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特許7569450内蔵コンデンサの検出方法、装置、検出機器、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】内蔵コンデンサの検出方法、装置、検出機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20241009BHJP
【FI】
G01R31/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023521908
(86)(22)【出願日】2021-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021120914
(87)【国際公開番号】W WO2022105431
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】202011294573.1
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521394428
【氏名又は名称】蘇州華興源創科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou HYC Technology CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8, Qingqiu Lane, Suzhou Industrial Park, Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 旭
(72)【発明者】
【氏名】董 亜明
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/113769(WO,A1)
【文献】特開2004-007469(JP,A)
【文献】特開2013-234920(JP,A)
【文献】特開2005-093529(JP,A)
【文献】特開平03-267763(JP,A)
【文献】特開2008-078256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵コンデンサの検出方法であって、
各検出対象チャネルの充電電流値を取得することであって、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されていることと、
各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得することと、
各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成することと、を含み、
前記各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得することには、各検出対象チャネルに対して、前記検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットを制御して目標電流で前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電させ、且つ前記検出対象チャネル内のアナログデジタル変換チップによって前記内蔵コンデンサの検出電圧値を周期的に検出することが含まれ、
前記目標電流の電流値は前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサの充電電流値である
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定することは、
各内蔵コンデンサの充電電流値と検出電圧値に基づいて各内蔵コンデンサの検出容量値を算出することと、
各内蔵コンデンサの検出容量値を上位機に送信することで、前記上位機により各検出容量値に基づいて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定することと、を含む
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記各内蔵コンデンサの充電電流値と検出電圧値に基づいて各内蔵コンデンサの検出容量値を算出することは、
各内蔵コンデンサに対して、各検出周期内における前記内蔵コンデンサの検出電圧値に基づいて、前記内蔵コンデンサが予め設定された最小電圧値から予め設定された最大電圧値まで上昇する電圧上昇時間を特定することと、
前記充電電流値、前記電圧上昇時間、及び前記予め設定された最大電圧値と前記予め設定された最小電圧値との間の電圧差分値に基づいて、前記内蔵コンデンサの検出容量値を算出することと、を含む
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させる前に、
各検出対象チャネルをそれぞれ制御して接続された内蔵コンデンサに0Vの電圧を印加させることで、各内蔵コンデンサの残留電荷を放電することを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記各検出対象チャネルの充電電流値を取得することは、
各検出対象チャンネルに接続された内蔵コンデンサの、理論容量値、充電電流閾値、及び検出電圧閾値を含むコンデンサパラメータを取得することと、
予め設定された検出時間及び前記コンデンサパラメータに基づいて、各検出対象チャンネルの充電電流値を決定することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
内蔵コンデンサの検出方法であって、
各検出対象チャネルの充電電流値を取得することであって、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されていることと、
各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得することと、
