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特許7569333スペクトル制御システム、スペクトル制御プログラム、及びスペクトル制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】スペクトル制御システム、スペクトル制御プログラム、及びスペクトル制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20241009BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20241009BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/16
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021567501
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2020048042
(87)【国際公開番号】W WO2021132282
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2019239384
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究成果展開事業 世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム『i-Brain×ICT 「超快適」スマート社会の創出グローバルリサーチコンプレックス』 産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】三井 勝裕
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-199391(JP,A)
【文献】特開2006-021568(JP,A)
【文献】国際公開第2019/244431(WO,A1)
【文献】特表2012-514829(JP,A)
【文献】特開2019-114498(JP,A)
【文献】特開2017-182393(JP,A)
【文献】特開2017-213984(JP,A)
【文献】特開2019-194983(JP,A)
【文献】特開2017-091776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
A61B 5/00 - 5/398
G06F 3/00 - 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報及び第1情報に関連した第2情報を記憶する記憶部と、
前記第1情報に基づいて対象空間を照明する照明光のスペクトルを制御可能な照明装置と、
前記第2情報を取得可能な端末装置と、
前記記憶部、前記照明装置及び前記端末装置に通信可能に接続した制御部と
を備え、
前記制御部は、前記端末装置から前記第2情報として対象空間に存在するユーザの状態を表す情報を取得し、前記記憶部から前記第2情報に関連した情報として前記第1情報を取得し、前記第1情報に基づいて前記照明装置に前記照明光のスペクトルを制御させ
前記対象空間に存在するユーザの状態を表す情報は、前記対象空間でユーザが実施している作業の特性を表す情報を含む、スペクトル制御システム。
【請求項2】
前記対象空間に存在するユーザの状態を表す情報は、前記対象空間に存在するユーザの身体情報又は感情情報を含む、請求項1に記載のスペクトル制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記対象空間に存在するユーザの現在の状態と異なる所定の状態に対応する情報を前記第2情報として取得し、前記対象空間に存在するユーザが前記所定の状態になるために効果のある照明光を特定するスペクトルを表す情報を前記第1情報として取得する、請求項1又は2に記載のスペクトル制御システム。
【請求項4】
前記第1情報は、前記第1情報を提供する主体によってあらかじめ認証されている情報を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項5】
前記第1情報は、前記照明光のスペクトルと、時間とを関連づける情報を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項6】
前記第2情報は、前記対象空間の環境情報を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項7】
前記照明装置は、前記照明光の照度を、更に制御可能である、請求項1から6までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項8】
前記照明装置は、前記照明光の色温度を、更に制御可能である、請求項1から7までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項9】
前記照明装置は、前記照明光の色温度を一定に保ちつつ、前記照明光のスペクトルを制御可能である、請求項1から8までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項10】
