IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーベーベー・シュバイツ・アーゲーの特許一覧

特許7569140取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法
<>
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図1
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図2
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図3
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図4
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図5
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図6
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図7
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図8
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図9
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図10
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図11
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図12
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図13
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図14
  • 特許-取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 73/20 20200101AFI20241009BHJP
【FI】
B63B73/20
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023054451
(22)【出願日】2023-03-30
(65)【公開番号】P2023152965
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】22165420
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】レニー・コムッパ
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル・ビョルクルンド
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ・サッキネン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ブッダス
(72)【発明者】
【氏名】ミッコ・クイトゥネン
(72)【発明者】
【氏名】ユッカ・ミリルオマ
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-057489(JP,A)
【文献】特開2013-052863(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0038028(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 73/00 - 73/20
B63B 35/00
B63H 20/00 - 20/06
B63H 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体構造物(3)の船体(4)に推進ユニット(2)を取り付けるための取付構造(1)であって、
前記取付構造(1)は、第1の取付面(5)と、前記船体(4)に前記推進ユニット(2)をシールするための前記第1の取付面上に設けられたシールされた部分(6)と、を備える取付構造(1)において、
前記第1の取付面(5)には、
前記第1の取付面の縁部(8)において又は縁部(8)に近接して、且つ前記シールされた部分(6)の外側に設けられた枢動点(10)と、
前記第1の取付面(5)上で互いに離間した少なくとも2つの第1の突出部(11)と、が更に設けられており、
前記第1の突出部(11)の各々が、少なくとも前記枢動点(10)から離れる方に面した前記第1の突出部(11)の側にある面(15)を備え、
この面(15)は曲面を備え、
前記取付構造(1)が、そして、従って、前記第1の突出部(11)が前記枢動点(10)を中心として円筒空洞に対して傾斜されるときに、
相手側部品において形成された前記円筒空洞内に設けられた前記第1の突出部(11)が、前記円筒空洞及び前記第1の突出部(11)の相互の傾斜移動を案内するべく構成されるように、
前記曲面(15)が、
前記相手側部品において形成された前記円筒空洞内に設けられる前記第1の突出部(11)が、前記円筒空洞との接触を維持するべく構成されるように、少なくとも前記第1の取付面に対し垂直な方向(17)に湾曲している、取付構造(1)。
【請求項2】
前記第1の取付面(5)には、少なくとも3つの第1の突出部(11)が設けられている、請求項1に記載の取付構造(1)。
【請求項3】
前記第1の突出部(11)の曲面(15)の各々は、前記枢動点(10)から前記曲面(15)までの距離に依存する前記曲面の曲率半径を有する、請求項に記載の取付構造(1)。
【請求項4】
前記第1の突出部(11)の曲面(15)の各々は、前記枢動点(10)から前記曲面(15)までの距離に依存する前記曲面の曲率半径を有する、請求項に記載の取付構造(1)。
【請求項5】
前記取付構造は、シール(21)を受容するための外側シーリング溝(20)を備え、前記外側シーリング溝(20)は、閉じた形状を有し、エリアを画定しており、前記シールされた部分(6)は、前記第1の取付面(5)上で前記外側シーリング溝(20)から内側に延在し、前記枢動点(10)は、前記第1の取付面の縁部(8)において又は縁部(8)に近接して、且つ前記シールされた部分(6)の外側に設けられている、請求項1に記載の取付構造(1)。
【請求項6】
前記取付構造は、船体(4)の一体部分として、前記推進ユニット(2)の一体部分として、又は別個の構造部品として形成されている、請求項1に記載の取付構造(1)。
【請求項7】
前記第1の突出部(11)は、また、持ち上げ点として使用されるように構成されている、請求項1に記載の取付構造(1)。
【請求項8】
推進ユニット(2)であって、請求項1~のいずれか一項に記載の取付構造(1)を備えることを特徴とする推進ユニット(2)。
【請求項9】
浮体構造物(3)の船体(4)に推進ユニット(2)を取り付けるための取付アレンジメント(18)であって、前記取付アレンジメント(18)が、
請求項1~のいずれか一項に記載の取付構造(1)と、
第2の取付面(19)と、
前記船体(4)に前記推進ユニット(2)をシールするために、前記取付構造(1)の前記シールされた部分(6)に設けられた少なくとも1つのシール(21)と、を備え、
前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)の一方が、前記浮体構造物(3)の前記船体(4)に接続した状態で配置されるように構成されており、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)の他方が、前記推進ユニット(2)に接続した状態で配置されるように構成されていることを特徴とする、取付アレンジメント(18)。
【請求項10】
前記船体(4)に接続した状態で配置された前記取付面(5、19)は、重力ベクトル(26)による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度(25)をなして配置されている、請求項に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項11】
前記第2の取付面(19)は、各ケースにおいて、前記第1の突出部(11)のうちの1つを受容するための少なくとも2つの第1の円筒空洞(12)を更に備える、請求項に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項12】
前記第1の突出部(11)の各々は、前記推進ユニット(2)が前記枢動点(10)を中心として前記船体に対して傾斜されるときに、前記第1の突出部が前記船体(4)に対する前記推進ユニット(2)の位置を案内するように、前記第1の円筒空洞(12)のうちの1つにおいて受容されるように構成されている、請求項1に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項13】
前記第1の取付面(5)は、前記推進ユニット(2)に接続した状態で設けられており、前記第2の取付面(19)は、前記船体(4)に接続した状態で設けられている、請求項に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項14】
