(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】収容庫
(51)【国際特許分類】
A61L 9/22 20060101AFI20241009BHJP
F25D 23/00 20060101ALN20241009BHJP
F25D 25/00 20060101ALN20241009BHJP
H01T 19/04 20060101ALN20241009BHJP
H01T 23/00 20060101ALN20241009BHJP
【FI】
A61L9/22
F25D23/00 302Z
F25D25/00 G
H01T19/04
H01T23/00
(21)【出願番号】P 2020155488
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 泰芳
(72)【発明者】
【氏名】藤田 司
(72)【発明者】
【氏名】森田 洋平
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115014(JP,A)
【文献】特開2011-064366(JP,A)
【文献】特開2020-134000(JP,A)
【文献】特開2009-019815(JP,A)
【文献】特開平07-280423(JP,A)
【文献】特開2013-085830(JP,A)
【文献】特開2004-028498(JP,A)
【文献】特開2004-028497(JP,A)
【文献】特開2020-133940(JP,A)
【文献】特開2011-226760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00- 9/22
A61L 2/00- 2/28
A61L 11/00-12/14
F25D 17/04-17/08
F25D 23/00-23/12
H01T 19/04
H01T 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を収容する第1収容室と、
前記第1収容室の外部に設けられ、前記第1収容室から空気が流入する流入部と前記流入部から流入した前記空気が前記第1収容室へ流出する流出部とを連通する流路が形成されたケースと、
前記ケースの内部に配置され、放電する放電部と
を備え、
前記放電部が放電することによって発生するイオンが、前記放電部の周囲の電界によって移動することで、ファンを使用することなく前記イオンを含む空気の流れを発生させ、
前記流出部は、前記放電部に対して所定方向に位置し、
前記流入部は、前記流出部よりも前記所定方向の逆方向に位置
し、
前記流路において前記空気の流れ方向に直交する断面の面積が、前記放電部から前記流出部に向かうほど小さくなるように、前記ケースにおける前記流出部と対向する部分には湾曲面が形成されており、
前記ケースにおける前記流入部と対向する部分には前記湾曲面が形成されていないことで、前記所定方向を前記空気の流れ方向とする、収容庫。
【請求項2】
前記放電部は、前記流入部と前記流出部との間の前記流路に配置される、請求項1に記載の収容庫。
【請求項3】
前記流入部の開口面積は、前記流出部の開口面積より大きい、請求項1または請求項2に記載の収容庫。
【請求項4】
前記断面のうち、特定部分の断面の面積は、前記流出部の開口面積より大きく、
前記特定部分は、前記ケースのうちの前記放電部を配置した部分を示す、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の収容庫。
【請求項5】
前記ケースは、前記放電部を保持する保持部を有し、
前記保持部は、前記ケースの内面から突出する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の収容庫。
【請求項6】
前記流入部と前記流出部とは、前記ケースに配置され、
前記第1収容室は、
前記流出部から前記第1収容室の収容空間に向かう空気が通過する第1通過部と、
前記収容空間から前記流入部に向かう空気が通過する第2通過部と、
前記第1収容室に対する前記ケースの位置を決める位置決め部と
をさらに備え、
前記ケースの位置は、前記第1通過部と前記流出部とが対向するとともに、前記第2通過部と前記流入部とが対向する位置を示す、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の収容庫。
【請求項7】
前記第1通過部は、第1開口を有し、
前記第2通過部は、第2開口を有し、
前記第1開口の縁に沿って配置される第1弾性部材と、
前記第2開口の縁に沿って配置される第2弾性部材と
をさらに備える、請求項6に記載の収容庫。
【請求項8】
前記第1収容室の内部に配置され、物体を収容する第2収容室と、
前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する連通部と
を含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の収容庫。
【請求項9】
前記第1収容室は、物体が載置される第1底壁と、前記第1底壁から立設された第1壁部とを有し、
前記第2収容室は、物体が載置される第2底壁と、前記第2底壁から立設された第2壁部とを有し、
前記第1壁部と前記第2壁部との間には、第1領域と第2領域とが形成され、
前記第1領域は、前記流出部の側に配置され、
前記第2領域は、前記流入部の側に配置される、請求項8に記載の収容庫。
【請求項10】
前記流出部に間隔をあけて配置され、使用者の身体の一部が前記放電部に接触することを規制する複数の規制部材をさらに備え、
前記流路の前記断面の面積は、前記放電部から前記流出部に向かうほど小さくなり、
前記複数の規制部材は、前記流路の前記断面における面積が小さくなるほど、前記流出部に配置される前記規制部材の数が少なくなる、請求項4に記載の収容庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のイオン発生装置は、第1放電電極と、第2放電電極とを備える。第1放電電極は、正イオンを発生させる。第1放電電極から放出された正イオンは、第1放電電極から遠ざかる方向に拡散する。第2放電電極は、負イオンを発生させる。第2放電電極から放出された負イオンは、第2放電電極から遠ざかる方向に拡散する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のイオン発生装置は、イオンを効率よく放出することができない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、イオンを効率よく放出することができる収容庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、収容庫は、第1収容室と、ケースと、放電部とを備える。前記第1収容室は、物体を収容する。前記ケースは、前記第1収容室の外部に設けられる。前記ケースは、流入部と流出部とを連通する流路が形成される。前記流入部は、空気が流入する。前記流出部は、前記流入部から流入した前記空気が流出する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の収容庫によれば、イオンを効率よく放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る収容庫を示す図である。
