(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】医療従事者の支援装置、支援装置の制御方法、プログラム、及び支援システム
(51)【国際特許分類】
G16H 70/40 20180101AFI20241009BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20241009BHJP
【FI】
G16H70/40
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2023174454
(22)【出願日】2023-10-06
【審査請求日】2024-03-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年7月3日、 https://apps.apple.com/、https://apps.apple.com/JP/app/id1477747379?mt=8、https://apps.apple.com/us/app/hokuto/id1477747379、https://play.google.com/、https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.hoktoguideline.app 令和5年7月3日、https://hokuto.app/、https://hokuto.app/login
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522046793
【氏名又は名称】株式会社HOKUTO
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 颯太
(72)【発明者】
【氏名】山本 久智
(72)【発明者】
【氏名】清水 真人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 謙士朗
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-081529(JP,A)
【文献】特開2015-170019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する手段と、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ、医療商品情報を前記医療従事者に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、前記医療商品情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記操作情報に基づいて、前記医療従事者の前記操作が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定条件が充足される場合に、前記通知ルール情報で定められるルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知手段と、
を有する医療従事者の支援装置。
【請求項2】
前記医療商品情報は、第1医療商品に関する第1医療商品情報と、第2医療商品に関する第2医療商品情報とを含み、
前記少なくとも1つの医療計算ツールは、第1医療計算ツールと第2医療計算ツールとを含み、
前記通知手段は、前記第1医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作が前記操作判定条件を充足した場合、前記第1医療商品情報を通知し、前記第2医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作が前記操作判定条件を充足した場合、前記第2医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項3】
前記通知ルール情報は、前記支援装置から前記端末装置へ前記医療商品情報を伝える経路であるチャネルを規定する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項4】
前記通知ルール情報は、前記端末装置における前記医療商品情報の表示の形態を規定する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項5】
前記通知ルール情報は、前記医療商品情報の前記端末装置での通知のタイミングを規定しており、
前記通知手段は、前記操作判定条件が充足された後、前記タイミングが到来したときに、前記医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項6】
前記通知のタイミングは、前記医療従事者の操作をきっかけとして定められており、
前記通知手段は、前記操作判定条件が充足された後、前記タイミングのきっかけとなる前記操作がなされたときに、前記医療商品情報を通知する
請求項5に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項7】
前記通知のタイミングは、時間によって規定されており、
前記通知手段は、前記操作判定条件が充足された後、前記タイミングを規定する時間が到来したときに、前記医療商品情報を通知する
請求項5に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項8】
前記医療商品情報は、共通の医療商品について、第1医療商品情報と第2医療商品情報とを含み、
前記通知ルール情報は、前記第1医療商品情報の通知のタイミングとして、第1のタイミングを定めており、前記第2医療商品情報の通知のタイミングとして、第2のタイミングを定めており、
前記通知手段は、前記操作判定条件が充足された後、前記第1のタイミングが到来したときに前記第1医療商品情報を通知し、前記第2のタイミングが到来したときに前記第2医療商品情報を通知する
請求項5に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項9】
前記通知ルール情報は、共通の医療商品についての医療商品情報の通知方法として、第1通知方法と第2通知方法とを規定しており、
前記少なくとも1つの医療計算ツールは、第1医療計算ツールと第2医療計算ツールとを含み、
前記通知手段は、
前記第1医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作が前記操作判定条件を充足した場合、前記第1通知方法で前記医療商品情報を通知し、
前記第2医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作が前記操作判定条件を充足した場合、前記第2通知方法で前記医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの医療計算ツールは、第1医療計算ツールと第2医療計算ツールとを含み、
前記操作判定手段は、
前記第1医療計算ツールと前記第2医療計算ツールの双方に対する前記医療従事者による操作が、前記操作判定条件を充足するか否か、又は
前記第1医療計算ツールと前記第2医療計算ツールの少なくとも一方が記操作判定条件を充足するか否か
を前記操作情報に基づいて判定し、
前記通知手段は、前記操作判定条件を充足する場合に前記医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項11】
前記操作判定条件は、前記第1医療計算ツールに対する操作と前記第2医療計算ツールに対する操作との間の、時間的及び/又は連続性についての条件を含む
請求項10に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの医療計算ツールは、第1医療計算ツールと第2医療計算ツールとを含み、
前記第1医療計算ツールと第2医療計算ツールは、共通の医療分類に対応づけられており、
前記記憶手段において、前記医療商品情報と、前記通知ルール情報と、前記共通の医療分類とが対応づけられている
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項13】
前記記憶手段において、前記医療商品情報と、前記通知ルール情報と、前記医療商品情報の通知対象である前記医療従事者の医療分類とが対応づけられ、
前記通知手段は、前記操作判定条件が充足され、且つ前記端末装置の前記医療従事者が前記医療分類を有する場合に、前記医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項14】
前記通知ルール情報は、共通の医療商品について、選択可能な第1通知方法と第2通知方法とを規定しており、
前記通知手段は、前記第1通知方法と前記第2通知方法のうち、前記操作情報に基づいて選択される通知方法で前記医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項15】
前記操作情報は、前記少なくとも1つの医療計算ツールから算出される算出結果を含み、
前記通知ルール情報は、第1通知方法と第2通知方法とを含み、
前記通知手段は、前記第1通知方法と前記第2通知方法のうち、前記算出結果に基づいて選択される通知方法で前記医療商品情報を通知する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項16】
前記操作情報は、前記少なくとも1つの医療計算ツールによる演算がなされたことを示す情報を含み、
前記操作判定条件は、前記演算がなされたことである
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項17】
前記操作情報は、前記少なくとも1つの医療計算ツールの算出結果を含み、
前記操作判定手段は、前記算出結果が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項18】
前記操作情報は、前記少なくとも1つの医療計算ツールが受け付けた患者情報を含み、
前記操作判定手段は、前記患者情報が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項19】
前記操作判定手段は、前記操作情報に基づいて前記少なくとも1つの医療計算ツールの操作の回数及び/又は操作の頻度を算出し、前記操作の回数及び/又は操作の頻度が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する
請求項1に記載される医療従事者の支援装置。
【請求項20】
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する受信工程、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を、前記医療従事者の前記操作が充足するか否かを、前記操作情報に基づいて判定する操作判定工程、及び
前記操作判定条件が充足される場合に
、医療商品情報に関連付けられている通知ルール情報によって定められているルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知工程を含む
支援装置の制御方法。
【請求項21】
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する手段、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ
、医療商品情報を前記医療従事者に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、前記医療商品情報とを関連付けて記憶する記憶手段、
前記操作情報に基づいて、前記医療従事者の前記操作が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定手段、及び
前記操作判定条件が充足される場合に、前記通知ルール情報で定められるルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知手段
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項22】
支援装置と、
医療従事者が有する少なくとも1つの端末装置と
を含む支援システムであって、
前記支援装置は、
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する手段と、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ、医療商品情報を前記医療従事者に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、前記医療商品情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記操作情報に基づいて、前記医療従事者の前記操作が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定条件が充足される場合に、前記通知ルール情報で定められるルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知手段と
を含み、
前記少なくとも1つの端末装置は、
前記操作情報を前記支援装置に送信する送信手段と、
前記支援装置から受信した医療商品情報を前記通知ルール情報で定められるルールに従って表示する表示手段とを含む
医療従事者の支援システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの端末装置は、
複数の医療支援情報を記憶している記憶手段を含み、
前記複数の医療支援情報の少なくとも1つの
