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特許7569190表示装置、表示モジュール、及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】表示装置、表示モジュール、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/46 20060101AFI20241009BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20241009BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241009BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241009BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20241009BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241009BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241009BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241009BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20241009BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20241009BHJP
【FI】
G09F9/46 Z
G02F1/133 550
G02F1/1335 520
G02F1/13357
G02F1/1368
G09F9/00 362
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/33
H10K59/123
H10K59/124
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020163662
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2021060579
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】P 2019183956
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】久保田 大介
(72)【発明者】
【氏名】石谷 哲二
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-073415(JP,A)
【文献】特開2018-022036(JP,A)
【文献】特開2018-005222(JP,A)
【文献】特開2000-347184(JP,A)
【文献】特開2002-304136(JP,A)
【文献】特開2009-031463(JP,A)
【文献】特開2016-008002(JP,A)
【文献】特開2018-032021(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179334(WO,A1)
【文献】特開2012-155320(JP,A)
【文献】特開2018-055097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F 9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部と、第2の表示部と、非表示部と、第1の基板と、第2の基板と、第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、導電層と、を有し、
前記第1の表示部と、前記第2の表示部とは、前記非表示部を介して離隔して設けられ、
前記第1の基板と前記第2の基板とは、対向して設けられ、
前記第1の基板と前記第2の基板とは、それぞれ前記第1の表示部、前記第2の表示部、及び前記非表示部にわたって設けられ、
前記第1の表示部は、複数の液晶素子がマトリクス状に配置され、
前記第2の表示部は、複数の発光素子がマトリクス状に配置され、
前記液晶素子と前記発光素子は、前記第1の基板と、前記第2の基板の間に設けられ、
前記液晶素子は、可視光を前記第2の基板側に反射し、
前記発光素子は、可視光を前記第2の基板側に発し、
前記第1の絶縁層は、前記発光素子を覆って設けられ、且つ、無機化合物を含み、
前記第2の絶縁層は、前記第1の絶縁層を覆って設けられ、且つ、有機化合物を含み、
前記液晶素子は、前記第2の絶縁層上に設けられ、
前記液晶素子は、前記第1の基板側から第1の電極と、液晶層と、第2の電極と、を有し、
前記発光素子は、前記第1の基板側から第3の電極と、発光層と、第4の電極と、を有し、
前記第1の電極は、前記第1のトランジスタと電気的に接続され、
前記第3の電極は、前記第2のトランジスタと電気的に接続され、
前記導電層は、前記第3の電極と同一面上に設けられ、
前記第1のトランジスタと、前記第1の電極とは、前記導電層を介して電気的に接続される、
表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
さらに遮光層を有し、
前記遮光層は、前記非表示部に位置し、且つ、前記液晶素子及び前記発光素子よりも前記第2の基板側に位置する、
表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
さらに接着層を有し、
前記接着層は、前記発光素子と、前記第2の基板との間に位置し、
前記発光素子は、前記接着層を介して前記第2の基板側に可視光を発する機能を有する、
表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記第1の表示部に表示される第1の画像は、前記第2の表示部に表示される第2の画像よりも、低いフレーム周波数で表示される、
表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の表示装置を備える表示モジュールであって、
前記表示装置は、自動車のダッシュボードに取り付可能に構成され、
前記第1の表示部に表示される第1の画像は、燃料残量、冷却水の温度、走行距離、及び変速機の状態のうち、少なくとも一の情報を含む画像を含み、
前記第2の表示部に表示される第2の画像は、速度及び回転数のうち少なくとも一の情報を含む画像を含む、
表示モジュール。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1の画像は、前記第2の画像よりも、低いフレーム周波数で表示される、
表示モジュール。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の表示装置を備える電子機器であって、
前記第1の表示部に表示される第1の画像は、商品の名称、価格、産地、原材料、及び内容量のうち、少なくとも一の情報を含む静止画像を含み、
前記第2の表示部に表示される第2の画像は、前記商品についての情報及び使用方法のうち、少なくとも一の情報を含む動画像を含む、
電子機器。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1の画像は、前記第2の画像よりも、低いフレーム周波数で表示される、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。本発明の一態様は、表示装置を備える電子機器に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。
【背景技術】
【0003】
表示装置の一つとして、液晶素子を備える液晶表示装置がある。例えば、画素電極をマトリクス状に配置し、画素電極の各々に接続するスイッチング素子としてトランジスタを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置が注目を集めている。
【0004】
例えば、画素電極の各々に接続するスイッチング素子として、金属酸化物をチャネル形成領域とするトランジスタを用いるアクティブマトリクス型液晶表示装置が知られている。(特許文献1及び特許文献2)
【0005】
アクティブマトリクス型液晶表示装置には大きく分けて透過型と反射型の二種類のタイプが知られている。
【0006】
透過型の液晶表示装置は、液晶の光学変調作用を利用して、バックライトからの光のうち、液晶を透過して液晶表示装置外部に出力される光の量を画素毎に制御することで、画像表示を行うものである。一方、反射型の液晶表示装置は、外光、即ち入射光のうち、画素電極で反射して装置外部に出力される光の量を画素毎に制御することで、画像表示を行うものである。反射型の液晶表示装置は、透過型の液晶表示装置と比較して、バックライトを使用しないため、消費電力が少ないといった長所を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
テレビジョン装置、コンピュータのモニタ装置、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器に適用される表示装置は、多種多様な映像を表示する必要があるため、表示品位や解像度が高いことが求められる。その一方で、例えばセグメント方式の液晶表示装置が適用された電子機器のように、表示品位や解像度は高い必要はないが、低い消費電力で画像を常に表示させることができる表示装置も求められる。このように、用途や、表示する画像に応じて、最適な表示装置を選択することが行われている。
【0009】
本発明の一態様は、用途に適した表示を行うことができる表示装置を提供することを課題の一とする。または、表示品位の高い画像と、低消費電力で表示する画像との両方を表示することのできる表示装置を提供することを課題の一とする。または、動きの速い動画像と、動きの遅い動画像または静止画とを、効率的に表示することのできる表示装置を提供することを課題の一とする。または、信頼性の高い表示装置を提供することを課題の一とする。または、新規な構成を有する表示装置、及び電子機器等を提供することを課題の一とする。
【0010】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、第1の表示部と、第2の表示部と、非表示部と、第1の基板と、第2の基板と、を有する表示装置である。第1の表示部と、第2の表示部とは、非表示部を介して離隔して設けられる。第1の基板と第2の基板とは、対向して設けられる。また、第1の基板と第2の基板とは、それぞれ第1の表示部、第2の表示部、及び非表示部にわたって設けられる。第1の表示部は、複数の液晶素子がマトリクス状に配置される。第2の表示部は、複数の発光素子がマトリクス状に配置される。液晶素子と発光素子は、第1の基板と、第2の基板の間に設けられる。液晶素子は、可視光を第2の基板側に反射する。発光素子は、可視光を第2の基板側に発する。
