(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】マッサージシステム
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
A61H7/00 323L
(21)【出願番号】P 2021023964
(22)【出願日】2021-02-18
【審査請求日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020058226
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大出 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】水口 隆司
(72)【発明者】
【氏名】児玉 将吾
(72)【発明者】
【氏名】増田 雅亮
(72)【発明者】
【氏名】財部 政文
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-057800(JP,A)
【文献】特開2016-030018(JP,A)
【文献】特開2015-097635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの状況とユーザの要望とを取得する状況・要望取得部と、
前記状況・要望取得部によって取得されたユーザの状況とユーザの要望とに基づいて、マッサージコースを決定するコース決定部と、
前記コース決定部によって決定されたマッサージコースをマッサージ機に実行させるためのマッサージ機制御部とを含
み、
前記状況・要望取得部は、
予め設定された、ユーザの要望に関する複数の要望候補を提示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させることにより、ユーザの要望を取得する要望取得部と、
前記要望取得部によって取得されたユーザの要望に対して予め設定された、ユーザの状況に関する複数の状況候補を提示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させることにより、ユーザの状況を取得する状況取得部とを含む、マッサージシステム。
【請求項2】
前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、
前記携帯端末は、前記状況・要望取得部と、前記コース決定部とを含む、請求項1に記載のマッサージシステム。
【請求項3】
前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、
前記携帯端末は、前記状況・要望取得部と、前記コース決定部と、タッチパネル式表示部を含み、
前記要望取得部は、前記複数の要望候補を前記タッチパネル式表示部に表示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させるように構成されており、
前記状況取得部は、前記複数の状況候補を前記タッチパネル式表示部に表示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させるように構成されている、請求項1に記載のマッサージシステム。
【請求項4】
ユーザの体調とユーザの要望とを取得する体調・要望取得部と、
前記体調・要望取得部によって取得されたユーザの体調とユーザの要望とに基づいて、マッサージコースを決定するコース決定部と、
前記コース決定部によって決定されたマッサージコースをマッサージ機に実行させるためのマッサージ機制御部とを含み、
前記体調・要望取得部は、
予め設定された、ユーザの体調に関する複数の体調候補を提示して、その中から1つの体調候補をユーザに選択させることにより、ユーザの体調を取得する体調取得部と、
前記体調取得部によって取得されたユーザの体調に対して予め設定された、ユーザの要望に関する複数の要望候補を提示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させることにより、ユーザの要望を取得する要望取得部とを含む、マッサージシステム。
【請求項5】
前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、
前記携帯端末は、
前記体調・要望取得部と、前記コース決定部とを含む、請求項4に記載のマッサージシステム。
【請求項6】
前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、
前記携帯端末は、
前記体調・要望取得部と、前記コース決定部と、タッチパネル式表示部を含み、
前記体調取得部は、前記複数の体調候補を前記タッチパネル式表示部に表示して、その中から1つの体調候補をユーザに選択させるように構成されており、
前記要望取得部は、前記複数の要望候補を前記タッチパネル式表示部に表示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させるように構成されている、
請求項4に記載のマッサージシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、座部と、背もたれ部と、肘掛部と、脚載部と、これらの土台となる基台部とを備えたマッサージ機が開示されている。特許文献1の背もたれ部には、左右一対の揉み玉を備えたマッサージユニットが、昇降可能に取り付けられている。マッサージユニットは、揉み玉を偏心回動させる揉み機構と、揉み玉を前後に揺動させる叩き機構とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
この発明は、ユーザの状況とユーザの要望とに基づいて、適切なマッサージを行うことができるマッサージシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一実施形態は、ユーザの状況とユーザの要望とを取得する状況・要望取得部と、前記状況・要望取得部によって取得されたユーザの状況とユーザの要望とに基づいて、マッサージコースを決定するコース決定部と、前記コース決定部によって決定されたマッサージコースをマッサージ機に実行させるためのマッサージ機制御部とを含む。
この構成では、ユーザの状況とユーザの要望とに基づいて、適切なマッサージを行うことができるようになる。
【0006】
この発明の一実施形態では、前記状況・要望取得部は、ユーザの状況とユーザの要望とを、選択型式でユーザに入力させることによって、ユーザの状況とユーザの要望とを取得するように構成されている。
この発明の一実施形態では、前記状況・要望取得部は、予め設定された、ユーザの状況に関する複数の状況候補を提示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させることにより、ユーザの状況を取得する状況取得部と、前記状況取得部によって取得されたユーザの状況に対して予め設定された、ユーザの要望に関する複数の要望候補を提示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させることにより、ユーザの要望を取得する要望取得部とを含む。
【0007】
