(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-08
(45)【発行日】2024-10-17
(54)【発明の名称】光通信ネットワークの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/02 20060101AFI20241009BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20241009BHJP
H04J 14/00 20060101ALI20241009BHJP
H04B 10/25 20130101ALI20241009BHJP
【FI】
G02B6/02 461
H04B10/27
H04J14/00
H04B10/25
(21)【出願番号】P 2023555525
(86)(22)【出願日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2023005399
(87)【国際公開番号】W WO2023238450
(87)【国際公開日】2023-12-14
【審査請求日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2022093340
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小田 拓弥
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/090622(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0088729(US,A1)
【文献】特開2012-120095(JP,A)
【文献】特開2014-021198(JP,A)
【文献】特開2021-109815(JP,A)
【文献】特開2015-034943(JP,A)
【文献】特開2021-056478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/44
G02B 6/02
H04B 10/00 - 10/90
H04J 14/00 - 14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードを含む光通信ネットワークの製造方法において、
特定の領域においてノード間を接続する複数の伝送路として、(1)マルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体
、及び、(2)マルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体
から、何れか一方のみを選択し、
前記FI/FOデバイスは、前記マルチコアファイバのコアを互いに識別可能なポートに結合するものである、
ことを特徴とする光通信ネットワークの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチコアファイバを用いた光通信ネットワークの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信の分野においては、複数のコアを備えたマルチコアファイバが広く利用されている。マルチコアファイバを開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、マルチコアファイバを光通信ネットワークの伝送路として利用する場合、以下のような問題を生じ得ることを見出した。
【0005】
マルチコアファイバの両端には、しばしば、FI/FO(Fan-In/Fan-Out)デバイスが接続される。マルチコアファイバの両端にFI/FOデバイスを接続することにより得られるマルチコアファイバ接続体には、両端のFI/FOデバイスの結合構造が反転対称である通常型ファイバ接続体Csと、両端のFI/FOデバイスの結合構造が合同である反転型ファイバ接続体Ccとがある。
【0006】
このようなマルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークの伝送路として利用する場合、以下のような問題を生じ得る。
【0007】
マルチコアファイバ接続体の一端のFI/FOデバイスを第1ノードに接続した後、マルチコアファイバ接続体の他端のFI/FOデバイスを第2ノードに接続することを考える。この場合、マルチコアファイバ接続体の他端のFI/FOデバイスを第2ノードに接続する作業者は、二つの知識を有している必要がある。一つ目は、マルチコアファイバ接続体の一方のFI/FOデバイスにおいてポートの各々が第1ノードの何れのポートに接続されているかに関する知識である。二つ目は、マルチコアファイバ接続体が通常型マルチコアファイバ接続体であるのか反転型マルチコアファイバ接続体であるのかに関する知識である。なぜなら、これらの知識に応じて、マルチコアファイバ接続体の他端のFI/FOデバイスにおいてポートの各々を接続するべき第2ノードのポートが変わるからである。
【0008】
例えば、マルチコアファイバ接続体Cとして、通常型マルチコアファイバ接続体を用いる場合、
図21の(a)に示すように、一端のFI/FOデバイスのポートP1を送信ポートTx1に接続したら、他端のFI/FOデバイスのポートP1を受信ポートRx1に接続する必要がある。これに対して、マルチコアファイバ接続体として、反転型のマルチコアファイバ接続体を用いる場合、
図21の(b)に示すように、一端のFI/FOデバイスのポートP1を送信ポートTx1に接続したら、他端のFI/FOデバイスのポートP2を受信ポートRx1に接続する必要がある。
【0009】
このように、マルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークの伝送路として利用する場合、マルチコアファイバ接続体をノードに接続する作業に際して、作業者は上述した2つの知識を有している必要がある。このため、マルチコアファイバ接続体を伝送路とする光通信ネットワークを構築若しくは設計、又は、ノードの増築若しくは減築は、容易ではなかった。
【0010】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光通信ネットワークを構築若しくは設計が容易な、又は、ノードの増築若しくは減築するための接続作業が容易な光通信ネットワーク、マルチコアファイバ接続体もしくは光通信ネットワークの製造方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る光通信ネットワークは、複数のノードを含む光通信ネットワークにおいて、ノード間を接続する複数の伝送路が、(1)1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている領域か、又は、(2)1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている領域を含み、前記FI/FOデバイスは、互いに識別可能なポートを有し、前記マルチコアファイバの各コアが前記ポートに結合されたものである。
【0012】
本発明の一態様に係るマルチコアファイバ接続体は、1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイス、又は、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備え、前記FI/FOデバイスは、互いに識別可能なポートを有し、前記マルチコアファイバの各コアが前記ポートに結合されている。
【0013】
本発明の一態様に係る光通信ネットワークの製造方法は、複数のノードを含む光通信ネットワークの製造方法において、特定の領域においてノード間を接続する複数の伝送路として、(1)マルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみを選択するか、又は、(2)マルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみを選択し、前記FI/FOデバイスは、前記マルチコアファイバのコアを互いに識別可能なポートに結合するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、光通信ネットワークの構築若しくは設計、又は、ノードの増築若しくは減築するための接続作業が容易な光通信ネットワークを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の各実施形態において利用されるマルチコアファイバを示す図である。