各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成することと、
各内蔵コンデンサの充電時間が予め設定されたタイムアウト時間に達した場合、各検出対象チャネルを、接続された内蔵コンデンサへの充電を停止するように制御することと、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
内蔵コンデンサの検出装置であって、
各検出対象チャネルの充電電流値を取得するための電流取得モジュールであって、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されている電流取得モジュールと、
各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得するための電圧検出モジュールと、 各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成するための結果生成モジュールと、を備える
ことを特徴とする内蔵コンデンサの検出装置。
【請求項8】
検出機器であって、
1つのまたは複数のプロセッサと、
1つのまたは複数のプログラムを記憶するためのメモリと、を備え、
前記1つのまたは複数のプログラムが前記1つのまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つのまたは複数のプロセッサが、請求項1~のいずれか一項に記載の内蔵コンデンサの検出方法を実現することを特徴とする検出機器。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載の内蔵コンデンサの検出方法が実現されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出の技術分野に関し、特に、内蔵コンデンサの検出方法、装置、検出機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ほとんどのチップの外部ピンは、チップピンのフィルタリング性能を実現するために、チップ内部でコンデンサとの接続を採用している。
【0003】
チップの生産過程においてコンデンサの実装漏れや実装間違いがないことを確保するために、チップ設計図にしたがってチップピンに対応する内蔵コンデンサに検出を行う必要がある。従来のコンデンサテスト技術では、発振回路を採用して、共振周波数を測定することによって容量の大きさを取得し、さらにチップの内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判断することが多いである。
【0004】
しかしながら、このような検出方式では、チップの内蔵コンデンサに対する一回の検出に長い時間がかかり、且つコストが高く、チップの量産段階における内蔵コンデンサ検出を実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本発明の実施例は、チップの量産段階における内蔵コンデンサの検出を実現するための内蔵コンデンサの検出方法、装置、検出機器、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様として、本発明の実施例は内蔵コンデンサの検出方法を提供し、該方法は、
各検出対象チャネルの充電電流値を取得することであって、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されていることと、
各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得することと、
各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成することとを含む。
【0007】
第2態様として、本発明の実施例は内蔵コンデンサの検出装置を提供し、該装置は、
各検出対象チャネルの充電電流値を取得するための電流取得モジュールであって、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されている電流取得モジュールと、
各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得するための電圧検出モジュールと、
各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成するための結果生成モジュールと、を備える。
【0008】
第3態様として、本発明の実施例は検出機器を提供し、該検出機器は、
1つのまたは複数のプロセッサと、
1つのまたは複数のプログラムを記憶するためのメモリと、を備え、
前記1つのまたは複数のプログラムが前記1つのまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つのまたは複数のプロセッサが、本発明の実施例に記載の内蔵コンデンサの検出方法を実現する。
【0009】
第4態様として、本発明の実施例はコンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、本発明の実施例に記載の内蔵コンデンサの検出方法が実現される。
【発明の効果】
【0010】
上記の内蔵コンデンサに検出を行う技術的な手段において、検出対象チップの各内蔵コンデンサに検出対象チップのピンを介して接続された検出対象チャネルの充電電流値を取得し、各検出対象チャネルの充電電流値のそれぞれで対応する検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電して、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得し、さらに各内蔵コンデンサの充電電流値及び充電電圧値に基づいて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定して検出結果を生成する。本発明の実施例は上記の技術的な手段を採用することによって、発振回路を使用せずに内蔵コンデンサの容量値を検出することができ、且つ検出対象チップの各内蔵コンデンサの並行検出を実現して、検出対象チップの内蔵コンデンサの検出にかかる時間を短縮することができ、内蔵コンデンサの検出効率を向上させて、検出対象チップの量産段階の内蔵コンデンサの検出を実現することができる。
