(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】アンカーボルトとナットの緊結方法、アンカーボルトとナットの緊結構造及び土台とのずれ防止用座金
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20241010BHJP
F16F 7/12 20060101ALI20241010BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20241010BHJP
E02D 27/34 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
E04H9/02 331E
F16F7/12
F16F15/02 L
E02D27/34 B
(21)【出願番号】P 2024539783
(86)(22)【出願日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2024009333
【審査請求日】2024-07-08
(31)【優先権主張番号】P 2023145506
(32)【優先日】2023-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504451690
【氏名又は名称】半澤 薫和
(74)【代理人】
【識別番号】100142550
【氏名又は名称】重泉 達志
(72)【発明者】
【氏名】半澤 薫和
(72)【発明者】
【氏名】半澤 和夫
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-283428(JP,A)
【文献】特許第7018550(JP,B1)
【文献】特開2013-096221(JP,A)
【文献】特開2007-113377(JP,A)
【文献】特開2017-116003(JP,A)
【文献】特開2019-039290(JP,A)
【文献】特開2008-101346(JP,A)
【文献】特開2015-224488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/00-9/16
F16F 7/00-7/14
F16F 15/00-15/36
E02D 27/34
E04B 1/62-1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎と、前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、前記基礎の上方に配置され木材からなる土台と、前記土台に形成され前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面と接触する座金と、前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結方法であって、
前記座金を、前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有するものとし、
前記アンカーボルトに挿通された前記座金を、前記土台の上面に載置した状態で、前記アンカーボルトと螺合する前記ナットを締め付けることにより下方へ移動させて、前記突出部の少なくとも一部を前記土台にめり込ませるアンカーボルトとナットの緊結方法。
【請求項2】
基礎と、
前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、
前記基礎の上方に配置され、木材からなる土台と、
前記土台に形成され、前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、
前記アンカーボルトに挿通され、前記土台の上面と接触する座金と、
前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、
前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結構造であって、
前記座金は、前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有し、
前記突出部は、前記土台にめり込み、
前記平坦部は、前記土台の上面と接触するアンカーボルトとナットの緊結構造。
【請求項3】
基礎と、前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、前記基礎の上方に配置され木材からなる土台と、前記土台に形成され前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面と接触する座金と、前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結構造に使用される前記座金であって、
前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、
前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有し、
前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面に載置された状態で、前記アンカーボルトと螺合する前記ナットを締め付けることにより下方へ移動させられると、前記突出部の少なくとも一部が前記土台にめり込むよう構成された土台とのずれ防止用座金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーボルトとナットの緊結方法、アンカーボルトとナットの緊結構造及び土台とのずれ防止用座金に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の基礎に埋設され土台を固定するためのアンカーボルトと、アンカーボルトが挿入され土台を上下に貫通する貫通孔と、アンカーボルトの上端側に螺入するナットと、基礎と土台の間に介挿される摩擦減震装置と、を備えたアンカーボルトと摩擦減震装置の免震機構が知られている(特許文献1参照)。摩擦減震装置は、上段に位置し土台に密着する第1の滑り平板と、下段に位置し基礎に密着する第2の滑り平板と、を有し、第1の滑り平板及び第2の滑り平板が重ね合わされる面が平滑となっている。この免震機構では、摩擦減震装置がその平滑な部分が滑り面となって地震時にスライドするアイソレーターとして機能し、アンカーボルトの曲げ応力をバネとする小型免震装置が多数作動して大きな免震効果がもたらされる。
しかしながら、建物の荷重は主に柱を伝って、土台、さらにこの摩擦減震装置を伝って基礎及び地盤に流れるため、各々の柱に伝わる荷重の大きさに応じて柱付近に設置する摩擦減震装置の数量を計算するのが合理的であり、構造を熟知した技術者が必要となる。これにより、大型地震が予想されているにもかかわらず普及がおぼつかないという現状がある。そこで、本願発明者は、特許文献1と異なる構造の免震機構についても鋭意検討していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、平坦な座金を用いたアンカーボルトとナットの緊結構造では、地震、台風等に遭遇し、揺れ、風等により土台に水平方向の荷重が加えられると土台と座金が滑り、土台が水平方向にずれるという課題がある。
【0005】
本発明は、土台が水平方向にずれることのないアンカーボルトとナットの緊結方法、アンカーボルトとナットの緊結構造及び土台とのずれ防止用座金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、基礎と、前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、前記基礎の上方に配置され木材からなる土台と、前記土台に形成され前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面と接触する座金と、前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結方法であって、
