(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】人力駆動車用のドライブユニット
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20241010BHJP
B62M 6/50 20100101ALI20241010BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20241010BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M6/50
B62J45/00
(21)【出願番号】P 2019239079
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】亀田 剛
(72)【発明者】
【氏名】滝 憲和
(72)【発明者】
【氏名】村上 洋介
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-207363(JP,A)
【文献】特表2018-505097(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194818(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/40 - 6/75
B62J 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
人力駆動力が入力される入力軸を支持するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、
前記ハウジング内に設けられる電子回路基板と、を含み、
前記電子回路基板は、
前記モータに電力を供給するように構成されるインバータ回路の少なくとも一部分を構成する少なくとも1つの第1電子部品と、
前記少なくとも1つの第1電子部品が設けられる第1回路基板と、
少なくとも1つの第2電子部品を含み、前記インバータ回路に電気的に接続され、前記インバータ回路を制御するように構成される制御部と、
前記第1回路基板と別体に形成され、前記制御部の前記少なくとも1つの第2電子部品が設けられる第2回路基板と、を含み、
前記モータは、
出力軸を有するロータと、
前記インバータ回路に電気的に接続されるコイルを有するステータと、を含み、
前記第1回路基板は、前記モータの前記出力軸の軸方向である予め定める第1方向において、前記第2回路基板よりも前記モータの前記ステータに近い位置に配置され、
前記出力軸は、前記予め定める第1方向において、第1出力軸端部および第2出力軸端部を含み、
前記ステータは、前記予め定める第1方向において、前記第2出力軸端部よりも前記第1出力軸端部寄りに配置され、
前記第2回路基板は、前記予め定める第1方向において、前記モータの前記出力軸のうちの
前記第2出力軸端部よりも前記ステータから遠い位置に設けられている、ドライブユニット。
【請求項2】
前記予め定める第1方向において、前記第2回路基板と前記ステータとの間に前記第1回路基板の少なくとも一部が配置される、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記第1回路基板および前記第2回路基板は、前記モータの前記出力軸の軸方向に実質的に垂直な方向に延びる、請求項1または2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
前記モータの前記出力軸の軸方向から見て、前記第1回路基板の少なくとも一部、および、前記第2回路基板の少なくとも一部は、前記モータの前記ステータと重なるように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項5】
前記第1回路基板および前記第2回路基板の一方は、
前記第2出力軸端部と対向するように配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記モータの前記出力軸の回転状態を検出するように構成される回転検出センサをさらに含み、
前記回転検出センサは、前記第1回路基板および前記第2回路基板の前記一方に設けられる、請求項5に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記電子回路基板は、前記第1回路基板および前記第2回路基板と別体に形成される第3回路基板をさらに含み、
前記第3回路基板は、前記入力軸に伝達される人力駆動力に関する情報を送信するように構成される無線送信部を有し、
前記モータの前記出力軸の軸方向から見て、前記第3回路基板の少なくとも一部と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つとは、重なるように配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記電子回路基板は、前記第1回路基板、前記第2回路基板、および、前記第3回路基板と別体に形成される第4回路基板をさらに含み、
前記第4回路基板は、前記人力駆動力に関する前記情報を受信するように構成される無線受信部を有し、少なくとも一部分が前記第3回路基板に対向するように配置され、かつ、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つに電気的に接続され、
前記モータの前記出力軸の軸方向から見て、前記第4回路基板の少なくとも一部と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つとは、重なるように配置される、請求項7に記載のドライブユニット。
【請求項9】
前記入力軸と前記モータの前記出力軸とは、実質的に平行に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項10】
前記入力軸の軸方向から見て、前記第1回路基板のうちの前記入力軸から最も遠い部分は、前記第2回路基板のうちの前記入力軸から最も遠い部分よりも前記入力軸から遠い位置に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項11】
電気ケーブルに着脱可能であり、前記ハウジングに設けられて、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つに電気的に接続される電気コネクタを含み、
前記第1回路基板および前記第2回路基板の一方の実装面は、予め定める第2方向において、前記第1回路基板および前記第2回路基板の他方と重なる第1領域と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の他方と重ならない第2領域を有し、
前記電気コネクタの少なくとも一部分は、前記予め定める第2方向において前記第2領域に重なり、かつ、前記予め定める第2方向において前記第1回路基板および前記第2回路基板の間に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のドライブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用のドライブユニットは、人力駆動車の推進をアシストするモータを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、人力駆動車に好適に用いることができる人力駆動車用のドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動力が入力される入力軸を支持するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、前記ハウジング内に設けられる電子回路基板と、を含み、前記電子回路基板は、前記モータに電力を供給するように構成されるインバータ回路の少なくとも一部分を構成する少なくとも1つの第1電子部品と、前記少なくとも1つの前記第1電子部品が設けられる第1回路基板と、少なくとも1つの第2電子部品を含み、前記インバータ回路に電気的に接続され、前記インバータ回路を制御するように構成される制御部と、前記第1回路基板と別体に形成され、前記制御部の前記少なくとも1つの第2電子部品が設けられる第2回路基板と、を含む。
第1側面のドライブユニットによれば、インバータ回路の少なくとも一部分を構成する電子部品が設けられる第1回路基板と、制御部が設けられる第2回路基板と、が別体のため、制御部の第2電子部品への熱の影響を抑制できる。したがって、第1側面のドライブユニットは、人力駆動車に好適に用いることができる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記モータは、出力軸を有するロータと、前記インバータ回路に電気的に接続されるコイルを有するステータと、を含む。
第2側面のドライブユニットによれば、インバータ回路からステータのコイルに電気を供給できる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記第1回路基板は、予め定める第1方向において、前記第2回路基板よりも前記モータの前記ステータに近い位置に配置される。
