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  • 特許-処理構成要素 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】処理構成要素
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/122 20060101AFI20241009BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20241009BHJP
   F16K 31/08 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
H01F7/122 C
F16K31/06 305J
F16K31/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021520228
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2019077066
(87)【国際公開番号】W WO2020078751
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】102018008266.1
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513050121
【氏名又は名称】ゲーエーアー トゥーヘンハーゲン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】プレテレブナ ジュリアス
(72)【発明者】
【氏名】マグナス ハンス ピーター
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03814376(US,A)
【文献】実開昭54-031940(JP,U)
【文献】西独国特許出願公開第01600717(DE,A1)
【文献】特開昭60-078180(JP,A)
【文献】特表平03-505769(JP,A)
【文献】米国特許第04751487(US,A)
【文献】米国特許第05365210(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第03086334(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0211472(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/06- 7/18
F16K 31/06
F16K 31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理構成要素であって、第1の連結部(2)と、第2の連結部(3)と、前記第1の連結部(2)を前記第2の連結部(3)流体で連結する前記処理構成要素の空洞(6)内に配列され、かつ前記空洞(6)内部で軸方向へ第1の位置および第2の位置の中へ持って行くことができる調節要素(4)とを伴い、永久磁石(8)、第1の電気コイル(7)および第2の電気コイル(9)を伴う処理構成要素であって、前記第1の電気コイル(7)前記永久磁石(8)および前記第2の電気コイル(9)は、連続してこの順序で前記軸方向(L)に配列され、ヨークは提供され、前記永久磁石(8)、前記調節要素(4)、および前記ヨークは、前記第1の位置で第1の閉じた磁気回路を、前記第2の位置で第2の閉じた磁気回路を形成すること、前記第1の電気コイル(7)は、前記第1の磁気回路を相殺するように設計され、前記第2の電気コイル(9)は、前記第2の磁気回路を相殺するように設計されること、ならびに前記空洞(6)および前記調節要素(4)は、前記第1の連結部(2)と前記第2の連結部(3)の間に形成することができる流体の流れが前記処理構成要素を通り抜けることができるように形作られ、
第1の機械的停止具(14)は、前記調節要素(4)の位置を前記第1の位置に固定し、第2の機械的停止具(15)は、前記調節要素(4)の位置を前記第2の位置に固定し、
前記第1の機械的停止具(14)、前記第2の機械的停止具(15)または両方の停止具(14、15)、ならびに前記調節要素(4)上のそれぞれ対応する最上部表面が円錐状に形成され
前記調節要素(4)は、前記第1の位置または前記第2の位置の一方で前記第1の磁気回路または前記第2の磁気回路の一方を形成する前記ヨークと相互作用する長手方向の要素(19)を備え、
複数の前記長手方向の要素(19,19a、19b、19c、19d)は、周縁部上に分布して、互いに間隔を置いて配置され、
