(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】超薄型マットレス
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A47C27/00 F
(21)【出願番号】P 2023176248
(22)【出願日】2023-10-11
【審査請求日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】202311086515.3
(32)【優先日】2023-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519378779
【氏名又は名称】佛山市順徳区意艾蒲電器有限公司
【氏名又は名称原語表記】EAP Electric Appliance Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 502/601/602, Block #9, Tinfuloi International Industrial Park (Phase 5), No. 3 Changfuxi Road, Rongli Committe, Ronggui, Shunde District, Foshan City, Guangdong 528300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 永革
(72)【発明者】
【氏名】李 勝超
(72)【発明者】
【氏名】頼 敏海
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113475902(CN,A)
【文献】中国実用新案第214678373(CN,U)
【文献】中国実用新案第210748320(CN,U)
【文献】特開2007-32981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 21/04,27/00-27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超薄型マットレスであって、
複数の通気孔を有する通気層と、
上面を有するクッション体を含み、前記クッション体がハウジングの設置に用いられる切欠口を有し、前記ハウジングが、給風装置を収容するためのキャビティと、開口方向がマットレスの外部に向ける取付口と、少なくとも1つの吹出口とを有するクッション層と、を含み、
前記クッション体は、クッション体の上面から窪んだ第1通路をさらに有し、
前記第1通路内には、通風本管が取り付けられ、
前記通風本管は、前記ハウジングの吹出口に連結されて給風装置からの気流を受け、
前記クッション体は、クッション体の上面から窪んだ第2通路をさらに有し、
前記第2通路内には、通風枝管が取り付けられ、
前記通風枝管は、通風本管からの気流を受けるとともに、通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃し、通気層の背臥部分に気流を供給し、
前記通気層は、クッション層の上方に配置され、
通気層の底面から通風本管の上面までの距離、通気層の底面から通風枝管の上面までの距離、通気層の底面からクッション体の上面までの距離がほぼ等しいとともに、前記通気層がクッション層にスムーズにフィットし、
前記通風本管は、遮熱材料からなるか、および/または、頂部遮熱室を有し、
前記ハウジングには、空気通路がさらに設けられ、
前記空気通路は、一端が前記ハウジングの吹出口に連通し、他端がハウジングの通風接続口または継手に連通し、前記給風装置からの気流を受けることを特徴とする超薄型マットレス。
【請求項2】
前記第1通路は、クッション体の幅方向に沿って延在し、底壁、外側壁および内側壁を含み、
前記クッション体の内側壁に近接する一側は、背臥部分であり、前記クッション体の外側壁に近接する一側は、遮熱部分であり、
前記通風本管は、前記第1通路内に取り付けられ、
通風本管の外側面は、第1通路の外側壁に接触することで、遮熱部分によって受け止められることを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項3】
前記通風本管は、ガス通路と、内側面に開設される通風接続口または継手と、を含み、
給風装置からの気流は、前記ガス通路を経由して前記通風接続口または継手から通風枝管に流入し、
前記通風本管は、通風本管の上面から窪んだ凹溝と、凹溝の上方の開口に設けられる頂板とをさらに含み、
