(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20241009BHJP
A45D 34/00 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
B65D77/04 A
A45D34/00 510Z
(21)【出願番号】P 2022120655
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】遠山 良
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-034836(JP,A)
【文献】実開昭63-153905(JP,U)
【文献】特開2020-050425(JP,A)
【文献】特開2019-131247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
A45D 34/00
A45D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器、および前記外容器に着脱可能に収納される内容器を有する容器であって、
前記外容器は、
前記内容器を収納する第1空間に繋がる開口を有する環状部を備え、
前記内容器は、
化粧料を収容する第2空間を形成し、前記第1空間に収納される化粧料収容部と、
前記化粧料収容部の外側方向に張り出しているフランジと、
前記フランジ内の環状の領域から前記第2空間の深さ方向側に延出しており、互いに離隔している複数の周壁部と、
を備え、
前記複数の周壁部の内周面と前記環状部の外周面とが嵌合する、容器。
【請求項2】
前記複数の周壁部の
周方向における長さの合計値は、前記複数の周壁部の
周方向における間隔部分の長さの合計値以上である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記複数の周壁部は、3つ以上の周壁部である、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記フランジは、周方向上で互いに離隔している複数の部分フランジからなり、
前記複数の部分フランジの間隔部分の各々は、前記複数の周壁部の間隔部分の各々に繋がっている、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記フランジは、前記化粧料収容部の前記深さ方向と反対側の端部から離隔した位置から前記化粧料収容部の外側方向に張り出している、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記フランジは、前記複数の周壁部が延出している環状の領域よりも、さらに外側方向に張り出している領域を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記複数の周壁部の外周面には、1または2以上のリブが周方向に沿って形成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記外容器は透光性を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記外容器はガラス製である、請求項8に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品の容器として、内容器と外容器から構成される二重容器が知られている。二重容器にガラス製の外容器を用いることで、透明感、重量感および高級感などが演出される。
【0003】
このような二重容器は、例えば特許文献1に開示されている。具体的には、特許文献1に開示されている二重容器は、開口の外周側に延出するフランジ部、およびフランジ部の縁から下側に延出する環状周壁部および薄肉部を有する内容器を備える。環状周壁部には、内周側に突出する内容器側係止突起が形成されており、当該内容器側係止突起が外容器側係止突起に係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された二重容器では、内容器を外容器から取り外し可能とするために、内容器側の複数個所に掴み部が設けられ、外容器側に追加的な孔などが設けられる。
【0006】
本発明は、内容器の着脱性が向上された容器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点は、外容器、および前記外容器に着脱可能に収納される内容器を有する容器であって、前記外容器は、前記内容器を収納する第1空間に繋がる開口を有する環状部を備え、前記内容器は、化粧料を収容する第2空間を形成し、前記第1空間に収納される化粧料収容部と、前記化粧料収容部の外側方向に張り出しているフランジと、前記フランジ内の環状の領域から前記第2空間の深さ方向側に延出しており、互いに離隔している複数の周壁部と、を備え、前記複数の周壁部の内周面と前記環状部の外周面とが嵌合する、容器に関する。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明の容器によれば、内容器の着脱性を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による容器10の外観構成を示す説明図である。
【
図2】キャップ40が取り外された状態の容器10を示す説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態による外容器20の
図2に示したI-I線での断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による内容器30の
図2に示したI-I線での断面図である。
【
図6】内容器30が外容器20に収容されている状態を示す説明図である。
【
図7】第1の変形例による内容器30-1の下面を模式的に示す図である。
【
図8】第2の変形例による内容器30-2の下面を模式的に示す図である。
【
図9】第3の変形例による内容器30-3の下面を模式的に示す図である。
【
図10】第4の変形例による内容器30-4を示す説明図である。
【
図11】第5の変形例による内容器30-5を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<容器の全体構成>
本発明の一実施形態は、化粧料を収容する容器に関する。まず、
図1を参照し、本発明の一実施形態による容器の全体構成を説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による容器10の外観構成を示す説明図である。
図2は、キャップ40が取り外された状態の容器10を示す説明図である。
図1および
図2に示したように、本発明の一実施形態による容器10は、外容器20、内容器30およびキャップ40を有する。
【0013】
外容器20は、内容器30を収容する第1空間を有する。外容器20は、
図1および
図2に示したように、透光性を有してもよい。このような外容器20の材料の代表例はガラスである。また、外容器20には、キャップ40が着脱可能に取り付けられる。キャップ40は、螺合、嵌合、磁力結合またはその他の態様で外容器20に取り付けられてもよい。
【0014】
内容器30は、
図2に示したように、有底の筒形状を有する化粧料収容部32を含む。化粧料収容部32は、化粧料を収容する第2空間33を形成する。化粧料収容部32に収容される化粧料は、例えば、保湿クリーム、クリームファンデーション、エイジングケアクリームなどのクリームであってもよい。このような化粧料収容部32は、
図2に示したように、外容器20に形成されている第1空間に収納される。なお、本明細書においては、化粧料収容部32において化粧料が収容される第2空間33の深さ方向(第2空間33の開口から化粧料収容部32の底部に向かう方向)を下方向と称し、下方向の反対方向を上方向と称する場合がある。
【0015】
また、内容器30は、化粧料収容部32の上端から外側方向に張り出しているフランジ34を有する。フランジ34は、環状に形成されている。環状とは、ある領域を取り囲う形状であり、ここでは、フランジ34は第2空間33の開口を取り囲うように形成されている。
【0016】
上記の内容器30は、例えば、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系等の合成樹脂から形成される。また、内容器30は、これら材料を用いて例えば射出成形またはブロー成形等によって成形される。
【0017】
キャップ40は、外容器20に着脱可能に取り付けられる。キャップ40が外容器20に取り付けられた状態において、キャップ40の天面の裏面とフランジ34とが密着することにより、化粧料を収容する第2空間33の気密性が得られる。
【0018】
(背景)
ここで、本発明の一実施形態の背景を説明する。ある種の容器では、内容器のフランジから下側に延出した壁部の内周と、外容器の口栓の外周とがアンダーカット嵌合することにより、内容器が外容器に装着される。ガラスは寸法公差が大きいので、外容器がガラス製である場合には、内容器と外容器の嵌合値(嵌合の強さ)がきつめに設定される。このため、製品によっては、内容器を外容器から取り外すことが難しくなることが懸念される。なお、ねじ嵌合により内容器を外容器に装着する態様も考えられるが、その場合には、ガタツキの抑制のためにパッキンが挿入されるので、パーツ数が増加してしまう。
【0019】
