(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】保険サービス提供システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20241009BHJP
【FI】
G06Q40/08
(21)【出願番号】P 2023127678
(22)【出願日】2023-08-04
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真司
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-194820(JP,A)
【文献】特開2002-032566(JP,A)
【文献】特開2001-331652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末からの
、決済データおよび決済端末データの少なくとも1つを含むデータを第2の端末へ提供する提供手段であって、前記第1の端末からの前
記データを前記第2の端末へ提供することについての同意情報が取得されたことに応じて、前
記データを前記第2の端末へ提供する提供手段と、
提供された前
記データに基づいて前記第2の端末により生成される保険商品に関する情報を前記第1の端末に通知する通知手段と、
を備える、保険サービス提供システム。
【請求項2】
前記データは、事業者情報をさらに含む、
請求項1に記載の保険サービス提供システム。
【請求項3】
前記保険商品に関する情報に対してユーザが応答するための前記保険商品に関する情報を含む画面を生成する画面生成手段をさらに備え、
前記提供手段は、前
記データに所定の処理を実行し、
前記通知手段は、前記画面生成手段により生成された前記画面を前記第1の端末に表示させることにより前記保険商品に関する情報を前記第1の端末に通知する、
請求項1または2に記載の保険サービス提供システム。
【請求項4】
前記提供手段は、前
記データの変更に関する情報が取得される毎に、変更された前
記データを前記第2の端末へ提供する、
請求項1または2に記載の保険サービス提供システム。
【請求項5】
前記通知手段は、前記変更された前
記データに基づいて前記第2の端末により生成される保険商品に関する情報を前記第1の端末に通知する、
請求項4に記載の保険サービス提供システム。
【請求項6】
前記第2の端末により生成される保険商品に関する情報に基づく保険商品の契約に関する処理を実行する契約手段をさらに備える、
請求項1または2に記載の保険サービス提供システム。
【請求項7】
保険サービス提供システムが実行する方法であって、
第1の端末からの
、決済データおよび決済端末データの少なくとも1つを含むデータを第2の端末へ提供する提供ステップであって、前記第1の端末からの前
記データを前記第2の端末へ提供することについての同意情報が取得されたことに応じて、前
記データを前記第2の端末へ提供する提供ステップと、
提供された前
記データに基づいて前記第2の端末により生成される保険商品に関する情報を前記第1の端末に通知する通知ステップと、
を有する方法。
【請求項8】
前記データは、事業者情報をさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項
8に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険サービス提供システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人のユーザが保険契約の見積を簡易に取得することが可能な技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クレジットカードの加盟店(以下、加盟店という)が法人向けの保険商品を検討する場合、自社の情報を提供する必要がある。しかし、個々の保険内容の差が大きいため、加盟店にとって保険の比較は容易でない。また、保険料は、事業規模や従業員数等の過去の情報に基づいて算定されており、加盟店は、現在や将来の業務実態に適した保険内容であるかを判断することが難しい。さらに、加盟店がリアルタイムな情報を保険会社に渡すことができないため、保険会社から提案される内容の幅が狭く、柔軟性に欠ける。換言すると、加盟店は、業務実態に即した保険商品の選択および保険商品の提供を受けることが難しく、それに伴いリスクを適切に把握することが難しい状況にある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、加盟店の保険商品選択負荷を軽減するとともに、加盟店の決済等データを保険会社に提供し、当該決済等データに基づく保険サービスを提供する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である保険サービス提供システムは、第1の端末からの決済等データを第2の端末へ提供する提供手段であって、前記第1の端末からの前記決済等データを前記第2の端末へ提供することについての同意情報が取得されたことに応じて、前記決済等データを前記第2の端末へ提供する提供手段と、提供された前記決済等データに基づいて前記第2の端末により生成される保険商品に関する情報を前記第1の端末に通知する通知手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加盟店の保険商品選択負荷を軽減するとともに、加盟店の決済等データを保険会社に提供し、当該決済等データに基づく保険サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