【0012】
また、上記において、表示装置は、第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、を有する構成とすることができる。このとき、第1の絶縁層は、発光素子を覆って設けられ、且つ、無機化合物を含むことが好ましい。また、第2の絶縁層は、第1の絶縁層を覆って設けられ、且つ、有機化合物を含むことが好ましい。また、液晶素子は、第2の絶縁層上に設けられることが好ましい。
【0013】
また、上記において、表示装置は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有することが好ましい。また、液晶素子は、第1の基板側から第1の電極と、液晶層と、第2の電極と、を有することが好ましい。また、発光素子は、第1の基板側から第3の電極と、発光層と、第4の電極と、を有することが好ましい。また、第1の電極は、第1のトランジスタと電気的に接続され、第3の電極は、第2のトランジスタと電気的に接続されることが好ましい。
【0014】
また、上記において、第3の電極と同一面上に設けられた導電層を有することが好ましい。このとき、第1のトランジスタと、第1の電極とは、導電層を介して電気的に接続されることが好ましい。
【0015】
また、上記において、非表示部に位置し、且つ、液晶素子及び発光素子よりも第2の基板側に位置する遮光層を有することが好ましい。
【0016】
また、上記において、発光素子と、第2の基板との間に位置する接着層を有することが好ましい。また、発光素子は、接着層を介して第2の基板側に可視光を発する機能を有することが好ましい。
【0017】
また、上記において、第1の表示部に表示される第1の画像は、第2の表示部に表示される第2の画像よりも、低いフレーム周波数で表示されることが好ましい。
【0018】
また、本発明の一態様は、上記いずれか一の表示装置を備える表示モジュールである。表示装置は、自動車のダッシュボードに取り付可能に構成される。第1の表示部に表示される第1の画像は、速度及び回転数のうち少なくとも一の情報を含む画像を含むことが好ましい。また第2の表示部に表示される第2の画像は、燃料残量、冷却水の温度、走行距離、及び変速機の状態のうち、少なくとも一の情報を含む画像を含むことが好ましい。
【0019】
また、本発明の一態様は、上記いずれか一の表示装置を備える電子機器である。第1の表示部に表示される第1の画像は、商品についての情報及び使用方法のうち、少なくとも一の情報を含む動画像を含むことが好ましい。また第2の表示部に表示される第2の画像は、商品の名称、価格、産地、原材料、及び内容量のうち、少なくとも一の情報を含む静止画像を含むことが好ましい。
【0020】
また、上記表示モジュールまたは電子機器において、第1の画像は、第2画像よりも、低いフレーム周波数で表示されることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、用途に適した表示を行うことができる表示装置を提供できる。または、表示品位の高い画像と、低消費電力で表示する画像との両方を表示することのできる表示装置を提供できる。または、動きの速い動画像と、動きの遅い動画像または静止画とを、効率的に表示することのできる表示装置を提供できる。または、信頼性の高い表示装置を提供できる。または、新規な構成を有する表示装置、及び電子機器等を提供できる。
【0022】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1(A)及び図1(B)は、表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、表示装置の構成例を示す図である。
図3図3(A)及び図3(B)は、表示装置の構成例を示す図である。
図4図4は、表示装置の構成例を示す図である。
図5図5(A)乃至図5(E)は、表示装置の作製方法例を説明する図である。
図6図6(A)乃至図6(D)は、表示装置の作製方法例を説明する図である。
図7図7(A)乃至図7(D)は、表示装置の作製方法例を説明する図である。
図8図8(A)及び図8(B)は、表示モジュールの構成例を示す図である。
図9図9(A)及び図9(B)は、電子機器の構成例を示す図である。図9(C)は、電子機器の使用状態を示す図である。
図10図10(A)は、表示装置のブロック図である。図10(B)及び図10(C)は、表示装置の回路図である。
図11図11(A)、図11(C)、及び図11(D)は、表示装置の回路図である。図11(B)は、表示装置のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0026】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成要素の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0027】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0028】
本明細書等において、表示装置の一態様である表示パネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能を有するものである。したがって表示パネルは出力装置の一態様である。
【0029】
また、本明細書等では、表示パネルの基板に、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On Glass)方式等によりIC(Integrated Circuit)が実装されたものを、表示パネルモジュール、表示モジュール、または単に表示パネルなどと呼ぶ場合がある。
【0030】
なお、本明細書等において、表示装置の一態様であるタッチパネルは表示面に画像等を表示する機能と、表示面に指やスタイラスなどの被検知体が触れる、押圧する、または近づくことなどを検出するタッチセンサとしての機能と、を有する。したがってタッチパネルは入出力装置の一態様である。
【0031】
タッチパネルは、例えばタッチセンサ付き表示パネル(または表示装置)、タッチセンサ機能つき表示パネル(または表示装置)とも呼ぶことができる。タッチパネルは、表示パネルとタッチセンサパネルとを有する構成とすることもできる。または、表示パネルの内部または表面にタッチセンサとしての機能を有する構成とすることもできる。
【0032】
また、本明細書等では、タッチパネルの基板に、コネクターやICが実装されたものを、タッチパネルモジュール、表示モジュール、または単にタッチパネルなどと呼ぶ場合がある。
【0033】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置、及びその作製方法について説明する。
【0034】
本発明の一態様の表示装置は、第1の表示部と、第2の表示部と、非表示部と、を有する。非表示部は、第1の表示部と第2の表示部との間に位置し、第1の表示部と第2の表示部とは、当該非表示部を介して離隔して設けられている。言い換えると、平面視において、第1の表示部と第2の表示部との間には、非表示部が設けられる。
【0035】
第1の表示部は、マトリクス状に配置された第1の表示素子を有する。また、第2の表示部は、マトリクス状に配置された第2の表示素子を有する。第1の表示素子と、第2の表示素子は、異なる表示素子を適用することができる。
【0036】
第1の表示素子としては、反射光または透過光の光量を制御することで階調を表現する素子を用いることができる。特に、反射光を利用して表示する素子を用いることが好ましい。このような素子は、光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくできる。
【0037】
第1の表示素子には、代表的には反射型の液晶素子を用いることができる。または、第1の表示素子として、透過型の液晶素子、半透過型の液晶素子、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いることができる。
【0038】
なお、第1の表示素子に光を照射するための光源として、フロントライトを適用してもよい。これにより、外光の少ない暗い環境下においても、第1の表示部に明瞭な画像を表示することができる。
【0039】
また、第1の表示素子として、反射光を用いた表示と、透過光を用いた表示の両方を行うことのできる半透過型の液晶素子を用いることもできる。例えば、第1の表示素子として、光源であるバックライトからの光の透過光の光量を制御する機能と、外光の反射光の光量を制御する機能と、を有する半透過型の液晶素子を用いることができる。バックライトとしては、LEDを光源としたエッジライト型のバックライトを用いると、表示装置の薄型化が容易となるため好ましい。
【0040】
第2の表示部に設けられる第2の表示素子としては、発光素子を好適に用いることができる。特に、電界を印加することにより発光性の物質から発光を取り出すことのできる、電界発光素子を用いることが好ましい。このような画素が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、且つコントラストの高い表示を行うことができる。これにより、第2の表示部は、第1の表示部よりも鮮やかな表示を行うことができる。
【0041】
第2の表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの自発光性の発光素子を用いることができる。
【0042】
例えば、第1の表示部は、第1の表示素子による反射光を用いて画像を表示することができる。第1の表示部による表示は光源が不要であるため、極めて低消費電力な駆動を行うことができる。特に、外光の照度が十分高い場合に、消費電力を極めて小さくできる。また、第1の表示部は、反射光を用いた表示を行うことができるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。
【0043】
第1の表示部は、表示におけるフレーム周波数を、第2の表示部よりも小さくできることが好ましい。第1の表示部で画像を表示する際、常に第2の表示部よりも小さいフレーム周波数で表示してもよいし、当該フレーム周波数を表示する画像に応じて(例えば静止画像であるときと、動画像であるときとで、)可変にできる構成としてもよい。これにより、第1の表示部の消費電力を低減することができる。第1の表示部では、静止画像、または、比較的変化の小さい動画像を好適に表示することができる。
【0044】