前記座金を、前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有するものとし、
前記アンカーボルトに挿通された前記座金を、前記土台の上面に載置した状態で、前記アンカーボルトと螺合する前記ナットを締め付けることにより下方へ移動させて、前記突出部の少なくとも一部を前記土台にめり込ませるアンカーボルトとナットの緊結方法が提供される。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、
基礎と、
前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、
前記基礎の上方に配置され、木材からなる土台と、
前記土台に形成され、前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、
前記アンカーボルトに挿通され、前記土台の上面と接触する座金と、
前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、
前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結構造であって、
前記座金は、前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有し、
前記突出部は、前記土台にめり込み、
前記平坦部は、前記土台の上面と接触するアンカーボルトとナットの緊結構造が提供される。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明では、
基礎と、前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、前記基礎の上方に配置され木材からなる土台と、前記土台に形成され前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面と接触する座金と、前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結構造に使用される前記座金であって、
前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、
前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有し、
前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面に載置された状態で、前記アンカーボルトと螺合する前記ナットを締め付けることにより下方へ移動させられると、前記突出部の少なくとも一部が前記土台にめり込むよう構成された土台とのずれ防止用座金が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、平坦な座金を用いても土台が水平方向にずれることはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示す建築物の概略側面説明図である。
【
図2】木造土台下免震パッキンの配置状態を示す建築物の概略一部平面説明図である。
【
図3】アンカーボルト及び貫通孔の拡大側面説明図である。
【
図5】木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図6】第1の実施形態の変形例を示す建築物の概略側面説明図である。
【
図7】第1の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの下面図である。
【
図8】第1の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図9】第1の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図10】第1の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの下面図である。
【
図11】第1の実施形態の変形例を示すアンカーボルト及び貫通孔の拡大側面説明図である。
【
図12】第1の実施形態の変形例を示すアンカーボルト及び貫通孔の拡大側面説明図である。
【
図13】第1の実施形態の変形例を示すアンカーボルト及び貫通孔の拡大側面説明図である。
【
図14】第1の実施形態の変形例を示す座金の斜視図である。
【
図15】第1の実施形態の変形例を示し、ナットがアンカーボルトに螺合される前に、座金が土台の上面に載置された状態のアンカーボルト及び貫通孔の拡大側面説明図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態を示す建築物の概略側面説明図である。
【
図17】木造土台下免震パッキンの配置状態を示す建築物の概略一部平面説明図である。
【
図20】基礎断熱を施した場合の断熱状態を示す建築物の概略断面説明図である。
【
図21】第2の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの上面図である。
【
図22】第2の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの下面図である。
【
図23】第2の実施形態の変形例を示す木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図24】本発明の第3の実施形態を示す建築物の概略側面説明図である。
【
図25】木造土台下免震パッキンの配置状態を示す建築物の概略平面説明図である。
【
図26】第1木造土台下免震パッキンの下面図である。
【
図27】第1木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図28】第2木造土台下免震パッキンの下面図である。
【
図29】第2木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図30】第3木造土台下免震パッキンの下面図である。
【
図31】第3木造土台下免震パッキンの側面断面図である。
【
図32】断熱状態を示す建築物の概略側面説明図である。
【
図33】第3の実施形態の変形例を示す第1木造土台下免震パッキンの下面図であって、(a)は全体を示した図であり、(b)は円筒部のみを示した図である。
【
図34】第3の実施形態の変形例を示す第1木造土台下免震パッキンの側面断面図であって、(a)は全体を示した図であり、(b)は円筒部のみを示した図である。
【
図35】第4の実施形態を示す建築物の概略側面説明図である。
【
図36】第1木造土台下免震パッキンの上面図である。
【
図37】第1木造土台下免震パッキンの側面図であって、(a)は全体を示した図であり、(b)は傾斜面側の端部のみを示した図である。
【
図38】第2木造土台下免震パッキンの上面図である。
【
図39】第2木造土台下免震パッキンの側面図である。
【
図40】第3木造土台下免震パッキンの上面図である。
【
図41】第3木造土台下免震パッキンの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から
図5は本発明の第1の実施形態を示し、
図1は建築物の概略側面説明図、
図2は木造土台下免震パッキンの配置状態を示す建築物の概略一部平面説明図である、