第3側面のドライブユニットによれば、インバータ回路とステータとを近い位置に配置しやすい。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面のドライブユニットにおいて、前記予め定める第1方向は、前記モータの前記出力軸の軸方向である。
第4側面のドライブユニットによれば、第1回路基板とステータのコイルとを電気的に接続しやすい。
【0009】
本開示の第4側面に従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記予め定める第1方向において、前記第2回路基板と前記ステータとの間に前記第1回路基板の少なくとも一部が配置される。
第5側面のドライブユニットによれば、予め定める第1方向において、第2回路基板とステータとの間に第1回路基板を配置しない場合と比較して、モータの出力軸の軸方向と直交する方向におけるドライブユニットのサイズを小型化できる。
【0010】
本開示の第2から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のドライブユニットにおいて、前記第1回路基板および前記第2回路基板は、前記モータの前記出力軸の軸方向に実質的に垂直な方向に延びる。
第6側面のドライブユニットによれば、第1回路基板および第2回路基板が、モータの出力軸の軸方向に延びる場合と比較して、モータの前記出力軸の軸方向におけるドライブユニットのサイズを小型化できる。
【0011】
本開示の第2から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のドライブユニットにおいて、前記モータの前記出力軸の軸方向から見て、前記第1回路基板の少なくとも一部、および、前記第2回路基板の少なくとも一部は、前記モータの前記ステータと重なるように配置される。
第7側面のドライブユニットによれば、モータの出力軸の軸方向から見て、第1回路基板および第2回路基板がステータに重ならない場合と比較して、モータの出力軸の軸方向と直交する方向においてドライブユニットのサイズを小型化できる。
【0012】
本開示の第2から第7側面のいずれか1つに従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記第1回路基板および前記第2回路基板の一方は、前記モータの前記出力軸の端部と対向するように配置される。
第8側面のドライブユニットによれば、第1回路基板および第2回路基板の一方をモータの出力軸の端部と対向するように配置できる。
【0013】
本開示の第8側面に従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記モータの前記出力軸の回転状態を検出するように構成される回転検出センサをさらに含み、前記回転検出センサは、前記第1回路基板および前記第2回路基板の前記一方に設けられる。
第9側面のドライブユニットによれば、第1回路基板および前記第2回路基板の一方に設けられる回転検出センサによって、モータの出力軸の回転を検出できる。第1回路基板および前記第2回路基板の一方は、モータの出力軸の端部と対向するので、回転検出センサをモータの出力軸の端部に近づけて配置しやすい。
【0014】
本開示の第2から第9側面のいずれか1つに従う第10側面のドライブユニットにおいて、前記電子回路基板は、前記第1回路基板および前記第2回路基板と別体に形成される第3回路基板をさらに含み、前記第3回路基板は、前記入力軸に伝達される人力駆動力に関する情報を送信するように構成される無線送信部を有し、前記モータの前記出力軸の軸方向から見て、前記第3回路基板の少なくとも一部と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つとは、重なるように配置される。
第10側面のドライブユニットによれば、モータの出力軸の軸方向から見て、第3回路基板と、第1回路基板および第2回路基板とが重ならない場合と比較して、モータの出力軸の軸方向と直交する方向においてドライブユニットのサイズを小型化しやすい。
【0015】
本開示の第10側面に従う第11側面のドライブユニットにおいて、前記電子回路基板は、前記第1回路基板、前記第2回路基板、および、前記第3回路基板と別体に形成される第4回路基板をさらに含み、前記第4回路基板は、前記人力駆動力に関する前記情報を受信するように構成される無線受信部を有し、少なくとも一部分が前記第3回路基板に対向するように配置され、かつ、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つに電気的に接続され、前記モータの前記出力軸の軸方向から見て、前記第4回路基板の少なくとも一部と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つとは、重なるように配置される。
第11側面のドライブユニットによれば、モータの出力軸の軸方向から見て、第4回路基板と、第1回路基板および第2回路基板とが重ならない場合と比較して、モータの出力軸の軸方向と直交する方向においてドライブユニットのサイズを小型化しやすい。
【0016】
本開示の第2から第11側面のいずれか1つに従う第12側面のドライブユニットにおいて、前記入力軸と前記モータの前記出力軸とは、実質的に平行に配置される。
第12側面のドライブユニットによれば、モータの出力軸が入力軸と実質的に平行になるようにモータをドライブユニットに配置できる。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面のドライブユニットにおいて、前記入力軸の軸方向から見て、前記第1回路基板のうちの前記入力軸から最も遠い部分は、前記第2回路基板のうちの前記入力軸から最も遠い部分よりも前記入力軸から遠い位置に配置される。
第13側面のドライブユニットによれば、入力軸の軸方向から見て、第1回路基板のうちの入力軸から最も遠い部分を、第2回路基板のうちの入力軸から最も遠い部分よりも入力軸から遠い位置に配置できる。
【0018】
本開示の第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面のドライブユニットにおいて、電気ケーブルに着脱可能であり、前記ハウジングに設けられて、前記第1回路基板および前記第2回路基板の少なくとも1つに電気的に接続される電気コネクタを含み、前記第1回路基板および前記第2回路基板の一方の実装面は、予め定める第2方向において、前記第1回路基板および前記第2回路基板の他方と重なる第1領域と、前記第1回路基板および前記第2回路基板の他方と重ならない第2領域を有し、前記電気コネクタの少なくとも一部分は、前記予め定める第2方向において前記第2領域に重なり、かつ、前記予め定める第2方向において前記第1回路基板および前記第2回路基板の間に配置される。
第14側面のドライブユニットによれば、電気コネクタの少なくとも一部分を、予め定める第2方向において第2領域に重なり、かつ、予め定める第2方向において第1回路基板および第2回路基板の間に配置できる。
【0019】
本開示の第15側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動力が入力される入力軸と、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、第1回転軸心を有し、前記入力軸の回転力が伝達されるように構成される出力部と、前記モータと前記出力部との間の第1動力伝達経路に設けられ、前記入力軸が予め定める回転方向に回転する場合、前記入力軸の回転力が前記モータに伝達されることを抑制する第1ワンウェイクラッチを有する減速機と、を含み、前記減速機は、前記出力部と一体に回転するように、前記出力部に設けられる第1回転体と、前記第1回転軸心とは異なる第2回転軸心を有する第1回転軸と、前記第1回転軸に設けられ、前記第1回転体に直接またはリング部材を介して接続される第2回転体と、を含み、前記第1ワンウェイクラッチは、前記第1回転軸と、前記第2回転体との間に設けられる。
第15側面のドライブユニットによれば、第1ワンウェイクラッチが第1回転軸と第2回転体との間に設けられるため、入力軸が予め定める回転方向に回転する場合、入力軸の回転力が第2回転体よりもモータ側に伝達されることを抑制できる。このため、入力軸が予め定める回転方向に回転する場合、第1動力伝達経路における動力損失を抑制できる。したがって、第15側面のドライブユニットは、人力駆動車に好適に用いることができる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面のドライブユニットにおいて、前記第1ワンウェイクラッチは、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、または、ラチェット式クラッチを含む。
第16側面のドライブユニットによれば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、または、ラチェット式クラッチによって第1ワンウェイクラッチを構成できる。
