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特許7569299リチウムイオン電池用正極活物質及びその製造方法、並びに、リチウムイオン電池
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  • 特許-リチウムイオン電池用正極活物質及びその製造方法、並びに、リチウムイオン電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池用正極活物質及びその製造方法、並びに、リチウムイオン電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/485 20100101AFI20241009BHJP
【FI】
H01M4/485
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021179747
(22)【出願日】2021-11-02
(65)【公開番号】P2023068548
(43)【公開日】2023-05-17
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】由淵 想
(72)【発明者】
【氏名】吉田 淳
(72)【発明者】
【氏名】藪内 直明
【審査官】窪田 陸人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-535904(JP,A)
【文献】特開2019-091580(JP,A)
【文献】特開2019-145360(JP,A)
【文献】特開2019-102308(JP,A)
【文献】特開2017-027881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する中間物質を作製すること、及び
前記中間物質に対して乾式メカニカルミリングを施すことで、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する正極活物質を得ること、
を含む、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はリチウムイオン電池用正極活物質及びその製造方法、並びに、リチウムイオン電池を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空間群R-3mに属する層状岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(D:ドープ元素、0≦x<1、0<y<0.5、0.3≦z<1、0≦a≦0.2)で示される組成を有する、リチウムイオン電池用正極活物質が開示されている。また、非特許文献1には、層状岩塩構造を有し、且つ、(1-x)LiVO・xLiTiO(0≦x≦0.6)で示される組成を有する、電極活物質が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-091580号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】Journal of Power Sources 174(2007) 1007-1011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者の知見によると、層状岩塩型構造を有する正極活物質は充放電に伴う体積変化が大きい。このことは、リチウムイオン電池に適用した場合に電池のサイクル特性を低下させる要因となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、
Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する、
リチウムイオン電池用正極活物質
を開示する。
【0007】
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
本開示の正極活物質を有するリチウムイオン電池
を開示する。
【0008】
本開示のリチウムイオン電池用正極活物質は、例えば、以下の方法により製造され得る。すなわち、本開示の製造方法は、
層状岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する中間物質を作製すること、及び
前記中間物質に対して乾式メカニカルミリングを施すことで、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する正極活物質を得ること、
を含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の正極活物質は充放電に伴う体積変化が小さい。このような正極活物質をリチウムイオン電池に適用することで、電池のサイクル特性が向上し易い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法の一例を示している。
図2】正極及びリチウムイオン電池の構成の一例を概略的に示している。
図3】乾式メカニカルミリング前の中間物質のX線回折ピークと、乾式メカニカルミリング後の正極活物質のX線回折ピークとを比較している。
図4】実施例に係る正極活物質の粉末X線回折ピークを示している。
図5】実施例に係る正極活物質について、充放電に伴うX線回折ピークのシフト変化を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.リチウムイオン電池用正極活物質
