(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
G01R 11/56 20060101AFI20241010BHJP
G01R 21/133 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01R11/56 A
G01R21/133 E
(21)【出願番号】P 2021009592
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】増川 一幸
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-182293(JP,A)
【文献】特開昭62-087871(JP,A)
【文献】特開2006-234570(JP,A)
【文献】特開2004-279321(JP,A)
【文献】特開2004-125561(JP,A)
【文献】特開2006-238664(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2012-0029567(KR,A)
【文献】特開2018-046663(JP,A)
【文献】特開2014-059245(JP,A)
【文献】特開2012-029414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 11/00-11/66、
21/00-22/10、
35/00-35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電流を複数系統から受電する受電方式での受電量を計量する電力量計であって、
系統ごとの電力の送受電量を計量する計量手段と、前記計量手段が系統ごとに計量した電力を合成する合成手段と、前記合成手段が合成した電力である合成電力を積算すべきか否か判定する判定部と、正潮流用積算部と、を備え、
前記判定部は、前記合成電力が送電側から見て正潮流である場合に、前記合成電力を積算すべきと判定し、
前記正潮流用積算部は、前記判定部が積算すべきと判定した前記合成電力を積算するよう構成される電力量計。
【請求項2】
前記判定部は、前記合成電力のうちの有効電力成分が送電側から見て正潮流であるか逆潮流であるかを判定する潮流判定部と、前記合成電力のうちの無効電力成分が送電側から見て遅れであるか進みであるかを判定する無効種別判定部と、前記潮流判定部及び前記無効種別判定部の判定結果に基づいて前記合成電力を積算すべきか否か判定する積算判定部と、を備え、
前記積算判定部は、前記有効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定したときに、該有効電力成分を積算すべきと判定し、前記無効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定、かつ、前記無効種別判定部が遅れと判定したときに、該無効電力成分を積算すべきと判定し、
前記正潮流用積算部は、前記積算判定部で積算すべきと判定された有効電力成分及び前記積算判定部で積算すべきと判定された無効電力成分をそれぞれ積算するよう構成される請求項1に記載の電力量計。
【請求項3】
前記合成電力を積算する積算部を備え、
前記積算部は、受電する電力を積算する前記正潮流用積算部と、送電する電力を積算する逆潮流用積算部と、を備え、
前記積算判定部は、前記有効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定したときに前記正潮流用積算部で該有効電力成分を積算すべきと、前記潮流判定部が逆潮流と判定したときに前記逆潮流用積算部で該有効電力成分を積算すべきと判定し、前記無効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定、かつ、前記無効種別判定部が遅れと判定したときに前記正潮流用積算部で該無効電力成分を積算すべきと判定するよう構成される請求項2に記載の電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を積算して計量する電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計として、特許文献1に記載のような電力量計が知られている。電力量計は、有効電力の潮流の正逆を判定して、有効電力に比例した周波数のパルスを正逆別々に出力する有効電力周波数変換器と、無効電力の進み・遅れを判定して、無効電力に比例した周波数のパルスを進み・遅れ別々に出力する無効電力周波数変換器と、コントロール回路と、各周波数変換器が出力したパルスをそれぞれカウントする計量カウンタと、コントロール回路の判定結果により、無効電力周波数変換器のパルスをカウントする計量カウンタを切り替える切替スイッチと、を備える。コントロール回路は、有効電力の正・逆、及び、無効電力の進み・遅れの状態から、無効電力が正・進み、正・遅れ、逆・進み、逆・遅れのいずれの状態であるかを判定する。
