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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】遊技用代用貨幣の管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/06 20060101AFI20241009BHJP
   A63F 1/18 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/06 A
A63F1/18
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023036389
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2020087564の分割
【原出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2023065688
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2019106546
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特許第7244457(JP,B2)
【文献】特開2010-187807(JP,A)
【文献】特開2009-93340(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066111(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/203604(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/100602(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0217474(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/06
A63F 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルゲームの管理システムであって、
個別に識別可能なIDが付された遊技用貨幣と、
前記遊技用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルにおいて、ゲームに参加するプレイヤが賭ける賭けチップ及びディーラーが勝ちプレイヤに対して前記遊技テーブルのチップトレイから払い出す支払いチップが置かれるチップ配置エリアと、
前記チップ配置エリアに置かれた遊技用貨幣のIDを読み取るチップ読取装置と、
前記チップ読取装置の読取結果を把握する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記遊技用貨幣のID情報をもとに、当該遊技用貨幣の所有者に関する情報を取得可能であり、
さらに前記制御装置は、勝ちプレイヤの賭けチップと当該勝ちプレイヤに対して払い出された支払いチップとが、前記チップ配置エリア外に移動することを認識し、前記支払いチップのID情報と、前記賭けチップのID情報とをデータベース上で関連付け可能な構成であり、
前記支払いチップが持つID情報に、前記賭けチップIDが示す当該賭けチップの所有者に関する情報をデータベース上で関連付ける機能を備えた、テーブルゲームの管理システム。
【請求項2】
前記チップ配置エリアはプレイヤポジション毎に区画された構成であり、プレイヤポジション毎に前記支払いチップを置くペイエリアを備え、
前記チップ読取装置は前記ペイエリアを前記プレイヤポジション毎に区別して読取可能な構成である、請求項1に記載のテーブルゲームの管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノや他の遊技用代用貨幣を使用するゲーム施設において、不正な遊技用代用貨幣が遊技場で使用されることを防ぐ遊技用代用貨幣の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カジノなどの遊技場において行われる多くのテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。カジノにおいては、こうしたゲームに使用するために遊技用代用貨幣が使われる。
【0003】
不正な遊技用代用貨幣の使用はカジノで起こってはならない。カジノにおける遊技用代用貨幣の偽物の使用を防ぐため、カジノでは遊技用代用貨幣にRFIDタグを付けて遊技用代用貨幣の真贋を判定し、偽物の使用を防止する技術が存在している。RFID付遊技用代用貨幣は公知であり特許文献1(国際出願公開第WO2008/120749号)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際出願公開第WO2008/120749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に基づく遊技用代用貨幣では、RFIDの読取により、メモリー領域に書き込まれた情報を把握して遊技用代用貨幣そのものの真贋を判定することは可能であった。しかしながら、カジノの現場で使用される中で得られる情報、特に当該遊技用代用貨幣の所有者に関する情報を記録、判定することはできなかった。そのため、真正な遊技用代用貨幣であるが、本来の所有者とは異なる所有者によって使用や交換がなされている等、使用状況の点で異常な履歴をもつ遊技用代用貨幣は、その存在をRFIDの読取により把握することができず、そのような使用履歴がおかしい遊技用代用貨幣がカジノで使用されることを防ぐことができなかった。
【0006】
そこで本発明では、各々の遊技用代用貨幣の所有者情報を常時把握、管理して、セキュリティを高めるために、ディーラがプレイヤに対して遊技用代用貨幣を支払い、当該遊技用代用貨幣の所有者がカジノからプレイヤに移った際に、どのプレイヤに当該遊技用代用貨幣の所有が移ったかを把握し、記録することを可能にするシステムを提供することを目的とする。
【0007】
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用貨幣の管理システムは、
個別に識別可能なRFIDが付された遊技用貨幣と、
前記遊技用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルにおいて、ゲームに参加するプレイヤが賭ける賭けチップ及びディーラーが勝ちプレイヤに対して前記遊技テーブルのチップトレイから払い出す支払いチップが置かれるチップ配置エリアと、
前記チップ配置エリアに置かれた遊技用貨幣のRFIDを読み取るチップ読取装置と、
前記チップ読取装置の読取結果を把握する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記遊技用貨幣のRFIDのID情報をもとに、当該遊技用貨幣の所有者に関する情報を取得可能であり、
さらに前記制御装置は、勝ちプレイヤの賭けチップと当該勝ちプレイヤに対して払い出された支払いチップとが、前記チップ配置エリア外に移動することを認識し、前記支払いチップのID情報と、当該支払いチップと同じタイミングで前記チップ配置エリア外に移動した前記賭けチップのID情報とをデータベース上で関連付け可能な構成であり、
前記支払いチップのRFIDが持つID情報に、前記賭けチップのRFIDが示す当該賭けチップの所有者に関する情報をデータベース上で関連付ける機能を備えたものである。
【0008】
またさらに、前記チップ配置エリアはプレイヤポジション毎に区画された構成であり、プレイヤポジション毎に前記支払いチップを置くペイエリアを備え、
前記チップ読取装置は前記ペイエリアを前記プレイヤポジション毎に区別して読取可能な構成である構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係るデータべーすの概要を示す図である。
図3図3は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣が有するRFIDタグの説明図である。
図4図4は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣のデータの記録方法を示す概念図である。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣の管理システムの全体の概要を示す図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣の読取装置及び書込装置を示す図である。
図7A図7Aは、本発明の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣のデータの構造を示す説明図である。
図7B図7Bは、本発明の別の第2の実施の形態に係る遊技用代用貨幣のデータの構造を示す説明図である。
図8図8は、本発明の別の第2の実施の形態に係るデータベースを示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムの全体の概要を示す図である。
図10図10は、本発明の実施の形態のカメラおよびRFIDによるチップの読取結果を示す図である。
図11図11は、本発明の実施の形態の遊技テーブルを示す図である。
図12図12は、本発明の実施の形態の遊技テーブルに賭けられた遊技用代用貨幣の状態を示す図である。
図13図13は、本発明の実施の形態の遊技テーブルに賭けられた遊技用代用貨幣の状態を示す図である。
図14A図14Aは、本発明の第1の実施の形態のチップトレイの詳細を示す図である。
図14B図14Bは、本発明の第1の実施の形態のチップトレイの他の例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図16図16は、本発明の実施の形態のカメラおよびRFIDによるチップの読取結果を示す図である。
図17図17は、本発明の別の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図18図18は、本発明の別の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図19図19は、本発明の別の実施の形態の遊技テーブルの図である。
図20図20は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の斜視図である。
図21図21は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の断面図である。
図22図22は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のテーブルゲーム管理システムの全体の概要を図1を用いて説明する。図1は同システムの全体の概要を示す図である。バカラゲーム用の遊技テーブル1004にはプレイヤポジション1131~1135毎に、プレイヤー1441、バンカー1442、タイ1443、プレイヤーペア1444、バンカーペア1445のベットエリアがある。また各プレイヤポジション毎にチップ配置エリア1025が設けられており、当該チップ配置エリア内に置かれた遊技用貨幣1001のRFIDを読み取るチップ読取装置1002が備えられている。
【0011】
さらに各チップ配置エリア1025内には、ディーラが、勝プレイヤに対して、遊技用貨幣1001を遊技テーブル1004のチップトレイ1009から払い出す際に、チップトレイ1009から取り出した遊技用貨幣1001を置くためのペイエリア1026を備えている。
【0012】
さらにチップ読取装置1002で読み取った遊技用貨幣1001のRFIDの読取結果を把握する制御装置1003をさらに備える。
【0013】
始めにゲームに参加するプレイヤは遊技用貨幣1001をチップ配置エリア内のベットエリアに賭ける。賭けられた遊技用貨幣1001のRFIDをチップ読取装置1002が読み取ることにより、制御装置1003は当該RFIDのID情報とデータベース上で関連付けられている当該遊技用貨幣1001の所有者に関する情報を把握する。
【0014】
ゲームの結果に基づき、カジノ側が勝利した場合には、ディーラは負けプレーヤが賭けた遊技用貨幣1001を回収し、チップトレイ1009に入れる。チップトレイ1009内の遊技用貨幣1001のRFIDはチップ読取装置1002により把握され、制御装置1003により、カジノ側が回収した当該遊技用貨幣1001の所有者がカジノであることがデータベース上に記録される。
【0015】
