(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】収納システム、施錠システム、収納方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
E05B 65/00 20060101AFI20241009BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20241009BHJP
E05B 65/52 20060101ALI20241009BHJP
E05B 67/00 20060101ALI20241009BHJP
G09B 19/00 20060101ALN20241009BHJP
【FI】
E05B65/00 D
E05B49/00 A
E05B65/52 B
E05B67/00
G09B19/00 Z
(21)【出願番号】P 2024035632
(22)【出願日】2024-03-08
【審査請求日】2024-07-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524090459
【氏名又は名称】市岡 伸也
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市岡 伸也
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-225514(JP,A)
【文献】特開2004-164058(JP,A)
【文献】特開2011-227573(JP,A)
【文献】特開2006-311808(JP,A)
【文献】特開2021-80633(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0090364(US,A1)
【文献】特開2003-219857(JP,A)
【文献】特開2003-343132(JP,A)
【文献】特開2023-56724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E05G 1/00- 7/00
G09B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を収納する収納システムであって、
開口を有する容器と、
前記容器の開口を閉じる蓋と、
前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠
し、
前記制御部は、
施錠の前に問題集の一覧の中から、ユーザによる問題集の選択を受け付け、
解錠の指示を受けると、選択された前記問題集の中から前記問題を選択して前記表示部に表示させる
ことを特徴とする、収納システム。
【請求項2】
前記解錠条件は、所定の正解数、連続正解数又は正答率である
ことを特徴とする、請求項
1に記載の収納システム。
【請求項3】
対象物を収納する収納システムであって、
開口を有する容器と、
前記容器の開口を閉じる蓋と、
前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠し、
前記解錠条件は、所定の正解数、連続正解数又は正答率であり、
前記制御部は、
前記問題への回答結果が前記解錠条件を満たす場合、または累積回答時間が所定時間を超過すると、前記ロック機構により解錠する
ことを特徴とする
、収納システム。
【請求項4】
対象物を収納する収納システムであって、
開口を有する容器と、
前記容器の開口を閉じる蓋と、
前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠し、
前記解錠条件は、所定の正解数、連続正解数又は正答率であり、
前記制御部は、
前記問題への回答結果が前記解錠条件を満たし、且つ回答時間が所定時間内である場合、前記ロック機構により解錠する
ことを特徴とする
、収納システム。
【請求項5】
対象物を収納する収納システムであって、
開口を有する容器と、
前記容器の開口を閉じる蓋と、
前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠し、
前記解錠条件は、所定の正解数、連続正解数又は正答率であり、
前記制御部は、
前記問題への回答結果が前記解錠条件を満たす場合、所定時間経過すると、前記ロック機構により解錠する
ことを特徴とする
、収納システム。
【請求項6】
対象物を収納する収納システムであって、
開口を有する容器と、
前記容器の開口を閉じる蓋と、
前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠し、
前記解錠条件は、所定の正解数、連続正解数又は正答率であり、
前記制御部は、
ユーザから解錠の指示を受けると、所定時間経過後、前記問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付ける
ことを特徴とする
、収納システム。
【請求項7】
対象物を収納する収納システムであって、
開口を有する容器と、
前記容器の開口を閉じる蓋と、
前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠し、
前記制御部は、
ユーザから対象物の指定を受け付け、指定された対象物に応じて前記解錠条件を設定する
ことを特徴とする
、収納システム。
【請求項8】
対象物を収納する収納具用の施錠システムであって、
前記収納具の開閉部を閉状態に保持するためのロック機構と、
ユーザの指示を受け付けるための入力部と、
ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠
し、
前記制御部は、
施錠の前に問題集の一覧の中から、ユーザによる問題集の選択を受け付け、
解錠の指示を受けると、選択された前記問題集の中から前記問題を選択して前記表示部に表示させる
ことを特徴とする、施錠システム。
【請求項9】
対象物を収納する収納システム又は対象物を収納する収納具用の施錠システムによる収納方法であって、
施錠の前に問題集の一覧の中から、ユーザによる問題集の選択を受け付けるステップと、
ユーザから施錠の指示を受けると、ロック機構により施錠するステップと、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を
選択された前記問題集の中から選択し表示して、前記問題に対するユーザの回答を受け付けるステップと、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠するステップと、を含む
ことを特徴とする、収納方法。
【請求項10】
対象物を収納する収納具又は前記収納具用の施錠具に、
施錠の前に問題集の一覧の中から、ユーザによる問題集の選択を受け付けるステップと、
ユーザから施錠の指示を受けると、ロック機構により施錠するステップと、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を
選択された前記問題集の中から選択し表示して、前記問題に対するユーザの回答を受け付けるステップと、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠するステップと、を実行させる
ことを特徴とする、プログラム。
【請求項11】
対象物を収納する収納具又は前記収納具用の施錠具を制御する端末装置に、
施錠の前に問題集の一覧の中から、ユーザによる問題集の選択を受け付けるステップと、
ユーザから施錠の指示を受けると、前記収納具又は前記施錠具のロック機構により施錠するステップと、
ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を
選択された前記問題集の中から選択し表示して、前記問題に対するユーザの回答を受け付けるステップと、
前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠するステップと、を実行させる
ことを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を収納する収納システム、対象物を収納する収納具用の施錠システム、対象物を収納する収納方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯情報端末の使い過ぎやお菓子等の食べ過ぎが問題になることがある。従来、このような問題に対処する用具として、例えば、設定時間が経過するまで収納物に触れられないようにする、いわゆるタイムロッキングコンテナが販売されている。
【0003】
また、携帯情報端末専用のものではあるが、「情報の入出力を行うためのユーザインターフェースをもつ携帯情報端末に取り付けられる保護ケースであって、前記ユーザインターフェースをユーザから遮断する遮断機構と、予め設定された条件に基づいて、前記遮断機構を動作制御する制御部と、を有する保護ケース」が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記タイムロッキングコンテナを使えば、対象物、例えばスマートフォンやお菓子等を物理的に封じ込めて接触できないようにすることができる。
【0006】
