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特許7569498画像形成システムおよびプリントサーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】画像形成システムおよびプリントサーバー
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241010BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241010BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241010BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G06F3/12 350
G06F3/12 303
G06F3/12 331
G06F3/12 385
B41J29/38 201
H04N1/00 127A
H04N1/387 700
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020181157
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071989
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】馬場 政樹
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-129255(JP,A)
【文献】特開2017-129998(JP,A)
【文献】特開2010-102398(JP,A)
【文献】特開2013-121681(JP,A)
【文献】特開2002-055790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先給紙元設定機能を有する画像形成装置と、
所定の画像処理を実行し画像処理後の画像データを前記画像形成装置に送信し前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを前記画像形成装置に実行させるプリントサーバーとを備え、
前記プリントサーバーは、(a)前記画像形成装置から優先給紙元設定の設定値を取得し、(b)取得した前記設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、(c)前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成し、
前記画像形成装置は、(a)前記プリントサーバーから前記画像処理後の画像データを受信し、(b)前記優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙に、前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを実行し、
前記プリントサーバーは、プリント要求における給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されていない場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得し、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得せず、
前記プリントサーバーは、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記プリント要求における前記給紙元設定に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
優先給紙元設定機能を有する画像形成装置と、
所定の画像処理を実行し画像処理後の画像データを前記画像形成装置に送信し前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを前記画像形成装置に実行させるプリントサーバーとを備え、
前記プリントサーバーは、(a)前記画像形成装置から優先給紙元設定の設定値を取得し、(b)取得した前記設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、(c)前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成し、
前記画像形成装置は、(a)前記プリントサーバーから前記画像処理後の画像データを受信し、(b)前記優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙に、前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを実行し、
前記優先給紙元設定の設定値は、前記画像形成装置においてSNMPのMIBオブジェクトとして公開されており、
前記プリントサーバーは、SNMPを使用して、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
所定の画像処理を実行し画像処理後の画像データを画像形成装置に送信し前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを前記画像形成装置に実行させるプリントサーバーにおいて、
前記画像形成装置から優先給紙元設定の設定値を取得する給紙設定取得部と、
取得した前記設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成する画像処理部と、
を備え、
前記給紙設定取得部は、プリント要求における給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されていない場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得し、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得せず、
前記画像処理部は、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記プリント要求における前記給紙元設定に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成すること、
を特徴とするプリントサーバー。
【請求項4】
所定の画像処理を実行し画像処理後の画像データを画像形成装置に送信し前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを前記画像形成装置に実行させるプリントサーバーにおいて、
前記画像形成装置から優先給紙元設定の設定値を取得する給紙設定取得部と、
取得した前記設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成する画像処理部と、
を備え、
