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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】配管構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/00 20060101AFI20241009BHJP
   F16L 41/02 20060101ALI20241009BHJP
   F16L 9/19 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
F16L55/00 Z
F16L41/02
F16L9/19 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024083992
(22)【出願日】2024-05-23
【審査請求日】2024-05-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大倉 崇史
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-064800(JP,A)
【文献】特開2004-204955(JP,A)
【文献】特開昭57-009392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 1/00-59/22
F16T 1/00
F17D 1/00-5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を流れる第1の流体の一部を取り出す、または前記配管に第2の流体を導入する配管構造であって、
前記配管の管壁と前記管壁の径方向外側の外郭部材とで形成されて、前記管壁に沿って延びる外周通路と、
前記管壁の上半部を貫通して、前記外周通路に連通する第1の開口と、
前記外郭部材の下半部を貫通して、前記配管の外部に開口する第2の開口と、
を備えた配管構造。
【請求項2】
請求項1に記載の配管構造において、前記第1の開口の軸心と水平線とのなす角度θ1が45°~90°に設定されている配管構造。
【請求項3】
請求項2に記載の配管構造において、前記第1の開口の軸心と前記第2の開口の軸心とのなす角度θ2が90~180°に設定されている配管構造。
【請求項4】
請求項3に記載の配管構造において、前記配管の上端に前記第1の開口が設けられ、下端に前記第2の開口が設けられている配管構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の配管構造において、前記外周通路が前記管壁の全周に形成されている配管構造。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の配管構造において、前記第2の開口に、前記第1の流体または前記第2の流体の流れを制御するガイドが設けられている配管構造。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の配管構造において、前記第1の流体が蒸気である配管構造。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の配管構造を備えた継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管から流体の一部を取り出す、または、配管に流体を導入する配管構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、蒸気を流れる配管では、ドレンが配管の下部に流れているので、配管から蒸気のみを取り出す場合、配管の上端部から上取りされる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-029416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図8に示すように、主配管100から気体Gを上取りした後、下向きにサブ配管102を設置することが多い。この場合、通常はチーズ104で上向きに取り出し、パイプエルボ106を使用し下向きに配管することになる。また、サブ配管102は、主配管100を避けて、主配管100の手前側(図8の紙面に直交する方向の手前)か、奥側(図8の紙面に直交する方向の奥前)に配管される必要がある。そのため、サブ配管102の構造が複雑になるうえに、水平方向に配管スペースを確保する必要がある
【0005】
本発明は、簡単な構造で、省スペース化を実現できる配管構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の配管構造は、配管を流れる第1の流体の一部を取り出す、または前記配管に第2の流体を導入する配管構造であって、