他の種の容器では、内容器のフランジから下側に延出した壁部の外周側と外容器またはキャップが嵌合することにより、内容器が外容器に装着される。当該態様に関し、内容器にはデザイン性の観点から塗装または蒸着が多用される。このため、内容器の壁部の外周側が嵌合面となる場合、塗装の摩耗、剥がれ、くすみなどが発生する。内容器の壁部の外周側は使用者から見え易いので、塗装の摩耗、剥がれ、くすみなどの発生は、外観上の問題となり得る。
【0020】
本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の一実施形態を創作するに至った。本発明の一実施形態は、パーツ数の増加および外観への悪影響を抑制しつつ、内容器30を外容器20に対して容易に着脱可能な容器10に関する。以下、このような本発明の一実施形態による容器10が有する外容器20および内容器30の構成を順次詳細に説明する。
【0021】
<外容器20の構成>
図3は、本発明の一実施形態による外容器20の
図2に示したI-I線での断面図である。
図3に示したように、本発明の一実施形態による外容器20は、下段部22、中段部24および上段部26を備える。
【0022】
下段部22、中段部24および上段部26は、それぞれ筒形状を有する。下段部22、中段部24および上段部26の各々の中空領域は、一体的に、内容器30を収容する第1空間23を形成する。なお、
図3に示した例では下段部22が第1空間23を非貫通とする底部を有しているが、下段部22は底部を有していなくてもよい。
【0023】
中段部24の外径は下段部22の外径よりも小さい。中段部24の外周面には、キャップ40の内周面と螺合する螺合部25が形成されている。
【0024】
上段部26は、第1空間23に繋がる開口を有する環状部の一例である。上段部26の外径は中段部24の外径よりも小さい。上段部26の外周面には、周方向に沿って連続的に凸部27が形成されている。
【0025】
<内容器30の構成>
図4は、本発明の一実施形態による内容器30の
図2に示したI-I線での断面図である。
図4に示したように、本発明の一実施形態による内容器30は、化粧料収容部32、フランジ34および複数の周壁部36を有する。
【0026】
化粧料収容部32は、上述したように、有底の筒形状を有する。化粧料収容部32は、化粧料を収容する第2空間33を形成する。
【0027】
フランジ34は、化粧料収容部32の上端から外側方向に張り出している。フランジ34における環状の領域から、複数の周壁部36が下方向側に延出している。フランジ34は、当該環状の領域よりも外側方向に張り出している領域である、指かけ部35を有する。
【0028】
複数の周壁部36は、フランジ34から下方向側に延出しており、各周壁部36は互いに離隔している。各周壁部36の内周面には、周方向に沿って凸部37が形成されている。ここで、
図5を参照して複数の周壁部36をより具体的に説明する。
【0029】
図5は、内容器30の下面図である。
図5では、複数の周壁部36として4つの周壁部36が示されている。
図5に示した例では、4つの周壁部36の各々の周方向における長さ(x1~x4)は同一であり、各周壁部36の間隔部分の長さ(y1~y4)も同一である。また、4つの周壁部36の長さの合計値(x1+x2+x3+x4)は、各周壁部36の間隔部分の長さの合計値(y1+y2+y3+y4)以上である。なお、各周壁部36の間隔部分の長さは4mm以上であってもよい。
【0030】
このような内容器30は、
図6に示したように外容器20に収容される。すなわち、内容器30の化粧料収容部32が外容器20の第1空間23に収容され、周壁部36の凸部37が上段部26の凸部27を乗り越え、周壁部36の内周面と上段部26の外周面が嵌合することにより、内容器30が外容器20に着脱可能に収容される。
【0031】
<作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態によれば、多様な作用効果が得られる。例えば、内容器30において複数の周壁部36が互いに離隔して形成されている。かかる構成によれば、周壁部36が一周に亘って連続的に形成されている場合と比較して、各周壁部36の先端が外側に向かうように周壁部36が曲がり易い。従って、内容器30を外容器20から取り外し易い。
【0032】
また、本発明の一実施形態においては、内容器30の周壁部36の内周面と、外容器20の上段部26の外周面が嵌合することにより、内容器30が外容器20に着脱可能に収容される。従って、内容器30の周壁部36の外周面に摩耗、剥がれ、くすみなどが発生し難い。すなわち、本発明の一実施形態によれば、外観上の不都合が生じ難い。
【0033】