前記調節要素(4)は、導磁性内部ハウジング(5)内部に配列され、
前記永久磁石(8)と前記調節要素(4)の間に前記ヨークを形作ることにより、磁界を束ねることがもたらされ、
前記ヨークの幅は、前記軸方向(L)に対して垂直断面視、前記長手方向の要素(19)の幅と一致することを特徴とする、処理構成要素。
【請求項2】
弁座(18)を備え、閉止部材(16)は、前記調節要素(4)上に配列され、前記閉止部材は、閉止するように第1の端位置で前記弁座(18)と相互作用することを特徴とする、請求項1に記載の処理構成要素。
【請求項3】
前記内部ハウジング(5)の導磁率は、少なくとも前記長手方向の要素(19)の導磁率に一致することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の処理構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の処理構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業、生物工学、調剤業で、生産設備およびそれらの処理構成要素には、最高基準の清潔さ、浄化能力、密閉性が設けられている。
【0003】
処理構成要素の1つのタイプでは、調整要素が2つの端位置との間のその内部、例えば、弁の開位置と閉位置との間の閉止部材内で移動する。この課題は、処理構成要素の内部を外部空間から封止し、衛生的かつ無菌的な条件を確立すると同時に、外部空間から内部の調整要素の動きをもたらすことである。
【0004】
弁技術では、この目的のために、駆動部材と閉止部材とを互いに連結する切替ロッドの通路を、欧州特許第945658B1号公報(特許文献1)のブラダーまたは国際公開特許第WO2013/170931A1号公報(特許文献2)のダイアフラムで弁ハウジング内へ封止することが知られている。しかしながら、これらの封止部材には機械的な負荷がかかり、脆弱性がある。
【0005】
閉止部材の動きを非接触で、かつ切替ロッドなしで行うことがより好都合である。このことは、例えば、ボトルおよび缶を充填する充填弁として知られる分野で知られている。
【0006】
ドイツ特許第1600717号公報(特許文献3)は、閉止部材を、磁気コイル内に配置し、それによって動かされる磁気コアとして構成することを提案している。開位置では、流動媒体がその外面全体で閉止部材の周りを流れる。
【0007】
ドイツ特許第60021062号公報(特許文献4)は、針状の閉止部材を備えた弁を提供している。開位置および閉位置において、閉止部材は、各々の場合において、永久磁石配列の力によって保持される。各永久磁石配列は、いずれかの位置に関連付けられる。さらに、各位置には、電気コイルが設けられており、閉止部材を、各々の場合において他方の位置の永久磁石配列の保持力に抗して動かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第945658B1号公報
【文献】国際公開特許第WO2013/170931A1号公報
【文献】ドイツ特許第1600717号公報
【文献】ドイツ特許第60021062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの解決策の中には、数十年前から知られているものもあり、比較的小さな流量および圧力に使用されている。しかしながら、これまで例えば直径が50mmから200mmの範囲内の大きな線断面に一度も使用されていない。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、磁気配列を用いて大きな線断面に応じて調整できる処理構成要素を作成することである。
【0011】
この課題は、請求項1の特徴を有する処理構成要素によって解決される。これに従属する請求項2から9は、有利な開発形態を特定している。
【0012】
処理構成要素は、第1の連結部と、第2の連結部と、前記第1の連結部を前記第2の連結部に流体で連結する前記処理構成要素の空洞内に配列され、かつ前記空洞内部で軸方向へ第1の位置および第2の位置の中へ持って行くことができる調節要素とを有する。さらに前記処理構成要素は、永久磁石、第1の電気コイル、および第2の電気コイルを備える。ここで、前記第1の電気コイル、前記永久磁石、および前記第2の電気コイルが連続してこの順序で前記軸方向に配列され、ヨークは提供され、前記永久磁石、前記調節要素、および前記ヨークは、前記第1の位置で第1の閉じた磁気回路を、前記第2の位置で第2の閉じた磁気回路を形成すること、前記第1の電気コイルは、前記第1の磁気回路を相殺するように設計され、前記第2の電気コイルは、前記第2の磁気回路を相殺するように設計されること、ならびに前記空洞および前記調節要素は、前記第1の連結部と前記第2の連結部の間に形成することができる流体の流れが前記処理構成要素を通り抜けることができるように形作られることを特徴とする。この文脈において相殺とは、要するに第1の極性を持つ第1の磁界に対して第1の磁界と反対の極性を持つ第2の磁界を生成し、第1の磁界に重ねた結果、磁界が互いに相殺することを意味する。
