(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】整髪剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20241009BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20241009BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241009BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20241009BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20241009BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
A61K8/92
A61K8/06
A61K8/37
A61Q5/06
A61K8/55
A61K8/31
(21)【出願番号】P 2021019987
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】P 2020192679
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 範子
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド イクバル
(72)【発明者】
【氏名】紺本 香織
(72)【発明者】
【氏名】阿部 楓
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-277285(JP,A)
【文献】特開2006-316003(JP,A)
【文献】特開2009-235000(JP,A)
【文献】特開2018-083782(JP,A)
【文献】Hyper Quiff Extreme & Volume Styling Wax ,ID 6882673,Mintel GNPD[online],2019年9月,[検索日2024.02.29],https://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油性整髪剤組成物又は乳化整髪剤組成物であって、
下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dとを含
み、
前記成分Aが、下記成分A1を含み、
前記成分Aの含有量が、10.0質量%以上、50.0質量%以下であり、
前記成分Bの含有量が、3.0質量%以上、60.0質量%以下であり、
前記成分Cの含有量が、1.0質量%以上、20.0質量%以下であり、
前記成分Dの含有量が、0.1質量%以上である、整髪剤組成物。
成分A:25℃で固形のワックス
成分A1:融点が70℃以上でありかつ25℃で固形であるワックス
成分B:沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状である炭化水素油、及び/又は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルであって、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状であるエステル油
成分C:界面活性剤
成分D:水添ロジン酸ペンタエリスリチ
ル
【請求項2】
前記成分A1の含有量が、10.0質量%以上、50.0質量%以下である、請求項
1に記載の整髪剤組成物
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を整える整髪剤に好適に用いられる整髪剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液状、ジェル状、スティック状、クリーム状及びワックス状等の種々の性状の整髪剤組成物が知られている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、(A)キャンデリラロウと、(B)揮発性炭化水素と、(C)炭素数12~22の直鎖脂肪酸のエステルと、(D)特定の構造を有する直鎖状メチルポリシロキサンと、(E)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーとを含む乳化型整髪料が開示されている。
【0004】
また、下記の特許文献2には、(A)20℃において固体のワックスと、(B)沸点が100~260℃の範囲にあるイソパラフィン系炭化水素および/または珪素数が2~8の揮発性シリコーンとを含み、成分(A)と成分(B)との質量比が1:3~3:1である整髪料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-040107号公報
【文献】特開2007-015935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
整髪剤組成物に求められる整髪性能の一つとして、整髪した髪型を長時間保持できる特性(整髪保持力)がある。油性整髪剤組成物及び乳化整髪剤組成物では、例えば、25℃で固形のワックスを配合することにより、整髪後の毛束を硬くすることができるので、整髪保持力をある程度高めることができる。
【0007】
近年、整髪保持力をより一層高めることができる整髪剤組成物のニーズが高まってきている。
【0008】
本発明の目的は、整髪保持力を高めることができる整髪剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、油性整髪剤組成物又は乳化整髪剤組成物であって、下記成分(A)と、下記成分(B)と、下記成分(C)と、下記成分(D)とを含む、整髪剤組成物を提供する。
【0010】
成分(A):25℃で固形のワックス
成分(B):沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状である炭化水素油、及び/又は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルであって、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状であるエステル油
成分(C):界面活性剤
成分(D):水添ロジン酸ペンタエリスリチル及び/又は水添ロジン酸グリセリル
【0011】
本発明の整髪剤組成物では、前記成分(A)の含有量が、10.0質量%以上、50.0質量%以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の整髪剤組成物では、前記成分(A)が、下記成分(A1)を含み、前記成分(A1)の含有量が、10.0質量%以上、50.0質量%以下であることが好ましい。
【0013】
成分(A1):融点が70℃以上でありかつ25℃で固形であるワックス
【発明の効果】
【0014】
本発明の整髪剤組成物は、整髪保持力を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明の整髪剤組成物は、油性整髪剤組成物又は乳化整髪剤組成物である。本発明では、整髪剤組成物が、例えば、水を含まない(又は極めて少量しか含まない)ことにより、油性整髪剤組成物とすることができる。本発明では、整髪剤組成物が、例えば、水を含むことにより、乳化整髪剤組成物とすることができる。上記乳化整髪剤組成物は、乳化組成物であり、上記乳化整髪剤組成物では、油性成分と水性成分とが乳化されている。
【0017】
本発明の整髪剤組成物は、25℃で固形のワックスと、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状である炭化水素油、及び/又は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルであって、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状であるエステル油と、界面活性剤と、水添ロジン酸ペンタエリスリチル及び/又は水添ロジン酸グリセリルとを含む。
【0018】
本明細書においては、上記「25℃で固形のワックス」を「成分(A)」と称する場合がある。
【0019】
本明細書においては、上記「沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状である炭化水素油、及び/又は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルであって、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状であるエステル油」を「成分(B)」と称する場合がある。
【0020】
本明細書においては、上記「界面活性剤」を「成分(C)」と称する場合がある。
【0021】
本明細書においては、上記「水添ロジン酸ペンタエリスリチル及び/又は水添ロジン酸グリセリル」を「成分(D)」と称する場合がある。
【0022】
本発明の整髪剤組成物は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)とを含む。
【0023】