医療支援情報と、前記医療商品情報の一方には、それらの同時の表示を制限する指令が付帯しており、
前記端末装置は、前記端末装置が前記少なくとも1つの医療支援情報を表示しているときには、前記医療商品情報を表示しない
請求項22に記載される医療従事者の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療従事者の支援装置、支援装置の制御方法、プログラム、及び支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、医療従事者向けの情報提供システムが提案されている。このシステムは電子カルテを提供するとともに、電子カルテとは別の画面において、医薬品の広告を提供するよう構成されている。このシステムでは、ユーザ(医療従事者)に対して提供する広告は、ユーザの属性(例えば、歯科医師、眼科医、看護師など)や、ユーザが視聴しているビデオコンテンツ(例えば、糖尿病の検査についてのビデオコンテンツ)、ユーザが閲覧している医薬品に関連する記事に基づいて選択されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療従事者に広告を提示するにあたっては、その広告に係る商品(例えば、薬剤)を必要とする蓋然性の高いユーザ(特に医師)に、好適なタイミングで提示したいという要望がある。例えば、ある疾患の治療に利用される薬剤がある場合、その疾患をかかえる患者を診ている医師に対して、その薬剤の広告を、適切なタイミング(例えば、治療方針を検討しているタイミング)で、或いは適切な形態(例えば、表示の位置)で提示したいという要望がある。特許文献1のシステムは、これらの観点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示で提案する医療従事者の支援装置は、
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する手段と、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ、医療商品情報を前記医療従事者に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、前記医療商品情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記操作情報に基づいて、前記医療従事者の前記操作が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定条件が充足される場合に、前記通知ルール情報で定められるルールに従って、前記医療商品情報を、前記医療従事者に通知する通知手段とを有する。
【0006】
本開示で提案する支援装置の制御方法は、
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する受信工程、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を、前記医療従事者の前記操作が充足するか否かを、前記操作情報に基づいて判定する操作判定工程、及び
前記操作判定条件が充足される場合に、前記医療商品情報に関連付けられている通知ルール情報によって定められているルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知工程を含む。
【0007】
本開示で提案するプログラムは、
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する手段、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、前記医療商品情報とを関連付けて記憶する記憶手段、
前記操作情報に基づいて、前記医療従事者の前記操作が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定手段、及び
前記操作判定条件が充足される場合に、前記通知ルール情報で定められるルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知手段としてコンピュータを機能させる。
【0008】
本開示で提案する医療従事者の支援システムは、支援装置と、医療従事者が有する少なくとも1つの端末装置とを含む。
前記支援装置は、
患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医療従事者の端末装置で受け付けて、前記患者情報に基づいて前記患者の疾患に係る情報を算出する少なくとも1つの医療計算ツールに対する、前記医療従事者による操作に係る情報である操作情報を、前記端末装置から受信する手段と、
前記少なくとも1つの医療計算ツールに対する前記医療従事者の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ、医療商品情報を前記医療従事者に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、前記医療商品情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記操作情報に基づいて、前記医療従事者の前記操作が前記操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定条件が充足される場合に、前記通知ルール情報で定められるルールに従って、前記医療商品情報を前記医療従事者に通知する通知手段とを含む。
前記少なくとも1つの端末装置は、前記操作情報を前記支援装置に送信する送信手段と、前記支援装置から受信した医療商品情報を前記通知ルール情報で定められるルールに従って表示する表示手段とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、医療商品情報に係る医療商品を必要とする蓋然性の高い医療従事者に、通知ルール情報で定められるルールに従って医療商品情報を通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】支援システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2A】医師端末装置で表示されるホーム画面の例を示す図である。
【
図2B】医師端末装置で表示される、医療計算ツールのリストを表示する画面の例を示す図である。
【
図2C】医療計算ツールが表示する画面の例を示す図である。
【
図3A】医療商品情報である見出しが重畳表示されたホーム画面の例を示す図である。
【
図3B】見出しの選択により表示される、医療商品情報を示す画面の例である。
【
図3C】医療商品情報である見出しが表示されたホーム画面の別の例を示す図である。
【
図3E】医療商品情報の提供者(医療商品の提供者)のために設けられた画面の例である。
【
図3F】医師端末装置で表示されるホーム画面の別の例を示す図である。
【
図3G】医療商品情報がEメールによって医師端末装置に送信された場合に表示される画面の例である。
【
図3H】医療商品情報がプッシュ通知配信サービスによって医師端末装置に送信された場合に表示される画面の例である。
【
図4】支援システムの機能を示すブロック図である。
【
図5A】医療計算ツールDBに保存されているデータの例を説明するための図である。
【
図5B】医師DBに格納されているデータの例を説明するための図である。
【
図5C】操作履歴テーブルの例を説明するための図である。
【
図6A】医療商品情報DBに保存されているデータの例を説明するための図である。
【
図6B】医療商品情報DBに保存されているデータの別の例を説明するための図である。
【
図6C】医療商品情報DBに保存されているデータの更に別の例を説明するための図である。
【
図6D】医療商品情報DBに保存されているデータの更に別の例を説明するための図である。
【
図6E】医療商品情報DBに保存されているデータの更に別の例を説明するための図である。
【
図7】支援システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示で提案する医療従事者の支援装置、及び支援装置を含むシステムの例について説明する。
図1は、支援システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
[支援システムのハードウェア]
図1で示すように、支援システムSは支援装置10を有している。また、支援システムSは、複数の医療従事者がそれぞれ使用する複数の端末装置、及び、医療商品に関する情報を支援システムSに提供する提供者が利用する端末装置を含んでいる。
【0013】
医療従事者は、典型的には医師である。
図1においては、医療従事者が使用する端末装置の例として、医師端末装置40が示されている。支援システムSは複数の医師端末装置40を含んでいる。端末装置を使用する医療従事者は、看護師や、医療技師などであってもよい。
【0014】
医療商品は、典型的には患者に投与される薬剤であるが、医療機器や、検査において使用される薬品などであってもよい。医療商品に関する情報(医療商品情報)は、医療商品の広告や、医療商品の説明、医療商品を用いた疾患についての説明などであってよい。医療商品が薬剤である場合、その広告は、薬剤名や、製薬メーカ名、効能・効果(対象疾患名を含む)、用法・用量などの情報を含んでよい。また、薬剤の広告は、薬価や、副作用、禁忌、注意事項などの情報を含んでもよい。薬剤が関係する疾患についての情報(例えば、診療マニュアルや診療のための表、どういう症状があるか等)や、副作用への対策について情報など、薬剤の周辺情報を含んでもよい。医療商品情報は、これらの情報を含むテキストデータ(文字列)や、画像データであってよい。支援システムSでは、このような医療商品情報が支援装置10から複数の医師端末装置40に送信される。
【0015】
支援システムSへの医療商品情報の提供者は、典型的には製薬メーカである。医療商品情報の提供者は、医療用ではあるものの、患者に投与するものではない薬品(例えば、検査薬など)を製造する薬品メーカや、医療機器の製造メーカ、医療商品を医療機関に卸す卸売業者などであってもよい。
図1においては、医療商品情報の提供者が使用する端末装置の例として、メーカ端末装置50が示されている。
【0016】
以下の説明では、医師を医療従事者の例とする。また、製薬メーカを医療商品情報の提供者の例とする。
図1で示すように、支援装置10、医師端末装置40、及びメーカ端末装置50は、インターネットなどのネットワークNに接続可能である。
【0017】
[支援装置のハードウェア]
支援装置10は、例えばサーバーコンピュータで構成される。支援装置10は、ネットワークNを介して相互に接続される複数のサーバーコンピュータで構成されてもよい。支援装置10は、1又は複数のパーソナルコンピュータで構成されてもよい。
図1で示すように、支援装置10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含んでいる。
【0018】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含んでいる。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部及び補助記憶部を含んでいる。例えば、主記憶部はRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリであり、補助記憶部は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又はハードディスクなどの不揮発性メモリである。
【0019】
記憶部12には、医療商品に関する情報(医療商品情報)や、医師による医療行為を補助するための計算ツール(後述する医療計算ツール)などが格納されている。記憶部12に格納されている情報については、後において説明する。通信部13は、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0020】
図1で示すように、支援装置10は、表示部14及び入力部15を含んでもよい。表示部14は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示する。入力部15は、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスである。入力部15は、キーボードや、ボタンなどを含んでもよい。入力部15は、ユーザによる操作に応じた信号を制御部11に入力する。
【0021】
[医師端末装置のハードウェア]
医師端末装置40は、携帯電話機(スマートフォンを含む)や、携帯情報端末(タブレット型コンピュータや、ウェアラブル端末などを含む)、パーソナルコンピュータなどであってよい。医師端末装置40は、制御部41や、記憶部42、通信部43、表示部44、入力部45などを含む。
【0022】
制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部42は、支援装置10の記憶部12と同様、揮発性メモリと不揮発性メモリとを含む。通信部43は、有線通信又は無線通信用の通信インタフェースであり、ネットワークNを介してデータ通信を行う。
【0023】
表示部44は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部44は、制御部41の指示に従って画像を表示する。入力部45は、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスである。入力部45は、キーボードや、ボタンなどを含んでもよ。入力部45は、ユーザによる操作に応じた信号を制御部41に入力する。