ゲームの結果に基づき、勝利したプレイヤに対しては、ディーラはゲームのルールに従い、賭けチップの額に応じた額の遊技用貨幣1001をチップトレイから勝ちプレイヤに払い出す。
【0016】
払い出す際には、上述したペイエリア1026に支払いチップを置いてもよいし、ペイエリア以外のチップ配置エリア内においても良い。
【0017】
ここで、支払いチップの所有者情報の記録方法について、図2を用いて説明する。図2は勝ちプレイヤに対するチップ支払い時について、遊技用貨幣1001の所有者に関する情報の記録方法を示している。
【0018】
同じプレイヤポジション内に複数のプレイヤが賭けチップを置き、2つ以上のスタックがある場合、チップ読取装置1002はチップ配置エリア1025内に置かれた遊技用貨幣1001を一括して読み取るため、ゲーム中は、どの遊技用貨幣1001がどのプレイヤに所属しているかについて把握せずに、賭けられた遊技用貨幣のID1010を取得する。ゲームの勝敗結果が確定後、勝ちプレイヤに対して支払いを行う際には、ディーラはプレイヤ毎(スタック毎)にチップトレイ1009から払い出しを行う。チップトレイ1009から取り出された遊技用貨幣1001はチップ配置エリア内1025に置かれる。チップ読取装置1002はチップ配置エリア内1025に置かれた支払いチップのID1011を読み取る。
【0019】
払い出された遊技用貨幣1001は、はじめに賭けられた遊技用貨幣1001と共に勝ちプレイヤが受け取る。この時、当該賭けチップと支払いチップがチップ配置エリア1025外に移動するため、チップ読取装置1002による読取結果から当該賭けチップと支払いチップのIDがなくなる。これにより、制御装置1003は払い出された支払いチップが、どのプレイヤの元に払い出されたかを、当該賭けチップの所有者に関する情報と関連付けることにより把握する。
【0020】
制御装置1003は把握された支払いチップの所有者に関する情報をデータベース上で当該遊技用貨幣のIDと関連付けて記憶する。
【0021】
以上により、遊技用貨幣1001の所有者のトレーサビリティが可能になり、遊技用貨幣1001の不正の受け渡し等があった場合には、データベースに記憶されている所有者情報と現実の所有者が異なることが発見可能になる。
【0022】
なお現実の所有者の確定には、顔認証技術やメンバーズカード等のIDを利用することに把握することできる。
【0023】
また上記説明ではデータベース上で各遊技用貨幣のIDを管理しているが、遊技用貨幣1001そのものに所有者情報を記憶している構成であっても良い。
【0024】
また上述したペイエリア1026は、各プレイヤポジション毎にある場合の他、各プレイヤポジションとは独立してエリアが構成されており、チップ読取装置1002による読み取りも独立して行われる仕様であってもよい。
【0025】
さらにまた、チップ読取装置1002の読取性能によって、ペイエリア1026を使う場合と、使わない場合を選択できる構成であってもよい。
【0026】
さらにまた、本テーブルゲーム管理システムは、チップトレイ1009内のチップをRFIDで読み取るRFIDリーダー、ベットチップを読取るカメラ、ゲームの勝敗結果を判定するシュー等の勝敗結果判定装置等とも結びついており、情報を相互に利用することが可能な構成であって良い。
【0027】
(第2の実施の形態)
はじめに、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の管理システムで使用される遊技用代用貨幣を説明する。図3は同システムで使用される遊技用代用貨幣1を示している。同図において、遊技用代用貨幣1には、様々な情報を記憶可能なRFIDタグ2が埋め込まれている。RFIDタグ2は、データの書き換えができない領域21と、データの書き換えが可能な領域22を備えている。
【0028】
データの書き換えができない領域21には、固定情報3として、遊技用代用貨幣1が使用される間に変更しない情報、または変更がない情報、あるいは変更されてはいけない情報を記憶している。具体的には、固定情報3として、遊技用代用貨幣1の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバー等を記憶している。生産情報には、当該遊技用代用貨幣を製造した日時や、製造機械等、商品情報には、例えばカジノのVIPエリア用のチップであることを示す情報や、チップの種類を示す情報(例えばローリングチップやキャッシュチップであることを示す情報)等が含まれる。
【0029】
データの書き換えができない領域21は、RFIDタグの仕様上、機能的に書き込みができない領域であってもよいし、書き込みができる領域に必要な情報を書き込んだ後に、データの書き込みができないようにロックした領域であってよい。
【0030】
データの書き換えが可能な領域22には、変動情報4として、遊技用代用貨幣1が使用される間に、変化していく情報を記憶している。例えば、変動情報4として、図3に示すように、日時、時間に関する情報221や、場所、イベントに関する情報222や、所有者に関する情報223等を含む、所在に関する情報220を記憶している。
【0031】
固定情報3、変動情報4は、他人による情報の不正な読取や書込を防ぐために暗号化されていてよい。また、固定情報3、変動情報4は、メタデータとして記憶されていてよい。
【0032】
図4は遊技用代用貨幣1の変動情報4のデータの記録方法の一例を示している。図4に示すように、日時、時間情報221、場所、イベント情報222、所有者情報223からなる所在に関する情報220をひとかたまりのブロックとして、当該ブロックの情報がチェーン状につながって、当該遊技用代用貨幣1の所在に関する情報220の履歴が把握できるように構成されている。
【0033】
図4では遊技用代用貨幣1に記憶された変動情報4の一例を示しており、以下のような遊技用代用貨幣1の動きが把握できる。2019年1月28日16時2分にA氏がケージ5で現金と遊技用代用貨幣1を交換する。同日16時15分にA氏がテーブルNo.325で遊技用代用貨幣1を使用して賭けを行う。同日16時43分にB氏がテーブルNo.325で賭けに勝った償還金として遊技用代用貨幣1を受け取る。同日17時1分にB氏が遊技用代用貨幣1を持ってカジノから退場する。
【0034】
変動情報4は、図4のように最新の情報だけを記憶する構成でもよいし、書き込まれた全ての所在に関する情報を記憶していてもよい。また複数の所在に関する情報の内、いくつかを選んで記憶していてもよい。いくつかを選んで記憶する場合、全ての所在に関する情報220の少なくとも最新の所在に関する情報220を含んだ、複数の所在に関する情報を記憶してよい。上記の構成により、ある遊技用代用貨幣1の変動情報4から、当該遊技用代用貨幣1の使用または移動の履歴が分かる。すなわち、遊技用代用貨幣1のトレーサビリティ情報が、当該遊技用代用貨幣1そのものに書き込まれており、把握可能な構成になっている。
【0035】
次に本実施の形態の遊技用代用貨幣1の管理システムについて説明する。図5は同システムの全体の概要を示している。
【0036】
遊技用代用貨幣1はまず工場6において、書込装置14によって、製造完了または工場出荷の情報を含む変動情報4が所在に関する情報220としてRFIDタグ2のデータの書き換えが可能な領域22に書き込まれる。
【0037】
工場6から出荷された遊技用代用貨幣1はカジノのバックヤード7で受け入れ処理が実施される。バックヤード7では遊技用代用貨幣1のデータの書き換えが可能な領域22に記憶されている変動情報4を読取装置13が読み取り、読取結果に基づいて、管理制御装置15は、書き込まれているべき情報として、工場6で書き込まれたことを示す所在に関する情報220が、最新の変動情報4として書き込まれているか否かが判定される。仮に工場6での書込み記録がなければ、不正の疑いのある遊技用代用貨幣として、エラーシグナルを生成する。これにより、カジノ側での当該遊技用代用貨幣の受け取りを拒否したり、工場側に調査を依頼することが可能となる。書込み記録に問題がなければ、書き込み装置14によって、バックヤードを示す所在に関する情報220がRFIDタグ2のデータの書き換えが可能な領域22に書き込まれる。書込みの際には、工場を示す所在情報に追加してバックヤードを示す所在情報を記載しても良いし、工場を示す所在情報を削除して、バックヤードを示す所在情報を記載しても良い。また上述のバックヤード7での遊技用代用貨幣の読取や書込は、遊技用代用貨幣の通常のバリデーションやアクティベーション作業と併せて行うこともできる。
【0038】
バックヤード7で受け入れ検査が完了した遊技用代用貨幣1は、カジノの倉庫8またはケージ9に運ばれる。倉庫8またはケージ9では、遊技用代用貨幣1のデータの書き換えが可能な領域22に記憶されている変動情報4を読取装置13が読み取り、読取結果に基づいて、管理制御装置15は、書き込まれているべき情報として、バックヤード7で書き込まれたことを示す所在に関する情報220が、最新の変動情報4として書き込まれているか否かが判定される。また変動情報4の履歴に工場6を示す情報が書き込まれているかを併せて検査しても良い。管理制御装置15、前述したバックヤード7での検査と同様に、所在情報の履歴に異常がないか否かを判定する。読取結果に問題がなければ、書込装置14はデータの書き換えが可能な領域22に倉庫8またはケージ9を示す所在に関する情報22を書き込む。
【0039】
プレイヤーはケージ9で遊技用代用貨幣1を購入する。プレイヤーが遊技用代用貨幣1を購入する際には、ケージ9にある書込装置14により、当該遊技用代用貨幣が購入された時間、及び当該遊技用代用貨幣の所有者がカジノから客に変わったことを示す情報が変動情報4として書き込まれる。プレイヤーは、顔認証技術やカジノのメンバーズカードやマイナンバーカード等のIDカードにより、特定して記録される構成であっても良い。
【0040】
プレイヤーは換金した遊技用代用貨幣1を使用して、遊戯テーブルでベットエリア11に遊技用代用貨幣1を置くことで賭けを行う。読取装置13は、ベットされた遊技用代用貨幣1のRFIDタグ2から日時、時間情報221や、場所、イベント情報222や、所有者情報223からなる、所在に関する情報220を読取り、管理制御装置は15は異常がないかを判定する。例えば、最後に書き込まれている、遊戯テーブルでの使用の情報やケージでの換金の情報の日時から一定期間以上経っている場合や、遊技用代用貨幣1に記憶されている所有者情報223と、顔認証やIDカードによって特定された所有者情報223が異なる場合に、異常と判定することができる。
【0041】
読み取り結果に問題がない場合には、ベットされた遊技用代用貨幣1に対して、書込装置14は、データの書き換えが可能な領域22に、所在に関する情報220を書き加える。所在に関する情報220は、日時、時間情報221や、場所、イベント情報222や、所有者情報223を含んでいる。テーブルでは、例えば遊技用代用貨幣1が置かれたプレイヤポジション番号およびプレイヤーの情報を含む変動情報4が書込装置14によって書き込まれる。プレイヤーの情報はIDカードや顔認証によって特定してよい。通常、遊技用代用貨幣1は複数枚積み重ねられてベットエリア11に置かれるため、積み重ねられた状態で一括して、書込が行われる。
【0042】
プレイヤーは、カジノフロアから遊技用代用貨幣1を持出す時には、ゲート10で退場の処理を行う。退場時には読取装置14により所在に関する情報220が読み取られ、管理制御装置15により、変動情報4の異常がないかが判定される。またゲート10で、書込装置14は、退場を示す場所、イベント情報222情報と、所有者情報223を含む変動情報4を書き込む。
【0043】
プレイヤーは、カジノフロアへの入場時に、以前に持ち出した遊技用代用貨幣1を持ち込む場合には、読取装置13により所在に関する情報が読み取られ、管理制御装置により、変動情報4に異常がないかが判定される。例えば、カジノから一旦持ち出された遊技用代用貨幣1について、カジノからの退場時の所有者と、入場時の所有者が異なっている場合には、カジノ外での遊技用代用貨幣の受け渡し行為があったことが把握できる。
【0044】
上述した管理制御装置15は、読取装置13の読取結果に基づいた判定が異常であった場合に、ケージ9またはゲート10にアラームを出力してよい。当該遊技用代用貨幣1の所有者がケージ9で換金を行うときや、ゲート10から退場するときに、管理制御装置15が出力したアラームに基づいて換金を拒否したり、退場時に個別のチェックを行うことができる。また、管理制御装置15は判定結果が異常であった場合に各遊戯テーブルのディーラーにゲームを中断する警告を出したり、ピットに警告を出し、ピットマネージャーがゲームを中断するもしくは続行するなどの判断や、遊技用代用貨幣1を交換する等の対処を判断してもよい。あるいは、管理制御装置15はカジノの全体管理制御装置18と接続されており、全体管理制御装置18に警告を出す構成でもよい。
