(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】マルチモデルプリンティング方法
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20241009BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20241009BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20241009BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05D1/26 Z
B05D7/00 E
B41J2/01
(21)【出願番号】P 2022200877
(22)【出願日】2022-12-16
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0112648
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソ,カン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ス ベム
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/182098(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0052742(US,A1)
【文献】特開2013-252676(JP,A)
【文献】特開2015-230860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05C 5/00-21/00
H05B 3/10
B41J 2/01
2/165-2/20
2/21-2/215
G09F 9/00
9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラス基板の第1領域に、第1サイズの第1セルをインクジェットプリントするための第1作業を登録し、
前記グラス基板の第2領域に、前記第1サイズと異なる第2サイズの第2セルをインクジェットプリントするための第2作業を登録し、
前記第1作業と前記第2作業を含むレシピを保存することを含
み、
設備運営部はインデクサから前記グラス基板の区分因子の提供を受け、
前記設備運営部は前記区分因子に基づいて、前記第1作業と関連する第1モデル情報をモデル管理部に伝達し、
前記設備運営部は前記モデル管理部から、前記第1作業を行うための第1制御情報の伝達を受け、
前記設備運営部は前記第1制御情報に基づいてプリンティング動作を制御することを含む、マルチモデルプリンティング方法。
【請求項2】
前記設備運営部は第2作業と関連する第2モデル情報をモデル管理部に伝達し、
前記設備運営部は前記モデル管理部から、前記第2作業を行うための第2制御情報の伝達を受け、
前記設備運営部は前記第2制御情報に基づいてプリンティング動作を制御することを含む、請求項
1に記載のマルチモデルプリンティング方法。
【請求項3】
前記第1制御情報はスワス(swath)回数、ノズルのシフト量(shift amount)、ピクセル個数(pixel number)、ピクセルピッチ(pixel pitch)の少なくとも一つを含む、請求項
1に記載のマルチモデルプリンティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチモデルプリンティング方法、コンピューティング装置およびマルチモデルプリンティング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
無機発光物質である、量子ドット(Quantum Dot,QD)を発光材料として利用した発光デバイスに対する研究開発が活発に行われている。量子ドットは数ナノメートル大きさの結晶構造を有している半導体物質であって、数百から数千個の程度の原子で構成されることができる。量子ドットは大きさが非常に小さいので、単位体積当たりの表面積が広い。そのため、多くの原子がナノ結晶の表面に存在して、量子閉じ込め(quantum confinement)効果などを示す。このような量子閉じ込め効果によって、量子ドットは、その大きさを調節することだけで発光波長を調節することができ、優れた色純度および高いPL(photoluminescence)発光効率などの特性を有する。量子ドットを利用した発光デバイスは量子ドット発光層を間に置いて両側に正孔輸送層(hole transport layer;HTL)および電子輸送層(electron transport layer;ETL)を含む多層構造の素子を含むことができる。
[先行技術文献]
[特許文献]
