(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】二重アミリン及びカルシトニン受容体アゴニスト、並びにその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 14/585 20060101AFI20241010BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20241010BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20241010BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20241010BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20241010BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241010BHJP
A61K 38/23 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
C07K14/585 ZNA
A61K38/16
A61P3/10
A61P3/04
A61P3/06
A61P1/16
A61K38/23
(21)【出願番号】P 2023538041
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 US2021063990
(87)【国際公開番号】W WO2022133187
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-07-14
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】523231129
【氏名又は名称】キーバイオサイエンス・ソチエタ・アノニマ
【氏名又は名称原語表記】KEYBIOSCIENCE SA
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】コスクン,タメル
(72)【発明者】
【氏名】チュイ,ホンチャン
(72)【発明者】
【氏名】カルスダル,モルテン アセル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアッセン,キム フィーツ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリクセン,キム
【審査官】坂井田 京
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/039051(WO,A1)
【文献】特表2017-530108(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211111(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセチル-ASHLSTAVLGK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γ-Glu)-CO-(CH
2)
18-CO
2H)LS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH
2(配列番号2)を含む、化合物、又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
前記化合物が、アセチル-ASHLSTAVLGK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γ-Glu)-CO-(CH
2)
18-CO
2H)LS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH
2(配列番号2)からなる、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
請求項1若しくは2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、少なくとも1つの医薬的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項4】
請求項1若しくは2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項5】
療法における使用のための、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
2型糖尿病の治療における使用のための、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
肥満の治療における使用のための、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
【請求項8】
脂質異常症の治療における使用のための、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
【請求項9】
NASHの治療における使用のための、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
【請求項10】
2型糖尿病の治療のための医薬の製造における、請求項1又は2に記載の化合物の使用。
【請求項11】
肥満の治療のための医薬の製造における、請求項1又は2に記載の化合物の使用。
【請求項12】
脂質異常症の治療のための医薬の製造における、請求項1又は2に記載の化合物の使用。
【請求項13】
NASHの治療のための医薬の製造における、請求項1又は2に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医学の分野に関する。より詳細には、本開示は、糖尿病、肥満、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び/又は脂質異常症の治療の分野である。本開示は、アミリン及びカルシトニン受容体の両方を刺激し、したがって、食物摂取量、体重、グルコース、及び/又はトリグリセリドを低下させることができ、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を治療するために使用することができる、化合物に関する。本開示は、そのような化合物を含有する医薬組成物、並びにそのような化合物及び医薬組成物の治療的使用も含む。
【背景技術】
【0002】
アミリンは、膵臓のβ細胞からインスリンと共分泌されるペプチドホルモンであり、糖尿病を有する人において不足している。これは、グルカゴンの分泌を抑制し、胃内容排出を遅らせ、満腹剤として作用する。アミリン類似体であるプラムリンチドは、血糖レベルを下げることから、インスリンを使用している糖尿病患者を治療するのに利用可能である。この薬の消失半減期は1時間未満であり、この薬は食事時に使用されるため、患者は、この薬を療法に使用するのに、1日に複数回の用量を必要としている。
【0003】
カルシトニンは、甲状腺で産生されるホルモンであり、血液中のカルシウム及びリン酸のレベルを調節する役割を果たす。サケカルシトニンは、高カルシウム血症などの、血液中のカルシウムのレベルが高い状態を治療するのに利用可能である。サケカルシトニンは、2時間未満の短い半減期を有するため、患者は、このペプチドを療法に使用するのに、1日1回又は1日複数回投薬する必要がある。
【0004】
アミリン及びカルシトニン受容体の両方を刺激する化合物は、血液グルコースレベルを低下させること及び体重低下を誘発することなどの有利な効果を有すると示されている。WO2016/034604、WO2015/071229、及びWO2010/085700を参照されたい。既知のアミリン及びカルシトニン受容体アゴニストの自然の半減期は短いため、長時間の作用が望ましい。しかしながら、活性時間を延長することを意図した化学修飾も、これまでのところ、効力の低下を示している。更に、アミリン及びカルシトニン受容体のアゴニストは、それらの細線維化傾向及び中性pHでの不安定なジスルフィド結合の存在を原因として、安定性の問題を有する。
【0005】
アミリン及びカルシトニン受容体の両方を刺激する代替的な化合物が必要である。更に、延長された作用時間及び保持された効力を有するアミリン及びカルシトニン受容体アゴニストの必要性が存在する。治療的に望ましい化合物は、アミリン及びカルシトニン受容体の両方を刺激し、食物摂取量の低下、体重の低下、血液グルコースレベルの低下、トリグリセリドの低下、及び/又はインスリンレベルの低下などの1つ以上の有利な特性を提供するであろう。更に、治療的に望ましい化合物は、アミリン及びカルシトニン受容体の両方を刺激する効力が保持若しくは改善された長時間の作用、低い免疫原性応答のリスク、中性pHでの化学的安定性、並びに/又は低い細線維化のリスクなどの1つ以上の追加的な有利な特性を有し得る。
【0006】
更に、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症の治療を提供するためには、インクレチン又はインクレチン類似体と任意選択的に組み合わせた、本開示の二重アミリン及びカルシトニン受容体アゴニストの組み合わせが望ましい。そのような組み合わせはまた、好ましくは、いずれかの分子単独よりも有効であろう。例えば、そのような組み合わせによる治療は、単独での各々の分子と比較して、いずれか又は両方の分子のより低い用量の使用を可能にし得、効能を維持しながら、より低い副作用(又は一方若しくは他方の療法のより短い期間)をもたらす可能性がある。本明細書で提供される新規の組み合わせは、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症のための効果的な治療になると考えられる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本開示は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を治療する方法であって、有効量のインクレチン又はインクレチン類似体を有する有効量の二重アミリン及びカルシトニン受容体アゴニストをそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示は、臨床又は前臨床糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を治療する方法であって、有効量のインクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の二重アミリン及びカルシトニン受容体アゴニストをそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法を更に提供する。