【0021】
本開示の第15または第16側面に従う第17側面のドライブユニットにおいて、前記減速機は、前記第1回転体、前記第1回転軸、および、前記第2回転体、を含む第1減速部分と、前記第1動力伝達経路において、前記モータと、第1減速部分との間に設けられる第2減速部分と、を含む。
第17側面のドライブユニットによれば、第2減速部分によって、モータの回転をさらに減速できる。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面のドライブユニットにおいて、前記第2減速部分は、前記第1回転軸と一体に回転するように構成され、第2回転体よりも直径が小さい第3回転体と、第2回転軸と、前記第2回転軸と一体に回転するように構成され、前記第3回転体に直接またはリング部材を介して接続される第4回転体と、含む。
第18側面のドライブユニットによれば、第3回転体と、第2回転軸と、第4回転体とを含む第2減速部分によって、モータの回転を好適に減速できる。
【0023】
本開示の第17または第18側面に従う第19側面のドライブユニットにおいて、前記第2減速部分は、遊星歯車機構を有する。
第19側面のドライブユニットによれば、遊星歯車機構を有する第2減速部分によってモータの回転を好適に減速できる。
【0024】
本開示の第19側面に従う第20側面のドライブユニットにおいて、前記モータは、出力軸を含み、前記遊星歯車機構は、前記出力軸と一体に回転するように構成される太陽ギアと、前記太陽ギアに噛み合う1または複数の遊星ギアと、前記1または複数の遊星ギアを回転可能に支持するキャリアと、前記1または複数の遊星ギアに噛み合うリングギアと、を含み、前記第2回転体は、前記キャリアと一体に回転するように構成される。
第20側面のドライブユニットによれば、出力軸の回転が太陽ギアに伝達され、キャリアから第2回転体に伝達されることによって、モータの回転を好適に減速できる。
【0025】
本開示の第15から第19側面のいずれか1つに従う第21側面のドライブユニットにおいて、前記モータは、出力軸を含み、前記第1回転軸は、前記モータの前記出力軸と一体に回転するように構成される。
第21側面のドライブユニットによれば、モータの出力軸の回転によって第2回転体を回転させることができる。第21側面のドライブユニットによれば、第1ワンウェイクラッチによって、入力軸が予め定める回転方向に回転する場合、入力軸の回転力が第2回転体および出力軸へ伝達されることが抑制される。
【0026】
本開示の第15から第21側面のいずれか1つに従う第22側面のドライブユニットにおいて、前記出力部と前記入力軸との間の第2動力伝達経路に設けられる第2ワンウェイクラッチをさらに含む。
第22側面のドライブユニットによれば、第2ワンウェイクラッチによって、出力部の一方向への回転力が入力軸に伝達されることを抑制できる。
【0027】
本開示の第22側面に従う第23側面のドライブユニットにおいて、前記第2ワンウェイクラッチの少なくとも一部は、前記第1回転体の径方向内側に配置される。
第23側面のドライブユニットによれば、第2ワンウェイクラッチの少なくとも一部を第1回転体の径方向内側に配置することによって、第1回転体の軸方向のサイズを小型化しやすい。
【0028】
本開示の第15から第23側面のいずれか1つに従う第24側面のドライブユニットにおいて、前記第1ワンウェイクラッチの少なくとも一部は、前記第2回転体の径方向内側に配置される。
第24側面のドライブユニットによれば、第1ワンウェイクラッチの少なくとも一部を第2回転体の径方向内側に配置することによって、第2回転体の軸方向のサイズを小型化しやすい。
【0029】
本開示の第25側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、出力軸を有し、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、前記モータを収容し、人力駆動力が入力される入力軸を支持するハウジングと、前記ハウジングとは別体に形成されて、前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングと共に前記モータの少なくとも一部が配置されるモータ配置空間を形成し、前記モータの前記出力軸が挿通される貫通孔を含むカバー部材と、前記入力軸に直接または間接的に接続される出力部と、前記モータの駆動力を前記出力部に伝達するように構成される減速機と、前記減速機に設けられる潤滑剤と、前記ハウジングとは別体に形成され、前記減速機に隣接して配置されて、前記潤滑剤を減速機の近傍に保持するように構成される保持部材と、を含み、前記カバー部材と前記保持部材とは、単一部材として一体に形成される。
第25側面のドライブユニットによれば、保持部材によって潤滑剤が減速機の近傍に保持されるため、減速機の摩耗を抑制できる。第25側面のドライブユニットによれば、カバー部材と保持部材とが単一部材として一体に形成されるため、部品点数の増加を抑制できる。したがって、第25側面のドライブユニットは、人力駆動車に好適に用いることができる。
【0030】
本開示の第25側面に従う第26側面のドライブユニットにおいて、前記モータに電気的に接続される電子回路基板をさらに含み、前記保持部材の少なくとも一部は、前記減速機と前記電子回路基板との間に配置される。
第26側面のドライブユニットによれば、保持部材の少なくとも一部が減速機と電子回路基板との間に配置できるため、潤滑剤の減速機から電子回路基板への移動を抑制できる。
【0031】
本開示の第25または第26側面に従う第27側面のドライブユニットにおいて、前記減速機は、前記モータの前記出力軸に設けられる出力歯車を含み、前記保持部材は、前記モータの前記出力軸の回転軸心まわりにおいて、前記出力歯車の外周部の一部を覆う第1保持部を有する。
第27側面のドライブユニットによれば、第1保持部によって、潤滑剤を出力歯車の近傍に保持しやすい。
【0032】
本開示の第27側面に従う第28側面のドライブユニットにおいて、前記減速機は、前記モータの前記出力軸に設けられる前記出力歯車に噛合い、前記出力歯車よりも直径が大きい大径歯車を含み、前記保持部材は、前記大径歯車の回転軸心まわりにおいて、前記大径歯車の一部を覆う第2保持部を有する。
第28側面のドライブユニットによれば、第2保持部によって、潤滑剤を大径歯車の近傍に保持しやすい。
【0033】
本開示の第28側面に従う第29側面のドライブユニットにおいて、前記第1保持部は、前記モータの前記出力軸の回転軸心まわりにおいて、前記第2保持部と連結される。
第29側面のドライブユニットによれば、モータの出力軸の回転軸心まわりにおいて第1保持部と第2保持部とが連結されるので、出力歯車と大径歯車が噛み合う部分近傍に潤滑剤を保持しやすい。
【0034】
本開示の第28または第29側面に従う第30側面のドライブユニットにおいて、前記カバー部材は、前記大径歯車の回転軸の軸方向の第1端部を回転可能に支持するように構成される。
第30側面のドライブユニットによれば、カバー部材によって大径歯車の回転軸の軸方向の第1端部を回転可能に支持できる。
【0035】
本開示の第30側面に従う第31側面のドライブユニットにおいて、前記カバー部材は、前記第1端部を回転可能に支持する軸受が配置される凹部を含む。
第31側面のドライブユニットによれば、凹部に軸受を配置できる。
【発明の効果】
【0036】
本開示の人力駆動車用のドライブユニットは、人力駆動車に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車の側面図。
【
図2】第1実施形態の人力駆動車用のドライブユニットの斜視図。
【
図3】
図2の人力駆動車用のドライブユニットの第1側面図。
【
図4】
図2の人力駆動車用のドライブユニットの第2側面図。
【
図6】
図3の人力駆動車用のドライブユニットの第1側面図からハウジングの一部を外した状態の側面図。
【
図7】
図4の人力駆動車用のドライブユニットの第2側面図からハウジングの一部を外した状態の側面図。
【
図8】第2実施形態の人力駆動車用のドライブユニットの断面図。
【
図9】
図8のカバー部材および保持部材の第1斜視図。
【
図10】
図8のカバー部材および保持部材の第2斜視図。
【
図11】第1変形例の人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車の一部を示す模式図。
【
図12】第2変形例の人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車の一部を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<第1実施形態>
図1から
図7を参照して、第1実施形態の人力駆動車用のドライブユニット40について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車として説明する。
【0039】
