(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】膜材縁部の固定用具
(51)【国際特許分類】
E04H 15/64 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
E04H15/64
(21)【出願番号】P 2020072383
(22)【出願日】2020-04-14
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000204192
【氏名又は名称】太陽工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】宮野 学
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-096880(JP,A)
【文献】国際公開第2010/087557(WO,A1)
【文献】特開2014-006483(JP,A)
【文献】特開2000-073625(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1872021(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材を取り付けた膜材の縁部を掛止する前記膜材の縁部の長さ方向に開設された前記芯材を取り付けた膜材のガイド孔、および、膜材固定用の基礎体に固定された引込具と連結されて、前記ガイド孔に膜材の縁部を掛止した状態で、膜材を引込むことにより、膜材に張力を与えながら膜材縁部を基礎体に固定する連結手段を備えた膜材縁部の固定用具であって、
嵌合することで
前記芯材を取り付けた膜材の全縁部を設置可能な長さを有するガイド孔と連結手段が形成される嵌合可能な2つの固定用部材からなり、
各固定用部材はガイド孔を形成する部位の前記基礎体側に、互いに嵌合する鉤部を有する突起部を備えており、
一方の
第1の固定用部材のガイド孔になる部位に、前記芯材を取り付けた膜材の全縁部を設置した
状態で、前記一方の固定用部材の前記突起部と前記芯材を取り付けた膜材の縁部との間に、もう一方の
第2の固定用部材の
前記突起部を
前記膜材に垂直な方向から挿入可能な大きさの開口部を形成することができ
るように、2つの固定用部材の前記突起部が設けられており、
前記膜材
に張力が加わると、
開口部に前記突起部を挿入された状態の2つの固定用部材が前記膜材の面内方向に沿って相対移動し、前記突起部
の前記鉤部が噛み合うことにより、2つの固定用部材は一体化し
、噛み合った前記鉤部が、前記膜材に対して垂直方向への各固定用部材の可動を阻害する固定用具。
【請求項2】
連結手段は、前記膜材の縁部の長さ方向にわたって開設され、開口した連結孔である請求項
1に記載の固定用具。
【請求項3】
引込具がボルトであって、ボルトの頭部と連結手段が掛止する請求項1
または2に記載の固定用具。
【請求項4】
前記膜材の縁部の長さが0.4m以上であ
り、前記ガイド孔が、前記膜材の全縁部を設置可能な長さを備えている請求項1~
3のいずれか1項に記載の固定用具。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の固定用具を用いて、膜材縁部を固定する固定方法であって、
前記固定用具をなす2つの固定用部材のうちの
前記第1の固定用部材のガイド孔になる部位に、芯材を取り付けた膜材の縁部を設置する工程、
もう一方の
前記第2の固定用部材を、芯材を取り付けた膜材の縁部を覆うように第1の固定用部材と嵌合させる工程、および、
連結手段に引込具を設置し、膜材縁部を基礎体に固定する工程
を含む膜材縁部の固定方法。
【請求項6】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の固定用具を用いて、膜材縁部を固定する固定方法であって、
前記固定用具をなす2つの固定用部材のうちの
前記第1の固定用部材のガイド孔になる部位に、芯材を取り付けた膜材の縁部を挿入する工程、
前記第1の固定用部材の連結手段になる部位に、引込具を設置する工程、および、
もう一方の
前記第2の固定用部材を、芯材を取り付けた膜材の縁部と引込具を覆うように第1の固定用部材と嵌合させ、膜材縁部を基礎体に固定する工程
を含む膜材縁部の固定方法。
【請求項7】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の固定用具、芯材を取り付けた膜材、引込具、および、基礎体からなる膜材固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜材縁部を膜材固定用の基礎体に固定する固定用具およびそれを用いた膜材縁部の固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自由度の高さなどに起因して、膜材を建材として利用することが広まっている。膜材を建材として利用するにあたっての大きな問題は、膜材を固定する柱材や梁材である基礎体への膜材の固定方法である。
