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特許7569335酸化プロセスによるPFASの破壊及び汚染された場所への輸送に適した装置
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  • 特許-酸化プロセスによるPFASの破壊及び汚染された場所への輸送に適した装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】酸化プロセスによるPFASの破壊及び汚染された場所への輸送に適した装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 61/02 20060101AFI20241009BHJP
   B01J 3/00 20060101ALI20241009BHJP
   B01J 3/04 20060101ALI20241009BHJP
   B01J 3/06 20060101ALI20241009BHJP
   B01D 1/18 20060101ALI20241009BHJP
   B01D 3/00 20060101ALI20241009BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20241009BHJP
   C02F 1/24 20230101ALI20241009BHJP
   C02F 1/66 20230101ALI20241009BHJP
   C02F 1/72 20230101ALI20241009BHJP
【FI】
B01D61/02 500
B01J3/00 A
B01J3/04 D
B01J3/06 R
B01D1/18
B01D3/00 A
C02F1/44 Z
C02F1/24 C
C02F1/66 510Z
C02F1/66 521B
C02F1/66 521C
C02F1/66 540A
C02F1/66 540C
C02F1/66 540E
C02F1/66 540H
C02F1/66 540Z
C02F1/72 Z
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021569997
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2020040196
(87)【国際公開番号】W WO2020264530
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】62/868,858
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/948,765
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504306714
【氏名又は名称】バテル・メモリアル・インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】BATTELLE MEMORIAL INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】505 King Avenue, Columbus, OH 43201-2693 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エリス
(72)【発明者】
【氏名】リンディー・イー・デジャルメ
(72)【発明者】
【氏名】カヴィタ・ダス
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル・アール・シラビアン
(72)【発明者】
【氏名】エイミー・ディンダル
(72)【発明者】
【氏名】エイミー・ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】ダン・ガーバーク
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・ブライアント
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・タラリコ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・カシャーノ
(72)【発明者】
【氏名】スワヴォミル・ヴィネツキー
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・ホーリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】キース・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ダグ・ヘンドリー
(72)【発明者】
【氏名】ダーウィン・アルグメド
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・フランク
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ゴードン・シャイトリン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エム・ミラー
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-131478(JP,A)
【文献】特開2001-239277(JP,A)
【文献】特開2010-125352(JP,A)
【文献】特開2010-022961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
61/00-71/82
1/00- 8/00
C02F 1/20- 1/26
1/30- 1/38
1/44
1/58- 1/64
1/66- 1/68
1/70- 1/78
B01B 1/00- 1/08
B01J 3/00- 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PFAS含有水性混合物中のPFASを破壊する方法であって、
以下の(1)又は(2)のいずれかにより、高温PFAS含有水性混合物を形成すること:
(1)前記PFAS含有水性混合物を分離手順に供して、前記PFAS含有水性混合物をPFAS富化画分及びPFAS枯渇画分に分離して、前記PFAS枯渇画分の少なくとも一部を少なくとも300℃の温度に加熱して、加熱PFAS枯渇画分を形成し、超臨界破壊段階の前に、前記加熱PFAS枯渇画分と前記PFAS富化画分を組み合わせて、高温PFAS含有水性混合物を形成すること、若しくは
(2)前記PFAS含有水性混合物を分離手順に供して、前記PFAS含有水性混合物を第1の塩富化画分及び塩枯渇画分に分離して、前記塩枯渇画分を少なくとも300℃の温度に加熱して、加熱塩枯渇画分を形成し、超臨界破壊段階の前に、前記加熱塩枯渇画分とより低温の第1画分と組み合わせて、高温PFAS含有水性混合物を形成すること;及び
超臨界条件下で、前記高温PFAS含有水性混合物を酸化剤と反応させること
を含む、方法。
【請求項2】
前記PFAS含有水性混合物は、逆浸透によって第1の塩富化画分及び塩枯渇画分に分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩富化画分は加熱されてPFASを揮発させ、次に揮発したPFASを凝縮して、前記第1の画分を構成する、回収されたPFASの溶液を形成し、次に前記回収されたPFASをSCWOに供する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記塩枯渇画分は、SCWO反応器からの排出物との熱交換によって加熱される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記塩枯渇画分は、SCWO反応器からの排出物との熱交換によって少なくとも300℃に加熱され、次に二次熱交換ステップで、前記熱交換ステップの最高温度よりも少なくとも100℃高い温度にさらに加熱される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塩枯渇画分は、混合T字管で混合する前に、少なくとも500又は少なくとも600℃又は600~700℃の温度に加熱して、SCWOの前に前記高温PFAS含有水性混合物を形成する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記SCWOからの排出物は塩分離器に送られ、そこで塩が塩枯渇排出物から分離される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記塩枯渇排出物は、前記塩枯渇画分を加熱するために熱交換器に送られる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記SCWOからの塩枯渇排出物は、1ppm以下又は100ppt以下又は5ppt以下のPFASを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記SCWO反応器からの排出物は水酸化ナトリウムで処理されてフッ化ナトリウムを形成する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記SCWO反応器は、HFによる腐食に耐えるコーティングでコーティングされた内壁を有するパイプを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