人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるクランク12を備える。人力駆動車10は、車輪14と、車体16と、を、さらに備える。車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18を含む。クランク12は、フレーム18に対して回転可能な入力軸12Aと、入力軸12Aの軸方向の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12Bとを含む。本実施形態において、入力軸12Aは、クランク軸である。各クランクアーム12Bには、一対のペダル20がそれぞれ連結される。後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。後輪14Aは、フレーム18に支持される。クランク12と後輪14Aとは、駆動機構22によって連結される。駆動機構22は、入力軸12Aに連結される第1駆動回転体24を含む。第1駆動回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構22は、第2駆動回転体26と、連結部材28とをさらに含む。連結部材28は、第1駆動回転体24の回転力を第2駆動回転体26に伝達する。連結部材28は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0040】
第2駆動回転体26は、後輪14Aに連結される。第2駆動回転体26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2駆動回転体26と後輪14Aとの間には、好ましくは、ワンウェイクラッチが設けられる。ワンウェイクラッチは、第2駆動回転体26が前転した場合に、後輪14Aを前転させ、第2駆動回転体26が後転した場合に、第2駆動回転体26と後輪14Aとの相対回転を許容するように構成される。本実施形態では、第1駆動回転体24は、スプロケットを1枚のみ含み、第2駆動回転体26は、複数のスプロケットを含むが、第1駆動回転体24は複数のスプロケットを含んでいてもよく、第2駆動回転体26は、スプロケットを1枚のみ含んでいてもよい。第1駆動回転体24および第2駆動回転体26の少なくとも1つが複数のスプロケットを含む場合、人力駆動車10は、複数のスプロケット間においてチェーンを移動させるディレイラをさらに含む。本実施形態では、フレーム18にリアディレイラ27が設けられる。
【0041】
フレーム18には、フロントフォーク30を介して前輪14Bが取り付けられる。フロントフォーク30には、ハンドルバー34がステム32を介して連結される。本実施形態では、後輪14Aが駆動機構22によってクランク12に連結されるが、後輪14Aおよび前輪14Bの少なくとも1つが、駆動機構22によってクランク12に連結されてもよい。
【0042】
人力駆動車10は、人力駆動車用のバッテリ36を含む。バッテリ36は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ36は、ドライブユニット40に電力を供給する。バッテリ36は、好ましくは、ドライブユニット40の制御部78と電気ケーブル38または無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリ36は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部78と通信可能である。
【0043】
ドライブユニット40は、ハウジング42と、モータ44と、を含む。ハウジング42は、人力駆動力が入力される入力軸12Aを支持する。
ドライブユニット40は、フレーム18に取り付けるための取付部40Aを有する。取付部40Aは、ハウジング42の外周部に設けられる凸部40Bを含む。凸部40Bには、孔40Cが形成される。孔40Cは、例えば、ねじ孔である。フレーム18には、ドライブユニット40の孔40Cに対応する部分に、ドライブユニット40を取り付けるための孔が形成される。フレーム18に設けられる孔は、例えば、貫通孔である。ドライブユニット40は、例えば、フレーム18に設けられる孔にボルトが挿入され、孔40Cにボルトを連結することによってフレーム18に取り付けられる。孔40Cは、ねじが形成されていない貫通孔であってもよい。孔40Cが貫通孔の場合、フレーム18に設けられる孔は、ねじが形成されていない貫通孔またはねじ孔である。孔40Cと、フレーム18に設けられる孔とが、ねじが形成されていない貫通孔の場合、ボルトおよびナットによって、ドライブユニット40はフレーム18に取り付けられる。
【0044】
好ましくは、ドライブユニット40は、入力軸12Aと、モータ44と、出力部46と、減速機48と、を有する。出力部46は、第1回転軸心C1を有し、入力軸12Aの回転力が伝達されるように構成される。好ましくは、ドライブユニット40は、動力伝達部材51をさらに含む。動力伝達部材51は、入力軸12Aに入力される回転力を、出力部46に伝達するように構成される。動力伝達部材51は、入力軸12Aと、出力部46と、それぞれ接続される。動力伝達部材51は、入力軸12Aに直接接続されてもよく、間接的に接続されてもよい。本実施形態では、動力伝達部材51は、実質的に円筒形状を有する。動力伝達部材51は、入力軸12Aの軸線まわりにおいて、入力軸12Aの外周部を囲むように配置される。本実施形態では、入力軸12Aの軸方向において、動力伝達部材51の第1端部51Aが、入力軸12Aの外周部に直接接続される。動力伝達部材51の第1端部51Aおよび入力軸12Aの外周部には、相互に噛み合うスプラインがそれぞれ形成される。本実施形態では、入力軸12Aの軸方向において、動力伝達部材51の第2端部51Bが、第1ワンウェイクラッチ52を介して出力部46に接続される。
【0045】
ハウジング42は、入力軸12Aを回転可能に支持する。ハウジング42は、入力軸12Aが挿入される第1孔42Xおよび第2孔42Yを含む。第1孔42Xおよび第2孔42Yは、それぞれハウジング42に囲まれる空間と、ハウジング42の外部空間とを連結する。第1孔42Xは、入力軸12Aの軸方向において、ハウジング42の第1側面部43Aに形成される。第2孔42Yは、入力軸12Aの軸方向において、ハウジング42の第2側面部43Bに形成される。入力軸12Aの軸方向の第1端部12Cは、第1孔42Xからハウジング42外部空間に突出する。入力軸12Aの軸方向の第2端部12Dは、第2孔42Yからハウジング42の外部空間に突出する。第1孔42Xには、第1軸受42Aが配置される。入力軸12Aは、第1軸受42Aによって、ハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。第1軸受42Aは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。出力部46の第1回転軸心C1は、入力軸12Aの回転軸心と等しい。出力部46は、第1回転軸心C1まわりにおいて、入力軸12Aの外周部に設けられる。第2孔42Yには、第2軸受42Bが配置される。出力部46は、第2軸受42Bによってハウジング42に対して回転可能にハウジング42に設けられる。出力部46は、実質的に円筒形状を有する。第2軸受42Bは、出力部46の外周部に設けられる。出力部46の内周部と、入力軸12Aの外周部との間には、好ましくは、第3軸受42Cが設けられる。出力部46は、第3軸受42Cを介して入力軸12Aを回転可能に支持する。第2軸受42Bは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第3軸受42Cは、例えば、ニードルベアリング、または、スリーブを含む。第1回転軸心C1と直交する方向から見て、第2軸受42Bの少なくとも一部は、第3軸受42Cに重なるように配置される。出力部46の軸方向の第2端部46Aの外周部には、第1駆動回転体24を連結する連結部が設けられる。連結部は、入力軸12Aの軸方向に沿って延びる1または複数のスプラインを有する。
【0046】