前記頂板は、凹溝に連結されて頂部遮熱室を形成するか、または、前記凹溝を上下2つの頂部遮熱室に仕切ることを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項4】
前記遮熱材料は、樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項5】
前記通風枝管は単独配管であり、
前記第2通路のサイズは、前記単独配管に対応することを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項6】
前記通風枝管のサイズは、吸気端から通風枝管の長手方向に沿って漸次に小さくなるか、および/または、前記第2通路のサイズは、その端部から第2通路の長手方向に沿って漸次に小さくなることを特徴とする請求項5に記載の超薄型マットレス。
【請求項7】
通風枝管に開設される排気孔は、吸気端から通風枝管の長手方向に沿って漸次に増えることを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項8】
前記吹出口は、前記通風本管の吸風口に気密に連結され、
前記吹出口の断面は、前記吸風口の断面に相当することを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項9】
前記第2通路は、クッション体の長手方向に沿って延在するとともに、前記クッション体の背臥部分に位置し、
前記第2通路の端部は、第1通路の内側壁に位置し、
通風本管の内側面は、第1通路の内側壁に接触し、
通風本管の内側面には、通風接続口または継手が開設され、
前記通風接続口または継手は、第2通路の端部に対向して設置されるか、および/または、第2通路に取り付けられる通風枝管と同一水平面に位置することを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【請求項10】
前記クッション体は、クッション体の上面から窪んだ第3通路をさらに有し、
前記第3通路内には、通風枝管が取り付けられ、
前記通風枝管は、前記空気通路からの気流を受けるとともに、通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃すことを特徴とする請求項1に記載の超薄型マットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスの技術分野に関し、特に、超薄型マットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通気性マットレスは、徐々に使用者に好まれており、内部に空気通路層が予め設けられ、給風デバイスが外接され、給風デバイスによって外気を空気通路に導入する。こうすることで、マットレスにおいて通風気流が形成され、暖房、冷房、ダニ駆除などの機能を実現する。
【0003】
しかしながら、空気通路層の設計により、使用者はマットレスに横になると唐突感を感じやすいため、従来技術では、空気通路層上にスポンジなどの材料からなるクッション層が敷設されて寝心地を向上させる。
【0004】
空気通路層やクッション層などの増加に伴って、通気性マットレスの厚さは、通常のマットレスに比べて大幅に増加するという問題が生じる。さらに、暖房機能を実現可能な通気性マットレスには、使用者のやけどを防止するために空気通路に遮熱層を増設する必要があるため、通気性マットレスをより厚くすることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、通気性マットレスの厚さを薄くするとともに、寝心地に影響を与えない超薄型マットレスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達するために、本発明の技術案は以下通りである。
超薄型マットレスは、複数の通気孔を有する通気層と、上面を有するクッション体を含み、前記クッション体がハウジングの設置に用いられる切欠口を有し、前記ハウジングが、給風装置を収容するためのキャビティと、開口方向がマットレスの外部に向ける取付口と、少なくとも1つの吹出口とを有するクッション層と、を含む。
前記クッション体は、クッション体の上面から窪んだ第1通路をさらに有する。前記第1通路内には、通風本管が取り付けられる。前記通風本管は、前記ハウジングの吹出口に連結されて給風装置からの気流を受ける。
前記クッション体は、クッション体の上面から窪んだ第2通路をさらに有する。前記第2通路内には、通風枝管が取り付けられる。前記通風枝管は、通風本管からの気流を受けるとともに、通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃し、通気層の背臥部分に気流を供給する。
