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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】撹拌装置、及び撹拌羽根取付け方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/60 20220101AFI20241010BHJP
   B01F 27/07 20220101ALI20241010BHJP
   B01F 27/112 20220101ALI20241010BHJP
   B01F 23/43 20220101ALI20241010BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20241010BHJP
   B01F 27/90 20220101ALI20241010BHJP
   B01F 101/21 20220101ALN20241010BHJP
   B01F 101/22 20220101ALN20241010BHJP
   B01F 101/06 20220101ALN20241010BHJP
【FI】
B01F35/60
B01F27/07
B01F27/112
B01F23/43
B01F23/53
B01F27/90
B01F101:21
B01F101:22
B01F101:06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024062217
(22)【出願日】2024-04-08
【審査請求日】2024-04-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592205148
【氏名又は名称】みづほ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】徳田 仁史
(72)【発明者】
【氏名】田邉 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】青田 悠希
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-078979(JP,U)
【文献】特開2014-087770(JP,A)
【文献】実開平02-086636(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 35/60
B01F 27/07
B01F 27/112
B01F 23/43
B01F 23/53
B01F 27/90
B01F 101/21
B01F 101/22
B01F 101/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置であって、
当該原料を格納する撹拌槽と、
略鉛直方向に設けられ前記撹拌槽の中で回転駆動する回転駆動部と、
前記回転駆動部に取付けられた撹拌羽根と、
前記撹拌羽根が前記回転駆動部から落下することを防止する落下防止部と、を備え、
前記落下防止部は、2本の平行な突出部を有した全体として略U字形状の板状であり、前記2本の突出部の先端同士を結ぶ線上から略U字の内側根元までの長さが前記回転駆動部の直径よりも長く、前記回転駆動部に対し略水平方向から取付け可能であることを特徴とする撹拌装置。
【請求項2】
前記回転駆動部は、前記撹拌槽内に露出した部分における前記撹拌羽根の取付け位置より先端側の少なくとも一部に略水平方向の落下防止部挿入溝を有し、前記落下防止部は略水平方向から前記落下防止部挿入溝に挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の撹拌装置。
【請求項3】
前記落下防止部は、略U字形状の根元端部にボルト挿入用のボルト用孔又はボルト用ねじ孔を前記板状の面と略平行に有し、当該ボルト用ねじ孔を介して前記回転駆動部に蝶ボルトでボルト締め可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撹拌装置。
【請求項4】
液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置における撹拌羽根取付け方法であって、
回転駆動部の先端を露出させた状態で、当該回転駆動部の先端から撹拌羽根を挿入する撹拌羽根挿入工程と、
前記回転駆動部における前記撹拌羽根が挿入された位置よりも先端側に落下防止部を略水平方向から挿入し、当該落下防止部を略水平方向から取付ける落下防止部取付け工程と、を備え、
前記落下防止部は、2本の平行な突出部を有した全体として略U字形状の板状であり、前記2本の突出部の先端同士を結ぶ線上から略U字の内側根元までの長さが前記回転駆動部の直径よりも長いことを特徴とする撹拌羽根取付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体とを撹拌する撹拌装置、及び撹拌羽根取付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品、食品、化学品、又は医薬品における液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体とを材料として微細化し撹拌するために撹拌装置が用いられている。撹拌装置は、撹拌槽内で回転軸を回転又は回動させて材料を撹拌する撹拌羽根と、当該回転軸を回転させるための駆動部等からなっている。
【0003】
