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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】アクリルスタンド
(51)【国際特許分類】
   A47G 5/00 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
A47G5/00 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023104579
(22)【出願日】2023-06-26
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500302633
【氏名又は名称】株式会社ムービック
(74)【代理人】
【識別番号】100172306
【弁理士】
【氏名又は名称】知念 芳文
(72)【発明者】
【氏名】垣内 弓佳里
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210390550(CN,U)
【文献】特開2021-145753(JP,A)
【文献】特開2013-220541(JP,A)
【文献】中国実用新案第215751564(CN,U)
【文献】米国特許第06109657(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 5/00
B44C 3/00
B42D 1/00
B42F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、該本体部を載置可能な台座部とを有するアクリルスタンドであって、
前記本体部は、
第1の面と、該第1の面とは反対側の第2の面とを有する第1のアクリル板と、
第3の面と、該第3の面とは反対側の第4の面とを有する第2のアクリル板と、
第3のアクリル板と、
前記本体部の上側において、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板と前記第3のアクリル板とを連結する第1の連結部と、
前記本体部の下側において、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板と前記第3のアクリル板とを連結する第2の連結部とを有し、
前記第1の面及び前記第3の面の少なくとも一方の面、及び、前記第2の面及び前記第4の面の少なくとも一方の面には、図柄又は文字の少なくとも一方が印刷されており、
前記本体部は、前記第2の面と前記第4の面とが対向するように前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板とを閉じた閉状態と、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板とを開いた開状態で、前記台座部に載置可能であり、
前記閉状態において、前記第1の面及び前記第3の面を鑑賞可能であり、
前記開状態において、前記第2の面及び前記第4の面を鑑賞可能であり、
前記第1の連結部には、前記第1のアクリル板を回転可能に保持するように、該第1のアクリル板の第1の凸部が挿入された第1の穴部と、前記第2のアクリル板を回転可能に保持するように、該第2のアクリル板の第2の凸部が挿入された第2の穴部が形成されており、
前記第2の連結部には、前記第1のアクリル板を回転可能に保持するように、該第1のアクリル板の第3の凸部が挿入された第3の穴部と、前記第2のアクリル板を回転可能に保持するように、該第2のアクリル板の第4の凸部が挿入された第4の穴部が形成されており、
前記第1のアクリル板は、前記第1の凸部と前記第3の凸部とを結ぶ軸を中心として回転可能であり、
前記第2のアクリル板は、前記第2の凸部と前記第4の凸部とを結ぶ軸を中心として回転可能であることを特徴とするアクリルスタンド。
【請求項2】
前記第2の連結部には、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板とがなす角度を制限するための制限部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のアクリルスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本のように開閉することが可能なアクリルスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観賞用のアクリルスタンドが知られている。特許文献1には、複数の態様で立設させることが可能なアクリルスタンドが開示されている。このアクリルスタンドの本体部材には、本体部材の縁から外方に向けて突出する第1突出部と、本体部材をその厚さ方向に貫通する第1貫通穴と、が形成されている。アクリルスタンドの台座部材には、台座部材の縁から外方に向けて突出する第2突出部と、台座部材をその厚さ方向に貫通する第2貫通穴と、が形成されている。アクリルスタンドは、第1突出部が第2貫通穴に嵌め込まれた第1状態と、第2突出部が第1貫通穴に嵌め込まれた第2状態と、を取り得る。
