(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】レンタル価格算出システム、レンタル価格算出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20241010BHJP
【FI】
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2021080894
(22)【出願日】2021-05-12
【審査請求日】2022-03-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】花輪 直之
(72)【発明者】
【氏名】石橋 愛
(72)【発明者】
【氏名】和田 康宏
(72)【発明者】
【氏名】南雲 秀明
(72)【発明者】
【氏名】浦瀬 大河
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-331137(JP,A)
【文献】国際公開第2019/229964(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/008943(WO,A1)
【文献】特開2002-024921(JP,A)
【文献】特開2021-022406(JP,A)
【文献】特開2006-119921(JP,A)
【文献】特開2009-070063(JP,A)
【文献】特開2006-178845(JP,A)
【文献】特開2020-038511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のレンタル価格を算出するレンタル価格算出システムであって、
保管中のレンタル用の商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品及び前記商品のレンタル条件を、商品の種類で分類した一覧を、商品の種類毎に作成する一覧作成部と、
顧客がレンタルを希望する前記商品の商品情報について、作成した前記一覧から、レンタル条件を抽出する抽出部と、
抽出した前記レンタル条件を、前記商品の検品情報及び価格情報とともに前記顧客に提供する提供部と、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定する決定部と、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画する配送計画部と、
レンタルから返却され検品された前記商品の、悪化した状態並びにその程度及び個数と、前記悪化した状態の商品に行った修理、クリーニング、洗濯の履歴とを前記検品情報として少なくとも取得する検品情報取得部と、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を前記商品の状態の悪化の程度に応じて算出するレンタル価格算出部と、
前記顧客の顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
を備え
、
前記提供部は、取得した前記顧客情報に基づいて、前記顧客の嗜好を判断し、判断結果に基づいて、前記顧客がレンタルを希望する順序を予測し、予測した当該順序に、抽出された前記レンタル条件を並び替えて提供する、
レンタル価格算出システム。
【請求項2】
前記商品の商品情報が格納された識別情報を取得する識別情報取得部、
を更に備え、
前記抽出部は、取得した前記識別情報に格納された前記商品情報に基づいて、前記商品の保管場所以外で前記識別情報が取得された場合に、前記商品に類似する保管中の商品の前記レンタル条件を抽出する、
請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項3】
顧客情報取得部は、前記顧客のレンタル履歴と、前記顧客の属性である性別、年齢、居住地、職業、嗜好、価値観、収入、家族構成、の情報と、を少なくとも含む顧客情報を取得
し、
前記提供部は、取得した前記顧客情報に基づいて、前記顧客の趣味、嗜好、生活様
式を判断し、判断結果に基づいて、前記顧客がレンタルを希望する
順序を予測し、
予測した当該順序に、抽出された前記
レンタル条件を並び替えて提供する、
請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項4】
前記提供部は、取得した前記顧客情報と、過去に前記商品をレンタルした顧客の顧客情報及びこの時のレンタル条件とを比較し、一致する項目の数が多い順序に、抽出した前記レンタル条件を並べ替えて提供する、
請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項5】
算出した前記レンタル価格を、前記商品の荷主に提案するレンタル価格提案部と、
を更に備える請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項6】
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の中古販売価格を前記商品の状態の悪化の程度に応じて算出する中古販売価格算出部と、
を更に備える請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項7】
算出した中古販売価格を、前記商品の荷主に提案する中古販売価格提案部と、
を更に備える請求項
6に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項8】
前記顧客が希望する商品が保管場所に保管されていない場合、前記一覧から前記顧客が希望する商品に類似し、かつ前記保管場所に保管中の別の商品を、前記商品情報に基づいて特定する商品特定部と、
を更に備え、
前記抽出部は、特定した前記別の商品のレンタル条件を抽出し、
前記提供部は、特定した前記別の商品及び抽出した前記別の商品のレンタル条件を顧客に提供し、
前記決定部は、前記別の商品及び前記別の商品のレンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記別の商品を前記顧客にレンタルすることを決定する、
請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項9】
前記商品のレンタル中に、前記顧客から、前記商品の買い取りを受け付ける買取受付部と、
を更に備える請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項10】
前記商品のレンタル中に、前記顧客から、前記商品のレンタル期間の延長を受け付ける延長受付部と、
を更に備える請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項11】
前記レンタル条件に対する前記顧客の同意を商品毎に取得し、当該レンタル条件に示すレンタル価格が適正であるかを前記検品情報に対応つけて学習する学習部と、
を更に備え、
前記レンタル価格算出部は、検品情報取得部で取得した検品情報と一致または近似する、学習した検品情報に対応付けられたレンタル価格を、前記レンタル価格として算出する、
請求項1に記載のレンタル価格算出システム。
【請求項12】
商品のレンタル価格を算出するコンピュータが実行するレンタル価格算出方法であって、
保管中のレンタル用の商品に関する商品情報を取得するステップと、
前記商品及び前記商品のレンタル条件を、商品の種類で分類した一覧を作成するステップと、
顧客がレンタルを希望する前記商品の商品情報に基づいて、作成した前記一覧から、レンタル条件を抽出するステップと、
抽出した前記レンタル条件を、前記商品の検品情報及び価格情報とともに前記顧客に提供するステップと、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定するステップと、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画するステップと、
レンタルから返却され検品された前記商品の、悪化した状態並びにその程度及び個数と、前記悪化した状態の商品に行った修理、クリーニング、洗濯の履歴とを前記検品情報として少なくとも取得するステップと、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を、前記商品の状態の悪化の程度に応じて算出するステップと、
前記顧客の顧客情報を取得するステップと、
を備え
、
前記提供するステップは、取得した前記顧客情報に基づいて、前記顧客の嗜好を判断し、判断結果に基づいて、前記顧客がレンタルを希望する順序を予測し、予測した当該順序に、抽出された前記レンタル条件を並び替えて提供する、
レンタル価格算出方法。
【請求項13】
商品のレンタル価格を算出するコンピュータに
保管中のレンタル用の商品に関する商品情報を取得するステップ、
前記商品及び前記商品のレンタル条件を、商品の種類で分類した一覧を作成するステップ、
顧客がレンタルを希望する前記商品の商品情報に基づいて、作成した前記一覧から、レンタル条件を抽出するステップ、
抽出した前記レンタル条件を、前記商品の検品情報及び価格情報とともに前記顧客に提供するステップ、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定するステップ、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画するステップ、