この発明の一実施形態では、前記状況・要望取得部は、予め設定された、ユーザの要望に関する複数の要望候補を提示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させることにより、ユーザの要望を取得する要望取得部と、前記要望取得部によって取得されたユーザの要望に対して予め設定された、ユーザの状況に関する複数の状況候補を提示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させることにより、ユーザの状況を取得する状況取得部とを含む。
【0008】
この発明の一実施形態では、前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、前記携帯端末は、前記状況・要望取得部と、前記コース決定部とを含む。
この発明の一実施形態では、前記マッサージ機制御部と通信可能な携帯端末を含み、前記携帯端末は、前記状況・要望取得部と、前記コース決定部と、タッチパネル式表示部を含み、前記状況取得部は、前記複数の状況候補を前記タッチパネル式表示部に表示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させるように構成されており、前記要望取得部は、前記複数の要望候補を前記タッチパネル式表示部に表示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、マッサージシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、マッサージ機および携帯端末の外観を示す一部切り欠き斜視図である。
【
図3】
図3は、マッサージユニットの構成を図解的に示す斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、マッサージ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、エアポンプから各エアバッグまでのエア回路を示すエア回路図である。
【
図5】
図5は、携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6Aはホーム画面の一例を示す模式図であり、
図6Bはペアリング待機中画面の一例を示す模式図であり、
図6Cはペアリング完了画面の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7Aはログイン画面の一例を示す模式図であり、
図7Bは接続機器リスト画面の一例を示す模式図であり、
図7Cは接続中画面の一例を示す模式図であり、
図7Dは接続完了画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8Aはマッサージ機用アプリのホーム画面の一例を示す模式図であり、
図8Bはシーン選択画面の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9Aは要望選択画面の一例を示す模式図であり、
図9Bは解析結果画面の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、コース選択テーブルの内容の一例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、コース選択テーブルの他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[1]マッサージシステムの全体構成
図1は、マッサージシステム1の全体構成を示すブロック図である。
マッサージシステム1は、椅子型マッサージ機(以下、単に「マッサージ機2」という。)と、携帯端末3と、サーバ4とを備えている。この実施形態では、携帯端末3は、スマートホンである。携帯端末3は、マッサージ機2によってマッサージを受けようとするユーザ(被施療者)が使用している携帯端末である。マッサージ機2と携帯端末3とは、例えばBluetooth(登録商標)によって無線通信可能である。携帯端末3とサーバ4とは、通信網5を介して通信可能である。
【0011】
マッサージ機2によってマッサージが実行された場合には、そのマッサージ履歴が携帯端末3に送られる。マッサージ履歴には、マッサージが行われた日時、マッサージコース、各部位のマッサージ強度等が含まれる。携帯端末3は、マッサージ機2から受信したマッサージ履歴をメモリに保存する。携帯端末3は、リアルタイムまたは所定のタイミングで、メモリに保存したマッサージ履歴をサーバ4に送信する。サーバ4は、携帯端末3から受信したマッサージ履歴を携帯端末3の使用者別に保存する。
[2]マッサージ機の外観
図2は、マッサージ機2および携帯端末3の外観を示す一部切り欠き斜視図である。
【0012】
マッサージ機2は、座部11と、背もたれ部12と、肘掛部13と、脚載部(オットマン)14と、これらの土台となる基台とを含む。
以下の説明において、前後方向、左右方向および上下方向とは、ユーザがマッサージ機2に通常の姿勢で着座したときに、そのユーザから見た場合の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれいうものとする。
【0013】
基台は座部11の下方に存在するが、
図2においては、座部11、背もたれ部12、肘掛部13および脚載部14によって隠れているため、現れていない。
座部11は、基台上に配置されている。背もたれ部12は、座部11の後部に配置されている。肘掛部13は、座部11の左右両側に配置されている。脚載部14は、座部11の前側に配置されている。背もたれ部12は、背もたれ回動用アクチュエータ21(
図4A参照)により、座部11に対して、傾動可能に支持されている。また、脚載部14は、脚載回動用アクチュエータ22(
図4A参照)により、座部上部近傍に設けられた左右方向に延びる支軸を中心として回動できるようになっている。これにより、脚載部14は、
図2に示す垂直姿勢と、垂直姿勢からほぼ90度回転した水平姿勢との間で回動可能となっている。
【0014】
背もたれ部12には、マッサージユニット23が内蔵されている。マッサージユニット23は、左右一対の施療子(揉み玉)51を使用した各種マッサージ(メカ式マッサージ)を行うためのものである。背もたれ部12には、上下方向に延びる左右一対の断面U形状のガイドレール28,29(
図3参照)が設けられており、マッサージユニット23はガイドレール28,29に沿って上下方向に移動できるようになっている。マッサージユニット23の詳細な構成については、後述する。
【0015】
肘掛部13には、ユーザの前腕を収容するための前腕収容凹部17を有する腕ユニット16が設けられている。脚載部14には、ユーザの左右の脚部および足をそれぞれ収容する脚部収容凹部18および足収容凹部19を有している。
マッサージ機2の背もたれ部12、座部11、肘掛部13および脚載部14には、エアバッグが設けられている。各エアバッグは、空気の給排気によって膨張収縮することにより、ユーザにエア式マッサージを行う。
【0016】
背もたれ部12には、右の二の腕をマッサージするための右二の腕用エアバッグ31aと、左の二の腕をマッサージするための左二の腕用エアバッグ31bとが設けられている。これらのエアバッグ31a,31bによって、二の腕をマッサージするための二の腕用エアバッグ31が構成されている。
