(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】キャップ保持具及び防水具
(51)【国際特許分類】
A47K 10/38 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A47K10/38 U
(21)【出願番号】P 2021087020
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2024-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309030322
【氏名又は名称】多摩メディカル有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】町田 英一
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-094422(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0290078(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0248114(US,A1)
【文献】特開2006-212360(JP,A)
【文献】特開2019-025284(JP,A)
【文献】特開平08-140895(JP,A)
【文献】実開昭64-051497(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K10/18
A47K10/38
E03C 1/01
A47G29/00
E04H 1/12
E03D11/00
B65H16/00-16/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状体の主面部と、該主面部の周囲を取り囲む周縁部とから構成され、トイレットペーパーを装着したペーパーホルダが取り付けられた壁面に固定するキャップ保持具
であって、
前記周縁部には外方に突出した係止部が形成されて
おり、
前記主面部は前記ペーパーホルダを挿通する孔部を備えていることを特徴とするキャップ保持具。
【請求項2】
前記主面部の裏面には接着層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャップ保持具。
【請求項3】
板状体の主面部と、該主面部の周囲を取り囲む周縁部とから構成され、トイレットペーパーを装着したペーパーホルダが取り付けられた壁面に固定するキャップ保持具であって、
前記周縁部には外方に突出した係止部が形成されており、
前記壁面との間に前記主面部を当接した状態で、前記ペーパーホルダをねじ止めするねじが、前記主面部を挿通
することで、前記ペーパーホルダと共に前記壁面に固定されることを特徴とするキャップ保持具。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか1項に記載されたキャップ保持具と、袋状体の防水キャップとから成る防水具であって、
前記防水キャップは、前記キャップ保持具の前記係止部に係止し、弾性部材が付設され伸縮自在とされる開口部を有していることを特徴とする防水具。
【請求項5】
前記開口部の反対側に、上下に開閉可能な開閉部が設けられていることを特徴とする請求項
4に記載の防水具。
【請求項6】
前記開閉部は、磁石同士が磁気力により引き寄せられて閉止していることを特徴とする請求項
5に記載の防水具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパーホルダに取り付けたトイレットペーパーの水濡れを防止するキャップ保持具及び防水具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンションやアパートにおいては、浴室内に便器を備えているユニットバスが、広く導入されている。このユニットバスで、シャワーを使用すると、シャワーの飛沫が便器の横にあるトイレットを装着したペーパーホルダに飛散し、トイレットペーパーが水濡れし、トイレットペーパーが使用不能になることがある。また、浴室内で体を洗ったり、浴室の掃除等においても同様なことが起こる。
【0003】
このトイレットペーパーの水濡れを防止するために、特許文献1には防水式のペーパーホルダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、賃貸等でユニットバスを備えたマンション等に入居し、特許文献1の防水式のペーパーホルダを設置する場合に、既設のパーバーホルダを取り外してから、特許文献1のペーパーホルダを取り付けることになり、手間を要する。
【0006】
特に、賃貸住居の場合には、ペーパーホルダを固定する壁面等を家主の許可なく加工したり、ペーパーホルダを交換することが難しく、防水式のペーパーホルダを導入することがなかなかできないという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、既設のペーパーホルダに対しても取り付け可能なキャップ保持具及び防水具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るキャップ保持具は、板状体の主面部と、該主面部の周囲を取り囲む周縁部とから構成され、トイレットペーパーを装着したペーパーホルダが取り付けられた壁面に固定するキャップ保持具であって、前記周縁部には外方に突出した係止部が形成されており、前記主面部は前記ペーパーホルダを挿通する孔部を備えていることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る防水具は、板状体の主面部と、該主面部の周囲を取り囲む周縁部とから構成され、トイレットペーパーを装着したペーパーホルダが取り付けられた壁面に固定するキャップ保持具であって、前記周縁部には外方に突出した係止部が形成されており、前記主面部は前記ペーパーホルダを挿通する孔部を備えているキャップ保持具と、袋状体の防水キャップとから成る防水具であって、前記防水キャップは、前記キャップ保持具の前記係止部に係止し、弾性部材が付設され伸縮自在とされる開口部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るキャップ保持具及び防水具によれば、トイレットペーパーを装着したペーパーホルダを固定した壁面に、キャップ保持具を固定し、防水キャップをキャップ保持具にペーパーホルダを覆うように取り付けることで、シャワーの飛沫等によるトイレットペーパーの水濡れを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】防水キャップを取り付ける前のキャップ保持具、防水キャップ、ペーパーホルダの斜視図である。