本発明の整髪剤組成物では、上記の構成が備えられているので、整髪保持力を高めることができる。本発明の整髪剤組成物では、成分(A)に加えて、成分(D)が含まれているので、毛束をかなり硬くすることができ、整髪した髪型を長時間保持することができる。
【0024】
本発明の整髪剤組成物は、25℃で固形の高級アルコールを更に含んでいてもよい。
【0025】
本明細書においては、上記「25℃で固形の高級アルコール」を「成分(E)」と称する場合がある。
【0026】
本発明の整髪剤組成物は、増粘剤を更に含んでいてもよい。
【0027】
本明細書においては、上記「増粘剤」を「成分(F)」と称する場合がある。
【0028】
本発明の整髪剤組成物は、沸点が230℃未満でありかつ25℃で液状である炭化水素油、環状シリコーン、メチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、トリシロキサン、カプリリルメチコン、及び25℃における動粘度0.1mm2/s~2.0mm2/sのジメチルポリシロキサンからなる群より選ばれる油剤を更に含んでいてもよい。
【0029】
本明細書においては、上記「沸点が230℃未満でありかつ25℃で液状である炭化水素油、環状シリコーン、メチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、トリシロキサン、カプリリルメチコン、及び25℃における動粘度0.1mm2/s~2.0mm2/sのジメチルポリシロキサンからなる群より選ばれる油剤」を「成分(G)」と称する場合がある。
【0030】
本発明の整髪剤組成物は、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10を更に含んでいてもよい。
【0031】
本明細書においては、上記「デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10」を「成分(H)」と称する場合がある。
【0032】
本発明の整髪剤組成物は、成分(A)~(H)以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0033】
上記の成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)、成分(F)、成分(G)、成分(H)や他の成分は、それぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0034】
なお、本明細書において、「25℃で固形」とは、25℃で流動性がない性状を意味する。
【0035】
また、本明細書において、「25℃で液状」とは、25℃で流動性がある性状を意味する。
【0036】
また、本明細書において、各成分の含有量とは、整髪剤組成物中に含まれる全ての該成分の含有量の合計を意味する。例えば、成分(A)の含有量とは、整髪剤組成物中の全ての成分(A)の含有量の合計を意味する。
【0037】
以下、本発明の整髪剤組成物に用いられる各成分の詳細を説明する。
【0038】
(成分(A))
成分(A)は、25℃で固形のワックスである。成分(A)を用いることにより、毛髪をくせ付ける整髪力、毛束を形成する整髪力、及び整髪保持力を高めることができる。成分(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0039】
成分(A)としては、動植物ロウ等のワックスエステル、鉱物ワックス、及び炭化水素ワックス等が挙げられる。
【0040】
上記動植物ロウとしては、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ及び鯨ロウ等が挙げられる。
【0041】
上記鉱物ワックスとしては、モンタンワックス等が挙げられる。
【0042】
上記炭化水素ワックスは、石油由来のワックスであってもよく、合成ワックスであってもよい。上記炭化水素ワックスとしては、例えば、ワセリン、セレシン、オゾケライト、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス及びフィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)等が挙げられる。
【0043】
整髪保持力をより一層高める観点から、成分(A)は、融点が70℃以上でありかつ25℃で固形であるワックスを含むことが好ましい。
【0044】
本明細書においては、上記「融点が70℃以上でありかつ25℃で固形であるワックス」を「成分(A1)」と称する場合がある。
【0045】
成分(A1)は、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ、セレシン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)からなる群より選ばれる25℃で固形のワックス(少なくとも1の25℃で固形のワックス)であることが好ましい。成分(A1)は、カルナウバロウ、パラフィン、及び融点が80℃以上であるマイクロクリスタリンワックスからなる群より選ばれる25℃で固形のワックス(少なくとも1の25℃で固形のワックス)であることがより好ましい。この場合には、整髪保持力をより一層高めることができる。
【0046】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは15.0質量%以上、更に好ましくは20.0質量%以上、好ましくは50.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下である。成分(A)の含有量が上記下限以上であると、毛髪をくせ付ける整髪力、毛束を形成する整髪力及び整髪保持力をより一層高めることができる。成分(A)の含有量が上記上限以下であると、整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にすることができる。
【0047】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(A1)の含有量は、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは15.0質量%以上、更に好ましくは20.0質量%以上、好ましくは50.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下である。成分(A1)の含有量が上記下限以上であると、毛髪をくせ付ける整髪力、毛束を形成する整髪力及び整髪保持力をより一層高めることができる。成分(A1)の含有量が上記上限以下であると、整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にすることができる。
【0048】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、カルナウバロウと、パラフィンと、融点が80℃以上であるマイクロクリスタリンワックスとの合計の含有量は、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは15.0質量%以上、更に好ましくは20.0質量%以上、好ましくは50.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下である。上記合計の含有量が上記下限以上であると、毛髪をくせ付ける整髪力、毛束を形成する整髪力及び整髪保持力をより一層高めることができる。上記合計の含有量が上記上限以下であると、整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にすることができる。
【0049】
(成分(B))
成分(B)は、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状である炭化水素油、及び/又は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルであって、沸点が230℃以上でありかつ25℃で液状であるエステル油である。成分(B)は、上記炭化水素油であってもよく、上記エステル油であってもよく、上記炭化水素油と上記エステル油との双方であってもよい。成分(B)は、不揮発性又は揮発性の非常に低い油分である。乳化整髪剤組成物では、成分(B)は、成分(A)を乳化させやすくする成分であり、乳化時の成分(A)の溶剤として機能する。また、油性整髪剤組成物では、成分(B)は、成分(A)を可塑する成分であり、製造時の成分(A)の溶剤として機能する。また、整髪剤組成物を用いた整髪は、通常、1)整髪剤組成物を毛髪に塗布し、2)毛髪上で整髪剤組成物をのばしながら所望の髪型に整髪するという工程を経て行われる。成分(B)を用いることにより、塗布時ののび及び整髪中の毛髪上でののびを良好にすることができる。成分(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0050】
成分(B)の沸点は230℃以上であり、好ましくは250℃以上である。成分(B)は25℃で液状である。ブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定された成分(B)の25℃での粘度は、好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは1000mPa・s以下である。上記成分(B)の25℃での粘度の下限は、特に限定されないが、例えば、0.1mPa・s以上である。