前記優先給紙元設定の設定値は、前記画像形成装置においてSNMPのMIBオブジェクトとして公開されており、
前記給紙設定取得部は、SNMPを使用して、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得すること、
を特徴とするプリントサーバー。
【請求項5】
前記画像処理部は、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きが、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きとなるように画像回転を行い、前記画像回転後に前記画像処理を実行することを特徴とする請求項3または請求項4記載のプリントサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよびプリントサーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成システムにおいて、Fieryサーバーなどといったプリントサーバーは、ラスタライズ処理、ハーフトーン処理などの所定の画像処理を画像形成装置(プリンター、複合機など)の代わりに行い、画像処理後の画像データをその画像形成装置に送信し、画像形成装置は、その画像データを受信すると、その画像処理を実行せずに、受信した画像データに基づくプリントを実行し、プリント生成物を出力する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-197244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置は、優先給紙元設定機能を有するものがある。優先給紙元設定機能では、複数の給紙元(給紙トレイなど)から、ユーザーにより選択された、あるいは自動的に設定された給紙元からプリント用紙が優先的に給紙されてプリントに使用される。
【0005】
そのため、上述のように、画像形成装置がプリントサーバーからの画像処理後の画像データをそのまま使用してプリントを実行する場合、その画像データに基づくプリント画像の向きと、優先給紙元設定機能により現時点で選択されている給紙元のプリント用紙の向きとが一致していないときには、画像形成装置ではプリントサーバーからの画像処理後の画像データに対して回転処理を行えないため、プリントが実行されずにエラー終了してしまう。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、優先給紙元設定機能を有する画像形成装置の代わりにプリントサーバーが所定の画像処理を実行しその画像形成装置にプリントを実行させる場合における優先給紙元設定に起因するエラー終了を抑制する画像形成システムおよびその画像形成システムに使用可能なプリントサーバーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、優先給紙元設定機能を有する画像形成装置と、所定の画像処理を実行し画像処理後の画像データを前記画像形成装置に送信し前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを前記画像形成装置に実行させるプリントサーバーとを備える。そして、前記プリントサーバーは、(a)前記画像形成装置から優先給紙元設定の設定値を取得し、(b)取得した前記設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、(c)前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成し、前記画像形成装置は、(a)前記プリントサーバーから前記画像処理後の画像データを受信し、(b)前記優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙に、前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを実行する。さらに、次の(A)および(B)の少なくとも一方の構成を備える。(A)前記プリントサーバーは、プリント要求における給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されていない場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得し、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得せず、また、前記プリントサーバーは、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記プリント要求における前記給紙元設定に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成する。(B)前記優先給紙元設定の設定値は、前記画像形成装置においてSNMPのMIBオブジェクトとして公開されており、前記プリントサーバーは、SNMPを使用して、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得する。
【0008】
本発明に係るプリントサーバーは、所定の画像処理を実行し画像処理後の画像データを画像形成装置に送信し前記画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを前記画像形成装置に実行させるプリントサーバーであり、前記画像形成装置から優先給紙元設定の設定値を取得する給紙設定取得部と、取得した前記設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成する画像処理部とを備える。さらに、次の(A)および(B)の少なくとも一方の構成を備える。(A)前記給紙設定取得部は、プリント要求における給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されていない場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得し、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得せず、前記画像処理部は、前記プリント要求における前記給紙元設定で、前記画像形成装置における特定の給紙元が指定されている場合には、前記プリント要求における前記給紙元設定に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、前記画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定した前記プリント用紙向きに対応する向きに合わせて、前記画像処理後の画像データを生成する。(B)前記優先給紙元設定の設定値は、前記画像形成装置においてSNMPのMIBオブジェクトとして公開されており、前記給紙設定取得部は、SNMPを使用して、前記画像形成装置から前記優先給紙元設定の設定値を取得する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、優先給紙元設定機能を有する画像形成装置の代わりにプリントサーバーが所定の画像処理を実行しその画像形成装置にプリントを実行させる場合における優先給紙元設定に起因するエラー終了を抑制する画像形成システムおよびその画像形成システムに使用可能なプリントサーバーが得られる。