前記配管の管壁と前記管壁の径方向外側の外郭部材とで形成されて、前記管壁に沿って延びる外周通路と、
前記管壁の上半部を貫通して、前記外周通路に連通する第1の開口と、
前記外郭部材の下半部を貫通して、前記配管の外部に開口する第2の開口と、
を備えている。
【0007】
この構成によれば、第1の流体が、第1の開口から外周通路を流れて第2の開口から外部に導出される。あるいは、第2の流体が、第2の開口から外周通路を流れて第1の開口から配管に導入される。これにより、第2の開口に接続されるサブ配管を、配管の上下方向に跨ぐように設置する必要がなくなる。その結果、配管構造が簡単になるうえに、配管構造の設置スペースが小さくて済む。
【0008】
本発明において、前記第1の開口の軸心と水平線とのなす角度θ1が45°~90°に設定されていてもよい。この場合、前記第1の開口の軸心と前記第2の開口の軸心とのなす角度θ2が90~180°に設定されていてもよい。この場合、前記配管の上端に前記第1の開口が設けられ、下端に前記第2の開口が設けられていてもよい。この構成によれば、第1の開口から気体を取り出す場合に、気体と共にドレンが取り出されるのを防ぐことができる。
【0009】
本発明において、前記外周通路が前記管壁の全周に形成されていてもよい。この構成によれば、第1の流体または第2の流体が効率よく外周通路を流れる。
【0010】
本発明において、前記第2の開口に、前記第1の流体または前記第2の流体の流れを制御するガイドが設けられていてもよい。この構成によれば、第1の流体が第2の開口から円滑に導出される、または、第2の流体が第2の開口から円滑に導入される。
【0011】
本発明において、前記第1の流体が蒸気であってもよい。この構成によれば、第1の開口から蒸気を取り出す場合に、蒸気と共にドレンが取り出されるのを防ぐことができる。
【0012】
本発明の継手は、本発明の配管構造を備えている。この構成によれば、第2の開口に接続されるサブ配管を、配管の上下方向に跨ぐように設置する必要がなくなるので、配管構造が簡単になるうえに、配管構造の設置スペースが小さくて済む。
【発明の効果】
【0013】
本発明の配管構造および継手によれば、第2の開口に接続されるサブ配管を、配管の上下方向に跨ぐように設置する必要がなくなるので、配管構造が簡単になるうえに、配管構造の設置スペースが小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る配管構造を示す側面図である。
図2図1のII-II線に沿った断面図である。
図3】同配管構造の継手の変形例を示す断面図である。
図4】同配管構造の継手の別の変形例を示す断面図である。
図5】同配管構造の継手のさらに別の変形例を示す断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る配管構造を示す側面図である。
図7図6のVII-VII線に沿った断面図である。
図8】従来の配管構造を示す側面図である。
図9】従来の別の配管構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、「上流」および「下流」とはそれぞれ、流体の流れ方向の「上流」および「下流」をいう。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係る配管構造を示す側面図である。本実施形態の配管構造は、主配管1を流れる第1の流体F1の一部を取り出す配管構造である。本実施形態では、第1の流体F1は蒸気である。ただし、第1の流体F1は、蒸気に限定されず、例えば、空気であってもよい。以下の説明において、「軸方向」、「径方向」および「周方向」とはそれぞれ、主配管1の「軸方向」、「径方向」および「周方向」をいう。
【0017】
主配管1にサブ配管2が連結されている。サブ配管2には、主配管1から取り出された第1の流体F1が流れる。サブ配管2は、継手4を介して主配管1に連結されている。詳細には、継手4は、主配管1が接続される第1および第2の接続口4a、4bと、サブ配管2が接続される第3の接続口4cとを有している。
【0018】
第1の接続口4aと第2の接続口4bは同径で同軸に形成され、それぞれに主配管1が接続されている。つまり、継手4を介して、一方の主配管1から他方の主配管1に第1の流体F1が流れる。換言すれば、本実施形態では、継手4が主配管1の一部を構成している。
【0019】
本実施形態では、主配管1と継手4は、ねじ込みにより連結されているが、主配管1と継手4との連結は、これに限定されず、フランジ接続、溶接による接合、メカニカル(機械的)な方法での接続等であってもよい。また、一方の主配管1と継手4との連結構造と、他方の主配管1と継手4との連結構造が異なっていてもよい。
【0020】