前記船体(4)の使用位置において下方の前記第2の取付面(19)の側は、前記取付構造が前記枢動点(10)を中心として前記船体に対して傾斜されるときに、前記枢動点(10)に接触するように構成されている、請求項1に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項15】
前記第1の突出部(11)は、また、持ち上げ点として使用されるように構成されており、第1の円筒空洞(12)が貫通孔として形成されており、
これによって、持ち上げ部材(複数可)(24)は、
前記取付構造(1)が、前記持ち上げ部材(複数可)(24)によって、重力ベクトル(26)による加速度の方向とは反対の方向において、前記船体(4)の下から前記船体(4)に向かって持ち上げられる際、前記第1の取付面(5)が、前記船体(4)に向かって持ち上げられているときに実質的に水平な位置をとり、
前記取付構造(1)と前記船体(4)との間の最初の接触が、前記枢動点(10)が設けられた前記側における最初の接触点(27)で行われ、
前記持ち上げが前記最初の接触の後に継続されるとき、前記第1の突出部(11)が、各ケースにおいて、前記枢動点(10)を中心としてそれぞれの第1の円筒空洞(12)の内部で傾斜され、これによって、前記取付構造(1)は、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)が互いに平行な位置に持ってこられ、前記少なくとも1つのシール(21)によって互いにシールされるまで、前記第1の突出部(11)によって案内され、前記第2の取付面(19)に向かって傾斜されるように、
前記第1の円筒空洞(12)を通って延在し、前記第1の突出部(11)に接続されるように配置され得る、請求項1に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項16】
各持ち上げ部材(24)には、前記推進ユニット(2)を前記最初の接触が行われ得る位置に案内するために、前記船体(4)に向かっての前記推進ユニット(2)の前記持ち上げ及び傾斜中に、各ケースにおいて、前記第1の円筒空洞(12)のうちの1つの中で移動するように構成された案内部材(32)が設けられている、請求項1に記載の取付アレンジメント(18)。
【請求項17】
請求項1~のいずれか一項に記載の取付構造を備えることを特徴とする、浮体構造物(3)。
【請求項18】
請求項に記載の推進ユニットを備えることを特徴とする、浮体構造物(3)。
【請求項19】
請求項に記載の取付アレンジメントを備えることを特徴とする、浮体構造物(3)。
【請求項20】
浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法であって、
請求項に記載の取付アレンジメント(18)を設けるステップ(132)と、ここで、前記浮体構造物(3)の船体(4)に設けられた取付面(5、19)が、重力ベクトル(26)による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度(25)をなして設けられており、
前記第1の突出部(11)が第1の円筒空洞(12)に向けられた状態で、前記第1の取付面(5)を前記第2の取付面(19)に向けて設けるステップ(134)と、
前記推進ユニット(2)と前記船体(4)との間の最初の接触が、前記枢動点(10)が設けられた前記取付構造(1)の前記側において行われるように、前記重力ベクトルによる加速度の方向とは反対の方向への上方移動において、前記推進ユニット(2)を前記浮体構造物(3)の前記船体(4)に向かって持ち上げるステップ(136)と、
前記最初の接触が行われた後に前記推進ユニット(2)を更に持ち上げるときに、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、前記第1の突出部(複数可)の前記面(15)がそれぞれの第1の円筒空洞(12)との面接触を維持するように、前記第1の突出部(11)が、各ケースにおいて、前記それぞれの第1の円筒空洞(12)内で傾斜することによって、前記推進ユニット(2)の位置及び移動を案内及び位置合わせするステップ(138)と、
を備える方法。
【請求項21】
前記第1の取付面(5)は、前記推進ユニット(2)に接続した状態で配置されており、前記第2の取付面(19)は、前記船体(4)に接続した状態で配置されており、
前記第1の突出部(11)は、また、持ち上げ点として使用されるように構成されており、前記第1の円筒空洞(12)は、貫通孔として形成されており、
前記方法は、
前記第1の円筒空洞(12)を通って延在するように、持ち上げ部材(複数可)(24)を配置するステップと、
前記第1の突出部(11)に前記持ち上げ部材(複数可)(24)を接続するステップと、
前記最初の接触の後に前記持ち上げが継続され、前記第1の突出部(11)が前記第1の円筒空洞(12)において受容されるときに、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、各第1の突出部の前記面(15)がそれぞれの第1の円筒空洞(12)との接触を維持するように、前記第1の突出部(11)が、各ケースにおいて、前記枢動点(10)を中心として前記それぞれの第1の円筒空洞(12)の内部で傾斜することによって、前記取付構造(1)の位置及び移動を案内するステップと、
を更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記船体(4)は、前記船体(4)への前記推進ユニット(2)の取り付け中、水中に設けられ、前記方法は、前記水中で前記船体(4)に前記推進ユニット(2)を取り付けることを備える、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浮体構造物に関し、特に、浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための取付構造に関する。本開示は更に、取付アレンジメント、推進ユニット、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
推進ユニットは、メンテナンス及びサービス処置を必要とし得る多くの構成要素で構成される。これら処置のうちのいくつかは、必要な動作を行うために、推進ユニットのドッキング、取り付け、取り外し、及び/又は置き換えのいずれかの必要を生ずることさえもある。
【0003】
船舶のような海上輸送手段等の浮体構造物全体のドッキングは、時間がかかり且つ高価な動作であり、利用可能なドックは非常に少ない。半潜水型リグタイプの掘削プラットフォームのケースでは、ドッキングは、実質的に不可能である。従って、水中での推進ユニットの取り外し及び設置が、有用な方針となっている。推進ユニットの水中設置を行うためのいくつかの解決策が存在する。
【0004】
従来の持ち上げ手段を用いた持ち上げは、垂直方向において行われる。しかしながら、いくつかのケースでは、垂直方向に対して傾斜した位置において推進部材を取り付けることが有益である。これが、浮体構造物の船体に傾斜した取付面を設けることを伴う場合、オペレータからの十分な注意と高いスキルレベルが必要とされ、これは、重い金属の物体が角度をなして互いに向かって移動するとき、取り付け中にシーリングを損傷する高いリスクがあり、シールに食い込む可能性があるからである。
【0005】
この問題を解決するために、船体の取付面と推進ユニットの取付面とが水平位置において設けられる解決策が開発されており、ここで、推進部材は、推進ユニット内で傾斜される。しかしながら、このアプローチに伴う問題は、製造されるべき異なる種類の推進ユニットの数を増大させるということである。また、このような推進ユニットを船体に取り付けることは、多くの場合、非常に困難である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、新しい、取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、浮体構造物、及び浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法を提供することである。
【0007】
本開示の目的は、独立請求項に記載の事項によって特徴付けられる、方法、取付構造、取付アレンジメント、推進ユニット、及び浮体構造物によって達成される。本開示のいくつかの実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0008】
本開示は、推進ユニット及び/又は浮体構造物の船体に、それらの取付面が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、正しい位置において枢動点を中心として傾斜するようにそれらの取付面を案内する構造を設けるというアイデアに基づいている。このような正しい位置では、取付構造に設けられた可能な取付開口部及び他の特徴は、好ましくは、相手側部品において、例えば、推進ユニット及び船体に設けられた対応する取付開口部及び他の特徴と位置合わせされ得る。これらの案内構造は、例えば、本開示では、突出部及び円筒空洞と呼ばれる。
【0009】
本開示の解決策の利点は、推進ユニットが、船体の下から船体に設けられた傾斜した取付面まで、これらの部品の間のシーリングを損傷することなしに、浮体構造物の船体に取り付けられ得るということである。これは、浮体構造物への推進ユニットの単純化された水中取り付けを可能にする。加えて、製造がより容易であり得、より少ない推進ユニットの変形が必要とされ得、及び、いくつかの実施形態では、より良い流体力学的特性が得られ得る。