座部11には、太腿(ふともも)の側部をマッサージするため左右一対の太腿横用エアバッグ32a,32bと、太腿の裏上部をマッサージするため左右一対の太腿裏上用エアバッグ32c,32dと、太腿の裏下部をマッサージするための太腿裏下用エアバッグ32eとが設けられている。これらのエアバッグ32a~32eによって、太腿をマッサージするための太腿用エアバッグ32が構成されている。
【0017】
左右一対の前腕収容凹部17の両側面には、前腕をマッサージするための前腕本体用エアバッグ33a,33bと、手をマッサージするための手用エアバッグ33c,33dとが設けられている。これらのエアバッグ33a~33dによって、前腕および手をマッサージするための前腕用エアバッグ33が構成されている。
左右一対の脚部収容凹部18の両側面には、脹脛(ふくらはぎ)の側面をマッサージするための脹脛横用エアバッグ34a,34bが設けられている。左右一対の脚部収容凹部18の底面には、脹脛の裏側をマッサージするための脹脛裏用エアバッグ34c,34dが設けられている。これらのエアバッグ34a~34dによって、脹脛をマッサージするための脹脛用エアバッグ34が構成されている。
【0018】
左右一対の足収容凹部19の両側面には、足の甲部分を下方に押圧するための足表側エアバッグ35a,35bが設けられている。左右一対の足収容凹部19の底面には、足裏を上方に押圧するための足裏側エアバッグ35c,35dが設けられている。これらのエアバッグ35a~35dによって、足裏をマッサージするための足裏用エアバッグ35が構成されている。
【0019】
腕ユニット16には、リモコンスタンド24が取り付けられている。リモコンスタンド24には、ユーザがマッサージ機2を操作するためのリモートコントローラ(以下、「リモコン25」という。)が着脱自在に取り付けられている。リモコン25の操作面には、
図4Aに示すように、操作表示部26と複数の操作キーとが設けられている。操作表示部26は、例えば、タッチパネル式の液晶表示器からなる。リモコン25は、携帯端末3と無線通信するための通信部を備えている。
[3]マッサージユニットの構成
図3は、マッサージユニット23の構成を図解的に示す斜視図である。
【0020】
マッサージユニット23は、ガイドレール28,29に対して昇降自在に取り付けられている。マッサージユニット23は、矩形枠状のメインフレーム41を含む。メインフレーム41は、左右一対の側壁と、これらの側壁の上端どうしおよび下端どうしをそれぞれ結合する天壁および底壁とからなる。メインフレーム41には、左右方向に延びたガイド軸42および昇降用駆動軸43が回転自在に取り付けられている。
【0021】
ガイド軸42は、メインフレーム41の上部に配置され、昇降用駆動軸43はメインフレーム41の下部に配置されている。ガイド軸42および昇降用駆動軸43の両端部は、メインフレーム41の両側壁から外方に突出している。ガイド軸42の両端部には、ガイドレール28,29によって案内されるガイドローラ44が取り付けられている。昇降用駆動軸43の両端部には、ガイドレール28,29に設けられたラック(図示略)と噛み合うピニオンギヤ45が取り付けられている。
【0022】
メインフレーム41には、昇降用駆動軸43を回転させるための昇降用モータ46が取り付けられている。昇降用モータ46は、昇降用駆動軸43にギヤ機構47を介して連結されている。昇降用モータ46が回転されることによって、マッサージユニット23はガイドレール28,29に沿って昇降される。
マッサージユニット23には、昇降用駆動軸43の回転量を検出することによって、マッサージユニット23の昇降位置(上下方向位置)を検出するための昇降位置センサ48が設けられている。昇降位置センサ48は、昇降用駆動軸43の回転量を検出するためのロータリーエンコーダからなる。
【0023】
昇降用駆動軸43の長さ中間部には、揺動フレーム49が前後方向に揺動自在に取り付けられている。揺動フレーム49には、左右一対の施療子51およびその駆動機構を備えた施療子駆動ユニット50が取り付けられている。メインフレーム41には、揺動フレーム(施療子駆動ユニット)を前後方向に進退させるための施療子駆動ユニット進退機構が設けられている。
【0024】
施療子駆動ユニット進退機構について説明する。メインフレーム41には、ガイド軸42の下側に配置されかつ左右方向に延びた進退軸52が回転自在に取り付けられている。メインフレーム41の一方の側部には、進退軸52を回転させるための進退用モータ53が取り付けられている。進退用モータ53は、ギヤ機構54を介して進退軸52に連結されている。進退軸52の長さ中間部には、左右一対のピニオンギヤ55が取り付けられている。揺動フレーム49の上部には、左右一対のピニオンギヤ55と噛み合う円弧状ラック56がそれぞれ設けられている。進退用モータ53によって進退軸52が回転されると、ピニオンギヤ55が回転し、円弧状ラック56が移動する。これにより、揺動フレーム49が昇降用駆動軸43を中心として揺動する。これにより、施療子駆動ユニット50(施療子51)が前後方向に進退する。
【0025】
マッサージユニット23には、進退軸52の回転量を検出することによって、施療子駆動ユニット50の前後位置を検出するための前後位置センサ57が設けられている。前後位置センサ57は、進退軸52の回転量を検出するためのエンコーダからなる。
施療子駆動ユニット50は、施療子51を偏心回動させることによって揉み動作を行う揉み機構と、施療子51を前後方向に揺動させることによって叩き動作を行う叩き機構とを備えている。揉み機構は、アクチュエータ(駆動源)としての揉み用モータ58を含んでいる。叩き機構は、アクチュエータ(駆動源)としての叩き用モータ59を含んでいる。このような揉み機構および叩き機構は、周知である。
[4]マッサージ機2および携帯端末3の電気的構成
図4Aは、マッサージ機2の電気的構成を示すブロック図である。
図4Bは、エアポンプから各エアバッグまでのエア回路を示すエア回路図である。
【0026】
図4Aを参照して、マッサージ機2の内部には、マッサージ機2を制御するための制御部60が内蔵されている。制御部60は、本発明の「マッサージ機制御部」の一例である。制御部60は、マイクロコンピュータを含み、CPU、メモリ(RAM、ROM、不揮発性メモリ)等を備えている。メモリには、CPUのプログラムの他、各種データが記憶される。
【0027】
制御部60には、リモコン25、背もたれ回動用アクチュエータ21の駆動回路71および脚載回動用アクチュエータ22の駆動回路72が接続されている。制御部60には、さらに、マッサージユニット23内の昇降用モータ46の駆動回路73、進退用モータ53の駆動回路74、揉み用モータ58の駆動回路75および叩き用モータ59の駆動回路76が接続されている。制御部60には、さらに、マッサージユニット23内の昇降位置センサ48および前後位置センサ57が接続されている。
【0028】
制御部60には、さらに、エアポンプ81の駆動回路77および複数の電磁弁82a~82sの駆動回路78が接続されている。各電磁弁82a~82sには、エアポンプ81からエアが供給される。以下において、電磁弁82a~82sを総称する場合には、電磁弁82という場合がある。