【0008】
アミリン及びカルシトニン受容体を刺激するある特定の本明細書に開示されている化合物は、食物摂取量及び体重の効果的な減少、並びにグルコース及びインスリンの低下を示す。更に、ある特定の本明細書に開示されている化合物は、免疫原性のリスクの減少及び低い細線維化のレベルを示す。本明細書に開示されているある特定の化合物の薬物動態学的特性は、大幅に延長された半減期を示し、それによって、療法における使用のためにこれらの化合物を週1回投薬することが可能になる。本開示の他の実施形態は、療法における使用のためのそのような化合物を作製するのに有用である。本明細書に開示されている化合物をインクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせるための方法も開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の化合物のうちの1つである化合物Iは、以下の配列を含む:アセチル-ASHLSTAVLGKLS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH
2(配列番号1)又はその医薬的に許容可能な塩。以下は、残基アセチル-A1、Aib14、及びP32-NH
2を除いて、標準的な1文字アミノ酸コードを使用した化合物Iの構造の描写であり、これらのアミノ酸残基の構造は、伸長されている:
【化1】
【0010】
したがって、本開示の化合物のうちの1つは、
【化2】
又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0011】
配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩は、化合物の半減期を延長するために、1つ以上の追加的な要素を更に含み得る。リンカーあり又はなしで、かつ配列中の任意の好適な位置で、この目的のために配列番号1を含む化合物に付加され得る要素は、免疫グロブリンのFc部分、免疫グロブリンのFc部分のフラグメント、ヒト血清アルブミン(HSA)、VHH、VHH(重鎖抗体の可変ドメイン)ナノボディの変異体、ヒト血清アルブミンのフラグメント、C16~C20モノ酸、C16~C20二酸、及びポリエチレングリコール(PEG)部分又はPEG代替物(例えば、ポリサルコシン)を含む。リンカーあり又はなしで、かつ配列中の任意の好適な位置で、この目的のために配列番号1を含む化合物に付加され得る他の要素は、C16~C22モノ酸若しくはC16~C22二酸、C18~C20モノ酸、又はC18~C20二酸も含み得る。
【0012】
本明細書に開示されている化合物の1つの実施形態は、配列番号1を含む化合物であり、この化合物は、リンカーあり又はなしの脂肪酸部分を更に含む。
【0013】
別の実施形態では、本明細書に開示されている化合物は、ペプチドのN末端のアラニンアミノ酸残基上にアセチル基(CH3CO)を有する。これは、本明細書では、「アセチル」という語句、及びペプチドの説明においてN末端アミノ酸残基の前のダッシュによって示される。本明細書に開示されている化合物は、C末端アミノ酸残基であるプロリン上のアミド基(NH2)も有する。これは、本明細書では、式「NH2」、及びペプチドの説明におけるC末端アミノ酸残基の後のダッシュによって示される。
【0014】
別の実施形態では、配列番号1を含む化合物は、配列中の任意の好適なアミノ酸においてアシル化されており、結果的に、延長された半減期を有する。別の実施形態では、配列番号1を含む化合物は、リジン側鎖上のイプシロンアミノ基においてアシル化されており、結果的に、延長された半減期を有する。特定の実施形態では、配列番号1を含む化合物は、2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γ-Glu)-CO-(CH2)18-CO2Hによるリジン側鎖上のイプシロンアミノ基においてアシル化されている。したがって、本開示の化合物のうちの1つは、以下の配列を含む、化合物IIである:
アセチル-ASHLSTAVLGK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γ-Glu)-CO-(CH2)18-CO2H)LS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH2(配列番号2)又はその医薬的に許容可能な塩。
【0015】
特定の実施形態では、配列番号1からなる化合物は、式2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γ-Glu)-CO-(CH
2)
18-CO
2Hによるリジン側鎖上のイプシロンアミノ基においてアシル化されている。したがって、本開示の化合物のうちの1つは、以下の配列からなる、化合物IIである:
アセチル-ASHLSTAVLGK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γ-Glu)-CO-(CH
2)
18-CO
2H)LS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH
2(配列番号2)又はその医薬的に許容可能な塩。特定の実施形態では、配列番号1から本質的になる化合物は、式2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γ-Glu)-CO-(CH
2)
18-CO
2Hによるリジン側鎖上のイプシロンアミノ基においてアシル化されている。したがって、本開示の化合物のうちの1つは、以下の配列から本質的になる、化合物IIである:
アセチル-ASHLSTAVLGK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γ-Glu)-CO-(CH
2)
18-CO
2H)LS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH
2(配列番号2)又はその医薬的に許容可能な塩。以下は、残基アセチル-A1、K11、Aib14、及びP32-NH
2を除いて、標準的な1文字アミノ酸コードを使用した化合物IIの構造の描写であり、これらのアミノ酸残基の構造は、伸長されている:
【化3】
【0016】
したがって、本開示の化合物のうちの1つは、
【化4】
又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0017】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
【0018】
本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療を必要としている患者において糖尿病を治療する方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療を必要としている患者において糖尿病を治療する方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の好ましい実施形態は、2型糖尿病の治療を必要としている患者において2月糖尿病を治療する方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の好ましい実施形態は、2型糖尿病の治療を必要としている患者において2型糖尿病を治療する方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療を必要としている患者において糖尿病を治療する方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療を必要としている患者において糖尿病を治療する方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の好ましい実施形態は、2型糖尿病の治療を必要としている患者において2型糖尿病を治療する方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の好ましい実施形態は、2型糖尿病の治療を必要としている患者において2型糖尿病を治療する方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0019】
本開示の別の実施形態は、肥満の治療を必要としている患者において肥満を治療する方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療を必要としている患者において肥満を治療する方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療を必要としている患者において肥満を治療する方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療を必要としている患者において肥満を治療する方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0020】
本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療を必要としている患者において脂質異常症を治療する方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療を必要としている患者において脂質異常症を治療する方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療を必要としている患者において脂質異常症を治療する方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療を必要としている患者において脂質異常症を治療する方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0021】