前記記憶部は、前記照明装置内に配置されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項11】
前記記憶部は、前記端末装置内に配置されている、請求項1から10までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項12】
前記照明装置及び前記端末装置に通信可能に接続されたサーバを更に備え、
前記記憶部は、前記サーバ内に配置されている、請求項1から11までのいずれか一項に記載のスペクトル制御システム。
【請求項13】
対象空間を照明する照明光のスペクトルを第1情報に基づいて制御する照明装置に通信可能に接続される端末装置に、
前記対象空間に存在するユーザに関する第2情報として対象空間に存在するユーザの状態を表す情報を取得するステップと、
前記第2情報に基づいて前記第1情報を取得するステップと、
前記第1情報を前記照明装置に出力するステップと
を実行させ
前記対象空間に存在するユーザの状態を表す情報は、前記対象空間でユーザが実施している作業の特性を表す情報を含む、スペクトル制御プログラム。
【請求項14】
第2情報として対象空間に存在するユーザの状態を表す情報を取得するステップと、
前記第2情報に関連した第1情報を取得するステップと、
前記第1情報に基づいて前記対象空間を照明する照明光のスペクトルを制御するステップと
を含み、
前記対象空間に存在するユーザの状態を表す情報は、前記対象空間でユーザが実施している作業の特性を表す情報を含む、スペクトル制御方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願へのクロスリファレンス】
【0001】
本出願は、日本国特許出願2019-239384号(2019年12月27日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、スペクトル制御システム、スペクトル制御プログラム、及びスペクトル制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
所定の明るさになるように照明器具の調光率を制御する照明制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-91776号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態に係るスペクトル制御システムは、記憶部と、照明装置と、端末装置と、制御部とを備える。前記記憶部は、第1情報及び第1情報に関連した第2情報を記憶する。前記照明装置は、第1情報に基づいて光のスペクトルを制御可能である。前記端末装置は、第2情報を取得可能である。前記制御部は、前記記憶部、前記照明装置及び前記端末装置に通信可能に接続している。前記制御部は、前記端末装置から第2情報を取得し、前記記憶部から前記第2情報に関連した第1情報を取得する。前記制御部は、前記第1情報に基づいて前記照明装置のスペクトルを制御させる。
【0006】
本開示の一実施形態に係るスペクトル制御プログラムは、対象空間を照明する照明光のスペクトルを第1情報に基づいて制御する照明装置に通信可能に接続される端末装置に、前記対象空間に存在するユーザに関する第2情報を取得するステップを実行させる。前記スペクトル制御プログラムは、前記端末装置に、前記第2情報に基づいて前記第1情報を取得するステップを実行させる。前記スペクトル制御プログラムは、前記端末装置に、前記第1情報を前記照明装置に出力するステップを実行させる。
【0007】
本開示の一実施形態に係るスペクトル制御方法は、第2情報を取得するステップと、前記第2情報に関連した第1情報を取得するステップと、前記第1情報に基づいて光のスペクトルを制御するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。
図2】スペクトルデータの一例を示す表である。
図3】時間の経過で順番に変化するスペクトルデータの一例を示す表である。
図4】時間帯ごとに変化するスペクトルデータの一例を示す表である。
図5】照明システムが実行するスペクトル制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図6】端末装置が実行するスペクトル制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ユーザが存在する空間をユーザに適した照明光で照らすことが求められる。
【0010】
本開示の一実施形態に係るスペクトル制御システム、スペクトル制御プログラム、及びスペクトル制御方法によれば、空間がユーザに適した照明光で照らされ得る。
【0011】
複数のスペクトルのうち1つのスペクトルを選択して照明光のスペクトルを制御できる照明装置が考えられる。照明装置が複数のスペクトルのデータをあらかじめ格納している場合、照明光は、格納されているスペクトルのいずれかを有する光となる。この場合、スペクトルの選択肢を増やそうとすると、照明装置が多くの種類のスペクトルのデータを格納する必要が生じる。
【0012】