【0011】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、以下の図面を参照して非限定的な実施例に対して行われる詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1によって提供される内蔵コンデンサの検出方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例2によって提供される内蔵コンデンサの検出方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例3によって提供される内蔵コンデンサの検出装置の構造ブロック図である。
図4】本発明の実施例4によって提供される検出機器の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面および実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。ここで記載された具体的な実施例は、本発明の解釈のみに用いられ、本発明に対する限定ではないことを理解されたい。なお、説明の便宜上、添付の図面には、すべての内容ではなく本発明に関連する部分のみが示されていることに留意されたい。また、矛盾しない限り、本発明における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1は、内蔵コンデンサの検出方法を提供する。この方法は、内蔵コンデンサの検出装置によって実行され得、この装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって実現することができ、検出機器に統合され得、チップの内蔵コンデンサに検出を行うケースに適している。図1は本発明の実施例1によって提供される内蔵コンデンサの検出方法のフローチャートである。図1に示すように、本実施例に提供される内蔵コンデンサの検出方法は以下のことを含んでもよい。
【0015】
S110において、各検出対象チャネルの充電電流値を取得し、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されている。
【0016】
ここで、充電電流値とは、内蔵コンデンサに検出を行う際に、各検出チャネルにおいて、接続された内蔵コンデンサに入力すべき電流の電流値として理解され得る。検出対象チップは、その内蔵コンデンサの検出が必要であるチップ、例えば、量産されたチップとして理解され得る。検出対象チャネルは、今回の検出において開ける必要がある検出チャネルであってよく、異なる検出対象チャネルは検出対象チップの異なるピンに接続され、各検出対象チャネルに接続されるピンは、同一の検出対象チップのピンであってもよく、異なる検出対象チップのピンであってもよい。すなわち、検出機器は毎回、1つのみの検出対象チップの内蔵コンデンサに検出を行ってもよく、異なる検出対象チップの内蔵コンデンサに検出を行ってもよい。具体的には実際の検出の需要及び検出対象チップの検出すべき内蔵コンデンサの数に応じて決定されてよい。例えば、検出すべき検出対象チップの数が多く、且つ各検出対象チップにおける検出すべき内蔵コンデンサの数が少ない(例えば180個を超えない)場合、複数の検出対象チップを同時に検出してもよい。一方、検出すべき検出対象チップの数が少ない又は各検出対象チップにおける検出すべき内蔵コンデンサの数が多い(例えば300個より大きい)場合、毎回1つだけの検出対象チップを検出してもよい。
【0017】
本実施例では、検出機器には複数の検出チャネルが設けられてよく、例えば検出チャネルの数は100より大きい又は200より大きくてもよく、また、検出機器に例えば360個の検出チャネルが設けられてよい。それに応じて、検出対象チップ内の各内蔵コンデンサに検出を行う際に、各内蔵コンデンサに接続されたピンを検出機器の1つ又は2つの検出チャネルに接続することができる。例えば、内蔵コンデンサの一端が接地されている場合、該内蔵コンデンサの他端に接続されたピンを検出機器の1つの検出チャネルに接続することができる。一方、内蔵コンデンサの両端はいずれも接地していない場合、内蔵コンデンサの一端に接続されたピンを検出機器の1つの検出チャネルに接続し、且つ内蔵コンデンサの他端に接続されたピンを検出機器の他の一つの検出チャネルに接続することができる。以下では、内蔵コンデンサの一端が接地している場合を例に挙げて説明する。
【0018】
一実施形態では、各検出対象チャネルの充電電流値は、検者によって設定されてもよい。例えば、検者は、検出対象チップにおける検出すべき各内蔵コンデンサを、内蔵コンデンサに接続されたピンを介して検出機器の異なる検出チャネルに接続した後、今回開ける必要がある(すなわち、今回充電する必要がある)検出対象チャネルおよび各検出対象チャネルの充電電流値を上位機によって設定することができる。すなわち、検者は上位機によって各検出チャネルの充電電流値を入力し、上位機は、検者が入力した検出電流値を取得して検出機器に配置されたメモリに書き込んでもよい。ここで、検出機器のメモリは、任意のタイプのメモリであってもよく、好ましくはダブルデータレート(Double Data Rate)同期ダイナミックランダムメモリであってもよい。このメモリは、検出機器のプロセッサに物理的に接続されてもよく、検出機器のプロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)であってもよい。
【0019】
