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特許7569339高剛性の形状に逆らって膨張するためのコルゲーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】高剛性の形状に逆らって膨張するためのコルゲーション
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/06 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
F17C1/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021577443
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2020070203
(87)【国際公開番号】W WO2020264582
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】62/867,914
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518392026
【氏名又は名称】リナマー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,キャロライン
(72)【発明者】
【氏名】シュロッターベック,ブライアン
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-519480(JP,A)
【文献】特開平07-001045(JP,A)
【文献】実開昭60-143982(JP,U)
【文献】特表2019-507850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0283610(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体および/またはガスを圧力下で収容するための圧力容器であって、前記圧力容器が、
高分子ライナーであって、前記ライナーの第1の端部から反対側の端部まで延在する円筒壁を有する中空ボディを備え、前記円筒壁が内側表面および外側表面を有し、前記中空ボディが、波形セクションを有し、前記波形セクションが、前記波形セクションの一方の端部から反対側の端部まで配置される交互の隆起部および谷部を提供する円周方向のコルゲーションを有し、各々の前記コルゲーションが、隆起部を有する湾曲山部領域、隣接する離間した山部領域の間にある湾曲谷部、ならびに各々の連続する山部領域および谷部を接合する側壁を備え、前記隆起部の前記外側表面が前記波形セクションの外径(OD)を画定し、隣接する側壁の前記外側表面の間の空隙が環状空洞を画定し、連続する隆起部の間の距離が前記コルゲーションの周期(T)を画定し、前記隆起部における前記ライナーの前記内側表面と前記外側表面との間の距離が山部の壁厚(Tm)を画定し、前記谷部の中点における前記ライナーの前記内側表面と前記外側表面との間の距離が谷部の壁厚(Tv)を画定し、前記隆起部における前記外側表面と前記谷部における前記外側表面との間の径方向距離が前記コルゲーションの振幅(A)を画定する、高分子ライナーと、
前記ライナーの外側周縁部を囲む、樹脂および繊維を含む外側合成シェルと
を備え、
前記環状空洞は、各々の前記谷部の側壁を形成する前記ライナーの上側表面と、前記外側合成シェルの下側表面と、によって境界が画定されており、
前記山部の壁厚Tmが前記谷部の壁厚Tvより大きく、前記振幅Aが前記コルゲーションの前記周期Tの約0.65倍から前記周期Tの約0.75倍の間であり、
前記側壁は、低い値の圧力で前記圧力容器が加圧されることに応答して、前記側壁が対向する前記側壁と接触するまで、隣接する前記側壁に向かって前記環状空洞内へ押し込まれ始める、
圧力容器。
【請求項2】
前記谷部の壁厚Tvが前記コルゲーションの前記振幅Aの約0.27倍以下である
請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記山部の壁厚Tmが前記コルゲーションの前記振幅Aの約0.32倍以下である
請求項2に記載の圧力容器。
【請求項4】
前記山部領域の前記上側表面が半径Rmによって画定され、その結果、前記山部領域が湾曲する上側表面を有し、
前記山部領域の前記湾曲する上側表面が、前記コルゲーションの前記周期Tの約0.40倍から前記周期Tの約0.45倍の間の半径Rmを有する
請求項3に記載の圧力容器。
【請求項5】
前記谷部の前記上側表面が半径Rvによって画定され、その結果、前記谷部が湾曲する上側表面を有する
請求項4に記載の圧力容器。
【請求項6】
前記谷部が前記谷部の前記中点の中央に配置される平坦セグメントを有し、前記平坦セグメントが前記コルゲーションの前記周期Tの約0.040倍以下の幅を有する
請求項5に記載の圧力容器。
【請求項7】
前記コルゲーションの前記周期Tが、前記隆起部の前記外形ODの約0.135倍から前記隆起部の前記外径ODの約0.165倍の間である
請求項5に記載の圧力容器。
【請求項8】
前記コルゲーションの前記振幅Aが約2.15mmから約2.35mmの間であり、前記谷部の前記中点における前記ライナーの前記内側表面上に画定される内径が約15.6mmから約16.2mmの間であり、前記コルゲーションの前記周期Tが約3.1mmか
ら約3.3mmの間であり、前記谷部の壁厚Tvが少なくとも0.3mmであり、前記山部領域が約1.3mmの半径Rmによって画定される上側表面外形を有し、前記谷部が約0.16mmの前記半径Rvによって画定される上側表面外形を有し、前記山部の壁厚Tmが少なくとも0.5mmである
請求項7に記載の圧力容器。
【請求項9】
前記高分子ライナーには、ナイロン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)、のうちの1つまたは複数が含まれる
請求項8に記載の圧力容器。
【請求項10】
前記外側合成シェルの前記樹脂には、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂、および/またはウレタン、のうちの1つまたは複数が含まれる、請求項9に記載の圧力容器。
【請求項11】
前記外側合成シェルの前記繊維が、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、金属、および/またはグラスファイバー、のうちの1つまたは複数である
請求項10に記載の圧力容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年6月28日に出願した米国仮特許出願第62/867,914号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は、圧縮ガスの保管のためのタイプIVの圧力容器内で使用されるためのコルゲーション(corrugation)に関する。より詳細には、本発明は、タイプIVの圧力容器のタンクを形成するための、繊維および樹脂の剛体の外側合成シェルで覆われる波形ポリマーライナーのためのコルゲーション形状に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]圧縮ガスの保管のためのタイプIVの圧力容器は、繊維および樹脂のマトリックスで完全に包まれる非金属ライナーを備える。樹脂マトリックスは、通常、ポリエステルまたはエポキシ樹脂を含む。タイプIVの圧力容器は、一般に、弁を有する金属圧力容器クロージャを有する。
【0004】
[0004]タイプIVの圧力容器は車両内で使用されるのに望ましいものである。その理由は、タイプIVの圧力容器が他の種類の圧力容器と比較して低い単位容積重量を有するからである。タイプIVの圧力容器は非金属ライナーから形成され、繊維および樹脂で覆われる。他の種類の圧力容器は、一般に、タイプIVの圧力容器より高い単位容積重量を有する。その理由は、他の種類の圧力容器がタイプIVの圧力容器より多くの金属を含むからである。例えば、タイプIの圧力容器が金属シリンダを備える。タイプIIの圧力容器は、繊維材料で部分的に包まれる金属シリンダを備える。タイプIIIの圧力容器は、繊維で完全に包まれる金属ライナーを備える。したがって、タイプIVの圧力容器は、金属ライナーの代わりにポリマーライナーを使用することに関連して低い重量を有することから、車両の使用に好ましいものである。
【0005】
[0005]車両が水素燃料電池を有する場合および/または車両が燃料として圧縮天然ガスを使用する場合、車両は任意選択でタイプIVの圧力容器を装備する。タイプI~IIIなどの他の種類の圧力容器が車両のために使用され得るが、タイプIVが圧力容器のその低い重量のため、好ましいものである。
【0006】