本開示の別の実施形態は、NASHの治療を必要としている患者においてNASHを治療する方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、NASHの治療を必要としている患者においてNASHを治療する方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、NASHの治療を必要としている患者においてNASHを治療する方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、NASHの治療を必要としている患者においてNASHを治療する方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0022】
本開示の別の実施形態は、食物摂取量の低下を必要としている患者において食物摂取量を低下させる方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、食物摂取量の低下を必要としている患者において食物摂取量を低下させる方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、食物摂取量の低下を必要としている患者において食物摂取量を低下させる方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、食物摂取量の低下を必要としている患者において食物摂取量を低下させる方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0023】
本開示の別の実施形態は、体重の低下を必要としている患者において体重を低下させる方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、体重の低下を必要としている患者において体重を低下させる方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、体重の低下を必要としている患者において体重を低下させる方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、体重の低下を必要としている患者において体重を低下させる法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0024】
本開示の別の実施形態は、血液グルコースの低下を必要としている患者において血液グルコースを低下させる方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、血液グルコースの低下を必要としている患者において血液グルコースを低下させる方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、血液グルコースの低下を必要としている患者において血液グルコースを低下させる方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、血液グルコースの低下を必要としている患者において血液グルコースを低下させる方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0025】
本開示の別の実施形態は、トリグリセリドの低下を必要としている患者においてトリグリセリドを低下させる方法であって、有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、トリグリセリドの低下を必要としている患者においてトリグリセリドを低下させる方法であって、有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、トリグリセリドの低下を必要としている患者においてトリグリセリドを低下させる方法であって、患者に配列番号1を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。本開示の別の実施形態は、トリグリセリドの低下を必要としている患者においてトリグリセリドを低下させる方法であって、患者に配列番号2を含む化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0026】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、糖尿病の治療を必要としている患者において糖尿病を治療する方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、糖尿病の治療を必要としている患者において糖尿病を治療する方法を提供する。
【0027】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、2型糖尿病の治療を必要としている患者において2型糖尿病を治療する方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、2型糖尿病の治療を必要としている患者において2型糖尿病を治療する方法を提供する。
【0028】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、肥満の治療を必要としている患者において肥満を治療する方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、肥満の治療を必要としている患者において肥満を治療する方法を提供する。
【0029】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、脂質異常症の治療を必要としている患者において脂質異常症を治療する方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、脂質異常症の治療を必要としている患者において脂質異常症を治療する方法を提供する。
【0030】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、NASHの治療を必要としている患者においてNASHを治療する方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、NASHの治療を必要としている患者においてNASHを治療する方法を提供する。
【0031】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、食物摂取量の低下を必要としている患者において食物摂取量を低下させる方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、食物摂取量の低下を必要としている患者において食物摂取量を低下させる方法を提供する。
【0032】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、体重の低下を必要としている患者において体重を低下させる方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、体重の低下を必要としている患者において体重を低下させる方法を提供する。
【0033】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、血液グルコースの低下を必要としている患者において血液グルコースを低下させる方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、血液グルコースの低下を必要としている患者において血液グルコースを低下させる方法を提供する。
【0034】
本開示の別の実施形態は、配列番号1を含む化合物が、週1回投与される、トリグリセリドの低下を必要としている患者においてトリグリセリドを低下させる方法を提供する。本開示の別の実施形態は、配列番号2を含む化合物が、週1回投与される、トリグリセリドの低下を必要としている患者においてトリグリセリドを低下させる方法を提供する。
【0035】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、療法における使用のための、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、療法における使用のための、配列番号1を含む医薬組成物を提供する。本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、療法における使用のための、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、療法における使用のための、配列番号2を含む医薬組成物を提供する。
【0036】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、糖尿病の治療における使用のための、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療における使用のための、配列番号1を含む医薬組成物を提供する。本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、糖尿病の治療における使用のための、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療における使用のための、配列番号2を含む医薬組成物を提供する。
【0037】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、2型糖尿病の治療における使用のための、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、2型糖尿病の治療における使用のための、配列番号1を含む医薬組成物を提供する。本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、2型糖尿病の治療における使用のための、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、2型糖尿病の治療における使用のための、配列番号2を含む医薬組成物を提供する。