第2の表示部は、第2の表示素子による発光を利用して画像を表示することができる。そのため、外光の照度や色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、且つ色再現性の高い)表示を行うことができる。また、夜間などの外光の照度が低い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2の表示部では輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。これにより、眩しさが抑えられることに加え、消費電力を低減することができる。
【0045】
また、発光素子は、液晶素子等に比べて応答速度が極めて高いため、動画像を滑らかに表示することができる。さらに、第2の表示部は、表示におけるフレーム周波数を、第1の表示部よりも大きくできることが好ましい。これにより、より滑らかな動画像を表示することができる。第2の表示部では、変化の比較的大きい動画像を好適に表示することができる。
【0046】
本発明の一態様において、第1の表示素子と、第2の表示素子とは、表示装置が有する第1の基板と、第2の基板の間にそれぞれ設ける。このとき、第1の基板側に、第2の表示素子と、第2の表示素子を覆う保護層と、当該保護層上に、第1の表示素子が設けられる構成とすることが好ましい。また、保護層は、第2の表示素子側から無機化合物を含む第1の絶縁層と、有機化合物を含む第2の絶縁層と、を有することが好ましい。第1の絶縁層は、第2の表示素子に不純物が拡散することを防ぐ保護膜として機能し、第2の絶縁層は、第1の表示素子が有する電極の被形成面側に位置し、平坦化層として機能することができる。これにより、高い信頼性と、高い視認性を兼ね備え、低コストで作製可能で、且つ、多機能の表示装置を実現することができる。
【0047】
さらに、第1の表示素子と電気的に接続する第1のトランジスタ、及び第2の表示素子と電気的に接続する第2のトランジスタを、それぞれ有することが好ましい。このとき、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、第1の基板側に形成される。第1のトランジスタと第2のトランジスタとは、同一の工程を経て形成することが好ましい。このとき、第1の表示素子と第1のトランジスタとは、保護層(第1の絶縁層及び第2の絶縁層)に設けられた開口を介して電気的に接続される構成とすることができる。
【0048】
本発明の一態様の表示装置は、非表示部を挟んで互いに離隔した第1の表示部と、第2の表示部とに、各々に適した画像を表示することができる。例えば、文字情報などの静止画、または変化の小さな動画像などを第1の表示部で消費電力を抑えて表示し、動画コンテンツや、動きの速い動画像などを第2の表示部で滑らかに表示することができる。そのため、用途が限定された機器などに好適に適用することができる。なお、表示装置は、第1の表示部と第2の表示部が、それぞれ独立に複数設けられていてもよい。
【0049】
第1の表示部と、第2の表示部との間に、非表示部を設けることで、当該非表示部には、第1の表示部または第2の表示部を駆動するための駆動回路や、配線などを配置することができる。これにより、非表示部が設けられる部分を無駄にすることなく、有効活用することができる。また、非表示部に、駆動回路や配線を配置する場合には、これらが視認されることを防ぐために、これよりも表示面側に遮光層を設けることが好ましい。これにより、意匠性に優れた表示装置を実現できる。
【0050】
以下では、本発明の一態様の表示装置のより具体的な構成例、及び作製方法例等について、図面を参照して説明する。
【0051】
[表示装置の構成例1]
図1(A)は、表示装置10の上面概略図である。表示装置10は、表示部11と、表示部12と、非表示部13と、を有する。
【0052】
表示部11は、複数の液晶素子30を有する。表示部12は、複数の発光素子40を有する。複数の液晶素子30、及び複数の発光素子40は、それぞれ表示素子として機能し、マトリクス状に配置されている。
【0053】
ここでは、表示部11と表示部12とを同じ外形形状として示しているが、それぞれ異なる外形形状を有していてもよい。また、表示部11と表示部12とで、表示素子のレイアウト方法、表示素子の配列ピッチ、表示素子の精細度等が異なっていてもよい。なお、同じ精細度とすると、表示部11と表示部12とで表示される画像の精細度を合わせることができる。表示部11と表示部12とで精細度を異ならせる場合には、表示部12を表示部11よりも高精細にすることが好ましい。これにより、表示部12で滑らかで高精細な動画像を表示することができる。
【0054】
図1(A)の左下に、表示部11の一部の拡大図を示している。表示部11が有する表示素子には、外光を反射して表示する液晶素子30が適用されている。図1(A)では、液晶素子30に外光が入射され、液晶素子30で反射した反射光25を模式的に示している。液晶素子30で反射する反射光25の光量を液晶素子30毎に制御することで、表示部11に画像を表示することができる。
【0055】
図1(A)の右下に、表示部12の一部の拡大図を示している。表示部12が有する表示素子には、発光素子40が適用されている。図1(A)では、発光素子40から光26が射出される様子を模式的に示している。発光素子40から射出される光26の光量を、発光素子40毎に制御することにより、表示部12に画像を表示することができる。
【0056】
すなわち、表示部11は、反射光を利用して画像を表示する機能を有する領域である。また、表示部12は、発光を利用して画像を表示する機能を有する領域である。例えば、表示部11は、文字情報、静止画、または変化の緩やかな(小さい)動画像などを好適に表示することができる。一方、表示部12は、鮮やかな静止画像または動画像、変化の大きい(すなわち動きの速い)動画像、コントラストの高い静止画像または動画像などを好適に表示することができる。
【0057】
非表示部13は、表示部11と表示部12との間に位置するほか、表示装置10の外周部に設けられる。非表示部13は、表示素子が設けられず、表示に寄与しない領域である。非表示部13には、配線や、FPCまたはICなどと接続するための外部接続端子等を設けることができる。
【0058】
また、非表示部13には、表示部11または表示部12を駆動するためのゲートドライバ回路及びソースドライバ回路などの回路を有することが好ましい。ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路は、表示部11及び表示部12の数だけ配置することができる。例えば表示部11と表示部12とを1つずつ設ける場合には、ゲートドライバ回路とソースドライバ回路とをそれぞれ2つずつ、非表示部13に設ければよい。または、表示部11または表示部12は、一対のゲートドライバ回路を有していてもよい。または、ゲートドライバ回路を、表示部11または表示部12に重ねて配置してもよい。また、ソースドライバ回路として機能するICを、非表示部13に設けられた外部接続端子に実装する、または当該ICが実装されたFPCを非表示部13に設けられた外部接続端子に接続する構成としてもよい。
【0059】
本発明の一態様の表示装置は、表示する画像や文字などの情報に最適な表示方法を選択することが可能であるため、用途に応じて様々な態様を取ることができる。また本発明の一態様の表示装置は、表示する情報の種類と、表示したい位置に合わせて、表示部11及び表示部12の数、大きさ、形状、精細度(画素密度)、解像度(画素数)などを自由に選択して設計することができる。また、表示部11及び表示部12に表示する画像として、モノクロ表示(単色表示を含む)、またはカラー表示のいずれかを選ぶこともできる。または、2色の表示素子を用いてカラー表示を行う構成とすることもできる。このように、本発明の一態様の表示装置のメーカー(サプライヤ)は、ユーザー(客先)の要望に合わせてカスタマイズして製造、販売することができる。
【0060】
[断面構成例1]
図1(B)には、表示装置10の断面概略図を示している。図1(B)では、図1(A)に示す表示部11、非表示部13、及び表示部12を含む一点鎖線S-Tにおける断面概略図を示している。
【0061】
表示装置10は、基板21と、基板22との間に、トランジスタ51、トランジスタ52、液晶素子30、発光素子40等を有する。基板21と基板22とは、接着層23により貼り合わされている。
【0062】
トランジスタ51及びトランジスタ52は、基板21上に設けられている。トランジスタ51及びトランジスタ52を覆って絶縁層61が設けられている。
【0063】
表示部12には、トランジスタ52及び発光素子40が設けられている。
【0064】
発光素子40は、基板21側から導電層41、EL層42、及び導電層43が積層された積層構造を有する。導電層41は、絶縁層61上に設けられ、絶縁層61に設けられた開口を介してトランジスタ52と電気的に接続されている。また導電層41の端部を覆って絶縁層62が設けられ、絶縁層62及び導電層41上に、EL層42と導電層43とが積層されている。EL層42は、絶縁層62上に端部を有する、島状の上面形状を有することが好ましい。また導電層43は、島状のEL層42の端部を覆って設けられることが好ましい。
【0065】
導電層41は、可視光を反射する機能を有する。導電層43は、可視光を透過する機能を有する。したがって、発光素子40は、被形成面側とは反対側に光を射出する、いわゆるトップエミッション型の発光素子である。
【0066】
また、発光素子40及び絶縁層62を覆って、絶縁層45と絶縁層46が積層して設けられている。絶縁層45は、発光素子40に水などの不純物が拡散することを防ぐための保護層として機能する。絶縁層45は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムなどの無機化合物を含むことが好ましい。また、絶縁層46は、導電層31の被形成面を成し、平坦化膜として機能する。絶縁層46は、アクリル、エポキシ、シロキサン、ポリイミドなどの有機化合物を含むことが好ましい。
【0067】
表示部11には、トランジスタ51及び液晶素子30が設けられている。
【0068】
液晶素子30は、導電層31と、液晶層32と、導電層33とを有する。導電層31は、絶縁層46上に設けられている。導電層33は、基板22の基板21側に設けられている。液晶層32は、導電層31と導電層33との間に挟持されている。導電層31は、可視光を反射する機能を有し、導電層33は可視光を透過する機能を有する。したがって、液晶素子30は、反射型の液晶素子である。
【0069】
ここで、絶縁層61上には、トランジスタ51と電気的に接続する導電層55が設けられている。導電層55は、絶縁層61に設けられた開口を介してトランジスタ51と電気的に接続されている。導電層55は、導電層41と同一の導電膜を加工して形成されていることが好ましい。
【0070】