塩は、ノズルを通して前記水性混合物若しくは塩富化画分を噴霧して、ノズル上に固体塩を形成させることにより、前記PFAS含有水性混合物又は塩富化画分から除去される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記SCWO反応器はパイプを含み、前記SCWO反応器のための外部の追加の加熱は必要としないように、前記SCWO反応器を通過する前記混合物に燃料を添加して前記反応器内に熱を提供する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記PFAS含有水性混合物は、マイクロバブルを前記水性混合物に通して、前記混合物の上部からPFASが富化した水の画分を収集することによって予備濃縮される、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
PFASで汚染された水をタンクに通すことを含み、前記水は空気で過飽和であり、水中で気泡が発生して、発泡混合物を生成するように、タンク内の圧力は比較的低く;及び前記発泡混合物を収集することを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
PFASを水性酸化剤と反応させる前に、前記PFAS含有水性混合物は、少なくとも100ppmのPFOAを含み、前記方法は、前記PFOAの濃度を少なくとも106又は107又は108減少させる、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記反応器を出た後、排出物は、NaOH、LiOH、又はKOHを含む溶液で処理されて中和溶液を生成し、前記中和溶液は、追加の排出物を中和するためにリサイクルされる、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記中和された排出物は、少なくとも部分的に空気中に蒸発する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記PFAS含有水性混合物は、重量で少なくとも100ppmのPFAS(いくつかの実施形態では、少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFAS)を含み、前記方法は、PFASを1ppm以下又は0.1ppm以下又は0.01ppm以下を含む排出物に変換する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
FAS含有水性混合物は、0.5~5又は1~3又は約2重量%の有機燃料を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記PFAS含有溶液は、30~50重量%のH22を含む溶液と混合され、好ましくは30:1~70:1(重量%比)のPFAS溶液:H22の重量比で混合される、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記PFAS含有溶液は、滞留時間が20秒以下、好ましくは10秒、又は5秒以下、又は0.5~5秒として、SCWO反応器を通過する、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記PFAS含有溶液は、50~150mL/min(STP、標準状態)に制御された速度で添加される、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
始動後、前記SCWOステップに外部加熱が必要でない、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記PFAS含有水性混合物は、少なくとも100ppmのPFOAを含み、前記方法は、前記PFOAの濃度を少なくとも106又は107又は108、いくつかの実施形態では最大約109減少させる、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
モバイルトレーラー、任意選択で汚染されたオンサイトで実施される、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
PFASを水性酸化剤と反応させる前記ステップは、超臨界条件下で発生し、浸透壁型反応器で発生する、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記PFAS含有水性混合物は、固体含有混合物である(好ましくは、少なくとも5%又は少なくとも10重量%の固体又は少なくとも15重量%の固体を含む)、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
湾曲した床又は天井を備えた浸透壁型反応器で実施される、請求項27又は28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2019年12月16日に出願された米国仮特許出願第62/948,765号、及び2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,858号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
パーフルオロオクタンスルホン酸(perfluorooctane sulfonate、PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(perfluorooctanoic acid、PFOA)を含むパーフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル物質(Per-and polyfluoroalkyl substances、PFAS)、及び他の何百もの同様の化合物は、米国で多くの用途で広く使用されている。人間の健康及び環境へのリスクに関する不確実性を伴う広範囲にわたる汚染のために、これらの化合物に関連する重大な懸念がある。PFASは、フッ素原子に囲まれた炭素原子の鎖を持つ分子である。C-F結合は非常に安定しているため、この化合物が自然環境で存続できる。一部のPFASには、水素、酸素、硫黄、リン、及び/又は窒素原子が含まれる。その一例はPFOSである:
【化1】
【0003】
人間の健康リスクが知られている一部のPFAS化合物(PFOA及びPFOS)は自主的に段階的に廃止されたが、残留汚染が残存する。代替のPFAS化合物は、その健康上のリスクについての理解が限られている状態で導入されている。現在、PFOAとPFOSのみが連邦レベルの生涯健康勧告(Lifetime Health Advisories)で扱われており、これら及びその他のPFAS化合物の飲料水中の許容レベルを規制するための最大汚染物質レベル(maximum contaminant level、MCL)は確立されていない。2020年5月現在、49個の州の1,582か所に飲料水源のPFAS汚染がある。PFASで汚染された水を処理するために現在使用されている技術は高価であり、使用済み媒体の管理は費用がかかり、長期的な責任をもたらす可能性がある。
【0004】
環境中のPFASを復旧するための多くの方法が開発されてきた。例えば、US2019/0314876では、Oberleらは、土壌が加熱され、PFASが揮発、捕捉、凝縮され、蒸気が加えられた後、濃縮されたPFAS溶液が電気酸化される、というPFASを含む土壌を修復するための方法とシステムを開示している。
【0005】
本発明では、PFASは、超臨界水中での酸化(supercritical water oxidation、SCWO)によって破壊される。本研究に加えて、デューク大学のDeshusses氏は、いくつかの初期の発見を報告しており、2020年5月には、「完全なPFAS破壊のための超臨界水酸化(SCWO)」と題して、米国国防総省賞が発行された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SCWOのPFASへの適用は比較的新しく、新しい課題がある。有機化合物のSCWOは従前から知られており、多くの論文や特許に記載されている。例えば、米国特許第4,861,497号では、Welchらは、有機化合物を破壊するための超臨界水中での過酸化水素やオゾンなどの液相酸化剤の使用について開示している;5000psia(大気中1平方インチあたりのポンド)で750~860°Fでプロピレングリコールを破壊してテストした結果、約98%の破壊が発生した。米国特許第5,232,604号では、Swallowらは、過酸化水素などの酸化剤及び一酸化窒素などの反応速度向上剤を用いた有機化合物のSCWOを開示している;一例では、水酸化ナトリウム及び硝酸ナトリウムを使用して、塩化メチレンの酸化で形成された塩酸を中和した。米国特許出願公開第2019/0185361号では、Aquarden Technologiesは、SCWOプロセスでは、流体が亜臨界から超臨界に移行するゾーンで沈殿が発生することを指摘し、このゾーンの近くに残留物出口接続を備えた反応器を設計した。“Supercritical water oxidation of a model fecal sludge with the use of a co-fuel”Chemosphere 141(2015)189-196では、Millerらは、48%過剰酸素の存在下での糞便模擬物質のSCWO反応を報告している。補助燃料の使用は、通常1000℃を超える高温を特徴とするSCWO反応器で水熱火炎を生成するために使用できる。“Supercritical Water Oxidation,”in Advanced Oxidation Processes for Wastewater Treatment,”(2018),333-353を参照。
【0007】
PFASを破壊するためのシステムを開発するための広範な以前の努力にもかかわらず、PFAS組成物を処理し、PFASを完全に破壊するための効率的なシステムの必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