【0003】
特許文献2には、光る図柄と光らない図柄を同一面で組み合わせて展示することが可能なライティングアクリルスタンドが開示されている。このライティングアクリルスタンドは、図柄が裏面に印刷された第1のアクリル板と、発光部からの光を反射させるための塗料が裏面の少なくとも一部に印刷された第2のアクリル板とを有し、第1のアクリル板は、台座へ挿入可能な第1の突出部を有し、第2のアクリル板は、台座へ挿入可能な第2の突出部を有し、第1の突出部の台座への挿入方向の長さは、第2の突出部の挿入方向の長さよりも短く、第1のアクリル板の裏面における第1の突出部の少なくとも一部には、遮光塗料が印刷されており、第1の突出部の先端には、複数の凹凸形状が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3238134号公報
【文献】特開2023-026049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されているアクリルスタンドは、本のように開閉することができない。
【0006】
そこで本発明は、本のように開閉することが可能なアクリルスタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの側面としてのアクリルスタンドは、本体部と、該本体部を載置可能な台座部とを有するアクリルスタンドであって、前記本体部は、第1の面と、該第1の面とは反対側の第2の面とを有する第1のアクリル板と、第3の面と、該第3の面とは反対側の第4の面とを有する第2のアクリル板とを有し、前記第1の面及び前記第3の面の少なくとも一方の面、及び、前記第2の面及び前記第4の面の少なくとも一方の面には、図柄又は文字の少なくとも一方が印刷されており、前記本体部は、前記第2の面と前記第4の面とが対向するように前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板とを閉じた閉状態と、前記第1のアクリル板と前記第2のアクリル板とを開いた開状態で、前記台座部に載置可能であり、前記閉状態において、前記第1の面及び前記第3の面を鑑賞可能であり、前記開状態において、前記第2の面及び前記第4の面を鑑賞可能である。
【0008】
本発明の他の目的や特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本のように開閉することが可能であり、開いた状態と閉じた状態でそれぞれ異なる図柄や文字等を鑑賞可能なアクリルスタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るアクリルスタンドを開いた状態を示す構成図である。
図2】本実施形態に係るアクリルスタンドを閉じた状態を示す構成図である。
図3】本実施形態に係るアクリルスタンドの本体部の構成図である。
図4】本実施形態に係るアクリルスタンドの本体部の分解図である。
図5】本実施形態に係るアクリルスタンドの本体部を下側から見た図である。
図6】本実施形態に係るアクリルスタンドの台座部の構成図である。
図7】本実施形態に係るアクリルスタンドの台座部の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に関し、図面を参照して説明する。
【0012】
まず、図1(a)、(b)、図2、及び図3(a)、(b)を用いて、本実施形態に係るアクリルスタンド10の全体構成について説明する。図1(a)、(b)はアクリルスタンド10を開いた状態(開状態)を示す構成図であり、図1(a)はアクリルスタンド10の内側面を見た図、図1(b)はアクリルスタンド10の外側面を見た図をそれぞれ示している。図2は、アクリルスタンド10を閉じた状態(閉状態)を示す構成図である。図3(a)、(b)はアクリルスタンド10の本体部20の構成図である。本実施形態のアクリルスタンド10は、本体部20と、本体部20を載置可能な台座部30とを備えて構成される。
【0013】
まず、アクリルスタンド10の本体部20について説明する。本体部20は、第1のアクリル板21、第2のアクリル板22、第3のアクリル板23、第1の連結部24、及び第2の連結部25を備えて構成される。本体部20は、図2に示されるように本体部20を閉じた状態(閉状態)で台座部30の上に載置(非固定で設置)することができるとともに、図1(a)、(b)に示されるように本体部20を開いた状態(開状態)で台座部30の上に載置することができる。