前記通気層は、クッション層の上方に配置される。通気層の底面から通風本管の上面までの距離、通気層の底面から通風枝管の上面までの距離、通気層の底面からクッション体の上面までの距離がほぼ等しいとともに、前記通気層がクッション層にスムーズにフィットする。前記通風本管は、遮熱材料からなるか、および/または、頂部遮熱室を有する。
前記ハウジングには、空気通路がさらに設けられる。
前記空気通路は、一端が前記ハウジングの吹出口に連通し、他端がハウジングの通風接続口または継手に連通し、前記給風装置からの気流を受ける。
従来技術に比べて、本発明では、第1通路、第2通路内に通風本管および通風枝管が取り付けられることで、給風装置からの気流を、通風本管、通風枝管を経由して排気孔により通気層へ逃し、マットレスの通風を実現する。通風本管および通風枝管がクッション体の上面から窪んだ第1通路、第2通路内に取り付けられるため、本発明のマットレスの厚さをある程度薄くする。
【0007】
さらに、通風本管は、遮熱材料からなるか、および/または、頂部遮熱室を有することで、本発明の通風本管が通気層に直接にスムーズにフィットしても、使用者のやけどを防止することができる。そのため、本発明のマットレスでは、通風本管の頂部に遮熱層が設置されることなく、マットレスの厚さをさらに薄くする。
【0008】
さらに、通風枝管の上面から通気層の底面までの距離、クッション体の上面から通気層の底面までの距離はほぼ等しいとともに、通気層がクッション層にスムーズにフィットするため、使用者が通気層上に横になると、クッション体の上面、通風枝管の上面によって同時に支持されることができ、寝心地を効果的に確保する。
【0009】
一好適な実施例では、前記第1通路は、クッション体の幅方向に沿って延在し、底壁、外側壁および内側壁を含む。前記クッション体の内側壁に近接する一側は、背臥部分であり、前記クッション体の外側壁に近接する一側は、遮熱部分である。前記通風本管は、前記第1通路内に取り付けられる。通風本管の外側面は、第1通路の外側壁に接触することで、クッション体の遮熱部分によって受け止められる。
【0010】
一好適な実施例では、前記通風本管は、ガス通路と、内側面に開設される通風接続口または継手と、を含む。給風装置からの気流は、前記ガス通路を経由して前記通風接続口または継手から通風枝管に流入する。前記通風本管は、通風本管の上面から窪んだ凹溝と、凹溝の上方の開口に設けられる頂板とをさらに含む。前記頂板は、凹溝に連結されて頂部遮熱室を形成するか、または、前記凹溝を上下2つの頂部遮熱室に仕切る。
【0011】
一好適な実施例では、前記遮熱材料は樹脂である。
【0012】
一好適な実施例では、前記通風枝管は単独配管であり、前記第2通路のサイズは、前記単独配管に対応する。
【0013】
さらに、前記通風枝管のサイズは、吸気端から通風枝管の長手方向に沿って漸次に小さくなるか、および/または、前記第2通路のサイズは、その端部から第2通路の長手方向に沿って漸次に小さくなる。
【0014】
さらに、通風枝管に開設される排気孔は、吸気端から通風枝管の長手方向に沿って漸次に増える。
【0015】
一好適な実施例では、前記吹出口は、前記通風本管の吸風口に気密に連結され、前記吹出口の断面は、前記吸風口の断面に相当する。
【0016】
一好適な実施例では、前記第2通路は、クッション体の長手方向に沿って延在するとともに、前記クッション体の背臥部分に位置する。前記第2通路の端部は、第1通路の内側壁に位置する。通風本管の内側面は、第1通路の内側壁に接触する。通風本管の内側面には、通風接続口または継手が開設される。前記通風接続口または継手は、第2通路の端部に対向して設置されるか、および/または、第2通路に取り付けられる通風枝管と同一水平面に位置する。
【0017】
一好適な実施例では、前記クッション体は、クッション体の上面から窪んだ第3通路をさらに有する。前記第3通路内には、通風枝管が取り付けられる。前記通風枝管は、前記空気通路からの気流を受けるとともに、通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃す。
【0018】
より良い理解と実施のために、以下、図面を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る超薄型マットレスの斜視図である。
【
図3】本発明に係る超薄型マットレスの分解図である。
【
図4】本発明のクッション体が基材上に配置された状態の構成を示す図である。
【
図5】本発明のハウジング、通風本管が第1通路に取り付けられた状態の構成を示す図である。
【
図6】本発明に係る超薄型マットレスの一部を示す分解図である。
【