【0013】
永久磁石およびコイルを配列することにより、前記調整要素を永久磁力でこの位置に保持できる。前記コイルは、前記調整要素を動かす、または一時的に大きな保持力を発生させる場合に限り通電する。前記第1の位置および前記第2の位置の磁気回路は、前記永久磁石によって磁気的に供給されるため、必要な磁性材料は、わずかな量で済む。これらの特徴の相互作用により、前記処理構成要素が大きな線断面を有することが可能であるということが達成される。これらの特徴の結果、前記調整要素を閉止し、動かすために前記弁に磁力が作用し、前記線径に対して二次的に増加する前記流体力に対抗する。有効流量線断面に対する消費電力の比率により、応用分野を例えば、醸造、乳業、および精製化学薬品で充填弁を超えて処理構成要素に初めて広げることができる。したがって、非常に優れた拡張性が与えられる。別の利点は、前記調整要素内の磁性材料を省くことが可能である点であり、その結果、破損した場合に磁性材料によって製品が汚染されることを最初から排除する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
例示的実施形態に基づき本発明を述べ、利点を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】調整要素の第1の位置において処理構成要素を通る縦断面図を示す。
図2】調整要素の第2の位置において処理構成要素を通る縦断面図を示す。
図3】線A-Aに沿って第1の開発形態の前記処理構成要素を通る断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、弁1として構成された処理構成要素を通る長手方向の軸Lに沿った断面図を示す。弁1は、流体を受け取るための第1の連結部2および第2の連結部3を有する。これらの連結部2および3は、たとえば食品産業で、生物工学で、および調剤業で、処理設備の管路システムに連結することができる。
【0017】
弁1は、空洞6を備える弁1の内部ハウジング5の中に配列された調節要素4を備える。空洞6は、連結部2と連結部3の間で流体連結を確立する。調節要素4は、長手方向の軸Lに沿って空洞6内で変位することができ、内部ハウジング5内部で、異なる位置を仮定することができる。第1の位置を図1に示し、第2の位置を図2に示す。
【0018】
第1の電気コイル7は、その巻線が内部ハウジング5の周りを完全に囲んで伸びるように内部ハウジング5を取り囲む。永久磁石8は、第1の電気コイル7の、第1の連結部2と反対の方向を向いている側に提供される。第2の電気コイル9は、永久磁石8の、第1の電気コイル7と反対の方向を向いている側に配列される。この第2の電気コイル9は、内部ハウジング5の周りを完全に囲んで伸びる巻線を備える。したがって、第1の電気コイル7、永久磁石8、および第2の電気コイル9は、長手方向の軸Lに沿ってこの順序でこのように軸方向へ連続して配列される。
【0019】
永久磁石8だけではなく第1の電気コイル7および第2の電気コイル9により発生し、生成することができる磁界を導くために、導磁性材料から作られたヨークが提供される。ヨークは、第1の終端要素10を備え、第1の終端要素10は、第1の電気コイル7の、第1の連結部2の方を向いている側に配列され、内部ハウジング5に接触する。第2の電気コイル9の、第2の連結部3の方を向いている側には、同じく内部ハウジング5に接触する第2の終端要素11が配列される。
【0020】
外部要素12は、第1の終端要素10および第2の終端要素11だけではなく永久磁石8にも接触する。永久磁石8は、内部ハウジング5に直接搭載することができる。あるいは、図1に示すように、永久磁石8と内部ハウジング5の間にヨーク部分13を配列することができ、このヨーク部分は、永久磁石8と内部ハウジング5の両方と物理的に接触する。ヨーク部分13は、内部ハウジング5と一体化して構成することができる。
【0021】
長手方向の軸Lに沿って空洞6内部で調節要素4の動きを制限するために、第1の機械的停止具14および第2の機械的停止具15を提供する。第1の機械的停止具14は、長手方向の軸Lを基準にして第1の連結部2と第1の電気コイル7の間に配置される。第2の機械的停止具15は、長手方向の軸Lを基準にして第2の電気コイル9と第2の連結部3の間に配置される。