モータ44は、ハウジング42に設けられ、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ44は、1または複数の電気モータを含む。電気モータは、例えばブラシレスモータである。本実施形態では、電気モータは、インナーロータ型のモータである。本実施形態では、モータ44は、第1駆動回転体24に回転を伝達するように構成される。モータ44は、出力軸44Bを有するロータ44Aと、インバータ回路74Aに電気的に接続されるコイル50Aを有するステータ50と、を含む。好ましくは、入力軸12Aとモータ44の出力軸44Bとは、実質的に平行に配置される。ロータ44Aは、出力軸44Bに一体に回転するロータコア44Cと、ロータコアに44Cに保持される複数の磁石とを含む。ステータ50は、ハウジング42に固定される。本実施形態では、ハウジング42がモータ44のケースとして機能する。モータ44は、ハウジング42とは別体に形成されるケースを含んでいてもよい。モータ44のケースを含む場合、モータ44のケースをハウジング42に固定してもよい。モータ44のケースは、ハウジング42の外周部に固定されてもよい。モータ44のケースを、ハウジング42の外周部に固定する場合、モータ44の出力軸44Bの一部は、ハウジング42に形成される貫通孔を介してハウジング42の収容空間SAに配置される。本実施形態では、ハウジング42は、第1ハウジング41A、第2ハウジング41Bおよびカバー部材41Cを含む。第1ハウジング41Aは、第1側面部43Aを含む。第2ハウジング41Bは、第2側面部43Bを含む。第1ハウジング41Aおよび第2ハウジング41Bによって、収容空間SAが形成される。第1ハウジング41Aおよび第2ハウジング41Bは、例えば、ボルトによって相互に固定される。ハウジング42の収容空間SAには、入力軸12Aの一部、出力部46の一部、第1ワンウェイクラッチ52、動力伝達部材51、モータ44、減速機48、第1、第2、第3、第4回路基板76,80,84,86、制御部78、第1電子部品74、第2電子部品78Aなどが配置される。本実施形態では、第2ハウジング41Bが、モータ44のケースとして機能する。ステータ50の外周部は、第2ハウジング41Bに形成される凹部41Dの側壁に固定される。カバー部材41Cは、第2ハウジング41Bに設けられ、第2ハウジング41Bと共に、モータ配置空間を形成する。カバー部材41Cは、例えば、ボルトによって第2ハウジング41Bに固定される。カバー部材41Cは、凹部41Dの開口をカバーするように配置される。カバー部材41Cは、モータ44の出力軸44Bが挿入される貫通孔41Eを含む。カバー部材41Cは、モータ44のコイル50Aと、インバータ回路74Aとを接続するための端子またはケーブルが挿入される貫通孔を含む。
【0047】
好ましくは、減速機48は、モータ44と出力部46との間の第1動力伝達経路に設けられる第1ワンウェイクラッチ52を有する。減速機48は、第1回転体54と、第1回転軸56、第2回転体58と、を含む。第1回転体54の直径は、第2回転体58の直径よりも大きい。第1回転体54は、出力部46と一体に回転するように、出力部46に設けられる。第1回転体54と出力部46とは、例えば、単一部材として一体に形成される。第1回転体54と出力部46は、例えば、金属によって形成される。第1回転体54と出力部46とは、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。第1回転体54は、例えば、樹脂によって形成されてもよい。第1回転軸56は、第1回転軸心C1とは異なる第2回転軸心C2を有する。第2回転軸心C2は、第1回転軸心C1と実質的に平行である。第2回転体58は、第1回転軸56に設けられ、第1回転体54に直接またはリング部材を介して接続される。本実施形態では、第2回転体58は、外周部に歯が設けられる歯車であり、第1回転体54は、外周部に歯が設けられる歯車である。第2回転体58の歯と、第1回転体54の歯とが噛み合うことによって、第2回転体58と第1回転体54とが直接接続される。第1回転体54および第2回転体58は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。リング部材は、例えば、ベルトまたはプーリを含む。例えば、第1回転体54および第2回転体58は、プーリであり、リング部材は、ベルトであってもよい。例えば、第1回転体54および第2回転体58は、スプロケットであり、リング部材は、チェーンであってもよい。第1回転軸56は、一対の第4軸受42Dを介してハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。一対の第4軸受42Dは、第1回転軸56の軸方向の両端部をそれぞれ支持する。一対の第4軸受42Dのうち一方は、第1ハウジング41Aの内周部に設けられる凹部に支持される。一対の第4軸受42Dのうち他方は、第2ハウジング41Bの内周部に設けられる凹部に支持される。一対の第4軸受42Dは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第1回転軸56は、第2回転体58を支持する。第1回転軸56は、第2回転体58と同軸に配置される。第2回転体58は、環状に形成され、第1回転軸56の径方向の外側に配置される。
【0048】
好ましくは、減速機48は、第1減速部分48Aと、第2減速部分48Bと、を含む。第1減速部分48Aは、第1回転体54、第1回転軸56、および、第2回転体58、を含む。第2減速部分48Bは、第1動力伝達経路において、モータ44と、第1減速部分48Aとの間に設けられる。好ましくは、第2減速部分48Bは、第3回転体60と、第2回転軸62と、第4回転体64と、を含む。第3回転体60の直径は、第4回転体64の直径よりも大きい。第3回転体60は、第1回転軸56と一体に回転するように構成され、第2回転体58よりも直径が大きい。第3回転体60と、第1回転軸56とは、別体に形成されて、相対回転不能に固定される。第1回転軸56は、例えば、金属によって形成される。第3回転体60は、例えば、樹脂または金属によって形成される。第3回転体60と、第1回転軸56とは、単一部材として一体に形成されてもよい。第2回転体58および第3回転体60は、第1回転軸56の軸方向において一対の第4軸受42Dの間に配置される。第2回転体58および第3回転体60は、一対の第4軸受42Dにそれぞれ隣接して配置される。第4回転体64は、第2回転軸62と一体に回転するように構成され、第3回転体60に直接またはリング部材を介して接続される。第4回転体64は、例えば、単一部材として第2回転軸62と一体に形成される。第4回転体64と第2回転軸62は、例えば、金属によって形成される。第4回転体64と第2回転軸62とは、別体に形成され、相対回転不能に固定されてもよい。第4回転体64は、例えば、樹脂によって形成されてもよい。本実施形態では、第4回転体64は、外周部に歯が設けられる歯車であり、第3回転体60は、外周部に歯が設けられる歯車である。第4回転体64の歯と第3回転体60の歯とが噛み合うことによって、第4回転体64と第3回転体60とが直接接続される。第2回転軸62は、第1回転軸心C1および第2回転軸心C2とは異なる第3回転軸心C3を有する。第3回転軸心C3は、第1回転軸心C1および第2回転軸心C2と実質的に平行である。第3回転体60および第4回転体64は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。例えば、第3回転体60および第4回転体64は、プーリであり、リング部材は、ベルトであってもよい。例えば、第3回転体60および第4回転体64は、スプロケットであり、リング部材は、チェーンであってもよい。第2回転軸62は、一対の第5軸受42Eを介してハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。一対の第5軸受42Eは、第2回転軸62の軸方向の両端部をそれぞれ支持する。第5軸受42Eは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。一対の第5軸受42Eのうち一方は、カバー部材41Cに設けられる第1凹部41Fに支持される。モータ44の軸方向において、第1凹部41Fは、カバー部材41Cのうちの一方の面に設けられる。モータ44の軸方向において、カバー部材41Cのうちの他方の面には、モータ44の出力軸44Bを支持する第6軸受42Fが配置される第2凹部41Gが設けられる。一対の第5軸受42Eのうち一方は、第2ハウジング41Bに設けられる凹部41Dに支持される。
【0049】
本実施形態では、減速機48は、第3減速部分48Cをさらに含む。第3減速部分48Cは、第5回転体66および第6回転体68を含む。第5回転体66の直径は、第6回転体68の直径よりも大きい。第5回転体66は、入力軸の軸方向において第4回転体64に関して、第2ハウジング41B側に配置される。第5回転体66は、第2回転軸62と一体に回転するように第2回転軸62に設けられる。第5回転体66は、単一部材として第2回転軸62と一体に形成されていてもよく、第2回転軸62と別体に形成されて第2回転軸62に結合されていてもよい。第5回転体66は、例えば、金属または樹脂によって形成される。第6回転体68は、モータ44の出力軸44Bと一体に回転するように出力軸44Bに設けられる。第4回転体64および第5回転体66は、第2回転軸62の軸方向において一対の第5軸受42Eの間に配置される。第4回転体64および第5回転体66は、一対の第5軸受42Eにそれぞれ隣接して配置される。第6回転体68は、単一部材としてモータ44の出力軸44Bと一体に形成されていてもよく、モータ44の出力軸44Bと別体に形成されて出力軸44Bに結合されていてもよい。第6回転体68は、例えば、金属または樹脂によって形成される。モータ44の出力軸44Bは、例えば、金属によって形成される。第6回転体68は、第5回転体66に直接またはリング部材を介して接続される。本実施形態は、第6回転体68は、外周部に歯が設けられる歯車であり、第5回転体66は、外周部に歯が設けられる歯車である。第6回転体68の歯と、第5回転体66の歯とが噛み合うことによって、第6回転体68と第5回転体66とが直接接続される。第5回転体66および第6回転体68は、リング部材によって、間接的に接続されてもよい。例えば、第5回転体66および第6回転体68、プーリであり、リング部材は、ベルトであってもよい。例えば、第5回転体66および第6回転体68は、スプロケットであり、リング部材は、チェーンであってもよい。
