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▶ 三井住友カード株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】支援システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20241009BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023022705
(22)【出願日】2023-02-16
(65)【公開番号】P2024116872
(43)【公開日】2024-08-28
【審査請求日】2023-02-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和4年10月24日 掲載アドレス:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001721.pdf 掲載年月日:令和4年10月24日 掲載アドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000244.000032321.html 掲載年月日:令和4年11月8日 掲載アドレス:https://www.smbc-card.com/camp/custella/service/maps/index.html
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細谷 友樹
(72)【発明者】
【氏名】登坂 崇平
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-170778(JP,A)
【文献】特開2006-072960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商圏分析のための支援システムであって、
カード利用者の会員情報データの住所情報に対応する地域コードを付与して会員集計用データを作成し、および読み込んだ購入情報データにおける加盟店の住所情報に基づく地域コードを付与して加盟店集計用データを作成する地域情報付与手段と、
前記会員集計用データと、前記購入情報データとに基づいて会員別データを作成する会員別データ作成手段であって、前記会員別データは、前記地域コードと、前記購入情報データにおける利用業種データの細分化業種名とを含むデータとに基づいて決済情報データが集計される会員別データ作成手段と、
前記加盟店集計用データと、前記会員集計用データとを含むデータに基づいて、加盟店別データを作成する加盟店別データ作成手段であって、前記加盟店別データは、前記地域コード、前記加盟店集計用データの加盟店コードおよび前記利用業種データの前記細分化業種名を含むデータに基づいて前記決済情報データが集計される加盟店別データ作成手段と、
前記会員別データと、前記加盟店別データとを含むデータに基づき商圏分析データを作成する商圏分析データ作成手段であって、前記商圏分析データ作成手段は、前記加盟店別データの前記地域コードに基づく利用人数合計または利用金額合計を含むデータを表示するように前記加盟店別データに基づく前記商圏分析データを作成し、前記会員別データの前記地域コードに基づく前記利用人数合計または前記利用金額合計を含むデータを表示するように前記会員別データに基づく前記商圏分析データを作成する商圏分析データ作成手段と、
を備えることを特徴とする支援システム。
【請求項2】
前記利用業種データは、区分と、前記細分化業種名とを含み、前記細分化業種名は、前記区分に応じた店舗種類を含む、請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記店舗種類は、チェーン店に基づく前記店舗種類を含む、請求項2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記商圏分析データ作成手段で作成された前記商圏分析データは、表示画面から選択された前記細分化業種名の項目に応じて表示される、請求項1に記載の支援システム。
【請求項5】
前記商圏分析データは、メッシュ単位の区画、または町丁目単位の区画に基づいて表示される、請求項4に記載の支援システム。
【請求項6】
商圏分析のための支援システムで実行される方法であって、
カード利用者の会員情報データの住所情報に対応する地域コードを付与して会員集計用データを作成し、および読み込んだ購入情報データにおける加盟店の住所情報に基づく地域コードを付与して加盟店集計用データを作成するステップと、
前記会員集計用データと、前記購入情報データとに基づいて会員別データを作成するステップであって、前記会員別データは、前記地域コードと、前記購入情報データにおける利用業種データの細分化業種名とを含むデータに基づいて決済情報データが集計されるステップと、
前記加盟店集計用データと、前記会員集計用データとを含むデータに基づいて、加盟店別データを作成するステップであって、前記加盟店別データは、前記地域コード、前記加盟店集計用データの加盟店コードおよび前記利用業種データの前記細分化業種名を含むデータに基づいて前記決済情報データが集計されるステップと、
前記会員別データと、前記加盟店別データとを含むデータに基づき商圏分析データを作成するステップであって、前記商圏分析データを作成するステップは、前記加盟店別データの前記地域コードに基づく利用人数合計または利用金額合計を含むデータを表示するように前記加盟店別データに基づく前記商圏分析データを作成し、前記会員別データの前記地域コードに基づく前記利用人数合計または前記利用金額合計を含むデータを表示するように前記会員別データに基づく前記商圏分析データを作成する、ステップ