一方で、上記タイムロッキングコンテナは、封じ込めた後も気になって他のことに集中できず、時間を無駄にしてしまう可能性がある。あるいは、代替物を入手して使ったり食べたりしてしまう可能性がある。このようなことが生じると、上記タイムロッキングコンテナの使用が、ユーザに有意義であったとは言い難い。
【0007】
上記保護ケースも同様である。上記保護ケースは、ユーザインターフェースをユーザから遮断することはできるものの、同様にユーザが他のことに集中できず、時間を無駄にしてしまう可能性がある。また、上記保護ケースは、携帯情報端末以外、例えば、漫画やお菓子等他の対象物には使えない。
【0008】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、対象物に物理的に触れられないようにし、且つ、触れられないロック時間中に学習するよう支援する収納システム、施錠システム、収納方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、対象物を収納する収納システムであって、開口を有する容器と、前記容器の開口を閉じる蓋と、前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、ユーザの指示を受け付けるための入力部と、ユーザへ情報を表示するための表示部と、制御部と、を備え、前記制御部は、ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠する。
【0010】
前記制御部は、施錠の前に問題集の一覧の中から、ユーザによる問題集の選択を受け付け、解錠の指示を受けると、選択された前記問題集の中から前記問題を選択して前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
前記解錠条件は、所定の正解数、連続正解数又は正答率であってもよい。
【0012】
前記制御部は、前記問題への回答結果が前記解錠条件を満たす場合、または累積回答時間が所定時間を超過すると、前記ロック機構により解錠してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記問題への回答結果が前記解錠条件を満たし、且つ回答時間が所定時間内である場合、前記ロック機構により解錠してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記問題への回答結果が前記解錠条件を満たす場合、所定時間経過すると、前記ロック機構により解錠してもよい。
【0015】
前記制御部は、ユーザから解錠の指示を受けると、所定時間経過後、前記問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付けてもよい。
【0016】
前記制御部は、ユーザから対象物の指定を受け付け、指定された対象物に応じて前記解錠条件を設定してもよい。
【0017】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、対象物を収納する収納具用の施錠システムであって、前記収納具の開閉部を閉状態に保持するためのロック機構と、ユーザの指示を受け付けるための入力部と、ユーザへ情報を表示するための表示部と、制御部と、を備え、前記制御部は、ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠する。
【0018】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、対象物を収納する収納システム又は対象物を収納する収納具用の施錠システムによる収納方法であって、ユーザから施錠の指示を受けると、ロック機構により施錠するステップと、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示して、前記問題に対するユーザの回答を受け付けるステップと、前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠するステップと、を含む。
【0019】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、プログラムであって、対象物を収納する収納具又は前記収納具用の施錠具に、ユーザから施錠の指示を受けると、ロック機構により施錠するステップと、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示して、前記問題に対するユーザの回答を受け付けるステップと、前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠するステップと、を実行させる。
【0020】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、プログラムであって、対象物を収納する収納具又は前記収納具用の施錠具を制御する端末装置に、ユーザから施錠の指示を受けると、前記収納具又は前記施錠具のロック機構により施錠するステップと、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示して、前記問題に対するユーザの回答を受け付けるステップと、前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、対象物に物理的に触れられないようにし、且つ、触れられないロック時間中に学習するよう支援する収納システム、施錠システム、収納方法、及びプログラムを提供することができる。
【0022】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施形態1に係る収納システムの構成例を示している。
【
図2】実施形態1に係る収納具の外観例を示している。
【
図3】実施形態1に係るデータ構成例を示している。
【
図4】実施形態1に係る収納システムによる処理例を説明するフローチャートである。
【
図5】実施形態1に係る施錠ホーム画面の表示例を示している。
【
図6】実施形態1に係る問題集の選択画面の表示例を示している。
【
図7】実施形態1に係る解錠条件の設定画面の表示例を示している。
【
図8】実施形態1に係る解錠ホーム画面の表示例を示している。
【
図9】実施形態1に係る問題画面の表示例を示している。
【
図10】実施形態1に係る解錠確認画面の表示例を示している。
【
図11】実施形態1の変形例1に係る解錠条件の設定画面1の表示例を示している。
【
図12】実施形態1の変形例1に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
【
図13】実施形態1の変形例2に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
【
図14】実施形態1の変形例3に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
【
図15】実施形態1の変形例4に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
【
図16】実施形態1の変形例5に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
【
図17】実施形態1の変形例5に係る解錠設定情報のデータ構成例を示している。
【
図18】実施形態1の変形例6に係る収納システムによる処理例を説明するフローチャートである。
【
図19】実施形態1の変形例6に係る施錠ホーム画面の表示例を示している。
【
図20】実施形態1の変形例6に係る解錠条件の設定画面1の表示例を示している。
【
図21】実施形態1の変形例6に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
【
図22】実施形態1の変形例6に係る解錠条件の設定画面3の表示例を示している。
【
図23】実施形態1の変形例6に係るデータ構成例を示している。
【
図24】実施形態2に係る施錠システムの外観例を示している。
【
図25】実施形態3に係る収納システムの構成例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態及びその変形例等において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0025】
<実施形態1-収納システム>
図1は、実施形態1に係る収納システムの構成例を示している。収納システム100は、収納具10を使用する際に、使用者が対象物Oに触れられないロック時間中に学習するよう支援するシステムである。
【0026】
対象物Oは、学習の妨げになる物で、使用者の年齢層にもよるが、例えば、スマートフォンやタブレット型PC、ゲーム機等の小型電子機器、漫画等の書物、お菓子等である。対象物Oは、勉強のモチベーションアップにつながる物でもよい。以下、一例として、対象物Oがスマートフォンである例を説明する。
【0027】
図示のユーザUは、収納具10のユーザである。通常は、対象物Oの使用者及び当該使用者の監督者が収納具10のユーザUになる。具体的には、施錠の際(施錠工程)は監督者(例えば親)がユーザUとなり、解錠の際(解錠工程)は対象物Oの使用者(例えば子)が学習支援を受けるユーザUとなる。自身の学習のために収納具10を使用する場合は、対象物Oの使用者が監督者を兼ねる。以下、特に言及する場合を除き、施錠の際のユーザUが監督者、解錠の際のユーザUが対象物Oの使用者であるものとして説明する。
