDの構成の一例を示す図である。様式データTDはゲーム広告60の仕様(様式)等に応じて各種の情報を適宜に含み得るが、
図16の例は
図9の例のゲーム広告60の生成に必要な部分を示している。
図16に示すように、様式データTDは、フォーマット61(様式)毎にそれが適用されるべき対象を管理するための様式レコードTDRを含んでいる。また、様式レコードTDRは、このような管理を実現するために、“様式ID”、“様式”、“ゲーム名”、“プレイ状況”、及び“配給者”の情報を含んでいる。
【0110】
“様式ID”は、各フォーマット61を識別するためにフォーマット61毎にユニークな様式IDを示す情報である。“様式”は、各フォーマット61として実現されるべき様式(内容)を定義する情報である。各フォーマット61は適宜に実現されてよく、例えば
図9の例におけるゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65に別の領域を追加することにより実現されたり、或いはその反対にそれらの一部を省略して実現されたりしてもよいが、一例としてゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65の位置、範囲、大きさの相違により実現される。より具体的には、ゲーム毎のプレイ状況に応じて題目領域65の位置等が相違するように各フォーマット61Aの具体的な様式は定義される。このため、“様式”には一例として題目領域65の位置、範囲、大きさを示す情報が記述される。また、第2の方法に係るフォーマット61Bの場合、“様式”にはフォーマット61B毎に用意されるタイトル動画66、題目動画67、画面動画68、及び配給者動画69の組合せを示す情報が記述され得るが、“ゲーム名”、“プレイ状況”、及び“配給者”と関連付けられる画面動画68を示す情報が記述される。
【0111】
“ゲーム名”はゲーム名を示す情報である。ゲーム名はゲームの種類を示す情報としても機能する。“プレイ状況”は
図15の例の“プレイ状況”と同様に各ゲームにおけるプレイ状況を示す情報である。“配給者”は各ゲームの配給者を示す情報である。“配給者”には、例えば
図9の例の場合、配給者名64aの“K社”の情報が記述される。一方、第2の方法に係るフォーマット61Bの場合、“ゲーム名”、“プレイ状況”、及び“配給者”は、タイトル動画66、題目動画67、及び配給者動画69を特定するための情報として機能する。
【0112】
なお、様式レコードTDRには、これらに限定されず、ゲーム広告60に要求される様式等に応じて適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。例えば、画面データSDの代わりに条件データCDが記述される場合、“ゲーム名”、“プレイ状況”、及び“配給者”の情報の変わりに条件IDの情報が記述されてもよい。この場合、第2の方法に係るフォーマット61Bの“様式”には、例えば画面動画68を示す情報の代わりにタイトル動画66、題目動画67、画面動画68、及び配給者動画69の組合せを示す情報が記述されてよい。
【0113】
図17は、通知先データADの構成の一例を示す図である。通知先データADは各ユーザへの通知に必要な各種の情報を適宜に含み得るが、
図17の例は配信対象のゲーム広告60に採用されたゲーム画面50の提供者に実行される採用の通知に関連する部分を示している。
図17に示すように、通知先データADは、提供者毎にその通知先を管理するための通知先レコードADRを含んでいる。また、通知先レコードADRは、このような管理を実現するために、“提供者”、及び“通知先”の情報を含んでいる。
【0114】
“提供者”は
図15の例と同様に提供者であり、一例として“提供者”には視聴者IDの情報が記述される。“通知先”は各提供者の通知先を示す情報である。“通知先”には通知先として各種の情報が適宜に記述されてよく、例えばゲームアプリを通じて通知される場合のプレイヤID等が記述されてもよいが、一例としてeメールのアドレス情報が記述される。なお、通知先レコードADRには、これらに限定されず、各ユーザへの通知に必要な適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。
【0115】
(ネットワークシステムの処理)
次に、
図18~
図24を参照して、ゲーム広告サービスに関連してネットワークシステム1で実行される素材収集処理、募集情報取得処理、画面情報取得処理、ゲーム広告生成処理、初期報酬付与処理、及び追加報酬付与処理について説明する。素材収集処理は、一連のゲーム画面50から特定のゲーム画面50を広告素材として判別するための処理である。広告素材の判別方法には、自動ピックアップ型、及びプレイヤ指定型の二つの方法が含まれる。これらは適宜に実現されてよいが、一例として異なる処理により実現される。このため、素材収集処理には、自動ピックアップ型を実現する第1素材収集処理と、プレイヤ指定型を実現する第2素材収集処理とが含まれる。
図18の例は第1素材収集処理の手順の一例を、
図19の例は第2素材収集処理の手順の一例を、それぞれ示している。また、
図18及び
図19のいずれの例も広告素材としての特定のゲーム画面50が広告配信システム30に直接的に送信される場合を示している。さらに、特定のゲーム画面50を編集する編集機会の付与は省略されてもよいが、
図18及び
図19のいずれもプレイヤに編集機会が付与される場合を示している。
【0116】
自動ピックアップ型で広告素材の判別が実行される場合、素材収集部17はプレイヤによる操作が実行される毎に
図18の第1素材収集処理を開始し、その操作後のプレイ状況が広告条件(所定の条件)を満たすか否か判別する(ステップS101)。自動ピックアップ型の場合、広告条件として状況指定条件が利用され、状況指定条件はその操作後のプレイ状況が募集要項に相当する特定のプレイ状況に該当する場合に満たされる。また、募集要項は条件データCDに記述される。このため、素材収集部17は、条件データCDを参照しつつ、まず操作後のプレイ状況が、広告募集の募集要項に対応する特定のプレイ状況(条件データCDの“プレイ状況”)に該当するか否か判別する。そして、特定のプレイ状況に該当しない場合、つまり状況指定条件が満たされない場合(ステップS101:No)、素材収集部17は以降の処理をスキップして今回の第1素材収集処理を終了する。
【0117】
一方、操作後のプレイ状況が特定のプレイ状況に該当する場合、つまり状況指定条件が満たされる場合(ステップS101:Yes)、素材収集部17は一連のゲーム画面50のうちその操作後のプレイ状況を示すゲーム画面50、つまり特定のプレイ状況に対応するゲーム画面50を広告素材としての特定のゲーム画面50と判別する(ステップS102)。
【0118】
続いて素材収集部17は、許諾機会を付与する(ステップS103)。許諾機会は適宜に実現され得るが、一例として許諾画面CSを通じて実現される。このため、素材収集部17はモニタMOに許諾画面CSを表示させることにより許諾機会の付与を実現する。次に素材収集部17は、その許諾機会(許諾画面CS)において特定のゲーム画面50の広告素材としての提供が許諾されたか否か判別する(ステップS104)。具体的には、素材収集部17は、許諾画面CSにおいて“はい”ボタンCS1aが選択された場合には許諾されたと、“いいえ”ボタンCS1bが選択された場合に不許諾と、それぞれ判別する。そして、広告素材としての提供が許諾されない場合、つまり“いいえ”ボタンCS1bが選択された場合(ステップS104:No)、素材収集部17は以降の処理をスキップして今回の第1素材収集処理を終了する。