【0051】
成分(B)は、炭化水素油、及び/又は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルであるエステル油である。
【0052】
上記炭化水素油としては、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン(合成スクワラン、植物性スクワラン)、スクワレン、流動イソパラフィン及び流動パラフィン(ミネラルオイル)等が挙げられる。上記炭化水素油は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0053】
上記エステル油は、1価アルコールと1価カルボン酸とのモノエステル、2価アルコールと1価カルボン酸とのジエステル、及び1価アルコールと2価カルボン酸とのジエステルからなる群より選ばれるエステルである。上記エステル油としては、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、及びイソノナン酸イソノニル等が挙げられる。上記エステル油は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にする観点から、成分(B)は、引火点が225℃以上である炭化水素油及び/又は分子量が400以上、700以下であるエステル油を含むことが好ましい。
【0055】
本明細書においては、上記「引火点が225℃以上である炭化水素油及び/又は分子量が400以上、700以下であるエステル油」を「成分(B1)」と称する場合がある。
【0056】
したがって、成分(B)は、成分(B1)を含むことが好ましい。本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、成分(B)が、成分(B1)を含むことがより好ましい。
【0057】
成分(B1)である上記引火点が225℃以上である炭化水素油は、流動パラフィン(ミネラルオイル)であることが好ましい。成分(B1)である上記引火点が225℃以上である炭化水素油の引火点は、300℃以下であることが好ましい。
【0058】
成分(B1)である上記分子量が400以上、700以下であるエステル油は、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びセバシン酸ジエチルヘキシルからなる群より選ばれるエステル油(少なくとも1のエステル油)であることが好ましい。成分(B1)である上記エステル油の分子量は、500以上、650以下であることが好ましい。
【0059】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、好ましくは3.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上、好ましくは60.0質量%以下、より好ましくは50.0質量%以下、より一層好ましくは30.0質量%以下、更に好ましくは20.0質量%以下、特に好ましくは15.0質量%以下である。成分(B)の含有量が上記下限以上であると、塗布時及び整髪中ののび、並びに乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層高めることができる。成分(B)の含有量が上記上限以下であると、整髪保持力をより一層高めることができる。特に、本発明の整髪剤組成物が油性整髪剤組成物である場合に、本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは15.0質量%以上である。油性整髪剤組成物である場合の成分(B)の含有量が上記下限以上であると、塗布時及び整髪中ののびをより一層高めることができる。
【0060】
本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、成分(A)の含有量の、成分(B)の含有量に対する質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.5以上、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下である。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)が上記下限以上であると、整髪保持力をより一層高めることができる。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)が上記上限以下であると、塗布時及び整髪中ののび、並びに乳化特性をより一層高めることができる。
【0061】
本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、成分(A1)の含有量の、成分(B)の含有量に対する質量比(成分(A1)の含有量/成分(B)の含有量)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.5以上、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下である。上記質量比(成分(A1)の含有量/成分(B)の含有量)が上記下限以上であると、整髪保持力をより一層高めることができる。上記質量比(成分(A1)の含有量/成分(B)の含有量)が上記上限以下であると、塗布時及び整髪中ののび、並びに乳化特性をより一層高めることができる。
【0062】
本発明の整髪剤組成物が油性整髪剤組成物である場合に、成分(A)の含有量の、成分(B)の含有量に対する質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下である。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)が上記下限以上であると、整髪保持力をより一層高めることができる。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)が上記上限以下であると、塗布時及び整髪中ののびをより一層高めることができる。
【0063】
本発明の整髪剤組成物が油性整髪剤組成物である場合に、成分(A1)の含有量の、成分(B)の含有量に対する質量比(成分(A1)の含有量/成分(B)の含有量)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下である。上記質量比(成分(A1)の含有量/成分(B)の含有量)が上記下限以上であると、整髪保持力をより一層高めることができる。上記質量比(成分(A1)の含有量/成分(B)の含有量)が上記上限以下であると、塗布時及び整髪中ののびをより一層高めることができる。
【0064】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B1)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは20.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下、特に好ましくは10.0質量%以下である。成分(B1)の含有量が上記下限以上であると、整髪中の毛髪上でののびを良好にすることができる。成分(B1)の含有量が上記上限以下であると、整髪保持力をより一層高めることができる。
【0065】
成分(A)の含有量の、成分(B1)の含有量に対する質量比(成分(A)の含有量/成分(B1)の含有量)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.5以上、好ましくは20.0以下、より好ましくは15.0以下である。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B1)の含有量)が上記下限以上であると、整髪保持力をより一層高めることができる。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B1)の含有量)が上記上限以下であると、整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にすることができる。
【0066】
成分(A1)の含有量の、成分(B1)の含有量に対する質量比(成分(A1)の含有量/成分(B1)の含有量)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.5以上、好ましくは20.0以下、より好ましくは15.0以下である。上記質量比(成分(A1)の含有量/成分(B1)の含有量)が上記下限以上であると、整髪保持力をより一層高めることができる。上記質量比(成分(A1)の含有量/成分(B1)の含有量)が上記上限以下であると、整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にすることができる。
【0067】
(成分(C))
成分(C)は、界面活性剤である。成分(C)を用いることにより、洗髪時の洗い落ち性を良好にすることができる。また、本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合には、成分(C)を用いることにより、乳化特性を高めることができる。なお、本発明において、成分(H)は、成分(C)には含まれないものとする。成分(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0068】