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商圏分析のための支援システム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードの利用者情報を使用して特定地域に対する商圏分析を行うシステムが存在する。この商圏分析によって、当該地域での消費動向を知り、企業などの販売戦略に役立てることができる。
【0003】
ここで、以下の特許文献1においては、店舗形態や業種などにかかわらず特定地域における消費動向を包括的に分析するマーケティング情報生成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-102340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のマーケティング情報生成方法では、企業に提供するためのマーケティング情報の元になる決済データに「利用店舗名」と「購入品目」が含まれているが、「業種情報」が開示されていない。
【0006】
したがって、例えばカード利用者の購入品目データが「とんかつ」、利用店舗名データが「タナカ」の場合、とんかつは、通常、スーパー、コンビニ、飲食小売り店、ファミレス、洋食屋、とんかつ屋、定食屋、弁当販売チェーン店など様々な業種や店舗形態で提供されているため、「利用店舗名」データだけではどの業種や店舗形態で「とんかつ」が提供されたのかわかりにくい。よって、例えば、A地区のBスポーツ用品店の利用者の購入品目データに「とんかつ」がある場合、「A地区のBスポーツ用品店の利用者がとんかつを食べる時は、定食屋やスーパーで購入するよりもファミレスの使用が一番多い」といった業種や店舗形態ごとの商圏分析情報を提供することが難しい。
【0007】
また、特許文献1では、店舗形態や業種に関係なく特定地域の消費動向を把握する発明が開示されているため、業種の区分を分ける基準が開示されていない。したがって、例えばスーパーやカレーチェーン店など特定の業種にターゲットを絞っているユーザーのニーズに応えにくい可能性がある。さらに、特許文献1に記載の発明において業種ごとの商圏分析情報を取得するには、「利用店舗名」データに基づいて各利用店舗の業種を改めて振り分ける必要があり、非効率となる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて提案されたもので、クレジットカードの利用者情報に基づき、細分化された業種情報ごとの商圏分析データを自動的に生成・提供することにより効率化を図り、さらに例えばとんかつ屋のチェーン店の新規出店など細分化された業種や店舗形態ごとの商圏分析に資する支援システム、方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る支援システムは、商圏分析のための支援システムであって、カード利用者の会員情報データの住所情報に対応する地域コードを付与して会員集計用データを作成し、および読み込んだ購入情報データにおける加盟店の住所情報に基づく地域コードを付与して加盟店集計用データを作成する地域情報付与手段と、会員集計用データと、購入情報データとに基づいて会員別データを作成する会員別データ作成手段であって、会員別データは、地域コードと、購入情報データにおける利用業種データの細分化業種名とを含むデータとに基づいて決済情報データが集計される会員別データ作成手段と、加盟店集計用データと、会員集計用データとを含むデータに基づいて、加盟店別データを作成する加盟店別データ作成手段であって、加盟店別データは、地域コード、加盟店集計用データの加盟店コードおよび利用業種データの細分化業種名を含むデータに基づいて決済情報データが集計される加盟店別データ作成手段と、会員別データと、加盟店別データとを含むデータに基づき商圏分析データを作成する商圏分析データ作成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、クレジットカードの利用者情報に基づき、店舗の種類など細分化された業種情報ごとの商圏分析データを自動的に生成・提供することにより手間を省き、効率化を図ることができる。また、拡大推計を行わず、十分な数のクレジットカードの利用者情報に基づいて商圏分析データを作成するため、より正確な商圏分析データを作成することができる。さらに、細分化された業種情報により、例えばスイーツや牛丼といった特定の業種のチェーン企業が新たに出店したい場合などに、ユーザーのニーズに応じたより詳細で具体的な内容の商圏分析データを迅速に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る支援システムの構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るカード会社サーバの構成例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る地図サーバの構成例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る支援システムの会員別データのデータ構造の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る支援システムの加盟店別データのデータ構造の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る支援システムの加盟店情報データのデータ構造の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る支援システムの地域情報付与手段を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る支援システムの会員別データ作成手段を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係る支援システムの加盟店別データ作成手段を説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係る支援システムのデータ送信手段を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の実施形態に係る支援システムの商圏分析データ作成手段を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の実施形態に係る支援システムの購入情報データにおける利用業種データのデータ構造の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る支援システムの加盟店別データに基づく商圏分析データを説明するための画面図である。
図14】本発明の実施形態に係る支援システムの加盟店別データに基づく商圏分析データを説明するための別の画面図である。
図15】本発明の実施形態に係る支援システムの加盟店別データに基づく商圏分析データを説明するための更に別の画面図である。
図16】本発明の実施形態に係る支援システムの会員別データに基づく商圏分析データを説明するための画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施形態を図面とともに説明する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明に係る実施形態における支援システム100の全体的な構成の例について説明する。図1において、支援システム100は、クレジットカード会社5内におけるカード会社サーバ1および地図サーバ2と、複数の顧客端末4a、4b・・・(以下、「顧客端末4」)とを含む。なお、図1では便宜上、顧客端末4a、および4bのみ記載しているが、顧客端末4の数が限定されることはない。カード会社サーバ1と、地図サーバ2と、顧客端末4とは、ネットワーク3を介して相互に接続される。ここで、ネットワーク3は、インターネットであっても、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)であってもよく、特に限定されない。
【0014】
カード会社サーバ1は、本実施形態に係る主要な処理を実施するコンピュータデバイスである。カード会社サーバ1は、クレジットカード会社によって管理されるサーバコンピュータである。したがって、カード会社サーバ1は、従来から存在するクレジットカード会社のシステムに実装されても良い。また、カード会社サーバ1は、単独のコンピュータデバイスによって実装されても良く、または複数のコンピュータデバイスによって実装されても良い。カード会社サーバ1の構成要素および機能については後述する。
【0015】
地図サーバ2は、地図情報や統計情報などを有するサーバであり、クレジットカード会社によって管理されるサーバコンピュータであるが、他の会社によって管理されても良い。地図サーバ2は、カード会社サーバ1から受信した決済データに基づき、商圏分析データを作成する。地図サーバ2は、従来から存在するクレジットカード会社のシステムに実装されても良く、あるいは他の会社のシステムに実装されても良い。前者の場合には、カード会社サーバ1が地図サーバ2の保有するデータも有し、また、地図サーバ2が実行する各種機能も実行することになる。また、地図サーバ2は、単独のコンピュータデバイスによって実装されても良く、または複数のコンピュータデバイスによって実装されても良い。地図サーバ2の構成要素および機能については後述する。
【0016】
顧客端末4は、それぞれ支援システム100の利用者が使用する端末を表す。利用者は、顧客端末4から地図サーバ2にアクセスし、支援システム100に基づく商圏分析サービスを受けることができる。また、利用者は顧客端末4から地図サーバ2にアクセスして、支援システム100に基づく商圏分析サービスの申し込みを行うことができる。
【0017】
ここで、顧客端末4は、キーボードやタッチパネルなどのヒューマンインターフェースを持つものであり、具体的には、デスクトップ型のパーソナル・コンピュータや、スマートフォン、タブレット型またはノート型のパーソナル・コンピュータなどがあげられる。
【0018】
次に、図2および図3を参照して、カード会社サーバ1および地図サーバ2の詳細な構成要素の例を説明する。
【0019】
図2に示すように、カード会社サーバ1は、制御部10、入力部11、出力部12、送受信部13、メモリ部14、および記憶部16を含み、それらの各要素がシステムバス15によって結合されている。記憶部16の各構成要素については後述する。
【0020】
制御部10はプロセッサとも称され、例えばCPUなどを指す。制御部10は、上記各構成要素の制御やデータの演算を実行する。また、制御部10は、本実施形態に係る各処理を実行するため、プログラムをメモリ部14に読みだして実行する。ここでプログラムとは、支援システム100が実行する機能の一部について実装するためのプログラムであり、記憶部16に格納されている。
【0021】
入力部11は、外部からの操作指示などを受け付ける。入力部11は、例としてキーボードやタッチパネルなどが挙げられる。出力部12は、記憶部16に記憶されたデータや演算処理の結果を出力する。出力部12の例として、ディスプレイやプリンタなどが挙げられる。
【0022】