【0119】
一方、特定のゲーム画面50の広告素材としての提供が許諾された場合、つまり“はい”ボタンCS1aが選択された場合(ステップS104:Yes)、素材収集部17はプレイヤに編集機会を付与する(ステップS105)。編集機会は適宜に実現されてよく、例えばリプレイデータが用意される場合には特定のゲーム画面50が描画される際のカメラアングルの編集等を含んでいてよいが、一例として
図11の例の編集画面80に相当する画面の表示により実現される。
【0120】
続いて素材収集部17は、特定のゲーム画面50(編集されている場合は編集後のゲーム画面50)を広告素材として広告配信システム30に提供するために必要な画面情報を生成する(ステップS106)。画像情報は、例えば特定のゲーム画面50を表示するための表示用データDD(動画データ)、視聴者ID、ゲームの種類、プレイ状況、評価値、及び通知先の情報を含んでいる。このため、素材収集部17は、これらの情報を含む画面情報を生成する。具体的には、素材収集部17は、例えば特定のゲーム画面50の評価値の算出を実行する。また、例えば視聴者IDや通知先といったプレイヤによる入力が必要な情報が取得されていない場合、素材収集部17はステップS106においてそれらを取得する機会を付与する。さらに、プレイヤが視聴者IDを有していない場合、素材収集部17はステップS106において広告配信システム30にアクセスのうえ、広告配信システム30によって視聴者IDが発行されるまで、画面情報の生成を待機する。
【0121】
続いて素材収集部17は、ステップS106で生成した画面情報を広告配信システム30に送信する(ステップS107)。これにより、広告募集の募集要項に該当する特定のゲーム画面50が自動的に判別され、プレイヤの許諾、及び編集機会の付与の後に広告配信システム30に広告素材として送信される。つまり、自動ピックアップ型で広告素材の判別が実行される場合における
図3の例(あるいは
図4の例)のF2の手順が実現される。この例において状況指定条件が本発明の所定の条件として機能する。
【0122】
一方、プレイヤ指定型で広告素材の判別が実行される場合、第2素材収集処理が実行されるが、
図19の例では
図18の例と比較してステップS101~ステップS102の代わりにステップS111~ステップS114の処理が実行されている。具体的には、素材収集部17はプレイヤによる操作が実行される毎に
図19の第2素材収集処理を開始し、条件データCDを参照しつつ、まず操作後のプレイ状況が特定のプレイ状況(条件データCDの“プレイ状況”)に該当するか否か判別する(ステップS111)。この判別は、一例として
図18の例のステップS101で実行される判別と同様に実行される。
【0123】
続いて素材収集部17は、特定にプレイ状況に該当するゲーム画面50の所定位置(例えば右上等)に素材指定ボタン55を表示する(ステップS112)。次に素材収集部17は、特定のプレイ状況に該当するゲーム画面50の表示が終了する前に素材指定ボタン55へのタッチ操作を通じてそのゲーム画面50が特定のゲーム画面50として指定されたか否か(指定結果条件が満たされるか否か)判別する(ステップS113)。そして、素材収集部17は、特定のゲーム画面50としての指定が実行されない場合(指定結果条件が満たされない場合)、つまり素材指定ボタン55にタッチ操作が実行されない場合(ステップS113:No)、以降の処理をスキップして今回の第2素材収集処理を終了する。
【0124】
一方、特定のゲーム画面50としての指定が実行された場合(指定結果条件が満たされる場合)、つまり素材指定ボタン55にタッチ操作が実行された場合(ステップS113:Yes)、素材収集部17は素材指定ボタン55にタッチ操作が実行されたゲーム画面50を特定のゲーム画面50として判別する(ステップS114)。以降、素材収集部17は
図18の例におけるステップS103~ステップS107と同様の処理を実行し、ステップS107の処理の後に今回の第2素材収集処理を終了する。これにより、広告募集の募集要項に該当するゲーム画面50にのみ素材指定ボタン55が表示され、その素材指定ボタン55への操作を通じてプレイヤによる手動で特定のゲーム画面50が判別される。そして、自動ピックアップ型で広告素材の判別が実行される場と同様に、その特定のゲーム画面50がプレイヤの許諾及び編集の後に広告配信システム30に広告素材として送信される。つまり、プレイヤ指定型で広告素材の判別が実行される場合における
図3の例(あるいは
図4の例)のF2の手順が実現される。
【0125】
募集情報取得処理は、広告募集の募集要項に関する情報を取得するための処理である。募集要項は、一例として上述のとおり条件データCDに記述される。このため、募集情報取得処理は、条件データCDを取得するための処理として実行される。
図20の例は、このような場合の募集情報取得処理の手順を示している。この場合、素材収集部17は、ゲーム配信システム20から条件データCDが送信される毎に
図20の募集情報取得処理を開始し、まずその条件データCDを取得する(ステップS201)。続いて素材収集部17は、その取得した条件データCDを素材収集処理等の適宜の処理において活用するために記憶部12に保存する(ステップS202)。そして、この保存の後に素材収集部17は今回の募集情報取得処理を終了する。これにより、広告素材としての特定のゲーム画面50の判別に必要な条件データCD(募集要項)の情報が取得され、素材収集処理等において活用されるように保存される。
【0126】
画面情報取得処理は、画面データSDを生成するための処理である。画面データSDは画面情報を含む場合、モバイルゲーム機3Cからの画面情報に基づいて生成される。
図21の例は、このような場合の画面情報取得処理の手順を示している。この場合、広告生成部33は、モバイルゲーム機3Cから画面情報が送信されると
図21の画面情報取得処理を開始し、まずその送信された画面情報を取得する(ステップS401)。
【0127】
続いて広告生成部33は、取得した画面情報に基づいて画面データSDを生成する(ステップS402)。具体的には、広告生成部33は、まず画面情報に含まれる特定のゲーム画面50(画像データ)に素材IDを付与し、その素材IDに対応する画面レコードSDRを生成(画面データSDに追加)する。続いて広告生成部33は、画面情報に含まれるゲームの種類、プレイ状況、及び視聴者IDの情報をその生成した画面レコードSDRの“種類”、“プレイ状況”、及び“提供者”にそれぞれ記述する。広告生成部33は、一例としてこのように画面データSDを生成(更新)する。
【0128】
続いて広告生成部33は、ステップS402で生成した画面データSDを他の処理で活用されるように記憶部32に保存する(ステップS403)。そして、その保存の後に広告生成部33は今回の画面情報取得処理を終了する。これにより、モバイルゲーム機3Cから画面情報が取得され、その画面情報に基づいて画面データSDが生成される。
【0129】
ゲーム広告生成処理は、特定のゲーム画面50に基づいてゲーム広告60を生成するための処理である。ゲーム広告60の編集は適宜に省略され得るが、