【
図1】本発明の実施形態に係る保険サービス提供システム、加盟店端末、決済端末、保険会社端末を含むシステム全体の構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る保険サービス提供システムのシステム構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る事業者のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る決済データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る保険会社のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る保険の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る保険サービス提供処理の例を説明するフロー図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る保険サービス契約処理の例を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る保険サービス提供システム10、加盟店端末11、決済端末12、保険会社端末13を含むシステム全体の構成図である。保険サービス提供システム10は、加盟店端末11、保険会社端末13と相互に通信可能に接続される。保険サービス提供システム10はさらに、決済端末12と相互に通信可能に接続される。
図1では、保険サービス提供システム10、加盟店端末11、決済端末12、保険会社端末13は1つずつしか示されていないが複数存在し得る。
【0010】
保険サービス提供システム10は、加盟店端末11から、保険会社端末13へ決済等データを提供することについての同意情報を取得する。
決済等データとは、事業者情報、決済データおよび決済端末データの少なくとも1つを含むデータをいう。決済等データは、例えば、事業者情報を示すことがあり、あるいは、事業者情報および決済データ、決済データおよび決済端末データを示すことがある。なお、事業者情報とは、加盟店に関する情報をいう。決済データとは、決済に係るデータをいう。決済端末データとは、決済端末12自体のデータ(例えば、決済端末12がカメラを備える場合には、カメラデータ等)をいう。
保険サービス提供システム10は、加盟店端末11から決済等データを取得する。保険サービス提供システム10は、決済等データを決済端末12から取得することもある。
保険サービス提供システム10は、加盟店端末11からの同意情報が取得されたことに応じて、決済等データを保険会社端末13へ提供する。
保険サービス提供システム10は、保険会社端末13から、保険商品に関する情報を取得して加盟店端末11へ通知する。保険商品に関する情報は、保険会社端末13へ提供された決済等データに基づいて保険会社端末13側で生成される。保険商品に関する情報の詳細は後述する。
【0011】
加盟店端末11は、決済等データおよび決済等データを保険会社端末13に提供することについての同意情報を保険サービス提供システム10へ送信する。加盟店端末11は、保険サービス提供システム10から、保険商品に関する情報の通知を受信する。加盟店端末11は、保険サービス提供システム10と種々の情報を交換し合う。
【0012】
決済端末12は、決済データ、決済端末データを保険サービス提供システム10へ送信する。決済端末12は、決済機能を備えていればよく、限定されない。例えば、決済端末12には、所定の機能(例えば広告機能)を実行可能なアプリケーションがダウンロードされていてもよい。
【0013】
保険会社端末13は、保険サービス提供システム10より提供された決済等データ等に基づいて、保険商品に関する情報を生成する。保険会社端末13は、生成した保険商品に関する情報を保険サービス提供システム10へ送信する。
【0014】
なお、加盟店端末11、保険会社端末13は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末などの通信機能を備えたコンピュータとすることができるが、特定の装置に限定されない。
【0015】
(システム構成)
図2は、本発明の実施形態に係る保険サービス提供システム10のシステム構成図である。