【0024】
[メーカ端末装置のハードウェア]
メーカ端末装置50は、例えば、パーソナルコンピュータである。メーカ端末装置50は、携帯電話機(スマートフォンを含む)や、携帯情報端末(タブレット型コンピュータや、ウェアラブル端末などを含む)などであってもよい。メーカ端末装置50は、制御部51や、記憶部52、通信部53、表示部54、入力部55などを含む。制御部51、記憶部52、通信部53、表示部54、及び入力部55の物理的構成は、それぞれ制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44、及び入力部45と同様であってよい。
【0025】
[医師端末装置に表示される画面]
図2A~
図2Cは、医師端末装置40の表示部44に表示される画面の例を示している。これらの画面は、例えば、医師端末装置40にインストールされたアプリケーションソフトウェア(以下において、「医療支援ソフトウェア」と称する)を制御部41が実行した処理の結果として、表示される。医療支援ソフトウェアは、例えば、ネットワークNを介して、支援装置10や、支援装置10とは別に設けられたサーバーから医師端末装置40に送信されてよい。これとは異なり、
図2A~
図2Cで例示する画面は、医師端末装置40にインストールされたWebブラウザを通して、医師端末装置40が支援装置10にアクセスすることによって表示されてもよい。なお、これらの画面構成は、一例に過ぎず、適宜変更されてよい。
【0026】
[ホーム画面]
図2Aは、上述した医療支援ソフトウェアやWebブラウザを通して提供されるサービスのホーム画面の例である。ホーム画面D1は、例えば、医療支援ソフトウェアを、医師が立ち上げたときに最初に表示される画面である。また、ホーム画面D1は、医師端末装置40がWebブラウザを通して支援装置10にアクセスしたときに最初に表示される(支援装置10から最初に提供される)画面であってもよい。
【0027】
図2Aで示すように、ホーム画面D1には、例えば、タイムライン領域R101が設けられてよい。タイムライン領域R101には、例えば、支援装置10から配信されたコンテンツのタイトル101a~101eが表示されてよい。支援装置10から配信されるコンテンツには、薬剤等についての説明記事である医療商品情報や、医療支援情報などが含まれる。医療支援情報は、医療サービスを支援するための種々の情報であり、例えば、疾患についての記事や、診療マニュアル、診療ガイドライン、診療基準を示すためのテーブル、論文などを含む。また、支援装置10から提供されるコンテンツには、後において説明する医療計算ツールが含まれる。
【0028】
コンテンツのタイトルは、タイムライン領域R101において時系列で表示されてよい。タイムライン領域R101には、医療商品情報や医療支援情報の要約が表示されてもよい。タイトル或いは要約は、タイムライン領域R101においてスクロール可能であってよい。
【0029】
ホーム画面D1には、コンテンツを検索するための検索ボックスR105や、他の画面へ移動するためのボタンが設けられたメニュー領域R120・R130などが設けられている。メニュー領域R120は、例えば、薬剤情報ボタン121、診療支援情報ボタン122、医療計算ツールボタン123などを含んでよい。
【0030】
薬剤情報ボタン121を選択(タップ)すると、例えば、種々の薬剤の名称がリスト表示される。そして、そのリストからいずれかの薬剤を選択すると、その薬剤の使用方法等が表示される。また、診療支援情報ボタン122を選択(タップ)すると、例えば、種々の支援情報(ガイドラインや、マニュアル、診察基準を示すテーブルなど)の項目名がリスト表示され、そのリストからいずれかの支援情報を選択すると、その内容が表示される。医療計算ツールボタン123については、後において説明する。
【0031】
また、本支援システムSでは、医師(ユーザ)は、自身が関心のある医療支援情報や、医療計算ツールを、ブックマーク登録することが可能となっている。メニュー領域R130は、過去にブックマーク登録したコンテンツの一覧を表示するブックマーク一覧ボタン132や、支援装置10からのお知らせを表示するためのお知らせボタン133を含んでいる。メニュー領域R130は、他ページからホーム画面に戻るためのホームボタン131を含んでもよい。
【0032】
なお、ホーム画面D1は
図2Aで示す例に限られない。例えば、タイムライン領域R101は、必ずしもホーム画面D1に設けられていなくてもよい。ホーム画面D1には、アプリケーションソフトウェアやWebブラウザを通して提供されるサービスの一覧が表示されるものの、タイムライン領域R101は設けられていなくてもよい。
【0033】
[医療計算ツールのリスト画面]
上述した医療計算ツールとは、患者情報の入力を医療従事者の端末装置(
図1において医師端末装置40)において受け付けて、患者の疾患に係る情報を、患者情報に基づいて算出するプログラムである。入力される患者情報は患者の状態に関する情報であり、例えば、患者の検査結果や、患者の年齢、体重、身長、性別などを含む。患者情報は、名前など患者個人を特定する情報を含んでなくてよい。算出される患者の疾患に係る情報は、重症度や、疾患・治療により生じるリスクの評価値、投与すべき薬剤の量などであってよい。算出される患者の疾患に係る情報は、患者個人に対応付けられていなくてよい。
【0034】
図2Bは、支援装置10が提供する複数の医療計算ツールのリストを表示するツールリスト画面D2である。ツールリスト画面D2は、例えば、
図2Aで示す医療計算ツールボタン123を選択(タップ)することによって表示される。
図2Bで示すように、ツールリスト画面D2はリスト領域R201を有している。リスト領域R201には、複数の医療計算ツールのタイトル201a~201h(例えば、医療計算ツールより算出される評価値等の名称)が表示される。
【0035】
図2Bで示すように、各医療計算ツールには、ブックマークボタン202が対応づけられてよい。ブックマークボタン202が医師によって選択(タップ)されると、そのブックマークボタン202に対応する医療計算ツールが、ブックマークリストに登録される。
図2Bで示す例では、「AAA疾患の重症度評価」を算出する医療計算ツール(符号201a)がブックマークリストに登録されていることが、ブックマークボタン202の色の反転により示されている。このようにブックマークリストに登録されたコンテンツは、例えば、
図2Aで示すホーム画面D1にあるブックマーク一覧ボタン107bを選択(タップ)することによって、一覧表示されてよい。
【0036】
ツールリスト画面D2には、医療分類の名称を表示する分類選択領域R203が設けられている。支援装置10から医師端末装置40に送信されたコンテンツ(医療計算ツールを含む)は、関連する疾患や診療科目などの医療分類に応じて分類されている。分類選択領域R203には、医療分類の名称として、循環器や、小児などの診療科名(符号203a)や、AAA疾患や、DDD疾患などの疾患名(符号203b)などが表示されている。いずれかの医療分類の名称が選択されると、その医療分類に関連する医療計算ツールのみがリスト領域R201に表示されてよい。
【0037】
[医療計算ツールが提示する画面]
図2Cは、医療計算ツール(計算プログラム)が医師端末装置40の表示部44に表示する画面(計算画面D3)の例である。例えば、
図2Bで示すツールリスト画面D2において選択(タップ)された医療計算ツールの計算画面が、
図2Cで例示する様に表示される。
【0038】
計算画面D3には、患者情報を入力するための入力領域R301~R305が設けられる。上述したように、患者情報は、例えば、患者の検査結果や、患者の性別、年齢、身長、体重などを含む。計算画面D3には、結果出力領域R307が設けられている。結果出力領域R307には、入力領域R301~R305に入力された患者情報に基づいて医療計算ツールが算出した結果が表示される。上述したように、算出結果は、例えば、重症度や、疾患・治療により生じるリスクの評価値、投与すべき薬剤の量などであってよい。
【0039】
計算画面D3にも、ブックマークボタン202が対応づけられてよい。ブックマークボタン202が医師によって選択(タップ)されると、計算画面D3に表示されている医療計算ツールはブックマークリストに登録される。
【0040】
支援システムSでは、医師が医療計算ツールを使用すると、その医療計算ツールに関係づけられた医療商品情報が、支援装置10から医師端末装置40に通知される。すなわち、医療商品情報は、支援装置10から医師端末装置40に送信され、医師端末装置40の表示部44に表示される。上述したように、医療商品情報は医療商品の広告であり、医療商品が薬剤である場合、その広告は、薬剤名や、製薬メーカ名、効能・効果(対象疾患名を含む)、用法・用量などの情報を含んでよい。
【0041】
[医療商品情報が表示される画面]
図3A~
図3Iは、医療商品情報が表示される画面の例を説明するための図である。
【0042】
図3Aは、医療商品情報の一例である見出しT1が表示されたホーム画面D1の例を示している。見出しT1は、同図に示すように、ホーム画面D1の一部に重畳表示される。見出しT1は、医療商品である薬剤を簡易に説明するテキスト(文字列)や画像を含んでよい。見出しT1が重畳表示される画面(ページ)は、ホーム画面D1に限られない。見出しT1は、ガイドラインやマニュアルなどの医療支援情報が表示されている画面に重畳表示されてもよい。
【0043】
このような重畳表示は、所謂プッシュ通知によって実現されてもよい。すなわち、医師が画面の更新操作をすることなく、医療支援ソフトウェアが自動的に支援装置10から医療商品情報を受信して、
図3Aで示す見出しT1を表示してよい。
【0044】
図3Bは、医療商品情報の詳細を表示する画面(詳細画面D4)の例を示している。詳細画面D4は、例えば、
図3Aに示す見出しT1を選択(タップ)したときに表示されてよい。医療商品が薬剤である場合、詳細画面D4では、医療商品情報として、薬剤名や、製薬メーカ名、効能・効果(対象疾患名を含む)、用法・用量などが表示される。また、詳細画面D4では、医療商品情報として、薬価や、副作用、禁忌、注意事項などが表示されてよい。詳細画面D4にもブックマークボタン202が表示されてよい。
【0045】
図3Cは、医療商品情報の更に別の例である見出しT2が表示されたホーム画面D1に例を示している。ホーム画面D1には、見出しT2を表示する領域が新たに追加されてもよい。
図3Cで示す例では、タイムライン領域R101と、メニュー領域R106との間に、見出しT2を表示する領域(以下において広告領域R114)が追加されている。見出しT2は、
図3Aで示した例と同様に、医療商品である薬剤を簡易に説明するテキスト(文字列)や画像を含んでよい。見出しT2を医師が選択すると、
図3Bで例示する詳細画面D4が表示されてよい。
【0046】
[お知らせ画面]
図2Aで示すように、ホーム画面D1には、お知らせボタン107cが設けられている。
図3Dは、お知らせボタン107cを選択(タップ)したときに表示される画面(お知らせ画面D5)の例を示す図である。お知らせ画面D5には、医療商品情報の更に別の例として、見出しT3が表示されてよい。見出しT3は、
図3Aで示した例と同様に、医療商品である薬剤を簡易に説明するテキスト(文字列)や画像を含んでよい。見出しT3を医師が選択すると、
図3Bで例示する詳細画面D4が表示されてよい。
【0047】
医師端末装置40が、
図3Dで例示する見出しT3を医療商品情報として支援装置10から受信したときには、ホーム画面D1にはその旨の案内が表示されてよい。この案内は、例えば、ホーム画面D1のお知らせボタン107cに、近接して或いは重畳して表示されるマークであってよい。お知らせ画面D5には、医療商品情報とは異なる情報や案内(例えば、符号T11)が表示されてよい。
【0048】
[医療商品情報の提供者のための専用画面]
医師端末装置40は、医療商品情報の提供者(言い換えれば、医療商品の提供者)のための専用のページ(提供者画面)を表示してもよい。複数の提供者がいる場合、複数の提供者のそれぞれに専用の提供者画面が確保されてよい。
図3Eはこのような提供者画面D6の例を示す図である。提供者画面D6は、医療商品情報の更に別の例として、見出しT4が表示されてよい。見出しT4は、
図3Aで示した例と同様に、医療商品である薬剤を簡易に説明するテキスト(文字列)や画像を含んでよい。見出しT4を医師が選択すると、
図3Bで例示する詳細画面D4が表示されてよい
【0049】
このような提供者画面D6が確保される場合、ホーム画面D1には、提供者画面D6に遷移するためのボタンが設けられてよい。
図3Fはホーム画面D1の変形例を示す図である。
図3Fで示すホーム画面D1aには、提供者選択領域R109が設けられている。提供者選択領域R109には、医療商品情報の提供者の例として、製薬メーカ名109aが表示されている。医師がいずれかの製薬メーカ名109aを選択(タップ)すると、その選択された製薬メーカ(提供者)のために設けられた提供者画面D6が表示される。
【0050】
医師端末装置40が、
図3Eで例示する見出しT4を医療商品情報として支援装置10から受信したときには、ホーム画面D1aにはその旨の案内が表示されてよい。この案内は、例えば、ホーム画面D1aに記載されている製薬メーカ名109aに、近接して或いは重畳して表示されてよい。
【0051】
[医療支援ソフトウェア以外による通知]
医師端末装置40にインストールされている医療支援ソフトウェアは、定期的に医師の操作情報を支援装置10に送信する。支援装置10は、この操作情報に基づいて、医師が関係する医療を把握し、それに適したサービスを提供する。例えば、支援装置10は、薬剤等の広告を含む医療商品情報を医師端末装置40に送信する。
図2A~
図2C、及び
