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特許7569427電子機器及びマイクモジュールの取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】電子機器及びマイクモジュールの取付方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20241009BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/16 312E
G06F1/16 312L
H05K7/00 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023147336
(22)【出願日】2023-09-12
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 武仁
(72)【発明者】
【氏名】田角 和也
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 寛弥
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-87451(JP,A)
【文献】特開2022-79985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
表面に導電性テープが貼り付けられたプレート部と、該プレート部の縁部から起立するように設けられ、マイク孔が貫通形成された立壁とを有する筐体部材と、
前記マイク孔を通して音情報を取得するマイク素子と、該マイク素子を実装したフレキシブル基板とを有するマイクモジュールと、
前記立壁の壁面に前記マイク素子を固定する粘着部材と、
前記フレキシブル基板の表面に固定され、前記導電性テープと電気的に接続されるグランド部材と、
前記マイク素子が前記立壁の壁面に接近する方向への前記フレキシブル基板の移動を許容した状態で、前記グランド部材と前記導電性テープとの間を電気的に接続する導電性接続部材と、
を備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記導電性接続部材は、前記導電性テープの一部に形成された可撓性の切り起こし片で構成され、
前記切り起こし片は、第1面が前記グランド部材に固定され、前記第1面の裏側の第2面に非粘着層が設けられている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記切り起こし片は、前記導電性テープに対して折曲可能に連接された連接辺を有し、
前記連接辺は、前記切り起こし片の外周縁部を形成する各辺のうちで前記立壁に対して最も近い位置にあると共に、該立壁の長手方向に沿って延びている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記導電性接続部材は、第1端部と、該第1端部とは反対側の第2端部との間に1以上の折曲部が設けられた可撓性の導電性シートで構成され、
前記導電性シートは、前記第1端部が前記導電性テープの表面に対して電気的に接続され、前記第2端部が前記グランド部材に固定されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記フレキシブル基板は、
前記プレート部の表面に載置される横置き部と、
前記横置き部から折り曲げられ、前記立壁の壁面に固定される起立部と、
を有し、
前記グランド部材は、前記横置き部における前記起立部への折曲部分に近接した位置に設けられている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
電子機器の筐体部材に対するマイクモジュールの取付方法であって、
前記筐体部材は、表面に導電性テープが貼り付けられたプレート部と、該プレート部の縁部から起立するように設けられ、マイク孔が貫通形成された立壁とを有し、
前記マイクモジュールは、前記マイク孔を通して音情報を取得するマイク素子と、該マイク素子を実装したフレキシブル基板とを有するものであって、
当該マイクモジュールの取付方法は、
前記マイク素子を前記立壁の壁面に固定するための第1粘着部材を覆う第1剥離紙と、前記フレキシブル基板の表面に固定されたグランド部材に設けられた第2粘着部材を覆う第2剥離紙と、をそれぞれ剥離する第1工程と、
前記導電性テープに対して相対移動可能に設けられた可撓性の導電性接続部材に対し、前記第2粘着部材を用いて前記グランド部材を固定することで、前記マイク素子が前記立壁の壁面に接近する方向への前記フレキシブル基板の移動を許容した状態で、前記グランド部材と前記導電性テープとの間を電気的に接続する第2工程と、
前記第1粘着部材を用いて前記マイク素子を前記立壁の壁面に固定する第3工程と、
を有する