最初に、水又は土壌サンプルを処理して、PFASを大幅に削減された体積に濃縮することができる。場合によっては、PFAS含有媒体は濃縮された形で保存され、濃縮するために追加の処理を必要としない。濃縮されたPFAS混合物は、コンテナに入れて、PFAS破壊のために中央施設に輸送できる。あるいは、いくつかの好ましい実施形態では、濃縮されたPFAS混合物は、それらが発生する場所でオンサイト処理される。濃縮されたPFAS溶液は、酸化によって破壊される。適切な酸化プロセスを後述する。最も好ましくは、酸化プロセスは超臨界水酸化(SCWO)を含み、これは、10万倍を超えるPFASの濃度の急速な低下、例えば、重量で1700パーツパーミリオン(parts per million、ppm)から5パーツパートリリオン(parts per trillion、ppt)以下へのPFOAの減少が発見された。定常状態の動作中に外部熱をほとんど又はまったく供給せずに効率的な破壊を可能にするために、酸化に電力を供給するために必要な熱の一部又はすべてを供給するために燃料を添加することができる(又は、場合によっては、PFASは、燃料として機能する十分な有機材料とともに存在する可能性がある)。得られた排出物は、PFASがほとんど又はまったく含まれていないことを確認できる(通常は5ppt以下)。その後、安全できれいな水として環境に放出される。
【0009】
一側面では、本発明は、PFAS含有水性混合物中のPFASを破壊する方法を提供し、PFASを水性酸化剤と反応させることを含み、さらに、前記PFASを二酸化炭素及びアルカリ若しくはアルカリ土類フッ化物を含む生成混合物に変換するための、アルカリ又はアルカリ土類元素との反応を含む。最も好ましい酸化剤は過酸化水素である。
【0010】
別の側面では、本発明は、PFAS含有水性混合物中のPFASを破壊する方法(又はシステム)を提供し、PFASを含む水溶液を前処理して、塩化ナトリウムなどの塩からPFASを分離することを含む。PFAS含有水溶液は、1つ又は好ましくは複数段階の逆浸透のカスケードに供されて、塩溶液及び脱塩溶液を形成する。逆浸透から得られた脱塩された水性画分は、SCWOに供することができる。得られた塩溶液は、任意選択で酸で処理され、十分な温度(好ましくは、少なくとも150℃又は少なくとも200℃又は250℃又は最大300℃又は最大350℃)に加熱されて、塩溶液に残っているPFAS化合物を揮発させる。好ましくは、5ppt以下のPFASを有する塩溶液をもたらす。次に、揮発したPFAS成分を凝縮して捕捉し、任意選択で、SCWOの前に脱塩溶液の全部又は一部と再度組み合わせる。あるいは、凝縮したPFASは、脱塩溶液と再度組み合わせることなくSCWOに供することができる。本明細書に記載のいずれかの側面と同様に、この前処理方法は、それ自体で、又は本明細書に記載の他の側面若しくは他の手法のいずれかと組み合わせて使用することができる。
【0011】
さらなる側面では、本発明は、PFAS含有水性混合物中のPFASを破壊する方法を提供し、前記PFAS含有水性混合物を分離手順に供して、前記PFAS含有水性混合物をPFAS富化画分及びPFAS枯渇画分に分離して、前記PFAS枯渇画分の少なくとも一部を少なくとも300℃の温度に加熱して、加熱PFAS枯渇画分を形成し、超臨界破壊段階の前に、前記加熱PFAS枯渇画分とより低温のPFAS枯渇画分を組み合わせて、高温PFAS含有水性混合物を形成すること、及び超臨界条件下で、前記高温PFAS含有水性混合物を酸化剤と反応させることを含む。あるいは、前記PFAS含有水性混合物は塩富化画分及び塩枯渇画分に分離され(これは逆浸透の典型的な分離である)、前記塩枯渇画分を少なくとも300℃の温度に加熱して、加熱塩枯渇画分を形成し、超臨界破壊段階の前に、前記加熱塩枯渇画分とより低温の塩枯渇画分と組み合わせて、高温PFAS含有水性混合物を形成し;そして、超臨界条件下で、前記高温PFAS含有水性混合物を酸化剤と反応させる。
【0012】
本発明の側面のいずれかは、以下の1つ又は任意の組み合わせによってさらに定義され得る:PFASを水性酸化剤と反応させる前記ステップは、超臨界条件下で発生する;前記方法はモバイルトレーラーで実施される;前記方法は、PFASで汚染された水をタンクに通すこと(前記水は空気で過飽和であり、水中で気泡が発生して、発泡混合物を生成するように、タンク内の圧力は比較的低く)、及び前記発泡混合物を収集することを含む;PFASを水性酸化剤と反応させる前に、前記PFAS含有水性混合物は、少なくとも100ppmのPFOAを含み、前記方法は、前記PFOAの濃度を少なくとも106又は107又は108減少させる;前記PFASは酸化反応器で酸化剤と反応し、前記反応器を出た後、排出物は、NaOH、LiOH、又はKOHを含む溶液で処理されて中和溶液を生成し、前記中和溶液は、追加の排出物を中和するためにリサイクルされる;前記中和された排出物は、少なくとも部分的に空気中に蒸発する;前記PFAS含有水性混合物は、重量で少なくとも100ppmのPFAS(いくつかの実施形態では、少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFAS)を含み、前記方法は、PFASを1ppm以下又は0.1ppm以下又は0.01ppm以下を含む排出物に変換する;PFOA濃度を取ることによって、前記PFAS含有水性混合物は、重量で少なくとも100ppmのPFOA(いくつかの実施形態では、少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFOA)を含み、前記方法は、PFOAを1ppm以下、又は0.1ppm以下、又は0.01ppm以下、又は1.0ppb以下、又は0.1ppb以下、又は0.01ppb以下を含む排出物に変換する;いくつかの実施形態では、PFOAの範囲は1ppm~5ppt(パーツパートリリオン)である。あるいは、前記PFAS含有水性混合物は、重量で少なくとも100ppmのPFOS濃度のPFOS(いくつかの実施形態では、少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFOS)を含み、前記方法は、PFOSを1ppm以下、又は0.1ppm以下、又は0.01ppm以下、又は1.0ppb以下、又は0.1ppb以下、又は0.01ppb以下を含む排出物に変換する;いくつかの実施形態では、PFOAの範囲は1ppm~5ppt(パーツパートリリオン)である;前記PFAS含有水性混合物は、0.5~5又は1~3又は約2重量%の有機燃料を含む;前記PFAS含有溶液は、30~50重量%のH22を含む溶液と混合され、好ましくは30:1~70:1重量%比のPFAS溶液:H22の重量比で混合される;前記PFAS含有溶液は、滞留時間が20秒以下、好ましくは10秒、又は5秒以下、又は0.5~5秒として、SCWO反応器を通過する;前記PFAS含有溶液は、50~150mL/min(STP、標準状態)に制御された速度で添加される;開始後、外部加熱が必要でない;前記PFAS含有水性混合物は、少なくとも100ppmのPFOAを含み、前記方法は、前記PFOAの濃度を少なくとも106又は107又は108、いくつかの実施形態では最大約109減少させる;前記方法はモバイルトレーラーで実施される;前記方法はPFASで汚染されたサイトでモバイルトレーラーで実施される;PFASを水性酸化剤と反応させる前記ステップは、超臨界条件下で発生し、浸透壁型反応器で発生する;前記PFAS含有水性混合物は、固体含有混合物である(好ましくは、少なくとも5%又は少なくとも10重量%の固体又は少なくとも15重量%の固体を含む);前記方法は、湾曲した床又は天井を備えた浸透壁型反応器で実施される。
【0013】
本発明はまた、本明細書に記載のいずれかの反応器タイプのSCWO反応器を含む、PFASを破壊するための装置を含む。
【0014】
本発明はまた、PFAS含有水性混合物を含むSCWO反応器を含むPFASを破壊するためのシステムを含む。このシステムは、本明細書に記載の条件及び/又は流体のいずれかを含み得る。
【0015】
別の側面では、本発明は、PFASを破壊するためのシステムを提供し、PFAS含有水性流を混合継手に通すための第1の入口導管、きれいな水の加熱された流れを前記混合流に通すための第2の入口導管、前記混合T字管をSCWO反応器の入口に接続する導管、塩分離器に接続された前記SCWO反応器の出口を含み、前記塩分離器は排出物出口を含み、前記排出物出口は、きれいな水を熱交換器に通すように構成され、前記熱交換器は、前記熱交換器を出て前記混合T字管に入るきれいな水を加熱するように構成され、あるいは、前記排出物出口は、前記排出物を前記混合T字管に通すように構成される。
【0016】
さらなる側面では、本発明は、PFASを破壊する方法を提供し、システム全体に外部から加えられた電子流を供給することにより、腐食の影響を最小限に抑えながら、連続運転下で超臨界条件下でPFASを反応させることを含む。歴史的な観点から、パイプが地面に埋められている場合、例えば水配管の場合、パイプは、犠牲化合物として機能するマグネシウムブロックに接続される。マグネシウムは酸化されるが、鉄パイプは酸化されない。我々の場合、電子ボードは、好ましくはDC電圧を上げることなく、電流量(電子の流れ)を増やすように制御できる電子(犠牲電極の代替)を供給するように設計される。電子の流れは、流体と反応容器の内面の境界での材料の表面密度及び反応の温度によって影響を受けるため、電子の流れを制御する能力が望ましい。
【0017】
別の側面では、本発明は、PFASを破壊する方法を提供し、アルカリ及び/又はアルカリ土類塩の共晶混合物の存在下で超臨界条件下でPFASを反応させることを含む。超臨界状態では、塩は水から沈殿する。沈殿物は反応器を塞ぐ可能性がある;しかしながら、反応器内の条件よりも低い共晶融点を有するアルカリ及び/又はアルカリ土類塩の混合物を選択することにより、塩は溶融したままであり、沈殿物が回避又は低減される。