【
図3】本実施形態1に係る収容庫の蓋部と放電装置とを模式的に示す図である。
【
図4】本実施形態の第1変形例に係る収容庫を示す模式断面図である。
【
図6】
図4に示す放電装置のVI-VI断面を示す。
【
図7】本実施形態の第2変形例の収容庫を示す図である。
【
図8】本実施形態の第2変形例の収容庫の模式断面図である。
【
図9】第2方向の側から第2変形例の流出部を見た図である。
【
図10】
図9に示す流出部のX-X断面を示す図である。
【
図11】
図9に示す流出部のXI-XI断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
[実施形態1]
まず、
図1を参照して本発明の実施形態に係る収容庫100を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る収容庫100を示す。
図2は、
図1の収容庫100の模式断面を示す。
【0011】
図2に示すように、収容庫100は、内部に物体OBが収容される。物体OBは、例えば、野菜である。収容庫100は、実密閉となるように形成される。したがって、収容庫100の外部の空気が、収容庫100の内部に積極的に流入しない。収容庫100の内部に空気が積極的に流入しないため、収容庫100に収容された収容物の乾燥または汚染を抑制できる。また、予め設定されたタイミングで、空気が収容庫100の内部に流入するようになっていてもよい。収容庫100は、第1収容室101と、蓋部103と、放電装置105とを備える。
【0012】
第1収容室101は、物体OBを収容する。第1収容室101は、一部が開口した箱形状である。第1収容室101は、内部に第1収容空間A1を有する。換言すれば、第1収容室101は、第1収容空間A1を覆う。
【0013】
第1収容室101は、第1壁部111Aと、第1底壁111Bとを有する。第1壁部111Aは、第1底壁111Bから立設される。第1壁部111Aは、第1底壁111Bの周りを囲う。
【0014】
第1底壁111Bは、第1壁部111Aを支持する。第1底壁111Bは、蓋部103よりも第1方向D1の側に配置される。第1方向D1は、ケース151から第1収容室101へ向かう方向を示す。換言すると、第1方向D1は、蓋部103から第1底壁111Bへ向かう方向を示す。また、第1底壁111Bの第2方向D2の側には、蓋部103が配置される。第2方向D2は、第1方向D1の逆方向を示す。第1底壁111Bは、蓋部103と対向する。
【0015】
また、第1壁部111Aは、第1側壁112と、第2側壁113と、第3側壁114と、第4側壁115とを有する。つまり、第1収容室101の第1収容空間A1は、第1底壁111Bと、第1側壁112と、第2側壁113と、第3側壁114と、第4側壁115と、蓋部103とによって囲まれる。
【0016】
第1側壁112~第4側壁115は、第1底壁111Bから蓋部103に向かって延設される。第1側壁112と第2側壁113とは対向する。第2側壁113から第1側壁112へ向かう方向は、第3方向D3である。第3方向D3の逆方向は、第4方向D4である。第3側壁114と第4側壁115とは対向する。第3側壁114は、第1側壁112と第2側壁113との間に配置される。第4側壁115は、第1側壁112と第2側壁113との間に配置される。第4側壁115から第3側壁114へ向かう方向は、第5方向D5である。第5方向D5の逆方向は、第6方向D6である。
【0017】
蓋部103は、第1収容室101の開口を覆う。蓋部103は、第1壁部111Aに支持される。蓋部103は、第1底壁111Bよりも第2方向D2の側に配置される。
【0018】
放電装置105は、第1収容室101の外部に設けられる。具体的には、放電装置105は、蓋部103に配置される。さらに具体的には、放電装置105は、蓋部103の第2方向D2の側に配置される。例えば、放電装置105は、蓋部103の上側に配置される。
【0019】
次に
図1と
図2とを参照して、本発明の実施形態に係る収容庫100をさらに詳しく説明する。
【0020】
図2に示すように、放電装置105は、ケース151と、放電部152とを含む。ケース151の内部には、放電部152が配置される。ケース151は、第1ケース151Aと、第2ケース151Bとを含む。
【0021】
第1ケース151Aは、蓋部103と当接する。第1ケース151Aは、流入部ILと、流出部OFとを有する。流入部ILは、流路CNに空気を流入させる。具体的には、流入部ILは、ケース151の外部から流路CNに空気を流入させる。流入部ILは、流出部OFよりも第5方向D5の側に配置される。
【0022】
流入部ILは、流入口を有する。流入口は、貫通孔である。流入口は、ケース151の内部と外部とを連通する。つまり、流入部ILの流入口を介して、ケース151の外部の空気がケース151の内部に流入する。よって、流入部ILの流入口は、第1収容室101の第1収容空間A1と流路CNとを連通し、第1収容空間A1の空気を流路CNに流入させる。
【0023】
流出部OFは、流入部ILから流入した空気を流出させる。具体的には、流出部OFは、流路CNの空気をケース151の外部に流出させる。さらに具体的には、流出部OFは、流入部ILから流路CNに流入した空気をケース151の外部に流出させる。流出部OFは、流入部ILよりも第6方向D6の側に配置される。
【0024】
流出部OFは、流出口を有する。流出口は、貫通孔である。流出口は、ケース151の内部と外部とを連通する。つまり、流出部OFの流出口を介して、ケース151の内部の空気がケース151の外部に流出する。よって、流出部OFの流出口は、第1収容室101の第1収容空間A1とケース151の内部の流路CNとを連通し、流路CNの空気を第1収容空間A1に流出させる。
【0025】
第2ケース151Bは、第1ケース151Aの第2方向D2の側を覆う。第1ケース151Aの第2方向D2の側を第2ケース151Bが覆うことで、ケース151の内部には、流路CNが形成される。流路CNは、流入部ILと流出部OFとを連通する。また、流路CNには、放電部152が配置される。