図2に示すように、保険サービス提供システム10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104、および出力部105を備える。補助記憶部103は、保険サービス提供システム10の各機能を実装するプログラムを格納するプログラム格納領域と、当該プログラムで取り扱うデータを格納するデータ格納領域とを備える。データ格納領域は、ファイル/データベースなどの形式で、事業者106、決済データ107、および保険会社108を備える。プログラム格納領域は、提供部109、通知部110、画面生成部111、および契約部112を備える。
【0016】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、保険サービス提供システム10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行する。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0017】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を同一のコンピュータの内部に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、保険サービス提供システム10は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、保険サービス提供システム10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0018】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0019】
事業者106は、本発明に係る保険サービス提供システム10によるサービス(以下、本サービスという)を申し込んでいる加盟店(事業者)の情報を格納する。事業者106は、決済等データを保険会社端末13へ提供することについての同意情報を格納し得る。
加盟店は、予め本サービスを利用するための利用登録をしているものとする。加盟店は、登録の際に事業者情報を加盟店端末11から保険サービス提供システム10に送信する。事業者情報に変更があった場合は、例えば、新たな情報が加盟店端末11へ担当者により入力され、加盟店端末11から保険サービス提供システム10へ送信され得る。新たな情報の送信があった場合、古い情報は新しい情報に書き換えられる。保険サービス提供システム10は、事業者106に対し所定期間毎(例えば3か月毎)に変更がないか更新処理を実行してもよい。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に係る事業者106のデータ構造の一例を示す図である。事業者106は、事業者を識別する識別子である事業者ID301、名称302、住所303、業態304、店舗数305、従業員数306、事業規模307、設立308、決算書関連309、担当者310を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0021】
決済データ107は、決済端末12から送信される決済データ、あるいは決済端末データを格納する。決済データ、決済端末データには、事業者ID301が付加される。決済端末データには、例えば、決済端末12のカメラデータ等が挙げられる。決済データ107は、決済端末12に所定のアプリケーションがダウンロードされている場合には、当該アプリケーションに係るデータを格納してもよい。
【0022】
図4は、本発明の実施形態に係る決済データ107のデータ構造の一例を示す図である。決済データ107は、事業者ID301、売上額・件数401、オーソリ額・件数402、オーソリNG件数・金額403、返品額・返品件数404を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0023】
保険会社108は、加盟店に保険商品を提供する保険会社および保険会社が生成する保険商品に関する情報を格納する。保険商品に関する情報には、例えば、保険商品、見積、保険証券番号、保険料が変更された場合には変更後の保険料等が含まれ得る。なお、保険会社は、加盟店同様、予め本サービスを利用するための利用登録をしているものとする。
【0024】
図5は、本発明の実施形態に係る保険会社108のデータ構造の一例を示す図である。保険会社108は、保険会社を識別する識別子である保険会社ID501、保険商品502、見積503、保険証券番号504、変更後の保険料505を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0025】
図6は、本発明の実施形態に係る保険の一例を示す図である。
図6に示されるような保険についての保険商品が加盟店へ提供される。
例えば、保険サービス提供システム10が、加盟店端末11から、事業者情報(決済等データ)を保険会社端末13へ提供することについての同意情報を取得したとする。保険会社は、提供された当該事業者情報を基に、例えば、