成分(C)としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0069】
上記ノニオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油等が挙げられる。
【0070】
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
【0071】
上記ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
【0072】
上記グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステルであってもよく、ポリグリセリン脂肪酸エステルであってもよい。
【0073】
上記モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等が挙げられる。
【0074】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4~10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6~10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等の上記モノグリセリン脂肪酸エステルの重合度2~10のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0075】
上記グリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
【0076】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル等が挙げられる。
【0077】
上記ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0078】
上記アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン等の高級脂肪酸塩(高級脂肪酸石鹸);ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、及びセチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のα-オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及びスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、及びセチルリン酸ジエタノールアミン等のモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム等のN-アシル-N-メチル-β-アラニン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン等のN-アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等のN-アシルグリシン塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン-1,2-ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、及びベヘニルグリコール酢酸カリウム等のアルキルエーテルグリコール酢酸塩等が挙げられる。
【0079】
上記カチオン界面活性剤としては、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩、アルキルアミン、及び脂肪酸アミドアミン塩等が挙げられる。
【0080】
上記両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、及びN-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸塩、及びアルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びアルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤;アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウム型両性界面活性剤;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-プロピルスルホン酸塩;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩;N-脂肪酸アミドプロピル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等が挙げられる。
【0081】
本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、乳化特性をより一層良好にする観点からは、成分(C)は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤からなる群より選ばれる界面活性剤(少なくとも1の界面活性剤)であることが好ましく、アニオン界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤を少なくとも含むことがより好ましい。
【0082】
乳化特性を更により一層良好にする観点からは、成分(C)は、アニオン界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤と、ノニオン界面活性剤とを含むことが好ましく、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを含むことがより好ましい。
【0083】
乳化特性を特により一層良好にする観点からは、成分(C)は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するリン酸系界面活性剤、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するアミノ酸系界面活性剤、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する4級アンモニウム塩、及び炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する脂肪酸アミドアミン塩からなる群より選ばれる界面活性剤(少なくとも1の界面活性剤)であることが好ましい。成分(A)を含む従来の乳化整髪剤組成物は乳化特性が低下しやすいものの、上記成分を用いることにより、乳化特性をかなり高めることができる。
【0084】
洗髪時の洗い落ち性をより一層良好にする観点から、成分(C)は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するリン酸系界面活性剤、及び/又は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するアミノ酸系界面活性剤を含むことが好ましく、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する4級アンモニウム塩、及び/又は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する脂肪酸アミドアミン塩を含むことも好ましい。
【0085】
本明細書においては、上記「炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するリン酸系界面活性剤、及び/又は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するアミノ酸系界面活性剤」を「成分(C1)」と称する場合がある。
【0086】
本明細書においては、上記「炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する4級アンモニウム塩、及び/又は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する脂肪酸アミドアミン塩」を「成分(C2)」と称する場合がある。
【0087】
したがって、成分(C)は、成分(C1)を含むことが好ましく、成分(C2)を含むことも好ましい。
【0088】
成分(C1)は、アニオン界面活性剤である。成分(C1)は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する。成分(C2)は、カチオン界面活性剤である。成分(C2)は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する。
【0089】
洗髪時の洗い落ち性を更により一層良好にする観点から、成分(C)は、成分(C1)及び/又は成分(C2)を含むことが好ましく、成分(C1)及び/又は成分(C2)であることがより好ましい。