【0045】
管理制御装置15は同様に、ケージで換金が行われる際に、読取装置13による変動情報4の読取を行い、異常を判定してよい。具体的には、最後に書き込まれている、遊戯テーブルでの使用の情報やケージでの換金の情報の日時から一定期間以上経っている場合や、遊技用代用貨幣1に記憶されている所有者情報223と異なる人物が換金しようとしている場合などに異常を判定してよい。異常を判定した場合、管理制御装置15は警告を出力し、異常を判定された遊技用代用貨幣1の換金を拒否してもよい。
【0046】
また上記の説明では、読取装置13での読み取り、及び管理制御装置での判定後、書込装置14による書き込みを行う形態で説明したが、読み取りと書き込みを同時に行う構成であってもよい。
【0047】
以下では、本発明の応用の実施例の詳細を示す。
【0048】
工場6では、生産完了時や、出荷時に、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。生産情報や商品情報を固定情報3として書込み、必要に応じて書き換えができないようにロックすると共に、変動情報4を書き込む。
【0049】
バックヤード6では、工場から出荷された遊技用代用貨幣1を受け取り、使用可能な遊技用代用貨幣1としてアクティベートする際に、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。
【0050】
倉庫8では、倉庫8からケージ9に遊技用代用貨幣1を移動する、またはケージ9から倉庫8に遊技用代用貨幣1を移動する際に、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。あるいは、倉庫8に保管されている遊技用代用貨幣1に対して、一定時間ごとや所定のタイミングでRFIDタグ2の読取及びまたは書込を行ってよい。
【0051】
ケージ9では、倉庫8からの移動または倉庫8への移動、および顧客の現金と遊技用代用貨幣1の換金の際に、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。ケージ9において換金が行われる場合には、換金を示す場所、イベント情報222、換金を行ったプレイヤー情報を所有者情報223として変動情報4を書き込む。所有者情報223は、プレイヤーのカジノIDカードや、顔認証システム、クレジットカード等から取得できる。
【0052】
ゲート10では、プレイヤーが入退場する際に、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。プレイヤーが退場する際にカジノから持出す全ての遊技用代用貨幣1に対して、持出しを示す場所、イベント情報222、持出すプレイヤーを示す所有者情報223を変動情報4として書き込んで登録を行い、入場の際にも同様に持込みを示す場所、イベント情報222、持込むプレイヤーを示す所有者情報223を変動情報4として書き込んでカジノに持ち込む遊技用代用貨幣1に対して登録を行う。
【0053】
ベットエリア11ではプレイヤーが賭けに参加するためにベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対してRFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。また、プレイヤーへの償還金としてディーラーがベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対して、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。
【0054】
チップトレイ12では、チップトレイに回収された遊技用代用貨幣1、保管されている遊技用代用貨幣1に対してRFIDタグ2の読取及びまたは書込を行う。
【0055】
遊戯テーブルはさらにエリア2007及びペイエリア1026を含む支払いエリアを備え、プレイヤーにプレイヤーへの償還金としてディーラーがベットエリア11に置いた遊技用代用貨幣1に対して、RFIDタグ2の読取及びまたは書込を行ってよい。
【0056】
管理制御装置15は、各場所での読取装置13の読取結果から得た所在に関する情報220に異常がないか否かを判定する機能を備える。異常か否かの判定としては、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない、もしくは、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない、のいずれかの事象があるか否かを判定することができる。
【0057】
前回の書き込みから所定期間以上使用されていない事象は、
1)最新の所在に関する情報がケージ9を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
2)最新の所在に関する情報がゲート10での入場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
3)最新の所在に関する情報がゲート10での退場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定の時間以上たっている、
のいずれかの状況である。
【0058】
書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない事象は、
4)遊技場への入場時において、遊技用代用貨幣1のデータの書き換えが可能な領域22の最新の所在に関する情報として、ゲート10での退場を示す情報が書き込まれていない、
5)ケージ9での使用時において、バックヤード7を示す情報が書き込まれていない、
6)遊技場からの退場時において、ケージ9またはバックヤード7を示す情報が書き込まれていない、
のいずれかの状況である。
【0059】
管理制装置15は、読取装置13から得た所有者に関する情報223に基づき、異常か否かを判定する事象として、
1)データの書き換えが可能な領域22に記憶している最終の所有者とは異なる人物が遊技用代用貨幣1を遊技場内で換金、または両替する、あるいは遊技場から退場する、
2)データの書き換えが可能な領域22に記憶している退場時の所有者とは異なる人物が、当該遊技用代用貨幣を遊技場に持ち込む、
のいずれかの状況を判定可能である。
【0060】
管理制装置15は、読取装置13から得たベットエリア11の場所を示す情報、またはチップトレイ12の場所、あるいは支払いエリアを示す情報を示す情報に基づき、異常か否かを判定する事象として、
1)データの書き換えが可能な領域22に記憶している最終の所有者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣1を遊技テーブルで使用する、
2)遊技テーブルでの使用記録のない遊技用代用貨幣1を当該遊技用代用貨幣1のケージ9での購入時とは異なる人物が、ケージ9で換金する、
3)ケージ9またはバックヤード7を示す情報のない遊技用代用貨幣1が遊技場内で使用される、
4)最新の所在に関する情報がベットエリア11または支払いエリアを示す情報であり、所定期間以上経過後に、ケージ9で換金または遊技テーブルで使用される、
上記の1)から4)のいずれかの状況を判定する。
【0061】
図8は、本発明の別の実施の形態に係るデータベースを示している。管理システムはさらに、遊技用代用貨幣1の外に、同様の固定情報3、変動情報4を記録するデータベース17を備えている。管理制御装置15は読取装置13の読取結果に基づいて、データベース17に情報を記録すると共に、遊技用代用貨幣1に記憶されている固定情報3と変動情報4と、データベースの情報との照合を行い、異常を判定することができる。
【0062】
本発明の実施の形態におけるRFIDタグ2において、データの書き換えができない領域21の、機能的に書き込みができない領域はTIDであってよい。データの書き換えができない領域21の必要な情報を書き込んだ後に、データの書き込みができないようにロックした領域はEPCまたはユーザー領域であってよい。データの書き換えが可能な領域22はEPCまたはユーザー領域であってよい。
【0063】
読取装置13と書込装置14は、場所によってその形態を変えてよい。例えば、工場6では図6に示す台上のものであり、ゲート10では箱状であり、ベットエリア11やチップトレイ12ではベットエリア11やチップトレイ12そのものが読取装置13と書込装置14の機能を備えていてよい。また、遊技用代用貨幣1は、そのまま積み重ねられていてもよいし、チップケースなどに収容された状態で読取書込が行われてよい。また、読取装置13と書込装置14が一体となっていてもよい。
【0064】
以上の実施の形態では、遊技用代用貨幣にRFIDタグが1つあり、当該単一のRFIDタグが、データに書き込みができない領域と、データの書き換えが可能な領域を有する場合について説明した。それに対して、遊技用代用貨幣にRFIDタグを2つ入れ、一方のRFIDタグは固定情報を記憶した上でデータの書き込みができないようにロックし、もう一方のRFIDタグは変動情報を記録するために、データの書き換えが可能なようにしておく、という形態も考えられる。
【0065】
ただしこの場合には、複数の遊技用代用貨幣を一括読み取りした場合に、図7Aに示すように、固定情報3の情報群と変動情報4の情報群とが別々に読み取られるため、特定の遊技用代用貨幣の固定情報と変動情報の組合せを決定することができず、変動情報に異常がある遊技用代用貨幣を特定することができない、という問題が生じる。
【0066】
これに対して、RFIDタグが一つの場合には、図7Bに示すように、複数の遊技用代用貨幣を一括して読み取った場合にも読取装置が読み取った固定情報と変動情報の相互の対応関係が把握できるため、単一のRFIDタグにより実施する方がより良いと考えられる。
【0067】
また一般にRFIDタグは、その直径が大きいほど読取精度が上がるため、遊技用代用貨幣にRFIDタグを入れる場合には、RFIDタグは、少なくとも遊技用代用貨幣の半径以上の直径を持つサイズであることが望ましいところ、遊技用代用貨幣にRFIDタグを2つ入れることにより、個々のRFIDタグの直径が小さくなるは好ましくない。またRFIDタグを2つ入れると、読み取るRFIDタグの数が増えるため、複数の遊技用代用貨幣を読み取る際には、読取速度の低下にもつながる。
【0068】
以上の点で、単一のRFIDタグにより実施することがより効果的であると考えられる。
【0069】
(第3の実施の形態)
本発明の実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムの全体の概要を以下に説明する。図9は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル2004を有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル2004で行われるゲームを、遊技用代用貨幣1を含めて複数のカメラ2002を介して画像として記録するゲーム記録装置2011、および記録された画像を画像分析する画像分析装置2012、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDを読取るチップ読取装置25、さらに遊技テーブル2004において各ゲームのゲーム結果を判定し表示するゲーム結果判定装置18を備える。
【0070】
ゲーム結果判定装置18は例えばカード配布装置2003であり、すでに当業者で使われているいわゆる電子シューである。あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレーヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に2-3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は結果表示ランプ2013にて表示される。
【0071】
同図において、遊技テーブル2004は、バカラ用のテーブルであって、5つのシッティングナンバー13(「シッティングナンバー1」131、「シッティングナンバー2」132、「シッティングナンバー3」133、「シッティングナンバー5」134、「シッティングナンバー6」135)が設けられており、5名のゲーム参加人がゲームに参加できる。シッティングナンバー13ごとにベットエリア44が設けられている。シッティングナンバー13のベットエリア44には、プレイヤ(PLAYER)441、バンカ(BANKER)442、タイ(TIE)443、プレイヤペア(P)444、及びバンカペア(B)445の各エリアが含まれる。各ゲーム参加人は、ベットする対象に対応する位置にベットする額の遊技用代用貨幣1を置くことで、賭けを行う。図9においては、例えば遊技用代用貨幣1がシッティングナンバー5のタイ443に2枚とプレイヤ441に2枚置かれて賭けられている。遊技テーブル2004には、さらに、ドローしたプレイヤカードを置くプレイヤカードエリア45、及びドローしたバンカカードを置くバンカカードエリア46が設けられている。