撹拌して微細化する品種は化粧品ひとつをとっても多岐にわたり、それら多くの品種毎に撹拌する材料は異なっている。そして品種の切替えに際しては、撹拌槽及び撹拌羽根の洗浄や撹拌羽根の交換が欠かせない。そのため、品種切替えの効率化を進める上で撹拌羽根の取外し及び取付けをスムーズに行えることが望まれている。
【0004】
特許文献1には、撹拌槽(容器)底部の羽根部を上方からボルトにより交換可能とした構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許文献1:特開2016-019945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、狭い撹拌槽の上部から手を入れて撹拌槽底部のボルトを締めたり緩めたりしなければならず作業性が悪いという問題がある。また、仮に、羽根が撹拌槽上部に取付けられている場合は、下方から腰をかがめてボルトの取付けを行わねばならず、さらに作業性が悪く時間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決して、撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置であって、
当該原料を格納する撹拌槽と、
略鉛直方向に設けられ前記撹拌槽の中で回転駆動する回転駆動部と、
前記回転駆動部に取付けられた撹拌羽根と、
前記撹拌羽根が前記回転駆動部から落下することを防止する落下防止部と、を備え、
前記落下防止部は、2本の平行な突出部を有した全体として略U字形状の板状であり、前記2本の突出部の先端同士を結ぶ線上から略U字の内側根元までの長さが前記回転駆動部の直径よりも長く、前記回転駆動部に対し略水平方向から取付け可能であることを特徴とする撹拌装置を提供するものである。
【0009】
この構成により、撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることができる。
【0010】
撹拌装置であって、前記回転駆動部は、前記撹拌槽内に露出した部分における前記撹拌羽根の取付け位置よりも先端側の少なくとも一部に略水平方向の落下防止部挿入溝を有し、前記落下防止部は略水平方向から前記落下防止部挿入溝に挿入可能である構成としてもよい。
【0011】
この構成により、落下防止部を回転駆動部の溝に水平方向から挿入するだけで、撹拌羽根の落下を防止でき作業性を向上させることができる。
【0012】
撹拌装置であって、前記落下防止部は、略U字形状の根元端部にボルト挿入用のボルト用孔又はボルト用ねじ孔を前記板状の面と略平行に有し、当該ボルト用ねじ孔を介して前記回転駆動部に蝶ボルトでボルト締め可能である構成としてもよい。
【0013】
この構成により、回転羽根を下方から回転駆動部に挿入し、落下防止部を回転駆動部に略水平方向に挿入して回転駆動部の落下を防止した後、略水平方向からボルト締めを手軽に行うことができ、格段に作業性が向上する。
【0014】
また、上記課題を解決するために本発明は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置における撹拌羽根取付け方法であって、
回転駆動部の先端を露出させた状態で、当該回転駆動部の先端から撹拌羽根を挿入する撹拌羽根挿入工程と、
前記回転駆動部における前記撹拌羽根が挿入された位置よりも先端側に落下防止部を略水平方向から挿入し、当該落下防止部を略水平方向から取付ける落下防止部取付け工程と、を備え、
前記落下防止部は、2本の平行な突出部を有した全体として略U字形状の板状であり、前記2本の突出部の先端同士を結ぶ線上から略U字の内側根元までの長さが前記転駆動部の直径よりも長いことを特徴とする撹拌羽根取付け方法を提供するものである。
【0015】
この構成により、撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の撹拌装置、及び撹拌羽根取付け方法により、撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1における撹拌装置を説明する図である。
図2】本発明の実施例1における撹拌装置の撹拌羽根を説明する図である。
図3】本発明の実施例1における撹拌装置の回転駆動部を説明する図である。
図4】本発明の実施例1における撹拌羽根取付け方法を説明する第1の図である。
図5】本発明の実施例1における撹拌羽根取付け方法を説明する第2の図である。
図6】本発明の実施例1における撹拌羽根取付け方法を説明する第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
(撹拌装置) 本発明の実施例1の撹拌装置について、図1図6を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1における撹拌装置を説明する図である。図2は、本発明の実施例1における撹拌装置の撹拌羽根を説明する図である。図3は、本発明の実施例1における撹拌装置の回転駆動部を説明する図である。図4は、本発明の実施例1における撹拌羽根取付け方法を説明する第1の図である。図5は、本発明の実施例1における撹拌羽根取付け方法を説明する第2の図である。図6は、本発明の実施例1における撹拌羽根取付け方法を説明する第3の図である。
【0019】