【文献】米国特許出願公開第2007/0052742号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、一つのグラス基板に互いに異なるサイズを有するセルをプリントすることができる。例えば、55インチセルと66インチセルを一つのグラス基板にプリントすることができる。従来には一つのレシピ(recipe)を用いて、互いに異なるサイズを有するセルをグラス基板全体にプリントした。しかし、このような方式を用いると、印刷自由度が落ち、各セルに対する工程評価が難しくなる。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、印刷自由度を高め、各セルに対する工程評価が可能なマルチモデルプリンティング方法を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、前記マルチモデルプリンティング方法を行うためのコンピューティング装置を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、印刷自由度を高め、各セルに対する工程評価が可能なマルチモデルプリンティング設備を提供することにある。
【0007】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明のマルチモデルプリンティング方法の一面(aspect)は、グラス基板の第1領域に、第1サイズの第1セルをインクジェットプリントするための第1作業を登録し、前記グラス基板の第2領域に、前記第1サイズと異なる第2サイズの第2セルをインクジェットプリントするための第2作業を登録し、前記第1作業と前記第2作業を含むレシピを保存することを含む。
【0009】
前記他の課題を達成するための本発明のコンピューティング装置の一面は、画面を表示するディスプレイ部;前記ディスプレイ部にユーザーの入力を表示するために、前記ユーザーの入力の提供を受ける入力部;および前記ディスプレイ部および前記入力部を制御する制御部を含み、前記ディスプレイ部にはグラス基板にプリントするための総プリント回数を入力するための第1入力領域と、前記第1入力領域に入力された総プリント回数に応じて活性化する第2入力領域が表示され、前記第2入力領域は前記グラス基板の第1領域に、第1サイズの第1セルをインクジェットプリントするための第1作業を入力するための第1登録領域と、前記グラス基板の第2領域に、第2サイズの第2セルをインクジェットプリントするための第2作業を入力するための第2登録領域を含む。
【0010】
前記また他の課題を達成するための本発明のマルチモデルプリンティング設備の一面は、グラス基板を処理するための情報を示す区分因子を取得するインデクサ;前記インデクサから前記区分因子の提供を受け、統合制御器(CTC)から前記区分因子に対応するレシピの提供を受ける設備運営部;および前記レシピに基づいて、プリンティング運営に必要な制御情報を提供するモデル管理部を含み、前記レシピは前記グラス基板の第1領域に第1サイズの第1セルをインクジェットプリントするための第1作業と、前記グラス基板の第2領域に前記第1サイズと異なる第2サイズの第2セルをインクジェットプリントするための第2作業を含み、前記設備運営部は前記第1作業と関連する第1モデル情報を前記モデル管理部に提供し、前記モデル管理部は前記第1セルをプリントするための第1制御情報を前記設備運営部に提供し、次に、前記設備運営部は前記第1制御情報に基づいて前記グラス基板に第1セルをプリントし、次に、前記設備運営部は前記第2作業と関連する第2モデル情報を前記モデル管理部に提供し、前記モデル管理部は前記第2セルをプリントするための第2制御情報を前記設備運営部に提供し、次に、前記設備運営部は前記第2制御情報に基づいて前記グラス基板に第2セルをプリントすることを含む。
【0011】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法で使用されるグラス基板を説明するための図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法で使用されるグラス基板を説明するための図である。
【
図3】本発明の第1実施形態によるマルチモデルプリンティング方法を説明するためのフローチャートである。
【
図4】多数の作業(job)を登録するための登録領域の第1例を説明するための図である。
【
図5】
図4で登録された作業に従ってプリントされる順序を説明するための図である。
【
図6】多数の作業を登録するための登録領域の第2例を説明するための図である。
【
図7】
図6で登録された作業に従ってプリントされる順序を説明するための図である。
【
図8】多数の作業を登録するための登録領域の第3例を説明するための図である。
【
図9】
図8で登録された作業に従ってプリントされる順序を説明するための図である。
【
図10】本発明の第2実施形態によるマルチモデルプリンティング方法を説明するためのフローチャートである。
【
図11】総プリント回数を入力するための第1入力領域と、作業を登録するための第2入力領域の第1例を説明するための図である。
【
図12】総プリント回数を入力するための第1入力領域と、作業を登録するための第2入力領域の第2例を説明するための図である。
【
図13】本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法で使用されるグラス基板の他の例を説明するための図である。
【
図14】本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法に使用されるコンピューティング装置を説明するための図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法に使用されるマルチモデルプリンティング設備を説明するための図である。