【0072】
制御装置2014は、カメラ2002、画像分析装置2012を介して各プレーヤ2006が遊技用代用貨幣1を賭けエリア2008のいずれの位置(プレーヤか、バンカーか、タイか、ペア)に賭けたか、かけた遊技用代用貨幣1の種類(遊技用代用貨幣1は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。すなわち、例えばシッティングナンバー5のタイ443に2枚とプレイヤ441に2枚賭けられていることが把握可能である。
【0073】
チップ読取装置25は、図9に示すように、シッティングナンバー毎にベットエリア全体を一つの読取エリアとして読取エリア内にある遊技用代用貨幣1のRFIDをまとめて読取可能なように配置されている。遊技用代用貨幣1に付されたRFIDには、固有のID情報、遊技用代用貨幣1の金額、種類、製造情報、所有者情報などが書き込まれている。もしくはデータベースにおいてID情報と遊技用代用貨幣1の金額、種類、製造情報、所有者情報などが結び付けられて記憶されていてもよい。チップ読取装置25は、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDを読み取ることで、シッティングナンバー毎に、遊技用代用貨幣1を把握することができ、合計の金額または枚数を把握することができる。すなわち、例えばシッティングナンバー5に4枚の遊技用代用貨幣が賭けられており、それぞれの種類、金額、IDが把握可能である。
【0074】
制御装置2014は図10に示すように、画像分析装置2012による画像分析結果に基づく、各シッティングナンバーの各ベットエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の種類と枚数から、シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を把握し、チップ読取装置25の読取った遊技用代用貨幣1のRFIDの情報に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数と比較を行い、一致するか否かを判定する。さらに、上記の判定が不一致のシッティングナンバーを出力することができ、問題があったシッティングナンバーを特定することができる。
【0075】
画像分析装置による画像分析結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数よりチップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数が少ない場合には、遊技用代用貨幣1に付されたRFIDが壊れているか、読取不能なRFIDであるか、もしくは遊技用代用貨幣1にRFIDが付されていない可能性が考えられる。図10ではシッティングナンバー1に賭けられた遊技用代用貨幣1に対する、画像分析装置2012による画像分析装置に基づく合計読取数は4であるのに対して、チップ読取装置25のRFIDの読取に基づく合計読取数は3である。したがってシッティングナンバー1に賭けられた遊技用代用貨幣1、4枚の内1枚がRFIDが読取不可能であったことが考えられる。
【0076】
画像分析装置による画像分析結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数よりチップ読取装置25の読取結果に基づくシッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数が多い場合には、遊技用代用貨幣1がカメラの死角に入っているなどの要因によって、画像分析装置2012が遊技用代用貨幣1を読取れなかった可能性が考えられる。図10ではシッティングナンバー3に賭けられた遊技用代用貨幣1に対する、画像分析装置2012による画像分析装置に基づく合計読取数は1であるのに対して、チップ読取装置25のRFIDの読取に基づく合計読取数は2である。したがってシッティングナンバー3に賭けられた遊技用代用貨幣1は2枚あったが、画像分析装置では1枚しか認識できなかった可能性が考えられる。
【0077】
遊技用代用貨幣1に付されたRFIDのID情報は、カジノのデータベースに登録されており、工場での生産、出荷の情報や、カジノでの受け取り、バリデーション、アクティベーションの情報が記録されている。制御装置2014はチップ読取装置25が読取ったRFIDの情報をデータベースの情報と照合し、カジノで使われるべきものとして登録されているものかの真贋を判定することができる。
【0078】
この構成によって、カメラによって各ベットエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1に種類と枚数を把握し、かつチップ読取装置25が読取った遊技用代用貨幣1のRFID情報をもとにシッティングナンバー毎に真贋が不正または不良な遊技用代用貨幣1を判定することができる。
【0079】
また、システムは顔認証システムまたはプレイヤIDカードによるゲーム参加人特定手段をさらに備え、制御装置2014は、ゲーム参加人特定手段によって特定されたゲーム参加人情報と、シッティングナンバーとを結び付けることができる。制御装置2014は、シッティングナンバー毎に記憶した賭け金額、償還または回収金額、勝敗情報を、ゲーム参加人毎に記憶することができる。また、ゲーム参加人が複数テーブルで複数ゲーム行った情報をまとめて記憶することができる。
【0080】
制御装置2014は、遊技テーブル2004のディーラ2005のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額がチップトレイ判定装置12を用いて判定可能で、ゲームが終了して清算した後に、各プレーヤ2006の賭けた負け遊技用代用貨幣1の回収および勝ったプレーヤ2006Wへの勝ちチップへの支払9Wの額に応じて、チップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。チップトレイ判定装置は、チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額を、カメラ2002を用いてチップトレイ17に収容されている遊技用代用貨幣1を撮影し、画像分析装置の分析に基づいて把握してもよいし、チップトレイ17にRFID読取装置を設けることで、チップトレイ17に収容されている遊技用代用貨幣1の総額を検出するようにしてもよい。
【0081】
この例では、ゲームの勝敗結果、どの種類の遊技用代用貨幣1が賭けエリア2008のいずれの位置(プレーヤか、バンカーか、タイか、ペア)に何枚賭けられたかの情報、及び負けチップの回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が終わった後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の増減額に基づいて不正やミスを検知するので、ゲーム終了後の遊技用代用貨幣1の動き、すなわち、賭けられていた遊技用代用貨幣1がプレーヤ側に移動したか、ディーラ側に移動したかを把握しなくても、不正やミスを検知できる。
【0082】
ここで、ゲームの勝敗結果は、例えばバカラの場合には、カード配布装置2003において、そのゲームで繰り出されたカードCのランクを読み取ることで、バカラのルールに従って判定することができる。また、ゲームの勝敗結果は、遊技テーブル2004上をカメラ2002で撮影して、その画像を画像分析装置2012で分析し、制御装置2014で分析結果をゲームのルールと照らし合わせることでも判定できる。この場合には、カメラ2002と画像分析装置2012と制御装置2014とでゲーム結果判定装置が構成される。各シッティングナンバー7のプレーヤ、どの種類の遊技用代用貨幣1が賭けエリア2008のいずれの位置(プレーヤ、バンカー、タイ、プレイヤペア、バンカーペア)に何枚賭けたかの情報は、賭けエリア2008に置かれた遊技用代用貨幣1をカメラ2002で撮影し、画像分析装置2012でプレー位置7毎にその画像を分析することで得られる。
【0083】
また、負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が行われる前後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の増減額は、負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還をする前のチップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額と負け遊技用代用貨幣1の回収及び勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還をした後のチップトレイ17内の遊技用代用貨幣1の総額とを比較することで算出できる。
【0084】
例えば、ゲームの開始前にチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額がBbであり、ゲームが終了して負けチップの回収及び勝ちチップに対する償還が終わった後のチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額がBaであるとする。また、このゲームにおいて、プレーヤエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbpであり、バンカーエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbbであり、タイエリアに賭けられた遊技用代用貨幣1の全プレー位置7の総額がbtであるとする。例えばこのゲームの勝敗結果がバンカーの勝ちである場合には、Ba-Bb=bp-bb+btが成立すべきである。あるいは、ゲーム終了後のチップトレイ17の遊技用代用貨幣1の総額Baは(Bb+bp-bb+bt)であるべきである。そのようになっていない場合には、チップの回収又は償還において、不正又はミスがあったと判定することができる。
【0085】
図14Aは、本実施の形態のチップトレイの詳細を示す図あり、図14Bはチップトレイの他の例を示す図である。チップトレイ17には、負けたプレーヤ2006Lの賭けた遊技用代用貨幣1Lを回収して一時保管する回収チップトレイ171と償還する遊技用代用貨幣1Wを保管する償還チップトレイ172とが設けられている。画像分析装置2012および制御装置2014は、負けたプレーヤ2006Lが賭けた遊技用代用貨幣1Lの位置、種類および枚数を把握し、当該ゲームにおける遊技用代用貨幣1Lの増額分(当該回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1のあるべき額)を計算する。さらに、画像分析装置2012及び制御装置2014は、回収した後のチップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額を把握し、あるべき総額と現実の総額とを比較して違いがあるか否かを判定する。
【0086】
制御装置2014はさらに、償還すべき遊技用代用貨幣1に対する償還を行い、償還が終わったときに、遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数とゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの償還すべき額に基づくチップトレイのあるべき総額と、前記チップトレイにおける現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか判定することができる。
【0087】
また、勝ったプレーヤ2006Wに対する遊技用代用貨幣1Wの償還は償還チップトレイ172にある遊技用代用貨幣1を使用することで、画像分析装置2012及び制御装置2014が回収した後の回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額を把握するのに十分な時間を確保することができる。
【0088】
以上のように、本実施の形態では、制御装置2014は、ゲーム毎に遊技テーブル2004上の賭けチップ額とゲームの勝敗結果からチップの収支を計算し、ゲーム後におけるチップトレイ17内のチップの残高の増額を検証する。制御装置2014は、この検証において違いが検出されたら、アラームを発出するか、あるいはカメラ2002で撮影されたビデオの記録にその旨の記録を追加する。カジノ運営者は、ビデオを確認することで違いの原因を追究することができる。