本開示のリチウムイオン電池用正極活物質は、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する。
【0012】
1.1 結晶構造
従来から知られている層状岩塩構造を有する正極活物質については、充放電過程における可逆的な遷移金属の移動が困難であり、Liの挿入又は脱離に伴って体積が一次元方向に大きく膨張又は収縮し易い。これに対し、本開示の正極活物質は、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有する。このような正極活物質によれば、Vの移動によって体積変化が抑制され易い。例えば、体積変化が生じたとしても等方的な膨張及び収縮となり易く、一次元的な体積変化が生じ難い。本開示の正極活物質は、充放電に伴う結晶構造の格子定数の変化が、例えば、1%以下に抑えられる。このように、リチウムイオン電池において充放電に伴う体積変化の小さい正極活物質が採用されることで、電池のサイクル特性が向上し易い。
【0013】
1.2 組成
本開示の正極活物質は、Li1+xTiで示される組成を有する。ここで、0<x≦0.20、0<y≦0.40、且つ、0.40≦z≦0.85なる関係が満たされる。このような組成を有する場合に、上記の不規則岩塩構造が維持され易く、上記の効果が発揮され易い。また、このような組成を有する場合に、高い充放電容量が得られ易い。
【0014】
xは0超であり、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上又は0.11以上であってもよい。また、xは0.20以下であり、0.19以下、0.18以下、0.17以下、0.16以下、0.15以下又は0.14以下であってもよい。
【0015】
yは0超であり、0.01以上、0.03以上、0.05以上、0.07以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.13以上、0.15以上、0.17以上、0.19以上、0.21以上又は0.22以上であってもよい。また、yは0.40以下であり、0.39以下、0.38以下、0.37以下、0.36以下、0.35以下、0.34以下、0.33以下、0.32以下、0.31以下、0.30以下又は0.29以下であってもよい。
【0016】
zは0.40以上であり、0.42以上、0.44以上、0.46以上、0.48以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.56以上又は0.57以上であってもよい。また、zや0.85以下であり、0.83以下、0.81以下、0.79以下、0.77以下、0.75以下、0.73以下、0.71以下、0.69以下又は0.67以下であってもよい。
【0017】
1.3 その他
本開示の正極活物質は、上記の結晶構造及び組成を有するものであればよく、これ以外の構成については特に限定されるものではない。
【0018】
1.3.1 形状
正極活物質の形状は、例えば、粒子状や薄膜状等、電池の形態に応じて適切な形状が選択されればよい。正極活物質が粒子状である場合、当該粒子は、中実の粒子であってもよく、中空の粒子であってもよい。正極活物質の粒子は、一次粒子であってもよいし、複数の一次粒子が凝集した二次粒子であってもよい。正極活物質の粒子の平均粒子径(D50)は、例えば1nm以上、5nm以上又は10nm以上であってもよく、また500μm以下、100μm以下、50μm以下又は30μm以下であってもよい。尚、本願にいう平均粒子径D50とは、レーザー回折・散乱法によって求めた体積基準の粒度分布における積算値50%での粒子径(メジアン径)である。
【0019】
1.3.2 保護層
本開示の正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有する保護層が形成されていてもよい。これにより、正極物活物質と硫化物(例えば、後述する硫化物固体電解質等)との反応等が抑制され易くなる。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LiSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiNbO、LiMoO、LiWOが挙げられる。Liイオン伝導性酸化物は、PやB等のドープ元素によって一部の元素が置換されたものであってもよい。保護層の被覆率(面積率)は、例えば、70%以上であってもよく、80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。保護層の厚さは、例えば、0.1nm以上又は1nm以上であってもよく、100nm以下又は20nm以下であってもよい。
【0020】
2.リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法
本開示の正極活物質は、例えば、以下の方法により製造され得る。図1に示されるように、一実施形態に係る製造方法は、
工程S1:層状岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する中間物質を作製すること、及び
工程S2:前記中間物質に対して乾式メカニカルミリングを施すことで、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する正極活物質を得ること、
を含むものであってもよい。
【0021】
2.1 工程S1
工程S1においては、層状岩塩構造(空間群R-3mに属する)を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する中間物質を作製する。中間物質は、例えば、Li源とTi源とV源との混合物を、任意に成形したうえで、焼成することによって作製され得る。