【0018】
さらなる側面では、本発明は、PFASを破壊する方法を提供し、PFASを少なくとも100℃の温度で過酸化水素の水溶液と反応させ、アルカリ若しくはアルカリ土類化合物(好ましくは酸化カルシウム)又はそれらの混合物と反応させることを含む;PFASの少なくとも90%の破壊をもたらす。
【0019】
さらなる側面では、本発明は、水処理及び除染の方法を提供し、PFASで汚染された水(水が空気で飽和している)をタンクに通すこと;タンク内を真空にして水中に気泡を発生させ、発泡混合物を生成すること;発泡混合物の少なくとも一部をサイクロン空気-水分離器に通すこと(混合物は遠心力を受ける);遠心分離された混合物から空気を汲み出し、脱気及び遠心分離された水性混合物を形成すること、脱気及び遠心分離された水性混合物を収集することを含む。脱気及び遠心分離された水性混合物は、通常、タンクに通された水よりも少なくとも10倍の濃度のPFASを含む。
【0020】
さらなる側面では、本発明は、水処理及び除染の方法を提供し、PFASで汚染された水をタンクに通すことを含み、前記水は空気で過飽和であり、水中で気泡が発生して、発泡混合物を生成するように、タンク内の圧力は比較的低く;及び前記発泡混合物を収集することを含む。
【0021】
さらなる側面では、本発明は、反応器に適用される外部電子流源を使用して、腐食を最小化する方法を提供する。
【0022】
さらなる側面では、本発明は、PFASを破壊する方法を提供し、PFAS水溶液を複数の電極に通すこと;及び、続いてアルカリ又はアルカリ土類元素で形成されたHFを反応させることを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、プロセス全体、又はプロセスのSCWO部分は、重量で少なくとも100ppmPFAS(いくつかの実施形態では、少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFAS)のPFAS濃度を1ppm以下、又は0.1ppm以下、又は0.01ppm以下にすることによって特徴付けることができる。あるいは、重量で少なくとも100ppmPFOA(いくつかの実施形態では少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFOA)のPFOA濃度を1ppm以下、又は0.1ppm以下、又は0.01ppm以下、又は1.0ppb以下、又は0.1ppb以下、又は0.01ppb以下のPFOAにすることによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、PFOAの範囲は1ppm~5ppt(パーツパートリリオン)である。あるいは、重量で少なくとも100ppmPFOS(いくつかの実施形態では少なくとも500ppm又は少なくとも1000ppmのPFOS)のPFOS濃度を1ppm以下、又は0.1ppm以下、又は0.01ppm以下、又は1.0ppb以下、又は0.1ppb以下、又は0.01ppb以下のPFOSにすることによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、PFOSの範囲は1ppm~5ppt(パーツパートリリオン)である。このプロセスは、100ppm未満のPFAS濃度で始まる同じレベルの破壊によっても特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、PFAS汚染水は、少なくとも1000pptの、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(又は少なくとも3つ又は少なくとも4つ又は少なくとも5つ又は少なくとも6つ)の化合物を含む:PFHxA(パーフルオロヘキサン酸)、PFHpA(パーフルオロヘプタン酸)、PFOA、PFBS(パーフルオロブタンスルホン酸)、PFHxS(パーフルオロヘキサンスルホン酸)、PFHpS(パーフルオロヘプタンスルホン酸)、PFOS及びそれらの組み合わせ。これらはプロセスによって処理され、少なくとも2桁(又は少なくとも3桁又は少なくとも4桁又は少なくとも5桁)減少する。いくつかの実施形態では、PFAS汚染水は、少なくとも100pptの、以下からなる群から選択される少なくとも1つ(又は少なくとも3つ又は少なくとも4つ又は少なくとも5つ又は少なくとも6つ)の化合物を含む:PFBA(パーフルオロブタン酸)、PFPeA(パーフルオロペンタン酸)、PFHxA、PFHpA、PFOA、6:2FTS(6:2フルオロテロマースルホン酸)、及び8:2FTS(8:2フルオロテロマースルホン酸)及びそれらの組み合わせ。これらはプロセスによって処理され、少なくとも2桁(又は少なくとも3桁又は少なくとも4桁又は少なくとも5桁)減少し、及び/又は5ppt(又は1ppt)以下に減少する。
【0024】
本発明の様々な側面は、「含む」という用語を使用して説明される。しかしながら、より狭い実施形態では、本発明は、代わりに、「本質的にからなる」又はより狭義には「からなる」という用語を使用して説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、SCWO反応器を通過する前にPFASで汚染された水を処理するための水前処理システムの概略図である。
図2図2は、電界における分離を概略的に示す。
図3図3は、溶液から塩を除去するために使用された実験室規模の装置の図である。
図4A図4Aは、チューブインチューブ熱交換器を示す。
図4B図4Bは、熱交換器の断面図である。
図5図5は、HF水溶液を含む腐食性排出物を高温で処理するためのシステムを示す。
図6A図6Aは、PFASの酸化のためのSCWOシステムを示す。
図6B図6Bは、PFASの酸化のためのコンパクトなSCWOシステムを示す。
図7図7は、実施例で使用された試験反応器の確認を示す。
図8図8は、PFASサンプルのSCWO破壊の結果を示す。
図9図9は、PFASフィールドサンプルのSCWO破壊の結果を示す。
図10図10は、蒸散する浸透壁型反応器内の湾曲した壁を備えたSCWO反応器を概略的に示す。
図11図11は、固形物を除去するための噴霧乾燥システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明において、PFASで汚染された水は、従来の意味を有する。PFASで汚染された水の発生源は、PFASで汚染された地域の土壌、地表水、又は地下水であり得る。これらの地域は、特に防水又は焦げ付き防止コーティングが適用されている工業地域であり得る。PFASで汚染された水のもう1つの一般的な発生源は、AFFF(aqueous film forming foam、水性フィルム形成フォーム)にさらされた飛行場周辺又は消防訓練地域である。別の発生源は貯蔵容器であり得、通常、これらは将来の破壊又は処分のために蓄積される。通常、PFASで汚染された水には非フッ素化有機化合物が存在し、特にAFFF残留物には、塩素化合物又は臭素化合物が存在し得る。
【0027】
前処理
破片やその他の固形物は、PFASを破壊する前に、PFASで汚染された水から取り除くことができる。通常、これは、1回又は複数回の濾過ステップによって達成することができる。いくつかの実施形態では、次第に小さい粒子が除去される複数の濾過ステップを実施することができる。1つ又は一連のフィルターのみを使用できるように、フィルターにバルブを付けることができる。例えば、1つのフィルター又はフィルターのセットは、別のフィルター又はフィルターのセットが稼働し続けている間に、クリーニング又は交換できる。フィルターは、バッグフィルター、カートリッジフィルター、金属スクリーン又は砂(好ましくはケイ砂)など、水をろ過することが知られている任意のタイプのフィルターであり得る。あるいは、又はさらに、遠心分離を使用して固形物を除去することができる。
【0028】
PFASで汚染された水は軟化処理に供することができる。これらの軟化処理は、以下の1つ又は任意の組み合わせを含み得る:イオン交換樹脂、石灰軟化(固体を沈殿させるための水酸化カルシウム水溶液);キレート剤(例えば、EDTAなどによる処理);及び逆浸透。逆浸透は前処理の好ましい処理方法である。いずれの前処理でも、前処理媒体へのPFASの捕捉を考慮する必要がある。あるいは、又はさらに、有機物などの化合物は、疎水性粘土を通過させて乳化油及び粒状活性炭(どちらもPFASを吸収する可能性があるため、前処理での吸着剤のこの使用には、追加の処理ステップが必要になる場合がある)を除去することによって除去することができる。
【0029】
前処理システムの一実施形態を図1に示す。供給源110(供給タンクなど)からのPFAS汚染水は、固形物分離器112を通して、次に任意選択のフィルター114、116、118を通してポンプで送られる。固形分が減少した水120は、軟化剤122において、望ましくない対イオン(通常、CA及びMg)が除去/置換され得る。必要に応じて、追加のきれいな水124を追加することができる。あるいは、又はさらに、軟水126又は水120を逆浸透システム128に通すことができる。軟化剤122は、フラッシュされ得、フラッシュ水は、粒状活性炭132を含み得る精製器システム130に送られ、次に、排出されるか、又は蒸発保持タンクに送られる。
【0030】
逆浸透(RO)システムは、水流からPFASを除去又は濃縮できる。PFASを含まない(又はPFASが減少された)水は膜を通過し、PFASと塩は塩溶液流に送られる。RO膜のカスケードを実装することにより、PFASの除去とスループットの効率が向上する。いくつかの実施形態では、ROは、PFASの濃度を少なくとも5倍又は少なくとも10倍、及びいくつかの実施形態では5~30倍又は5~20倍の範囲で増加させるために利用される。