【0089】
本実施の形態のテーブルゲームの管理システムは、各ゲームの清算前のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額から、当該ゲームですべてのプレーヤ2006の賭けた遊技用代用貨幣1の位置、種類および枚数と勝敗結果判定装置で得た当該ゲームの勝敗結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの増減額を加減算し、当該ゲームの終了時の清算後のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、画像分析装置2012を介し得た当該ゲームの終了時のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0090】
制御装置2014は、画像分析装置2012を介して各プレーヤが賭けるチップの位置、種類および枚数を把握し、各プレーヤの賭けた負けチップのすべての回収が終わったときに、チップトレイにおけるチップの現実の総額を把握し、各ゲームの清算前のチップトレイにおけるチップの総額から、負けたプレーヤの賭けたチップの位置、種類および枚数から当該ゲームにおけるチップトレイ17の増額を加算した当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否かを判定する。
【0091】
制御装置2014は、各ゲームの清算前のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の総額から、負けたプレーヤの賭けた遊技用代用貨幣1の位置、種類および枚数から当該ゲームにおけるチップトレイ17の増額を加算した当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、当該チップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがないと判定し、かつ当該ゲームの終了時の精算後のチップトレイ17におけるあるべき総額と、画像分析装置2012を介し得た当該ゲームの終了時のチップトレイ17における遊技用代用貨幣1の現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、支払いの間違いと判定し、支払いの間違いを知らせる支払い誤りシグナルを発生させる。
【0092】
チップトレイ17には、負けたプレーヤの賭けた遊技用代用貨幣1を回収して一時保管する回収チップトレイ171が設けられ、画像分析装置2012は、負けたプレーヤの賭けた遊技用代用貨幣1Lの位置、種類および枚数から計算される当該ゲームにおける遊技用代用貨幣1の増額を加算した回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1のあるべき総額と、回収チップトレイ171における遊技用代用貨幣1の現実の総額とを比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあるか否を判定する。
【0093】
制御装置2014が遊技テーブル2004のディーラ2005のチップトレイ17における把握されている遊技用代用貨幣1の現実の総額が、すべてのプレーヤの賭けたチップ額と当該ゲームの勝敗結果とから計算されるチップの増減額に対応していない違いを判定したときは、ゲーム記録装置2011において上記の違いが生じたゲームの記録が分析可能となるように、ゲーム記録装置2011は、取得した映像にインデックスもしくは時刻を付与するか、もしくは遊技用代用貨幣1の回収シーンあるいは支払シーンを特定して再生できる。
【0094】
このように、制御装置2014は、画像分析装置2012を介してゲームの終了時の清算後にチップトレイ17におけるチップの総額を得るが、この場合の清算後の判断というのは、以下の1)~4)のいずれかが起こったときとする。
1)勝ち遊技用代用貨幣1に対する償還が終了したとき、
2)当該ゲームで使用されたカードCが回収され、当該テーブルの廃棄エリア41もしくは廃棄スロット42に廃棄されるとき、
3)勝敗結果判定装置に付随する所定のボタンを押したとき、
4)勝敗を示すマーカー43を元に戻したとき。
【0095】
また、制御装置2014は、遊技テーブル2004の各プレー位置7において賭けたチップの位置(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各プレーヤ2006の勝敗履歴と得たチップの額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル2004のプレー位置7において、負けた時の賭けチップの額が少なく、勝った時の賭けチップの額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の制御装置2014を備えるものである。
【0096】
さらに、本テーブルゲームの管理システムの制御装置2014は(画像分析装置2012と一体となって)特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置7における個別のプレーヤ2006の特定が可能な構造である。このようなプレーヤ2006の特定は、画像分析装置2012において、顔の画像を特徴点抽出等により得、アイデンティティ番号(ID等)を付して特定しておく。そして制御装置2014は、特定されたプレーヤ2006が、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレーヤの存在を知らせる警告機能を有する。具体的には、各遊技テーブル2004を管理するピットマネージャや各テーブル責任者(ディーラでもよい)に知らせて、更なる特異現象の防止を図る。
【0097】
制御装置2014は、チップトレイ判定装置が判定した回収された遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報と、チップ読取装置25が読取った遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報とをもとにシッティングナンバー毎の回収された前記遊技用代用貨幣1を特定可能である。
【0098】
図11では、図12および図13の詳細表のように遊技用代用貨幣1が賭けられている。画像分析装置2012による分析では、遊技用代用貨幣1が賭けられている場所(プレイヤ、バンカ等)と、枚数(および金額)が把握できる。一方、チップ読取装置25による読取では、シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣1に付されたRFIDのIDが把握可能である。さらにチップトレイ判定装置25は、チップトレイ9内の遊技用代用貨幣1のIDを判定可能であるので、回収の前後で増加したIDを把握することで、回収された遊技用代用貨幣1を把握可能である。図11~13で、ゲーム結果がバンカの勝である場合には、画像分析装置2012の分析結果からバンカペアに賭けられていた2枚が回収されるべきことが分かり、チップトレイ判定装置が判定した回収チップのIDのうち、チップ読取装置25がシッティングナンバー5に賭けられていたと読取っていたID6と18の2枚が回収されていることが分かる。
【0099】
制御装置2014はさらにゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣1の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したシッティングナンバー毎の回収されるべき前記遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を把握している。従って制御装置2014はRFIDに基づいて判定したシッティングナンバー毎の回収された遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数と、画像分析結果に基づく回収されるべき遊技用代用貨幣1の合計金額または合計枚数を比較し、一致するか否かを判定可能である。
【0100】
例えば、シッティングナンバー1のチップ読取装置25による読取結果が「A、B、C、D、E」、画像分析装置2012による分析結果が「タイに2枚、バンカーに2枚」、ゲーム結果が「バンカーの勝」、チップトレイ判定装置18による読取結果が「A、B」の場合に、タイに賭けられていたA、Bのチップが正しく回収されたことが分かる。
【0101】
制御装置2014はさらに、チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報が、チップ読取装置25が読取った、賭けられていた遊技用代用貨幣1のRFIDのIDの情報と一致するか否かを判定可能である。この判定により、チップトレイに回収された遊技用代用貨幣1が遊技テーブルに賭けられていた遊技用代用貨幣1であるかどうか、他の場所から不正に回収された遊技用代用貨幣1でないかが判定できる。
【0102】
制御装置2014は、さらに、チップ読取装置25が読取ったRFID情報をもとに、キャッシュチップ、ローリングチップ、プロモーションチップなどのチップの種類を判定可能であり、判定したチップの種類毎に賭けられた金額、回収または償還された金額を記憶可能である。
【0103】
ローリングチップは、特定の会員が購入可能な、現金に交換できない特殊なチップであり、ローリングチップは会員毎に購入した金額が管理されている。賭けに使用して消費しなければならず、また、ローリングチップを使用した賭けに対する償還はキャッシュチップによって償還される。チップ読取装置25が読取ったRFID情報をもとに賭けられたまたは回収されたローリングチップの金額を記憶することで、特定の会員が持っているべきローリングチップの金額が把握可能である。
【0104】
チップ読取装置25は、さらに、確認エリアの機能を備え、償還のために置かれた遊技用代用貨幣1を読み取ることが可能である。図15に示すように、シッティングナンバー2のバンカーに対する償還を行う場合に、チップ読取装置25の中に償還のための遊技用代用貨幣1が置かれ、読取が行われる。図15ではシッティングナンバー2のバンカーに賭けられた勝ち遊技用代用貨幣1の横に置かれている。制御装置2014は、ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣1の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定した償還金額と、前記チップ読取装置25の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎に置かれた前記遊技用代用貨幣1の金額とを比較し、償還金額の一致または不一致を判定し、出力可能である。図16ではシッティングナンバー1の支払うべき遊技用代用貨幣1の合計枚数は4であるのに対し、チップ読取装置25の読取結果は3であるため、不一致である。償還金額が不一致の場合には不一致の信号を出力し、ディーラーは出力された信号に基づいて償還のための遊技用代用貨幣1を置きなおすことができる。遊技用代用貨幣1が置きなおされた場合には再度判定を行い、判定結果を出力することができる。償還のための遊技用代用貨幣1を置くエリアは、チップ読取装置25内のどこでもよい。また、図15に示すように、ベットエリアとは別に、ベットエリアのディーラー側に支払い確認エリア26を配置していてもよい。図7ではシッティングナンバー6の支払い確認エリア26に償還のための遊技用代用貨幣1を置き、チップ読取装置25が読取を行い、制御装置2014が判定を行い、バンカーに置かれている勝ち遊技用代用貨幣1の横に償還チップが置かれる。
【0105】
また、確認エリアについても画像分析装置2012による画像分析を行い、制御装置2014はチップ読取装置25の読取結果との照合を行い、合計枚数が一致するか否かを判定してよい。
【0106】
制御装置2014は行った判定に基づいて、信号を出力可能である。信号はチップトレイ9の表示部もしくはカード配布装置13の表示部に表示を行うように出してもよいし、ピットマネージャーもしくはカジノのバックヤードに信号を出力してもよい。
【0107】
チップ読取装置25は図17に示すように、シッティングナンバー毎にベットエリア全体を一つの読取エリアとしてもよいし、図18に示すように、シッティングナンバー毎にプ、レイヤ用ベットエリアとバンカー用ベットエリアを一つの読取エリア、タイ用ベットエリア、プレイヤペア用ベットエリア、バンカーペア用ベットエリアを一つの読取エリアとしてもよい。また、図19、22のようにタイ用ベットエリア、プレイヤペア用ベットエリア、バンカーペア用ベットエリアのサイドベット用ベットエリアそれぞれを一つの読取エリアとしてもよい。