【0014】
第1のアクリル板21は、例えば、横63mm×縦89mm(およそB8サイズ:64×91mm)、厚さ3mmの略長方形である。第1のアクリル板21は、外側面(第1の面)51と、外側面51とは反対側の内側面(第2の面)52とを有する。外側面51は、図2に示されるように、アクリルスタンド10を閉じた状態でユーザーが鑑賞する際の表表紙面に相当し、例えば、キャラクターの図柄、本の題名、及び著者名等が、白地に4Cカラーで描かれている。内側面52は、図1(a)に示されるように、アクリルスタンド10を開いた状態でユーザーが鑑賞する際の右側紙面に相当し、例えば、縦書きの文章及びページ番号等が、白地にモノクロで描かれている。
【0015】
第2のアクリル板22は、第1のアクリル板21と同じ大きさ及び厚さを有し、第1のアクリル板21と同様に、外側面(第3の面)53と、外側面53とは反対側の内側面(第4の面)54とを有する。外側面53は、アクリルスタンド10を閉じた状態でユーザーが観賞する際の裏表紙面に相当し、例えば、書籍JANコード(2段のバーコード)及び横書きの文章等が、白地に4Cカラーで描かれている(図3(b)参照)。また、外側面53には、キャラクターの図柄等が薄く描かれていても良い。内側面54は、図1(a)に示されるように、アクリルスタンド10を開いた状態でユーザーが鑑賞する際の左側紙面に相当し、例えば、キャラクターの図柄が、白地にモノクロで描かれている。このようにユーザーは、閉状態において外側面51、53を鑑賞可能であり、開状態において内側面52、54を鑑賞可能である。なお、本体部20を閉じた状態において、第1のアクリル板21の外側面51が裏表紙面に相当し、第2のアクリル板22の外側面53が表表紙面に相当するように、本体部20を台座30の上に載置しても良い。
【0016】
第3のアクリル板23は、例えば、横13mm×縦89mm、厚さ3mmの略長方形である。第3のアクリル板23は、背面(第5の面)55を有する。背面55は、図2に示されるように、第1のアクリル板21の内側面52と第2のアクリル板22の内側面54とが対向するようにアクリルスタンド10を閉じた状態でユーザーが観賞する際の背表紙面に相当し、例えば、本の題名、著者名、及び出版社名等が縦書きで描かれている。なお、本実施形態において、背面55の内側の面(第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22に近い方の面)に、本の題名等が4Cカラーで印刷され、当該印刷の上に白地が印刷されているが、背面55の外側の面(第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22から遠い方の面)に本の題名等を印刷しても良い。
【0017】
第1の連結部24は、本体部20の上部に設けられており、第1のアクリル板21、第2のアクリル板22、及び第3のアクリル板23を連結する連結部材である。第1の連結部24は、例えば、第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22と同様にアクリル板からなり、横13mm×縦13mm、厚さ3mmの略正方形である。
【0018】
第2の連結部25は、本体部20の下部に設けられており、第1のアクリル板21、第2のアクリル板22、及び第3のアクリル板23を連結する連結部材である。第2の連結部25は、例えばアクリル板からなり、横19mm×縦13mm、厚さ3mmの略長方形である。第2の連結部25には、本体部20が開く角度、すなわち、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度を制限するための切り込み部(制限部)が設けられている(図5(b)参照)。第1の連結部24及び第2の連結部25により、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とを相対的に回転可能(開閉可能)に保持する二軸ヒンジが構成される。なお、第1の連結部24および第2の連結部25の詳細な構成及び機能については、後述する。
【0019】
次に、図6及び図7を用いて、アクリルスタンド10の台座部30について説明する。図6は、台座部30の構成図である。図7は、台座部30の分解図である。図6及び図7に示されるように、台座部30は、第1の保持部31、第2の保持部32、及び座面部33を備えて構成される。第1の保持部31及び第2の保持部32はそれぞれ、例えば、透明のアクリル板からなり、高さ47mm、底辺の長さ37mmの山型である。座面部33は、例えば、透明のアクリル板からなり、長径60mm、短径50mmの略楕円形である。第1の保持部31、第2の保持部32、及び座面部33のそれぞれを構成するアクリル板の厚さは、例えば3mmである。本実施形態において、第1の保持部31と第2の保持部32との配置間隔は、第3のアクリル板23の横幅よりも広くなるように設定される。これにより、図1(b)に示されるように本体部20を開いた状態で台座部30に設置する際に、第3のアクリル板23と第1の保持部31及び第2の保持部32との干渉を回避することができる(第3のアクリル板23を第1の保持部31と第2の保持部32との間に挿入することができる)。