【0003】
例えば、特許文献1には、芯材を取り付けた膜材の縁部を掛止する前面のガイド孔、および、膜材固定用の基礎体に固定し、膜材を掛止した状態で背面から、引込具と連結して引込むことにより、張力を与えながら膜材縁部を基礎体に固定する背面の連結手段を有する一体型の固定用具が開示されている。しかしながら、芯材を取り付けた膜材の縁部を、ガイド孔の端部から挿入する必要があるため、膜材が非常に長い場合には、作業効率が極めて悪くなるという問題がある。
【0004】
一方で、このような問題が無いように、固定用具を2つの部位に分割し、第1の固定用部材のガイド孔になる部位に芯材を取り付けた後に、もう一方の第2の固定用部材を、芯材を取り付けた膜材縁部を覆うように設置し、2つの固定用部材をボルトなどで固定する方法も考えられる。しかしながら、作業効率は改善されるものの、2つの固定用部材を固定するための工程が新たに必要になり、全体としては大幅な作業効率の改善には至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、建材としての使用に十分な固定強度を確保し、簡便に施工でき、完成後の固定部分の美観にも優れた膜材縁部の固定用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、膜材縁部の固定用具の構造について様々な検討を進めたところ、嵌合することでガイド孔と連結手段が形成される嵌合可能な2つの固定用部材からなり、各固定用部材はガイド孔を形成する部位の下部にそれぞれ突起部を有し、突起部同士が作用し、膜材に対して垂直方向への可動を阻害するようにすれば、両固定用部材をボルト等で物理的に固定しなくても、膜材を固定できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、芯材を取り付けた膜材の縁部を掛止する長さ方向に開設された前面のガイド孔、および、膜材固定用の基礎体に固定し、膜材を掛止した状態で、引込具と連結して引込むことにより、張力を与えながら膜材縁部を基礎体に固定する背面の連結手段を備えた膜材縁部の固定用具であって、嵌合することでガイド孔と連結手段が形成される嵌合可能な2つの固定用部材からなり、各固定用部材はガイド孔を形成する部位の下部にそれぞれ突起部を有し、突起部同士が作用し、膜材に対して垂直方向への可動を阻害する固定用具に関する。
【0009】
連結手段は、長さ方向にわたって開設され、背面側が開口した連結孔であることが好ましい。
【0010】
引込具がボルトであって、ボルトの頭部と連結手段が掛止することが好ましい。
【0011】
長さが0.4m以上であることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記固定用具をなす2つの固定用部材のうちの第1の固定用部材のガイド孔になる部位に、芯材を取り付けた膜材の縁部を設置する工程、もう一方の第2の固定用部材を、芯材を取り付けた膜材の縁部を覆うように第1の固定用部材と嵌合させる工程、および、連結手段に引込具を設置し、膜材縁部を基礎体に固定する工程を含む膜材縁部の固定方法に関する。
【0013】
また、本発明は、前記固定用具をなす2つの固定用部材のうちの第1の固定用部材のガイド孔になる部位に、芯材を取り付けた膜材の縁部を挿入する工程、第1の固定用部材の連結手段になる部位に、引込具を設置する工程、および、もう一方の第2の固定用部材を、芯材を取り付けた膜材の縁部と引込具を覆うように第1の固定用部材と嵌合させ、膜材縁部を基礎体に固定する工程を含む膜材縁部の固定方法に関する。
【0014】
また、本発明は、前記固定用具をなす2つの固定用部材を嵌合する工程、突起部を支点にし、接合部の両外側に外力を印加してガイド孔を広げ、ガイド孔に芯材を取り付けた膜材の縁部を挿入する工程、突起部を支点に、広がったガイド孔の両外側に外力を印加して狭くする工程、および、連結手段に引込具を設置し、膜材縁部を基礎体に固定する工程を含む膜材縁部の固定方法に関する。
【0015】
さらに、本発明は、前記固定用具、芯材を取り付けた膜材、引込具、および、基礎体からなる膜材に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の膜材縁部の固定用具を使用すると、建材としての使用に十分な固定強度を確保し、より簡便に施工でき、完成後の固定部分の美観にも優れた膜材縁部の固定構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態における膜材縁部の固定用具の斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態における膜材縁部の固定用具を用いて、膜材縁部を固定する方法の手順を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態における膜材縁部の固定用具を用いて、膜材縁部を固定する方法の手順を示す図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態における膜材縁部の固定用具の斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態における膜材縁部の固定用具を用いて、膜材縁部を固定する方法の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して、本発明の膜材縁部の固定用具の2つの実施形態を説明する。
