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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20241009BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
F25D23/00 301P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020083745
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021179265
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健朗
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-264659(JP,A)
【文献】特開2011-058662(JP,A)
【文献】特開2016-205637(JP,A)
【文献】特開2020-021296(JP,A)
【文献】特開2002-071259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する扉と、
前記冷蔵庫本体の貯蔵室内に設けられている操作ボタンと、
制御部と、を備えており、
前記操作ボタンは、前記貯蔵室内において貯蔵物を配置可能な棚よりも上方の領域に向いており、
前記制御部は、前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが押された場合は、前記操作ボタンに応じた制御を実行可能であり、前記扉が閉じられている場合に前記操作ボタンが押された場合は、前記操作ボタンに応じた前記制御を禁止する、冷蔵庫。
【請求項2】
冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する扉と、
前記冷蔵庫本体の貯蔵室内に設けられている操作ボタンと、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
前記扉が閉じられている場合に前記操作ボタンが押された場合は、前記操作ボタンに応じた制御を禁止し、
前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが所定の第1の時間未満の時間にわたって押された場合は、前記操作ボタンが押された時間に応じた所定の第1の制御を実行し、
前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが前記第1の時間以上かつ前記第1の時間よりも長い所定の第2の時間未満の時間にわたって押された場合は、前記操作ボタンが押された時間に応じた所定の第2の制御を実行し、
前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが前記第2の時間以上にわたって押された場合は、前記第1の制御及び前記第2の制御を禁止する、冷蔵庫。
【請求項3】
冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する扉と、
前記冷蔵庫本体の貯蔵室内に設けられている操作ボタンと、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
前記扉が閉じられている場合に前記操作ボタンが押された場合は、前記操作ボタンに応じた制御を禁止し、
前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが所定の第1の時間未満の時間にわたって押された場合は、前記操作ボタンが押された時間に応じた所定の第1の制御を実行し、
前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが前記第1の時間以上の時間にわたって押された場合は、前記第1の制御と異なる第2の制御を開始し、