【0090】
上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩は、炭素数が15以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩であることが好ましい。
【0091】
上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩における脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びベヘン酸等が挙げられる。上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。上記高級脂肪酸塩は、予め塩に調製された高級脂肪酸塩が配合されたものであってもよいし、脂肪酸及び塩基としてそれぞれ配合され、整髪剤組成物を製造する過程で脂肪酸及び塩基から形成されたものであってもよい。
【0092】
成分(C1)であるリン酸系界面活性剤(リン酸塩である界面活性剤)としては、アルキルリン酸塩、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。
【0093】
上記アルキルリン酸塩としては、セチルリン酸塩等が挙げられる。
【0094】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸は、ポリオキシアルキレン残基と1価の飽和脂肪族アルコール残基とから構成されるエーテル(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)のリン酸エステルである。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるポリオキシアルキレン残基を構成するオキシアルキレンとしては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等の炭素数2~4のオキシアルキレン等が挙げられる。ポリオキシアルキレンは、ポリオキシエチレンであることが好ましい。上記ポリオキシアルキレンは、1種のみのオキシアルキレンを含んでいてもよいし、2種以上のオキシアルキレンを含んでいてもよい。また、ポリオキシアルキレンにおけるオキシアルキレンの平均付加モル数は、好ましくは2以上、25以下であり、より好ましくは2以上、20以下である。
【0095】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを構成する1価の飽和脂肪族アルコール残基は、1価の飽和脂肪族炭化水素基を含む。1価の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、セチル基、ステアリル基等の炭素数13以上、22以下(好ましくは炭素数15以上、22以下)の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。上記1価の飽和脂肪族炭化水素基は直鎖状である。
【0096】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸は、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のいずれであってもよく、これらのうちの2以上の混合物であってもよい。
【0097】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩としては、例えば、無機塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アルミニウム塩;亜鉛塩等が挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。塩基性アミノ酸塩としては、例えば、アルギニン塩、リジン塩等が挙げられる。
【0098】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩としては、例えば、セテス-10リン酸、セテス-20リン酸等のポリオキシアルキレンセチルエーテルリン酸の塩;ステアレス-2リン酸、ステアレス-3リン酸等のポリオキシアルキレンステアリルエーテルリン酸;トリセテアレス-4リン酸等のポリオキシアルキレンセテアリルエーテルリン酸の塩等が挙げられる。
【0099】
成分(C1)であるアミノ酸系界面活性剤は、N-アシルアミノ酸塩であることが好ましい。
【0100】
上記N-アシルアミノ酸塩におけるアシル基としては、特に限定されないが、炭素数13~22(好ましくは15~22)の直鎖アルキル基を含む脂肪族アシル基が挙げられ、例えば、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘニル基等が挙げられる。
【0101】
上記N-アシルアミノ酸塩におけるアミノ酸としては、例えば、グリシン、ジメチルグリシン、トリメチルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、ヒスチギン、リジン、サルコシン等が挙げられる。中でも、乳化特性をより一層良好にする観点から、グルタミン酸が好ましい。
【0102】
上記N-アシルアミノ酸塩は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等である。
【0103】
成分(C2)である4級アンモニウム塩としては、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等が挙げられる。上記4級アンモニウム塩としては、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベへニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、塩化アルキル(20~22)トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム等が挙げられる。
【0104】
成分(C2)である脂肪酸アミドアミン塩における脂肪酸アミドアミンとしては、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。上記脂肪酸アミドアミン塩は、有機酸又は無機酸により中和されている脂肪酸アミドアミン塩である。上記有機酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、及び酢酸等が挙げられる。上記無機酸としては、リン酸、塩酸、及び硫酸等が挙げられる。
【0105】
乳化特性をより一層良好にする観点からは、成分(C)は、さらに、炭素数が13以上、22以下のアルキル基を有するノニオン界面活性剤を含むことが好ましい。
【0106】
本明細書においては、上記「炭素数が13以上、22以下のアルキル基を有するノニオン界面活性剤」を「成分(C3)」と称する場合がある。
【0107】
乳化特性をより一層良好にする観点からは、成分(C)は、成分(C1)及び/又は成分(C2)と、成分(C3)とを含むことが好ましい。
【0108】
成分(C3)は、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物(特に、エチレンオキシド付加物)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)であることが好ましい。
【0109】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、更に好ましくは5.0質量%以上、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。成分(C)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができ、また、洗髪時の洗い落ち性をより一層高めることができる。
【0110】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩と成分(C1)と成分(C2)との合計の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。上記合計の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
【0111】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C1)と成分(C2)との合計の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。上記合計の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができ、また、洗髪時の洗い落ち性をより一層高めることができる。
【0112】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。上記含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