【0010】
以下において、本開示は、添付の図面を参照して、異なる実施形態によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、側方から見た浮体構造物を概略的に例示する。
図2図2は、側方から見た断面図において、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための、浮体構造物の推進ユニットのための取付構造を示す。
図3図3は、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための取付アレンジメントを例示する。
図4図4は、側方から見た断面図において、別の実施形態による、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための、浮体構造物の推進ユニットのための取付構造を示す。
図5図5は、側方から及び部分的に透過的に見た、一実施形態による浮体構造物に推進ユニットを取り付ける異なる段階及び位置を例示する。
図6図6は、側方から及び部分的に透過的に見た、一実施形態による浮体構造物に推進ユニットを取り付ける異なる段階及び位置を例示する。
図7図7は、側方から及び部分的に透過的に見た、一実施形態による浮体構造物に推進ユニットを取り付ける異なる段階及び位置を例示する。
図8図8は、側方から及び部分的に透過的に見た、一実施形態による浮体構造物に推進ユニットを取り付ける異なる段階及び位置を例示する。
図9図9は、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための取付アレンジメントの詳細を例示する。
図10図10は、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための取付アレンジメントの詳細を例示する。
図11図11は、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための取付アレンジメントの詳細を例示する。
図12図12は、透視的に見た取付アレンジメントを例示する。
図13図13は、浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法を例示する。
図14図14は、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための取付アレンジメントを概略的に例示する。
図15図15は、側方から見た断面図において、一実施形態による取付アレンジメントの詳細を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面は、例示のみを目的として提供されており、縮尺通りに示されていない。明確さのために、いくつかの重要でない特徴は省略され得、同様の特徴の一部のみが参照符号を付与され得る。全ての図面において全ての特徴が番号付けされている訳ではない。
【0013】
図1は、側方から見た浮体構造物を概略的に例示する。当業者には明らかなように、図中の浮体構造物は非常に簡略化されており、浮体構造物に関連するいくつかの特徴及び用語を例示することのみを意図している。浮体構造物は、船舶、特にドッキングが困難な船舶等の海上輸送手段、又は半潜水型リグ若しくは別のタイプの掘削プラットフォーム等の別のタイプの浮体構造物を備え得る。従って、海上輸送手段は、水中又は水上で使用されるように意図された船舶又は別のタイプの自己推進式輸送手段を備え得る。海上輸送手段に加えて、浮体構造物もまた、水上又は水中で浮遊するように意図された構造を備え得、これには、長距離移動又は短距離移動のための推進ユニットが設けられ得る。
【0014】
浮体構造物3が、船体4と、推進ユニット2と、を備え得る。当業者には明らかなように、このような浮体構造物は、典型的に、本明細書ではより詳細には説明しない多数の他の構造部品も含む。
【0015】
推進ユニット2は、方位角推進システムにおいて使用される推進ユニットを備え得る。一実施形態によれば、このような推進ユニットは、旋回軸受を介して浮体構造物の船体4に接続され得る。このような推進ユニットをその垂直軸周りに回動させると、推進力の方向が船舶の長手方向軸からずれ、推進ユニットが船舶を操舵する。
【0016】
推進ユニット2は、機械式又は電気式であり得る。換言すれば、推進ユニット2は、機械的又は電気的に駆動され得る。方位角推進ユニットが機械式である場合、駆動ユニットは、通常、浮体構造物の船体の内部に位置する。駆動ユニットは、電気モータ又はディーゼルのような燃焼モータであり得る。このような実施形態では、推進力は、機械式ギア及びシャフトを介してプロペラに伝達され得る。推進ユニットが電気式である場合、推進力は、推進ユニットの内部に位置する電気モータへのバスバーを介して又は電気ケーブルを介して、推進ユニットに導かれる。一実施形態によれば、推進ユニット2は、機械式ギアが使用されないポッド型電気駆動装置を備え得る。このような実施形態では、プロペラは、ギアなしで電気モータのシャフトに直接接続され得る。
【0017】
推進ユニット2は、浮体構造物の喫水線31より下で船体4に取着されている。換言すれば、推進ユニットが船体4に接続されるエリアは、浮体構造物3が通常の使用条件で提供されるとき、水中に設けられている。従って、推進ユニット2の上部は、好ましくは、船体4に水密状に取着されている。推進ユニット2は、推進ユニットの下部が垂直軸及び/又は第1の取付面5によって画定される平面に垂直な軸の周りで回動され得るように、旋回軸受28を備え得る。このような旋回軸受28は、当該技術分野において既知であり、本明細書ではより詳細には説明しない。
【0018】
図2は、側方から見た断面図において、浮体構造物の船体4に推進ユニット2を取り付けるための取付構造1を示す。図4は、側方から見た断面図において、別の実施形態による、浮体構造物の船体に推進ユニットを取り付けるための、浮体構造物の推進ユニットのための取付構造を示す。従って、推進ユニット2は、浮体構造物3の推進ユニットであり得る。
【0019】
取付構造1は、第1の取付面5を備える。図2による取付構造1は、船体4に推進ユニット2をシールするための第1の取付面5上に設けられたシールされた部分6を更に備える。より具体的には、シールされた部分6は、推進ユニット2が船体4に取り付けられたときに、水密シーリング内に密閉されるように構成された第1の取付面5の一部である。実施形態に応じて、取付構造1は、推進ユニット2の一部として、船体4の一部として、又は推進ユニット2に、船体4に、若しくは推進ユニット2と船体4との間に取り付けられるように構成された別個の構造部品として、設けられ得る。
【0020】
図2又は図4による取付構造1等の取付構造1の第1の取付面5には、第1の取付面5の縁部8において又は縁部8に近接して、且つシールされた部分6の外側に設けられた枢動点10が設けられている。換言すれば、枢動点10は、シールされた部分6と第1の取付面5の外縁部8との間のエリアに設けられている。実施形態に応じて、枢動点10は、それを中心として傾斜が行われる、仮想的な点状若しくは線状の枢動点、換言すれば、ヒンジ点若しくはヒンジ縁部、又は第1の取付面5における枢動点において形成された1つ以上の溝付き形状及び/若しくは突出形状を備え得る。一実施形態によれば、第1の取付面5において形成された1つ以上の溝付き形状及び/又は突出形状はまた、少なくとも部分的に、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている2つの部品の相互の傾斜、及び傾斜が起こり得る方向を案内及び/又は制限するように構成され得る。
【0021】
図2による取付構造1の第1の取付面5には、第1の取付面5上で互いに離間した少なくとも2つの第1の突出部11が更に設けられている。第1の突出部11の各々は、少なくとも枢動点10から離れる方に面した第1の突出部11の側(side)にある面15を備え、この面15は、相手側部品において形成された円筒空洞内に設けられた第1の突出部11が、取付構造1及び、従って、第1の突出部11が枢動点10を中心として円筒空洞及び、従って、相手側部品に対して傾斜されるときに、円筒空洞及び第1の突出部11の相互の傾斜移動を案内するように構成されるように、枢動点10と面15との間の距離16に依存する形で、少なくとも第1の取付面に垂直な方向17において形成されている。第1の突出部11は、第1の取付面5から相手側部品に向かって突出する特徴を備え得る。相手側部品は、浮体構造物の構造部品、推進ユニット2、船体4、又は、浮体構造物に、若しくは浮体構造物の残りの部分、例えば船体4に推進ユニット2を取り付けることに関与する、別個の取付構造等の何らかの他の構造部品を備え得る。
【0022】
一実施形態によれば、面15は、円筒空洞及び第1の突出部11の相互の傾斜移動を案内するように構成される代わりに、又はそれに加えて、円筒空洞内に設けられた第1の突出部11が、取付構造1及び、従って、第1の突出部11が枢動点10を中心として円筒空洞に対して傾斜されるときに、第1の取付面5と第2の取付面19とを位置合わせするように構成されるように、第1の取付面5上に形成及び位置付けられている。
【0023】