【0038】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、肥満の治療における使用のための、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療における使用のための、配列番号1を含む医薬組成物を提供する。本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、肥満の治療における使用のための、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療における使用のための、配列番号2を含む医薬組成物を提供する。
【0039】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、脂質異常症の治療における使用のための、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療における使用のための、配列番号1を含む医薬組成物を提供する。本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、脂質異常症の治療における使用のための、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療における使用のための、配列番号2を含む医薬組成物を提供する。
【0040】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、NASHの治療における使用のための、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、NASHの治療における使用のための、配列番号1を含む医薬組成物を提供する。本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、NASHの治療における使用のための、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。本開示の別の実施形態は、NASHの治療における使用のための、配列番号2を含む医薬組成物を提供する。
【0041】
本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本開示の化合物の好ましい実施形態は、2型糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本開示の別の好ましい実施形態は、糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0042】
本開示の別の実施形態は、肥満の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0043】
本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0044】
本開示の別の実施形態は、NASHの治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、NASHの治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0045】
本明細書に開示されている化合物の別の実施形態は、半減期(t1/2)が延長されている配列番号1の化合物である。
【0046】
本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症からなる群から選択される状態の治療を必要としている患者において前記状態を治療する方法であって、有効量のインクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法である。本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症からなる群から選択される状態の治療を必要としている患者において前記状態を治療する方法であって、有効量のインクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、方法である。
【0047】
本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症からなる群から選択される状態の治療を必要としている患者において前記状態を治療する方法であって、GLP-1アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物III(配列番号6)、化合物VIII(配列番号12)、又は化合物IX(配列番号13)を含む化合物からなる群から選択されるGLP-1アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、GLP-1アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物III(配列番号6)、化合物VIII(配列番号12)、又は化合物IX(配列番号13)を含む化合物からなる群から選択されるGLP-1アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。
【0048】
本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、GIP/GLP-1二重アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物VI(配列番号9)及び化合物VII(配列番号10)を含む化合物からなる群から選択されるGIP/GLP-1二重アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、GIP/GLP-1二重アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物VI(配列番号9)及び化合物VII(配列番号10)を含む化合物からなる群から選択されるGIP/GLP-1二重アゴニストと組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。
【0049】
本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、グルカゴン、GIP、及びGLP-1のトリアゴニストと組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、グルカゴン、GIP、及びGLP-1のトリアゴニストと組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物V(配列番号8)を含む、グルカゴン、GIP、及びGLP-1のトリアゴニストと組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物V(配列番号8)を含む、グルカゴン、GIP、及びGLP-1のトリアゴニストと組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。
【0050】
本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、オキシントモジュリンの類似体と組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本明細書に開示されている化合物の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、オキシントモジュリンの類似体と組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物IV(配列番号7)を含むオキシントモジュリンの類似体と組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。本開示の特定の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、化合物IV(配列番号7)を含むオキシントモジュリンの類似体と組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含む、方法である。
【0051】
本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、インクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含み、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩及びインクレチン又はインクレチン類似体を同時に投与する、方法である。本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、インクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含み、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩及びインクレチン又はインクレチン類似体を同時に投与する、方法である。
【0052】
本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、インクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含み、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をインクレチン又はインクレチン類似体の投与前に投与する、方法である。本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、インクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含み、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をインクレチン又はインクレチン類似体の投与前に投与する、方法である。