図22の例は編集機会が付与される場合のゲーム広告生成処理を示している。また、ゲーム広告60は、例えば広告募集の募集期間の終了時等の適宜の時期に生成されてもよいが、
図22の例はゲーム配信システム20の運営者によってゲーム広告60を生成するための所定の開始指示に伴い生成される場合を示している。この場合、広告生成部33は、所定の開始指示(ゲーム、プレイ状況、或いは画面データSD等を介して各ゲーム画面50が条件IDと関連付けられている場合は条件IDといった対象の広告素材を指定する指示を含む)に伴い
図22のゲーム広告生成処理を開始し、まず開始指示に含まれる対象を指定する指示に基づいて、画面データSD等を参照しつつゲーム広告60の広告素材として使用する対象を選定する(ステップS502)。具体的には、広告生成部33は、各特定のゲーム画面50の評価値が選定基準としての所定値を超えるか否かにより、複数の特定のゲーム画面50のうち一部のゲーム画面50を広告化の対象として選定する。
【0130】
次に広告生成部33は、ステップS502で判別した対象(ゲーム画面50)に適用されるべきフォーマット61を判別する(ステップS502)。具体的には、広告生成部33は、画面データSDの“種類”、及び“プレイ状況”等と、様式データTDの“ゲーム名”、及び“プレイ状況”等とを参照し、様式データTDを介して画面データSDの“種類”、及び“プレイ状況”に関連付けられるフォーマット(“様式”)を特定し、その特定したフォーマットを今回使用するフォーマットと判別する。
【0131】
続いて広告生成部33は、ステップS502で判別したフォーマット61にステップS501で選定したゲーム画面50を組み合わせてゲーム広告60を生成する(ステップS502)。具体的には、例えば第1の方法に係るフォーマット61Aが適用される場合、広告生成部33はゲーム画面領域62、ゲーム名領域63、配給者領域64、及び題目領域65に、それぞれゲーム画面50、ゲーム名63a、配給者名64a、及び題目65aを配置することによりゲーム広告60を生成する。一方、第2の方法に係るフォーマット61Bが適用される場合、広告生成部33はフォーマット61Bを形成する各部分のうち画面動画68にステップS501で選定したゲーム画面50を組み込むことによりゲーム広告60を生成する。広告生成部33は、この生成も画面データSD、及び様式データTDを参照しつつ実現する。
【0132】
次に広告生成部33は、ゲーム配信システム20を介して編集機会の要否を確認し(ステップS503)、ゲーム配信システム20を介して編集が必要との回答が届いた場合(ステップS504:Yes)、ゲーム配信システム20を介して編集機会を付与する(ステップS505)。具体的には、ゲーム配信システム20を介して運営者に編集画面80を提供することにより編集機会を付与する。
【0133】
編集機会を付与した後、若しくは編集機会の要否において編集不要と判断された場合(ステップS504:Yes)、広告生成部33はゲーム広告60を保存する(ステップS506)。編集機会が付与されている場合、ゲーム広告60には編集結果が反映されている。このため、この場合には編集後のゲーム広告60が保存される。
【0134】
続いて広告生成部33は、ゲーム広告60への採用をそのゲーム広告60に含まれるゲーム画面50の提供者に通知する(ステップS508)。この通知は通知先データADに基づいて実行される。具体的には、広告生成部33は、画面データSDの“提供者”の情報、及び通知先データADの“通知先”の情報を参照し、対象のゲーム画面50の提供者にeメール(一例として定型文)を送信することにより、この通知を実現する。そして、この通知の後に広告生成部33は今回のゲーム広告生成処理を終了する。これにより、特定のゲーム画面50に応じたフォーマット61のゲーム広告60が自動的に生成される。また、ゲーム広告60に編集が必要な場合には編集の機会が付与される。ゲーム広告60の素材(ゲーム画面50)の提供者にはゲーム広告60への採用が通知される。つまり、
図3の例のF3、及びF4の手順が実現される。
【0135】
初期報酬付与処理は、広告素材の提供者に初期報酬を付与するための処理である。初期報酬は適宜の時期に付与されてよいが、
図23の例は広告素材の送付に伴い送付の直後に初期報酬が付与される場合の初期報酬処理を示している。この場合、報酬付与部35は、モバイルゲーム機3Cから画面情報を取得すると
図23の初期報酬付与処理を開始し、まず初期報酬を付与すべき対象のプレイヤを判別する(ステップS701)。この判別は画面情報に含まれる提供者の情報に基づいて実行され、提供者の情報として視聴者IDの情報が含まれる場合には対象のプレイヤとして視聴者IDの視聴者が判別される。
【0136】
続いて報酬付与部35は、ステップS701で判別したプレイヤ(視聴者IDの視聴者)に初期報酬を付与する(ステップS702)。初期報酬は広告素材の内容(例えば評価値)等に応じて適宜に変化してもよいが、一例として広告素材の内容にかかわらず一律に同じ固定量のポイントに設定される。このため、報酬付与部35は、ステップS701で判別した視聴者IDの視聴者に初期報酬として固定量のポイントを付与する。そして、この付与の後に報酬付与部35は今回の初期報酬付与処理を終了する。これにより、広告素材としての特定のゲーム画面50の提供に伴い、初期報酬が付与される。なお、初期報酬の付与に伴いモバイルゲーム機3Cにその付与結果が通知され、モバイルゲーム機3Cはその通知に基づいて初期報酬付与画面RS1を表示し、初期報酬の内容を通知する。
【0137】
追加報酬付与処理は、広告素材の提供者に追加報酬を付与するための処理である。追加報酬の内容は適宜に設定されてよいが、一例として配信数に応じた複数段階に設定される。
図24の例は、このような場合の追加報酬付与処理を示している。この場合、報酬付与部35は、各ゲーム広告60の配信数が各段階に到達する毎に
図24の追加報酬付与処理を開始し、まず対象のゲーム広告60(配信数が複数段階のいずれかに到達したゲーム広告60)の広告効果を判別する(ステップS801)。広告効果は上述のとおり一例として配信数に基づいて判別される。このため、報酬付与部35は、ステップS801において広告効果として対象のゲーム広告60の配信数を判別する。
【0138】
続いて報酬付与部35は、追加報酬を付与すべき対象のプレイヤを判別する(ステップS802)。対象のプレイヤは、対象のゲーム広告60に含まれるゲーム画面50(広告素材)の提供者である。このため、報酬付与部35は、画面データSDを参照しつつ、対象のゲーム広告60に含まれるゲーム画面50の提供者を対象のプレイヤとして判別する。具体的には、報酬付与部35は画面データSDの“素材ID”、及び“提供者”の情報を参照しつつ、対象のゲーム広告60に含まれるゲーム画面50の提供者を判別する。画面データSDの“提供者”には提供者として視聴者IDの情報が記述される。このため、報酬付与部35は対象のプレイヤとして“提供者”に記述された視聴者IDの視聴者を判別する。
【0139】