他の実施形態では、各検出対象チャネルの充電電流値は、検出機器によって算出されてもよい。この場合、前記各検出対象チャンネルの充電電流値を取得することは、各検出対象チャンネルに接続された内蔵コンデンサの、理論容量値、充電電流閾値、及び検出電圧閾値を含むコンデンサパラメータを取得することと、予め設定された検出時間及び前記コンデンサパラメータに基づいて、各検出対象チャンネルの充電電流値を決定することを含むことは好ましい。
【0020】
ここで、コンデンサパラメータは、内蔵コンデンサの理論容量値、充電電流閾値、及び検出電圧値を含んでもよく、理論容量値とは、内蔵コンデンサの容量の理論値として理解され得、充電電流閾値とは、内蔵コンデンサが正常に動作している時の電流閾値であって、最大電流閾値及び最小電流閾値を含むものとして理解され得、検出電圧閾値とは、今回の検出過程においてコンデンサを少なくとも上昇させるべき電圧値として理解され得る。各内蔵コンデンサのコンデンサパラメータは検者によって上位機に入力され得る。検出時間とは、今回検出を行う検出時間として理解され得、予め設定された時間値であってもよいし、予め設定された時間範囲であってもよい。以下、検出時間が予め設定された時間値である例を挙げて説明する。
【0021】
上記の実施形態では、検者は今回の検出時間を設定することができ、それに応じて、検出機器は、検出を行うために、各内蔵コンデンサの電圧値がこの検出時間内に適切な電圧値に上昇するように制御することができ、これにより、この検出時間に達したときに各内蔵コンデンサの検出を完了させ、同一検出における各内蔵コンデンサの検出をできるだけ同期して完了させ、検者の待ち時間を減らすことができる。
【0022】
例示的には、検者は今回の量産された検出対象チップを検出する前に、今回開ける必要がある検出対象チャネル、及び各検出対象チャネルと検出対象チップにおける各内蔵コンデンサとの間の接続関係を設定し、且つ検出対象チップの各内蔵コンデンサのコンデンサパラメータ及び検出時間を上位機に入力することができる。それに応じて、上位機は検者に入力された今回開ける必要がある検出対象チャネルの識別情報、各検出対象チャネルに接続される内蔵コンデンサのコンデンサパラメータ、及び検出時間を検出機器に書き込むことができる。これにより、検出機器は、上位機に書き込まれた識別情報に基づいて開ける必要がある検出対象チャネルを決定し、且つ上位機に書き込まれた検出時間及び各検出対象チャネルに接続される内蔵コンデンサのコンデンサパラメータに基づいて該検出チャネルの充電電流値を決定することができる。例えば、式i=C×u/tに基づいて各検出対象チャネルの充電電流値を算出することができ、ただし、iは検出対象チャネルの充電電流値、Cは検出対象チャンネルに接続される内蔵コンデンサの理論容量値、uは検出対象チャンネルに接続される内蔵コンデンサの検出電圧値、tは検出時間である。
【0023】
上位機は、検者に入力された今回開ける必要がある検出対象チャネルの識別情報を検出機器に書き込む時は、例えば、検出機器内に、開ける必要がある検出チャネル及び開ける必要がない検出チャネルを記録するためのチャネルレジスタが設けられてよく、チャネルレジスタ内の各ビットbitは1つの検出チャネルに対応し、bitが1であることは、検出時にその対応する検出チャネルを開ける必要があることを示し、bitが0であることは、検出時にその対応する検出チャネルを開ける必要がないことを示す。これにより、上位機は、今回開ける必要がない検出対象チャネルのチャネルレジスタにおいて対応するbitを1にセットし、且つ今回開ける必要がある非検出対象チャネルのチャネルレジスタにおいて対応するbitを0にセットすることができる。
【0024】
理解されるように、検者が検出時間を設定する際に、通常、内蔵コンデンサの充電電流閾値を考慮した。すなわち、検者が設定した検出時間では、通常、内蔵コンデンサの実際の充電電流がその正常に動作している時の充電電流の範囲外になることを招かない。従って、本実施例において各検出対象チャネルの充電電流値を決定する際に、各内蔵コンデンサの充電電流閾値を考慮せずに、予め設定された検出時間と内蔵コンデンサの理論容量値のみに基づいて各検出チャネルの充電電流値を決定してもよく、この場合、それに応じて、前記コンデンサパラメータは理論容量値と検出電圧閾値のみを含んでもよい。
【0025】
S120において、各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得する。
【0026】
ここで、内蔵コンデンサの検出電圧値とは、充電中に検出された内蔵コンデンサの電圧値として理解され得る。
【0027】
本実施例では、検出機器は、各検出対象チャンネルに接続された内蔵コンデンサの検出容量を並行して検出することができ、例えば、各検出対象チャンネルに設けられた、内蔵コンデンサに充電するための充電部品を制御して、所属する検出対象チャネルの充電電流値で所属する検出対象チャンネルに接続された内蔵コンデンサに充電させ、且つ各検出対象チャンネルに設けられた検出部品を制御して、所属する検出対象チャンネルの検出電圧値を検出させることができる。
【0028】
一実施形態では、検出対象チャネル内に設けられた充電部品はパラメータ測定ユニット(Parametric Measurement Unit,PMU)であってもよく、検出対象チャネル内に設けられた検出部品はアナログデジタル変換(Analogue to Digital Conversion,ADC)チップであってもよい。それに応じて、前記各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得することは、各検出対象チャネルに対して、前記検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットを制御して目標電流で前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電させ、且つ前記検出対象チャネル内のアナログデジタル変換チップによって前記内蔵コンデンサの検出電圧値を周期的に検出することを含み、前記目標電流の電流値は前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサの充電電流値である。
【0029】