ことを特徴とするマイクモジュールの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクモジュールを備える電子機器及びマイクモジュールの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型PCのような電子機器は、マイクモジュールを備える場合がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-087451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクモジュールは、マイク孔が貫通形成された筐体部材の壁面に対してマイク素子を密着させる必要がある。マイク素子は、例えば筐体部材の壁面に対して粘着部材を用いて固定される。マイク素子の空気密閉度(エアタイトネス)を確保し、筐体内外での音漏れ等を防止するためである。
【0005】
マイクモジュールは、マイク素子を実装したフレキシブル基板をマイク素子の近傍で筐体部材に対してグランド(フレームグランド)する場合がある。このグランドは、例えばフレキシブル基板に固定したグランド部材を筐体部材に設けた導電性材料に対して粘着固定することで行われる。
【0006】
ところで、電子機器の製造時、仮にマイク素子の固定よりも先にグランド部材が固定されると、フレキシブル基板が筐体部材に固定された状態となってマイク素子の位置調整が困難となる。そうするとマイク素子を壁面に密着できず、所望の空気密閉度を確保できない可能性があることが分かってきた。特に、筐体の側面を形成する立壁の壁面にマイク素子を密着固定し、立壁と直交する筐体部材の内面にグランド部材を固定する場合は、上記の問題が顕著となる。先にフレキシブル基板が筐体部材に対して固定されると、フレキシブル基板に実装されたマイク素子を起立する立壁に密着させることが一層難しくなるためである。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、マイク素子の空気密閉度を確保することができる電子機器及びマイクモジュールの取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る電子機器は、表面に導電性テープが貼り付けられたプレート部と、該プレート部の縁部から起立するように設けられ、マイク孔が貫通形成された立壁とを有する筐体部材と、前記マイク孔を通して音情報を取得するマイク素子と、該マイク素子を実装したフレキシブル基板とを有するマイクモジュールと、前記立壁の壁面に前記マイク素子を固定する粘着部材と、前記フレキシブル基板の表面に固定され、前記導電性テープと電気的に接続されるグランド部材と、前記マイク素子が前記立壁の壁面に接近する方向への前記フレキシブル基板の移動を許容した状態で、前記グランド部材と前記導電性テープとの間を電気的に接続する導電性接続部材と、を備える。
【0009】
本発明の第2態様に係るマイクモジュールの取付方法は、電子機器の筐体部材に対するマイクモジュールの取付方法であって、前記筐体部材は、表面に導電性テープが貼り付けられたプレート部と、該プレート部の縁部から起立するように設けられ、マイク孔が貫通形成された立壁とを有し、前記マイクモジュールは、前記マイク孔を通して音情報を取得するマイク素子と、該マイク素子を実装したフレキシブル基板とを有するものであって、当該マイクモジュールの取付方法は、前記マイク素子を前記立壁の壁面に固定するための第1粘着部材を覆う第1剥離紙と、前記フレキシブル基板の表面に固定されたグランド部材に設けられた第2粘着部材を覆う第2剥離紙と、をそれぞれ剥離する第1工程と、前記導電性テープに対して相対移動可能に設けられた可撓性の導電性接続部材に対し、前記第2粘着部材を用いて前記グランド部材を固定することで、前記マイク素子が前記立壁の壁面に接近する方向への前記フレキシブル基板の移動を許容した状態で、前記グランド部材と前記導電性テープとの間を電気的に接続する第2工程と、前記第1粘着部材を用いて前記マイク素子を前記立壁の壁面に固定する第3工程と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記態様によれば、マイク素子の空気密閉度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る電子機器を上から見下ろした模式的な平面図である。
図2図2は、第1筐体の内部構造を模式的に示す平面図である。
図3図3は、図2に示す導電性テープの配置を例示した図である。
図4図4は、マイモジュール及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
図5図5は、図4に示すマイクモジュールを筐体部材に取り付ける動作を模式的に示す側面断面図である。
図6A図6Aは、導電性接続部材及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