次に報酬付与部35は、対象のプレイヤに付与すべき追加報酬を判別する(ステップS803)。追加報酬の内容は上述のとおり一例として配信数に応じた複数段階に設定される。このため、報酬付与部35は、まずステップS801で判別した配信数が、複数段階のいずれの段階に該当するか判別する。その後、報酬付与部35は、判別した段階に設定される報酬額を判別する。この判別は、一例として複数段階の各段階と各段階の報酬額とを関連づけるテーブルに基づいて実現される。つまり、報酬付与部35は、そのテーブルを参照しつつ、ステップS801で判別した配信数が対応する段階の報酬額を追加報酬として判別する。
【0140】
続いて報酬付与部35は、ステップS803で判別した追加報酬をステップS802で判別した対象のプレイヤ(視聴者)に付与する(ステップS804)。そして、この付与の後に報酬付与部35は今回の追加報酬付与処理を終了する。これにより、各ゲーム広告60の広告効果(配信数)に応じて各ゲーム広告60の広告素材を提供した提供者に追加報酬が付与される。なお、追加報酬の付与はモバイルゲーム機3Cに通知され、モバイルゲーム機3Cはその通知に基づいて適宜の時期に事後報酬付与画面RS2を表示して追加報酬の内容を通知してよい。
【0141】
以上に説明したように、この形態によれば、モバイルゲーム機3Cでは、プレイヤのプレイ行為に従って生じるプレイ状況に応じた一連のゲーム画面50のうち広告条件を満たす特定のゲーム画面50が判別される。また、モバイルゲーム機3Cはその特定のゲーム画面50を表示するための表示用データDD等の情報を含む画像情報を生成し、広告配信システム30に送信する。一方、広告配信システム30は、特定のゲーム画面50を広告素材として使用するために、その画像情報をゲームシステムから取得する。つまり、プレイヤのプレイにおいて生じる特定のゲーム画面50がモバイルゲーム機3Cから広告配信システム30に提供され、広告配信システム30は広告素材として使用するためにそれを取得する。さらに、広告配信システム30は、その画面情報に含まれるプレイ状況に応じたフォーマット61を判別し、そのフォーマット61に表示用データDDの特定のゲーム画面50を組み込んでゲーム広告60を生成する。つまり、特定のゲーム画面50と、その特定のゲーム画面50のプレイ状況に応じたフォーマット61とに基づいてゲーム広告60が自動生成される。そして、ゲーム広告60は広告表示装置に広告として配信される。
【0142】
上述の次第のため、各プレイヤのプレイによって生じる特定のゲーム画面をゲーム広告用の広告素材として活用することができる。これにより、広告素材を用意するための手間暇を低減できる。また、最新のゲーム画面やより魅力的なゲーム画面といった各種のゲーム画面の広告素材としての使用を促進できるので、広告効果の向上を図ることができる。さらに、貢献欲を持つプレイヤのニーズに応えることもできるので、広告素材の収集促進を図ることができる。
【0143】
また、特定のゲーム画面を提供した提供者に報酬が付与される場合、その報酬により、特定のゲーム画面50の広告素材としての提供をより促進することができる。加えて、ゲーム広告60が自動生成されるので、ゲーム広告60を生成する手間暇も低減できる。一方で、ゲーム広告60はゲームのプレイ状況に応じたフォーマット61で作成されるので、プレイ状況により適したゲーム広告60が生成される。これにより、ゲーム広告60の質の担保を図ることができる。
【0144】
さらに、広告素材の判別方法は、自動ピックアップ型、及びプレイヤ指定型を含むが、プレイヤ指定型の場合には広告素材(特定のゲーム画面50)の判別にプレイヤの意思を反映することができる。一方、自動ピックアップ型の場合、条件データCDの募集要項に基づいて特定のゲーム画面50が自動的に判別される。このため、条件データCDを利用し、より好ましい広告素材を収集することができる。また、プレイヤの負担を軽減することもできる。
【0145】
また、配信対象のゲーム広告60(ゲーム画面50)が選定基準を通じて一部に制限される場合、その選定基準を利用して、配信対象のゲーム広告60をより効果的な一部に制限することができる。これにより、ゲーム広告60の広告効果の向上を図ることができる。さらに、配信対象としての選定が通知される場合、その選定の通知を通じて、一部のゲーム画面50(配信対象のゲーム広告60に使用されたゲーム画面50)を提供した提供者にゲーム広告60、或いはゲームの周知を期待することができる。結果として、その提供者による広告効果も期待することができる。
【0146】
以上の形態では、モバイルゲーム機3Cの素材収集部17が、
図18、或いは
図19の処理を実行することにより本発明の画面判別手段、データ生成手段、データ送信手段、編集機会提供手段、及び許諾機会提供手段として機能する。具体的には、素材収集部17が
図18のステップS102、或いは
図19のステップS114を実行することにより画面判別手段として、
図18、或いは
図19のステップS105を実行することによりデータ生成手段として、
図18、或いは
図19のステップS106を実行することにより機会提供手段として、
図18、或いは
図19のステップS107を実行することによりデータ送信手段として、
図18、或いは
図19のステップS103を実行することにより許諾機会提供手段として、それぞれ機能する。また、モバイルゲーム機3Cの素材収集部17が、
図20のステップS201を実行することにより本発明の広告情報取得手段として機能する。
【0147】
一方、広告配信システム30の広告生成部33が、
図21のステップS401を実行することにより本発明の情報取得手段として機能する。また、広告配信システム30の報酬付与部35が、
図24の処理を実行することにより本発明の効果判別手段、及び報酬付与手段として機能する。具体的には、の報酬付与部35が、
図24のステップS801を実行することにより効果判別手段として、
図24のステップS804を実行することにより報酬付与手段として、それぞれ機能する。
【0148】
同様に、広告配信システム30の広告生成部33が
図22の処理を実行することにより本発明の画面選定手段、及び情報通知手段として機能する。具体的には、広告生成部33が、
図22のステップS501を実行することにより画面選定手段として、
図22のステップS508を実行することにより情報通知手段として、それぞれ機能する。さらに、広告配信システム30の広告生成部33が、
図22のステップS501を実行することにより本発明の広告生成手段として機能する。
【0149】
本発明は上述した形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、上記の形態では、モバイルゲーム機3Cにおいて特定のゲーム画面50が判別される毎にそれを表示するための表示用データDDが広告配信システム30に送信されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、特定のゲーム画面50はモバイルゲーム機3Cに保存され、事後的なアップロード操作を通じてその保存された特定のゲーム画面50が広告配信システム30に提供されてもよい。この場合、特定のゲーム画面50として複数のゲーム画面50が保存され、そのうちから送信対象のゲーム画面50がプレイヤによって選択されてよい。この場合、モバイルゲーム機3Cにおいて適宜に編集が実行されてよい。
【0150】
あるいは、特定のゲーム画面50としての複数のゲーム画面50の保存は広告配信システム30において実行されてもよい。この場合、ゲーム広告60の作成前に各ゲーム画面50の評価値が算出され、編集時等に適宜に表示されてよい。そして、プレイヤは、その評価値を参照しつつ、ゲーム広告60の素材として実際に提供するゲーム画面50を選択してもよい。また、ゲーム広告60の素材として選択可能なゲーム画面の数には制限が設けられていてもよい。