送受信部13は、ネットワーク3を介して、カード会社サーバ1と顧客端末4や地図サーバ2との間で相互に通信を行う。例えば、送受信部13は地図サーバ2に対してカード会社サーバ1で作成した決済データの送信を行う。
【0023】
メモリ部14は、カード会社サーバ1上のデータ、コンピュータ実行可能な命令などを記憶する揮発性データ記憶装置である。メモリ部14は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などのRAMにより実装される。
【0024】
記憶部16は、例えばROMやハードディスクドライブなどの磁気記憶装置などによって実装される。記憶部16は、それぞれ支援システム100で実行される処理に係る地域情報付与手段20、会員別データ作成手段21、加盟店別データ作成手段22、およびデータ送信手段23を備える。さらに記憶部16は、それぞれ支援システム100で取り扱うデータを格納する加盟店情報記憶部30、会員情報記憶部31、売上情報記憶部32、および送信データ記憶部33を備える。
【0025】
図3に示すように、地図サーバ2は、制御部40、入力部41、出力部42、送受信部43、メモリ部44、および記憶部46を含み、それらの各要素がシステムバス45により結合されている。制御部40、入力部41、出力部42、送受信部43、およびメモリ部44は、カード会社サーバ1に含まれる制御部10、入力部11、出力部12、送受信部13、およびメモリ部14とそれぞれ同様に機能するので、詳細な説明は省略する。
【0026】
地図サーバ2の記憶部46は、カード会社サーバ1の記憶部16と同様に、例えばROMやハードディスクドライブなどの磁気記憶装置などによって実装される。記憶部46は、支援システム100で実行される処理に係る商圏分析データ作成手段50を備える。さらに記憶部46は、それぞれ支援システム100で取り扱うデータを格納する受信データ記憶部51、出力用データ記憶部52、統計情報記憶部53、および地図情報記憶部54を備える。
【0027】
なお、上記実施形態で説明したハードウェアの構成要素は例示的なものにすぎず、その他の構成も可能である。
【0028】
最初に、カード会社サーバ1の記憶部16内の加盟店情報記憶部30、会員情報記憶部31、売上情報記憶部32、および送信データ記憶部33とのそれぞれが格納するデータについて説明する。
【0029】
まず、図6に示すように、加盟店情報記憶部30は、クレジットカードの加盟店情報データ600が格納されたデータベースである。ここで、クレジットカードの加盟店とは、クレジットカード会社と契約して、クレジットカードによる販売の許可を得た店舗などを指す。加盟店情報データ600とは、加盟店名称603や、加盟店の企業名を表す企業コード604、加盟店の業種コード605、加盟店住所の座標606などが、加盟店ごとに割り振られた加盟店コード601に対応づけられたデータである。なお、加盟店コード601には、個々の店舗に割り振られたコードの他に、複数の加盟店にそれぞれ割り振られた加盟店コードをまとめて一つのコードにした複数加盟店コード602があっても良い。
【0030】
次に、会員情報記憶部31は、クレジットカードの会員情報データが格納されたデータベースである。クレジットカードの会員(以下「会員」)とは、クレジットカード会社に申し込みをしてカードが発行され、カード使用が可能になった者を指す。ここで、会員情報データとは、性別、年代(例えば、30代)、年収(例えば、~500万円)、家族構成、居住地住所、勤務地住所などが、会員ごとに割り振られた会員番号コードに対応づけられたデータである。ここで、会員の居住地住所および勤務地住所には、エリアごとの商圏分析データが地図サーバ2で出力できるように、それぞれの住所に500mサイズでのメッシュコードが付与されている。なお、メッシュコードは、500mサイズ以外の任意のサイズについても設けることができ、複数種類のメッシュコードを設定することもできる。例えば、第1のメッシュコードは500mサイズとし、第2のメッシュコードは250mサイズとすることも可能である。
【0031】
次に、売上情報記憶部32は、カードを使用した会員の購入情報データが格納されたデータベースである。ここで、カードを使用した会員の購入情報データ(以下「購入情報データ」)とは、会員の利用金額、利用回数、利用単価、利用業種などが、会員番号コードおよび加盟店コードに対応付けられたデータである。
【0032】
ここで、売上情報記憶部32の購入情報データにおける「利用業種」について、図12を用いて詳細に説明する。図12は、売上情報記憶部32の購入情報データのうち利用業種データ1200を示す図である。
【0033】
利用業種データ1200は、クレジットカードの利用者が購入した商品もしくはサービスの分野を、大きく「食」、「住」、「衣」、「旅・移動」、「生活・健康美容」、「遊・学」、「EC」と分類した「区分」1201と、当該区分を更に細分化した「細分化業種名」1202とを含むことができる。
【0034】
ここで、区分1201の一つである「食」1201aの細分化業種名1202を見ると、「スーパー」、「コンビニ」、「飲食小売り」、「ファミレス」、「和食」、「洋食(パスタ含む)」、「アジアン」、「ラーメン」、「うどん・そば」、「焼肉・しゃぶしゃぶ」、「寿司(回転寿司含む)」、「お好み焼き・たこ焼き」、「カフェ・喫茶店」、「カレー」、「スイーツ」、「とんかつ」・・・と全部で27種類の細分化業種名1202が、店舗の種類に応じて含まれている。すなわち、例えば、細分化業種名1202が「カレー」であれば、カード利用者がカレー専門店を使用したことを意味する。
【0035】