図6に示される1から12までの保険の中から、事業者情報に基づいて加盟店にマッチしそうな保険およびその保険商品をピックアップする。そして、保険会社端末13からピックアップされた保険商品が保険サービス提供システム10へ送信され、その後、後述の通知部110により加盟店端末11へ通知される。
また例えば、保険サービス提供システム10が、加盟店端末11から、事業者情報および決済データを保険会社端末13へ提供することについての同意情報を取得したとする。保険会社は、提供された当該情報を基に、例えば、
図6に示される13から28までの保険の中から、提供されたデータに基づいて加盟店にマッチしそうな保険および保険商品をピックアップする。例えば、返品額・返品件数が多い決済データに基づいて、平均の返品額・返品率から算出して一定額を超えた部分の廃棄費用を保証する、「13.商品・サービスの返品リスク保険」とその保険商品がピックアップされ得る。そして、保険会社端末13からピックアップされた保険商品が保険サービス提供システム10へ送信され、その後、後述の通知部110により加盟店端末11へ通知される。
【0026】
提供部109は、加盟店端末11から、あるいは決済端末12からの決済等データを保険会社端末13へ提供する。
提供部109が決済等データを保険会社端末13へ提供する前提として、保険サービス提供システム10は、決済等データを保険会社端末13へ提供することについての同意情報を加盟店端末11から取得する。取得された同意情報は、事業者106に格納され得る。
提供部109は、例えば、同意情報を送信した加盟店端末11に対応する事業者ID301をキーとして、事業者106の中に同意情報が存在するか検索する。提供部109は、事業者106の中に同意情報が存在する、すなわち、同意情報が取得されていると識別した後に決済等データを保険会社端末13へ提供する。
なお、加盟店は、自社のどの情報を保険会社に提供するか選択可能である。このため、保険サービス提供システム10は、事業者情報のみの提供に係る同意情報、事業者情報および決済データの提供に係る同意情報、あるいは、事業者情報、決済データおよび決済端末データの提供に係る同意情報を取得することがあり得る。
【0027】
提供部109が保険会社端末13へ決済等データを提供する例を説明する。
提供部109は、まず事業者106の中に同意情報が存在するか確認する。
提供部109は、同意情報が事業者情報の提供に係るものである場合、例えば、
図3に示されるような、業態304、店舗数305、従業員数306、事業規模307、設立308、決算書関連309等を事業者106から読み出す。そして、提供部109は、読み出した事業者情報を保険会社端末13へ提供する。
同意情報が決済データおよび決済端末データの提供に係るものである場合、提供部109は、決済データおよび決済端末データを、決済データ107から読み出す(決済データあるいは決済端末データには事業者ID301が付加されるため、これをキーとして同意情報が取得されているか確認可能である)。決済データおよび決済端末データは、決済データ107に格納されている。そして、提供部109は、読み出した決済データおよび決済端末データを保険会社端末13へ提供する。
【0028】
提供部109は、決済等データに所定の処理を実行し得る。例えば、決済データ、決済端末データが保険サービス提供システム10により取得された場合に、提供部109は、所定期間のこれらのデータを集計し得る。例えば、提供部109は、3か月間の売上額(明細を含んでよい)・件数を集計してデータを纏め、決済データ107に格納する。提供部109は、前述と同様に同意情報を事業者106の中に識別した場合に、決済データ107から当該纏めたデータを読み出し、保険会社端末13へ提供する。
【0029】
提供部109はまた、決済等データの変更に関する情報が取得される毎に、変更された決済等データを保険会社端末13へ提供し得る。
例えば、加盟店の事業者情報に変更があったとする(例えば事業規模307の変更)。この場合、加盟店の担当者は、加盟店端末11へ当該情報を入力する。入力された新たな情報、すなわち、事業者情報の変更に関する情報は、加盟店端末11から保険サービス提供システム10へ送信され、取得される。あるいは、保険サービス提供システム10による、所定期間毎(例えば3か月毎)の更新処理において、変更された事業者情報が取得される。なお、事業者情報の提供に係る同意情報は取得されているものとする。
事業者情報の変更に関する情報が保険サービス提供システム10に取得された場合、提供部109は、その都度変更された事業者情報を保険会社端末13へ提供する。
提供部109は、決済データや決済端末データについても、その変更毎に保険会社端末13へ提供し得る。決済データや決済端末データについては、これらは時間の経過と共に「変化(変更)」する。このため、例えば、所定期間毎の要約されたデータが提供部109により保険会社端末13へ提供され得る。
【0030】
通知部110は、保険会社端末13へ提供された決済等データに基づいて保険会社端末13により生成される保険商品に関する情報を加盟店端末11に通知する。
通知部110が加盟店端末11へ保険商品に関する情報を通知する例を説明する。ここでは保険商品に関する情報を、保険商品として説明する。