【0050】
モータ44の出力軸44Bは、第4回転軸心C4を有する。第4回転軸心C4は、第1回転軸心C1、第2回転軸心C2、および、第3回転軸心C3とは異なる。本実施形態において、第4回転軸心C4は、第1回転軸心C1、第2回転軸心C2および第3回転軸心C3と実質的に平行である。モータ44の出力軸44Bは、一対の第6軸受42Fを介してハウジング42に対して回転可能にハウジング42に支持される。第6軸受42Fは、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。一対の第6軸受42Fのうち一方は、出力軸44Bの軸方向M1における第1端部44Dを支持する。出力軸44Bの軸方向M1において、一対の第6軸受42Fの間にロータコア44Cが配置される。一対の第6軸受42Fのうち他方は、出力軸44Bの軸方向M1における第1端部44Dおよび第2端部44E間の中間部を支持する。第6回転体68は、出力軸44Bの軸方向M1において、ロータコア44Cよりも第2端部44E寄りに配置される。出力軸44Bの軸方向M1において、ロータコア44Cから遠い第6回転体68の端面68Aは、第2端部44Eの端面44Fと同じ位置に配置されてもよく、第2端部44Eの端面44Fよりもロータコア44C寄りに配置されてもよい。第6回転体68の端面68Aは、出力軸44Bの軸方向M1において、ロータコア44Cよりも第2端部44E寄りに配置される。一対の第6軸受42Fのうち他方は、出力軸44Bの軸方向M1において、第6回転体68とロータ44Aのロータコア44Cとの間に配置される。一対の第6軸受42Fのうち他方は、カバー部材41Cに支持される。カバー部材41Cの貫通孔41Eを定義する内周部に、第6軸受42Fの外周部を支持する第2凹部41Gが形成される。第2凹部41Gによって、一対の第6軸受42Fの軸受けのうち他方が、一対の第6軸受42Fのうち一方から離れる方向に移動することが阻止される。
【0051】
第1回転軸心C1に平行な方向から見ると、第2回転軸心C2は、第3回転軸心C3および第4回転軸心C4よりも第1回転軸心C1に近い。第1回転軸心C1に平行な方向から見ると、第3回転軸心C3は、第1回転軸心C1および第2回転軸心C2よりも第4回転軸心C4に近い。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見た場合、第2回転軸心C2および第3回転軸心C3は、例えば、第1回転軸心C1と第4回転軸心C4とを通過する直線LA上には配置されない。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見た場合、第2回転軸心C2および第3回転軸心C3は、例えば、直線LAに対して、一方側に配置される。第1回転軸心C1と、第2回転軸心C2は、第3回転軸心C3および第4回転軸心C4の位置関係は、例えば、減速機によって必要な減速比率などに応じて決定され、本実施形態に限定されない。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見た場合、第2回転軸心C2および第3回転軸心C3の少なくとも1つは、直線LA上には配置されてもよい。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見た場合、第2回転軸心C2および第3回転軸心C3の間に、直線LAが配置されてもよい。
【0052】
第1ワンウェイクラッチ52は、入力軸12Aが予め定める回転方向に回転する場合、入力軸12Aの回転力がモータ44に伝達されることを抑制する。好ましくは、第1ワンウェイクラッチ52は、第1回転軸56と、第2回転体58との間に設けられる。好ましくは、第1ワンウェイクラッチ52は、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、または、ラチェット式クラッチを含む。好ましくは、第1ワンウェイクラッチ52の少なくとも一部は、第2回転体58の径方向内側に配置される。第1ワンウェイクラッチ52は、内輪体52A、および、内輪体52Aを外囲する外輪体52Bを含む。内輪体52Aは、第1回転軸56の外周部に設けられる。好ましくは、内輪体52Aは、単一部材として第1回転軸56と一体に形成される。内輪体52Aは第1回転軸56とは、別体に形成されて、第1回転軸56に相対回転不能に固定されてもよい。内輪体52Aは、例えば、金属によって形成される。外輪体52Bの少なくとも一部は、第2回転体58の内周部に設けられる。好ましくは、外輪体52Bは、単一部材として第2回転体58と一体に形成される。外輪体52Bは、第2回転体58とは、別体に形成されて、第2回転体58に相対回転不能に固定されてもよい。外輪体52Bは、例えば、金属によって形成される。内輪体52Aおよび内輪体52Aの間には、ローラ、スプラグまたは爪が配置される。
【0053】
予め定める回転方向は、入力軸12Aを回転させて人力駆動車10が前進する場合の入力軸12Aの回転方向と対応する。入力軸12Aが予め定める回転方向に回転して、入力軸12Aの回転力が出力部46に伝達される場合、出力部46も予め定める回転方向に回転する。モータ44の回転力が減速機を介して出力部46に伝達され、出力部46が予め定める回転方向に回転する場合、第1回転軸56および第1回転体54は、第1回転方向に回転する。第1ワンウェイクラッチ52は、第1回転軸56の第1回転方向への回転速度が、第2回転体58の第1回転方向への回転速度を超える場合、第1回転軸56から第2回転体58に第1回転方向へ回転力を伝達する。第1ワンウェイクラッチ52は、第2回転体58の第1回転方向への回転速度が、第1回転軸56の第1回転方向への回転速度を超える場合、第2回転体58と第1回転軸56とが相対回転して、第2回転体58から第1回転軸56に第1回転方向へ回転力を伝達しない。入力軸12Aを予め定める回転方向に回転させて、出力部46および第1回転体54が予め定める回転方向に回転する場合、入力軸12Aの回転力が第1回転体54から第2回転体58に伝達されても、第2回転体58の第1回転方向への回転速度が、第1回転軸56の第1回転方向への回転速度を超える場合には、入力軸12Aの回転力がモータに伝達されることが抑制される。好ましくは、モータ44から出力部46までの第1動力伝達経路において、第1ワンウェイクラッチは1つのみ設けられる。
【0054】
好ましくは、ドライブユニット40は、出力部46と入力軸12Aとの間の第2動力伝達経路に設けられる第2ワンウェイクラッチ70をさらに含む。好ましくは、第2ワンウェイクラッチ70は、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、または、ラチェット式クラッチを含む。好ましくは、第2ワンウェイクラッチ70の少なくとも一部は、第1回転体54の径方向内側に配置される。第2ワンウェイクラッチ70は、内輪体70A、および、内輪体70Aを外囲する外輪体70Bを含む。内輪体70Aは、入力軸12Aの外周部に設けられる。好ましくは、内輪体70Aは、単一部材として、動力伝達部材51、と一体に形成される。内輪体52Aは、動力伝達部材51とは、別体に形成されて、入力軸12Aまたは入力軸12Aに連結される動力伝達部材51に、相対回転不能に固定されてもよい。内輪体52Aは、例えば、金属によって形成される。外輪体70Bの少なくとも一部は、第1回転体54の内周部に設けられる。好ましくは、外輪体70Bは、単一部材として第1回転体54と一体に形成される。外輪体70Bは、第1回転体54とは、別体に形成されて、第1回転体54に相対回転不能に固定されてもよい。外輪体70Bは、例えば、金属によって形成される。内輪体70Aおよび外輪体70Bの間には、ローラ、スプラグまたは爪が配置される。
【0055】
好ましくは、ドライブユニット40は、電子回路基板72を含む。電子回路基板72は、ハウジング42内に設けられる。電子回路基板72は、少なくとも1つの第1電子部品74と、第1回路基板76と、制御部78と、第2回路基板80と、を含む。少なくとも1つの第1電子部品74は、モータ44に電力を供給するように構成されるインバータ回路74Aの少なくとも一部分を構成する。第1回路基板76には、少なくとも1つの第1電子部品74が設けられる。制御部78は、少なくとも1つの第2電子部品78Aを含み、インバータ回路74Aに電気的に接続され、インバータ回路74Aを制御するように構成される。第2回路基板80は、第1回路基板76と別体に形成され、制御部78の少なくとも1つの第2電子部品78Aが設けられる。少なくとも1つの第1電子部品74は、第1回路基板76の一方の実装面のみに設けられてもよく、両方の面に設けられてもよい。少なくとも1つの第1電子部品74は、例えば、半導体素子、キャパシタ、抵抗素子、およびインダクタの少なくとも1つを含む。制御部78の少なくとも1つの第2電子部品78Aは、第2回路基板80の一方の実装面にのみ設けられてもよく、両方の面に設けられてもよい。好ましくは、インバータ回路74Aを構成する複数の電子部品の大部分が第2回路基板80に設けられる。さらに好ましくは、インバータ回路74Aを構成する複数の電子部品の全てが第2回路基板80に設けられる。