レンタルから返却され検品された前記商品の、悪化した状態並びにその程度及び個数と、前記悪化した状態の商品に行った修理、クリーニング、洗濯の履歴とを前記検品情報として少なくとも取得するステップ、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を、前記商品の状態の悪化の程度に応じて算出するステップ、
前記顧客の顧客情報を取得するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム
であって、
前記提供するステップは、取得した前記顧客情報に基づいて、前記顧客の嗜好を判断し、判断結果に基づいて、前記顧客がレンタルを希望する順序を予測し、予測した当該順序に、抽出された前記レンタル条件を並び替えて提供する、
コンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品のレンタル価格の算出に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者ニーズの変化により、消費者が商品を購入して保有するのではなく、商品をレンタルして使いたい時に使えるようにするサービスに関する技術が注目されている。
例えば、特許文献1では、レンタル部品が未返却又は返却時に非正常な場合、レンタル部品の情報に基づいて、レンタル部品をレンタルした顧客に対する未返却レンタル部品の請求額を決定する技術が開示されている。
また、他には、特許文献2では、レンタル商品にIDタグを取り付け、流通経路の各場所に存在する各レンタル商品の状態を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-342674号公報
【文献】特開2000-035994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な商品を顧客にレンタルする場合、商品の状態に応じて、レンタル価格を決定することが公平である。例えば、同じ種類の商品でも、状態が悪いものの方が、状態が良いものよりも、レンタル価格を安くするといったことが挙げられる。
しかしながら、商品は、レンタルから返却後、商品毎に状態が異なるため、商品の状態に応じて商品毎に次回のレンタルに最適なレンタル価格を算出することは出来なかった。
そのため、レンタルから返却された商品の検品情報から、次回レンタルするのに適したレンタル価格を算出することが求められている。
しかしながら、特許文献1及び2の技術では、レンタルから返却された商品の検品情報から、次回レンタルするのに適したレンタル価格を算出することが出来ない。一般に、返却されたレンタル商品を、再度、貸出すために作業を行う作業者は、一定の規格や標準的な視点での評価や価格設定ができない。
【0005】
そこで、発明者らは、返却されたレンタル商品を、作業者が検品して、データを入力すれば、レンタル価格を算出することが可能なレンタル価格算出システム、レンタル価格算出方法及びプログラムが必要であることに着目した。
【0006】
そこで、本発明は、レンタルから返却された商品の検品情報から、次回レンタルするのに適したレンタル価格を算出するレンタル価格算出システム、レンタル価格算出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、商品のレンタル価格を算出するレンタル価格算出システムであって、
保管中のレンタル用の商品に関する商品情報を取得する商品情報取得部と、
前記商品及び前記商品のレンタル条件を、商品の種類で分類した一覧を作成する一覧作成部と、
顧客がレンタルを希望する前記商品の商品情報に基づいて、作成した前記一覧から、レンタル条件を抽出する抽出部と、
抽出した前記レンタル条件を、前記商品の検品情報及び価格情報とともに前記顧客に提供する提供部と、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定する決定部と、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画する配送計画部と、
レンタルから返却され検品された前記商品の、悪化した状態並びにその程度及び個数と、前記悪化した状態の商品に行った修理、クリーニング、洗濯の履歴とを前記検品情報として少なくとも取得する検品情報取得部と、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を前記商品の状態の悪化の程度に応じて算出するレンタル価格算出部と、
前記顧客の顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
を備え、
前記提供部は、取得した前記顧客情報に基づいて、前記顧客の嗜好を判断し、判断結果に基づいて、前記顧客がレンタルを希望する順序を予測し、予測した当該順序に、抽出された前記レンタル条件を並び替えて提供する、
レンタル価格算出システムを提供する。
【0008】
本発明によれば、商品のレンタル価格を算出するレンタル価格算出システムは、保管中のレンタル用の商品に関する商品情報を取得し、前記商品及び前記商品のレンタル条件を商品の種類で分類した一覧を作成し、作成した前記一覧から、顧客がレンタルを希望する前記商品のレンタル条件を商品情報に基づいて抽出し、抽出した前記レンタル条件を、前記商品の検品情報及び価格情報とともに前記顧客に提供し、提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定し、前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画し、レンタルから返却され検品された前記商品の、悪化した状態並びにその程度及び個数と、前記悪化した状態の商品に行った修理、クリーニング、洗濯の履歴とを前記検品情報として少なくとも取得し、取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を前記商品の状態の悪化の程度に応じて算出し、前記顧客の顧客情報を取得し、取得した前記顧客情報に基づいて、前記顧客の嗜好を判断し、判断結果に基づいて、前記顧客がレンタルを希望する順序を予測し、予測した当該順序に、抽出された前記レンタル条件を並び替えて提供する。
【0009】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、レンタルから返却された商品の検品情報から、次回レンタルするのに適したレンタル価格を一定の基準で査定し、算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】レンタル価格算出システム1の概要を説明する図である。
【
図2】レンタル価格算出システム1の機能構成を示す図である。
【
図3】レンタル価格算出システム1が実行する一覧作成処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】コンピュータ10が作成する一覧の一例を模式的に示したものである。
【
図5】レンタル価格算出システム1が実行する第1のレンタル条件提供処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】コンピュータ10が、レンタル条件の順序を変更した状態の一例を模式的に示した図である。
【
図7】レンタル価格算出システム1が実行する第2のレンタル条件提供処理のフローチャートを示す図である。
【
図8】レンタル価格算出システム1が実行する第3のレンタル条件提供処理のフローチャートを示す図である。
【
図9】レンタル価格算出システム1が実行するレンタル処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】顧客端末20がレンタル条件に同意する際の画面の一例を模式的に示す図である。
【
図11】レンタル価格算出システム1が実行するレンタル価格算出処理のフローチャートを示す図である。
【
図12】レンタル価格算出システム1が実行する中古販売価格算出処理のフローチャートを示す図である。
【
図13】レンタル価格算出システム1が実行する買取受付処理のフローチャートを示す図である。
【
図14】レンタル価格算出システム1が実行するレンタル期間延長処理のフローチャートを示す図である。
【
図15】レンタル価格算出システム1が実行する第1の学習処理のフローチャートを示す図である。
【
図16】レンタル価格算出システム1が実行する第2の学習処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0013】
[基本概念/基本構成]
図1は、レンタル価格算出システム1の概要を説明するための図である。レンタル価格算出システム1は、少なくともコンピュータ10を含み、商品のレンタル価格を算出するシステムである。本実施形態では、レンタル価格算出システム1は、コンピュータ10と、レンタルを希望する顧客が所持する顧客端末20、商品の保管場所となる倉庫3を管理するシステムであるWMS(Warehouse Management System)21、倉庫3に保管中の商品を持ち主である荷主が所持する荷主端末22とが、データ通信可能に接続されている。
【0014】
本実施形態は前提として、顧客(例えば、個人、法人)が、コンピュータ10により管理される倉庫3に保管中の商品(例えば、移動体(車)、衣服、家電、日用品、家具、装飾品、宝飾品、ビジネス用品、スポーツ用品、オフィス用品、アウトドア用品、イベント用品、旅行用品、医療用品、建設工事用品、調理用品、理化学装置、幼児童用品、動力機械装置(ドローン、ロボット))4を、レンタルするものである。