また、本発明の一実施形態による内容器30は、周壁部36が延出している環状の領域よりも外側方向に張り出している指かけ部35を有する。使用者は、当該指かけ部35に下側から指をかけて、当該指かけ部35を持ち上げることにより、容易に内容器30を外容器20から取り外すことが可能である。
【0034】
また、本発明の一実施形態においては、各周壁部36の長さは同一であり、各周壁部36の間隔部分の長さも同一である。従って、使用者が平面視における内容器30のどの位置から内容器30を取り外そうとする場合でも、内容器30の取り外し易さに差が生じ難い。
【0035】
また、本発明の一実施形態においては、各周壁部36の長さの合計値は、各周壁部36の間隔部分の長さの合計値以上である。各周壁部36の間隔部分の長さの合計値に対する各周壁部36の長さの合計値が大きいほど内容器30と外容器20との嵌合が強くなるので、内容器30を外容器20に安定的に収容することが可能である。
【0036】
また、本発明の一実施形態においては、4つの周壁部36が形成される例を説明した。本例では、周壁部36を円弧とする扇形の中心角の平均値は90度未満となる。従って、周壁部36の曲がり易さ(柔性)が確保され、内容器30を外容器20から取り外し易い。ただし、周壁部36の数は4つに限定されない。周壁部36の数は、好ましくは3つ以上であり、より好ましくは4つ以上である。周壁部36の数が3つ以上であることにより、対向する2つの周壁部36のみが形成される場合と比較して、周方向でより均一な嵌合を実現できるので、内容器30を外容器20に安定的に収容することが可能である。
【0037】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態を説明した。以下では、上述した実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で上述した実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで上述した実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、上述した実施形態の構成に代えて適用されてもよいし、上述した実施形態の構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0038】
(第1の変形例)
図7は、第1の変形例による内容器30-1の下面を模式的に示す図である。第1の変形例による内容器30-1においては、各周壁部36の長さ、および各周壁部36の間隔部分の長さが等しい。すなわち、各周壁部36の長さの合計値と、各周壁部36の間隔部分の長さの合計値は等しい。このような第1の変形例においても、外容器20による安定的な内容器30の収納と、内容器30の容易な取り外しを実現することが可能である。
【0039】
(第2の変形例)
図8は、第2の変形例による内容器30-2の下面を模式的に示す図である。第2の変形例による内容器30-2は、6つの周壁部36を有する。また、第2の変形例においては、各周壁部36の間隔部分の長さは、各周壁部36の長さよりも長い。周壁部36の長さに対する間隔部分の長さの割合が高くなっても、周壁部36の数を増やすことで、内容器30のガタツキを抑制することが可能である。
【0040】
(第3の変形例)
図9は、第3の変形例による内容器30-3の下面を模式的に示す図である。第3の変形例による内容器30-3においては、
図9に示したように、複数の周壁部36の各々の長さは不均一である。また、各周壁部36の間隔部分の長さも不均一である。このように、複数の周壁部36の各々の長さなどが不均一であっても、外容器20による安定的な内容器30の収納と、内容器30の容易な取り外しを実現することが可能である。
【0041】
(第4の変形例)
図10は、第4の変形例による内容器30-4を示す説明図である。第4の変形例による内容器30-4では、周壁部36の外周面に1または2以上のリブ38が周方向に沿って形成されている。
図10に示した例では、周壁部36の外周面に3つのリブ38が周方向に沿って形成されている。かかる構成によれば、リブ38に使用者の指が引っ掛かることにより、使用者が内容器30-4を外容器20から取り外し易くなる。
【0042】
なお、周壁部36の外周面に形成されるリブ38の数は3つに限られない。例えば、周壁部36の外周面に形成されるリブ38の数は1つであってもよい。この場合、当該リブ38の幅(上下方向における長さ)が0.7mm以上であり、高さ(周壁部36の外周面からの突出長さ)が1mm以上であてもよい。または、幅が0.5mm以上であり、高さが0.5mm以上であるリブ38が2~4つ形成されてもよい。
【0043】
(第5の変形例)