【0019】
第1実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態における固定用具Aの斜視図である。固定用具Aは、2つの固定用部材1a、1bから構成され、互いに嵌合される。2つの固定用部材が嵌合された状態で、前面にガイド孔2、背面に連結手段7が形成される。ガイド孔2は、長さ方向に開口部が形成され、開口部を利用して、芯材6が縫込みや接着剤によって取り付けられた膜材3の縁部を掛止めする。連結手段7には、基礎体に固定された引込具5が配置される。ここで、膜材とは、テント等の自由度の高い柔軟な膜状のものをいい、たとえば、布、ポリ塩化ビニル(PVC)系膜材、フッ素ポリマー系膜材、ポリエチレン(PE)系膜材等が挙げられる。膜材は、シート状だけでなく、メッシュ状のものも使用できる。
【0020】
固定用具の膜材の幅方向の長さは、特に限定されないが、0.4m以上が好ましく、0.7m以上がより好ましく、3m以上がさらに好ましい。0.4m以上であれば、引込具を端部から挿入する場合と比較して、作業効率が大きく向上する。
【0021】
各固定用部材には、ガイド孔を形成する部位の下部にそれぞれ突起部8を有する。それぞれの突起部の突起方向は逆方向であるが、その形状は略同一であることが好ましい。突起部8の断面形状としては、長方形、正方形、三角形、丸形などが挙げられる。本実施形態では、一方の第1の固定用部材1aに膜材を設置した後に、もう一方の第2の固定用部材1bを、芯材を取り付けた膜材の縁部を覆うように第1の固定用部材1aと嵌合させる。張力を与えながら膜材縁部を固定すると、膜材に対して垂直方向に外力が作用し、ガイド孔2を形成する固定用部材同士が離れてしまうが、突起部同士が互いの固定用部材の膜材に垂直方向の可動を阻害するため、2つの固定用部材が物理的に固定されていないにも関わらず、固定用具の形態を保持し、膜材を固定することが可能となる。
【0022】
第1および第2の固定用部材の材料は特に限定されず、金属、プラスチックなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、鉄等が挙げられる。アルミニウムの場合には、押出型材として作製することができる。
【0023】
芯材6の材料は特に限定されず、ロープ、金属ワイヤなどが挙げられる。また、固定用具の材料は特に限定されず、アルミニウム、プラスチックなどが挙げられる。
【0024】
連結手段7は、長さ方向にわたって開設され、背面側が開口した連結孔であることが好ましい。開口部を利用して、引込具を挿入する。
【0025】
引込具5は、接続手段に連結でき、基礎体に固定できるものであれば特に限定されない。たとえば、ボルト、ワイヤ、チェーン等が挙げられる。これらの引込具の接続手段に設置される頭部の形状は、六角形、円形、長方形、楕円形、ひし形などが挙げられる。ボルトでは、ボルトの頭部と連結手段7が掛止できるような頭部サイズのボルトが好ましい。
図6(a)には頭部が六角形のボルトの斜視図を、
図6(b)には、頭部が長方形のボルトの斜視図を示す。ワイヤやチェーンでは、その先端部に、固定用具の連結手段に連結できるような治具を設ける。治具の形状はボルトの頭部と同様に、六角形、円形、長方形、楕円形、ひし形などが挙げられる。ボルトの頭部や、ワイヤやチェーンの先端部に設けた治具が、接続手段7の膜材3に対する垂直方向の幅が狭くなることを阻害するため、ガイド孔2が広がって芯材が外れることを防止する。
【0026】
基礎体4とは、建物の基礎の土台部分をいい、たとえば柱材、梁材、コンクリートなどが挙げられる。基礎体4としては、板状、帯状などが挙げられる。
図1では、板状の形態のものを示すが、この態様では、基礎体の中央部に穴を設け、ボルトで固定する。
【0027】
図2には、本発明の第1の実施形態における固定用具Aを使用した膜材縁部の固定方法を示す。最初に、(a)に示すように、本発明の固定用具Aをなす2つの固定用部材のうちの第1の固定用部材1aのガイド孔になる部位に、芯材を取り付けた膜材3の縁部を設置する。次に、もう一方の第2の固定用部材1bの突起部を含む部位を、第1の固定用部材1aの突起を有する部位と膜材縁部との間に、膜材に垂直な方向に挿入する。(b)に示すように、膜材の張力が加わると、2つの固定用部材は嵌合し、一体化し、突起部同士が作用して、各固定用部材が膜材に対して垂直方向へ可動することを阻害する。嵌合した状態を(c)に示す。
【0028】