【
図16】区分因子、フローレシピおよびプロセスレシピを説明するための図である。
【
図17】区分因子、フローレシピおよびプロセスレシピを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0014】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0015】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0016】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0017】
図1および
図2は本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法で使用されるグラス基板を説明するための図である。
【0018】
図1および
図2を参照すると、グラス基板10は第1領域10Aと第2領域10Bを含む。図示するように、第1領域10Aは第1サイズの第1セル11がプリントされる領域であり、第2領域10Bは第1サイズと異なる第2サイズの第2セル12がプリントされる領域である。第2サイズは第1サイズより大きくてもよいが、これに限定されない。例えば、第1サイズは55インチディスプレイ装置用であり、第2サイズは65インチディスプレイ装置用であるが、これに限定されない。
【0019】
第1領域10Aで多数の第1セル11は短辺が互いに対向するように配置され、第2領域10Bで多数の第2セル12が長辺が互いに対向するように配置されることができる。
【0020】
プリンティング設備は第1セル11および第2セル12に量子ドットを含むインクをプリントすることができる。プリンティング設備が第1セル11にプリントする時プリンティング設備は第1制御情報に基づいて制御される。プリンティング設備が第2セル12にプリントする時プリンティング設備は第1制御情報と異なる第2制御情報に基づいて制御されることができる。ここで、第1制御情報/第2制御情報はスワス(swath)回数、ノズルのシフト量(shift amount)、ピクセル個数(pixel number)、ピクセルピッチ(pixel pitch)などを含み得るが、これに限定されない。
【0021】
図3は本発明の第1実施形態によるマルチモデルプリンティング方法を説明するためのフローチャートである。
図4は多数の作業(job)を登録するための登録領域の第1例を説明するための図である。
図5は
図4で登録された作業に従ってプリントされる順序を説明するための図である。
【0022】
先に、
図3を参照すると、グラス基板の第1領域(
図1の10Aを参照)に、第1サイズの第1セル(
図1の11を参照)をインクジェットプリントするための第1作業(job)を登録する(S210)。
【0023】
具体的には、
図4に示すように、ディスプレイ部130に登録領域131a,132aが表示される。
【0024】
図示するように、登録領域131a,132aは表形態であり得る。第1登録領域131aはPRINT_RECIPE_ID1と表示されている。第1登録領域131aは最初にプリントされるアイテムを意味する。
【0025】
第2登録領域132aはPRINT_RECIPE_ID2と表示されている。第2登録領域132aは二番目にプリントされるアイテムを意味する。
【0026】
第1登録領域131aは第2登録領域132aより上側に配置される。第1登録領域131aに登録される第1作業が、第2登録領域132aに登録される第2作業より先に行われることができる。
【0027】
ここで、ユーザーは第1登録領域131aに第1作業131を登録する。第1作業131は55INCH_2CELLと表示されている。「55INCH_2CELL」は55インチの第1セルが2個プリントされる作業を意味する。
【0028】
次に、グラス基板の第2領域(
図1の10Bを参照)に、第1サイズと異なる第2サイズの第2セル(
図1の12を参照)をインクジェットプリントするための第2作業(job)を登録する(S220)。
【0029】
具体的には、
図4に示するように、ユーザーは第2登録領域132aに第2作業132を登録する。第2作業132は65INCH_3CELLと表示されている。「65INCH_3CELL」は65インチの第2セルが、3個プリントされることであり得る。
【0030】
次に、第1作業131と第2作業132を含むレシピを保存する(S230)。
【0031】
上記のようにレシピを保存すると、
図5に示すような順にインクジェットプリンティングが行われる。
【0032】
すなわち、最初にプリントされるアイテムとして保存された第1作業131に従って、グラス基板の第1領域(
図5の10Aを参照)に、第1サイズの第1セル(
図5の11を参照)がインクジェットプリントされる(
図5の図面符号1(丸数字1)を参照)。
【0033】
二番目にプリントされるアイテムとして保存された第2作業132に従って、グラス基板の第2領域(
図5の10Bを参照)に、第1サイズと異なる第2サイズの第2セル(
図5の12を参照)がインクジェットプリントされる(
図5の図面符号2(丸数字2)を参照)。
【0034】