図6B図6Bは、図6Aに示す導電性接続部材がY1方向に移動した状態を模式的に示す側面断面図である。
図7図7は、本実施形態のマイクモジュールの取付方法の一手順を示すフローチャートである。
図8図8は、比較例に係る第1筐体におけるマイクモジュール及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
図9A図9Aは、第1変形例に係る導電性接続部材及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
図9B図9Bは、図9Aに示す導電性接続部材がY1方向に移動した状態を模式的に示す側面断面図である。
図10A図10Aは、第2変形例に係る導電性接続部材及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
図10B図10Bは、図10Aに示す導電性接続部材がY1方向に移動した状態を模式的に示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、一実施形態に係る電子機器10を上から見下ろした模式的な平面図である。図1に示すように、本実施形態の電子機器10は、クラムシェル型のノート型PCであり、第1筐体11と第2筐体12とをヒンジ14によって相対的に回動可能に連結した構成である。本実施形態では、ノート型PCの電子機器10を例示しているが、電子機器はノート型PC以外、例えばタブレット型PC、ディスプレイ装置、スマートフォン、又は携帯用ゲーム機等でもよい。
【0014】
第2筐体12は扁平な箱体であり、第1筐体11と隣接している。第2筐体12の内部には、CPU等を搭載したマザーボード、記憶装置、及びバッテリ装置等の各種電子部品が収容されている。第2筐体12の上面には、キーボード16及びタッチパッド17が臨んでいる。
【0015】
第1筐体11は第2筐体12よりも薄い扁平な箱体である。第1筐体11はディスプレイパネル18を搭載している。以下、第1筐体11及びこれに搭載された各構成要素について、ディスプレイパネル18の表示面18aを視認する操作者から見た方向を基準とし、左右方向をそれぞれX1,X2方向、上下方向をそれぞれY1,Y2方向、奥行方向をそれぞれZ1,Z2方向と呼んで説明する。X1,X2方向をまとめてX方向と呼ぶこともあり、Y1,Y2方向及びZ1,Z2方向についても同様にY方向、Z方向と呼ぶことがある。
【0016】
ディスプレイパネル18の表示面18aは第1筐体11のZ1側表面(正面11a)を臨んでいる。第1筐体11は、背面11b(Z2側表面)及び四周の側面11cを形成する筐体部材20と、正面11aの周縁部を形成するベゼル部材21とを有する。ベゼル部材21は、ディスプレイパネル18の外周縁部を囲む枠状の薄いプレートである。第1筐体11の正面11aは、ベゼル部材21も含めた略全面がタッチガラス22で覆われている。ヒンジ14は、第1筐体11のY2側縁部に連結されている。
【0017】
ディスプレイパネル18は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで構成される。ディスプレイパネル18は、例えばガラス、液晶層、及び導光板等を積層してそれぞれの層の外周縁部同士を両面テープや接着剤等で固定した構造である。タッチガラス22は表示面18aを覆うことで、ディスプレイパネル18に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネルを構成する。
【0018】
図2は、第1筐体11の内部構造を模式的に示す平面図である。図2は、タッチガラス22及びベゼル部材21を省略し、ディスプレイパネル18は外形のみを2点鎖線で示している。
【0019】
図2に示すように、筐体部材20は、プレート部24と、プレート部24の外周縁部から起立するように設けられた立壁25とを有する。プレート部24は矩形状のプレートであり、第1筐体11の背面11bを形成する。プレート部24は、例えば平坦なプレート、又は背面11b側に多少湾曲した浅いドーム状のプレート等である。立壁25はプレート部24の外周縁部からZ1方向に起立した壁部であり、第1筐体11の各側面11cを形成する。立壁25のZ1側表面(上端面)はベゼル部材21の貼着面となる。図1及び図2中の参照符号20aは、筐体部材20のY1側縁部の略中央部をY1方向に張り出させた突出部である。突出部20aは後述するカメラモジュール34の設置スペースを拡大するものである。突出部20aは省略されてもよい。
【0020】
筐体部材20は、例えば炭素繊維強化樹脂の積層プレートであるプレート部24の縁部に、立壁25を構成する樹脂フレームを射出成形によって接合した構成である。筐体部材20は、プレート部24及び立壁25を同一の金属材料や樹脂材料等で一体に成形した構成等でもよい。
【0021】