【0056】
好ましくは、少なくとも1つの第2電子部品78Aは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。少なくとも1つの第2電子部品78Aは、複数の演算処理装置を含んでいてもよい。複数の演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。少なくとも1つの第2電子部品78Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、少なくとも1つの第2電子部品78Aは、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random access memory)を含む。好ましくは、制御部78に含まれる複数の第2電子部品78Aの大部分が、第1回路基板76に設けられる。さらに好ましくは、制御部78に含まれる複数の第2電子部品78Aの全てが、第1回路基板76に設けられる。
【0057】
第1回路基板76および第2回路基板80は、プリント配線基板である。プリント配線基板は、単層のプリント配線基板であってもよく、多層のプリント配線基板であってもよい。好ましくは、第1回路基板76は、予め定める第1方向A1において、第2回路基板80よりもモータ44のステータ50に近い位置に配置される。好ましくは、予め定める第1方向A1は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1である。好ましくは、予め定める第1方向A1において、第2回路基板80とステータ50との間に第1回路基板76の少なくとも一部が配置される。好ましくは、第1回路基板76および第2回路基板80は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1に実質的に垂直な方向に延びる。本実施形態では、第1回路基板76は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1において、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第2端部44Eの端面44Fよりも、ステータ50寄りに配置される。本実施形態では、第1回路基板76は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1において、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第2端部44Eの端面44Fと、出力軸44Bの中間部を支持する第6軸受42Fとの間の位置に配置される。本実施形態では、第1回路基板76は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1において、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第2端部44Eの端面44Fと、カバー部材41Cとの間の位置に配置される。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、好ましくは、第2回路基板80は、第6回転体68とは、重ならないように配置される。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76の少なくとも一部、および、第2回路基板80の少なくとも一部は、モータ44のステータ50と重なるように配置される。好ましくは、第1回路基板76および第2回路基板80の一方は、モータ44の出力軸44Bの端部と対向するように配置される。本実施形態では、モータ44の出力軸44Bの端部は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第2端部44Eである。好ましくは、第1回路基板76および第2回路基板80の一方は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第2端部44Eの端面44Fに対向する。本実施形態では、第2回路基板80は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第2端部44Eの端面44Fに対向する。モータ44の出力軸44Bの端部は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第1端部44Dであってもよい。この場合、第1回路基板76および第2回路基板80の一方は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1における第1端部44Dの端面に対向する。好ましくは、入力軸12Aの軸方向から見て、第1回路基板76のうちの入力軸12Aから最も遠い部分76Aは、第2回路基板80のうちの入力軸12Aから最も遠い部分80Aよりも入力軸12Aから遠い位置に配置される。第1回路基板76のうちの入力軸12Aから最も遠い部分76Aは、モータ44の出力軸44Bに関して、入力軸12Aとは反対側に配置される。本実施形態では、第1回路基板76は、モータ44の出力軸44Bが配置される凹部76Bを有する。第1回路基板76は、モータ44の出力軸44Bの外周部の周囲を囲むように配置される。第1回路基板76と第2回路基板80とは、コネクタおよび電気ケーブルの少なくとも1つを介して、電気的に接続される。
【0058】
好ましくは、ドライブユニット40は、モータ44の出力軸44Bの回転状態を検出するように構成される回転検出センサ82をさらに含む。回転検出センサ82は、第1回路基板76および第2回路基板80の一方に設けられる。本実施形態では、回転検出センサ82は、第2回路基板80に設けられる。回転検出センサ82は、モータ44の出力軸44Bの回転速度に応じた情報を検出するように構成される。回転検出センサ82は、例えば、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。磁石は、モータ44の出力軸44Bの第2端部44Eに設けられる。磁石は、円柱状に形成されてもよく、円環状に形成されてもよい。モータ44の出力軸44Bが回転することによって、第2端部44Eの周辺の磁界の強度が変化すれば、磁石の形状および材料は、特に限定されない。本実施形態では、磁石は円柱状に形成される。モータ44の出力軸44Bの第2端部44Eは、端面44Fに開口を有する凹部44Gを有する。凹部44Gは、好ましくは、モータ44の出力軸44Bの径方向において、第4回転軸心C4を含む中心部に設けられる。凹部44Gに磁石が固定される。磁石は、磁石の一部が凹部44Gから突出するように配置されてもよく、凹部44Gから突出しないように配置されてもよい。磁石は、円環状に形成する場合、例えば、第2端部44Eの外周部に磁石が配置される環状の凹部44Gが形成されてもよい。回転検出センサ82は、例えば、第1回路基板76および第2回路基板80の一方のうち、モータ44の出力軸44Bの軸方向において磁石に対向する部分に設けられる。回転検出センサ82は、例えば、第1回路基板76および第2回路基板80の一方のうち、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1において磁石に対向する部分からオフセットして設けられてもよい。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1において、磁石は、例えば第6回転体68とカバー部材41Cとの間のモータ44の出力軸44Bの外周部に設けられてもよい。この場合、回転検出センサ82は、第2回路基板80に設けられ、例えば、第2回路基板80のうち出力軸44Bに対向する部分の近傍に配置されてもよい。第1回路基板76および第2回路基板80とは異なる回路基板に回転検出センサ82が設けられ、回転検出センサ82は、ロータコア44Cの磁石の磁界を検出してもよい。磁石は、モータ44の出力軸44Bに連動して回転する部材に設けられてもよい。モータ44の出力軸44Bに連動して回転する部材は、減速機48に含まれる回転体を含んでもよい。回転検出センサ82は、磁気センサに代えて光学センサを含んでいてもよい。回転検出センサ82は、第1回路基板76に設けられる場合、第1回路基板76に形成されるプリント配線を介して、制御部78に電気的に接続される。回転検出センサ82は、第2回路基板80または他の回路基板に設けられる場合、少なくとも電気ケーブルまたは電気コネクタを介して、制御部78に電気的に接続される。
【0059】
好ましくは、電子回路基板72は、第1回路基板76および第2回路基板80と別体に形成される第3回路基板84をさらに含む。第3回路基板84は、入力軸12Aに伝達される人力駆動力に関する情報を送信するように構成される無線送信部84Aを有する。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第3回路基板84の少なくとも一部と、第1回路基板76および第2回路基板80の少なくとも1つとは、重なるように配置される。
