(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20241009BHJP
【FI】
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2022006910
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 豪
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 壮宇
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 和茂
(72)【発明者】
【氏名】西山 英峰
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-180811(JP,A)
【文献】特開2013-080436(JP,A)
【文献】特開2003-141225(JP,A)
【文献】特開2007-276990(JP,A)
【文献】特開2021-088421(JP,A)
【文献】特開2020-187628(JP,A)
【文献】特開平08-268511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り扱い単位が単品の商品であることを示す単品区分情報、又は、取り扱い単位が複数の前記商品を一まとめとしたケース品の商品であることを示すケース品区分情報のうち、いずれかの区分情報、及び、前記商品の商品コードを取得する取得部と、
前記取得部により取得された、前記区分情報及び前記商品コードを関連付けてデータベースに記憶する記憶制御部と、
それぞれ入力された商品コード及び前記区分情報を含む所定のデータを生成するデータ生成部と、を備え、
前記記憶制御部は、前記データ生成部により生成された所定の前記データを記憶部に記憶すると共に、前記区分情報が前記単品区分情報である場合、データベースから前記単品区分情報に関連付けされている単品用商品コードを抽出し、所定の前記データの前記商品コードを、前記データベースから抽出した前記単品用商品コードに書き換えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶制御部は、前記取得部により前記区分情報として前記ケース品区分情報が取得された場合、前記ケース品区分情報及び前記商品コードを関連付けて前記データベースに記憶すると共に、前記取り扱い単位が単品の商品に対して付加する単品用商品コードを生成し、少なくとも前記単品区分情報に関連付けて前記データベースに記憶すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶制御部は、生成した前記単品用商品コードを、前記単品区分情報に関連付けると共に、前記データベースに記憶した前記ケース品区分情報にも関連付けて記憶すること、
を特徴とする
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、所定の前記データとして、前記商品コード及び前記区分情報と共に、前記商品が、少なくとも仕入を行った商品であるか、又は、サンプル品として仕入れられた商品であるかを示す取引区分情報を含むデータを生成すること、
を特徴とする
請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶制御部は、前記区分情報及び前記商品コードと共に、資産分類情報及び債務科目区分情報を関連付けて前記データベースに記憶し、
前記データ生成部は、所定の前記データとして、前記サンプル品として仕入られた商品であることを示す取引区分情報を含む仕入入力データを生成する場合、前記データベースに記憶されている前記債務科目区分情報で示される債務科目区分、及び、前記資産分類情報で示される資産分類に基づいて生成した仕訳データを付加すること、
を特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ生成部は、所定の前記データとして、前記サンプル品として仕入られた商品であることを示す取引区分情報を含む売上入力データを生成する場合、「仕訳なし」の仕訳データを付加すること、
を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記データ生成部は、払出データの商品に前記ケース品が選択された場合、前記単品区分情報、前記単品用商品コード、及び、前記ケース品を前記単品の商品に分解した数である入庫数を関連付けした商品変更入力データを生成すること、
を特徴とする請求項3から請求項6のうち、いずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
取得部が、取り扱い単位が単品の商品であることを示す単品区分情報、又は、取り扱い単位が複数の前記商品を一まとめとしたケース品の商品であることを示すケース品区分情報のうち、いずれかの区分情報、及び、前記商品の商品コードを取得する取得ステップと、
記憶制御部が、前記取得部により取得された、前記区分情報及び前記商品コードを関連付けてデータベースに記憶する記憶制御ステップと、
データ生成部が、それぞれ入力された商品コード及び前記区分情報を含む所定のデータを生成するデータ生成ステップと、を備え、
前記記憶制御ステップでは、前記データ生成ステップにより生成された所定の前記データを記憶部に記憶すると共に、前記区分情報が前記単品区分情報である場合、データベースから前記単品区分情報に関連付けされている単品用商品コードを抽出し、所定の前記データの前記商品コードを、前記データベースから抽出した前記単品用商品コードに書き換えること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
取り扱い単位が単品の商品であることを示す単品区分情報、又は、取り扱い単位が複数の前記商品を一まとめとしたケース品の商品であることを示すケース品区分情報のうち、いずれかの区分情報、及び、前記商品の商品コードを取得する取得部と、
前記取得部により取得された、前記区分情報及び前記商品コードを関連付けてデータベースに記憶する記憶制御部
と、
それぞれ入力された商品コード及び前記区分情報を含む所定のデータを生成するデータ生成部として機能させ、