実施例1における撹拌装置100は、内部が視認可能な窓部11を側面及び底面に有し、天面が開放された略円筒状の撹拌槽10と、撹拌槽10の側壁上面と密着可能な密着部(図示せず)を一方の面に有した略円形状の蓋部20と、蓋部20を貫通しその一部が撹拌槽10内に挿入されて回転軸として回転又は回動する回転駆動部22と、回転駆動部22の先端近傍に取り付けられた撹拌羽根23と、蓋部20の他方の面に有した材料投入部21と、撹拌槽10を上限位置、中間位置(図1は撹拌槽が中間位置にある状態を示す)、及び下限位置(図2は撹拌槽が中間位置にある状態を示す)に昇降させる駆動部(図示せず)と、を備えている。また、回転駆動部22、撹拌羽根23、及び蓋部20は別の駆動部により上限位置、及び中間位置に昇降可能である。撹拌槽10が下限位置に位置するときには、回転駆動部22、撹拌羽根23、及び蓋部20が少なくとも中間位置に位置して図2に示すように撹拌羽根23が露出して後述のように交換作業を容易に行うことができる。
【0020】
実施例1における撹拌槽10は天面が開放された略円筒形のガラスで構成され、背面及び底面の一部を保護金属で支持する構造を有している。したがって、撹拌槽10の外面のうち保護金属で保護されていない側面のうち正面と底面の大部分が窓部11として機能して撹拌状態を観察することができる。また、撹拌槽10のガラスは、二重ガラスで構成されており、ガラス間に温水を注入して撹拌槽10内の温度を上昇又は維持することができるとともに、冷水を注入して撹拌槽10内の温度を下降又は維持することができる。
【0021】
なお、実施例1においては、窓部11を撹拌槽10の側面及び底面に有する構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、側面及び上面に窓部11を有する構成としてもよく、少なくとも側面に有すればよい。また、実施例1においては、撹拌槽10を天面が開放された略円筒形のガラスで構成するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、天面が開放された略多角柱のガラスで構成してもよいし、略円筒形の樹脂で構成するようにしてもよい。
【0022】
また、撹拌槽10並びに回転駆動部22、撹拌羽根23、及び蓋部20が、上限位置から中間位置においては、蓋部20が撹拌槽10と密着するように構成しているため撹拌羽根23を回転又は回動させて撹拌槽10内を撹拌することができるし、撹拌槽10内は真空引きすることができる。このため、撹拌する材料によっては、効率的に撹拌することができる。
【0023】
なお、実施例1においては、上限位置から中間位置においては、蓋部20が撹拌槽10と密着する構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、上限位置及び中間位置においてのみ、蓋部20が撹拌槽10と密着する構成としてもよく、少なくとも上限位置及び中間位置においては蓋部20の密着部が撹拌槽10の側壁上面に密着するように構成すればよい。
【0024】
蓋部20は、撹拌槽10の側壁の上面に密着させることができるように、その一方の面(撹拌槽10の天面に接触する面)にゴム製のパッキンからなる密着部が蓋部20の周縁全周にわたって設けられている。そして、上限位置から中間位置においては、蓋部20の密着部に撹拌槽10の側壁上面が密着し、蓋部20を貫通する回転駆動部22の先端近傍に取付けられた撹拌羽根23が撹拌槽10内で回転又は回動して投入された材料を撹拌することができる。
【0025】
撹拌羽根23は、図4に示すように、略フラットで横に広がり上部円形孔23eを有した形状の上部23aと、上部23aから下方に延びる2本の中間部23bと、中間部23bから内側横方向に伸びる複数の羽根23cと、2本の中間部23bが下方で一体となり下部円形孔23fを有した形状の下部23dとからなっている。撹拌羽根23を取付ける略円筒形状の回転駆動部22先端近傍における撹拌羽根取付け箇所29(図3(b)参照)の直径は、上部円形孔23eが挿入可能な大きさに設定されている。そして後述のように、撹拌羽根23を回転駆動部22に挿入するときは、上部円形孔23eを回転駆動部22の撹拌羽根取付け箇所29まで挿入する。
【0026】
なお、撹拌羽根取付け箇所29の上部は撹拌羽根取付け箇所29の直径よりも大きくなっており、これより上方に撹拌羽根23が移動することはない。また、後述のように、落下防止部25を落下防止部挿入溝24に挿入して位置させることで、撹拌羽根23は下方へも移動することはない。
【0027】
撹拌羽根23を回転又は回動させる回転駆動部22は、蓋部20の他方の面側に伸びてモータ等が設けられている。そして、回転駆動部22は、蓋部20と一体になって昇降する。
【0028】
図1に示す撹拌槽10の天面の位置は、床面から962mmに設定された中間位置である。この中間位置では、作業員Hが材料投入部21に材料を投入しやすい位置に設定されている。なお、撹拌槽10内は真空引きされている場合があるが、その場合は、材料投入部21のホッパに材料を投入した後、コックを回して撹拌槽10内との境の扉を開ければ、真空により材料が引き込まれる。この後、真空状態を維持するためにコックを逆に回して撹拌槽10内との境の扉を閉めれば撹拌槽10内の真空引き状態が維持される。
【0029】
なお、実施例1においては、中間位置を床面から撹拌槽10の天面までの距離を962mmとしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、963mm以上としてもよいし961mm以下としてもよく、作業員Hが材料投入部21に材料を投入しやすい位置に設定すればよい。
【0030】