また、導電層31は、絶縁層46、絶縁層45、及び絶縁層62に設けられた開口を介して導電層55と電気的に接続され、接続部15が形成されている。これにより、導電層31とトランジスタ51とが電気的に接続されている。なお、導電層55を介さず、導電層31とトランジスタ51とが直接的に接続されていてもよいが、導電層55を有することで、接続部15における開口の形成が容易になるため好ましい。
【0071】
非表示部13には、遮光層14が設けられている。遮光層14としては、例えばブラックマトリクス等の可視光を遮光する機能を有する材料を用いることができる。非表示部13に遮光層14を設けることで、非表示部13に設けられる配線や駆動回路、または、表示装置10が実装される機器の内部構造などが視認されることを抑制することができ、表示装置10及び表示装置10が実装される機器の意匠性を高めることができる。
【0072】
なお、ここでは遮光層14を基板22側に設ける構成としたが、基板21側に設けてもよい。また、遮光層14は不要であれば設けない構成としてもよい。
【0073】
図1(B)では、基板22の基板21側の面に、遮光層14が設けられ、遮光層14を覆って絶縁層65が設けられ、絶縁層65の一部を覆って導電層33が設けられている。絶縁層65は、不要であれば設けなくてもよい。
【0074】
ここで、発光素子40の導電層43は、少なくとも表示部11の接続部15に設けられないように形成する。図1(B)では、導電層43を、表示部11に設けられないように形成する例を示している。これにより、接続部15において、導電層31と導電層43とが接触し、電気的にショートしてしまうことを防ぐことができる。例えばメタルマスクまたは遮蔽マスクを用いた、真空蒸着法またはスパッタリング法などの方法で導電層43を形成することができる。
【0075】
また、図1(B)に示すように、接着層23は、表示部12に位置する部分を有することが好ましい。これにより、発光素子40から射出された光26は、接着層23を介して外部に射出することができる。例えば基板21と基板22との間に空間が存在する構成とするのではなく、この空間を接着層23で満たすことで、発光素子40から射出される光26の取り出し効率を高めることができる。さらに、基板21と基板22との接着面積を広げることができ、表示装置10の強度を高めることができる。
【0076】
接着層23は液晶層32と接するため、接着層23として、その成分が液晶層32に拡散しにくい材料を用いることが好ましい。また、接着層23と、液晶層32との間に、その成分が液晶層32に拡散しにくい材料を含むシール層を設けてもよい。当該シール層は、表示部11を囲うように設けることができる。
【0077】
[断面構成例2]
以下では、本発明の一態様の表示装置のより具体的な断面構成例について説明する。
【0078】
〔構成例2-1〕
図2に、表示装置10Aの断面概略図を示す。
【0079】
トランジスタ51及びトランジスタ52は、導電層71、絶縁層72、半導体層73、導電層74、及び導電層75を有する。導電層71は、その一部がゲート電極として機能する。絶縁層72は、その一部がゲート絶縁層として機能する。半導体層73は、その一部にチャネル形成領域を有する。導電層74と導電層75は、一方がソース電極として機能し、他方がドレイン電極として機能する。
【0080】
導電層71は、基板21上に設けられている。絶縁層72は、導電層71及び基板21を覆って設けられている。半導体層73は、絶縁層72上に設けられ、導電層71と重なる領域を有する。導電層74と導電層75は、それぞれ半導体層73と接し、且つ、半導体層73上に端部を有する。トランジスタ51及びトランジスタ52は、チャネルが形成される半導体層よりもゲート電極が被形成面側に位置する、いわゆるボトムゲート型のトランジスタである。
【0081】
なお、トランジスタ51及びトランジスタ52の構成はこれに限られず、様々な構成のトランジスタを適用することができる。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトランジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トップゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲートが設けられていてもよい。
【0082】
トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体ともいう)を有することが好ましい。または、トランジスタの半導体層は、シリコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコンなど)などが挙げられる。
【0083】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、単結晶半導体、または単結晶以外の結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。単結晶半導体または結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0084】
半導体層は、例えば、インジウムと、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。特に、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0085】
特に、半導体層として、インジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ましい。
【0086】
また、インジウム、ガリウム、亜鉛、及びスズを含む酸化物(IGZTOとも記す)、インジウム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物、インジウム及び亜鉛を含む酸化物、インジウム及びスズを含む酸化物、インジウム、スズ及びシリコンを含む酸化物などを用いてもよい。このような材料を含む半導体層を用いることで、電界効果移動度の高いトランジスタを実現できる。
【0087】
半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットは、Mに対するInの原子数比が1以上であることが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:3、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=10:1:3、In:M:Zn=10:1:6、In:M:Zn=6:1:6、In:M:Zn=5:2:5等が挙げられる。
【0088】
スパッタリングターゲットとしては、多結晶の酸化物を含むターゲットを用いると、結晶性を有する半導体層を形成しやすくなるため好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、半導体層に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される半導体層の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。
【0089】
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍と記載する場合、Inを4としたとき、Gaが1以上3以下であり、Znが2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍であると記載する場合、Inを5としたときに、Gaが0.1より大きく2以下であり、Znが5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍であると記載する場合、Inを1としたときに、Gaが0.1より大きく2以下であり、Znが0.1より大きく2以下である場合を含む。
【0090】
トランジスタ51及びトランジスタ52を覆って、絶縁層76が設けられる。絶縁層76は、トランジスタ51及びトランジスタ52に水などの不純物が拡散することを防ぐ保護膜として機能する。絶縁層76は、上記絶縁層45と同様、無機化合物を含むことが好ましい。
【0091】
また、絶縁層76を覆って、絶縁層61が設けられている。絶縁層61は、導電層41の被形成面を成し、平坦化層として機能する。絶縁層61は、上記絶縁層46と同様、有機化合物を含むことが好ましい。
【0092】
絶縁層61上に、導電層41と、導電層55が設けられている。導電層41は、絶縁層61及び絶縁層76に設けられた開口を介して、トランジスタ52の導電層75と電気的に接続されている。導電層55も同様にして、トランジスタ51の導電層75と電気的に接続されている。
【0093】
絶縁層62は、導電層41及び導電層55の端部を覆って設けられる。言い換えると、絶縁層62は、導電層41及び導電層55とそれぞれ重なる開口を有するともいうことができる。
【0094】
発光素子40において、EL層42は島状に形成されている。また導電層43は、EL層42の端部を覆うように設けられている。これにより、EL層42が導電層43に覆われて露出しないため、水などの不純物がEL層42に拡散することを好適に抑制することができる。導電層43は、表示部12に設けられる複数のEL層42を覆って設けられ、共通電極として機能する。また図2では、導電層43の端部が非表示部13に位置し、表示部11には設けられない例を示している。
【0095】
導電層31は、絶縁層46上に設けられている。接続部15において、絶縁層46及び絶縁層45には、導電層55と重なる位置に開口が設けられ、当該開口において、導電層31と導電層55とが電気的に接続されている。なお、図2では、接続部15における絶縁層45の側面と、絶縁層46の側面が連続するように形成されているが、これに限られず、絶縁層45の側面が絶縁層46の側面よりも内側に位置する、または絶縁層46の側面が絶縁層45の側面よりも内側に位置する構成としてもよい。また、絶縁層45の側面を、絶縁層46が覆う構成としてもよい。
【0096】
液晶素子30において、液晶層32と導電層31との間に、配向膜34が設けられている。また、液晶層32と導電層33との間に配向膜35が設けられている。図2では、配向膜34及び配向膜35が、非表示部13及び表示部12にも設けられる例を示している。なお、配向膜34及び配向膜35は、不要であれば設けなくてもよい。
【0097】
また、基板22の基板21側の面とは反対側の面側に、偏光板39が設けられている。偏光板39により偏光された光が液晶素子30に入射されると、導電層33、液晶層32を透過して導電層31で反射され、液晶層32及び導電層33を再度透過して偏光板39に到達する。このとき、導電層31と導電層33との間に電圧を与え、液晶層32中の液晶の配向を制御することで、偏光板39を透過する反射光25の光量を制御することができる。
【0098】