ここで、「細分化業種名」1202の項目については、例として、分類に関する統計基準として用いられる日本標準産業分類の大分類、中分類、小分類、細分類などにそれぞれ挙げられている項目だけでなく、チェーン店の店舗種類や専門店の店舗種類など任意に設定することができる。例えば、図12によると、「食」1201aの細分化業種名1202に「とんかつ」が含まれている。ここで、「とんかつ」は、日本標準産業分類の大分類、中分類、小分類、細分類のいずれにも含まれていないが、とんかつチェーン店やとんかつを中心に提供するとんかつ専門店は存在するため、商圏分析の対象に応じて細分化業種名1202の項目として設定することができる。
【0036】
同様に、例えば区分1201「EC」の細分化業種名1202である「ネット系海外」や「サブスク」など、上述した日本標準産業分類など従来の業種区分に含まれていない細分化されたサービスも細分化業種名1202に含むことができる。
【0037】
なお、図12の区分1201の内容や細分化業種名1202の内容は一例にすぎず、このような例に限定されるものではない。
【0038】
送信データ記憶部33は、支援システム100内で作成された、地図サーバ2に送信するための決済データが格納されているデータベースである。決済データには、会員別データ400と加盟店別データ500とが含まれる。会員別データ400および加盟店別データ500の詳細については後述する。
【0039】
次に、地図サーバ2の記憶部46内の受信データ記憶部51、出力用データ記憶部52、統計情報記憶部53、および地図情報記憶部54のそれぞれが格納するデータについて説明する。
【0040】
受信データ記憶部51には、カード会社サーバ1から受信した、会員別データ400、加盟店別データ500、および加盟店情報記憶部30の加盟店情報データ600が格納されている。
【0041】
出力用データ記憶部52には、支援システム100に基づく商圏分析サービスのユーザーの求めに応じて、顧客端末4上に出力するための商圏分析データが格納されている。ここで、商圏分析データとは、地図情報に基づき、特定の地域における出店の可否などマーケティングに資するデータを示す。
【0042】
統計情報記憶部53には、国勢調査や住民基本台帳、総務省統計局のデータなど商圏分析データ作成に資する統計データが格納されている。
【0043】
地図情報記憶部54には、任意のエリアに対する商圏分析データを提供するための地図データが格納されている。
【0044】
次に、図2におけるカード会社サーバ1の記憶部16内の地域情報付与手段20、会員別データ作成手段21、加盟店別データ作成手段22、およびデータ送信手段23の各処理について説明する。
【0045】
まず、図7を用いて、地域情報付与手段20の処理について以下に説明する。
【0046】
地域情報付与手段20は、会員情報記憶部31より会員情報データを読み込む(ステップS701)。そして、地域情報付与手段20は、読み込んだ会員情報データに対し、当該データの会員の居住地住所および会員の勤務地住所のそれぞれに地域コードを付与して、会員集計用データとして出力する。
【0047】
さらに、地域情報付与手段20は、売上情報記憶部32より購入情報データを読み込み、加盟店情報記憶部30より加盟店情報データ600を読み込む。そして、地域情報付与手段20は、読み込んだ購入情報データの加盟店コードに対応する加盟店住所の座標606を加盟店情報データ600から読み込み、購入情報データの加盟店コードに対して対応する地域コードを付与して、加盟店集計用データとして出力する。(ステップS702)。
【0048】
ここで、会員の居住地住所、会員の勤務地住所、および購入情報データの加盟店コードのそれぞれに付された地域コードは、任意のメッシュ単位で付与されることができる。例えば、地域コードは、500mサイズあるいはそれ以下のメッシュ単位で付与されても良い。
【0049】
次に図4および図8を用いて、会員別データ作成手段21の処理について以下に説明する。
【0050】
まず、図8に示されているように、会員別データ作成手段21は、地域情報付与手段20で出力された、会員集計用データを読み込んで取得する。ならびに、会員別データ作成手段21は、売上情報記憶部32から購入情報データを読み込んで取得する(ステップS801)。
【0051】
次に、会員別データ作成手段21は、会員集計用データと購入情報データとの「会員番号」をキーとして、会員別データの地域コード、購入情報データの利用業種などに基づいて「利用人数合計」および「利用金額合計」から成る決済情報データを集計し、会員別データ400を出力する(ステップS802)。
【0052】
ここで、「利用人数合計」は、購入情報データの利用回数を集計したものであり、カードを利用した延べ人数の合計、すなわち決済件数の合計を表す。「利用金額合計」は、購入情報データの会員の「利用金額」の合計、すなわち決済額の合計を表す。なお、会員別データ400の詳細については後述する。
【0053】
次に、図4および図12を用いて、会員別データ作成手段21で出力された、会員別データ400について説明する。
【0054】
図4に示すように、会員別データ400は、会員集計用データに付された地域コード401(例、居住地住所:111111111)、図12における購入情報データの利用業種データ1200の「細分化業種名」1202から取得された利用業種コード402(例、1:コンビニ)、会員集計用データから取得された性別コード403(例、1:男性)、年代コード404(例、2:30代)、年収コード405(例、2:~500万円)、および家族構成コード406(例、2:2人家族)、購入情報データの利用回数の合計である利用人数合計407(例、350人)、および購入情報データの利用金額の合計である利用金額合計408(例、2000000円)を含む。
【0055】