図4Bを参照して、電磁弁82aには右二の腕用エアバッグ31aが接続され、電磁弁85bには左二の腕用エアバッグ31bが接続されている。電磁弁82cには右太腿横用エアバッグ32aが接続され、電磁弁82dには左太腿横用エアバッグ32bが接続されている。電磁弁82eには右太腿裏上用エアバッグ32cが接続され、電磁弁82fには左太腿裏上用エアバッグ32dが接続されている。電磁弁82gには太腿裏下用エアバッグ32eが接続されている。
【0029】
電磁弁82hには右腕の前腕本体用エアバッグ33aが接続され、電磁弁82iには左腕の前腕本体用エアバッグ33bが接続されている。電磁弁82jには右手用エアバッグ33cが接続され、電磁弁82kには左手用エアバッグ33dが接続されている。
電磁弁82lには右脹脛横用エアバッグ34aが接続され、電磁弁82mには左脹脛横用エアバッグ34bが接続されている。電磁弁82nには右脹脛裏用エアバッグ34cが接続され、電磁弁82oには左脹脛裏用エアバッグ34dが接続されている。電磁弁82pには右足表側エアバッグ35aが接続され、電磁弁82qには左足表側エアバッグ35bが接続されている。電磁弁82rには右足裏側エアバッグ35cが接続され、電磁弁82sには左足裏側エアバッグ35dが接続されている。
【0030】
この実施形態では、左右両側にペア配置されたエアバッグに対してそれぞれ個別に電磁弁が設けられているが、ペア配置された2つのエアバッグに対して共通した1つの電磁弁が設けられていてもよい。
あるエアバッグの電磁弁82が励磁されると、エアポンプ81からその電磁弁82を介して当該エアバッグに空気が供給される。これにより、当該エアバッグが膨張する。そして、当該エアバッグの電磁弁82が消磁されると、当該エアバッグ内の空気が電磁弁を介して外部に排気される。これにより、当該エアバッグが収縮する。
【0031】
制御部60は、リモコン25の操作、携帯端末3の操作等に基づいて、各アクチュエータ21,22の駆動回路71,72を制御する。また、制御部60は、リモコン25の操作、携帯端末3の操作等に基づいて、各モータ46,53,58,59の駆動回路73~76、エアポンプ81の駆動回路77および電磁弁82の駆動回路78を制御する。これにより、マッサージ機2は、各種のマッサージを行えるようになっている。
【0032】
マッサージモードには、手動モード、自動モード、人体マップモード、ヘルスケアモード、履歴モード、シーン別マッサージモード(以下、「シーンモード」という。)、配信モード等がある。
手動モードは、ユーザによって選択されたマッサージ種類に応じたマッサージを実行するモードである。
【0033】
自動モードは、複数種類のマッサージコースの中からユーザに所望のマッサージコースを選択させ、選択されたマッサージコースを実行するモードである。
人体マップモードは、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させ、入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを決定し、決定したマッサージコースを実行するモードである。
【0034】
ヘルスケアモードは、ユーザの歩数、睡眠時間および脈拍数(心拍数)等の生体情報に適したマッサージコースを決定し、決定したマッサージコースを実行するモードである。
履歴モードは、ユーザに対して過去に実行されたマッサージコースの中からユーザに所望のマッサージコースを選択させ、選択されたマッサージコースを実行するモードである。
【0035】
シーンモードは、「ユーザの状況(situation or condition)」と「ユーザの要望」との組合せに基づいて、適切なマッサージコースを決定し、決定したマッサージコースを実行するモードである。
配信モードは、サーバ4から携帯端末3にマッサージコースをダウンロードし、ダウンロードしたコースをマッサージ機2に実行させるモードである。
【0036】
図5は、携帯端末3の電気的構成を示すブロック図である。
携帯端末3は、制御部90を備えている。制御部90は、マイクロコンピュータを含み、CPU、メモリ(RAM、ROM、不揮発性メモリ)91等を備えている。メモリ91には、CPUのプログラムの他、各種データが記憶される。制御部90には、第1通信部101、第2通信部102、操作表示部103等が接続されている。第1通信部101は、制御部90がリモコン25(マッサージ機2の制御部90)と無線通信するための通信インタフェースである。第2通信部102は、制御部90が、通信網5を介して、サーバ4や他の携帯端末と通信を行うための通信インタフェースである。操作表示部103は、入力機能を備えた表示器からなる。この実施形態では、操作表示部103は、タッチパネル式の液晶表示器(タッチパネル式表示部)である。
[5]シーンモード
以下、主としてシーンモードについて説明する。
【0037】
携帯端末3のメモリ91(不揮発性メモリ)には、人体マップモード、ヘルスケアモード、履歴モード、シーンモードまたは配信モードを実現したり、履歴データをサーバ4に送信したりするためのアプリケーション(以下、「マッサージ・アプリ」という。)が格納されている。制御部90は、マッサージ・アプリを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。
【0038】
メモリ91(不揮発性メモリ)には、シーンモードにおいて、コースを決定するために用いられるコース選択テーブル91Aが記憶されている。
本発明の特徴であるシーンモードを実現するために、制御部90は、機能処理部として、状況・要望取得部92と、コース決定部93と、コース送信部94とを含む。
状況・要望取得部92は、「ユーザの状況」と「ユーザの要望」とを取得する。具体的には、状況・要望取得部92は、ユーザの状況とユーザの要望とを、選択型式でユーザに入力させることによって、ユーザの状況とユーザの要望とを取得する。
【0039】
この実施形態では、状況・要望取得部92は、状況取得部92Aと、要望取得部92Bとを含む。状況取得部92Aは、予め設定された、ユーザの状況に関する複数の状況候補を提示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させることにより、ユーザの状況を取得する。この実施形態では、複数の状況候補の提示は、複数の状況候補を操作表示部103に表示することにより行われる。
【0040】
要望取得部92Bは、状況取得部92Aによって取得されたユーザの状況に対して予め設定された、ユーザの要望に関する複数の要望候補を提示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させることにより、ユーザの要望を取得する。この実施形態では、複数の要望候補の提示は、複数の要望候補を操作表示部103に表示することにより行われる。状況取得部92Aおよび要望取得部92Bの動作の詳細については、後述する。
【0041】
コース決定部93は、状況・要望取得部92によって取得されたユーザの状況とユーザの要望とに基づいて、マッサージコースを決定する。
コース送信部94は、コース決定部93によって決定されたマッサージコースをマッサージ機2に第1通信部101を介して送信する。マッサージ機2の制御部60は、携帯端末3から受信したマッサージコースをマッサージ機2に実行させる機能を備えている。
[5.1]マッサージ機の起動
ユーザは、リモコン25の電源スイッチをオンにすることにより、マッサージ機2を起動させる。これにより、