図3はアンカーボルト及び貫通孔の拡大側面説明図、
図4は木造土台下免震パッキンの下面図、
図5は木造土台下免震パッキンの側面断面図である。尚、
図1から
図3は説明図であり、ハッチング等を省略している。
【0019】
図1に示すように、この木造土台下免震パッキン10は、建築物の基礎1と土台2の間に分散して介挿される。木造土台下免震パッキン10は、基礎1上で比較的大きな荷重がかかる部分に配置される。具体的には、
図2に示すように、各木造土台下免震パッキン10は、基礎1上の全ての柱3と平面視で重なるよう配置されるとともに、大引き受けと平面視で重なるよう配置される。基礎1には、土台2を固定するための複数のアンカーボルト40が柱3の中心から所定の距離で埋設される。本実施形態においては、アンカーボルト40は、柱3の中心から200mmの位置に埋設される。アンカーボルト40は、基礎1から上方へ延び、土台2を上下に貫通する貫通孔50に挿入され、上端側でナット60と螺合する。
図1及び
図2に示すように建築物の柱3にホールダウン金物4が設けられた場合、土台2を固定するためのアンカーボルト40とは別のアンカーボルト70が接続される。本実施形態においては、建築物は、木造であり、基礎1はコンクリート、土台2は木材により構成される。
【0020】
図3に示すように、ナット60は、アンカーボルト40と螺合する長ナット部61と、長ナット部61の上端側に形成された丸座62と、を有している。ナット60は、いわゆる座彫りナットであり、丸座62の下面には、径方向外側へ向けて放射状に形成された複数の三角突条63が形成されている。各三角突条63は、頂角が鋭角の三角形の断面を有し、径方向外側に行くにつれて頂点の高さが増すよう形成されている。本実施形態においては、締付後のナット60の上端は、土台2の上面と同一レベルとなっている。長ナット部61及び丸座62を有するナット60により、アンカーボルト40の頂部が拘束される。
【0021】
本実施形態においては、土台2の高さ寸法及び幅方向寸法は105mm、アンカーボルト40の直径は12mm、貫通孔50の直径は24mm、ナット60の丸座62の直径は45mmに設定される。尚、土台2の寸法は任意であり、例えば、高さ寸法及び幅方向寸法が89mm,120mm等であってもよい。また、アンカーボルト40及び貫通孔50の直径も任意に変更することができ、例えば、アンカーボルト40の直径を16mm、貫通孔50の直径を28mmとしてもよい。ここで、明細書中の「アンカーボルトの直径」は、アンカーボルト下端側のねじが形成されていない部分の直径ではなく、上端側のねじが形成された部分の直径を指している。すなわち、「アンカーボルトの直径」が12mmとは、上端側のねじが形成された部分の直径が12mmであり、下端側のねじが形成されていない部分は、例えば、12mmであっても10.6mmであってもよい。地震時における建築物の免震作用を考慮すると、貫通孔50の直径をアンカーボルト40の直径よりも10mm以上大きくすることが好ましい。また、地震時における建築物の各部位及び各設備の損傷等を考慮すると、貫通孔50の直径とアンカーボルト40の直径との差を30mm以下とすることが好ましい。
【0022】
図2に示すように、木造土台下免震パッキン10は、平面視長方形状に形成され、アンカーボルト40,70と干渉しない箇所に配置される。木造土台下免震パッキン10の材質は任意であるが、本実施形態においてはエンジニアリングプラスチックからなる。エンジニアリングプラスチックとして、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等を挙げることができる。また、木造土台下免震パッキン10を、プラスチックを母材とし、ガラス繊維、カーボン繊維等により強化された繊維強化プラスチックとすることもできる。本明細書では、「プラスチック」は、繊維強化プラスチックも含むものとする。
【0023】
図4及び
図5に示すように、木造土台下免震パッキン10は、平板部11と、平板部11から下方へ突出する複数の円筒部12と、を有する。平板部11は、平面視長方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面14をなしている。本実施形態においては、平板部11の長手方向寸法は、柱3の中心からアンカーボルト40までの距離と等しい寸法に設定され、木造土台下免震パッキン10を柱3と平面視で重なるよう配置することでアンカーボルト40と干渉することはない。すなわち、平板部11の長手方向寸法を、柱3の一辺の長さより大きく、かつ、柱3の中心からアンカーボルト40までの距離以下とすることで、柱3の直下に配置される木造土台下免震パッキン10がアンカーボルト40と干渉することはない。具体的に、本実施形態の木造土台下免震パッキン10の平面視寸法は、短辺が100mm、長辺が200mmである。平板部11の大きさは、建物荷重に対して、木造土台下免震パッキン10の材質の強度及び土台2の木材の強度によって決定される。本実施形態のように、木造土台下免震パッキン10の材質が比較的強度の高いエンジニアリングプラスチック製の場合は、100×200mm程度とすることが好ましい。
【0024】
柱部としての各円筒部12は、平面視で縦方向及び横方向に並べられ、下面に複数の凸部19が周方向に等間隔で形成されている。尚、各円筒部12を縦方向及び横方向に整列させることなく、例えばランダムに配置してもよく、各円筒部12の配置状態は任意に変更することができる。各円筒部12は、高さ調整部として機能し、上下寸法を変更することで木造土台下免震パッキン10の高さを任意に変更することができる。本実施形態においては、各円筒部12の高さ寸法は13mmである。また、本実施形態においては、各凸部19は、円錐台状を呈している。尚、各凸部19の形状は任意であり、例えば円柱状、角柱状、角錐台状等とすることもできる。凸部19の寸法は任意であるが、例えば、下面からの高さを0.2mm以上0.3mm以下とし、基端部の直径を1mm程度とすることができる。円筒部12の大きさ及び形状については、要求される強度が確保され、かつ、空気の通過が可能であれば、適宜変更可能なことは言うまでもない。
【0025】
図5に示すように、平板部11の上面と側面で形成される角部16は、面取りされている。本実施形態においては、角部16は角面とされているが、丸面としてもよい。また、
図4に示すように、平板部11の下面には、複数のリブ17が形成される。本実施形態においては、平板部11には、各円筒部12を包囲するリブ17と、外縁側に配置される円筒部12を連結するリブ17が形成される。尚、各リブ17は、適宜省略することができる。
【0026】
以上のように構成されたアンカーボルトと木造土台下免震パッキンを備えた建築物の免震機構の地震時の作用について説明する。
地震時に基礎1と土台2に相対的な水平方向の負荷が加わると、各木造土台下免震パッキン10の平滑面14と土台2の下面との間で水平方向の滑りが生じることにより、地震エネルギーが消費される。木造土台下免震パッキン10の上面は、土台2の下面に対してスライドすることにより、アイソレーターとして機能する。本実施形態においては、各木造土台下免震パッキン10の角部16が面取りされているので、角部16が土台2に食い込むことはなく、各木造土台下免震パッキン10と土台2とで滑りが生じやすくなっている。一方、各円筒部12の各凸部19が滑り止めとして機能するので、各木造土台下免震パッキン10の下端と基礎1の上面との間で滑りは生じない。基礎1と各木造土台下免震パッキン10は、必要に応じて接着剤により接着される。また、地震時に基礎1と土台2に相対的な水平方向の負荷が加わると、アンカーボルト40,70が曲げられてアンカーボルト40,70の内部に曲げ応力が発生する。地震エネルギーは、アンカーボルト40,70の曲げ応力となることによっても消費される。このように、アンカーボルト40,70と各木造土台下免震パッキン10とが協働して地震エネルギーを消費する。このように、本実施形態の新規構造の木造土台下免震パッキン10を備えた免震機構は、木造土台下免震パッキン10の上面と土台2の下面によるスライド摩擦と、アンカーボルト40,70の曲げ応力をバネとした免震機構であるため、強度的に余裕のあるように比較的大きな接触面を持たせることができ、複雑な構造計算を伴わない簡単な設置法で地震力を免震する機能を付与することができる。