図7】本発明のクッション体の一実施例の構成を示す図である。
【
図8】本発明のクッション体の他の実施例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明をよりよく記述するために、以下、図面を参照しながら、本発明をより詳しく説明する。
【0021】
図1~
図8に示すように、本発明は、超薄型マットレス1を提供する。当該超薄型マットレスは、基材10、基材上に配置されるクッション層20、およびクッション層上に配置される通気層30を含む。
前記通気層30は、複数の通気孔を有する。本発明に対する理解に影響を与えない場合、通気孔は図示されない。
【0022】
前記クッション層20は、上面210を有するクッション体200を含む。前記クッション体は、切欠口220、クッション体の上面から窪んだ第1通路230、クッション体の上面から窪んだ第2通路240を有する。
【0023】
前記切欠口は、ハウジング40の設置に用いられる。前記ハウジングは、給風装置の取り付けに用いられる。具体的には、クッション層20が基材10上に配置された後、前記切欠口および基材の上面で凹溝が形成される。前記凹溝は、上向きの開放口、およびマットレスの外部に向ける開口を有する。ハウジングを前記上向きの開放口またはマットレスの外部に向ける開口から前記凹溝内に組み込むと、ハウジングの取り付けを実現する。前記ハウジング40は、給風装置を収容するためのキャビティ41、および開口方向がマットレスの外部に向ける取付口42を有する。給風装置は、前記取付口により、前記キャビティ内に取り付けられたり、前記キャビティから取り出されたりすることが可能である。
【0024】
前記第1通路230内には、通風本管50が取り付けられる。前記通風本管は、前記ハウジングに連結され、給風装置からの気流を受ける。具体的には、給風装置が動作すると、空気は、マットレスの外部から前記取付口を経由して給風装置に流入するとともに、通風本管に送り込まれる。
【0025】
前記第2通路240内には、通風枝管(不図示)が取り付けられる。前記通風枝管は、通風本管からの気流を受け、かつ通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃し、通気層の背臥部分に気流を供給する。具体的には、前記通風本管には、複数の通風接続口または継手51が開設される。前記クッション層は、クッション体の上面から窪んだ第2通路240を複数有する。各第2通路240内には、通風枝管が取り付けられる。1つの通風枝管は、1つの通風接続口または継手に対応する。
【0026】
本発明では、第1通路230、第2通路240内に通風本管50および通風枝管が取り付けられることで、給風装置からの気流を、通風本管、通風枝管を経由して排気孔により通気層へ逃すことが可能であり、マットレスの通風を実現する。通風本管および通風枝管がクッション体の上面から窪んだ第1通路、第2通路内に取り付けられるため、本発明のマットレスの厚さをある程度薄くする。
【0027】
マットレスの厚さをさらに薄くするために、本発明の通風本管50は、遮熱材料からなるか、および/または、頂部遮熱室52を有する。本発明の通風本管50が通気層に直接にスムーズにフィットしても、使用者のやけどを防止することができる。そのため、本発明のマットレスでは、通風本管50の頂部に遮熱層が設置されることなく、マットレスの厚さをさらに薄くする。好ましくは、前記遮熱材料は樹脂である。
【0028】
さらに、通風本管50の頂部に遮熱層が設置される必要がないため、通気層がクッション層20の上方に配置される場合、通気層30の底面から通風本管の上面501までの距離、通気層の底面502から通風枝管の上面501までの距離、通気層30の底面からクッション体の上面210までの距離がほぼ等しいとともに、前記通気層30がクッション層20にスムーズにフィットする。使用者が通気層30上に横になると、クッション体の上面210、通風枝管の上面によって同時に支持されることができ、寝心地を効果的に確保する。
【0029】
以下、本発明の超薄型マットレスのクッション体、通風本管50、通風枝管およびハウジング40をそれぞれ詳しく説明する。
【0030】
本発明のクッション体200は、上面210、クッション体の上面210から窪んだ第1通路230、クッション体の上面210から窪んだ第2通路240を有する。
前記第1通路230は、クッション体200の幅方向に沿って延在し、底壁231、外側壁232および内側壁233を含む。前記クッション体200の内側壁233に近接する一側は、背臥部分260であり、前記クッション体200の外側壁232に近接する一側は、遮熱部分270である。
【0031】