図2又は図4の実施形態等の一実施形態によれば、面15は、より具体的には、曲面を備え得る。曲面15は、相手側部品において形成された円筒空洞内に設けられた第1の突出部11が、取付構造及び、従って、第1の突出部が枢動点10を中心として円筒空洞に対して傾斜されるときに、円筒空洞との接触を維持するように構成されるように、少なくとも第1の取付面に垂直な方向17に湾曲し得る。一実施形態によれば、接触は、点接触、好ましくは線接触、最も好ましくは面接触であり得る。この文脈において、線接触とは、第1の突出部11と円筒空洞とが、相互の傾斜移動中に所定の位置において互いに接して配置される点が、線状の形状を形成することを意味する。実施形態に応じて、線状の形状は、直線、曲線、又はそれらの組合せであり得る。同様に、面接触とは、第1の突出部11と円筒空洞とが、相互の傾斜移動中に所定の位置において互いに対して配置される点が、面状の形状を形成することを意味する。面状の形状は、形状について少なくとも2次元を定義するように互いに離間した点を備える。このような接触を維持することは、点接触、線接触又は面接触が、相互の傾斜移動中に、好ましくは、点接触、線接触又は面接触が最初に形成される位置から傾斜移動の終わりまでの、残りの相互の傾斜移動中に、複数の位置において形成されることを意味する。実施形態に応じて、点接触、線接触又は面接触の正確な形状は、相互の傾斜移動中に複数の位置において同じままであるか、又は変化するかのいずれかであり得る。
【0024】
一実施形態によれば、第1の取付面5は、丸い外縁部を有する丸い形状を備え得る。第1の取付面5の丸い形状は、例えば、円形又は環状であり得る。一実施形態によれば、丸い外縁部には、第1の取付面5の一方の側に延出部分29が設けられ得る。換言すれば、第1の取付面5の丸い形状は、半径方向において、丸い、例えば円形又は環状の形状の外側に延在する延出部分29を備え得、これにより、丸い形状の中間点からの縁部8の距離は、第1の取付面5の残りの部分よりも延出部分29のエリアにおいて長くなる。このような実施形態では、枢動点10は、この延出部分29内に設けられ得る。
【0025】
本開示では、面接触は、面間の接触を指し、ここで、接触は、点又は線ではなく、面の形態を有する。換言すれば、このような面接触では、傾斜の所定の位置において、互いに同時に接触して提供される対向する面の点は、少なくとも2次元、好ましくは3次元において互いに離間された少なくとも3つの点を備える。
【0026】
一実施形態によれば、枢動点10は、取付構造1がそれを中心として第2の取付面19に対して傾斜される点、線又は形状を指す。実施形態に応じて、枢動点10は、取付構造1上に設けられた構造を備えることも、備えないこともあり得る。
【0027】
本開示では、円筒空洞とは、浮体構造物3の船体4又は推進ユニット2等の、浮体構造物の構造部品に設けられた円筒形状を有する空洞を指し、これは、円筒空洞の少なくとも一端において、構造部品の面に開口している。従って、このような構造部品は、円筒空洞が形成される相手側部品を形成し得る。より具体的には、第1の円筒空洞12等の円筒空洞は、少なくとも取付構造1に向けられた構造部品の面に向かって開口している。従って、実施形態に応じて、円筒空洞は、例えば、貫通孔又は止まり孔であり得る。
【0028】
図2又は図4の実施形態等の実施形態によれば、取付面5には、少なくとも2つの第1の突出部11が設けられ得る。更なる実施形態によれば、第1の取付面5には、少なくとも3つ、好ましくは厳密に3つの第1の突出部11が設けられている。2つ、3つ又はそれ以上の第1の突出部11は、第1の取付面5の外縁部領域に沿って離間して配置され得る。第1の取付面5の外縁部領域は、第1の取付面が第2の取付面19と係合し、第2の取付面19に取り付けられるように構成された領域を指す。一実施形態によれば、外縁部領域は、第1の取付面5の縁部8に隣接している。しかしながら、第1の突出部は、延出部分29のエリアに設けられないことが好ましい。実施形態に応じて、第1の突出部11は、互いから等しい距離において設けられ得るか、又は互いから異なる距離において設けられ得る。
【0029】
一実施形態によれば、第1の突出部11は、シールされた部分6内に設けられている。別の実施形態によれば、第1の突出部11は、シールされた部分6の外側に設けられている。更なる実施形態によれば、第1の突出部11は、シールされた部分6の外側に設けられており、各第1の突出部11には、推進ユニット2が船体4にシールされるときに、第1の突出部11をシールするための別個のシーリングが設けられている。
【0030】
一実施形態によれば、取付構造1は、シール21を受容するための外側シーリング溝20を備える。このタイプの目的のために使用されるこのようなシールは、当該技術分野において既知であり、本明細書ではより詳細には説明しない。外側シーリング溝20は、好ましくは、閉じた形状を有する。換言すれば、外側シーリング溝20は、好ましくは、第1の取付面5上で開始部又は終端部を有することなく、連続経路を形成している。外側シーリング溝20のこのような閉じた又は連続した形状は、形状内のエリアを画定する、例えば、環状、矩形、又は不規則な形状を備え得る。これにより、外側シーリング溝20は、外側シーリング溝20の外縁部から内側に延在する、第1の取付面5上のシールされた部分6であり得るエリアを画定し得る。一実施形態によれば、枢動点10は、第1の取付面の縁部8において又は縁部8に近接して、且つシールされた部分6の外側に設けられている。
【0031】
更なる実施形態によれば、更なるシーリング溝20’が、外側シーリング溝20に加えて、第1の取付面5上に設けられ得る。一実施形態によれば、更なるシーリング溝20’が、外側シーリング溝20の内側に、換言すれば、図11及び図12のように、第1の取付面5上の外側シーリング溝20から内側に設けられ得る。一実施形態によれば、更なるシーリング溝20’は、外側シーリング溝20の外側のエリアを画定し、そのエリア内に外側シーリング溝20を封入しない別個のシーリング溝として設けられ得、例えば、第1の突出部11がシールされた部分6の外側に設けられた実施形態では、第1の突出部11を取り囲む。一実施形態によれば、更なるシーリング溝20’が、外側シーリング溝20の内側及び外側の両方に設けられ得る。
【0032】
一実施形態によれば、シールされた部分6は、シール21を受容するための少なくとも外側シーリング溝20を備え得る。このような実施形態では、第1の突出部11は、外側シーリング溝20に近接して、好ましくは外側シーリング溝20の内側に、換言すれば、外側シーリング溝20から内側に設けられ得る。
【0033】
一実施形態によれば、第1の取付面5は、図11及び図12の実施形態でのように、シール21を受容するための2つのシーリング溝20、20’を備え得る。このような実施形態では、外側シーリング溝20は、シールされた部分6を画定し得る。一実施形態によれば、第1の取付面は、2つのシール21を備え得、これらシール21のうちの外側のシールは、シーリング溝20、20’と同様に、シールされた部分6を画定し得る。一実施形態によれば、第1の取付面5は、1つのシール21及び/又は1つのシーリング溝、即ち、外側シーリング溝20を備え得、シールされた部分6は、シール21又は外側シーリング溝20から内側に、換言すれば、丸い形状の中点に向かって画定され得る。
【0034】
第1の取付面5に2つのシール21又はシーリング溝20、20’が設けられている一実施形態によれば、第1の突出部11は、これらシール21及び/又はシーリング溝20、20’の間のエリアに設けられ得る。
【0035】
換言すれば、いくつかの実施形態では、第1の突出部11は、2つのシーリング溝20、20’及び/若しくはシール21の間に設けられ得るか、又は1つのシーリング溝20及び/若しくはシール21から見て丸い形状の中点に向かって設けられ得る。
【0036】
一実施形態によれば、枢動点10は、第1の取付面の縁部8において又は縁部8に近接して、且つ2つのシーリング溝20によって画定されたシールされた部分6の外側に設けられ得る。
【0037】
一実施形態によれば、シール(複数可)21は、取付フランジを水密状にシールするように構成されている。これは、浮体構造物3の内部から、持ち上げ部材24及び設置管33を取り外すことを可能にする。これは、推進ユニット2の取り付けが水中で行われるときに、特に有益である。
【0038】
第1の取付面5が少なくとも1つのシーリング溝20を備える実施形態は、取付構造1が、推進ユニット2の一体部分として、又は、第1の取付面5が船体4に向けられた状態で、推進ユニット2に取着されるように構成された別個の構造部品としてのいずれかで、推進ユニット2に接続した状態で設けられるように構成されている実施形態において、特に有益であり得る。別の実施形態によれば、シールされた部分6は、推進ユニット2が船体4に取り付けられたときに、シール(複数可)21がそれに対して設けられる滑らかなエリアを備え得る。この種の実施形態は、取付構造1が、船体4の一体部分として、又は、第1の取付面5が推進ユニット2に向けられた状態で、船体4に取着されるように構成されるとしてのいずれかで、船体4に接続した状態で設けられるように構成されている実施形態において、特に有益であり得る。
【0039】