前記記憶制御部は、前記データ生成部により生成された所定の前記データを記憶部に記憶すると共に、前記区分情報が前記単品区分情報である場合、データベースから前記単品区分情報に関連付けされている単品用商品コードを抽出し、所定の前記データの前記商品コードを、前記データベースから抽出した前記単品用商品コードに書き換えること、
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、販売促進等を目的としたサンプル品の商品が単品(バラ)又はケース単位で提供されることがある。
【0003】
特許文献1(特開2007-276990号公報)に開示されている在庫管理装置の場合、一つ又は複数種類のバラ売り商品の組合せにより構成されるセット売り商品毎に、そのセット売り商品の作成点数及びそのセット売り商品に組み込まれるバラ売り商品の種類別数量の入力を受付ける。セット売り商品の作成点数及びバラ売り商品の種類別数量が入力されると、セット売り商品に組み込まれるバラ売り商品毎に、そのバラ売り商品の種類別数量に対し、セット売り商品の作成点数を乗算した値で在庫管理ファイルに記憶されているバラ売り商品の在庫データを減算更新する。これにより、一つ又は複数種類のバラ売り商品の組合せにより構成されるセット売り商品を取扱う場合でも、各商品の在庫数を正確に管理できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、商品がバラ単位及びケース単位で提供された場合、バラ及びケース品の異なる2つの商品の在庫管理を行う必要がある。このため、バラ品及びケース品を、その都度判断しながら運用することが必要となり、運用ミスの発生を招くと共に、業務オペレータ等の作業負荷が増大する問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、例えばサンプル品として提供さえるバラ品及びケース品の在庫管理を容易化した情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、取り扱い単位が単品の商品であることを示す単品区分情報、又は、取り扱い単位が複数の商品を一まとめとしたケース品の商品であることを示すケース品区分情報のうち、いずれかの区分情報、及び、商品の商品コードを取得する取得部と、取得部により取得された、区分情報及び商品コードを関連付けてデータベースに記憶する記憶制御部と、それぞれ入力された商品コード及び区分情報を含む所定のデータを生成するデータ生成部と、を備え、記憶制御部は、データ生成部により生成された所定のデータを記憶部に記憶すると共に、区分情報が単品区分情報である場合、データベースから単品区分情報に関連付けされている単品用商品コードを抽出し、所定のデータの商品コードを、データベースから抽出した単品用商品コードに書き換えること、を特徴とする。
【0008】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法は、取得部が、取り扱い単位が単品の商品であることを示す単品区分情報、又は、取り扱い単位が複数の商品を一まとめとしたケース品の商品であることを示すケース品区分情報のうち、いずれかの区分情報、及び、商品の商品コードを取得する取得ステップと、記憶制御部が、取得部により取得された、区分情報及び商品コードを関連付けてデータベースに記憶する記憶制御ステップと、データ生成部が、それぞれ入力された商品コード及び区分情報を含む所定のデータを生成するデータ生成ステップと、を備え、記憶制御ステップでは、データ生成ステップにより生成された所定のデータを記憶部に記憶すると共に、区分情報が単品区分情報である場合、データベースから単品区分情報に関連付けされている単品用商品コードを抽出し、所定のデータの商品コードを、データベースから抽出した単品用商品コードに書き換えること、を特徴とする。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータを、取り扱い単位が単品の商品であることを示す単品区分情報、又は、取り扱い単位が複数の商品を一まとめとしたケース品の商品であることを示すケース品区分情報のうち、いずれかの区分情報、及び、商品の商品コードを取得する取得部と、取得部により取得された、区分情報及び商品コードを関連付けてデータベースに記憶する記憶制御部と、それぞれ入力された商品コード及び区分情報を含む所定のデータを生成するデータ生成部として機能させ、記憶制御部は、データ生成部により生成された所定のデータを記憶部に記憶すると共に、区分情報が単品区分情報である場合、データベースから単品区分情報に関連付けされている単品用商品コードを抽出し、所定のデータの商品コードを、データベースから抽出した単品用商品コードに書き換えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えばサンプル品として提供されるバラ品及びケース品の在庫管理を容易化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、資産分類マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、科目区分マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、取引区分マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、取引区分関連付けマスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、仕入先マスタの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、得意先マスタの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、商品マスタの作成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、商品マスタに登録されるデータの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、受注入力データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、仕入入力データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、売上入力データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、商品変更入力データの生成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、商品変更入力時における払出データ及び受入データの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、商品変更入力データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる情報処理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この情報処理装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、情報処理装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような情報処理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0014】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ所定の情報が記憶された記憶領域である商品マスタ11(データベースの一例)、資産分類マスタ12、科目区分マスタ13、汎用マスタ14、取引区分マスタ15、取引区分関連付けマスタ16、仕入先マスタ17、及び、得意先マスタ18が設けられている。
【0016】
また、記憶部2には、取り扱い単位が単品の商品(バラ品)、及び、複数の商品を一まとめとしたケース単位で取り扱いが行われる商品(ケース品)の在庫管理を行う情報処理プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、この情報処理プログラムに基づいて生成される受注入力データ、仕入入力データ、出荷入力データ、売上入力データ、及び、商品変更入力データ等の各種データが記憶される。
【0017】
商品マスタ11には、
図2に例示するように、商品コード、商品名、ケースバラ区分(区分情報の一例)、入数、ジャンコード(JANCD:Japanese Article Number Code)、バラ商品コード、資産分類、サンプル債務科目区分等の各情報を含む商品データが記憶されている。実施の形態の情報処理装置1は、ケースバラ区分が「ケース品(ケース品区分情報の一例)」の商品データが商品マスタ11に登録された場合、「ケース品」を構成する「バラ品」の商品データを自動的に生成し、「ケース品」の商品データに関連付けて商品マスタ11に登録する。これにより、マスタ作成担当者及び業務オペレータ等は、ケース品とバラ品を別々に意識することなく、マスタ管理を行うことができる。詳しくは、後述する。
【0018】
資産分類マスタ12には、
図3に例示するように資産分類コード及び資産分類名等の各情報を含む資産分類データが記憶されている。
図3の例は、「S001」の資産分類コードに対して「販促費」の資産分類名が関連付けされて登録されており、「S003」の資産分類コードに対して「貯蔵品」の資産分類名が関連付けされて登録されている例である。
【0019】
科目区分マスタ13には、
図4に例示するように科目区分コード及び科目区分名等の各情報を含む科目区分データが記憶されている。
図4の例は、「KA001」の科目区分コードに対して「売掛金」の科目区分名が関連付けされて登録されており、「KB001」の科目区分コードに対して「買掛金」の科目区分名が関連付けされて登録されている例である。
【0020】
汎用マスタ14には、
図5に例示するように、商品マスタ11に対してケースバラ区分が「ケース品」の商品データが登録されることで、「バラ品」の商品データを自動的に生成する際に用いる、バラ品の商品コード(単品用商品コードの一例)の生成ルールが記憶されている。具体的には、汎用マスタ14には、「ケース品」の商品コードの末尾に付加するバラ商品末尾データが記憶されている。この
図5の例は、「-01」のコードを「ケース品」の商品コードの末尾に付加して、バラ商品末尾データを生成することを示している。詳しくは後述する。
【0021】
取引区分マスタ15には、
図6に例示するように、取引区分コード、取引区分名、及び、サンプル取引等の各情報を含む取引区分データが記憶されている。この
図6の例は、「JT001」の取引区分コードに対して「受発注」の取引区分名及び「非該当」のサンプル取引が関連付けされて記憶されている例である。また、
図6の例は、「UT002」の取引区分コードに対して「サンプル売上」の取引区分名及び「該当」のサンプル取引が関連付けされて記憶されている例である。
【0022】
取引区分関連付けマスタ16には、
図7に例示するように取引区分コード及び取引区分名を含む取引区分関連付けデータが記憶されている。
図7の例は、「JT002」の取引区分コードに、「サンプル受発注」の取引区分名が関連付けされて記憶されている例である。また、
図7の例は、「UT002」取引区分コード(売上)に、「サンプル売上」の取引区分名が関連付けされて記憶されている例である。また、
図7の例は、「ST002」の取引区分コード(仕入)に、「サンプル仕入」の取引区分名が関連付けされて記憶されている例である。
【0023】
仕入先マスタ17には、
図8に例示するように仕入先コード及び債務科目区分を含む仕入先データが記憶されている。この
図8の例は、「仕入先A」、「仕入先B」及び「仕入先C」の各仕入先コードに対して、それぞれ「KB001」の債務科目区分が関連付けされて記憶されている例である。
【0024】
得意先マスタ18には、
図9に例示するように得意先コード及び債務科目区分を含む得意先データが記憶されている。この
図9の例は、「得意先A」、「得意先B」及び「得意先C」の各得意先コードに対して、それぞれ「KB001」の債務科目区分が関連付けされて記憶されている例である。
【0025】