ユーザが照明光のスペクトルを自由に設定できる照明装置が考えられる。この場合、ユーザに適したスペクトルに設定されるとは限らない。
【0013】
本開示は、ユーザが過ごす空間をユーザに適したスペクトルを有した照明光で照らし得るスペクトル制御システム、スペクトル制御プログラム、及びスペクトル制御方法について説明する。
【0014】
(システムの構成例)
図1に示されるように、一実施形態に係るスペクトル制御システム1は、照明装置10と、端末装置20と、記憶部32と、制御部40とを備える。照明装置10は、ユーザ2が存在する対象空間50を照明する照明光を出射する。照明装置10は、照明光を特定するスペクトルを制御する。制御部40は、照明装置10に出射させる照明光を特定するスペクトルを制御する情報を出力する。照明光を特定するスペクトルを表す情報は、第1情報とも称される。記憶部32は、第1情報を記憶する。制御部40は、記憶部32から第1情報を取得し照明装置10に出力する。
【0015】
記憶部32は、例えば、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよいし、半導体メモリ又は磁気メモリ等のメモリを含んでもよい。記憶部32は、各種情報及びスペクトル制御システム1の各構成部で実行されるプログラム等を記憶することができる。記憶部32は、スペクトル制御システム1の各構成部のワークメモリとして機能してよい。
【0016】
スペクトル制御システム1は、サーバ30を更に備えてもよい。スペクトル制御システム1がサーバ30を更に備える場合、記憶部32は、サーバ30に含まれるとする。サーバ30は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。サーバ30に含まれるプロセッサは、制御部40に含まれるプロセッサと同一又は類似のプロセッサであってよい。記憶部32は、制御部40、サーバ30、端末装置20、及び照明装置10の少なくとも1つの構成内に配置されてもよい。言い換えれば、記憶部32は、制御部40、サーバ30、端末装置20、及び照明装置10の少なくとも1つに含まれてよい。
【0017】
制御部40は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。プロセッサは、照明制御部12の種々の機能を実現するプログラムを実行しうる。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。
【0018】
端末装置20は、端末制御部22と、入力部26とを備える。端末制御部22は、端末装置20の各構成部に制御指示を出力したり、各構成部から種々の情報を取得したりする。端末制御部22は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。端末制御部22に含まれるプロセッサは、制御部40に含まれるプロセッサと同一又は類似のプロセッサであってよい。端末制御部22は、制御部40の機能の少なくとも一部を実現してもよい。端末制御部22は、端末記憶部を備えてよい。端末制御部22の端末記憶部は、記憶部32と同一又は類似に構成されてよい。端末記憶部は、各種情報及び端末制御部22で実行されるプログラム等を格納する。端末記憶部は、端末制御部22のワークメモリとして機能してよい。端末記憶部の少なくとも一部は、端末制御部22とは別体として構成されてもよい。
【0019】
入力部26は、ユーザ2からの入力を受け付ける入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、例えば、タッチパネル、キーボード又はマウス等を含んでよい。入力部26は、ユーザ2又は対象空間50の状態を検出するセンサまたはカメラなどを含んでよい。言い換えれば、入力部26はセンサ等を介して、ユーザ2又は対象空間50の状態を取得してもよい。センサ等は、例えば、ユーザ2の生体情報としてユーザ2の心拍を検出する心拍センサ等を含んでもよい。センサ等は、例えば、対象空間50の環境情報として対象空間50の温度を検出する温度センサ等を含んでもよい。入力部26は、これらの例に限られず、種々のパラメータを検出するセンサを含んでよい。
【0020】
端末装置20は、スマートフォン若しくはフィーチャフォン等の通信端末、又は、タブレットPC(Personal Computer)若しくはノートPC等のモバイルPC等の機能の一部として実現されてもよい。
【0021】
照明装置10は、照明制御部12と、複数の発光部16とを備える。各発光部16は、所定のスペクトルで特定される光を出射する。所定のスペクトルは、360nmから780nmまでの波長領域に1又は複数のピーク波長を有してよい。360nmから780nmまでの波長領域にピーク波長を有する光は、可視光とも称される。360nmから780nmまでの波長領域は、可視光領域とも称される。つまり、発光部16は、可視光領域に1又は複数のピーク波長を有するスペクトルで特定される光を出射してよい。光を特定するスペクトルは、例えば、分光測光装置などにより分光法を用いて測定される。
【0022】