【0015】
レンタル価格算出システム1が、レンタル価格を算出する場合についての処理ステップについて、
図1に基づいて説明する。
初めに、コンピュータ10は、倉庫3等の保管場所に保管中の商品及び商品のレンタル条件の一覧を作成する(ステップS1)。
WMS21は、自身が管理する倉庫3に保管中のレンタル用の商品の商品情報(例えば、商品の名称、ID、管理番号、製造番号、商品識別コード、分類、用途、目的、役務)をコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この商品情報を受信することにより、商品情報を取得する。
コンピュータ10は、予め商品に設定されたレンタル条件(例えば、レンタル期間、返却状態、返却先、レンタル価格、中古販売価格)を参照する。または、荷主端末22は、荷主が所有する商品のレンタル条件の入力を受け付ける。荷主端末22は、入力を受け付けた商品のレンタル条件をコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、商品に設定されたレンタル条件を参照する又は商品のレンタル条件を受信することにより、レンタル条件を取得する。
コンピュータ10は、商品の商品情報と、商品のレンタル条件とに基づいて、倉庫3に保管中の商品及び商品のレンタル条件の一覧を作成する。
【0016】
コンピュータ10は、作成した一覧から、顧客がレンタルを希望する商品のレンタル条件を抽出する(ステップS2)。
顧客端末20は、顧客がレンタルを希望する商品の商品情報の入力を受け付ける。顧客端末20は、受け付けた商品情報をコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この商品情報を受信することにより、商品情報を取得する。
コンピュータ10は、取得した商品情報に基づいて、作成した一覧を参照し、この商品情報に対応する商品のレンタル条件を、作成した一覧から抽出する。
【0017】
コンピュータ10は、抽出したレンタル条件を、顧客に提供する(ステップS3)。
コンピュータ10は、商品のレンタルを希望した顧客の顧客端末20に、抽出したレンタル条件を送信する。
顧客端末20は、このレンタル条件を受信し、自身の表示部等に表示する。
コンピュータ10は、抽出したレンタル条件を顧客端末20に表示させることにより、抽出したレンタル条件を、顧客に提供する。
【0018】
コンピュータ10は、提供したレンタル条件に顧客が同意した場合、商品を顧客にレンタルすることを決定する(ステップS4)。
顧客端末20は、提供されたレンタル条件に対して、このレンタル条件に対応付けられた商品のレンタルに同意する入力を受け付ける。顧客端末20は、同意の入力を受け付けたレンタル条件をコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この同意を受信することにより、顧客から、レンタル条件に対する同意を取得する。
コンピュータ10は、レンタル条件に同意した商品を、顧客にレンタルすることを決定する。
【0019】
コンピュータ10は、顧客に、レンタルすることを決定した商品の配送を計画する(ステップS5)。
コンピュータ10は、商品を顧客に配送するために必要な処理を実行する。
この処理は、例えば、商品を配送する計画を立案する処理である。この計画に基づき、商品を配送する車両及び運転手の手配、梱包の指示、配送日時・配送場所の設定、倉庫3における商品のピックに関する処理が行われ、完了情報を受け付けると必要に応じて計画が更新される。コンピュータ10は、この処理を行うことにより、顧客に、商品の配送を計画する。
【0020】
コンピュータ10は、配送し、顧客に所定期間レンタルした後、返却された商品を検品した検品情報を取得する(ステップS6)。
コンピュータ10は、顧客がレンタル条件のレンタル期間後に、商品を返却した後、この商品の状態(例えば、傷、汚れ、劣化及び破損の有無、並びにその大きさや発生個数等)を検品した結果を、検品情報として取得する。また、商品の状態によって修理、クリーニング、洗濯等を行った場合にはその履歴も検品情報として取得する。
WMS21は、倉庫3に返却された商品に対して行われた検品結果を、検品情報としてコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この検品情報を受信することにより、検品情報を取得する。
【0021】
コンピュータ10は、取得した検品情報に基づいて、商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を算出する(ステップS7)。
コンピュータ10は、取得した検品情報における、商品の状態に基づいて、レンタル価格を算出する。コンピュータ10は、商品の状態が、レンタル前と変わらない場合、前回のレンタル時におけるレンタル価格を、次回レンタル時におけるレンタル価格として算出する。また、コンピュータ10は、商品の状態が、レンタル前よりも悪化している場合、悪化の程度に応じて、所定の係数を前回のレンタル時におけるレンタル価格に乗算等することにより、次回レンタル時におけるレンタル価格を算出する。
コンピュータ10は、算出したレンタル価格に基づいて、この商品のレンタル条件を更新する。コンピュータ10は、更新したレンタル条件を、次回のレンタル条件の抽出処理(ステップS2)を実行する。
【0022】
このようなレンタル価格算出システム1によれば、レンタルから返却された商品の検品情報から、次回レンタルするのに適したレンタル価格を一定の基準で査定し、算出することが可能となる。
【0023】
[機能構成]
図2に基づいて、レンタル価格算出システム1の機能構成について説明する。
レンタル価格算出システム1は、コンピュータ10を少なくとも備え、コンピュータ10が、レンタルを希望する顧客が所持する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の顧客端末20、倉庫3を管理するシステムであるWMS21、倉庫3に保管中の商品の持ち主である荷主が所持する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の荷主端末22と、公衆回線網等のネットワーク9等を介して、データ通信可能に接続されたシステムである。
レンタル価格算出システム1は、上述した顧客端末20、WMS21、荷主端末22、その他の端末や装置類等が含まれていても良い。この場合、レンタル価格算出システム1は、後述する処理を、コンピュータ10、その他の端末や装置類等の何れか又は複数の組み合わせにより実行する。
【0024】
コンピュータ10は、レンタル価格を算出するサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータである。
コンピュータ10は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。
【0025】
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、顧客にレンタル条件を提供する提供部11、顧客に商品の配送を計画する配送計画部12、商品の検品情報を取得する検品情報取得部13等を備える。
また、コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、商品及び商品のレンタル条件の一覧を作成する一覧作成部14、顧客が希望する商品のレンタル条件を抽出する抽出部15、顧客に商品をレンタルすることを決定する決定部16、次回レンタル時におけるレンタル価格を算出する算出部17等を備える。
【0026】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、商品情報取得モジュール、レンタル条件提供モジュール、識別情報取得モジュール、同意取得モジュール、配送計画モジュール、検品情報取得モジュール、レンタル価格提案モジュール、中古販売価格提案モジュール、買取受付モジュール、買取希望通知モジュール、買取許可取得モジュール、買取処理モジュール、期間延長受付モジュール、期間延長希望通知モジュール、期間延長許可取得モジュール、期間延長処理モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、一覧記憶モジュール、学習結果記憶モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、レンタル条件設定モジュール、一覧作成モジュール、レンタル条件抽出モジュール、顧客情報取得モジュール、レンタル条件順序変更モジュール、商品情報特定モジュール、類似商品特定モジュール、保管判定モジュール、レンタル決定モジュール、レンタル価格算出モジュール、中古販売価格算出モジュール、レンタル決定判定モジュール、レンタル価格判定モジュール、学習モジュール、中古販売受付判定モジュール、中古販売価格判定モジュールを実現する。
【0027】
[コンピュータ10が実行する一覧作成処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する一覧作成処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する一覧作成処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本一覧作成処理は、上述した一覧作成処理(ステップS1)の詳細である。