第1の突出部11は、推進ユニット2が、例えば、部品の相互の傾斜によって、船体4に向かって移動されるときに、取付構造1と船体4との間の相互位置を案内するように配置され得る。一実施形態によれば、第1の突出部11の各々は、少なくとも枢動点10から離れる方に面した第1の突出部11の側にある曲面15を備える。曲面15は、少なくとも第1の取付面5を横断する方向17において湾曲し得る。換言すれば、曲面15は、少なくとも、第1の取付面5の外縁部の点によって画定される平面に垂直な方向に対して湾曲し得る。曲面15はまた、第1の取付面5の外縁部の点によって画定される平面において湾曲し得る。一実施形態によれば、第1の取付面5の外縁部の点によって画定される平面における各第1の突出部11の断面は、曲面15のエリアにおいて丸みを帯びている。このような実施形態では、曲面は、従って、第1の取付面5の外縁部の点によって画定される平面と、この平面に垂直な方向に対してとの両方で湾曲している。しかしながら、本開示において曲面の曲率半径が論じられるとき、それは、別段の記載がない限り、第1の取付面5の外縁部の点によって画定される平面に垂直な方向に対する曲率半径を指す。
【0040】
曲面15は、各ケースにおいて、円筒空洞内に設けられた第1の突出部11が、取付構造1及び、従って、第1の突出部11が枢動点10を中心として円筒空洞に対して傾斜されるときに、円筒空洞との点接触、好ましくは線接触、最も好ましくは面接触を維持するように構成されるように湾曲し得る。換言すれば、第1の突出部11と円筒空洞とが互いに対して傾斜されるときに、第1の突出部11と円筒空洞との間で維持される接触は、好ましくは、点接触ではなく、線接触又は面接触であり得る。
【0041】
一実施形態によれば、曲面15は、円筒空洞との点接触、線接触、又は面接触を維持するために、第1の取付面5の外縁部の点によって画定される平面に垂直な方向に対して枢動点10に向かって湾曲している。一実施形態によれば、相手側部品は、船体4を備え、円筒空洞は、船体4に設けられた第1の円筒空洞12であり、取付構造1は、推進ユニット2に接続した状態で設けられている。別の実施形態によれば、円筒空洞は、推進ユニット2に設けられた第1の円筒空洞12であり、取付構造1は、船体4に接続した状態で設けられている。この場合、これらの実施形態のいずれのタイプにおいても、各第1の突出部11は、推進ユニット2が枢動点10を中心として船体4に対して傾斜されるときに、第1の突出部が船体4に対する推進ユニット2の位置を案内するように、第1の円筒空洞12のうちの1つにおいて受容されるように構成され得る。
【0042】
一実施形態によれば、各第1の突出部11は、第1の突出部11が少なくとも部分的に第1の円筒空洞12の内部に設けられるときに、及び推進ユニット2が枢動点10を中心として船体4に対して傾斜されるときに、第1の円筒空洞12との点接触、線接触又は面接触を維持するように更に構成され得る。
【0043】
一実施形態によれば、第1の突出部11は、金属材質で形成され得る。
【0044】
一実施形態によれば、第1の突出部11は、推進ユニット2と船体4の相互位置を案内することに加えて、持ち上げ点として使用されるように構成され得る。このような実施形態は、例えば、図5図8図10及び図12に示されている。一実施形態では、取付構造が推進ユニット2に接続した状態で設けられている場合には、持ち上げ部材(複数可)24等の持ち上げ手段が、取付構造1を船体4に向かって持ち上げるために、第1の突出部11に取着され得る。
【0045】
一実施形態によれば、各持ち上げ部材24には、推進ユニット2を最初の接触が行われ得る位置に案内するために、船体4に向かっての推進ユニット2の持ち上げ及び傾斜中に、各ケースにおいて、第1の円筒空洞12のうちの1つの中で移動するように構成された案内部材32が設けられ得る。換言すれば、案内部材32は、第1の取付面5及び第2の取付面19を、最初の接触が枢動点10において行われ得るような相互位置に案内するように構成され得る。一実施形態によれば、案内部材32は、持ち上げ部材24の周りに設けられ得、換言すれば、持ち上げ部材24を取り囲む又は封入する。一実施形態によれば、案内部材32のうちの1つ、より具体的には、第1の突出部11の最も近くに設けられるように構成された案内部材32は、円錐形状を備え得る。好ましくは、円錐案内部材32のより幅が広い方の端部は、第1の突出部11に向かって設けられ、これは、持ち上げ及び傾斜中の部品の案内を更に支援する。一実施形態によれば、案内部材32は、ポリマー材料、好ましくはプラスチック材料で作製され得る。
【0046】
一実施形態によれば、設置管33が、第2の取付面19に接続した状態で、各第1の空洞12に隣接して設けられ得、持ち上げワイヤ等の持ち上げ部材24は、設置管33の内部で延在するように構成され得る。換言すれば、持ち上げ部材24は、設置管を通して案内され、次いで、第1の突出部11又は他の接続手段を介して、第1の取付面5に接続されるように構成され得る。従って、設置管33は、部品、即ち、第1の取付面5及び第2の取付面19の相互の傾斜を更に案内するように構成され得る。
【0047】
一実施形態によれば、第1の取付面5は、第2の取付面19と係合するように構成された平坦面14を備える第1の取付フランジ13を備え得る。より具体的には、平坦面14は、少なくともシールされた部分6のエリア内に延在し得る。第1の取付フランジ13は、第2の取付面19と直接的又は間接的に係合するように構成されたフランジ状の部分又は構造を備え得る。第2の取付面19は、推進ユニット2が船体4に取り付けられたときに、取付構造1における平坦面14に接して配置されるべき第2の平坦面14’を備える第2の取付フランジを備え得る。一実施形態によれば、取付構造は、推進ユニット2に接続した状態で設けられるように構成され、船体4が、第2の取付面19を備える。別の実施形態によれば、取付構造は、船体4に接続した状態で設けられるように構成され、推進ユニット2が、第2の取付面19を備える。
【0048】
枢動点10は、本開示で説明されるように、推進ユニット2が船体4に取り付けられたときに、推進ユニット2がそれを中心として、浮体構造物3の船体4に対して傾斜される縁部を指す。一実施形態によれば、枢動点10は、第1の取付面5の縁部8と、シールされた部分6との間に形成され得る。
【0049】
一実施形態によれば、第1の突出部11の曲面15、15の各々は、枢動点10からの曲面15の距離16に依存する曲面の曲率半径を有する。このような実施形態では、面15は、従って、枢動点10からの曲面15の距離に依存する曲面の曲率半径を有することによって、枢動点10と面15との間の距離16に依存する形で、少なくとも第1の取付面に垂直な方向17において形成されている。一実施形態によれば、曲面15、15の各々の曲率半径は、枢動点10からの曲面15、15の距離に実質的に等しい。実質的に等しいとは、曲率半径が距離から公差内にあることを指し、ここで、公差は、製造公差及び嵌合精度を備える。
【0050】
一実施形態によれば、シールされた部分6には、取付構造1を介して船体4に推進ユニット2を取り付けるための、取付部材23のための取付開口部22が設けられ得る。このような実施形態の詳細を図15に示す。取付構造1を介して船体4に推進ユニット2を取り付けることは、取付構造1が、推進ユニット2又は船体4のいずれかに接続した状態で設けられるように構成されており、第1の取付面5が、推進ユニット2が船体4に取り付けられている取付面のうちの1つを形成していることを指す。一実施形態によれば、取付開口部22は、貫通孔及び/又は止まり孔等の孔を備え得る。一実施形態によれば、取付部材23は、ボルト又は他の既知のタイプの取付部材を備え得る。
【0051】
一実施形態によれば、取付構造1は、別個の構造部品として形成されている。このような取付構造1は、ボルト又は溶接によって等の任意の好適な取付方法によって、それぞれ推進ユニット2又は船体4に取り付けられていることによって、推進ユニット2又は船体4に接続した状態で設けられるように構成され得る。別の実施形態によれば、取付構造1は、推進ユニット2又は船体4の一体部分として形成されている。換言すれば、取付構造1はまた、それぞれ推進ユニット2又は船体4の一体部分として形成されていることによって、推進ユニット2又は船体4に接続した状態で設けられるように構成され得る。
【0052】
一実施形態によれば、取付構造1は、推進ユニット2に接続した状態で設けられるように構成されており、第1の取付面5は、推進ユニット2が船体4及び、従って、浮体構造物3に取り付けられるときに、浮体構造物3の船体4に向けられるように構成されている。別の実施形態によれば、取付構造1は、船体4に接続した状態で設けられるように構成されており、第1の取付面5は、推進ユニット2が船体4及び、従って、浮体構造物3に取り付けられるときに、推進ユニット2に向けられるように構成されている。
【0053】
一実施形態によれば、推進ユニット2が、本開示で説明される一実施形態又は実施形態の組合せによる取付構造1を備え得る。代替の実施形態によれば、船体4が、本開示で説明される一実施形態又は実施形態の組合せによる取付構造1を備え得る。
【0054】
図3は、浮体構造物3の船体4に推進ユニット2を取り付けるための取付アレンジメント18を例示する。図3の取付アレンジメント等の取付アレンジメント18は、本開示で説明される一実施形態又は実施形態の組合せによる取付構造1を備え得る。
【0055】
取付アレンジメント18は、第2の取付面19と、船体4に推進ユニット2をシールするために、取付構造1のシールされた部分6に設けられた少なくとも1つのシール21と、を更に備え得る。この場合、第1の取付面5及び第2の取付面19の一方は、浮体構造物3の船体4に接続した状態で設けられるように構成され、第1の取付面5及び第2の取付面19の他方は、推進ユニット2に接続した状態で設けられるように構成され得る。換言すれば、第1の取付面5を備える取付構造1は、推進ユニット2又は船体4のいずれかに接続した状態で設けられるように構成され得、この場合、第2の取付面19は、それぞれ船体4又は推進ユニット2のいずれかに設けられている。より具体的には、取付構造1が、推進ユニット2又は船体4に接続した状態で設けられるように構成されていることは、取付構造の実施形態に関連してより詳細に説明されるように、取付構造が、推進ユニット2又は船体4に取り付けられているか、又は一体部分として形成されているかのいずれかを指す。