【0026】
放電部152は、ケース151の内部に配置される。放電部152は、放電する。具体的には、高電圧を印加された放電部152は放電して、活性種を発生する。活性種は、イオンを含む。放電部152の周りには電界が存在する。放電部152が発生させたイオンは、電界の中を移動する。電界を移動するイオンは、空気の流れを発生させる。電界を移動するイオンが発生させた空気の流れは、いわゆるイオン風である。イオン風は、イオンを含む。換言すると、放電することで放電部152は風を発生させる。発生した風は、流路CNを移動する。発生した風が移動することで、流入口から空気が流入する。そして、発生した風は、流出部OFを介して第1収容室101の第1収容空間A1に流出する。この結果、収容庫100の内部にイオンを効率よく放出することができる。よって、設計者が望む箇所にイオンを届けることができる。例えば、第1収容室101にイオンを届けることができる。
【0027】
さらに、発生した風は、流入部ILを介して流路CNに流入する。つまり、流出部OFを介して流路CNの空気が第1収容室101の第1収容空間A1に移動し、流入部ILを介して第1収容室101の第1収容空間A1の空気が流路CNに移動するような、風の流れができる。したがって、第1収容空間A1から流路CNに戻る風が流出部OFから流路CNに流入することを抑制できる。この結果、流路CNに流入する風の流れと第1収容空間A1に流出する風の流れとがぶつかって、互いの風の流れを阻害することを抑制できる。
【0028】
また、本実施形態の放電部152は、ファンを使用せずにイオン風によってイオンを第1収容室101に届ける。したがって、放電装置105にファンを取り付ける必要がない。この結果、放電装置105の部品数を低減できる。
【0029】
放電部152は、電極153を含む。電極153は、針状の電極である。電極153は、例えば、導電性を有する。例えば、高電圧を印加された電極153は、コロナを発生させる。つまり、電極153は、放電してイオンを発生させる。なお、電極153は、ブラシ状の電極であってもよい。
【0030】
電極153は、第6方向D6に沿って延びる。電極153は、第6方向D6の側の端部からイオンを発生させる。発生したイオンは、第6方向D6の側に移動する。そして、流出部OFを介して第1収容室101の第1収容空間A1にイオンが放出される。
【0031】
電極153は、複数であってもよい。例えば、電極153は、一対の電極であってもよい。例えば、一対の電極153のうちの一方は、放電することにより正イオンを放出する。正イオンは、水素イオン(H+)の周囲に複数の水分子がクラスター化したクラスターイオン(H+(H2O)m(mは零以上の任意の正数))である。さらに、例えば、一対の電極153のうちの他方は、放電することにより負イオンを放出する。負イオンは、酸素イオン(O2-)の周囲に複数の水分子がクラスター化したクラスターイオン(O2-(H2O)n(nは零以上の任意の正数))である。
【0032】
放出された正イオン及び負イオンの各々は、例えば、空気中を浮遊するカビ菌を取り囲み、カビ菌の表面上で化学反応を起こす。化学反応によって活性種のヒドロキシルラジカル(・OH)が生成される。そしてヒドロキシルラジカル(・OH)の作用により、カビ菌が除去される。
【0033】
次に、
図3を参照して収容庫100をさらに詳しく説明する。
図3は、蓋部103と放電装置105とを模式的に示す図である。
図3に示すように、蓋部103は、第1通過部131と、第2通過部132と、位置決め部135と、第1弾性部材133と、第2弾性部材134とを有する。
【0034】
第1通過部131は、第1収容室101の内部と外部とを連通する。第1通過部131は、第1収容室101の内部と外部とを連通する第1開口を有する。第1通過部131は、第2通過部132よりも第6方向D6の側に配置される。第1通過部131は、第1収容室101の第1収容空間A1に空気を流入させる。具体的には、第1通過部131は、第1収容室101の外部から第1収容空間A1に空気を流入させる。つまり、第1通過部131は、ケース151の流出部OFから第1収容室101の第1収容空間A1に向かう空気が通過する。
【0035】
第2通過部132は、第1収容室101の内部と外部とを連通する。第2通過部132は、第1収容室101の内部と外部とを連通する第2開口を有する。第2通過部132は、第1通過部131よりも第5方向D5の側に配置される。第2通過部132は、第1収容室101の第1収容空間A1から空気を流出させる。具体的には、第2通過部132は、第1収容室101の第1収容空間A1の空気を第1収容室101の外部に流出させる。つまり、第2通過部132は、第1収容室101の第1収容空間A1からケース151の流出部OFに向かう空気が通過する。
【0036】
位置決め部135は、第1収容室101に対するケース151の位置を決める。ケース151の位置は、第1通過部131と流出部OFの流出口とが対向するとともに、第2通過部132と流入部ILの流入口とが対向する位置を示す。つまり、蓋部103に放電装置105が取り付けられた状態において、流出部OFの流出口から第1収容空間A1に向かう空気は、第1通過部131を通過する。さらに、蓋部103に放電装置105が取り付けられた状態において、第1収容空間A1から流入部ILの流入口に向かう空気は、第2通過部132を通過する。したがって、第1通過部131と流出部OFの流出口とが位置ズレすることを抑制し、第2通過部132と流入部ILの流入口とが位置ズレすることを抑制できる。この結果、位置ズレによって風の流れが阻害されることを抑制できる。
【0037】
位置決め部135は、蓋部103の第2方向D2の側に表面から第2方向D2の側に突出する。位置決め部135は、放電装置105に当接する。具体的には、位置決め部135うちの一部は、放電装置105の第3方向D3の側と当接する。位置決め部135のうちの他の一部は、放電装置105の第4方向D4の側と当接する。位置決め部135のうちのさらに他の一部は、放電装置105の第6方向D6の側と当接する。つまり、位置決め部135は、放電装置105に対して3つの方向から当接する。よって、放電装置105が3つ方向から位置決め部135に当接する位置に配置することで、第1通過部131と流出部OFの流出口とが対向するとともに、第2通過部132と流入部ILの流入口とが対向する。
【0038】
第1弾性部材133は、第1通過部131の第1開口の縁に沿って配置される。第1弾性部材133は、例えば、シリコン、ニトリルゴム、ソフトテープである。第1弾性部材133は、第1通過部131の縁に接着剤で固定される。蓋部103に放電装置105が取り付けられた状態において、蓋部103と放電装置105との間に第1弾性部材133は配置される。第1弾性部材133は、弾性を有する。