【0003】
上記のような構成の電力量計によれば、有効電力について、有効電力周波数変換器が正逆別々に出力したパルスを計量カウンタがカウントするので、正潮流の電力量と逆潮流の電力量をカウントできる。また、無効電力について、コントロール回路の判定によって、切替スイッチにより無効電力周波数変換器の出力したパルスを計量する計量カウンタが切り替えられるので、正・進み、正・遅れ、逆・進み、逆・遅れの無効電力量をそれぞれ計量することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、需要家が送電系統から受電する際には、冗長性を高める等の目的で、複数系統から並行して受電する場合がある。このような受電方式を採用する需要家が、発電設備を有する場合や、複数系統が需要家の構内で電気的に接続され、複数の送電系統間にループ電流が生じる場合には、複数系統のうち、1系統で受電、他の1系統で送電する状態となることがある。
【0006】
上記のような場合に、特許文献1に記載のように、受電する電力を系統ごとに計量したとしても、例えば、1系統が受電、他の1系統が送電の場合には、複数系統全体で送電状態なのか受電状態なのかが判別できない。そのため、受電する電力のみを課金対象として計量することができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、複数系統から受電する場合であっても、複数系統全体で受電する電力のみを課金対象として積算できる電力量計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる電力量計は、交流電流を複数系統から受電する受電方式での受電量を計量する電力量計であって、系統ごとの電力の送受電量を計量する計量手段と、前記計量手段が系統ごとに計量した電力を合成する合成手段と、前記合成手段が合成した電力である合成電力を積算すべきか否か判定する判定部と、正潮流用積算部と、を備え、前記判定部は、前記合成電力が送電側から見て正潮流である場合に、前記合成電力を積算すべきと判定し、前記正潮流用積算部は、前記判定部が積算すべきと判定した前記合成電力を積算するよう構成される。
【0009】
かかる構成によれば、判定部は、合成電力が正潮流である場合に合成電力を積算すべきと判定するので、正潮流用積算部は、正潮流の合成電力を積算する。よって、系統全体で受電する電力のみを積算できる。
【0010】
また、前記判定部は、前記合成電力のうち、有効電力成分が送電側から見て正潮流であるか逆潮流であるかを判定する潮流判定部と、前記合成電力のうち無効電力成分が送電側から見て遅れであるか進みであるかを判定する無効種別判定部と、前記潮流判定部及び前記無効種別判定部の判定結果に基づいて前記合成電力を積算すべきか否か判定する積算判定部と、を備え、前記積算判定部は、前記有効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定したときに積算すべきと判定し、前記無効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定、かつ、前記無効種別判定部が遅れと判定したときに積算すべきと判定し、前記正潮流用積算部は、前記有効電力成分及び前記無効電力成分をそれぞれ積算するよう構成することもできる。
【0011】
かかる構成によれば、判定部は、合成電力のうち、有効電力成分が正潮流の場合に、有効電力成分を積算すべきと判定し、有効電力成分が正潮流且つ無効電力成分が遅れのときに無効電力成分を積算すべきと判定するので、受電状態の有効電力及び遅れ無効電力を積算することができる。
【0012】
また、前記合成電力を積算する積算部を備え、前記積算部は、前記正潮流用積算部と、逆潮流用積算部と、を備え、前記積算判定部は、前記有効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定したときに前記正潮流用積算部で積算すべきと、前記潮流判定部が逆潮流と判定したときに前記逆潮流用積算部で積算すべきと判定し、前記無効電力成分について、前記潮流判定部が正潮流と判定、かつ、前記無効種別判定部が遅れと判定したときに前記正潮流用積算部で積算すべきと判定するよう構成することもできる。
【0013】
かかる構成によれば、積算部は、正潮流用積算部と逆潮流用積算部とを備え、判定部は、合成有効電力が逆潮流の場合の有効電力成分を逆潮流用積算部で積算すべきと判定するので、逆潮流の電力を正潮流の電力と切り分けて積算することができる。よって、系統全体で受電する電力と系統全体で送電する電力の両方を積算することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数系統から受電する場合であっても、複数系統全体で受電する電力のみを課金対象として積算できる電力量計を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の電力量計が使用される状態を示す図である。