[0006]ポリマーライナーを有する圧力容器を製造する既知の方法が米国公報第2016/363265号に開示されており、ここでは、繊維が波形ポリマーライナーの周りに編み組まれており、樹脂で被覆される。ポリマーライナーが波形部分を有する概略管形状を有する。波形部分が、ライナーの周りを円周方向に延在する複数の離間した隆起部を有し、隣接する隆起部の間に谷部が存在する。離間した隆起部が、従来の波形形状を形成するために谷部によって分離される。側壁が隆起部と隣接する谷部との間を延在する。隣接する側壁の間の空隙が環状空洞を画定する。樹脂が硬化して硬い外側合成シェルを形成する前に、ポリマーライナーが編組繊維および液体樹脂で覆われる。硬化した被覆ポリマーライナーが金属圧力容器と共に組み立てられ、タイプIVの圧力容器を形成する。
【0007】
[0007]しかし、場合によっては、液体樹脂がコルゲーションの環状空洞に完全には充填されず、環状空洞内に空気ポケットを形成する。圧力容器に圧力が加えられるとき、圧力がライナーの内部表面に沿って一様に適用される。空気ポケットが波形ライナーの環状空洞内に存在する場合、膨張プロセス中、ライナーに適用される圧力が樹脂および剛体の外側合成シェルによって一様には支持されない。環状空洞に隣接する波形ライナーにかかるひずみにより、環状空洞の方へとライナーが外側に膨らむ可能性がある。波形ライナーのこの歪みが漏洩を引き起こす可能性がある。特定の例では、波形ライナーが空気ポケットのエリアに破裂を引き起こす可能性があり、ライナーを通した圧縮ガスの漏洩を加速させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]したがって、波形セクションを通した漏洩に対しての耐久性を有する波形セクションを備えるライナーを有するタイプIVの圧力容器を提供することが望ましい。さらに、圧力容器を膨張させることによる波形セクションにかかるひずみを低減することが望ましい。さらに、外側合成シェルによって完全に支持されるロケーションにおける膨張中に形成される高応力ゾーンの位置を見つけることが望ましい。最後に、圧力容器を膨張させた後でコルゲーションの側壁を完全に支持することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]高剛性の形状(rigid shape)に逆らって膨張するように構成されるコルゲーションが高分子ライナー内に提供される。高分子ライナーが、反対側にある内側表面および外側表面を備える円筒壁を有する。ライナーが、複数の環状コルゲーションを有する第1のライナーセクションを有する。コルゲーションの各々が、隆起部を備える湾曲山部領域と、隣接する離間した山部領域の間にある湾曲谷部と、各々の連続する山部領域および谷部を接合する側壁とを有する。連続する隆起部の間の距離がコルゲーションの周期を画定する。隆起部のところのライナーの壁厚が谷部のところの壁厚より大きい。隆起部と谷部との間の径方向距離がコルゲーションの振幅を画定する。振幅がコルゲーションの周期の約0.65倍から約0.75倍の間である。
【0010】
[0010]添付図面に関連させて考察して以下の詳細な説明を参照することにより、より良好に理解されることで本発明の利点が容易に認識されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]本発明の一実施形態による、タイプIVの圧力容器のための高分子ライナーを示す断面図である。
図2】[0012]図1のポリマーライナーの部分2を示す拡大断面図である。
図3】[0013]本発明の一実施形態による、適合性を有する圧力容器を示す斜視図である。
図4】[0014]図3の圧力容器の部分4を示す部分断面図である。
図5】[0015]新規のコルゲーションの第1の実施形態を示している、図2のポリマーライナーの部分5を示す拡大断面図である。
図6】[0016]ライナーが樹脂および繊維で覆われる前の図5のライナーを示す側面図である。
図7】[0017]積み重ね構造となるように折り畳まれた圧力容器を示している、図3の圧力容器を示す側面図である。
図8】[0018]新規のコルゲーションの第1の実施形態を示している、図2のライナーの部分8を示す拡大断面図である。
図9】[0019]新規のコルゲーションの第2の実施形態を示している、図2のライナーの部分8を示す拡大断面図である。
図10】[0020]圧力容器を形成するために外側合成シェルで覆われる図2のライナーを示す断面図である。
図11】[0021]図10の圧力容器の部分11を示す拡大断面図である。
図12】[0022]圧縮力、エッジクラッシュ力(edge crush force)、および湾曲性を示している、図5の新規のコルゲーションを示す斜視断面図である。
図13】[0023]外側合成シェルにかかる圧縮力および膨張プロセス中にライナーに適用される圧力を示している、図11の圧力容器を示す斜視断面図である。
図14】[0024]従来のコルゲーションを有する既知の波形ライナーを示す断面図である。
図15】[0025]図14の既知の波形ライナーの部分15を示す断面図である。
図16】[0026]既知の圧力容器を形成するように外側合成シェルで覆われる図14の既知の波形ライナーの部分16を示す拡大断面図である。
図17】[0027]圧縮力、エッジクラッシュ力、および湾曲性を示している、図14の既知の波形ライナーを示す拡大斜視断面図である。
図18】[0028]外側合成シェルにかかる圧縮力および膨張プロセス中に波形ライナーに適用される圧力を示している、図16の既知の圧力容器を示す拡大斜視断面図である。
図19】[0029]自己接触が行われた直後の最大応力集中を示している、膨張プロセス後の図10の圧力容器の部分11を示す拡大断面図である。
図20】[0030]自己接触が行われた直後の最大応力集中を示している、膨張プロセス後の図10の圧力容器の部分11を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0031]複数の図を通して同様の符号により同様のまたは対応する部分を示している図を参照すると、図1および2では、図3に示されるようなタイプIVの細長い圧力容器24内で使用されるのに適する高分子ライナー20が示されている。図1の高分子ライナー20が、本発明の一実施形態による、新規のコルゲーション32を備えるコネクタセクション28を有する。
【0013】
[0032]図4を参照すると、タイプIVの圧力容器24が、概して、樹脂および繊維の外側合成シェル36で覆われる高分子ライナー20を有する。図3および4に示される圧力容器24が、細長い圧力容器24および別法として適合性を有する圧力容器24として説明される。細長い圧力容器24が、概して、複数の管状セクション40を有する高分子ライナー20を有し、図1に示されるように、各々の連続する管状セクション40がコネクタセクション28に結合される。しかし、細長い圧力容器24の代替の実施形態が他のライナー20の構成を有することもできる。例えば、ライナー20の一実施形態が、細長いチューブ40の少なくとも一部分に沿って延在する新規のコルゲーション32を有する細長いチューブ40を有し、ここでは、非限定の実施例として、ライナー20が外側合成シェル36で覆われ、次いで大きいスパイラル形状となるように折り畳まれる。
【0014】
[0033]図1が、コネクタセクション28、テーパセクション48、および管状セクション40を有する中空ボディ44を備える剥き出しのライナー20の一実施形態を示す。中空ボディ44が、ライナー20の第1の終端部56と第2の終端部60との間を延在する細長い円筒壁52によって画定される。高分子ライナー20が、ライナー20の第1の終端部56のところにある入口開口部64と、ライナー20の第2の終端部60のところにある出口開口部68とを有する。ライナー20へ入口開口部64および出口開口部68の各々が、所望されるときに、ライナー20の内部44の中へおよび/または内部44から外へ流体を通過させるのに使用され得る。ライナー20が、本発明の範囲を変えることなく特定の用途のための望ましい、任意のサイズ、形状、長さ、材料、および外形を有することができる。
【0015】
[0034]さらに図1に示されるように、ライナー20が、第1の直径72を有する複数の細長い剛性管状セクション40と、第1の直径72より小さい第2の直径76を有する複数のコネクタセクション28と、連続する細長い剛性管状セクション40およびコネクタセクション28の間に配置されてそれらを結合するテーパセクション48とを有する。第1の直径72および第2の直径76がそれぞれのセクション40、28の外径として測定される。複数の細長い剛性管状セクション40の各々が、流体および/またはガスを保管するためのそれぞれのチャンバ80を画定する。繰り返されるライナーセクション92が、剛性管状セクション40に取り付けられるテーパセクション48およびコネクタセクション28との組み合わせで単一の剛性管状セクション40を備えるものとして画定される。ライナー20の種々の実施形態が、流体および/またはガスを保管するための任意の所望の数のチャンバ80を形成する任意の所望の数の繰り返されるライナーセクション92を有することができる。