【0020】
第1の保持部31は、座面部33に形成された穴部331に挿入可能に構成された取付部311を有する。同様に、第2の保持部32は、座面部33に形成された穴部332に挿入可能に構成された取付部321を有する。取付部311、321が座面部33に形成された穴部331、332に挿入されることにより、第1の保持部31及び第2の保持部32が座面部33に固定される。
【0021】
また、第1の保持部31は、本体部20を保持するための傾斜部312、313を有する。同様に、第2の保持部32は、本体部20を保持するための傾斜部322、323を有する。図1(a)、(b)に示されるように本体部20を開いた状態で台座部30に置く場合、第1の保持部31の傾斜部312により第1のアクリル板21の外側面51が保持され、第1の保持部31の傾斜部313により第1のアクリル板21の底面が保持される。またこの場合、第2の保持部32の傾斜部322により第2のアクリル板22の外側面53が保持され、第2の保持部32の傾斜部323により第2のアクリル板22の底面が保持される。傾斜部312、313、322、323が設けられていることにより、本体部20を開いた状態において、本体部20が垂直ではなく斜めになるように台座部30に設置される。
【0022】
一方、図2に示されるように本体部20を閉じた状態で台座部30に置く場合、第1の保持部31の傾斜部312及び第2の保持部32の傾斜部322により第2のアクリル板22の外側面53が保持され、第1の保持部31の傾斜部313及び第2の保持部32の傾斜部323により第1のアクリル板21の底面及び第2のアクリル板22の底面が保持される。傾斜部312、313、322、323が設けられていることにより、本体部20を閉じた状態において、本体部20が垂直ではなく斜めになるように台座部30に設置される。このように本実施形態において、本体部20は、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とを閉じた状態と、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とを開いた状態で、台座部30に載置可能である。
【0023】
次に、図4を用いて、本体部20を開閉するための機構について説明する。図4は、本体部20の分解図である。第1のアクリル板21の上辺には、外側面51から見て右上において、凹部213と、凹部213に隣接した凸部(第1の凸部)211が設けられている。また第1のアクリル板21の上辺には、外側面51から見て左上において、アクリル板が角取りされて角Rが形成されている。同様に、第1のアクリル板21の下辺には、外側面51から見て右下において、凹部214と、凹部214に隣接した凸部(第3の凸部)212が設けられている。第1のアクリル板21の下辺には、外側面51から見て左下において、アクリル板が角取りされて角Rが形成されている。第2のアクリル板22の上辺には、外側面53から見て左上において、凹部223と、凹部223に隣接した凸部(第2の凸部)221が設けられている。また、第2のアクリル板22の上辺には、外側面53から見て右上において、アクリル板が角取りされて角Rが形成されている。同様に、第2のアクリル板22の下辺には、外側面53から見て左下において、凹部224と、凹部224に隣接した凸部(第4の凸部)222が設けられている。第2のアクリル板22の下辺には、外側面53から見て右下において、アクリル板が角取りされて角Rが形成されている。第3のアクリル板23の上辺の中央には、凸部231が設けられている。同様に、第3のアクリル板23の下辺の中央には、凸部232が設けられている。なお、本実施形態において、第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22の4箇所の角部において角取りされて角Rが形成されているため、使用者が安全にアクリルスタンド10を取り扱うことができるが、角Rを形成することは必須ではない。
【0024】
第1の連結部24には、丸形の穴部(第1の穴部)241、丸形の穴部(第2の穴部)242、及び長方形の穴部243が形成されている。第1のアクリル板21の凸部211は、第1の連結部24の穴部241に回転可能に挿入されている。第2のアクリル板22の凸部221は、第1の連結部24の穴部242に回転可能に挿入されている。第3のアクリル板23の凸部231は、第1の連結部24の穴部243に挿入されている。穴部243は長方形であるため、第3のアクリル板23の凸部231は第1の連結部24に対して回転可能ではない。