【0056】
一実施形態によれば、船体4に接続した状態で設けられた取付面、即ち、第1の取付面5又は第2の取付面19は、重力ベクトル26による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度25をなして配置され得る。
【0057】
第2の取付面19は、重力ベクトル26による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度25をなして配置され得る。換言すれば、第2の取付面19は、例えば、浮体構造物3の長手方向又は横断方向に角度25をなして配置され得る。浮体構造物の長手方向は、海上輸送手段の主移動方向に平行な方向を指し、別のタイプの浮体構造物のケースでは、浮体構造物3がその典型的な使用位置にあるときの浮体構造物の最長水平寸法の方向を指す。同様に、横断方向は、長手方向と重力ベクトル26による加速度の方向との両方に垂直な方向を指す。別の実施形態によれば、第2の取付面19は、重力ベクトル26による加速度の方向に対して、2つの方向(第2の方向は図示せず)に角度25をなして配置され得る。一実施形態によれば、角度25の一方又は両方が、82~89度の範囲にあり得る。更なる実施形態によれば、各角度25が、82~89度の範囲にある。しかしながら、本明細書並びに添付の特許請求の範囲及び図面において説明される、取付構造1、取付アレンジメント18、推進ユニット2、及び方法は、これらの角度に限定されず、角度25の他の値に関連しても同じく有用である。例えば、一実施形態によれば、角度25の一方又は両方が、鋭角を備える。更なる実施形態によれば、角度25の一方又は両方が、89度以下であり得る。更なる実施形態によれば、角度25の一方又は両方が、75~89度の範囲にあり得る。
【0058】
一実施形態によれば、取付構造は、推進ユニット2に接続した状態で設けられるように構成され得、船体4の使用位置において下方の第2の取付面19の側は、取付構造が枢動点10を中心として船体に対して傾斜されるときに、枢動点10に接触するように構成され得る。船体4の使用位置は、水中又は水上での浮体構造物3の典型的な使用中の船体4の典型的な位置を指す。一実施形態によれば、取付構造は、船体に接続した状態で設けられるように構成され得、推進ユニット2の持ち上げ位置において上方の第2の取付面19の側には、第1の突出部11を受容するための第1の円筒空洞12が設けられ得る。ここで、持ち上げ位置は、推進ユニット2が船体4に向かって持ち上げられているが、推進ユニット2と船体4との間に接触がなく、船体4に対する推進ユニット2の傾斜がまだ始まっていないときの推進ユニット2の位置を指す。
【0059】
取付アレンジメント18は、船体4及び/又は推進ユニット2を更に含み得る。この場合、浮体構造物の船体4又は推進ユニット2は、上記の実施形態で説明されたような第2の取付面19を備え得る。
【0060】
一実施形態によれば、少なくとも1つのシール21が、船体4に推進ユニット2をシールするために、取付構造1のシールされた部分6に設けられている。船体4に推進ユニット2をシールする異なる実施形態が、取付構造の実施形態に関連して説明される。
【0061】
一実施形態によれば、第2の取付面19は、各ケースにおいて、第1の突出部11のうちの1つを受容するための少なくとも2つの第1の円筒空洞12を更に備える。別の実施形態によれば、第1の突出部11の各々は、推進ユニット2が枢動点10を中心として船体4に対して傾斜されるときに、第1の突出部が船体に対する推進ユニット2の位置を案内するように、第1の円筒空洞12のうちの1つにおいて受容されるように構成されている。
【0062】
更なる実施形態によれば、第1の突出部11の曲面15の各々は、枢動点10からの曲面15の距離に依存する曲面の曲率半径を有する。各曲率半径は、取付構造の実施形態に関連して説明した曲率半径のうちの1つ又はそれらの組合せと同様であり得る。
【0063】
一実施形態によれば、第1の突出部11はまた、持ち上げ点として使用されるように構成され得、第1の円筒空洞12は、貫通孔として形成され得る。これは、取付構造1が推進ユニット2に接続した状態で設けられるように構成されている実施形態において、特に有用であり得る。これにより、このような実施形態では、持ち上げ部材(複数可)24は、取付構造1が、持ち上げ部材(複数可)24によって、重力ベクトル26による加速度の方向とは反対の方向において、船体4の下から船体4に向かって持ち上げられるときのように、第1の円筒空洞12を通って延在し、第1の突出部11に接続されるように配置され得る。第1の取付面5は、船体4に向かって持ち上げられているときに実質的に水平な位置をとり得る。取付構造1と船体4との間の最初の接触は、枢動点10が設けられた側における最初の接触点27で行われ得る。最初の接触点27は、好ましくは、シールされた部分6の外側に設けられている。最初の接触点27は、点状若しくは線状の形状、又は何らかの他の形状を備え得る。重力ベクトル26による加速度の方向と反対の方向は、重力ベクトルによる加速度の方向と平行であるが、それとは反対の方向、換言すれば、上向き垂直方向を指す。
【0064】
このような実施形態では、持ち上げが最初の接触の後に継続されるとき、第1の突出部11は、各ケースにおいて、枢動点10を中心としてそれぞれの第1の円筒空洞12の内部で傾斜される。これにより、取付構造1は、第1の取付面5及び第2の取付面19が互いに平行な位置に持ってこられ、少なくとも1つのシール21によって互いにシールされるまで、第1の突出部11によって案内され、第2の取付面19に向かって傾斜される。
【0065】
これら図は、推進ユニット2に接続した状態で設けられている取付構造1及び第1の取付面5を示しているが、取付構造1が船体4に接続した状態で設けられるように構成されている実施形態では、船体4に対する推進ユニット2の傾斜は、同様に行われ得るが、第1の円筒空洞12は、推進ユニット2に設けられている。換言すれば、案内構造、即ち、第1の突出部11及び第1の円筒空洞12は、それらの側が入れ替わるが、持ち上げ、傾斜、及び案内の原理は、その他の点では同じままである。
【0066】
一実施形態によれば、浮体構造物3は、本開示で説明される一実施形態若しくは実施形態の組合せによる取付構造1、本開示で説明される推進ユニット2、又は本開示で説明される一実施形態若しくは実施形態の組合せによる取付アレンジメント18、のうちの少なくとも1つを備え得る。
【0067】
図13は、浮体構造物3に推進ユニット2を取り付けるための方法を例示する。このような浮体構造物3では、第2の取付面19が、本開示で説明されるように、浮体構造物3の船体4又は推進ユニット2に設けられ得る。図5図8は、側方から及び部分的に透過的に見た、一実施形態による浮体構造物3に推進ユニット2を取り付ける異なる段階及び位置を例示し、図9図11は、浮体構造物3の船体4に推進ユニット2を取り付けるための取付アレンジメント18の詳細を例示する。図5の参照符号Dは、取付アレンジメント18の部分を指し、その実施形態は、図2及び図4により詳細に示されている。
【0068】
図13の実施形態による方法が、本開示で説明される取付アレンジメント18を設けること132を備え、ここで、浮体構造物3の船体4に設けられた取付面5、19は、重力ベクトル26による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度25をなして設けられている。
【0069】
方法は、第1の突出部11が第1の円筒空洞12に向けられた状態で、第1の取付面5を第2の取付面19に向けて設けること134と、重力ベクトルによる加速度の方向とは反対の方向への上方移動において、推進ユニット2を浮体構造物3の船体4に向かって持ち上げること136と、を更に備える。換言すれば、推進ユニット2は、船体4の下に設けられ、船体4に向かって上方に持ち上げられる。従って、本開示で説明される一実施形態又は実施形態の組合せによる取付構造1の第1の取付面5は、取付構造1が、船体4に接続した状態で設けられているか、又は推進ユニット2に接続した状態で設けられているかに応じて、第1の円筒空洞12が設けられた推進ユニット2又は船体4に向けられる。
【0070】
上方移動は、推進ユニット2と船体4との間の最初の接触が、枢動点10が設けられた取付構造1の側において行われるように実行される。換言すれば、取付構造1が推進ユニット2に接続した状態で設けられている場合、推進ユニット2と船体4との間の最初の接触は、枢動点10の側において、第1の取付面5と船体4の底面との間で行われる。同様に、取付構造1が船体4に接続した状態で設けられている場合、推進ユニット2と船体4との間の最初の接触は、枢動点10の側において、第1の取付面5と推進ユニット2の上面との間で行われる。
【0071】
本方法は、最初の接触が行われた後に推進ユニット2を更に持ち上げるときに、第1の取付面5及び第2の取付面19が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、1つ又は複数の第1の突出部の曲面15がそれぞれの第1の円筒空洞12との面接触を維持するように、第1の突出部11が、各ケースにおいて、それぞれの第1の円筒空洞12内で傾斜することによって、推進ユニット2の位置及び移動を案内及び位置合わせすること138を更に備える。換言すれば、第1の突出部(複数可)11及び第1の円筒空洞は、推進ユニット2が船体4に対して枢動点10を中心として同時に傾斜しているときに、推進ユニット2及び船体4を互いに対して意図された位置に案内する案内構造として機能する。