【0016】
[0035]しかし、各々の繰り返されるライナーセクション92が、本発明の範囲を変えることなく、波形セクション28、非波形セクション40、48、およびリブセクションの、任意の組み合わせ、順序、外形、長さ、直径、壁厚、および/または数を有することができ、さらには、選択される省略セクション28、40、48を有することができる。例えば、一実施形態では、ライナー20が、ライナー20の各端部56、60に隣接する非波形セクション96を備えることができる。別の実施形態では、ライナー20が、ライナー20の一方側の端部56から反対側の端部60まで一様な外径を有することができる。
【0017】
[0036]非波形コネクタセクション96、108が種々の実施形態で剛体であってよい。種々の実施形態で、コネクタセクション28が、管状セクション40の直径72より小さい直径76を有することができ、ここでは、テーパセクション48が、コネクタセクション28および管状セクション40の直径72、76の間に移行部分を提供する。しかし、別の実施形態が、1つまたは複数の適切な直径72、76を有するセクション28、40を備えるライナー20を備えることができ、別の実施形態では、ライナー20が、種々の形状を有することができる非円筒形のセクション28、40、48を有することもできる。同様に、いくつかの実施形態で、管状セクション40がコルゲーション32を備えることができる。
【0018】
[0037]ライナー20の第1の端部56および第2の端部60のところにあるコネクタセクション28Aが、ボス形態の取付具112に対合的におよび/または摩擦的に係合されるように構成されるカフセクション96を有することができる(図3に示されるように)。
【0019】
[0038]図1のコネクタセクション28の拡大図が図2に示される。図5が、コネクタセクション28のコルゲーション32の断面図を示す。コルゲーション32が、ライナー20の外側周縁部28’の周りを延在する環状コルゲーションである。図2および5を参照すると、コネクタセクション28が、後でさらに説明される新規の形状を有する複数の隣接するコルゲーション32を有する。各コルゲーション32がコネクタセクション28の外側周縁部28’の周りを円周方向に延在する。コルゲーション32がコネクタセクション28の柔軟性を向上させ、それにより図6に示されるようにコネクタセクション28のところでライナー20を折り畳むのを可能にする。新規のコルゲーション32が、図1に示される概略円筒形状から図6に示される弓形形状114Bまでコネクタ部分28を再配置するのを可能にする。弓形形状のコネクタセクション28が、図6に示されるように、曲げ内径Rおよび曲げ外径R2によって画定される。任意の所望の数のコルゲーション32が含まれ得、ここでは、この数が、ライナー20の寸法、および折り畳まれたライナー20の見込まれる曲げ内径Rおよび曲げ外径Rに基づいて選択される。通常、コネクタ部分28内での新規のコルゲーション32の必要とされる最大数が、部分的に、コネクタ部分28の見込まれる湾曲内径Ri、曲げ外径R3/4、および直径76に基づく。例えば、曲げ内径Riおよび曲げ外径R2が減少すると、必要とされる新規のコルゲーション32の最小数が増加する。
【0020】
[0039]図1を参照すると、ライナー20が、溶接部を有さずに単一の材料を使用して、シームレスライナー20として好適には製造される。しかし、いくつかの実施形態では、単一のチャンバ80を備える個別のライナーセグメント92が一体に接続され得、それにより複数のチャンバ80を備える細長いライナー20を形成する。いくつかの実施形態では、ライナー20の種々の部片28、40、48、96を形成して、部片28、40、48、96を一体に結合することにより、ライナー20が作られ得る。例えば、コネクタセクション28が、テーパセクション48、管状セクション40、および/またはカフセクション96とは別個に製造され得る。次いで、このような別個のセクション28、40、48、96が一体に結合され得、ライナー20を形成する。
【0021】
[0040]図1に示される高分子ライナー20が、一般に、ナイロン(PA)、ナイロン6(PA6)、エチレン酢酸ビニル(EVA:ethylene-vinyl acetate)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE:linear low-density polyethylene)、低密度ポリエチレン(LDPE:low-density polyethylene)、高密度ポリエチレン(HDPE:high-density polyethylene)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアルコール(EVOH:ethylene vinyl alcohol)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)などの、1つまたは複数の高分子材料から形成される。高分子ライナー20が単層の高分子材料で形成され得るか、2つ以上の高分子層の複層構造を備えることができ、さらには、特定の用途で必要に応じて、1つまたは複数の金属層を有することができる。例えば、このようなライナー20は、蒸着、多層押出、および/または成形などを介して生成され得る。したがって、ライナー20が、例としてナイロンなどの単一の材料を含むことができるか、または複層材料を含むことができる。複層ライナー20の例示の実施形態には、非限定の例として、第1のナイロン層と第2のナイロン層の間にあるEVOH層、第1および第2のポリエチレン(DPE)層の間にあるEYOH層、第1および第2のRilsan(登録商標)ポリアミド11(PA11)BESN Black P126 TL層の間に挟まれる第1および第2のRilsan(登録商標)TIEFLEX S442 NAT TL層の間にあるEVAL(商標)エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)LA170B層が含まれる。種々の実施形態で、ライナー20が、1つの層、2つの層、3つの層、4つの層、5つの層、または6つの層などを含めた任意適切な数の層の材料を含むことができるかまたはこのような任意適切な数の層から構成され得る。ライナー20は一般に非金属の高分子ライナー20であるが、高分子ポリマー20がライナー20内の金属層を有することもでき、それにより、ライナー20の内側表面146および/または外側表面148を形成する。
【0022】
[0041]図4を参照すると、ライナー20が、ライナー20の強度を向上させて、それによりライナー20を安全に動作させることが可能となる負荷圧力(duty pressure)を増大させるために繊維を含浸させた繊維ストランド150または他の適切な材料で包まれ得、ならびに/あるいはこのような繊維ストランド150または他の適切な材料でオーバーブレイド(over-braid)され得る。加えて、種々の実施形態で、オーバーブレイド式のおよび/または包む方式の繊維ストランド150が複数の層内に配置され得る。樹脂を含浸させた1つまたは複数の層の繊維ストランド150が、樹脂の硬化後に、硬い外側合成シェル36を形成する。外側合成シェル36のための適切な繊維150には、炭素繊維、グラスファイバー、玄武岩繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維(HDPE)、Zylon(商標)のポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール繊維)(PBO)、アラミド繊維、Kevlar(登録商標)ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ナイロン繊維(PA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル繊維(PL)、ポリプロピレン繊維(PP)、ポリエチレン繊維(PE)、金属、エチレンビニルアルコール繊維(EVOH)、およびポリウレタン繊維(PU)などのうちの1つまたは複数が含まれる。適切な樹脂には、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン、および熱可塑性樹脂などのうちの1つまたは複数が含まれる。ライナー20の材料および寸法さらには外側合成シェル36を形成する樹脂および繊維150の種類および量の選択は、部分的に、圧力容器24の所望の動作条件に基づいて選定される。
【0023】
[0042]ライナー20の一方または両方の端部56、60が図3に示されるようにボス形態の取付具112に流体的に接続され、それにより密閉された圧力容器24を形成する。別法として、ライナー20の一方の端部56、60が他の一般的な既知の方法によって閉鎖され得る。選択したボス形態の取付具112のために所望されて適切である場合に、ライナー20が外側合成シェル36で覆われる前にまたはその後で、ボス形態の取付具112がライナー20と共に組み立てられ得る。