【0025】
第2の連結部25には、丸形の穴部(第3の穴部)251、丸形の穴部(第4の穴部)252、及び長方形の穴部253が形成されている。第1のアクリル板21の凸部212は、第2の連結部25の穴部251に回転可能に挿入されている。第2のアクリル板22の凸部222は、第2の連結部25の穴部252に回転可能に挿入されている。第3のアクリル板23の凸部232は、第2の連結部25の穴部253に挿入されている。穴部253は長方形であるため、第3のアクリル板23の凸部232は第2の連結部25に対して回転可能ではない。
【0026】
以上のように、第1のアクリル板21の凸部211,212、及び第2のアクリル板22の凸部221、222は、第1の連結部24の穴部241、242、及び第2の連結部25の穴部251,252に対してそれぞれ回転可能である。すなわち、第1のアクリル板21は凸部211と凸部212とを結ぶ軸を中心として回転可能であり、第2のアクリル板22は、凸部221と凸部222とを結ぶ軸を中心として回転可能である。このような機構により、第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22はそれぞれ、第1の連結部24及び第2の連結部25に対して回転することで、本体部20が閉じた状態と開いた状態とを実現することができる。なお本実施形態において、第1の連結部24及び第2の連結部25の各穴部は貫通穴であるが、これに限定されるものではなく、各凸部が挿入可能な凹部であっても良い。
【0027】
次に、図5(a)、(b)を用いて、本体部20を開いた状態において、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度を制限するための機構について説明する。図5(a)、(b)は本体部20を下側(底面側)から見た図であり、図5(a)は本体部20を開いた状態、図5(b)は本体部20を閉じた状態をそれぞれ示している。
【0028】
図5(a)、(b)に示されるように、第2の連結部25には、斜面部(切り込み部、溝部)255、256が設けられている。斜面部255、256は、互いに対称の斜面を有する。図5(a)に示されるように、第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22を開いていくと(第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度を大きくしていくと)、最終的に、第1のアクリル板21は第2の連結部25の斜面部255に当接し、第2のアクリル板22は第2の連結部25の斜面部256に当接する。斜面部255、256は、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度(開き角度)を制限するための制限部として機能する。このような構造により、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度が所定の角度θを超えないように制限される。
【0029】
本実施形態の構成によれば、本体部20を開いた場合において、第2の連結部25の斜面部255、256の角度に応じて、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす最大角度(所定の角度θ)を決定することができる。すなわち、斜面部255と斜面部256とのなす角度が所定の角度θに相当する。ここで、所定の角度θとしては、本体部20を開いた状態においてユーザーにとって第1のアクリル板21と第2のアクリル板22が本を開いた状態に見えるように、180度よりも小さい角度が設定されることが好ましい。一般的な書籍は180度よりも小さい角度で開かれる状態となることが多いためである(但し、180度以上の角度を最大角度とすることが禁止されるものではない。)。好ましくは、所定の角度θは、75度以上150度以下である。より好ましくは、所定の角度θは、90度以上120度以下である。
【0030】
本実施形態において、第1の連結部24には、第2の連結部25のように制限部として機能する斜面部(切り込み部)が設けられていない。すなわち第1の連結部24は、第1のアクリル板21、第2のアクリル板22、及び第3のアクリル板23を連結する機構のみを有すれば良いため、第1の連結部24のサイズを小さくすることができる。このため、上部に配置される第1の連結部24が図柄の鑑賞の際に邪魔となることを回避することができる。なお第1の連結部24に制限部として機能する斜面部(切り込み部)を設けて、第1の連結部24によって第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度を制限しても良い。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0032】
