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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】華容道棋
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/08 20060101AFI20241009BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20241009BHJP
【FI】
A63F9/08 501D
A63F13/80 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023539139
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2021137002
(87)【国際公開番号】W WO2022135175
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】202122291687.7
(32)【優先日】2020-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122291657.6
(32)【優先日】2020-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023190672.3
(32)【優先日】2020-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519046454
【氏名又は名称】佛山市計客創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】FS GIIKER TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】R2 F1.1 Building T, No.1 Sanle North Road, Sanhongqi Neighborhood Committee, Beijiao Shunde District, Foshan City Guangdong Province(China)
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘇 梓銘
(72)【発明者】
【氏名】李 長苹
(72)【発明者】
【氏名】陳 錦朋
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-167577(JP,U)
【文献】実開平07-009392(JP,U)
【文献】中国実用新案第211050880(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数の駒と
盤と
示器と、を含
前記駒には決勝駒が含まれ、
前記決勝駒には第1感知デバイスが設けられ、
前記碁盤における前記決勝駒の出口に対応する位置には、前記第1感知デバイスにマッチングする第2感知デバイスが設けられ、
前記第2感知デバイスは、前記提示器に電気信号的に接続され、
前記提示器は、前記碁盤に設けられ、
前記碁盤には、スマート表示エリアが設けられ、
前記スマート表示エリアに電源モジュール、処理モジュール、ディスプレイおよび操作ボタンモジュールを備える第1の構造、または、前記スマート表示エリアに電源モジュール、処理モジュールおよびタッチスクリーンを備える第2の構造であり、
前記第1の構造である場合には、前記電源モジュールが前記処理モジュールおよび前記ディスプレイに給電し、前記処理モジュールが前記スマート表示エリアの内部に位置し、前記操作ボタンモジュールが前記処理モジュールの入力端に電気信号的に接続され、前記第2感知デバイスが前記入力端に電気信号的に接続され、前記ディスプレイが前記スマート表示エリアの表面に位置し、且つ、前記処理モジュールの出力端に電気信号的に接続され、前記提示器が前記ディスプレイであり、
前記第2の構造である場合には、前記電源モジュールが前記処理モジュールおよび前記タッチスクリーンに給電し、前記処理モジュールが前記スマート表示エリアの内部に位置し、前記第2感知デバイスが前記処理モジュールの入力端に電気信号的に接続され、前記タッチスクリーンが前記スマート表示エリアの表面に位置し、且つ、前記入力端および前記処理モジュールの出力端に電気信号的に接続され、前記提示器が前記タッチスクリーンである、華容道棋。
【請求項2】