【0024】
[0043]ライナー20が外側合成シェル36で覆われた後、覆われたライナー20が折り畳まれて図7に示されるような積み重ね構造120となる。コネクタセクション28のコルゲーション32がコネクタセクション28の柔軟性を向上させ、それにより所定の空間124を満たすようにライナー20を折り畳むのをおよび/またはライナー20を折り畳んでハウジング124の中に入れるのを可能にする。ライナー20が外側合成シェル36で覆われ、折り畳まれて所望の折り畳み形状120となり、樹脂が硬化して外側合成シェル36を強固にすると、細長い圧力容器24が形成される。例えば、図3が、細長い圧力容器24が折り畳まれてハウジング124内で積み重ね構造120として保持される、一実施形態を示す。
【0025】
[0044]完全に組み立てられると、圧力容器24が、水素、窒素、天然ガス、ヘリウム、ジメチルエーテル、液化石油ガス、およびキセノンなどの、液体、圧縮ガス、および/または圧縮液体を保管するのに適するようになる。自動車用途のための水素を保存するための圧力容器24は、通常使用中の約34.5MPa(5,000PSI)から約69MPa(10,000PSI)の内部圧力のために設計される。比較すると、圧縮天然ガスを保存するための圧力容器24は、通常、通常使用中の約20.7MPa(3,000PSI)の内部圧力のために設計される。したがって、ライナー20の材料および寸法さらには外側合成シェル36を形成する樹脂ならびに繊維150の種類および量の選択は、圧力容器24の所望の動作条件に基づいて選定される。
【0026】
[0045]図1に示されるライナー20の例示の一実施形態では、繰り返されるライナーセクション92が約1メートルの適切な全長を有する。大きい直径の管状セクション40が約46mmの外径72を有し、約650mmにわたって長手方向に延在する。円周方向リブおよび/または円周方向溝が、任意選択で、大きい直径の管状セクション40の長さに沿って配置される。小さい直径の非波形セクション96、108および小さい直径の波形セクション28が約21mmの外径76を有する。小さい直径の非波形セクション96、108および小さい直径の波形セクション28の適切な全長がそれぞれ約60mmおよび140mmである。各テーパセクション48が、第1の端部48A上での約46mmの外径72と、反対側の端部48B上での約21mmの外径76と、約75mmの全長とを有する。ライナー壁52の壁厚110が一般に約0.3mmから約1.2mmの間であり、約0.5から約1.2mmの範囲の壁厚52Aを有する非波形セクション40、48、96と、約0.3mmの波形セクション28内での最小壁厚52Bとを有する。しかし、本発明の範囲を変えることなく、意図される用途において所望される場合、ライナー20の波形セクション28および非波形セクション96、108の、壁厚52A、52B、外径72、76、内径76’、長さ、および数が、この範囲より大きくても(多くても)または小さくても(少なくても)よい、ことが認識されよう。
【0027】
[0046]図2および5に示されるように、波形セクション28が、ライナー20の周りを円周方向に延在する複数の離間した隆起部140、140’を有する新規のコルゲーション32を有し、谷部144が隣接する隆起部140、140’の間に存在する。新規のコルゲーション32の第1の実施形態が図5および8に示される。新規のコルゲーション32が内側表面146および外側表面128を備える。内側表面146および外側表面148が同様の外形を有するのに対して、内側表面146と外側表面148との間の距離52Aは後でさらに説明されるように多様であってよい。図1に示されるように、新規のコルゲーション32が、ライナー20の外側表面148上において隆起部140のロケーションに画定される最小外径76を有する。さらに、新規のコルゲーション32が、ライナー20の内側表面146上において谷部144のロケーションに画定される最小内径76’を有する。
【0028】
[0047]図5に示される新規のコルゲーション32の第1の実施形態が、周期T、振幅A、谷部幅Wv、および山部幅Wmによって画定される。コルゲーション32の周期Tが隣接する隆起部140、140’の間の距離として画定される。振幅Aが、図5および8に示されるように、外側表面148上において隆起部140、140’と谷部144との間の垂直方向距離として画定される。図5を参照すると、各隆起部140、140’が山部168のピーク140、140’を画定する。架空の垂直方向基準線140A、144Aが、ピーク140、140’および谷部144の中心をそれぞれ通過するように示されている。架空の垂直方向基準線140および144Aの間の水平方向距離が、図5において1/2Tとして示されるように、周期Tの半分である。
【0029】
[0048]図5を参照すると、各山部168が、半径Rmによって示される外側表面148上の湾曲プロフィール170、およびWmとして示される幅を有する。山部168の隆起部140、140’から各端部168A、168Bまでの水平方向距離が、架空の垂直方向基準線140Aから測定して、1/2Wmとして画定される。架空の垂直方向基準線140Aから離間される架空の垂直方向基準線184および184’が山部168の幅Wmを画定する。山部168の端部168A、168Bの適切な水平方向位置が架空の垂直方向基準線184および184’によって示される。山部168の湾曲プロフィール170が、隆起部140、140’の中心において、複数の隆起部ピーク140、140’を通過する架空の水平方向基準線A’に接する半径Rmによって画定される。ライナー20の外側表面148に沿う、湾曲プロフィール170および各々の架空の垂直方向基準線184、184’の交差位置が、山部168の端部168A、168Bを画定する。
【0030】
[0049]さらに図5に示されるように、谷部144がライナー20の外側表面148上に湾曲プロフィール172を有する。谷部144の湾曲プロフィールが、振幅Aに等しい垂直方向距離で架空の水平方向基準線A’から離間される架空の水平方向基準線A’に接する半径Rvによって画定される。さらに、半径Rvが、隆起部ピーク140、140’を通過する架空の垂直方向基準線140Aから量1/2Tだけ離間されるポイント144において架空の水平方向基準線A”に接する。谷部144の幅が、谷部144の中心を通過する架空の垂直方向基準線144Aを中心とする水平方向距離Wvによって画定される。参考のために、架空の垂直方向基準線196、196’が、図5では、谷部144の中心を通過する架空の垂直方向基準線144Aから1/2Wvの大きさだけ離間されて示される。湾曲プロフィール172および架空の垂直方向基準線196、196’の交差位置が、ライナー20の外側表面148に沿う谷部144の端部152、152’を画定する。
【0031】
[0050]ポイント168A、168Bおよび152、152’の間の移行部分プロフィール200、200’が、山部168および谷部144の湾曲プロフィール170、172に滑らかに一体化されるようなスプラインプロフィールを端部ポイント168A、168Bおよび152、152’の間において選択することによって形成される。移行部分プロフィール200、200’が、隆起部140と谷部144との間に滑らかなスプラインプロフィールを生成するために端部ポイント168A、168B、152、152’を通過して延在することができる。移行部分プロフィール200、200’に沿う曲率半径を漸進的に変化させることにより移行部分プロフィール200、200’が生成される。
【0032】
[0051]新規のコルゲーション32の第1の実施形態の例示の寸法が、部分的に、ライナーコネクタセクション28の外径76に基づく。ライナー20が折り畳まれて所望の積み重ね構造120にされるときの、約21mmの管状外径76および約27mmの意図される曲げ半径Rを有するライナーコネクタセクション32の場合、好適な周期Tが約3.1mmから3.3mmであり、好適な振幅Aが約2.15mmから約2.35mmであり、山部168の好適な半径Rmが約1.3mmであり、谷部144の好適な半径Rvが約0.16mmである。さらに、谷部144のところにおける内側表面146の最小内径76’が好適には約15.6mmから約16.2mmの間である。谷部144における内側表面146と外側表面148との間の最小壁厚52Aが約0.3mmである。内側表面146と外側表面148との間の残りの壁厚52Aが、通常、約0.5mmから約1.2mmの間である。
【0033】