(機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている情報処理プログラムを実行することで、取引部21、記憶制御部22、データ生成部23、及び、表示制御部24として機能する。
【0026】
取引部21は、商品マスタ11の生成時に、業務オペレータ等により入力装置6を介して入力された商品データを取得する。また、取得部21は、受注入力時に業務オペレータ等により入力される受注入力データ、仕入入力時に業務オペレータ等により入力される受仕入力データ等を取得する。記憶制御部22は、商品マスタ11の生成時に、取得部21により取得された商品データを商品マスタ11に登録する。また、商品マスタ11の生成時に、後述するデータ生成部23により自動的に生成されたバラ品の商品データを、ケース品の商品データに関連付けて登録する。
【0027】
データ生成部23は、商品マスタ11の生成時に、ケース品の商品データが商品マスタ11に登録された際に、バラ品の商品データを自動的に生成する。表示制御部24は、商品マスタ11に対する商品データの登録時に、業務オペレータにより入力操作される商品データ登録画面を出力装置7に表示する。また、表示制御部24は、受注入力時に、業務オペレータにより入力操作される受注入力画面を出力装置7に表示し、また、仕入入力時に、業務オペレータにより入力操作される仕入入力画面を出力装置7に表示する。表示制御部24は、この他、業務オペレータの入力操作に対応する入力画面等を出力装置7に表示する。
【0028】
(商品マスタに対する商品データの登録動作)
次に、実施の形態の情報処理装置1における、商品マスタ11に対する商品データの登録動作を、
図10のフローチャートを用いて説明する。制御部3は、記憶部2に記憶されている情報処理プログラムに基づいて動作することで、この
図10のフローチャートの各処理を実行する。
【0029】
すなわち、業務オペレータにより、商品マスタ11に対する商品データの登録が指定されると、表示制御部24は、商品マスタ11に対する商品データの登録画面を出力装置7に表示する。業務オペレータは、この登録画面に対して、所望の商品データを、入力装置6を操作して入力する。ステップS1では、取得部21が、業務オペレータにより入力された入力情報(商品データ)を取得する。
【0030】
図11(a)は、業務オペレータにより入力された商品データの一例を示している。この
図11(a)の例は、商品コードが「A001」、ジャンコードが「123456」、ケースバラ区分が「ケース」で、1ケースに対して20本入りの注射器の商品データが、業務オペレータにより入力された例である。
【0031】
この
図11(a)に示す商品データのうち、「資産分類」は、業務オペレータが、
図3に示した資産分類マスタ12に記憶されている資産分類データを出力装置7に一覧表示し、この中から、登録する商品データに対応する資産分類を選択して入力する。
図11(a)の例は、資産分類コードが「S001」の「販促費」が「資産分類」として選択され、入力された例である。
【0032】
また、
図11(a)に示す商品データのうち、「サンプル債務科目区分」は、業務オペレータが、
図4に示した科目区分マスタ13に記憶されている科目区分データを出力装置7に一覧表示し、この中から、登録する商品データに対応する科目区分を選択して入力する。
図11(a)の例は、科目区分コードが「KB002」の「未払い金」が「サンプル債務科目区分」として選択され、入力された例である。
【0033】
次に、ステップS2では、データ生成部23が、業務オペレータにより入力された商品データのケースバラ区分は「ケース」であるか否かを判別する。ケースバラ区分が「ケース」である場合(ステップS2:Yes)、処理がステップS3に進み、ケースバラ区分が「バラ(単品区分情報の一例)」である場合(ステップS2:N0)、処理がステップS6に進む。
【0034】
図11(a)の例の場合、業務オペレータにより入力された商品データのケースバラ区分は「ケース」である。このため、処理がステップS3に進む。ステップS3では、データ生成部23が、まず、
図11(b)の上段の列のレコードに示すように、「ケース」の商品データ(ケース用データ)を生成する。記憶制御部22は、生成されたケース用データを、記憶部2の商品マスタ11に登録する。
【0035】
また、データ生成部23は、このようにケース用データを生成すると共に、ケース品を単品に分割したバラ商品用のバラ商品コードを生成する(ステップS4)。すなわち、データ生成部23は、
図5に示した汎用マスタ14を参照することで、バラ商品末尾データを取得する。そして、データ生成部23は、このバラ商品末尾データを、ケース品の商品コードの末尾に付加して、バラ商品用のバラ商品コードを生成する。
図5の例の場合、バラ商品末尾データは、「-01」である。また、
図11(a)及び
図11(b)の例では、ケース品の商品コードは、「A001」である。このため、データ生成部23は、ケース品の商品コードである「A001」の末尾に、「-01」のバラ商品末尾データを付加することで、「A001-01」のバラ商品コードを生成する。
【0036】
このように、バラ商品コードを生成すると、データ生成部23は、
図11(b)に下段の列のレコードとして例示するように、上述の「A001-01」を商品コードとするバラ商品用のバラ商品コードを生成する。記憶制御部22は、生成されたバラ商品コードを、商品マスタ11に登録する。この際、記憶制御部22は、
図11(b)に示すように、先に登録しているケース用データの「バラ商品コード」の入力欄に、「A001-01」のバラ商品コードを登録し(ステップS5)、この
図10のフローチャートに示す商品データの登録動作を終了する。これにより、ケース用データ及びバラ用データを関連付けて、商品マスタ11に登録することができる。また、ケースバラ区分が「ケース」の場合、バラ用データを自動的に生成して商品マスタ11に登録できる。
【0037】
このため、マスタ作成担当者又は業務オペレータは、ケース品とバラ品を別々にマスタ作成することを意識することなく、マスタ管理を行うことができる。また、業務オペレータ等は、今回の出荷業務がケース品かバラ品かを判断するだけで(ケースバラ区分を判断するだけで)、商品コードの判断を不要とすることができる。このため、在庫管理単位の異なる2つの商品を作成し、業務上、その都度判断しながら運用を行うがために運用ミスが発生し、また、業務オペレータの作業負荷が増大する不都合を防止できる。