図3A~
図3Fで例示した画面は、例えば、このような医療支援ソフトウェアにより実現される。すなわち、
図3A、
図3C~
図3Eで示した見出しT1~T4(医療商品情報)は、医療支援ソフトウェアにより表示される。支援装置10は、医療商品情報を医師端末装置40に送信する際に、医療支援ソフトウェアを特定するポート番号を医療商品情報を付加する。
図2A~
図2C、及び
図3A~
図3Fの表示は、医師端末装置40にインストールされたWebブラウザによって実現されてもよい。
【0052】
また、医療商品情報は、医療支援ソフトウェアではなく、Eメールによって通知されたり、プッシュ通知配信サービスによって通知されてもよい。プッシュ通知配信サービスは、例えば、医師端末装置40のオペレーティングシステムを提供する事業者によって運営されるサービスである。
【0053】
図3Gは、医療商品情報がEメールによって医師端末装置40に送信された場合に表示される画面の例である。この画面(Eメール画面D7)は、例えば、医師端末装置40にインストールされているメールソフトや、Webブラウザによって生成される。
図3Gに示すように、医療商品情報がEメールによって通知される場合、Eメール画面D7は、
図3Bで示した詳細画面D4と同様に、薬剤名や、製薬メーカ名、効能・効果(対象疾患名を含む)、用法・用量などを、医療商品情報として表示してもよい。また、メール画面D7は、医療商品情報として、薬価や、副作用、禁忌、注意事項などを表示してもよい。
【0054】
図3Hは、医療商品情報がプッシュ通知配信サービスによって医師端末装置40に送信された場合に表示される画面の例である。医師端末装置40のオペレーティングシステムは、例えば、他の情報(
図3Hの例では時刻領域T13)とともに、医療商品情報の一例である見出しT5が表示される。見出しT5は、
図3Aで示した例と同様に、他の情報と重畳表示されてもよい。見出しT5は、
図3Aで示した例と同様に、医療商品である薬剤を簡易に説明するテキスト(文字列)や画像を含んでよい。見出しT5を医師が選択すると、
図3Bで例示する詳細画面D4が表示されてよい。
【0055】
[支援装置の機能]
図4は、支援システムSで実現される機能の一例を示すブロック図である。支援装置10は、その機能として、データ記憶部120を有している。データ記憶部120は、制御部11がプログラムに従って動作して、記憶部12にデータを格納することによって実現される。データ記憶部120は、例えば、医療計算ツールデータベース(DB)121、医療商品情報DB122、医療支援情報DB123、医師DB124、操作履歴DB125、及びブックマークDB126を有する。
【0056】
支援装置10は、
図4で示すように、その機能として、操作判定部111、通知部113、操作情報受信部114、効果測定部115、調整部116を有している。操作判定部111は履歴計数部111aを含んでいる。これらの機能は、例えば、制御部11が記憶部12に格納されるプログラムに従って動作し、通信部13などを制御することにより実現される。なお、これらの機能に係る処理の一部は、医師端末装置40やメーカ端末装置50において実行されてもよい。そして、医師端末装置40又はメーカ端末装置50と、支援装置10とが協働することによって、これらの機能が実現されてもよい。例えば、医療商品情報である見出しT1~T4が支援装置10から医師端末装置40に送信された後、見出しT1~T4を表示するタイミングの制御は、医師端末装置40において実行されてもよい。
【0057】
[医療計算ツールデータベース(DB)]
医療計算ツールDB121は、複数の医療計算ツール(プログラム)が保存されたデータベースである。
図5Aは、医療計算ツールDB121に保存されているデータの例を説明するための図である。医療計算ツールDB121では、例えば、医療計算ツールに付与された識別情報(医療計算ツールID)と、医療計算ツールが関係する医療分類と、医療計算ツールのタイトルとが相互に対応づけられる。医療分類は、医療計算ツールの算出結果が利用可能な疾患名や、診療科目などである。タイトルは、ツールリスト画面D2(
図2B参照)のリスト領域R201に表示されてよい。
【0058】
[医療支援情報データベース(DB)]
医療支援情報DB123は、医療支援情報が保存されたデータベースである。医療支援情報は、上述したように、例えば、疾患についての記事や、診療マニュアル、診療ガイドライン、診療基準を示すためのテーブル、論文などを含む。医療支援情報DB123では、例えば、各医療支援情報に付与された識別情報(医療支援情報ID)と、医療支援情報が関係する医療分類(診療科目や、疾患)と、タイトルとが相互に対応づけられてよい。
【0059】
複数の医療計算ツールや、医療支援情報などのコンテンツは、例えば、医療支援ソフトウェアの医師端末装置40へのインストール時、及び/又は医療支援ソフトウェアのバージョンアップ時に、支援装置10から医師端末装置40に送信されてよい。これとは異なり、コンテンツは、医師端末装置40のWebブラウザが支援装置10にアクセスしたときに、支援装置10から医師端末装置40に送信されてもよい。医師端末装置40は、受信したコンテンツを記憶部42(
図1参照)に保存する。
【0060】
[医師データベース(DB)]
医師DB124は、医師についての情報が格納されたデータベースである。
図5Bは、医師DB124に格納されているデータの例を説明するための図である。医師DB124は、例えば、各医師に付与された識別番号(医師ID)と、医師名、医師の属性情報とが対応付けられてよい。医師の属性情報は、例えば、消化器や、循環器など各医師の所属する診療科目であってよい。また、医師DB124では、各医師の専門が例えば疾患名で記録されていてもよい。
【0061】
さらに、医師DB124では、医師IDに対応付けて、メールアドレスや、デバイストークンが保存されていてよい。メールアドレスは、
図3Gで示すように、医療商品情報をEメールで通知するために利用されてよい。デバイストークンは、プッシュ通知配信サービスを提供するサーバーから各医師端末装置40に発行されるトークンである。支援システムSにおいて、これらの情報は、通知部113が医療商品情報を通知する場合に利用される。
【0062】
[操作情報受信部]
操作情報受信部114は、医師が医療計算ツールを操作したときに、そのことを示す情報(操作情報)を医師端末装置40から受信する。医療計算ツールの操作とは、例えば、計算画面D3(
図2C参照)に患者情報を入力し、算出結果を得る操作である。すなわち、医療計算ツールの操作の一例は、医療計算ツールを使用して演算することである。医療計算ツールの操作はこれに限られず、医療計算ツールの計算画面D3を開く操作(すなわち、医療計算ツールへのサクセス)が含まれてよい。
【0063】
支援装置10に送信される操作情報には、例えば、操作された医療計算ツールを特定する情報(例えば、医療計算ツールID)、及び、医療計算ツールの操作時間が含まれる。操作時間には、例えば、医療計算ツールの使用の開始時間(計算画面D3を開いた時間)、及び/又は、使用の終了時間(計算画面D3を閉じた時間)が含まれてよい。更に、操作情報には、医療計算ツールの算出結果、及び/又は、医療計算ツールへの入力情報(計算画面D3の入力領域R301~R305に入力される患者情報)が含まれてもよい。
【0064】
操作情報受信部114は、医師が医療商品情報へアクセスしたことを示す情報(操作情報)を、医師端末装置40から受信してもよい。医療商品情報が、例えば
図3Aや、
図3C~
図3Eで示す見出しT1~T4である場合、操作情報には、医療商品情報を特定する識別情報(医療商品情報ID)と、それらが選択(タップ)された時間とが含まれてよい。また、医療商品情報が、例えば
図3Bで示す詳細記事である場合、操作情報には、医療商品情報を特定するIDと、及び、医療商品情報の閲覧時間が含まれてよい。閲覧時間には、例えば、医療商品情報の閲覧の開始時間や、閲覧の終了時間が含まれてよい。
【0065】
操作情報受信部114は、医師が医療支援情報に閲覧したことを示す情報(操作情報)を、医師端末装置40から受信してもよい。医療支援情報についての操作情報には、閲覧された医療支援情報を特定する情報(例えば、医療支援情報ID)、及び、医療支援情報の閲覧時間(閲覧の開始時間及び/又は終了時間)が含まれてよい。
【0066】
[操作履歴データベース(DB)]
操作履歴DB125は、操作情報受信部114が受信した操作情報を、操作履歴として保持しているデータベースである。操作履歴DB125は、複数の医師のそれぞれについて操作履歴テーブルを有してよい。
図5Cは、操作履歴テーブルの例を説明するための図である。
【0067】
同図に示すように、操作履歴テーブルは、その項目として、医療計算ツールID、及び、操作時間(使用の開始日時及び終了日時)を含んでいる(
図5Cの1~3行目参照)。また、操作履歴テーブルは、医療計算ツールの算出結果、及び、医療計算ツールへの入力情報を含んでよい。また、医療計算ツールがブックマークリストに登録された場合(
図2Bで示すブックマークボタン202が選択された場合)、操作履歴テーブルでは、医療計算ツールIDと、その時間とが記録されてもよい(
図5Cの4行目参照)。
【0068】
さらに、操作履歴テーブルは、医療商品情報である見出しT1~T4の識別情報(医療商品情報ID)、及び、見出しT1~T4が選択(タップ)された時間を含んでよい(
図5Cの5行目)。医療商品情報が、
図3Bで例示した詳細記事であり、その詳細記事がブックマークリストに登録された場合、操作履歴テーブルでは、その時間が記録されてもよい(
図5Cの6行目参照)。
【0069】
さらに、操作履歴テーブルは、医療支援情報については、そのID、及び、閲覧時間(閲覧の開始日時及び終了日時)を含んでもよい(
図5Cの7行目参照)。
【0070】
操作情報受信部114は、例えば、医師端末装置40と支援装置10とがネットワークNを介して接続しているときには、アクセス操作(医療計算ツールの使用や、医療商品情報の選択・閲覧、医療支援情報の閲覧)がなされる度に、操作情報を医師端末装置40から受信する。これに対して、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態でアクセス操作がなされたときは、操作情報は医師端末装置40の記憶部42に蓄積されてよい。そして、医師端末装置40が支援装置10に次に接続したときに、操作情報受信部114は、記憶部42に蓄積されていた操作情報を医師端末装置40から受信してよい。これにより、操作履歴DB125には、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態(いわゆるオフライン時)においてなされた操作の操作情報が記録される。
【0071】
[ブックマークデータベース(DB)]
上述したように、医師は、医療計算ツールや、医療商品情報である詳細記事(
図3B参照)、医療支援情報などをブックマークリストに登録できる。ブックマークDB126は、ブックマークリストを記憶しているデータベースである。ブックマークリストは複数の医師のそれぞれについて設けられる。
【0072】
各ブックマークリストでは、例えば、ブックマークリストに登録したコンテンツのIDがリスト化されている。例えば、医療計算ツールの計算画面D3(
図2C参照)や、ツールリスト画面D2(
図2B参照)に設けられているブックマークボタン202について選択操作(タップ)がなされたときには、それらのIDがブックマークリストに加えられる。医療商品情報である詳細記事を表示した詳細画面D4(
図3B参照)に設けられているブックマークボタン202について選択操作(タップ)がなされた時も同様に、それらのIDがブックマークリストに加えられる。ホーム画面D1に設けられているブックマーク一覧ボタン107bが選択(タップ)されると、ブックマークリストが表示されてよい。
【0073】
[医療商品情報データベース(DB)]
医療商品情報DB122は、
図3A~
図3Hを参照しながら説明した医療商品情報を記憶するデータベースである。
図6Aは、医療商品情報DB122に保存されているデータの例を説明するための図である。
【0074】
図6Aに示すように、医療商品情報DB122では、医療商品情報に付与された識別情報(医療商品情報ID)に、医療商品情報の通知許容期間(通知許容期間の開始日時及び終了日時)が対応付けられる。また、医療商品情報IDには、医療商品情報が説明・紹介する医療商品(例えば、薬剤)のIDと、この医療商品の提供者(医療商品情報の提供者)とが対応づけられてよい(
図6Aの2列目及び3列目)。医療商品情報DBでは、医療商品情報を通知する対象のセグメントが医療商品情報IDに対応づけられていてよい。例えば、後において参照する
図6Eで例示されるように、医療商品情報IDに、その医療商品情報が関連する疾患や診療科が対応づけられていてよい。また、医療商品情報IDに、その医療商品情報を通知する候補となってる医師のID群が対応づけられていてよい。
【0075】
図6Aで示すように、医療商品情報DB122では、関係する医療商品情報を特定する情報が更に記録されてもよい。例えば、リンク元の医療商品情報IDに、リンク先の医療商品情報IDが対応付けられてもよい(
図6Aの4列目)。リンク元の医療商品情報が、例えば、
図3Aや、
図3C~
図3Eで示す見出しT1~T4である場合、リンク先の医療商品情報は
図3Bで示す詳細記事であってよい。
【0076】
支援装置10(後述する通知部113)は、このリンク情報を参照することによって、リンク元の医療商品情報(見出しT1~T4)とともに、リンク先の医療商品情報(詳細記事)を、医師端末装置40に送信できる。その結果、医師端末装置40は、医師がリンク元の医療商品情報を選択(タップ)したときに、リンク先の医療商品情報を表示できる。