本実施形態では、サブ配管2と継手4は、ねじ込みにより連結されているが、サブ配管2と継手4との連結は、これに限定されず、フランジ接続、溶接による接合、メカニカル(機械的)な方法での接続等であってもよい。また、主配管1と継手4との連結構造と、サブ配管2と継手4との連結構造は異なっていてもよい。本実施形態では、サブ配管2の外周面に断熱材5が設けられている。ただし、断熱材5はなくてもよい。
【0021】
本実施形態では、継手4は、ステンレス製である。ただし、継手4の材質は、これに限定されず、例えば、ステンレス以外の鋼材、非鉄材料、樹脂等であってもよい。また、継手4の製造方法も、鋳造、鍛造、射出成形等の任意の方法で成形してよい。
【0022】
図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。同図に示すように、主配管1の一部である継手4の径方向外側に外周通路6が形成されている。詳細には、外周通路6は、主配管1(継手4)の管壁8と、管壁8の径方向外側の外郭部材10とで形成され、管壁8に沿って周方向に延びている。
【0023】
ここで、管壁8は、主配管1(継手4)における第1の流体F1が流れる通路を形成する外壁である。また、外郭部材10は、管壁8における少なくとも外周通路6が形成される領域R(図1)の径方向外側に設けられ、主配管1(継手4)の外郭の一部を構成している。つまり、主配管1(継手4)は、外周通路6が形成される領域Rでは二重壁構造となっている。外周通路6は、管壁8の外周面と、外郭部材10の内周面との間に形成されている。
【0024】
ここで、主配管1(継手4)における第1の流体F1が流れる通路の断面積(通路面積)をS1とし、外周通路6の断面積(通路面積)をS2とする。このとき、各通路の断面積比(S2/S1)は、例えば、0.15~1.00に設定される。ここで、外周通路6が複数ある場合、外周通路6の断面積(通路面積)S2は、複数の外周通路6の断面積の合計をいう。図2の例では、中心Oを通って上下方向に延びる中心線を挟んで、右側と左側に外周通路6が設けられており、外周通路6の断面積(通路面積)S2は、2つの外周通路6,6の断面積の合計となる。
【0025】
管壁8の上端に第1の開口12が設けられている。第1の開口12は、管壁8を貫通して、外周通路6に連通している。本実施形態では、第1の開口12は、鉛直方向の上方を向いている。
【0026】
外周通路6における主配管1(継手4)の下端に第2の開口14が設けられている。第2の開口14は、外周通路6における主配管1(継手4)の下端で外部に開口している。本実施形態では、第2の開口14は、鉛直方向の下方を向いている。第2の開口14にサブ配管2が接続されている。つまり、本実施形態では、継手4の第3の接続口4cが、外周通路6の第2の開口14を構成している。
【0027】
本実施形態では、外周通路6が、管壁8の全周に形成されている。つまり、第1の開口12から外周通路6に導入された第1の流体F1は、主配管1の全周を通って、すなわち、図2の左右両側の外周通路6を通って、第2の開口14から導出される。
【0028】
ただし、外周通路6は、管壁8の全周に形成されてなくてもよい。具体的には、図3の変形例に示すように、外周通路6が、管壁8の外周の一部に形成されてもよい。図3では、外周通路6は、管壁8の外周の半分の領域(図2の左側)にのみ形成されている。図3の例は、例えば、主配管1の一方側(図2の右側)にスペースがない場合に好適に用いられる。
【0029】
図2に二点鎖線で示すように、第2の開口14にガイド16が設けられていてもよい。ガイド16は、第1の流体F1の流れを制御する。具体的には、ガイド16は、周方向の両サイドから流れる第1の流体F1が衝突するのを防ぐ機能、第1の流体F1が円滑に第2の開口14から導出されるように案内する機能等を有する。本実施形態では、ガイド16は、板状の部材からなり、継手4と一体に形成されている。ただし、ガイド16の形状、製造方法はこれに限定されない。また、ガイド16はなくてもよい。
【0030】
上述のように、本実施形態では、第1の開口12は鉛直方向の上方を向いている。つまり、第1の開口12の軸心12aと水平線Hとのなす角度θ1が90°に設定されている。ただし、第1の開口12は、管壁8の上半部に形成されてればよく、鉛直方向の上方を向いていなくてもよい。ここで、「管壁8の上半部」とは、主配管1(継手4)の中心点Oを通る水平線Hに対して、管壁8における水平線Hよりも上の部分をいう。
【0031】
図4に変形例として、第1の開口12が管壁8の上半部に形成された構造を示す。図4の例では、第1の開口12の軸心12aと水平線Hとのなす角度θ1が60°に設定されている。第1の開口12の軸心12aと水平線Hとのなす角度θ1は、45°~90°に設定されるのが好ましい。図4の例は、例えば、主配管1の上方にスペースがない場合に好適に用いられる。