すなわち、例えば、図4の会員別データ400からは「地域コード111111111の地区に居住する、年収が500万円以下である2人家族の30代の男性がコンビニを利用した人数は合計延べ350人であり、この350人全員のコンビニの利用金額の合計は2000000円」ということが分かる。なお、会員別データ400の構成は一例にすぎず、上記のような例に限定されるものではない。
【0056】
次に図5および図9を用いて、加盟店別データ作成手段22の処理について以下に説明する。
【0057】
まず、図9に示されているように、加盟店別データ作成手段22は、地域情報付与手段20で出力された、購入情報データの加盟店コードに地域コードが付与された加盟店集計用データを読み込んで取得する。ならびに、加盟店別データ作成手段22は、地域情報付与手段20で出力された会員集計用データを読み込んで取得する。さらに、加盟店別データ作成手段22は、加盟店情報記憶部30から購入情報データの加盟店コードに対応した図5の企業コード504を読み込んで取得する(ステップS901)。
【0058】
次に、加盟店別データ作成手段22は、加盟店集計用データと会員集計用データとの「会員番号」をキーとして、加盟店集計用データの地域コード、加盟店コードおよび利用業種などに基づいて「利用人数合計」および「利用金額合計」から成る決済情報データを集計し、加盟店別データ500として出力する(ステップS902)。
【0059】
ここで、「利用人数合計」は、加盟店集計用データの利用回数を集計したものであり、カードを加盟店で利用した延べ人数の合計、すなわち加盟店での決済件数の合計を表す。「利用金額合計」は、加盟店集計用データの「利用金額」の合計、すなわち加盟店での決済額の合計を表す。なお、加盟店別データ500の詳細については後述する。また、加盟店別データ作成手段22は、「地域コード」および「企業コード」別の加盟店別データ500を出力することもできる。
【0060】
ここで、図5および図12を用いて、加盟店別データ作成手段22で出力された加盟店別データ500について説明する。
【0061】
図5に示すように、加盟店別データ500は、加盟店集計用データから取得した「地域コード」501(例、加盟店Aの住所:222222222)、および加盟店の店舗ごとに付与された「加盟店コード」502(例、加盟店Aの加盟店コード:3333333333)、加盟店情報データに基づく「企業コード」504(例、加盟店Aの企業名であるB社:444444)、加盟店集計用データの図12における利用業種データ1200の「細分化業種名」1202から取得された利用業種コード505(例、3:ラーメン)、会員集計用データから取得された性別コード506(例、1:男性)、年代コード507(例、2:30代)、年収コード508(例、2:~500万円)、および家族構成コード509(例、3:3人家族)、さらに加盟店集計用データの利用回数の合計である、利用人数合計510(例、120人)、および加盟店集計用データの利用金額の合計である利用金額合計511(例、1000000円)を含む。
【0062】
すなわち、例えば、図5の加盟店別データ500からは「地域コード222222222の地区にある加盟店コード3333333333の加盟店Aはラーメン屋であり、企業名がB社である。ここで、年収が500万円以下である3人家族の30代の男性でこのラーメン屋を利用した人数は合計延べ120人であり、この120人全員のラーメン屋の利用金額の総計は1000000円」ということが分かる。なお、加盟店別データ500には、複数の加盟店にそれぞれ割り振られた加盟店コードをまとめて一つのコードにした「複数加盟店コード」503を含めても良い。加盟店別データ500の構成は一例にすぎず、上記のような例に限定されるものではない。
【0063】
次に図10を用いて、データ送信手段23の処理について以下に説明する。
【0064】
図10に示されているように、データ送信手段23は、会員別データ作成手段21で出力された会員別データ400と、加盟店別データ作成手段22で出力された加盟店別データ500とを読み込んで取得する。さらに、データ送信手段23は、加盟店情報記憶部30を読み込んで加盟店情報データ600を取得する。その次に、データ送信手段23は、会員別データ400と、加盟店別データ500と、加盟店情報データ600とについて地図サーバ2に送信する(ステップS1001)。
【0065】
なお、本発明に係る支援システム100では、会員情報記憶部31の会員情報データおよび売上情報記憶部32の購入情報データの双方において十分なN数を確保しているため、拡大推計を行っていない。
【0066】
次に、図11を用いて、地図サーバ2における商圏分析データ作成手段50の処理について以下に説明する。
【0067】
図11に示されているように、商圏分析データ作成手段50は、カード会社サーバ1のデータ送信手段23のステップS1001で送信された会員別データ400と、加盟店別データ500と、加盟店情報データ600とを受信して、それぞれを受信データ記憶部51に格納する。そして、商圏分析データ作成手段50は、統計情報記憶部53を読み込んで統計情報データを取得する。ならびに、商圏分析データ作成手段50は、地図情報記憶部54を読み込んで地図情報データを取得する(ステップS1101)。
【0068】
次に、商圏分析データ作成手段50は、会員別データ400、加盟店別データ500、加盟店情報データ600、統計情報データ、および地図情報データに基づき商圏分析データを作成し、出力用データ記憶部52に格納する。(ステップS1102)。
【0069】
商圏分析データ作成手段50は、本発明に係る実施形態における支援システム100に基づく商圏分析サービスのユーザーからの使用の申し込みについて顧客端末4を介して受信し、入力情報を取得する(ステップS1103)。