【0077】
[通知ルール情報]
さらに、医療商品情報DB122では、医療商品情報と、通知ルール情報とが関係付けられている。
図6Aで示す例では、通知ルール情報は、医療商品情報IDに対応付けられている。通知ルール情報は、医療商品情報を医師端末装置40に通知する際のルール(通知ルール)を規定する情報である。通知ルール情報は、例えば、通知の方法を規定する。通知ルール情報は、例えば、通知の方法についての複数の候補から、各医療商品情報を通知する方法として選択された方法を示す。通知の方法の選択は、例えば、メーカ端末装置50の入力部55を通して行われたり、支援装置10の入力部15を通して行われてよい。
【0078】
通知の方法は、例えば、支援装置10から医師端末装置40へ医療商品情報を伝える経路(通知チャネル)を含んでよい。この場合、通知ルール情報は、例えば、経路についての複数の候補から、各医療商品情報を通知する経路として選択された経路(例えば、入力部15・55を通して選択された経路)を示す。通知の方法は、医師端末装置40での医療商品情報の表示の形態(例えば、表示の位置)を含んでよい。この場合、通知ルール情報は、例えば、表示の形態についての複数の候補から、各医療商品情報を表示する形態として選択された形態(例えば、入力部15・55を通して選択された形態)を示す。
【0079】
通知チャネルの一例は、医師端末装置40にインストールされたアプリケーションソフトウェア(上述した「医療支援ソフトウェア」)によって実現される経路である。通知チャネルの別の例は、Eメール(
図3G参照)や、プッシュ通知配信サービス(
図3H参照)であってよい。通知チャネルがEメールである場合、医療商品情報は、支援装置10からメールサーバー(中継装置)に送信され、メールサーバーから医師端末装置40に送信される。医師端末装置40では、メールソフトやWebブラウザの機能により、医療商品情報は表示される。
【0080】
通知チャネルがプッシュ通知配信サービスである場合、医療商品情報は、プッシュ通知を行うサーバー(例えば、Firebase Cloud Messaging(FCM)や、Apple Push Notification Service (APNs)などの中継装置)に支援装置10から送信される。そして、医療商品情報は、このサーバーから医師端末装置40に送信される。
【0081】
また、通知ルール情報で規定される表示の形態(
図6Aの7列目)には、医師端末装置40に表示される複数のページ(画面)のうち、医療商品情報を表示するページが含まれてよい。また、表示の形態には、ページ(画面)における、医療商品情報の表示領域が含まれてよい。例えば、通知ルール情報は、表示の形態として、ホーム画面D1への重畳表示(
図3A参照)、ホーム画面D1に追加した広告領域R114への表示(
図3C参照)、お知らせ画面D5への表示(
図3D参照)、医療商品の提供者のために設けられた提供者画面D6への表示(
図3E参照)のいずれかを規定してよい。通知ルール情報が規定する表示の形態は、ここで説明する例に限られない。
【0082】
通知ルール情報は、医療支援情報の通知タイミングを規定してもよい(
図6Aの8列目)。医療商品情報は、例えば、医療商品情報に関連付けられた医療計算ツールの使用を終了したタイミング(計算画面D3を閉じたタイミング)で通知(表示)されてもよいし、医療計算ツールが使用された日の翌日の所定時間に通知(送信)されてもよい。通知タイミングについては、後において詳説する。
【0083】
[通知部]
医療計算ツールへの医師の操作が、後述する操作判定条件を充足したとき、通知部113は、通知ルール情報を参照する。そして、通知部113は、通知ルール情報で定められるルールに従って、医療商品情報を医師に通知する。医師への通知とは、支援装置10からの医療支援情報の送信と、医療支援情報の医師端末装置40での表示とにより実現される。通知部113は、通知ルール情報が定めるタイミングに合わせて、医師端末装置40を通して医療商品情報を医師に通知する。例えば、通知チャネルが医療支援ソフトウェアである場合、通知ルール情報が定めるタイミングに至ったときに、通知部113は、医療支援情報を医師端末装置40に送信する。医師端末装置40は、受信した医療支援情報を通知ルール情報によって定められる表示形態で表示する。
【0084】
一方、通知チャネルがEメールである場合、通知ルール情報が定めるタイミングが到来したときに、通知部113は、医療支援情報をメールサーバーに送信する。さらに、通知チャネルがプッシュ通知配信サービスである場合、通知ルール情報が定めるタイミングが到来したときに、通知部113は、医療支援情報をプッシュ通知を行うサーバーに送信する。
【0085】
なお、
図6Aで示す例では、通知ルール情報は、その項目として、通知チャネルと、表示の形態と、表示のタイミングとを規定している。しかしながら、通知ルール情報は、これらのうち1つ又は2つだけを規定してもよい。例えば、通知ルール情報は、通知チャネルと表示の形態だけを規定してもよい。この場合、表示のタイミングは1つに固定されていてもよい。
【0086】
[操作判定条件]
データ記憶部120は、操作判定条件を記憶している。操作判定条件は、医療商品情報の医師への通知の要否判定のために、医療計算ツールに対する医師の操作について規定された条件である。より具体的には、操作判定条件とは、医療商品情報の通知のために必要とされる、医療計算ツールに対する医師の操作である。複数の医療商品情報のそれぞれについて、或いは複数の医療商品のそれぞれについて、操作判定条件が設定される。医師の操作が操作判定条件を充足する場合、すなわち、医療計算ツールに対して医師が行った操作が医療商品情報或いは医療商品に対して設定された操作に該当する場合に、通知部113は医療商品情報を医師に通知する。これによると、特定の医療計算ツールに関連する疾患について診断や治療を行っている医師に対して、医療商品情報(例えば、薬剤の広告)を通知できる。医療商品情報の医師への通知とは、医療商品情報の医師端末装置40への送信、及び医師端末装置40における表示を含む。
【0087】
なお、操作判定条件とされる医師の操作の一例は、医療計算ツールの使用である。医療計算ツールの使用とは、具体的には、医療計算ツールの算出結果を得る操作である。操作判定条件とされる医師の操作は、医療計算ツールの算出結果を得る操作(医療計算ツールの使用)に限られず、例えば、医療計算ツールの計算画面D3(
図2C)を開く操作(医療計算ツールへのサクセス)を含んでもよい。また、操作判定条件とされる医師の操作には、医療計算ツールに対する操作に加えて、この医療計算ツールに関連する医療支援情報(例えば、診療マニュアル)の閲覧が含まれていてもよい。この場合、この医療計算ツールが使用され且つ医療支援情報が閲覧されたときに、関連する医療商品情報が通知部113によって医師に通知されてよい。或いは、この医療計算ツールが使用され、又は、医療支援情報が閲覧されたときに、その医療商品情報が通知部113によって医師に通知されてよい。
【0088】
上述したように、操作情報受信部114は、複数の医師の医師端末装置40から、操作情報を定期的に受信し、操作履歴DBを更新している。操作判定部111は、医療計算ツールに対する操作が操作判定条件を充足するか否かを、受信した操作情報に基づいて、複数の医師のそれぞれについて判定する。通知部113は、操作判定条件を充足した医師に医療商品情報を通知する。
【0089】
操作判定条件は、医療商品情報に関連付けて記憶されてよい。例えば、
図6Aで示すように、操作判定条件は、医療商品情報DB122において、医療商品情報に対応づけて記憶されていてよい。例えば、1つの医療商品について複数の医療商品情報(例えば、
図3Aで示す医療商品情報と、
図3Gで示すEメールのための医療商品情報)が設定されていてよい。この場合、複数の操作判定条件が、複数の医療商品情報にそれぞれ対応付けられていてよい。
【0090】
なお、操作判定条件は、医療商品情報ではなく、医療商品に関連付けて記憶されてもよい。例えば、1つの医療商品に1つの医療商品情報(例えば、
図3Aで示す医療商品情報)だけが対応している場合、操作判定条件は、医療商品の商品IDに関連付けて記憶されていてよい。
【0091】
上述したように、データ記憶部120(医療計算ツールDB121)は、複数の医療計算ツールを記憶しており、医師端末装置40ではこれら複数の医療計算ツールの使用が可能となっている。複数の医療計算ツールは、複数の医療商品にそれぞれ関連付けられている。
【0092】
例えば、
図6Aで示す例においては、「ID:M001」の医療商品に関連付けられている操作判定条件(
図6Aの最上段)は、「ID:P001」の医療計算ツールによって規定されている。一方、「ID:M002」の医療商品に関連付けられている操作判定条件(
図6Aの6行目)は、「ID:P004」の医療計算ツールによって規定されている。「ID:P001」の医療計算ツールに対する操作が認められた場合、通知部113は、その医師に、「ID:M001」の医療商品の医療商品情報を通知する。一方、「ID:P004」の医療計算ツールに対する操作が認められた場合、通知部113は、その医師に、「ID:M002」の医療商品の医療商品情報を通知する。
【0093】
つまり、医療商品情報が通知される医療商品が、使用された医療計算ツールに基づいて選択される。これにより、医療商品に関連がある疾患に対する診断や治療を行うための医療計算ツールを用いる医師に対して、医療商品情報を提示できる。すなわち、医療商品を必要とする蓋然性が高い医師に、その医療商品の情報を提示できる。
【0094】
また、1つの医療商品について、互いに異なる複数の医療商品情報が設定されていてよい。そして、複数の医療商品情報に、複数の医療計算ツールがそれぞれ関連付けられていてよい。
【0095】
図6Aで示す例では、「ID:M001」の医療商品について、「ID:A001」~「ID:A004」の医療商品情報が対応付けられている(
図6Aの1行目~4行目)。このうち、「ID:A001」の医療商品情報に設定された操作判定条件は、「ID:P001」の医療計算ツールによって規定されている。一方、「ID:A002」の医療商品情報に設定された操作判定条件は、「ID:P002」の医療計算ツールによって規定されている。「ID:A001」の医療商品情報の通知ルール情報と、「ID:A002」の医療商品情報の通知ルール情報は同じであってよい。「ID:P001」の医療計算ツールに対する操作がなされた場合、通知部113は、その医師に、「ID:A001」の医療商品情報を通知する。一方、「ID:P002」の医療計算ツールに対する操作がなされた場合、通知部113は、その医師に、「ID:A002」の医療商品情報を通知する。
【0096】
つまり、同じ医療商品について互いに異なる複数の医療商品情報が設定され、医師に対して通知される医療商品情報が、その複数の医療商品情報から、使用された医療計算ツールに基づいて選択される。ここで同じ医療商品とは、薬剤について言えば、例えば、同じ成分の商品であってよい。先発医薬品と後発医薬品は異なる薬剤であってよい。
【0097】
このような支援システムSによると、例えば、疾患と医療計算ツールとの関係に応じて、医師端末装置40に表示させる医療商品情報を変えることができる。例えば、その疾患の重症度を評価するための医療計算ツールが使用された場合には、重症度への影響を説明するメッセージを含む医療商品情報を送信できる。これに対して、その疾患の治療後に発生するリスクを評価するための医療計算ツールが使用された場合には、そのようなリスクへの影響を説明するメッセージを含む医療商品情報を送信できる。
【0098】
上述したように、医療商品情報DB122では、医療商品情報に対応付けて、通知方法が規定されている。1つの医療商品について、互いに異なる複数の通知方法が設定されていてよい。そして、複数の通知方法に、複数の医療計算ツールがそれぞれ関連付けられていてよい。
【0099】
図6Aで示す例では、通知方法の一例として、通知チャネルが規定されている。例えば、「ID:A001」の医療商品情報には、「医療支援ソフトウェア」が通知チャネルとして規定されている(
図6Aの最上段)。そして、この医療商品情報(ID:A001)に設定された操作判定条件は、「ID:P001」の医療計算ツールによって規定されている。一方、「ID:A003」の医療商品情報には、「Eメール」が通知チャネルとして規定されている(
図6Aにおいて3行目)。この医療商品情報(ID:A003)に設定された操作判定条件は、「ID:P003」の医療計算ツールによって規定されている。
【0100】
「ID:P001」の医療計算ツールに対する操作がなされた場合、通知部113は、「医療支援ソフトウェア」により実現されるチャネルを通して、「ID:A001」の医療商品情報を通知する。一方、「ID:P003」の医療計算ツールに対する操作がなされた場合、通知部113は、Eメールによって「ID:A003」の医療商品情報を通知する。
【0101】
このような支援システムSによれば、例えば、疾患と医療計算ツールとの関係に応じて、通知チャネルを変えることができる。例えば、その疾患との関係が把握しやすい医療計算ツールが使用された場合、見出しT1~T4である医療商品情報を通知できる。これに対して、そのような関係について説明が必要な医療計算ツールが使用された場合には、その関係が説明された医療支援情報(例えば、Eメールによる医療商品情報)が通知されてよい。
【0102】
[複数の医療計算ツールで操作判定条件を規定する例]
また、複数の医療計算ツールによって、1つの医療商品、又は1つの医療商品情報に関係づけられている操作判定条件が規定されてもよい。
図6Bは、医療商品情報DB122に保存されているデータの別の例を説明するための図である。
【0103】