(a)は、そのマルチコアファイバの側面図であり、(b)は、そのマルチコアファイバの一方の端面の正面図であり、(c)は、そのマルチコアファイバの他方の端面の正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態において利用される通常型マルチコアファイバ接続体を示す模式図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態において利用される反転型マルチコアファイバ接続体を示す模式図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第1の具体例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第2の具体例を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第3の具体例を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第4の具体例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第5の具体例を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第6の具体例を示すブロック図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第7の具体例を示すブロック図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワークの第8の具体例を示すブロック図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第1の具体例を示すブロック図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第2の具体例を示すブロック図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第3の具体例を示すブロック図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第4の具体例を示すブロック図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第5の具体例を示すブロック図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第6の具体例を示すブロック図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第7の具体例を示すブロック図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワークの第8の具体例を示すブロック図である。
【
図20】(a)は、典型的なマルチコアファイバの構成を示す模式図であり、(b)は、(a)に示すマルチコアファイバの通常接続の様子を示す模式図であり、(c)は、(a)に示すマルチコアファイバの反転接続の様子を示す模式図である。
【
図21】(a)は、典型的な通常型マルチコアファイバ接続体の構成を示す模式図であり、(b)は、典型的な反転型マルチコアファイバ接続体の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔本実施形態の目的〕
本願発明者らは、光通信ネットワークの大容量化のニーズに応えるべく、マルチコアファイバをその伝送路として利用することを検討した。この検討の過程で本願発明者らは、マルチコアファイバを光通信ネットワークの伝送路として利用する場合、以下のような問題を生じ得ることを見出した。
【0017】
マルチコアファイバの一例を、
図20の(a)に示す。
図20の(a)に示すマルチコアファイバMFは、4つのコアa1~a4と、1つのマーカcと、を有している。コアa1~a4は、端面σ1,σ2において直線L1に対して線対称に配置されている。マーカcの中心は、端面σ1,σ2において直線L1を外すように配置されているので、マーカcを参照してコアa1~a4を識別することが可能になる。コアa1は、マーカcに最も近いコアであり、コアa2は、マーカcに二番目に近いコアであり、コアa3は、マーカcに三番目に近いコアであり、コアa4は、マーカcから最も遠いコアである。なお、マーカcの中心は、端面σ1,σ2において直線L1上に配置されていてもよい。マーカ以外の構成により端面σ1,σ2におけるコアの識別を行う場合、例えば、コアに光を入れることにより端面σ1,σ2におけるコアの識別を行う場合には、マーカcを省略することが可能である。
【0018】
マルチコアファイバの両端には、しばしば、FI/FO(Fan-In/Fan-Out)デバイスが接続される。FI/FOデバイスは、マルチコアファイバの複数のコアの各々が、識別可能な複数のポートの各々に結合可能に構成されている。これらのポートがそれぞれのシングルコアファイバに接続されている場合、例えば、各シングルコアファイバに付されたラベルによって各ポートの識別が可能になる。また、これらのポートがテープ芯線又はリボンファイバとして束ねられたシングルコアファイバに接続されている場合、各シングルコアファイバのリボンファイバ内の位置によって各ポートの識別が可能になる。また、これらのポートが多芯コネクタにより終端されている場合、各ポートの接続先の多芯コネクタ内の位置によって各ポートの識別が可能になる。マルチコアファイバの両端にFI/FOデバイスを接続することにより得られるマルチコアファイバ接続体には、両端のFI/FOデバイスの結合構造が反転対称である通常型ファイバ接続体Csと、両端のFI/FOデバイスの結合構造が合同である反転型ファイバ接続体Ccとがある。
【0019】
図20の(b)は、
図20の(a)に示すマルチコアファイバMFの両端σ1,σ2に反転対称な結合構造を有する2つのFI/FOデバイスτ1,τ2を接続した通常型マルチコアファイバ接続体Csの模式図である。マルチコアファイバMFの端面σ1に接続されるFI/FOデバイスτ1は、(1)端面σ1において左上に位置するコアa1を第1ポートP1と結合し、(2)端面σ1において右上に位置するコアa2を第2ポートP2と結合し、(3)端面σ1において左下に位置するコアa3を第3ポートP3と結合し、(4)端面σ1において右下に位置するコアa4を第4ポートと結合する。一方、マルチコアファイバMFの端面σ2に接続されるFI/FOデバイスτ2は、(1)端面σ2において左上に位置するコアa2を第2ポートP2と結合し、(2)端面σ2において右上に位置するコアa1を第1ポートP1と結合し、(3)端面σ2において左下に位置するコアa4を第4ポートP4と結合し、(4)端面σ2において右下に位置するコアa3を第3ポートP3と結合する。このため、(1)一方のFI/FOデバイスτ1の第1ポートP1は、他方のFI/FOデバイスτ2の第1ポートP1と結合し、(2)一方のFI/FOデバイスτ1の第2ポートP2は、他方のFI/FOデバイスτ2の第2ポートP2と結合し、(3)一方のFI/FOデバイスτ1の第3ポートP3は、他方のFI/FOデバイスτ2の第3ポートP3と結合し、(4)一方のFI/FOデバイスτ1の第4ポートP4は、他方のFI/FOデバイスτ2の第4ポートP4と結合する。
【0020】
なお、
図20の(b)においては、通常型マルチコアファイバ接続体の例として、マルチコアファイバMFの一方の端面σ1にFI/FOデバイスτ1を接続し、マルチコアファイバMFの他方の端面σ2にFI/FOデバイスτ2を接続したマルチコアファイバ接続体Csを例示しているが、これに限定されない。例えば、通常型マルチコアファイバ接続体の別の例として、マルチコアファイバMFの一方の端面σ1にFI/FOデバイスτ2を接続し、マルチコアファイバMFの他方の端面σ2にFI/FOデバイスτ1を接続したマルチコアファイバ接続体も挙げられる。
【0021】
図20の(c)は、
図20の(a)に示すマルチコアファイバMFの両端σ1,σ2に合同な結合構造を有する2つのFI/FOデバイスτ1を接続した反転型マルチコアファイバ接続体Ccの模式図である。マルチコアファイバMFの端面σ1に接続されるFI/FOデバイスτ1は、(1)端面σ1において左上に位置するコアa1を第1ポートP1と結合し、(2)端面σ1において右上に位置するコアa2を第2ポートP2と結合し、(3)端面σ1において左下に位置するコアa3を第3ポートP3と結合し、(4)端面σ1において右下に位置するコアa4を第4ポートP4と結合する。一方、マルチコアファイバMFの端面σ2に接続されるFI/FOデバイスτ1は、(1)端面σ2において左上に位置するコアa2を第1ポートP1と結合し、(2)端面σ2において右上に位置するコアa1を第2ポートP2と結合し、(3)端面σ2において左下に位置するコアa4を第3ポートP3と結合し、(4)端面σ2において右下に位置するコアa3を第4ポートP4と結合する。このため、(1)一方のFI/FOデバイスτ1の第1ポートP1は、他方のFI/FOデバイスτ1の第2ポートP2と結合し、(2)一方のFI/FOデバイスτ1の第2ポートP2は、他方のFI/FOデバイスτ1の第1ポートP1と結合し、(3)一方のFI/FOデバイスτ1の第3ポートP3は、他方のFI/FOデバイスτ1の第4ポートP4と結合し、(4)一方のFI/FOデバイスτ1の第4ポートP4は、他方のFI/FOデバイスτ1の第3ポートP3と結合する。