【
図4】(a)同電力量計の潮流判定部の動作を示す図である。(b)同電力量計の無効種別判定部の動作を示す図である。
【
図5】同電力量計の積算判定部の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る電力量計1について
図1乃至
図5を用いて説明する。以下説明において、送電側とは、正潮流時に送電をする側を指し、受電側とは、正潮流時に受電をする側を指す。
【0017】
まず、本実施形態の電力量計1が使用される場面について
図1を用いて説明する。本発明の電力量計1は、複数の電力系統から交流電流を受電する場合に使用される。本実施形態では、2系統から受電する場合について説明する。
【0018】
図1に示すように、需要家は、第一系統PL1及び第二系統PL2から電力を受電している。また、需要家の構内に設けられる母線Bによって、第一系統PL1及び第二系統PL2が電気的に接続されている。このような受電方式によれば、一系統が停電した場合でも、他系統から受電できるため、冗長性を高めることができる。また、このような受電方式において、通常時(第一系統PL1及び第二系統PL2のいずれも停電していない時)に、需要家は、第一系統PL1から受電する電力量I1及び第二系統PL2から受電する電力量I2を合わせた電力量I3を受電している。本実施形態の電力量計1は、受電する電力量I3を積算する。
【0019】
需要家が受電する電力量I3について説明する。電力量I3は、需要家が受電している時には、正となり、需要家が送電している時には負となる。具体的に、需要家が消費する電力を電力系統(第一系統PL1及び第二系統PL2)から受電している時には、受電する電力量I3は正の値となる。また、需要家の設備で発電がされ、発電された電力が電力系統(第一系統PL1及び第二系統PL2)に流入している時には、受電する電力量I3は負の値となる。即ち、受電する電力量I3が正の値のときには、需要家が受電している正潮流の状態であり、受電する電力量I3が負の値のときには、需要家が送電している逆潮流の状態である。
【0020】
需要家が受電する電力量I3が正の値(正潮流)のとき、第一系統PL1から受電する電力量I1及び第二系統PL2から受電する電力量I2は、少なくとも一方が正の値となる。具体的に、需要家が受電している状態(正潮流の状態)のとき、電力量I1及び電力量I2がいずれも正の値、又はいずれか一方が正の値である。また、電力量I1及び電力量I2のいずれか一方が正の値、他方が負の値のとき(例えば、第一系統PL1から受電する電力量I1が、需要家の設備及び第二系統PL2に流入している場合)には、電力量I1及び電力量I2を足した値が正の値であれば、需要家が受電している状態である。
【0021】
需要家が受電する電力量I3が負の値のとき、第一系統PL1から受電する電力量I1及び第二系統PL2から受電する電力量I2は、少なくとも一方が負の値となる。具体的に、需要家が送電している状態(逆潮流の状態)のとき、電力量I1及び電力量I2がいずれも負の値、又はいずれか一方が負の値である。また、電力量I1及び電力量I2のいずれか一方が負の値、他方が正の値のとき(例えば、第一系統PL1から受電する電力及び需要家が発電した電力が第二系統PL2に流入している場合)には、電力量I1及び電力量I2を足した値が負の値であれば、需要家が送電している状態である。
【0022】
第一系統PL1から受電する電力量I1及び第二系統PL2から受電する電力量I2がいずれも正の値(第一系統PL1及び第二系統PL2のいずれも正潮流)の場合には、需要家が受電する電力量I3は、正の値(正潮流)である。また、第一系統PL1から受電する電力量I1及び第二系統PL2から受電する電力量I2がいずれも負の値(第一系統PL1及び第二系統PL2のいずれも逆潮流)の場合には、需要家が受電する電力量I3は、負の値(逆潮流)である。一方、第一系統PL1から受電する電力量I1及び第二系統PL2から受電する電力量I2について、いずれか一方が正の値(いずれか一方の系統が正潮流)、かつ、いずれか他方が負の値(いずれか他方の系統が逆潮流)の場合には、需要家が受電する電力量I3は、正の値又は負の値(正潮流又は逆潮流)となる。
【0023】
上記のような受電方式において、需要家が受電する電力量I3を積算する電力量計1について説明する。
図1に示すように、電力量計1は、第一系統PL1の送電線と母線Bの間及び第二系統PL2の送電線と母線Bの間のそれぞれに設けられた計器用変成器(VCT)に電気的に接続されている。なお、計器用変成器(VCT)の構成は、公知の計器用変成器の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、電力量計1は、系統ごとの電力の送受電量を計量する計量手段2と、計量手段2が計量した電力を合成する合成手段3と、合成手段3が合成した電力である合成電力を積算すべきか否か判定する判定部4と、判定部4が積算すべきと判定した合成電力を積算する積算部5と、を備える。本実施形態で、計量手段2は、第一系統PL1側と第二系統PL2側にそれぞれ設けられる。