【0038】
これに対して、ステップS2において、ケースバラ区分が「バラ」であると判別されることで(ステップS2:No)、処理がステップS6に進んだ場合は、データ生成部23は、
図11(b)に下段の列のレコードとして例示するバラ用データを生成する。記憶制御部22は、生成されたバラ用データを商品マスタ11に登録し、この
図10のフローチャートに示す商品データの登録動作を終了する。このように、ケース用データ及びバラ用データを、その都度登録することで、商品マスタ11が生成される。
【0039】
(受注入力動作)
次に、サンプルとして配布されたケース品、バラ品又は通常受注品の受注入力動作を、
図12のフローチャートを用いて説明する。業務オペレータにより、受注入力画面の表示が指定されると、処理がステップS11からステップS12に進み、表示制御部24により、出力装置7を介して受注入力画面が表示される。業務オペレータにより、この受注入力画面を介して、受注した商品に関する情報の入力が行われると、取得部21により取得される(ステップS12)。データ生成部23は、ケース品及びバラ品に関わらず、商品コードをケース品用の商品コードとした受注入力データを生成する(ステップS13)。すなわち、データ生成部23は、ケース品及びバラ品の両方に対して、ケース品用の商品コードを付与した受注入力データを生成する。記憶制御部22は、生成された受注入力データを記憶部2に記憶する。
【0040】
次に、記憶制御部22は、記憶部2に記憶した受注入力データのうち、ケースバラ区分が「バラ」となっている受注入力データを検出する(ステップS14)。記憶制御部22は、ケースバラ区分が「バラ」となっている受注入力データを検出した場合(ステップS14:Yes)、
図2に示した商品マスタ11を参照することで、バラ商品コードを検出する。そして、ケースバラ区分が「バラ」となっている受注入力データのケース品用の商品コードを、商品マスタ11から検出したバラ商品コードに更新処理(書き換え処理)して(ステップS15)、この
図12に示す受注入力動作の全処理を終了する。
【0041】
具体的に説明すると、
図13(a)は、ケース品として配布されたサンプル品に対して業務オペレータにより入力された入力データである。この場合、業務オペレータは、
図7に示した取引区分関連付けマスタ16を参照することで、「サンプル受発注」の取引区分コードである「JT002」を、取引区分コードとして入力する。また、商品コードは「A001」、ケースバラ区分は「ケース」として入力する。記憶制御部22は、
図13(b)に示すように「J001」等の受注番号を自動採番し、一旦、入力データに従って、取引区分コードが「JT002」、商品コードが「A001」、ケースバラ区分が「ケース」の受注入力データを生成して、記憶部2に記憶する。この場合、ケースバラ区分が「ケース」であるため、記憶制御部22は、ステップS14及びステップS15で説明した商品コードの更新処理は、行わない。
【0042】
図13(e)及び
図13(f)の例は、ケース品を通常受注した場合の入力データ及び受注入力データの例である。この場合も、
図13(a)及び
図13(b)と同様であり、ケースバラ区分が「ケース」であるため、記憶制御部22は、ステップS14及びステップS15で説明した商品コードの更新処理は、行わない。
【0043】
これに対して、
図13(c)及び
図13(d)は、サンプル品のバラを受注した場合の入力データ及び受注入力データの例である。この場合、ケースバラ区分として「バラ」が指定されている。この場合でも、記憶制御部22は、一旦、入力データに従って、取引区分コードが「JT002」、商品コードが「A001」、ケースバラ区分が「バラ」の受注入力データを生成して、記憶部2に記憶する。しかし、ケースバラ区分が「バラ」であるため、
図13(d)に示すように、ケース品の商品コードである「A001」の商品コードを、商品マスタ11から検出したバラ品の商品コードである「A001-01」の商品コードに更新処理(書き換え処理)する。
【0044】
これにより、業務オペレータにより、ケース品及びバラ品の両方の商品コードに、ケース品の商品コードが用いられた場合でも、ケースバラ区分が「バラ」の場合には、自動的にバラ品の商品コードに修正できる。このため、業務オペレータは、ケース品及びバラ品の各商品コードを気にすることなく、入力データの入力を行うことができる。
【0045】
(仕入入力動作)
次に、商品の仕入入力動作を、
図14のフローチャートを用いて説明する。業務オペレータにより、仕入入力画面の表示が指定されると、処理がステップS21からステップS22に進み、表示制御部24により、出力装置7を介して仕入入力画面が表示される。業務オペレータにより、この仕入入力画面を介して仕入れを行う商品に関する情報の入力が行われると、取得部21は、入力された商品に関する情報を入力データとして取得する。データ生成部23は、取得された入力データに基づいて、仕入入力データを生成する(ステップS22)。記憶制御部22は、生成された仕入入力データを記憶部2に記憶する。
【0046】
図15(a)は、ケースで配布されたサンプル品の入力データの例である。この場合、業務オペレータは、
図6に示した取引区分マスタ15を参照し、サンプル品の仕入れであることを示す「ST002」の取引区分コードを入力する。また、商品コードとして「A001」を入力し、ケースバラ区分とした「ケース」を入力する。
図15(b)は、
図15(a)の入力データに基づいて、データ生成部23により生成される仕入入力データの一例である。データ生成部23は、入力データの取引区分コードが「ST002」の場合、
図7に示したように「サンプル品の仕入(サンプル仕入)」であることを示すため、商品マスタ11を参照し、商品コードが「A001」のケース品のサンプル債務科目区分コードである「KB002」を取得する。そして、データ生成部23は、
図15(b)に示すように、自動採番した「S001」の仕入番号、「ST002」の取引区分コード、「A001」の商品コード、「注射器」の商品名、「ケース」のケースバラ区分、仕入数、及び、「KB002」の債務科目区分コードを含む、サンプル仕入用の仕入入力データを生成する。