後述するが、第1作業を行う時使用される第1制御情報と、第2作業を行う時使用される第2制御情報は互いに異なる。したがって、第1作業に適した制御方式(すなわち、第1サイズの第1セルをプリントする時最適化された制御方式)を用いることができる。第2作業に適した制御方式(すなわち、第2サイズの第2セルをプリントする時最適化された制御方式)を用いることができる。したがって、各作業を行う時の印刷自由度を高めることができる。
【0035】
のみならず、グラス基板をプリントする時多数の作業に分けてプリントするので、多数の作業それぞれが正しく行われたかどうかの評価を正確にすることができる。また、多数の作業のうち一つの作業のみを行い残りの作業が行われていない状態でも、プリントを中断させて評価を行うこともできる。したがって、各作業を評価することも容易になる。
【0036】
図6は多数の作業を登録するための登録領域の第2例を説明するための図である。
図7は
図6で登録された作業に従ってプリントされる順序を説明するための図である。
【0037】
図6を参照すると、第1登録領域131aには第1作業131として、65INCH_3CELLが登録される。第2登録領域132aには第2作業132として、55INCH_2CELLが登録される。
【0038】
登録された作業131,132に従って、第1作業131に該当する65インチのセル(
図7の12を参照)が先にプリントされる(
図7の図面符号1(丸数字1)を参照)。次に、第2作業132に該当する55インチのセル(
図7の11を参照)がプリントされる(
図7の図面符号2(丸数字2)を参照)。ここで、第1作業を行う時使用される制御情報と、第2作業を行う時使用される制御情報は互いに異なる。
【0039】
図8は多数の作業を登録するための登録領域の第3例を説明するための図である。
図9は
図8で登録された作業に従ってプリントされる順序を説明するための図である。
【0040】
図8を参照すると、第3登録領域133aには第3作業133として、DYNAMIC_V1が登録される。
【0041】
登録された作業133に従って、グラス基板の第2領域(
図9の10Bを参照)に65インチのセル(
図9の12を参照)を先にプリントして、次にグラス基板の第1領域(
図9の10Aを参照)に55インチのセル(
図9の11を参照)をプリントする(
図9の図面符号1(丸数字1)を参照)。ここで、65インチのセルをプリントする時と55インチのセルをプリントする時の制御情報は互いに同一であり得る。
【0042】
図10は本発明の第2実施形態によるマルチモデルプリンティング方法を説明するためのフローチャートである。
図11は総プリント回数を入力するための第1入力領域と、作業を登録するための第2入力領域の第1例を説明するための図である。
【0043】
図10を参照すると、ユーザーはグラス基板でプリンティング領域の配置を確認する(S410)。
【0044】
例えば、ユーザーは、グラス基板(
図1の10を参照)で、第1サイズの第1セル(
図1の11を参照)がプリントされる領域である第1領域(
図1の10Aを参照)と、第2サイズの第2セル(
図1の12を参照)がプリントされる領域である第2領域(
図1の10Bを参照)をあらかじめ確認する。
【0045】
ユーザーは
図1のようにあらかじめ設定されたプリンティング領域をユーザーが確認だけをすることもできるが、ユーザーがグラス基板に多数のプリンティング領域(すなわち、互いに異なる種類のセルをプリントする領域)を定義することもできる。
次に、ユーザーは総プリント回数を登録する(S420)。
【0046】
例えば、
図11を参照すると、ディスプレイ部130には第1入力領域135aと第2入力領域136aが表示されることができる。第1入力領域135aはグラス基板をプリントするための総プリント回数135(すなわち、登録される作業の総個数)を入力するための領域である。第2入力領域136aは第1入力領域135aに入力された総プリント回数135に応じて活性化されて、作業を入力するための領域である。例えば、ユーザーは第1入力領域135aに総プリント回数135として2を入力する(図面符号135を参照)。総プリント回数135が2個の場合、第2入力領域136aで活性化する登録領域131a,132aは2個になる。
【0047】
次に、ユーザーはグラス基板でプリント順序を確認する(S430)。
【0048】
具体的には、第2入力領域136aで第1登録領域131aに登録される第1作業131が先にプリントされ、第2登録領域132aに登録される第2作業132が後にプリントされる。したがって、登録領域131a,132aに作業131,132を登録する前に、ユーザーはグラス基板でどのような順序でプリントされるかを先に確認しなければならない。
【0049】
以下では、例えば、ユーザーが55インチセルが先にプリントされ、65インチセルが後にプリントされるべきであることを確認したと仮定する。
【0050】
次に、ユーザーは登録領域に作業を登録する(S440)。
【0051】
具体的には、S430段階で、ユーザーは55インチセル、65インチセルの順にプリントされるべきであることを確認したので、ユーザーは第1登録領域131aに第1作業131の55INCH_2CELLを先に登録する。
【0052】
次に、作業の累積登録個数と総プリント回数が同一であるかを比較する(S450)。
【0053】