各発光部16が出射する光をあわせた光は、合成光とも称される。合成光は、照明装置10全体として出射する照明光とみなされる。複数の発光部16のうち、少なくとも1つの発光部16が出射する光のスペクトルは、他の発光部16が出射する光のスペクトルと異なる。照明制御部12は、異なるスペクトルの光を出射する複数の発光部16をそれぞれ制御することによって、照明装置10全体として出射する照明光のスペクトルを制御できる。
【0023】
照明制御部12は、照明装置10の種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。照明制御部12に含まれるプロセッサは、制御部40に含まれるプロセッサと同一又は類似のプロセッサであってよい。照明制御部12は、制御部40の機能の少なくとも一部を実現してもよい。
【0024】
照明制御部12は、照明記憶部を備えてよい。照明記憶部は、記憶部32と同一又は類似に構成されてよい。照明記憶部は、各種情報及び照明制御部12で実行されるプログラム等を格納する。照明記憶部は、照明制御部12のワークメモリとして機能してよい。照明記憶部の少なくとも一部は、照明制御部12とは別体として構成されてもよい。
【0025】
発光部16は、例えば、発光素子と波長変換部材とを備えてよい。発光素子は、例えば360nmから430nmまでの波長領域にピーク波長を有するスペクトルで特定される光を出射してよい。360nmから430nmまでの波長領域にピーク波長を有するスペクトルで特定される光は、紫色光ともいう。360nmから430nmまでの波長領域は、紫色光領域ともいう。可視光は、紫色光を含むとする。可視光領域は、紫色光領域を含むとする。波長変換部材は、発光素子から波長変換部材に入射してきた光を、可視光領域にピーク波長を有するスペクトルで特定される光に変換して出射する。波長変換部材は、発光素子が出射する光によって励起され、他の波長の光を出射するともいえる。発光素子が出射する光は、励起光とも称される。励起光は、紫色光に限られず、例えば430nmから500nmまでの波長領域にピーク波長を有するスペクトルで特定される青色光等であってもよい。
【0026】
波長変換部材は、蛍光体を含んでよい。蛍光体は、励起光を、例えば400nmから500nmまでの波長領域内にピーク波長を有するスペクトルで特定される光、つまり青色の光に変換してよい。蛍光体は、励起光を、例えば450nmから550nmまでの波長領域内にピーク波長を有するスペクトルで特定される光、つまり青緑色の光に変換してよい。蛍光体は、励起光を、例えば500nmから600nmまでの波長領域内にピーク波長を有するスペクトルで特定される光、つまり緑色の光に変換してよい。蛍光体は、励起光を、例えば600nmから700nmまでの波長領域内にピーク波長を有するスペクトルで特定される光、つまり赤色の光に変換してよい。蛍光体は、励起光を、例えば680nmから800nmまでの波長領域内にピーク波長を有するスペクトルで特定される光、つまり近赤外光に変換してよい。蛍光体は、励起光を、例えば朱色、黄色、又は白色の光に変換してもよい。
【0027】
波長変換部材は、複数の種類の蛍光体を含んでよい。蛍光体の種類は、上述した種類に限られず、他の種類を含んでもよい。波長変換部材が含有する蛍光体の種類の組み合わせは、特に限定されない。波長変換部材が含有する蛍光体の比率は、特に限定されない。波長変換部材は、励起光を、含有する蛍光体の種類及び比率に基づいて定まるスペクトルで特定される光に変換する。本実施形態において、照明装置10は、紫色、青色、緑色、青緑色、朱色、黄色、赤色、及び白色の各色の光を出射する発光部16を備えるとする。照明装置10は、各発光部16が出射する光の強度を制御することによって、合成光のスペクトルを制御する。
【0028】
<第1情報の例>
上述のとおり、照明装置10は、第1情報に基づいて、照明光を特定するスペクトルを制御可能に構成される。第1情報は、各発光部16が出射する光の強度を特定する情報を含んでよい。各発光部16が出射する光は、各色に対応する。
【0029】
図2に示されるように、第1情報は、各色に対応する光の強度を特定する情報として表されてもよい。各色に対応する光の強度は、各色のパワーとも称される。表の各行は、照明シーンの種類に対応する。第2行は、Aで表される照明シーンに対応する。第3行は、Bで表される照明シーンに対応する。表の各列は、色の種類に対応する。照明装置10が出射可能な色の数がNであるとして、色の種類が、C_1からC_Nまでの記号で表されている。例えば、第2列は、C_1で表される色に対応する。Nは、2以上の自然数であるとする。照明装置10が出射可能な色(波長範囲)の数がNである場合、発光部16の数がN個以上である。表の各セルは、照明シーンを構成する各色のパワーを表している。例えば、照明シーンAを構成する色のうち、C_1で表される色のパワーは、PA_1と表されている。照明シーンBを構成する色のうち、C_Nで表される色のパワーは、PB_Nと表されている。
【0030】
制御部40は、各色のパワーを表す第1情報(例えば、図1などに示されたテーブル情報)を照明装置10に出力する。照明装置10の照明制御部12は、第1情報に基づいて、発光部16を制御する。その結果、照明装置10は、制御部40から指示された照明シーンに合わせたスペクトルで特定される照明光を出射できる。各色のパワーは、0に制御することも可能である。