図2に示す撹拌槽10の天面の位置は、床面から622mmに設定された下限位置であり、蓋部20、撹拌羽根23、及び回転駆動部22の位置は中間位置である。この位置関係では、撹拌槽10の天面は開放されて撹拌羽根23が露出するため撹拌羽根23の交換作業を行うことができる。つまり、蓋部20は撹拌羽根23及び回転駆動部22とともに中間位置に留められ、下限位置に下降することはない。これにより、撹拌槽10の天面は蓋部20の密着を解除されて開放される。
【0031】
なお、実施例1においては、下限位置を床面から撹拌槽10の天面までの距離を622mmとしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、623mm以上としてもよいし621mm以下としてもよく、作業員Hが撹拌羽根23の交換作業や洗浄をしやすい位置に設定すればよい。
【0032】
図3(a)は回転駆動部22の全体を示す図であり、蓋部20、撹拌羽根23、及び撹拌槽10は記載していない。図3(b)は撹拌槽10内に露出した回転駆動部22の先端部分を拡大して示している。図3(b)に示すように、回転駆動部22の先端部分は略円筒形状を有し、その先端近傍における撹拌羽根取付け箇所29の先端側には、全周にわたって略水平方向に窪んだ落下防止部挿入溝24を有している。後述のように、この落下防止部挿入溝24に略水平方向に落下防止部25を挿入することで、撹拌羽根取付け箇所29の直径より大きい落下防止部25が撹拌羽根取付け箇所29に位置する撹拌羽根23の落下を容易に防止することができる。
【0033】
落下防止部25は図5に示すように、2本の平行な突出部25a、25bを備え、全体として略U字形状の板状を有しており、その根元端部には固定部26がねじ留めされている。固定部26には、略U字形状の板状の面と略平行(回転駆動部に取付け後は略水平方向)にボルト用孔27が貫通している。そして、ボルト用孔27にねじを略水平方向に挿入して回転駆動部22にねじ留め可能としている。この落下防止部25の突出部25a、25bは互いに平行でその隙間寸法は落下防止部挿入溝24に挿入可能、かつ突出部25a、25bの平面方向(水平方向)の幅は撹拌羽根23を支持可能な寸法とされている。
【0034】
なお、実施例1においては、落下防止部25を略U字形状としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、落下防止部25を略円弧状としてもよい。また、ボルト用孔27が略U字形状部分にねじ留めされた固定部26に貫通した構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、厚みのある板状として略U字形状部分に板状の面と略平行(回転駆動部に取付け後は略水平方向)に貫通するボルト用孔27を設けてもよい。
【0035】
これにより、撹拌羽根23を回転駆動部22に挿入して撹拌羽根取付け箇所29に位置させた後、落下防止部25を落下防止部挿入溝24に水平方向に挿入することで手軽に撹拌羽根23が落下することを防止できる。また、落下防止部25を水平方向から回転駆動部22にねじ留めすることで、確実に落下防止部25を回転駆
動部22に保持することができる。
【0036】
なお、実施例1においては、回転駆動部22の先端近傍には、全周にわたって略水平方向に落下防止部挿入溝24を有しているように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、回転駆動部22の先端近傍に略U字形状の落下防止部25の突出部25a、25bが挿入する部分のみの部分的な溝を設けるようにしてもよい。つまり、回転駆動部22の少なくとも一部に落下防止部を挿入可能な溝を設ければよい。また、回転駆動部22の先端部分は略円筒形状でなく、多角柱形状であってもよい。
【0037】
また、実施例1においては、落下防止部25を略U字形状としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、落下防止部25を略円弧状としてもよい。
【0038】
さらに、実施例1においては、落下防止部25を回転駆動部22の落下防止部挿入溝24に挿入する構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、落下防止部にボルト孔を有した円弧状の板状として、このボルト孔を介して回転駆動部22の側面に略水平方向からボルト締めしてもよい。また、固定部26をねじ留めではなく接着剤で固定してもよいし、固定部材26と落下防止部25とを研磨加工等により一体としてもよい。さらに、落下防止部25を回転駆動部22へのボルト締めに代えて回転駆動部22との間で落下防止部25が篏合するように構成してもよい。少なくとも、落下防止部25を回転駆動部に略水平方向から取付ける構成とすればよい。
【0039】
(撹拌羽根取付け方法) 図4図6を参照して、撹拌羽根23の回転駆動部22への取付け方法について説明する。まず、回転駆動部22の先端を露出させた状態(例えば、撹拌槽10を下限位置に位置させ、蓋部20、及び回転駆動部22を中間位置に位置させた状態)で、図4に示すように、手で撹拌羽根23を持って下方(回転駆動部22の先端)から回転駆動部22に挿入して撹拌羽根取付け箇所29に位置させる(撹拌羽根挿入工程)。このときは、手を放すと撹拌羽根23が落下するので片手で撹拌羽根23を保持する。
【0040】