【0025】
計量手段2は、各系統から受電する電力量を計量する正潮流発振器2aと、各系統に流入する電力量を計量する逆潮流発振器2bと、を備える。本実施形態で、計量手段2は、計量した電力量に比例した周波数のパルスを発振する。また、計量手段2は、第一系統PL1側に設けられる計器用変成器(VCT)に接続される第一計量手段21と、第二系統PL2側の計器用変成器(VCT)に接続される第二計量手段22と、を備える。即ち、第一計量手段21は、第一系統PL1から受電する電力量を計量し、第二計量手段22は、第二系統PL2から受電する電力量を計量する。
【0026】
正潮流発振器2aは、正潮流の有効電力量と、送電側から見て遅れの無効電力量と、を計量する。具体的に、正潮流発振器2aは、第一計量手段21及び第二計量手段22にそれぞれ設けられる。第一計量手段21としての正潮流発振器2aは、第一系統PL1から受電する電力量I1のうち、正潮流時の有効電力量である第一正潮流有効電力量W1と、送電側から見て遅れの無効電力量である第一遅れ無効電力量Q1と、を計量する。第二計量手段22としての正潮流発振器2aは、第二系統PL2から受電する電力量I2のうち、正潮流時の有効電力量である第二正潮流有効電力量W2と、送電側から見て遅れの無効電力量である第二遅れ無効電力量Q2と、を計量する。また、本実施形態の正潮流発振器2aは、複合発振装置である。さらに、本実施形態の正潮流発振器2aは、逆潮流の有効電力量及び送電側から見て進みの無効電力量は計量しない。即ち、本実施形態で、第一正潮流有効電力量W1及び第二正潮流有効電力量W2、並びに、第一遅れ無効電力量Q1及び第二遅れ無効電力量Q2がマイナスの値になることはない。
【0027】
逆潮流発振器2bは、逆潮流の有効電力量と、送電側から見て進みの無効電力量と、を計量する。具体的に、逆潮流発振器2bは、第一計量手段21及び第二計量手段22にそれぞれ設けられる。第一計量手段21としての逆潮流発振器2bは、第一系統PL1から受電する電力量I1のうち、逆潮流時の有効電力量である第一逆潮流有効電力量W3と、送電側から見て進みの無効電力量である第一進み無効電力量Q3と、を計量する。第二計量手段22としての逆潮流発振器2bは、第二系統PL2から受電する電力量I2のうち、逆潮流時の有効電力量である第二逆潮流有効電力量W4と、送電側から見て進みの無効電力量である第二進み無効電力量Q4と、を計量する。また、本実施形態の逆潮流発振器2bは、複合発振装置である。さらに、本実施形態の逆潮流発振器2bは、正潮流の有効電力量及び送電側から見て遅れの無効電力量は計量しない。即ち、本実施形態で、第一逆潮流有効電力量W3及び第二逆潮流有効電力量W4、並びに、第一遅れ無効電力量Q3及び第二遅れ無効電力量Q4がマイナスの値になることはない。
【0028】
正潮流発振器2a及び逆潮流発振器2bは、一組で、一系統から送受電する電力量を計量可能である。例えば、第一系統PL1から受電される電力量I1について、有効電力量を、正潮流時には正潮流発振器2aで、逆潮流時には逆潮流発振器2bで計量でき、無効電力量を、遅れ無効電力量は正潮流発振器2aで、進み無効電力量は逆潮流発振器2bで計量できる。
【0029】
合成手段3は、計量手段2が計量した電力を合成する。具体的に、合成手段3は、正潮流発振器2a及び逆潮流発振器2bが発振したパルスを合成する。本実施形態で、合成手段3は、正潮流発振器2a及び逆潮流発振器2bが発振したパルスを加算するパルス加算器31と、正潮流発振器2a及び逆潮流発振器2bが発振したパルスを減算するパルス減算器32と、を備える。
【0030】
パルス加算器31は、計量手段2が発振したパルスを加算し、出力する。本実施形態で、パルス加算器31は、2台設けられる。また、パルス加算器31は、有効電力に関するパルスと無効電力に関するパルスを別々に加算して出力する。具体的に、一のパルス加算器31aは、第一系統PL1側の正潮流発振器2a及び第二系統PL2側の正潮流発振器2aが発したパルスを加算し出力する。即ち、一のパルス加算器31aは、第一正潮流有効電力量W1と第二正潮流有効電力量W2とを加算して合成正潮流有効電力量Waを出力する。また、一のパルス加算器31aは、第一遅れ無効電力量Q1と第二遅れ無効電力量Q2とを加算して合成遅れ無効電力量Qaを出力する。一方、他のパルス加算器31bは、第一系統PL1側の逆潮流発振器2b及び第二系統PL2側の逆潮流発振器2bが発振したパルスを加算する。具体的に、他のパルス加算器31bは、第一逆潮流有効電力量W3と第二逆潮流有効電力量W4とを加算し、合成逆潮流有効電力量Wbを出力する。また、他のパルス合成器は、第一進み無効電力量Q3と第二進み無効電力量Q4とを加算し、合成進み無効電力量Qbを出力する。
【0031】