[0052]新規のコルゲーション32の第2の実施形態が図9に示される。第1の実施形態と同様に、新規のコルゲーション32の第2の実施形態が、谷部144によって離間される隣接する山部168の隆起部140、140’と、ライナー壁52の反対側にある内側表面146および外側表面148を有する。さらに、各山部168が、山部168の上側表面148を画定する起伏プロフィール170を有する。第1の実施形態と同様に、コルゲーション32が、隆起部140、140において外側表面148を基準として測定される最大外径76と、谷部144において内側表面146を基準として測定される最小内径76’とを有する。
【0034】
[0053]図9の新規のコルゲーション32が、周期T、振幅A、山部168の隆起部140のところの壁厚Tm、谷部144のところの壁厚Tv、および起伏プロフィール170の曲率半径Rmによって画定される。図9の新規のコルゲーション32が、谷部144の基部144Cにおいて幅212’を有する平坦セグメント212をさらに有する。コルゲーション32が、図9に示される角度Θで垂直方向からオフセットされる側壁セクション216を有する。ライナー壁52の内側表面146および外側表面148が、平坦セクション212と、側壁セグメント216と、起伏プロフィール170との間で一体化され、隆起部140および谷部144においてそれぞれのライナー厚さTmおよびTvを維持しながら内側表面146および外側表面148の各々のための滑らかなスプラインを所望される通りに作る。
【0035】
[0054]新規のコルゲーション32の図9に示される第2の実施形態の例示の公称寸法が、部分的に、ライナーコネクタセクション28の外径76および折り畳まれたライナー20の意図される曲げ半径Ri(図6に示される)に基づく。例示の第2の実施形態が、約21mmのライナーコネクタセクション28の公称外径76および約27mmの意図される曲げ半径Riを有する。外径76が増加すると意図される曲げ半径Riが増加する。つまり、管類サイズが増大すると曲げ半径Riが増加する。
【0036】
[0055]図9を参照すると、新規のコルゲーション32の第2の実施形態の好適な周期Tが、新規のコルゲーション32の外径(OD(outer diameter))の約0.15倍であり、例えばT=0.15ODである。好適には、周期Tが外径76の変化と共に増減する。さらに、残りのパラメータも周期Tと共に増減する。振幅Aが好適には周期Tの約0.7倍として画定され、例えばA=0.7Tである。起伏セクション170の曲率半径Rmが好適には周期Tの0.41倍として画定され、例えばRm=0.41Tである。側壁セクション216の角度Θが好適には約5.3度である。
【0037】
[0056]図9に示される第2の実施形態の場合、平坦セクション212の幅212’が、好適には、周期Tの約0.038倍として選択され、例えばflat=0.038Tである。好適には、平坦セグメント212の幅212’が少なくとも0.12mmであり、製造中の処理を容易にするために周期Tが少なくとも約3.2mmである。さらに、隆起部140におけるライナー壁52の厚さTmが好適には振幅Aの約0.31倍であり、例えばTm=0.31Aである。同様に、谷部144におけるライナー壁52の厚さTvが好適には振幅Aの約0.13倍であり、例えばTv=0.13Aである。
【0038】
[0057]パラメータT、A、Rm、Θ、Tm、Tvのための例示の好適な範囲が、図9に示される新規のコルゲーション32の第2の実施形態の場合、以下のように画定される。例示のライナーセクション28が、約21mmの外径(OD)76、および約27mmの意図される曲げ半径R1を有する。
【0039】
[0058]周期TがT=T・ODとして計算され、ここでは、Tが好適には約0.135から約0.165の好適な範囲を有する係数であり、ODがライナーセクション28の外径76である。
【0040】
[0059]振幅AがA=A・Tとして計算され、ここでは、Aが約0.65から約0.75の好適な範囲を有する係数である。
[0060]半径RmがRm=R・Tとして計算され、ここでは、Rが約0.40から約0.45の好適な範囲を有する係数である。
【0041】
[0061]角度Θが約5.0度から約7.0度の間の好適な範囲を有する。
[0062]平坦セグメント212の幅212’がflаt=F・Tとして計算され、ここでは、Fが約0から約0.040の間の好適な範囲を有する係数である。
【0042】
[0063]厚さTmの好適な範囲がTm≦0.01ODとして計算される好適な最小値を有し、ここでは、Tmが少なくとも0.5mmである。厚さTmの好適な最大値がTm≦0.32として計算される。同様に、厚さTvの好適な範囲がTv≦0.01として計算される好適な最小値を有し、ここでは、Tvが少なくとも0.3mmである。厚さTvの好適な最大値がTv=0.27Aとして計算される。さらに、好適には、選択される厚さTmが、選択される厚さTvより大きく、例えば、Tm>Tvである。
【0043】
[0064]曲げ半径3/4が適用可能ではないおよび/または大きい値である実施形態では、周期Tが所望される通りに選択され得る。例えば、コルゲーション32がライナー20の管状セクション40内に位置するかまたはライナー20の端部56、60の近くに位置する場合、周期Tが所望される通りに選択され得る。その理由は、ライナー20がこれらのエリアでは最小の湾曲度を有するからである。
【0044】
[0065]図10および11が、外側合成シェル36で覆われる図2のライナー20のコルゲーションセクション28を示す。図11を参照すると、隣接する新規のコルゲーション32の間において、空洞220が外側合成シェル36の下側表面36’とライナー20との間に形成され得る。空洞220が、外側合成シェル36の下側表面36’、隣接する谷部68の上側表面148、谷部144、山部168と谷部144との間を延在する側壁部分228、228’によって境界を画定される。
【0045】
[0066]図12が、谷部144および隆起部140に適用される圧縮力C、ならびに新規のコルゲーション32の端面232、232’に適用されるエッジクラッシュ力Eを示す。通常、コルゲーション32の強度が、圧縮力C、エッジクラッシュ力E、および矢印Bによって示されるようなコルゲーション32が湾曲することになる量、に基づいて評価される。
【0046】
[0067]図13が、外側合成シェル36によって覆われたコルゲーションセクション28を示す。樹脂が硬化した後、外側合成シェル36が剛体となる。外側合成シェル36が、圧力容器24に適用される圧縮力Cを吸収する。したがって、コルゲーション32は、圧力容器24に適用される圧縮力Cの影響を受けない。エッジクラッシュ力Eが適用可能ではない。その理由は、ライナー28が円筒形であり、外側合成シェル36がライナー28の外側周縁部28’を囲むからである。外側合成シェル36が適用され、覆われたライナー20が折り畳まれて積み重ね構造120にされ、樹脂が硬化して外側合成シェル36を強固にした後、コルゲーション32が湾曲することになる量(図12の矢印B)が適用可能ではなくなる。その理由は、外側合成シェル36がライナー20を固定位置で保持するからである。
【0047】
[0068]しかし、圧力容器24に圧力が加えられると、圧力Pが図13に示されるようにライナー20の内側表面146に沿って非一様に適用される。圧力を加えるとき、ライナー20が外側合成シェル36に逆らって膨張する。隣接する新規のコルゲーション32の間に形成される空洞220が外側合成シェル36によって完全には支持されない。処理中に樹脂が空洞220の中に浸入する可能性のある間、外側壁148がしばしば外側合成シェル36によって一様には支持されない。その理由は空洞220内で気泡が捕捉されるからである。山部168と側壁228、228’との間の移行部分の近くで空洞220内にある隙間240および対向する側壁228、228’の間の隙間244が非常に重要である。新規のコルゲーション32が、特には、これらの隙間240、244内において外側表面148内での気泡膨れ(blister)、亀裂発生、およびピンホール漏洩の可能性を最小にするように構成される。
【0048】
[0069]図14~18に示されるように、圧力容器24Aのためのライナー20Aの一部分として使用される場合の従来のコルゲーション形状260を分析することにより、新規のコルゲーション32の利点が最良に示される。図14を参照すると、例示の管状ライナー20Aが、離間した隆起部268、268’を備える既知の従来のコルゲーション260を有する。谷部276が隣接する隆起部268、268’の間に画定される。従来のコルゲーション260が、湾曲可能としながらスティフネスを向上させることを意図される。
【0049】
[0070]従来のコルゲーション260の拡大図が図15に示される。図16が、外側合成シェル36で覆われるライナー20Aの一部分の拡大断面図を示す。図15を参照すると、従来のコルゲーション260が、内側表面146’および外側表面148’を有するライナー20Aの外側壁52’によって形成される。従来のコルゲーション260のジオメトリが、図15に示されるように、振幅A2、周期T’、谷部276の幅Wv’、および山部幅Wm’によって画定される。隆起部268、268’および谷部276の両方が、隆起部268、268’および谷部276に跨ってそれぞれ延在する架空の水平方向基準線H、FI’によってさらに示されるように、概略水平方向の上側表面146’および下側表面148’を有する。新規のコルゲーション32と同様に、従来のコルゲーション260の隆起部268、268’および谷部276の間の垂直方向の間隔が図15に示されるように振幅A2によって画定される。架空の水平方向基準線FIが、架空の水平方向基準線Hから振幅A2の大きさだけ離間される。