【0028】
商品情報取得モジュールは、倉庫3等の保管場所に保管中の商品の商品情報を取得する(ステップS10)。
商品は、上述した通り、移動体(車)、衣服、家電、日用品、家具、装飾品、宝飾品、ビジネス用品、スポーツ用品、オフィス用品、アウトドア用品、イベント用品、旅行用品、医療用品、建設工事用品、調理用品、理化学装置、幼児童用品、動力機械装置(ドローン、ロボット)等である。商品情報は、上述した通り、商品の名称、ID、管理番号、製造番号、商品識別コード、分類、用途、目的、役務等である。
WMS21は、自身が管理する倉庫3に保管中のレンタル用の商品の商品情報を、コンピュータ10や荷主端末22からの指示や、WMS21の管理者からの入力等に基づいて、コンピュータ10に送信する。
商品情報取得モジュールは、この商品情報を受信することにより、倉庫3に保管中の商品の商品情報を取得する。
【0029】
レンタル条件設定モジュールは、商品のレンタル条件を設定する(ステップS11)。
レンタル条件は、上述した通り、レンタル期間、返却状態、返却先、レンタル価格、中古販売価格等である。返却状態は、後述するレンタル価格算出処理又は中古販売価格算出処理において取得する検品情報に基づいたものである。
レンタル条件を設定するとは、商品と、レンタル条件とを対応付けることを意味する。
レンタル条件設定モジュールは、予め記憶した商品のレンタル条件を参照し、商品のレンタル条件を設定する。
または、荷主端末22は、荷主から、自身が所有する商品のレンタル条件の入力を受け付け、受け付けた商品のレンタル条件をコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この商品のレンタル条件を受信することにより、商品のレンタル条件を取得する。レンタル条件設定モジュールは、取得したレンタル条件に基づいて、商品のレンタル条件を設定する。
【0030】
一覧作成モジュールは、商品及び商品のレンタル条件の一覧を作成する(ステップS12)。
一覧作成モジュールは、レンタル条件を設定した商品を種類(例えば、名称、分類、用途、目的、役務)毎にまとめ、一覧を作成する(
図4参照)。
図4は、一覧作成モジュールが作成した一覧の一例を模式的に示したものである。同図において、一覧作成モジュールは、商品の種類(家電A)毎に、商品(商品A~C)及びレンタル条件(レンタル期間、返却状態、返却先、レンタル価格、中古販売価格)の一覧を作成している。
なお、一覧作成モジュールは、種類に限らず、商品の関連度(例えば、同一製造業者、同一荷主)等の他の分類により一覧を作成しても良い。また、一覧作成モジュールは、より大きな分類(例えば、製造業者別、荷主別)により一覧を作成しても良い。
【0031】
図3に戻り、一覧作成処理の続きを説明する。
一覧記憶モジュールは、作成した一覧を記憶する(ステップS13)。
【0032】
以上が、一覧作成処理である。
コンピュータ10は、本一覧作成処理により作成した一覧を用いて、後述する第1~第3のレンタル条件提供処理を行う。
【0033】
[コンピュータ10が実行する第1のレンタル条件提供処理]
図5に基づいて、コンピュータ10が実行する第1のレンタル条件提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1のレンタル条件提供処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第1のレンタル条件提供処理は、上述した一覧作成処理の後に行われる処理であり、上述したレンタル条件の抽出処理(ステップS2)、レンタル条件の提供処理(ステップS3)の詳細である。
【0034】
商品情報取得モジュールは、顧客がレンタルを希望する商品の商品情報及び顧客の識別子を取得する(ステップS20)。
顧客は、上述した通り、個人、法人等であり、顧客の識別子は、例えば、名称、ID、管理番号である。
顧客端末20は、顧客から、自身がレンタルを希望する商品の入力を受け付ける。顧客端末20は、例えば、レンタル可能な商品の一覧の中から、自身が希望する商品の選択の入力や、自身が希望する商品の名称等の入力を受け付ける。顧客端末20は、受け付けた商品の商品情報及び顧客の識別子を、コンピュータ10に送信する。
商品情報取得モジュールは、この商品情報及び顧客の識別子を受信することにより、顧客がレンタルを希望する商品の商品情報及び顧客の識別子を取得する。
【0035】
レンタル条件抽出モジュールは、顧客がレンタルを希望する商品のレンタル条件を一覧から抽出する(ステップS21)。
レンタル条件抽出モジュールは、取得した商品情報に基づいて、上述した一覧作成処理により作成した一覧を参照し、この商品情報に対応する商品のレンタル条件を、一覧から抽出する。レンタル条件抽出モジュールは、一覧中にこの商品情報が一つのみ存在する場合、この一の商品情報に対応するレンタル条件を抽出する。また、レンタル条件抽出モジュールは、一覧中にこの商品情報が複数存在する場合、この複数の商品情報の其々に対応するレンタル条件を抽出する。レンタル条件抽出モジュールは、一の商品情報に、一のレンタル条件のみが対応する場合、一のレンタル条件を抽出し、一の商品情報に、複数のレンタル条件が対応する場合、複数のレンタル条件を抽出する。
【0036】
顧客情報取得モジュールは、商品のレンタルを希望した顧客の顧客情報を取得する(ステップS22)。
顧客情報は、例えば、顧客の属性やレンタル履歴である。顧客の属性は、例えば、個人では、性別、年齢、居住地、職業、嗜好、価値観、収入、家族構成であり、法人では、勤務地、職位、荷主側担当者である。
顧客情報取得モジュールは、予め顧客の識別子と、顧客情報とを対応付けて登録した顧客情報データベース(以下、顧客情報DBとも称す)を参照し、今回取得した顧客の識別子に対応する顧客情報を特定し、特定した顧客情報を取得する。
【0037】
レンタル条件順序変更モジュールは、顧客情報に基づいて、レンタル条件の順序を変更する(ステップS23)。
レンタル条件順序変更モジュールは、取得した顧客情報に基づいて、顧客の趣味、嗜好、生活様式等を判断し、判断結果に基づいて、顧客がレンタルを希望すると予測される順序に、抽出したレンタル条件を並べ替える(
図6参照)。
または、レンタル条件順序変更モジュールは、取得した顧客情報と、過去にこの商品をレンタルした顧客の顧客情報及びこの時のレンタル条件とを比較し、一致する項目の数が多い順序に、抽出したレンタル条件を並べ替える。
例えば、レンタル条件順序変更モジュールは、レンタル価格順、レンタル期間順、商品の状態順により、抽出したレンタル条件の順序を変更する。
図6は、レンタル条件順序変更モジュールが、レンタル条件の順序を変更した状態の一例を模式的に示した図である。同図では、レンタル順序変更モジュールは、レンタル価格の順序により、抽出したレンタル条件の順序を変更した状態を示している。
なお、レンタル順序変更モジュールは、レンタル価格に限らず、その他の内容により、レンタル条件の順序を変更することが可能である。
【0038】
図5に戻り、第1のレンタル条件提供処理の続きを説明する。
レンタル条件提供モジュールは、レンタル条件を顧客に提供する(ステップS24)。
レンタル条件提供モジュールは、抽出したレンタル条件を、並び替えた状態で、顧客端末20に送信する。このとき、レンタル条件提供モジュールは、レンタル条件に対応する商品情報も併せて送信している。
顧客端末20は、このレンタル条件及び商品情報を受信し、レンタル条件順序変更モジュールが変更した順序で、レンタル条件及び商品情報を自身の表示部等に表示する。
レンタル条件提供モジュールは、顧客端末20に、レンタル条件を表示させることにより、抽出したレンタル条件を、顧客に提供する。
【0039】
以上が、第1のレンタル条件提供処理である。
【0040】
[コンピュータ10が実行する第2のレンタル条件提供処理]
図7に基づいて、コンピュータ10が実行する第2のレンタル条件提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2のレンタル条件提供処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第2のレンタル条件提供処理は、上述した一覧作成処理の後に行われる処理であり、上述した第1のレンタル条件提供処理とは別の上述したレンタル条件の抽出処理(ステップS2)、レンタル条件の提供処理(ステップS3)の詳細である。
なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0041】
識別情報取得モジュールは、倉庫3とは異なる場所(以下、別場所とも称す)に展示された商品の識別情報及び顧客の識別子を取得する(ステップS30)。
倉庫3とは異なる場所とは、例えば、実店舗、オンライン上の店舗、展示会場、チラシ・カタログ冊子等である。
識別情報は、例えば、RFID(radio frequency identifier)、一次元コード、二次元コード等であり、商品の商品情報が格納されたものである。
顧客端末20は、別場所に展示された商品に貼付又は商品の近傍に設置等された識別情報を読み取る。顧客端末20は、読み取った識別情報及びこの識別情報を読み取った顧客の識別子をコンピュータ10に送信する。
識別情報取得モジュールは、この識別情報及び顧客の識別子を受信することにより、別場所に展示された商品の識別情報及び顧客の識別子を取得する。