前記決勝駒は、互いに嵌め込んで組み合わせることが可能な上ケース及び下ケースを含み、前記第1感知デバイスは、前記上ケースと前記下ケースとの間に位置し、及び/又は
前記碁盤は、互いに嵌め込んで組み合わせることが可能な上盤体及び下盤体を含み、前記第2感知デバイスは、前記上盤体と前記下盤体との間に位置する、請求項1に記載の華容道棋。
【請求項3】
前記駒内には、第1収納チャンバが設けられ、前記第1収納チャンバ内には、第1磁気吸着部材が設けられ、前記碁盤内には、第2収納チャンバが設けられ、前記第2収納チャンバ内には、前記第1磁気吸着部材と相互に吸引できる第2磁気吸着部材が設けられ
前記第1感知デバイスは、磁気感知デバイスであり、且つ前記第1感知デバイスの磁極は、前記第1磁気吸着部材の磁極と逆であり、前記第2感知デバイスは、ホールセンサである、請求項1又は請求項2に記載の華容道棋。
【請求項4】
前記碁盤の上端面には、凹んだ碁溝が設けられ、前記第2磁気吸着部材は、前記碁溝の所在する領域内に配置され、前記駒は、前記碁溝内に吸着されることが可能である、請求項に記載の華容道棋。
【請求項5】
前記駒の高さは前記碁溝の深さよりも大きく、あるいは、前記碁溝の曲がり角において楔形突起が設けられている、請求項4に記載の華容道棋。
【請求項6】
前記第1磁気吸着部材および前記第2磁気吸着部材は、いずれも円形磁石である、請求項3に記載の華容道棋。
【請求項7】
前記碁盤内において、4×5行列で20個の前記第2磁気吸着部材が配列され、前記駒は、さらに第1種類の駒及び第2種類の駒を含み、前記第1種類の駒は、長さが1単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである正方形駒となっており、前記第2種類の駒は、長さが2単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである長方形駒となっており、前記決勝駒は、長さが2単位の長さであり且つ幅が2単位の長さである正方形駒となっており、前記第1種類の駒には、1つの前記第1磁気吸着部材が設けられ、前記決勝駒には、中心対称に2つの前記第1磁気吸着部材が設けられ、又は4つの前記第1磁気吸着部材が設けられ、前記第2種類の駒には、中線対称に2つの前記第1磁気吸着部材が設けられている、請求項に記載の華容道棋。
【請求項8】
前記第1磁気吸着部材は、前記第1収納チャンバ内に揺動可能であり、前記第1磁気吸着部材の底面は、前記第1収納チャンバの底壁に配置され、前記第1磁気吸着部材の底面と前記第1収納チャンバの底壁との間の夾角を第1揺動角とし、前記第1揺動角は、45°以下であり、及び/又は、
前記第2磁気吸着部材は、前記第2収納チャンバ内に揺動可能であり、前記第2磁気吸着部材の底面は、前記第2収納チャンバの底壁に配置され、前記第2磁気吸着部材の底面と前記第2収納チャンバの底壁との間の夾角を第2揺動角とし、前記第2揺動角は、45°以下である、請求項に記載の華容道棋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年12月26日に中国特許局へ出願された出願番号202023190672.3である中国特許出願、出願番号202122291657.6である中国特許出願及び出願番号202122291687.7である中国特許出願の優先権を要求し、それらの開示内容は、援用により全て本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、棋類ゲームの技術分野に関し、特に華容道棋に関する。
【背景技術】
【0003】
華容道棋は、古い民間パズルゲームであり、その変化が多く、何度も遊んでも飽きないという特徴でルービックキューブや独立ダイヤモンド碁とともに国外の知力分野の専門家に「知力ゲーム分野の3つの不思議」と呼ばれている。華容道棋は、辺長が1単位の長さである4つの正方形駒、長さが2単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである5つの長方形駒及び辺長が2単位の長さである1つの正方形駒を含み、そのうち、辺長が2単位の長さである正方形駒は、決勝駒であり、碁盤は、通常木製の盤に、長さが5単位の長さであり且つ幅が4単位の長さである長方形の溝が掘り出されている。その遊び方は、各駒を移動することで、駒を超えることを許可せず、なるべく最小の歩数で決勝駒が初期位置から碁盤の特定位置における「出口」に移動させて「脱出」を完成すると、ゲームが終了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の華容道棋は、一般的にユーザが決勝駒が碁盤の特定位置における「出口」まで移動して「脱出」を完成したかどうかを自ら判断するが、華容道棋のゲーム規則に不慣れであるか又はゲームの過程で失念した状況が発生した場合、ユーザは、決勝駒が「出口」まで移動したと直ちに判断できず、ゲームが終了したことがわからない可能性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これに鑑みて、新たな華容道棋を提供する必要がある。