具体的には、作業の累積登録個数と総プリント回数が同一であれば(S450のYes)、次の段階(S460)に移る。作業の累積登録個数が総プリント回数より小さいと(S450のNo)、前の段階(S440)に復帰する。
【0054】
例えば、S420段階で登録した総プリント回数が2であり、S440段階で登録された作業は1個であるから、前の段階(S440)に復帰する。
【0055】
次に、S440段階で、ユーザーは登録領域に作業を追加で登録する。具体的には、ユーザーは第2登録領域132aに第2作業132の65INCH_3CELLを追加で登録する。
【0056】
次に、S450段階で、作業の累積登録個数と総プリント回数が2で同一であるので、次の段階(S460)に移る。
【0057】
次に、登録された作業を含むレシピを保存する(S460)。すなわち、保存されたレシピには互いに異なる多数の作業131,132が含まれる。
【0058】
S430、S440段階によれば、多数の作業が登録される順序により、プリントされる順序が決定される。これとは異なり、多数の領域にプリントする多数の作業を登録した後に(すなわち、領域別にプリントする作業を登録した後に)、どの領域からプリントするか順序を決定することもできる。すなわち、作業の登録順序と、プリントされる順序を異なるように設定することもできる。
【0059】
一方、S420段階で、総プリント回数が1の場合、登録される作業が1個であるから、グラス基板全体を(多数のプリンティング領域とは関係なく)プリントすることになる。また、総プリント回数が2以上の場合、登録される作業が2個以上になるので、グラス基板を多数のプリンティング領域別にプリントすることになる。したがって、総プリント回数を入力することは、グラス基板全体を同じ制御情報に基づいて制御してプリントするか、グラス基板の多数の領域別に互いに異なる制御情報に基づいてプリントするかを決定することに該当する。
【0060】
図12は総プリント回数を入力するための第1入力領域と、作業を登録するための第2入力領域の第2例を説明するための図である。
【0061】
図12を参照すると、ディスプレイ部130には第1入力領域135aと第2入力領域136aが表示される。ユーザーは第1入力領域135aに総プリント回数135として1を入力する。総プリント回数135が1個の場合、第2入力領域136aで活性化する登録領域131aは1個になる。
【0062】
ユーザーは活性化した登録領域131aに、作業131のDYNAMIC_V1を登録する。DYNAMIC_V1は55インチのセルと65インチのセルを同じ制御条件でプリントするための作業であり得るが、これに限定されない。
【0063】
一方、別の図面により説明していないが、総プリント回数135が3個以上の場合、活性化する登録領域も総プリント回数135にマッチして3個以上になる。
【0064】
図13は本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法で使用されるグラス基板の他の例を説明するための図である。説明の便宜上、
図1および
図2を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0065】
図13を参照すると、グラス基板10は第1領域10A、第2領域10B、第3領域10Cを含む。図示するように、第1領域10Aは第1サイズの第1セル11がプリントされる領域であり、第2領域10Bは第1サイズと異なる第2サイズの第2セル12がプリントされる領域であり、第3領域10Cは第1および第2サイズと異なる第3サイズの第3セル13がプリントされる領域である。第2サイズは第1サイズより大きく、第3サイズは第1サイズより小さくてもよいが、これに限定されない。例えば、第1サイズは55インチディスプレイ装置用であり、第2サイズは65インチディスプレイ装置用であり、第3サイズは34インチディスプレイ装置用であるが、これに限定されない。
【0066】
第1領域10Aで多数の第1セル11は短辺が互いに対向するように配置され、第2領域10Bで多数の第2セル12が長辺が互いに対向するように配置されることができる。第3領域10Cで多数の第3セル13が長辺が互いに対向するように配置されることができる。
【0067】
図13のようにプリントするために、グラス基板の第1領域にプリントされる第1作業を登録し、グラス基板の第2領域にプリントされる第2作業を登録した後に、グラス基板の第3領域にプリントされる第3作業を登録することができる。次に、第1作業、第2作業および第3作業を含むレシピを保存することができる。
【0068】
図14は本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法に使用されるコンピューティング装置を説明するための図である。
【0069】
図14を参照すると、本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法はコンピューティング装置100により行われることができる。コンピューティング装置100はマルチモデルをプリントするためのレシピを設定するために使用することができる。コンピューティング装置100は、後述する統合制御器(
図15の図面符号3を参照)に該当する。
【0070】