保険サービス提供システム10は、保険会社端末13にて所定のアルゴリムで生成された保険商品を保険会社端末13から取得する。取得された保険商品(例えば、前述の「13.商品・サービスの返品リスク保険」の保険商品)は、保険会社108に格納される。保険会社端末13から送信された保険商品には、保険会社ID501が付加されている。通知部110は、保険会社108から、保険商品を送信した保険会社端末13に対応する保険会社ID501の保険商品を読み出し、これを加盟店端末11に通知する。
【0031】
通知部110は、画面生成部111により生成された画面を加盟店端末11に表示させることにより保険商品に関する情報を通知し得る。
理解を容易にするため、ここで、画面生成部111について説明をする。画面生成部111は、保険商品に関する情報に対してユーザが応答するための保険商品に関する情報を含む画面を生成する。
画面生成部111が画面を生成する例を説明する。
画面生成部111は、まず、保険会社108から、保険商品を送信した保険会社端末13に対応する保険会社ID501の保険商品を読み出す。次に、画面生成部111は、読み出した保険商品について、例えば補償範囲の広い順等ユーザ(例えば、加盟店の担当者)が保険商品を比較できるような(すなわち、ユーザに保険商品に対する応答を喚起させるような)画面を生成する。画面生成部111は、当該画面に通知対象の加盟店の事業者ID301を付加し得る。そして、画面生成部111は、生成した画面を通知部110に引き渡す。
通知部110は、画面生成部111より引き渡された画面に付加されている事業者ID301を識別し、当該事業者ID301に対応する加盟店端末11に、画面生成部111により生成された画面を表示させる。このようにして、通知部110は、保険商品を加盟店端末11に通知する。
【0032】
通知部110はまた、変更された決済等データに基づいて保険会社端末13により生成される保険商品に関する情報を加盟店端末11に通知し得る。
一例を説明する。例えば、保険サービス提供システム10は、加盟店の事業規模307の変更に関する情報を取得する。ここで変更に関する情報は、事業規模の拡大という情報であるとする。保険会社端末13は、提供部109により提供された事業規模の拡大という情報に基づいて、例えば、変更された保険料に係る情報を生成し、当該情報を保険サービス提供システム10へ送信する。変更された保険料は保険会社108に格納される。通知部110は、前述と同様の方法で保険会社108からこれを読み出し、加盟店端末11に通知する。
このように、変更された決済等データに基づいて保険会社端末13側で新たに保険商品に関する情報が生成され、加盟店に通知される。このため、加盟店は、保険料を一例として、業務実態に即した保険商品に関する情報を入手することができる。
【0033】
契約部112は、保険会社端末13により生成される保険商品に関する情報に基づく保険商品の契約に関する処理を実行し得る。
具体例を説明する。以下の例では、契約部112は、他の機能部(例えば、通知部110)と協同して契約処理を実行するものとする。
【0034】
前述の通知部110により表示された画面を確認したユーザが見積依頼を希望する場合(すなわち、通知された保険商品に対して応答する場合)、見積依頼が、加盟店端末11より保険サービス提供システム10へ送信される。なお、前述の通知部110により表示された画面には、保険商品を提供する保険会社のアクセス情報(例えばURL等)が含まれていてもよい。これにより、ユーザは保険会社に直接見積依頼をすることもできる。
見積依頼には、見積対象の保険商品の他に、例えば、見積条件が含まれ得る。保険商品には保険会社ID501が付加されているため、契約部112は、当該保険会社ID501に対応する保険会社端末13を識別する。契約部112は、見積依頼の送信対象の保険会社端末13を識別した後、例えば、見積条件の情報を付加した見積依頼を保険会社端末13へ送信する。
【0035】
契約部112からの見積依頼を受信した保険会社端末13は、所定のアルゴリズムにより保険商品に関する情報、ここでは、保険商品に対する見積を生成する。見積には、保険会社ID501が付加されている。保険サービス提供システム10は、保険会社端末13から当該見積を取得し、保険会社108に格納する。画面生成部111は、保険会社108から、見積を送信した保険会社端末13に対応する保険会社ID501の見積を読み出す。画面生成部111は、読み出された見積について、例えば保険料の低い順等ユーザが見積を比較可能な画面を生成する。そして、画面生成部111は、生成した画面を通知部110へ引き渡す。通知部110は、画面生成部111により生成された画面を加盟店端末11に表示させることにより見積を通知する。
なお、保険会社端末13による見積の生成に時間が掛かる場合、保険サービス提供システム10は、その旨を保険会社端末13から受信し、加盟店端末11にその旨をまず通知し得る。通知部110は、そのような見積の生成が保険会社端末13にて終了した後に、当該見積を取得し、例えば、加盟店端末11へのメールという形で生成された見積を通知し得る。