【0027】
本実施形態においては、貫通孔50の直径がアンカーボルト40,70の直径よりも10mm以上大きいので、貫通孔50内の全区間にわたってアンカーボルト40,70に比較的大きな曲げ応力を生じさせることができる。また、本実施形態においては、貫通孔50の直径とアンカーボルト40,70の直径との差が30mm以下であるので、基礎1と土台2の相対的な移動量が30mm以下に抑えられ、地震時に建築物の各部位及び各設備に大きな損傷等を生じさせる可能性を低くしつつ、免震効果を得ることができる。
【0028】
また、本実施形態の木造土台下免震パッキン10によれば、下側を円筒部12としたので、基礎1及び土台2の間の空気の流通経路を広く確保することできる。このように、基礎1及び土台2の間の空気の空気抵抗を小さくし、通気量を多くすることにより、シロアリの発生、土台2の腐朽等を抑制することができる。また、鼠の侵入を防ぐ高さ寸法は15mm以下が好ましいとされているところ、各円筒部12の上下寸法を13mmとすることにより、鼠の侵入を確実に防ぐことができる。本実施形態においては、円筒部12の上下寸法を13mmとすることにより、仮に基礎1及び土台2の少なくとも一方に不陸が生じていたとしても、基礎1と平板部81の距離を確実に15mm以下とすることができる。さらに、各円筒部12間の距離を、例えば15mm以下とすることによっても、鼠の侵入を防ぐことができる。
【0029】
図6から
図8は第1の実施形態の変形例を示し、
図6は建築物の概略側面説明図、
図7は木造土台下免震パッキンの下面図、
図8は木造土台下免震パッキンの側面断面図である。尚、
図6は説明図であり、ハッチング等を省略している。
図6に示すように、この木造土台下免震パッキン80も、建築物の基礎1と土台2の間に介挿される。尚、
図6は説明図であり、ハッチング等を省略している。
【0030】
図7及び
図8に示すように、木造土台下免震パッキン80は、平板部81と、平板部81から下方へ突出する複数の円柱部82と、を有する。平板部81は、平面視長方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面84をなしている。柱部としての各円柱部82は、平面視で縦方向及び横方向に並べられ、下端が基礎1と接触する粗面85をなしている。
図7及び
図8に示すように、各円柱部82は、平板部81の幅方向へ延びるスリット82aを有する。各スリット82aは、平板部81の長手方向について、各円柱部82の中央に形成される。各スリット82aは、各円柱部82の先端から基端にわたって形成される。
【0031】
図8に示すように、平板部81の下面は、各円柱部82の形成部分が盛り上がるよう形成される。尚、
図7には、平板部81の下面の傾斜状態は示されていない。平板部81の下面は、平板部81の長手方向端部及び幅方向端部、並びに、各円柱部82の中間部から、各円柱部82の基端部へ向かって盛り上がるよう傾斜する傾斜部81aを有する。本実施形態においては、平板部81の下面における各円柱部82のスリット82a部分も、各円柱部82の突出部分82bへ向かって盛り上がるよう傾斜する。具体的に、平板部81の下面は、各円柱部82における一対の突出部分82bの中間から、各突出部分82bへ向かって盛り上がるよう傾斜する傾斜部81bを有する。また、本実施形態においては、成形時のゲートが配置される部分は、平坦に形成される。具体的に、平板部81の下面は、長手方向中央の所定範囲に形成された平坦部81cを有する。本実施形態においては、平坦部81cは、長手方向中央に位置する2つの各円柱部82間にわたって形成される。
【0032】
各円柱部82は、高さ調整部として機能し、上下寸法を変更することで木造土台下免震パッキン80の高さを任意に変更することができる。各円柱部82の上下方向寸法は、平板部81よりも大きく形成される。本実施形態においては、平板部81の上下寸法は4mm、各円柱部82の上下寸法は9mmである。この平板部81の上下寸法は、各傾斜部81a,81bの高さ変化量1mmを含めた寸法であり、平板部81における最も薄い部分の上下寸法は3mmである。
【0033】
図8に示すように、平板部81の上面と側面で形成される角部86は、面取りされている。本実施形態においては、角部86は所定の曲率で湾曲して形成され、具体的に角部86の曲率半径は2mmである。
【0034】
以上のように構成されたアンカーボルトと木造土台下免震パッキンを備えた建築物の免震機構においても、地震時に第1の実施形態と同様の作用を得ることができる。また、この木造土台下免震パッキン80によれば、円柱部82にスリット82aを形成したことで、空気の流通抵抗を大幅に減少させることができ、通気量を飛躍的に増大させることができる。
【0035】
尚、
図7及び
図8においては、各円柱部82の突出部分82bの間に傾斜面81bを形成したものを示したが、例えば
図9に示すように、突出部分82b間を平坦とすることもできる。さらに、平板部81の下面全体を平坦としてもよい。
【0036】
また、
図7及び
図8においては、円柱部82にスリット82aを形成したものを示したが、例えば
図10に示すように、円筒部89にスリット89aを形成してもよい。さらには、高さ調整部を角柱状、角筒状等としてスリットを形成することできる。
【0037】
また、前記実施形態においては、ナット60の上端が土台2の上面と同一レベルあるいは上面から下へ数mmとなるいわゆる根太レス工法のものを示したが、例えば
図11から
図13に示すように、ナット160,260,360の上端が土台2の上面より高くなるいわゆる根太床工法のものに本発明を適用可能なことはいうまでもない。
図11から
図13の建築物では、アンカーボルト140は、基礎1への埋め込み時に、上端が土台2の表面より高くなるよう設置されている。
【0038】
図11に示すナット160は、前記実施形態のナット60のような長ナット部61及び丸座62を有しておらず、アンカーボルト140が挿通され土台2の表面と接触する座金162と組み合わせて使用される。このナット160は、緩み止め機能を有することが望ましく、座金162の上面に配置され、アンカーボルト140の上端と螺合する。また、
図11の変形例では、前記実施形態のように貫通孔50が上下にわたって同じ径に形成されておらず、2段削孔の貫通孔150が用いられている。貫通孔150は上側が下側の径より小さくされ、例えば、下側の径を24mm、上側の径を16mm以上18mm以下とすることができる。
図11の変形例の場合、上側の径をを小さくすることにより、アンカーボルト140の曲げ応力のバネを利かせることができる。また、
図12に示すように、ナット160を土台2に座彫り錐等により埋め込まれる座金262と組み合わせ使用することもできる。
図12の変形例では、貫通孔50は、上下にわたって、同じ径に形成されている。
図12の変形例の場合、埋め込まれた座金262により、アンカーボルト140の曲げ応力のバネを利かせることができる。
【0039】
さらに、
図13に示すように、土台2に対するずれ防止機能を有する座金362を使用することもできる。この座金362によっても、アンカーボルト140の曲げ応力のバネを利かせることができる。