図6Aに示すようなホーム画面(以下、「リモコンホーム画面」という。)が、リモコン25の操作表示部26に表示される。リモコンホーム画面には、各種のマッサージコースを選択するためのコース選択ボタン111、手動でマッサージ種類を選択するための手動ボタン112、各種の設定を行うための設定ボタン113、Bluetooth(登録商標)ボタン114等が表示される。Bluetooth(登録商標)ボタン114には、Bluetooth(登録商標)マークが表示されている。マッサージ機2が携帯端末3に接続されていない状態では、Bluetooth(登録商標)マークは白色で表示される。
【0042】
ユーザがBluetooth(登録商標)ボタン114をタップすると、マッサージ機2は携帯端末3との接続待機状態(ペアリング待機モード)となる。この際、操作表示部26には、
図6Bに示すようなペアリング待機中画面が表示される。ペアリング待機中画面には、「ぺアリングモード」の文字、円弧矢印ペアマーク、中止ボタン、Bluetooth(登録商標)ボタン等が表示される。ペアリング待機中においては、円弧矢印ペアマークは回転する。
【0043】
そして、マッサージ機2と携帯端末3とが接続状態になると、操作表示部26には、
図6Cに示すようなペアリング完了画面が表示される。ペアリング完了画面では、ペアリング待機中画面内の円弧矢印ペアマークが、チェックマークに変化する。
接続完了画面が表示された後、所定時間(例えば2秒)が経過すると、操作表示部26には、リモコンホーム画面(
図6A参照)が表示される。ただし、この場合には、Bluetooth(登録商標)ボタン114上のBluetooth(登録商標)マークは青色で表示される。
[5.2]マッサージ・アプリの起動
ユーザは、携帯端末3の操作表示部103上に表示されたマッサージ・アプリのアイコンをタップすることにより、マッサージ・アプリを起動する。これにより、
図7Aに示すようなログイン画面が操作表示部103上に表示される。ログイン画面には、ログインID入力部121、パスワード入力部122、ログインボタン123等が表示される。
【0044】
ユーザ登録が既にされている場合において、ユーザがログインIDおよびパスワードを入力した後にログインボタン123をタップすると、操作表示部103には、
図7Bに示すような接続機器リスト画面が表示される。接続機器リスト画面には、ペアリング待機モードとなっているマッサージ機の型式を表す型式選択ボタン124,125が表示される。ユーザは、ユーザが使用しようとするマッサージ機の型式に対応した型式選択ボタンをタップする。
【0045】
所定の型式選択ボタンがタップされると、携帯端末3の制御部90は、当該型式選択ボタンに対応した型式(以下、「選択された型式」という。)のマッサージ機2に携帯端末3を接続するための処理を行う。選択された型式がXY-0001であるとすると、操作表示部103には、
図7Cに示すように、「XY-0001に接続中」というメッセージを含む接続中画面が表示される。使用するマッサージ機2がペアリング待機状態であれば、この後、携帯端末3がマッサージ機2に接続される。
【0046】
携帯端末3がマッサージ機2に接続されると、操作表示部103に、
図7Dに示すような接続完了画面が表示される。選択された型式がXY-0001であるとすると、接続完了画面には、「XY-0001に接続完了」というメッセージが表示される。そして、操作表示部103に、マッサージ・アプリのホーム画面(以下、「アプリホーム画面」という。)が表示される。
【0047】
図8Aは、アプリホーム画面の一例を示す模式図である。
アプリホーム画面130には、マッサージ機2との接続状態を示す接続状態欄131、人体マップモードボタン132、ヘルスケアモードボタン133、複数の履歴ボタン134、ホームボタン135、シーンモードボタン136、配信モードボタン137等が表示される。
【0048】
接続状態欄131は、アプリホーム画面130の上端寄りに配置されている。接続状態欄131には、携帯端末3がマッサージ機2と接続されている場合には「接続中」の文字列が表示され、携帯端末3がマッサージ機2と接続されていない場合には「未接続」の文字列が表示される。
人体マップモードボタン132は、接続状態欄131の下側に配置されている。人体マップモードボタン132は、マッサージモードを人体マップモードに設定するためのボタンである。人体マップモードボタン132には、「人体マップ」という文字列等が表示される。人体マップモードボタン132がタップされると、凝り部位および凝り具合をユーザに入力させるための人体マップ画面(図示略)が操作表示部103に表示される。ユーザは、人体マップ画面上で凝り部位および凝り具合を入力する。
【0049】
人体マップ画面上で凝り部位および凝り具合が入力されると、入力された凝り部位および凝り具合に適したマッサージコースを提示するコース決定画面が操作表示部103に表示される。そして、コース決定画面上でユーザが所定の操作を行うと、提示されたマッサージコースがマッサージ機2によって実行されるようになっている。
ヘルスケアモードボタン133は、人体マップモードボタン132の下側に配置されている。ヘルスケアモードボタン133は、マッサージモードをヘルスケアモードに設定するためのボタンである。ヘルスケアモードボタン133には、例えば、ユーザの歩数、睡眠時間および脈拍数等の生体情報と、その生体情報に適したマッサージコースを促すメッセージが表示される。この例では、ユーザの当日の歩数と、その歩数に適したマッサージコースを促すメッセージが表示されている。ヘルスケアモードボタン133がタップされた場合には、ユーザの歩数、睡眠時間、脈拍数等に適したマッサージコースを提示するコース決定画面が操作表示部103に表示される。そして、コース決定画面上でユーザが所定の操作を行うと、提示されたマッサージコースがマッサージ機2によって実行されるようになっている。
【0050】
履歴ボタン134は、ヘルスケアモードボタン133の下側に配置されている。履歴ボタン134は、マッサージモードを履歴モードに設定するためのボタンである。履歴ボタン134には、ユーザに対して過去に実行されたマッサージコースの名称およびマッサージ日時が表示される。履歴ボタン134がタップされると、当該履歴ボタン134に対応するマッサージコースを提示するコース決定画面が操作表示部103に表示される。そして、コース決定画面上でユーザが所定の操作を行うと、提示されたマッサージコースがマッサージ機2によって実行されるようになっている。
【0051】
ホームボタン135、シーンモードボタン136および配信モードボタン137は、履歴ボタン134の下側に横に並んで配置されている。ホームボタン135は、表示画面がアプリホーム画面130以外の画面であるときに、表示画面をアプリホーム画面130に戻すためのボタンである。シーンモードボタン136は、マッサージモードをシーンモードに設定するためのボタンである。配信モードボタン137は、マッサージモードを配信モードに設定するためのボタンである。
[5.3]シーン選択画面および要望選択画面
アプリホーム画面130で、シーンモードボタン136がタップされると、携帯端末3の状況取得部92Aは、例えば、
図8Bに示すようなシーン選択画面(状況選択画面)140を操作表示部103に表示する。シーン選択画面140は、タイトル領域E1と、選択枝表示領域E2と、ボタン領域E3とを含んでいる。
【0052】