【0039】
第2弾性部材134は、第2通過部132の第2開口の縁に沿って配置される。第2弾性部材134は、例えば、シリコン、ニトリルゴム、ソフトテープである。第2弾性部材134は、第1通過部131の縁に接着剤で固定される。蓋部103に放電装置105が取り付けられた状態において、蓋部103と放電装置105との間に第2弾性部材134は配置される。第2弾性部材134は、弾性を有する。
【0040】
第1弾性部材133と第2弾性部材134とは、蓋部103と放電装置105との間で弾性変形する。したがって、流出部OFと第1通過部131との間の間隙が減少する。さらに、流入口と第2通過部132との間の隙間が減少する。この結果、流出部OFから第1通過部131を通過するイオン風が流出部OFと第1通過部131との間の間隙から漏れることを低減できる。そして、第2通過部132から第2通過部132を通過するイオン風が流入口と第2通過部132との間の間隙から漏れることを低減できる。
【0041】
(第1変形例)
次に、
図4~
図6を参照して、本実施形態の収容庫100の第1変形例を説明する。第1変形例では、放電部152の位置が本実施形態と主に異なる。以下、第1変形例が本実施形態と異なる点を説明する。
【0042】
図4は、本実施形態の第1変形例に係る収容庫100を示す模式断面図である。
図4に示すように、第1変形例の放電装置105は、ケース151と、放電部152とを含む。
【0043】
放電部152の電極153は、流入部ILと流出部OFとの間の流路CNに配置される。したがって、流路CNを移動する空気は、電極153が配置された部分を通過する。この結果、流路CNを移動する空気に効率良くイオンを含ませることができる。
【0044】
具体的には、電極153は流出部OFよりも第5方向D5の側に配置される。また、電極153は流入部ILよりも第6方向D6の側に配置される。換言すると、流入部ILよりも流路CNの下流の側であって、流出部OFよりも流路CNの上流の側に電極153は配置される。
【0045】
次に
図4と
図5とを参照して、収容庫100をさらに詳しく説明する。
図5は、
図4に示す放電装置105のV-V断面を示す。
図5には、第2方向D2の側から見た第1ケース151Aが表される。
【0046】
図5に示すように、流入部ILの開口面積は、流出部OFの開口面積よりも大きい。つまり、流入部ILは、流出部OFよりも大きい。一般的に、流入部ILの開口面積が小さい場合、空気が流路CNに流入する際に発生する抵抗が大きくなる。一方、本実施形態では、流出部OFの開口面積が大きいため、流入部ILから第1収容室101の空気が流路CNに流入する際に発生する抵抗を小さくできる。この結果、流路CNに流入する空気の量を増加させることができる。つまり、第1収容室101と放電装置105との間を移動する空気の量を増加させることができる。そして、第1収容室101により多くのイオンを届けることができる。
【0047】
次に
図4~
図6を参照して放電装置105をさらに詳しく説明する。
図6は、
図4に示す放電装置105のVI-VI断面を示す。
図6に示すように、放電部152は、流路CNの中央部分に配置される。つまり、放電部152は、流路CNの内面に接触しない。
【0048】
第1変形例のケース151は、保持部155を有する。保持部155は、放電部152を保持する。具体的には、保持部155は、放電部152を流出部OFと流入部ILとの間で保持する。また、保持部155は、流路CNの内部で放電部152を保持する。
【0049】
保持部155は、ケース151の内面から放電部152に向けて突出する。つまり、
図4と
図6とに示すように、放電部152は、ケース151の内面に接触しない。したがって、第1ケース151Aに沿って移動する空気の動きを放電部152が妨げることを低減できる。この結果、流入部ILから流路CNに流入した空気が流出部OFまで容易に移動する。
【0050】
具体的には、保持部155は、円柱形状を有する。保持部155を円柱形状とすることで、流路CNに流入した空気は円柱形状の表面に沿って移動できる。つまり、流入口から流出口へ移動する力が小さくなることを低減できる。例えば、角柱形状の保持部の場合、流路CNに流入した空気は保持部に衝突し、流入口から流出口へ移動する力が小さくなる。
【0051】
また、第3方向D3に沿った保持部155の幅は、第3方向D3に沿った保持部155の幅よりも小さい。したがって、流路CNに流入した空気が移動する際の抵抗を小さくできる。この結果、流路CNに流入した空気は流出部OFに向かって容易に移動できる。
【0052】
また、保持部155は、複数の保持部を有する。
図4に示すように、保持部155は、3つの保持部を有する。3つ保持部のうちの1つ保持部は、ケース151の第2方向D2の側の内面から突出する。また、3つ保持部のうちの他の保持部は、ケース151の第1方向D1の側の内面から突出する。また、3つの保持部のうちのさらに他の保持部は、ケース151の第6方向D6の側の内面から突出する。つまり、放電部152は、複数の保持部によって、流路CNの内面から離間するように保持される。
【0053】
なお、保持部155は、ケース151の第3方向D3の側の内面から突出してもよい。また、保持部155は、ケース151の第4方向D4の側の内面から突出してもよい。保持部155は、第6方向D6の方向に延設されてもよい。
【0054】
また、
図6に示すように、流路CNのVI-VI断面における特定部分Xの面積は、
図5に示す流出部OFの開口面積よりも大きい。特定部分Xは、ケース151のうちの放電部152を配置した部分を示す。したがって、流入部ILから流入した空気に十分にイオンを含ませて、イオンを含む空気を流出部OFに向かって移動させることができる。この結果、イオンを含む空気が流出部OFに多く到達し、第1収容室101により多くのイオンを含む空気を届けることができる。
【0055】
(第2変形例)
次に、
図7と
図8とを参照して、本実施形態の収容庫100の第2変形例を説明する。第2変形例では、第1収容室101が第2収容室120を有する点で本実施形態と主に異なる。以下、第2変形例が本実施形態と異なる点を説明する。
【0056】
図7は、本実施形態の第2変形例の収容庫100を示す図である。
図8は、第2変形例の収容庫100の模式断面を示す図である。
【0057】
第2変形例の収容庫100は、第1収容室101と、第2収容室120と、蓋部103と、放電装置105とを備える。蓋部103と放電装置105とは、冷蔵室6の天井に固定される。
図7に示すように、第2変形例の蓋部103は、第6方向D6の側の縁が切り欠かれる。したがって、収容庫100から第1収容室101のみを引き出すことができる。具体的には、蓋部103と放電装置105とは、冷蔵室6の天井に固定されるため、蓋部103と放電装置105とは冷蔵室6の外部に引き出されない。