前記第2通路240は、クッション体20の幅方向に沿って延在し、かつ前記クッション体20の背臥部分に位置する。
【0032】
好ましくは、前記第1通路230は、左通路234および右通路235に仕切られる。前記クッション体20の切欠口220は、左通路234と右通路235との間に位置する。
【0033】
クッション体20の背臥部分260は、左背臥域261および右背臥域262に仕切られる。左背臥域261、右背臥域262は、いずれもクッション体の上面210から窪んだ第2通路240を複数有する。左通路に取り付けられる左通風本管54は、左背臥域261の通風枝管により左背臥域261に気流を供給する。右通路に取り付けられる右通風本管55は、右背臥域262の通風枝管により右背臥域262に気流を供給する。
【0034】
前記クッション体200は、左背臥域261と右背臥域262との間に位置する中間背臥域263をさらに含む。一部の具体的な実施例では、前記クッション体200は、クッション体の上面210から窪んだ第3通路250をさらに有する。具体的には、前記中間背臥域263は、クッション体の上面210から窪んだ第3通路250を複数有する。中間背臥域263の第3通路250内には、通風枝管が取り付けられる。
【0035】
本発明の通風本管50は、ガス通路53、通風接続口または継手51を含む。前記通風本管50は、上面501、底面502、内側面504および外側面503を含む。
【0036】
前記通風本管50は、前記第1通路230内に取り付けられる。前記底面502は、第1通路230の底壁231に接触する。前記外側面503は、第1通路230の外側壁232に接触することで、クッション体200の遮熱部分270によって受け止められる。前記内側面504は、第1通路230の内側壁233に接触する。前記通風接続口または継手51は、前記内側面504に開設される。給風装置からの気流は、前記ガス通路53を経由して前記通風接続口または継手51から通風枝管に流入する。
【0037】
前記通風本管50は、通風本管の上面501から窪んだ凹溝521、凹溝の上方の開放口に設けられる頂板522をさらに含む。前記頂板は、凹溝に連結して頂部遮熱室52を形成する。他の実施例では、前記頂板は、凹溝に連結されて前記凹溝を上下2つの頂部遮熱室に仕切る。上遮熱室523は、上向きの開放口を有し、下遮熱室524は、隔たり層である。また、上遮熱室523の高さは、下遮熱室524の高さよりも低い。好ましくは、前記下遮熱室は、マットレスの外部に向ける開口をさらに有する。
【0038】
空気は、給風装置によって加熱された後に通風本管50のガス通路53に流入し、熱を通風本管50の外側面503、上面501に伝達する。通風本管の外側面503は、クッション体200の遮熱部分270によって受け止められるため、使用者のやけどを効果的に防止することができる。通風本管の上面501は、頂部遮熱室52によって隔てられるため、同様に、使用者のやけどを効果的に防止することができる。好ましくは、上下2つの頂部遮熱室を用いる実施形態では、頂部に伝達された熱は、まず、下遮熱室によって遮断され、少量の余熱が上遮熱室によって再遮断される。
【0039】
好ましくは、前記通風本管50は、樹脂などの遮熱材料からなる。この場合、その遮熱効果がより優れる。
【0040】
好ましくは、前記通風本管50は、左通風本管54および右通風本管55に仕切られる。左通風本管54および右通風本管55は、左通路234および右通路235内にそれぞれ設置される。
【0041】
本発明の通風本管50は、単独配管であるとともに、前記第2通路のサイズが前記単独配管に対応することが好ましい。このような設置によれば、第2通路240のサイズを効果的に小さくし、第2通路240のサイズが大きすぎて横になる際の唐突感を抑制し、本発明に係るマットレス寝心地をさらに向上させる。
【0042】
しかし、単独配管の断面が小さいため、通風枝管50に流入した気流量も少なく、気流が細長い通風枝管を通した後、マットレスから逃された気流も少ない。特に通風本管50から離れてベッドボードに近接する一端には、その気流の流出量がより少なく、マットレスの通風効果に影響を与える。
【0043】
マットレスの寝心地を確保するとともに、マットレスの通風効果を確保することができる。本発明のハウジング40は、少なくとも1つの吹出口43を含む。前記吹出口は、前記通風本管の吸風口56に気密に連結される。好ましくは、本発明の実施例は、左通風本管54および右通風本管55にそれぞれ気密に連結される左右2つの吹出口43を有する。
【0044】