【0042】
商品情報特定モジュールは、識別情報に格納された商品情報を特定する(ステップS31)。
商品情報特定モジュールは、取得した識別情報を解析し、この識別情報に格納された商品情報を特定する。
【0043】
類似商品特定モジュールは、商品情報に基づいて、この商品に類似する倉庫3に保管中の商品を特定する(ステップS32)。
類似商品特定モジュールは、特定した商品情報に基づいて、顧客が識別情報を読み取った商品に類似する商品(以下、類似する商品を類似商品とも称す)を、倉庫3に保管中の商品の中から特定する。類似商品は、例えば、分類が類似する商品、商品名が類似する商品、用途が類似する商品、役務が類似する商品、形状が類似する商品である。
類似商品特定モジュールは、特定した商品情報と、上述した商品情報の取得処理(ステップS10)において、商品情報取得モジュールが取得した倉庫3に保管中の商品の商品情報とを比較し、顧客が識別情報を読み取った商品の類似商品を特定する。類似商品特定モジュールは、これらの商品情報同士が一致する程度が所定の割合以上である商品を、類似商品として特定する。
【0044】
レンタル条件抽出モジュールは、類似商品のレンタル条件を一覧から抽出する(ステップS33)。
レンタル条件抽出モジュールは、特定した類似商品の商品情報に基づいて、上述した一覧作成処理により作成した一覧を参照し、この商品情報に対応するレンタル条件を一覧から抽出する。レンタル条件抽出モジュールは、一覧中にこの商品情報が一つのみ存在する場合、この一の商品情報に対応するレンタル条件を抽出する。また、レンタル条件抽出モジュールは、一覧中にこの商品情報が複数存在する場合、この複数の商品情報の其々に対応するレンタル条件を抽出する。レンタル条件抽出モジュールは、一の商品情報に、一のレンタル条件のみが対応する場合、一のレンタル条件を抽出し、一の商品情報に、複数のレンタル条件が対応する場合、複数のレンタル条件を抽出する。
【0045】
顧客情報取得モジュールは、識別情報を読み取った顧客の顧客情報を取得する(ステップS34)。
顧客情報取得モジュールは、顧客情報DBを参照し、今回取得した顧客の識別子に対応する顧客情報を特定し、特定した顧客情報を取得する。
【0046】
レンタル条件順序変更モジュールは、顧客情報に基づいて、レンタル条件の順序を変更する(ステップS35)。
ステップS35の処理は、上述したステップS23の処理と同様である。
【0047】
レンタル条件提供モジュールは、レンタル条件を顧客に提供する(ステップS36)。
ステップS36の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0048】
以上が、第2のレンタル条件提供処理である。
【0049】
[コンピュータ10が実行する第3のレンタル条件提供処理]
図8に基づいて、コンピュータ10が実行する第3のレンタル条件提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第3のレンタル条件提供処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第3のレンタル条件提供処理は、上述した一覧作成処理の後に行われる処理であり、上述した第1及び第2のレンタル条件提供処理とは別の上述したレンタル条件の抽出処理(ステップS2)、レンタル条件の提供処理(ステップS3)の詳細である。
なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0050】
商品情報取得モジュールは、顧客がレンタルを希望する商品の商品情報及び顧客の識別子を取得する(ステップS40)。
ステップS40の処理は、上述したステップS20の処理と同様である。
【0051】
保管判定モジュールは、商品が倉庫3に保管中であるか否かを判定する(ステップS41)。
保管判定モジュールは、上述した一覧作成処理により作成した一覧を参照し、今回取得した商品情報が、一覧中に存在するか否かを判定する。
保管判定モジュールは、商品が倉庫3に保管中であると判定した場合(ステップS41 YES)、上述した第1のレンタル条件提供処理におけるレンタル条件の抽出処理(ステップS21)以降の処理を実行する。
なお、本第3のレンタル条件提供処理においては、説明の簡略化を目的とし、その処理を終了するものとして説明する。
【0052】
一方、保管判定モジュールは、商品が倉庫3に保管中でないと判定した場合(ステップS41 NO)、類似商品特定モジュールは、商品情報に基づいて、顧客がレンタルを希望する商品に類似する倉庫3に保管中の商品を特定する(ステップS42)。
類似商品特定モジュールは、取得した商品情報に基づいて、顧客がレンタルを希望する商品に類似する商品を、倉庫3に保管中の商品の中から特定する。
類似商品特定モジュールは、取得した商品情報と、上述した商品情報の取得処理(ステップS10)において、商品情報取得モジュールが取得した倉庫3に保管中の商品の商品情報とを比較し、顧客がレンタルを希望する商品の類似商品を特定する。類似商品特定モジュールは、これらの商品情報同士が一致する程度が所定の割合以上である商品を、類似商品として特定する。
【0053】
レンタル条件抽出モジュールは、類似商品のレンタル条件を一覧から抽出する(ステップS43)。
ステップS44の処理は、上述したステップS33の処理と同様である。
【0054】
顧客情報取得モジュールは、商品のレンタルを希望した顧客の顧客情報を取得する(ステップS44)。
ステップS44の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。
【0055】
レンタル条件順序変更モジュールは、顧客情報に基づいて、レンタル条件の順序を変更する(ステップS45)。
ステップS45の処理は、上述したステップS23の処理と同様である。
【0056】
レンタル条件提供モジュールは、レンタル条件を顧客に提供する(ステップS46)。
ステップS46の処理は、上述したステップS24の処理と同様である。
【0057】
以上が、第3のレンタル条件提供処理である。
【0058】
[コンピュータ10が実行するレンタル処理]
図9に基づいて、コンピュータ10が実行するレンタル処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するレンタル処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本レンタル処理は、上述した第1~第3のレンタル条件提供処理の何れかの処理の後に行われる処理であり、上述したレンタルの決定処理(ステップS4)、商品の配送の計画処理(ステップS5)の詳細である。
【0059】
同意取得モジュールは、顧客からレンタル条件の同意を取得する(ステップS50)。
顧客端末20は、提供されたレンタル条件から、顧客が希望するレンタル条件に対する同意の入力を受け付ける。顧客端末20は、提供されたレンタル条件を
図10で示すように表示部に表示し、同意用アイコン30の入力を受け付けることにより、レンタル条件に対する同意の入力を受け付ける。顧客端末20は、同意を受け付けたレンタル条件及び商品情報を、コンピュータ10に送信する。
同意取得モジュールは、このレンタル条件及び商品情報を受信することにより、顧客からレンタル条件の同意を取得する。
コンピュータ10は、顧客からレンタル条件の同意を取得することにより、提供したレンタル条件に顧客が同意したとみなすことになる。一方、顧客からレンタル条件の同意を取得できない場合、提供したレンタル条件に顧客が同意していないとみなすことになる。
なお、同意取得モジュールが、所定期間(例えば、数時間、一日、数日)、顧客からレンタル条件の同意を取得していない場合、コンピュータ10は、顧客がレンタルの希望を取り止めたと判断し、本レンタル処理を実行しない。
【0060】
レンタル決定モジュールは、商品を顧客にレンタルすることを決定する(ステップS51)。
レンタル決定モジュールは、取得したレンタル条件及び商品情報に対応する商品を、顧客にレンタルすることに決定する。
【0061】
配送計画モジュールは、レンタルを決定した商品の配送を計画する(ステップS52)。
配送計画モジュールは、この商品を、顧客に配送するために必要な処理を実行する。この処理は、上述した通り、例えば、商品を配送する計画を立案する処理である。この計画に基づき、商品を配送する車両及び運転手の手配、梱包の指示、配送日時・配送場所の設定、倉庫3における商品のピック等に関する処理が行われ、完了情報を受け付けると、必要に応じて計画が更新される。配送計画モジュールは、これらの処理を実行することにより、商品の配送を計画する。
【0062】
以上が、レンタル処理である。
【0063】
[コンピュータ10が実行するレンタル価格算出処理]
図11に基づいて、コンピュータ10が実行するレンタル価格算出処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するレンタル価格算出処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本レンタル価格算出処理は、上述したレンタル処理の後に行われ、少なくとも、顧客にレンタルした商品の返却が行われた後に実行される処理であり、上述した検品情報の取得処理(ステップS6)、レンタル価格の算出処理(ステップS7)の詳細である。
【0064】
検品情報取得モジュールは、返却された商品の検品情報を取得する(ステップS60)。