【0028】
収納システム100は、収納具10と、外部記憶媒体30と、問題集データベース40とを含む。収納具10は、後述の収納部と、ロック機構13と、第1手段201及び第2手段202を有する制御部20と、表示部21と、入力部22と、記憶部23と、通信部24と、電源部25と、を含む。
【0029】
図2は、実施形態1に係る収納具の外観例を示している。収納具10は、持ち運べる物で、ユーザU自身が様々な場所に持ち込んで使用できる。
【0030】
収納具10は、一例として、ロッキングコンテナである。収納具10の対象物Oを物理的に収納する収納部は、ここでは、容器11と蓋12を含んで構成される。収納部には、図示のように、一例として、ロック機構13を含むロック部19と、タッチパネルディスプレイ14と、センサ15とが設けられる。収納部を開閉するための開閉部は、容器11の開口を囲う開口部111及び蓋12の下端部121により構成される。
【0031】
容器11は、一例として、周壁と底壁を有して収納空間が形成され、上方が開口している。容器11は、収納している対象物(収納物)Oの一部または全部が視認可能に形成されてもよいし、視認不能に形成されてもよい。図示例の容器11は、少なくとも一部が透明または半透明に形成され、対象物Oが視認(例えば透視)可能になっている。容器11は、形状を保持できる程度の剛性を有すればよく、材質は特に限定されない。容器11は、例えば、樹脂製、金属製、木製等である。
【0032】
蓋12は、容器11の開口を閉じる(塞ぐ)もので、容器11に対応して構成される。図示例では、蓋12は、下端部121が容器11の開口部111と篏合して、上方から容器11の開口を閉じている。蓋12は、収納している対象物Oの一部または全部が視認可能に形成されてもよいし、視認不能に形成されてもよい。蓋12は、形状を保持できる程度の剛性を有すればよく、材質は特に限定されない。蓋12は、例えば、樹脂製、金属製、木製等である。
【0033】
容器11と蓋12は、好ましくは、開口部111及び下端部121がヒンジにより連結されている。ヒンジが設けられる場合、容器11の開口部111と蓋12下端部121は、閉状態でも篏合せず、単に接していてもよい。収納具10は、形状は特に限定されず、開閉部の形状や位置も図示例に限らない。
【0034】
ロック機構13は、収納部の開閉部を閉状態に保持するためのものである。本例では、ロック機構13は、容器11に対して蓋12を施錠又は解錠するためのものである。ロック機構13は、電気的に施錠、解錠できるようになっている。ここでは、施錠(ロック)とは収納部の開閉部を閉状態に保持することをいい、解錠(アンロック)とはこの施錠を解くことをいう。
【0035】
ロック機構13は、一例として、図示のように、収納具10に一体に設けられる。ロック機構13は、例えば、ヒンジと対向する部分の収納部の内側に設けられる。ロック機構13は対称に2以上設けられてもよい。ロック機構13は、例えば、容器11の開口部111又はその付近に設けられる第1部131と、蓋12の下端部121又はその付近に設けられる第2部132とを含む。
【0036】
ロック機構13は、一例として、第1部131及び第2部132の一方が電磁石、他方が磁性体を含んで構成され、制御部20の第2手段202の制御(給電または給電停止)により、両者が吸着して施錠状態となる、または解錠状態となる。
【0037】
ロック機構13は、一例として、駆動部を介して駆動されるものでもよい。すなわち、ロック部19は、さらに、不図示の駆動部を備えてもよい。この場合、ロック機構13は、例えば、第1部131及び第2部132の一方に設けられる凹部または穴部により係合部が構成され、他方にこの係合部と係合するためのロック部材が設けられる。そして、駆動部が制御部20の第2手段202の制御によりロック部材を動かすことで、ロック部材と係合部が係合して施錠状態となる、又はロック部材が係合部を離脱して解錠状態となる。駆動部の構成は、特に限定されず、モータ式やソレノイド式等公知技術が適宜用いられる。
【0038】
タッチパネルディスプレイ14は、ユーザUに対して各種の情報を表示し、またユーザUからの入力を受け付けるための装置である。収納システム100のユーザUへ情報を表示するための表示部21及びユーザUの指示を受け付けるための入力部22は、本例ではタッチパネルディスプレイ14により構成される。タッチパネルディスプレイ14の代わりに、タッチパネルを備えていないディスプレイが設けられて表示部21が構成され、機械式のボタン等が設けられて入力部22が構成されてもよい。表示部(出力部)21及び入力部22は、音声によるものでもよい。この場合、音声認識機能は収納システム100に備えられてもよいし、例えば、マイクロフォン等で集音し、通信部24を介して外部の音声認識サーバでテキスト化する等外部装置を利用するものでもよい。
【0039】
タッチパネルディスプレイ14は、ユーザUが操作しやすい位置に設けられ、図示例では蓋12に設けられる。この場合、蓋12は、好ましくは、ユーザUの視線がタッチパネルディスプレイ14に集中しやすいように収納物を透視不能に構成される。タッチパネルディスプレイ14は、容器11の周壁に設けられてもよく、この場合、好ましくはその周壁部分が収容物を透視不能に構成される。タッチパネルディスプレイ14は、好ましくは、やや大きく構成され、容器11の大きさにもよるが、例えば、通常のスマートフォンのタッチパネルディスプレイの1/3~3/2程度の大きさである。
【0040】
センサ15は、ユーザUによる起動操作を検出し、検出結果を制御部20の第1手段201に出力するための装置である。センサ15は、一例として、タッチパネルディスプレイ14の下方に設けられ、ともに入力部22を構成する。センサ15は、具体的な構成は特に限定されず、公知技術が適宜用いられる。センサ15は、例えば、ユーザUが手をかざすとこれを起動操作として検出する光学式センサである。センサ15は、タッチセンサでもよい。センサ15の代わりに、機械式のボタン等が設けられてもよい。なお、タッチパネルディスプレイ14が、センサ15を兼ねて、ユーザUが触れるとこれを起動操作として検出するものでもよい。
【0041】
図1に戻って、収納具10の内部構成を説明する。制御部20は、例えば、小型コンピュータやマイクロコンピュータからなり、小型コンピュータ等が所定のプログラムを実行することにより、各部を制御して後述の機能を実現する。制御部20は、例えば、第1手段201が後述のUI(User Interface)機能、解錠条件設定機能を実現する。制御部20は、例えば、第1手段201と第2手段202が共同して施錠機能、解錠機能を実現する。なお、制御部20から各部への制御線の図示は省略する(後述の各実施形態の制御部において同じ)。
【0042】
UI機能は、表示部21、入力部22を制御して、ユーザUへ情報を表示させ、ユーザUの指示を受け付ける機能である。
【0043】
施錠機能は、ユーザUから施錠の指示を受けると、ロック機構13により施錠する機能である。解錠条件設定機能は、後述例で説明されるが、解錠のための解錠条件の設定機能である。解錠機能は、ユーザUから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示部21に表示させて、ユーザUの回答を受け付け、問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、ロック機構13により解錠する機能である。
【0044】
記憶部23は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ(ただし、常時給電が必要)からなる。記憶部23は、問題設定情報、解錠設定情報を記憶する第1記憶部231と、問題集データを記憶する第2記憶部232を含む。なお、記憶部23は、その他の情報やデータを記憶してもよい。
【0045】
通信部24は、外部とデータや情報を通信するための部分である。通信部24は、有線、無線のいずれの方式でもよい。通信部24は、一例として、USB規格を用いて外部記憶媒体30とデータや情報を通信するモジュールからなる。通信部24は、その他の規格や技術を用いるものでもよく、公知技術が適宜用いられる。
【0046】
電源部25は、各部に電力を供給するためのバッテリ(一次電池、二次電池)とその周辺回路を含む。電源部25は、商用電源等のコンセントに接続できる電源コード等を含んでもよい。
【0047】
外部記憶媒体30は、外部から問題集データを取得して収納具10に取り込むためのものである。外部記憶媒体30は、例えばUSBメモリ等の記憶媒体である。外部記憶媒体30は、記憶媒体として機能し得るスマートフォン等の電子機器等でもよい。外部記憶媒体30は、直接又は間接的にネットワークN(例えば、インターネット)を介して問題集データベース40と接続できるようになっている。
【0048】
問題集データベース40は、ネットワークN(例えば、インターネット)に接続されているサーバのデータベースである。所望の問題集データは、問題集データベース40から外部記憶媒体30にダウンロードされて、記憶部23にインストールされる。問題集は、使用者の年齢や職業等にもよるが、学生で受験生であれば、大学受験(例えば、東大対策等)、高校受験(例えば、灘高校対策)等の受験対策の問題集が好ましい。問題集データは、好きな科目や現在のレベル程度のものから始めて、徐々にレベルを上げるようにしてもよい。