【0010】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1におけるプリントサーバー3の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すシステムは、画像形成装置1と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介して画像形成装置1に接続されているプリントサーバー3と、端末装置4とを備える。
【0015】
画像形成装置1は、プリンター、複合機などといったプリント機能を有する装置であって、複数の給紙元(給紙トレイなどといった給紙部21a)を備える。画像形成装置1は、優先給紙元設定機能を有し、その複数の給紙元から、ユーザーにより選択された、あるいは自動的に設定された給紙元のプリント用紙を給紙搬送しプリントに使用する。
【0016】
プリントサーバー3は、デジタルフロントエンドであって、所定の画像処理(ラスタライズ処理、ハーフトーン処理など)を実行し画像処理後の画像データを、ネットワーク2を介して画像形成装置1に送信し、その画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを画像形成装置1に実行させる。
【0017】
なお、画像形成装置1は、上述の所定の画像処理(ラスタライズ処理、ハーフトーン処理など)を行う画像処理部を備えるが、プリントサーバー3から、画像処理後の画像データを受信すると、その画像処理を実行せずに、その画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを実行する。
【0018】
プリントサーバー3は、画像形成装置1において上述の画像処理を実行可能な演算処理装置より高速な演算処理装置で、上述の画像処理を実行する。したがって、画像形成装置1の代わりにプリントサーバー3で上述の画像処理を実行する場合、プリント処理(プリントに必要な画像処理およびプリント)が短時間で実行される。
【0019】
端末装置4は、スマートフォンなどといった携帯端末装置、パーソナルコンピューターなどであって、プリント要求をプリントサーバー3に送信可能となっており、プリントサーバー3にプリント要求を送信可能となっている。
【0020】
そして、画像形成装置1は、プリント装置21、通信装置22、記憶装置23、コントローラー24を備える。
【0021】
プリント装置21は、電子写真方式などの所定プリント方式の内蔵プリントエンジンで画像をプリント用紙にプリントする。プリント装置21は、プリントに使用するプリント用紙の給紙元として指定可能な複数の給紙部21aを備える。つまり、プリント装置21は、複数の給紙部21aから選択されている給紙部21aのプリント用紙を給紙搬送し、そのプリントエンジンで画像のプリントをプリント用紙に対して行う。
【0022】
また、通信装置22は、例えば、ネットワーク2に接続されるネットワークインターフェイスであって、ネットワーク2に接続された他の装置(プリントサーバー3など)とデータ通信を行う回路である。
【0023】
また、記憶装置23は、各種データやプログラムを格納可能な装置である。記憶装置23としては、不揮発性メモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の大容量記憶媒体が使用される。記憶装置23には、プリント設定データ23aが記憶されている。プリント設定データ23aは、プリント装置21の各種設定項目についての現在の設定値を有し、優先給紙元設定の設定値を含む。
【0024】
コントローラー24は、ジョブ処理部31および通信処理部32を備える。コントローラー24は、コンピューターおよび/またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)といった演算処理装置を備え、その演算処理装置でソフトウェア処理および/またはハードウェア処理を実行することで、ジョブ処理部31および通信処理部32として動作する。なお、そのコンピューターは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備え、ROMや記憶装置23などからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、ソフトウェア処理を実行する。
【0025】
ジョブ処理部31は、プリントサーバー3から画像処理後の画像データを受信すると、プリント装置21を制御して、その画像データに基づく画像のプリントを実行する。その際、プリント装置21は、優先給紙元設定の設定値に対応する給紙部21aのプリント用紙をプリントに使用する。
【0026】
通信処理部32は、所定の通信プロトコルで、通信装置22を使用してプリントサーバー3などとデータ通信を行う。
【0027】
例えば、通信処理部32は、プリント設定データ23aにおける優先給紙元設定の設定値を、SNMP(Simple Network Management Protocol)のMIB(Management Information Base)オブジェクトとして公開し、SNMPに従って要求に応じて、MIBオブジェクトとしての優先給紙元設定の設定値を送信する。
【0028】
また、プリントサーバー3は、通信装置41、操作パネル42、および演算処理装置43を備える。
【0029】
通信装置41は、例えば、ネットワーク2に接続されるネットワークインターフェイスであって、ネットワーク2に接続された他の装置(画像形成装置1、端末装置4など)とデータ通信を行う回路である。
【0030】
また、操作パネル42は、プリントサーバー3の筐体表面に配置され、ユーザーに対して各種情報を表示する表示装置42aと、ユーザー操作を検出する入力装置42bとを備える。表示装置42aとしては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置42bとしては、ハードキー、タッチパネルなどが使用される。
【0031】
演算処理装置43は、コンピューターおよび/またはASICといった演算処理装置を備え、その演算処理装置でソフトウェア処理および/またはハードウェア処理を実行することで、ジョブ管理部51、給紙設定取得部52、および画像処理部53として動作する。
【0032】
ジョブ管理部51は、プリント要求(操作パネル42に対するユーザー操作に基づくプリント要求、端末装置4から受信されたプリント要求など)を受け付け、プリント要求により指定される対象画像および設定情報に基づいて、画像処理部53による所定の画像処理後の対象画像の画像データを、通信装置41を使用して、プリント要求により指定される画像形成装置1に送信する。