【0053】
本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、インクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含み、インクレチン又はインクレチン類似体を、配列番号1を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の投与前に投与する、方法である。本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症を有する患者を治療する方法であって、インクレチン又はインクレチン類似体と組み合わせた有効量の配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩をそのような治療を必要としている患者に投与することを含み、インクレチン又はインクレチン類似体を、配列番号2を含む化合物又はその医薬的に許容可能な塩の投与前に投与する、方法である。
【0054】
本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症の治療のためにインクレチン又はインクレチン類似体と別々に、同時に、又は連続的に組み合わせて使用するための、配列番号1を含む化合物である。本開示の別の実施形態は、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症の治療のためにインクレチン又はインクレチン類似体と別々に、同時に、又は連続的に組み合わせて使用するための、配列番号2を含む化合物である。
【0055】
本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物の使用を提供する。
【0056】
本開示の別の実施形態は、2型糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、2型糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物の使用を提供する。
【0057】
本開示の別の実施形態は、肥満の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、肥満の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物の使用を提供する。
【0058】
本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、脂質異常症の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物の使用を提供する。
【0059】
本開示の別の実施形態は、NASHの治療のための医薬の製造における、配列番号1を含む化合物の使用を提供する。本開示の別の実施形態は、糖尿病の治療のための医薬の製造における、配列番号2を含む化合物の使用を提供する。
【0060】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似又は同等の任意の方法及び材料を二重アミリン及びカルシトニン受容体アゴニスト、医薬組成物、医薬的組み合わせの実践又は試験に使用することができるが、好ましい方法及び材料が本明細書に記載されている。
【0061】
更に、不定冠詞の「a」又は「an」による要素への言及は、文脈から要素が1つだけであることが明確に要求されない限り、1つより多くの要素が存在する可能性を排除することはない。したがって、不定冠詞の「a」又は「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
【0062】
「類似体」という用語は、標的受容体を活性化し、その受容体のための天然アゴニストによって誘発される少なくとも1つのインビボ又はインビトロ効果を誘発する、合成ペプチド又はポリペプチドなどの化合物を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「組み合わせ」という用語は、本明細書に開示されている化合物が、体重低下の誘導、糖尿病の治療、糖尿病、肥満、NASH、及び/又は脂質異常症に関連する状態に有用な1つ以上の追加的な治療薬と同時に、別々に、又は連続的に組み合わせて使用され得ることを意味する。特許請求される化合物と組み合わせることができる追加的な治療剤の非限定的な例は、インスリン又はインスリン類似体;グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)若しくはGLP-1類似体、胃抑制ポリペプチド(GIP)若しくはGIP類似体、オキシントモジュリン若しくはオキシントモジュリン類似体などのインクレチン化合物又はインクレチン類似体;GIP/GLP-1二重アゴニスト;Gcg/GIP/GLP-1トリアゴニスト(グルカゴン、GIP、及びGLP-1のトリアゴニスト);あるいは前述の薬剤のうちのいずれかの組み合わせを含む。特許請求される化合物及び追加的な治療剤は、単一の丸剤、カプセル、錠剤、若しくは注射可能な製剤などの同じ送達経路及びデバイスを介して共投与され得るか、又は別々の送達デバイス若しくは経路のいずれかで同時に別々に投与され得るか、又は連続的に投与され得る。
【0064】
「糖尿病」という用語は、ホルモンのインスリンを産生するか又はこれに応答する体の能力が損なわれ、炭水化物の異常な代謝、並びに血液中及び尿中のグルコースのレベルの上昇をもたらす、疾患を指す。本明細書で使用される場合、糖尿病という用語は、身体が血糖又はグルコースを処理する過程に影響を与える慢性状態、例えば、2型真性糖尿病(T2DM);膵臓がインスリンをほとんど又はまったく産生しない慢性状態、例えば、1型真性糖尿病(T1DM);血糖が高いが2型糖尿病になるほどは高くない状態、例えば、糖尿病予備軍;妊婦に影響を与える高血糖の形態、例えば、妊娠糖尿病を指し得る。
【0065】
本明細書で使用される場合、「脂質異常症」という用語は、リポタンパク質の過剰産生又は欠乏を含む、リポタンパク質代謝の障害を指す。脂質異常症は、血液中における、総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール及びトリグリセリド濃度の上昇、並びに/又は高密度リポタンパク質(HDL)濃度の低下に現れ得る。脂質異常症は、糖尿病に関連して発症する場合又は発症しない場合がある。
【0066】
本明細書で使用される場合、「インクレチン」という用語は、典型的には食後に分泌されるインスリンの量の調節を介して、血液グルコースの低下を刺激するために胃及び膵臓の腸内分泌細胞から排泄される内因性代謝ホルモンの群を指す。本明細書で使用される場合、「インクレチン類似体」という用語は、生理学的にインクレチンに類似した合成インクレチン模倣体の群を指す。更に、「インクレチン類似体」は、内因性インクレチンと比較して、好ましい薬理学的特性を有し得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療すること」という用語は、状態の症状及び合併症に対抗するか又はこれらを緩和する目的でアミリン及びカルシトニン受容体ペプチドアゴニスト投与が適応された状態を有する患者の管理及び看護を指す。治療は、症状若しくは合併症の発症を予防するために、症状若しくは合併症を緩和するために、又は疾患、状態若しくは障害を排除するために、本明細書に開示されている化合物のうちの1つの化合物又はこれを含有する医薬組成物を、この化合物又はこれを含有する医薬組成物を必要とする患者に投与することを含む。好ましくは、治療は、体重の正味低下、食物摂取量の減少、血液グルコースレベルの減少、及び/又はトリグリセリドレベルの減少をもたらすために、本明細書に開示されている化合物のうちの1つの化合物又はこれを含有する医薬組成物を、この化合物又はこれを含有する医薬組成物を必要とする患者に投与することを含む。治療すべき患者は動物であり、好ましくはヒトである。
【0068】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、患者に単回又は複数回の用量で投与すると医療専門家によって求められている生物学的若しくは医学的応答又は望ましい治療的効果を誘発する、本明細書に開示されている化合物のうちの1つの化合物又は本明細書に開示されている化合物を含有する医薬組成物の量又は用量を指す。好ましくは、本明細書に開示されている化合物のうちの1つの化合物又はこれを含有する医薬組成物を必要とする患者に投与される、この化合物又はこれを含有する医薬組成物の有効量は、体重の正味低下、食物摂取量の減少、血液グルコースレベルの減少、及び/又はトリグリセリドレベルの減少をもたらすであろう。用量は、より高い初期負荷用量、続いてより少ない用量を含むことができる。
【0069】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、動物を指し、好ましくはヒトを指す。ある特定の実施形態では、患者、好ましくはヒトは、アミリン及びカルシトニン受容体の両方を刺激する化合物の投与から利益を受け得る疾患、障害、又は状態を更に特徴とする。本明細書に開示されている化合物を含む医薬組成物は、そのような治療を必要としている患者に経口又は非経口で投与され得る。非経口投与は、シリンジ、任意選択的にペン様シリンジ、又は機械駆動式注射器を用いた皮下、筋肉内又は静脈内注射によって実施することができる。代替的に、非経口投与は、注入ポンプを用いて行うことができる。本明細書に開示されている化合物の実施形態は、患者への投与に好適な医薬組成物であって、治療有効量の本明細書に開示されている化合物及び1つ以上の医薬的に許容可能な賦形剤をこの医薬組成物を必要としている患者に投与することを含む、医薬組成物を提供する。そのような医薬組成物は、当該技術分野で周知である医薬製品のための従来的な賦形剤を使用する様々な技術のうちのいずれかによって調製され得る。(Remington’s Pharmaceutical Sciences,21st Edition,University of the Sciences in Philadelphia, Philadelphia,PA,USA(2006))。