【0022】
調節要素4は、第1の連結部2を閉じることができる閉止部材16を有する。任意選択の封止部17は、図1に示す調節要素4の第1の位置で封止するように、第1の機械的停止具14と相互作用するように調節要素4上に配列される。有利には、第1の機械的停止具14は弁座18を備える。調節要素4、封止部17、および第1の機械的停止具14は、封止部17と弁座18の線接触が発生し、かつ封止部17を用いて封止された狭いギャップが調節要素4と第1の機械的停止具14の間に残るように構成することができる。ギャップは、10分の1ミリメートルの範囲とすることができる。
【0023】
調節要素4は、長手方向の軸Lの方向へ伸展する、導磁性材料から形成された長手方向の要素19を備える。長手方向の要素19は、好ましくは多数の機能を有するように構成される。一方では、長手方向の要素19には、長手方向の伸展と共に、空洞6の中で調節要素4および閉止部材16の整列および誘導をもたらす半径方向の伸展がある。長手方向の軸Lの方向への長手方向の要素の伸展は、好ましくは以下の様態に応じて特定の寸法に作られる。第1の位置では、長手方向の要素19は、第1の機械的停止具14と接触する。長手方向の要素19はこの場合、第1の電気コイル7および永久磁石8を越えて長手方向の軸Lの方向へ伸展する。図2に示す第2の位置では、長手方向の要素19は、第2の機械的停止具15と接触して配置される。長手方向の要素19はこの場合、永久磁石8および第2の電気コイル9を越えて伸展する。機械的停止具14および15との相互作用を通して、長手方向の要素19は、長手方向の軸Lの方向へ調節要素4を位置決めする機能を実現する。上述の機能に加えて、長手方向の要素19はまた、以下でより詳細に説明するように、磁界を導いて磁気回路を閉じる機能を果たす。
【0024】
図1では、調節要素4は、第1の機械的停止具14と接触して配置される第1の位置で示されており、封止部と弁座18の間にすでに述べたギャップの形成を伴う接触が存在する。この位置では、長手方向の要素19と、第1の終端要素10と、外部要素12と、ヨーク部分13とを備える第1の磁気回路は閉じている。磁気回路に磁界を供給する永久磁石8もまた、この磁気回路の中に配置される。磁気回路では、第1の位置に調節要素4を固定する保持力をもたらす第1の磁界M1が形成される。
【0025】
第1の位置から調節要素4を取り除くために、第1の電気コイル7に電圧をパルス化して印加する。その結果得られる電流パルスは、第1の磁気回路に第1の反対の磁界G1を一時的に加える。反対の磁界G1の極性は、第1の磁界M1と反対であり、その結果、磁界M1およびG1は、大部分は互いに相殺し、磁界はまったく残らず、保持力は消滅する。永久磁石8は、今では長手方向の要素19に磁気抵抗力を加え、その結果、調節要素4は、第2の機械的停止具15の方向へ第1の位置から外れて動かされる。調節要素4を第2の位置の中へさらに動かすために、電流および磁界を発生させるための電圧を第2のコイル9に加えることができ、この磁界は調節要素4の動きをもたらす。
【0026】
図2では、調節要素4は、調節要素4の長手方向の要素19が第2の機械的停止具15と接触して配置される第2の位置で示されている。この位置では、永久磁石8と、第2の終端要素11と、外部要素12と、ヨーク部分13と、長手方向の要素19とを備える第2の磁気回路は閉じている。第2の磁気回路では、永久磁石8により第2の磁界M2を発生する。第2の磁界M2の力線は、上述の部分の中に導かれ、第2の電気コイル9を取り囲む。磁界M2は、調節要素4の長手方向の要素19を第2の機械的停止具15と接触して保持する保持力を発生させる。
【0027】
第2の位置から調節要素4を取り除くために、第2の電気コイル9に電圧をパルス化して印加する。その結果得られる電流パルスは、第2の磁気回路に第2の反対の磁界G2を一時的に加える。反対の磁界G2の極性は、第2の磁界M2と反対であり、その結果、磁界M2およびG2は、大部分は互いに相殺し、磁界はまったく残らず、保持力は消滅する。永久磁石8は、今では調節要素4が第1の機械的停止具14の方向へ第2の位置から外れて動かされるように、長手方向の要素19に磁気抵抗力を加える。調節要素4を第1の位置の中へ動かすために、電流および磁界を発生させるための電圧を第1のコイル7に加えることができ、この磁界は調節要素4の動きをもたらす。
【0028】