【0022】
2.1.1 原料
混合物を構成するLi源としては、例えば、LiCOが挙げられる。また、Ti源としては、例えば、TiOが挙げられる。さらに、V源としては、例えば、Vが挙げられる。Li源、Ti源及びV源として、各々、LiCO、TiO及びVが採用されることで、中間物質において目的とする層状岩塩構造が形成され易く、また、最終生成物である正極活物質において目的とする不規則岩塩構造が形成され易い。或いは、混合物を構成する原料として、上記以外の原料が用いられてもよいし、さらには、Li源、Ti源及びV源のうちの少なくとも2種を兼ねる化合物(複合酸化物等)が用いられてもよい。混合物に含まれるLiとTiとVとの組成比は、最終生成物である正極活物質の組成比に応じて適宜決定され得る。混合物においてLiが過剰に含まれるように調整されてもよい。これにより、工程S1の焼成時にLiが揮発した場合や、後述の工程S2において副反応によってLiが消費された場合でも、不足分のLiが補填され得る。すなわち、最終生成物である正極活物質において目的とする組成が得られ易い。
【0023】
2.1.2 混合手段
Li源とTi源とV源とを混合する方法は、特に限定されるものではない。Li源とTi源とV源とは、例えば、溶媒を用いた湿式メカニカルミリングによって均一に混合され得る。溶媒としては、例えば、エタノール等の有機溶媒が採用され得る。湿式メカニカルミリングは、例えば、遊星ボールミル等の機械的混合手段によって実施され得る。湿式メカニカルミリングにおける混合条件(混合時間、回転数、繰り返し回数等)は特に限定されるものではなく、後述の焼成後に目的とする層状岩塩構造が形成され得る程度に、Li源とTi源とV源とが均一に混合されるような条件であればよい。
【0024】
2.1.3 成形
上記の混合物は、焼成の前にペレット等に成形されてもよい。成形体の大きさや形状は特に限定されるものではない。
【0025】
2.1.4 焼成
上記の混合物又は成形体が焼成されることで、層状岩塩構造と上記の組成とを有する中間物質が得られる。焼成雰囲気は、特に限定されるものではないが、例えば、大気雰囲気や空気雰囲気等の酸素含有雰囲気であってもよいし、Ar雰囲気等の不活性ガス雰囲気であってもよい。特に不活性ガス雰囲気である場合に目的とする中間物質が得られ易い。焼成温度は層状岩塩構造が得られる限り、特に限定されるものではない。例えば、800℃以上又は850℃以上であってもよく、1000以下又は950℃以下であってもよい。焼成時間(焼成温度での保持時間)も特に限定されるものではなく、例えば、5時間以上、7時間以上、10時間以上又は12時間以上であってもよく、100時間以下、50時間以下又は20時間以下であってもよい。
【0026】
2.2 工程S2
工程S2においては、上記の中間物質に対して乾式メカニカルミリングを施すことで、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有する正極活物質を得る。すなわち、上記の中間物質に対して、溶媒を実質的に用いない乾式メカニカルミリングを施すことで、中間物質における層状岩塩構造が変化して、不規則岩塩構造を有する正極活物質が得られる。乾式メカニカルミリングは、例えば、遊星ボールミル等の機械的混合手段によって実施され得る。乾式メカニカルミリングの条件(混合時間、回転数、繰り返し回数等)は特に限定されるものではない。例えば、遊星ボールミルによる場合、回転数は500~700rpm、回転時間は10~20分、休止時間は1~5分であってもよく、回転と休止とが複数繰り返されてもよく、さらには、回転と休止との繰り返しを1セットとして、当該セットがさらに複数回繰り返されてもよい。乾式メカニカルミリングの条件を調整することで、例えば、正極活物質の結晶子サイズ等が制御され得る。
【0027】
2.3 補足
尚、本開示の製造方法において、上記の混合物から、中間物質を経て、正極活物質に至るまでにおいて、LiとTiとVとの組成比は、変動してもよいし、変動なく実質的に同じであってもよい。また、上記の説明では、固相反応法によって層状岩塩構造を有する中間物質が作製されるものとしたが、中間物質の作製方法はこれに限定されるものではない。また、上記の説明では、層状岩塩構造を有する中間物質に対して乾式メカニカルミリングが施されるものとしたが、不規則岩塩構造を有する正極活物質を得るための方法として、これ以外の方法が採用される余地もある。ただし、本発明者が確認した限りでは、層状岩塩構造を有する中間物質を作製した後に、当該中間物質に対して乾式メカニカルミリングを施すことで、目的とする不規則岩塩構造が安定且つ容易に得られ易い。
【0028】
3.リチウムイオン電池用正極
本開示の技術は、リチウムイオン電池用正極としての側面も有する。すなわち、本開示の正極は、上記の正極活物質を含む。図2に示されるように、一実施形態に係る正極10は、正極活物質層11と正極集電体12とを備えるものであってよく、この場合、正極活物質層11が上記の正極活物質を含み得る。
【0029】
3.1 正極活物質層
正極活物質層11は、少なくとも上記の正極活物質を含み、さらに任意に、電解質、導電助剤及びバインダー等を含んでいてよい。正極活物質層11における正極活物質、電解質、導電助剤及びバインダー等の各々の含有量は、目的とする電池性能に応じて適宜決定されればよい。例えば、正極活物質層11全体(固形分全体)を100質量%として、正極活物質の含有量が40質量%以上、50質量%以上又は60質量%以上であってもよく、100質量%以下又は90質量%以下であってもよい。正極活物質層11の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、略平面を有するシート状の正極活物質層11であってもよい。正極活物質層11の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1μm以上又は1μm以上であってもよく、2mm以下又は1mm以下であってもよい。