【0031】
電場での分離は、反応器に供給する前の水、若しくはきれいな排出物、又はその両方に適用できる別の概念である。この概念を図2に模式的に示す。一定の電界が水に適用される。反応器の入口に向かって流れる水については、対象のPFAS化合物を運ぶ水を濃縮し、問題のある化学種を除去することができる。一部の反応器プロセスの排出物は、水を電界に通すことによって除去できる重金属原子を含み得る。水流は、2つの流れ、3つの流れ、又はそれ以上(好ましくは2つ又は3つ)に分離することができる。静電プレートは簡単に交換して掃除できる。
【0032】
任意選択の濃縮ステップは、PFASで汚染された水性混合物をマイクロバブルで処理してPFASを混合物の上部に上昇させ、そこで分離できるようにすることで実現できる。好ましい濃縮方法の詳細な説明を以下に提供する。
【0033】
PFASを含む水溶液からの塩は、小径のノズルから水が気化する非常に大きな容量の膨張容器にスプレーすることにより、溶液から除去でき、ノズルの外面に塩を含む鍾乳石を残す。PFAS含有水溶液は、熱交換器で加熱し、任意選択で加圧してから、小径のニードル又は小さな出口オリフィス若しくはオリフィスを備えた他のノズルを通過させて、急速に大容量に膨張させることができる。好ましい実施形態では、ノズルにつながる導管は、外側の流れ(プロセスからの高温のリサイクル流れであり得る)によって覆われ、加熱される。膨張容器内の圧力は、ノズルに通じる導管内の圧力よりも低く、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍低い。ノズルオリフィスの直径は、好ましくは2.5mm以下又は1.5mm以下であり、いくつかの実施形態では0.5mm以下である。蒸気は下流に流れ、SCWO反応器に入る前に凝縮することができる。このようにして、SCWO反応器の目詰まり及び/又は腐食を大幅に減らすことができる。ノズル302上に形成される固形物は、こすり落とされるか、又はノズルから落下し得る。必要に応じて、蒸気流から固形物を取り除くことができる。いくつかの実施形態では、本発明は以下を含む:PFAS破壊プロセスの一部としての塩の除去;塩除去装置、好ましくはSCWOシステム又は装置の一部;及び/又はノズルに付着したPFASを含む塩。水溶液から塩を除去するために使用される実験装置は、塩鍾乳石304を示す図3に示される。この装置及びその使用は、本発明のさらなる任意の側面である。
【0034】
真空空気浮揚(Vacuum Air Flotation、VAF)と真空強化サイクロン分離(Vacuum Enhanced Cyclone Separation、VECS)を使用した水からのPFAS濃縮
PFASの界面活性剤特性を考えると、それらは気液界面で分配し、表面水体の空気-水界面に濃縮する傾向がある。波の作用により気泡が発生し、泡が形成する。実験室での研究により、PFASで汚染された水に空気を吹き込むことでPFASの除去を達成できることが実証されている(Meng et al.,Chemosphere(2018),“Efficient removal of perfluorooctane sulfonate from aqueous film-forming foam solution by aeration-foam collection.”)。US2014/0190896では、Dicksonは、産業廃棄物を処理するための激しく混合されたオゾンの使用について検討している;このプロセスで生成されたより軽い泡は、泡濃縮器によって分別チャンバーに送られる。従来技術のプロセスは、管理が困難な大量の泡を生成する水を介して泡立つ大量の空気に関連する問題、ならびに放出されるエアロゾルに関する懸念を有する。
【0035】
本発明のいくつかの態様では、VAFとVECSの組み合わせは、除去を最適化し、上記の問題を克服する。VAFの原理は、高真空条件下に維持されているセルの底に空気(窒素と酸素)で飽和した水を注入することにより、処理セル内にマイクロバブル(曇った水として見える)を生成することである。空気飽和水が低圧環境に入ると、水は空気で過飽和になり、空気が溶液から脱落してマイクロバブルを生成する。タンクに空気を吹き込むのとは異なり、これらの気泡は非常に細かいため、本質的に浮揚チャンバー全体を占め、非常にゆっくりと上昇し、空気散布によって達成できるものよりもはるかに大きな空気とPFASの接触を可能にする。さらに、散布用途で注入されるものと比較して、非常に少量の空気がセルに導入される。これにより、PFASを「こすり洗い」し、チャンバーの上部に穏やかに浮かせることができる。処理セルは、好ましくは、バッフルによって分離された直列のいくつかの浮揚セルを有する。順方向の流れは、重力によって1つの浮揚チャンバーから次の浮揚チャンバーに流れる。直列チャンバーを使用すると、処理効率が向上する。例えば、各セルでPFASの75%の除去が達成された場合、3つのチャンバーを直列に接続すると98%の除去が達成され、4つのセルで99.5%を超える除去が達成される。
【0036】
空気飽和水は、空気が水に泡立つ単純な容器で生成できる。水は、汚染されていない水源、場合によっては処理された排出物から引くことが好ましい。浮揚チャンバーが真空下にあるため、空気で飽和した水は、浮揚チャンバーに引き込まれ、したがって、この水を汲み出す必要はない。
【0037】
各チャンバーからの泡は、タンクの別々の泡収集セクションに流出する。タンクは、すべて1つのエンクロージャーの一部であるため、真空下にある。これによりエアロゾルの放出を防ぎ、タンク内に漏れがあってもエアロゾルが漏れるのではなく空気が漏れる。後のチャンバーからの泡はより希釈される傾向があり、泡を破壊するために排出物を噴霧することができ、その後、処理セルの入口にリサイクルされることになる。最初のチャンバーからの泡は非常に濃縮され、処理セルの真空を作成するために使用されるのと同じ真空ポンプに接続されているパイプから吸い出され得る。空気の流れを再利用することによって高い空気の流量が生成され、これは泡の引き抜きを容易にすることができる高い流速を生じさせる。泡と空気の混合物は、依然として真空下にあるサイクロン空気-水分離器に送られる。真空下にあると気泡が大きくなり、安定性が低下するため、泡を真空下に置くと泡の破壊が促進される。サイクロン空気-水分離器内では、混合物が円筒壁に接して分離器に入るときに高い遠心力が発生し、遠心分離効果が生じる。遠心力と高真空の組み合わせにより、泡の破壊が助けられ、濃縮されたPFAS溶液から空気が分離される。空気は分離器の上部から出て、真空ポンプ(例:液体リングポンプ)に引き込まれる。真空ポンプの排出物の大部分は、セルから泡を回収するために処理セルに再循環される。少量の空気が放出される。理論的には、排出される空気の量は、きれいな水タンクに溶解されて浮揚チャンバーの底に注入された空気の量と同じくらい少なく、非常に少量になる。この少量の空気は大気に放出されるが、必要であると判断された場合は、デミスターユニットを通過して、随伴の液体が運び出されないようにすることができる。空気-水分離器内及びデミスターからの水溶液は、ポンプで排出され、廃棄(例えば、オンサイト又はオフサイトでの破壊)又はさらに濃縮(例えば、スラッジを作成するための沈降を伴うバッチ凝集)のために封じ込められる。単純な曝気を使用した試験では、濃縮係数又は8400を達成できることがわかった(Mengら、2018)。例えば、流入水の流量が100gpmの場合、生成される廃棄物の量は1日あたり17ガロンになる。このプロセスを使用して、これをさらに濃縮して(流入濃度に応じて、1桁又は2桁であり得る)、体積をさらに減らすことができる。例えば、流入物に1μg/L(1000ppt)のPFASが含まれていて、溶液を濃縮して0.1%PFAS(1000ppm)を達成できた場合、100万対1の濃縮係数を達成したことになる。上記の例では、1日あたり17ガロンではなく、1年あたり52ガロンしか生成されない。少量の水が、オンサイト又はオフサイトでの破壊方法、及びオンサイトでの沈殿に適用できるため、スラッジの量ははるかに少なくなる。
【0038】
このシステムの費用対効果に関しては、化学薬品や媒体は不要であり、プロセス全体は主に真空ポンプによって駆動されることを考慮する。真空ポンプは、空気飽和水を引き込み、泡を処理セルから引き抜くのに必要な空気を再循環させる。きれいな水タンクに空気を吹き込むには小さなブロワーが必要であり、処理セルから水を汲み出す必要がある。バッフル付きタンクはカスタム設計でき、いくつかのバッフル付きセクションがある。サイクル分離器とデミスターは商用ユニットにすることができる。運転が開始されると、機械設備の電気以外の材料を消費する必要がなく、廃棄物はほとんど発生しない。少量の濃縮溶液でオンサイト破壊ユニットを使用すると、廃棄物がゼロになり得る。
【0039】
本発明の別の態様では、溶存空気浮揚(dissolved air floatation、DAF)の使用は、PFASの除去を容易にする。DAFの原理は、最初に加圧水(通常は約75ポンド/平方インチゲージ[psig]の圧力)であるホワイトウォーター(空気(窒素と酸素)で飽和している)と呼ばれるものを生成することにより、処理セル内にマイクロバブル(曇った水として見える)を生成することである。ホワイトウォーターが大気圧環境に入ると、水は空気で過飽和になり、空気が溶液から脱落してマイクロバブルを生成する。タンクに空気を吹き込むのとは異なり、これらの気泡は非常に細かく、本質的に浮揚チャンバー全体を占め、非常にゆっくりと上昇し、曝気/空気散布によって達成できるものよりもはるかに大きな空気とPFASの接触を可能にする。さらに、散布用途で注入されるものと比較して、非常に少量の空気がセルに導入される。これにより、PFASを「こすり洗い」し、チャンバーの上部に穏やかに浮かせることができる。処理セルは、好ましくは、バッフルによって分離された直列のいくつかの浮揚セルを有する。順方向の流れは、重力によって1つの浮揚チャンバーから次の浮揚チャンバーに流れる。直列チャンバーを使用すると、処理効率が向上する。例えば、各セルでPFASの75%の除去が達成された場合、3つのチャンバーを直列に接続すると98%の除去が達成され、4つのセルで99.5%を超える除去が達成される。