【0031】
図3及び図4に表として示されるように、第1情報は、時間に関連づけられる情報を含んでいてもよい。
【0032】
図3の表において、第6列は、各照明シーンに基づく制御を継続する継続時間を表す。第7列は、各照明シーンに基づく制御を実行する順序を表す。制御を実行する順序は、制御順とも称される。照明制御部12は、制御順のセルが空欄(-)になっている照明シーンB1に基づく制御を最初に開始し、12時間継続させる。照明制御部12は、照明シーンB1に基づく制御に続いて、制御順のセルにB1と記載されている照明シーンAに基づく制御を開始し、3時間継続させる。照明制御部12は、照明シーンAに基づく制御に続いて、制御順のセルにAと記載されている照明シーンB2に基づく制御を開始し、5時間継続させる。照明制御部12は、照明シーンB2に基づく制御に続いて、制御順のセルにB2と記載されている照明シーンCに基づく制御を開始し、4時間継続させる。このようにすることで、照明装置10は、時間の経過に応じて照明光を変化させることができる。照明制御部12は、照明シーンCに基づく制御の終了後、再び照明シーンB1に基づく制御を開始してもよい。このようにすることで、照明装置10は、周期的に照明光を変化させることができる。第1情報に含まれる、制御の順序を表す情報は、制御パターンとも称される。
【0033】
図3の表において、照明シーンB1の各色のパワーと、照明シーンB2の各色のパワーとは、同じ値にされている。このようにすることで、同じ照明シーンに基づいて制御する期間が1つの制御パターンに2回含まれる構成が表現され得る。第1情報が含む照明シーンの種類数は、制御パターンにおいて照明シーンを変更する回数に合わせて増加し得る。
【0034】
各照明シーンの順序の表現は、図3に例示される表現に限られない。各照明シーンの順序は、例えば、順位によって表されてもよい。
【0035】
図4の表において、第6列は、各照明シーンに基づく制御を実行する時間帯を表す。照明制御部12は、8時から12時までの期間において、照明シーンAに基づく制御を実行する。照明制御部12は、12時から16時までの期間において、照明シーンBに基づく制御を実行する。照明制御部12は、16時から19時までの期間において、照明シーンCに基づく制御を実行する。照明制御部12は、19時から23時までの期間において、照明シーンBに基づく制御を実行する。このようにすることで、照明装置10は、時間の経過に応じて照明光を変化させることができる。図4の表において、照明シーンBに基づく制御を実行する時間帯として2つの時間帯が関連づけられている。このようにすることで、照明シーンBに基づく制御を表す行が、図3に比べて1行に減っている。その結果、第1情報のデータ量が削減され得る。
【0036】
第1情報は、すべての色のパワーが0となる照明シーンを含むことによって、照明光が出射されない状態を表してもよい。
【0037】
図4の例において、照明制御部12は、23時から8時までの期間において、照明光を出射しないように発光部16を制御する。つまり、第1情報は、照明シーンを設定しない時間帯を含むことによって、その時間帯において照明光が出射されないことを表し得る。このようにすることで、第1情報は、すべての色のパワーが0となる照明シーンを含まずに、照明光が出射されないことを表し得る。その結果、第1情報のデータ量が削減され得る。
【0038】
(スペクトルの制御例)
端末装置20は、ユーザ2に関する情報及び対象空間50に関する情報のうち少なくとも一方の情報を取得可能に構成される。ユーザ2に関する情報及び対象空間50に関する情報のうち少なくとも一方の情報は、第2情報とも称される。端末装置20は、第2情報を制御部40に出力する。制御部40は、端末装置20から第2情報を取得する。制御部40は、記憶部32から第2情報に関連した第1情報を取得する。記憶部32は、第1情報と第2情報とを関連づけて記憶しているとする。制御部40は、記憶部32から取得した第1情報を照明装置10に出力する。照明装置10は、第1情報に基づいて発光部16を制御し、各色のパワーを制御する。照明装置10は、各色のパワーを制御することによって、照明光を特定するスペクトルを、ユーザ2に関する情報又は対象空間50に関する情報、つまり第2情報に基づくスペクトルに制御できる。その結果、照明装置10は、対象空間50に存在するユーザ2に適した照明光を出射できる。
【0039】
<第2情報の内容>
第2情報は、ユーザ2が入力する情報を含んでよい。端末装置20は、ユーザ2に対してアンケートを提示し、入力部26によってユーザ2に回答を入力させてよい。アンケートは、例えば、ユーザ2の睡眠時間、食事の内容若しくはタイミング、又は、飲酒の有無等のユーザ2の生活習慣に関する質問を含んでよい。アンケートは、ユーザ2が痛みを感じる部位、又は、ユーザ2の気分等のユーザ2が自覚する症状に関する質問を含んでもよい。より具体的には、例えば携帯電話などの端末装置20の表示部に複数の項目が表示されており、任意の項目を選択することによって、選択項目(第2情報)に最適な第1情報に基づいて、スペクトルを制御されることになる。
【0040】