タイトル領域E1は、シーン選択画面140の上端部の横長矩形領域である。タイトル領域E1には、シーンモードを表す「シーン」という文字列が表示される。
ボタン領域E3は、シーン選択画面140の下端部の横長矩形領域である。ボタン領域E3には、ホームボタン135、シーンモードボタン136および配信モードボタン137が表示される。
【0053】
選択枝表示領域E2は、タイトル領域E1とボタン領域E3との間の縦長矩形領域である。選択枝表示領域E2には、「ユーザの状況」をユーザに選択させるための複数の状況選択ボタン141~143が表示されている。複数の状況選択ボタン141~143には、予め設定された、ユーザの状況に関する複数の状況候補のうち、当該状況選択ボタンに割り当てられた状況候補が表示されている。
【0054】
この実施形態では、状況選択ボタン141には、第1状況候補である「朝起きたとき」を表す文字列と、「太陽」を表すマークとが表示されている。状況選択ボタン142には、第2状況候補である「仕事終わり」を表す文字列と、「星」を表すマークとが表示されている。状況選択ボタン143には、第3状況候補である「おやすみ前」を表す文字列と、「月」を表すマークとが表示されている。
【0055】
ユーザは、シーン選択画面140上において、現在の自己の状況に最も適した状況候補に対応する1つの状況選択ボタン141、142または143をタップする。ユーザが1つの状況選択ボタンをタップすると、携帯端末3の状況取得部92Aは、タップされた状況選択ボタンに対応する状況候補を、「ユーザの状況」として取得する。また、携帯端末3の要望取得部92Bは、
図9Aに示されるように、タップされた状況選択ボタンに応じた要望選択画面150を操作表示部103に表示する。
【0056】
具体的には、シーン選択画面140において、ユーザが1つの状況選択ボタンをタップすると、タップされた状況選択ボタンの下側に、タップされた状況選択ボタンに対応した複数の要望選択ボタン151~153が表示される。シーン選択画面140において、タップされた状況選択ボタンの下側に1または複数の他の状況選択ボタンが存在していた場合には、それらの他の状況選択ボタンは複数の要望選択ボタン151~153の下側に表示される。このようにして、シーン選択画面140から要望選択画面150に画面が遷移する。なお、タップされた状況選択ボタンに対応した1または複数の要望選択ボタン151~153は、一般的なプルダウンメニュー型式で表示されてもよいし、ポップアップメニュー型式で表示されてもよい。
【0057】
複数の要望選択ボタン151~153には、ユーザによって選択された状況候補に対して予め設定された、「ユーザの要望」に関する複数の要望候補のうちから、当該要望選択ボタンに割り当てられた要望候補が表示される。
図9Aは、シーン選択画面140上で状況選択ボタン141がタップされた場合に、操作表示部103に表示される要望選択画面150の一例を示している。
【0058】
図9Aの例では、要望選択画面150には、第1状況候補(状況選択ボタン141)に対して予め設定されている3つの要望候補に対応した3つの要望選択ボタン151~153が表示される。要望選択ボタン151には、「すっきりと活動的になりたい」という要望候補が表示されている。要望選択ボタン152には、「目覚めのストレッチをしたい」という要望候補が表示されている。要望選択ボタン153には、「寝起きのむくみをケアしたい」という要望候補が表示されている。
【0059】
ユーザは、要望選択画面150上において、現在の自己の要望に最も適した要望候補に対応する1つの要望選択ボタン151、152または153をタップする。ユーザが1つの要望選択ボタンをタップすると、携帯端末3の要望取得部92Bは、タップされた要望選択ボタンに対応する要望候補を、「ユーザの要望」として取得する。
そして、携帯端末3のコース決定部93は、コース選択テーブル91Aを用いて、状況取得部92Aによって取得された「ユーザの状況」と要望取得部92Bによって取得された「ユーザの要望」との組合せに適したマッサージコースを決定する。コース選択テーブル91Aの内容については、後述する。
【0060】
そして、コース決定部93は、
図9Bに示すような解析結果画面160を表示する。解析結果画面160には、ユーザによって選択された要望候補と、コース決定部93によって決定されたマッサージコースの名称、マッサージ時間、マッサージの内容およびユーザへのメッセージが表示されるとともに、マッサージ開始ボタン161が表示される。
図9Bの例では、ユーザによって選択された要望候補は、「すっきりと活動的になりたい」である。コース決定部93によって決定されたマッサージコースの名称は、「全身リフレッシュコース」である。マッサージ時間は、15分である。マッサージの内容は、「全身をリズミカルにマッサージします。」である。ユーザへのメッセージは、「目覚めを促すリズミカルなマッサージをお楽しみください。」である。
【0061】
コース決定部93によって決定され得るマッサージコースの名称およびその内容はコース選択テーブル91Aに記憶されている。コース決定部93によって決定され得るマッサージコースの時間(マッサージ時間)は、図示しないコーステーブル(マッサージコース毎にID、名称、内容等が記憶されたテーブル)に記憶されている。マッサージ時間も、コース選択テーブル91Aに記憶されていてもよい。ユーザへのメッセージは、状況・要望取得部92によって取得された「ユーザの状況」および「ユーザの要望」の組合せに応じて、ユーザに提供されるメッセージであり、コース選択テーブル91Aに記憶されている。
【0062】
ユーザがマッサージ開始ボタン161をタップすると、携帯端末3のコース送信部94は、解析結果画面160に表示されたマッサージコースのIDをマッサージ機2に送信する。なお、コース決定部93によって決定されるマッサージコースのIDは、コース選択テーブル91Aに記憶されている。マッサージ機2は、携帯端末3からのマッサージコースのIDを受信すると、受信したIDに対応したマッサージコースを実行する。
[5.4]コース選択テーブル91A
コース選択テーブル91Aは、状況取得部92Aによって選択された「ユーザの状況」と要望取得部92Bによって選択された「ユーザの要望」との組合せに適したマッサージコースを決定するために用いられるテーブルである。
【0063】
図10は、コース選択テーブル91Aの内容の一例を示す模式図である。
以下において、「シーンID」とは、「ユーザの状況」と「ユーザの要望」との組合せを特定するための識別情報をいう。
コース選択テーブル91Aには、シーンID毎に、「状況候補」、「要望候補」、「ユーザへのメッセージ」、「コースID」、「コース名」および「コース内容」が記憶されている。ここでは説明の便宜上、シーンIDをA1~A9で表す。コースIDは、マッサージコースを特定するためのIDである。ここでは説明の便宜上、コースIDをB1~BN(Nはマッサージコースの種類数に応じた整数)で表す。
【0064】
図9の例では、「状況候補」としては、「朝起きた時」、「仕事終わり」および「おやすみ前」の3種類が予め設定されている。「要望候補」としては、状況候補毎に、3つの要望候補が予め設定されている。