具体的には、前記ハウジング40は、通風本管50の連結端に直接に挿入可能な吹出プラグ44を有する。吹出プラグ44と通風本管50の連結端との間は、周設されるシールリング45を有する。連結箇所におけるハウジング40と通風本管50の空気漏れを防止することができ、通風本管50への気流量を増大させる。
【0045】
好ましくは、前記吹出口43の断面は、前記吸風口56の断面に相当し、給風装置から吹き出される気流を通風本管50に最大で送り込んで気流量を増大させることを確保できる。
【0046】
好ましくは、前記第2通路240の端部は、第1通路230の内側壁に位置する。前記通風接続口または継手51は、第2通路240の端部に対向して設置される。好ましくは、前記通風接続口または継手51は、通風枝管と同一水平面に位置し、気流を通風接続口または継手51から第2通路の通風枝管内に直線に流入させ、通風効率を高めて通風枝管への通風量を増やす。
【0047】
また、本発明に係るマットレスの寝心地をさらに向上させるために、本発明の通風枝管50を細長くする。好ましくは、前記第2通路240のサイズは、その端部から第2通路240の長手方向に沿って漸次に小さくなる。ベッドボードに近接する一端における第2通路240のサイズは、フットボードに近接する一端における第2通路240のサイズに比べて小さい。使用者は横になったときの快適さを向上させる。
【0048】
さらに、ベッドボードの気流量を確保するために、通風枝管に開設された排気孔は、吸気端から、通風枝管の長手方向に沿って漸次に増えることで、流出する気流量を増大させる。一方、前記通風枝管のサイズは、吸気端から、通風枝管の長手方向に沿って漸次に小さくなり、後部に向けて気流の流入速度が速くなり、これにより、流出する気流量を増大させる。
【0049】
前記ハウジング40には、空気通路46が設けられる。前記空気通路46の一端は、ハウジング40の吹出口43に連通し、その他端は、ハウジングの通風接続口または継手47に連通する。前記空気通路46は、前記給風装置からの気流を受ける。
【0050】
具体的には、前記第3通路250内には、本発明の通風枝管が取り付けられる。通風枝管は、前記空気通路からの気流を受けるとともに、前記通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃す。
【0051】
当業者であれば、前述の明細書の開示及び教示に基づいて、上記実施形態に対して適切な変更及び修正を行うこともできる。したがって、本発明は、上記に開示及び説明された特定の実施形態に限定されず、本発明に対するいくつかの修正及び変更も、本発明の特許請求の範囲の保護範囲内に含まれるべきである。なお、本明細書では特定の用語を用いているが、これらの用語は説明の便宜のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0052】
1 超薄型マットレス
10 基材
20 クッション層
30 通気層
200 クッション体
210 クッション体の上面
220 切欠口
230 第1通路
231 底壁
232 外側壁
233 内側壁
234 左通路
235 右通路
240 第2通路
250 第3通路
260 背臥部分
261 左背臥域
262 右背臥域
263 中間背臥域
270 遮熱部分
40 ハウジング
41 給風装置を収容するキャビティ
42 取付口
43 吹出口
44 吹出プラグ
45 シールリング
46 空気通路
47 ハウジングの通風接続口または継手
50 通風本管
51 通風本管の通風接続口または継手
52 頂部遮熱室
53 ガス通路
54 左通風本管
55 右通風本管
56 吸風口
501 通風本管の上面
502 通風本管の底面
503 通風本管の外側面
504 通風本管の内側面
521 通風本管の上面から窪んだ凹溝
522 頂板
523 上遮熱室
524 下遮熱室
【要約】 (修正有)
【課題】厚さを薄くしても、寝心地に影響を与えない超薄型マットレスを提供する。
【解決手段】クッション層(20)は、上面(210)を有するクッション体(200)と、クッション体の上面から窪んだ第1通路(230)と、第2通路(240)とを含む。前記第1通路内には、通風本管(50)が取り付けられ、前記第2通路内には、通風枝管が取り付けられる。前記通風枝管は、通風本管からの気流を受けるとともに、通風枝管の排気孔を経由して気流を前記複数の通気孔へ逃し、通気層(30)の背臥部分(260)に気流を供給する。前記通気層は、クッション層の上方に配置される。通気層の底面(502)から通風本管の上面(501)までの距離、通気層の底面から通風枝管の上面までの距離、通気層の底面からクッション体の上面までの距離がほぼ等しいとともに、前記通気層がクッション層にスムーズにフィットする。通風本管(50)は、遮熱材料からなる。
【選択図】
図3