図2による、調節要素4の第2の位置では、閉止部材16は、第1の連結部2の閉塞を解除する。調節要素4および空洞6は、第1の連結部2と第2の連結部3の間に形成することができる流体の流れが処理構成要素を通り抜けることができるように形作られる。図示する例では、これは、長手方向の要素19が調節要素4の周縁部の方向へ一部の長さだけを越えて伸展して、少なくとも周縁部に沿った部分で内部ハウジング5と閉止部材16の間に自由空間が提供される第2の場所で、閉止部材16の周りの流れが発生するという点で達成される。
【0029】
これを例証するために、図3は、図1の線A-Aの高さで断面図を示す。
【0030】
永久磁石8は、外部要素12と内部ハウジング5の間に配列される。図面の平面内にある周辺方向では、追加の永久磁石8aおよび8bは、第1の側、および第1の側の反対にある第2の側に、永久磁石8に隣接して提供される。永久磁石8aおよび8bは、内部ハウジング5と反対の方向を向く側で、すべての永久磁石8、8a、および8bと同一平面で接触するのに十分広いヨーク部分13と接触する。内部ハウジング5の方を向く側では、ヨーク部分13は、長手方向の要素19の幅にほぼ一致する幅を有する。寸法は、永久磁石8、8a、および8bが含む磁界が、長手方向の要素19に向かう方向で束ねられ、かつ内部ハウジング5を通り抜け、かつ損失することなく大部分は長手方向の要素19の中に移るように選択される。その結果、長手方向の要素19内の力線密度は高くなり、それにより、磁気回路が閉じたときに保持力は増大する。複数の永久磁石8、8a、および8bの代わりに、湾曲した永久磁石を使用することができる。代わりにまたは追加で、永久磁石8と平行に長手方向の軸Lの方向へ別平面の永久磁石を提供することができる。永久磁石8、8a、および8bは、できるだけ損失を少なくして磁界が伝達されるように外部要素12と物理的に接触している。この目的のために、ギャップを防止する誘導片21を使用することができる。あるいは、外部要素12は、誘導片21aおよび21bの機能を果たす成型部材を有することができる、または永久磁石8aおよび8bは、ぴったり合う形状で形作られる。図示する実施形態の代わりに、ヨーク部分13は、内部ハウジング5と一体化して構成することができる。
【0031】
外部要素12、永久磁石8、8a、および8b、ヨーク部分13、ならびに誘導片21aおよび21bは、一緒に永久磁石配列20を形成する。好ましくは、内部ハウジング5の周縁部に沿って多数の永久磁石配列20、20a、20b、20c、および20dが提供され、好ましくは、各永久磁石は、この目的のために複数の長手方向の要素19を有する調節要素4の中の、単一の長手方向の要素19と相互作用する。隣接する長手方向の要素19の間に流れを導くための水路22が形成され、水路22は閉止部材16まで続く。これは、流体が、第1の連結部2および第2の連結部3を通って入る第2の位置で閉止部材16の周りを流れることができるように、かつ閉止部材16が第1の位置で十分に閉塞を実行して、第1の連結部2と第2の連結部3の間で流体の流れを防止するように、特定の寸法で作られるためである。
【0032】
一開発形態では、内部ハウジング5は、詳細にはヨーク部分13の領域、ならびに第1の終端要素10および第2の終端要素11との接触領域で、磁気回路内の磁気的に効果的なエアギャップを縮小させるように、良好な導磁率を有する材料から製造される。内部ハウジング5および長手方向の要素19用の材料の導磁率が同程度の大きさの範囲にほぼ入る場合が有利である。
【0033】
図1および図2に示すように、第1の機械的停止具14、第2の機械的停止具15、または両方の停止具14および15、ならびに調節要素4上のそれぞれ対応する最上部表面を円錐状に形成することが有利である。その結果、調節要素4が第1の位置および第2の位置の一方を外れて長手方向の軸Lの方向へ動くとき、連結要素10および11と調節要素4との間の磁気的に有効なギャップの増加は、長手方向の軸Lに沿って調節要素4が移動した経路よりも少ない。このように、保持力は、たとえば長手方向の軸Lに対して垂直な最上部表面の場合よりもゆっくりと低減する。さらに、そのような設計は、処理構成要素を通して流体の流れを導くのを改善する。
【符号の説明】
【0034】
1 弁
2 第1の連結部
3 第2の連結部
4 調節要素
5 内部ハウジング
6 空洞
7 第1の電気コイル
8、8a、8b 永久磁石
9 第2の電気コイル
10 第1の終端要素
11 第2の終端要素
12 外部要素
13 ヨーク部分
14 第1の機械的停止具
15 第2の機械的停止具
16 閉止部材
17 封止部
18 弁座
19 長手方向の要素
19a、19b、19c、19d 長手方向の要素
20、20a、20b、20c、20d 永久磁石配列
21a、21b 誘導片
22 水路
L 軸方向
M1 第1の磁界
M2 第2の磁界
G1 第1の反対の磁界
G2 第2の反対の磁界
図1
図2
図3