【
図2】壁面に固定したキャップ保持具及びペーパーホルダの断面図である。
【
図3】キャップ保持具に防水キャップを取り付けた状態の防水具の斜視図である。
【
図4】キャップ保持具に防水キャップを取り付けた状態の防水具の側面図である。
【
図5】壁面に固定した状態のキャップ保持具及びペーパーホルダの断面図である。
【
図6】或る実施形態の開閉部を閉止した状態の防水キャップの正面図である。
【
図7】キャップ保持具の係止部に係止した後に、防水キャップの開閉部を開いた状態の防水具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1はトイレットペーパーPを装着したペーパーホルダHに防水キャップを取り付ける前のキャップ保持具1、防水キャップ2及びペーパーホルダHの斜視図、
図2は壁面に固定したキャップ保持具1及びペーパーホルダHの断面図、
図3はキャップ保持具1に防水キャップ2を取り付けた状態の防水具の斜視図、
図4は防水具の側面図である。
【0013】
キャップ保持具1はペーパーホルダHが取り付けられた壁面に固定するものであり、例えば合成樹脂材から成る板状体である主面部1aと、この主面部1aの周囲を取り囲む周縁部1bとから構成されている。
【0014】
主面部1aの中央には、ペーパーホルダHを挿通する矩形状の孔部1cが設けられており、主面部1aの裏面には、壁面Kに貼着可能な両面接着テープ等の接着層が設けられている。主面部1aの周縁部1bには、主面部1aに対して表側の厚み方向に延在すると共に、外周側に張り出す丸みを帯びた係止部1dが形成されている。
【0015】
使用する防水キャップ2は、合成樹脂シートから成る袋状体で、例えば市販のシャワー防水キャップなどが好適に使用でき、開口部2aを有している。開口部2aには、ゴム紐等の弾性部材が付設され伸縮自在とされている。
【0016】
防水具を使用するに当り、先ずキャップ保持具1を壁面Kに取り付ける。この取り付けは、
図2に示すように、既設のペーパーホルダHをキャップ保持具1の中央の孔部1cを挿通させて、主面部1aの裏面の接着層により壁面Kに貼着する。なお、この接着層は、強力な接着剤であってもよく、或いは適度な接着性を有し、必要に応じて壁面Kからキャップ保持具1を剥がし得る程度のものであってもよい。
【0017】
シャワーの使用によってトイレットペーパーPが濡れないようにするために、防水キャップ2の開口部2aを大きく開口させて、
図3、
図4に示すように、キャップ保持具1の係止部1dに係止して被着する。このように、開口部2aの周縁を係止部1dに係止することで、防水キャップ2によりペーパーホルダHが覆われ、シャワーの飛沫によるトイレットペーパーPの水濡れを防止することができる。
【0018】
シャワーの使用後は、開口部2aを開口し、防水キャップ2をキャップ保持具1から取り外すことで、従前通りにペーパーホルダHからトイレットペーパーPを引き出せることになる。
【0019】
図5は別の実施形態のキャップ保持具1’及びペーパーホルダHを壁面Kに固定した断面図である。主面部1a’は、ペーパーホルダHを挿通する孔部を有しておらず、薄い合成樹脂板により構成されている。また、係止部1dはキャップ保持具1’から外側に折曲されている。キャップ保持具1’を壁面Kに仮固定した後に、ペーパーホルダHを主面部1a’と共にねじSにより固定する。
【0020】
このキャップ保持具1’を使用する場合で、ペーパーホルダHが既設されているときには、ペーパーホルダHを一旦、壁面Kから取り外して、キャップ保持具1’及びペーパーホルダHを壁面Kに固定する。
【0021】
図6は或る実施形態の防水キャップ2’の開閉部2bを閉止した状態の正面図、
図7はキャップ保持具1の係止部1dに係止した後に、防水キャップ2’の開閉部2bを開いた状態の防水具の正面図である。
【0022】
防水キャップ2’には、図示しない伸縮自在の開口部2aの反対側、つまり表側に上下に開閉可能な開閉部2bが設けられている。この開閉部2bの中央上下には磁石2cがそれぞれ取り付けられている。
【0023】
図2、
図5に示す壁面Kに固定されたキャップ保持具1、1’の係止部1d、1d’に対して、開口部2aを大きく開口させて防水キャップ2’を取り付ける。
常時は防水キャップ2’の開閉部2bは、磁石2c同士が磁気力により引き寄せられて閉止している。必要に応じて、磁石2cを指で摘んで離間させることで、開閉部2bを拡開した状態にすることができる。
【0024】
つまり、シャワー等を使用しない時は、
図7に示すように開閉部2bを拡開した状態とし、シャワーを使用する時は、
図6に示す開閉部2bを閉止した状態とする。このようにすることで、シャワーを使用する都度、防水キャップ2’をキャップ保持具1、1’への取り付け、取り外しの手間が不要となる。
【0025】
なお一旦、キャップ保持具1、1’に取り付けた防水キャップ2、2’は、開口部2aが弾性的に係止部1d、1d’に引っ掛かるため、シャワーの水圧が防水キャップ2、2’に対して加えられても、係止部1d、1d’から外れることはない。
【0026】
このように、本実施例によるキャップ保持具1、1’及び、キャップ保持具1、1’及び防水キャップ2、2’から成る防水具によれば、壁面Kに既設のペーパーホルダHに対してでも、キャップ保持具1、1’を固定でき、防水キャップ2、2’を係止部1d、1d’によりペーパーホルダHを覆うように取り付けることで、シャワーの飛沫等によるトイレットペーパーPの水濡れを防止することが可能である。また、従来の防水式のペーパーホルダの導入に比べて、既設のペーパーホルダHを使用するため、安価に導入することができる。
【符号の説明】
【0027】
1、1’ キャップ保持具
2a、2a’ 主面部
2b 周縁部
2d、2d’ 係止部
3、3’ 防水キャップ
3a 開口部
3b 開閉部
3c 磁石
P トイレットペーパー
H ペーパーホルダ
K 壁面
S ねじ