コンピューティング装置100は例えば、ワークステーション、サーバー、デスクトップPC、ラップトップPC、ネットブックコンピュータ、タブレットPC、スマートフォン、移動電話機、映像電話機、電子ブックリーダー、PDA、PMP(portable multimedia player)、MP3プレーヤー、医療機器、カメラ、またはウェアラブル装置の少なくとも一つを含むことができる。
【0071】
このようなコンピューティング装置100はディスプレイ部130、入力部120および制御部110を含む。
【0072】
入力部120はディスプレイ部130にユーザーの入力を表示するために、ユーザーの入力の提供を受けるものである。
【0073】
ディスプレイ部130は
図4、
図6、
図8、
図11、
図12などを用いて説明した入力領域(例えば、
図11の135a、136a)および/または登録領域(例えば、
図11の131a,132a)がディスプレイされる。入力部120を介して入力されるユーザーの入力が、入力領域および登録領域に表示される。
【0074】
制御部110はディスプレイ部130と入力部120を制御する。
【0075】
別に図示していないが、コンピューティング装置100は、メモリをさらに含むことができる。メモリは揮発性メモリ(例えば、DRAM、SRAM、またはSDRAM)および/または不揮発性メモリ(例えば、OTPROM(one time programmable ROM)、PROM、EPROM、EEPROM、mask ROM、flash ROM、フラッシュメモリ、PRAM、RRAM、MRAM、ハードドライブ、またはソリッドステートドライブ(SSD))を含むことができる。メモリは内蔵メモリおよび/または外部メモリを含むことができる。メモリは、例えば、コンピューティング装置100の少なくとも一つの他の構成要素に関係する命令またはデータを保存することができる。また、メモリはソフトウェアおよび/またはプログラムを保存することができる。
【0076】
メモリには
図3ないし
図13を用いて説明したマルチモデルプリンティング方法を行うためのインストラクションが保存されることができる。
【0077】
例えば、グラス基板の第1領域に、第1サイズの第1セルをインクジェットプリントするための第1作業を登録し、前記グラス基板の第2領域に、前記第1サイズと異なる第2サイズの第2セルをインクジェットプリントするための第2作業を登録し、前記第1作業と前記第2作業を含むレシピを保存するインストラクションを含むことができる。
【0078】
また、第1作業を登録する前に、総プリント回数を登録するインストラクションを含むことができる。
【0079】
また、第1作業と第2作業のうち先に行う作業を決定するインストラクションを含むことができる。
【0080】
また、第1作業を登録する前に、前記グラス基板に互いに異なる種類のセルをプリントする多数の領域を定義するインストラクションを含むことができる。
【0081】
図15は本発明のいくつかの実施形態によるマルチモデルプリンティング方法に使用されるマルチモデルプリンティング設備を説明するための図である。
【0082】
図15を参照すると、マルチモデルプリンティング設備はインデクサ1、設備運営部2、統合制御器3、モデル管理部4などを含む。
【0083】
インデクサ1はグラス基板を処理するための情報を示す区分因子(PPID)を取得する。例えば、インデクサ1はグラス基板に対応する区分因子(PPID)をリードして、区分因子(PPID)を取得することができる。
【0084】
設備運営部2はプリンティング設備を運営する。設備運営部2はインデクサ1から区分因子(PPID)の提供を受け、統合制御器(CTC)から区分因子(PPID)に対応するレシピの提供を受ける。ここで、レシピは
図3ないし
図13を用いて説明したものであり、例えば、
図10で説明された段階により保存されたレシピであり得る。
【0085】
統合制御器3はプリンティング設備、基板運搬設備、現像設備などファブ(FAB)内部の設備を全般的に管理して、顧客社のシステムと通信することができる。統合制御器3は顧客社のシステムからモデル情報(例えば、34,55,65インチモデルの具体的な情報)の提供を受けることができる。
【0086】
モデル管理部4は前記レシピに基づいて、プリンティング運営に必要な制御情報を設備運営部2に提供する。
【0087】
動作を具体的に説明すると、インデクサ1は処理すべきグラス基板に対応する区分因子(PPID)をリードして、設備運営部2に提供する(S310)。
設備運営部2はインデクサ1から提供された区分因子(PPID)を統合制御器3に提供し、区分因子(PPID)が登録されたものであるか確認を要請する(S320)。
【0088】
統合制御器3は設備運営部2から区分因子(PPID)の伝送を受けると、統合制御器3は保存されているレシピ(プロセスレシピ)を設備運営部2に提供する(S340)。
【0089】
具体的には、統合制御器3は区分因子(PPID)が登録されたものであるかを確認する。すなわち、統合制御器3は区分因子(PPID)に対応するレシピ(プロセスレシピ)があるのかを確認し、存在するとそのプロセスレシピを設備運営部2に提供する。区分因子(PPID)とプロセスレシピの間の関係は
図16を用いて具体的に後述する。
【0090】
図3および