パルス減算器32は、パルス加算器31が出力したパルスを減算し、出力する。具体的に、パルス減算器32は、パルス加算器31が出力した有効電力に関するパルスと無効電力に関するパルスを別々に減算して出力する。本実施形態で、パルス減算器32は、有効電力に関して、パルス加算器31が出力した合成正潮流有効電力量Wa及び合成逆潮流有効電力量Wbのいずれかの値が大きい側から小さい側の値を減算する。また、パルス減算器32は無効電力に関して、パルス加算器31が出力した合成遅れ無効電力量Qa及び合成進み無効電力量Qbのいずれかの値が大きい側から小さい側の値を減算する。さらに、パルス減算器32は、減算した結果として、有効電力に関して、合成有効電力量Wを出力し、無効電力に関して合成無効電力量Qを出力する。
【0032】
積算部5は、後述する判定部4が積算すべきと判定した合成電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を積算する。また、本実施形態の積算部5は、積算した電力量を所定の項目に分けて表示する。積算部5は、有効電力が正潮流の場合の電力量を積算する正潮流用積算部51と、有効電力が逆潮流の場合の電力量を積算する逆潮流用積算部52と、を備える。
【0033】
正潮流用積算部51は、需要家が受電する電力量を積算する。即ち、正潮流用積算部51は、課金対象の電力量を積算する。本実施形態の正潮流用積算部51は、正潮流のときの有効電力量及び無効電力量を積算する。また、本実施形態の正潮流用積算部51は、正潮流のときの無効電力量のうち、遅れ無効電力量を積算する。さらに、本実施形態の正潮流用積算部51は、積算した有効電力量及び無効電力量に基づいて、受電する電力の力率を算出する。なお、力率算出に用いられる有効電力量及び無効電力量は、例えば、一部の時間帯(例えば8時から22時)に受電された電力についての有効電力量及び無効電力量を対象とすることもできる。また、正潮流用積算部51は、積算した結果を課金項目ごとに分けて表示する。例えば、正潮流用積算部51は、全日の有効電力量、所定期間内(例えば1カ月)の最大需要電力量、力率測定に用いられる有効電力量、力率測定に用いられる無効電力量、及び、算定された力率などを表示することができる。
【0034】
逆潮流用積算部52は、需要家が発電し、送電系統に供給された電力量を積算する。即ち、逆潮流用積算部52は、逆潮流する電力についての電力量を積算する。本実施形態で、逆潮流用積算部52は、逆潮流のときの有効電力量を積算する。また、逆潮流用積算部52は、積算した結果を所定の項目に分けて表示する。本実施形態の逆潮流用積算部52は、全日の有効電力量、及び、所定期間内(例えば1カ月)の最大供給電力量を表示することができる。
【0035】
判定部4は、合成電力(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を積算すべきか否かを判定する。具体的に、判定部4は、有効電力の潮流(正潮流又は逆潮流)及び無効電力の種別(遅れ又は進み)を判定する。
図3に示すように、本実施形態で、判定部4は、潮流判定部41と、無効種別判定部42と、積算判定部43と、を備える。また、判定部4には、各パルス加算器31が出力した合成正潮流有効電力量Wa、合成逆潮流有効電力量Wb、合成遅れ無効電力量Qa、及び、合成進み無効電力量Qbが入力される。
【0036】
潮流判定部41は、有効電力の潮流を判定し、有効電力の潮流に関する信号を発振する。本実施形態で、潮流判定部41は、有効電力が正潮流である場合に信号を発振する。具体的に、
図3及び
図4(a)に示すように、潮流判定部41に、合成正潮流有効電力量Wa及び合成逆潮流有効電力量Wbが入力される。入力された潮流判定部41は、合成正潮流有効電力量Waと合成逆潮流有効電力量Wbとを比較し(ステップS1)、合成正潮流有効電力量Waの方が大きい場合に、有効電力が正潮流であると判定する。潮流判定部41は、有効電力が正潮流であると判定したときに、正潮流有効信号を発振する。一方で、潮流判定部41は、有効電力が逆潮流であると判定した(正潮流であると判定しない)ときには、信号を発振しない。
【0037】
無効種別判定部42は、無効電力の種別を判定し、無効電力の種別に関する信号を発振する。本実施形態で、無効種別判定部42は、無効電力が送電側から見て遅れである場合に信号を発振する。具体的に、
図3及び
図4(b)に示すように、無効種別判定部42に、合成遅れ無効電力量Qa及び合成進み無効電力量Qbが入力される。入力された無効種別判定部42は、合成遅れ無効電力量Qa及び合成進み無効電力量Qbを比較し(ステップS2)、合成遅れ無効電力量Qaの方が大きい場合に、無効電力は送電側から見て遅れであると判定する。無効種別判定部42は、無効電力が送電側から見て遅れであると判定したときに、遅れ無効信号を発振する。一方で、無効種別判定部42は、無効電力が送電側から見て進みであると判定した(遅れあると判定しない)ときには、信号を発振しない。
【0038】