【0047】
ここで、データ生成部23は、生成した仕入入力データに含まれる取引区分コードが、「サンプル仕入」を示す取引区分コード(この例の場合、ST002)であるか否かを判別する(ステップS23)。取引区分コードが、「サンプル仕入」を示す取引区分コードである場合(ステップS23:Yes)、データ生成部23は、ステップS24において、資産分類を借方にセットし、サンプル債務科目区分を貸方にセットした仕訳データを生成する。
【0048】
すなわち、
図15(b)の例の場合、ケース品の商品コードである、「A001」の商品コードに基づいて
図2に示す商品マスタを参照すると、「S001」の資産分類コードを得ることができる。データ生成部23は、この「S001」の資産分類コードに基づいて
図3に示す資産分類マスタ12を参照することで、「販促費」の資産分類を得る。データ生成部23は、この「販促費」を仕訳データの借方にセットする。
【0049】
また、データ生成部23は、「KB002」の債務科目区分コードに基づいて、
図4に示す科目区分マスタ13を参照する。これにより、「未払金」のサンプル債務科目区分を得ることができる。データ生成部23は、この「未払金」を仕訳データの貸方にセットする。これにより、
図15(b)に示すように「販促費/未払金」の仕訳データを生成することができる。記憶制御部22は、この仕訳データを、仕入入力データに付加して記憶部2に記憶する。
【0050】
同様に、
図15(c)及び
図15(d)は、生成した仕入入力データに含まれる取引区分コードが、「サンプル仕入」を示す「ST002」の取引区分コードであり(ステップS23:Yes)、ケースバラ区分が「バラ」の場合の例である。この場合、データ生成部23は、ケースバラ区分が「バラ」であるため、自動的にバラ用の商品コード(A001-01)を生成することは、上述のとおりである。
【0051】
これと共に、データ生成部23は、バラ用の商品コードである、「A001-01」の商品コードに基づいて
図2に示す商品マスタを参照し、「S001」の資産分類コードを得る。データ生成部23は、この「S001」の資産分類コードに基づいて
図3に示す資産分類マスタ12を参照することで、「販促費」の資産分類を得る。データ生成部23は、この「販促費」を仕訳データの借方にセットする。
【0052】
また、データ生成部23は、「KB002」の債務科目区分コードに基づいて、
図4に示す科目区分マスタ13を参照し、「未払金」のサンプル債務科目区分を得る。データ生成部23は、この「未払金」を仕訳データの貸方にセットする。これにより、
図15(b)に示すように「販促費/未払金」の仕訳データを生成することができる。記憶制御部22は、この仕訳データを、仕入入力データに付加して記憶部2に記憶する。
【0053】
これに対して、
図15(e)は、商品コードが「A001」の商品をケースで通常仕入した場合の入力データの例である。すなわち、商品コードが「A001」の商品を、サンプル品として仕入れたのではなく、購入して仕入れた場合の入力データの例である。この場合、業務オペレータは、
図7に示す取引区分関連付けマスタ16を参照することで、
図15(e)に示すように、通常の仕入であることを示す「ST001」の取引区分コードを入力する。
【0054】
データ生成部23は、「A001」の商品を仕入れた仕入先に基づいて
図8に示す仕入先マスタを参照し、例えば「KB001」の債務科目区分コードを得る。そして、データ生成部23は、
図15(f)に示すように、「S003」等のように自動細分される仕入番号、「ST001」の取引区分コード、及び、「KB001」の債務科目区分コードを含む、通常仕入用の仕入入力データを生成する。
【0055】
ここで、
図15(e)及び
図15(f)の例は、取引区分コードが「サンプル仕入」を示す取引区分コードではなく、通常の「仕入」を示す取引区分コード(ST001)である(ステップS23:No)。このため、データ生成部23は、ステップS25において、
図7に示す取引区分科目関連付けマスタ16から、「ST001」の取引区分コードに対応する勘定科目(仕入)を検出し、これを仕訳データの借方にセットする。
【0056】
また、データ生成部23は、「KB001」の債務科目区分コードに基づいて、
図4に示す科目区分マスタ13を参照し、「買掛金」の科目区分を得る。そして、この科目区分を仕訳データの貸方にセットする。これにより、
図15(f)に示すように「仕入/買掛金」の仕訳データを生成することができる。記憶制御部22は、この仕訳データを、仕入入力データに付加して記憶部2に記憶する。
【0057】
この仕訳データは、所定のネットワーク上のサーバ装置に設けられている会計システム、又は、記憶部2に設けられている会計システムに計上される。
【0058】
(出荷入力動作)
次に、出荷入力動作を説明する。業務オペレータは、出荷業務を行う際、商品が詰められている箱(ケース)に印刷又はシールで貼り付けられているバーコードを、ハンディタイプのバーコードリーダにより読み込み操作する。このため、
図16(a)、
図16(c)及び
図16(e)に示すように、入力データの商品コードは、ケースの商品コードである「A001」となる。業務オペレータは、この入力データに対して、ケース区分及び出荷数の入力を行う。
図16(a)は、1ケースのサンプル品を出荷する際の入力データの一例である。また、
図16(c)は、バラの5本のサンプル品を出荷する際の入力データの一例である。
図16(e)は、1ケースの商品を通常出荷する際の入力データの一例である。
【0059】
このような入力データは、取得部21により取得される。データ生成部23は、
図16(a)に示す、1ケースのサンプル品を出荷することを示す入力データが取得されると、この入力データに基づいて、
図16(b)に示す出荷入力データを生成する。すなわち、データ生成部23は、
図16(b)に示すように、自動採番される「B001」等の出荷番号、「出荷」との取引区分名、ケース品の商品コードである「A001」の商品コード、「注射器」等の商品名、「ケース」とのケースバラ区分、及び、出荷数を含む出荷入力データを生成する。記憶制御部22は、この出荷入力データを記憶部2に記憶する。