【0022】
なお、
図20の(c)においては、反転型マルチコアファイバ接続体の例として、マルチコアファイバMFの両方の端面σ1,σ2にFI/FOデバイスτ1を接続したマルチコアファイバ接続体Ccを例示しているが、これに限定されない。例えば、反転型マルチコアファイバ接続体の別の例として、マルチコアファイバMFの両方の端面σ1,σ2にFI/FOデバイスτ2を接続したマルチコアファイバ接続体も挙げられる。
【0023】
このようなマルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークの伝送路として利用する場合、以下のような問題を生じ得る。
【0024】
マルチコアファイバ接続体Cの一端のFI/FOデバイスT1を第1ノードN1に接続した後、マルチコアファイバ接続体Cの他端のFI/FOデバイスT2を第2ノードN2に接続することを考える。この場合、マルチコアファイバ接続体Cの他端のFI/FOデバイスT2を第2ノードN2に接続する作業者は、二つの知識を有している必要がある。一つ目は、マルチコアファイバ接続体Cの一方のFI/FOデバイスT1においてポートP1~P4の各々が第1ノードN1の何れのポートに接続されているかに関する知識である。二つ目は、マルチコアファイバ接続体Cが通常型マルチコアファイバ接続体Csであるのか反転型マルチコアファイバ接続体Ccであるのかに関する知識である。なぜなら、これらの知識に応じて、マルチコアファイバ接続体Cの他端のFI/FOデバイスTにおいてポートP1~P4の各々を接続するべき第2ノードN2のポートが変わるからである。
【0025】
例えば、マルチコアファイバ接続体Cとして、両端のFI/FOデバイスT1,T2において結合構造が反転対称である通常型マルチコアファイバ接続体Csを用いる場合、
図21の(a)に示すように、一端のFI/FOデバイスT1のポートP1を送信ポートTx1に接続したら、他端のFI/FOデバイスT2のポートP1を受信ポートRx1に接続する必要がある。これに対して、マルチコアファイバ接続体Cとして、両端のFI/FOデバイスT1,T2において結合構造が合同である反転型のマルチコアファイバ接続体
Ccを用いる場合、
図21の(b)に示すように、一端のFI/FOデバイスT1のポートP1を送信ポートTx1に接続したら、他端のFI/FOデバイスT2のポートP2を受信ポートRx1に接続する必要がある。
【0026】
このように、マルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークの伝送路として利用する場合、マルチコアファイバ接続体をノードに接続する作業に際して、作業者は上述した2つの知識を有している必要がある。このため、マルチコアファイバ接続体を伝送路とする光通信ネットワークの構築若しくは設計、又は、ノードの増築若しくは減築は、容易ではなかった。本実施形態においては、上述した二つ目の知識、すなわち、両端のFI/FOデバイスにおいて結合構造が反転対称であるのか合同であるのかに関する知識を不要とし、もって、これらの作業を容易にすることを目的とする。
【0027】
〔マルチコアファイバ〕
本発明の各実施形態において利用されるマルチコアファイバMFについて、
図1を参照して説明する。
図1において、(a)は、マルチコアファイバMFの側面図であり、(b)は、マルチコアファイバMFの一方の端面σ1を視線E1方向から見た正面図であり、(c)は、マルチコアファイバMFの他方の端面σ2を視線E2方向から見た正面図である。
【0028】
マルチコアファイバMFは、n個(nは2以上の自然数)のコアa1~anと、クラッドbと、を備えている。クラッドbは、円柱状の部材である。クラッドbは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コアai(iは1以上n以下の自然数)は、クラッドbの内部に設けられた、クラッドbよりも屈折率の高い、クラッドbと同一方向に延在する円柱状の領域である。各コアaiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成さる。なお、クラッドbは、柱状であればよく、その断面形状は、任意である。クラッドbの断面形状は、例えば、四角形や六角形などの多角形状であってもよいし、樽型であってもよい。また、上述のマルチコアファイバMFは、1本のファイバの場合を説明したが、マルチコアファイバMFは、2本以上のファイバで構成されていても良い。
【0029】
端面σ1,σ2において、コアa1~anは、マルチコアファイバMFの中心軸L0と直交する軸L1に対して線対称に配置されている。
【0030】
マルチコアファイバMFは、更に、マーカcを備えている。マーカcは、クラッドbの内部に設けられた、クラッドbとは屈折率の異なる、クラッドbと同一方向に延在する柱状の領域である。マーカcの断面形状は任意であり、例えば、円形状、三角形状、四角形状などである。マーカcは、例えば、フッ素やホウ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカcの屈折率は、クラッドbの屈折率よりも低くなる。マーカcは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカcの屈折率は、クラッドbの屈折率よりも高くなる。マーカcの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。マーカcの外径は、通常、コアaiの外径よりも小さい。なお、端面σ1,σ2におけるコアの識別を光学的に行う場合には、マーカcを省略することが可能である。
【0031】
端面σ1,σ2において、マーカcの中心は、軸L1を避けるように配置されている。換言すれば、端面σ1,σ2において、マーカcの中心は、軸L1以外の位置に配置されている。なお、マーカcは、その中心が軸L1を避けるように配置されていればよく、マーカcの一部が軸L1と重なっていても構わない。これにより、端面σ1,σ2において、コアa1~a4を一意に識別することが可能になる。
図1に示した例において、マーカcに最も近いコアがコアa1であり、マーカcに2番目に近いコアがコアa2であり、マーカcに3番目に近いコアがコアa3であり、マーカcから最も遠いコアがコアa4である。
【0032】
なお、
図1に例示したマルチコアファイバMFのコアa1~a4は、軸L2に対して線対象に配置されていると見做すこともできるし、軸L3に対して線対称に配置されていると見做すこともできるし、軸L4に対して線対称に配置されていると見做すこともできる。ここで、軸L2は、中心軸L0及び軸L1の双方に直交する軸である。また、軸L3,L4は、中心軸L0に直交し、且つ、軸L1との成す角が45度になる軸である。
【0033】
〔マルチコアファイバ接続体〕
本発明の第1の実施形態において利用されるマルチコアファイバ接続体Cs及び本発明の第2の実施形態において利用されるマルチコアファイバ接続体Ccについて、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0034】
図2は、通常型マルチコアファイバ接続体Csの模式図である。通常型マルチコアファイバ接続体Csは、マルチコアファイバMFと、マルチコアファイバMFの両端σ1,σ2に接続された1対のFI/FOデバイスτ1,τ2であって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスτ1,τ2と、を備えている。マルチコアファイバMFの端面σ1に接続されるFI/FOデバイスτ1は、(1)端面σ1において左上に位置するコアa1を第1ポートP1と結合し、(2)端面σ1において右上に位置するコアa2を第2ポートP2と結合し、(3)端面σ1において左下に位置するコアa3を第3ポートP3と結合し、(4)端面σ1において右下に位置するコアa4を第4ポートと結合する。一方、マルチコアファイバMFの端面σ2に接続されるFI/FOデバイスτ2は、(1)端面σ2において左上に位置するコアa2を第2ポートP2と結合し、(2)端面σ2において右上に位置するコアa1を第1ポートP1と結合し、(3)端面σ2において左下に位置するコアa4を第4ポートP4と結合し、(4)端面σ2において右下に位置するコアa3を第3ポートP3と結合する。このため、(1)一方のFI/FOデバイスτ1の第1ポートP1は、他方のFI/FOデバイスτ2の第1ポートP1と結合し、(2)一方のFI/FOデバイスτ1の第2ポートP2は、他方のFI/FOデバイスτ2の第2ポートP2と結合し、(3)一方のFI/FOデバイスτ1の第3ポートP3は、他方のFI/FOデバイスτ2の第3ポートP3と結合し、(4)一方のFI/FOデバイスτ1の第4ポートP4は、他方のFI/FOデバイスτ2の第4ポートP4と結合する。
【0035】
なお、