【0113】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C1)の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。成分(C1)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができ、また、洗髪時の洗い落ち性をより一層高めることができる。
【0114】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C2)の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。成分(C2)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にし、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができ、また、洗髪時の洗い落ち性をより一層高めることができる。
【0115】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C3)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。成分(C3)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層良好にすることができる。
【0116】
洗髪時の洗い落ち性をより一層良好にする観点からは、上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩の含有量は少ない方が好ましい。本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩の含有量は、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩の含有量は、0質量%(未含有)であってもよい。
【0117】
(成分(D))
成分(D)は、水添ロジン酸ペンタエリスリチル及び/又は水添ロジン酸グリセリルである。成分(D)は、水添ロジン酸ペンタエリスリチルであってもよく、水添ロジン酸グリセリルであってもよく、水添ロジン酸ペンタエリスリチルと水添ロジン酸グリセリルとの双方であってもよい。成分(D)を用いることにより、整髪保持力をより一層高めることができる。特に、成分(D)は粘着性を有する成分であるため、アレンジ力(毛髪をくせ付ける整髪力)を高めながら、整髪保持力を高めることができる。成分(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0118】
上記水添ロジン酸ペンタエリスリチルは、INCI名で「Pentaerythrityl Hydrogenated Rosinate」で表記される化合物である。上記水添ロジン酸グリセリルは、水添ロジンから得られた酸とグリセリンのモノエステルであり、INCI名で「Glyceryl Hydrogenated Rosinate」で表記される化合物である。
【0119】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。成分(D)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪保持力をより一層高めることができる。
【0120】
(成分(E))
成分(E)は25℃で固形の高級アルコールである。本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、上記乳化整髪剤組成物は、成分(E)を含むことが好ましい。成分(E)は、乳化助剤としての役割を果たす。成分(E)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0121】
成分(E)としては、炭素数12以上、22以下の直鎖アルコール等が挙げられる。成分(E)としては、具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0122】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(E)の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。成分(E)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層高めることができる。
【0123】
(成分(F))
成分(F)は、増粘剤である。本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、上記乳化整髪剤組成物は、成分(F)を含むことが好ましい。成分(F)を用いることにより、乳化特性を高めることができる。成分(F)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0124】
成分(F)としては、多糖系増粘剤、及びアクリル系増粘剤等が挙げられる。
【0125】
上記多糖系増粘剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン及びローカストビーンガム等が挙げられる。
【0126】
上記アクリル系増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキルコポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマー及び(アクリレーツ/ネオデカン酸ビニル)クロスポリマー等が挙げられる。
【0127】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(F)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。成分(F)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、乳化整髪剤組成物の乳化特性をより一層高めることができる。
【0128】
(成分(G))
成分(G)は、沸点が230℃未満でありかつ25℃で液状である炭化水素油、環状シリコーン、メチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、トリシロキサン、カプリリルメチコン、及び25℃における動粘度0.1mm2/s~2.0mm2/sのジメチルポリシロキサンからなる群より選ばれる油剤(少なくとも1の油剤)である。本発明の整髪剤組成物は、成分(G)を含むことが好ましい。成分(G)を用いることにより、掌上でののび、毛髪への塗布時ののびを良好にすることができる。成分(G)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0129】
上記炭化水素油としては、α-オレフィンオリゴマー、(C13-15)アルカン、水添ポリデセン、軽質イソパラフィン(イソドデカン)、軽質流動イソパラフィン、及び流動イソパラフィン等が挙げられる。
【0130】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(G)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。成分(H)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、掌上でののび、毛髪への塗布時ののびをより一層高めることができる。
【0131】
(成分(H))
成分(H)は、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10(デカイソステアリン酸デカグリセリル)である。なお、本発明において、成分(H)は、成分(C)には含まれないものとする。成分(H)を用いることにより、整髪剤組成物の整髪中の毛髪上でののびを良好にすることができる。
【0132】
成分(H)は、INCI名で、「Polyglyceryl-10 Decaisostearate」と表記される。
【0133】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(H)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。成分(H)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪中の毛髪上でののびをより一層良好にすることができる。
【0134】
(その他の液状油)
本発明の整髪剤組成物は、成分(B)及び成分(G)の双方とは異なりかつ25℃で液状である油分(その他の液状油)を含んでもよい。上記その他の液状油は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0135】
上記その他の液状油としては、例えば、植物油、成分(B)以外のエステル油、油脂、及び25℃における動粘度3.0mm2/s~100万mm2/sのシリコーン油等が挙げられる。
【0136】