【0033】
なお、操作パネル42に対するユーザー操作に基づくプリント要求の場合、ジョブ管理部51は、通信装置41や図示せぬ周辺機器インターフェイスを使用して、ユーザー操作で指定されたネットワーク2上のサーバー、ユーザー操作で指定された例えばUSBメモリーなどといったポータブルストレージなどから、対象画像のデータ(ページ記述言語で記述されたデータなど)を取得する。
【0034】
給紙設定取得部52は、ネットワーク2を介して、画像形成装置1から優先給紙元設定の設定値を取得する。
【0035】
給紙設定取得部52は、上述のプリント要求における給紙元設定で、画像形成装置1における特定の給紙元が指定されていない場合には、画像形成装置1から優先給紙元設定の設定値を取得し、上述のプリント要求における給紙元設定で、画像形成装置1における特定の給紙元が指定されている場合には、画像形成装置1から優先給紙元設定の設定値を取得しない。
【0036】
この実施の形態では、優先給紙元設定の設定値は、画像形成装置1においてSNMPのMIBオブジェクトとして公開されており、給紙設定取得部52は、SNMPを使用して、画像形成装置1から優先給紙元設定の設定値を取得する。
【0037】
画像処理部53は、所定の画像処理(ハーフトーン処理など)を画像形成装置1の代わりに実行する。
【0038】
さらに、画像処理部53は、画像形成装置1から取得した設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定したプリント用紙向きに対応する向きに合わせて、画像処理後の画像データを生成する。
【0039】
プリント要求における給紙元設定で、画像形成装置1における特定の給紙元が指定されている場合には、画像処理部53は、プリント要求における給紙元設定に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定したプリント用紙向きに対応する向きに合わせて、画像処理後の画像データを生成する。
【0040】
この実施の形態では、画像処理部53は、画像処理後の画像データに基づく画像の向きが、特定したプリント用紙向きに対応する向きとなるように画像回転を行い、画像回転後に上述の画像処理を実行する。
【0041】
なお、画像処理部53は、ラスタライズ処理を実行可能であって、ページ記述言語で記述されたプリント要求から対象画像のラスター画像データを生成し、そのラスター画像データに対して、上述の画像回転や画像処理を実行するようにしてもよい。
【0042】
また、プリントサーバー3における図示せぬ不揮発性記憶装置には、画像形成装置1の給紙部21aの情報(各給紙部21aについての識別子、収容される用紙のサイズや向きなど)が予めインストールされており、画像処理部53は、その情報を参照し、画像形成装置1の給紙部21aの用紙サイズおよび用紙向きを特定する。
【0043】
次に、上記システムの動作について説明する。図2は、図1におけるプリントサーバー3の動作について説明するフローチャートである。
【0044】
プリントサーバー3では、ジョブ管理部51は、操作パネル42に対するユーザー操作に基づくプリント要求または端末装置4から受信されたプリント要求などを受け付けると(ステップS1)、そのプリント要求における給紙元設定が「オート」であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0045】
そのプリント要求における給紙元設定が「オート」である場合(つまり、画像形成装置1における特定の給紙元が指定されていない場合)、ジョブ管理部51は、優先給紙元設定の設定値の取得を給紙設定取得部52に実行させる。したがって、そのプリント要求における給紙元設定が「オート」である場合、給紙設定取得部52は、画像形成装置1から優先給紙元設定の設定値を取得する(ステップS3)。
【0046】
ジョブ管理部51は、取得された設定値に基づいて、画像形成装置1の優先給紙元設定で指定されている給紙部21aのプリント用紙向きを特定し、そのプリント用紙向きと、対象画像の向きとに基づいて、対象画像の画像回転が必要であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0047】
対象画像の画像回転が必要であると判定した場合、ジョブ管理部51は、画像回転および所定の画像処理(ハーフトーン処理など)を実行させる。したがって、この場合、画像処理部53は、対象画像の画像回転(90度または270度の画像回転)を実行し(ステップS5)、その後、回転後の対象画像に対する所定の画像処理を実行する(ステップS6)。
【0048】
一方、上述のプリント要求における給紙元設定で、画像形成装置1における特定の給紙元が指定されている場合には、優先給紙元設定の設定値の取得などの処理(ステップS3~S5の処理)は実行されず、画像処理が実行される(ステップS6)。
【0049】
また、ステップS4において、対象画像の画像回転が必要ではないと判定された場合、画像回転を実行せずに画像処理が実行される(ステップS6)。
【0050】
そして、画像処理が完了すると、ジョブ管理部51は、通信装置41を使用して、画像処理後の画像データを画像形成装置1に送信する(ステップS7)。
【0051】
画像形成装置1では、通信処理部32がその画像データを受信すると、ジョブ処理部31は、その画像データに対して画像回転や画像処理を実行せずに、プリント装置21で、その画像データに基づく画像のプリントを実行する。
【0052】
以上のように、上記実施の形態によれば、プリントサーバー3は、(a)画像形成装置1から優先給紙元設定の設定値を取得し、(b)取得した設定値に基づいて、優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙向きを特定し、(c)画像処理後の画像データに基づく画像の向きを、特定したプリント用紙向きに対応する向きに合わせて、画像処理後の画像データを生成し、画像形成装置1は、(a)プリントサーバー3から画像処理後の画像データを受信し、(b)優先給紙元に指定されている給紙元のプリント用紙に、画像処理後の画像データに基づく画像のプリントを実行する。
【0053】
これにより、ユーザーにより特定の給紙元が指定されておらず、また、優先給紙元設定機能によって、プリントに使用されるプリント用紙を実際に給紙する給紙元が動的に変化する可能性があっても、現時点で実際に使用される給紙元がプリントサーバー3により特定されるため、優先給紙元設定に起因するエラー終了が抑制される。
【0054】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、例えば、デジタルフロントエンドとしてのプリントサーバーなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 画像形成装置
3 プリントサーバー
52 給紙設定取得部
53 画像処理部
図1
図2