図2に示すように、筐体部材20の内側には、両面粘着テープ26と、ブラケット28と、導電性テープ30と、配線部32と、カメラモジュール34と、マイクモジュール36とが取り付けられている。
【0022】
両面粘着テープ26は、例えば左右一対設けられ、Y方向に延在する帯状の両面粘着テープである。両面粘着テープ26は、筐体部材20に対してディスプレイパネル18を固定するためのものである。両面粘着テープ26は、ディスプレイパネル18の表示面18aとは反対側の裏面と、プレート部24の内面24a(背面11bの裏側の表面)とを粘着固定する。
【0023】
ブラケット28は、例えば第1筐体11のY2側縁部に沿って左右一対設けられ、それぞれ内面24aに接着固定されている。ブラケット28は、ヒンジ14をねじ止めするための金属部品である。ブラケット28は、金属製のヒンジ14を介して第2筐体12と電気的に接続される。
【0024】
導電性テープ30は、例えばアルミニウム又は銅のような高い導電性を有する材料で形成された薄い片面粘着テープである。本実施形態の導電性テープ30はアルミテープである。導電性テープ30はプレート部24の内面24aに貼り付けられている。導電性テープ30は、ディスプレイパネル18、カメラモジュール34及びマイクモジュール36のフレームグランドに用いるものであり、ブラケット28を経由して第2筐体12と電気的に接続される。
【0025】
図3は、図2に示す導電性テープ30の配置を例示した図である。図3において導電性テープ30はドットパターンを付して明示している。
【0026】
図2及び図3に示すように、本実施形態の導電性テープ30は、第1部分30a~第4部分30dを有する。第1部分30a~第3部分30cは、プレート部24のY1,X1,X2側の各縁部に沿って設けられ、全体として逆向きのU字状に形成されている。第1部分30aはプレート部24のY1側縁部に沿ってX方向に延在している。第2部分30bはプレート部24のX1側縁部に沿ってY方向に延在し、そのY2側端部がブラケット28に接続されている。第3部分30cはプレート部24のX2側縁部に沿ってY方向に延在し、そのY2側端部がブラケット28に接続されている。第4部分30dはプレート部24の中央よりもY2寄りの位置に設けられ、横向きのJ字状に形成されている。第4部分30dは後述する配線部32のコネクタ32aと左右のブラケット28とにそれぞれ接続されている。なお、導電性テープ30はブラケット28にヒンジ14を固定するねじに共締めされることでブラケット28に対して確実に導通する。
【0027】
図2に示すように、配線部32は、幅広なフレキシブル基板で構成されている。配線部32はプレート部24の内面24a及びこれに貼り付けられた導電性テープ30のZ1側表面に載置されている。配線部32は、第2筐体12側のマザーボードに対し、カメラモジュール34及びマイクモジュール36を接続するた配線の一部である。配線部32は、後述するカメラモジュール34のフレキシブル基板34aと、各マイクモジュール36のフレキシブル基板42とを集合したものである。配線部32のY2側端部は所定の中継基板に接続されるコネクタ32aが実装されている。配線部32はこの中継基板を介してマザーボードと接続される。配線部32は中継基板を介さずに直接的にマザーボードと接続されてもよい。
【0028】
カメラモジュール34は、基板(PCB)にカメラレンズ及びIRLED等を実装したものである。カメラレンズは動画撮影等に用いることができるカメラであり、中心に設けた集光用のレンズの裏側にイメージセンサを設けた構成である。IRLEDは顔認識等に用いることができる赤外線カメラである。カメラモジュール34はフレキシブル基板34aを介して配線部32と接続されている。
【0029】
マイクモジュール36は、左右一対設けられることでステレオマイクを構築している。マイクモジュール36は1つのみ用いてもよい。左右のマイクモジュール36は、後述するフレキシブル基板42の形状やマイク素子40の配置等が異なるが、基本的な構成は同一又は同様でよい。そこで、以下では左右のマイクモジュール36について区別せず、同一の参照符号を付してまとめて説明する。
【0030】
図4は、マイクモジュール36及びその周辺部の模式的な側面断面図である。図2及び図4に示すように、マイクモジュール36は、マイク素子40と、フレキシブル基板42とを有する。
【0031】
マイク素子40は、例えば基板(PCB:Printed circuit board)に実装した振動膜を有するMEMSチップやICチップをシールディングしたMEMSマイクロフォンである。立壁25はマイクモジュール36が対向する位置にマイク孔44が貫通形成されている。マイク素子40は立壁25の壁面(内壁面)25aに粘着固定され、マイク孔44を通して第1筐体11外の音情報を取得することができる。
【0032】
図2では、立壁25の壁面25aに凹状の窪みを設け、この窪みにマイク素子40を配置した構成を例示している。この窪みは、マイク素子40のY方向の厚みを吸収し、ベゼル部材21の幅狭化を図るためのものであるが、省略されてもよい。