上記その他の液状油としては、アボカド油、アルガンオイル、オリーブ油、コメヌカ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ブドウ種子油、ククイナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ヒマワリ油、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0137】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記その他の液状油の含有量は、好ましくは50.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下である。特に、本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合に、乳化整髪剤組成物である本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記その他の液状油の含有量は、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。上記その他の液状油の含有量が上記上限以下であると、製剤安定性及び乳化整髪剤組成物の乳化特性をより良好にすることができる。なお、本発明の整髪剤組成物は、上記その他の液状油を含んでいなくてもよく、1.0質量%以上で含んでいてもよい。
【0138】
(水)
本発明の整髪剤組成物は、水を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。なお、水は、精製水であることが好ましい。
【0139】
本発明の整髪剤組成物が油性整髪剤組成物である場合には、本発明の整髪剤組成物は、水を含まないか、水を1.0質量%以下で含むことが好ましい。油性整髪剤組成物である本発明の整髪剤組成物が水を含む場合に、本発明の整髪剤組成物100質量%中、水の含有量は、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
【0140】
本発明の整髪剤組成物が乳化整髪剤組成物である場合には、本発明の整髪剤組成物は、水を含むことが好ましい。水の含有量は、他の配合成分の含有量によって、適宜調整することができる。乳化整髪剤組成物である本発明の整髪剤組成物100質量%中、水の含有量は、好ましくは20.0質量%以上、より好ましくは25.0質量%以上、好ましくは70.0質量%以下、より好ましくは50.0質量%以下である。
【0141】
(他の成分)
本発明の整髪剤組成物は、上述した成分[成分(A)~(H)、その他の液状油]以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。上記他の成分としては、皮膜形成ポリマー、低級アルコール、多価アルコール(糖アルコールを含む)、粉体(シリカ、ケイソウ土、タルク等)、保湿剤(ヒアルロン酸、コラーゲン、パントテニルアルコール等)、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びフェノキシエタノール等)、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、色素、無機顔料、酸化防止剤、ビタミン類、動物性抽出物、金属イオン封鎖剤(キレート剤)等が挙げられる。上記他の成分は、それぞれ1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0142】
<低級アルコール>
上記低級アルコールとしては、エタノール等が挙げられる。
【0143】
<多価アルコール>
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、及び1,2-オクタンジオール等が挙げられる。
【0144】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、多価アルコールの含有量は、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。本発明の整髪剤組成物は、多価アルコールを含んでいなくてもよく、例えば、1.0質量%以上で含んでいてもよい。
【0145】
(整髪剤組成物の他の詳細)
本発明の整髪剤組成物は、油性整髪剤組成物又は乳化整髪剤組成物である。本発明の整髪剤組成物は、油性整髪剤組成物であってもよく、乳化整髪剤組成物であってもよい。
【0146】
上記油性整髪剤組成物の性状は、固形状であってもよく、ペースト状であってもよい。上記油性整髪剤組成物の性状は、スティック状であってもよい。
【0147】
上記乳化整髪剤組成物の性状は、ワックス状であることが好ましい。上記乳化整髪剤組成物は、ワックス状乳化整髪剤組成物(所謂、ヘアワックス)であることが好ましい。上記ワックス状には、バーム状も含まれる。
【0148】
上記乳化整髪剤組成物は、乳化組成物であり、油性成分と水性成分とが乳化されている。上記乳化整髪剤組成物は、水中油(O/W)型の乳化整髪剤組成物であることが好ましい。
【0149】
上記油性整髪剤組成物の製造方法としては、例えば、各成分を混合する方法等が挙げられる。
【0150】
上記乳化整髪剤組成物の製造方法としては、例えば、各成分を用いて、混合及び乳化を行う方法等が挙げられる。
【0151】
上記混合(及び乳化)には、ホモミキサー等が用いられる。乳化は、転相乳化であってもよい。上記各成分を混合した後に乳化が行われてもよく、各成分の混合時に乳化が行われてもよい。
【0152】
以下に本発明の構成と本発明の効果との関連性を更に詳細に説明する。ただし、以下の本発明の構成と本発明の効果との関連性は推定であり、これに限定されるものではない。
【0153】
成分(A)を含む乳化整髪剤組成物は、水中油(O/W)中の油滴が崩壊して成分(A)が毛髪に付着することにより、毛束を硬くし、毛髪をくせ付ける整髪力、毛束を形成する整髪力、及び整髪保持力が発揮される。しかしながら、成分(A)のみによって、整髪保持力を高めるには限界があり、成分(A)の含有量を単に多くするのみでは、整髪保持力は頭打ちとなる。
【0154】
これに対して、本発明の整髪剤組成物では、成分(A)とは異なるメカニズムにより整髪保持力を向上させる成分である成分(D)が含まれている。成分(D)を含むことにより、成分(D)を含まずかつ成分(A)を含む場合と比べて、整髪保持力をより一層高めることができる。成分(A)は、毛束を硬くすることにより、整髪保持力を発揮しているのに対し、成分(D)は、ある程度の粘着性を有し、これにより、毛束の形成力を高めることにより、整髪保持力を発揮していると推測される。本発明の整髪剤組成物では、成分(D)を用いることにより、毛髪をくせ付ける整髪力を高めながら、整髪保持力を高めることができる。
【実施例】
【0155】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。なお、以下の実施例16は参考例である。
【0156】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0157】
(成分(A))
成分(A1)に相当する成分(A):
カルナウバロウ:融点83℃
マイクロクリスタリンワックス1:融点83℃
マイクロクリスタリンワックス2:融点77℃
パラフィンワックス1:融点74℃
ヒマワリ種子ロウ:融点76℃
【0158】
成分(A1)に相当しない成分(A):
パラフィンワックス2:融点52℃
ミツロウ:融点65℃
ワセリン:融点54℃
【0159】
(成分(B))
成分(B1)に相当する成分(B):
ミネラルオイル1:引火点250℃
ミネラルオイル2:引火点270℃
ミネラルオイル3:引火点235℃
イソステアリン酸2-オクチルドデシル:分子量565.0
ミリスチン酸2-オクチルドデシル:分子量508.9
リンゴ酸ジイソステアリル:分子量639.0
【0160】
成分(B1)に相当しない成分(B):
ミネラルオイル4:引火点185℃
ミリスチン酸イソプロピル:分子量270.5
パルミチン酸エチルヘキシル:分子量368.6
エチルヘキサン酸セチル:分子量368.6
【0161】
(その他の液状油)
ヒマシ油:分子量933.4
ジメチルポリシロキサン1:25℃での動粘度20mm2/s
ジメチルポリシロキサン2:25℃での動粘度5mm2/s
【0162】
(成分(G))
ジメチルポリシロキサン3:25℃での動粘度1.5mm2/s
軽質イソパラフィン:沸点179℃
【0163】
(成分(C))
成分(C1)に相当する成分(C):
トリセテアレス-4リン酸
N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム
【0164】
成分(C2)に相当する成分(C):
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム
【0165】
成分(C3)に相当する成分(C):
セスキイソステアリン酸ソルビタン
ポリオキシエチレンイソステアリン酸グリセリン(8E.O.)
ステアリン酸ソルビタン
セテス-20
【0166】
成分(C1)~(C3)のいずれにも相当しない成分(C):
ジオレス-8リン酸ナトリウム
ステアリン酸
【0167】
(成分(H))
デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10
【0168】
(成分(E))
ステアリルアルコール
ベヘニルアルコール
【0169】
(成分(F))
カルボキシビニルポリマー
キサンタンガム
【0170】
(成分(D))
水添ロジン酸ペンタエリスリチル
水添ロジン酸グリセリル
【0171】
(その他)