【0049】
図3は、実施形態1に係るデータ構成例を示しており、(a)問題設定情報、(b)解錠設定情報、の構成例を示している。
【0050】
問題設定情報2311は、問題集の選択画面510(
図6)におけるユーザUの入力に基づいて、制御部20の第1手段201により生成される。問題設定情報2311は、問題集を一意に識別するための識別子である問題集IDを含む。
【0051】
解錠設定情報2312は、解錠条件の設定画面520(
図7)におけるユーザUの入力に基づいて、制御部20の第1手段201により生成される。解錠設定情報2312は、問題数と、回答条件(正解数、連続正解数、正答率)を含む。
【0052】
図4は、実施形態1に係る収納システムによる処理例を説明するフローチャートである。
図5~
図10は、画面の表示例を示すもので、
図5は施錠ホーム画面、
図6は問題集の選択画面、
図7は解錠条件の設定画面、
図8は解錠ホーム画面、
図9は問題画面、
図10は解錠確認画面、の表示例を示している。
【0053】
収納具10を使用する際は、監督者が問題集データを予め記憶部23の第2記憶部232に格納する。そして、監督者は、対象物Oを収納部に入れ、蓋12を閉じてから、例えば、手をセンサ15にかざして起動させる。
【0054】
図4に示すように、まず、制御部20が、起動操作の有無を判定する(ステップS1)。センサ15により起動操作が検出されると、制御部20は起動操作がある(S1:YES)と判定し、ステップS2に進む。そうでない場合(S1:NO)は、監視を続ける。
【0055】
ステップS2では、制御部20が、ロック機構13がロック中であるか否かを判定し、ロック中である場合(S2:YES)はステップS8に進み、そうでない場合(S2:NO)はステップS3に進む。
【0056】
ステップS3では、制御部20が表示部21に施錠ホーム画面500を表示させて、監督者の指示を受け付ける。施錠ホーム画面500には、例えば、
図5に示すように、ロックされていないことを表す文言(例えば「ロックされていません」)と、「開始」ボタン501と、「戻る」ボタン502が表示される。なお、収納システム100は、スピーカ等を備え、ロックされていないことを表す文言等をスピーカから音声出力するようにしてもよい(後述ステップにおいて同じ)。
【0057】
「開始」ボタン501は、監督者が施錠処理の開始を指示するためのものである。「戻る」ボタン502は、監督者がステップS1(待機状態)に戻ることを指示するためのものである。
【0058】
施錠ホーム画面500において、監督者が「開始」ボタン501を操作すると、制御部20がこれを受けて施錠処理の開始の指示がある(S3:YES)と判定し、ステップS4に進む。監督者が「戻る」ボタン502を操作すると、施錠処理の開始の指示がない(S3:NO)と判定し、処理をステップS1に戻す。
【0059】
ステップS4では、制御部20が、問題集の一覧の中から、監督者による問題集の選択を受け付ける。制御部20は、例えば、問題集の選択画面510を表示部21に表示させる。
【0060】
問題集の選択画面510には、例えば、
図6に示すように、問題集選択欄511と、「次へ」ボタン512と、「戻る」ボタン513が設けられている。問題集選択欄511は、第2記憶部232に格納された問題集の一覧の中から監督者が問題集を選択するためのものである。「次へ」ボタン512は、監督者が解錠条件の設定画面520(
図7)への遷移を指示するためのものである。「戻る」ボタン513は、監督者が施錠ホーム画面500に戻ることを指示するためのものである。
【0061】
問題集の選択画面510において、監督者が、問題集選択欄511において、例えば、「難関中学 英語」を選択すると、制御部20がこれを受けて問題設定情報2311を生成する。そして、監督者が「次へ」ボタン512を操作すると、ステップS5に進む。
【0062】
ステップS5では、制御部20が、解錠条件の設定画面520を表示部21に表示させて、監督者の指示を受け付ける。解錠条件の設定画面520には、例えば、
図7に示すように、問題数設定欄521と、正解数設定欄522と、連続正解数設定欄523と、正答率設定欄524と、「施錠」ボタン525と、「戻る」ボタン526が設けられている。正解数設定欄522、連続正解数設定欄523、及び正答率設定欄524は、ラジオボタンによっていずれか1つを選択可能である。「施錠」ボタン525は、監督者が施錠を指示するためのものである。「戻る」ボタン526は、監督者が問題集の選択画面510に戻ることを指示するためのものである。
【0063】
解錠条件の設定画面520において、例えば、監督者が問題数を「10」と操作し、回答条件として正解数を選択し「7」と操作すると、制御部20がこれを受け付けて解錠設定情報2312を生成する。この場合、ユーザU(使用者)が10問のうち7問正解することが、解錠条件である。例えば、監督者が問題数を「10」と操作し、回答条件として連続正解数を選択し「5」と操作すると、制御部20がこれを受け付けて解錠設定情報2312を生成する。この場合、使用者が10問のうち5問を連続して正解することが、解錠条件である。例えば、監督者が問題数を「10」と操作し、回答条件として正答率を選択し「70」と操作すると、制御部20がこれを受け付けて解錠設定情報2312を生成する。この場合、使用者が10問のうち70%の問題を正解することが、解錠条件である。
【0064】
そして、監督者が「施錠」ボタン525を操作すると、ステップS6において、制御部20がこれを受けて施錠の指示がある(S6:YES)と判定し、ステップS7に進む。監督者が「戻る」ボタン526を操作すると、制御部20がこれを受けて施錠の指示がない(S6:NO)と判定し、問題集の選択画面510に戻ってやり直すようにする。
【0065】
ステップS7では、制御部20が、ロック機構13により施錠し、ステップS1(待機状態)に戻る。これにより、使用者が対象物Oに物理的に接触できなくなる一方、以下の解錠処理を通じて学習支援を受けられるようになる。
【0066】
なお、上記例は解錠条件の設定と施錠とが一連に行われる例であるが、別々に行われてもよい。一例として、施錠ホーム画面500に、更に「設定」ボタンが設けられ、監督者が「設定」ボタンを操作すると、上記ステップS4(問題設定受付)、S5(条件設定受付)の処理が行われて事前に設定できるようになってもよい。この場合、その後、施錠ホーム画面500において「施錠」ボタンを操作すると、ステップS7の処理が行われてすぐ施錠されるようになる。
【0067】
解錠の際は、例えば、使用者がセンサ15に手をかざすと、制御部20が、起動操作がある(S1:YES)と判定し、ステップS2に進む。そして、ステップS2において、制御部20が、ロック機構13がロック中である(S2:YES)と判定し、ステップS8に進む。
【0068】
ステップS8では、制御部20が、表示部21に解錠ホーム画面600を表示させて、使用者の指示を受け付ける。解錠ホーム画面600には、例えば、
図8に示すように、ロックされていることを表す文言(例えば「ロックされています」)と、「解錠」ボタン601と、「戻る」ボタン602が表示される。「解錠」ボタン601は、使用者が解錠を指示するためのものである。「戻る」ボタン602は、ステップS1に戻ることを指示するためのものである。なお、解錠条件を表す文言が表示されてもよい。これにより、使用者が解錠条件を知得してから問題の回答に臨むことができる。
【0069】
解錠ホーム画面600において、使用者が「解錠」ボタン601を操作すると、制御部20がこれを受けて解錠の指示(解錠処理開始の指示)がある(S8:YES)と判定し、ステップS9に進む。使用者が「戻る」ボタン602を操作すると、制御部20がこれを受けて解錠の指示がない(S8:NO)と判定し、処理をステップS1に戻す。
【0070】
ステップS9では、制御部20が、1以上の問題を表示部21に表示させて、表示した問題に対する使用者の回答を受け付ける。制御部20は、表示部21に、例えば、問題画面610を表示させる。問題画面610には、例えば、
図9に示すように、問題611と、回答欄612と、「次へ」ボタン613と、「戻る」ボタン614が設けられている。問題611は、問題設定情報2311に基づき、制御部20が、選択された問題集の中から、選択(出題)した問題である。回答欄612は、使用者が回答を選択操作するためのものである。「次へ」ボタン613は、使用者が次の問題を表示することを指示するためのものである。「戻る」ボタン614は、使用者が前の画面(ここでは解錠ホーム画面600)に戻ることを指示するためのものである。
【0071】
問題画面610において、使用者が回答すると、制御部20がこれを受け付けて記録する。そして、使用者が「次へ」ボタン613を操作すると、次の問題(例えば問題2)を表示して、同様に使用者の回答を受け付ける。最後の問題(例えば問題10)画面610において、使用者が「次へ」ボタン613を操作すると、これを受けて、制御部20がステップS10に進む。
【0072】