【0070】
本明細書で使用される場合、「NASH」という用語は、非アルコール性脂肪性肝炎、別名、脂肪肝疾患を表す。「NASH」とは、肝臓に脂肪が蓄積することによって引き起こされる肝臓の炎症及び損傷も指す。「NASH」は、非アルコール性脂肪肝疾患(「NAFLD」)のサブタイプも指す。いくつかの実施形態では、「NASH」は、「NAFLD」と同義であり得る。
【0071】
本明細書で使用される場合、「肥満」という用語は、健康上の問題のリスクを高める過剰な体脂肪を伴う障害を指す。「肥満」という用語は、所定の高さに対して健康的な重量と考えられるものよりも高い重量も指す。「肥満」という用語は、30.0超のBMIも指す。本明細書で使用される場合、ボディマス指数(BMI)は、キログラムでの人の体重をメートルでの高さの二乗で割ったものを指す。
【0072】
ある特定の略語は、以下のように定義される:「Aib」は2-アミノイソ酪酸を指す、「AMY1」はアミリン受容体1を指す、「cAMP」は環状アデノシン一リン酸を指す、「CT」はカルシトニンを指す、「DCM」はジクロロメタンを指す、「DIEA」はジイソプロピルエチルアミンを指す、「DIO」は食事誘発性肥満を指す、「DMF」はジメチルホルムアミドを指す、「FBS」はウシ胎児血清を指す、「GPCR」はGタンパク質共役受容体を指す、「HEPES」は4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸を指す、「HTRF」は均一時間分解蛍光を指す、「IBMX」は1-メチル-3-イソブチルキサンチンを指す、「Mtt」は4-メチルトリチルを指す、「PBMC」は末梢血単核細胞を指す、「PyAOP」は(7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを指す、「RP-HPLC」は逆相高圧液体クロマトグラフィーを指す、及び「TFA」はトリフルオロ酢酸を指す。
【実施例】
【0073】
実施例1:化合物I及び化合物IIの調製及び精製
化合物I及び化合物IIは、以下のステップに従って作製する。最初に、Symphony 12-Channel Multiplex Peptide Synthesizer(Protein Technologies,Inc.Tucson,AZ)でフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)/tert-ブチル(t-Bu)化学を使用して、化合物Iを合成する。
【0074】
Polystyrene Rink Amide AM LL樹脂(Novabiochem,sub:0.33meq/g,100-200メッシュ、カタログ番号855045)を0.13mmolスケールでの合成に使用する。標準的な側鎖保護基を使用する。Fmoc-Lys(Mtt)-OH)を11位のリジンに使用する。各々のカップリングステップ(2×7分間)の前に、DMF中の20%のピペリジンを使用して、Fmoc基を除去する。アミノ酸カップリングは全て、Fmocアミノ酸(0.3mM)、ジイソプロピルカルボジイミド(0.9mM)、及びOxyma(0.9mM)の等モル比を使用して、理論上ペプチド負荷に対して7.7倍のモル過剰で、50℃で30分間実施する。N末端を、DMF中で5%の無水酢酸、5%のDIEAを用いて、30分間アセチル化する。以下は、化合物I(配列番号1)の概略図である。
【化5】
次いで、樹脂をDCMで6回入念に洗浄して、残留DMFを除去する。11位のリジンのMtt保護基は、DCM(2×40分の処理)中で30%のヘキサフルオロイソプロパノール(Oakwood Chemicals)の処理を2回使用してペプチド樹脂から選択的に除去される。
【0075】
化合物IIの合成は、以下のステップに従って行う。脂肪酸リンカー部分のその後の結合は、2-[2-(2-Fmoc-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-酢酸(Fmoc-AEEA-OH、ChemPep,Inc.)、Fmoc-グルタミン酸α-t-ブチルエステル(Fmoc-Glu-OtBu、Ark Pharm,Inc.)、及びモノ-OtBu-エイコサン酸(WuXi AppTec、Shanghai,China)のカップリングによって達成される。3倍過剰の試薬(AA:PyAOP:DIEA=1:1:1mol/mol)を1時間の長さの各々のカップリングに使用する。
【0076】
合成が完了したら、ペプチド樹脂をDCMで洗浄し、完全に空気乾燥させる。乾燥樹脂を、室温で2時間、10mLの切断カクテル(TFA:水:トリイソプロピルシラン、95:2.5:2.5v/v)で処理する。樹脂を濾別し、各々2mLのニートTFAで2回洗浄し、合わせた濾液を4倍冷ジエチルエーテル(-20℃)で処理して、粗ペプチドを沈殿させる。その後、ペプチド/エーテル懸濁液を3500rpmで2分間遠心分離して固体ペレットを形成し、上清を傾瀉し、固体ペレットをエーテルで更に2回粉砕し、真空中で乾燥させる。粗ペプチドを20%のアセトニトリル/20%の酢酸/60%の水に可溶化させ、100%のアセトニトリル及び0.1%のTFA/水緩衝液システム(60分で20~40%のアセトニトリル)を使用する線形勾配で、Waters Xselect Peptide CSH C18 prep column 130A 5um 19×150mm PN 186007021においてRP-HPLCによって精製する。ペプチドの純度は、分析用RP-HPLCを使用して評価し、プーリング基準は、95%超である。化合物Iの主要プール純度は、99.0%超であることが見出されている。最終的な主要生成物プールのその後の凍結乾燥は、凍結乾燥されたペプチドTFA塩をもたらす。分子量は、LC/MSによって決定される。平均MW=3447.8Da。予想される質量:(M+3H):1150.3、実測値1150.0。
【0077】
化合物IIの主要プール純度は、98.0%超であることが見出されている。最終的な主要生成物プールのその後の凍結乾燥は、凍結乾燥されたペプチドTFA塩をもたらす。分子量は、LC/MSによって決定される。平均MW=4191.8Da。予想される質量:(M+3H):1398.2、実測値1398.2。以下は、化合物II(配列番号2)の概略図である。
【化6】
【0078】
上記及び当業者に既知のものに類似した方法を使用して、ペプチド骨格を合成し、脂肪酸-リンカー部分をコンジュゲートさせ、純度を調べ、本明細書に記載されている本発明の化合物の分子量を確認することができる。
【0079】
実施例2:インビトロ機能活性
AMY1及びCT受容体は、Gαsタンパク質に機能的に共役しているGPCRである。これらの受容体を刺激すると細胞内cAMPの産生が増加し、これは、標準的なインビトロ技術を使用して検出することができる。ヒトAMY1又はCT受容体は、pcDNA(CALCR)又はpCMVpiggybac(RAMP1)発現ベクターの制御下で、ヒト膀胱細胞(UM-UC-3)の細胞で安定的に発現される。AMY1細胞は、10%のFBS、1%の抗生物質/抗真菌溶液、1mMのピルビン酸ナトリウム、1X MEM NEAA、1X GlutaMAX-I、200μg/mLのハイグロマイシンB、及び0.4μg/mLのピューロマイシンを補足したMEM 1X(Corning)で培養する。CT細胞は、ピューロマイシンを欠いていることを除いて、同じ培地で培養する。培養細胞を70%の集密度に増殖させ、次いで、新鮮な培地で一晩インキュベートする。
【0080】
アッセイ日に、10μLのアッセイ緩衝液(フェノールレッド不含のMEM(Corning、カタログ番号17-305-CV)、0.1%のカゼイン、0.5mMのIBMX、5mMのHEPES、pH7.4)を白色のポリ-D-リジンでコーティングされた384ウェルプレート(Corning、カタログ番号354661)の各々のウェルに分注する。DMSOで希釈したペプチドを、ECHO音響液体ハンドラー(Beckman)を使用して1:3の希釈系列で添加する(200nL/ウェル)。培養細胞をTrypLE Express(Gibco)で剥離し、アッセイ緩衝液に再懸濁し、1200細胞/ウェル(hCT)又は1500細胞/ウェル(hAMY1)を含む10μLを各ウェルに分注する。プレートを室温で1時間インキュベートする。
【0081】
HTRF技術(ホモジニアス時間分解蛍光法、Cisbio)を販売者の使用説明書に従って使用して、細胞内cAMPの量を定量化する。簡潔に述べると、溶解緩衝液中の10μLのcAMP-d2コンジュゲート及び10μLの抗cAMP-クリプテートコンジュゲートを、処理した細胞とともに室温で60分間インキュベートする。Envisionプレートリーダー(Perkin-Elmer)を使用してHTRF信号を直ちに検出し、665~620nmで蛍光の比を計算する。生データは、各実験について生成されたcAMP標準曲線を使用して、cAMP量(ピコモル/ウェル)に変換する。相対EC
50値は、4パラメータロジスティック曲線フィッティングプログラム(Genedata Screener(登録商標)v12.0.4)で、1nMのサケCT(Bachem)を最大値として、かつ緩衝液のみを最小値として使用して定義された濃度応答曲線の上下範囲から計算する。本出願の化合物は、表1に示されるように、アミリン及びカルシトニン受容体における活性を示す。
【表1】
【0082】
実施例3:正常ラットモデルにおけるインビボ効能
Envigo Laboratoriesからの約300グラムの重さの雄のSprague Dawley(SD)ラットを使用して、96時間の評価研究中に、インビボでの食物摂取量の急激な減少及び体重低下に対する化合物IIの効果を評価する。ラットは、Lilly Research Laboratoriesの承認されたAnimal Care and Use protocols下で維持し、午後10時から午前10時までの12時間の逆光サイクルで個別に飼育する。研究の朝に、ベースラインの動物の体及び食物の重量を測定し、ビヒクル(20mMのトリスpH8、50mg/mLのD-マンニトール、0.02%のPS80)、又はビヒクル(20mMのトリスpH8、50mg/mLのD-マンニトール、0.02%のPS80)中の単独の化合物II(配列番号2)を異なる用量で皮下投与する。