図2では、偏光板39を表示部11だけでなく、表示部12及び非表示部13にも設ける構成としているが、表示部11にのみ配置してもよい。液晶素子30として、反射型の液晶素子を用いる場合、偏光板39として円偏光板を用いることができる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長板を積層したものを用いることができる。円偏光板を用いることにより、外光反射を抑制することができる。また、外光反射を抑制するために光拡散板を設けてもよい。
【0099】
〔構成例2-2〕
図3(A)に、上記表示装置10Aとは一部の構成が異なる表示装置10Bの断面概略図を示す。表示装置10Bは、着色層81を有する点で、上記表示装置10Aと主に相違している。
【0100】
着色層81は、液晶素子30と重なる位置に設けられている。着色層81は、可視光のうち特定の波長領域の光を透過する機能、または特定の波長領域の光を吸収する機能を有する。着色層81としては、例えば顔料または染料を含む樹脂を用いることができる。表示部11に、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかを透過する着色層81が設けられた画素をマトリクス状に配置することで、表示装置10Bは、表示部11によってフルカラーの表示を行うことができる。
【0101】
着色層81は、基板22の基板21側の面に設けられている。図3(A)に示す構成では、基板22の基板21側の面に遮光層14が設けられ、遮光層14の開口を覆うように着色層81が設けられ、着色層81及び遮光層14を覆って絶縁層65が設けられている。なお、着色層81と遮光層14の上下関係はこれに限られず、着色層81が先に形成されていてもよい。
【0102】
〔構成例2-3〕
図3(B)に表示装置10Cの断面概略図を示す。表示装置10Cは、発光素子40の構成が異なる点、及び着色層82を有する点で、表示装置10Bと主に相違している。
【0103】
着色層82は、発光素子40と重ねて設けられている。発光素子40が発する白色光は、着色層82により一部が吸収されて外部に射出される。これにより、表示装置10Cはカラー表示を行うことができる。
【0104】
発光素子40は、EL層42Wを有し、白色の光を呈する発光素子である。EL層42Wは、複数の発光素子間に共通に設けることができる。そのため、異なる色の画素毎に、EL層42Wを作り分ける必要がないため、精細度の高い表示装置(表示部)に適している。
【0105】
ここで、発光素子40からの光26は、着色層82を一度だけ透過するのに対し、液晶素子30で反射する反射光25は、入射時と射出時とで着色層81を二度透過する。そのため、着色層81と着色層82とを同じ材料及び厚さで形成すると、反射光25の輝度が低下してしまう場合がある。そこで、着色層81は、着色層82よりも厚さを薄くすることが好ましい。または、顔料又は染料の濃度を低くするなど、着色層81の透過率を着色層82よりも高くしてもよい。
【0106】
〔構成例2-4〕
図4に、表示装置10Dの断面概略図を示す。表示装置10Dは、フロントライト80を有する点で、表示装置10Bと主に相違している。
【0107】
フロントライト80は、光源83と、導光板84を有する。光源83は、導光板84に対して、側面から光を射出する機能を有する。光源83としては、代表的には発光ダイオード(LED)を用いることができる。
【0108】
表示装置10Dの表示部11は、液晶素子30で外光を反射した反射光25aと、フロントライト80からの光を反射した反射光25bと、のいずれか一方、または両方により、画像を表示することができる。
【0109】
図4に示す構成では、液晶素子30と重ねて着色層81が設けられるため、フロントライト80が有する光源83としては、白色光源を用いることができる。なお、表示部11でカラー表示を行わない場合には、光源83として単色の光源を用いてもよい。また、液晶素子30の駆動方法として、継時加法混色法に基づいてカラー表示を行う、時間分割表示方式(フィールドシーケンシャル駆動方式ともいう)を適用してもよい。その場合、着色層81を設けず、且つ、フロントライト80が光源83として赤色、緑色、及び青色の3種類の光源を有する構成とすることができる。
【0110】
[作製方法例]
以下では、本発明の一態様の表示装置の作製方法の一例について、図面を参照して説明する。ここでは、上記構成例2-2及び図3(A)で例示した表示装置10Bを例に挙げて説明する。
【0111】
なお、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法や、熱CVD法などがある。熱CVD法には、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法が含まれる。
【0112】
表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
【0113】
表示装置を構成する薄膜を加工する際には、リソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、例えば以下の2つの方法がある。1つは、加工したい薄膜上に感光性のレジスト材料を塗布し、フォトマスクを介して露光した後、現像することによりレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう1つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
【0114】
リソグラフィ法において光を用いる場合、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-violet)光やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
【0115】
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
【0116】
まず、基板21上に、トランジスタ51及びトランジスタ52を形成する(図5(A))。
【0117】
基板21上に導電膜を成膜し、当該導電膜の一部をエッチングすることにより、導電層71を形成する。続いて、導電層71を覆って絶縁層72を成膜する。続いて、絶縁層72上に半導体膜を成膜し、当該半導体膜の一部をエッチングすることにより、島状の半導体層73を形成する。続いて、絶縁層72及び半導体層73を覆って導電膜を成膜し、当該導電膜の一部をエッチングすることにより、導電層74及び導電層75を形成する。これにより、基板21上にトランジスタ51とトランジスタ52を形成することができる。
【0118】
続いて、トランジスタ51及びトランジスタ52を覆う絶縁層76を形成する。絶縁層76としては、無機絶縁膜を用いることができる。
【0119】
続いて、絶縁層76上に絶縁層61を形成する。絶縁層61としては、平坦化膜として機能する有機絶縁膜を用いることが好ましい。
【0120】
続いて、絶縁層61及び絶縁層76に、導電層75に達する開口を形成する。その後、絶縁層61上に導電層55及び導電層41となる導電膜を成膜し、当該導電膜の一部をエッチングすることにより、導電層55及び導電層41を形成することができる(図5(B))。
【0121】
続いて、導電層55の端部、及び導電層41の端部を覆う絶縁層62を形成する(図5(C))。絶縁層62は、感光性の有機樹脂を用いて形成することが好ましい。
【0122】
続いて、EL層42及び導電層43を形成する(図5(D))。
【0123】
EL層42は、蒸着法、塗布法、印刷法、吐出法などの方法で形成することができる。EL層42を画素毎に作り分ける場合、メタルマスクなどのシャドウマスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法等により形成することができる。EL層42を画素毎に作り分けない場合には、メタルマスクを用いない蒸着法を用いることができる。
【0124】
導電層43は、蒸着法、スパッタリング法などの方法で形成することができる。導電層43は、EL層42の端部を覆うように形成することが好ましい。
【0125】
EL層42及び導電層43は、表示部11となる領域に設けられないように形成する。例えばEL層42を蒸着法により成膜し、導電層43を蒸着法またはスパッタリング法により成膜する場合、これらを成膜する領域に開口が設けられ、表示部11となる領域を覆うシャドウマスクを用いて、それぞれ成膜することが好ましい。また、EL層42をインクジェット法、またはメタルマスクを用いた蒸着法等により島状に形成し、導電層43を、上記シャドウマスクを用いた蒸着法またはスパッタリング法により形成してもよい。
【0126】
以上のようにして、発光素子40を作製することができる。発光素子40は、被形成面側とは反対側に光を射出する、トップエミッション型の発光素子である。なお、発光素子40は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
【0127】
続いて、発光素子40及び絶縁層62を覆う絶縁層45を形成する(図5(E))。
【0128】
絶縁層45は、発光素子40に水などの不純物が拡散することを抑制する保護層として機能する。発光素子40は、絶縁層45によって封止される。導電層43を形成した後に、大気に曝すことなく、絶縁層45を形成することが好ましい。
【0129】
絶縁層45の成膜時の基板温度は、EL層42の耐熱温度以下の温度で形成する。絶縁層45は、例えばスパッタリング法、CVD法、ALD法、PLD法などの方法により成膜されることが好ましい。特にALD法やスパッタリング法は、低温成膜が容易であるため好ましい。また、ALD法は、段差被覆性が高く、欠陥の少ない膜を成膜することができるため、絶縁層45の成膜に好適に用いることができる。
【0130】
ここで、図5(E)に示すように、絶縁層45の一部は、導電層55の上面に接して設けられる。
【0131】
続いて、絶縁層45上に、平坦化膜として機能する絶縁層46を形成する(図6(A))。
【0132】
絶縁層46は、導電層55と重なる位置に開口を有するように設ける。絶縁層46は、絶縁層62と同様に、感光性を有する有機樹脂を用いて形成することが好ましい。
【0133】
続いて、絶縁層45の、絶縁層46に覆われない部分をエッチングして、導電層55の表面の一部を露出させる(図6(B))。このとき絶縁層46は、絶縁層45のエッチングに用いるレジストマスクとして機能する。
【0134】
続いて、絶縁層46上に導電膜を成膜し、当該導電膜の一部をエッチングすることにより、導電層31を形成する(図6(C))。これにより、導電層31と導電層55とが電気的に接続する接続部15が形成される。
【0135】
続いて、導電層31及び絶縁層46上に、配向膜34を形成する(図6(D))。配向膜34は、樹脂などの薄膜を成膜した後に、ラビング処理を行うことにより形成することができる。
【0136】
ここまでが、基板21側の作製工程の説明である。続いて、基板22側の説明を行う。基板21側の作製工程と、基板22側の作製工程は、それぞれ独立して進めることができる。