トリエタノールアミン(中和剤)
1,3-ブチレングリコール(多価アルコール)
珪藻土(粉体)
シリカ(粉体)
タルク(粉体)
精製水
【0172】
(実施例1~21,25~30及び比較例1~3)
下記の表1~8,11,12に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、ホモミキサーを用いて混合及び乳化し、乳化整髪剤組成物を調製した。表中の配合量(整髪剤組成物100質量%中の配合量)は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。
【0173】
実施例1~21,25~30で得られた乳化整髪剤組成物の性状はいずれもワックス状であった。
【0174】
なお、実施例9,14以外の実施例及び比較例において、トリエタノールアミンはカルボキシビニルポリマーを中和する含有量であって、1.0質量%以下の含有量で配合されている。実施例14において、トリエタノールアミンはカルボキシビニルポリマー及びステアリン酸を中和する含有量であって、2.0質量%以下の含有量で配合されている。
【0175】
(実施例22~24,31~42及び比較例4~6)
下記の表9,10,13~16に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、ホモミキサーを用いて混合し、油性整髪剤組成物を調製した。表中の配合量(整髪剤組成物100質量%中の配合量)は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。
【0176】
実施例22,23,31~42及び比較例4,5で得られた油性整髪剤組成物の性状はいずれもスティック状(固形状)であった。実施例24及び比較例6で得られた油性整髪剤組成物の性状はいずれもペースト状であった。
【0177】
(評価)
専門パネル3名が、以下の評価を行った。
【0178】
(試験例1:整髪保持力)
(1-1)乳化整髪剤組成物における評価
実施例1~21及び比較例1~3で得られた乳化整髪剤組成物1.5gを掌に取り、掌上でのばした後、ショートヘアのヘアウィッグ(レッスンマネキン、ユーカリジャパン社製)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪の根元から上向きに髪を立ち上げて整髪を施した。整髪を施したヘアウィッグを6時間静置した。静置後、ヘアウィッグを前後に1分間振とうした。振とう後のヘアウィッグの頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度を目視観察した。比較例1の毛髪の立ち上がりの角度を基準として、整髪保持力を下記評価基準に従い評価した。なお、上記角度は水平方向を0°、垂直方向を90°とした。また、実施例1~21では、整髪直後の頭頂部付近の毛髪はほぼ90°に立ち上がっていた。
【0179】
<整髪保持力の評価基準>
○(良好):比較例1(基準)と比べて、頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が明らかに大きく、整髪した髪型がより良好に維持されている
×(不良):比較例1(基準)と比べて、頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が同程度であるか又は小さく(毛髪の垂れ下がり度合が同程度か又はより大きい)、整髪した髪型を維持する効果が高いとはいえない
【0180】
なお、実施例1~21及び比較例1,2で得られた乳化整髪剤組成物を用いた場合の頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度はいずれも45°以上であったが、比較例3で得られた乳化整髪剤組成物を用いた場合の頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度は、45°未満であった。また、実施例25~30で得られた乳化整髪剤組成物についても同様に試験したところ、頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度は、いずれも45°以上であった。
【0181】
(1-2)油性整髪剤組成物における評価
実施例22,23,31~42及び比較例4,5で得られた油性整髪剤組成物を、ショートヘアのヘアウィッグ(レッスンマネキン、ユーカリジャパン社製)の毛髪上に均一に直接なでつけるように塗布し、毛髪を前頭部から後頭部へ向けて流れるように整髪を施した。整髪を施したヘアウィッグを6時間静置した。静置後、ヘアウィッグを前後に1分間振とうした。振とう後のヘアウィッグの側頭部付近の毛髪の垂れ落ち度合を目視観察した。実施例22では比較例4を基準として、実施例23では比較例5を基準として、整髪保持力を下記評価基準に従い評価した。
【0182】
<整髪保持力の評価基準>
○(良好):比較例(基準)と比べて、側頭部付近の毛髪の垂れ落ち度合が明らかに小さく、整髪した髪型がより良好に維持されている
×(不良):比較例(基準)と比べて、側頭部付近の毛髪の垂れ落ち度合が同程度であるか又は大きく、整髪した髪型を維持する効果が高いとはいえない
【0183】
また、実施例31~42で得られた油性整髪剤組成物についても同様に試験したところ、側頭部付近の毛髪はほとんど垂れ落ちておらず、整髪した髪型は良好に維持されていた。
【0184】
(1-3)油性整髪剤組成物における評価
実施例24及び比較例6で得られた油性整髪剤組成物1.5gを掌に取り、掌上でのばした後、ショートヘアのヘアウィッグ(レッスンマネキン、ユーカリジャパン社製)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪の根元から上向きに髪を立ち上げて整髪を施した。整髪を施したヘアウィッグを6時間静置した。静置後、ヘアウィッグを前後に1分間振とうした。振とう後のヘアウィッグの頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度を目視観察した。実施例24は、比較例6の毛髪の立ち上がりの角度を基準として、整髪保持力を下記評価基準に従い評価した。なお、上記角度は水平方向を0°、垂直方向を90°とした。また、実施例24では、整髪直後の頭頂部付近の毛髪はほぼ90°に立ち上がっていた。
【0185】
<整髪保持力の評価基準>
○(良好):比較例6(基準)と比べて、頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が明らかに大きく、整髪した髪型がより良好に維持されている
×(不良):比較例6(基準)と比べて、頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が同程度であるか又は小さく(毛髪の垂れ下がり度合が同程度か又はより大きい)、整髪した髪型を維持する効果が高いとはいえない
【0186】
なお、実施例24及び比較例6で得られた油性整髪剤組成物を用いた場合の頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度は、いずれも45°以上であった。
【0187】
(試験例2:整髪中の毛髪上でののび)
試験例1で乳化整髪剤組成物を用いて整髪を施した際の、整髪開始から整髪終了まで(約3分間)の操作性のよさ(すなわち、整髪の間操作できるか否か)より、整髪中の毛髪上でののびを評価した。
【0188】
その結果、実施例1,2,6,8~11,13~20,25,27~30及び比較例1,2で得られた乳化整髪剤組成物では、整髪終了まで、指が引っ掛かるような抵抗感が生じず、操作性良く整髪ができ、良好なのびを示した。中でも、実施例25,27~30で得られた乳化整髪剤組成物は、整髪中の毛髪上でののびが極めて優れていた。また、実施例3~5、7,12,26で得られた乳化整髪剤組成物では、整髪の後半において、指が引っ掛かるような抵抗感が生じるものの、整髪中、実用上許容できる操作性を保っており、実用上許容できるのびのよさであった。一方、実施例21で得られた乳化整髪剤組成物では、整髪が終了する前に、指が引っ掛かるような抵抗感が強くなり、整髪しにくくなった(長時間のアレンジを行う整髪には不向きであるが、短時間の整髪には使用可能である)。
【0189】
(試験例3:洗い落ち性)
試験例1で整髪保持力を評価した後のヘアウィッグを市販のシャンプーで洗髪した後、流水(約40℃の温水)で洗い流した。毛髪をタオルドライし、さらにドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪を手で触ったところ、実施例1~13,15~42で得られた整髪剤組成物で整髪した毛髪は、洗浄及び乾燥後の毛髪への整髪剤組成物の残存感がなかった。一方、実施例14で得られた整髪剤組成物で整髪した毛髪では、洗浄及び乾燥後の毛髪にごわつきがあり、整髪剤組成物の残存感があった。
【0190】
(試験例4:乳化特性)
得られた乳化整髪剤組成物を、製造直後に、ガラス板上に滴下してのばして、目視観察した。その結果、実施例1~21,25~30で得られた乳化整髪剤組成物では、粒状の不溶物が観察されず、均一な性状であり、良好に乳化されていた。
【0191】
組成及び結果を下記の表1~16に示す。
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】