上記の実施形態において、検出機器の各検出チャネル内にパラメータ測定ユニット及びアナログデジタル変換チップが設けられてもよく、ある検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットは、所属する検出対象チャネル内のアナログデジタル変換チップ、検出対象チップのピン、及び検出機器のプロセッサにそれぞれ接続されてもよく、ある検出対象チャネル内のアナログデジタル変換チップは、検出対象チップのピン及び検出機器のプロセッサにそれぞれ接続されてもよい。
【0030】
例示的には、検出機器のプロセッサは、各検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットに、対応する検出対象チャネルの充電電流値に応じて検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電するようにパラメータ測定ユニットを制御するための充電命令を同時に送信することができる。それに応じて、各検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットは、プロセッサから送信された充電命令を受信した後に、当該充電命令に対応する充電電流値に応じて、所属する検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電することができる。
【0031】
本実施例では、各検出対象チャネルは、内蔵コンデンサが収容可能な最大電気量に達する又はプロセッサから送信された充電停止命令を受信するまで、接続された内蔵コンデンサへの充電を継続してもよいし、充電時間が予め設定されたタイムアウト時間に達した場合、接続された内蔵コンデンサへの充電を停止してもよい。この場合、本実施例によって提供される内蔵コンデンサの検出方法は、各内蔵コンデンサの充電時間が予め設定されたタイムアウト時間に達した場合、各検出対象チャネルを、接続された内蔵コンデンサへの充電を停止するように制御することをさらに含むことは好ましい。ここで、タイムアウト時間は、検者によって設定されてもよく、又は検出機器で検者に設定された検出時間に基づいて算出されてもよく、例えばタイムアウト時間が検出時間の設定倍数(例えば3倍)などに設定されてもよい。検出機器は、ある検出対象チャネルにおいて検出された検出電圧値の大きさ又は数により当該検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定できた場合、当該検出対象チャネルに充電停止命令を送信してもよいし、すべての検出対象チャネルにおいて検出された検出電圧値の大きさ又は数により対応する検出チャネルに接続された内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定できた場合、各検出対象チャネルに充電停止命令を送信してもよい。本実施例はこれに限定されない。
【0032】
S130において、各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成する。
【0033】
本実施例では、各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定する方法は、必要に応じて選択することができる。例えば、ある内蔵コンデンサの電圧値が一定の時間帯内に実際に達した第1電圧値と、その時間帯内に達すべき第2電圧値との間の差分値が一定の電圧範囲内にあるか否かを判断し、範囲内であれば、当該内蔵コンデンサが正しく実装されていると判定し、そうでなければ、当該内蔵コンデンサが正しく実装されていないと判定する方法であってもよい。また、内蔵コンデンサの充電電流値及び検出電圧値に基づいて、当該内蔵コンデンサの容量値を算出し、当該容量値とその理論容量値との差分値が一定の誤差範囲内にあれば、当該内蔵コンデンサが正しく実装されていると判定し、そうでなければ、当該内蔵コンデンサが正しく実装されていないと判定してもよい。
【0034】
本発明の実施例1に提供される内蔵コンデンサの検出方法において、検出対象チップの各内蔵コンデンサに検出対象チップのピンを介して接続された検出対象チャネルの充電電流値を取得し、各検出対象チャネルの充電電流値のそれぞれで対応する検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電して、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得し、さらに各内蔵コンデンサの充電電流値及び充電電圧値に応じて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定して検出結果を生成する。本実施例は上記の技術的な手段を採用することによって、発振回路を使用せずに内蔵コンデンサの容量値を検出することができ、且つ検出対象チップの各内蔵コンデンサの並行検出を実現して、検出対象チップの内蔵コンデンサの検出にかかる時間を短縮することができ、内蔵コンデンサの検出効率を向上させて、検出対象チップの量産段階の内蔵コンデンサの検出を実現することができる。
【実施例2】
【0035】
図2は本実施例によって提供される内蔵コンデンサの検出方法のフローチャートである。本実施例は、上記の実施例の基に、「各充電電流値と各検出電圧値に基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定」することを、各内蔵コンデンサの充電電流値と検出電圧値に基づいて、各内蔵コンデンサの検出容量値を算出することと、各内蔵コンデンサの検出容量値を上位機に送信することで、前記上位機により各検出容量値に基づいて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定することに最適化した。
【0036】
さらに、前記各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させる前に、各検出対象チャンネルをそれぞれ制御して接続された内蔵コンデンサに0Vの電圧を印加させることで、各内蔵コンデンサの残留電荷を放電することを更に含む。