ステップS10では、制御部20が、解錠条件が成立するか否か判定する。制御部20は、使用者の回答を問題集の解答と照合して正解であるか否か判定し回答結果を算出する。そして、回答結果と解錠設定情報2312の設定値とを比較してそれ以上である場合は、解錠条件が成立する(S10:YES)と判定し、ステップS11に進む。そうでない場合(S10:NO)は、処理をステップS8に戻す。この場合、制御部20は、解錠条件が成立しないことを表す文言(例えば「もう一度最初から回答しましょう」)や回答結果を表す文言(例えば「正解数 5/10」)、「ホーム」ボタン等を表示する解錠確認画面を表示部21に表示させて、使用者に知らせるようにしてもよい。
【0073】
ステップS11では、制御部20が、ロック機構13により解錠し、解錠確認画面620を表示させる。解錠確認画面620には、例えば、
図10に示すように、解錠されたことを表す文言(例えば「解錠されました」)と、回答結果を表す文言(例えば「正解数 7/10問」)と、「復習」ボタン621と、「戻る」ボタン622とが表示される。「復習」ボタン621は、使用者が解答・解説を表示することを指示するためのものである。使用者が「復習」ボタン621を操作すると、制御部20がこれを受けて表示した問題と対応する解答・解説を表示部21に表示させる。「戻る」ボタン622は、前の問題画面に戻ることを指示するためのものである。制御部20は、使用者の操作がなく所定時間経過後、又は解答・解説を表示後、処理をステップS1(待機状態)に戻す。解錠確認画面620に例えば「OK」ボタンを表示させ、このボタンが操作されると処理をステップS1(待機状態)に戻すようにしてよい。
【0074】
なお、上記ステップでは、ステップS7、S11以外は、制御部20の処理は、より具体的には、第1手段201が行うものである(以下各実施形態及びその変形例において同じ)。ステップS7、S11では、より具体的には、第1手段201の施錠、解錠の指示に基づいて、第2手段202がロック機構13を制御して施錠、解錠する(以下各実施形態及びその変形例において同じ)。言い換えれば、両ステップでは、第1手段201が第2手段202を介して間接的にロック機構13を制御して施錠、解錠する。
【0075】
以上に記載のように、本形態の収納システム100によれば、使用者はロック時間中に問題に対する回答を通じて学習できる。
【0076】
ある物に依存している場合、その依存度にもよるが、物理的な封じ込めが必ず奏功するとは限らない。封じ込められた物ばかり考えて他の事に手が付かず、時間を無駄にしてしまう可能性がある。あるいは、どうすれば代替物を入手できるかばかり考え、実際に代替物を入手してしまう可能性がある。
【0077】
本形態の収納具10は、対象物Oを単に物理的に閉じ込めるのではなく、それを解く手段(解除手段)も用意している。そのため、使用者の関心は、対象物Oから一旦離れ、解除手段に向かうようになる。また、解除過程において対象物Oに触れないため、使用者の関心がすぐ対象物Oに戻る(誘惑に負ける)可能性は低い。逆に、収納具10内に収納しているというほどよい距離感が安心感に変り、落ち着いて解除に臨むようになる。
【0078】
<実施形態1の変形例1>
図11は、実施形態1の変形例1に係る解錠条件の設定画面1の表示例を示している。
図12は、実施形態1の変形例1に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。以下、上記実施形態1と同様な点については説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0079】
実施形態1の収納システム100は、施錠後すぐ解錠に取り掛かれば、概ね、ロック時間が学習時間(解錠所要時間)に等しい。そのため、勉強の妨げになる対象物やモチベーションアップにつながる対象物を収納し施錠して、使用者の学習を効率よく支援できる。
【0080】
一方で、実施形態1の収納システム100は、使用者が解錠条件をクリアしない限り、解錠しない。そのため、問題によっては、使用者が何回も回答しても解錠に至らず、使用者の学習意欲が低下する恐れがある。監督者が施錠時に問題の難易度に応じて解錠条件の難易度を調整できるものの、正確に予想できない場合もある。監督者のみ操作できる強制解錠手段を設けてもよいが、監督者が離席の場合もあり、すぐ対処できない場合もある。また、使用者自身が監督者を兼ねる場合は、強制解錠手段を設けると施錠する意味がなくなる。
【0081】
本例の収納システム100は、このような場合も対処できるもので、さらに、タイマー条件を設定できるものである。本例では、制御部20は、問題への回答結果が回答条件を満たさない場合でも、累積回答時間が所定時間を超過すると、ロック機構13により解錠する。以下、一例をより詳細に説明する。
【0082】
本例の収納システム100は、ステップS5では、まず、制御部20が、解錠条件の設定画面530を表示部21に表示させて、回答条件に係る指示を受け付ける。解錠条件の設定画面530には、
図11に示すように、上記解錠条件の設定画面520の「施錠」ボタン525の代わりに、「次へ」ボタン535が設けられ、これを操作すると、制御部20が解錠条件の設定画面540を表示部21に表示させて、タイマー条件に係る指示を受け付ける。
【0083】
解錠条件の設定画面540には、
図12に示すように、例えば、タイマー設定欄541と、「施錠」ボタン542と、「戻る」ボタン543が設けられている。タイマー設定欄541は、監督者がタイマーを例えば分単位で設定するためのものである。「施錠」ボタン542は、監督者が施錠を指示するためのものである。「戻る」ボタン543は、監督者が解錠条件の設定画面530に戻ることを指示するためのものである。監督者が、例えば、タイマー設定欄において「30」と操作すると、制御部20がこれを受け付けて回答条件とタイマー条件を含む解錠設定情報を生成する。解錠設定情報は、図示しないが、問題数と、回答条件(正解数、連続正解数、正答率)と、タイマー条件とを含む。
【0084】
解錠の際は、本例のステップS8では、解錠ホーム画面600において、使用者が「解錠」ボタン601を操作すると、制御部20が、回答時間の計時を開始するとともに、解錠の指示がある(S8:YES)と判定し、ステップS9に進む。ステップS9では、制御部20が、最後の問題(例えば問題10)画面610において、使用者が「次へ」ボタン613を操作すると、計時を停止するとともに、ステップS10に進む。
【0085】
ステップS10では、制御部20が、解錠条件が成立するか否か判定する。回答結果が回答条件を満たす場合は、解錠条件が成立する(S10:YES)と判定し、ステップS11に進む。回答結果が回答条件を満たさない場合でも、累積回答時間が設定されたタイマー時間を超過すると解錠条件が成立(S10:YES)と判定し、ステップS11に進む。回答条件もタイマー条件も満たさない場合(S10:NO)は、処理をステップS8に戻して、使用者が最初から回答し直すようにする。この場合、使用者が「解錠」ボタン601を操作すると、回答時間の計時が再開される。
【0086】
本例の収納システム100は、このように構成することで、使用者が回答条件をクリアすれば、比較的短時間で解錠に至り、回答条件をクリアできない場合でも、累積回答時間が所定時間を超過するとタイマー条件を満して解錠に至るので、繰り返し回答することによる使用者の学習意欲の低下を防止できる。
【0087】
<実施形態1の変形例2>
図13は実施形態1の変形例2に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。本例の収納システム100は、タイマー条件に係る構成が、上記実施形態1の変形例1と異なる。以下、同様な点については説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0088】
上記変形例1のタイマー条件は、累積回答時間が所定時間を超過すると解錠するというものである(以下「第1タイマー条件」ともいう)。
【0089】
上記変形例1の収納システム100は、回答条件に第1タイマー条件を組み合わせることで、上記実施形態1よりも解錠条件の難易度を下げている。しかし、学習が進んだりすると、解錠条件の難易度が高いほうが、支援効果が高まることがある。解錠条件の難易度は、回答条件の設定によっても調整できるが、回答時間を意識した訓練がより効果的である場合がある。
【0090】
本例の収納システム100は、このような場合も対処できるもので、第2タイマー条件を設定できるものである。本例では、制御部20は、回答結果が回答条件を満たし、且つ回答時間が所定時間内である場合、ロック機構13により解錠する。以下、一例をより詳細に説明する。
【0091】
本例の収納システム100は、ステップS5では、制御部20が解錠条件の設定画面550を表示部21に表示させて、タイマー条件に係る指示を受け付ける。解錠条件の設定画面550には、
図13に示すように、例えば、タイマー設定欄541と、「施錠」ボタン542と、「戻る」ボタン543に加えて、さらに、要件欄が設けられている。
【0092】
要件欄は、ここでは「時間内クリア」であり、回答条件を所定時間内にクリアすることを意味する。監督者が「時間内クリア」556を選択操作すると、制御部20がこれを受け付けて解錠設定情報を生成する。解錠設定情報は、図示しないが、問題数と、回答条件(正解数、連続正解数、正答率)と、タイマー条件(時間内クリア)とを含む。なお、「なし」555が選択操作される場合は、上記変形例1と同様である。
【0093】