(d)に示すように、嵌合により形成された連結手段7に、膜材固定用の基礎体4に固定した引込具5と連結して引込み、固定する。本実施形態では、連結手段7を形成した後に、引込具5を設置する。この場合、連結手段7に設置される引込具5の頭部が、頭部中心部から円対称であると、連結手段7に端部から挿入する必要があるため、引込具5の頭部は円対称でない長方形等の引込具が好ましい。頭部が長方形の引込具では、頭部の長さ方向と、開口部の長さ方向を平行にして、引込具を接続手段に挿入し、その後、90度回転されて、引込具を設置する。この態様では、引込具の頭部と、連結手段の間に隙間が無く、多少の張力のバラツキがあっても、寸法通りの状態になる。一方、引込具の頭部と、連結手段の間に隙間を設け、多少の張力のバラツキを吸収することもできる。
【0029】
図3には、本発明の第1の実施形態における固定用具Bを使用した膜材縁部の固定方法の手順を示す。最初に、(a)に示すように、本発明の固定用具Bをなす2つの固定用部材のうちの第1の固定用部材1aのガイド孔になる部位に、芯材を取り付けた膜材の縁部を、連結手段7になる部位に、引込具5を設置する。この態様では、最初の段階で、引込具5を設置するため、引込具の頭部の形状は特に限定されない。次に、もう一方の第2の固定用部材1bの突起部を含む部位を、第1の固定用部材1aの突起を有する部位と膜材縁部との間に、膜材に垂直な方向に挿入する。(b)に示すように、膜材の張力が加わると、2つの固定用部材は嵌合して一体化し、突起部8同士が作用して、各固定用部材が膜材に対して垂直方向へ可動することを阻害する。嵌合した状態を(c)に示す。この態様では、引込具5の頭部と、連結手段7の間に隙間を設ける必要がある。
【0030】
本実施形態では、第1の固定用部材に、膜材3の縁部と引込具5を設置するため、引込具の頭部の形状は特に限定されない。
【0031】
第2実施形態
図4は、本発明の第2の実施形態における固定用具Cの斜視図である。固定用具Cは、2つの固定用部材1a、1bから構成され、互いに嵌合される。2つの固定用部材が嵌合された状態では、前面にガイド孔2、背面に連結手段7が形成される。ガイド孔2には、芯材6が縫込みや接着剤によって取り付けられた膜材3の縁部が配置される。連結手段7には、基礎体4に固定された引込具5が配置される。
【0032】
各固定用部材には、ガイド孔2を形成する部位の下部にそれぞれ突起部8を有する。本実施形態では、突起部8の突起方向は逆方向であるが、その形状は略同一であることが好ましい。一方、突起部8を保持する部位は、第1の固定用部材では、膜材に対して平行であり、先端部が鋭角になっており、もう一方の第2の固定用部材では、膜材3に対して下方向に鋭角に伸びていることが好ましい。このような形状にすることで、両固定用部材を嵌合してガイド孔2を広げ、膜材縁部を設置した後に、ガイド孔2を閉じることにより、ガイド孔2と連結手段7を形成することができる。張力を与えながら膜材縁部を固定すると、膜材3に対して垂直方向に外力が作用し、ガイド孔2を形成する固定用部材同士が離れてしまうが、突起部8同士が互いの固定用部材の可動を阻害するため、2つの固定用部材が物理的に固定されていないにも関わらず、固定用具の形態を保持し、膜材3を固定することが可能となる。
【0033】
第1および第2の固定用部材、膜材、芯材の材料、連結手段、引込具は、本発明の第1実施形態における固定用具Aで説明した通りである。
【0034】
図5には、本発明の第2の実施形態における固定用具Cを使用した膜材縁部の固定方法を示す。最初に、(a)に示すように、本発明の固定用具Cをなす2つの固定用部材を嵌合させ、連結手段7の両外側に外力を印加して、突起部8を支点にガイド孔2を広げる。広げられたガイド孔2に、芯材6を取り付けた膜材3の縁部を挿入する。次に、(b)に示すように、広がったガイド孔2の両外側に外力を印加して、突起部8を支点にガイド孔2を狭くする。
【0035】
(c)に示すように、嵌合により形成された連結手段7に、膜材固定用の基礎体4に固定した引込具5と連結して引込み、固定する。本実施形態では、連結手段7を形成した後に、引込具5を設置する。この場合、連結手段7に設置される引込具5の頭部が、頭部中心部から円対称である場合には、端部から引込具を挿入し、膜材縁部を基礎体に固定する。引込具の頭部は円対称でない長方形等である場合、途中から連結手段に引込具を設置し、膜材縁部を基礎体に固定する。
【0036】
本発明の固定用具は、様々な用途に適用できる。たとえば、テント倉庫、天井膜、内装膜、保冷・保温倉庫、膜構造建築物、土木遮水シート構造物等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の膜材縁部の固定用具は、建材としての使用に十分な固定強度を確保し、簡便に施工でき、完成後の固定部分の美観にも優れているため、様々な膜材に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
A、B、C 固定用具
1a 第1の固定用部材
1b 第2の固定用部材
2 ガイド孔
3 膜材
4 基礎体
5 引込具
6 芯材
7 連結手段
8 突起部