図6Bで示す例では、「ID:A001」の医療商品情報について設定されている操作判定条件は、「ID:P001」の医療計算ツールと「ID:P002」の医療計算ツールとによって規定されている(
図6Bの最上段)。そして、操作判定条件は、これら2つの医療計算ツールの少なくとも1つについての操作がなされることであってよい。2つの医療計算ツールの少なくとも1つについて操作がなされた場合に、操作判定条件が充足される。そして、通知部113は、操作判定条件を充足した医師に、「ID:A001」の医療商品情報を通知する。
【0104】
このような操作判定条件によれば、例えば1つの疾患に関連する複数の医療計算ツールがある場合に、それら複数の医療計算ツールのいずれかを利用した医師に医療商品情報を通知できる。
【0105】
上述の例とは異なり、操作判定条件は、複数の医療計算ツールの全てについての操作がなされることであってもよい。
図6Bで示す例では、「ID:A201」の医療商品情報について設定されている操作判定条件は、「ID:P005」の医療計算ツールと「ID:P006」の医療計算ツールの双方が使用されることである(
図6Bの3行目)。2つの医療計算ツールの双方について操作がなされた場合に、操作判定条件が充足される。そして、通知部113は、操作判定条件を充足した医師に、「ID:A201」の医療商品情報を通知する。
【0106】
このような操作判定条件によれば、例えば、複数の医療計算ツールが使用されて初めて1つの疾患への関与が認められる場合に、その疾患に関与している蓋然性が高い医師に、医療商品情報を通知できる。
【0107】
また、複数の医療計算ツールの全てについての操作が操作判定条件とされている場合(上述の例)、これらの操作の間に、時間的な条件が設定されていてもよい。
図6Bを参照すると、「ID:A201」の医療商品情報について操作判定条件は、2つの医療計算ツール(ID:P005、ID:P006)の操作時間の差が、所定の時間以内(例えば、数分以内)という条件を含んでよい。操作判定部111は、操作履歴DB125を参照し、このような操作の間の時間的な条件が、充足されるか否かを判定する。このような操作判定条件によれば、複数の医療計算ツールが使用されて、初めて1つの疾患への関与が認められる場合に、その疾患に関与している医師を効果的に特定できる。
【0108】
なお、「操作時間」とは、医療計算ツールの使用開始時(例えば、
図2Bで例示する計算画面D3を開いた時間)であってもよいし、使用終了時(例えば、計算画面D3を閉じた時間)であってもよい。また、「操作時間の差」は、例えば、2つの医療計算ツールの使用開始時(計算画面D3を開いた時間)の差であってもよいし、一方の医療計算ツールの使用終了時(計算画面D3を閉じた時間)と、他方の医療計算ツールの使用開始時(計算画面D3を開いた時間)との差であってもよい。
【0109】
複数の医療計算ツールの全てに対する操作が操作判定条件とされている場合、操作の連続性についての条件が規定されていてもよい。
図6Bを参照すると、例えば、「ID:P005」の医療計算ツールに対する操作と、「ID:P006」の医療計算ツールに対する操作とが連続的に実行されることが、操作判定条件に含まれてよい。ここで「連続的に実行される」とは、例えば、2つの医療計算ツールの使用の間になされる操作の数が、所定数(0を含む)以下であることであってよい。すなわち、いずれか一方の医療計算ツールに対する操作の直ぐ後に、もう一方の医療計算ツールに対する操作が実行されることが、操作判定条件とされてもよい。
【0110】
[医療計算ツールの算出結果や入力情報を利用する例]
上述したように、医師端末装置40から支援装置10に送信される操作情報は、医療計算ツールの算出結果を含んでいる。操作判定条件は、医療計算ツールの算出結果についての条件を含んでよい。
図6Cは、医療商品情報DB122に保存されているデータの更に別の例を説明するための図である。
【0111】
図6Cで示す例では、「ID:A210」の医療商品情報について設定されている操作判定条件は、「ID:P007」の医療計算ツールの算出結果Yについての条件(
図6Cにおいて「50<Y<100」)を含んでいる。算出結果Yは、上述したように、重症度や、疾患・治療により生じるリスクの評価値、投与すべき薬剤の量などであってよい。「ID:P007」の医療計算ツールの算出結果が操作判定条件を充足する場合、通知部113は、操作判定条件を充足した医師に、「ID:A210」の医療商品情報を通知する。これによれば、例えば条件を充足する算出結果に該当する患者(例えば、重症患者)に関与している医師に対して、医療商品情報を通知できる。
【0112】
[複数のツールの算出結果を利用する]
なお、複数の医療計算ツールの算出結果を見て、初めて1つの疾患への関与が評価できる場合、操作判定条件は、複数の医療計算ツールの算出結果についての条件を含んでもよい。例えば、例えば、第1の医療計算ツールの算出結果が第1の範囲内であり、且つ、第2の医療計算ツールの算出結果が第2の範囲内であることが、操作判定条件であってもよい。
【0113】
上述したように、医療計算ツールは、患者情報の入力を医師端末装置40において受け付ける。患者情報は、例えば、
図2Cで示した入力領域R301~R305に入力される。操作判定条件は、医療計算ツールに入力される患者情報についての条件を含んでよい。これによれば、条件に該当する患者(例えば、高齢者)に関与している医師に、医療商品情報を通知できる。
【0114】
図6Cで示す例では、「ID:A211」の医療商品情報について設定されている操作判定条件は、「ID:P008」の医療計算ツールに入力される患者情報(
図6Cにおいて、患者情報X1及びX2)についての条件(
図6Cにおいて「X1<20」及び「X2>300」)を含んでいる。患者情報(入力情報X1及びX2)は、患者の検査結果や、患者の年齢、体重、身長、性別などであってよい。「ID:P008」の医療計算ツールへの入力情報が操作判定条件を充足する場合、通知部113は、操作判定条件を充足した医師に、「ID:A211」の医療商品情報を通知する。
【0115】
[医療計算ツールの操作頻度を利用する例]
操作判定条件は、医療計算ツールの操作頻度についての条件を含んでもよい。
図4で示すように、操作判定部111は、履歴計数部111aを含んでいる。履歴計数部111aは、操作履歴DB125を参照し、医療計算ツールの使用頻度を算出する。操作頻度は、例えば、予め規定した期間内での医療計算ツールの操作回数である。例えば、操作頻度は、直近の所定期間内における医療計算ツールの操作回数であってよい。操作回数とは、例えば、医療計算ツールにアクセスした回数(計算画面D3を開いた回数)であってもよいし、医療計算ツールから算出結果を得た回数であってもよい。
【0116】
図6Cで示す例では、「ID:A212」の医療商品情報について設定されている操作判定条件は、「ID:P008」の医療計算ツールの操作頻度についての条件を含んでいる(
図6Cにおいて「操作頻度は10以上」)。操作判定部111は、算出された操作頻度が操作判定条件を充足するか否かを判定する。操作頻度が操作判定条件を充足する場合、通知部113は、操作判定条件を充足した医師に、「ID:A212」の医療商品情報を通知する。
【0117】
なお、履歴計数部111aは操作頻度ではなく、例えば、医療商品情報の通知許容期間の開始日時からの、操作の回数を算出してもよい。そして、操作判定条件は、医療計算ツールの操作回数についての条件を含んでもよい。
【0118】
[通知タイミングについてのルール]
医療商品情報DB122で規定される通知ルール情報は、医療商品情報を通知するタイミングを規定してもよい。これによると、適切なタイミングで医療商品情報を医師に通知できる。例えば、医師が医療商品情報にアクセスし易いタイミングで、医療商品情報を通知できる。通知ルール情報は、例えば、通知のタイミングについての複数の候補から、各医療商品情報を通知するタイミングとして選択されたタイミングを示す。タイミングの選択は、例えば、メーカ端末装置50の入力部55や、支援装置10の入力部55を通して行われてよい。
【0119】
通知ルール情報は、通知タイミングとして、例えば、支援装置10が医療商品情報を送信するタイミングを規定する。通知ルール情報は、例えば、送信のタイミングについての複数の候補から、各医療商品情報を表示するタイミングとして選択されたタイミングを示す。また、通知ルール情報は、通知タイミングとして、医師端末装置40において医療商品情報を表示するタイミングを規定してもよい。通知ルール情報は、例えば、表示のタイミングについての複数の候補から、各医療商品情報を表示するタイミングとして選択されたタイミングを示す。
【0120】
通知チャネルがEメールである場合、通知タイミングは、支援装置10が医療商品情報を送信するタイミングであってよい。これに対して、通知チャネルが医療支援ソフトウェアやプッシュ通知配信サービスである場合、通知タイミングは、医師端末装置40において医療支援情報を表示するタイミングであってもよい。
【0121】
図6A~
図6Cで例示する医療商品情報DB122では、通知タイミングが通知ルール情報によって規定されている。この通知タイミングは、時間によって規定されてよい。例えば、
図6Aで示す例において、「ID:A003」の医療商品情報の通知タイミングは、操作判定条件を充足した日の所定時刻と規定されている。ここで所定時刻は、例えば、患者の診療が終了すると推察される時刻であってよい。通知タイミングは、操作判定条件を充足した日の翌日の所定時刻であってよい。通知タイミングは、操作判定条件を充足した日の後、最初に到来する特定の曜日(例えば月曜日)の所定時刻であってよい。これとは異なり、通知タイミングは、操作判定条件を充足した時点から所定時間(例えば、数分や数秒)が経過した時であってもよい。
【0122】
通知タイミングは、医師の操作に基づいて規定されてよい。例えば、
図6Aで示す例において、「ID:A001」の医療商品情報の通知タイミングは、操作判定条件を充足したあと、最初にホーム画面D1(
図3A参照)が表示されたタイミングと規定されている(
図6Aの1行目)。これとは異なり、通知タイミングは、医療計算ツールの計算画面D3(
図2C参照)が閉じられたタイミングであってもよい。通知タイミングをこのように設定することによって、医療商品情報の通知が医療計算ツールの使用の障害となることを、抑えることができる。
【0123】
通知タイミングの到来は、通知部113によって検知されてよい。そして、通知部113は、そのようなタイミングに合わせて、医師端末装置40を通して医療商品情報を医師に通知してよい。すなわち、通知部113は、そのような通知タイミングに至ったときに、医療商品情報を医師端末装置40に送信する。そして、医師端末装置40(後述する表示制御部412、
図4参照)は、直ちに医療商品情報を表示部44に表示する。
【0124】
これとは異なり、医師の操作が操作判定条件を充足した時に、通知部113は、医療商品情報とともに、表示のタイミングを示す指令を、医師端末装置40を送信してもよい。医師端末装置40(後述する表示制御部412、
図4参照)は、その指令で示されるタイミングで、受信した医療商品情報を医師端末装置40の表示部44に表示してもよい。表示制御部412については、後において説明する。
【0125】
なお、医療商品情報の通知タイミングは、医療商品情報に対応する操作判定条件が充足されたタイミングと同じであってよい。この場合、操作判定部111の処理によって操作判定条件の充足が認められたとき直後に、通知部113は、医療商品情報を医師端末装置40に通知してよい。
【0126】
また、医師の操作が操作判定条件を充足したのち、その充足をきっかけとする医療商品情報の通知が、複数回実行されてもよい。
図6Aの例では、「ID:M001」の医療商品について、「ID:A001」の医療商品情報と「ID:A004」の医療商品情報とが対応付けられている(
図6Aの1行目及び4行目)。これら2つの医療商品情報に設定された操作判定条件は、いずれも「ID:P001」の医療計算ツールによって規定されている。すなわち、いずれの医療商品情報についても、「ID:P001」の医療計算ツールの操作が操作判定条件として設定されている。そして、「ID:A001」の医療商品情報の通知タイミング(表示のタイミング)は、ホーム画面D1への復帰である。これに対して、「ID:A004」の医療商品情報の通知のタイミング(送信のタイミング)は、「操作翌日の○○時」として規定されている。
【0127】
通知部113は、「ID:P001」の医療計算ツールの使用がなされた後、ホーム画面D1に復帰したときに、「ID:A001」の医療商品情報を送信し、この情報を医師端末装置40に表示させる。また、通知部113は、操作翌日の○○時が到来したときに、「ID:A004」の医療商品情報(Eメールのメッセージ)を医師端末装置40宛で送信する。
【0128】
このように、1つの医療商品(
図6Aにおいて「ID:M001」の医療商品)について、2つの医療商品情報が対応付けられてよい。そして、各医療商品情報について異なる通知タイミングが規定されてよい。そして、通知部113は、各通知タイミングが到来したときに、医療商品情報を通知(送信及び表示)してよい。
【0129】
なお、このように2回の通知タイミングが規定される場合、1回目で通知された医療商品情報(例えば、
図3Aで示す見出しT1)が選択されてない場合、すなわち、見出しT1に対応付けられた詳細情報(例えば、
図3Bで示す詳細画面D4)が閲覧されてない場合に、2回目の通知が実行されてもよい。通知部113は、操作履歴DB125を参照し、見出しT1に対応付けられた医療商品情報が閲覧されたか否かを判断する。そして、そのような閲覧がされていない場合に、2回目の通知を実行してよい。
【0130】
[医療計算ツールの操作形態に応じた通知方法の選択]