【0037】
それに応じて、図2に示すように、本実施例に提供される内蔵コンデンサの検出方法は以下のことを含んでもよい。
【0038】
S210において、各検出対象チャネルの充電電流値を取得し、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されている。
【0039】
S220において、各検出対象チャネルをそれぞれ制御して接続された内蔵コンデンサに0Vの電圧を印加させることで、各内蔵コンデンサの残留電荷を放電する。
【0040】
本実施例では、検出対象チップの内蔵コンデンサに電荷が残留した可能性があるため、各検出対象チャネルをイネーブルした後、まず、各検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットを制御して所属する検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに0Vを出力させることで、内蔵コンデンサにおける残留電荷が内蔵コンデンサの検出に影響を及ぼさないように、各内蔵コンデンサを放電させるように制御してもよい。ここで、残留電荷とは、内蔵コンデンサに残留した電荷として理解され得る。
【0041】
S230において、各検出対象チャネルに対して、前記検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットを制御して目標電流で前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電させ、且つ前記検出対象チャネル内のアナログデジタル変換チップによって前記内蔵コンデンサの検出電圧値を周期的に検出し、前記目標電流の電流値は前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサの充電電流値である。
【0042】
S240において、各内蔵コンデンサの充電電流値と検出電圧値に基づいて各内蔵コンデンサの検出容量値を算出する。
【0043】
ここで、検出容量値とは、検出機器の検出により得られた内蔵コンデンサの容量値として理解され得る。
【0044】
具体的には、各内蔵コンデンサの少なくとも2検出周期におけるモニタ電圧値に基づいて各内蔵コンデンサの単位時間における検出電圧値変化量を算出し、さらに各内蔵コンデンサの充電電流と各内蔵コンデンサの単位時間における検出電圧値変化量とに基づいて各内蔵コンデンサの検出容量値を算出することができる。
【0045】
算出された内蔵コンデンサの検出容量値の正確性をさらに向上させて、最終的に生成された検出結果の正確性を向上させるために、前記各内蔵コンデンサの充電電流値と検出電圧値に基づいて、各内蔵コンデンサの検出容量値を算出することは、各内蔵コンデンサに対して、各検出周期内における前記内蔵コンデンサの検出電圧値に基づいて、前記内蔵コンデンサが予め設定された最小電圧値から予め設定された最大電圧値まで上昇する電圧上昇時間を特定することと、前記充電電流値、前記電圧上昇時間、及び前記予め設定された最大電圧値と前記予め設定された最小電圧値との間の電圧差分値に基づいて、前記内蔵コンデンサの検出容量値を算出することとを含むことは好ましい。ここで、予め設定された最小電圧値および予め設定された最大電圧値は、コンデンサの充電が安定している時間帯における2つの電圧値であってもよく、検者によって予め設定され得る。
【0046】
例示的には、検出機器は、各検出対象チャネルを制御して接続された内蔵コンデンサに充電を行わせた後、各内蔵コンデンサの検出電圧値を周期的に検出して、当該検出電圧値が予め設定された最小電圧値に達したか否かを判断し、予め設定された最小電圧値に達すると計時を開始し、継続して内蔵コンデンサの検出電圧値が予め設定された最大電圧値に達したか否かを判断し、予め設定された最大電圧値に達すると計時を停止して、内蔵コンデンサの電圧上昇時間を得る。その後、予め設定された最大電圧値と予め設定された最小電圧値との間の差分値と、電圧上昇時間との比を算出し、さらに当該比と内蔵コンデンサの充電電流値との積を算出することで、内蔵コンデンサの検出容量値を得ることができる。
【0047】
S250において、各内蔵コンデンサの検出容量値を上位機に送信することで、前記上位機により各検出容量値に基づいて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成する。
【0048】
例示的には、検出機器は、各内蔵コンデンサの検出容量値を検出した後、各内蔵コンデンサの検出容量値をメモリに記憶するとともに上位機に検出完了を通知することができ、例えば、検出機器の内部の検出レジスタを0から1にセットすることにより、各内蔵コンデンサの検出容量値の検出が完了したことを表すことができる。上位機は、検出レジスタが1にセットされたことを検知すると、各内蔵コンデンサの検出容量値の検出が完了したと判定し、検出機器のメモリから各内蔵コンデンサの検出容量値を読み出して、更に各内蔵コンデンサの検出容量値とその理論容量値との間の差分値が予め設定された容量範囲内にあるか否かを判断することができ、範囲内であれば、内蔵コンデンサが正しく実装されていると判断することができ、そうでなければ、内蔵コンデンサが正しく実装されていないと判断して、さらに検出対象チップの検出結果が不良であると判定することができる。
【0049】
本発明の実施例2に提供される内蔵コンデンサの検出方法において、各検出対象チャネルの充電電流値を取得し、まず、各検出対象チャネルをそれぞれ制御して接続された内蔵コンデンサに0Vの電圧を印加させ、その後、検出対象チャネルを制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させて、各内蔵コンデンサの検出電圧値を検出することにより、各充電電流値と検出電圧値とに基づいて各内蔵コンデンサの検出容量値を算出して、各内蔵コンデンサの検出容量値を上位機に送信し、これにより、上位機が各内蔵コンデンサの検出容量値に基づいて各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判断して検出結果を生成する。本実施例は、上記の技術的な手段を採用することにより、検出された内蔵コンデンサの検出容量値の正確性をさらに向上させることができ、よって検出対象チップの検出結果の正確性を向上させることができる。