【0151】
上述の形態では、特定のゲーム画面50としての複数のゲーム画面50が一台、或いは複数台のモバイルゲーム機3Cから提供される場合に、評価値を利用した選定基準に基づいて配信対象(ゲーム広告60の広告素材として使用する対象)が選定されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、提供者(実績のある提供者か否か等)、提供時期(例えば提供された順番等)、ランダムといった各種の基準が一部のゲーム画面50の選定に適用されてよい。
【0152】
上述の形態では、モバイルゲーム機3C(ゲーム機3)が
図18~
図20の処理を実行している。結果として、モバイルゲーム機3Cの単体が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、モバイルゲーム機3Cの役割(例えば
図18~
図20の処理等)の全部或いは一部をゲーム配信システム20、或いは広告配信システム30が実行してもよい。このため、例えば
図18~
図20の処理の全部をゲーム配信システム20が実行する場合、ゲーム配信システム20が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、その反対にゲーム配信システム20の役割の全部、又は一部をゲーム機3が実行してもよい。この場合、ゲーム配信システム20は省略されてもよい。
【0153】
同様に、上述の形態では、広告配信システム30が
図21~
図24の処理を実行している。結果として、広告配信システム30が本発明の広告配信システムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、広告配信システム30の役割(例えば
図21~
図24の処理等)の全部或いは一部を、ゲーム配信システム20、或いはゲーム機3が実行してもよい。このため、例えば
図21~
図24の処理の全部をゲーム配信システム20が実行する場合、ゲーム配信システム20が本発明の広告配信システムとして機能してもよい。あるいは、その反対にゲーム配信システム20の役割の全部、又は一部を広告配信システム30が実行してもよい。この場合、ゲーム配信システム20は省略されてもよい。
【0154】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0155】
本発明の広告配信システムは、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置(MO)に表示される一連のゲーム画面(50)のうちの特定のゲーム画面(50)を広告素材として含むゲーム広告(60)を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システム(30)であって、前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステム(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ(MD)、及び前記特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手段(33)と、前記ゲーム広告の定型様式として用意される所定のフォーマット(66)に含まれる前記特定のゲーム画面が組み込まれるべき部分としての画面部分(62、68)に前記特定のゲーム画面を組み込むことにより前記ゲーム広告を生成する前記ゲーム広告を生成する広告生成手段(33)と、を備える、ものである。
【0156】
本発明によれば、特定のゲーム画面を表示するための表示用データ、及びその特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報がゲームシステムから取得され、その特定のゲーム画面が所定のフォーマットの画面部分に組み込まれてゲーム広告が生成される。つまり、特定のゲーム画面と、その特定のゲーム画面用のフォーマットとに基づいてゲーム広告が自動生成される。そして、そのゲーム広告は広告表示装置に広告として配信される。これにより、各プレイヤのプレイによって生じるゲーム画面を広告素材として活用することができる。結果として、広告素材を用意するための手間暇を低減できる。また、最新のゲーム画面やより魅力的なゲーム画面といった各種のゲーム画面の広告素材としての使用を促進できるので、広告効果の向上を図ることができる。さらに、貢献欲を持つプレイヤのニーズに応えることもできるので、広告素材の収集促進を図ることができる。加えて、ゲーム広告が自動生成されるので、ゲーム広告を生成する手間暇も低減できる。
【0157】
フォーマットは適宜に構成されてよい。例えば、フォーマットはゲームのプレイ状況に応じて変化するように構成されてよい。つまり、プレイ状況に応じた複数のフォーマットが用意され、広告素材に応じたフォーマットがゲーム広告の生成に使用されてよい。例えば、本発明の広告配信システムの一態様において、前記所定のフォーマットとして、前記ゲームのプレイ状況に応じた複数のフォーマットが用意され、前記広告生成手段は、前記複数のフォーマットのうち前記状況情報に基づいて特定される前記特定のゲーム画面のプレイ状況に対応するフォーマットを前記ゲーム広告の生成に使用されてよい。この場合、ゲーム広告はゲームのプレイ状況に応じたフォーマットで作成されるので、プレイ状況により適したゲーム広告が生成される。これにより、ゲーム広告の質の担保を図ることができる。
【0158】
広告素材として複数のゲーム画面が提供される場合において、その全部がゲーム広告に使用されても、一部がゲーム広告に使用されてもよい。また、全部がゲーム広告に使用される場合、その全部が配信されても配信対象は一部に制限されてもよい。つまり、配信対象の制限を通じて実際の広告素材としての使用が一部のゲーム画面に制限されてもよい。配信対象が一部のゲーム画面に制限される場合(ゲーム広告として生成される対象が一部のゲーム画面に制限される場合を含む)、その一部のゲーム画面は適宜に選定されてよい。例えば、一部のゲーム画面は、提供者(例えば指定の提供者等)、提供時期(例えば早い順等)、内容、ランダム、或いはゲーム広告の配信者等による選択結果等に応じて適宜に選定されてよい。また、内容に基づいて一部のゲーム画面が選定される場合、その選定は適宜のロジックに基づいて実行されてよい。例えば、各ゲーム画面が示すプレイ状況に含まれる各ゲーム要素が適宜にスコアリングされ、そのスコア結果(評価値)に基づいて選定が実行されてもよい。
【0159】
具体的には、例えば、本発明の広告配信システムの一態様において、前記情報取得手段は、複数の特定のゲーム画面(50)のそれぞれに対応する前記画面情報を前記ゲームシステムから取得し、前記広告生成手段は、前記複数の特定のゲーム画面の少なくとも一部に対応する前記ゲーム広告を生成してもよい。さらに、この態様において、前記複数の特定のゲーム画面の一部に対応する前記ゲーム広告が生成される場合に、前記複数の特定のゲーム画面から前記一部の特定のゲーム画面を所定の選定基準に基づいて選定する画面選定手段(33)を備える態様が採用されてもよい。この場合、選定基準を利用して、配信対象のゲーム広告をより効果的な一部に制限することができる。これにより、ゲーム広告の広告効果の向上を図ることができる。