【0040】
ホワイトウォーターは、空気が水に泡立つ圧力容器内で生成することも、ベンチュリインジェクター又はコンプレッサーを使用してポンプ(例えば遠心ポンプ)の出口に空気を導入することによって生成することもできる。水源は通常、リサイクルされた排出物である。次に、ホワイトウォーター水が各浮揚チャンバーに注入される。
【0041】
最初のチャンバーからの泡は、タンクの泡収集セクションに流出し、そこで泡が少量の濃縮PFAS溶液に分解する時間が与えられる。この最初のチャンバーは、濃縮ステージと呼ばれる。このステージは、順方向の流れからPFASを除去することだけでなく、除去された泡を可能な限り高濃度にすることも目的としているからである。
【0042】
後続の各チャンバー(ポリッシュステージと呼ばれる)では、上から連続的にスキミングが行われ、スキミングされた水が収集されて濃縮ステージに戻されてさらに濃縮されるが、これらのステージには、操作制御を通じて濃縮ステージと同様に機能する能力もある。
【0043】
曝気/散布の代わりにホワイトウォーターを使用してマイクロバブルを生成すると、水面から放出される空気の量が非常に少なくなり、水面での攪拌がほとんどなくなる。これにより、エアロゾルの放出が防止され、より扱いやすい泡になる。また、ブロワー/コンプレッサーで大量の加圧空気を生成する必要がなくなるため、エネルギー消費量も削減される。
【0044】
PFASでより高度に汚染された流入物の場合、最初のチャンバーからより多くの泡が生成される。必要に応じて、真空ポンプを使用して泡収集容器から泡を吸引する場合には、任意選択のサイクロン分離器を適用できる。空気の流れを再利用することによって高い空気の流量が生成され、これは泡の引き抜きを容易にすることができる高速を作り出す。泡と空気の混合物は、依然として真空下にあるサイクロン空気-水分離器に送られる。真空下にあると気泡が大きくなり、安定性が低下するため、泡を真空下に置くと泡の破壊が促進される。サイクロン空気-水分離器内では、混合物が円筒壁に接して分離器に入るときに高い遠心力が発生し、遠心分離効果が生じる。遠心力と高真空の組み合わせにより、泡の破壊が助けられ、濃縮されたPFAS溶液から空気が分離される。空気は分離器の上部から出て、真空ポンプ(例:液体リングポンプ)に引き込まれる。真空ポンプの排出物の大部分は、泡の回復のために泡収集容器に再循環される。少量の空気が放出される。理論的には、排出される空気の量は、泡の一部として随伴される空気の量と同じくらい少なくなる。この少量の空気は大気に放出されるが、必要であると判断された場合は、デミスターユニットを通過して、随伴の液体が運び出されないようにすることができる。任意選択のサイクロン分離が必要な場合は、「真空空気浮揚(VAF)及び真空強化サイクロン分離(VECS)を使用した水からのPFAS除去」と呼ばれるこのDAF技術の変更を使用することを検討する必要がある。
【0045】
濃縮されたPFAS溶液はポンプで排出され、廃棄(例えば、オンサイト又はオフサイトでの破壊)又はさらに濃縮(例えば、蒸発)のために封じ込められる。この液体の体積は非常に小さいはずであるが、どれだけ小さいかを判断するには試験が必要である。単純な曝気を使用した試験では、濃縮係数又は8400を達成できることがわかった(Mengら、2018)。例えば、流入水の流量が100gpmの場合、生成される廃棄物の量は1日あたり17ガロンになる。このプロセスを使用して、これをさらに濃縮して(流入濃度に応じて、1桁又は2桁であり得る)、体積をさらに減らすことができる。例えば、流入物に1μg/L(1000ppt)のPFASが含まれていて、溶液を濃縮して0.1%PFAS(1000ppm)を達成できた場合、100万対1の濃縮係数を達成したことになる。上記の例では、1日あたり17ガロンではなく、1年あたり52ガロンしか生成されない。少量の水が、オンサイト又はオフサイトでの破壊方法、及びオンサイトでの沈殿に適用できるため、スラッジの量ははるかに少なくなる。
【0046】
このシステムの費用対効果については、化学薬品や媒体は不要であり、プロセス全体は主に約75~100psigの圧力を生成する水ポンプによって駆動されることを考慮すべきである。バッフル付きタンクはカスタム設計でき、いくつかのバッフル付きセクションがある。運転が開始されると、機械設備の電気以外の材料を消費する必要がなく、廃棄物はほとんど発生しない。少量の濃縮溶液でオンサイト破壊ユニットを使用すると、廃棄物がゼロになり得る。
【0047】
予熱
PFAS含有水は、好ましくは、反応器に入る前に(通常は直前に)加熱される。反応器からの熱は、反応器に入る水を加熱するために使用される。熱交換器の使用は、プロセスをよりエネルギー効率が高く、コンパクトにし、反応器の耐用年数を延ばす。チューブインチューブ熱交換器が特に望ましい。図4に示す熱交換器を実装して試験した。
【0048】
超臨界水酸化(SCWO)
始動には、砂浴などのヒートシンクを加熱するために、電気又はガスによって発生される追加の熱が必要である。供給流内の補助燃料が酸化されている場合、始動後に外部熱をほとんど又はまったく供給する必要はない。燃料は、酸化反応器内の条件下で容易に酸化する任意の有機化合物であり得る。好ましい燃料には、メタノール又はイソプロピルアルコールなどのアルコール、アセトン、又は他の任意の、好ましくは水溶性の有機燃料が含まれる。
【0049】
アルカリ又はアルカリ土類元素は、濃縮PFAS溶液とともに酸化反応器に加えることができる。あるいは、アルカリ又はアルカリ土類元素を、酸化反応器を出る排出物に添加することができる。例えば、反応器に入るPFASで汚染された水性混合物にアルカリ又はアルカリ土類元素がほとんど又はまったく追加されなくてもよく(任意選択の軟水化前処理であまり望ましくない対イオンと交換されるNaを除く)、排出物はNaOH溶液で処理して溶液を中和し、排出液中のHFをフッ化ナトリウムと水に変換する。アルカリ又はアルカリ土類元素(好ましくはNaOHの形態で)の添加は、SCWOに続く任意の時点で、好ましくは溶液が超臨界でなくなった後に添加することができる。得られた塩基性溶液は、好ましくは水酸化ナトリウムが必要に応じて添加される連続プロセスにおいて、排出物を再度中和するためにリサイクルすることができる。中和された排出物は、汚染された混合物が酸化反応器に入る前に、熱交換器を通過して、PFASで汚染された水性混合物を加熱することができる;そして、比較的低温の排出物は、次にリサイクルされるか、環境に放出されるか、又はオンサイト若しくは水処理施設で追加の処理に供することができる。
【0050】
パーフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル物質(PFAS)は破壊され、炭酸塩、フッ化物塩、及び硫酸塩に変換される。PFASの破壊又は変換は、温度、圧力や、水、酸化剤、及び任意選択でアルカリ若しくはアルカリ土類元素(又はそれらの混合物)の添加の相乗効果によって達成される。アルカリ又はアルカリ土類元素は、HFを除去するために、反応器への供給物、又は好ましくは排出物に添加することができる。CsOH、NaOH、KOH、又はLiOHなどの化合物を添加して、それぞれCsF、NaF、KF、又はLiFを生成することができる。Ca(OH)2。酸化プロセスの最後に急冷を追加してHFを除去し、NaF又はCaF2を形成することができる(例えば)。このプロセスは、本質的に、水中の有機分子の燃焼から、1)炎及び2)環境に有害な関連する環境汚染物質を差し引いたものである。酸化反応の最も注目すべき生成物は、環境に優しい二酸化炭素と水である。フッ化物(CaF2など)は水から除去し、必要に応じてさらに処理するために分離することができる。プロセス水はシステムに再利用できる。
【0051】
本発明による1つの好ましいシステムでは、PFASの少なくとも100kg又は少なくとも200kg/時の速度で、いくつかの実施形態では、PFASの1時間あたり100~500kgの範囲でPFASを破壊するように設計される。スループット要件とスケジュールを満たすために、並列装置を使用できる。さらに、タンデムSCWOを使用して、反応器の断面積を増やし、スループットを向上させる。このシステムは、1)複数の噴射反応点、2)磁場を使用して実装されるらせん反応経路、3)「アフターバーナー」の火炎の差し引きなどの特徴を組み込むことができる。従来のSCWOでは、PFAS負荷/有機負荷流入物のヘッド注入ポイントは1つだけである。SCWOのパフォーマンスは、マルチ注入ポイントを使用することでターボブーストできるため、システムの運転スループットが桁違いに向上する。反応チャンバー内には複数の反応電荷種が生成され、それらは磁場の影響を受け、相互作用の周波数又は反応断面積を確実に増幅する必要性に応じて、集束又は拡散することができる。アフターバーナーはSCWO構成であり、追加の破壊効率が必要な場合は、冷却前に排出物をさらに処理できる。
【0052】
この装置は、1)定位置の用途又は2)現場への輸送用に設計できる。定位置の構成は、都市の水処理システムなどの恒久的に設置される水道施設などの恒久的な処理プラントで使用できる。ポータブルユニットは、一時的な構造物が適切である低負荷要件の地域で使用できる。ポータブルユニットは、セミトラック又はトレーラーや輸送コンテナなどのより小さな密閉空間で輸送できるサイズになっている。
【0053】
この設計は、装置を変更せずに、操作パラメータを変更することにより、他の有機汚染物質の処理に適応できる。
【0054】