【0006】
華容道棋であって、複数の駒、碁盤及び提示器を含む。前記複数の駒は、決勝駒を含み、前記碁盤は、前記複数の駒が置くように配置され、且つ前記碁盤には、出口が設けられ、前記提示器は、前記決勝駒が前記碁盤において前記出口の位置まで移動すると、前記華容道棋のゲームが終了したと提示するように構成される。
【0007】
上記華容道棋は、設けられた提示器により、決勝駒が碁盤における「出口」の位置まで移動すると、提示器は、前記華容道棋のゲームが終了したと提示して、決勝駒がすでに「脱出」し、ゲームが終了したとユーザに提示し、それにより、ゲームの自動的な提示機能を実現し、ユーザの体験を向上させる。
【0008】
一実施例では、前記決勝駒には、第1感知デバイスが設けられ、前記碁盤における前記出口に対応する位置には、前記第1感知デバイスにマッチングする第2感知デバイスが設けられ、また、前記第2感知デバイスは、前記提示器に電気信号的に接続され、前記提示器は、前記碁盤に設けられ、あるいは、前記第1感知デバイスは、前記提示器に電気信号的に接続され、前記提示器は、前記決勝駒に設けられている。
【0009】
一実施例では、前記決勝駒は、互いに嵌め込んで組み合わせることが可能な上ケース及び下ケースを含み、前記第1感知デバイスは、前記上ケースと前記下ケースとの間に位置する。
【0010】
一実施例では、前記碁盤は、互いに嵌め込んで組み合わせることが可能な上盤体及び下盤体を含み、前記第2感知デバイスは、前記上盤体と前記下盤体との間に位置する。
【0011】
一実施例では、前記碁盤には、スマート表示エリアが設けられ、前記スマート表示エリアには、ディスプレイが設けられ、前記提示器は、前記ディスプレイを含む。
【0012】
一実施例では、前記スマート表示エリアには、さらに処理モジュール及び電源モジュールが設けられ、前記電源モジュールは、ディスプレイと処理モジュールとに給電し、前記ディスプレイは、スマート表示エリアの表面に位置し、前記処理モジュールは、スマート表示エリアの内部に位置し、前記ディスプレイは、前記処理モジュールの出力端に電気信号的に接続され、前記第2感知デバイスは、前記処理モジュールの入力端に電気信号的に接続されている。
【0013】
一実施例では、前記スマート表示エリアには、さらに操作ボタンモジュールが設けられ、前記操作ボタンモジュールは、前記処理モジュールの入力端に電気信号的に接続されている。
【0014】
別の実施例では、前記ディスプレイは、タッチスクリーンであり、前記ディスプレイは、前記処理モジュールの入力端にも電気信号的に接続されている。
【0015】
一実施例では、前記ディスプレイには、4×5格子の発色領域が設けられ、前記発色領域は、少なくとも3種類の異なる色を表示できるように配置され、各種の色は、それぞれ前記複数の駒のうちの異なるタイプの駒に対応するように配置される。
【0016】
一実施例では、前記提示器は、ブザー、スクリーン又はLEDライトを含む。
【0017】
一実施例では、前記駒内には、第1収納チャンバが設けられ、前記第1収納チャンバ内には、第1磁気吸着部材が設けられ、前記碁盤内には、第2収納チャンバが設けられ、前記第2収納チャンバ内には、前記第1磁気吸着部材と相互に吸引できる第2磁気吸着部材が設けられている。
【0018】
一実施例では、前記第1感知デバイスは、磁気感知デバイスであり、且つ前記第1感知デバイスの磁極は、前記第1磁気吸着部材の磁極と逆であり、前記第2感知デバイスは、ホールセンサである。
【0019】
一実施例では、前記碁盤の上端面には、凹んだ碁溝が設けられ、前記第2磁気吸着部材は、前記碁溝の所在する領域内に配置され、前記駒は、前記碁溝内に吸着されることが可能である。
【0020】
一実施例では、前記駒の高さは、前記碁溝の深さよりも大きい。
【0021】
一実施例では、前記碁盤の曲がり角において楔形突起が設けられている。
【0022】
一実施例では、前記第1磁気吸着部材と前記第2磁気吸着部材は、円形磁石である。
【0023】