【0030】
3.1.1 正極活物質
正極活物質層11は、正極活物質として、上記の不規則岩塩構造を有する正極活物質のみを含むものであってよい。或いは、正極活物質層11は、上記の正極活物質に加えて、これとは異なる種類の正極活物質(その他の正極活物質)を含んでいてもよい。本開示の技術による効果を一層高める観点からは、正極活物質層11におけるその他の正極活物質の含有量は少量であってよい。例えば、上記の不規則岩塩構造を有する正極活物質が、正極活物質層11に含まれる全正極活物質の50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上又は99質量%以上を占めていてよい。
【0031】
3.1.2 電解質
電解質は、固体電解質であってもよいし、液体電解質(電解液)であってもよい。正極10が固体電池(固体電解質を含む電池)用の正極である場合、正極活物質層11は電解質として固体電解質を含み得る。また、正極10が電解液電池用の正極である場合、正極活物質層11は電解質として電解液を含み得るか、或いは、正極活物質層11に電解液が接する。尚、正極10が電解液電池用の正極である場合、少なくとも電池が構成された後において、正極活物質層11と電解液とが接していればよい。後述の負極30についても同様である。
【0032】
固体電解質は、電池の固体電解質として公知のものを用いればよい。固体電解質は無機固体電解質であっても、有機ポリマー電解質であってもよい。特に、無機固体電解質は、有機ポリマー電解質と比較して、イオン伝導度が高い。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れる。無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2-X(PO、Li-SiO系ガラス、Li-Al-S-O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS-P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-SiS-P、LiS-P-LiI-LiBr、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P-GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質、中でもLiS-Pを含む硫化物固体電解質の性能が高い。固体電解質は、非晶質であってもよいし、結晶であってもよい。固体電解質は例えば粒子状であってもよい。固体電解質は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0033】
電解液は、例えば、キャリアイオンとしてのリチウムイオンを含み得る。電解液は水系電解液であっても非水系電解液であってもよい。電解液の組成はリチウムイオン電池の電解液の組成として公知のものと同様とすればよい。例えば、電解液として、カーボネート系溶媒にリチウム塩を所定濃度で溶解させたものを用いることができる。カーボネート系溶媒としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)等が挙げられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF等が挙げられる。
【0034】
3.1.3 導電助剤
導電助剤としては、気相法炭素繊維(VGCF)やアセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック(KB)やカーボンナノチューブ(CNT)やカーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料;ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。導電助剤は、例えば、粒子状又は繊維状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。導電助剤は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0035】
3.1.4 バインダー
バインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)系バインダー、ブチレンゴム(IIR)系バインダー、アクリレートブタジエンゴム(ABR)系バインダー、スチレンブタジエンゴム(SBR)系バインダー、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)系バインダー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系バインダー、ポリイミド(PI)系バインダー等が挙げられる。バインダーは1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0036】
3.2 正極集電体