第2情報は、ユーザ2の生体情報を含んでもよい。ユーザ2の生体情報は、例えば、ユーザ2の心拍数、血圧、発汗状態又は血流量、自律神経指標、活動量、無体動期間に加えてストレス等のホルモン指標等を含んでもよい。生体情報は、これらに限られず、他の種々の情報を含んでもよい。
【0041】
第2情報は、ユーザ2が存在する対象空間50の環境情報を含んでもよい。対象空間50の環境情報は、例えば、対象空間50の温度若しくは湿度、外部から入射する日光の量、又は、二酸化炭素濃度等を含んでもよい。また、環境情報は、例えば、日照時間を含んでいてもよい。これによって、例えば、冬季であれば、朝の照度又はブルーライトパワーが上げられてよい。夏季であれば、夕方の照度又はブルーライトパワーが下げされてよい。このように、照度又はブルーライトパワーが日照時間に合わせて調整されることもできる。環境情報は、これらに限られず、他の種々の情報を含んでもよい。
【0042】
第2情報は、ユーザ2の身体状態を推定する情報を含んでもよい。制御部40は、ユーザ2が入力する情報、ユーザ2の生体情報、又は、対象空間50の環境情報に基づいて、ユーザ2の身体状態を推定してよい。ユーザ2の身体状態は、ユーザ2が所定の疾患にかかっていたり、ユーザ2に所定の疾患の徴候が見られたりする状態を含んでよい。所定の疾患は、例えば、睡眠障害、認知症、うつ病、又は糖尿病等の種々の疾患を含んでよい。ユーザ2の身体状態は、ユーザ2の肥満度を含んでもよい。ユーザ2の身体状態は、ユーザ2が緊張を感じている状態、ユーザ2が集中している状態、又は、ユーザ2がストレスを感じている状態等の状態を含んでよい。ユーザ2の身体状態は、ユーザ2が眠気を感じている状態、ユーザ2の注意力が散漫になっている状態、又は、ユーザ2がリラックスしている状態等の状態を含んでよい。
【0043】
第2情報は、現在または将来のユーザ2の行動情報を表す情報を含んでよい。制御部40は、ユーザ2が入力する情報に基づいて、ユーザ2の行動情報を特定してもよい。制御部40は、ユーザ2が入力する情報、ユーザ2の生体情報、又は、対象空間50の環境情報に基づいて、ユーザ2の行動情報を推定してもよい。ユーザ2の行動情報を表す情報は、ユーザ2が単純作業を実施しているか表す情報または創造的な作業を実施しているか表す情報を含んでもよい。ユーザ2の行動情報を表す情報は、ユーザ2が創造的な作業を実施しているかユーザ2が集中力を必要とする作業を実施しているか表す情報を含んでもよい。
【0044】
第2情報は、ユーザ2の感情情報を表す情報を含んでよい。制御部40は、ユーザ2が入力する情報に基づいて、ユーザ2が感情情報を特定してもよい。ユーザ2の感情情報を表す情報は、ユーザ2の気分の明るさ又はユーザ2の色の好み(暖色又は寒色など)などを含んでいてもよい。
【0045】
<第1情報の生成>
制御部40は、第2情報に基づいて第1情報を取得する。制御部40は、記憶部32から第2情報に関連づけられている第1情報を取得してもよい。制御部40は、第2情報をサーバ30に送信し、サーバ30において第2情報に基づいて生成される第1情報を取得してもよい。この場合、サーバ30は、制御部40から第2情報を受信し、第2情報に基づいて第1情報を生成し、第1情報を制御部40に送信する。
【0046】
記憶部32は、第1情報と第2情報とを関連づけるテーブルをあらかじめ記憶する。サーバ30が記憶部32を含む場合、サーバ30は、第2情報とテーブルとに基づいて第1情報を生成してよい。
【0047】
<<テーブルの例>>
記憶部32にあらかじめ格納されるテーブルは、スペクトル制御システム1の管理者によって準備されてよい。記憶部32がサーバ30に含まれる場合、サーバ30は、管理者による第1情報の登録を受け付ける。管理者は、照明光がユーザ2の状態に応じた効果をもたらすように、ユーザ2の状態とスペクトルとを関連づける。管理者は、第1情報を提供する主体ともいえる。
【0048】
管理者は、例えば、ユーザ2が所定の疾患にかかっている場合に対応する第2情報と、所定の疾患の治療に効果のある照明光を特定するスペクトルを表す第1情報とを関連づけることによって第1情報を登録してよい。管理者は、所定の疾患の治療効果と照明との因果関係を証明するエビデンスが存在する場合に限って、第1情報を登録してもよい。エビデンスは、例えば医師等の有資格者によって発行されてもよい。管理者がエビデンスの存在を条件として第1情報を登録する場合、第1情報は、その提供主体によってあらかじめ認証されているともいえる。
【0049】
管理者は、例えば、ユーザ2が所定の状態になっている場合に対応する第2情報と、所定の状態を脱するために効果のある照明光を特定するスペクトルを表す第1情報とを関連づけることによって第1情報を登録してよい。所定の状態は、例えば、ユーザ2が眠気を感じていたりユーザ2の集中力が低下していたりする状態を含んでよい。管理者は、所定の状態から脱する効果と照明との因果関係を証明するエビデンスが存在する場合に限って、第1情報を登録してもよい。
【0050】
管理者は、例えば、ユーザ2が所定の状態になる必要がある場合に対応する第2情報と、所定の状態になるために効果のある照明光を特定するスペクトルを表す第1情報とを関連づけることによって第1情報を登録してよい。所定の状態は、例えば、ユーザ2が集中できる状態を含んでよい。所定の状態は、ユーザ2がリラックスしつつも高い集中力を維持している、いわゆるフロー状態を含んでもよい。管理者は、所定の状態になる効果と照明との因果関係を証明するエビデンスが存在する場合に限って、第1情報を登録してもよい。