図2においては、通常型マルチコアファイバ接続体の例として、マルチコアファイバMFの一方の端面σ1にFI/FOデバイスτ1を接続し、マルチコアファイバMFの他方の端面σ2にFI/FOデバイスτ2を接続したマルチコアファイバ接続体Csを示しているが、これに限定されない。例えば、通常型マルチコアファイバ接続体の別の例として、マルチコアファイバMFの一方の端面σ1にFI/FOデバイスτ2を接続し、マルチコアファイバMFの他方の端面σ2にFI/FOデバイスτ1を接続したマルチコアファイバ接続体も挙げられる。
【0036】
また、通常型マルチコアファイバ接続体CsにおけるマルチコアファイバMFは、一体成型された単一のマルチコアファイバであってもよいし、それぞれ一体成型された複数のマルチコアファイバを接続したマルチコアファイバ接続体であってもよい。
【0037】
また、FI/FOデバイスτ1,τ2は、ファイババンドル型のFI/FOデバイスであってもよいし、溶融延伸型のFI/FOデバイスであってもよいし、空間光学型のFI/FOデバイスであってもよいし、平面導波路型のFI/FOデバイスであってもよい。
【0038】
図3は、反転型マルチコアファイバ接続体Ccの模式図である。マルチコアファイバ接続体Ccは、マルチコアファイバ接続体MFと、マルチコアファイバMFの両端σ1,σ2に接続された1対のFI/FOデバイスτ1,
τ1であって、合同な結合構造を有する一対のFI/FOデバイスτ1,
τ1を備えている。マルチコアファイバMFの端面σ1に接続されるFI/FOデバイスτ1は、(1)端面σ1において左上に位置するコアa1を第1ポートP1と結合し、(2)端面σ1において右上に位置するコアa2を第2ポートP2と結合し、(3)端面σ1において左下に位置するコアa3を第3ポートP3と結合し、(4)端面σ1において右下に位置するコアa4を第4ポートP4と結合する。一方、マルチコアファイバMFの端面σ2に接続されるFI/FOデバイスτ1は、(1)端面σ2において左上に位置するコアa2を第1ポートP1と結合し、(2)端面σ2において右上に位置するコアa1を第2ポートP2と結合し、(3)端面σ2において左下に位置するコアa4を第3ポートP3と結合し、(4)端面σ2において右下に位置するコアa3を第4ポートP4と結合する。このため、(1)一方のFI/FOデバイスτ1の第1ポートP1は、他方のFI/FOデバイスτ1の第2ポートP2と結合し、(2)一方のFI/FOデバイスτ1の第2ポートP2は、他方のFI/FOデバイスτ1の第1ポートP1と結合し、(3)一方のFI/FOデバイスτ1の第3ポートP3は、他方のFI/FOデバイスτ1の第4ポートP4と結合し、(4)一方のFI/FOデバイスτ1の第4ポートP4は、他方のFI/FOデバイスτ1の第3ポートP3と結合する。
【0039】
なお、
図3においては、反転型マルチコアファイバ接続体の例として、マルチコアファイバMFの両方の端面σ1,σ2にFI/FOデバイスτ1を接続したマルチコアファイバ接続体Ccを示しているが、これに限定されない。例えば、反転型マルチコアファイバ接続体の別の例として、マルチコアファイバMFの両方の端面σ1,σ2にFI/FOデバイスτ2を接続したマルチコアファイバ接続体も挙げられる。
【0040】
また、反転型マルチコアファイバ接続体CcにおけるマルチコアファイバMFは、一体成型された単一のマルチコアファイバであってもよいし、それぞれ一体成型された複数のマルチコアファイバを接続したマルチコアファイバであってもよい。
【0041】
また、FI/FOデバイスτ1、τ2は、ファイババンドル型のFI/FOデバイスであってもよいし、溶融延伸型のFI/FOデバイスであってもよいし、空間光学型のFI/FOデバイスであってもよいし、平面導波路型のFI/FOデバイスであってもよい。また、FI/FOデバイスτ1、τ2は、上記ポートにマルチコアファイバもしくはシングルコアファイバの一方または両方が接続されていても接続されていなくてもよい。また、FI/FOデバイスτ1、τ2は、上記ポートにマルチコアファイバ及びシングルコアファイバの両方が接続されていないデバイス本体部が1つのみで構成されていてもよく、2つ以上で構成されていてもよい。
【0042】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る光通信ネットワーク1A~1Hについて、
図4~
図11を参照して説明する。本実施形態に係る光通信ネットワーク1A~1Hは、複数のノードを含む光通信ネットワークであって、ノード間を接続する複数の伝送路が、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体(通常型マルチコアファイバ接続体)のみにより構成されている領域を含むことを特徴とする。
【0043】
(第1の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第1の具体例(以下、光通信ネットワーク1Aと記載する)について、
図4を参照して説明する。
【0044】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Aは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5は、リング型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0045】
光通信ネットワーク1Aの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0046】
これにより、光通信ネットワーク1Aを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0047】
光通信ネットワーク1Aの更なる特徴点は、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5の向きが、リング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方の端面に接続されたFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている点である。図示した例では、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5の向きが、リング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ2になるように揃えられている。
【0048】
これにより、光通信ネットワーク1Aを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることに加えて、手元にあるFI/FOデバイスがFI/FOデバイスτ1であるかFI/FOデバイスτ2であるかを予め知ることができる。その結果、より容易に接続作業を遂行することが可能になる。
【0049】
(第2の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第2の具体例(以下、光通信ネットワーク1Bと記載する)について、
図5を参照して説明する。
【0050】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Bは、複数のノードN1~N10と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs10と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5は、第1のリング型ネットワークを構成している。また、ノードN6~N10及びマルチコアファイバ接続体Cs6~Cs10は、第1のリング型ネットワークに取り囲まれた第2のリング型ネットワークを構成している。すなわち、ノードN1~N10及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs10は、デュアルリング型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs10は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0051】
光通信ネットワーク1Bの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0052】
これにより、光通信ネットワーク1Bを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0053】