一実施例では、前記駒は、さらに第1種類の駒及び第2種類の駒を含み、前記第1種類の駒は、長さが1単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである正方形駒となっており、前記第2種類の駒は、長さが2単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである長方形駒となっており、前記決勝駒は、長さが2単位の長さであり且つ幅が2単位の長さである正方形駒となっている。
【0024】
一実施例では、前記碁盤内において、4×5行列で20個の前記第2磁気吸着部材が配列され、前記第1種類の駒には、1つの前記第1磁気吸着部材が設けられ、前記決勝駒には、中心対称に2つの前記第1磁気吸着部材が設けられ、又は4つの前記第1磁気吸着部材が設けられ、前記第2種類の駒には、中線対称に2つの前記第1磁気吸着部材が設けられている。
【0025】
一実施例では、前記第1磁気吸着部材は、前記第1収納チャンバ内に揺動可能である。
【0026】
さらに、一実施例では、前記第1磁気吸着部材の底面は、前記第1収納チャンバの底壁に配置され、前記第1磁気吸着部材の底面と前記第1収納チャンバの底壁との間の夾角を第1揺動角とし、前記第1揺動角は、45°以下である。
【0027】
さらに、一実施例では、前記駒が所定の位置に移動すると、前記第1磁気吸着部材は、揺動することにより、前記第1収納チャンバの内壁に衝突する。
【0028】
一実施例では、前記第2磁気吸着部材は、前記第2収納チャンバ内に揺動可能である。
【0029】
さらに、一実施例では、前記第2磁気吸着部材の底面は、前記第2収納チャンバの底壁に配置され、前記第2磁気吸着部材の底面と前記第2収納チャンバの底壁との間の夾角を第2揺動角とし、前記第2揺動角は、45°以下である。
【0030】
さらに、一実施例では、前記駒が所定の位置に移動すると、前記第2磁気吸着部材は、揺動することにより、前記第2収納チャンバの内壁に衝突する。
【0031】
本願の1つ或は複数の実施例の詳細は、以下の図面と説明の中に提出される。本願の他の特徴、目的及び長所は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0032】
本願の実施例における技術案を更に明瞭に説明するために、以下、実施例の説明中に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。以下に説明する図面は、本願の一部の実施例だけであることは明らかである、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、またこれらの図面によって他の実施例の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一実施例に係る華容道棋の組立概略図である。
図2図1に示す華容道棋の分解模式図である。
図3図1に示す華容道棋の別の視角の分解模式図である。
図4】一実施例に係る華容道棋の駒が移動する過程で第1磁気吸着部材と第2磁気吸着部材の位置変化を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願の上記目的、特徴及び長所を更に明瞭にさせるために、以下に添付図面を参照しながら本願の具体的な実施形態に対して詳しい説明を行う。本願を十分に理解するために、以下の説明の中に多くの具体的な詳細を説明する。本願はここに説明する以外の多くの形態で実施でき、当業者は本願の主旨を違反しない前提で類似する改良を行うことができ、そのため、本願は以下に公開する具体的な実施例に制限されない。
【0035】
図1~3を参照すると、一実施例では、華容道棋を提供し、当該華容道棋は、提示器、碁盤10及び複数の駒20を含む。駒20は、決勝駒22を含む。決勝駒22には、第1感知デバイス100が設けられている。碁盤10における決勝駒22の出口に対応する位置には、第1感知デバイス100にマッチングする第2感知デバイス90が設けられている。第2感知デバイス90は、提示器に電気信号的に接続されている。提示器は、碁盤10に設けられている。
【0036】
決勝駒22に第1感知デバイス100を設け、且つ碁盤10の決勝駒22の出口に対応する位置に第1感知デバイス100にマッチングする第2感知デバイス90を設けることにより、決勝駒22が碁盤10の「出口」の位置まで移動すると、第2感知デバイス90は、第1感知デバイス100を感知して、信号を提示器に伝達することができる。提示器が音声、画像又は光などを発することで、決勝駒22がすでに「脱出」し、ゲームが終了したとユーザに提示し、それにより、ゲームは、自動的に提示する機能を有するようになり、ユーザの体験を向上させる。本実施例では、提示器は、ディスプレイ50であり、ディスプレイ50の表示する画像によってユーザにゲームが終了したと提示する。好ましくは、碁盤10に、スピーカーを設け、音声と組み合わせてユーザに提示することもできる。