【実施例3】
【0050】
本発明の実施例3は、内蔵コンデンサの検出装置を提供する。この装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって実現されることが可能であり、検出機器に統合され得、内蔵コンデンサの検出方法を実行することによって内蔵コンデンサに検出を行うことができる。図3は本発明の実施例3によって提供される内蔵コンデンサの検出装置の構造ブロック図である。図3に示すように、当該装置は、電流取得モジュール301、電圧検出モジュール302、及び結果生成モジュール303を備え、
電流取得モジュール301は、各検出対象チャネルの充電電流値を取得するために用いられ、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されている。
電圧検出モジュール302は、各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得するために用いられる。
結果生成モジュール303は、各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成するために用いられる。
【0051】
本発明の実施例3に提供される内蔵コンデンサの検出装置において、電流取得モジュール301により検出対象チップの各内蔵コンデンサに検出対象チップのピンを介して接続された検出対象チャネルの充電電流値を取得し、電圧検出モジュール302により各検出対象チャネルの充電電流値のそれぞれで対応する検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電して、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得し、さらに結果生成モジュール303により各内蔵コンデンサの充電電流値及び充電電圧値に基づいて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定して検出結果を生成する。本実施例は上記の技術的な手段を採用することによって、発振回路を使用せずに内蔵コンデンサの容量値を検出することができ、且つ検出対象チップの各内蔵コンデンサの並行検出を実現して、検出対象チップの内蔵コンデンサの検出にかかる時間を短縮することができ、内蔵コンデンサの検出効率を向上させて、検出対象チップの量産段階の内蔵コンデンサの検出を実現することができる。
【0052】
上記の構成において、前記電圧検出モジュール302は具体的に、各検出対象チャネルに対して、前記検出対象チャネル内のパラメータ測定ユニットを制御して目標電流で前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサに充電させ、且つ前記検出対象チャネル内のアナログデジタル変換チップによって前記内蔵コンデンサの検出電圧値を周期的に検出するために用いられ、前記目標電流の電流値は前記検出対象チャネルに接続された内蔵コンデンサの充電電流値であってもよい。
【0053】
上記の構成において、前記結果生成モジュール303は、各内蔵コンデンサの充電電流値と検出電圧値に基づいて、各内蔵コンデンサの検出容量値を算出するための容量算出ユニットと、各内蔵コンデンサの検出容量値を上位機に送信することで、前記上位機により各検出容量値に基づいて検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定して検出結果を生成するための結果生成ユニットとを備えてもよい。
【0054】
上記の構成において、前記容量算出ユニットは、各内蔵コンデンサに対して、各検出周期内における前記内蔵コンデンサの検出電圧値に基づいて、前記内蔵コンデンサが予め設定された最小電圧値から予め設定された最大電圧値まで上昇する電圧上昇時間を特定するための時間検出サブユニットと、前記充電電流値、前記電圧上昇時間、及び前記予め設定された最大電圧値と前記予め設定された最小電圧値との間の電圧差分値に基づいて、前記内蔵コンデンサの検出容量値を算出するための容量算出サブユニットとを備えてもよい。
【0055】
さらに、本実施例によって提供される内蔵コンデンサの検出装置は、各内蔵コンデンサの充電時間が予め設定されたタイムアウト時間に達した場合、各検出対象チャネルを、接続された内蔵コンデンサへの充電を停止するように制御するための充電停止モジュールをさらに備えてもよい。
【0056】
さらに、本実施例によって提供される内蔵コンデンサの検出装置は、前記各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させる前に、各検出対象チャンネルをそれぞれ制御して接続された内蔵コンデンサに0Vの電圧を印加させることで、各内蔵コンデンサの残留電荷を放電するための電荷放電モジュールを更に備えてもよい。
【0057】
上記の構成において、前記電流取得モジュールは、各検出対象チャンネルに接続された内蔵コンデンサの、理論容量値、充電電流閾値、及び検出電圧閾値を含むコンデンサパラメータを取得するためのパラメータ取得ユニットと、予め設定された検出時間及び前記コンデンサパラメータに基づいて、各検出対象チャンネルの充電電流値を決定するための電流決定ユニットとを備えてもよい。
【0058】
本発明の実施例3によって提供される内蔵コンデンサの検出装置は、本発明の任意の実施例に提供される内蔵コンデンサの検出方法を実行することができ、内蔵コンデンサの検出方法の実行に相応する機能モジュール及び有益な効果を備える。なお、本実施例において詳細に説明されなかった技術的詳細については、本発明の任意の実施例に提供される内蔵コンデンサの検出方法を参照することができる。