「朝起きた時」と「すっきりと活動的になりたい」と組合せ(シーンID=A1)に対しては、「全身リフレッシュコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、目覚めを促すために、全身をリズミカルにマッサージする「全身リフレッシュコース」がマッサージコースとして決定される。
【0065】
全身リフレッシュコースでは、施療子51を使用したメカ式マッサージとエアバッグを使用したエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が例えば首・肩領域から坐骨領域まで往復移動するように制御されることにより、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。後述の全身疲労回復コースと比べて、もみ動作と叩き動作の動作速度を上げて、リズミカルなマッサージを行う。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。後述の全身疲労回復コースと比べて、空気の給排気の間隔を短くしてリズミカルなマッサージを行う。
【0066】
「朝起きた時」と「目覚めのストレッチをしたい」と組合せ(シーンID=A2)に対しては、「全身ストレッチコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身の筋肉を伸ばすために、全身をストレッチさせながらマッサージする「全身ストレッチコース」がマッサージコースとして決定される。
全身ストレッチコースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。また例えば、脹脛用エアバッグ34を膨張させた状態でユーザの脚部を保持し、リクライニングを後方に倒すなどして、ユーザのストレッチを行う。
【0067】
「朝起きた時」と「寝起きのむくみをケアしたい」と組合せ(シーンID=A3)に対しては、「全身エアーコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身の血行を促進するために、全身をエアーバックだけでマッサージする「全身エアーコース」がマッサージコースとして決定される。
全身エアーコースでは、エア式マッサージが行われる。具体的には、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。このコースでは、メカ式マッサージは行われない。
【0068】
「仕事終わり」と「全身をハードにマッサージされたい」と組合せ(シーンID=A4)に対しては、「全身疲労回復コース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身を強くマッサージする「全身疲労回復コース」がマッサージコースとして決定される。
全身疲労回復コースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。
【0069】
「仕事終わり」と「肩を強く揉まれたい」と組合せ(シーンID=A5)に対しては、「首肩疲労回復コース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、首肩を重点的にマッサージする「首肩疲労回復コース」がマッサージコースとして決定される。
首肩疲労回復コースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が主として首・肩領域を往復移動するように制御されることにより、首・肩を中心としたメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。
【0070】
「仕事終わり」と「腰を強く揉まれたい」と組合せ(シーンID=A6)に対しては、「腰疲労回復コース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、腰を強くマッサージする「腰疲労回復コース」がマッサージコースとして決定される。
腰疲労回復コースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、昇降位置センサ48の出力に基づきマッサージユニット23が主として腰領域を往復移動するように制御されることにより、腰を中心としたメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。
【0071】
「おやすみ前」と「全身をしっかりマッサージされたい」と組合せ(シーンID=A7)に対しては、「VIPコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身を長時間マッサージする「VIPコース」がマッサージコースとして決定される。
VIPコースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。VIPコースは前述の全身疲労回復コースと比べて、約2倍のマッサージ時間が設定されている。
【0072】
「おやすみ前」と「寝つきを良くしたい」と組合せ(シーンID=A8)に対しては、「ナイトヒーリングコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身をゆっくりマッサージする「ナイトヒーリングコース」がマッサージコースとして決定される。
ナイトヒーリングコースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。ナイトヒーリングコースは前述の全身疲労回復コースと比べて、メカ式マッサージとエア式マッサージの強度が弱く設定されている。ナイトヒーリングコースは前述の全身疲労回復コースと比べて、約2倍のマッサージ時間が設定されている。
【0073】
「おやすみ前」と「すっきりと眠りたい」と組合せ(シーンID=A9)に対しては、「スローストレッチコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身をじっくり伸ばす「スローストレッチコース」がマッサージコースとして決定される。
スローストレッチコースでは、メカ式マッサージとエア式マッサージが行われる。具体的には、マッサージユニット23の移動可能領域全域においてメカ式マッサージが行われる。マッサージ動作としては、例えば、揉み動作と叩き動作とが所定時間毎に交互に行われる。また、二の腕用エアバッグ31、太腿用エアバッグ32、前腕用エアバッグ33、脹脛用エアバッグ34および足裏用エアバッグ35への空気の給排気による膨張および収縮が一定の周期で繰り返される。また例えば、脹脛用エアバッグ34を膨張させた状態でユーザの脚部を保持し、リクライニングを後方に倒すなどして、ユーザのストレッチを行う。また、前述の全身疲労回復コースと比べて、メカ式マッサージとエア式マッサージの強度が弱く設定されている。また、スローストレッチコースは前述の全身疲労回復コースと比べて、約2倍のマッサージ時間が設定されている。
【0074】
前述のコース選択テーブル91Aの代わりにまたは前述のコース選択テーブル91Aに加えて、
図11に示すようなコース選択テーブル91Bを用いてもよい。
このコース選択テーブル91Bには、前述のコース選択テーブル91Aと同様に、シーンID毎に、「ユーザの状況」、「ユーザの要望」、「ユーザへのメッセージ」、「コースID」、「コース名」および「コース内容」が記憶されている。ここでは説明の便宜上、シーンIDをC1~C9で表す。コースIDは、マッサージコースを特定するためのIDである。ここでは説明の便宜上、コースIDをB1~BN(Nはマッサージコースの種類数に応じた整数)で表す。