積算判定部43は、合成手段3が合成した電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を積算すべきであるか否かを判定する。また、積算判定部43は、合成有効電力量W及び合成無効電力量Qについて、積算すべきか否かを別々に判定する。さらに、積算判定部43は、正潮流用積算部51及び逆潮流用積算部52のうち、どちらで合成電力を積算すべきかを判定する。また、積算判定部43は、判定に基づいて、後述する切替スイッチ6を操作する。具体的に、積算判定部43は、潮流判定部41及び無効種別判定部42が出力する信号を受け付け、該信号によって、合成電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を積算すべきか否かを判定する。
【0039】
図5に示すように、積算判定部43は、正潮流有効信号及び遅れ無効信号の有無によって、合成電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を積算すべきか否かを判定する。具体的に、積算判定部43は、正潮流有効信号の有無によって、合成電力を正潮流用積算部51で積算すべきか否かを判定する。積算判定部43が正潮流有効信号を受信した場合(ステップS3でYES)には、合成有効電力量Wは正潮流であるため、積算判定部43は、合成電力を正潮流用積算部51で積算すべきと判定する。また、積算判定部43が正潮流有効信号を受信しない場合(ステップS3でNO)には、合成有効電力量Wは正潮流ではない(逆潮流である)ため、積算判定部43は、合成電力を逆潮流用積算部52で積算すべきと判定する。
【0040】
積算判定部43が合成電力(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を正潮流用積算部51で計量すべきと判定した場合に、積算判定部43は、遅れ無効信号の有無によって、合成無効電力量Qを積算すべきか否かを判定する。積算判定部43が遅れ無効信号を受信した場合(ステップS4でYES)には、合成無効電力量Qは、遅れ無効であるため、積算判定部43は、合成無効電力量Qを積算すべきと判定する。また、積算判定部43が遅れ無効信号を受信しない場合(ステップS4でNO)には、合成無効電力量Qは進み無効であるため、積算判定部43は、合成無効電力量Qを積算すべきでないと判定する。
【0041】
図2に示すように、切替スイッチ6は、パルス減算器32と積算部5の間に設けられるスイッチであり、パルス減算器32の出力を積算部5に入力する状態と入力しない状態とを切り替える。具体的に、切替スイッチ6は、パルス減算器32と正潮流用積算部51との間に設けられる無効計量スイッチ61と、パルス減算器32と正潮流用積算部51及び逆潮流用積算部52の間に設けられる有効計量スイッチ62と、を備える。無効計量スイッチ61は、パルス減算器32が出力した合成無効電力量Qを正潮流用積算部51に入力するか否かを切り替える。有効計量スイッチ62は、パルス減算器32が出力した合成有効電力量Wを、正潮流用積算部51に入力し逆潮流用積算部52に入力しない状態と、正潮流用積算部51に入力せず逆潮流用積算部52に入力する状態と、を切り替える。即ち、有効計量スイッチ62は、合成有効電力量Wを正潮流用積算部51に入力するか逆潮流用積算部52に入力するかを選択する。
【0042】
図5に示すように、切替スイッチ6は、積算判定部43により操作される。具体的に、積算判定部43は、合成電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を逆潮流用積算部52で積算すべきと判定したとき(ステップS3でNOの場合)に、有効計量スイッチ62を、逆潮流用積算部52側をON、正潮流用積算部51側をOFFの状態(操作SW1)、無効計量スイッチ61をOFF(操作SW2)にする。また、積算判定部43は、合成電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を正潮流用積算部51で積算すべきと判定したとき(ステップS3でYESの場合)に、有効計量スイッチ62を、逆潮流用積算部52側をOFF、正潮流用積算部51側をONの状態にする(操作SW3)。さらに、合成電力量(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を正潮流用積算部51で積算すべきと判定したときには、遅れ無効信号の有無によって無効計量スイッチ61のON又はOFFを切り替える。即ち、積算判定部43は、正潮流有効信号を受信し、かつ、遅れ無効信号を受信する場合(ステップS4でYESの場合)に、無効計量スイッチ61をONにする(操作SW4)。また、積算判定部43は、正潮流有効信号があり、かつ、遅れ無効信号がない場合(ステップS4でNOの場合)に、無効計量スイッチ61をOFFにする(操作SW5)。
【0043】
以上のような電力量計1の動作について
図2を参照して説明する。
【0044】