【0058】
図7に示すように、第2変形例の第1収容室101は、第1壁部111Aと、第1底壁111Bと、支持突起116とを有する。第1底壁111Bは、第1壁部111Aを支持する。
【0059】
第1壁部111Aは、第1底壁111Bから立設される。第1壁部111Aは、第1底壁111Bの周りを囲う。第1壁部111Aは、第1側壁112と、第2側壁113と、第3側壁114と、第4側壁115とを有する。第1側壁112~第4側壁115は、第1底壁111Bから蓋部103に向かって延設される。第1側壁112と第2側壁113とは対向する。第3側壁114と第4側壁115とは対向する。
【0060】
支持突起116は、第2収容室120を支持する。
図7に示すように、支持突起116は、第1壁部111Aに配置される。具体的には、支持突起116は、第1側壁112と第2側壁113とに配置される。第1側壁112に配置された支持突起116は、第4方向D4の側に突出する。第2側壁113に配置された支持突起116は、第3方向D3の側に突出する。なお、第1側壁112に配置された支持突起116の底壁113Bからの高さは、第2側壁113に配置された支持突起116の底壁113Bからの高さとは等しい。
【0061】
第2収容室120は、物体OBを収容する。第2収容室120は、物体OBを第2収容空間A2に収容する。第2収容空間A2は、第1収容空間A1より小さい空間である。第2収容室120は、第1収容室101の内部に配置される。
【0062】
第2収容室120は、第2壁部121Aと、第2底壁121Bとを有する。第2壁部121Aは、第2底壁121Bの周りを囲う。第2壁部121Aは、第2底壁121Bから立設される。第2壁部121Aは、第2底壁121Bの周りを囲う。
【0063】
第2壁部121Aは、第5側壁122と、第6側壁123と、第7側壁124と、第8側壁125と、固定部126とを有する。また、第2収容室120の第2収容空間A2は、第2底壁121Bと、第5側壁122と、第6側壁123と、第7側壁124と、第8側壁125と、蓋部103とによって囲まれる。
【0064】
第5側壁122~第8側壁125は、第2底壁121Bから蓋部103に向かって延設される。第5側壁122は、第6側壁123よりも第3方向D3の側に配置される。第6側壁123は、第5側壁122よりも第4方向D4の側に配置される。第5側壁122と第6側壁123とは対向する。第7側壁124は、第5側壁122と第6側壁123との間に配置される。第7側壁124は、第8側壁125よりも第5方向D5の側に配置される。第8側壁125は、第7側壁124よりも第6方向D6の側に配置される。
【0065】
第2底壁121Bは、第5側壁122と、第6側壁123と、第7側壁124と、第8側壁125とを支持する。第2底壁121Bは、蓋部103よりも第1方向D1の側に配置される。また、第2底壁121Bは、第1底壁111Bより第2方向D2の側に配置される。つまり、第2底壁121Bは、第1底壁111Bと蓋部103との間に配置される。第2底壁121Bは、蓋部103と対向する。
【0066】
図8に示すように、第2収容室120のうちの一部は、ケース151の流出部OFと対向する。具体的には、第2収容室120の第8側壁125は、ケース151の流出部OFと対向する。また、第8側壁125は、第1通過部131とも対向する。さらに、第8側壁125は、流出部OFから第1収容室101に流出した空気を、第1流れ方向F1と第2流れ方向F2とに分ける。第1流れ方向F1は、流出部OFから流出した空気が第1収容室101に向かう方向を示す。第2流れ方向F2は、流出部OFから流出した空気が第2収容室120に向かう方向を示す。第2収容室120に流出した空気は、第2収容室120の第2収容空間A2から流入部ILを介して流路CNに流入する。
【0067】
また、第2収容室120のうちの他の一部は、ケース151の流入部ILと対向する。第2収容室120のうちの他の一部は、第2底壁121Bである。
【0068】
固定部126は、第1収容室101の内部で第2収容室120を固定する。具体的には、固定部126は、第1収容室101の第1収容空間A1に配置された第2収容室120を所定の位置で固定する。所定の位置は、支持突起116が配置される位置である。したがって、第1収容室101の第1底壁111Bから第2収容室120が離間した状態で第2収容室120は、固定部126によって固定される。
【0069】
固定部126は、一対の固定部を含む。一対の固定部のうちの一方は、第5側壁122に配置される。第5側壁122の固定部は、第1側壁112の支持突起116に支持される。一対の固定部のうちの他方は、第6側壁123に配置される。第6側壁123の固定部は、第2側壁113の支持突起116に支持される。固定部126が支持突起116に支持されることで、第2収容室120は第5方向D5または第6方向D6へスライドできる。
【0070】
第2壁部121Aは、第1壁部111Aと対向する。第2壁部121Aと第1壁部111Aとの間には、間隙が形成される。具体的には、第1壁部111Aと第2壁部121Aとの間には、第1領域128と第2領域129とが形成される。第1領域128は、流出部OFの側に配置される。つまり、第1領域128は、第2領域129よりも第6方向D6の側に配置される。第2領域129は、流入部ILの側に配置される。つまり、第2領域129は、第1領域128よりも第6方向D6の側に配置される。
【0071】
流出部OFから流出した空気は、第1領域128を通過し、第1収容室101の第1収容空間A1に流入する。そして、第1収容室101の第1収容空間A1に流入した空気は、第2領域129を介して第2収容室120の第2収容空間A2に流入する。そして、第2収容空間A2に流入した空気は、ケース151の流入部ILを介してケース151の流路CNに流入する。したがって、第2収容室120が第1収容室101に配置されても流出部OFから流出した空気が流入部ILに到達し、空気が循環する。この結果、第2収容室120が第1収容室101に配置された場合において、第2収容室120が空気の流れを妨げることを低減できる。
【0072】
また、第2変形例の収容庫100は、連通部127を有する。連通部127は、第2底壁121Bに形成される。連通部127は、第1収容室101と第2収容室120とを連通する。具体的には、連通部127は、第1収容室101と第2収容室120とを連通する開口である。つまり、第1流れ方向F1にしたがって移動する空気は、第1収容室101の第1収容空間A1に流入する。そして、第1収容室101の第1収容空間A1に流入した空気は、連通部127を介して第2収容室120の第2収容空間A2に流入する。そして、第2収容空間A2に流入した空気は、ケース151の流入部ILを介してケース151の流路CNに流入する。したがって、第2収容室120が第1収容室101に配置されても流出部OFから流出した空気が流入部ILに到達し、空気が循環する。この結果、第2収容室120が第1収容室101に配置された場合において、第2収容室120が空気の流れを妨げることを低減できる。