図14に示すように、この座金362は、アンカーボルト140用の挿通孔362aが形成された平坦部362bと、平坦部362bの外縁側に形成され平坦部362bから下方へ突出する突出部362cと、を有する。座金362は平面視円形を呈し、突出部362cは座金362の外縁側を径方向外側へ向かって下方へ傾斜するよう曲げて形成されている。座金362の突出部362cの径方向内端の径寸法は、貫通孔50の径寸法より大きく形成される。座金362の外径寸法は任意であるが、例えば45mmとすることができる。
【0040】
以下、土台2に対するずれ防止用の座金362を用いたアンカーボルト140及びナット160の緊結方法を説明する。
図15に示すように、アンカーボルト140が貫通孔50を挿通するように土台2を基礎1上にセットし、座金362をアンカーボルト140に挿通させて土台2の上面と接触させる。この状態で、アンカーボルト140と螺合するナット160を締め付けることにより座金362を下方へ移動させて、突出部362cを土台2にめり込ませる。金属からなる座金362は、木材からなる土台2に対して高い強度を有していることから、突出部362cを土台2にスムースにめり込ませることができる。平坦部362bが土台2の上面と接触した後、使用した工具のトルクに応じた位置で座金362の下方への移動が止まり、アンカーボルト140とナット160が緊結される。このアンカーボルト140及びナット160の緊結方法は、建築物の新築工事であってもリフォーム工事であっても適用可能である。リフォーム工事の場合は、緊結状態の既設のナット160をアンカーボルト140から一旦外して、補修等のリフォームに関する所定の作業を行った後、アンカーボルト140とナット160を再び緊結状態とする。再度の緊結にあたっては、既設のナット160を再使用してもよいし、新設のナット160を使用してもよい。
【0041】
ずれ防止用の座金362を使用したアンカーボルト140とナット160の緊結構造によれば、アンカーボルト140の頂部が座金362により土台2側に拘束される。これにより、地震、台風等に遭遇し、揺れ、風等により土台2に水平方向の力が加わったとしても、土台2がアンカーボルト140、座金362等に対して水平方向にずれることはなく、アンカーボルト140とナット160の緊結状態を維持することができる。従って、ずれ防止用の座金362を使用したアンカーボルト140とナット160の緊結構造は、平坦な座金を用いたアンカーボルトとナットの緊結構造における、揺れ、風等により土台に水平方向の荷重が加えられると土台と座金が滑り、土台が水平方向にずれるという課題を解決したものといえる。
図13から
図15においては、座金362の突出部362cが径方向外側へ向かって下方へ傾斜するものを示したが、突出部362cの形状は任意に変更することができる。また、座金362が平面視円形であるものを示したが、座金362の平面視形状はこれに限定されるものではない。
【0042】
平坦な座金を用いた場合に土台が水平方向にずれるという課題の解決手段として、以下の(1)から(3)が例示される。
(1)基礎と、前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、前記基礎の上方に配置され木材からなる土台と、前記土台に形成され前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面と接触する座金と、前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結方法であって、
前記座金を、前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有するものとし、
前記アンカーボルトに挿通された前記座金を、前記土台の上面に載置した状態で、前記アンカーボルトと螺合する前記ナットを締め付けることにより下方へ移動させて、前記突出部の少なくとも一部を前記土台にめり込ませるアンカーボルトとナットの緊結方法。
(2)基礎と、
前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、
前記基礎の上方に配置され、木材からなる土台と、
前記土台に形成され、前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、
前記アンカーボルトに挿通され、前記土台の上面と接触する座金と、
前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、
前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結構造であって、
前記座金は、前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有し、
前記突出部は、前記土台にめり込み、
前記平坦部は、前記土台の上面と接触するアンカーボルトとナットの緊結構造。
(3)基礎と、前記基礎から上方へ延びるアンカーボルトと、前記基礎の上方に配置され木材からなる土台と、前記土台に形成され前記アンカーボルトが挿通される貫通孔と、前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面と接触する座金と、前記アンカーボルトの上端側と螺合するナットと、を有し、前記貫通孔の壁面と前記アンカーボルトの間に所定のクリアランスが確保されたアンカーボルトとナットの緊結構造に使用される前記座金であって、
前記アンカーボルト用の挿通孔が形成された平坦部と、
前記平坦部の外縁側に形成され前記平坦部から下方へ突出する突出部と、有し、
前記アンカーボルトに挿通され前記土台の上面に載置された状態で、前記アンカーボルトと螺合する前記ナットを締め付けることにより下方へ移動させられると、前記突出部の少なくとも一部が前記土台にめり込むよう構成された土台とのずれ防止用座金。
【0043】
図16から
図20は本発明の第2の実施形態を示し、
図16は建築物の概略側面説明図、
図17は木造土台下免震パッキンの配置状態を示す建築物の概略一部平面説明図、
図18は木造土台下免震パッキンの上面図、
図19は木造土台下免震パッキンの側面図、
図20は断熱状態を示す建築物の概略断面説明図である。尚、
図16及び
図20は説明図であり、ハッチング等を省略している。
【0044】
図16及び
図17に示すように、第2の実施形態の木造土台下免震パッキン110も、第1の実施形態と同様に、建築物の基礎1と土台2の間に分散して介挿される。第2の実施形態の建築物は、第1の実施形態の建築物と、木造土台下免震パッキン110の形状が異なっている。
図16に示すように、この木造土台下免震パッキン110は、柱部を有しておらず、平板状を呈している。本実施形態においては、木造土台下免震パッキン110の高さ寸法は約5mmである。第2の実施形態では、通常の木造建築の床下通気による劣化対策をせずに、基礎1の内側又は外部に断熱材を施し、床下を機械的に通気暖房又は空調する、所謂、基礎断熱工法が使用されている。第2の実施形態では、内部結露を防ぎ、木材の乾燥に有効な1センチ以下の空気層の断熱層を取り入れたスリット断熱とする為に、薄型の木造土台下免震パッキン110が使用される。
【0045】
図18及び
図19に示すように、木造土台下免震パッキン110は、エンジニアリングプラスチックからなり、平面視長方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面114をなし、下面が基礎1と接触する複数の凸部119を有している。本実施形態においても、木造土台下免震パッキン110の長手方向寸法は、柱3の中心からアンカーボルト40までの距離と等しい寸法に設定され、具体的に、本実施形態の木造土台下免震パッキン10の平面視寸法は、短辺が100mm、長辺が200mmである。本実施形態においては、各凸部119は、円錐台状を呈している。尚、各凸部119の形状は任意であり、例えば円柱状、角柱状、角錐台状等とすることもできる。各凸部119の寸法は任意であるが、例えば、下面からの高さを0.2mm以上0.3mm以下とし、基端部の直径を1mm程度とすることができる。各凸部119は、地震時に基礎1に対する滑り止めとして機能する。尚、凸部119に代えて、下面を粗面とすることも可能である。