1つの医療商品について、複数の通知方法(すなわち、複数の医療商品情報)が規定されてよい。そして、複数の通知方法から、医療計算ツールの操作形態に応じた通知方法が選択されて、その選択された通知方法で医療商品情報が通知されてもよい。ここで、医療計算ツールの操作形態とは、例えば、医療計算ツールの操作頻度や、操作回数であってよい。また、医療計算ツールの操作形態には、ブックマークリストへの登録操作が含まれていてもよい。
【0131】
図6Dは、医療商品情報DB122に保存されているデータの更に別の例を説明するための図である。
図6Dで示す例では、「ID:M001」の医療商品について、「ID:A001」の医療商品情報と「ID:A004」の医療商品情報とが対応付けられている(
図6Aの1行目及び2行目)。これら2つの医療商品情報の通知方法は、互いに異なっている。すなわち、「ID:A001」の医療商品情報は、ホーム画面D1への重畳表示である。これに対して、「ID:A004」の医療商品情報は、Eメールでの通知である。
【0132】
また、「ID:A001」の医療商品情報について設定された操作判定条件は、「ID:P001」の医療計算ツールの操作頻度が2以上、10未満と規定されている。これに対して、「ID:A004」の医療商品情報について設定された操作判定条件は、同じ医療計算ツールの操作頻度が10以上と規定されている。
【0133】
この場合、操作判定部111は、医師端末装置40から受信した操作情報に基づいて、2つの操作判定条件のいずれが充足されるかを判定してよい。そして、通知部113は、充足された操作判定条件に対応する医療商品情報を、その情報に対応する通知方法で通知する。すなわち、「ID:P001」の医療計算ツールの操作頻度が2以上、10未満であれば、「ID:A001」の医療商品情報を通知する。一方、同じ医療計算ツールの使用頻度が10以上であれば、通知部113は、「ID:A004」の医療商品情報を通知する。
【0134】
これによれば、医師の操作形態に応じた通知方法が選択される。上述した例によれば、医療計算ツールの使用頻度が高い場合には、Eメールによって詳細な情報(
図3G参照)を医師に通知できる。
【0135】
また、
図6Dで示す例では、「ID:A004」の医療商品情報について設定された操作判定条件は、同じ医療計算ツールのブックマークリストへの登録が含まれている(
図6Dの3行目)。この場合、この操作に応じた通知方法で、医療商品情報が通知されてよい。例えば、
図6Dで示すように、医療計算ツールがブックマークリストへ登録された場合、通知部113は、所定期間毎(例えば、1週間毎)に、医療商品情報DB122で規定される方法(例えば、Eメール)で、医療商品情報を通知してよい。
【0136】
[医療計算ツールの計算結果に応じた通知方法の選択]
1つの医療商品について、複数の通知方法(すなわち、複数の医療商品情報)が規定されてよい。そして、医療計算ツールの算出結果に応じた通知方法が、複数の通知方法から選択され、その選択された通知方法で医療商品情報が通知されてもよい。
【0137】
例えば、1つの医療商品について複数の通知チャネルが設けられ、医療計算ツールの算出結果に応じたチャネルが選択されてよい。
図6Dで示す例では、「ID:M002」の医療商品について、「ID:A101」の医療商品情報と「ID:A102」の医療商品情報とが対応付けられている(
図6Aの5行目及び6行目)。これら2つの医療商品情報の通知方法は相互に異なっている。すなわち、「ID:A101」の医療商品情報は、ホーム画面D1への重畳表示される。これに対して、「ID:A102」の医療商品情報は、Eメールで通知される。「ID:A101」の医療商品情報について設定された操作判定条件は、「ID:P004」の医療計算ツールの算出結果が300以上、500未満と規定されている。これに対して、「ID:A102」の医療商品情報について設定された操作判定条件は、同じ医療計算ツールの算出結果が500以上と規定されている。
【0138】
図6Dの例の場合、操作判定部111は、操作情報に基づいて2つの操作判定条件のいずれが充足するかを判定する。そして、通知部113は、充足された操作判定条件に対応する医療商品情報を、その情報に対応する通知方法で通知する。すなわち、「ID:P004」の算出結果が300以上、500未満であれば、通知部113は、ホーム画面D1に復帰したときに、医療商品情報である見出しT1を通知(表示)する。同じ医療計算ツールの算出結果が500以上であれば、通知部113は、「ID:A102」の医療商品情報をEメールで通知(送信)する。
【0139】
これによれば、医療計算ツールの算出結果に応じた通知方法が選択される。例えば、上述した例によれば、算出結果の値が大きい(例えば、重症度が高い)場合には、Eメールで詳細な情報(
図3G参照)を送信できる。
【0140】
図6Dで示す例とは異なり、1つの医療商品について、複数の表示の形態が設けられていてもよい。そして、例えば、医療計算ツールの算出結果が第1の範囲内にあるときには、第1の表示形態(例えば、
図3Cで例示した形態、ホーム画面D1での表示)で医療商品情報が表示される。これに対して、医療計算ツールの算出結果が第2の範囲内にあるときには、第2の表示形態(例えば、
図3Dで例示した形態、お知らせ画面D5での表示)で医療商品情報が表示されてよい。
【0141】
さらに他の例として、1つの医療商品について、複数の通知タイミングが規定されていてよい。そして、医療計算ツールの算出結果が第1の範囲内にあるときには、第1のタイミングで医療商品情報が通知(表示)される。例えば、医療計算ツールの計算画面D3を閉じたタイミングで、
図3Cで例示する広告領域R114に医療商品情報が表示されてよい。これに対して、医療計算ツールの算出結果が第2の範囲内にあるときには、第2のタイミングで医療商品情報が通知(表示)されてよい。例えば、翌日以降にホーム画面D1を表示したときに、
図3Cで例示する広告領域R114に医療商品情報が表示されてよい。
【0142】
[医療分類に基づく通知制御]
図5Aで例示した医療計算ツールDBでは、「ID:P001」から「ID:P003」の医療計算ツールには、共通の医療分類として、「消化器」及び「AAA疾患」が対応付けられている。また、「ID:P005」及び「ID:P006」の医療計算ツールには、共通の医療分類として、「消化器」及び「EEE疾患」が対応付けられている。医療商品情報DBに格納されている医療商品情報と、医療計算ツールは、このような医療分類を介して関係づけられてもよい。
【0143】
図6Eは、医療商品情報DBに格納されているデータの更に別の例を説明するための図である。
図6Eの例では、医療商品情報IDに、医療分類が対応付けられている。具体的には、医療商品情報IDに、「診療科」及び「疾患」が対応づけられている。これらは、医療商品情報が説明・紹介する医療商品(例えば、薬剤)が利用され得る診療科や疾患であってよい。
【0144】
例えば、
図5Aで例示した「ID:P001」から「ID:P003」の医療計算ツールと同様、「ID:A001」の医療商品情報(
図6Eの最上段)には、「消化器」及び「AAA疾患」が医療分類として対応づけられている。この場合、「ID:A001」の医療商品情報に設定されている操作判定条件は、例えば、「AAA疾患に関係する医療計算ツールの使用」であってよい。この場合、操作判定部111は、「AAA疾患」の医療計算ツールである「ID:P001」から「ID:P003」のうち少なくとも1つが使用された場合に、操作判定条件が充足されたと判断する。そして、通知部113は、通知ルール情報で規定されるルールに従って医療商品情報を通知する。
【0145】
これによると、複数の医療計算ツールの使用に関係している医療商品については、いずれかの医療計算ツールを操作した医師に対して、医療商品情報を通知できる。また、医療商品情報の通知のための設定作業を容易化できる。
【0146】
なお、
図6Eで例示するように、医療商品情報に医療分類が対応付けられている場合、複数の医療分類からいずれかを選択し、その選択した医療分類に対応する医療商品情報(例えば、
図3Bで例示する詳細画面D4)が表示されたり、或いは、そのような医療商品情報がリスト化された画面が表示されてもよい。このような医療分類の選択は、例えば、
図2Bで例示した分類選択領域R203で行われてよい。
【0147】
[医師の属性(医療分類)に基づく通知制御]
図5Cを参照しながら説明したように、医師DBでは、各医師の属性が記録されている。医師の属性の一つは、医療分類であり、例えば、診療科や、専門とする疾患であってよい。
図6Eで例示したように、医療商品情報DBでは、医療商品情報IDに医療分類(具体的には、診療科及び疾患)が対応づけられてよい。
【0148】
通知部113は、操作判定条件を充足した医師の属性情報(診療科目)に基づいて、医療商品情報をその医師に通知するか否かを判断してもよい。例えば、通知部113は、操作判定条件を充足した医師の医療分類(例えば、診療科)と、操作判定条件に対応付けられた医療商品情報の医療分類(例えば、診療科)とが一致している場合に、その医療商品情報をその医師に通知してもよい。
【0149】
[効果測定部]
効果測定部115は、通知部113による医療商品情報の通知の効果を測定する。例えば、見出しT1~T5(
図3A、
図3C~
図3E、
図3H)を医療商品情報として医師端末装置40において表示した後、効果測定部115は、医師による見出しT1~T5の選択(タップ)の有無、或いは、見出しT1~T5の選択の回数を測定する。医師が見出しT1~T5を選択した場合、医師端末装置40はそのことを示す操作情報を支援装置10に送信する。支援装置10では、操作情報受信部114の処理により、その情報が操作履歴DBに記録される。従って、効果測定部115は、操作履歴DBを参照し、各医師による見出しT1~T5の選択の有無、或いは選択の回数を測定する。これにより、医療支援情報の提供者は、医療支援情報(見出しT1~T5)の通知効果を推定できる。
【0150】
効果測定部115は、通知部113による医療商品情報の通知の回数を測定してもよい。例えば、
図3A、
図3C~
図3E、
図3Hで例示する見出しT1~T5を通知部113が医療商品情報として医師端末装置40において表示させた回数を、効果測定部115は測定してもよい。この場合、効果測定部115は、医師端末装置40における見出しT1~T5の表示回数と、医師による見出しT1~T5の選択回数との比を算出してもよい。この方法でも、医療支援情報の提供者は、医療支援情報の通知効果を推定できる。
【0151】
[調整部]
調整部116は、効果測定部115の測定結果に基づいて、操作判定条件を調整してよい。例えば、見出しT1~T5の表示回数が予め設定した値よりも低い場合、調整部116は、操作判定条件を調整してよい。このような場合には、調整部116は、例えば、操作判定条件を緩和する方向に変更してよい。
【0152】
例えば、
図6Bで示すように、複数の医療計算ツールの全てが操作されたことが、操作判定条件として設定されていてもよい(
図6Bの3行目)。この場合、調整部116は、「複数の医療計算ツールの少なくとも1つに対する操作が成される」ことが条件となるように、操作判定条件を変更してもよい。
図6Bの例では、「ID:P005」の医療計算ツールと、「ID:P006」の医療計算ツールの双方を操作することが、「ID:A201」の医療商品情報についての操作判定条件として設定されている。調整部116は、この操作判定条件を、「2つの医療計算ツールのいずれか一方が操作される」ことに変更してもよい。
【0153】
また、
図6Cで示すように、複数の医療計算ツールの算出結果、及び/又は入力情報について規定された条件が、操作判定条件として設定されていてもよい。この場合、調整部116は、この条件を緩和する方向に操作判定条件を変更してもよい。例えば、算出結果についての範囲が操作判定条件として規定されている場合、調整部116はその範囲を拡大してもよい。
【0154】
調整部116のこのような処理によると、見出しT1~T5の表示回数を増することができる。その結果、医療商品情報の提供者は、見出しT1~T5の選択回数の増加を期待できる。なお、ここで説明した例とは反対に、効果測定部115の測定結果によっては、調整部116は、操作判定条件を厳しくする方向に変更してもよい。
【0155】
調整部116は、効果測定部115の測定結果に基づいて、通知ルール情報で定められる通知ルールを調整してよい。例えば、見出しT1~T5の選択回数(タップ回数)が予め設定した値よりも低い場合、調整部116は、通知ルールを調整してよい。例えば、このような場合には、調整部116は、通知ルール情報で規定される通知チャネルの数を増したり、1つの医療商品情報の表示回数(通知回数)を増したり、表示の形態(医療商品情報である見出しT1~T5を表示するページや位置)を変更してよい。
【0156】
調整部116のこのような調整方法は、支援装置10の運営者や、医療商品又は医療商品情報の提供者によって予め設定されていてよい。例えば、見出しT1~T5の表示回数が予め設定した値に達しない場合や、見出しT1~T5の選択回数(タップ回数)が予め設定した値に達しない場合に実行すべき調整部116の処理は、予め設定されていてよい。調整部116は、このような設定に従って、操作判定条件や通知ルールを変更してよい。
【0157】
[医師端末装置の機能]
図4で示すように、医師端末装置40は、その機能として、操作情報送信部411と、表示制御部412とを有している。これらの機能は、例えば、記憶部42に格納されるプログラムが制御部41によって実行され、通信部43などを制御することにより実現される。
【0158】
また、メーカ端末装置50は、その機能として、医療商品情報受付部511を有している。この機能は、例えば、記憶部32に格納されるプログラムが制御部31によって実行され、通信部33などを制御することにより実現される。