【0051】
以上述べてきたように、本実施形態に係るスペクトル制御システム1及び端末装置20は、ユーザ2が存在する対象空間50をユーザ2に適した照明光で照らすことができる。
【0052】
(フローチャート)
スペクトル制御システム1は、図5に例示されるフローチャートの手順を含むスペクトル制御方法を実行してよい。スペクトル制御方法は、プロセッサに実行させるスペクトル制御プログラムとして実現されてもよい。この例において、記憶部32は、サーバ30に含まれるとする。
【0053】
制御部40は、第2情報を取得する(ステップS1)。制御部40は、端末装置20から第2情報を取得してよい。端末装置20は、入力部26によって、ユーザ2から第2情報の入力を受け付けてもよい。端末装置20は、入力部26がセンサを含む場合、センサが検出したユーザ2に関する情報を第2情報として取得してよい。端末装置20は、取得した第2情報を制御部40に出力する。
【0054】
サーバ30は、第1情報の登録を受け付ける(ステップS11)。サーバ30は、第1情報と第2情報とを関連づけて記憶部32に記憶させることによって、第1情報を登録する。サーバ30は、例えば、ユーザ2の身体状態に適したスペクトルを表す第1情報を、ユーザ2の身体状態に対応する第2情報に関連づけて記憶部32に記憶させてよい。サーバ30は、例えば、対象空間50の環境に適したスペクトルを表す第1情報を、対象空間50の環境情報に対応する第2情報に関連づけて記憶部32に記憶させてよい。
【0055】
制御部40は、第2情報をサーバ30に送信する(ステップS2)。サーバ30は、第2情報を受信する(ステップS12)。
【0056】
サーバ30は、第2情報に基づいて第1情報を取得する(ステップS13)。サーバ30は、記憶部32にあらかじめ記憶されることによって登録されている第1情報のうち、取得した第2情報に関連づけられている第1情報を抽出してよい。
【0057】
サーバ30は、第1情報を制御部40に送信する(ステップS14)。サーバ30は、ステップS14の手順の後、図5のフローチャートの実行を終了する。制御部40は、第1情報を受信する(ステップS3)。
【0058】
制御部40は、第1情報を照明装置10に出力する(ステップS15)。制御部40は、ステップS4の手順の後、図5のフローチャートの実行を終了する。
【0059】
制御部40は、図6に例示されるフローチャートの手順を含むスペクトル制御方法を実行してよい。スペクトル制御方法は、プロセッサに実行させるスペクトル制御プログラムとして実現されてもよい。この例において、記憶部32は、制御部40、サーバ30、端末装置20及び照明装置10の少なくとも1つに含まれてよい。
【0060】
制御部40は、第1情報の登録を受け付ける(ステップS21)。制御部40は、サーバ30が実行する図5のステップS11の手順と同一又は類似の手順を実行することによって、記憶部32に第1情報を登録してよい。
【0061】
制御部40は、第2情報を取得する(ステップS22)。制御部40は、図5のステップS1の手順と同一又は類似の手順を実行してよい。
【0062】
制御部40は、第2情報に基づいて第1情報を取得する(ステップS23)。制御部40は、サーバ30が実行する図5のステップS13の手順と同一又は類似の手順を実行することによって、第1情報を取得してよい。
【0063】
制御部40は、第1情報を照明装置10に出力する(ステップS24)。制御部40は、ステップS24の手順の後、図6のフローチャートの実行を終了する。
【0064】
以上述べてきたように、本実施形態に係るスペクトル制御方法によれば、ユーザ2が存在する対象空間50がユーザ2に適した照明光で照らされ得る。
【0065】
<照度>
照明装置10は、照明光のパラメータとして照度を制御可能に構成されてもよい。照明装置10は、照明光に含まれる可視光の照度を制御してもよい。照明装置10は、照度を一定に保つようにスペクトルを制御してもよい。照明装置10は、照度をパラメータとしてスペクトルを制御することによって、ユーザ2に違和感を与えにくくできる。
【0066】
<色温度>
照明装置10は、照明光のパラメータとして色温度を制御可能に構成されてもよい。色温度は、黒体の温度に対応づけられるパラメータである。Tで表される温度を有する黒体が放射する光のスペクトルの色温度は、Tと表される。例えば、5000K(ケルビン)の黒体が放射する光のスペクトルの色温度は、5000Kと表される。約4000K~5000Kの色温度を有する光の色は、白色とも称される。色温度が白色の光よりも低いほど、その光の色は、赤色の成分を多く含みうる。つまり、低い色温度を有する光は、赤っぽく見える。色温度が白色の光よりも高いほど、その光の色は、青色の成分を多く含みうる。つまり、高い色温度を有する光は、青っぽく見える。
【0067】