【0036】
ユーザが見積を比較し、保険商品について契約を希望する場合、申込情報が加盟店端末11より保険サービス提供システム10に送信される。申込情報には、対象の保険商品、保険商品について申込をする旨の情報の他、ユーザに支払を実行させる情報(例えば前払いを依頼する情報)あるいは支払方法(例えば、振込や売上金額相殺など)を選択させる情報が含まれる。ここでは、ユーザに前払いを実行させる情報が含まれる例を説明する。
契約部112は、ユーザの支払元の、例えば銀行端末(図示せず)に振込依頼情報を送信する。契約部112は、申込情報に含まれる保険商品に付加された保険会社ID501に対応する保険会社端末13に申込をする旨の情報を送信する。銀行端末により振込処理がなされ、保険会社端末13が振込を確認した後、保険会社端末13は、保険証券番号を保険サービス提供システム10に送信する。保険証券番号には、保険会社ID501が付加されている。保険証券番号は、保険会社108に格納される。通知部110は、保険会社108から、保険証券番号を送信した保険会社端末13に対応する保険会社ID501の保険証券番号を読み出し、これを加盟店端末11に通知する。
通知部110は、保険証券番号とともに、保険証券番号を発行した保険会社のアクセス情報(例えば、URL)を通知し得る。このアクセス情報の提供により、ユーザは、以後当該保険商品について直接保険会社へ問い合わせ(例えば、保険証券の照会)を行うことも可能になる。
【0037】
契約部112はまた、保険商品の契約について、変更や解約に係る処理を実行し得る。以下1つずつ簡略に説明する。
【0038】
ユーザが保険契約の変更を要求する場合、変更依頼が加盟店端末11から保険サービス提供システム10へ送信される。当該変更依頼は、保険会社108に格納され得る。契約部112は、変更依頼に含まれる保険商品に付加された保険会社ID501に対応する保険会社端末13に変更依頼を送信する。保険会社端末13側では、該当の保険商品を検索し、例えば、保険証券番号を変更する。変更された保険証券番号は、保険会社端末13から保険サービス提供システム10へ送信され、その後通知部110により変更依頼を送信した加盟店端末11に送信される。
なお、変更内容によっては、保険適用範囲が変更になり得る。この場合、保険サービス提供システム10は、保険会社端末13から契約更新に係る情報、保険料の差分に係る情報(例えば、差分の支払を依頼する情報)を取得する。当該契約更新等の情報は保険会社108に格納され得る。契約部112は、当該契約更新等の情報を、保険会社ID501を識別することにより保険会社108から読み出す。契約部112は、読み出した契約更新等の情報を通知部110へ引き渡し、通知部110は、これを加盟店端末11へ通知する。
【0039】
また例えば、ユーザが保険契約の解約を要求する場合、解約依頼が加盟店端末11から保険サービス提供システム10へ送信される。当該解約依頼は、保険会社108に格納され得る。契約部112は、解約依頼に含まれる保険商品に付加された保険会社ID501に対応する保険会社端末13に解約依頼を送信する。保険会社端末13側では、該当の保険商品を検索して解約する。解約情報は、保険会社端末13から保険サービス提供システム10へ送信され、契約部112は、これを取得して画面生成部111へ引き渡す。画面生成部111は、引き渡された解約情報についてユーザに認識可能に構成した画面を生成し、通知部110へ引き渡す。そして、通知部110は、当該画面を加盟店端末11に表示させることにより解約完了を通知する。
【0040】
契約部112はまた、保険会社からの未収情報の取得に関する処理を実行し得る。
例えば、保険サービス提供システム10は、加盟店の保険料の支払いが滞った場合に、保険会社端末13からの未収情報取得の要請を受信し、保険会社108に格納する。契約部112は、保険会社ID501を識別して未収情報取得の要請を保険会社108から読み出し、読み出した要請情報を通知部110へ引き渡す。通知部110は、未収情報取得の要請に含まれる対象の加盟店端末11へ、保険契約の継続や更新の可否に関する情報を通知する。保険サービス提供システム10は、加盟店端末11から当該保険契約の継続や更新の可否に対する回答を受信し、保険会社108へ格納する。契約部112は、回答に格納されている保険会社ID501に対応する保険会社端末13へ回答を送信する。なお、保険料の未収が続いた場合に、通知部110は、保険会社端末13からの強制解約を加盟店端末11へ通知し得る。
【0041】
(処理フロー:保険サービス提供処理)
図7は、本発明の実施形態に係る保険サービス提供処理の例を説明するフロー図である。
【0042】
ステップS1にて、保険サービス提供システム10は、加盟店端末11から、決済等データを保険会社端末13へ提供することについての同意情報を取得する。決済等データとは、事業者情報、決済データおよび決済端末データの少なくとも1つを含むデータをいう。取得された同意情報は、事業者106に格納され得る。
【0043】