光通信ネットワーク1Bの更なる特徴点は、(1)マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5の向きが、第1のリング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられており、(2)マルチコアファイバ接続体Cs6~Cs10の向きが、第2のリング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている点である。図示した例では、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5の向き、及び、マルチコアファイバ接続体Cs6~Cs10の向きの両方が、リング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ2になるように揃えられている。
【0054】
これにより、光通信ネットワーク1Bを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることに加えて、手元にあるFI/FOデバイスがFI/FOデバイスτ1であるかFI/FOデバイスτ2であるかを予め知ることができる。その結果、より容易に接続作業を遂行することが可能になる。
【0055】
なお、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5の向き、又は、マルチコアファイバ接続体Cs6~Cs10の向きの一方が、リング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ1になるように揃えられていてもよい。ただし、この場合、光通信ネットワーク1Bを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者には、作業中のネットワークが第1のリング型ネットワークであるか第2のリング型ネットワークであるかに関する知識が求められる。
【0056】
(第3の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第3の具体例(以下、光通信ネットワーク1Cと記載する)について、
図6を参照して説明する。
【0057】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Cは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4は、ライン型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0058】
光通信ネットワーク1Cの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0059】
これにより、光通信ネットワーク1Cを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0060】
光通信ネットワーク1Cの更なる特徴点は、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4の向きが、ライン型ネットワークを一端(
図6における左端)から他端(
図6における右端)に辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている点である。図示した例では、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4の向きが、ライン型ネットワークを一端から他端に辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ2になるように揃えられている。
【0061】
これにより、光通信ネットワーク1Cを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることに加えて、手元にあるFI/FOデバイスがFI/FOデバイスτ1であるかFI/FOデバイスτ2であるかを予め知ることができる。その結果、より容易に接続作業を遂行することが可能になる。
【0062】
(第4の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第4具体例(以下、光通信ネットワーク1Dと記載する)について、
図7を参照して説明する。
【0063】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Dは、複数のノードN1~N10と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4,Cs6~Cs9と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4は、第1のライン型ネットワークを構成している。また、ノードN6~N10及びマルチコアファイバ接続体Cs6~Cs9は、第1のライン型ネットワークと並走する第2のライン型ネットワークを構成している。すなわち、ノードN1~N10及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4,Cs6~Cs9は、デュアルライン型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4,Cs6~Cs9は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0064】
光通信ネットワーク1Dの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0065】
これにより、光通信ネットワーク1Dを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0066】
光通信ネットワーク1Dの更なる特徴点は、(1)マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4の向きが、第1のライン型ネットワークを一端(
図6における左端)から他端(
図6における右端)に辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられており、(2)マルチコアファイバ接続体Cs6~Cs9の向きが、第2のライン型ネットワークを一端(
図6における左端)から他端(
図6における右端)に辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている点である。図示した例では、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs5の向き、及び、マルチコアファイバ接続体Cs6~Cs9の向きの両方が、ライン型ネットワークを一端から他端に辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ2になるように揃えられている。
【0067】
これにより、光通信ネットワーク1Dを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることに加えて、手元にあるFI/FOデバイスがFI/FOデバイスτ1であるかFI/FOデバイスτ2であるかを予め知ることができる。その結果、より容易に接続作業を遂行することが可能になる。
【0068】
なお、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4の向き、又は、マルチコアファイバ接続体Cs6~Cs9の向きの一方が、ライン型ネットワークを一端から他端に辿る流れの下流側に位置する方の端面が全て端面σ1になるように揃えられていてもよい。ただし、この場合、光通信ネットワーク1Dを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者には、作業中のネットワークが第1のライン型ネットワークであるか第2のライン型ネットワークであるかに関する知識が求められる。
【0069】
(第5の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第5の具体例(以下、光通信ネットワーク1Eと記載する)について、
図8を参照して説明する。
【0070】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Eは、複数のノードN0~N4と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4と、を備えている。ノードN0~N4及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4は、ノードN0をセンターノードとするスター型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0071】
光通信ネットワーク1Eの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0072】
これにより、光通信ネットワーク1Eを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0073】