【0070】
次に、商圏分析データ作成手段50は、ステップS1103で取得したユーザーからの入力情報に応じて、出力用データ記憶部52に格納された商圏分析データを読み込んで送信し、顧客端末4の画面に表示する(ステップS1104)。なお、顧客端末4の画面に表示された商圏分析データの詳細については後述する。
【0071】
なお、上記実施形態で説明した処理の順序は、必ずしも説明した順序で実行される必要がなく、任意の順序で実行されてもよい。さらに、本発明の基本的な概念から逸脱することなく、追加の処理が新たに加えられてもよい。
【0072】
次に、図4図5、および図12乃至図16を用いて、顧客端末4の画面に表示された商圏分析データについて説明する。
【0073】
図13においては、例として、カフェである「カフェG」が自社の商圏分析を行った場合の商圏分析データが、加盟店別データ500に基づいて自社利用画面1300に示されている。ここで「カフェG」はD県E市F区に店舗が存在する加盟店である。そして、「カフェG」はカフェであるため、図13の表示画面における業種設定項目1304において「カフェ・喫茶店」業種1304aが選択される。ここで、業種設定項目1304には、利用業種データ1200の区分1201(例:「食」)と細分化業種名1202の項目(例:スーパー)とがそれぞれ表示される。
【0074】
ここで、図13における加盟店別データ500の内容として、図5の地域コード501(例:555555555、D県E市F町1丁目)、加盟店コード502(例:6666666666、店名「カフェG」)、企業コード504(例:777777、社名「株式会社H社」)、利用業種コード505(例:4、業種名「カフェ・喫茶店」)が含まれている。
【0075】
カフェGは、図13の矢印1301の位置に店舗を有する。そして、店舗近くの地域1302a(例えば、地域コード501:555555556、D県E市F町2丁目)においては、「カフェG」の加盟店別データ500の利用人数合計510が多いことを示すようにハッチングがなされている。すなわち、例として、地域1302aの居住者に「カフェG」の利用者が多く、カフェGのシェアが高いことがわかる。ここでハッチングは一例であり、色分けなど任意の手段を用いることができる。また、ハッチングは例として500mメッシュ単位や町丁目単位など任意の単位の区画で行うことができる。したがって、例えばある地域における500mメッシュ単位での任意の業種内の自社のシェアなどの表示を画面上で行うこともできる。
【0076】
一方、矢印1301の店舗から離れた地域1302b(例えば、地域コード501:555555560、D県I市J町)においては、「カフェG」の加盟店別データ500の利用人数合計510が少ない、すなわちカフェGのシェアが低いことを示すようにハッチングがなされている。すなわち、地域1302bの居住者に「カフェG」の利用者が少ないことがわかる。
【0077】
地域1302cの部分や地域1302dの部分などもハッチングがなされており、地域ごとの「カフェG」の利用者数がわかるようになっている。
【0078】
なお、自社利用タブ1303aをクリックすることで、地域コード501ごとの利用人数合計510や利用金額合計511を表示することができる。また、利用者属性タブ1303bをクリックすることで、地域コード501ごとの性別コード506、年代コード507、年収コード508などの利用者属性などを表示することができる。なお、タブの項目は一例であり、任意に設定することができる。
【0079】
次に図14では、例として、「カフェG」が図13と同地域において、他業種の商圏分析を行った場合の商圏分析データを表示する業種利用画面1400が示されている。図14では、図13と同地域について図5の利用業種コード505の業種名が「スーパー」であるデータについて商圏分析を行う。したがって、図14の業種設定項目1403において業種「スーパー」1403aが選択されている。すなわち、「カフェG」が業種「スーパー」についての商圏分析を行うことを意味する。なお、図14において、カフェGは矢印1401の位置に店舗を有する。
【0080】
図14では、図13では「カフェG」の利用人数合計510が少なかった地域、すなわちカフェGのシェアが低い地域1302bに対応する地域1402aについて、業種「スーパー」の利用人数合計510が多い、すなわち「スーパー」のシェアが高いことを示すようにハッチングがなされている。すなわち、「カフェG」の利用人数合計510が少なかった地域1302bでは、居住者がスーパーに流れている可能性が考えられる。なお、同様のことが「カフェG」の利用人数合計510が少なかった地域1302dに対応する、業種「スーパー」の利用人数合計510が多い地域1402bにも当てはまる。
【0081】
一方、図14の地域1402cにおいては、業種「スーパー」の加盟店別データ500の利用人数合計510が少ない、すなわち「スーパー」のシェアが低いことを示すハッチングがなされている。したがって、地域1402cの居住者は業種「スーパー」の利用人数が少ないことが分かる。
【0082】
次に図15では、例として、「カフェG」が図13および図14と同地域において、他業種である「アジアン」について商圏分析を行った場合の商圏分析データを表示する業種利用画面1500が示されている。図15の業種設定項目1502において業種「アジアン」1502aが選択されており、「カフェG」が業種「アジアン」料理についての商圏分析を行うことを意味する。
【0083】