ステップS2にて、提供部109は、決済等データを保険会社端末13へ提供する。提供部109は、まず、事業者ID301をキーとして、同意情報を事業者106の中に検索する。同意情報が識別された場合に、提供部109は、決済等データを事業者106あるいは決済データ107から読み出し、これを保険会社端末13へ提供する。
提供部109は、所定期間の決済等データに所定の処理、例えば売上額等の集計を実行した後、保険会社端末13へ当該決済等データを保険会社端末13へ提供し得る。また、提供部109は、決済等データの変更に関する情報(例えば事業規模の変更)が取得される毎に、変更された決済等データを保険会社端末13へ提供し得る。
【0044】
ステップS3にて、保険サービス提供システム10は、保険商品に関する情報を取得する。保険商品に関する情報は、保険会社108に格納される。保険商品に関する情報は、提供された決済等データに基づいて保険会社端末13にて生成され、保険サービス提供システム10へ送信される。保険商品に関する情報には、例えば、保険商品、見積、保険証券番号、保険料が変更された場合には変更後の保険料等が含まれ得る。
【0045】
ステップS4にて、画面生成部111は、保険商品に関する情報に対してユーザが応答するための保険商品に関する情報を含む画面を生成する。画面生成部111は、例えば、保険会社ID501を識別することにより保険会社108から該当保険商品を読み出し、読み出した保険商品について画面を生成する。生成される画面は、例えば補償範囲の広い順等ユーザ(例えば、加盟店の担当者)が保険商品を比較できるような画面であり得る。画面生成部111により生成した画面は、通知部110に引き渡される。
【0046】
ステップS5にて、通知部110は、画面生成部111より引き渡された画面を加盟店端末11に表示させることにより、保険商品に関する情報を通知する。
【0047】
ステップS6にて、契約部112は、保険会社端末13により生成される保険商品に関する情報に基づく保険商品の契約に関する処理を実行する。この処理については後述する。
【0048】
(処理フロー:保険サービス契約処理)
図8は、本発明の実施形態に係る保険サービス契約処理の例を説明するフロー図である。
【0049】
ステップS61にて、保険サービス提供システム10は、加盟店端末11から見積依頼を取得する。契約部112は、送信すべき保険会社端末13を識別した上で、取得された見積情報を該当する保険会社端末13へ送信する。
【0050】
ステップS62にて、保険サービス提供システム10は、見積依頼に基づいて保険会社端末13により生成された見積を保険会社端末13から取得する。取得された見積は、保険会社108に格納される。
【0051】
ステップS63にて、画面生成部111は、保険会社ID501を識別することにより保険会社108から該当する見積を読み出し、読み出した見積について画面を生成する。生成される画面は、例えば保険料の低い順等ユーザが見積を比較できるような画面であり得る。画面生成部111により生成した画面は、通知部110に引き渡される。
【0052】
ステップS64にて、通知部110は、画面生成部111より引き渡された画面を加盟店端末11に表示させることにより見積を通知する。
【0053】
ステップS65にて、保険サービス提供システム10は、加盟店端末11から申込情報を取得する。契約部112は、送信すべき保険会社端末13を識別した上で、取得された申込情報を該当する保険会社端末13へ送信する。
【0054】
ステップS66にて、保険サービス提供システム10は、保険証券番号を取得する。取得された保険証券番号は、保険会社108に格納される。
保険証券番号は、例えば、契約部112による銀行端末への保険料の振込依頼がなされ、保険会社端末13が銀行端末による振込処理を確認した後に発行される。保険会社端末13は、発行した保険証券番号を保険サービス提供システム10へ送信する。
【0055】
ステップS67にて、通知部110は、保険会社ID501を識別することにより保険会社108から該当する保険証券番号を読み出し、これを加盟店端末11に通知する。
【0056】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 保険サービス提供システム
11 加盟店端末
12 決済端末
13 保険会社端末
106 事業者
107 決済データ
108 保険会社
109 提供部
110 通知部
111 画面生成部
112 契約部
【要約】 (修正有)
【課題】加盟店の保険商品選択負荷を軽減するとともに、加盟店の決済等データを保険会社に提供し、当該決済等データに基づく保険サービスを提供する保険サービス提供システム、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】保険サービス提供システムは、提供部と、通知部と、を含む補助記憶部を有する。提供部は、第1の端末からの決済等データを前記第2の端末へ提供することについての同意情報が取得されたことに応じて、決済等データを第2の端末へ提供する。通知部は、提供された決済等データに基づいて前記第2の端末により生成される保険商品に関する情報を前記第1の端末に通知する。
【選択図】
図2