【0108】
以下では、本発明の実施の形態に使用する遊技用代用貨幣1について説明する。図20は本システムに使用する遊戯用代用貨幣1の外観図であり、図21は正面断面図である。複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層101を備え、この中間の着色層101の両側に白色層102もしくは薄色層(図示しないが着色層101より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで図20に示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層101の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊戯用代用貨幣1の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0109】
着色層101は、図21に示すように、着色された複数の層(図21では3層)により形成されてもよい。着色された複数の層(図21では3層)は互いに熱圧着されているので、図21のように3層構造が目視可能な状態ではなく、図21は説明上3層を表している。さらには着色層101の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、その中にはRFIDが内蔵されている。
【0110】
また、遊技用代用貨幣1はプラスチックを積層した構造に限らず、外観において着色層101と同様の見た目を有するものであってもよい。
【0111】
以下に、画像分析装置2012が遊技用代用貨幣1を分析する方法を詳細に示す。画像分析装置2012は、記録装置11に記録された画像を画像分析して、遊技用代用貨幣1に少なくとも部分的に付与されている特定色121と画像中に存在する、特定色121とは異なる基準色Rの少なくとも2色を認識する。なお特定色121は、遊技用代用貨幣1の所定の位置又は所定の形状で少なくとも部分的に付されている。たとえば着色層101として付されていたり、遊技用代用貨幣1の側面に周方向に付されていたり、遊技用代用貨幣1の表面に所定のマークとして付されていてもよい。また、基準色Rは、たとえば遊技テーブル2004の特定エリアの色であっても良いし、遊技用代用貨幣1中の特定色121とは異なる場所に付与された色であってもよい。
【0112】
画像分析装置2012は、たとえば深層学習(ディープラーニング)技術などにより特定色の特定を行う人工知能装置12aを含んでおり、遊技テーブル2004に配置された遊技用代用貨幣1の枚数および種類を判定する。認識装置12は、遊技テーブル2004における遊技用代用貨幣1の位置をさらに判定してもよい。
【0113】
画像分析装置2012は、異なる照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの複数の画像を取得し、取得した画像と、各画像の遊技用代用貨幣1の特定色121及び基準色Rの正解の色とを、教師データとして人が教示することで学習し、学習モデル13a(認識プログラム)を作成する。なお同じ条件の照度で照射された遊技用代用貨幣1及び基準色Rの画像は、特定色121と基準色Rが同じ照度で照らされていることにより、特定色121と基準色Rの相対的な関係を取得することができる。例えばこの相対関係が特定色121の認識に利用されてもよい。
【0114】
またチップ認識装置12は人工知能を用いることなく、カメラ200212によって撮影されて画像として記録され、さらに画像分析された結果を用い、形状、明度、彩度、色合いなどの画像上の特徴を計測する方法によって遊技用代用貨幣1の中心線Cを抽出してもよい。
【0115】
人工知能装置12aはさらに、抽出した前記中心線Cの周囲の所定の範囲の周辺画像(例えば中心線を中心に、中心線に直交する8ピクセル分の範囲など)を画像分析することにより、前記周辺画像中の前記特定色121と特定色121とは異なる前記基準色Rとの少なくとも2色を認識する構成を備える。なお抽出した前記中心線Cの周囲の所定の範囲の周辺画像を画像分析する際には、画像をそのまま分析しても良いし、特定色121の認識が容易となるように、色の強調やノイズの除去等の画像処理を行った上で分析しても良い。
【0116】
まとめると、認識装置12の人工知能装置12aは、遊技用代用貨幣1の画像から中心線Cを抽出し、前記中心線Cを中心とした所定の範囲の周辺画像を画像分析することにより、前記周辺画像中の特定色121と特定色121とは異なる基準色Rとの少なくとも2色を認識する構成を備え、異なる照度で照射された前記遊技用代用貨幣1及び基準色Rの複数の前記周辺画像を教師データとして教示された人工知能装置である。
【0117】
本発明の別の実施の形態では、前記制御装置2014は、さらに
1)各ゲームにおいて、カードの引き出しが開始されてからもしくはディーラのゲーム開始操作からカード配布装置によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、チップの動きがないかどうか、
2)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、ディーラ以外の者によるチップの動きがないかどうか、
3)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、チップが追加されたかどうか、
4)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの勝者が賭けていたチップの位置に、支払いを行ったかどうか、
5)各ゲームの終了後、ゲーム参加人のうちの勝者が、賭けていたチップおよび支払われたチップを取ったかどうか、
の少なくとも1つを判定する機能と、を備える。
【0118】
さらに、前記制御装置2014は、前記画像分析装置の分析結果を用いて、ディーラおよびゲーム参加人の手の動き、チップの動き、または前記手の動きとチップの動きを検知することによって、前記1)から5)の少なくとも1つを判定するように構成されていてもよい。
【0119】
制御装置2014は、本願発明の特徴的な機能として、バカラゲームのルールに従い、以下の1)から5)に示す機能を有しルールに反する不正が行われていないか否かを判定する。すなわち、
1)各ゲームにおいて、カード配布装置2003から得られるカードの引き出しが開始される信号から、もしくはディーラ2005が開始ボタン4sを押すことによるゲーム開始操作から、カード配布装置2003によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、遊技用代用貨幣1の動きがないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
2)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人2006のうちの敗者が賭けていた遊技用代用貨幣1を回収している間に、敗者6が遊技用代用貨幣1を不正に取っていないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
3)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人のうちの敗者が賭けていた遊技用代用貨幣1を回収している間に、ディーラ2005以外の者(勝者もしくは敗者)が勝ち遊技用代用貨幣1Wを追加したり、賭けていない勝側に新たに遊技用代用貨幣1を置きなおしていないかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
4)各ゲームの終了後、ディーラ2005がゲーム参加人2006のうちの勝者が賭けていた遊技用代用貨幣1の位置に、正しく支払いの遊技用代用貨幣1Wを置いたかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
5)各ゲームの終了後(ディーラ2005がカード配布装置2003を操作して勝敗結果を表示ランプ13に表示させる)、ゲーム参加人2006のうちの勝者6Wが、賭けていた遊技用代用貨幣1および支払われた遊技用代用貨幣1Wを取ったかどうかを、カメラ2002を使って画像分析装置2012が得る情報により監視する。
【0120】
なお、上記の実施の形態では、画像分析装置2012や制御装置2014が人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する装置であったが、画像分析装置2012や制御装置2014は、具体的には、スケールが不変の特徴変換(SIFT;Scale-Invariant Feature Transform)アルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク(CNN;Convolutional Neutral Network)、深層学習(deep learning)、機械学習(machine learning)、又は同様のものを用いて画像の分析や上記の各種の制御を行ってよい。これらの技術は、撮像画像に対して画像認識を行って画像内に含まれる対象を認識する技術であって、特に、近年は、ニューラルネットワークを多層化したディープラーニング技術を利用して高い精度で対象を認識することが行われている。このディープラーニング技術は、一般的にはニューラルネットワークの入力層と出力層との間の中間層において複数段階に亘って層を重ねることにより高い精度で対象を認識する。このディープラーニング技術において、特に、畳み込みニューラルネットワークが、従来の画像特徴量に基づいて対象を認識するよりも高い性能を有することで注目されている。
【0121】
畳み込みニューラルネットワークでは、ラベルが付与された認識対象画像を学習し、認識対象画像に含まれる主な対象を認識する。学習画像内に主な対象が複数存在する場合には、領域矩形で指定して、当該指定された領域に対応した画像にラベルを付与して学習を行う。さらに、畳み込みニューラルネットワークにおいて、画像内の主な対象および当該対象の位置を判定することも可能である。
【0122】
畳み込みニューラルネットワークについてさらに説明すると、対象の認識プロセスは、認識対象画像に対してエッジ抽出処理等を実施することにより局所的な特徴に基づいて候補領域を抽出すると共に、候補領域を畳み込みニューラルネットワークに入力して特徴ベクトルを抽出した上で分類を行い、分類された最も確信度が高い候補領域を認識結果として得る。確信度とは、ある画像領域とラベルとともに学習された画像の主体の類似度が、他のクラスの類似度より相対的にどの程度高いかを示す量である。
【0123】
以上、本発明の各種の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。
(付記)
【0124】
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣の管理システムは、
データの書き換えができない領域と、データの書き換えが可能な領域と、を有する単一のRFIDタグが遊技用代用貨幣に付与され、
前記RFIDタグの前記データの書き換えができない領域は、固定情報として、当該遊技用代用貨幣の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバーの内、少なくとも一つを記憶しており、
前記データの書き換えが可能な領域は、変動情報として、当該遊技用代用貨幣の所在に関する情報を記憶しており、
前記データの書き換えができない領域に記憶している前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書き換えが可能な領域に記憶している前記変動情報を抽出可能な構成であり、
前記システムは、
前記データの書き換えが可能な領域に、当該遊技用代用貨幣の前記所在に関する情報を書き加える書込装置と、
複数の前記遊技用代用貨幣の前記データの書き換えができない領域に記憶された前記固定情報を一括して読み取り、読み取った前記固定情報に基づき、当該各固定情報と対になる前記データの書き換えが可能な領域に記憶された前記所在に関する情報を読み取り可能な読取装置と、
前記読取装置から得た前記所在に関する情報を審査する管理制御装置と、を更に備え、
前記データの書き換えが可能な領域は、前記書込装置により書き込まれた全ての所在に関する情報の少なくとも最新の所在に関する情報を含んだ、複数の所在に関する情報を記憶しており、