まず、各系統で送受電する電力量を計量手段2が計量し、合成手段3に出力する。具体的に、計量手段2は、計量した電力量に比例した周波数のパルスを発し、計量手段2が発したパルスがパルス加算器31に入力される。また、計量手段2は、計量した電力量について、有効電力成分の電力量に比例した周波数のパルスと、無効電力成分の電力量に比例した周波数のパスルと、を別々に発し、それぞれのパルスがパルス加算器31に入力される。
【0045】
パルス加算器31は、パルス加算器31に入力されたパルスを、有効電力に関するパルスと無効電力に関するパルスに分けて加算する。本実施形態で、パルス加算器31は、複数系統の正潮流の有効電力を加算した合成正潮流有効電力量Waと、複数系統の逆潮流の有効電力を加算した合成逆潮流有効電力量Wbと、複数系統の遅れ無効電力を加算した合成遅れ無効電力量Qaと、複数系統の進み無効電力を加算した合成進み無効電力量Qbと、を出力する。出力された各パルスは、パルス減算器32及び判定部4に入力される。
【0046】
パルス減算器32は、パルス加算器31が加算して出力したパルスについて、有効電力に関するパルスと無効電力に関するパルスに分けて減算する。本実施形態で、パルス減算器32は、有効電力に関するパルスを減算した合成有効電力量Wと、無効電力に関するパルスを減算した合成無効電力量Qと、を出力する。出力された合成有効電力量W及び合成無効電力量Qは、積算部5に入力される。具体的に、出力された合成有効電力量Wは、正潮流用積算部51又は逆潮流用積算部52のうち、切替スイッチ6によって選択された側に入力され、合成無効電力量Qは、所定の条件下で正潮流用積算部51に入力される。
【0047】
判定部4は、パルス加算器31によって出力された各パルスが示す値に基づいて、合成有効電力量Wが正潮流であるか否か、及び、合成無効電力量Qが遅れ無効であるか否かを判定する。判定部4は、判定結果に基づいて、切替スイッチ6を操作する。
【0048】
正潮流用積算部51及び逆潮流用積算部52は、パルス減算器32が出力した合成有効電力量W及び合成無効電力量Qを積算する。本実施形態で、パルス減算器32が出力した値が正潮流用積算部51及び逆潮流用積算部52に入力されるか否かは切替スイッチ6により決定される。
【0049】
以上のような構成の電力量計1によれば、判定部4は、合成電力が正潮流である場合に合成電力を積算すべきと判定するので、正潮流用積算部51は、正潮流の合成電力(合成有効電力量W及び合成無効電力量Q)を積算する。よって、系統全体として受電する電力のみを積算できる。
【0050】
また、判定部4は、合成電力のうち、有効電力成分(合成有効電力量W)が正潮流の場合に、有効電力成分(合成有効電力量W)を積算すべきと判定し、有効電力成分が正潮流且つ無効電力成分(合成無効電力量Q)が遅れのときに無効電力成分(合成無効電力量Q)を積算すべきと判定するので、受電状態の有効電力及び遅れ無効電力を積算することができる。
【0051】
さらに、積算部5は、正潮流用積算部51と逆潮流用積算部52とを備え、判定部4は、合成有効電力(合成有効電力量W)が逆潮流の場合の有効電力成分(合成有効電力量W)を逆潮流用積算部52で積算すべきと判定するので、逆潮流の電力を正潮流の電力と切り分けて積算することができる。よって、系統全体で受電する電力と系統全体で送電する電力の両方を積算することができる。
【0052】
また、電力量計1は、少なくとも一の系統と、他の系統とが、計量手段2が計量する位置(計器用変成器(VCT)が設けられる位置)よりも受電側で電気的に接続され、一の系統から他の系統に電流が供給されることがある受電方式において使用される。よって、一の系統が受電状態かつ他の系統が送電状態の場合にも、潮流判定部41が合成有効電力に基づいて潮流を判定できるので、一の系統から他の系統に供給される電流がある場合でも、課金対象の電力量を正確に積算できる。
【0053】
さらに、合成手段3は、計量手段2が計量した有効電力量について、正潮流の電力同士及び逆潮流の電力同士を加算したうえで、正潮流の有効電力(合成正潮流有効電力量Wa)と逆潮流の有効電力(合成逆潮流有効電力量Wb)を値の大きい側から小さい側を引く処理をする。よって、合成手段3の処理過程でマイナスの値が出ることを抑制できるので、積算結果がマイナスになることを抑制できる。
【0054】
また、合成手段3は、計量手段2が計量した無効電力量について、遅れ無効の電力同士及び進み無効の電力同士を加算したうえで、遅れ無効電力(合成遅れ無効電力量Qa)と進み無効電力(合成進み無効電力量Qb)を値の大きい側から小さい側を引く処理をする。よって、合成手段3の処理過程でマイナスの値が出ることを抑制できるので、積算結果がマイナスになることを抑制できる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0056】
例えば、複数系統が需要家の構内で電気的に接続され、一の系統から他の系統に電流が供給されることがある場合について説明したが、一の系統から前記他の系統に電流が供給されることがない受電方式の場合であっても本電力量計1を用いて受電する電力量を積算することができる。