【0033】
フレキシブル基板(FPC:Flexible printed circuits)42は、Y1側端部にマイク素子40を実装している。フレキシブル基板42はマイク素子40と配線部32とを接続する配線である。フレキシブル基板42は、内面24a上に載置される横置き部42aと、横置き部42aから屈曲された起立部42bとを有する。
【0034】
横置き部42aは起立部42bと配線部32との間に設けられる。横置き部42aは例えば蛇行形状を有し、伸縮可能である。これにより横置き部42aは起立部42bに実装されるマイク素子40のXY方向の位置調整を可能としている。横置き部42aの蛇行形状は、同一の配線部32に接続されるカメラモジュール34とマイク素子40との位置関係を調整するためのものである。起立部42bはマイク素子40が実装される部分である。起立部42bは横置き部42aの配線部32側とは反対側の端部を折り曲げてZ方向に起立させた部分である。
【0035】
マイク素子40は、起立部42bの裏面に設けた粘着部材46を用いて立壁25の壁面25aに固定される。粘着部材46は例えば両面粘着テープである。マイク素子40と壁面25aとの間に挟まれる起立部42b及び粘着部材46には、それぞれマイク孔44に連通する孔部44a,44bが形成されている。これによりマイク素子40は、壁面25aに粘着部材46を介して密着固定された状態で、マイク孔44及び孔部44a,44bを通して第1筐体11外の音情報を取得できる。
【0036】
図2及び図4に示すように、フレキシブル基板42は、横置き部42aのZ2側表面にグランド部材48が固定されている。グランド部材48はフレキシブル基板42と導電性テープ30とを電気的に接続し、マイクモジュール36をフレームグランドするための部材である。
【0037】
グランド部材48は、例えばアルミニウムや銅のような高い導電性を有する材料で形成された導電性粘着テープ(conductive tape)である。グランド部材48は、後述する導電性接続部材50に固定される一面に導電性フィラーを配合した粘着剤52が設けられている。グランド部材48は、フレキシブル基板42の表面に露出した導通部に固定される他面にも導電性フィラーを配合した粘着剤が設けられている。これによりグランド部材48は板厚方向に高い導電性を有する。
【0038】
グランド部材48はフレキシブル基板42の横置き部42aのうち、マイク素子40に可能な限り近い位置に配置される。これはマイク素子40が発生するノイズを可能な限り近い位置でグランドし、当該ノイズが第1筐体11内の他のデバイスに影響を及ぼすことを抑えるためである。本実施形態のグランド部材48は、横置き部42aの起立部42bへの折曲部分に近接した位置に設けられる。この位置は、起立部42bから直線上に延びた部分であり、横置き部42aの蛇行形状が始まる前の直線部分に当たる(図2参照)。つまり仮にグランド部材48が導電性テープ30の表面に固定されると、マイク素子40は少なくともY1方向への位置調整が困難となる。
【0039】
このようなマイク素子40のY1方向への位置調整を許容するため、本実施形態の電子機器10は、グランド部材48と導電性テープ30との間に導電性接続部材50を介在させている(図4参照)。
【0040】
導電性接続部材50はグランド部材48と導電性テープ30との間を電気的に接続する可撓性の導電性部材である。導電性接続部材50は、導電性テープ30に対して少なくともY方向に相対移動可能に設けられる。これにより導電性接続部材50は、グランド部材48及びこれと固定されたフレキシブル基板42の導電性テープ30に対するY方向への相対移動を許容することができる。その際、導電性接続部材50は、グランド部材48と導電性テープ30との間の電気的接続状態を維持できる。
【0041】
図6Aは、導電性接続部材50及びその周辺部の模式的な側面断面図である。図6Bは、図6Aに示す導電性接続部材50がY1方向に移動した状態を模式的に示す側面断面図である。
【0042】
図3図6A及び図6Bに示すように、導電性接続部材50は、導電性テープ30の一部に形成された舌片状の切り起こし片である。以下、「導電性接続部材50」を「切り起こし片50」と呼ぶこともある。
【0043】
切り起こし片50は、導電性テープ30の一部に略U字状の切り抜き加工を施すと共に、Y1側の一辺(連接辺50a)は導電性テープ30から切り離さない構成である。連接辺50aはマイク素子40を固定する立壁25の壁面25aに最も近い辺であり、立壁25の長手方向(X方向)に沿って延在する。これにより切り起こし片50は導電性テープ30と電気的に接続された状態のまま、少なくともY1方向(及びZ方向)への移動が許容されている。すなわち導電性テープ30は薄いアルミテープ等で形成されている。このため切り起こし片50は可撓性を有する。さらに切り起こし片50は連接辺50aを折り曲げることで導電性テープ30が貼り付けられた内面24aから持ち上げることができる。切り起こし片50はマイク素子40(グランド部材48)を立壁25に向かって移動可能にフローティング支持できるものであればその形状は限定されない。