SCWO反応器の内面の不動態化
反応器の内面は耐食性材料(例えば、白金アルミナイド、B4C(ホウ素カーバイド)、SiC(シリコンカーバイド)、TaC(タンタルカーバイド)、WC(タングステンカーバイド)、YF3(フッ化イットリウム)などの金属フッ化物、YN(窒化イットリウム)、LaF3(フッ化ランタン)、LaN(窒化ランタン)、YbN、YbF3、若しくは任意のランタニド窒化物又はランタニドフッ化物、HfN(窒化ハフニウム)、CeN(窒化セリウム)、CeF3(フッ化セリウム)、TaN(窒化タンタル)、Ta(タンタル)、TaF(窒化タンタル)、ZrN(窒化ジルコニウム)、ZrF(窒化ジルコニウム)、WC(タングステンカーバイド)、WN(窒化タングステン)、又はそれらの組み合わせ)でコーティングすることができる。
【0055】
あるいは、又はさらに、犠牲電極又は印加電流陰極防食法を使用することにより、腐食を低減することができる。
【0056】
連続式又はバッチ式反応器による破壊
SCWOシステムは、供給温度を上げ、供給圧力を上げることで作動する。圧力の上昇は、加熱のみが原因である場合(これが好ましい)もあれば、コンプレッサー又は高圧(往復)ポンプを介してさらに上昇する場合もある。温度は、導管(連続式反応器の場合)又は反応チャンバー(バッチ反応器の場合)を介した熱の適用、及び/又は溶液中で熱を発生させるために酸化されるアルコールなどの燃料の添加によって上昇する。酸化のために超臨界条件が維持される;反応導管又は反応チャンバー内の条件は、好ましくは374℃~1200℃の範囲であり、少なくとも220bar、より好ましくは221~300barである。いくつかの実施形態では、SCWO反応器内の温度は、500℃以上、又は600℃以上、及び500又は600から700℃又は800℃の範囲に維持される。
【0057】
PFASの破壊によるフッ素副産物の取り扱い
本発明のプロセスにおける重要なステップは、フッ素の取り扱いである。HF(フッ化水素酸)は腐食性で毒性があり、環境に放出することはできない。
【0058】
PFOAの予想される完全酸化反応は次のとおりである。
【数1】
【0059】
代替の反応又は追加の反応は、CsOH+NaOH又はKOH+LiOHを投入物に追加して、イオンのバランスを取り、HFを回避することである。
【0060】
CsF、NaF、KF、及びLiFは、HFよりも環境に優しい塩である。
例:
【数2】
【0061】
これらの塩の組み合わせは、反応器の温度よりも低い共晶点を持っているため、慎重に選択された。そのため、流体は、固体(望ましくない流体の物理的状態)ではなく、溶融材料として移動する。例えば:
CsF-NaF、全塩混合物に対して23.5mol%のNaF-共晶点609℃
KF-LiF、全塩混合物に対して50mol%のKF-共晶点485℃
【0062】
これらの塩は超臨界水には溶けないが、液体の水には溶ける。固体粒子は反応器を汚し、それを詰まらせる可能性がある。
【0063】
高温(例えば、約700℃)のHF水溶液を含む腐食性排出物は、混合パイプに流れ込むことができる。通常ヒドロキシ塩を含む冷却水を混合パイプに供給して、腐食性排出物と混合することができる。冷却された排出物には、NaFなどの溶解したフッ化物塩が含まれる。このシステムを図5に示す。
【0064】
好ましいSCWO反応器の設計は、(典型的には前処理された)PFAS含有水溶液がSCWO反応器に送られる連続式又は半連続式システムである。いくつかの実施形態では、水溶液は、PFAS富化画分とPFAS枯渇画分に分離される。PFAS枯渇画分は、SCWO反応器に入る前に加熱され、PFAS枯渇画分(同一のPFAS枯渇画分(この場合は画分が再度組み合わせられる)、又は別のPFAS枯渇画分)と組み合わせられる;PFASで汚染された溶液(塩を含む場合もある)を加熱する時間と量を減らすことにより、腐食を減らすことができ、これは、装置の寿命を延ばし、排出物中の重金属などの汚染物質を減らし、SCWO反応器の目詰まりを減らす場合がある。
【0065】
固体がSCWO反応器内で形成されるため、固体が重力によって下向きに引っ張られて反応器から出るように、反応器が下向きに傾斜することが望ましい。いくつかの実施形態では、流路は重力に対して真っ直ぐで垂直(0°)である;いくつかの実施形態では、反応器は、重力に対して、例えば5~70°(垂直に対して)又は10~50°又は10~30°又は10~20°の範囲で傾斜しており、そして、流れが逆方向に移動するように曲げて、重力に対して流れが一貫して下向きであるコンパクトな装置を提供することができる。好ましくは、反応器は、耐食性材料で形成された円筒形パイプである。望ましくは、パイプは、少なくとも1cm、好ましくは少なくとも2cm、いくつかの実施形態では最大約5cmの内径を有する。
【0066】
超臨界条件でのSCWO装置の構成部品を通る流れは、乱流(Reが少なくとも2000、好ましくは2500~6000の範囲)の下で行われる必要がある。SCWO反応器からの排出物は、超臨界条件下で塩分離器に流入することができる。
【0067】
好ましいシステム400を図6Aに示す。PFASで汚染された水(原料)402は、混合T字管404に入る。PFASで汚染された水は、周囲条件(室温)又は比較的低温でT字管に入り、入口ラインが腐食しないようにする。混合T字管では、PFASで汚染された水402が、例えば650℃であり得る高温できれいな水406と混合される。組み合わせられた流れは組み合わせられた温度になる。酸化剤426は、流れ402又は406のいずれかにあり得るが、時期尚早な反応を防ぐために好ましくは406にある。好ましくは、燃料(存在する場合)は、酸化剤を含まない流れの中にある。組み合わせられた流れ408は、始動のために、SCWO反応器410(絶縁及び加熱手段によって囲まれた(重力に関して)垂直な管であることが好ましい)を通過する。SCWO反応器内の温度は、好ましくは500~700℃の範囲である。排出物412は、塩分離器414に入り、そこで塩416を手動で又は排気システム418を通して除去することができ、塩溶液420としてシステムを出る。塩416は、塩化ナトリウム、フッ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、又は他のアルカリ若しくはアルカリ土類元素の対応する塩の混合物であり得る。上澄み422は、(好ましくは、流体422の温度が、きれいな水406が熱交換器を出る場所で最も高くなるように、図示された方向で)分離器を出て、熱交換器424を通って送られる。熱交換器を通過した後、きれいな水の流れ406を任意選択でヒーター430に通して、水を好ましくは600℃以上に加熱することができる。熱交換器を通過した後、排出物432は、システムを出て、任意選択で、SCWO反応器を出た後の任意の時点で中和することができる。排出物の全部又は一部をシステムにリサイクルしたり、及び/又は環境や水処理施設に放出したりすることもできる。
【0068】
別の反応器構成を図6Bに示す;これは、反応器が重力に対して傾斜していることを除いて、図6Aの反応器と同様である。
【0069】
酸化剤
PFASを破壊するための超臨界水の酸化に使用される反応物酸素の2つの試験された原料は、酸素ガス(O2)と過酸化水素(H22)である。これらの2つの化学種に加えて、又はそれらの代わりに、他の反応物酸素源又は酸化剤を添加して、酸化反応器内のPFASを破壊することができる。他の酸化剤は、オキシアニオン種とペルオキシ酸である。これらには、鉄酸塩(FeO4 2-)、過炭酸塩(例:C226)、過マンガン酸塩(例:KMnO4)、ペルオキシ一硫酸カリウム(商業的にはオキソンとして知られている)、ペルオキシ安息香酸、及びオゾン(O3)が含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
オキシアニオン種は、鉄酸塩(FeO4 2-)、過炭酸塩(CO4 2-)、過マンガン酸塩(例:MnO4 -)、及びオキソンを含むがこれらに限定されない化学物質のカテゴリーである。これらの種の一般的な傾向は、周囲の環境条件を超えると、酸素放出の速度が増加することである。本発明のシステムは、超臨界水条件を達成するために、高温及び高圧で作動することができる。これらの同じ条件下で、オキシアニオン種は容易に分解して酸素を放出する。したがって、オキシアニオン種は、反応物の酸素源として組み込まれる可能性がある;ただし、Mnなどの元素を追加すると、反応器を詰まらせる追加の固体が形成される可能性がある。
【0071】
過安息香酸及び他のペルオキシ酸は、一般に酸化剤と見なされる。歴史的に、それらは主にアルケンのエポキシドへの酸化、ケトンのエステル及びラクトンへのバイヤービリガー(Baeyer-Villiger)酸化、及びヘテロ原子の酸化物への酸化(アミンからアミンオキシド、硫化物からスルホキシド及びスルホン、セレニドからセレノキシド、ホスフィンからホスフィンオキシド)に使用される。本発明において、ペルオキシ酸は、PFAS破壊のための酸化剤になり得る。
【0072】
オゾンは中性水溶液中で不安定であり、通常はO2と他の種に分解する。このように、オゾンは、本発明のプロセスの反応物酸素の供給源となる可能性がある。
【0073】
好ましい酸化剤は、過剰に添加することができる過酸化水素(例えば、少なくとも50%若しくは少なくとも100%の過剰又は50%~300%の範囲の過剰)及び反応して二酸素及び水を形成する過剰な過酸化水素である。
【0074】
燃料
0.5~5又は1~3又は約2wt%の有機燃料(例えば、イソプロピルアルコール)は、反応器を450℃~600℃に加熱するのに十分なエネルギーで燃焼する。始動時に、20~450まで(電気的に)加熱する必要がある。その後、IPAが点火し、燃焼し、反応器内で流体を600℃(目標反応器温度)に加熱する。これを実行したら、反応器からの熱を使用して(電気砂浴の代わりに)流体を予熱し、反応が定常状態で等温的に進行するようにする。ただし、砂浴又は他のヒートシンクを熱交換器として使用して、反応器コイルから予熱管を加熱することができる。