前記第2の制御を開始した後にも前記操作ボタンが押され続けている場合に、前記操作ボタンが前記第2の時間以上にわたって押された場合は、開始した前記第2の制御を終了する、冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、冷蔵庫本体の前面開口を開閉する扉と、冷蔵庫本体の貯蔵室内に設けられている操作パネルとを備えている。操作パネルには温度設定スイッチが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-264659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷蔵庫では、ユーザの意図に反して貯蔵室内に設けられている温度設定スイッチが押されることが考えられる。例えば、冷蔵庫本体の貯蔵室に大量の食品が貯蔵されている場合に、冷蔵庫の扉が閉じられた際に、扉と温度設定スイッチとの間に挟まれた食品によって温度設定スイッチが押されることが考えられる。そうすると、冷蔵庫でユーザの意図に反した制御が実行されてしまうことが考えられる。そこで本明細書は、貯蔵室に設けられている操作ボタンがユーザの意図に反して押された場合にユーザの意図に反した制御が実行されることを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体の前面開口を開閉する扉と、前記冷蔵庫本体の貯蔵室内に設けられている操作ボタンと、制御部と、を備えている。前記制御部は、前記扉が開かれている場合に前記操作ボタンが押された場合は、前記操作ボタンに応じた制御を実行可能であり、前記扉が閉じられている場合に前記操作ボタンが押された場合は、前記操作ボタンに応じた前記制御を禁止する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例の冷蔵庫の斜視図である。
図2】実施例の冷蔵室内の透視図である。
図3】実施例の操作パネルの正面図である。
図4】実施例のボタン処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例の冷蔵庫2について図面を参照して説明する。図1は、実施例の冷蔵庫2の斜視図である。図1に示すように、冷蔵庫2は、冷蔵庫本体10と、冷蔵庫本体10に回動可能に固定されている一対の回動扉20(左扉20a及び右扉20b)と、制御部100とを備えている。冷蔵庫2は、冷蔵庫本体10から引き出し可能な複数の引出扉120も備えている。以下では、回動扉20に着目して説明する。また、以下では、図1に示す「左右」、「前後」、「上下」の方向に基づいて説明する。なお、図1に示す「後」を「奥」と呼ぶ場合もある。
【0008】
冷蔵庫本体10は、金属製の外箱12と、外箱12の内側に配置されている樹脂製の内箱13と、外箱12と内箱13との間に充填されている断熱材(不図示)とを備えている。冷蔵庫本体10の外箱12に一対の回動扉20(左扉20a及び右扉20b)が固定されている。冷蔵庫本体10には一対の回動扉20の開閉を検出する開閉センサ90が設けられている。
【0009】
冷蔵庫本体10は、食品等を貯蔵する冷蔵室14を備えている。冷蔵庫本体10の内部に冷蔵室14が設けられている。冷蔵庫本体10の前面開口17を介して冷蔵室14内に食品等を出し入れすることができる。冷蔵庫本体10は、冷蔵室14の他にも、冷凍室、野菜室、製氷室等(不図示)を備えている。以下では、冷蔵室14に着目して説明する。
【0010】
冷蔵室14は、冷蔵庫本体10の上部に設けられている。冷蔵室14よりも下側に冷凍室、野菜室、製氷室等が設けられている。冷蔵室14は、冷蔵温度帯(例えば3-5℃)の温度に設定されている。冷蔵室14は、冷蔵庫本体10の内箱13の内側に設けられている。図2は、冷蔵室14内の透視図である。図2に示すように、冷蔵室14内には複数の棚15が上下方向に並べて配置されている。各棚15の上に食品等が配置される。また、冷蔵室14内にはチルド室16が設けられている。チルド室16は、冷蔵室14の下部に設けられている。複数の棚15のうちの最下段の棚15aよりも下側にチルド室16が配置されている。チルド室16は、冷蔵温度帯よりも低い温度帯(例えば0-3度)に設定されている。
【0011】
冷蔵室14の奥面40(内箱13の奥側の内面)には、操作パネル30が固定されている。冷蔵室14の奥面40は、左右方向及び上下方向に延びている。操作パネル30は、冷蔵室14内に配置されている複数の棚15のうちの最下段の棚15aよりも上側に配置されている。操作パネル30は、最下段の棚15aと、その一段上の棚15bとの間の高さ位置に配置されている。操作パネル30は、チルド室16よりも上側に配置されている。
【0012】