【0073】
次に、
図8と
図9とを参照して、収容庫100をさらに詳しく説明する。
【0074】
図8に示すように、放電装置105の第2ケース151Bは、第1部分151Cと、第2部分151Dとを含む。第1部分151Cは、第2部分151Dの第5方向D5の側に配置される。
【0075】
第2部分151Dは、流出部OFと対向する部分である。第2部分151Dは、第1部分151Cの第6方向D6の側に配置される。第2部分151Dは、湾曲する。具体的には、第2部分151Dは、第1部分151Cの側から流出部OFの側に向かって湾曲する。
【0076】
つまり、ケース151の流路CNは、電極153から流出部OFに向かうほど流路CNの断面における面積が小さくなる。つまり、ケース151の流路CNの第1方向D1における断面積は、第6方向D6の側に向かう程、流路CNの断面積が小さくなる。換言すると、ケース151は、流入部ILが配置される上流の側から流出部OFが配置される下流の側に向かうほど流路CNの断面積が小さくなる。
【0077】
そして、放電部152が発生させたイオン風は、湾曲する第2部分151Dに沿って移動する。つまり、イオン風は、湾曲する第2部分151Dによって流出部OFの側に案内される。したがって、イオン風が流出部OFにスムーズに移動する。この結果、イオン風に含まれるイオンの数が減少することを低減できる。つまり、第1収容空間A1にイオンが届き易くなる。
【0078】
また、シミュレーションでは、流出部OFのうちの第6方向D6の側の部分の風速は、流出部OFのうちの第5方向D5の側の部分の風速と比較して速い。風速が上昇すると圧力が低下し、移動する空気の量が多くなる。したがって、流出部OFのうちの第6方向D6の側に部分を通過する空気の量は、流出部OFのうちの第5方向D5の側の部分を通過する空気の量と比較して多くなる。つまり、流出部OFのうちの第6方向D6の側の部分からイオンが多く放出される。
【0079】
図9は、第2方向D2の側から第2変形例の流出部OFを見た図である。
図9に示すように、流出部OFは、第1流出領域OF1と第2流出領域OF2とを含む。第1流出領域OF1は、第2流出領域OF2より第6方向D6の側に配置される。つまり、第1流出領域OF1は、流路CNの下流の側に配置される。第2流出領域OF2は、第1流出領域OF1より第5方向D5の側に配置される。つまり、第2流出領域OF2は、流路CNの下流の側に配置される。第2流出領域OF2の面積と第1流出領域OF1の面積とは等しい。
【0080】
流出部OFは、仕切り部材250と、複数の規制部材Rとを有する。仕切り部材250は、流出部OFの流出口を第1流出領域OF1と第2流出領域OF2とに仕切る。仕切り部材250は、第3方向D3に沿って延びる。
【0081】
第1流出領域OF1は、第1収容室101に向かうイオン風が通過する領域である。第1収容室101に向かうイオン風は、例えば、第2部分151Dの湾曲面に沿って移動するイオン風である。
【0082】
第2流出領域OF2は、第2収容室120に向かうイオン風が通過する領域である。第2収容室120に向かうイオン風は、例えば、第1ケース151Aの内面に沿って移動するイオン風である。
【0083】
複数の規制部材Rは、使用者の身体の一部が電極153に接触することを規制する。複数の規制部材Rは、間隔をあけて流出部OFの流出口に配置される。複数の規制部材Rは、流路CNの第1方向D1の断面の面積が小さくなるほど、流出部OFに配置される規制部材Rの数が少なくなる。つまり、規制部材Rの数が少なくなるほど、規制部材Rの数が少なくなった部分の開口面積は大きくなる。さらに、放電部152が発生させたイオン風は、湾曲する第2部分151Dに沿って、流出部OFの開口面積が大きくなる部分に案内される。したがって、発生させたイオンが流出部OFを通過しきれずに滞留しない。この結果、使用者が電極153に接触することを抑制しつつ、案内されたイオンを、スムーズに第1収容室101まで移動させることができる。
【0084】
図9に示すように、複数の規制部材Rは、複数の第1規制部材251と、複数の第2規制部材252とを含む。複数の第1規制部材251は、第3方向D3に沿って延びる。複数の第1規制部材251は、仕切り部材250と平行に流出部OFに配置される。第3方向D3における複数の第1規制部材251のそれぞれの幅は、同一である。また、第6方向D6における複数の第1規制部材251のそれぞれの幅は、同一である。
【0085】
複数の第1規制部材251は、第1規制部材251Aと、第1規制部材251Bと、第1規制部材251Cとを含む。第1規制部材251Aと第1規制部材251Bとは、第1流出領域OF1に間隔をあけて配置される。つまり、第1流出領域OF1には、2個の第1規制部材251が配置される。
【0086】
第1規制部材251Aは、第1規制部材251Bよりも第6方向D6の側に配置される。つまり、第1規制部材251Aは、電極153から最も離れた位置に配置される。第1規制部材251Bは、第1規制部材251Aよりも第6方向D6の側に配置される。第1規制部材251Bは、第1規制部材251Aと仕切り部材250との間に配置される。換言すると、第1規制部材251Bは、第1規制部材251Aよりも電極153に近い位置に配置される。
【0087】
第1規制部材251Cは、第2流出領域OF2に配置される。第1規制部材251Cは、仕切り部材250よりも第5方向D5の側に配置される。第2流出領域OF2には、1個の第1規制部材251が配置される。
【0088】
複数の第2規制部材252は、第6方向D6に沿って延びる。複数の第2規制部材252は、仕切り部材250と交差する。具体的には、複数の第2規制部材252は、仕切り部材250に直交する。第3方向D3における複数の第2規制部材252のそれぞれの幅は、同一である。また、第6方向D6における複数の第2規制部材252のそれぞれの幅は、同一である。
【0089】
複数の第2規制部材252は、第2規制部材252A~第2規制部材252Nを含む。第2規制部材252A~第2規制部材252Cは、第1流出領域OF1に間隔をあけて配置される。具体的には、第2規制部材252A~第2規制部材252Cは、第1流出領域OF1に等間隔に配置される。第2規制部材252A~第2規制部材252Cは、仕切り部材250よりも第6方向D6の側に配置される。第1流出領域OF1には、3個の第2規制部材252が配置される。