【0075】
燃料の追加は、選択した任意のスケールと流量で操業する。例えば、100ガロンのPFAS汚染水を2.54ガロンのイソプロピルアルコール(密度=0.785g/mL)で処理する場合、100kガロンがあれば、2540ガロンのIPAで処理できる。あるいは、必要な熱に基づいて燃料の量を計算することもできる。例えば、IPAの酸化により1912kJ/molが発生し、IPAの分子量は60.1g/molであるので、約20mg/mLのPFAS水が必要な場合は、0.64kJ/mLのPFAS溶液が必要になる。
【0076】
また、PFAS溶液に7wt%のPFASが含まれる場合(溶解限度をはるかに超えているため、通常は実行不可能)、定常状態では等温的に実行できると計算した。破壊は発熱性であり、流体を加熱するために必要な熱と一致する。
【0077】
高温高圧、過酸化水素の相乗作用による破壊
水中のPFASは、過酸化水素及び酸化カルシウムと混合される。溶液は混合され、高温(例えば、少なくとも250F又は少なくとも300F、いくつかの実施形態では、250又は300F~500Fの範囲)及び少なくとも2気圧、好ましくは少なくとも3気圧の圧力に維持された圧力容器内に置かれ、例えば、窒素で5気圧に3時間加圧する。
反応容器内に形成された沈殿物は、上澄み液から分離することができる。PFASは反応性が非常に低い。驚くべきことに、PFASと過酸化水素水溶液及びアルカリ若しくはアルカリ土類元素の組み合わせ(又は上記の高温及び高圧)との反応により、比較的穏やかな条件で99%を超える破壊が達成される可能性があることを発見した。酸化カルシウムを反応混合物に加えて、HFの形成を抑制し、その結果、フッ化カルシウムが形成される。したがって、本発明は、少なくとも100℃の温度、好ましくは120~200℃の範囲、又は130~170℃若しくは140~160℃の範囲での、PFASと過酸化水素及び酸化カルシウムの水溶液との反応を含む。好ましくは、PFASの少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも99%がこの方法によって破壊される。
【0078】
追加の条件
本発明のプロセスのいずれも、以下の1つ又は任意の組み合わせによって特徴付けることができる。供給中の燃料に点火するために酸化反応器を少なくとも450℃の温度に加熱する温度プロファイル。いくつかの好ましい実施形態では、PFAS含有溶液は、30~50重量%のH22を含む溶液と混合され、好ましくは30:1~70:1(重量%比)、又は特に好ましい実施形態では約50:1のPFAS溶液:H22の重量比で混合される。いくつかの実施形態において、PFAS含有溶液は、20秒以下、好ましくは10秒、又は5秒以下、又は0.5~5秒の滞留時間でSCWO反応器を通過する。PFASが超臨界条件で破壊される反応器では、反応器の体積は超臨界流体条件を含む体積に基づく。好ましい反応器構成は、連続プラグフロー反応器である。いくつかの試験では、濃縮PFASの供給物は、約50mL/minの速度で酸化反応器に送られる;いくつかの実施形態では、速度は50~150mL/min(標準状態)の間に制御される;この速度は、目的の条件が得られるように調整できる。供給物は、燃料及び酸化剤を含むことができる。好ましくは、始動後に外部加熱は必要でない。いくつかの実施形態では、PFAS含有水性混合物(好ましくは濃縮前処理後)は、少なくとも100ppmのPFOAを含み、本方法は、PFOA濃度を少なくとも106又は107又は108、いくつかの実施形態では最大約109減少させる。
【0079】
これらの条件のいずれも、モバイルユニットで利用又は獲得することができる。
【0080】
PFASで汚染された固体の超臨界酸化処理
粒度分布が不明な入力された未分類の固体サンプル(例えば、土壌)は、可変流量のSCWOの流動化圧力にさらされる。流れを制御することで、粒子密度の反転と、土壌の粒状成分(砂、シルト、粘土有機物)への分離が可能になる。この流動化する「床」は、圧力に基づいたサイズ分布で分類しながら、固体サンプルを介してSCWの急速な浸透を引き起こす。チャンバーの「天井」は、塩の蓄積を防ぎ、固形物によるSCWのさらなる浸透を可能にする、SCWの従来の浸透壁になる。
【0081】
「床」と「天井」の領域を湾曲させると、角度に沿って自然な圧力勾配が生じ、複雑な圧力調整を行わなくても、流動化圧力と重力が自然に減少する。粒子がチャンバー内を漂流するとき、粒子は反転点を超えて流動化する角度のある場所を好み、土壌を塩や排出ガスから自然に分離する。大きな粒子は、ガスと塩が除去されている間、より長い処理時間にさらされる。洗浄された土壌は、圧力サイクル中に出る。チャンバーの排出は、従来のTWSCW反応器と同様に、塩溶液チャンバー内の塩と排出ガスを収集できる。これは、予熱されたPFAS原料が反応器に入り、ガスと溶液が上に向かって出て、固体が下から出ている浸透壁と併せて、図10に示されている。
【0082】
SCWOは現在、水性サンプル、又は担体液に懸濁されたコロイドに対してのみ大規模に行われている。このアプローチは、事前選別や水懸濁液なしで固形物を自然に処理する。この設計はまた、寸法を迅速に拡大させたり、並列化したりすることができる。SCWO反応器は発熱性であるため、プロセス全体は、最初の始動後、熱的及び電気的に自己継続することができる。この反応器の設計は、使用済み活性炭、化学的に汚染された石、都市固形ごみ処理、及び土壌サンプルに適用される。
【0083】
他の解決策には、従来の浸透壁型反応器、管状反応器、逆流タンク、又はフィルム冷却反応器が含まれる。浸透壁型反応器は、PFAS、特に固体のSCWO破壊に役立ち得る。浸透壁は、乱流で固体を運び去る間、塩や酸が反応器の壁と長時間接触するのを防止する。
【0084】
流動化を適用することにより、SCWOスケーリングの多くの問題が解消される。まず、事前選別又は前処理なしで、土壌サンプルは大量に高速(例えば、少なくとも10kg/hr又は少なくとも50kg/hr、いくつかの実施形態では、最大約500kg/hr又は300kg/hr)で処理することができる。次に、SCWを流動化すると、粒子の浸透が大幅に増加し、大きな粒子サイズよりも小さな粒子サイズに優先的に浸透する。PFASなどの汚染物質は、より小さな土壌粒子に結合することを好むため、これにより破壊率が向上する。最後に、湾曲した設計を使用することで、可変流動化設計から油圧の複雑さが解消され、システムがより堅牢になる。これはまた、時変流動化圧力による反応器容積内の意図的な乱流の生成など、さらなる革新のための大きな機会を提供する。
【0085】
モバイルユニット
モバイルユニットの一例は、トレーラーを輸送することができる(そして好ましくはその中で操作することができる)。例えば、システムは、長さが29フィート(8.8m)以下、幅が8フィート6インチ(2.6m)以下、及び高さが13フィート6インチ(4.1m)以下の寸法のトレーラーで輸送(及び任意選択で操作)できる。これらの寸法は、モバイルシステムの好ましいサイズを定義するが、この領域の作業者は、他の寸法をモバイルユニットで利用できることを理解できる。
【0086】
後処理
酸化プロセスは本質的にすべてのPFASを破壊するため、処理された排出物は安全に環境に放出される。いくつかの実施形態では、排出物の少なくとも一部が空気中に蒸発する。PFASが破壊され、残っている汚染物質(金属、NaFなど)は蒸気圧が非常に高い傾向にあり、水と一緒に蒸発しないため、安全である。排出物は、排出物の放出又は廃棄の前に、金属又は他の汚染物質を除去するために、逆浸透及び/又は他の処理(Metsorb(商標)など)などの処理を受けることができる。
【0087】
フッ化物塩などの沈殿物は、排出物からろ過又は遠心分離することができる。PFASを含まない排出物は、熱交換器を通過することができ、熱交換器では、PFASで汚染された水が反応器に流入することで排出物が冷却される。排出物はフラッシュ及び/又は蒸発させることができる。RO、キレート化、及び/又は吸着剤の通過などの他の技術を使用して、金属などの不純物を排出物から除去することができる。
【0088】
図11に示すように、固形物は噴霧乾燥によって除去できる。排出物は熱風の流れに噴霧できる。水は液滴から急速に蒸発し、乾燥した固体の粒子を残す。固形物は、サイクロン及び/又はフィルターで収集できる。きれいな排出物を空気中に放出し、及び/又は水を凝縮させることができる。
【実施例
【0089】
図7に概略的に示されているSCWO装置を使用して、多数の試験が実施された。反応器を熱い砂床に浸した。溶液が配管を通過すると、温度は700℃に上昇した(超臨界条件は約374℃で確立された)。酸化剤溶液(O2又はH22のいずれかを含む)は、高温反応器を通過する前に、T字ジョイント内のPFAS含有流れと混合された。浄化された排出物はその後、反応器を通過して出た。
【0090】
1700ppmのPFOAを含む水溶液を使用したSCWOプロセスの試験では、5ppt未満のPFOAを含む排出物が得られた。
【0091】
AFFF濃度(386,000,000pptのPFAS)を模擬するために準備されたサンプルを使用して、試運転(SCWO反応器のシングルパス)が実行された。SCWO破壊後、8つのPFAS分析物のうち6つが5ppt未満に減少し、全体的な破壊効率は99.999%を上回った。これを図8に示す。
【0092】
8,600pptのPFASを含むフィールドサンプルを反応器に通した結果、12個のPFAS化合物すべてが5ppt未満に減少し、全体で99.95%の破壊が発生した。前後の濃度を図9に示す。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11