【0044】
切り起こし片50のZ1側表面は粘着剤52を介してグランド部材48のZ2側表面と固定される。切り起こし片50のZ2側表面には非粘着層53が設けられている。非粘着層53は、切り起こし片50を形成する導電性テープ30のZ2側表面に元々設けられている粘着層を樹脂フィルム等で覆い隠したものである。これにより切り起こし片50は内面24a及び周囲の導電性テープ30に対して粘着せず、内面24a及び導電性テープ30に対して円滑に相対移動する(図6B参照)。なお、図6Bは切り起こし片50が移動する様子を誇張して図示している。切り起こし片50は実際には図4に示すように僅かに浮き上がりながらY1方向に潰れるように移動する。
【0045】
次に、マイクモジュール36の取付方法の一手順を説明する。
【0046】
図5は、図4に示すマイクモジュール36を筐体部材20に取り付ける動作を模式的に示す側面断面図である。図7は、本実施形態のマイクモジュール36の取付方法の一手順を示すフローチャートである。
【0047】
先ず、マイクモジュール36を筐体部材20に取り付ける工程に先立ち、筐体部材20に導電性テープ30を貼り付けておく。
【0048】
図7のステップS1において、図3に示す所定形状の導電性テープ30を成形し、切り起こし片50を形成する。導電性テープ30は、例えばその原型となるアルミテープ等の大判材料から所定形状を打ち抜き加工して成形することができる。切り起こし片50は、導電性テープ30の打ち抜きと同時に又はそれと前後して、連接辺50a以外の3辺を打ち抜くことで形成できる。また、切り起こし片50の打ち抜きと前後して、切り起こし片50の一面に残る元の導電性テープ30の粘着層に樹脂フィルム等を貼り付けて非粘着層53を形成する。そして、このように切り起こし片50を形成した導電性テープ30を筐体部材20の内面24aの所定位置に貼り付ける。
【0049】
次に、導電性テープ30を貼り付けた筐体部材20に対してマイクモジュール36を取り付ける。マイクモジュール36は、図2に示すように配線部32及びカメラモジュール34と一体化されたアセンブリ部品として予め準備しておく。
【0050】
ステップS2において、マイク素子40の固定用の粘着部材46を覆う第1剥離紙46aと、グランド部材48の固定用の粘着剤52を覆う第2剥離紙52aとを剥離する(図5参照)。剥離紙46a,52aは粘着部材46及び粘着剤52を保護すると共に誤粘着を防止するため、その粘着面を覆う樹脂フィルム等の薄いフィルムである。剥離紙46a,52aは手やピンセット等で容易に引き剥がすことができる。本実施形態の場合、剥離紙46a,52aは、同時に又は略同時に剥離してもよいし、一方を先に剥離した後、他方を剥離してもよい。
【0051】
ステップS3において、グランド部材48を切り起こし片50のZ1側表面に粘着剤52で固定する。これによりマイクモジュール36が導電性テープ30と電気的に接続され、筐体11,12に対してフレームグランドされる。
【0052】
ステップS4において、マイク素子40を立壁25の壁面25aに粘着部材46で固定する。ステップS3において、フレキシブル基板42に固定されたグランド部材48は、導電性テープ30に対して可撓性の切り起こし片50を介して連結されている。従って、切り起こし片50にグランド部材48を固定した後も、フレキシブル基板42はY1方向に位置調整することができる(図4図6B参照)。
【0053】
このため、図4に示すように、壁面25aに粘着するためにマイク素子40をY1方向に引き寄せると、切り起こし片50が柔軟に変形してフレキシブル基板42及びマイク素子40のY1方向への移動が許容される。この際、グランド部材48と切り起こし片50と導電性テープ30との間の電気的接続状態は維持される。その結果、マイク素子40は、粘着部材46を介して壁面25aに確実に密着させることができる(図4参照)。これによりマイク素子40の空気密閉度が確保される。
【0054】
ここで、比較例として導電性接続部材50を持たない構成からなる第1筐体11Aでのマイクモジュール36の取付工程について、図8を参照して説明する。図8は、比較例に係る第1筐体11Aにおけるマイクモジュール36及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
【0055】
図8に示す比較例の第1筐体11Aは、導電性テープ30に導電性接続部材50が設けられていない。このためグランド部材48は導電性テープ30の表面に直接的に粘着固定される。従って、この構成では、マイク素子40より先にグランド部材48を導電性テープ30に固定すると、図8に示すようにマイク素子40を立壁25の壁面25aに密着させることができない場合がある。すなわちフレキシブル基板42がグランド部材48を介して導電性テープ30に固定され、Y1方向への移動が不能である。このためマイク素子40をY1方向に位置調整することができないためである。