【実施例4】
【0059】
図4は本発明の実施例4によって提供される検出機器の概略構造図であり、図4に示すように、当該検出機器は、プロセッサ40およびメモリ41を備え、複数の検出チャネル42をさらに備えてもよい。検出機器内のプロセッサ40の数は、1つまたは複数であってもよく、図4では、1つのプロセッサ40として例示されている。検出機器内のプロセッサ40、メモリ41、および各検出チャネルは、バスまたは他の手段によって接続されてもよい。
【0060】
メモリ41は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラムおよびモジュール、例えば、本発明の実施例における内蔵コンデンサの検出方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、内蔵コンデンサの検出装置における電流取得モジュール301、電圧検出モジュール302、および結果生成モジュール303)を記憶するために用いられてもよい。プロセッサ40は、メモリ41に記憶されたソフトウェアプログラム、命令、及びモジュールを実行することにより、検出機器の各種機能アプリケーション及びデータ処理を実行することで、上述の内蔵コンデンサの検出方法を実現する。
【0061】
メモリ41は、主に、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶可能なプログラム記憶領域と、端末の使用に応じて生成されたデータ等を記憶可能なデータ記憶領域とを含んでもよい。また、メモリ41は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、また、不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶部品、フラッシュメモリ部品、或いは他の不揮発性固体記憶部品を含んでもよい。いくつかの例では、メモリ41は、プロセッサ40に対して遠隔に配置されたメモリをさらに含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して検出機器に接続されてもよい。上記のネットワークの例としては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
検出チャネル42は、内蔵コンデンサに充電するためのパラメータ測定ユニット421と、内蔵コンデンサの検出容量値を検出して、アナログ信号からデジタル信号に変換するためのアナログデジタル変換チップ422とを備えてもよい。本発明の実施例4は、コンピュータのプロセッサによって実行されると内蔵コンデンサの検出方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を含む記憶媒体をさらに提供する。当該方法は、各検出対象チャネルの充電電流値を取得することであって、検出対象チップの内蔵コンデンサは、前記検出対象チップのピンを介して少なくとも1つの検出対象チャネルに接続されていることと、各検出対象チャネルをそれぞれ制御して対応する充電電流値で接続された内蔵コンデンサに充電させ、各内蔵コンデンサの検出電圧値を取得することと、各充電電流値と各検出電圧値とに基づいて、前記検出対象チップの各内蔵コンデンサが正しく実装されているか否かを判定し、検出結果を生成することとを含む。
【0063】
もちろん、本発明の実施例に提供されるコンピュータ実行可能な命令を含む記憶媒体において、このコンピュータ実行可能な命令は、上述の方法の動作に限定されず、本発明の実施例のいずれかに提供される内蔵コンデンサの検出方法における関連する動作を実行することもできる。
【0064】
上記の実施形態に関する説明から、当業者には明らかなように、本発明は、ソフトウェアおよび必要な汎用ハードウェアによって実現でき、もちろんハードウェアによっても実現可能であるが、多くの場合、前者がより好ましい実施形態である。このような理解に基づき、本発明の技術的な手段の本質または従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形態で具現化することができ、このコンピュータソフトウェア製品は、コンピュータのフレキシブルディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)フラッシュメモリ(FLASH)、ハードディスク、または光ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、1つのコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク機器などであってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法を実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0065】
なお、上記の内蔵コンデンサの検出装置の実施例において、備えられた各ユニットとモジュールは、ただ機能ロジックによって区分されているが、対応する機能を実現できれば、上記の区分に限定されない。また、各機能ユニットの具体的な名称も、相互の区別を容易にするためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0066】
なお、上記の説明は、本発明の好適な実施例及び使用される技術的原理を示すものだけである。本発明が本明細書に記載された特定の実施例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な明らかな変更、再構成、および置換が可能であることを当業者であれば理解できる。したがって、本発明を上記の実施例によって詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱することなく、さらに他の等価実施例を含むことができ、本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4