【0160】
配信対象が複数のゲーム画面の一部に制限される場合、一部のゲーム画面を提供した提供者にはゲーム広告としての配信(あるいは広告素材としての使用)が通知されてもされなくてもよい。例えば、配信対象が一部のゲーム画面に制限される本発明の態様として、前記複数の特定のゲーム画面が当該複数のゲーム画面を通じてそれぞれプレイした複数のプレイヤとしての複数の提供者から前記広告素材として提供される場合に、各提供者によって使用されるユーザ端末装置(3C)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記ユーザ端末装置を介して情報を通知するための通知先の情報と各提供者とを関連付ける通知先データ(AD)に基づいて、各提供者に所定の情報を通知する情報通知手段(33)を備え、前記画面情報は、各提供者の情報を更に含み、前記情報通知手段は、各提供者の情報、及び前記通知先データに基づいて、前記一部のゲーム画面を提供した提供者に当該一部のゲーム画面への選定を前記所定の情報として通知する態様が採用されてもよい。この場合、一部のゲーム画面としての選定の通知を通じて、その一部のゲーム画面を提供した提供者にゲーム広告、或いはゲームの周知を期待することができる。結果として、その提供者による広告効果も期待することができる。
【0161】
広告表示装置として広告を表示可能な各種の装置が適宜に利用されてよい。例えば、広告表示装置として各ユーザによって使用されるユーザ端末装置が利用されても、複数のユーザに見られるように公共の場に設置される表示装置が利用されてもよい。このため、広告表示装置は一台であっても、複数台であってもよい。例えば、本発明の広告配信システムの一態様において、前記広告表示装置として前記複数のユーザによってそれぞれ使用される複数の広告表示装置(4)が接続され、前記ゲーム広告を前記複数の広告表示装置に配信してもよい。
【0162】
本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記広告表示装置、及び前記ゲームシステムに接続されるコンピュータ(31)を、上述の広告配信システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0163】
本発明の制御方法は、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置(MO)に表示される一連のゲーム画面(50)のうちの特定のゲーム画面(50)を広告素材として含むゲーム広告(60)を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システム(30)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステム(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ(MD)、及び前記特定のゲーム画面のプレイ状況を示す状況情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手順と、前記ゲーム広告の定型様式として用意される所定のフォーマット(61)に含まれる前記特定のゲーム画面が組み込まれるべき部分としての画面部分(62、68)に前記特定のゲーム画面を組み込むことにより前記ゲーム広告を生成する広告生成手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明の広告配信システムを実現することができる。
【0164】
(参考例)
参考例の広告配信システムは、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置(MO)に表示される一連のゲーム画面(50)のうちの特定のゲーム画面(50)を広告素材として含むゲーム広告(60)を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システム(30)であって、前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステム(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記特定のゲーム画面を前記広告素材として使用するために、当該特定のゲーム画面を表示するための表示用データ(MD)、及び当該特定のゲーム画面を前記広告素材として提供した提供者の情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手段(33)と、前記提供者の情報に基づいて前記提供者に前記特定のゲーム画面の提供に対する報酬を付与する報酬付与手段(35)と、を備える、ものである。
【0165】
参考例によれば、特定のゲーム画面を広告素材として使用するために、その特定のゲーム画面を表示するための表示用データ、及びその特定のゲーム画面を広告素材として提供した提供者の情報がゲームシステムから取得される。そして、その特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告は広告表示装置に広告として配信される。これにより、各プレイヤのプレイによって生じるゲーム画面を広告素材として活用することができる。結果として、広告素材を用意するための手間暇を低減できる。また、最新のゲーム画面やより魅力的なゲーム画面といった各種のゲーム画面の広告素材としての使用を促進できるので、広告効果の向上を図ることができる。さらに、貢献欲を持つプレイヤのニーズに応えることもできるので、広告素材の収集促進を図ることができる。また、その広告素材としての特定のゲーム画面を提供した提供者には報酬が付与される。これにより、特定のゲーム画面の広告素材としての提供をより促進することができる。
【0166】
報酬として各種の要素が適宜に利用されてよい。例えば、報酬は物理的な要素であっても、電子的な要素であってもよい。あるいは、報酬はゲーム進行の優遇、や特別の展開のプレイといった適宜の権利(若しくは資格)であってもよい。電子的な要素には、例えばゲームシステムにおいて使用可能な要素、広告配信システム等のゲームシステム以外において使用可能な要素、或いはそれらの全部等の複数のシステム等において使用可能な要素といった各種の要素が含まれてよい。また、ゲームシステムで使用可能な要素には、例えば対価等の通貨を代替する価値(ゲーム内での使用も許容されてよい)、及びゲーム内において使用される価値(例えばアイテムの購入、或いは各種パラメータの上昇や追加等を含む)といった要素(価値)が適宜に含まれていてよい。具体的には、例えば、参考例の広告配信システムの一態様において、前記報酬付与手段は、前記報酬として前記ゲームシステムにおいて使用が許容される所定の要素を前記提供者に付与してもよい。また、この態様において、前記報酬付与手段は、前記ゲームが所定の対価と引き換えにプレイされる場合の前記対価として機能する価値、及び前記ゲーム内において使用される価値の少なくともいずれか一方の価値を、前記所定の要素として前記提供者に付与してもよい。
【0167】