【0056】
従って、比較例の第1筐体11Aでは、仮に図7のステップS2と同様に剥離紙46a,52aを予め剥離した場合は、先ずマイク素子40を粘着部材46で立壁25に固定し、次にグランド部材48を粘着剤52で導電性テープ30に固定する必要がある。又は、比較例の第1筐体11Aでは、先ず第1剥離紙46aを剥離してマイク素子40を壁面25aに密着固定した後、次いで第2剥離紙52aを剥離し、グランド部材48を導電性テープ30に固定する必要がある。ところが、例えばノート型PCである電子機器10に搭載されるマイクモジュール36は非常に薄く小さい。このため、上記した作業手順の順守は手間であり、作業者によってはこの作業手順を遵守しない懸念もある。そうするとマイク素子40が図8に示すように立壁25に密着せず、空気密閉度が確保できず、マイク素子40の集音効率が低下し、第1筐体11Aの内外での音漏れ等を生じる懸念がある。
【0057】
この点、本実施形態では、剥離紙46a,52aを剥離する順番や、マイク素子40及びグランド部材48を固定する順番に制約を設ける必要がない。そのため、例えば図7に示す簡便な手順によってマイクモジュール36を取り付けることができ、高い作業効率が得られる。すなわち本実施形態に係るマイクモジュール36の取付方法は、予め剥離紙46a,52aを略同時に剥離した後、上から押圧するだけでよいグランド部材48を先ず固定し、次に導電性接続部材50を介してマイク素子40を位置調整しながら立壁25に固定することができる。このため本実施形態の電子機器10は、マイクモジュール36の組付作業が簡便であり、作業効率が向上する。
【0058】
導電性接続部材は上記した切り起こし片50以外の構成とすることもできる。図9A及び図9Bは、第1変形例に係る導電性接続部材60及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
【0059】
図9A及び図9Bに示す導電性接続部材60は、導電性テープ30の表面に固定される導電性シートである。以下、「導電性接続部材60」を「導電性シート60」と呼ぶこともある。導電性シート60は、アルミニウムや銅のような高い導電性を有する材料で形成された可撓性を有する帯状のシートである。導電性シート60は、一方の端部(第1端部)と他方の端部(第2端部)との間に2つの折曲部60a,60bが設けられることで略S字状に折り返されている。
【0060】
導電性シート60は、第1端部が導電性テープ30の表面に対して電気的に接続され、反対側の第2端部がグランド部材48に対して粘着剤52を用いて固定される。なお、導電性シート60は単なるアルミシート等で構成されるため、第1端部を導電性テープ30の表面に固定しただけでは導電性テープ30との間の十分な導通を確保できない可能性がある。そこで導電性シート60は、導電性粘着テープ62を介して導電性テープ30と固定することができる。そうすると導電性シート60と導電性テープ30との間で高い導電性を確保できる。導電性粘着テープ62は例えばグランド部材48と同一又は同様な部材でよい。図9A及び図9B中の参照符号62aは導電性フィラーを配合した粘着剤であり、導電性粘着テープ62のZ方向両面にそれぞれ設けられる。
【0061】
このような導電性シート60においても、上記した切り起こし片50と同様に、導電性テープ30に対するグランド部材48及びフレキシブル基板42のY方向の相対移動を許容できる(図9B参照)。その際、導電性シート60はグランド部材48と導電性テープ30との電気的接続状態を維持することができる。このため、図9Aに示す導電性シート60を用いた構成においても、図7に示す取付方法と同様な手順により、マイク素子40を立壁25の壁面25aに確実に密着させることができる。
【0062】
なお、切り起こし片50は、プレート部24の内面24aに元々貼り付けられる導電性テープ30を利用して形成できる。このため切り起こし片50は、導電性シート60を用いた構成に比べて追加の部品コストが不要であり、Z方向の厚みも抑制できるという利点がある。一方、導電性シート60を用いた構成は、導電性テープ30に対する切り起こし加工が不要になるという利点がある。
【0063】
図10A及び図10Bは、第2変形例に係る導電性接続部材70及びその周辺部の模式的な側面断面図である。
【0064】
図10A及び図10Bに示す導電性接続部材70は、図9A及び図9Bに示す導電性シート60の構成を変更したものである。以下、「導電性接続部材70」を「導電性シート70」と呼ぶこともある。導電性シート70は、上記した導電性シート60と同一又は同様な材質でよいが、1つの折曲部70aのみを有して略U字状に折り返されている点が異なる。このような導電性シート70においても、上記した導電性シート60を用いた構成と同様な効果が得られる。なお、導電性シート70は導電性シート60よりも折曲部の数が少ないため、構成が簡素でZ方向の厚みを抑制できるという利点がある。一方、導電性シート60は導電性シート70よりも折曲部の数が多いため、Y1方向へのフレキシブル基板42及びマイク素子40の移動が円滑になるという利点がある。導電性接続部材として導電性シートを用いる場合の折曲部の数は3以上でもよい。