検品情報は、上述した通り、商品の状態の検品結果に関する情報である。
WMS21は、倉庫3に返却された商品に対して、行われた検品の結果を、検品情報としてコンピュータ10に送信する。
検品情報取得モジュールは、この検品情報を受信することにより、返却された商品の検品情報を取得する。
【0065】
レンタル価格算出モジュールは、検品情報に基づいて、商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を算出する(ステップS61)。
レンタル価格算出モジュールは、取得した検品情報における商品の状態に基づいて、レンタル価格を算出する。
レンタル価格算出モジュールは、商品の状態が、レンタル前と変わらない場合、前回のレンタル時におけるレンタル価格を、次回レンタル時におけるレンタル価格として算出する。また、この場合、レンタル価格算出モジュールは、前回のレンタル時におけるレンタル価格に所定の金額を減算した金額を、次回レンタル時におけるレンタル価格として算出しても良い。
レンタル価格算出モジュールは、商品の状態が、レンタル前よりも悪化している場合、悪化の程度に応じて、所定の係数を前回のレンタル時におけるレンタル価格に乗算等することにより、次回レンタル時におけるレンタル価格を算出する。
【0066】
一覧記憶モジュールは、算出したレンタル価格に基づいて、一覧を更新する(ステップS62)。
一覧記憶モジュールは、今回取得した商品情報に対応するレンタル条件におけるレンタル価格を、今回算出したレンタル価格に更新する。一覧記憶モジュールは、更新後のレンタル価格を、この商品のレンタル条件として記憶する。
【0067】
レンタル価格提案モジュールは、算出したレンタル価格を、荷主に提案する(ステップS63)。
レンタル価格提案モジュールは、算出したレンタル価格を、荷主端末22に送信する。このとき、レンタル価格提案モジュールは、このレンタル価格に対応する商品情報も併せて送信する。
荷主端末22は、このレンタル価格及び商品情報を受信し、レンタル価格及び商品情報を自身の表示部等に表示する。
レンタル価格提案モジュールは、荷主端末22にレンタル価格を表示させることにより、算出したレンタル価格を、荷主に提案する。
【0068】
以上が、レンタル価格算出処理である。
【0069】
[コンピュータ10が実行する中古販売価格算出処理]
図12に基づいて、コンピュータ10が実行する中古販売価格算出処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する中古販売価格算出処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本中古販売価格算出処理は、上述したレンタル処理の後に行われる処理であり、少なくとも、顧客にレンタルした商品の返却が行われた後に実行される処理である。
なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0070】
検品情報取得モジュールは、返却された商品の検品情報を取得する(ステップS70)。
ステップS70の処理は、上述したステップS60の処理と同様である。
【0071】
中古販売価格算出モジュールは、検品情報に基づいて、商品の中古販売価格を算出する(ステップS71)。
中古販売価格算出モジュールは、取得した検品情報における商品の状態に基づいて、中古販売価格を算出する。
中古販売価格算出モジュールは、商品の状態が、レンタル前と変わらない場合、前回のレンタル時における中古販売価格を、次回レンタル時における中古販売価格として算出する。また、この場合、中古販売価格算出モジュールは、前回のレンタル時における中古販売価格に所定の金額を除算した金額を、次回レンタル時における中古販売価格として算出しても良い。
中古販売価格算出モジュールは、商品の状態が、レンタル前よりも悪化している場合、悪化の程度に応じて、所定の係数を前回のレンタル時におけるレンタル価格に乗算等することにより、次回レンタル時における中古販売価格を算出する。
【0072】
一覧記憶モジュールは、算出した中古販売価格に基づいて、一覧を更新する(ステップS72)。
一覧記憶モジュールは、今回取得した商品情報に対応するレンタル条件における中古販売価格を、今回算出した中古販売価格に更新する。一覧記憶モジュールは、更新後の中古販売価格を、この商品のレンタル条件として記憶する。
【0073】
中古販売価格提案モジュールは、算出した中古販売価格を、荷主に提案する(ステップS73)。
中古販売価格提案モジュールは、算出した中古販売価格を、荷主端末22に送信する。このとき、中古販売価格提案モジュールは、この中古販売価格に対応する商品情報も併せて送信する。
荷主端末22は、この中古販売価格及び商品情報を受信し、中古販売及び商品情報を自身の表示部等に表示する。
中古販売価格提案モジュールは、荷主端末22に中古販売価格を表示させることにより、算出した中古販売価格を、荷主に提案する。
【0074】
以上が、中古販売価格算出処理である。
【0075】
[コンピュータ10が実行する買取受付処理]
図13に基づいて、コンピュータ10が実行する買取受付処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する買取受付処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本買取受付処理は、上述したレンタル処理の後に行われ、上述したレンタル価格算出処理又は中古販売価格算出処理の前に行われる処理である。すなわち、本買取受付処理は、顧客が商品をレンタル中に行われる処理である。
【0076】
買取受付モジュールは、顧客から、レンタル中の商品の買い取りを受け付ける(ステップS80)。
顧客端末20は、顧客から、自身が現在レンタル中の商品の買い取りの入力を受け付ける。顧客端末20は、この買取の入力を意味する買取要求、この商品の商品情報及び顧客の識別子を、コンピュータ10に送信する。
買取受付モジュールは、この買取要求、商品の商品情報及び顧客の識別子を受信することにより、顧客から、レンタル中の商品の買い取りを受け付ける。
顧客が、レンタル中の商品を買い取る際の金額は、上述したレンタル条件の設定処理(ステップS11)により設定した中古販売価格又は上述した中古販売価格算出処理により算出した中古販売価格である。
【0077】
買取希望通知モジュールは、荷主に、顧客が商品の買い取りを希望することを買取希望通知として通知する(ステップS81)。
買取希望通知モジュールは、取得した買取要求、商品の商品情報及び顧客の識別子を買取希望通知として、荷主端末22に送信する。
荷主端末22は、買取希望通知を受信し、自身の表示部等に表示する。
買取希望通知モジュールは、荷主端末22に、買取希望通知を表示させることにより、荷主に、買取希望通知を通知する。
【0078】
買取許可取得モジュールは、荷主から、商品の買い取りを許可する買取許可を取得する(ステップS82)。
荷主端末22は、通知された買取希望通知に対する買取の許可の入力を受け付ける。荷主端末22は、荷主から、買取の許可に関する入力を受け付け、受け付けた買取の許可を、この商品の買取許可として、コンピュータ10に送信する。
買取許可取得モジュールは、この買取許可を受信することにより、荷主から、商品の買い取りを許可する買取許可を取得する。
コンピュータ10は、荷主から買取許可を取得することにより、荷主が商品の買い取りを許可したとみなすことになる。一方、荷主から買取許可を取得できない場合、顧客の買取希望に荷主が許可していないとみなすことになる。
なお、買取許可取得モジュールが、所定期間(例えば、数時間、一日、数日)、荷主から買取許可を取得していない場合、コンピュータ10は、顧客に、買取が許可されなかったことを通知し、本買取受付処理を終了する。
【0079】
コンピュータ10は、上述した買取希望通知の通知処理(ステップS81)及び買取許可の取得処理(ステップS82)を実行せず、顧客から、レンタル中の商品の買取を受け付けた際、直接、買取を許可しても良い。この場合、顧客からレンタル中の商品の買取を受け付け、後述する商品の買取に必要な処理の実行(ステップS83)を行う。
【0080】
買取処理モジュールは、商品の買取に必要な処理を実行する(ステップS83)。
買取に必要な処理は、例えば、顧客が中古販売価格を入金したことの通知、商品の配送の計画、一覧の更新である。
【0081】
以上が、買取受付処理である。
【0082】
[コンピュータ10が実行する期間延長受付処理]
図14に基づいて、コンピュータ10が実行する期間延長受付処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する期間延長受付処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本期間延長受付処理は、上述した買取受付処理と同様に、顧客が商品をレンタル中に行われる処理である。
【0083】
期間延長受付モジュールは、顧客から、レンタル中の商品のレンタル期間の延長を受け付ける(ステップS90)。
顧客端末20は、顧客から、自身が現在レンタル中の商品のレンタル期間の延長の入力を受け付ける。顧客端末20は、このレンタル期間の延長の入力を意味する期間延長要求、この商品の商品情報及び顧客の識別子を、コンピュータ10に送信する。
期間延長受付モジュールは、この期間延長要求、商品の商品情報及び顧客の識別子を受信することにより、顧客から、レンタル中の商品のレンタル期間の延長を受け付ける。