図3は、操作パネル30の正面図である。図3に示すように、操作パネル30は、パネル本体31と、複数の操作ボタン32と、複数の表示ランプ33とを備えている。パネル本体31は、冷蔵室14の奥面40に固定されている(図2参照)。パネル本体31は、冷蔵室14の奥面40から内側(前後方向の前側)に突出している。パネル本体31は、操作エリア34と、表示エリア35とを備えている。操作エリア34は、表示エリア35よりも左側に配置されている。操作エリア34には複数の操作ボタン32が配置されている。表示エリア35は、操作エリア34よりも右側に配置されている。表示エリア35には複数の表示ランプ33が配置されている。
【0013】
各操作ボタン32は、例えばスイッチ式のボタンである。変形例では、各操作ボタン32が静電タッチ式のボタンであってもよい。各操作ボタン32は、ユーザが操作可能に構成されている。ユーザが操作ボタン32を操作することによって、例えば冷蔵室14内の温度を設定することができる。また、ユーザが操作ボタン32を操作することによって、例えば冷蔵庫2の運転モードを設定することができる。例えば、操作ボタン32の操作によって製氷運転や節電運転等を設定することができる。複数の操作ボタン32には、例えば、製氷ボタン32a、オフボタン32b等が存在する。以下では、複数の操作ボタン32のうちの製氷ボタン32aに着目して説明する。
【0014】
冷蔵庫2では、製氷ボタン32aが押されると、製氷運転が実行される。より詳細には、製氷ボタン32aが短押しされると、通常製氷運転(第1の制御の一例)が実行される。製氷ボタン32aの短押しは、所定の第1の時間(例えば5秒)未満の時間にわたって製氷ボタン32aが押される状態である。また、製氷ボタン32aが長押しされると、一気製氷運転(第2の制御の一例)が実行される。製氷ボタン32aの長押しは、所定の第1の時間(例えば5秒)以上、かつ、所定の第2の時間(例えば10秒)未満の時間にわたって製氷ボタン32aが押される状態である。第2の時間は、第1の時間よりも長い時間である。一気製氷運転は、通常製氷運転よりも製氷時間が短い運転である。例えば、通常製氷運転では2時間で氷が出来上がり、一気製氷運転では1時間で氷が出来上がる。
【0015】
操作ボタン32の隣に設けられている表示ランプ33は、冷蔵庫2の状態を表示可能に構成されている。例えば、冷蔵室14内の温度が低温に設定されている場合は、低温であることを示す表示が表示ランプ33に表示される。この場合は、例えば表示ランプ33が緑色で点灯する。また、冷蔵庫2で製氷運転が実行されている場合は、製氷運転を示す表示が表示ランプ33に表示される。この場合は、例えば表示ランプ33が青色で点灯する。
【0016】
図1に示すように、一対の回動扉20(左扉20a及び右扉20b)は、冷蔵庫本体10に対して回動可能に取り付けられている。一対の回動扉20(左扉20a及び右扉20b)が回動することによって冷蔵室14の前面開口17が開閉される。回動扉20の開閉は、開閉センサ90によって検出される。
【0017】
各回動扉20(左扉20a及び右扉20b)の冷蔵庫本体10側(即ち内側)の面には、それぞれ、複数のポケット50が固定されている。各ポケット50は、冷蔵庫本体10側(冷蔵室14側)に突出するように設けられている。回動扉20が閉じられると、複数のポケット50が冷蔵室14内に配置される。複数のポケット50は、上下方向に並べて配置されている。複数のポケット50は、それぞれ、冷蔵室14内で冷蔵する物(例えばペットボトル)を収容可能である。
【0018】
冷蔵庫2の制御部100は、例えばCPU及びメモリ等を備えている。制御部100は、メモリに記憶されている所定のプログラムに基づいて様々な処理を実行する。
【0019】
次に、冷蔵庫2で実行されるボタン処理について説明する。図4は、ボタン処理のフローチャートである。図4に示すボタン処理は、例えば、冷蔵庫2の電源がオンになると開始される。
【0020】
図4に示すように、ボタン処理のS10では、制御部100が、冷蔵室14内の操作パネル30に設けられている製氷ボタン32aが押されたか否かを判断する。例えば、ユーザが製氷ボタン32aを押した場合は、制御部100がS10でYESと判断する。また、ユーザが製氷ボタン32aを押していない場合であっても、例えば、冷蔵室14内の物によって製氷ボタン32aが押された場合は、制御部100がS10でYESと判断する。例えば、冷蔵室14内に大量の食品が貯蔵されている場合に、回動扉20が閉じられた際に冷蔵室14内の大量の食品が奥側に押し込められることが考えられる。その結果として、冷蔵室14内の製氷ボタン32aが食品によって押されることが考えられる。製氷ボタン32aが押された場合は、制御部100がS10でYESと判断してS12に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断して待機する。