黒体が放射する光のスペクトルだけでなく、黒体が放射する光のスペクトルに近似するスペクトルも、色温度によって表されてよい。所定のスペクトルがTで表される温度を有する黒体が放射する光のスペクトルに近似する場合、所定のスペクトルの色温度はTと表されるとする。2つの光のスペクトルが互いに近似の関係であるか否かは、種々の条件によって決定されてよい。2つの光のスペクトルが互いに近似の関係であるための条件は、例えば、2つの光のスペクトル同士で各波長の相対強度を比較した場合に、各波長における差が所定範囲内であることを含んでよい。2つの光のスペクトルが互いに近似の関係であるための条件は、例えば、2つの光のスペクトルにそれぞれ含まれるピーク波長の差が所定範囲内であることを含んでもよい。2つの光のスペクトルが近似の関係であるための条件は、これらの例に限られず種々の条件を含んでもよい。
【0068】
例えば、正午頃の太陽光のスペクトルは、約5000Kの黒体が放射する光のスペクトルに近似されうる。この場合、正午頃の太陽光の色温度は、約5000Kと表されるとする。約5000Kの色温度で表される光の色は、昼白色とも称される。昼白色の色温度よりも高い約6500Kの色温度で表される光の色は、昼光色とも称される。昼光色は、昼白色よりも青色光の成分又は青色光よりも短い波長の成分を多く含み、青っぽく見える。逆に、昼白色は、昼光色よりも白色に近い色に見える。
【0069】
照明装置10は、照明光の色温度を高くするようにスペクトルを制御してもよい。照明装置10は、照明光の色温度を低くするようにスペクトルを制御してもよい。照明装置10は、照明光の色温度に基づいてスペクトルを制御することによって、ユーザ2の状態を所定の状態に誘導したり、所定の状態から脱却させたりし得る。
【0070】
照明装置10は、照明光のパラメータとして色温度を一定に保つように、照明光のスペクトルを制御してもよい。このようにすることで、ユーザ2が違和感を覚えにくくなる。
【0071】
<他の実施形態>
本発明に係る他の実施形態に係るスペクトル制御システム1として、記憶部32にユーザ2の生体情報と、照明装置10の第1情報とが、それらを連携させて記憶されてもよい。すなわち、照明装置10の第1情報の使用実績と、その第1情報(スペクトル)の使用時の生体情報とが関連付けて記憶されてもよい。また、第1情報の使用実績は、複数の発光部16のスペクトル情報だけでなく、特定スペクトルの使用時間などを含んでいてもよい。その結果、例えば、スペクトル制御システム1がさらにAIを有している場合には、第1情報の使用実績と生体情報とを学習用データとして使用してAIに学習させることによって、より最適な第1情報に基づいて照明装置10を制御することができる。
【0072】
また、他の実施形態に係るスペクトル制御システム1として、記憶部32に対象空間50の環境情報と、照明装置10の第1情報とが、それらを連携させて記憶させてもよい。すなわち、照明装置10の第1情報の使用実績と、その第1情報(スペクトル)の使用時の環境情報とが関連付けて記憶されてもよい。また、第1情報の使用実績は、複数の発光部16のスペクトル情報だけでなく、特定スペクトルの使用時間などを含んでいてもよい。その結果、例えば、スペクトル制御システム1がさらにAIを有している場合には、第1情報の使用実績と環境情報とを学習用データとして使用してAIに学習させることによって、より最適な第1情報に基づいて照明装置10を制御することができる。スペクトル制御システム1は、第1情報の使用実績、生体情報および環境情報をAIに学習させてもよい。
【0073】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0074】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0075】
本開示に係る実施形態では、制御部40、照明制御部12、端末制御部22が、それぞれ別構成として記載されているが、例えば、制御部40は、照明装置10に配されて照明制御部12としての機能をさらに有していてもよい。また、制御部40は、端末装置20に配されて端末制御部22としての機能をさらに有していてもよい。
【0076】
本開示に係る実施形態では、第1情報として、制御順または継続時間が固定値として規定されている例を記載したが、第1情報の制御順または継続時間は、例えば、季節によって変更する変動値であってもよい。この場合、例えば、第2情報として日照時間などを取得して、日照時間の長短に連動させて、人間の概日リズムが一定に近づくように、各スペクトルの継続時間を制御部40によって制御してもよい。
【0077】
また、本開示に係る実施形態では、例えば、記憶部32又は端末装置20などが、外部のサーバなどに接続されて、天気予報などの外部の情報などを取得してもよい。
【0078】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1情報は、第2情報と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0079】
1 スペクトル制御システム
2 ユーザ
10 照明装置(12:照明制御部、16:発光部)
20 端末装置(22:端末制御部、26:入力部)
30 サーバ
32 記憶部
40 制御部
50 対象空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6