【0032】
図4に二点鎖線で示すように管壁8の上半部に追加の第1の開口12を設け、管壁8の上半部に複数の第1の開口12が形成されるようにしてもよい。図4では、実線の第1の開口12と二点鎖線の第1の開口12とで、2つの第1の開口12が設けられる例を示している。この場合、少なくとも一つの第1の開口12の軸心12aと水平線Hとのなす角度θ1が、45°~90°に設定されるのが好ましい。
【0033】
上述のように、本実施形態では、第2の開口14は鉛直方向の下方を向いている。ただし、図4に二点鎖線で示すように、第1の開口14は、主配管1(継手4)の下半部で外部に開口すればよく、鉛直方向の下方を向いていなくてもよい。ここで、「主配管1(継手4)の下半部」とは、主配管1(継手4)の中心点Oを通る水平線Hよりも下の部分をいう。
【0034】
本実施形態では、図2に示すように、第1の開口12は鉛直方向の上方を向き、第2の開口14は鉛直方向の下方を向いている。つまり、第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2が180°に設定されている。
【0035】
ただし、第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2は180°に設定されなくてもよい。例えば、図4の変形例では、第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2は150°に設定されている。第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2は、90~180°に設定されるのが好ましい。
【0036】
図5の変形例に示すように、主配管1(継手4)下半部に、第2の開口14が設けられてもよい。図5の例では、第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2が、150°に設定されている。
【0037】
図5に二点鎖線で示すように、主配管1(継手4)下半部に第2の開口14を追加して、複数の第2の開口14が設けられるようにしてもよい。図5では、実線の第2の開口14と二点鎖線の第2の開口14の2つの第2の開口14が設けられた例が示され、各第2の開口14にサブ配管2が接続されている。この場合、少なくとも一つの第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2が、90~180°に設定されるのが好ましい。図5の例は、例えば、複数のサブ配管2に第1の流体F1を供給する場合に好適に用いられる。
【0038】
図5のように複数の第2の開口14が設けられる場合、ガイド16(図1)は、すべての第2の開口14に設けられてもよく、特定の第2の開口14のみに設けられてもよく、すべての第2の開口14に設けられてなくてもよい。
【0039】
図5の例においても、図4の例に二点鎖線で追加したように、管壁8の上半部に複数の第1の開口12が形成されてもよい。この場合、2つの第1の開口12と、2つの第2の開口14とが設けられることになる。その場合、第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2が、90~180°に設定されるのが好ましい。
【0040】
また、図2に二点鎖線で示すように、主配管1(継手4)の外周面に、外部装置18が取り付けられてもよい。詳細には、外郭部材10に貫通孔20が設けられ、外部装置18が外周通路6に連通している。本実施形態では、外部装置18は、主配管1(継手4)の上端面に取り付けられているが、外部装置18の取付位置はこれに限定されない。
【0041】
外部装置18は、例えば、外周通路6を流れる流体F1の圧力を計測する圧力計、温度を計測する温度計、流量を計測する流量計等の計測機器であってもよく、また、外周通路6を流れる流体F1の流量を制御する制御弁、開閉弁、同流体F1から空気を抜くエア抜き弁等の制御機器であってもよい。
【0042】
本実施形態では、本発明の配管構造が継手4により実現されている。ただし、本発明の配管構造は、継手4以外の手段、例えば、主配管1に第1の開口12および外郭部材10を設けて、外周通路6を形成することでも実現できる。
【0043】
上記構成によれば、第1の流体F1が、第1の開口12から外周通路6を流れて第2の開口14からサブ配管2に導出される。これにより、サブ配管2を、主配管1の上下方向に跨ぐように設置する必要がなくなる。その結果、配管構造が簡単になるうえに、配管構造の設置スペースが小さくて済む。また、配管構造が簡単になることで、サブ配管2に敷設する断熱材5も少なくて済むうえに、保湿性能も向上する。
【0044】