【0159】
操作情報送信部411は、例えば、医師端末装置40と支援装置10とが接続しているときには、医師端末装置40に対して操作がなされる度に、その操作の内容を示す操作情報を支援装置10に送信する。これとは異なり、医師端末装置40は、所定の時間間隔(例えば、数秒間隔)で操作情報を支援装置10に送信してもよい。上述したように、支援装置10において受信された操作情報に基づいて、操作履歴DB125が更新される。
【0160】
一方、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態で、医療計算ツール等のコンテンツに対して操作がなされたとき、操作情報は医師端末装置40の記憶部42に蓄積されてよい。そして、次に医師端末装置40が支援装置10に接続したときに、操作情報送信部411は、記憶部42に蓄積されていた操作情報を支援装置10に送信してもよい。これにより、医師端末装置40と支援装置10とが接続していない状態(いわゆるオフライン時)においてなされた操作内容を、支援装置10は把握できる。
【0161】
[表示制御部]
表示制御部412は、支援装置10から受信した医療商品情報と、その他のコンテンツ(例えば、診療ガイドラインなど)を表示部44に表示する。特に本実施形態において、表示制御部412は、支援装置10から受信した医療商品情報である見出しT1~T4を、通知ルールに従って表示する。
【0162】
支援装置10から受信する医療商品情報には、この医療商品情報の表示のタイミングを規定する指令が付加されていてもよい。このような指令の付加は、支援装置10の通知部113によって実行されてよい。この場合、表示制御部412は、この指令で規定されるタイミングが到来したときに、医療商品情報を表示部44に表示する。例えば、ホーム画面D1に復帰したタイミングで医療商品情報(例えば、見出しT1)が表示することが指令されている場合、表示制御部412は、ホーム画面D1を表示したときに、この医療商品情報を表示してよい。
【0163】
表示制御部412が表示する複数の医療支援情報は、医師端末装置40の記憶部42に保存されている。これら複数の医療支援情報のなかには、医療支援情報(例えば、薬剤に関する記事)と医療商品情報(例えば、重畳表示される見出しT1)とが同時に表示されることが、制限されているものがある。
【0164】
そこで、医療支援情報には、このような医療商品情報(見出しT1)との同時表示を制限する旨の指令が、付加されていてよい。表示制御部412は、このような指令に基づいて、支援装置10から受信した医療商品情報を表示するか否かを判断したり、或いは、医療商品情報を表示するタイミングを制御してもよい。例えば、表示制御部412は、そのような医療支援情報(すなわち、薬剤に関する記事)を表示した画面を閉じたあとに、医療商品情報を表示してもよい。
【0165】
なお、医療支援情報と医療商品情報の同時表示を制限する旨の指令は、医療支援情報ではなく、医療商品情報に付加されていてもよい。この場合も、表示制御部412は、このような指令に基づいて、支援装置10から受信した医療商品情報を表示するか否かを判断したり、或いは、医療商品情報を表示するタイミングを制御してもよい。
【0166】
[メーカ端末装置の機能]
メーカ端末装置50は、その機能として、医療商品情報受付部511を有している。医療商品情報受付部511は、医師端末装置40に通知すべき医療商品情報と、この医療商品情報に係る情報を入力部55を通して受け付ける。医療商品情報に係る情報とは、具体的には、医療商品情報DB122(
図4、及び
図6A~
図6E参照)において医療商品情報に対応づけられている、種々の情報(表示の許容開始日時、終了日時)である。特に本実施形態では、医療商品情報受付部511は、医療商品情報とともに、通知チャネルや、表示の形態、及び通知のタイミングの少なくとも1つを規定する通知ルール情報を受け付けてよい。医療商品情報受付部511は、受け付けた医療商品情報と、それに係る情報とを、支援装置10に送信する。支援装置10は、メーカ端末装置50から受信した情報に基づいて、医療商品情報DBを更新する。
【0167】
なお、医療商品情報受付部511の機能は、支援装置10に設けられてもよい。すなわち、支援装置10は、入力部15を通して、通知すべき医療商品情報(例えば、広告)と、通知ルール情報とを受け付けてよい。このような入力部15の操作は、支援装置10の運営者によって行われてよい。
【0168】
通知ルールについて、医療商品情報受付部511により選択可能な複数の候補ルールが予め設けられていてよい。そして、各候補ルールは、通知チャネル、表示形態、及び通知タイミングを組み合わせて、記憶部52に格納されていてよい。例えば、1つの候補ルールにおいて、複数の表示形態(或いは複数の通知チャネル)が組み合わされていてよい。例えば、候補ルールAについては、「重畳表示(プッシュ通知)」と「Eメール」とが組み合わされていてよい。より詳細には、(1)通知チャネルが「医療支援ソフトウェア」で、表示形態が「重畳表示(プッシュ通知)」で、通知タイミングが「ホーム画面への復帰」というルールに加えて、(2)通知チャネルが「Eメール」で、通知タイミングが「操作日の○○時」というルールが、候補ルールAとして記憶部52に格納されていてよい。これとは異なり、候補ルールBについて、「重畳表示(プッシュ通知)」がだけ設定されていてよい。より詳細には、通知チャネルが「医療支援ソフトウェア」で、表示形態が「重畳表示(プッシュ通知)」で、通知タイミングが「ホーム画面への復帰」というルールが、候補ルールBとして記憶部52に格納されていてよい。
【0169】
医療商品情報受付部511は、医療商品情報の提供者による候補ルール(例えば、候補ルールA)の選択を受け付けてよい。このような選択は、医療商品情報の提供者と、支援装置10の運営者との契約に基づいてなされてよい。このような選択がなされた場合、支援装置10は、選択された候補ルールに基づいて、医療商品情報DBを更新する。なお、このような医療商品情報受付部511の機能は、メーカ端末装置50に設けられてもよいし、支援装置10に設けられてもよい。
【0170】
[支援システムの動作フロー]
図7は、支援システムSの動作例を示すシーケンス図である。
【0171】
メーカ端末装置50(医療商品情報受付部511)は、医療商品情報と、この医療商品情報に係る情報(通知の許容開始日時及び終了日時、並び通知ルール情報)を受け付けて、支援装置10に送信する(S101)。支援装置10は、受信した医療商品情報等に基づいて医療商品情報DB122を更新する(S102)。
【0172】
また、支援装置10は、ガイドラインや、マニュアル等の医療支援情報、及び複数の医療計算ツールなどのコンテンツを医師端末装置40に送信する(S103)。このようなコンテンツの送信は、上述した医療支援ソフトウェアの医師端末装置40へのインストール時に実行されてもよいし、医療支援ソフトウェアのバージョンアップ時に実行されてもよいし、医師端末装置40のWebブラウザが支援装置10にアクセスしたときに実行されてもよい。
【0173】
医師がコンテンツについて操作を行うと(S104)、医師端末装置40(操作情報送信部411)は、操作を示す操作情報を支援装置10に送信する(S105)。操作情報を受信した支援装置10(操作情報受信部114)は、受信した操作情報に基づいて操作履歴DB125を更新する(S106)。上述したように、S105の操作情報の送信は、所定の時間間隔で実行されてもよいし、医師がコンテンツに対して操作を行う度に実行されてもよい。
【0174】
支援装置10(操作判定部111)は、受信した操作情報に基づいて、医療計算ツールに対してなされた医師の操作が操作判定条件(
図6A~
図6E)を充足するかを判定する(S107)。操作判定条件が充足された場合、支援装置10(通知部113)は、この操作判定条件に関連付けられた医療支援情報を医師端末装置40に送信する(S108)。
【0175】
S108において、支援装置10(通知部113)は、通知ルール情報で規定されている通知ルール(通知チャネル、表示の形態、通知タイミング)に従って医療商品情報を通知する。すなわち、通知部113は、通知ルール情報で通知チャネルが規定されている場合には、その通知チャネルで医療商品情報を送信する。S108の医療商品情報の送信は、外部の中継装置(メールサーバーや、プッシュ通知配信サービスを提供するサーバー)を介して実行されてもよい。
【0176】
また、医療商品情報の表示の形態(ページや、ページ内における領域)が通知ルール情報で規定されている場合、通知部113は、その形態で医療商品情報を表示せる。通知部113は、S108において、医療商品情報とともに、その表示の形態を示す情報を医師端末装置40に送信する。
【0177】
更に、医療商品情報の表示のタイミングが通知ルール情報で規定されている場合、通知部113は、そのタイミングが到来したときに、S108において、医師端末装置40に医療商品情報を送信してよい。これとは異なり、通知部113は、S108において、通知ルール情報で規定されているタイミングでの表示を指示する指令を、医療商品情報とともに医師端末装置40に送信してよい。この場合、医師端末装置40(表示制御部412)は、その指令に従ったタイミングで医療商品情報を表示部44に表示してよい。
【0178】
医療商品情報の受信後も、医師がコンテンツについて操作を行うと(S109)、医師端末装置40(操作情報送信部411)は、操作を示す操作情報を支援装置10に送信する(S110)。操作情報を受信した支援装置10(操作情報受信部114)は、受信した操作情報に基づいて操作履歴DB125を更新する(S111)。
【0179】
支援装置10(効果測定部115)は、操作履歴DB125を参照し、通知部113による医療商品情報の通知の効果を測定する(S112)。ここで通知の効果とは、例えば、医療商品情報の通知回数や、医療商品情報である見出しT1~T5の選択(タップ)の回数であってよい。通知の効果が予め設定した条件に該当する場合、調整部116は、操作判定条件(
図6A~
図6E)を調整したり、通知チャネル等を規定する通知ルール情報を調整する(S113)。
【0180】
[まとめ]
以上説明したように、支援装置10は、患者の状態に係る情報を含む患者情報の入力を医師の医師端末装置40で受け付けて、患者情報に基づいて患者の疾患に係る情報を算出する複数の医療計算ツールに対する、医師による操作に係る情報である操作情報を、医師端末装置40から操作情報受信部114と、複数の医療計算ツールのうちの少なくとも1つの医療計算ツールに対する医師の操作について規定された条件である操作判定条件を記憶し、且つ、医療商品情報を医師に通知する際のルールを定める通知ルール情報と、医療商品情報とを関連付けて記憶するデータ記憶部120と、操作情報に基づいて、医師の操作が操作判定条件を充足するか否かを判定する操作判定部111と、操作判定条件が充足される場合に、通知ルール情報で定められるルールに従って、医療商品情報を、医師端末装置40を通して医師に通知する通知部113とを有している。
【0181】
この支援装置10によると、特定の医療計算ツールに関連する疾患について診断や治療を行っている医師、すなわち、医療商品情報に係る医療商品を必要とする蓋然性の高い医師に対して、医療商品情報(例えば、薬剤の広告)を通知できる。また、その通知を、通知ルール情報で規定されるルールに従って行うことができる。例えば、通知ルール情報においてタイミングを規定することによって、医療商品情報を適切なタイミングで通知できる。また、例えば、通知ルール情報において表示の形態を規定することによって、医療商品情報を適切な形態で表示できる。
【0182】
なお、本発明に係る支援装置、支援システム、制御方法、プログラムは、支援装置10を参照しながら説明した例に限られない。例えば、支援装置10は、医師以外の医療従事者(例えば、検査技師や、看護師)が使用する端末装置に、医療商品情報が通知されてもよい。この場合、端末装置には、薬剤以外の医療商品(例えば、医療機器)に関連する医療コンテンツが送信されてもよい。また、メーカ端末装置50が有している機能(医療商品情報受付部511)は、医療商品のメーカではなく、医療商品の卸売業者の端末装置に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0183】
10:支援装置、40:医師端末装置、50:メーカ端末装置、111:操作判定部、111a:履歴計数部、113:通知部、114:操作情報受信部、115:効果測定部、116:調整部、120:データ記憶部、121:薬剤情報ボタン、122:診療支援情報ボタン、123:医療計算ツールボタン、202:ブックマークボタン、411:操作情報送信部、412:表示制御部、511:医療商品情報受付部、D1・D1a:ホーム画面、D2:ツールリスト画面、D3:計算画面、D4:詳細画面、D6:提供者画面、D7:メール画面、121:医療計算ツールDB、122:医療商品情報DB、123:医療支援情報DB、124:医師DB、125:操作履歴DB、126:ブックマークDB、S:支援システム、T1~T5:見出し(医療商品情報)。
【要約】
【課題】ある医療商品に対して高いニーズを有する蓋然性の高い医療従事者に、その医療商品に関する情報を、好適なタイミング・方法で通知する。
【解決手段】支援装置10は、患者情報に基づいて患者の疾患に係る情報を算出する医療計算ツールに対する、医師による操作に係る情報である操作情報を、医師端末装置40から受信する。支援装置10は、医療計算ツールに対する医師の操作が操作判定条件を充足するか判定する。この操作判定条件を充足する場合に、支援装置10は、予め設定した通知ルール情報で定められるルールに従って、医療商品情報を、医師端末装置40を通して医師に通知する。
【選択図】
図6A