【0072】
一実施形態によれば、第1の取付面5は、少なくとも2つの第1の突出部11を備え得、第2の取付面19は、各ケースにおいて、第1の突出部11のうちの1つを受容するための少なくとも2つの第1の円筒空洞12を備え得る。この場合、第1の突出部11の各々は、推進ユニットが枢動点10を中心として船体に対して傾斜されるときに、第1の突出部が船体に対する推進ユニットの位置を案内するように、第1の円筒空洞12のうちの1つにおいて受容されるように構成され得る。より具体的には、第1の取付面5及び第2の取付面19が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、各第1の突出部11の曲面15がそれぞれの第1の円筒空洞12との面接触を維持するように、第1の突出部11は、各ケースにおいて、それぞれの第1の円筒空洞12内で傾斜される。従って、このような実施形態では、第1の突出部(複数可)11及び第1の円筒空洞12は、推進ユニット2が船体4に向かって持ち上げられるときに、船体4に対して推進ユニット2を案内する案内構造として機能する。
【0073】
一実施形態によれば、第1の突出部11の曲面15、15の各々は、枢動点10からの曲面15、15の距離に依存する曲面の曲率半径を有する。これは、それぞれの突出部と空洞との間の面接触を改善し、従って、推進ユニット2が、船体4に向かって持ち上げられ、船体4に対して傾斜されるときに、推進ユニット2と船体4との間の相互位置の案内を改善する。一実施形態によれば、このような曲率半径は、取付構造の実施形態に関連して説明した曲率半径と同様であり得る。
【0074】
一実施形態によれば、第1の取付面5は、推進ユニット2に接続した状態で配置され得、第2の取付面19は、船体4に接続した状態で配置され得る。このような実施形態では、第1の突出部11はまた、持ち上げ点として使用されるように構成され得る。この場合、第1の円筒空洞12は、貫通孔として形成され得る。これにより、方法は、第1の円筒空洞12を通って延在するように、1つ又は複数の持ち上げ部材24を配置するステップと、第1の突出部11に1つ又は複数の持ち上げ部材24を接続するステップと、最初の接触の後に持ち上げが継続され、第1の突出部11が第2の空洞12において受容されるときに、第1の突出部11が、各ケースにおいて、枢動点10を中心としてそれぞれの第1の円筒空洞12の内部で傾斜することによって、取付構造1の位置及び移動を案内するステップと、を更に備え得る。この案内することは、第1の取付面5及び第2の取付面19が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、各第1の突出部の曲面15がそれぞれの第1の円筒空洞12との面接触を維持するように実行され得る。
【0075】
一実施形態によれば、本開示で説明される一実施形態又は実施形態の組合せによる方法において、船体4は、船体4への推進ユニット2の取り付け中、水中に設けられ、船体4に推進ユニット2を取り付けることは、水中で行われる。
【0076】
一実施形態によれば、第2の取付面19には、第1の取付面5における取付開口部22に対応する取付開口部22’が設けられている。これにより、第1の取付面5及び第2の取付面19が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられたときに、推進ユニット2は、取付開口部22、22’を通して、ボルト等の取付部材23を設け、取付部材23をそれらの位置に締結することによって、浮体構造物3の船体4に取り付けられ得る。このような実施形態の詳細を図15に示す。
【0077】
一実施形態によれば、第1の取付面5の取付開口部22は、シールされた部分6に設けられ得る。一実施形態によれば、図11及び図12の実施形態でのように、第1の取付面5には、少なくとも2つのシーリング溝20、20’及び/又はシール21が設けられ得、取付開口部22は、2つの隣接するシーリング溝20、20’及び/又はシール21の間に設けられ得る。シールされた部分6内に、換言すれば、外側シーリング溝20及び/又は最も外側のシール21から内側に取付開口部22を設けることは、シールされた空間内部での取付部材23によって、船体4に推進ユニット2を取り付けることを可能にする。これは、その一方で、浮体構造物3の内部から取付部材23を取り付けることを可能にする。このような実施形態の例の詳細を図15に示す。図15の実施形態では、第2の取付面19の取付開口部22’は、通常の貫通孔であり得、第1の取付面5の取付開口部22は、少なくとも第2の取付面19とは反対側の端部においてねじ切りされ得、同様に、取付開口部22、22’を通して設けられた取付部材23には、少なくとも第1の取付面5に向けられた端部において、対応するねじ切りが設けられ得、これは、浮体構造物3の内部からの取付部材23の取り付けに更に寄与する。図15の実施形態では、取付部材23は、各取付開口部22に接続した状態で、だぼ、座金、スリーブ、及びナットを備え得る。
【0078】
一実施形態によれば、第1の突出部11及び円筒空洞12は、それぞれ第1の取付面5及び第2の取付面19上に位置付けられており、各第1の突出部11の面15は、取付構造1及び、従って、第1の突出部11が枢動点10を中心として円筒空洞12に対して傾斜されるときに、円筒空洞12及び第1の突出部11の相互の傾斜移動を案内し、並びに/又は、第1の取付面5と第2の取付面19とを位置合わせするように形成されている。より具体的には、第1の突出部11及び円筒空洞12は、説明されたように、第1の取付面5における取付開口部22のうちの少なくともいくつかを、第2の取付面19における取付開口部22’のうちの少なくともいくつかと位置合わせするように構成され得る。
【0079】
一実施形態によれば、推進ユニット2及び船体4は、少なくとも1つのシール21によって、互いに更にシールされる。一実施形態によれば、シール21は、取付構造1、推進ユニット2、又は船体4に設けられた、外側シーリング溝20又は更なるシーリング溝20’等の少なくとも1つのシーリング溝に設けられ得る。より具体的には、少なくとも1つのシーリング溝20、20’は、第1の取付面5上又は第2の取付面19上に設けられ得る。好ましくは、少なくとも1つのシール21は、推進ユニット2側に、換言すれば、推進ユニット2の上面上に、又は推進ユニット2に接続した状態で設けられた取付構造1の第1の取付面5上に設けられている。
【0080】
上記で説明された実施形態の利点は、シール21と船体4に設けられた取付面5、19との間の最初の接触が、第1の取付面5及び第2の取付面19が最終的な相互に平行な位置に持ってこられる前のまさに最終点で行われるように構成され得ることである。これにより、第1の取付面5又は第2の取付面19のいずれも、推進ユニット2の持ち上げ及び取り付け中に、シールに食い込むことはない。これは、取り付け中にシール21を損傷するリスクを最小限にする。
【0081】
[参照番号]
1 取付構造
2 推進ユニット
3 浮体構造物
4 船体
5 第1の取付面
6 シールされた部分
8 第1の取付面の縁部
10 枢動点
11 第1の突出部
12 第1の円筒空

13 第1の取付フランジ
14 平坦面
15 第1の突出部の面
16 枢動点と面15との間の距離
17 第1の取付面に垂直な方向
18 取付アレンジメント
19 第2の取付面
20 外側シーリング溝
20’ 更なるシーリング溝
21 シール
22、22’ 取付開口部
23 取付部材
24 持ち上げ部材
25 第2の取付面と重力ベクトルによる加速度の方向との間の角度
26 重力ベクトルによる加速度
27 最初の接触点
28 旋回軸受
29 延出部分
31 喫水線
32 案内要素
33 設置管
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 浮体構造物(3)の船体(4)に推進ユニット(2)を取り付けるための取付構造(1)であって、
前記取付構造(1)は、第1の取付面(5)と、前記船体(4)に前記推進ユニット(2)をシールするための前記第1の取付面上に設けられたシールされた部分(6)と、を備える取付構造(1)において、
前記第1の取付面(5)には、
前記第1の取付面の縁部(8)において又は縁部(8)に近接して、且つ前記シールされた部分(6)の外側に設けられた枢動点(10)と、
前記第1の取付面(5)上で互いに離間した少なくとも2つの第1の突出部(11)と、が更に設けられており、
前記第1の突出部(11)の各々が、少なくとも前記枢動点(10)から離れる方に面した前記第1の突出部(11)の側にある面(15)を備え、
この面(15)は、
前記取付構造(1)が、そして、従って、前記第1の突出部(11)が前記枢動点(10)を中心として円筒空洞に対して傾斜されるときに、
相手側部品において形成された前記円筒空洞内に設けられた前記第1の突出部(11)が、前記円筒空洞及び前記第1の突出部(11)の相互の傾斜移動を案内するべく構成されるように、
前記枢動点(10)と前記面(15)との間の距離(16)に依存する形で、少なくとも前記第1の取付面に垂直な方向(17)に形成されていることを特徴とする、取付構造(1)。
[2] 前記面(15)は、曲面(15)を備え、