本実施形態において、第1の流体F1は蒸気である。この構成によれば、第1の開口12から蒸気F1を取り出す場合に、蒸気F1と共にドレンが取り出されるのを防ぐことができる。
【0045】
本実施形態において、第1の開口12の軸心12aと水平線Hとのなす角度θ1が45°~90°に設定されている。また、第1の開口12の軸心12aと第2の開口14の軸心14aとのなす角度θ2が90~180°に設定されている。図示の例では、主配管1の上端に第1の開口12が設けられ、下端に第2の開口14が設けられている。この構成によれば、第1の開口12から第1の流体F1を取り出す際に、第1の流体(蒸気)F1と共にドレンが取り出されるのを防ぐことができる。
【0046】
本実施形態において、外周通路6が管壁8の全周に形成されている。この構成によれば、第1の開口12から流入した第1の流体F1が効率よく外周通路6を流れ、第2の開口14からサブ配管2に導出される。
【0047】
本実施形態において、第2の開口14に、第1の流体F1の流れを制御するガイド16が設けられている。この構成によれば、第1の流体F1が第2の開口14から円滑にサブ配管2に導出される。
【0048】
本実施形態において、本発明の配管構造が継手4で実現されている。この構成によれば、図8のチーズ104の部分に、図2に示す本実施形態の継手4を使用することで、本発明の配管構造を実現でき、既存の配管構造にも容易に適用できる。
【0049】
図6および図7を用いて、本発明の第2実施形態に係る配管構造を説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成の要素には共通の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0050】
図6に示す第2実施形態の配管構造は、第1の流体F1が流れる主配管1に、サブ配管F2を流れる第2の流体F2を導入する配管構造である。第2実施形態では、主配管1に復水F1が流れている。また、サブ配管2の上流端にスチームトラップ30が接続されており、スチームトラップ30から排出されたドレン水F2がサブ配管2を流れる。つまり、第2実施形態では、第1の流体F1および第2の流体F2は水である。
【0051】
図7に示すように、第2実施形態では、第2の流体F2が、第2の開口14から外周通路6を流れ、第1の開口12から主配管1に導入される。つまり、第1実施形態とは、反対向きに外周通路6内を流体F2が流れる
【0052】
第2実施形態においても、第2の開口14にガイド16が設けられている。第2実施形態のガイド16は、第2の流体F2の流れを制御する。具体的には、ガイド16は、第2の流体F2が円滑に外周通路6に導入されるように案内する。
【0053】
第2実施形態においても、図3~5に示す外周通路6の構造、第1および第2の開口12,14の配置を適用できる。
【0054】
図9は、スチームトラップ200によるドレン水F2を回収する従来の配管構造の一例を示す。同図に示すように、従来は、スチームトラップ200からの復水は、主配管201に上端から導出される。詳細には、スチームトラップ200から排出されたドレン水F2がサブ配管202を介して主配管201に供給される。このとき、サブ配管202は、主配管201を上下方向に跨いで設置され、パイプエルボ206を使用して向きを変え、主配管201に連結されたチーズ204に接続される。
【0055】
第2実施形態によれば、図7に示すように、第2の流体F2が、第2の開口14から外周通路6を流れて第1の開口12から主配管1に導入される。これにより、第2の開口14に接続されるサブ配管2を、主配管1の上下方向に跨ぐように設置する必要がなくなる。その結果、配管構造が簡単になるうえに、配管構造の設置スペースが小さくて済む。
【0056】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 主配管(配管)
2 サブ配管
4 継手
6 外周通路
8 配管の管壁
10 外郭部材
12 第1の開口
14 第2の開口
16 ガイド
F1 第1の流体(蒸気)
F2 第2の流体(ドレン水)
θ1 第1の開口の軸心と水平線とのなす角度
θ2 請第1の開口の軸心と第2の開口の軸心とのなす角度


【要約】
【課題】簡単な構造で、省スペース化を実現できる配管構造を提供する。
【解決手段】本開示の配管構造は、配管1を流れる第1の流体F1の一部を取り出す、または配管1に第2の流体F2を導入する配管構造である。配管1の管壁8と管壁8の径方向外側の外郭部材10とで、管壁8に沿って延びる外周通路6が形成されている。管壁8の上半部を貫通する第1の開口12が形成され、外周通路6に連通している。外周通路6における配管1の下半部で、第2の開口14が外部に開口している。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9