【0065】
以上のように、本実施形態の電子機器10は、マイクモジュール36のフレキシブル基板42の表面に固定されるグランド部材48と、筐体部材20の内面24aに貼り付けられた導電性テープ30との間を導電性接続部材50(60,70)で電気的に接続している。導電性接続部材50(60,70)は、マイク素子40が立壁25の壁面25aに接近するY1方向へのフレキシブル基板42の移動を許容した状態で、グランド部材48と導電性テープ30との間を電気的に接続している。
【0066】
従って、当該電子機器10は、グランド部材48と導電性テープ30との接続工程と、マイク素子40の立壁25への固定工程との作業順を厳格に規定しなくても、マイク素子40を立壁25の壁面25aに対して確実に密着させることができる。なぜなら導電性接続部材50(60,70)によるフローティング作用により、グランド部材48を導電性テープ30に接続した後であってもマイク素子40の位置調整ができるためである。従って、電子機器10はマイク素子40の取付作業の作業効率を向上させることができる。しかも電子機器10はマイク素子40の壁面25aに対する空気密閉度を確保できる。その結果、電子機器10はマイク素子40の第1筐体11の内外での音漏れを抑制できる。
【0067】
特にグランド部材48は、フレキシブル基板42の横置き部42aにおける起立部42bへの折曲部分に近接した位置に設けられることができる。そうすると、マイク素子40のノイズを可能な限り近い位置でグランドできる。ところが、グランド部材48がこのような配置により、マイク素子40はグランド部材48を導電性テープ30(プレート部24)に固定した後の位置調整が一層困難となっている。マイク素子40とグランド部材48との距離が近いため調整幅の確保が難しい。また横置き部42aの蛇行形状を利用した位置調整もできないからである。しかしながら当該電子機器10は、このようなグランド部材48の配置にも関わらず導電性接続部材50(60,70)によってマイク素子40の位置調整が可能である。つまり当該電子機器10はマイク素子40の空気密閉度の確保が容易である。しかも当該電子機器10はマイク素子40のノイズが他のデバイスに影響を及ぼすことを一層抑えることができる。
【0068】
また本実施形態のマイクモジュール36の取付方法は、粘着部材46及び粘着剤52を覆う剥離紙46a,52aを同時に又は順不同に剥離する。そして、グランド部材48を導電性接続部材50(60,70)に上から押し当てて固定した後、導電性接続部材50(60,70)を介してマイク素子40を位置調整しながら立壁25に固定する。つまり当該取付方法は、先ず、広い面積を有する平面であるプレート部24の内面24a上にある導電性接続部材50(60,70)にグランド部材48を上から押し当てるだけで、グランド部材48を導電性テープ30に接続できる。次いで、内面24aに対して直交する狭い面積の立壁25の壁面25aに対しては、マイク素子40を位置調整しながら円滑に密着させることができる。その結果、当該取付方法は、高い作業効率が得られる。
【0069】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0070】
10 電子機器
11,11A 第1筐体
12 第2筐体
18 ディスプレイパネル
20 筐体部材
24 プレート部
25 立壁
30 導電性テープ
34 カメラモジュール
34a,42 フレキシブル基板
36 マイクモジュール
40 マイク素子
44 マイク孔
46 粘着部材
48 グランド部材
50 導電性接続部材(切り起こし片)
52,62a 粘着剤
53 非粘着層
60,70 導電性接続部材(導電性シート)
【要約】
【課題】マイク素子の空気密閉度を確保する。
【解決手段】電子機器は、表面に導電性テープが貼り付けられたプレート部と、プレート部の縁部から起立するように設けられ、マイク孔が貫通形成された立壁とを有する筐体部材と、マイク孔を通して音情報を取得するマイク素子と、マイク素子を実装したフレキシブル基板とを有するマイクモジュールと、立壁の壁面に前記マイク素子を固定する粘着部材と、フレキシブル基板の表面に固定され、前記導電性テープと電気的に接続されるグランド部材と、マイク素子が前記立壁の壁面に接近する方向への前記フレキシブル基板の移動を許容した状態で、前記グランド部材と前記導電性テープとの間を電気的に接続する導電性接続部材とを備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B