広告素材として複数のゲーム画面が提供される場合において、その全部がゲーム広告に使用されても、一部がゲーム広告に使用されてもよい。また、全部がゲーム広告に使用される場合、その全部が配信されても配信対象は一部に制限されてもよい。つまり、配信対象の制限を通じて実際の広告素材としての使用が一部のゲーム画面に制限されてもよい。配信対象が一部のゲーム画面に制限される場合(ゲーム広告として生成される対象が一部のゲーム画面に制限される場合を含む)、その一部のゲーム画面は適宜に選定されてよい。例えば、一部のゲーム画面は、提供者(例えば指定の提供者等)、提供時期(例えば早い順等)、内容、ランダム、或いはゲーム広告の配信者等による選択結果等に応じて適宜に選定されてよい。また、内容に基づいて一部のゲーム画面が選定される場合、その選定は適宜のロジックに基づいて実行されてよい。例えば、各ゲーム画面が示すプレイ状況に含まれる各ゲーム要素が適宜にスコアリングされ、そのスコア結果(評価値)に基づいて選定が実行されてもよい。
【0168】
具体的には、例えば、参考例の広告配信システムの一態様として、複数の特定のゲーム画面(50)のそれぞれに対応する前記画面情報が取得される場合に、当該複数の特定のゲーム画面の一部に対応する前記ゲーム広告が生成されるように、当該複数の特定のゲーム画面から前記一部の特定のゲーム画面を所定の選定基準に基づいて選定する画面選定手段を備える態様が採用されてもよい。この場合、選定基準を利用して、配信対象のゲーム広告をより効果的な一部に制限することができる。これにより、ゲーム広告の広告効果の向上を図ることができる。
【0169】
配信対象が複数のゲーム画面の一部に制限される場合、一部のゲーム画面を提供した提供者にはゲーム広告としての配信(あるいは広告素材としての使用)が通知されてもされなくてもよい。例えば、配信対象が一部のゲーム画面に制限される参考例の態様として、前記複数のゲーム画面が複数の提供者によって提供される場合に、各提供者によって使用されるユーザ端末装置(3C)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記ユーザ端末装置を介して情報を通知するための通知先の情報と各提供者の前記提供者の情報とを関連付ける通知先データ(AD)に基づいて、前記一部のゲーム画面を提供した提供者に前記ユーザ端末装置を介して前記一部のゲーム画面への選定を通知する情報通知手段(33)を備える態様が採用されてもよい。この場合、一部のゲーム画面としての選定の通知を通じて、その一部のゲーム画面を提供した提供者にゲーム広告、或いはゲームの周知を期待することができる。結果として、その提供者による広告効果も期待することができる。
【0170】
広告素材の提供に伴う報酬は固定的であっても可変的であってもよい。可変的な報酬が付与される場合、その内容は適宜に変化してよい。例えば、ゲーム画面の内容に応じて変化してもよいし、配信対象としての選定の有無によって変化してもよい。あるいは、可変的な報酬はゲーム広告として配信された場合の広告効果によって変化してもよい。また、広告効果は適宜に判定されてよく、例えばゲーム広告が他のWebサイトへリンクするように構成される場合のリンク数、或いはそのWebサイトにおける商品(ソフトウェアのダウンロードを含む)の購入数といった数値により判定されてもよい。あるいは、広告効果は、ゲーム広告としての配信数(閲覧数)により判定されてもよい。そして、このような可変的な報酬は、広告効果の測定後に一度的に付与されてもよいし、複数回に分けて付与されてもよい。複数回に分けて付与される場合、初回等の適宜の時期に固定的な報酬が付与されてもよい。つまり、可変的な報酬は、固定的な報酬と広告効果に基づく追加的な報酬とに分かれて付与されてもよい。例えば、参考例の広告配信システムの一態様として、前記ゲーム広告の広告効果を判別する効果判別手段(35)を備え、前記報酬付与手段は、前記ゲーム広告の広告効果が高いほど価値が高くなるように前記提供者に前記報酬を付与してもよい。
【0171】
広告表示装置として広告を表示可能な各種の装置が適宜に利用されてよい。例えば、広告表示装置として各ユーザによって使用されるユーザ端末装置が利用されても、複数のユーザに見られるように公共の場に設置される表示装置が利用されてもよい。このため、広告表示装置は一台であっても、複数台であってもよい。例えば、参考例の広告配信システムの一態様において、前記広告表示装置として前記複数のユーザによってそれぞれ使用される複数の広告表示装置(4)が接続され、前記ゲーム広告を前記複数の広告表示装置に配信してもよい。
【0172】
参考例のコンピュータプログラム(PG2)は、前記広告表示装置、及び前記ゲームシステムに接続されるコンピュータ(31)を、上述の広告配信システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0173】
参考例の制御方法は、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、ゲームのプレイ状況に応じて表示装置(MO)に表示される一連のゲーム画面(50)のうちの特定のゲーム画面(50)を広告素材として含むゲーム広告(60)を、前記広告表示装置に前記広告として配信する広告配信システム(30)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記表示装置を利用して前記ゲームを各プレイヤに提供するゲームシステム(3)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記特定のゲーム画面を前記広告素材として使用するために、当該特定のゲーム画面を表示するための表示用データ(MD)、及び当該特定のゲーム画面を前記広告素材として提供した提供者の情報を含む画面情報を前記ゲームシステムから取得する情報取得手順と、前記提供者の情報に基づいて前記提供者に前記特定のゲーム画面の提供に対する報酬を付与する報酬付与手順と、を実行させる、ものである。参考例のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、参考例の広告配信システムを実現することができる。
【0174】
一方、参考例のゲームシステムは、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置(4)に前記広告を配信する広告配信システム(30)にネットワーク(NT)を介して接続され、各プレイヤのプレイ行為を入力する入力装置(TP)、及び当該プレイ行為に従って生じるプレイ状況に応じた一連のゲーム画面(50)を表示する表示装置(MO)を通じて前記一連のゲーム画面にて進行するゲームを各プレイヤに提供するゲームシステム(3)であって、前記ゲームの各プレイヤによるプレイにおいて前記表示装置に表示される前記一連のゲーム画面のうち所定の条件を満たす特定のゲーム画面(50)を判別する画面判別手段(17)と、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ(MD)を生成するデータ生成手段(17)と、前記特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告(60)が前記広告表示装置を介して前記複数のユーザに前記広告として配信されるように、前記表示用データを前記広告配信システムに送信するデータ送信手段(17)と、を備えるものである。