【0057】
また、2系統から受電する場合について説明したが、3以上の系統から受電する場合にも本発明の電力量計1を適用することができる。この場合、計量手段2は、3以上の系統についてそれぞれの有効電力量及び無効電力量を計量する。
【0058】
さらに、計量手段2は、正潮流発振器2a及び逆潮流発振器2bを備えるとして説明したが、このような構成に限らず、有効電力量及び無効電力量を計量可能な他の手段を採用することもできる。例えば、計量手段2は、有効電力を計量する有効電力計量部と、皮相電力を計量する皮相電力計量部と、演算部と、を備え、演算部は、皮相電力と有効電力から無効電力を演算するよう構成してもよい。
【0059】
また、計量手段2は、電力量に応じたパルスを発振する発振器であり、合成手段3はパルスを加算及び減算するとして説明したが、このような構成に限らない。例えば、計量手段2が計量した電力量を別のコンピュータに送信し、コンピュータが計量された電力量を加算及び減算するように構成してもよい。
【0060】
さらに、パルス加算器31は、正潮流発振器2aから発振されたパルスを加算する一のパルス加算器31aと、逆潮流発振器2bから発振されたパルスを加算する他のパルス加算器31bと、を備えるとして説明したが、このような構成に限らない。例えば、有効電力に関するパルスを合成する有効電力用加算器と、無効電力に関するパルスを合成する無効電力用加算器と、を備えるよう構成してもよい。
【0061】
また、合成手段3は、計量手段2が計量した電力量を加算してから減算することで合成する場合について説明したが、減算してから加算する様に構成してもよい。
【0062】
さらに、合成有効電力量Wが0の場合(複数系統全体で送電も受電もしない場合)には、判定部4は、正潮流ではないと判定し、正潮流有効信号を発振しないため、合成無効電力量Qを積算しない場合について説明したが、このような場合にも合成無効電力量Qを計量すると判定してもよい。このような構成の場合には、例えば、潮流判定部41は、合成有効電力量Wが0のときは正潮流と判定するように構成される。また、合成有効電力量Wが0で、合成無効電力量Qが遅れの場合に、無効計量スイッチ61をONとするように構成してもよい。
【0063】
また、積算部5は、正潮流用積算部51と、逆潮流用積算部52と、を備えるとして説明したが、このような構成に限らず、一つの機器で正潮流及び逆潮流の両方の積算を計量してもよい。このような構成の場合、積算判定部43は、合成有効電力量W及び合成無効電力量Qを、前記一つの機器で正潮流として積算するか、逆潮流として積算するかを判定する。また、積算部5が、正潮流用積算部51のみを備えるよう構成してもよい。
【0064】
さらに、積算部5は、遅れ無効の合成無効電力量Qを積算するとして説明したが、進み無効の合成無効電力量Qを積算するよう構成してもよい。このように構成する場合、遅れ無効電力量と進み無効電力量を別々に計量することもできる。
【0065】
また、積算部5は、積算した電力量を所定の項目に分けて表示する。表示する場合について説明したが、このような構成に限らず、積算した結果を外部に送信するように構成してもよい。
【0066】
さらに、積算部5は、積算した電力量を所定の項目に分けて表示する場合について説明したが、表示する項目は、例示した項目に限定されない。例えば、正潮流用積算部51が力率を表示する場合について説明したが、力率を表示しないように構成してもよい。このような構成の場合には、有効電力量と無効電力量から力率を別途算出することができる。また、積算部5は、電力量を表示せず、積算した電力量に基づいて算出された課金額を表示するように構成してもよい。
【0067】
また、判定部4は、パルス加算器31から出力されたパルスを受け取り、合成電力量を積算すべきか否かを判定する場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、判定部4は、パルス減算器32から出力されたパルスを受け取り、判定をするように構成してもよい。このような構成の場合には、パルス減算器32が、減算をする際に、有効電力について、合成正潮流有効電力量Waと合成逆潮流有効電力量Wbのどちらが大きいか、及び合成遅れ無効電力量Qaと合成進み無効電力量Qbのどちらが大きいのかについて判定し、判定した結果を判定部4に別途出力するように構成することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…電力量計、2…計量手段、2a…正潮流発振器、2b…逆潮流発振器、21…第一計量手段、22…第二計量手段、3…合成手段、31…パルス加算器、32…パルス減算器、4…判定部、41…潮流判定部、42…無効種別判定部、43…積算判定部、5…積算部、51…正潮流用積算部、52…逆潮流用積算部、6…切替スイッチ、61…無効計量スイッチ、62…有効計量スイッチ、PL1…第一系統、PL2…第二系統、B…母線