【0037】
他の実施例では、提示器が決勝駒22に設けられ、第1感知デバイス100が提示器に電気信号的に接続されてもよい。好ましくは、提示器は、ブザー、スクリーン又はLEDライトであり、ブザーによる音声、スクリーンにおける画像又はLEDライトによる光によってユーザに提示する。
【0038】
一実施例では、決勝駒22は、互いに嵌め込んで組み合わせることが可能な上ケース210及び下ケース220を含み、第1感知デバイス100は、上ケース210と下ケース220との間に位置する。これにより、駒20の全体構成をコンパクトにすることを保証し、第1感知デバイス100の取り付けに便利である。
【0039】
図2、3を参照すると、一実施例では、碁盤10は、互いに嵌め込んで組み合わせることが可能な上盤体110及び下盤体120を含み、第2感知デバイス90は、上盤体110と下盤体120との間に位置する。これにより、碁盤10全体構成をコンパクトにすることを保証し、第2感知デバイス90の取り付けに便利である。
【0040】
図1を参照すると、一実施例では、碁盤10には、スマート表示エリア103が設けられている。スマート表示エリア103には、ディスプレイ50が設けられている。スマート表示エリア103には、さらに操作ボタンモジュール60、処理モジュール70及び電源モジュール80が設けられてもよい。電源モジュール80は、ディスプレイ50と処理モジュール70とに給電する。ディスプレイ50は、スマート表示エリア103の表面に位置する。処理モジュール70は、スマート表示エリア103の内部に位置する。操作ボタンモジュール60は、処理モジュール70の入力端に電気信号的に接続されている。ディスプレイ50は、処理モジュール70の出力端に電気信号的に接続されている。第2感知デバイス90は、処理モジュール70の入力端に電気信号的に接続されている。提示器は、ディスプレイ50を含む。第2感知デバイス90は、第1感知デバイス100を感知したら、信号を処理モジュール70に伝達し、処理モジュール70は、ディスプレイ50によりゲームが終了したと表示する。操作ボタンモジュール60は、1つ又は複数の多機能ボタンを含んでもよく、例えば図1に示す3つの多機能ボタンを含む。当該3つの多機能ボタンは、処理モジュール70の入力端に電気信号的に接続されており、それにより、それぞれ「オン/オフ」、「音量の増加」、「音量の減少」、「確認」、「選択」、「取り消し」などの機能を実現することができる。ディスプレイ50は、処理モジュール70の出力端に電気信号的に接続されており、それにより、「メニュー」の画面、「パズルレイアウト」の画面、「パズル解きの示唆」の画面などを表示することができる。ディスプレイ50には、4×5格子の発色領域が設けられ、発色領域は、少なくとも3種類の異なる色を表示できるように配置され、各種の色は、それぞれ異なるタイプの駒20に対応するように配置される。
【0041】
なお、ディスプレイ50は、非タッチスクリーン又はタッチスクリーンであってもよい。ディスプレイ50がタッチスクリーンである場合、別の実施例では、スマート表示エリア103には、操作ボタンモジュール60ではなく、当該タッチスクリーン、処理モジュール70及び電源モジュール80が設けられてもよい。電源モジュール80は、タッチスクリーンと処理モジュール70とに給電する。タッチスクリーンは、スマート表示エリア103の表面に位置する。処理モジュール70は、スマート表示エリア103の内部に位置する。タッチスクリーンは、処理モジュール70の入力端と出力端に電気信号的に接続されている。第2感知デバイス90は、処理モジュール70の入力端に電気信号的に接続されている。提示器は、タッチスクリーンを含む。第2感知デバイス90は、第1感知デバイス100を感知したら、信号を処理モジュール70に伝達して、処理モジュール70は、タッチスクリーンにより、ゲームが終了したと表示する。本実施例では、タッチスクリーンにより、ボタン操作機能及び表示機能を実現することができる。
【0042】