解錠の際、本例のステップS8では、解錠ホーム画面600において、使用者が「解錠」ボタン601を操作すると、制御部20が、回答時間の計時を開始するとともに、解錠の指示がある(S8:YES)と判定し、ステップS9に進む。ステップS9では、制御部20が、最後の問題(例えば問題10)画面610において、使用者が「次へ」ボタン613を操作すると、計時を終了するとともに、ステップS10に進む。
【0094】
ステップS10では、制御部20が、解錠条件が成立するか否か判定する。回答結果が回答条件を満たし、且つ回答時間が設定された時間以内である場合は、解錠条件が成立する(S10:YES)と判定し、ステップS11に進み、ロック機構13により解錠する。
【0095】
本例の収納システム100は、このように構成することで、使用者が設定された時間以内に回答条件を満たすよう導くことができ、より時間を意識して回答する学習支援ができる。
【0096】
<実施形態1の変形例3>
図14は実施形態1の変形例3に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。本例の収納システム100は、タイマー条件に係る構成が、上記実施形態1の変形例1と異なる。以下、同様な点については説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0097】
上記変形例1の収納システム100は、解錠後、復習できるようになっている。しかし、通常、解錠すると、使用者の集中力が切れてしまうことが多く、また対象物Oの誘惑に負けてしまうことも多い。一方で、回答後すぐ復習したほうが、学習効果がより高まると考えられる。
【0098】
本例の収納システム100は、このような場合も対処できるもので、第3タイマー条件を設定できるものである。本例では、制御部20は、回答結果が回答条件を満たす場合、所定時間経過すると、ロック機構13により解錠する。以下、一例をより詳細に説明する。
【0099】
本例の収納システム100は、ステップS5では、制御部20が解錠条件の設定画面560を表示部21に表示させて、タイマー条件に係る指示を受け付ける。
図14に示すように、解錠条件の設定画面560には、例えば、タイマー設定欄541と、「施錠」ボタン542と、「戻る」ボタン543に加えて、さらに、要件欄が設けられている。
【0100】
要件欄は、ここでは「経過後解錠」であり、所定時間経過後解錠することを意味する。監督者が「経過後解錠」567を選択操作すると、制御部20がこれを受け付けて解錠設定情報を生成する。解錠設定情報は、図示しないが、問題数と、回答条件(正解数、連続正解数、正答率)と、タイマー条件(経過後解錠)とを含む。なお、「なし」555が選択操作される場合は、上記変形例1と同様である。
【0101】
解錠の際は、本例のステップS9では、制御部20が、最後の問題(例えば問題10)画面610において、使用者が「次へ」ボタン613を操作すると、計時を開始するとともに、ステップS10に進む。
【0102】
ステップS10では、制御部20が、解錠条件が成立するか否か判定する。回答結果が回答条件を満たし、且つ計時開始から設定された時間が経過すると、解錠条件が成立する(S10:YES)と判定し、ステップS11に進み、ロック機構13により解錠する。
【0103】
本例の収納システム100は、このように構成することで、回答後、所定時間復習するよう導くことができ、学習効果がより向上する学習支援ができる。
【0104】
<実施形態1の変形例4>
図15は実施形態1の変形例4に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。本例の収納システム100は、タイマー条件に係る構成が、上記実施形態1の変形例1と異なる。以下、同様な点については説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0105】
上記変形例1の収納システム100は、解錠の指示をすると、制御部20が問題画面を表示して、回答を受け付けるようになっている。しかし、問題に回答する前にその科目について予習したほうが、学習効果がより高まると考えられる。
【0106】
本例の収納システム100は、このような場合も対処できるもので、第4タイマー条件を設定できるものである。本例では、制御部20は、解錠の指示を受けると、所定時間経過後、問題を表示部21に表示させて、問題に対する回答を受け付ける。以下、一例をより詳細に説明する。
【0107】
本例の収納システム100は、ステップS5では、制御部20が解錠条件の設定画面570を表示部21に表示させて、タイマー条件に係る指示を受け付ける。解錠条件の設定画面570には、
図15に示すように、例えば、タイマー設定欄541と、「施錠」ボタン542と、「戻る」ボタン543に加えて、さらに、要件欄が設けられている。
【0108】
要件欄は、ここでは「経過後回答受付」であり、所定時間経過後問題を表示して回答を受け付けることを意味する。監督者が「経過後受付」578を選択操作すると、制御部20がこれを受け付けて解錠設定情報を生成する。解錠設定情報は、図示しないが、問題数と、回答条件(正解数、連続正解数、正答率)と、タイマー条件(経過後受付)とを含む。なお、「なし」555が選択操作される場合は、上記変形例1と同様である。
【0109】
解錠の際は、本例のステップS8では、解錠ホーム画面600において、使用者が「解錠」ボタン601を操作すると、制御部20が、解錠の指示がある(S8:YES)と判定し、計時を開始する。そして、設定された時間が経過すると、ステップS9に進んで、問題を表示して回答を受け付ける。
【0110】
本例の収納システム100は、このように構成することで、例えば、教科書等で該当範囲を予習してから回答に臨むように導くことができ、学習効果がより向上する学習支援ができる。
【0111】
<実施形態1の変形例5>
図16は実施形態1の変形例5に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
図17は、実施形態1の変形例5に係る解錠設定情報のデータ構成例を示している。本例の収納システム100は、タイマー条件に係る構成が、上記実施形態1の変形例1と異なる。以下、同様な点については説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0112】
本例の収納システム100は、上記第1~第4タイマー条件を選択できるものである。各タイマー条件に係る構成については、上記説明を適宜参照するものとし、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0113】
本例の収納システム100は、このように構成することで、学習の進み具合や、学習の時期等に応じて解錠条件を設定でき、より柔軟な学習支援ができる。例えば、学期の初めは第4タイマー条件(要件:経過後回答受付)を含む解錠条件にして、予習に重みをおくようにすることができる。また、例えば、期末試験前は第2タイマー条件(要件:時間内クリア)を含む解錠条件にして、内容だけでなく、時間配分のトレーニングもできるようにする。
【0114】
<実施形態1の変形例6>
図18は、実施形態1の変形例6に係る収納システムによる処理例を説明するフローチャートである。
図19は、実施形態1の変形例6に係る施錠ホーム画面の表示例を示している。
図20は、実施形態1の変形例6に係る解錠条件の設定画面1の表示例を示している。
図21は、実施形態1の変形例6に係る解錠条件の設定画面2の表示例を示している。
図22は、実施形態1の変形例6に係るデータ構成例を示しており、解錠設定情報の構成例を示している。本例の収納システム100は、対象物を指定できる点が、上記実施形態1の変形例5と異なる。以下、同様な点については説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0115】
使用者に依存傾向が見られる対象物Oは、一つとは限らない。対象物Oが異なれば、依存度も異なり得る。上記変形例5の収納システム100は、監督者がその都度対象物Oに対する依存度を考慮して回答条件を調整できるものの、その都度考える時間と操作する手間がかかる。また、難易度の設定の一貫性が取れにくく、施錠処理開始から実際に施錠するまでの時間も長くなる。
【0116】
本例の収納システム100は、このような課題にも対処できるもので、監督者が対象物Oを指定できるものである。本例では、制御部20は、監督者から対象物Oの指定を受け付け、指定された対象物に応じて解錠条件を設定する。また、本例では、解錠条件の設定と施錠とが別々に行うことができる。以下、一例をより詳細に説明する。
【0117】
本例の収納システム100は、ステップS3では、制御部20が表示部21に施錠ホーム画面700を表示させて、監督者の指示を受け付ける。施錠ホーム画面700には、
図19に示すように、例えば、ロックされていないことを表す文言(例えば「ロックされていません」)と、「施錠」ボタン701と、「戻る」ボタン502と、「設定」ボタン703が表示される。「施錠」ボタン701は、監督者が施錠を指示するためのものである。「戻る」ボタン502は、監督者がステップS1に戻ることを指示するためのものである。「設定」ボタン703は、監督者が設定を指示するためのものである。
【0118】