【0046】
また、
図18に示すように、一方の長辺及び短辺の上面外縁には、法線方向外側へ向かって下方へ傾斜する第1傾斜面118aが形成され、他方の長辺及び短辺の上面外縁には、第1傾斜面118aより傾斜が急な第2傾斜面118bが形成されている。第1及び第2傾斜面118a,118bにより、木造土台下免震パッキン110の打ち込みによる取り付けを容易に行うことができる。また、この木造土台下免震パッキン110は、工具等を受容可能な調整溝190が形成される。調整溝190は、木造土台下免震パッキン110の平板部分を厚さ方向に貫通し、所定の一辺から内側へ向かって延びるよう形成される。本実施形態では、調整溝190は、終端側の幅方向寸法が基端側よりも大きくなるよう形成される。また、本実施形態では、調整溝190は、第2傾斜面118bと連続的に形成された傾斜面190bを有している。
【0047】
図20に示すように、この建築物では、外周に位置する基礎1の室内側側面に断熱パネル5が設けられる。尚、基礎1の室外側で断熱を行うようにしてもよい。また、断熱パネル5の上端から土台2の室内側側面にわたって、木造土台下免震パッキン110の室内側を覆うように発泡吹付断熱材6が設けられている。本実施形態の木造土台下免震パッキン110は比較的薄型であり、基礎1と土台2の間がスリット状であることから、良好な断熱作用を得ることができる。尚、第1の実施形態のように柱部を有する木造土台下免震パッキン10で良好な断熱作用を得る場合は、柱部の上下寸法を小さくすればよい。発泡吹付断熱材6は、木造土台下免震パッキン110等が数ミリ程度スライドしても追従するものとする。このようにスライド可能であれば、発泡吹付断熱材6を乾式断熱材としてもよい。本実施形態においては、発泡吹付断熱材6として弾性型吹付剤が使用され、木材断熱効果を利用して木材の腐朽状態を監視できるようにし、かつ、コンクリート表面が室内側で結露しないよう施工されている。断熱パネル5及び発泡吹付断熱材6により断熱が図られ、基礎1のコンクリートの露出による結露が発生しにくくなっている。また、基礎1の内部の鉄筋などの金属が内部結露を起こさない様に発泡吹付断熱材6の反対側は解放されたスリット状になっており、空気層断熱の効果と木材を乾燥させる効果を得ることができる。尚、ここでは断熱パネル5を用いた例を示したが、乾式のパネルの他に、断熱吹付剤、発泡剤等の断熱材を用いることもできる。
【0048】
本実施形態のアンカーボルトと木造土台下免震パッキンを備えた建築物の免震機構においても、地震時に第1の実施形態と同様の作用を得ることができる。さらに、例えば、
図21から
図23に示す第2の実施形態の変形例の木造土台下免震パッキン210を用いることもできる。この木造土台下免震パッキン210は、エンジニアリングプラスチックからなり、
図21及び
図22に示すように、平面視長方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面214をなし、下面が基礎1と接触する複数の凸部219を有している。
図23に示すように、この木造土台下免震パッキン210では、各凸部219は、平面視四角形状の平坦な台部219aと、台部219aの周縁から上方へ傾斜する傾斜部219bと、を有している。尚、
図22には、木造土台下免震パッキン210の下面の傾斜状態は示されていない。各凸部219は、地震時に基礎1に対する滑り止めとして機能する。尚、凸部219の形状は任意であるし、凸部219に代えて下面を粗面とすることも可能である。また、
図21に示すように、一方の長辺及び短辺の上面外縁には、法線方向外側へ向かって下方へ傾斜する第1傾斜面218aが形成され、他方の長辺及び短辺の上面外縁には、第1傾斜面218aより傾斜が急な第2傾斜面218bが形成されている。第1及び第2傾斜面218a,218bにより、木造土台下免震パッキン210の打ち込みによる取り付けを容易に行うことができる。
【0049】
図24から
図32は本発明の第3の実施形態を示し、
図24は建築物の概略側面説明図、
図25は木造土台下免震パッキンの配置状態を示す建築物の概略平面説明図、
図26は第1木造土台下免震パッキンの下面図、
図27は第1木造土台下免震パッキンの側面断面図、
図28は第2木造土台下免震パッキンの下面図、
図29は第2木造土台下免震パッキンの側面断面図、
図30は第3木造土台下免震パッキンの下面図、
図31は第3木造土台下免震パッキンの側面断面図、
図32は断熱状態を示す建築物の概略側面説明図である。尚、
図24及び
図32は説明図であり、ハッチング等を省略している。
図24及び
図25に示すように、本実施形態においては、3種類の木造土台下免震パッキン310,320,330が使用される。本実施形態においては、各木造土台下免震パッキン310,320,330は、エンジニアリングプラスチックと比較して強度が小さい一般のプラスチックからなる。本実施形態においては、木造土台下免震パッキン310,320,330の設置面積を大きくする必要があり、基礎1と土台2の間のほぼ全面にわたって設置されている。
【0050】
図26及び
図27に示すように、第1木造土台下免震パッキン310は、平面視正方形状に形成され、主に柱3の直下、及び、土台2と大引き等の接合部で土台2に断面欠損が生じやすい箇所に使用される。
図28及び
図29に示すように、第2木造土台下免震パッキン320は、アンカーボルト40,70と干渉しない形状とされ、アンカーボルト40,70の設置箇所に使用される。
図30及び
図31に示すように、第3木造土台下免震パッキン330は、平面視長方形状に形成され、第1・第2木造土台下免震パッキン310,320の配置箇所以外の部分に使用される。
【0051】
図26及び
図27に示すように、第1木造土台下免震パッキン310は、平板部311と、平板部311から下方へ突出する複数の円筒部312と、を有する。平板部311は、平面視正方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面314をなしている。柱部としての各円筒部312は、平面視で縦方向及び横方向に並べられ、下面が基礎1と接触する粗面315をなしている。各円筒部312の上下方向寸法は、平板部311よりも大きく形成される。各円筒部312は、高さ調整部として機能し、上下寸法を変更することで第1木造土台下免震パッキン310の高さを任意に変更することができる。本実施形態においては、各木造土台下免震パッキン310,320,330の上下寸法は19mmであり、第1木造土台下免震パッキン310の平板部311の上下寸法は5mm、各円筒部312の上下寸法は14mmである。
図27に示すように、平板部311の上面と側面で形成される角部316は、面取りされている。本実施形態においては、角部316は所定の曲率で湾曲して形成され、具体的に角部316の曲率半径は2mmである。尚、角部316を丸面とせずに角面としてもよい。また、
図26に示すように、平板部311の下面には、複数のリブ317が形成される。本実施形態においては、平板部311には、対角線状に形成されるリブ317と、対辺の中点を連結する線状に形成されるリブ317が形成される。尚、各リブ317は、適宜省略することができる。
【0052】
図28及び