図11は、第5の変形例による内容器30-5を示す説明図である。
図11に示したように、第5の変形例による内容器30-5は、互いに離隔している複数の部分フランジ39A~39Dを有する。複数の部分フランジ39A~39Dの各々は、化粧料収容部32の上端から離隔した位置から化粧料収容部32の外側方向に張り出している。各部分フランジ39からは周壁部36が下方向側に延出している。具体的には、部分フランジ39Aからは周壁部36Aが延出し、部分フランジ39Bからは周壁部36Bが延出し、部分フランジ39Cからは周壁部36Cが延出し、部分フランジ39Dからは周壁部36Dが延出している。結果、複数の部分フランジ39の間隔部分の各々は、複数の周壁部36の間隔部分の各々に繋がっている。
【0044】
かかる構成によれば、使用者が内容器30-5を外容器20から取り外そうとする際に、部分フランジ39の付け根の部分から部分フランジ39および周壁部36が曲がり易くなる。従って、使用者が内容器30-5を外容器20から一層取り外し易くなる。また、キャップ40が外容器20に取り付けられている間は、化粧料収容部32の上端面32aが部分フランジ39よりも上方向に突出しているので、化粧料収容部32の上端面32aとキャップ40の下面が密着することにより、化粧料収容部32内の気密性を確保することも可能である。
【0045】
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0046】
さらに、上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の容器を開示する。
<1>
外容器、および前記外容器に着脱可能に収納される内容器を有する容器であって、
前記外容器は、
前記内容器を収納する第1空間に繋がる開口を有する環状部を備え、
前記内容器は、
化粧料を収容する第2空間を形成し、前記第1空間に収納される化粧料収容部と、
前記化粧料収容部の外側方向に張り出しているフランジと、
前記フランジ内の環状の領域から前記第2空間の深さ方向側に延出しており、互いに離隔している複数の周壁部と、
を備え、
前記複数の周壁部の内周面と前記環状部の外周面とが嵌合する、容器。
<2>
前記複数の周壁部の長さの合計値は、前記複数の周壁部の間隔部分の長さの合計値以上である、前記<1>に記載の容器。
<3>
前記複数の周壁部は、3つ以上の周壁部である、前記<1>または<2>に記載の容器。
<4>
前記複数の周壁部は、4つ以上の周壁部である、前記<1>または<2>に記載の容器。
<5>
前記複数の周壁部の各々の長さは不均一である、前記<1>~<4>のいずれか一項に記載の容器。
<6>
前記フランジは、周方向上で互いに離隔している複数の部分フランジからなり、
前記複数の部分フランジの間隔部分の各々は、前記複数の周壁部の間隔部分の各々に繋がっている、前記<1>~<5>のいずれか一項に記載の容器。
<7>
前記フランジは、前記化粧料収容部の前記深さ方向と反対側の端部から離隔した位置から前記化粧料収容部の外側方向に張り出している、前記<6>に記載の容器。
<8>
前記フランジは、前記複数の周壁部が延出している環状の領域よりも、さらに外側方向に張り出している領域を有する、前記<1>~<7>のいずれか一項に記載の容器。
<9>
前記複数の周壁部の外周面には、1または2以上のリブが周方向に沿って形成されている、前記<1>~<8>のいずれか一項に記載の容器。
<10>
前記外容器は透光性を有する、前記<1>~<9>のいずれか一項に記載の容器。
<11>
前記外容器はガラス製である、前記<10>に記載の容器。
<12>
前記外容器は、前記第1空間を非貫通とする底部を有する、前記<1>~<11>のいずれか一項に記載の容器。
<13>
前記外容器は、
前記環状部の下段にキャップの内周面と螺合する中段部を有し、
前記環状部の外周面には、周方向に沿って連続的に凸部が形成されており、
前記周壁部の内周面と前記環状部の外周面に形成された前記凸部が嵌合することにより、前記内容器が前記外容器に着脱可能に収容される、前記<1>~<12>のいずれか一項に記載の容器。
<14>
前記環状部の外径は、前記中段部の外径よりも小さい、前記<13>に記載の容器。
<15>
前記複数の周壁部の内周面には、周方向に沿って凸部が形成されている、前記<1>~<14>のいずれか一項に記載の容器。
<16>
前記内容器は、合成樹脂からなる、前記<1>~<15>のいずれか一項に記載の容器。
【符号の説明】
【0047】
10 容器
20 外容器
22 下段部
23 第1空間
24 中段部
26 上段部
27 凸部
30 内容器
32 化粧料収容部
33 第2空間
34 フランジ
35 指かけ部
36 周壁部
37 凸部
38 リブ
39 部分フランジ
40 キャップ