施錠ホーム画面700において、監督者が「設定」ボタン703を操作すると、制御部20がこれを受けて設定の指示がある(S3:設定)と判定し、ステップS4に進む。解錠条件の設定が別途事前に行われた場合は、監督者が「施錠」ボタン701を操作すると、制御部20がこれを受けて施錠の指示がある(S3:施錠)と判定し、ステップS7に進む。監督者が「戻る」ボタン502を操作すると、いずれの指示もない(S3:NO)と判定し、処理をステップS1に戻す。
【0119】
本例のステップS5では、まず、制御部20が、解錠条件の設定画面720を表示部21に表示させて、対象の指定を受け付ける。解錠条件の設定画面720には、
図20に示すように、例えば、対象物指定欄721と、「次へ」ボタン722と、「戻る」ボタン723が設けられている。対象物指定欄721は、監督者が対象物Oを指定するためのものである。「戻る」ボタン723は、監督者が問題集の選択画面510に戻ってやり直すことを指示するためのものである。「次へ」ボタン722は、監督者が次の解錠条件の設定画面730へ遷移することを指示するためのものである。
【0120】
本例では、対象物Oと関連付けられた対象物情報が、予め監督者により記憶部23に格納され、対象物Oに応じて依存度レベルが付与され、レベルが高いほど問題数、難易度が上がるようになっている。例えば、対象物Oである「漫画」は、依存度レベル「2」が付与され、最低問題数「8」、最低正解数「4」、最低連続正解数「4」、最低正答率「50」となっている。例えば、対象物Oである「スマートフォン」は、依存度レベル「3」が付与され、最低問題数「10」、最低正解数「7」、最低連続正解数「5」、最低正答率「70」となっている。
【0121】
解錠条件の設定画面720において、監督者が対象物Oとして「漫画」を選択操作し、「次へ」ボタン722を操作すると、制御部20が、解錠条件の設定画面730を表示部21に表示させて、指定された対象物Oの依存度レベルに応じて監督者の指示を受け付ける。本例では、制御部20は、解錠条件の設定画面730において、問題数は「8」以上の操作を受け付け、「7」以下の操作は受け付けないようになる。同様に、正解数の場合は「4」以上、連続正解数の場合は「2」以上、正答率の場合は「50」以上の操作を受け付けるようになる。そして、監督者が「次へ」ボタン535を操作すると、制御部20は、解錠条件の設定画面740を表示部21に表示させて、タイマー条件に係る指示を受け付ける。
【0122】
解錠条件の設定画面740には、
図22に示すように、解錠条件の設定画面580の各表示に加えて、「保存」ボタン731が設けられている。「保存」ボタン731は、監督者が、設定情報を記憶し、ステップS1に戻ることを指示しるためのものである。解錠条件の設定画面730において、監督者が「保存」ボタン731を操作すると、制御部20がこれを受けて保存の指示がある(S6:保存)と判定し、解錠設定情報2313を生成し、処理をステップS1に戻す。監督者が「施錠」ボタン542を操作すると、制御部20がこれを受けて施錠の指示がある(S6:施錠)と判定し、ステップS7に進む。監督者が「戻る」ボタン543を操作すると、いずれの指示もない(S6:NO)と判定し、問題集の選択画面510に戻ってやり直すようにする。
【0123】
なお、対象物情報は、タイマー条件を含むものでもよい。例えば、依存度レベル「2」以上が付与されている対象物Oは、第1タイマー条件を選択できないようになってもよい。
【0124】
解錠設定情報2313は、
図23に示すように、対象物を一意に識別するための対象物IDと、依存度と、問題数と、回答条件(正解数、連続正解数、正答率)と、タイマー条件(時間内クリア、経過後解錠、経過後回答受付)とを含む。
【0125】
本例の収納システム100は、このように、対象物Oに応じて依存度レベルが付与され、レベルが高いほど問題数、難易度が上がるように構成することで、対象物Oの依存度に応じて一貫性のある解錠条件の設定を容易に行うことができる。
【0126】
なお、本例の収納システム100は、対象物Oを指定するだけで、対象物Oに応じて回答条件やタイマー条件が設定されるようになってもよい。例えば、対象物Oと関連付けられた対象物情報が、予め監督者により記憶部23に格納され、対象物Oに応じて、問題数と、正解数、連続正解数又は正答率と、タイマー条件が付与され、解錠条件の設定画面720において、監督者が対象物Oを選択操作するだけで、解錠設定情報2313が生成されるようになってもよい。例えば、対象物Oとして「漫画」を指定すると、自動的に、問題数「8」、正解数「4」、「30」分「経過後解錠」という条件が設定されるようになっている。例えば、対象物Oとして「スマートフォン」を指定すると、自動的に、問題数「10」、正解数「7」、「30」分「時間内クリア」という条件が設定されるようになっている。これにより、対象物Oに応じた設定を、より簡便に行うことができる。
【0127】
なお、本例の収納システム100は、依存度に注目して依存度を指定するものでもよい。これにより、同じ対象物Oでも、例えば、午後お菓子を食べたいという場合よりも、就寝直前のほうが、依存度が高いと考え、解錠条件を厳しくする等の設定が容易にできるようになる。
【0128】
以上に記載の収納具10は、家族など複数人で使用してもよい。例えば、おじいちゃんは、車のキーを封じ込めて、運転したい気持ちがあるか確かめながら、問題を通して自主的に運転に関する知識をブラッシュアップすることができる。例えば、就学前後の孫は、おもちゃを封じ込めて、簡単な問題を通して勉強と遊びの切り替えのトレーニングを受けることができる。例えば、お母さんは、お菓子を封じ込めて、資格の勉強をより効果的に進めることができる。
【0129】
<実施形態2-施錠システム>
図24は、実施形態2に係る施錠システムの外観例を示しており、(a)収納具及び施錠具(使用状態)の外観、(b)施錠具の外観を示している。
【0130】
実施形態2の施錠システムは、収納具10を使用する際に、使用者が対象物Oに触れられないロック時間中に学習するよう支援するシステムである。実施形態2の収納具10は、物理的に対象物Oを収納する収納部以外の構成が、別体の施錠具50に設けられる点以外は、上記実施形態1及びその変形例と同様である。
【0131】
すなわち、本形態の収納具10用の施錠具50は、収納具10の開閉部を閉状態に保持するためのロック機構13と、ユーザUの指示を受け付けるための入力部22と、ユーザUへ情報を表示するための表示部21と、制御部20と、を備える。制御部20は、ユーザUから施錠の指示を受けると、ロック機構13により施錠し、ユーザUから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示部21に表示させて、問題に対するユーザUの回答を受け付け、問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、ロック機構13により解錠する。以下、一例をより詳細に説明する。
【0132】
施錠具50は、例えば、鍵を必要としない電子式南京錠である。施錠具50は、本体51と、掛金52を有し、解錠状態では両者の間に開口Fを有する。本体51は、内部に掛金52の両端をそれぞれ受け入れる2つの受け部を有し、掛金52の両端が受け部に押し込まれると、掛金52の先端との間の開口Fが閉じられる。
【0133】
収納部の開閉部を閉状態に保持するためのロック機構13は、ここでは、本体51の内部及び掛金52に設けられ、駆動部は本体51の内部に設けられる。より具体的には、ロック機構13は、掛金52に設けられる1対の凹部133と、本体51の内部に、受け部に出没するように設けられる不図示のロック部材を含んで構成される。そして、駆動部が制御部20の第2手段202の制御によりロック部材を動かすことで、ロック部材が凹部133と係合して施錠状態となる、又は凹部133から離れて解錠状態となる。駆動部の構成は、特に限定されず、例えば、モータや伝達ギア、カム機構等を含むモータ式等公知技術が適宜用いられる。
【0134】
タッチパネルディスプレイ14及びセンサ15は、ユーザUが操作できるように本体51に設けられる。タッチパネルディスプレイ14及びセンサ15は、実施形態1及びその変形例と同様に構成され、同様にユーザUに対して各種の情報を表示するための表示部21及び、又はユーザUの指示を受け付けるための入力部22を構成する。
【0135】
制御部20、記憶部23、通信部24及び電源部25等の構成は、上記実施形態1及びその変形例と同様であり、施錠具50の本体51の内部に設置される。
【0136】
収納具10は、容器11の開口部111に輪状部112が設けられ、蓋12の下端部121に輪状部122が設けられて、掛金52の先端を両輪状部の貫通孔を通して、施錠具50に掛けられるようになっている。
【0137】
施錠具50は、監督者が上記ステップS6やステップS3において、施錠具50を収納部に掛けてから、掛金52を本体51に押し込んだ後、「施錠」ボタンを操作することで、施錠される。言い換えれば、本形態では、監督者は、施錠前に、収納部の開閉部を閉状態にし、更に施錠具50を閉状態にする必要がある。それ以外の操作は、上記と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0138】
このように、本形態の施錠システムは、施錠具50が収納部に着脱可能に設置されるため、収納部の構成や場所等を問わず広く適用できる。
【0139】