一実施例では、駒20内には、第1収納チャンバ201が設けられ、第1収納チャンバ201内には、第1磁気吸着部材30が設けられている。碁盤10内には、第2収納チャンバ101が設けられ、第2収納チャンバ101内には、第1磁気吸着部材30と相互に吸引できる第2磁気吸着部材40が設けられている。第1感知デバイス100は、磁気感知デバイスであり、且つ第1感知デバイス100の磁極は、第1磁気吸着部材30の磁極と逆である。第2感知デバイス90は、ホールセンサである。駒20内に第1磁気吸着部材30を設け、碁盤10内に第1磁気吸着部材30と相互に磁気的に吸引する第2磁気吸着部材40を設けることにより、駒20は、安定的に碁盤10に付着することができ、脱落しにくく、駒20の紛失を避けることができ、収納及び携帯に便利である。さらに、第1感知デバイス100の磁極が第1磁気吸着部材30の磁極と逆であることにより、ホールセンサは、決勝駒22における磁気感知デバイスを正確に感知することができ、間違って駒20における第1磁気吸着部材30を感知するによって間違った信号の伝送を招くことがない。
【0043】
好ましくは、他の実施例では、第1感知デバイス100と第2感知デバイス90は、互いにマッチングするロッカースイッチ又はトリガースイッチなどの電子部品であってもよい。
【0044】
具体的には、図1、2を参照すると、碁盤10の上端面には、凹んだ碁溝102が設けられ、第2磁気吸着部材40は、碁溝102の所在する領域内に配置され、駒20は、碁溝102内に吸着されることが可能である。碁溝102は、駒20の動く領域である。第2磁気吸着部材40を碁溝102の溝底の下方に配置することにより、駒20は、碁溝102内に収納することができ、脱出して紛失しにくい。
【0045】
一実施例では、駒20の高さは、碁溝102の深さよりも大きい。即ち、駒20の上端は、碁溝102から突出し、それにより、棋を打つときに、ユーザは、駒20を移動しやすい。
【0046】
図1、2を参照すると、一実施例では、碁盤10の曲がり角において楔形突起104が設けられている。楔形突起104は、位置制限や滑り止めの機能を果たすことができ、それにより、ユーザは、片手で碁盤10を把持することができ、使用の利便性を向上させる。
【0047】
さらに、碁盤10内において、4×5行列で20個の第2磁気吸着部材40が配列されている。駒20は、さらに第1種類の駒21及び第2種類の駒23を含み、第1種類の駒21は、長さが1単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである正方形駒となっており、第2種類の駒23は、長さが2単位の長さであり且つ幅が1単位の長さである長方形駒となっている。決勝駒22は、長さが2単位の長さであり且つ幅が2単位の長さである正方形駒となっている。また、第1種類の駒21には、1つの第1磁気吸着部材30が設けられている。決勝駒22には、中心対称に2つの第1磁気吸着部材30が設けられ、又は4つの第1磁気吸着部材30が設けられている。即ち、決勝駒22の対角線方向に沿って2つの第1磁気吸着部材30が対象に設けられ、又は決勝駒22には、4つの第1磁気吸着部材30が均一に設けられている。各第1磁気吸着部材30の所在する位置は、各第1磁気吸着部材30が、決勝駒22が所定の位置に配置された後にそれぞれのユニットに対応する位置にある第2磁気吸着部材40と対応して相互に吸引できるように配置されている。対称に2つの第1磁気吸着部材30を設けることにより、決勝駒22が移動する過程において受ける力のバランスを維持することができる。4つの第1磁気吸着部材30を設けることにより、決勝駒22の受ける力がバランスを取ることができ、移動が安定になる。第2種類の駒23には、中線対称に2つの第1磁気吸着部材30が設けられ、それにより、第2種類の駒23が移動する過程において受ける力のバランスを維持することができる。
【0048】
一実施例では、第1磁気吸着部材30は、第1収納チャンバ201内に揺動可能であり、第1磁気吸着部材30の底面は、第1収納チャンバ201の底壁に配置されている。第1磁気吸着部材30の底面と第1収納チャンバ201の底壁との間の夾角を第1揺動角とし、第1揺動角は、45°以下である。棋を打つ過程において、駒20は移動してその内部における第1磁気吸着部材30を動かして移動させる。碁盤10における駒20が配置される位置には、第2磁気吸着部材40が設けられているため、第1磁気吸着部材30は、第2磁気吸着部材40によって形成される磁界の影響で、第1磁気吸着部材30が現在の位置から離れて徐々に次の位置に進入すると、まず一定の反発力を受けて第1収納チャンバ201の底壁に対して一定の揺動を生じる。駒20が所定の位置に移動するについて、このとき、第1磁気吸着部材30は、第2磁気吸着部材40による磁気吸引力を受けて逆方向に揺動して第1収納チャンバ201の底壁に叩き、それにより、音を発して、駒20が所定の位置に配置されたとユーザに提示する。本実施例では、第1揺動角を45°以下とし、第1収納チャンバ201の高さは、低く設定することができ、また、音によるインタラクションのニーズを満たすことができる。また、第1磁気吸着部材30の第1揺動角が45°以下であるため、第1磁気吸着部材30が移動する過程で揺動しても、反転して磁極を変えることなく、第1磁気吸着部材30の磁極が常に変化せず且つ第1感知デバイス100の磁極と逆であることを保証し、第2感知デバイス90が第1感知デバイス100を感知することに影響することがない。