【0050】
[0071]対照的に、新規のコルゲーション32は、図5に示されるように、山部168における半径Rmの湾曲上側プロフィールと、谷部144における半径Rvの湾曲下側プロフィール170を有する。図9に示される新規のコルゲーション32の第2の実施形態が谷部144内の平坦セグメント212を有するが、平坦セグメント212が、0.0mmからコルゲーション32の周期Tの約0.040倍の最大幅までの間の幅を有するものとして画定される。
【0051】
[0072]図15を再び参照すると、従来のコルゲーション260が、隣接する隆起部268、268’の中心点cpの間の周期T’によって概して画定される。隆起部268、268’の幅が図16に示されるようにWm’として画定される。各隆起部268、268’が、図15に示されるように、中心点cpの両側において1/2Wm’の幅を有する平坦部分を有する。各隆起部268、268’の概略の端部ポイントM1が、架空の水平方向基準線Hと、中心点cpから1/2Wm’の大きさだけ離間される架空の垂直方向基準線V”との境界ポイントM1によって概して画定される。従来のコルゲーション260の外側プロフィール148’が、隆起部268、268’と隣接する側壁280、280’との間で角部M1に一体化される半径Rm’を有する。対照的に、図8に示される新規のコルゲーション32が、1/2Wmの幅を有する隆起部ピーク140、140’の両側を延在する湾曲プロフィール170を有する。新規のコルゲーション32の湾曲プロフィール170が、図15の従来のコルゲーション260の平坦隆起部268、268’と比較して漏洩の発生を低減する。
【0052】
[0073]従来のコルゲーション260の各谷部276が、図15に示されるように、Wv’によって画定される幅を有する概略平坦な谷部276を有する。谷部276の中心点276’が、架空の水平方向基準線H’と、1/2T’として示されるように周期T’の半分だけ隣接する隆起部268、268’の中心点cpから離間される架空の垂直方向基準線Yとの交差ポイント276’によって画定される。谷部276の概略の端部M2が、架空の水平方向基準線H’と、図15に示されるように1/2Wv’の大きさだけ架空の垂直方向基準線Vから離間される架空の垂直方向基準線V’との交差ポイントM2によって画定される。従来のコルゲーション160の外側プロフィール148’が、谷部276’と隣接する側壁280、280’との間で角部M2に一体化される半径Rv’を有する。
【0053】
[0074]新規のコルゲーション32のいくつかの実施形態が図9に示されるような平坦セグメント212を有することができるが、平坦セグメント212の幅が新規のコルゲーション32の周期Tの約0.040倍の最大幅に制限される。対照的に、図15に示されるように、従来のコルゲーション260の谷部276の全幅Wv’は、谷部276を従来のコルゲーション260の隣接する側壁280、280’へと一体化させる半径Rv’を除いて、平坦である。
【0054】
[0075]さらに図15に示されるように、側壁280、280’が従来のコルゲーション260の隆起部268、268’および谷部276を接続する。側壁280、280’が、端部ポイントM1およびM2を備える概略直線の壁280、280’である。半径Rm’が、隆起部268、268’と側壁280、280’との間に移行部分を形成するために隆起部268、268’と隣接する側壁280、280’との間に画定される。同様に、半径Rv’が、谷部276と隣接する側壁280、280’との間に移行部分を形成するために側壁280、280’と谷部276との間に画定される。加えて、空洞220’が隣接する側壁280、280’と谷部276との間の空間内に画定される。従来のコルゲーション260の空洞220’は新規のコルゲーション32内に形成される空洞220に類似する。つまり、空洞220、220’が、各谷部144、276の側壁228、228’、280、280’を形成するライナー20、20Aの上側表面148、148’および外側合成シェル36の下側表面36’によって境界を画定される。図11の新規のコルゲーション32の空洞220と同様に、圧力容器24Aの製造プロセス中に、図16の従来のコルゲーション260の空洞220’に樹脂が充填され得る。新規のコルゲーション32と同様に、樹脂が空洞220’に完全には充填されない場合、不規則な空気ポケットが従来のコルゲーション260の空洞220’内に形成され得る。
【0055】
[0076]図15に示されるように、従来のコルゲーション260の外側表面148’のプロフィールが、壁厚Wtだけ内側表面146’のプロフィールから概して一様にオフセットされる。例えば、隆起部268、268’の壁厚Wtrが谷部276の壁厚Wtvと概して等しい。さらに、側壁280、280’の壁厚Wtが、隆起部268、268’および谷部276の壁厚Wtr、Wtvと概して等しい。
【0056】
[0077]対照的に、図9に示される新規のコルゲーション32が、谷部144における壁厚Tvより薄い隆起部140における壁厚Tmを有する。具体的には、壁厚Tmが、好適には、(0.01ODまたは0.5mmである)少なくとも最大値として、さらには0.32A以下として、選択される。同様に、谷部144の壁厚Tvが、好適には、(0.0LODまたは0.3mmの)少なくとも最大値として、さらには0.27A以下として、選択される。さらに、新規のコルゲーション32が、具体的には、壁厚Tv以上の壁厚Tmを必要とする。好適には、新規のコルゲーション32が、壁厚Tvより大きい壁厚Tmを有する。しかし、いくつかの実施形態で使用されるより小さい外径のチューブの場合、壁厚Tmが、非限定の実施例として、圧力容器20のための壁厚Tvにほぼ等しくなるように選択され得る。
【0057】
[0078]図9を参照すると、約21mmの外径を有する新規のコルゲーション32の特定の実施形態では、Tmが好適には約0.5mmから約1.2mmの間で選択され得、Tvが少なくとも0.3mmとして選択され得、TmがTvの選択される値より大きい値として選択される。壁厚Tmが、好適には、後で説明される図20に関連させてさらに説明されるように、壁厚Tvより大きい値として選択される。
【0058】
[0079]図17が、谷部276および隆起部268に適用される圧縮力C、および従来のコルゲーション260の端面284、284’に適用されるエッジクラッシュ力Eを示す。一般に、従来のコルゲーション260の強度は、圧縮力C、エッジクラッシュ力E、および矢印Bによって示されるように従来のコルゲーション260が湾曲することになる量に基づいて評価される。従来のコルゲーション260は、一般に、従来のコルゲーション260に柔軟性を有させながら所定の圧縮力Cおよびエッジクラッシュ力Eに耐えるように設計される。従来のコルゲーション260により支持可能である圧縮力Cの相対的な大きさは、新規のコルゲーション32により支持可能である圧縮力Cの相対的な大きさより大きい。同様に、従来のコルゲーション260により支持可能であるエッジクラッシュ力Eの相対的な大きさが、新規のコルゲーション32により支持可能であるエッジクラッシュ力Eの相対的な大きさより大きい。従来のコルゲーション260の、一様な壁厚Wt、直線の側壁280、280’、平坦な隆起部268、および平坦な谷部276が、新規のコルゲーション32と比較して、従来のコルゲーション260により支持可能である圧縮力Cおよびエッジクラッシュ力Eの大きさを増大させる。
【0059】
[0080]図18が、外側合成シェル36によって覆われる図14のコルゲーションセクション20Aを示す。樹脂が硬化した後、外側合成シェル36が剛体となる。したがって、外側合成シェル36が、圧力容器24Aに適用される圧縮力Cを吸収する。したがって、従来のコルゲーション260は、圧縮容器24Aに適用される圧縮力Cの影響を受けない。エッジクラッシュ力Eが適用可能ではない。その理由は、ライナー20Aが円筒形であり、外側合成シェル36がライナー20Aの外側周縁部28’を囲むからである。外側合成シェル36が適用され、覆われたライナー20Aが折り畳まれて積み重ね構造120にされ、樹脂が硬化して外側合成シェル36を強固にした後、従来のコルゲーション260が湾曲することになる量(図17の矢印B)が適用可能ではなくなる。その理由は、外側合成シェル36がライナー20Aを固定位置で維持するからである。したがって、新規のコルゲーション36上での高いレベルの圧縮力Cおよびエッジクラッシュ力Eを支持するための従来のコルゲーション260の固有の能力は、図19および20でさらに説明されるように、圧力容器20、20Aに一体化される場合には利点を提供しない。