前記管理制御装置は、前記読取装置から得た前記所在に関する情報の履歴に異常がないか否かを判定する機能を備え、異常があればエラーシグナルを生成し、異常と判定した遊技用代用貨幣の前記固定情報を特定可能な構成である。
【0125】
またさらに、前記データの書き換えが可能な領域は、前記所在に関する情報とともに、前記書込装置が当該遊技用代用貨幣への書き込みを行った時間の情報を記憶する構成であり、
前記管理制御装置は、前記読取装置から得た前記所在に関する情報から、前記異常か否かの判定として、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない、もしくは、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない、のいずれかの事象があるか否かを判定する構成である。
【0126】
さらに前記管理制御装置は、前記所在に関する情報は、ケージを示す情報、または入場あるいは退場を示す情報、あるいはバックヤードを示す情報の少なくとも一つを含み、
前記の、前回の書き込みから所定期間以上使用されていない事象は、
1)最新の所在に関する情報がケージを示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
2)最新の所在に関する情報が入場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定時間以上たっている、
3)最新の所在に関する情報が退場を示す情報であり、次の情報の書き込みが所定の時間以上たっている、
のいずれかの状況であり、
前記の、書き込まれているべき前記所在に関する情報が書き込まれていない事象は、
4)遊技場への入場時において、当該遊技用代用貨幣の前記データの書き換えが可能な領域の最新の所在に関する情報として、退場を示す情報が書き込まれていない、
5)ケージでの使用時において、バックヤードを示す情報が書き込まれていない、
6)遊技場からの退場時において、ケージまたはバックヤードを示す情報が書き込まれていない、
のいずれかの状況であってよい。
【0127】
さらに、前記所在に関する情報は、当該遊技用代用貨幣を所有する所有者に関する情報を含んでよい。
【0128】
さらに前記管理制装置は、前記読取装置から得た前記所有者に関する情報に基づき、前記異常か否かを判定する事象として、
1)前記データの書き換えが可能な領域に記憶している最終の所有者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣を遊技場内で換金、または両替する、あるいは遊技場から退場する、
2)前記データの書き換えが可能な領域に記憶している退場時の所有者とは異なる人物が、当該遊技用代用貨幣を遊技場に持ち込む、
上記の1)または2)のいずれかの状況を判定する機能を備えた、ものであってよい。
【0129】
またさらに前記遊技用代用貨幣を所有する所有者に関する情報は、顔認証またはIDカードの読み取りにより特定される、ものであってよい。
【0130】
また前記所在に関する情報はさらに、前記特定の遊技テーブルのチップトレイの場所を示す情報、またはベットエリアの場所を示す情報、あるいは支払いエリアを示す情報を備えていてよい。
【0131】
さらに前記管理制装置は、前記読取装置から得た前記遊技テーブルのチップトレイの場所を示す情報、またはベットエリアの場所、あるいは支払いエリアを示す情報を示す情報に基づき、前記異常か否かを判定する事象として、
1)前記データの書き換えが可能な領域に記憶している最終の所有者とは異なる人物が当該遊技用代用貨幣を遊技テーブルで使用する、
2)遊技テーブルでの使用記録のない遊技用代用貨幣を当該遊技用代用貨幣のケージでの購入時とは異なる人物が、ケージで換金する、
3)ケージまたはバックヤードを示す情報のない遊技用代用貨幣が遊技場内で使用される、
4)最新の所在に関する情報がベットエリアまたは支払いエリアを示す情報であり、所定期間以上経過後に、ケージで換金または遊技テーブルで使用される、
上記の1)から4)のいずれかの状況を判定する機能を備えた、ものであってよい。
【0132】
さらに前記RFIDタグが有する情報は暗号化されていてよい。
【0133】
さらに前記データの書き換えができない領域は、機能的にデータの書き込みができない構成、またはデータの書き込みができないようにロックした構成であってよい。
【0134】
またさらに前記読取装置は、前記データの書き換えができない領域に記憶された前記固定情報と、前記データの書き換えが可能な領域に記憶された所在に関する情報とを一括して読み取る構成であり、
前記管理制御装置は、前記読取装置により読み取られた複数の前記遊技用代用貨幣の複数の前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書き換えが可能な領域に記憶している前記所在に関する情報を抽出して把握可能な構成であってよい。
【0135】
上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣は、データの書き換えができない領域と、データの書き換えが可能な領域と、を有する単一のRFIDタグを備え、
前記データの書き換えができない領域は、固定情報として、当該遊技用代用貨幣の生産情報、商品情報、カジノ情報、金額情報、シリアルナンバーの内、少なくとも一つを記憶しており、
前記データの書き換えが可能な領域は、変動情報として、書込装置により書き込まれた当該遊技用代用貨幣の所在に関する情報を記憶する構成であり、
前記データの書き換えができない領域に記憶している前記固定情報から、同一の当該RFIDタグにおける前記データの書き換えができない領域に記憶している前記変動情報を抽出可能な構成である。
【0136】
またさらに前記遊技用代用貨幣は、読取装置により複数の前記遊技用代用貨幣の前記データの書き換えができない領域に記憶された前記固定情報を一括して読み取り、読み取った前記固定情報に基づき、前記データの書き換えが可能な領域に記憶された前記所在に関する情報を読み取り可能な構成であってよい。
【0137】
上記の従来の問題を解決するために、本発明のテーブルゲームの管理システムは、個別に識別可能なRFIDが付された遊技用代用貨幣と、
前記遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルで行われるゲームにおいて各ゲーム参加人が賭ける遊技用代用貨幣をカメラを介して画像として記録するゲーム記録装置と、
前記記録された遊技用代用貨幣の画像を画像分析する画像分析装置と、
各ゲーム参加人が賭ける前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDを読取るチップ読取装置と、
前記画像分析装置の画像分析結果とチップ読取装置の読取結果を把握する制御装置と、を有し、
前記遊技テーブルは、シッティングナンバー毎に少なくともプレイヤ用ベットエリア、バンカ用ベットエリアを含む複数のベットエリアを備え、
前記チップ読取装置は、前記シッティングナンバー毎にベットエリア全体を一つの読取エリアとして前記遊技用代用貨幣を読取るか、もしくは、全体を前記ベットエリアの数より少ない複数の読取エリアに分け、前記読取エリア毎に前記遊技用代用貨幣を読取り、前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき少なくとも前記プレイヤ用ベットエリア、バンカ用ベットエリアを含む各ベットエリアについてそれぞれ独立して、賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎または前記読取エリア毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎または前記読取エリア毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果を出力可能な構成である。
【0138】
また前記制御装置は、前記判定結果が不一致のシッティングナンバーを出力可能な構成であってよい。
【0139】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が少ない場合に、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDが壊れているか、遊技用代用貨幣にRFIDが付されていない可能性があることを示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0140】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が多い場合に、前記画像分析装置による前記遊技用代用貨幣の読取ミスである可能性を示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0141】
また前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDのIDを記憶しているデータベースをさらに備え、
前記制御装置は、前記チップ読取装置の読取結果に基づくRFIDのIDと、前記データベースに記憶しているIDとを照合し、当該遊技用代用貨幣の真贋を判定し、判定結果を出力可能な構成であってよい。
【0142】
またさらに、前記遊技テーブルにおいてディーラが使用する遊技用代用貨幣を保持するチップトレイと、
前記チップトレイに収容された前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を把握可能なチップトレイ判定装置と、
遊技テーブルにおいて各ゲームのゲーム結果を判定するゲーム結果判定装置と、を備え、
前記制御装置は、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づいた遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて前記遊技テーブルにおけるカジノ側の収支計算を各ゲームの回収及び償還毎に行う計算機能を備え、
各ゲーム参加人の賭けた負けチップの回収が終わったときに、前記遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数と前記ゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの回収すべき額と、前記チップトレイにおける現実の回収額とを比較し、回収すべき額と現実の回収額との間に違いがあるか否かを判定することで、遊技用代用貨幣の回収に不正やミスがあったか否かを判定する回収判定機能と、
償還すべきチップに対する償還を行い、償還が終わったときに、前記遊技テーブルにおける各ゲーム参加人が賭けるチップの位置、種類および枚数と前記ゲーム結果とから計算される当該ゲームにおけるチップの償還すべき額に基づく前記チップトレイのあるべき総額と、前記チップトレイにおける現実の総額を比較し、あるべき総額と現実の総額との間に違いがあると判定した場合には、償還に不正やミスがあったと判定する償還判定機能と、を備えていてよい。
【0143】
また前記制御装置は、前記チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報と、前記チップ読取装置が読取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報とをもとにシッティングナンバー毎の回収された前記遊技用代用貨幣を特定し、
特定した前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数と、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したシッティングナンバー毎の回収されるべき前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数と、を比較し、一致するか否かをシッティングナンバー毎に判定可能な構成であってよい。
【0144】
また前記制御装置は、各ゲームにおいて、前記チップ読取装置が読取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報に基づき、前記遊技用代用貨幣の使用用途別または使用目的別に区分された種別を判定し、シッティングナンバー毎に、前記遊技用代用貨幣の前記種別毎に賭けられた金額または、回収または償還された金額を記憶可能な構成であってよい。
【0145】
また前記制御装置は、複数のゲームにおいて、シッティングナンバー毎に、前記遊技用代用貨幣の種別毎に賭けられた累計金額または、回収または償還された累計金額を記憶可能な構成であってよい。
【0146】