光通信ネットワーク1Eの更なる特徴点は、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4の向きが、スター型ネットワークのセンターノード(ノードN0)から遠ざかる流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている点である。図示した例では、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs4の向きが、スター型ネットワークのセンターノードから遠ざかる流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ2になるように揃えられている。
【0074】
これにより、光通信ネットワーク1Eを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることに加えて、手元にあるFI/FOデバイスがFI/FOデバイスτ1であるかFI/FOデバイスτ2であるかを予め知ることができる。その結果、より容易に接続作業を遂行することが可能になる。
【0075】
(第6の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第6の具体例(以下、光通信ネットワーク1Fと記載する)について、
図9を参照して説明する。
【0076】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Fは、複数のノードN0~N6と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6と、を備えている。ノードN0~N6及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6は、ノードN0をルートノードとするツリー型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0077】
光通信ネットワーク1Fの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0078】
これにより、光通信ネットワーク1Fを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0079】
光通信ネットワーク1Fの更なる特徴点は、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6の向きが、ツリー型ネットワークのルートノード(ノードN0)から遠ざかる流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている点である。図示した例では、マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6の向きが、ツリー型ネットワークのルートノードから遠ざかる流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスが全てFI/FOデバイスτ2になるように揃えられている。
【0080】
これにより、光通信ネットワーク1Fを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることに加えて、手元にあるFI/FOデバイスがFI/FOデバイスτ1であるかFI/FOデバイスτ2であるかを予め知ることができる。その結果、より容易に接続作業を遂行することが可能になる。
【0081】
(第7の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第7の具体例(以下、光通信ネットワーク1Gと記載する)について、
図10を参照して説明する。
【0082】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Gは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs10と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs10は、フルコネクト型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0083】
光通信ネットワーク1Gの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0084】
これにより、光通信ネットワーク1Gを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0085】
(第8の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第8の具体例(以下、光通信ネットワーク1Hと記載する)について、
図11を参照して説明する。
【0086】
本具体例に係る光通信ネットワーク1Hは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6は、メッシュ型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cs1~Cs6は、何れも通常型マルチコアファイバ接続体である。
【0087】
光通信ネットワーク1Hの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が通常型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に反転対称な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0088】
これにより、光通信ネットワーク1Hを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0089】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る光通信ネットワーク2A~2Hについて、
図12~
図19を参照して説明する。本実施形態に係る光通信ネットワーク2A~2Hは、複数のノードを含む光通信ネットワークであって、ノード間を接続する複数の伝送路が、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体(反転型マルチコアファイバ接続体)のみにより構成されている領域を含むことを特徴とする。
【0090】
(第1の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第1の具体例(以下、光通信ネットワーク2Aと記載する)について、
図12を参照して説明する。
【0091】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Aは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc5と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc5は、リング型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc5は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0092】
光通信ネットワーク2Aの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0093】
これにより、光通信ネットワーク2Aを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0094】
(第2の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第2の具体例(以下、光通信ネットワーク2Bと記載する)について、
図13を参照して説明する。
【0095】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Bは、複数のノードN1~N10と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc10と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc5は、第1のリング型ネットワークを構成している。また、ノードN6~N10及びマルチコアファイバ接続体Cc6~Cc10は、第1のリング型ネットワークに取り囲まれた第2のリング型ネットワークを構成している。すなわち、ノードN1~N10及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc10は、デュアルリング型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc10は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0096】
光通信ネットワーク2Bの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0097】