図2に示されるように、正極10は、上記の正極活物質層11と接触する正極集電体12を備えていてもよい。正極集電体12は、電池の正極集電体として一般的なものをいずれも採用可能である。また、正極集電体12は、箔状、板状、メッシュ状、パンチングメタル状、及び、発泡体等であってよい。正極集電体12は、金属箔又は金属メッシュによって構成されていてもよい。特に、金属箔が取扱い性等に優れる。正極集電体12は、複数枚の箔からなっていてもよい。正極集電体12を構成する金属としては、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。特に、酸化耐性を確保する観点等から、正極集電体12がAlを含むものであってもよい。正極集電体12は、その表面に、抵抗を調整すること等を目的として、何らかのコート層を有していてもよい。また、正極集電体12は、金属箔や基材に上記の金属がめっき又は蒸着されたものであってもよい。また、正極集電体12が複数枚の金属箔からなる場合、当該複数枚の金属箔間に何らかの層を有していてもよい。正極集電体12の厚みは特に限定されるものではない。例えば、0.1μm以上又は1μm以上であってもよく、1mm以下又は100μm以下であってもよい。
【0037】
3.3 その他
正極10は、上記構成に加えて、電池の正極として一般的な構成を備えていてもよい。例えば、タブや端子等である。正極10は、正極活物質として上記の不規則岩塩構造を有するものを用いること以外は、公知の方法により製造することができる。例えば、上記の各種成分を含む正極合剤を乾式又は湿式にて成形すること等によって正極活物質層11を容易に形成可能である。正極活物質層11は、正極集電体12とともに成形されてもよいし、正極集電体12とは別に成形されてもよい。
【0038】
4.リチウムイオン電池
本開示の技術はリチウムイオン電池としての側面も有する。すなわち、本開示のリチウムイオン電池は、上記本開示の正極活物質を有する。上記本開示の正極活物質は、上述の通り、充放電時の体積変化が小さいことから、リチウムイオン電池に適用した場合に、電池のサイクル特性を向上させ易い。本開示のリチウムイオン電池の構成は、上記本開示の正極活物質を有する限り、特に限定されるものではない。例えば、図2に示されるように、一実施形態に係るリチウムイオン電池100は、正極10と電解質層20と負極30とを有するものであってもよい。正極10については上述した通りである。
【0039】
4.1 電解質層
電解質層20は少なくとも電解質を含む。リチウムイオン電池100が固体電池である場合、電解質層20は、固体電解質を含み、さらに任意にバインダー等を含んでいてもよい。この場合、電解質層20における固体電解質とバインダー等との含有量は特に限定されない。一方で、リチウムイオン電池100が電解液電池である場合、電解質層20は、電解液を含み、さらに、当該電解液を保持するとともに、正極活物質層11と負極活物質層31との接触を防止するためのセパレータ等を有していてもよい。電解質層20の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、0.1μm以上又は1μm以上であってもよく、2mm以下又は1mm以下であってもよい。
【0040】
固体電解質、電解液及びバインダー等については上述した通りである。セパレータは、リチウムイオン電池において通常用いられるセパレータであればよく、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル及びポリアミド等の樹脂からなるもの等が挙げられる。セパレータは、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、又は、PP/PE/PP若しくはPE/PP/PEの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。セパレータは、セルロース不織布、樹脂不織布、ガラス繊維不織布といった不織布からなるものであってもよい。
【0041】
4.2 負極
図2に示されるように、負極30は、負極活物質層31と負極集電体32とを備えるものであってよい。
【0042】
4.2.1 負極活物質層
負極活物質層31は、少なくとも負極活物質を含み、さらに任意に、電解質、導電助剤及びバインダー等を含んでいてもよい。負極活物質層31における負極活物質、電解質、導電助剤及びバインダー等の各々の含有量は、目的とする電池性能に応じて適宜決定されればよい。例えば、負極活物質層31全体(固形分全体)を100質量%として、負極活物質の含有量が40質量%以上、50質量%以上又は60質量%以上であってもよく、100質量%以下又は90質量%以下であってもよい。負極活物質層31の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、略平面を有するシート状の負極活物質層であってもよい。負極活物質層31の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1μm以上又は1μm以上であってもよく、2mm以下又は1mm以下であってもよい。
【0043】
負極活物質としては、リチウムイオンが挿入・脱離される電位(充放電電位)が上記の正極活物質と比べて卑な電位である種々の物質が採用され得る。例えば、SiやSi合金や酸化ケイ素等のシリコン系活物質;グラファイトやハードカーボン等の炭素系活物質;チタン酸リチウム等の各種酸化物系活物質;金属リチウムやリチウム合金等が採用され得る。負極活物質は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0044】