【0060】
[0081]従来のコルゲーション260が圧力容器24A’の一部として含まれて圧力容器24Aに圧力が加えられると、図18に示されるように、圧力P’がライナー20Aの内側表面146’に沿って非一様に適用される。圧力を加えるとき、ライナー20Aが外側合成シェル36に逆らって膨張する。隣接する従来のコルゲーション260の間に形成される空洞220’が外側合成シェル36によって完全には支持されない。処理中に樹脂が空洞220’の中に浸入する可能性のある間、外側壁148’がしばしば外側合成シェル36によって一様には支持されない。その理由は空洞220’内で気泡が捕捉されるからである。山部268、268’と側壁228、228’との間の移行部分の近くで空洞220内にある隙間240’および対向する側壁228、228’の間の隙間244’が非常に重要である。
【0061】
[0082]図19が、ライナー20Aが外側合成シェル36で覆われ、樹脂が硬化して外側合成シェル36を強固にした後の、かつ膨張後の、圧力容器24Aの従来のコルゲーション260の断面図である。具体的には、図19は、最大応力集中のポイントの膨張後の従来のコルゲーション260を示す。最大応力集中のポイントは隣接する側壁280、280’の自己接触の直後に発生する。自己接触は、ライナー20Aが外側合成シェル36に堅固に接触するまでの膨張プロセス中に従来のコルゲーション260が拡大すること、および隣接する側壁280、280’が対向する側壁280’、280に当接されるまでに隣接する側壁280、280’が互いの方に押し込まれること、として定義される。自己接触のこのプロセスは圧力下の反応としてさらに説明される。
【0062】
[0083]図19を参照すると、膨張中に圧力P’が従来のコルゲーション260の内側表面146’に沿って一様に適用される。谷部276の側壁280、280’が外側合成シェル36によって完全には支持されないことから、圧力P’がコルゲーション268の抵抗性強度が超えて増大すると、側壁280、280’が対向する側壁280’、280に接触するまで、側壁280、280’が互いの方に押し込まれることになる。膨張プロセス中、側壁280、280’が空洞220’の隙間224’の中に押し込まれる。側壁280、280’が図19に示されるように側壁280、28’の中央にある接触ポイント292を有し、ここでは、空洞220’内の隙間224’が完全に押し込まれる。側壁280、280’が接触ポイント292において隣接する側壁280’、280に当接されると、両方の側壁280、280’が対向する側壁280’、280によって一様に支持される。したがって、側壁280、280’を対向する側壁280’、280に接触させるまで側壁280、280’を押し込むことが望ましい。その理由は、押し込まれた後で側壁280、280’が一様に支持されるからである。さらに、低い値の圧力P’において側壁280、280’が隣接する側壁280’の方に押し込まれ始めることが望ましい。その理由は、ライナー壁52’にかかるひずみの大きさが、適用される圧力レベルP’に関連するからである。
【0063】
[0084]図19に示されるように、内側表面146’における、従来のコルゲーション260の隆起部268、268’と側壁280、280’との間の移行部分の近くに圧力を加えるとき、高圧力ゾーン296が形成される。これらの高圧力ゾーン296は空洞220’内の隙間240’の近くに形成される。高圧ゾーン296では、側壁280、280’および隆起部268、268’を形成するライナー壁52’が外側合成シェル36によって完全には支持されない。その理由は、従来のコルゲーション260の外側合成シェル36と谷部276との間に空洞220’が形成されるからである。これらの高圧ゾーン296は、ライナー壁52’内で気泡膨れ、亀裂、およびピンホール漏洩を発生させる高い可能性を有する。さらに、これらの高圧ゾーン296はライナー20Aの内側表面146’に形成される。ライナー20Aの内側表面146’が圧力容器24Aに圧力を加える流体に接触する。圧力容器24A内の加圧流体に対して常に露出することにより、高応力ゾーン296が故障する可能性を増大させる可能性がある。
【0064】
[0085]好適には、図19に示されるような、高応力ゾーン296が、外側合成シェル36または隣接する側壁280、280’により完全には支持されないロケーションにおいて形成されることが防止される。その理由は、支持されない高応力ゾーン26により漏洩が発生し得るからである。具体的には、高圧ゾーン296が空洞220’内の隙間240’から離間されることが望ましい。その理由は、この隙間240が漏洩を発生させる高い可能性を有するからである。
【0065】
[0086]図20が、ライナー20が外側合成シェル36で覆われ、樹脂が硬化して外側合成シェル36を強固にした後の、かつライナー20に自己接触を生じさせる膨張後の、圧力容器20の断面図を示す。具体的には、図20が、最大応力集中のポイントの膨張後のコルゲーション32を示す。最大応力集中のポイントは隣接する側壁228、228’の自己接触の直後に発生する。膨張中、圧力容器24に圧力を加えられるとき、圧力Pがコルゲーション32の内側表面146に沿って一様に適用される。膨張中、ライナー20が拡大して外側合成シェル36に堅固に接触する。具体的には、膨張後、新規のコルゲーション32が剛体の外側合成シェル36により外径76上で支持される。
【0066】
[0087]谷部144の側壁228、228’が外側合成シェル36によって完全には支持されないことから、膨張中に圧力Pがコルゲーション32の抵抗性強度を超えて増大すると、側壁280、280’が対向する側壁280’、280に接触して空洞220内の隙間244を閉じるまで、側壁280、280’が互いの方に押し込まれることになる。本質的に、膨張プロセス中、新規のコルゲーション32が支持のためにそれ自体32に接触するように膨張する。側壁228、228’が図20に示されるように側壁228、228’の中央にある接触ポイント292’を有する。側壁228、228’が接触ポイント292’において隣接する側壁228’、228に当接されると、側壁228、228’の両方が対向する側壁228’、228によって一様に支持される。側壁228、228’を対向する側壁228’、228に接触させるまで側壁228、228’を押し込むことが望ましい。その理由は、押し込まれた後で側壁228、228’が一様に支持されるからである。
【0067】
[0088]さらに、低い値の圧力Pにおいて側壁228’、228が隣接する側壁228’、228の方に押し込まれ始めることが望ましい。その理由は、ライナー壁52にかかるひずみの大きさが、適用される圧力レベルPに関連するからである。新規のコルゲーション32が、側壁228、228’を押し込むのに必要となる圧力Pの大きさを最小にするように構成される。具体的には、図8の新規のコルゲーション32の谷部144の幅Wvは、図15に示される従来のコルゲーション260の谷部276の幅Wv’と比較して縮小される。
【0068】
[0089]さらに、谷部276が、図8に示されるように、隣接する側壁228、228’の間を延在する半径Rvを有するプロフィール172を有する。谷部276が図9に示されるように平坦セグメント212を有することができるが、平坦セグメント212の幅212’が新規のコルゲーション32の周期Tの0.040倍以下に制限される。平坦セグメント212が新規のコルゲーション32に含まれる場合、平坦セグメント212の幅212’が、好適には、処理を容易にするために少なくとも0.12mmである。対照的に、図15に示される従来のコルゲーション260の平坦な谷部276の幅Wv’は一般に谷部276の全幅Wv’に跨って延在する。図8の新規のコルゲーション32および図15の従来のコルゲーション260を比較すると、従来のコルゲーション260の谷部276および側壁280、280’の間の半径Rv’が新規のコルゲーション32の谷部144の半径Rvより小さい半径である。これにより、図8に示される新規のコルゲーション32の側壁228、228’と谷部144との間の半径Rvの場合と比較して、従来のコルゲーション260の側壁280、280’と谷部276との間に角部M2がより鋭くなる。谷部144内の平坦セグメント212を縮小させるおよび/または排除することと、谷部144の幅Wvを縮小させることと、谷部144と隣接する側壁228、228’と間の半径Rvを増大させることとにより、圧力下において新規のコルゲーション32の側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pの大きさが効果的に低減される。
【0069】