図29に示すように、第2木造土台下免震パッキン320は、平板部321と、平板部21から下方へ突出する複数の円筒部322と、を有する。平板部321は、平面視にて外縁から内側へ向かって切り欠かれ、アンカーボルト40,70との干渉を避ける切欠部323を有している。本実施形態においては、切欠部323は、平板部321における基礎1及び土台2の長手方向両端の幅方向一方を矩形状に切り欠いた形状を呈しており、平板部321は平面視T字状を呈している。平板部321は、上面が土台2と接触する平滑面324をなしている。柱部としての各円筒部322は、平面視で縦方向及び横方向に並べられ、下端が基礎1と接触する粗面325をなしている。各円筒部322の上下方向寸法は、平板部321よりも大きく形成される。各円筒部322は、高さ調整部として機能し、上下寸法を変更することで第2木造土台下免震パッキン320の高さを任意に変更することができる。本実施形態においては、平板部321の上下寸法は5mm、各円筒部322の上下寸法は14mmである。
図29に示すように、平板部321の上面と側面で形成される角部326は、面取りされている。本実施形態においては、角部326は所定の曲率で湾曲して形成され、具体的に角部26の曲率半径は2mmである。尚、角部326を丸面とせずに角面としてもよい。
【0053】
図30及び
図31に示すように、第3木造土台下免震パッキン330は、平板部331と、平板部331から下方へ突出する複数の円筒部332と、を有する。平板部331は、平面視長方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面334をなしている。柱部としての各円筒部332は、平面視で縦方向及び横方向に並べられ、下端が基礎1と接触する粗面335をなしている。各円筒部332の上下方向寸法は、平板部331よりも大きく形成される。各円筒部332は、高さ調整部として機能し、上下寸法を変更することで第3木造土台下免震パッキン330の高さを任意に変更することができる。本実施形態においては、平板部331の上下寸法は5mm、各円筒部332の上下寸法は14mmである。
図31に示すように、平板部331の上面と側面で形成される角部336は、面取りされている。本実施形態においては、角部336は所定の曲率で湾曲して形成され、具体的に角部336の曲率半径は2mmである。尚、角部336を丸面とせずに角面としてもよい。
【0054】
図25に示すように、原則として、基礎1上の全ての領域に第1木造土台下免震パッキン310,第2木造土台下免震パッキン320、又は、第3木造土台下免震パッキン330のいずれかが設置される。ただし、基礎1の端部など、荷重がかからない箇所については、木造土台下免震パッキン310,320,330が設置されない領域を設定することもできる。基礎1における木造土台下免震パッキン310,320,330が設置されない領域が外周に位置する場合は、別途、防鼠材を設ければよい。
図25では、説明のため、非設置領域301aをハッチングで示している。
図25に示すように、第1木造土台下免震パッキン310は、基礎1上で比較的大きな荷重がかかる部分に配置される。本実施形態においては、第1木造土台下免震パッキン310は、基礎1上の全ての柱3の下方に配置されるとともに、大引き受けの下方に配置される。また、第2木造土台下免震パッキン320は、基礎1上のアンカーボルト40,70の設置箇所に配置される。第3木造土台下免震パッキン330は、第1木造土台下免震パッキン310及び第2木造土台下免震パッキン320がいずれも配置されていない部分に配置される。尚、第1木造土台下免震パッキン310及び第2木造土台下免震パッキン320に比較的高い強度が付与されている場合は、第3木造土台下免震パッキン330を任意に省略することができる。
【0055】
図32に示すように、本実施形態の建築物においても、外周に位置する基礎1の室内側側面に断熱パネル5が設けられ、断熱パネル5の上端から土台2の室内側側面にわたって、木造土台下免震パッキン310,320,330の室内側を覆うように発泡吹付断熱材6が設けられている。
【0056】
以上のように構成されたアンカーボルトと木造土台下免震パッキンを備えた建築物の免震機構においても、地震時に第1の実施形態と同様の作用を得ることができる。また、本実施形態においては、アンカーボルト40,70の近傍に切欠部323を有する第2木造土台下免震パッキン320を配置したので、第2木造土台下免震パッキン320の脱着を、アンカーボルト40,70と干渉することなく、土台1及び基礎2の幅方向外側から行うことができる。これにより、各木造土台下免震パッキン310,320,330のメンテナンス、交換等に際し、建築物の木造躯体を比較的大きく(例えば300mm程度)かさ上げする必要はなく、膨大な費用が発生することはない。
【0057】
また、全ての柱3の下方には、平面視正方形の第1木造土台下免震パッキン310が配置される。これにより、比較的大きな軸力が作用する柱部分の耐圧力が確保されている。一方、柱3の下方以外については、アンカーボルト40,70が配置される部分には第2木造土台下免震パッキン320が配置され、アンカーボルト40,70が配置されない部分には第3木造土台下免震パッキン330が配置される。このように、切欠部323を有する第2木造土台下免震パッキン320と、切欠部323を有さない第1木造土台下免震パッキン310及び第3木造土台下免震パッキン330と、含む木造土台下免震パッキンのセットとすることにより、平面視で基礎1が角をなしている部分と中間の部分の両方に対応することができる。
【0058】
尚、前記実施形態においては、各木造土台下免震パッキン310,320,330の下面を粗面315,325,335としたものを示したが、
図33及び
図34に示すように、粗面の形成に代えて下面が基礎1と接触する複数の凸部319を有するものとしてもよい。この変形例では、
図33(b)及び
図34(b)に示すように、円筒部312の下面に複数の凸部319が周方向に等間隔で形成されている。
図33(b)及び
図34(b)では、各凸部319を円錐台状とした例を示しているが、各凸部319の形状は任意であり、例えば円柱状、角柱状、角錐台状等とすることもできる。凸部319の寸法も任意であり、例えば、下面からの高さを0.2mm以上0.3mm以下とし、基端部の直径を1mm程度とすることができる。
【0059】
また、第1及び第3の実施形態並びにそれらの変形例においては、平板部11,81,311,321,331から下方へ延びる柱部を円筒部12,312,322,332あるいは円柱部82としたものを示したが、例えば、多角筒状、多角柱状等としてもよい。柱部の形状、寸法、配置状態等は、例えば、通気量、気密度等に応じ、作用する荷重に対する強度が確保された範囲内で適宜変更することができる。
【0060】
図35から
図41は本発明の第4の実施形態を示し、
図35は建築物の概略側面説明図、
図36は第1木造土台下免震パッキンの上面図、
図37は第1木造土台下免震パッキンの側面図。
図38は第2木造土台下免震パッキンの上面図、
図39は第2木造土台下免震パッキンの側面図、
図40は第3木造土台下免震パッキンの上面図、
図41は第3木造土台下免震パッキンの側面図である。尚、
図35は説明図であり、ハッチング等を省略している。第4の実施形態においては、
図35から
図41に示すような柱部が形成されない平板状の木造土台下免震パッキン410,420,430が用いられる。
【0061】
図37及び
図38に示すように、第4の実施形態の第1木造土台下免震パッキン410は、金属からなり、平面視正方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面414をなし、下面が基礎1と接触する複数の凸部419を有している。第1木造土台下免震パッキン410は、具体的にはステンレスからなる。本明細書では、「金属」は、ステンレスのような合金も含むものとする。