【0084】
期間延長希望通知モジュールは、荷主に、顧客が商品のレンタル期間の延長を希望することを期間延長希望通知として通知する(ステップS91)。
期間延長希望通知モジュールは、取得した期間延長要求、商品の商品情報及び顧客の識別子を期間延長希望通知として、荷主端末22に送信する。
荷主端末22は、期間延長希望通知を受信し、自身の表示部等に表示する。
期間延長希望通知モジュールは、荷主端末22に、期間延長希望通知を表示させることにより、荷主に、期間延長希望通知を通知する。
【0085】
期間延長許可取得モジュールは、荷主から、商品のレンタル期間の延長を許可する期間延長許可を取得する(ステップS92)。
荷主端末22は、通知された期間延長希望通知に対する期間延長の許可の入力を受け付ける。荷主端末22は、荷主から、期間延長の許可に関する入力を受け付け、受け付けた期間延長の許可を、この商品の期間延長許可として、コンピュータ10に送信する。
期間延長許可取得モジュールは、この期間延長許可を受信することにより、荷主から、商品の期間の延長を許可する期間延長許可を取得する。
コンピュータ10は、荷主から期間延長許可を取得することにより、荷主が商品のレンタル期間の延長を許可したとみなすことになる。一方、荷主から期間延長許可を取得できない場合、顧客の期間延長希望に荷主が許可していないとみなすことになる。
なお、期間延長許可取得モジュールが、所定期間(例えば、数時間、一日、数日)、荷主から期間延長許可を取得していない場合、コンピュータ10は、顧客に、レンタル期間の延長が許可されなかったことを通知し、本期間延長受付処理を終了する。
【0086】
コンピュータ10は、上述した期間延長希望通知の通知処理(ステップS91)及び期間延長許可の取得処理(ステップS92)を実行せず、顧客から、レンタル中の商品のレンタル期間の延長を受け付けた際、直接、レンタル期間の延長を許可しても良い。この場合、顧客からレンタル中の商品のレンタル期間の延長を受け付け、後述する商品のレンタル期間の延長に必要な処理の実行(ステップS93)を行う
【0087】
期間延長処理モジュールは、商品のレンタル期間の延長に必要な処理を実行する(ステップS93)。
レンタル期間の延長に必要な処理は、例えば、一覧の更新、WMS21にレンタル期間が延長されたことの通知である。
【0088】
以上が、期間延長受付処理である。
【0089】
[コンピュータ10が実行する第1の学習処理]
図15に基づいて、コンピュータ10が実行する第1の学習処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1の学習処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第1の学習処理は、上述したレンタル価格算出処理が行われた後に行われたレンタル処理の結果に基づいて行われる処理である。
【0090】
レンタル決定判定モジュールは、算出したレンタル価格により、レンタルを決定したか否かを判定する(ステップS100)。
レンタル決定判定モジュールは、上述したレンタル価格算出処理により算出したレンタル価格に対して、上述したレンタル処理により、顧客に商品のレンタルを決定したか否かを判定する。
レンタル決定判定モジュールは、算出したレンタル価格により、レンタルを決定していないと判定した場合(ステップS100 NO)、レンタル価格判定モジュールは、レンタル価格が適正ではないと判定する(ステップS101)。
レンタル価格が適正でないとは、商品の状態に対して、レンタル価格が高すぎることを意味する。
【0091】
学習モジュールは、レンタル価格と、レンタル判定の結果と、検品情報と、レンタル価格が適正でないこととを対応付けて学習する(ステップS102)。
学習の方法は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習等による機械学習や、畳み込みニューラルネットワーク、再起型ニューラルネットワーク、長・短期記憶等によるディープラーニング等が挙げられる。
学習モジュールは、算出したレンタル価格と、レンタルを決定していないことと、商品の状態と、レンタル価格が適正でないこととを対応付けた学習データに基づいて、学習を行う。
【0092】
学習結果記憶モジュールは、学習結果を記憶する(ステップS103)。
【0093】
ステップS100に戻り、レンタル決定判定モジュールが、算出したレンタル価格により、レンタルを決定したと判定した場合について説明する。
レンタル決定判定モジュールは、算出したレンタル価格により、レンタルを決定したと判定した場合(ステップS100 YES)、レンタル価格判定モジュールは、レンタル価格が適正であると判定する(ステップS104)。
レンタル価格が適正であるとは、商品の状態に対して、レンタル価格が適切であることを意味する。
【0094】
学習モジュールは、レンタル価格と、レンタル判定の結果と、検品情報と、レンタル価格が適正であることとを対応付けて学習する(ステップS105)。
学習の方法は、上述した学習処理(ステップS102)と同様である。
学習モジュールは、算出したレンタル価格と、レンタルを決定したことと、商品の状態と、レンタル価格が適正であることとを対応付けた学習データに基づいて、学習を行う。
【0095】
学習結果記憶モジュールは、学習結果を記憶する(ステップS106)。
【0096】
コンピュータ10は、上述したレンタル価格算出処理において、本第1の学習処理による学習の結果を、加味して、レンタル価格の算出を行う構成も可能である。この場合、コンピュータ10は、レンタル価格算出処理において、取得した検品情報と、学習結果における検品情報とを比較し、一致又は近似する検品情報に対応付けられたレンタル価格を、レンタル価格として算出する等することが可能である。
【0097】
以上が、第1の学習処理である。
【0098】
[コンピュータ10が実行する第2の学習処理]
図16に基づいて、コンピュータ10が実行する第2の学習処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2の学習処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第2の学習処理は、上述した中古販売価格算出処理が行われた後に行われた買取受付処理の結果に基づいて行われる処理である。
【0099】
中古販売受付判定モジュールは、算出した中古販売価格により、中古販売を受け付けたか否かを判定する(ステップS110)。
中古販売受付判定モジュールは、上述した中古販売価格算出処理により算出した中古販売価格に対して、上述した買取受付処理により、顧客に商品の中古販売を受け付けたか否かを判定する。
中古販売受付判定モジュールは、算出した中古販売価格により、中古販売を受け付けていないと判定した場合(ステップS110 NO)、中古販売価格判定モジュールは、中古販売価格が適正ではないと判定する(ステップS111)。
中古販売価格が適正でないとは、商品の状態に対して、中古販売価格が高すぎることを意味する。
【0100】
学習モジュールは、中古販売価格と、中古販売受付判定の結果と、検品情報と、中古販売価格が適正でないこととを対応付けて学習する(ステップS112)。
学習の方法は、上述した学習処理(ステップS102)と同様である。
学習モジュールは、算出した中古販売価格と、中古販売を受け付けていないことと、商品の状態と、中古販売価格が適正でないこととを対応付けた学習データに基づいて、学習を行う。
【0101】
学習結果記憶モジュールは、学習結果を記憶する(ステップS113)。
【0102】
ステップS110に戻り、中古販売受付判定モジュールが、算出した中古販売価格により、中古販売を受け付けたと判定した場合について説明する。
中古販売受付判定モジュールは、算出した中古販売価格により、中古販売を受け付けたと判定した場合(ステップS110 YES)、中古販売価格判定モジュールは、中古販売価格が適正であると判定する(ステップS114)。
中古販売価格が適正であるとは、商品の状態に対して、中古販売価格が適切であることを意味する。
【0103】
学習モジュールは、中古販売価格と、中古販売受付判定の結果と、検品情報と、中古販売価格が適正であることとを対応付けて学習する(ステップS115)。
学習の方法は、上述した学習処理(ステップS102)と同様である。
学習モジュールは、算出した中古販売価格と、中古販売を受け付けたことと、商品の状態と、中古販売価格が適正であることとを対応付けた学習データに基づいて、学習を行う。
【0104】
学習結果記憶モジュールは、学習結果を記憶する(ステップS116)。
【0105】
コンピュータ10は、上述した中古販売価格算出処理において、本第2の学習処理による学習の結果を、加味して、中古販売価格の算出を行う構成も可能である。この場合、コンピュータ10は、中古販売価格算出処理において、取得した検品情報と、学習結果における検品情報とを比較し、一致又は近似する検品情報に対応付けられた中古販売価格を、中古販売価格として算出する等することが可能である。
【0106】
以上が、第2の学習処理である。
【0107】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0109】