[0090]図9を参照すると、側壁228、228’を押し込むのを開始するのに必要となる圧力Pを低減する新規のコルゲーション32での他の変更点には、振幅Pを縮小すること、さらには側壁228、228’および谷部144の壁厚Tvを縮小することが含まれる。図9に示されるように、隆起部140、140’の壁厚Tmが谷部144の壁厚Tvより大きい。側壁228、228’の壁厚が、側壁228、228’を谷部144に接合するところの壁厚Tvから、隆起部140、140’のところの壁厚Tmまで、漸進的に増大する。谷部144の縮小した壁厚Tvが、テーパ状の側壁228、228’との組み合わせで、側壁228、228’を押し込むのを開始するのに必要となる圧力Pを低減する。コルゲーション32の場合での圧力下の反応を考慮して、コルゲーション32の形状を表す幾何学的寸法T、A、Wm、Wv、Tm、Tvが管状外径76と共に増減する。一般に、チューブの外径76が増大すると、見込まれる曲げ半径R1、R2が増大する。大きい管状外径76の場合に壁厚Tm、Tvを縮小させることにより(外径76の約0.01倍の最小厚さまで)、膨張中に自己接触を開始するのに必要となる圧力Pがさらに低減される。壁厚Tm、Tvが変化しても、膨張中にライナー20にかかる応力全体に対しての影響は最小となる。湾曲性が問題とならない場合、つまり曲げ半径R1、R2が非常に大きい場合、周期Tは管類20、28の外径76に基づいて選択される必要はない。
【0070】
[0091]図20を参照すると、新規のコルゲーション32の振幅Aおよび従来のコルゲーション260の振幅A2が比較のために示される。図19にも比較のために振幅A2が示される。新規のコルゲーション32の振幅Aが従来のコルゲーション260の振幅A2よりも縮小している。従来のコルゲーション260と比較して新規のコルゲーション32の振幅Aを縮小させることにより、側壁228、228’を押し込むのを開始するのに必要となる圧力Pの大きさがさらに低減される。新規のコルゲーション32および従来のコルゲーション260の両方の側壁228、228’、280、280’が圧力P、P’下で押し込まれるわけであるが、新規のコルゲーション32の側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pの大きさが、従来のコルゲーション260の側壁280、280’の押し込みを開始するのに必要となる圧力P’より小さい。新規のコルゲーション32の側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pが、従来のコルゲーション260の側壁280、280’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pの約半分となる。さらに、新規のコルゲーション32の側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pが低減されることで、ライナー壁52にかかるひずみも低減される。さらに、新規のコルゲーション32のライナー壁52にかかるひずみが低減されることで、ライナー20により発生する漏洩の可能性が低減される。
【0071】
[0092]まとめると、半径Rv、Rmを増大させること、適度な振幅Aを選択すること、適度な周期Tを選択すること、さらには、全周期Tを基準として谷部幅Wvを縮小させることにより、膨張プロセス中に側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pの大きさが低減される。膨張プロセス中に側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pの大きさが低減されることにより、ライナー20にかかるひずみが低減され、漏洩の発生の可能性が低減される。低い圧力Pでコルゲーション32を相互作用させる/押し込むのを可能にするために、谷部144の幅Wvが縮小される。谷部144の幅Wvが、製造を容易にするように決定される概略の最小値(overall minimum value)を有する。コルゲーション32の適度な周Tを選択することは、山部168の幅Wvを最大にすることにおいて好ましいことである。山部68の幅Wmを短くすることにより膨張中の応力が増大する。その理由は、外側合成シェル36に対しての山部168の接触面積が低減されるからである。コルゲーション32の振幅Aが適度であることは、膨張中に自己接触を生じさせるのを可能にする十分な柔軟性をライナー壁52に提供することにおいて好ましいことである。
【0072】
[0093]新規のコルゲーション32の形状のこのような変更点により、従来のコルゲーション260と比較して新規のコルゲーション32のスティフネスが低減される。スティフネスのこのような低減は、ライナー20のペリメータを支持する剛体の外側合成シェル36により相殺される。これらの変更点は、膨張中にライナー20の押し込みを開始するのに必要となる所要圧力Pが低減されることによって相殺される。
【0073】
[0094]図20に示される、圧力Pに晒された後の新規のコルゲーション32のさらなる考察により、ライナー20の内側表面140において、新規のコルゲーション32の隆起部140の中心近くに高応力ゾーン300が形成されることが示される。これらの高応力ゾーン300は外側合成シェル36によって完全に支持される。その理由は、これらのゾーン300が山部168の中央に位置するからである。さらに、新規のコルゲーション32の高応力ゾーン300の応力集中の程度は、従来のコルゲーション260の高応力ゾーン296内の応力集中の程度より低い。加えて、内側表面146と外側表面148との間の壁厚304、Tmはこの高応力ゾーン300内で最大となる。壁厚304が増大すること(側壁228、228’および谷部144と比較して)が、外側合成シェル36により高応力ゾーン300が完全に支持されることとの組み合わせで、ライナー20により気泡膨れ、亀裂、およびピンホール漏洩などを発生させることの可能性を大幅に低減する。
【0074】
[0095]図19に示される従来のコルゲーション260と同様に、高応力ゾーン296’は、図20に示されるように、新規のコルゲーション32の谷部144の山部168と側壁228、228’との間に移行部分の近くに形成される。しかし、従来のコルゲーション260の内側表面146’上に形成される高応力ゾーン296とは対照的に、高応力ゾーン296’は新規のコルゲーション32の外側表面148上に位置する。新規のコルゲーション32の高応力ゾーン296’内の応力の大きさは、従来のコルゲーション260の高応力ゾーン296内の応力の大きさより大幅に小さい。高応力ゾーン296の大きさが低減されることが、応力ゾーン296’がライナー20の外側表面148上に位置することとの組み合わせで、このロケーション296’で漏洩が発生する可能性を大幅に低減する。
【0075】
[0096]図19および20を比較すると、図20の新規のコルゲーション32の十分な程度で丸みを有する形状は、図19に示される従来のコルゲーション260と比較して、膨張中の応力集中の数および程度を低減する。さらに、剛体の外側合成シェル36により新規のコルゲーション32を完全に支持しているところである、新規のコルゲーション32の隆起部140、140’の中心の方に、応力集中300が移されることになる。
【0076】
[0097]したがって、コルゲーション32が圧力容器20のためのライナー20の一部分である場合の図15に示される従来のコルゲーション260と比較して、図8および9に示される新規のコルゲーション32がより好適なものとなる。新規のコルゲーション32の1つの利点は、側壁228、228’の押し込みを開始するのに必要となる圧力Pの大きさが低減されることである。第2の利点は、圧力を加えるときに発生する高応力ゾーン296’がライナー20の外側表面148上の側壁228、228’に沿って形成される、それによりこの高応力ゾーン26’内で漏洩が発生する可能性が低減される、ことである。第3の利点は、圧力を加えられるときに発生する、ライナー20の内側表面146上に形成される高応力ゾーン300が、山部168の隆起部140、140’の近くに形成され、これらの隆起部140、140’の近くでは、壁厚Tmが拡大されており、外側合成シェル36により外側表面148が完全に支持されている、ことである。第4の利点は、湾曲のための柔軟性(bending flexibility)(図12の矢印Bによって示される)が、ライナー20を折り畳んで所定の積み重ね構造120にするのを可能にするのに十分な程度である、ことである。
【0077】
[0098]本発明を例示的に説明してきた。使用した専門用語が、言葉の性質として、限定のためにではなく説明のためであることを意図される、ことを理解されたい。上記の教示に照らして、本発明の多くの修正形態および変更形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内において、具体的に説明される手法以外の手法で本発明が実施され得ることが理解されよう。
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