【0075】
図11の例では、「状況候補」としては、「体がだるい」および「気分が悪い」の2種類が予め設定されている。「要望候補」としては、状況候補毎に、3つの要望候補が予め設定されている。
「体がだるい」と「全身をハードにマッサージされたい」と組合せ(シーンID=C1)に対しては、「全身疲労回復コース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身を強くマッサージする「全身疲労回復コース」がマッサージコースとして決定される。全身疲労回復コースの内容は、前述の全身疲労回復コースと同じである。
【0076】
「体がだるい」と「肩を強く揉まれたい」と組合せ(シーンID=C2)に対しては、「首肩疲労回復コース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、首肩を重点的にマッサージする「首肩疲労回復コース」がマッサージコースとして決定される。首肩疲労回復コースの内容は、前述の首肩疲労回復コースと同じである。
「体がだるい」と「腰を強く揉まれたい」と組合せ(シーンID=C3)に対しては、「腰疲労回復コース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、腰を強くマッサージする「腰疲労回復コース」がマッサージコースとして決定される。腰疲労回復コースの内容は、前述の腰疲労回復コースと同じである。
【0077】
「気分が重い」と「すっきりと活動的になりたい」と組合せ(シーンID=C4)に対しては、「全身リフレッシュコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身をリズミカルにマッサージする「全身リフレッシュコース」がマッサージコースとして決定される。全身リフレッシュコースの内容は、前述の全身リフレッシュコースと同じである。
「気分が重い」と「全身をしっかりマッサージされたい」と組合せ(シーンID=C5)に対しては、「VIPコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身を長時間マッサージする「VIPコース」がマッサージコースとして決定される。VIPコースの内容は、前述のVIPコースと同じである。
【0078】
「体がだるい」と「すっきりと眠りたい」が選択された場合、全身をじっくり伸ばす「スローストレッチコース」と組合せ(シーンID=C6)に対しては、「スローストレッチコース」が記憶されている。したがって、この組合せが選択された場合には、全身をじっくり伸ばす「スローストレッチコース」がマッサージコースとして決定される。スローストレッチコースの内容は、前述のスローストレッチコースと同じである。
[6]変形例
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態においては、まず「ユーザの状況」をユーザに選択させた後に、選択された「ユーザの状況」に応じた複数の「ユーザの要望」の選択枝から、「ユーザの要望」をユーザに選択させている。しかし、まず「ユーザの要望」をユーザに選択させた後に、選択された「ユーザの要望」に応じた複数の「ユーザの状況」の選択枝から、「ユーザの状況」を選択させるような仕様であってもよい。
【0079】
つまり、状況・要望取得部92は、
図5に二点鎖線で示すような要望取得部92Cと状況取得部92Dとを含んでいてもよい。つまり、要望取得部92Cは、予め設定された、ユーザの要望に関する複数の要望候補を提示して、その中から1つの要望候補をユーザに選択させることにより、ユーザの要望を取得する。状況取得部92Dは、要望取得部92Cによって取得されたユーザの要望に対して予め設定された、ユーザの状況に関する複数の状況候補を提示して、その中から1つの状況候補をユーザに選択させることにより、ユーザの状況を取得する。
【0080】
また、前述の実施形態では、携帯端末3の制御部90は、状況・要望取得部92と、コース決定部93と、コース送信部94とを含んでいるが、コース決定部93が行う機能をサーバ4が備えていてもよい。この場合には、コース選択テーブル91A(91B)は、サーバ4側に記憶される。
この場合、状況・要望取得部92によって取得された情報(ユーザの状況およびユーザの要望)は、携帯端末3からサーバ4に送られる。サーバ4は、受信した情報およびコース選択テーブル91A(91B)に基づいて、受信した情報に適したマッサージコースを決定して、携帯端末3に送信する。携帯端末3は、受信したマッサージコースを、マッサージ機2に送信する。
【0081】
また、前述の実施形態では、左右一対の足収容凹部19(
図2参照)の底面には、足裏を上方に押圧するための足裏側エアバッグ35c,35dが設けられているが、足裏側エアバッグ35c,35dに代えて、足裏をマッサージするために回転駆動される足裏ローラを設けるようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、携帯端末3はスマートホンであったが、携帯端末3はタブレット型コンピュータ等のコンピュータであってもよい。
【0082】
また、前述の実施形態では、マッサージ機2は椅子型マッサージ機であるが、マッサージ機2は椅子型以外のマッサージ機であってもよい。
前述の実施形態では、コース決定部93は、状況・要望取得部92によって取得されたユーザの状況およびユーザの要望と、状況(状況候補)および要望(要望候補)の複数の組合せ毎に、その組合わせに適したマッサージコース(コースID)が記憶されたコース選択テーブル91A(91B)とに基づいて、マッサージコースを決定している。携帯端末3に記憶されているコース選択テーブル91A(91B)の内容は、ユーザの携帯端末操作によって、変更(削除、追加)可能であってもよい。
【0083】
また、携帯端末3(制御部60)は、ユーザによって一定期間全く選択されなかった状況(状況候補)または要望(要望候補)を、操作表示部103(タッチパネル式表示器)に表示させないようにしてもよい。具体的には、携帯端末3(制御部90)は、ユーザによって一定期間全く選択されなかった状況(状況候補)または要望(要望候補)を、シーン選択画面140(
図8B参照)または要望選択画面150(
図9A参照)に表示させないようにしてもよい。
【0084】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 マッサージシステム
2 椅子型マッサージ機
3 携帯端末
4 サーバ
5 通信網
23 マッサージユニット
25 リモコン
31 二の腕用エアバッグ
32 太腿用エアバッグ
33 前腕用エアバッグ
34 脹脛用エアバッグ
35 足裏用エアバッグ
51 揉み玉
60 制御部
90 制御部
91 メモリ
91A,91B コース選択テーブル
92 状況・要望取得部
92A,92D 状況取得部
92B,92C 要望取得部
93 コース決定部
94 コース送信部
101 第1通信部
102 第2通信部
103 操作表示部
130 アプリホーム画面
136 シーンモードボタン
140 シーン選択画面
141~143 状況選択ボタン
150 要望選択画面
151~153 要望選択ボタン
160 解析結果画面
161 マッサージ開始ボタン