【0049】
好ましくは、図4を参照すると、他の実施例では、第2磁気吸着部材40は、第2収納チャンバ101内に揺動可能であり、第2磁気吸着部材40の底面は、第2収納チャンバ101の底壁に配置されている。第2磁気吸着部材40の底面と第2収納チャンバ101の底壁との間の夾角を第2揺動角aとし、第2揺動角は、45°以下である。当該実施例では、碁盤10内における第2磁気吸着部材40は、駒20の移動に伴って揺動する。駒20が所定の位置に配置されると、第2磁気吸着部材40は、第1磁気吸着部材30による磁気吸引力を受けて逆方向に揺動して第2収納チャンバ101の頂壁に叩き、それにより、音を発して、駒20が所定の位置に配置されたとユーザに提示する。本実施例では、第2揺動角を45°以下とし、第2収納チャンバ101の高さは、低く設定することができ、また、音によるインタラクションのニーズを満たすことができる。好ましくは、他の実施例では、第2磁気吸着部材40の揺動角度は、45°よりも大きくなってもよく、第2磁気吸着部材40は、駒20が移動する過程で、対応する位置にある第1磁気吸着部材30の極性によって反転して向きを変えることができる。これにより、組み立ての過程では、第2磁気吸着部材40と第1磁気吸着部材30は、必ず極性が逆であると厳格に求める必要がなく、第2磁気吸着部材40の取付効率を効果的に向上させるとともに、音によるインタラクションのニーズを満たすことができる。
【0050】
また、第1磁気吸着部材30と第1収納チャンバ201との間、及び/又は第2磁気吸着部材40と第2収納チャンバ101との間に隙間がある。棋を打つ過程では、第1磁気吸着部材30と第2磁気吸着部材40との間の吸引力は、距離の変化によって対応的に変化して、第1磁気吸着部材30及び/又は第2磁気吸着部材40が駒20の移動過程において揺動する。第1磁気吸着部材30は、揺動して第1収納チャンバ201の内壁に衝突し、及び/又は、第2磁気吸着部材40は、揺動して第2収納チャンバ101の内壁に衝突し、それによって生じる音又は振動は、ユーザに伝達され、駒20がすでに駒20が配置可能ないずれかの位置に正対しているとユーザに知らせて、良好なインタラクションの効果を提供する。
【0051】
さらに、第1磁気吸着部材30と第2磁気吸着部材40は、円形磁石である。好ましくは、第1磁気吸着部材30と第2磁気吸着部材40は、他のタイプの磁石であってもよい。第1磁気吸着部材30と第2磁気吸着部材40がいずれも磁気部材である場合、それらがそれぞれ磁界を持ち、それにより、重ね合わせた磁界を形成する。駒20が移動すると、その内部に含まれる揺動可能な「可動部材」(揺動可能な第1磁気吸着部材30又は第2磁気吸着部材40)は、磁界の変化によって対応して揺動し、それにより、第1磁気吸着部材30の端面は、第2磁気吸着部材40に正対するようになり、碁盤10と駒20との間に矛盾が生じる問題を回避する。華容道棋の駒20が碁盤10内で移動可能な軌跡は、「経路」と呼ばれ、「経路」の交点は、即ち位置決め点であり、これらの位置決め点は、行列で配列される特徴を呈する。第2磁気吸着部材40は、位置決め点の位置に基づき碁盤内に埋設されている。これらの第2磁気吸着部材40の寸法は、第1磁気吸着部材30の寸法と適応し、それにより、駒20が位置決め点に到達する直前に明らかな磁気吸着位置決め効果を発生させ、華容道棋の使用体験を向上させる。
【0052】
本願の説明では、理解すべきことは、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「縦」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計周り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが示す方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本願を説明しやすく、説明を簡単にするためだけであり、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成されたり操作されたりすると示し又は示唆するのではないため、本願に対する制限であると理解すべきではない。