本実施形態では、第1のアクリル板21の外側面(第1の面)51及び内側面(第2の面)52、第2のアクリル板22の外側面(第3の面)53及び内側面(第4の面)54、並びに第3のアクリル板23の背面(第5の面)55の全てに図柄又は文字等が印刷されている場合を説明したが、これに限定されるものではない。2つの外側面(第1の面及び第3の面)の少なくとも一方の面と、2つの内側面(第2の面及び第4の面)の少なくとも一方の面に図柄又は文字等が印刷されていれば良い。好ましくは、少なくとも三つの面以上に図柄又は文字等が印刷されている。また、本実施形態の本体部20は、背面55を備えた第3のアクリル板23を有するが、これに限定されるものではない。第3のアクリル板23を有しなくても良く、又は、背面55を備えていない第3のアクリル板を有していても良い。
【0033】
本実施形態において、第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22、並びに、二軸ヒンジを構成する第3のアクリル板23、第1の連結部24、及び第2の連結部25は、それぞれ同じ材料及び厚さのアクリル板で製造されるため、二軸ヒンジを構成する部材を低コストで生産することができるが、これに限定されるものではない。これらの部材の少なくとも一部を他の部材の材料又は厚さと異ならせても良い。また、これらの部材の大きさ又は形状は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において異なる大きさ又は形状であっても良い。また本実施形態において、第1のアクリル板21及び第2のアクリル板22は、第1の連結部24及び第2の連結部25を用いた二軸ヒンジ機構により開閉可能に構成されているが、これに限定されるものではなく、他の開閉機構を採用しても良い。また本実施形態において、各面に印刷された図柄又は文字等は差し替え可能ではないが、差し替え可能に構成しても良い。また本実施形態において、台座部30は第1の保持部31、第2の保持部32、及び座面部33で構成されるが、これに限定されるものではなく、本体部20を載置することが可能な他の構成を採用しても良い。また本実施形態においては、台座部30には、第1のアクリル板21と第2のアクリル板22とがなす角度を制限するための機構が設けられているものではないが、第1の連結部24、第2の連結部25のいずれにも角度を制限するための斜面部(切り込み部)を設けない場合は、台座部30に突起(凸部)を設けることにより、第1の連結部24、第2の連結部25の開き角度を制限する機構としても良い。
【符号の説明】
【0034】
10 アクリルスタンド
20 本体部
21 第1のアクリル板
22 第2のアクリル板
23 第3のアクリル板
24 第1の連結部
25 第2の連結部
30 台座部
31 第1の保持部
32 第2の保持部
33 座面部
51 外側面(第1の面)
52 内側面(第2の面)
53 外側面(第3の面)
54 内側面(第4の面)
55 背面(第5の面)
211 凸部(第1の凸部)
212 凸部(第3の凸部)
213、214、223、224 凹部
221 凸部(第2の凸部)
222 凸部(第4の凸部)
231、232 凸部
241 穴部(第1の穴部)
242 穴部(第2の穴部)
243、253、331、332 穴部
251 穴部(第3の穴部)
252 穴部(第4の穴部)
255、256 斜面部
311、321 取付部
312,313、322、323 傾斜部


【要約】
【課題】本のように開閉することが可能なアクリルスタンドを提供する。
【解決手段】本体部20と、本体部を載置可能な台座部30とを有するアクリルスタンド10であって、本体部は、第1の面51と、第1の面とは反対側の第2の面52とを有する第1のアクリル板21と、第3の面53と、第3の面とは反対側の第4の面54とを有する第2のアクリル板22とを有し、第1の面及び第3の面の少なくとも一方の面、及び、第2の面及び第4の面の少なくとも一方の面には、図柄又は文字の少なくとも一方が印刷されており、本体部は、第2の面と第4の面とが対向するように第1のアクリル板と第2のアクリル板とを閉じた閉状態と、第1のアクリル板と第2のアクリル板とを開いた開状態で、台座部に載置可能であり、閉状態において、第1の面及び第3の面を鑑賞可能であり、開状態において、第2の面及び第4の面を鑑賞可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7