これにより、光通信ネットワーク2Bを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が通常型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0098】
(第3の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第3の具体例(以下、光通信ネットワーク2Cと記載する)について、
図14を参照して説明する。
【0099】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Cは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4は、ライン型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0100】
光通信ネットワーク2Cの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0101】
これにより、光通信ネットワーク2Cを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0102】
(第4の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第4具体例(以下、光通信ネットワーク2Dと記載する)について、
図15を参照して説明する。
【0103】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Dは、複数のノードN1~N10と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4,Cc6~Cc9と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4は、第1のライン型ネットワークを構成している。また、ノードN6~N10及びマルチコアファイバ接続体Cc6~Cc9は、第1のライン型ネットワークと並走する第2のライン型ネットワークを構成している。すなわち、ノードN1~N10及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4,Cc6~Cc9は、デュアルライン型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4,Cc6~Cc9は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0104】
光通信ネットワーク2Dの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0105】
これにより、光通信ネットワーク2Dを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0106】
(第5の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第5の具体例(以下、光通信ネットワーク2Eと記載する)について、
図16を参照して説明する。
【0107】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Eは、複数のノードN0~N4と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4と、を備えている。ノードN0~N4及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4は、ノードN0をセンターノードとするスター型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc4は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0108】
光通信ネットワーク2Eの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0109】
これにより、光通信ネットワーク2Eを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0110】
(第6の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第6の具体例(以下、光通信ネットワーク2Fと記載する)について、
図17を参照して説明する。
【0111】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Fは、複数のノードN0~N6と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6と、を備えている。ノードN0~N6及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6は、ノードN0をルートノードとするツリー型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0112】
光通信ネットワーク2Fの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0113】
これにより、光通信ネットワーク2Fを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0114】
(第7の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第7の具体例(以下、光通信ネットワーク2Gと記載する)について、
図18を参照して説明する。
【0115】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Gは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc10と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc10は、フルコネクト型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0116】
光通信ネットワーク2Gの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0117】
これにより、光通信ネットワーク2Gを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0118】
(第8の具体例)
本実施形態に係る光通信ネットワークの第8の具体例(以下、光通信ネットワーク2Hと記載する)について、
図19を参照して説明する。
【0119】
本具体例に係る光通信ネットワーク2Hは、複数のノードN1~N5と、ノード間を接続する複数のマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6と、を備えている。ノードN1~N5及びマルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6は、メッシュ型ネットワークを構成している。マルチコアファイバ接続体Cc1~Cc6は、何れも反転型マルチコアファイバ接続体である。
【0120】
光通信ネットワーク2Hの特徴点は、ノード間を接続する伝送路が反転型マルチコアファイバ接続体、すなわち、マルチコアファイバの両端に合同な結合構造を有するFI/FOデバイスが接続されたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている点である。
【0121】
これにより、光通信ネットワーク2Hを構築又は増設するためにマルチコアファイバ接続体の一端をノードに接続する作業者は、そのマルチコアファイバ接続体が反転型であることを予め知ることができる。その結果、そのマルチコアファイバ接続体の他端における各ポートの接続先に関する知識のみで、接続作業を遂行することが可能になる。
【0122】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光通信ネットワークは、複数のノードを含む光通信ネットワークにおいて、ノード間を接続する複数の伝送路が、(1)1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている領域か、又は、(2)1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている領域を含み、前記FI/FOデバイスは、互いに識別可能なポートを有し、前記マルチコアファイバの各コアが前記ポートに結合されたものである。
【0123】