【0021】
続くS12では、制御部100が、回動扉20が開状態であるか否かを判断する。回動扉20が開状態である場合は、S12で制御部100がYESと判断してS14に進む。そうでない場合(回動扉20が閉状態である場合)は、制御部100がNOと判断してS18に進む。なお、S12では、一対の回動扉20(左扉20a及び右扉20b)のうちの一方(例えば、左扉20a)が開状態であってもYESと判断される。
【0022】
続くS14では、制御部100が、製氷ボタン32aが押され続けている時間が第1の時間(例えば5秒)以上であるか否かを判断する。製氷ボタン32aが第1の時間以上の時間にわたって押されている場合は、S14で制御部100がYESと判断してS16に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS20に進む。製氷ボタン32aが短押しされた場合は、S14でNOと判断される。製氷ボタン32aが押されている時間はタイマー(不図示)によって計時される。
【0023】
S14でNOの後のS20では、制御部100が、通常製氷運転を実行する。通常製氷運転が実行されると冷蔵庫2で氷が製造される。通常製氷運転は、一気製氷運転よりも製氷時間が長い運転である。
【0024】
S14でYESの後のS16では、制御部100が、製氷ボタン32aが押され続けている時間が第2の時間(例えば10秒)以上であるか否かを判断する。製氷ボタン32aが第2の時間以上の時間にわたって押されている場合は、S16で制御部100がYESと判断してS18に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS22に進む。製氷ボタン32aが長押しされた場合は、S16でNOと判断される。製氷ボタン32aが長押しよりも更に長く押された場合は、S16でYESと判断される。
【0025】
S16でNOの後のS22では、制御部100が、一気製氷運転を実行する。一気製氷運転が実行されると冷蔵庫2で氷が製造される。一気製氷運転は、通常製氷運転よりも製氷時間が短い運転である。
【0026】
上記のS12でNO、又は、S16でYESの後のS18では、制御部100が、製氷運転(通常製氷運転及び一気製氷運転)を禁止する。S18では製氷運転が実行されない。製氷ボタン32aが押されたとしても回動扉20が閉状態である場合(S12でNO)、又は、回動扉20が開状態であるとしても製氷ボタン32aが長押しよりも更に長く押された場合(S16でYES)は、製氷運転が実行されない。S18、S20及びS22の処理の後、制御部100は上述した各処理を繰り返す。
【0027】
以上、実施例の冷蔵庫2について説明した。上記の説明から明らかなように、冷蔵庫2は、冷蔵庫本体10の冷蔵室14内に設けられている製氷ボタン32aを備えている。制御部100は、冷蔵庫2の回動扉20が開かれている場合に製氷ボタン32aが押された場合は、製氷ボタン32aに応じた制御(通常製氷運転及び一気製氷運転)を実行可能である(図4のS12でYES、S20、S22)。また、制御部100は、回動扉20が閉じられている場合に製氷ボタン32aが押された場合は、製氷ボタン32aに応じた制御を禁止する(図4のS12でNO、S18)。
【0028】
回動扉20が開かれている状態で製氷ボタン32aが押された場合は、ユーザが回動扉20を開いて製氷ボタン32aを押した場合であると考えられる。そのため、この場合は、制御部100が製氷ボタン32aに応じた製氷運転を実行することによって、ユーザの意図に沿った制御を実行することができる。一方、回動扉20が閉じられている状態で製氷ボタン32aが押された場合は、ユーザの意図に反して製氷ボタン32aが押された場合であると考えられる。例えば、冷蔵室14内に大量の食品が貯蔵されているときに冷蔵室14内の食品によって製氷ボタン32aが押された場合であると考えられる。この場合は、制御部100が製氷運転を禁止することによって、ユーザの意図に反した制御が実行されることを抑制することができる。
【0029】