【0083】
投与後の24時間、48時間、72時間、及び96時間で、動物の体及び食物の重量を測定する。毎日の食物摂取量及び体重のパーセント減少を計算する。これらの結果を以下で表2及び3に列挙する。全てのデータは、毎日の平均食物摂取量及びパーセント体重減少として示されている。結果によって示されるように、化合物IIは、食物消費量を減少させ、体重を急激かつ用量依存的に減少させる効果を有する。また、非常に少ない用量でも、食物摂取量及び体重を下げる効能を示す。
【表2】
【表3】
【0084】
実施例4:食事誘発性肥満(DIO)ラットにおけるインビボ効能
この研究は、DIOラットにおける糖尿病及び/又は肥満状態に対する化合物IIの効果を調査するために実施する。Lilly(TD95217;Teklad,Madison,WI)に到着してから高カロリー食を維持した24~30週齢の食事誘発性肥満(DIO)の雄のLong Evans(Envigo)ラットを以下の研究に使用する。12時間の明/暗サイクル(2200点灯)と食物(TD95217)及び水への自由なアクセスとを有する温度制御された(24℃)施設で動物を個別に飼育する。
【0085】
動物の各々の実験群が同様の体重を有するように、ラットをそれらの体重に応じて無作為化する。体重は、514~710グラムの範囲である。
【0086】
各々の群は、5匹のラットを含む。ビヒクル、及びビヒクル(トリスpH8、(50mg/mLのD-マンニトール)+0.02%のps80)に溶解した化合物II(0.1及び100nmol/kg)を、15日間にわたって3日ごとに暗サイクルの開始の30~60分前に、自由にえさを与えたDIOラットに皮下(SC)注射(1mL/kg)によって投与する。1、4、7、10、及び13日目にSC注射を行う。研究を通して、体重及び食物摂取量を毎日測定する。体重の絶対変化は、分子の最初の注射の前の同じ動物の体重を差し引くことによって計算する。-1日目(治療の1日前)及び15日目に、体組成を定量的核磁気共鳴(QMNR、EchoMRI LLC,Houston,TX)によって評価した。
【0087】
研究の最後に、血液を採取して血液グルコース及び血漿インスリンを測定する。血液グルコースは、AccuChek血糖測定器(Roche、Indianapolis,IN)によって測定する。インスリンは、ELISA(MSD、Rockville,MD)によって測定する。
【0088】
全てのデータは、群当たり5匹の動物の平均±SEMとして提示される。統計分析は、反復測定ANOVA、続いて多重比較のためのダネットの方法を使用して実施する。有意差は、p<0.05で特定される。
【0089】
化合物IIは、用量依存的に雄のDIOラットの体重及び食物摂取量を減少させる。体重の減少は、主に脂肪量の減少によるものと考えられる。表4及び5に示されるように、化合物IIを使用した治療では、実質的な体重低下に加えて、用量依存的に血清グルコースの減少及びインスリンの減少が観察される。
【0090】
体組成の測定は、0日目及び14日目に行う。最初の測定からの変化は、0日目の測定~14日目の測定として提示される。全てのデータは、14日目からの群当たり5匹の動物の平均±SEMとして提示される。
統計分析は、反復測定ANOVA、続いて多重比較のためのダネットの方法を使用して実施する。有意差は、p<0.05で特定される。
【表4】
【表5】
【0091】
実施例5:化合物IIの薬物動態学的挙動
化合物IIの血漿濃度は、Q Squared Solutions BioSciences LLC、Ithaca,NYにおいて、認定された液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)法によって決定される。化合物II及び内部標準としての類似体は、タンパク質沈殿、続いて固相抽出を使用して、100%の種特異的血漿から抽出する。ペプチド及びアシル鎖を含む化合物IIのインタクトマスは、Q-Exactive Orbitrap(商標)質量分析計によって検出する。
【0092】
サルの薬物動態学的研究では、雄及び雌のカニクイザルに、0.2mL/kgの体積のトリス-マンニトール緩衝液(pH8.0)中の20nmol/kg(0.084mg/kg)の化合物IIの単回皮下用量を投与する。薬物動態学的特性評価のために、投薬前及び投薬後1、3、6、12、24、48、72、96、120、144、168、240、336、408、504時間に血液を採取する。結果は、表6に示されている。
【表6】
【0093】
ラットの薬物動態学的研究では、雄のSprague Dawleyラットに、0.2mL/kgの体積のトリス-マンニトール緩衝液(pH8.0)中の20nmol/kg(0.084mg/kg)の化合物IIの単回皮下用量を投与する。薬物動態学的特性評価のために、投薬後1、3、6、12、24、48、72、96、120、及び144時間に血液を採取する。結果は、表7に示されている。
【表7】
【0094】
カニクイザルにおいて化合物IIによって示された半減期の延長は、化合物IIの週1回の用量による治療が患者において可能であることを示す。
【0095】
実施例6:他のインクレチン化合物と組み合わせた化合物IIの食事誘発性肥満(DIO)ラットにおけるインビボ効能
この研究は、GLP-1アゴニスト(化合物III)、オキシントモジュリン類似体(化合物IV)、並びにグルカゴン、GLP-1及びGIP(化合物V)のトリアゴニストを含む他のインクレチン化合物と組み合わせて投与したときの、DIOラットにおける糖尿病及び/又は肥満状態に対する化合物IIの効果を調査するために実施する。Lilly(TD95217;Teklad,Madison,WI)に到着してから高カロリー食を維持した食事誘発性肥満(DIO)の雄のLong Evans(Envigo)ラットを以下の研究に使用する。12時間の明/暗サイクル(2200点灯)と食物(TD95217)及び水への自由なアクセスとを有する温度制御された(24℃)施設で動物を個別に飼育する。
【0096】
動物の各々の実験群が同様の体重を有するように、ラットをそれらの体重に応じて無作為化する。体重は、529~823グラムの範囲である。
【0097】
各々の群は、5匹のラットを含む。ビヒクル及び化合物II(1nmol/kg)を、ビヒクル(40mMのトリス-HClpH8+0.02%のPS80)に溶解させ、14日間にわたって3日ごとに暗サイクルの開始の30~90分前に、自由にえさを与えたDIOラットに皮下(SC)注射(1mL/kg)によって投与する。1、4、7、10、及び13日目にSC注射を行う。研究を通して、体重及び食物摂取量を毎日測定する。体重の絶対変化は、分子の最初の注射の前の同じ動物の体重を差し引くことによって計算する。
【0098】
研究の最後に、血液を採取して血液グルコース及び血漿インスリンを測定する。血液グルコースは、AccuChek血糖測定器(Roche、Indianapolis,IN)によって測定する。インスリンは、ELISA(MSD、Rockville,MD)によって測定する。
【0099】
全てのデータは、群当たり5匹の動物の平均±SEMとして提示される。一方向ANOVAを使用して統計分析を実施し、続いて、Tukeyの多重比較試験を実施して、治療群をビヒクル群と又は相互に比較する。有意差は、p<0.05で特定される。
【表8】
【0100】
実施例7:GIP-GLPのアゴニストと組み合わせた化合物IIの類似体
この研究は、GIP及びGLP-1の二重アゴニストである化合物VI(配列番号9)とともに投与したときの、DIOラットにおける糖尿病及び/又は肥満状態に対する化合物IIの類似体の効果を調査するために実施する。Lilly(TD95217;Teklad,Madison,WI)に到着してから高カロリー食を維持した食事誘発性肥満(DIO)の雄のLong Evans(Envigo)ラットを以下の研究に使用する。12時間の明/暗サイクル(2200点灯)と食物(TD95217)及び水への自由なアクセスとを有する温度制御された(24℃)施設で動物を個別に飼育する。
【0101】
動物の各々の実験群が同様の体重を有するように、ラットをそれらの体重に応じて無作為化する。体重は、549~683グラムの範囲である。
【0102】
各々の群は、5匹のラットを含む。ビヒクル、及びビヒクル(10mMのトリス-HClpH7.5、(50mg/mLのD-マンニトール)+0.02%のPS80)に溶解した化合物II(1nmol/kg)を、14日間にわたって3日ごとに暗サイクルの開始の30~90分前に、自由にえさを与えたDIOラットに皮下(SC)注射(1mL/kg)によって投与する。1、4、7、10、及び13日目にSC注射を行う。研究を通して、体重及び食物摂取量を毎日測定する。体重の絶対変化は、分子の最初の注射の前の同じ動物の体重を差し引くことによって計算する。
【0103】
研究の最後に、血液を採取して血液グルコース及び血漿インスリンを測定する。血液グルコースは、AccuChek血糖測定器(Roche、Indianapolis,IN)によって測定する。インスリンは、ELISA(MSD、Rockville,MD)によって測定する。
【0104】
全てのデータは、群当たり5匹の動物の平均±SEMとして提示される。一方向ANOVAを使用して統計分析を実施し、続いて、Tukeyの多重比較試験を実施して、治療群をビヒクル群と又は相互に比較する。有意差は、p<0.05で特定される。
【表9】
【0105】
化合物VIと組み合わせた化合物IIの類似体は、個別の治療よりも多くの体重低下を引き起こしたが、これは主に、併用治療によって誘発された累積食物摂取量の有意な減少に起因すると考えられる。
【0106】
実施例8:免疫原性リスク評価
MAPPsアッセイ(MHC関連ペプチドプロテオミクス)