また前記遊技用代用貨幣の種別は少なくともキャッシュチップまたはローリングチップまたはプロモーションチップであってよい。
【0147】
また前記制御装置は、前記ローリングチップのID情報を基に所有者を特定し、所有者毎に、前記ローリングチップが賭けられた累計金額または、回収または償還された累計金額を記憶可能な構成であってよい。
【0148】
また前記チップ読取装置は、シッティングナンバー毎に前記チップ読取装置に置かれた償還のための前記遊技用代用貨幣を読取り、
前記制御装置は、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定した償還金額と、前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記シッティングナンバー毎に置かれた前記遊技用代用貨幣の金額とを比較し、償還金額の一致または不一致を判定し、出力可能な構成であってよい。
【0149】
また前記制御装置は、前記償還金額の判定結果が不一致の場合には不一致の表示を行い、さらに、前記チップ読取装置が読取った前記シッティングナンバー毎の前記チップ読取装置に置かれた前記遊技用代用貨幣の金額に変化があった場合に再度判定を行い、一致または不一致の再出力が可能な構成であってよい。
【0150】
また前記制御装置は、前記シッティングナンバー毎に置かれた償還のための前記遊技用代用貨幣の金額と、償還前後における前記チップトレイの増減額とを比較し、違いがあるか否かを判定可能な構成であってよい。
【0151】
また前記チップ読取装置は償還のための前記遊技用代用貨幣が置かれるための前記ベットエリアのディーラ側に配置された支払い確認エリアを備えていてよい。
【0152】
また顔認証システムまたはプレイヤIDカードによるゲーム参加人特定手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記シッティングナンバーと前記ゲーム参加人特定手段が特定した前記ゲーム参加人の情報とを結びつけることが可能な構成であってよい。
【0153】
また前記制御装置の出力に基づく表示を行う表示装置をさらに備えていてよい。
【0154】
また前記遊技テーブルはサイドベット用ベットエリアをさらに備え、
前記サイドベット用ベットエリアは、各シッティングナンバー毎のベットエリアが隣接して設けられており、
前記チップ読取装置は、少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアをまとめて読取可能であり、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき前記少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアに賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数とを把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記少なくとも一つのサイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が前記チップ読取装置の読取結果に基づく当該サイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果の信号を出力可能な構成であってよい。
【0155】
また本発明の別の実施の形態は、テーブルゲームの管理システムであって、
個別に識別可能なRFIDが付された遊技用代用貨幣と、
前記遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
前記遊技テーブルで行われるゲームにおいて各ゲーム参加人が賭ける遊技用代用貨幣をカメラを介して画像として記録するゲーム記録装置と、
前記記録された遊技用代用貨幣の画像を画像分析する画像分析装置と、
各ゲーム参加人が賭ける前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDを読取るチップ読取装置と、
前記画像分析装置の画像分析結果と前記チップ読取装置の読取結果とを把握する制御装置と、を有し、
前記遊技テーブルは、プレイヤ用ベットエリア、バンカ用ベットエリア、サイドベット用ベットエリアからなるベットエリアを備え、
前記サイドベット用ベットエリアは、各シッティングナンバー毎のベットエリアが隣接して設けられており、
前記チップ読取装置は、少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアをまとめて読取可能であり、
前記制御装置は、前記画像分析装置による画像分析結果に基づき前記少なくとも一つの前記サイドベット用ベットエリアについて独立して、賭けられた前記遊技用代用貨幣の種類と枚数とを把握し、前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記少なくとも一つのサイドベット用ベットエリアの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が、前記チップ読取装置の読取結果に基づく当該サイドベットの遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数と一致するか否かを判定し、判定結果の信号を出力可能な構成である。
【0156】
また前記制御装置は、前記判定結果が不一致の前記サイドベットを出力可能な構成であってよい。
【0157】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が少ない場合に、前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDが壊れているか、遊技用代用貨幣にRFIDが付されていない可能性があることを示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0158】
また前記制御装置は、さらに前記画像分析装置による画像分析結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数より前記チップ読取装置の読取結果に基づく前記サイドベット毎の遊技用代用貨幣の合計金額または合計枚数が多い場合に、前記画像分析装置による前記遊技用代用貨幣の読取ミスである可能性を示すシグナルを生成可能な構成であってよい。
【0159】
また前記遊技用代用貨幣に付されたRFIDのIDを記憶しているデータベースをさらに備え、
前記制御装置は、前記チップ読取装置の読取結果に基づくRFIDのIDと、前記データベースに記憶しているIDとを照合し、当該遊技用代用貨幣の真贋を判定可能な構成であってよい。
【0160】
また前記制御装置は、前記チップトレイ判定装置が判定した回収された前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報と、前記チップ読取装置が読取った前記遊技用代用貨幣のRFIDのIDの情報とをもとにサイドベット毎の回収された前記遊技用代用貨幣を特定し、前記ゲーム結果判定装置から得たゲーム結果及び前記画像分析装置による画像分析結果に基づく遊技用代用貨幣の位置と金額と枚数の測定結果を用いて判定したサイドベット毎の回収されるべきIDまたは金額または枚数と、前記サイドベット毎の回収された前記遊技用代用貨幣のIDまたは金額または枚数とを比較し、回収金額の一致または不一致をサイドベット毎に判定可能な構成であってよい。
【0161】
一つのチップ読取装置25内にある支払いを受けるべき対象のチップまたはチップスタックが1つの場合には、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動することを検知せずとも、賭けチップと支払いチップをペアにして所有者情報を結びつけることができる。すなわち、一つのチップ読取装置25内に、1枚の遊技用貨幣1001または遊技用貨幣1001数枚からなる1つのスタックの賭けチップがある場合には、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動したことを検知せずとも、チップトレイから支払いチップが消えた情報もしくはテーブル上のチップ読取装置25で支払いチップが読取られた情報をもとに、賭けチップと支払いチップとをペアにすることで所有者情報を紐づけることができる。もちろん、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動した情報をもとに賭けチップを認識し、チップトレイから取り出されたチップの情報、ベットエリアに置かれたチップの情報、チップ読取装置25のエリア外に移動したチップの情報の内のいくつかを用いて、支払いチップと賭けチップをペアにすることで、当該賭けチップの所有者情報をもとに支払いチップの所有者に関する情報を結びつけることをしてもよい。また、チップのIDをRFIDによって読取り、スタックの識別を含め、チップの種類と枚数の認識をカメラで行う構成であってもよい。
【0162】
一つのチップ読取装置25内にある支払いを受けるべき対象のチップまたはチップスタックが1つの場合とは、賭けられた時点で、当該エリア内にチップまたはチップスタックが1つの場合もしくは、賭けられた時点では複数スタックあったが、支払いを進めるうちに、スタックが最後の一つになった場合を含む。最後の一つの賭けチップのスタックのみ支払いチップとペアにして所有者情報を紐づける構成にしてもよく、その場合に、最後の一つに残すスタックをメンバー会員が賭けたチップにすることで、メンバー会員のチップのトレースを確実に行うことができる。チップ読取装置1つごとに(例えばプレイヤポジションごとに)メンバー会員は1人賭け、非メンバー会員は複数人かけてよいことにするのが望ましい。メンバー会員はプレイヤポジション毎に一人の場合に、チップと所有者が結びついているので、プレイヤポジション毎に割り当てられたメンバー会員の情報が、賭けられたチップの情報から把握可能である。また、メンバー会員は非メンバー会員よりも先にチップを賭けるというルールがある場合に、プレイヤポジション内で、一番初めに賭けられたチップと、プレイヤポジションに割り当てられている(例えばプレイヤポジション1に座っている)メンバー会員情報を結びつける、もしくは結びついていることを確認してよい。プレイヤポジションにメンバー会員を割り当てるには、メンバーカードを用いてもよい。
【0163】
チップ読取装置25は、プレイヤ、バンカ、タイ、ペアなどの各エリア毎に設けられてもよいし、プレイヤポジション毎、もしくは例えばプレイヤポジション1~3と、プレイヤポジション4~6のようにテーブル全体を複数分割したもの、テーブル全体に対して一つの大きな読取装置25であってもよい。いずれの場合でも、チップ読取装置25のエリア外にチップが移動したこと(チップ読取装置25でチップが読取られなくなったこと)の情報、チップトレイから消えた支払いチップのID、ベットエリアに置かれた支払いチップのIDの情報などから、賭けチップと支払いチップをペアにして、所有者情報等を更新できる。
【符号の説明】
【0164】
1 遊技用代用貨幣
2 RFIDタグ
3 固定情報
4 変動情報
5 ブロックチェーン情報
6 工場
7 バックヤード
8 倉庫
9 ケージ
10 ゲート
11 ベットエリア
12 チップトレイ
13 読取装置
14 書込装置
15 管理制御装置
16 RFIDアンテナ
17 データベース
21 データの書き換えができない領域
22 データの書き換えが可能な領域
220 所在に関する情報
221 日時、時間情報
222 場所、イベント情報
223 所有者情報
1001 遊技用貨幣
1002 チップ読取装置
1003 制御装置
1004 遊技テーブル
1009 チップトレイ
1025 チップ配置エリア
1026 ペイエリア
2002 カメラ
2003 カード配布装置
2004 遊技テーブル
2005 ディーラ
2006 客(ゲーム参加人/プレーヤ)
2007 椅子
2008 賭けエリア
2009 チップ
2010 領域
2010P プレーヤエリア
2010B バンカーエリア
2011 ゲーム記録装置
2012 画像分析装置
2013 結果表示ランプ
2014 制御装置
図1
図2
図3
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図5
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図7A
図7B
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図14A
図14B
図15
図16
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