前記曲面(15)は、
前記取付構造が、そして、従って、前記第1の突出部が前記枢動点(10)を中心として前記円筒空洞に対して傾斜されるときに、
前記相手側部品において形成された前記円筒空洞内に設けられた前記第1の突出部(11)が、前記円筒空洞との接触を維持するべく構成されるように、
少なくとも前記第1の取付面に対し垂直な方向(17)に湾曲している、[1]に記載の取付構造(1)。
[3] 前記第1の取付面(5)には、少なくとも3つの第1の突出部(11)が設けられている、[1]又は[2]に記載の取付構造(1)。
[4] 前記第1の突出部(11)の曲面(15)の各々は、前記枢動点(10)から前記曲面(15)までの距離に依存する前記曲面の曲率半径を有する、[2]又は[3]に記載の取付構造(1)。
[5] 前記取付構造は、シール(21)を受容するための外側シーリング溝(20)を備え、前記外側シーリング溝(20)は、閉じた形状を有し、エリアを画定しており、前記シールされた部分(6)は、前記第1の取付面(5)上で前記外側シーリング溝(20)から内側に延在し、前記枢動点(10)は、前記第1の取付面の縁部(8)において又は縁部(8)に近接して、且つ前記シールされた部分(6)の外側に設けられている、[1]~[4]のいずれか一項に記載の取付構造(1)。
[6] 前記取付構造は、船体(4)の一体部分として、前記推進ユニット(2)の一体部分として、又は別個の構造部品として形成されている、[1]~[5]のいずれか一項に記載の取付構造(1)。
[7] 前記第1の突出部(11)は、また、持ち上げ点として使用されるように構成されている、[1]~[6]のいずれか一項に記載の取付構造(1)。
[8] 推進ユニット(2)であって、[1]~[7]のいずれか一項に記載の取付構造(1)を備えることを特徴とする推進ユニット(2)。
[9] 浮体構造物(3)の船体(4)に推進ユニット(2)を取り付けるための取付アレンジメント(18)であって、前記取付アレンジメント(18)が、
[1]~[7]のいずれか一項に記載の取付構造(1)と、
第2の取付面(19)と、
前記船体(4)に前記推進ユニット(2)をシールするために、前記取付構造(1)の前記シールされた部分(6)に設けられた少なくとも1つのシール(21)と、を備え、
前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)の一方が、前記浮体構造物(3)の前記船体(4)に接続した状態で配置されるように構成されており、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)の他方が、前記推進ユニット(2)に接続した状態で配置されるように構成されていることを特徴とする、取付アレンジメント(18)。
[10] 前記船体(4)に接続した状態で配置された前記取付面(5、19)は、重力ベクトル(26)による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度(25)をなして配置されている、[9]に記載の取付アレンジメント(18)。
[11] 前記第2の取付面(19)は、各ケースにおいて、前記第1の突出部(11)のうちの1つを受容するための少なくとも2つの第1の円筒空洞(12)を更に備える、[9]又は[10]に記載の取付アレンジメント(18)。
[12] 前記第1の突出部(11)の各々は、前記推進ユニット(2)が前記枢動点(10)を中心として前記船体に対して傾斜されるときに、前記第1の突出部が前記船体(4)に対する前記推進ユニット(2)の位置を案内するように、前記第1の円筒空洞(12)のうちの1つにおいて受容されるように構成されている、[11]に記載の取付アレンジメント(18)。
[13] 前記第1の取付面(5)は、前記推進ユニット(2)に接続した状態で設けられており、前記第2の取付面(19)は、前記船体(4)に接続した状態で設けられている、[9]~[12]のいずれか一項に記載の取付アレンジメント(18)。
[14] 前記船体(4)の使用位置において下方の前記第2の取付面(19)の側は、前記取付構造が前記枢動点(10)を中心として前記船体に対して傾斜されるときに、前記枢動点(10)に接触するように構成されている、[13]に記載の取付アレンジメント(18)。
[15] 前記第1の突出部(11)は、また、持ち上げ点として使用されるように構成されており、前記第1の円筒空洞(12)は、貫通孔として形成されており、
これによって、1つ又は複数の持ち上げ部材(24)は、
前記取付構造(1)が、前記1つ又は複数の持ち上げ部材(24)によって、前記重力ベクトル(26)による加速度の方向とは反対の方向において、前記船体(4)の下から前記船体(4)に向かって持ち上げられる際、前記第1の取付面(5)が、前記船体(4)に向かって持ち上げられているときに実質的に水平な位置をとり、
前記取付構造(1)と前記船体(4)との間の最初の接触が、前記枢動点(10)が設けられた前記側における最初の接触点(27)で行われ、
前記持ち上げが前記最初の接触の後に継続されるとき、前記第1の突出部(11)が、各ケースにおいて、前記枢動点(10)を中心としてそれぞれの第1の円筒空洞(12)の内部で傾斜され、これによって、前記取付構造(1)は、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)が互いに平行な位置に持ってこられ、前記少なくとも1つのシール(21)によって互いにシールされるまで、前記第1の突出部(11)によって案内され、前記第2の取付面(19)に向かって傾斜されるように、
前記第1の円筒空洞(12)を通って延在し、前記第1の突出部(11)に接続されるように配置され得る、[13]又は[14]に記載の取付アレンジメント(18)。
[16] 各持ち上げ部材(24)には、前記推進ユニット(2)を前記最初の接触が行われ得る位置に案内するために、前記船体(4)に向かっての前記推進ユニット(2)の前記持ち上げ及び傾斜中に、各ケースにおいて、前記第1の円筒空洞(12)のうちの1つの中で移動するように構成された案内部材(32)が設けられている、[15]に記載の取付アレンジメント(18)。
[17] 浮体構造物(3)であって、[1]~[7]のうちのいずれか一項に記載の取付構造、[8]に記載の推進ユニット、又は[9]~[16]のうちのいずれか一項に記載の取付アレンジメント、のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする浮体構造物(3)。
[18] 浮体構造物に推進ユニットを取り付けるための方法であって、
[9]~[16]のいずれか一項に記載の取付アレンジメント(18)を設けるステップ(132)と、ここで、前記浮体構造物(3)の船体(4)に設けられた取付面(5、19)が、重力ベクトル(26)による加速度の方向に対して、少なくとも1つの方向に角度(25)をなして設けられており、
前記第1の突出部(11)が前記第1の円筒空洞(12)に向けられた状態で、前記第1の取付面(5)を前記第2の取付面(19)に向けて設けるステップ(134)と、
前記推進ユニット(2)と前記船体(4)との間の最初の接触が、前記枢動点(10)が設けられた前記取付構造(1)の前記側において行われるように、前記重力ベクトルによる加速度の方向とは反対の方向への上方移動において、前記推進ユニット(2)を前記浮体構造物(3)の前記船体(4)に向かって持ち上げるステップ(136)と、
前記最初の接触が行われた後に前記推進ユニット(2)を更に持ち上げるときに、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、前記第1の突出部(複数可)の前記面(15)がそれぞれの第1の円筒空洞(12)との面接触を維持するように、前記第1の突出部(11)が、各ケースにおいて、前記それぞれの第1の円筒空洞(12)内で傾斜することによって、前記推進ユニット(2)の位置及び移動を案内及び位置合わせするステップ(138)と、
を備える方法。
[19] 前記第1の取付面(5)は、前記推進ユニット(2)に接続した状態で配置されており、前記第2の取付面(19)は、前記船体(4)に接続した状態で配置されており、
前記第1の突出部(11)は、また、持ち上げ点として使用されるように構成されており、前記第1の円筒空洞(12)は、貫通孔として形成されており、
前記方法は、
前記第1の円筒空洞(12)を通って延在するように、持ち上げ部材(複数可)を配置するステップと、
前記第1の突出部(11)に前記持ち上げ部材(複数可)(24)を接続するステップと、
前記最初の接触の後に前記持ち上げが継続され、前記第1の突出部(11)が前記第1の空洞(12)において受容されるときに、前記第1の取付面(5)及び前記第2の取付面(19)が互いに対して実質的に平行な位置に持ってこられるまで、各第1の突出部の前記面(15)がそれぞれの第1の円筒空洞(12)との接触を維持するように、前記第1の突出部(11)が、各ケースにおいて、前記枢動点(10)を中心として前記それぞれの第1の円筒空洞(12)の内部で傾斜することによって、前記取付構造(1)の位置及び移動を案内するステップと、
を更に備える、[18]に記載の方法。
[20] 前記船体(4)は、前記船体(4)への前記推進ユニット(2)の取り付け中、水中に設けられ、前記方法は、前記水中で前記船体(4)に前記推進ユニット(2)を取り付けることを備える、[18]又は[19]に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15