上記の冷蔵庫2では、制御部100が、回動扉20が開かれている場合に製氷ボタン32aが所定の第1の時間(例えば5秒)未満の時間にわたって押された場合は、製氷ボタン32aが押された時間に応じた通常製氷運転を実行する(図4のS12でYES、S14でNO、S20)。また、制御部100は、回動扉20が開かれている場合に製氷ボタン32aが第1の時間以上かつ第1の時間よりも長い所定の第2の時間(例えば10秒)未満の時間にわたって押された場合は、製氷ボタン32aが押された時間に応じた一気製氷運転を実行する(S12でYES、S14でYES、S16でNO、S22)。また、制御部100は、回動扉20が開かれている場合に製氷ボタン32aが第2の時間以上にわたって押された場合は、通常製氷運転及び一気製氷運転を禁止する(S12でYES、S14でYES、S16でYES、S18)。
【0030】
この構成では、回動扉20が開かれている状態で製氷ボタン32aが短押しされた場合は、ユーザの意図に沿って通常製氷運転を実行することができる。回動扉20が開かれている状態で製氷ボタン32aが長押しされた場合は、ユーザの意図に沿って一気製氷運転を実行することができる。一方、製氷ボタン32aが長押しよりも更に長い時間にわたって押された場合は、回動扉20が開かれている状態であっても、製氷ボタン32aが押され続けている時間が長すぎるので、ユーザの意図に反して製氷ボタン32aが押された場合であると考えられる。例えば、冷蔵室14内に大量の食品が貯蔵されているときに、ユーザが更に冷蔵室14内に食品を入れた場合に製氷ボタン32aが押されることが考えられる。この場合は、ユーザは食品を貯蔵することを意図したのであって、製氷ボタン32aを押すことを意図したのではない。この場合は、制御部100が通常製氷運転及び一気製氷運転を禁止することによって、ユーザの意図に反した制御が実行されることを抑制することができる。
【0031】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
(変形例)
(1)上記の実施例では、通常製氷運転が第1の制御の一例であり、一気製氷運転が第2の制御の一例であったが、この構成に限定されない。変形例では、第1の制御が弱冷運転であり、第2の制御が強弱冷運転であってもよい。この場合は、操作ボタン32が冷却強度を設定するために押される。
【0033】
(2)冷蔵室14内において操作パネル30が設けられる位置は特に限定されない。変形例では、冷蔵室14の奥面40ではなく、冷蔵室14の側面に操作パネル30が設けられてもよい。また、操作パネル30における操作ボタン32の位置や数は特に限定されない。
【0034】
(3)上記の実施例では、回動扉20について説明したが、この構成に限定されない。上記の技術は、引出扉120についても適用可能である。
【0035】
(4)製氷ボタン32aが第2の時間(例えば10秒)以上の時間にわたって押され続けた場合に製氷運転が禁止される構成では、製氷ボタン32aが第1の時間(例えば5秒)以上の時間にわたって押され続けた段階で一気製氷運転が一旦開始され、その後に、製氷ボタン32aが第2の時間(例えば10秒)以上の時間にわたって押され続けた段階で一気製氷運転が停止される構成であってもよい。即ち、制御部100は、回動扉20が開かれている場合に製氷ボタン32aが第1の時間以上の時間にわたって押された場合は、一気製氷運転を開始し、一気製氷運転を開始した後にも製氷ボタン32aが押され続けている場合に、製氷ボタン32aが第2の時間以上にわたって押された場合は、開始した一気製氷運転を終了してもよい。
【0036】
(5)変形例では、冷蔵庫2で製氷運転(通常製氷運転又は一気製氷運転)が実行されている場合において、回動扉20が開かれている場合にオフボタン32b(図3参照)が押された場合は、制御部100が実行中の製氷運転を終了する構成であってもよい。また、冷蔵庫2で製氷運転(通常製氷運転又は一気製氷運転)が実行されている場合において、回動扉20が閉じられている場合にオフボタン32bが押された場合は、制御部100は、実行中の製氷運転を終了する制御を禁止してもよい。この構成によれば、ユーザの意図に反して製氷運転を終了する制御が実行されることを抑制することができる。
【0037】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0038】
2:冷蔵庫、10:冷蔵庫本体、12:外箱、13:内箱、14:冷蔵室、15:棚、16:チルド室、17:前面開口、20:回動扉、30:操作パネル、31:パネル本体、32:操作ボタン、32a:製氷ボタン、32b:オフボタン、33:表示ランプ、40:奥面、50:ポケット、90:開閉センサ、100:制御部
図1
図2
図3
図4