(1)商品(例えば、移動体(車)、衣服、家電、日用品、家具、装飾品、宝飾品、ビジネス用品、スポーツ用品、オフィス用品、アウトドア用品、イベント用品、旅行用品、医療用品、建設工事用品、調理用品、理化学装置、幼児童用品、動力機械装置(ドローン、ロボット))のレンタル価格を算出するレンタル価格算出システムであって、
保管中の商品及び前記商品のレンタル条件(例えば、レンタル期間、返却状態、返却先、レンタル価格、中古販売価格)の一覧を作成する一覧作成部(例えば、一覧作成部14、一覧作成モジュール)と、
作成した前記一覧から、顧客がレンタルを希望する前記商品のレンタル条件を抽出する抽出部(例えば、抽出部15、レンタル条件抽出モジュール)と、
抽出した前記レンタル条件を、前記顧客に提供する提供部(例えば、提供部11、レンタル条件提供モジュール)と、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定するレンタル決定部(例えば、決定部16、レンタル決定モジュール)と、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画する配送計画部(例えば、配送計画部12、配送計画モジュール)と、
レンタルから返却された前記商品を検品した検品情報(例えば、商品の状態(例えば、傷、汚れ、劣化及び破損の有無、並びにその大きさや発生個数等))を取得する検品情報取得部(例えば、検品情報取得部13、検品情報取得モジュール)と、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を算出するレンタル価格算出部(例えば、算出部17、レンタル価格算出モジュール)と、
を備えるレンタル価格算出システム。
【0110】
(1)の発明によれば、レンタルから返却された商品を検品した検品情報から、次回レンタルするのに適したレンタル価格を一定の基準で査定し、算出することが可能となる。
従って、価格設定の基準が属人化せず人によるばらつきがなく、一定となり、荷主の理解を得やすくなる。
【0111】
(2)保管場所とは異なる場所(例えば、実店舗、オンライン上の店舗、展示会場、チラシ・カタログ冊子等)に展示された前記商品から読み取った識別情報(例えば、RFID、一次元コード、二次元コード)を取得する識別情報取得部(例えば、識別情報取得モジュール)と、
を更に備え、
前記抽出部は、取得した前記識別情報に格納された商品に関する情報(例えば、商品の名称、ID、管理番号、製造番号、商品識別コード、分類、用途、目的、役務)に基づいて、展示された前記商品に類似する前記保管場所に保管中の商品の前記レンタル条件を抽出する、
(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0112】
(2)の発明によれば、顧客が実際に見た商品に類似する商品のレンタル条件を、顧客に提供することが可能となる。
【0113】
(3)前記顧客の顧客情報(例えば、顧客の属性(例えば、性別、年齢、居住地、職業、嗜好、価値観、収入、家族構成)やレンタル履歴)を取得する顧客情報取得部(例えば、顧客情報取得モジュール)と、
を更に備え、
前記提供部は、取得した前記顧客情報に基づいて、前記レンタル条件の順序を並び替えて提供する、
(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0114】
(3)の発明によれば、顧客の趣味や嗜好に合わせたレンタル条件の順序で、このレンタル条件を提供することが可能となる。
【0115】
(4)算出した前記レンタル価格を、前記商品の荷主に提案するレンタル価格提案部(例えば、レンタル価格提案モジュール)と、
を更に備える(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0116】
(4)の発明によれば、荷主にレンタル価格を提案することにより、レンタル価格が適切であるか否かを、荷主が判断することが容易となる。
【0117】
(5)取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の中古販売価格を算出する中古販売価格算出部(例えば、中古販売価格算出モジュール)と、
を更に備える(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0118】
(5)の発明によれば、レンタルから返却された商品を検品した検品情報から、中古販売に適した中古販売価格を算出することが可能となる。
【0119】
(6)算出した中古販売価格を、前記商品の荷主に提案する中古販売価格提案部(例えば、中古販売価格提案モジュール)と、
を更に備える(5)に記載のレンタル価格算出システム。
【0120】
(6)の発明によれば、荷主に中古販売価格を提案することにより、中古販売価格が適切であるか否かを、荷主が判断することが容易となる。
【0121】
(7)前記顧客が希望する商品が、保管場所に保管されていない場合、前記顧客が希望する商品に類似する前記保管場所に保管中の別の商品を特定する商品特定部(例えば、類似商品特定モジュール)と、
を更に備え、
前記抽出部は、特定した前記別の商品のレンタル条件を抽出し、
前記提供部は、特定した前記別の商品及び抽出した前記別の商品のレンタル条件を顧客に提供し、
前記決定部は、前記別の商品及び前記別の商品のレンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記別の商品を前記顧客にレンタルすることを決定する、
(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0122】
(7)の発明によれば、顧客が希望した商品が、保管場所に保管されていない場合であっても、顧客が希望した商品と類似する商品を顧客にレンタルすることが可能となる。
【0123】
(8)前記商品のレンタル中に、前記顧客から、前記商品の買い取りを受け付ける買取受付部(例えば、買取受付モジュール)と、
を更に備える(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0124】
(8)の発明によれば、顧客が気に入った商品を購入することが可能となる。
【0125】
(9)前記商品のレンタル中に、前記顧客から、前記商品のレンタル期間の延長を受け付ける延長受付部(例えば、期間延長受付モジュール)と、
を更に備える(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0126】
(9)の発明によれば、顧客が気に入った商品のレンタル期間を延長することが可能となる。
【0127】
(10)算出した前記レンタル価格と、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定したか否かとを関連付けて学習する学習部(例えば、学習モジュール)と、
を更に備え、
前記レンタル価格算出部は、学習結果を加味して、前記レンタル価格を算出する、
(1)に記載のレンタル価格算出システム。
【0128】
(10)の発明によれば、レンタル価格の算出を、より正確に行うことが可能となる。
【0129】
(11)商品のレンタル価格を算出するコンピュータが実行するレンタル価格算出方法であって、
保管中の商品及び前記商品のレンタル条件の一覧を作成するステップ(例えば、ステップS12)と、
作成した前記一覧から、顧客がレンタルを希望する前記商品のレンタル条件を抽出するステップ(例えば、ステップS21)と、
抽出した前記レンタル条件を、前記顧客に提供するステップ(例えば、ステップS24)と、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定するステップ(例えば、ステップS51)と、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画するステップ(例えば、ステップS52)と、
レンタルから返却された前記商品を検品した検品情報を取得するステップ(例えば、ステップS60)と、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を算出するステップ(例えば、ステップS61)と、
を備えるレンタル価格算出方法。
【0130】
(12)商品のレンタル価格を算出するコンピュータに
保管中の商品及び前記商品のレンタル条件の一覧を作成するステップ(例えば、ステップS12)、
作成した前記一覧から、顧客がレンタルを希望する前記商品のレンタル条件を抽出するステップ(例えば、ステップS21)、
抽出した前記レンタル条件を、前記顧客に提供するステップ(例えば、ステップS24)、
提供した前記レンタル条件に前記顧客が同意した場合、前記商品を前記顧客にレンタルすることを決定するステップ(例えば、ステップS51)、
前記顧客に、レンタルすることを決定した前記商品の配送を計画するステップ(例えば、ステップS52)、
レンタルから返却された前記商品を検品した検品情報を取得するステップ(例えば、ステップS60)、
取得した前記検品情報に基づいて、前記商品の次回レンタル時におけるレンタル価格を算出するステップ(例えば、ステップS61)、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【符号の説明】
【0131】
1 レンタル価格算出システム
3 倉庫
9 ネットワーク
10 コンピュータ
11 提供部
12 配送計画部
13 検品情報取得部
14 一覧作成部
15 抽出部
16 決定部
17 算出部
20 顧客端末
21 WMS
22 荷主端末
30 同意用アイコン