撹拌羽根23は、図4に示すように、略フラットで横に広がり上部円形孔23eを有した形状の上部23aと、上部23aから下方に延びる2本の中間部23bと、中間部23bから横方向に広がる羽根23cと、2本の中間部23bが下方で一体となり下部円形孔23fを有した形状の下部23dとからなっている。上述の撹拌羽根取付け箇所29の直径は上部円形孔23eが挿入可能な大きさに設定されている。そして、撹拌羽根23を回転駆動部22に挿入するときは、上部円形孔23eを回転駆動部22に挿入する。
【0041】
次に、撹拌羽根23を片手で支えながら、落下防止部取付け工程を実施する。すなわち、図5に示すように、略U字形状をした落下防止部25を2本の平行な突出部25a、25bの先端から略水平方向に落下防止部挿入溝24に挿入する。これにより、撹拌羽根23から手を放しても落下防止部25によって保持されているので撹拌羽根23が落下することはない。落下防止部25は、略U字形状部分の根元端部には固定部26がねじ留めされている。固定部26には、突出部25a、25bと略平行(略水平方向)にボルト用孔27が貫通している。
【0042】
最後に、図6に示すように、ボルト28を固定部26に設けられたボルト用孔27に挿入して撹拌羽根取付け箇所29に切られたねじ穴に螺合させて落下防止部25を回転駆動部22に取り付ける。これにより、落下防止部25の略U字形状の根元が回転駆動部22の落下防止部挿入溝24に固定される。なお、ボルト28を蝶ボルトとすれば手でボルト28を回すことができる。また、蝶ボルトを脱落防止対策が施されたものにすれば、蝶ボルトの脱落が防止できて、さらに作業の効率化を進めることができる。脱落防止対策が施された蝶ボルトを使用する場合は、固定部26に設けたボルト用孔27をボルト用ねじ孔とすればよい。
【0043】
従来は、中間位置に位置する回転駆動部22に対して、下方から腰を屈め上体をひねるようにして撹拌羽根23をボルト締めしていたが、上述した本発明の実施例1により、撹拌羽根23の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることができる。
【0044】
なお、実施例1においては、落下防止部25を回転駆動部22の落下防止部挿入溝24に挿入する構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、落下防止部がボルト孔を有した円弧状の板状として、このボルト孔を介して回転駆動部22の側面に略水平方向からボルト締めしてもよい。また、ボルト締めに代えて回転駆動部22との間で落下防止部25が篏合するように構成してもよい。少なくとも、落下防止部25を回転駆動部22に略水平方向から取付ける構成とすればよい。
【0045】
このように、本発明の実施例1においては、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置であって、 当該原料を格納する撹拌槽と、 略鉛直方向に設けられ前記撹拌槽の中で回転駆動する回転駆動部と、 前記回転駆動部に取付けられた撹拌羽根と、 前記撹拌羽根が前記回転駆動部から落下することを防止する落下防止部と、を備え、 前記落下防止部は、前記回転駆動部に対し略水平方向から取付け可能であることを特徴とする撹拌装置により、撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることができる。
【0046】
また、本発明の実施例1においては、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置における撹拌羽根取付け方法であって、 回転駆動部の先端を露出させた状態で、当該回転駆動部の先端から撹拌羽根を挿入する撹拌羽根挿入工程と、 前記回転駆動部における前記撹拌羽根が挿入された位置よりも先端側に落下防止部を略水平方向から挿入し、当該落下防止部を略水平方向から取付ける落下防止部取付け工程と、を備えたことを特徴とする撹拌羽根取付け方法により、撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明における撹拌装置、及び撹拌羽根取付け方法は、液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する分野に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10:撹拌槽 11:窓部 20:蓋部 21:材料投入部 22:回転駆動部 23:撹拌羽根 23a:上部 23b:中間部 23c:羽根 23d:下部 23e:上部円形孔 23f:下部円形孔 24:落下防止部挿入溝 25:落下防止部 25a:突出部 25b:突出部 26:固定部 27:ボルト用孔 28:ボルト 29:撹拌羽根取付け箇所 30:表示部 40:レール 43:レール保持部 100:撹拌装置
【要約】      (修正有)
【課題】撹拌羽根の交換作業の作業性を改善し品種切替えの迅速化を進めることを課題とする。
【解決手段】液体と液体、液体と固体を含む液体、又は固体を含む液体と固体を含む液体を原料として撹拌する撹拌装置100であって、当該原料を格納する撹拌槽10と、略鉛直方向に設けられ前記撹拌槽の中で回転駆動する回転駆動部22と、前記回転駆動部に取付けられた撹拌羽根と、前記撹拌羽根が前記回転駆動部から落下することを防止する落下防止部と、を備え、前記落下防止部は、前記回転駆動部に対し略水平方向から取付け可能であることを特徴とする撹拌装置とした。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6