【0090】
第2規制部材252D~第2規制部材252Nは、第2流出領域OF2に間隔をあけて配置される。具体的には、第2規制部材252D~第2規制部材252Nは、第2流出領域OF2に等間隔に配置される。第2規制部材252D~第2規制部材252Nは、仕切り部材250よりも第5方向D5の側に配置される。第2流出領域OF2には、11個の第2規制部材252が配置される。
【0091】
第1規制部材251A、第1規制部材251B、及び、第2規制部材252A~第2規制部材252Cが第1流出領域OF1に配置されることで、第1流出領域OF1は14個の流出口を有する。14個の流出口のそれぞれの形状は、略長方形である。
【0092】
具体的には、14個の流出口のそれぞれは、第3方向D3に沿って延びる長辺を有し、第6方向D6に沿って延びる短辺を有する。第2部分151Dの湾曲面に沿って移動するイオン風は、第3方向D3と第4方向D4とに広がりながら第1流出領域OF1を通過する。つまり、イオン風が広がる方向と第1流出領域OF1の流出口の長辺が延びる方向とが一致する。したがって、イオン風が第1流出領域OF1を通過する際の抵抗を低減できる。この結果、第1収容室101により多くのイオンを含む空気を届けることができる。
【0093】
第1規制部材251C、及び、第2規制部材252D~第2規制部材252Nが第2流出領域OF2に配置されることで、第2流出領域OF2は24個の流出口を有する。24個の流出口のそれぞれの形状は、略長方形である。
【0094】
具体的には、24個の流出口のそれぞれは、第3方向D3に沿って延びる短辺を有し、第6方向D6に沿って延びる長辺を有する。第1ケース151Aの内面に沿ってイオン風は、第6方向D6に移動しながら第2流出領域OF2を通過する。つまり、イオン風が進む方向と第2流出領域OF2の流出口の長辺が延びる方向とが一致する。したがって、イオン風が第2流出領域OF2を通過する際の抵抗を低減できる。この結果、第2収容室120により多くのイオンを含む空気を届けることができる。
【0095】
また、第1流出領域OF1の14個の流出口の開口面積の合計は、第2流出領域OF2の24個の流出口の開口面積の合計と比較して大きい。よって、風速が早くなる部分の開口面積を大きくできる。この結果、第1収容室101により多くのイオンを含む空気を効率良く届けることができる。
【0096】
次に、
図10を参考に、第1規制部材251をさらに詳しく説明する。
図10は、
図9に示す流出部OFのX-X断面を示す図である。
図10には、仕切り部材250、及び、第1規制部材251A~第1規制部材251Cが示される。
【0097】
図10に示すように、仕切り部材250、及び、第1規制部材251A~第1規制部材251Cとは、第7方向D7に傾斜してもよい。第7方向D7は、
図8に示す第2ケース151Bから第4側壁115へ向かう方向を示す。仕切り部材250、及び、第1規制部材251A~第1規制部材251Cとは、同じ方向に傾斜するため仕切り部材250を例に説明する。
【0098】
仕切り部材250が第7方向D7に傾斜することで、仕切り部材250の第1方向D1の端部は、仕切り部材250の第2方向D2の端部と比較して第6方向D6の側に配置される。つまり、仕切り部材250の第2方向D2の端部から電極153までの距離と比較して、仕切り部材250の第1方向D1の端部から電極153までの距離は長い。
【0099】
電極153から第6方向D6に向かって放出されたイオンは、電気力線にしたがって放射状に移動する。したがって、仕切り部材250を第7方向D7に傾斜することで、放射状に移動するイオンの移動を妨げることを低減できる。この結果、第1収容室101により多くのイオンを含む空気を届けることができる。
【0100】
また、第1規制部材251Aと第1規制部材251Bとが第7方向D7に傾斜することで、放射状に移動するイオンの移動を妨げることを低減できる。この結果、第1収容室101により多くのイオンを含む空気を届けることができる。
【0101】
また、第1規制部材251Cが第7方向D7に傾斜することで、放射状に移動するイオンの移動を妨げることを低減できる。この結果、第2収容室120により多くのイオンを含む空気を届けることができる。
【0102】
次に、
図8と
図9と
図11とを参考に、第2規制部材252をさらに詳しく説明する。
図11は、
図9に示す流出部OFのXI-XI断面を示す図である。
図11には、第2規制部材252D~第2規制部材252Nが示される。
【0103】
図11に示すように、第2規制部材252F~第2規制部材252Lは、第1方向D1に沿って延びる。
【0104】
また、
図11に示すように、第2規制部材252Dと第2規制部材252Eとは、第1方向D1に対して第8方向D8に傾斜してもよい。第8方向D8は、
図8に示す第2ケース151Bから第1側壁112へ向かう方向を示す。第2規制部材252Dと第2規制部材252Eとは同じ方向に傾斜するため、第2規制部材252Dを例に説明する。第2規制部材252Fに対して、第2規制部材252Dの第1方向D1の側の端部は、第2規制部材252Dの第2方向D2の側の端部と比較して、第3方向D3の側に配置される。つまり、第2規制部材252Fと第2規制部材252Dとの間の間隔は、第1方向D1の側に向かうほど広くなる。したがって、第2収容室120へ向かうイオン風を第3方向D3の側へ案内できる。この結果、第2収容室120の第3方向D3の側にもイオン風を届けることができる。
【0105】
また、
図11に示すように、第2規制部材252Mと第2規制部材252Nとは、第9方向D9に傾斜してもよい。第9方向D9は、
図8に示す第2ケース151Bから第2側壁113へ向かう方向を示す。第2規制部材252Mと第2規制部材252Nとは同じ方向に傾斜するため、第2規制部材252Mを例に説明する。第2規制部材252Lに対して、第2規制部材252Mの第1方向D1の側の端部は、第2規制部材252Lの第2方向D2の側の端部と比較して、第4方向D4の側に配置される。つまり、第2規制部材252Mと第2規制部材252Lとの間の間隔は、第1方向D1の側に向かうほど広くなる。したがって、第2収容室120へ向かうイオン風を第4方向D4の側へ案内できる。この結果、第2収容室120の第4方向D4の側にもイオン風を届けることができる。
【0106】
[実施形態2]
次に、
図12を参照して、実施形態2の冷蔵庫1を説明する。実施形態2の冷蔵庫1は、実施形態1の収容庫100を有している。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
図12は、実施形態2に係る冷蔵庫1を示す図である。
【0107】