【0060】
また、
図16(c)に示す、5本のバラのサンプル品を出荷することを示す入力データが取得されると、この入力データに基づいて、
図16(d)に示す出荷入力データを生成する。すなわち、データ生成部23は、
図16(d)に示すように、自動採番される「B002」等の出荷番号、「出荷」との取引区分名、「注射器」等の商品名、「バラ」とのケースバラ区分、及び、出荷数を含む出荷入力データを生成する。
【0061】
また、この例は、ケースバラ区分が「バラ」である。このため、データ生成部23は、上述のように商品マスタ11を参照し、「A001-01」となっているバラ用の商品コードを得る。そして、データ生成部23は、ハンディタイプのバーコードリーダによりバーコードの読み込みを行うことで、一律にケース用となっていた「A001」の商品コードを、バラ用の「A001-01」の商品コードに更新処理(書き換え処理)する。これにより、マスタ作成担当者又は業務オペレータは、ケース品とバラ品を別々にマスタ作成することを意識することなく、マスタ管理を行うことができる等、上述と同じ効果を得ることができる。記憶制御部22は、この出荷入力データを記憶部2に記憶する。
【0062】
また、データ生成部23は、
図16(e)に示す、1ケースの商品を通常出荷することを示す入力データが取得されると、この入力データに基づいて、
図16(f)に示す出荷入力データを生成する。すなわち、データ生成部23は、
図16(f)に示すように、自動採番される「B003」等の出荷番号、「出荷」との取引区分名、ケース品の商品コードである「A001」の商品コード、「注射器」等の商品名、「ケース」とのケースバラ区分、及び、出荷数を含む出荷入力データを生成する。記憶制御部22は、この出荷入力データを記憶部2に記憶する。
【0063】
(売上入力動作)
次に、商品の売上入力動作を、
図17のフローチャートを用いて説明する。業務オペレータにより、売上入力画面の表示が指定されると、処理がステップS31からステップS32に進み、表示制御部24により、出力装置7を介して売上入力画面が表示される。業務オペレータにより、この売上入力画面を介して商品に関する情報が入力されると、取得部21は、入力された商品に関する情報を入力データとして取得する。データ生成部23は、取得された入力データに基づいて、売上入力データを生成する(ステップS32)。記憶制御部22は、生成された売上入力データを記憶部2に記憶する。
【0064】
図18(a)は、ケースで配布されたサンプル品の入力データの例である。この場合、業務オペレータは、
図6に示した取引区分マスタ15を参照し、サンプル品の売上であることを示す「UT002」の取引区分コードを入力する。また、商品コードとして「A001」を入力し、ケースバラ区分とした「ケース」を入力する。
図18(b)は、
図18(a)の入力データに基づいて、データ生成部23により生成される売上入力データの一例である。データ生成部23は、この
図18(b)に示すように、自動採番した「U001」の仕入番号、「UT002」の取引区分コード、「A001」の商品コード、「注射器」の商品名、「ケース」のケースバラ区分、売上数、及び、「売掛金」の債務科目区分を含む、サンプル売上用の売上入力データを生成する。
【0065】
ここで、データ生成部23は、生成した売上入力データに含まれる取引区分コードが、「サンプル売上」を示す取引区分コード(この例の場合、UT002)であるか否かを判別する(ステップS33)。取引区分コードが、「サンプル売上」を示す取引区分コードである場合(ステップS33:Yes)、「0円」の売上が想定される。このため、データ生成部23は、ステップS34において、「仕訳なし」の仕訳データを生成する。記憶制御部22は、この「仕訳なし」の仕訳データを、売上入力データに付加して記憶部2に記憶する。
【0066】
同様に、
図18(c)及び
図18(d)は、生成した売上入力データに含まれる取引区分コードが、「サンプル売上」を示す「UT002」の取引区分コードであり(ステップS33:Yes)、ケースバラ区分が「バラ」の場合の例である。この場合、データ生成部23は、ケースバラ区分が「バラ」であるため、ケース用の商品コード(A001)を、自動的にバラ用の商品コード(A001-01)に更新処理することは、上述のとおりである。
【0067】
また、この「バラ」の場合も、取引区分コードが、「サンプル売上」を示す取引区分コードであるため(ステップS33:Yes)、「0円」の売上が想定される。このため、データ生成部23は、ステップS34において、「仕訳なし」の仕訳データを生成する。記憶制御部22は、この「仕訳なし」の仕訳データを、売上入力データに付加して記憶部2に記憶する。
【0068】
これに対して、
図18(e)は、商品コードが「A001」の商品をケースで通常売上した場合の入力データの例である。すなわち、商品コードが「A001」の商品を、サンプル品として配布したのではなく、販売した場合の入力データの例である。この場合、業務オペレータは、
図7に示す取引区分関連付けマスタ16を参照することで、
図18(e)に示すように、通常の売上であることを示す「UT001」の取引区分コードを入力する。
【0069】
データ生成部23は、この入力データに基づいて、
図18(f)に示すように、自動採番した「U003」の仕入番号、「UT001」の取引区分コード、「A001」の商品コード、「注射器」の商品名、「ケース」のケースバラ区分、売上数、及び、「売掛金」の債務科目区分を含む、通常売上用の売上入力データを生成する。
【0070】
ここで、
図18(e)及び
図18(f)の例は、取引区分コードが「サンプル売上」を示す取引区分コードではなく、通常の「売上」を示す取引区分コード(UT001)である(ステップS33:No)。このため、データ生成部23は、ステップS35において、
図7に示す取引区分科目関連付けマスタ16から、「UT001」の取引区分コードに対応する勘定科目(売上)を検出し、これを仕訳データの貸方にセットする。
【0071】
また、データ生成部23は、売上入力データの債務科目区分に基づいて、「売掛金」の科目区分を、仕訳データの借方にセットする。これにより、