本発明の態様2に係る光通信ネットワークは、態様1に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数の伝送路は、1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている。
【0124】
本発明の態様3に係る光通信ネットワークは、態様2に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数のノード及び前記複数の伝送路は、リング型ネットワークを構成し、
前記複数の伝送路を構成する1本以上のマルチコアファイバ又はマルチコアファイバ接続体の向きは、前記リング型ネットワークを時計周りに辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている。
【0125】
本発明の態様4に係る光通信ネットワークは、態様2に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数のノード及び前記複数の伝送路は、ライン型ネットワークを構成し、前記複数の伝送路を構成する1本以上のマルチコアファイバ又はマルチコアファイバ接続体の向きは、前記ライン型ネットワークを一端から他端へと辿る流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている。
【0126】
本発明の態様5に係る光通信ネットワークは、態様2に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数のノード及び前記複数の伝送路は、スター型ネットワークを構成し、前記複数の伝送路を構成する1本以上のマルチコアファイバ又はマルチコアファイバ接続体の向きは、前記スター型ネットワークのセンターノードから遠ざかる流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている。
【0127】
本発明の態様6に係る光通信ネットワークは、態様2に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数のノード及び前記複数の伝送路は、ツリー型ネットワークを構成し、前記複数の伝送路を構成する1本以上のマルチコアファイバ又はマルチコアファイバ接続体の向きは、前記ツリー型ネットワークのルートから遠ざかる流れの下流側に位置する方のFI/FOデバイスの結合構造が一致するように揃えられている。
【0128】
本発明の態様7に係る光通信ネットワークは、態様2に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数のノード及び前記複数の伝送路は、フルコネクト型ネットワーク、又は、メッシュ型ネットワークを構成する。
【0129】
本発明の態様8に係る光通信ネットワークは、態様1に係る光通信ネットワークにおいて、前記複数の伝送路は、1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみにより構成されている。
【0130】
本発明の態様9に係るマルチコアファイバ接続体は、1本以上のマルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイス、又は、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備え、前記FI/FOデバイスは、互いに識別可能なポートを有し、前記マルチコアファイバの各コアが前記ポートに結合されている。
【0131】
本発明の態様10に係るマルチコアファイバは、態様9に係るマルチコアファイバ接続体において、前記1対のFI/FOデバイスは、前記マルチコアファイバと接続された前記FI/FOデバイスの端部と反対側の端部に接続されたシングルコアファイバの表面もしくは前記FI/FOデバイスの筐体の表面の色、前記シングルコアファイバもしくは前記筐体の表面に印字された文字、前記筐体の形状、又は、前記シングルコアファイバに貼着されたラベルにより互いに識別可能である。
【0132】
本発明の態様11に係るマルチコアファイバは、態様9または10に係るマルチコアファイバ接続体において、前記マルチコアファイバが、マーカレスのマルチコアファイバまたはクラッドと、前記クラッドの断面視におけるクラッド中心を通る仮想対称軸に対して線対称に配置された複数の前記コアとマーカとを有し、前記マーカの中心が前記仮想対称軸上に配置されたマルチコアファイバである。
【0133】
本発明の態様12に係る光通信ネットワークの製造方法は、複数のノードを含む光通信ネットワークの製造方法において、特定の領域においてノード間を接続する複数の伝送路として、(1)マルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみを選択するか、又は、(2)マルチコアファイバと、前記マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備えたマルチコアファイバ接続体のみを選択し、前記FI/FOデバイスは、前記マルチコアファイバのコアを互いに識別可能なポートに結合するものである。
【0134】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態に開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0135】
例えば、上記実施形態に係るノードの個数は2個でもよく、3個以上であっても良い。ノードの個数が3個以上の場合、ノード間の伝送路が複数存在することになる。このため、全ノード間において、通常型または反転型マルチコアファイバ接続体の選択の自由度が増加する。したがって、作業者によるノードへのマルチコアファイバ接続体の接続作業や光通信ネットワークの構成が複雑化する。特にこの様な場合において、上記実施形態に係るマルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークに適用することにより、光通信ネットワークの構築若しくは設計、又は、ノードの増築若しくは減築するための接続作業が一層容易となり得る。
【0136】
また、上記実施形態に係るマルチコアファイバ接続体は、1本以上のマルチコアファイバと、マルチコアファイバの両端に接続された1対のFI/FOデバイスであって、反転対称な結合構造を有する1対のFI/FOデバイス、又は、合同な結合構造を有する1対のFI/FOデバイスと、を備え、FI/FOデバイスは、互いに識別可能なポートを有し、マルチコアファイバの各コアが前記ポートに結合する構成である。
【0137】
この様なマルチコアファイバ接続体の構成の場合、FI/FOデバイスが、互いに識別可能なポートを有し、マルチコアファイバの各コアがポートに結合している。このため、互いに異なる結合構造を有する2種類のFI/FOデバイスが互いに識別可能となる。このため、上述した1対のFI/FOデバイスが、反転対称な結合構造を有するか、合同な結合構造を有するかの識別が可能となり得る。したがって、上記実施形態に係るマルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークに適用することにより、光通信ネットワークの構築若しくは設計、又は、ノードの増築若しくは減築するための接続作業が一層容易となり得る。
【0138】
また、上記実施形態に係る1対のFI/FOデバイスは、例えば、マルチコアファイバと接続されたFI/FOデバイスの端部と反対側の端部に接続されたシングルコアファイバの表面もしくはFI/FOデバイスの筐体の表面の色、シングルコアファイバもしくは筐体の表面に印字された文字、筐体の形状、又は、シングルコアファイバに貼着されたラベルにより互いに識別可能である。
【0139】
この様なマルチコアファイバ接続体の構成の場合、2種類のFI/FOデバイスが互いに識別可能となる。このため、上述した1対のFI/FOデバイスが、反転対称な結合構造を有するか、合同な結合構造を有するかの識別が可能となり得る。したがって、上記実施形態に係るマルチコアファイバ接続体を光通信ネットワークに適用することにより、光通信ネットワークの構築若しくは設計、又は、ノードの増築若しくは減築するための接続作業が一層容易となり得る。
【0140】
ここで、上述した筐体の表面の色、文字、筐体の形状、ラベルは、1対のFI/FOデバイスが互いに識別可能であれば、その実現可能な具体的な構成は特に限定されない。たとえば、互いに異なる特徴を有する色、文字、筐体の形状、ラベルで良い。また、色は異なる濃淡や配色により互いに異なっても良い。また、文字は異なる表記やフォントにより互いに異なっても良い。また、ラベルには異なる数字、記号や異なる表記やフォントによる文字であっても良い。
【符号の説明】
【0141】
MF,MF1,M2,… マルチコアファイバ
Cs,Cs1,Cs2,… マルチコアファイバ接続体(通常型)
Cc,Cc1,Cc2,… マルチコアファイバ接続体(反転型)
N0,N1,N2,… ノード
1A,1B,…,1H 光通信ネットワーク
2A,2B,…,2H 光通信ネットワーク