【0053】
なお、用語「第1」、「第2」は、説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を示し又は示唆し、あるいは示される技術的特徴の数を暗黙に示すと理解すできではない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的または暗示的に含むことができる。本願の説明では、「複数」とは、特に明示的に限定されない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0054】
本願では、特に明確な規定と限定がある場合を除き、用語「取り付け、「繋ぐ」、「接続」、「固定」などの用語は広義に解釈しなければならず、例えば、固定接続されてもよく、取外し可能に接続され又は一体にされてもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。特に明確な規定と限定がある場合を除き、当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0055】
本願では、特に明確な規定と限定がある場合を除き、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1及び第2特徴が直接的に接触し、又は第1及び第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触すると意味する。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上側」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上方にあり、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いと意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下側」とは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下方にあり、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いと意味する。
【0056】
なお、素子が別の素子に「固定される」又は「設置される」と記す場合、それが直接的に別の素子の上にあり、又は間にある素子が存在してもよい。素子が別の素子に「接続される」と記す場合、それが直接的に別の素子に接続され、又は同時に間にある素子が存在してもよい。本明細書に用いられる用語「垂直な」、「水平な」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明のためだけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0057】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、前記実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせを説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が存在しない限り、すべて本明細書に記載された範囲と見なすべきである。
【0058】
上述した実施例は、本願の数種類の実施形態のみを示し、その説明は比較的具体的かつ詳細であるが、それによって特許請求範囲に対する制限と理解すべきではない。当業者にとって、本願の構想を逸脱しない前提で、また若干の変形と改良を行うことができ、これらはすべて本願の保護範囲に属することを指摘すべきである。したがって、本願の特許の保護範囲は付属の請求項を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0059】
10・・・碁盤、110・・・上盤体、120・・・下盤体、101・・・第2収納チャンバ、102・・・碁溝、103・・・スマート表示エリア、104・・・楔形突起、20・・・駒、210・・・上ケース、220・・・下ケース、201・・・第1収納チャンバ、21・・・第1種類の駒、22・・・決勝駒、23・・・第2種類の駒、30・・・第1磁気吸着部材、40・・・第2磁気吸着部材、50・・・ディスプレイ、60・・・操作ボタンモジュール、70・・・処理モジュール、80・・・電源モジュール、90・・・第2感知デバイス、100・・・第1感知デバイス。
図1
図2
図3
図4