図18(f)に示すように「売掛金/売上」の仕訳データを生成することができる。記憶制御部22は、この仕訳データを、売上入力データに付加して記憶部2に記憶する。
【0072】
記憶部2に記憶された仕訳データは、所定のネットワーク上のサーバ装置に設けられている会計システム、又は、記憶部2に設けられている会計システムに計上される。
【0073】
(商品変更入力動作)
次に、商品変更入力動作を、
図19のフローチャートを用いて説明する。この商品変更入力は、ケース品在庫をバラ商品在庫に事前に分解して在庫管理を行う場合等に用いられる。業務オペレータにより、商品変更入力画面の表示が指定されると、処理がステップS41からステップS42に進み、表示制御部24により、出力装置7を介して払出情報の入力画面が表示される。業務オペレータにより、この払出情報の入力画面を介して商品の払出情報が入力されると、取得部21は、入力された商品の払出情報を入力データとして取得する。データ生成部23は、取得された入力データに基づいて、
図20(a)に例示する払出データを生成する(ステップS42)。記憶制御部22は、生成された払出データを記憶部2に記憶する。
図20(a)に例示した払出データの例は、商品コードが「A001」の1ケースの商品が払い出されたことを示している。
【0074】
ステップS43では、データ生成部23が、払出データのケースバラ区分は「ケース」であるか否かを判別する。
図20(a)に例示した払出データの場合、ケースバラ区分は「ケース」となっている(ステップS43:Yes)。このため、データ生成部23は、ステップS44において、
図20(b)に例示するように、ケースバラ区分を「バラ」とし、上述のように、商品マスタ11を参照することで検出したバラ用の商品コードとし、ケース品をバラ品に分解した場合の商品数を入庫数とした受入データを生成する。
【0075】
なお、払出データのケースバラ区分が「バラ」の場合は(ステップS43:No)、そのまま
図19に示す商品変更入力動作を終了する。
【0076】
次に、データ生成部23は、ステップS45において、払出データ及び受入データに対応する商品変更入力データを生成する。
図21に、商品変更入力データの一例を示す。この
図21に示すように、データ生成部23は、取引区分を「商品変更」とし、商品コードが「A001」で商品名が「注射器」の「ケース」に対応する商品変更入力データを生成する。
【0077】
また、これと共に、データ生成部23は、取引区分を「商品変更」とし、商品コードが「A001-01」で、商品名が「注射器」の「バラ」に対応する商品変更入力データを生成する。そして、データ生成部23は、「ケース」の商品変更入力データの入出庫数を「-1」として入力すると共に、
図2に示した商品マスタ11の1ケースの入数(この例は、1ケースに20本入り)を参照し、1ケースに収納されているバラ品の数である例えば「20本」を、「バラ」の商品変更入力データの入出庫数として入力する。記憶制御部22は、商品変更入力データを、記憶部2に記憶する。これにより、ケース品在庫をバラ商品在庫に事前に分解して在庫管理を行うことができる。
【0078】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の情報処理装置1は、以下の効果を得ることができる。
【0079】
1.マスタ作成担当者又は業務オペレータ等は、ケース品とバラ品を別々にマスタ作成することを意識することなく、マスタ管理を行うことができる。
【0080】
2.業務担当者等の判断は、今回の出荷業務がケースかバラかの判断だけであり、ケース品及びバラ品の商品コードの判断を不要とすることができる。
【0081】
3.経理担当者等による、販促目的で仕入計上した伝票の経費振替を不要とすることができる。
【0082】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0085】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0086】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0087】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0088】
また、情報処理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0089】
例えば、情報処理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0090】
また、この情報処理装置1の情報処理プログラムは、情報処理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0091】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための情報処理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0092】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した情報処理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0093】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0094】
また、情報処理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0095】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、サンプル品等として提供されるバラ品及びケース品の在庫管理に有用である。
【符号の説明】
【0097】
1 情報処理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 商品マスタ
12 資産分類マスタ
13 科目区分マスタ
14 汎用マスタ
15 取引区分マスタ
16 取引区分関連付けマスタ
17 仕入先マスタ
18 得意先マスタ
21 取得部
22 記憶制御部
23 データ生成部
24 表示制御部