【0175】
参考例によれば、プレイヤのプレイ行為に従って生じるプレイ状況に応じた一連のゲーム画面のうち所定の条件を満たす特定のゲーム画面が判別される。そして、その特定のゲーム画面を含むゲーム広告が広告として広告表示装置に配信されるように、その特定のゲーム画面を表示するための表示用データが広告配信システムに送信される。つまり、プレイヤのプレイにおいて生じる特定のゲーム画面が広告素材として使用されるように広告配信システムに提供される。このため、各プレイヤのプレイによって生じる特定のゲーム画面をゲーム広告用の広告素材として活用することができる。これにより、広告素材を用意するための手間暇を低減できる。また、最新のゲーム画面やより魅力的なゲーム画面といった各種のゲーム画面の広告素材としての使用を促進できるので、広告効果の向上を図ることができる。さらに、貢献欲を持つプレイヤのニーズに応えることもできるので、広告素材の収集促進を図ることができる。
【0176】
広告表示装置として広告を表示可能な各種の装置が適宜に利用されてよい。例えば、広告表示装置として各ユーザによって使用されるユーザ端末装置が利用されても、複数のユーザに見られるように公共の場に設置される表示装置が利用されてもよい。このため、広告表示装置は一台であっても、複数台であってもよい。例えば、参考例のゲームシステムの一態様において、前記データ送信手段は、前記複数のユーザによってそれぞれ使用される複数の広告表示装置(4)を前記広告表示装置が含む場合に、前記ゲーム広告が前記複数の広告表示装置を介して前記複数のユーザに配信されるように、前記表示用データを前記広告配信システムに送信してもよい。
【0177】
ゲーム画面の広告素材としての使用許諾は適宜に実行されてよく、例えば使用許諾を前提にゲームが提供され、ゲームのプレイ自体が使用許諾として機能し、特別に使用許諾の機会は付与されなくてもよい。あるいは、プレイ開始時、若しくはゲーム画面の提供時等、ゲーム内において適宜の時期に使用許諾の機会が付与されてもよい。例えば、参考例のゲームシステムの一態様として、前記ゲーム広告の配信が前記特定のゲーム画面を広告素材として提供したプレイヤとしての提供者によって許諾された場合に限定されるように、前記特定のゲーム画面の前記広告素材としての利用を許諾するための許諾機会を前記提供者に提供する許諾機会提供手段(17)を備える態様が採用されてもよい。
【0178】
また、特定のゲーム画面を判別するための所定の条件として、各種の条件が適宜に利用されてよい。所定の条件として、例えばゲームのプレイ状況に基づいて特定のゲーム画面を判別する条件、抽選結果に基づいて特定のゲーム画面を判別する条件、或いはプレイヤの指定結果に基づいて特定のゲーム画面を判別する条件といった各種の条件が適宜に利用されてよい。また、特定のゲーム画面に要求される条件は予め指定されていても、特に指定なくてもよい。このため、例えば予め指定された条件を満たすゲーム画面が自動的に特定のゲーム画面として判別されてもよいし、プレイヤの指定結果に基づく任意のゲーム画面が特定のゲーム画面として判別されてもよい。
【0179】
具体的には、例えば、参考例のゲームシステムの一態様において、前記入力装置には、前記一連のゲーム画面のうち前記特定のゲーム画面を指定するための指定指示が入力され、前記所定の条件として、前記指定指示による指示結果が少なくとも利用され、前記画面判別手段は、前記指定指示において各プレイヤによって指定されたゲーム画面を前記特定のゲーム画面として判別してもよい。この場合、広告素材の判別にプレイヤの意思を反映することができる。
【0180】
また、例えば、参考例のゲームシステムの一態様として、前記特定のゲーム画面の判別に必要な条件の情報を含む広告情報を記憶するサーバ装置にネットワークを介して接続され、当該サーバ装置から前記広告情報を取得する広告情報取得手段(17)を備え、前記所定の条件として、前記広告情報に含まれる条件の情報が利用され、前記画面判別手段は、前記広告情報に含まれる条件の情報に基づいて当該条件を満たすゲーム画面を前記特定のゲーム画面として判別する態様が採用されてもよい。この場合、広告情報に基づいて特定のゲーム画面が自動的に判別される。このため、広告情報を利用し、より好ましい広告素材を収集することができる。また、プレイヤの負担を軽減することもできる。
【0181】
特定のゲーム画面は広告素材としてそのまま使用されてもよいし、適宜に編集されて使用されてもよい。特定のゲーム画面を含むゲーム広告も同様である。このため、例えば、ゲーム広告はプレイヤによって編集されてもよいし、プレイヤによるゲーム広告の編集は省略されてもよい。具体的には、例えば、参考例のゲームシステムの一態様として、前記特定のゲーム画面、及び前記ゲーム広告の少なくともいずれか一方に編集を実行するための編集機会を各プレイヤに提供する編集機会提供手段(17)を備える態様が採用されてもよい。
【0182】
参考例のコンピュータプログラム(PGg)は、前記広告配信システム、前記入力装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータ(11)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0183】
参考例の制御方法は、複数のユーザに広告を表示する少なくとも一つの広告表示装置(4)に前記広告を配信する広告配信システム(30)にネットワーク(NT)を介して接続され、各プレイヤのプレイ行為を入力する入力装置(TP)、及び当該プレイ行為に従って生じるプレイ状況に応じた一連のゲーム画面を表示する表示装置(MO)を通じて前記一連のゲーム画面にて進行するゲームを各プレイヤに提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(11)に、前記ゲームの各プレイヤによるプレイにおいて前記表示装置に表示される前記一連のゲーム画面のうち所定の条件を満たす特定のゲーム画面(50)を判別する画面判別手順と、前記特定のゲーム画面を表示するための表示用データ(MD)を生成するデータ生成手順と、前記特定のゲーム画面を広告素材として含むゲーム広告(60)が前記広告表示装置を介して前記複数のユーザに前記広告として配信されるように、前記表示用データを前記広告配信システムに送信するデータ送信手順と、を実行させる、ものである。参考例のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、参考例のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0184】
3 ゲーム機(ゲームシステム)
4 広告表示装置
11 制御ユニット(コンピュータ)
17 素材収集部(画面判別手段、データ生成手段、データ送信手段、許諾機会提供手段、広告情報取得手段、編集機会提供手段)
20 ゲーム配信システム(サーバ装置)
30 広告配信システム
31 制御部(コンピュータ)
33 広告生成部(情報取得手段、画面選定手段、広告生成手段、情報通知手段)
35 報酬付与部(効果判別手段、報酬付与手段)
50 ゲーム画面
60 ゲーム広告
61 フォーマット
CD 条件データ(広告情報)
IP タッチパネル(入力装置)
DD 表示用データ
MO モニタ(表示装置)
NT ネットワーク
TD 様式データ