10人の正常なヒトドナーからの初代ヒト樹状細胞は、記載されているように、CD14+細胞の分離によるバフィーコートから調製し、5%の血清代替物(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A2596101)を含有する完全RPMI培地で20ng/mLのIL-4及び40ng/mLのGM-CSFとともに37℃及び5%のCO2で3日間インキュベートすることによって未成熟樹状細胞に分化させる(Knierman et al.,“The Human Leukocyte Antigen Class II Immunopeptidome of the SARS-CoV-2 Spike Glycoprotein”,Cell Reports,33,108454(2020))。4日目に3マイクロモルの試験抗体を約5×106細胞に添加し、細胞を成熟樹状細胞に形質転換するために5μg/mLのLPSを含有する新鮮な培地を5時間のインキュベーション後に交換する。翌日に、成熟細胞を、プロテアーゼ阻害剤及びDNAseを有する1mLのRIPA緩衝液中で溶解させる。ライセートを、サンプル分析まで-80℃で保存する。
【0107】
自動液体処理システムを使用して、ビオチン化抗汎HLAクラスII抗体(クローンTu39)を使用し、解凍したライセートからHLA-II分子を分離する。結合した受容体-ペプチド複合体を、5%酢酸、0.1%TFAで溶出する。溶出したMHC-IIペプチドを、高分子量タンパク質を除去するために、事前に洗浄した10k MWCOフィルターに通す。分離されたMHC-IIペプチドは、Thermo LUMOS質量分析計を備えたThermo easy 1200 nLC-HPLCシステムを使用して、ナノLC/MSによって分析する。この分離では、75μm×7cmのYMC-ODS C18カラムを使用し、流速250nL/分、A溶媒として0.1%ギ酸水溶液、B溶媒として0.1%ギ酸を含む80%アセトニトリルで65分間のグラジエントを行った。質量分析は、解像度240,000のフルスキャンモードで実行し、続いて、HCD及びEThcDフラグメンテーションによるイオントラップ型ラピッドスキャンで構成される3秒のデータ依存型MS/MSサイクルを実行する。
【0108】
ペプチドの同定は、試験抗体配列を含むウシ/ヒトデータベースに対する酵素検索パラメータのない複数の検索アルゴリズムを使用し、内部プロテオミクスパイプライン(Higgs et al.,“Label-free LC-MS method for the identification of biomarkers”,Methods in Molecular Biology,428, 209-230(2008))によって生成される。KNIMEワークフローは、サンプルの識別ファイルを処理するために使用される。試験品から同定されたペプチドは、親配列に対して整列される。非生殖細胞残基を表示するドナーの割合、非生殖細胞残基を含むペプチドを表示する異なる領域の数、及び非生殖細胞残基を含む各領域でのペプチド表示の深さを注釈する全てのドナーの要約を作成する。非生殖細胞系ペプチドの表示の程度の増加は、免疫原性のリスクの増加と関連している。化合物IIについての結果は、表9に示されており、化合物IIに関連する低レベルの免疫原性リスクを示唆している。
【表10】
【0109】
T細胞増殖アッセイ
このアッセイは、記載されているように、細胞増殖を誘導することによるCD4+T細胞を活性化する試験候補の能力を評価する(Walsh et al.,“Post-hoc assessment of the immunogenicity of three antibodies reveals distinct immune stimulatory mechanisms”,mAbs,12,1764829(2020))。10人の健康なドナーからの凍結保存したPBMCを使用し、CD8+T細胞をPBMCから枯渇させ、1μMのカルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE)で標識した。PBMCを、5%のCTS(商標)Immune Cell SR(Gibco、カタログ番号A2596101)を含有するAIM-V培地(Life Technologies、カタログ番号12055-083)に4×10
6細胞/ml/ウェルで播種し、様々な試験物質、培地対照、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH;陽性対照)、リキシセナチド(アッセイ陽性対照)、又は化合物IIを含有する2.0mLにおいて3連で試験した。細胞を培養し、5%のCO
2、37℃で7日間インキュベートした。7日目に、ハイスループットサンプラー(HTS)を装備したBD LSRFortessa(商標)を使用したフローサイトメトリーによる生存率検出のために、サンプルを以下の細胞表面マーカーで染色した:抗CD3、抗CD4、抗CD14、抗CD19、及びDAPI。FlowJo(登録商標)ソフトウェア(FlowJo、LLC、TreeStar)を使用してデータを分析し、細胞分裂指数(CDI)を計算した。簡潔に述べると、各々の試験候補のMAPPs由来ペプチドクラスタについてのCDIは、ペプチド刺激されたウェルからの増殖しているCFSE
dimCD4+T細胞のパーセントを、刺激されていないウェルにおける増殖しているCFSE
dimCD4+T細胞のパーセントで割ることによって計算した。2.5超のCDIは、陽性応答を表すと考えられた。全てのドナーにわたるドナー頻度の割合を評価した。ドナー全員が、KLHに対して陽性のT細胞応答を示した(100%)。臨床免疫原性陽性対照リキシセナチドは、この研究でコホートの50%の陽性T細胞応答を誘発した。これは、このアッセイの予想範囲内である(40~90%の陽性ドナー頻度)。化合物IIについての結果は、表10に示されており、化合物IIについての低レベルの免疫原性リスクを示唆している。
【表11】
【0110】
配列
化合物I(配列番号1)
アセチル-ASHLSTAVLGKLS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH2
化合物II(配列番号2)
アセチル-ASHLSTAVLGK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γ-Glu)-CO-(CH2)18-CO2H)LS-Aib-ELHKLEDYPRTDVGAESP-NH2
プラムリンチド(配列番号3)
KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY-NH2
Cys2とCys7との間にジスルフィド結合を有する
ヒトカルシトニン(配列番号4)
CGNLSTCMLGTYTQDFNKFHTFPQTAIGVGAP-NH2
Cys1とCys7との間にジスルフィド結合を有する
ヒトアミリン(配列番号5)
KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGAILSSTNVGSNTY-NH2
Cys2とCys7との間にジスルフィド結合を有する
化合物III(配列番号6)
H-Aib-EGTFTSDVSSYLEGQAAK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)-CO-(CH2)16-CO2H)EFIAWLVRGRG
化合物IV(配列番号7)
H-Aib-QGTFTSDYSKYLDEKKAK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)-CO-(CH2)18-CO2H)EFVEWLLEGGPSSG-NH2
化合物V(配列番号8)
Y-Aib-QGTFTSDYSI-αMeL-LDKK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH2)18-CO2H)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH2
化合物VI(配列番号9)
Y-Aib-EGTFTSDYSI-Aib-LDKIAQK((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)2-CO-(CH2)18-CO2H)A-(1Nal)-VQWLIAGGPSSGAPPPS-NH2
化合物VII(配列番号10)
YX1EGTFTSDYSIX2LDKIAQKAFVQWLIAGGPSSGAPPPS
式中、X1はAibであり、X2はAibであり、20位のKは、(2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)1-CO-(CH2)18-CO2HでのK側鎖のイプシロン-アミノ基へのコンジュゲーションを通じて化学的に修飾され、C末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
CAS登録番号:2023788-19-2
リキシセナチド(配列番号11)
HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPSKKKKKK-NH2
CAS登録番号:320367-13-3
化合物VIII(配列番号12)
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAK(γGlu-CO-(CH2)14-CH3)EFIAWLVRGRG
CAS登録番号:204656-20-2
化合物IX(配列番号13)
デュラグルチドは、ヒトGLP-1受容体アゴニストであり、そのC末端で、免疫グロブリンのFc部分の類似体のN末端にペプチドリンカーを介して融合しているGLP-l類似体の二量体を含み、CAS登録番号923950-08-7として同定され、以下の化学名を提供する:免疫グロブリンG4(合成ヒトFc断片)を含む、ペプチド(合成16-アミノ酸リンカー)融合タンパク質を含む、7-37-グルカゴン様ペプチドI[8-グリシン、22-グルタミン酸、36-グリシン](合成ヒト)融合タンパク質、二量体。デュラグルチドの各々のモノマーは、配列番号13に記載されているアミノ酸配列を有する:
HGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGGGGGSGGGGSGGGGSAESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【配列表】