【0137】
基板22上に、遮光層14と、着色層81を形成する(図7(A))。
【0138】
ここではまず、基板22上の遮光層14を形成し、遮光層14の開口、及び導電層31と重なる位置に着色層81を形成する。
【0139】
続いて、基板22、遮光層14、及び着色層81を覆って絶縁層65を形成する(図7(B))。絶縁層65は、着色層81等に含まれる成分が、液晶層に拡散することを防ぐオーバーコートとして機能する。また、絶縁層65は、平坦化膜として機能する。絶縁層65は、有機樹脂を用いて形成することができる。
【0140】
続いて、絶縁層65上に導電層33を形成する。導電層33は、可視光を透過する導電膜の一部をエッチングすることで形成することができる。
【0141】
続いて、導電層33及び絶縁層65上に、配向膜35を形成する(図7(C))。配向膜35は、配向膜34と同様の方法により形成できる。
【0142】
ここまでが、基板22側の作製工程の説明である。
【0143】
最後に、基板21と基板22とを、接着層23及び液晶層32を挟んで貼り合わせる(図7(D))。
【0144】
まず、基板21及び基板22のいずれか一方、または両方に、接着層23を形成する。接着層23は、液晶素子30が形成される領域を取り囲むように形成する。このとき、発光素子40と重なる領域に、接着層23を形成することが好ましい。接着層23は、例えばスクリーン印刷法や、ディスペンス法等により形成することができる。接着層23としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤等の各種硬化型接着剤を用いることができる。また、紫外線により仮硬化した後に、熱を加えることにより硬化する樹脂などを用いてもよい。また、接着層23として、紫外線硬化性と熱硬化性の両方を有する樹脂などを用いてもよい。また、接着層23としては、接着シート等を用いてもよい。
【0145】
続いて、液晶層32となる組成物をディスペンス法等により、基板21または基板22の接着層23に囲まれた領域に滴下する。
【0146】
続いて、液晶層32となる組成物を挟むように基板21と基板22とを貼り合わせ、接着層23を硬化する。貼り合わせは、減圧雰囲気下で行うと、基板21と基板22との間に気泡等が混入することを防ぐことができるため好ましい。基板21と基板22とを貼り合わせたのち、接着層23を硬化させる。
【0147】
なお、液晶層32となる組成物は、基板21と基板22とを貼り合わせた後に、減圧雰囲気下において、接着層23に設けた隙間から注入する方法を用いてもよい。また、液晶層32となる組成物の滴下後に粒状のギャップスペーサを、画素が配置されている領域や、当該領域の外側に散布してもよいし、当該ギャップスペーサを含む組成物を滴下してもよい。
【0148】
また、液晶層32と接着層23との間に、液晶層32を囲うシール層を設けてもよい。このとき、液晶層32が設けられる領域を囲うようにシール層を形成し、当該シール層よりも外側に、接着層23を形成する。そして、シール層に囲まれた領域に液晶層32となる組成物を滴下した後、基板21と基板22とを貼り合わせる。その後、表示部11及び表示部12となる領域を遮光した状態で、シール層に紫外線等を照射して仮硬化したのちに、加熱処理を行って接着層23及びシール層を硬化する。これにより、発光素子40に紫外線が照射されないため、発光素子40の信頼性を高めることができる。また、発光素子40の耐熱温度よりも低い温度(例えば120℃以下、好ましくは100℃以下)での加熱処理であっても、シール層を確実に硬化させることができるため、液晶素子30の信頼性も高めることができる。
【0149】
基板21と基板22とを貼り合わせることで、液晶素子30が形成される。また、以上の工程により、表示装置10Bを作製することができる。
【0150】
本発明の一態様によれば、発光素子40に接続されるトランジスタ52、液晶素子を駆動するトランジスタ51、及び画素や駆動回路等を構成するトランジスタを、同一の工程で作製することができるため、多機能な表示装置を低いコストで実現できる。
【0151】
以上が、作製方法例についての説明である。
【0152】
[金属酸化物について]
以下では、半導体層に適用可能な金属酸化物について説明する。
【0153】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。例えば、亜鉛酸窒化物(ZnON)などの窒素を有する金属酸化物を、半導体層に用いてもよい。
【0154】
なお、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能または材料の構成の一例を表す。
【0155】
例えば、半導体層にはCAC(Cloud-Aligned Composite)-OS(Oxide Semiconductor)を用いることができる。
【0156】
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0157】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
【0158】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0159】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0160】
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
【0161】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体などがある。
【0162】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
【0163】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形及び七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためである。
【0164】
また、CAAC-OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
【0165】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(V:oxygen vacancyともいう。)など)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0166】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0167】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、または数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0168】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0169】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0170】
半導体層として機能する金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方または双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
【0171】
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0172】
金属酸化物膜の成膜時の基板温度は、350℃以下が好ましく、室温以上200℃以下がより好ましく、室温以上130℃以下がさらに好ましい。金属酸化物膜の成膜時の基板温度が室温であると、生産性を高めることができ、好ましい。
【0173】
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、例えばPLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法などを用いてもよい。
【0174】
以上が、金属酸化物についての説明である。
【0175】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0176】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置を適用可能な表示モジュール及び電子機器の構成例について説明する。
【0177】
図8(A)に、表示モジュール20aの構成例を示す。表示モジュール20aは、表示装置10aが組み込まれた外装体91、ケーブル92、及びコネクター93等を有する。表示モジュール20aは、自動車などの移動体に組み込むことができる。
【0178】
表示装置10aは、表示部11a、表示部11b、表示部12a、表示部12b、及び非表示部13を有する。非表示部13は、各表示部の間に設けられる。また、非表示部13の一部は、表示装置10aの輪郭に沿って設けられる。
【0179】
表示部11a及び表示部11bは、液晶素子により画像を表示する機能を有する部分である。表示部11a及び表示部11bは、特に、反射光を利用して画像を表示することが好ましい。表示部11a及び表示部11bは、静止画像、または変化の緩やかな動画像を表示するのに適した部分である。
【0180】
一方、表示部12a及び表示部12bは、発光素子が発する光を利用して画像を表示する機能を有する領域である。表示部12a及び表示部12bは、鮮やかな静止画像または動画像、動きの速い動画像、コントラストの高い静止画像または動画像などを表示するのに適した部分である。
【0181】
コネクター93は、移動体等が有するコネクターと接続することができる。コネクター93及びケーブル92を介して、移動体から表示装置10aに、電源電位や各種信号を供給することができる。
【0182】
表示モジュール20aは、移動体内の運転手から見える位置に配置することで、運転手に様々な情報を提示することができる。図8(B)に、表示モジュール20aの表示状態の例を示す。
【0183】
表示部11aには、走行距離、及び変速機の状態を示す画像が表示されている。図8(B)では、走行距離の情報として、累計走行距離を示すオドメータ(Odometer)(図8(B)では「0035280km」の文字)と、区間走行距離を示すトリップメータ(Tripmeter)(図8(B)では「TRIP 220」の文字)の2つが表示されている。また、変速機の状態に係る情報として、ドライブであることを示す「D」が表示されている。
【0184】