負極活物質の形状は、電池の負極活物質として一般的な形状であればよい。例えば、負極活物質は粒子状であってもよい。負極活物質粒子は、一次粒子であってもよいし、複数の一次粒子が凝集した二次粒子であってもよい。負極活物質粒子の平均粒子径(D50)は、例えば1nm以上、5nm以上、又は10nm以上であってもよく、また500μm以下、100μm以下、50μm以下、又は30μm以下であってもよい。或いは、負極活物質は金属リチウム箔等のシート状(箔状、膜状)であってもよい。すなわち、負極活物質層31が負極活物質のシートからなるものであってもよい。
【0045】
負極活物質層31に含まれ得る電解質としては、上述の固体電解質や電解液が挙げられる。負極活物質層31に含まれ得る導電助剤としては上述の炭素材料や上述の金属材料が挙げられる。負極活物質層31に含まれ得るバインダーは、例えば、上述の正極活物質層11に含まれ得るバインダーとして例示したものの中から適宜選択されればよい。
【0046】
4.2.2 負極集電体
図2に示されるように、負極30は、上記の負極活物質層31と接触する負極集電体32を備えていてもよい。負極集電体32は、電池の負極集電体として一般的なものをいずれも採用可能である。また、負極集電体32は、箔状、板状、メッシュ状、パンチングメタル状、及び、発泡体等であってよい。負極集電体32は、金属箔又は金属メッシュであってもよく、或いは、カーボンシートであってもよい。特に、金属箔が取扱い性等に優れる。負極集電体32は、複数枚の箔やシートからなっていてもよい。負極集電体32を構成する金属としては、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。特に、還元耐性を確保する観点及びリチウムと合金化し難い観点から、負極集電体32がCu、Ni及びステンレス鋼から選ばれる少なくとも1種の金属を含むものであってもよい。負極集電体32は、その表面に、抵抗を調整すること等を目的として、何らかのコート層を有していてもよい。また、負極集電体32は、金属箔や基材に上記の金属がめっき又は蒸着されたものであってもよい。また、負極集電体32が複数枚の金属箔からなる場合、当該複数枚の金属箔の間に何らかの層を有していてもよい。負極集電体32の厚みは特に限定されるものではない。例えば、0.1μm以上又は1μm以上であってもよく、1mm以下又は100μm以下であってもよい。負極30は、上記構成に加えて、電池の負極として一般的な構成を備えていてもよい。例えば、タブや端子等である。
【0047】
4.3 その他
リチウムイオン電池100は、上記の各構成が外装体の内部に収容されたものであってもよい。外装体は、電池の外装体として公知のものをいずれも採用可能である。また、複数の電池100が、任意に電気的に接続され、また、任意に重ね合わされて、組電池とされていてもよい。この場合、公知の電池ケースの内部に当該組電池が収容されてもよい。リチウムイオン電池100は、このほか必要な端子等の自明な構成を備えていてよい。リチウムイオン電池100の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
【0048】
5.リチウムイオン電池の製造方法
リチウムイオン電池100は、公知の方法を応用することで製造することができる。例えば、リチウムイオン電池100の製造方法は、上記の正極10、電解質層20及び負極30を積層することを含む。以下、リチウムイオン電池100の製造方法の具体例を示す。ただし、リチウムイオン電池100の製造方法は、以下の方法に限定されるものではなく、例えば、乾式成形等によって各層が形成されてもよい。
(1)正極活物質層を構成する正極活物質等を溶媒に分散させて正極層用スラリーを得る。この場合に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、水や各種有機溶媒を用いることができ、N-メチルピロリドン(NMP)であってもよい。ドクターブレード等を用いて正極層用スラリーを正極集電体の表面に塗工し、その後乾燥させることで、正極集電体の表面に正極活物質層を形成し、正極とする。
(2)負極活物質層を構成する負極活物質等を溶媒に分散させて負極層用スラリーを得る。この場合に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、水や各種有機溶媒を用いることができ、N-メチルピロリドン(NMP)であってもよい。その後、ドクターブレード等を用いて負極層用スラリーを、負極集電体の表面に塗工し、その後乾燥させることで、当該負極集電体の表面に負極活物質層を形成し、負極とする。或いは、負極活物質である金属箔をそのまま負極として用いてもよい。
(3)負極と正極とで電解質層(固体電解質層又はセパレータ)を挟み込むように各層を積層し、負極集電体、負極活物質層、電解質層、正極活物質層及び正極集電体をこの順に有する積層体を得る。積層体には必要に応じて端子等のその他の部材を取り付ける。
(4)積層体を電池ケースに収容し、電解液電池の場合は電池ケース内に電解液を充填し、積層体を電解液に浸漬するようにして、電池ケース内に積層体を密封することで、二次電池とする。尚、電解液電池の場合に上記(3)の段階で負極活物質層、セパレータ及び正極活物質層に電解液を含ませてもよい。
【実施例
【0049】
以下、実施例を示しつつ、本開示の技術についてさらに詳細に説明するが、本開示の技術は以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
1.正極活物質の合成
1.1 実施例1~6
以下の方法で、不規則岩塩構造を有する正極活物質を合成した。
【0051】
1.1.1 中間物質の作製