図15では、業種利用画面1500にハッチングがなされておらず、「カフェG」の店舗を示す矢印1501周囲の地域ではアジアン料理の利用者がいないことが分かる。したがって、例えば「カフェG」が従来のメニューに加えてアジアン料理を出したり、「カフェG」2号店を同地域に出店してアジアン料理を提供することで「カフェG」の利用者を集めることが考えられる。
【0084】
一方、図16においては、図4の会員別データ400に基づいて、特定の地域における特定の業種についての商圏分析を行う商圏分析データ、例えばここでは寿司チェーン店の商圏分析データが会員別利用画面1600に示されている。
【0085】
例として、本発明に係る実施形態における支援システム100に基づく商圏分析サービスのユーザーは、新規店舗出店のためなど商圏分析を行いたい特定の地域をあらかじめ指定し(例:D県E市)、業種設定項目1604の「寿司(回転寿司含む)」業種1604aを選択する。
【0086】
すると、図16において、店舗Aと記載されている矢印1601と、店舗Bと記載されている矢印1602とが示される。例として、店舗Aは、指定されたD県E市における寿司チェーン店であり、店舗Bは、同地域における別の寿司チェーン店である。すなわち、D県E市には2種類の寿司チェーン店が合計2店舗あることが分かる。
【0087】
図13および図14と同様に、例えば地域1603a(例、地域コード401:55555570、D県E市K町)では、利用業種コード402が寿司(回転寿司含む)である利用人数合計407の人数が多い、すなわち「寿司(回転寿司含む)」のシェアが高いことを示すハッチングがなされている。一方、例えば地域1603e(例、地域コード:55555580、D県E市L町)では、利用業種コード402が寿司(回転寿司含む)である利用人数合計407の人数が少ない、すなわち「寿司(回転寿司含む)」のシェアが低いため、地域1603eの居住者は比較的、寿司や回転ずしを利用しないと考えられる。なお、上記の加盟店別データ500に基づいて商圏分析を行う場合と同様に、ハッチングは一例であり、色分けなど任意の手段を用いることができる。また、ハッチングは例として500mメッシュ単位や町丁目単位など任意の単位の区画で行うことができる。したがって、例えば、ある地域における500mメッシュ単位での任意の業種内での他社のシェアなどの表示を行うこともできる。
【0088】
したがって、本発明に係る実施形態における支援システム100に基づく商圏分析サービスのユーザーは、例えばD県E市に寿司チェーン店の新規店舗出店を行いたい場合、既存の寿司チェーン店である店舗Aあるいは店舗Bの利用者が多い、すなわち他社の「寿司(回転寿司含む)」のシェアが高いと考えられる地域1603aおよび1603cを避けて出店することができる。
【0089】
以上のとおり、本実施形態に係る支援システム100が構成されている。次に、支援システム100の効果を説明する。
【0090】
本実施形態によれば、利用業種データ1200は、区分1201と、細分化業種名1202とを含み、細分化業種名1202は、区分1201に応じた店舗種類を含む。したがって、日本標準産業分類など既存の業種区分だけでなく、アジアン料理やとんかつ屋など、ユーザーの商圏分析のターゲットに応じた細分化された業種や店舗形態など、詳細で具体的な商圏分析サービスを迅速に提供することができる。
【0091】
本実施形態によれば、店舗種類は、チェーン店に基づく店舗種類を含む。したがって、例えばカレー専門店やスイーツなど、既存の業種区分にはないが、チェーン店に見られる店舗種類に基づき商圏分析を行うことができるため、チェーン企業が新規店舗を展開する際などに特にニーズに応じた商圏分析データを迅速に提供することができる。
【0092】
本実施形態によれば、商圏分析データ作成手段50で作成された商圏分析データは、表示画面から選択された細分化業種名の項目に応じて表示される。したがって、商圏分析データのユーザーが、表示画面の業種設定項目における任意の細分化業種名を選択することで、希望する細分化された業種ごとの商圏分析データを容易におよび自動的に見ることができる。
【0093】
本実施形態によれば、商圏分析データは、メッシュ単位の区画、または町丁目単位の区画に基づいて表示される。したがって、ユーザーは細分化された業種ごとの商圏分析データを例えば500mメッシュ単位の区画、またはそれ以下のメッシュ単位の区画に基づき画面上で見ることができる。同様に、ユーザーは、細分化された業種ごとの商圏分析データを町丁目単位の区画でも画面上で見ることができる。よって、ユーザーは、より細かな区画に基づき、細分化された業種ごとの詳細な商圏分析データを画面上で確認できる。
【0094】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。例えば、支援システム100やカード会社サーバ1の記憶部16の各手段20乃至23、および地図サーバ2の記憶部46の商圏分析データ作成手段50の役割は、上述の例に限定されない。
【符号の説明】
【0095】
1 カード会社サーバ
2 地図サーバ
3 ネットワーク
4a、4b 顧客端末
10、40 制御部
11、41 入力部
12、42 出力部
13、43 送受信部
14、44 メモリ部
15、45 システムバス
16、46 記憶部
20 地域情報付与手段
21 会員別データ作成手段
22 加盟店別データ作成手段
23 データ送信手段
30 加盟店情報記憶部
31 会員情報記憶部
32 売上情報記憶部
33 送信データ記憶部
50 商圏分析データ作成手段
51 受信データ記憶部
52 出力用データ記憶部
53 統計情報記憶部
54 地図情報記憶部
100 支援システム
1300 自社利用画面
1400、1500 業種利用画面
1600 会員別利用画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16