表示部11bには、冷却水の水温を示す水温計の画像と、燃料の残量を示す燃料計の画像と、が表示されている。図8(B)では、水温計の画像として、目盛りの画像と、針の画像と、高温であることを示す「H」の文字と、低温であることを示す「C」の文字と、が示されている。また、燃料計の画像として、目盛りの画像と、針の画像と、燃料タンクが満たされた状態を示す「F」の文字と、燃料タンクが空である状態を示す「E」の文字と、が示されている。水温計の画像と燃料計の画像は、それぞれ針の画像のみが緩やかに変位し、他の画像は常に同じ画像を表示することができる。なお、水温または燃料の残量に応じて、色が変化する画像を表示してもよい。
【0185】
このように、表示部11a及び表示部11bには、変化の緩やかな情報に関する画像を好適に表示することができる。また、表示部11a及び表示部11bは、極めて低いフレーム周波数(例えば1Hz以下)での表示を行うことができるため、消費電力を低減できる。
【0186】
表示部12aには、速度計の画像が表示されている。また、表示部12bには、エンジンの回転数を示す回転計の画像が表示されている。図8(B)では、速度計の画像として、速度を示す0乃至260の数字が付された目盛りの画像と、針の画像が示されている。また、回転計の画像として、回転数を示す0乃至9の数字が付された目盛りの画像と、針の画像と、目盛りの係数を示す「×1000rpm」の文字と、が示されている。速度計の画像と回転計の画像は、それぞれ針の画像のみが速度または回転数に応じて随時変位し、他の画像は常に同じ画像を表示することができる。なお、速度や回転数に応じて、目盛りや数字の色が変化する画像を表示してもよい。
【0187】
このように、表示部12a及び表示部12bには、変化の大きな情報に関する画像を好適に表示することができる。また、表示部12a及び表示部12bは、高いフレーム周波数(例えば60Hz以上480Hz以下)で表示を行うことにより、速度や回転数の急激な変化に対して遅延することなく、リアルタイムで情報を表示することができるため好ましい。
【0188】
図9(A)に、電子タグとして機能する電子機器20bの構成例を示す。電子機器20bは、表示装置10bが組み込まれた外装体94を有する。表示装置10bは、表示部11c、表示部12c、及び非表示部13を有する。表示部11cは、液晶素子により画像を表示する機能を有し、表示部12cは、発光素子により画像を表示する機能を有する。
【0189】
また、電子機器20bは、外装体94の内部に、バッテリー、メモリ、通信回路、制御回路等を有する構成とすることができる。また外装体94に、充電及びデータ書き換えのための端子を設けてもよい。電子機器20bは、電子荷札などとして用いることができる。電子機器20bは、メモリに保持された画像データを繰り返し表示することができる。メモリに保持される画像データは、端子または通信回路を介して入力されるデータに更新することができる。または、通信回路を介して外部から入力される画像データをリアルタイムに表示してもよい。
【0190】
図9(B)に、電子機器20bの表示状態の例を示す。ここでは、電子機器20bをプライスタグとして用いる場合の例を示している。
【0191】
表示部11cには、例えば商品の情報として、名称、価格、産地、原材料、内容量などの情報を表示することができる。表示部11cに表示される情報は、静止画、または変化の緩やかな動画像として、表示されることが好ましい。図9(B)では、表示部11cには、商品名の情報である「Japanese Green Tea」の文字と、内容量の情報である「NET.30g」の文字と、「SALE」の文字と、価格の情報である「$8.49」の文字と、が表示されている。
【0192】
また、表示部12cには、商品についての情報、及び商品の使用方法のうち、少なくとも一の情報を含む画像を表示することができる。表示部12cに表示される画像は、静止画像であってもよいが、動画像であることがより好ましい。表示部12cに動画像を表示することにより、商品の使用方法を分かりやすく伝えること、商品のアピールポイントを効果的に提示すること、などができる。また、商品が食材である場合には、表示部12cに、当該食材を用いた料理の作り方を示した動画像などを表示してもよい。また、表示部12cに、コマーシャル動画を表示することもできる。
【0193】
図9(B)では、表示部12cに、急須で美味しく日本茶を淹れる方法について説明する動画が表示されている例を示している。これにより、日本茶に対して興味はあるが、知識がなく、購入を躊躇ってしまうようなユーザーも安心して購入することができる。
【0194】
また、表示部11cまたは表示部12cに、バーコード、または二次元コードなどのコードを表示してもよい。ユーザーは、スマートフォンなどの端末で当該コードを読み取ることで、商品のより詳細な情報を取得することができる。また、端末でコードを読み取ることで商品の決済を実行することもできる。
【0195】
図9(C)に、電子機器20bの使用状態の例を示している。図9(C)には、陳列棚96に取り付けられたレール97に、電子機器20bが配置されている様子を示している。陳列棚96には、複数の商品98が陳列されている。
【0196】
電子機器20bは、レール97に引っ掛けるように固定することができる。レール97は、電子機器20bに電力を供給する機能を有していてもよい。またレール97を介して、電子機器20bに画像データを送信する構成としてもよい。
【0197】
このように、本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示する画像の種類に適した表示方法で、画像を表示することができる。また、表示する画像の種類や方法に適した消費電力とすることができるため、無駄な電力を削減することができる。
【0198】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0199】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置について、図10(A)乃至図10(C)を用いて説明を行う。
【0200】
図10(A)に示す表示装置500は、それぞれ異なる表示素子を有する2つの画素部(画素部502、画素部552)を有する。なお、ここでは画素部を2つ有する例を示したが、これに限られず、画素部を3つ以上有する構成としてもよい。画素部502及び画素部552は、それぞれ表示部として機能する。
【0201】
表示装置500は、画素部502、駆動回路503、駆動回路504、画素部552、駆動回路553、駆動回路554、端子部511、及び保護回路512を有する。なお、保護回路512は、設けない構成としてもよい。
【0202】
画素部502、駆動回路504、画素部552、及び駆動回路554に、本発明の一態様の金属酸化物を有するトランジスタを適用することができる。また保護回路512、駆動回路503、及び駆動回路553の少なくとも1つに、本発明の一態様の金属酸化物を有するトランジスタを適用してもよい。
【0203】
画素部502は、X行Y列(X、Yはそれぞれ独立に2以上の自然数)に配置された複数の画素回路501を有する。画素回路501は、液晶素子を駆動する回路を有する。
【0204】
駆動回路504は、ゲート線GL1_1乃至ゲート線GL1_Xに走査信号を出力するゲートドライバとして機能する。駆動回路503は、データ線DL1_1乃至データ線DL1_Yにデータ信号を供給するソースドライバとして機能する。
【0205】
画素部552は、J行K列(J、Kはそれぞれ独立に2以上の自然数)に配置された複数の画素回路551を有する。画素回路551は、発光素子を駆動する回路を有する。
【0206】
駆動回路554は、ゲート線GL2_1乃至ゲート線GL2_Jに走査信号を出力するゲートドライバとして機能する。駆動回路553は、データ線DL2_1乃至データ線DL2_Kにデータ信号を供給するソースドライバとして機能する。
【0207】
駆動回路504及び駆動回路554は、少なくともシフトレジスタを有する構成とすればよい。また駆動回路503及び駆動回路553は、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。また、シフトレジスタなどを用いて駆動回路503及び駆動回路553を構成してもよい。
【0208】
端子部511は、外部の回路から表示装置500に電源、制御信号、及び画像信号を入力するための端子が設けられた部分である。端子部511は、駆動回路503、駆動回路504、駆動回路553、及び駆動回路554と、それぞれ配線を介して電気的に接続されている。このように、一つの端子部511により、複数の画素部を駆動する信号等を入力する構成とすることで、各々の画素部毎に端子部を設ける場合に比べて、表示装置500を電子機器に組み込む場合に、配線等を一つにまとめることができ、好ましい。
【0209】
保護回路512は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。図10(A)に示す保護回路512は、例えば、端子部511と駆動回路503等とを繋ぐ各配線、各ゲート線、及び各データ線にそれぞれ接続されている。なお、図10(A)では、画素回路501または画素回路551と、保護回路512とを区別するため、保護回路512にハッチングを付している。
【0210】
駆動回路503、駆動回路504、駆動回路553、及び駆動回路554は、それぞれ画素部502及び画素部552と同じ基板上に設けられていてもよい。また、ゲートドライバ回路またはソースドライバ回路が別途形成された基板(例えば、単結晶半導体または多結晶半導体で形成された駆動回路基板)を有するICチップを、画素部502及び画素部552が設けられる基板、または端子部511に接続されるFPCに実装する構成としてもよい。
【0211】
図10(B)に、画素回路501に適用することのできる画素回路の構成の一例を示す。また、図10(C)に、画素回路551に適用することのできる画素回路の構成の一例を示す。
【0212】
図10(B)に示す画素回路501は、トランジスタ521、液晶素子522、及び容量素子523を有する。また画素回路501には、データ線DL1_n、ゲート線GL1_m、電位供給線VL等が接続されている。
【0213】
液晶素子522の一対の電極の一方の電位は、画素回路501の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子522は、書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素回路501のそれぞれが有する液晶素子522の一対の電極の一方に共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素回路501の液晶素子522の一対の電極の一方に異なる電位を与えてもよい。
【0214】
図10(C)に示す画素回路551は、トランジスタ561、トランジスタ562、発光素子563、及び容量素子564を有する。また画素回路551には、データ線DL2_q、ゲート線GL2_p、電位供給線VL_a、及び電位供給線VL_b等が接続されている。
【0215】