図10などを用いて前述したように、ユーザーは登録領域に作業を登録することによってレシピ(プロセスレシピ)を決定することができ、決定されたレシピは対応する区分因子(PPID)とともに保存されている。ユーザーが作業を登録すると、統合制御器3は登録された作業に対応するモデル情報(すなわち、顧客社システムから提供されたモデル情報)に基づいてレシピを完成することができる。このような方式で完成されたレシピが設備運営部2に提供される。
【0091】
以下では例えば、レシピは総プリント回数が2であり、第1サイズの第1セルをプリントするための第1作業と、第2サイズの第2セルをプリントするための第2作業を含む場合を説明する。
【0092】
次に、設備運営部2は回次別のプリンティング転換情報をモデル管理部4に提供する(S350)。例えば、設備運営部2は第1作業と関連する第1モデル情報をモデル管理部4に提供する。
【0093】
次に、モデル管理部4は第1作業を行うための(すなわち、第1セルをプリントするための)第1制御情報を設備運営部2に提供する(S370)。ここで第1制御情報は例えば、スワス(swath)回数、ノズルのシフト量(shift amount)、プリンティングピクセル個数(pixel number)、ピクセルピッチ(pixel pitch)の少なくとも一つを含み得るが、これに限定されない。
設備運営部2は提供された第1制御情報に基づいてプリンティング設備を制御して、グラス基板に第1セルを第1領域にプリントする。
【0094】
次に、累積プリント回数が総プリント回数より小さいかを確認する(S380)。
累積プリント回数(すなわち、1)が総プリント回数(すなわち、2)より小さいので(S380のYES)、段階S350に戻る。
【0095】
設備運営部2は再び回次別のプリンティング転換情報をモデル管理部4に提供する(S350)。例えば、設備運営部2は第2作業と関連する第2モデル情報をモデル管理部4に提供する。
【0096】
モデル管理部4は第2作業を行うための(すなわち、第2セルをプリントするための)第2制御情報を設備運営部2に提供する(S370)。ここで第2制御情報は例えば、スワス回数、ノズルのシフト量、ピクセル個数、ピクセルピッチの少なくとも一つを含み得るが、これに限定されない。
【0097】
設備運営部2は提供された第2制御情報に基づいてプリンティング設備を制御して、グラス基板に第2セルをプリントする。
【0098】
次に、累積プリント回数が総プリント回数より小さいかを確認する(S380)。
累積プリント回数(すなわち、2)が総プリント回数(すなわち、2)と同じであるので(S380のNO)、段階S390に移る。
【0099】
総プリント回数だけプリンティングが行われたので、プリンティング動作が完了する。生産が完了したグラス基板がプリント設備の外へ排出される(S390)。
【0100】
図16は区分因子、フローレシピおよびプロセスレシピを説明するための図である。
区分因子(PPID)は自動化処理基盤のグラス基板を工程処理するために使用する。自動化システムと設備のPPIDは同じ区分因子で使用して、一つの設備内部では重複する名称を使用しない。また、一つのGlass情報には一つの区分因子(PPID)情報を有しており工程区分因子として使用するように構成されている。区分因子(PPID)はグラス基板の処理に使用される設備を示すフローレシピと、フローレシピが示す設備を用いて行われる処理方法を示すプロセスレシピに対応する。
【0101】
具体的な例を挙げて説明すると、図面符号610を参照すると、区分因子(PPID)に該当する値は0010であり得る。値(0010)は例示的なものに過ぎない。
【0102】
図面符号620を参照すると、区分因子(PPID)の0010に該当するフローレシピにプロセスレシピを指定して登録することができる。(例えば14,15,16)であり得る。ここで、14、15、16はそれぞれのグラス基板を処理するために使用されるPPID(Process Recipe)番号である。例えば、区分因子別に登録されているProcess Recipe別に工程を行うことができる。PPIDに登録されたRecipeに従ってそれぞれPPID 0010の場合は14番工程を行い、PPID 0060の場合は15番工程を行う。また、PPID 0081の場合16番工程を行うことができる。
【0103】
図16では例示的にそれぞれの他のPPID別に設備で使用される場合を説明した。
【0104】
図面符号630を参照すると、フローレシピ(例えば、14)に該当するプロセスレシピが説明される。14番設備を用いて行われる工程を具体的に説明するレシピが図示されている。
【0105】
図面符号630には、総プリント回数は2回であり、第1作業と第2作業が順次行われる場合が図示されている。第1作業はグラス基板の第1領域に55インチの第1セルを2個のプリントすることであり、第2作業はグラス基板の第2領域に65インチの第2セルを3個のプリントすることである。
【0106】
図17は自動化設備構成であって一つの設備を基準として多数の内部設備が含まれている構成の場合を説明する図である。互いに異なるそれぞれの内部設備(Inkjet1/Inkjet2)にそれぞれのPPID(Process Recipe)で構成されている部分を例示で説明をした。
【0107】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。