原料としてLiCO(3%過剰)とTiOとVとを、所定の比率となるように各々秤量したうえで、湿式メカニカルミリングの一種である湿式ボールミリング(湿式BM)によって混合した。湿式BMの条件については、下記表1に示される通りである。その後、混合物をペレット成形した。成形したペレットを舟形アルミニウムボードの上に置き、Cu箔で包んだうえで、Ar雰囲気にて、900℃で12時間焼成を行うことで、中間物質を得た。原料の組成を変更することで、x、y及びzの値を種々変化させ、複数種類の中間物質を得た。X線回折ピーク及び元素分析から、複数種類の中間物質は、いずれも、層状岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有するものであった。
【0052】
1.1.2 乾式メカニカルミリング
各々の中間物質に対して乾式メカニカルミリングの一種である乾式ボールミリング(乾式BM)を施すことで、正極活物質を得た。乾式BMの条件については、下記表1に示される通りである。正極活物質は、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有するものであった。図3に、乾式メカニカルミリング前の中間物質のX線回折ピークの一例と、乾式メカニカルミリング後の正極活物質のX線回折ピークの一例とを示す。
【0053】
【表1】
【0054】
1.2 比較例1~3
層状岩塩構造を有する種々の正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.85Co0.10Al0.05、LiNi0.5Mn0.5)を用意した。
【0055】
1.3 比較例4、5
Tiを含まない正極活物質としてLiVOを用意した。また、Vを含まない正極活物質としてLiTiOを用意した。尚、LiVOやLiTiOの具体的な合成方法は、上記の実施例1~6に係るLi-Ti-V-O系の正極活物質の合成方法に準ずる。
【0056】
2.XRD測定及び結果
2.1 粉末XRD
実施例に係る正極活物質について粉末X線回折測定を行った。具体的には、無反射試料板を用いてSmartLabにてX線回折解析(線源としてCuKαを使用)を行った。図4に、x=0.14、y=0.29、z=0.57の場合における正極活物質のX線回折ピークを示す。
【0057】
図4に示されるように、不規則岩塩構造に帰属できるピークが確認できる。実施例1~6に係る正極活物質は、いずれも、空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有するものであった。
【0058】
2.2 Operando XRD
充放電に伴う結晶構造変化を放射光X線回折測定にて観察した。下記表2に、実施例1及び比較例1~3について、充放電に伴うc軸についての最大体積変化率を示す。また、図5に、実施例に係る正極活物質について、充放電に伴うX線回折ピークのシフト変化の一例を示す。
【0059】
【表2】
【0060】
表2及び図5に示される結果から明らかなように、実施例に係る正極活物質は、充放電時に1%未満のごく小さな体積変化しか生じないことが分かった。これに対し、比較例1~3のように層状岩塩構造を有する正極活物質については、充放電時に1%を超える大きな体積変化が生じることが分かった。以上の結果から、実施例に係る正極活物質は、リチウムイオン電池に適用された場合に、充放電過程における活物質の体積変化に起因する機械劣化等を抑制することができ、電池のサイクル特性を向上させ易いものといえる。
【0061】
3.リチウムイオン電池の作製及び評価
上記の正極活物質と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、バインダーとしてのPVDFとを、質量比で、76.5:13.5:10.0の比率で秤量したうえで、N-メチルピロリドンに分散混合させて、正極合剤スラリーを得た。正極合剤スラリーをAl集電箔上に塗工し、120℃で一晩、真空乾燥させることで、正極を得た。当該正極と、非水電解液(電解質:1M LiPF、溶媒:エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを30:70vol%で混合したもの)と、負極としての金属リチウム箔とを用いて、コインセル(CR2032)を作製した。作製したコインセルについて、室温に保持した恒温槽において、電圧範囲1.2-4.3V、10mA/gで充放電特性を評価した。下記表3に実施例及び比較例についての正極の放電容量を示す。
【0062】
【表3】
【0063】
表3に示されるように、LiVO及びLiTiOで示される正極活物質と比較して、不規則岩塩構造を有し、且つ、Li1+xTiで示される組成を有する正極活物質は、リチウムイオン電池の正極に適用された場合に、十分な放電容量を確保できるものであることが分かる。
【0064】
以上の通り、以下の要件(1)及び(2)を備える正極活物質は、例えば、可逆容量250mAh/g以上の広いSOC範囲で使用された場合においても、充放電に伴う体積変化が小さく、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることが可能である。また、正極として十分な放電容量を得ることもできる。
【0065】
(1)空間群Fm-3mに属する不規則岩塩構造を有すること。
(2)Li1+xTi(0<x≦0.20、0<y≦0.40、0.40≦z≦0.85)で示される組成を有すること。
【符号の説明】
【0066】
10 正極
11 正極活物質層
12 正極集電体
20 電解質層
30 負極
31 負極活物質層
32 負極集電体
100 リチウムイオン電池
図1
図2
図3
図4
図5