本形態の収納具10は、対象物Oを収納する収納部が、上記ロッキングコンテナ以外のものでもよく、例えば、ファスナー等で収納部の開閉部が構成されるものでもよい。この場合、施錠具50は、例えば、ファスナーの両スライダーの孔部に掛けて使用できる。あるいは、ファスナーのスライダーと、本体のファスナーの端部付近に設けられるリングとに掛けて使用できる。
【0140】
<実施形態3-収納システム>
図25は、実施形態3に係る収納システムの構成例を示している。本形態の収納システム100は、収納具10を使用する際に、使用者が対象物Oに触れられないロック時間中に学習するよう支援するシステムである。本形態の収納システム100は、主として、端末装置80を含む点が上記実施形態1及びその変形例と異なる。
【0141】
上記実施形態1及びその変形例の収納システム100は、ロック時間中に学習支援を行うための制御部20の第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23が収納具10に配置されており、予め第2記憶部232に問題集データを格納しておけば、収納具10のみでロック時間中の学習支援ができ、他の機器を不要とする点で優れている。
【0142】
一方で、上記第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23を収納具10から切り離して構成することも考えられる。一例として、使用者Uの手元に学習用の端末装置があるときは、操作性等の点では、この使い慣れた端末装置が使い勝手がよいと考えられる。例えば、現在の学校教育(例えば中高生を対象とする教育)ではタブレット型PCを用いた学習が浸透してきており、このタブレット型PC等の汎用の端末装置に上記学習支援機能の一部を担わせることが考えられる。また、専用の端末装置を用いることも考えられる。
【0143】
本形態の収納システム100は、このような場合に応えるためのもので、第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23を備える端末装置80を含んで構成される。端末装置80は、例えば、タブレット型PC等の汎用の端末装置であるが、専用の端末装置として構成されてもよい。
【0144】
端末装置80は、図示のように、第1手段201を有する制御部81を備える。制御部81は、CPU、MPU又はGPU等の1又は複数のプロセッサを含んで構成され、所定のプログラムを実行することにより、上記第1手段201と同様に、UI機能、解錠条件設定機能を実現し、後述の通信部82及び収納具10の通信部24を介して、収納具10の第2手段202に指示して、第2手段202と共同で施錠機能、解錠機能を実現する。
【0145】
端末装置80は、例えば、タッチパネルディスプレイを有し、このタッチパネルディスプレイにより上記表示部21及び入力部22が構成される。端末装置80は、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD等を有し、これらにより上記記憶部23が構成される。端末装置80は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続し、有線通信又は無線通信によって収納具10と接続するための通信部82を一または複数備える。なお、本形態では、端末装置80が上記外部記憶媒体30を兼ねる。
【0146】
収納具10は、本形態では、収納部と、ロック機構13を含むロック部19と、第2手段202を有する制御部26と、通信部24と、電源部25と、を含む。収納部は、上記実施形態1及びその変形例と同様に、容器11と蓋12を含み、ロック機構13を含むロック部19が設けられ、通信部24と電源部25が配置される。
【0147】
収納具10の制御部26は、本形態では、通信部24を介して、端末装置80の第1手段201から、施錠、解錠の指示を受け付けると、第2手段202が上記実施形態1及びその変形例と同様にロック機構13を制御して施錠、解錠する。
【0148】
以上に記載のように、本形態の収納システム100は、対象物を収納する収納具10を制御する端末装置80を備え、端末装置80がユーザから施錠の指示を受けると、収納具10のロック機構13により施錠するようにし、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示して、この問題に対するユーザの回答を受け付け、この問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、ロック機構13により解錠するようにする。
【0149】
本形態の収納システム100は、このように構成することで、収納具10を簡素に構成でき、コストを低減できる。
【0150】
<実施形態4-施錠システム>
本形態の施錠システムは、収納具10を使用する際に、使用者が対象物Oに触れられないロック時間中に学習するよう支援するシステムである。図示しないが、本形態の施錠システムは、主として、上記実施形態3と同様な端末装置80を含む点が、上記実施形態2と異なる。
【0151】
上記実施形態2の施錠システムは、ロック時間中に学習支援を行うための第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23が施錠具50に配置されており、予め施錠具50の第2記憶部232に問題集データを格納しておけば、施錠具50のみでロック時間中の学習支援ができ、他の機器を不要とする点で優れている。
【0152】
一方で、上記第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23を施錠具50から切り離して構成することも考えられる。本形態の施錠システムは、このような場合に応えるためのもので、上記第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23を備える端末装置80を含んで構成される。端末装置80は、上記実施形態3と同様に構成され、ここでは詳細な説明を省略する。
【0153】
施錠具50は、上記実施形態2と同様に本体51と掛金52を有し、ロック機構13と通信部24と電源部25とを備える。施錠具50は、上記実施形態2と異なり、第2手段202のみを有する制御部26を備え、第1手段201、表示部21、入力部22、記憶部23を備えていない。収納部は、上記実施形態2と同様に、容器11の開口部111に輪状部112が設けられ、蓋12の下端部121に輪状部122が設けられて、掛金52の先端を両輪状部の貫通孔を通して、施錠具50に掛けられるようになっている。
【0154】
施錠具50の制御部26は、本形態では、通信部24を介して、端末装置80の第1手段201から、施錠、解錠の指示を受け付けると、第2手段202が上記実施形態1及びその変形例と同様にロック機構13を制御して施錠、解錠する。
【0155】
以上に記載のように、本形態の施錠システムは、施錠具50を制御する端末装置80を備え、端末装置80がユーザから施錠の指示を受けると、施錠具50のロック機構13により施錠するようにし、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を表示して、この問題に対するユーザの回答を受け付け、この問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、ロック機構13により解錠するようにする。
【0156】
本形態の施錠システムは、このように構成することで、施錠具50を簡素に構成でき、コストを低減できる。
【0157】
以上、本発明に係る収納システム、施錠システム、収納方法、及びプログラムについて説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0158】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0159】
10…収納具、11…容器、12…蓋、13…ロック機構、14…タッチパネルディスプレイ、15…センサ、19…ロック部、20…制御部、21…表示部、22…入力部、23…記憶部、24…通信部、25…電源部、30…外部記憶媒体、40…問題集データベース、50…施錠具、51…本体、掛金…52、100…収納システム、500…施錠ホーム画面、510…問題集の選択画面、520…解錠条件の設定画面、600…解錠ホーム画面、610…問題画面、620…解錠確認画面、2311…問題設定情報、2312…解錠設定情報。
【要約】
【課題】 対象物に物理的に触れられないようにし、且つ、触れられないロック時間中に学習するよう支援する収納システム、施錠システム、収納方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 対象物を収納する収納システムであって、開口を有する容器と、前記容器の開口を閉じる蓋と、前記容器に対して前記蓋を施錠又は解錠するためのロック機構と、ユーザの指示を受け付けるための入力部と、ユーザへ情報を表示するための表示部と、
制御部と、を備え、前記制御部は、ユーザから施錠の指示を受けると、前記ロック機構により施錠し、ユーザから解錠の指示を受けると、1以上の問題を前記表示部に表示させて、前記問題に対するユーザの回答を受け付け、前記問題への回答結果が所定の解錠条件を満たす場合、前記ロック機構により解錠する、収納システム。
【選択図】
図1