電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。トランジスタ562のゲートに与えられる電位に応じて、発光素子563に流れる電流が制御されることにより、発光素子563からの発光の輝度が制御される。
【0216】
表示装置500において、画素部502は、液晶素子により画像を表示する表示部として機能し、画素部552は、発光素子により画像を表示する表示部として機能する。画素部502では、静止画像、または、比較的変化の小さい動画像を好適に表示することができる。また、画素部552では、変化の比較的大きい動画像を好適に表示することができる。
【0217】
ここで、画素部502に画像を表示させるためのフレーム周波数をF1、画素部552に画像を表示させるためのフレーム周波数をF2とする。このとき、画素部502のフレーム周波数F1を、画素部552のフレーム周波数F2よりも低くすることがより好ましい。画素部502では、静止画または比較的変化の小さい動画像を好適に表示することができるため、フレーム周波数F1を低くすることで、表示に影響を及ぼすことなく、消費電力を低減できる。一方、画素部552では、比較的変化の大きい動画像を好適に表示することができるため、フレーム周波数F2を高めることで、動画像を滑らかに表示することができる。
【0218】
なお、画素部502のフレーム周波数F1と、画素部552のフレーム周波数F2とを、同じ周波数としてもよい。これにより、表示装置500に入力される画像データの仕様を共通化できる。
【0219】
例えば、画素部502のフレーム周波数F1を、0.01Hz以上120Hz以下の値とすることができる。一方、画素部552のフレーム周波数F2を、30Hz以上240Hz以下の値とすることができる。また、画素部502のフレーム周波数F1及び画素部552のフレーム周波数F2のいずれか一方または両方において、入力される画像に応じて、フレーム周波数を上記の範囲で可変にできることが好ましい。例えば、画素部502で静止画を表示する場合に、1Hz以下のフレーム周波数で消費電力を低減した表示を行い、動画像を表示する場合に、30Hz以上、好ましくは60Hz以上のフレーム周波数で表示を行うことができる。
【0220】
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
【0221】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0222】
(実施の形態4)
以下では、画素に表示される階調を補正するためのメモリを備える画素回路と、これを有する表示装置について説明する。以下で例示する画素回路は、本発明の一態様の表示装置の表示部に適用することができる。
【0223】
[回路構成]
図11(A)に、画素回路400の回路図を示す。画素回路400は、トランジスタM1、トランジスタM2、容量C1、及び回路401を有する。また画素回路400には、配線S1、配線S2、配線G1、及び配線G2が接続される。
【0224】
トランジスタM1は、ゲートが配線G1と、ソース及びドレインの一方が配線S1と、他方が容量C1の一方の電極と、それぞれ接続する。トランジスタM2は、ゲートが配線G2と、ソース及びドレインの一方が配線S2と、他方が容量C1の他方の電極、及び回路401と、それぞれ接続する。
【0225】
回路401は、少なくとも一の表示素子を含む回路である。表示素子としては様々な素子を用いることができるが、代表的には有機EL素子やLED素子などの発光素子、液晶素子、またはMEMS素子等を適用することができる。
【0226】
トランジスタM1と容量C1とを接続するノードをノードN1、トランジスタM2と回路401とを接続するノードをノードN2とする。
【0227】
画素回路400は、トランジスタM1をオフ状態とすることで、ノードN1の電位を保持することができる。また、トランジスタM2をオフ状態とすることで、ノードN2の電位を保持することができる。また、トランジスタM2をオフ状態とした状態で、トランジスタM1を介してノードN1に所定の電位を書き込むことで、容量C1を介した容量結合により、ノードN1の電位の変位に応じてノードN2の電位を変化させることができる。
【0228】
ここで、トランジスタM1、トランジスタM2のうちの一方または両方に、実施の形態1で例示した、酸化物半導体が適用されたトランジスタを適用することができる。そのため極めて低いオフ電流により、ノードN1またはノードN2の電位を長期間に亘って保持することができる。なお、各ノードの電位を保持する期間が短い場合(具体的には、フレーム周波数が30Hz以上である場合等)には、シリコン等の半導体を適用したトランジスタを用いてもよい。
【0229】
[駆動方法例]
続いて、図11(B)を用いて、画素回路400の動作方法の一例を説明する。図11(B)は、画素回路400の動作に係るタイミングチャートである。なおここでは説明を容易にするため、配線抵抗などの各種抵抗や、トランジスタや配線などの寄生容量、及びトランジスタのしきい値電圧などの影響は考慮しない。
【0230】
図11(B)に示す動作では、1フレーム期間を期間T1と期間T2とに分ける。期間T1はノードN2に電位を書き込む期間であり、期間T2はノードN1に電位を書き込む期間である。
【0231】
〔期間T1〕
期間T1では、配線G1と配線G2の両方に、トランジスタをオン状態にする電位を与える。また、配線S1には固定電位である電位Vrefを供給し、配線S2には第1データ電位Vを供給する。
【0232】
ノードN1には、トランジスタM1を介して配線S1から電位Vrefが与えられる。また、ノードN2には、トランジスタM2を介して配線S2から第1データ電位Vが与えられる。したがって、容量C1には電位差V-Vrefが保持された状態となる。
【0233】
〔期間T2〕
続いて期間T2では、配線G1にはトランジスタM1をオン状態とする電位を与え、配線G2にはトランジスタM2をオフ状態とする電位を与える。また、配線S1には第2データ電位Vdataを供給する。配線S2には所定の定電位を与える、またはフローティング状態としてもよい。
【0234】
ノードN1には、トランジスタM1を介して配線S1から第2データ電位Vdataが与えられる。このとき、容量C1による容量結合により、第2データ電位Vdataに応じてノードN2の電位が電位dVだけ変化する。すなわち、回路401には、第1データ電位Vと電位dVを足した電位が入力されることとなる。なお、図11(B)では電位dVが正の値であるように示しているが、負の値であってもよい。すなわち、第2データ電位Vdataが電位Vrefより低くてもよい。
【0235】
ここで、電位dVは、容量C1の容量値と、回路401の容量値によって概ね決定される。容量C1の容量値が回路401の容量値よりも十分に大きい場合、電位dVは第2データ電位Vdataに近い電位となる。
【0236】
このように、画素回路400は、2種類のデータ信号を組み合わせて表示素子を含む回路401に供給する電位を生成することができるため、画素回路400内で階調の補正を行うことが可能となる。
【0237】
また画素回路400は、配線S1及び配線S2に接続されるソースドライバが供給可能な最大電位を超える電位を生成することも可能となる。例えば発光素子を用いた場合では、ハイダイナミックレンジ(HDR)表示等を行うことができる。また、液晶素子を用いた場合では、オーバードライブ駆動等を実現できる。
【0238】
[適用例]
〔液晶素子を用いた例〕
図11(C)に示す画素回路400LCは、回路401LCを有する。回路401LCは、液晶素子LCと、容量C2とを有する。
【0239】
液晶素子LCは、一方の電極がノードN2及び容量C2の一方の電極と、他方の電極が電位Vcom2が与えられる配線と接続する。容量C2は、他方の電極が電位Vcom1が与えられる配線と接続する。
【0240】
容量C2は保持容量として機能する。なお、容量C2は不要であれば省略することができる。
【0241】
画素回路400LCは、液晶素子LCに高い電圧を供給することができるため、例えばオーバードライブ駆動により高速な表示を実現すること、駆動電圧の高い液晶材料を適用することなどができる。また、配線S1または配線S2に補正信号を供給することで、使用温度や液晶素子LCの劣化状態等に応じて階調を補正することもできる。
【0242】
〔発光素子を用いた例〕
図11(D)に示す画素回路400ELは、回路401ELを有する。回路401ELは、発光素子EL、トランジスタM3、及び容量C2を有する。
【0243】
トランジスタM3は、ゲートがノードN2及び容量C2の一方の電極と、ソース及びドレインの一方が電位Vが与えられる配線と、他方が発光素子ELの一方の電極と、それぞれ接続される。容量C2は、他方の電極が電位Vcomが与えられる配線と接続する。発光素子ELは、他方の電極が電位Vが与えられる配線と接続する。
【0244】
トランジスタM3は、発光素子ELに供給する電流を制御する機能を有する。容量C2は保持容量として機能する。容量C2は不要であれば省略することができる。
【0245】
なお、ここでは発光素子ELのアノード側がトランジスタM3と接続する構成を示しているが、カソード側にトランジスタM3を接続してもよい。そのとき、電位Vと電位Vの値を適宜変更することができる。
【0246】
画素回路400ELは、トランジスタM3のゲートに高い電位を与えることで、発光素子ELに大きな電流を流すことができるため、例えばHDR表示などを実現することができる。また、配線S1または配線S2に補正信号を供給することで、トランジスタM3や発光素子ELの電気特性のばらつきを補正することもできる。
【0247】
なお、図11(C)及び図11(D)で例示した回路に限られず、別途トランジスタや容量などを追加した構成としてもよい。
【0248】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0249】
10、10a、10b、10A~10D:表示装置、11、11a~11c、12、12a~12c:表示部、13:非表示部、14:遮光層、15:接続部、20a、20b:電子機器、21、22:基板、23:接着層、25、25a、25b:反射光、26:光、30:液晶素子、31:導電層、32:液晶層、33:導電層、34、35:配向膜、39:偏光板、40:発光素子、41:導電層、42:EL層、42W:EL層、43:導電層、45、46:絶縁層、51、52:トランジスタ、55:導電層、61、62、65:絶縁層、71:導電層、72:絶縁層、73:半導体層、74:導電層、75:導電層、76:絶縁層、80:フロントライト、81、82:着色層、83:光源、84:導光板、91:外装体、92:ケーブル、93:コネクター、94:外装体、96:陳列棚、97:レール、98:商品
図1
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