図38(b)に示すように、各凸部419は円錐台状に形成され、例えば、下面からの高さを0.2mm以上0.3mm以下とし、基端部の直径を1mm程度とすることができる。各凸部419は、地震時に基礎1に対する滑り止めとして機能する。尚、凸部419に代えて、粗面とすることも可能である。また、所定の1辺の上面外縁には、法線方向外側へ向かって下方へ傾斜する傾斜面418が形成されている。傾斜面418により、第1木造土台下免震パッキン410の打ち込みによる取り付けを容易に行うことができる。
【0062】
図39及び
図40に示すように、第4の実施形態の第2木造土台下免震パッキン420は、金属からなり、上面が土台2と接触する平滑面424をなし、下面が基礎1と接触する複数の凸部429を有している。第2木造土台下免震パッキン420は、具体的にはステンレスからなる。各凸部429は円錐台状に形成され、例えば、下面からの高さを0.2mm以上0.3mm以下とし、基端部の直径を1mm程度とすることができる。各凸部429は、地震時に基礎1に対する滑り止めとして機能する。尚、凸部429に代えて、粗面とすることも可能である。第2木造土台下免震パッキン420の切欠部423は、基礎1及び土台2の長手方向両端の幅方向一方を矩形状に切り欠いた形状を呈しており、第2木造土台下免震パッキン420は平面視T字状を呈している。また、上面における長手方向中央側の幅方向一端の外縁には、幅方向一方へ向かって下方へ傾斜する傾斜面428が形成されている。傾斜面428により、第2木造土台下免震パッキン420の打ち込みによる取り付けを容易に行うことができる。また、上面における長手方向中央側の幅方向一端の角部426は、所定の曲率で湾曲して形成されている。
【0063】
図41及び
図42に示すように、第4の実施形態の第3木造土台下免震パッキン430は、金属からなり、平面視長方形状に形成され、上面が土台2と接触する平滑面434をなし、下面が基礎1と接触する複数の凸部439を有している。各凸部439は円錐台状に形成され、例えば、下面からの高さを0.2mm以上0.3mm以下とし、基端部の直径を1mm程度とすることができる。第3木造土台下免震パッキン430は、具体的にはステンレスからなる。各凸部439は、地震時に基礎1に対する滑り止めとして機能する。尚、凸部439に代えて、粗面とすることも可能である。また、所定の長辺の上面外縁には、法線方向外側へ向かって下方へ傾斜する傾斜面438が形成されている。傾斜面438により、第3木造土台下免震パッキン430の打ち込みによる取り付けを容易に行うことができる。
図36から
図42に示す平板状の木造土台下免震パッキン410,420,430を用いても、免震作用を得ることができる。
【0064】
尚、各木造土台下免震パッキン10,80,110,210,310,320,330,410,420,430は、建築物の免震機構の専用品として製造されたものであってもよいことは勿論、公知の部品を加工して作製されたものであってもよい。例えば、公知の基礎パッキンの上面を平滑化して、各木造土台下免震パッキン10,80,110,210,310,320,330,410,420,430とすることも可能である。
【0065】
複雑な構造計算を伴わない簡単な設置法で地震力を免震する機能を付与するという目的を達成するため、建築物の基礎と土台の間に介挿される免震パッキンであって、地震時に、前記土台との接触面が滑り、前記基礎との接触面は滑らない木造土台下免震パッキンが提供される。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、前記土台と接触する上面は、平滑面をなし、前記基礎と接触する下面は、凸部を有する、もしくは、粗面をなすことが好ましい。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、水平方向へ延びる平板部と、前記平板部から下方へ延びる複数の柱部と、を有することが好ましい。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、前記各柱部は、水平方向へ空気が流通可能な通気部を有することが好ましい。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、プラスチックからなるようにしてもよい。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、エンジニアリングプラスチックからなるようにしてもよい。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、金属からなるようにしてもよい。
上記木造土台下免震パッキンにおいて、平面視にて外縁から内側へ向かって切り欠かれ、アンカーボルトとの干渉を避ける切欠部を有することが好ましい。
また、複雑な構造計算を伴わない簡単な設置法で地震力を免震する機能を付与するという目的を達成するため、アンカーボルトが埋設される基礎と、前記アンカーボルトが挿入される貫通孔が形成された土台と、前記基礎と前記土台の間に介挿される上記木造土台下免震パッキンと、を備えた建築物の免震機構が提供される。
上記建築物の免震機構において、前記貫通孔の直径と前記アンカーボルトの直径の差は、10mm以上であることが好ましい。
以上、本発明の実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0066】
1 基礎
2 土台
3 柱
4 ホールダウン金物
5 断熱パネル
6 発泡吹付断熱材
10 木造土台下免震パッキン
11 平板部
12 円筒部
14 平滑面
16 角部
17 リブ
19 凸部
40 アンカーボルト
50 貫通孔
60 ナット
61 長ナット部
62 丸座
63 三角突条
70 アンカーボルト
80 木造土台下免震パッキン
81 平板部
81a 傾斜部
81b 傾斜部
81c 平坦部
82 円柱部
82a スリット
82b 突出部分
84 平滑面
85 粗面
86 角部
89 円筒部
89a スリット
110 木造土台下免震パッキン
114 平滑面
118a 第1傾斜面
118b 第2傾斜面
119 凸部
162 座金
190 調整溝
190b 傾斜面
210 木造土台下免震パッキン
214 平滑面
218a 第1傾斜面
218b 第2傾斜面
219 凸部
219a 台部
219b 傾斜部
262 座金
310 第1木造土台下免震パッキン
311 平板部
312 円筒部
314 平滑面
315 粗面
316 角部
317 リブ
319 凸部
320 第2木造土台下免震パッキン
321 平板部
322 円筒部
323 切欠部
324 平滑面
325 粗面
326 角部
330 第3木造土台下免震パッキン
331 平板部
332 円筒部
334 平滑面
335 粗面
336 角部
362 座金
362a 挿通孔
362b 平坦部
362c 突出部
410 第1木造土台下免震パッキン
414 平滑面
418 傾斜面
419 凸部
420 第2木造土台下免震パッキン
423 切欠部
424 平滑面
426 角部
428 傾斜面
429 凸部
430 第3木造土台下免震パッキン
434 平滑面
438 傾斜面
439 凸部
【要約】
複雑な構造計算を伴わない簡単な設置法で地震力を免震する機能を有する木造土台下免震パッキンとこれを備えた建築物の免震機構を提供する。
アンカーボルト40が埋設される基礎1と、アンカーボルト40が挿入される貫通孔50が形成された土台2と、基礎1と土台2の間に介挿される木造土台下免震パッキン10と、を備えた建築物の免震機構において、地震時に、木造土台下免震パッキン10における土台2との接触面が滑り、木造土台下免震パッキン10における基礎1との接触面は滑らないようにした。