冷蔵庫1は、物体を冷やす。冷蔵庫1は、冷蔵室6と、野菜室10と、第1冷凍室20と、製氷室30と、第2冷凍室40と、冷却部(図示せず)とを備える。
【0108】
冷蔵室6は、物体を収容する。冷蔵室6に収容された物体は、冷却される。冷蔵室6は、一部が開口した箱形状である。冷蔵室6は、内部に収容空間6cを有する。
【0109】
冷蔵室6は、第1冷蔵扉6aと、第2冷蔵扉6bとを有する。第1冷蔵扉6aは、収容空間6cのうちの一部を開閉する。第1冷蔵扉6aは、第3方向D3の側に配置される。第2冷蔵扉6bは、収容空間6cのうちの他の一部を開閉する。第2冷蔵扉6bは、第4方向D4の側に配置される。
【0110】
野菜室10は、野菜を収容する。野菜室10に収容された野菜は、冷却される。野菜室10は、野菜扉11と、引出し体(図示せず)と、収容庫100とを有する。野菜室10は、引出し体の一部と収容庫100とを収容する。
【0111】
収容庫100は、開口を有する箱形状である。収容庫100は、物体OBを収容する。収容庫100は、第1収容室101と、蓋部103と、放電装置105とを備える。蓋部103と放電装置105とは、野菜室10の天井に固定される。例えば、第1収容室101が引き出されても、蓋部103と放電装置105とは野菜室10の外部に引き出されない。
【0112】
引出し体は、野菜室10に対して引出し及び押し込み自在である。引出し体には、野菜扉11と、収容庫100とが固定される。野菜扉11は、収容庫100の開口を開閉可能である。野菜扉11は、引出し体が収容庫100から引出された状態において、収容庫100の開口が開いている。野菜扉11は、引出し体が野菜室10に押し込まれた状態において、収容庫100の開口が閉じている。野菜扉11は、略矩形の板状部材である。野菜扉11は、例えば、前板である。
【0113】
第1冷凍室20は、物体を収容する。第1冷凍室20に収容された物体は、冷却される。第1冷凍室20は、一部が開口した箱形状である。第1冷凍室20は、内部に収容空間21bを有する。また、第1冷凍室20は、第1冷凍扉21aを有する。第1冷凍扉21aは、収容空間21bを開閉する。
【0114】
製氷室30は、氷を収容する。製氷室30に収容された水は、氷になるまで冷却される。製氷室30は、一部が開口した箱形状である。製氷室30は、内部に収容空間31bを有する。また、製氷室30は、製氷扉31aを有する。製氷扉31aは、収容空間31bを開閉する。
【0115】
第2冷凍室40は、物体を収容する。第2冷凍室40に収容された物体は、冷却される。第2冷凍室40は、一部が開口した箱形状である。第2冷凍室40は、内部に収容空間41bを有する。また、第2冷凍室40は、第2冷凍扉41aを有する。第2冷凍扉41aは、収容空間41bを開閉する。
【0116】
冷却部は、冷蔵室6の収容空間6cと、野菜室10の第1収容空間A1及び第2収容空間A2と、第1冷凍室20の収容空間21bと、製氷室30の収容空間31bと、第2冷凍室40の収容空間41bとを冷却する。
【0117】
冷却部は、冷媒と、冷媒配管と、圧縮部と、凝縮部と、膨張部と、蒸発部と、ファンと、冷気通路と、ダンパとを有する。冷媒は、熱を運搬する。冷媒配管は、冷媒を案内する。冷媒配管は、圧縮部と凝縮部と膨張部と蒸発部とを接続し、圧縮部と凝縮部と膨張部と蒸発部とを冷媒が循環する。
【0118】
圧縮部は、蒸発部で気化した冷媒を圧縮し、高温及び高圧にする。凝縮部は、圧縮部で高温及び高圧となった気体の熱を放熱し、常温及び高圧の液体の冷媒にする。膨張部は、常温及び高圧の液体の冷媒にかかる圧力を低下させて、液体の冷媒を低温及び低圧にする。蒸発部は、低温及び低圧の液体の冷媒を気化する。冷媒は、気化する際に周囲の空気から熱を奪い、周囲の空気を冷却する。ファンは、冷却された空気を冷気通路に送風する。冷気通路は、冷蔵室6、第1冷凍室20、製氷室30、及び第2冷凍室40に冷気を案内する。
【0119】
なお、野菜室10は、冷気通路からの冷気が野菜室10の収容庫100の内部に直接的に流入しないように形成されている。収容庫100の外部は低温となっており、収容庫100の内部が輻射冷却されるようになっている。収容庫100に冷気が直接的に流入しない輻射冷却の方式となっているため、収容庫100の内部の乾燥を抑制することができる。好適には、収容庫100は、実質的に密閉となるように形成されるとよい。なお、野菜室10は、予め設定されたタイミングで、収容庫100に冷気が流入するようになっていてもよい。
【0120】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0121】
(1)実施形態1の第2変形例では、複数の規制部材Rは流出部OFに配置されたがこれに限らない。例えば、複数の規制部材Rは、流入部ILに配置されてもよい。
【0122】
(2)実施形態1の第2変形例では、複数の第1規制部材251は、第3方向D3に沿って配置されたがこれに限らない。例えば、複数の第1規制部材251は、第4方向D4に沿って配置されてもよい。また、複数の第1規制部材251は、第3方向D3に交差するように配置されてもよい。
【0123】
(3)実施形態1の第2変形例では、複数の第2規制部材252は、第6方向D6に沿って配置されたがこれに限らない。例えば、複数の第2規制部材252は、第5方向D5に沿って配置されてもよい。また、複数の第2規制部材252は、第6方向D6に交差するように配置されてもよい。
【0124】
(4)実施形態1の第2変形例では、流出部OFは、第1流出領域OF1と第2流出領域OF2とを有したがこれに限らない。流出部OFは、第3流出領域を有していてもよい。第3流出領域は、第1流出領域OF1と第2流出領域OF2との間に配置される。
【0125】
(5)実施形態1の収容庫100の放電装置105は、1つの流出部OFと1つの流入部ILとを有していたが、これに限らない。例えば、放電装置105は、複数の流出部OFと複数の流入部ILとを有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、収容庫及び冷蔵庫を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0127】
1 :冷蔵庫
10 :野菜室
100 :収容庫
101 :第1収容室
111A :第1壁部
111B :第1底壁
120 :第2収容室
121A :第2壁部
121B :第2底壁
127 :連通部
128 :第1領域
129 :第2領域
131 :第1通過部
132 :第2通過部
133 :第1弾性部材
134 :第2弾性部材
135 :位置決め部
151 :ケース
152 :放電部
153 :電極
155 :保持部
A :収容空間
CN :流路
D1 :第1方向
IL :流入部
OB :物体
OF :流出部
R :規制部材
X :特定部分