【0060】
好ましくは、電子回路基板72は、第1回路基板76、第2回路基板80、および、第3回路基板84と別体に形成される第4回路基板86をさらに含む。第4回路基板86は、人力駆動力に関する情報を受信するように構成される無線受信部86Aを有し、少なくとも一部分が第3回路基板84に対向するように配置され、かつ、第1回路基板76および第2回路基板80の少なくとも1つに電気的に接続される。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第4回路基板86の少なくとも一部と、第1回路基板76および第2回路基板80の少なくとも1つとは、重なるように配置される。
【0061】
好ましくは、ドライブユニット40は、人力駆動力検出部88をさらに含む。人力駆動力検出部88は、トルクセンサ83を含む。トルクセンサ83は、人力駆動力によってクランク12に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。トルクセンサ83は、例えば、動力伝達経路に第2ワンウェイクラッチ70が設けられる場合、好ましくは、第2ワンウェイクラッチ70よりも動力伝達経路の上流側に設けられる。本実施形態では、トルクセンサ83は、動力伝達部材51に設けられる。トルクセンサ83は、入力軸12Aに設けられてもよい。トルクセンサ83は、歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。本実施形態では、トルクセンサ83は、動力伝達部材51の外周部に取り付けられ、例えばフレキシブルプリント配線基板を介して、第3回路基板84に電気的に接続される。無線送信部84Aは、第1信号処理回路および第1アンテナを含む。信号処理回路は、トルクセンサ83から出力される信号を処理して、第1アンテナから人力駆動力に関する情報を送信させる。トルクセンサ83は、動力伝達部材51に設けられるのではなく、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に配置されてもよい。この場合、トルクセンサ83は、例えば磁歪センサであってもよい。トルクセンサ83が磁歪センサである場合、例えば動力伝達部材51の外周部に磁歪素子が設けられ、動力伝達部材51の外周に磁歪センサが配置される。トルクセンサ83が磁歪センサである場合、第3回路基板84および第4回路基板86は省略できる。無線受信部86Aは、第2信号処理回路および第2アンテナを含む。第2アンテナは、第1アンテナに対向するように配置される。第1アンテナおよび第2アンテナは、例えばコイルアンテナをそれぞれ含む。第2信号処理回路は、第2アンテナによって受信される人力駆動力に関する情報を制御部78に送信する。第4回路基板86は、第1回路基板76に電気的に接続される。第4回路基板86は、例えば、コネクタまたは電気ケーブルを介して、第1回路基板76に電気的に接続される。
【0062】
例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、U字形状を有する。U字形状の凹部に囲まれる領域に、モータ44の出力軸44Bが配置される。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、モータ44のステータ50の半分以上と重なる。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、第5回転体66および第6回転体68に重ならない。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、第3回転体60および第4回転体64に重ならない。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、第1回転体54および出力部46に重ならない。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、第3回路基板84に重ならず、第4回路基板86の一部に重なる。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76と第4回路基板86とが重なる部分に、第1回路基板76と第4回路基板86とを直接接続するコネクタが配置される。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第1回路基板76は、第1回転軸心C1と第4回転軸心C4とを通過する直線LAの両側に配置される。第1回路基板76は、必要に応じて様々な形状とすることができ、形状について特に限定されない。
【0063】
例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、L字形状を有する。L字形状の凹部に、第2回転軸62が配置される。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、モータ44の出力軸44Bと重なる。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、第4回転体64に重ならず、第5回転体66の一部に重なる。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、第2回転体58および第3回転体60に重ならない。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、第1回転体54の一部に重なり、出力部46には重ならない。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、第3回路基板84の一部、および、第4回路基板86の一部に重なる。例えば、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第2回路基板80は、第1回転軸心C1と第4回転軸心C4とを通過する直線LAに対して、第2回転軸心C2および第3回転軸心C3が配置される側とは反対側に、半分以上が配置される。第2回路基板80は、必要に応じて様々な形状とすることができ、形状について特に限定されない。
【0064】
好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第3回路基板84は、円環形状を有する。第3回路基板84の内周部に囲まれる空間には、入力軸12Aおよび動力伝達部材51が配置される。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第4回路基板86は、円環形状を有する。第4回路基板86の内周部に囲まれる空間には、入力軸12Aおよび動力伝達部材51が配置される。例えば、第4回路基板86の外径は、第3回路基板84の外径よりも大きい。モータ44の出力軸44Bの軸方向M1から見て、第3回路基板84の外周部は、全周にわたって第4回路基板86に重なる。第3回路基板84は、動力伝達部材51に設けられる。第3回路基板84は、動力伝達部材51と一体回転する。第3回路基板84は、動力伝達部材51に、例えば、ホルダ部材を介して固定される。第3回路基板84および第4回路基板86は、出力軸44Bの軸方向M1に実質的に垂直な方向に延びる。第4回路基板86は、例えばハウジング42に支持さえる。第3回路基板84および第4回路基板86は、例えば、入力軸12Aの軸方向において、第1回路基板76よりも、出力部46に近い位置に配置される。第3回路基板84および第4回路基板86は、例えば、入力軸12Aの軸方向において、第1回路基板76および第2回路基板80の間の位置に配置されてもよい。
【0065】
好ましくは、ドライブユニット40は、電気コネクタ90を含む。電気コネクタ90は、電気ケーブル38に着脱可能であり、ハウジング42に設けられて、第1回路基板76および第2回路基板80の少なくとも1つに電気的に接続される。電気コネクタ90は、第1回路基板76または第2回路基板80に、直接接続されてもよく、電気ケーブルを介して接続されてもよい。本実施形態では、電気ケーブル38は、バッテリに接続され、バッテリからの電力を伝送するように構成され、電気コネクタ90は、第2回路基板80に、直接または電気ケーブルを介して接続される。好ましくは、第1回路基板76および第2回路基板80の一方の実装面は、予め定める第2方向A2において、第1回路基板76および第2回路基板80の他方と重なる第1領域R1と、第1回路基板76および第2回路基板80の他方と重ならない第2領域R2を有する。好ましくは、電気コネクタ90の少なくとも一部分は、予め定める第2方向A2において第2領域R2に重なり、かつ、予め定める第2方向A2において第1回路基板76および第2回路基板80の間に配置される。好ましくは、予め定める第2方向A2は、モータ44の出力軸44Bの軸方向M1である。本実施形態では、予め定める第2方向A2において、第2領域R2は、第1回路基板76と重なり、第2回路基板80と重ならない。電気コネクタ90のうち電気ケーブルが接続される端子は、ハウジング42の外部に露出する。ハウジング42には電気コネクタ90の一部または電気コネクタ90と第2回路基板80とを接続する電気ケーブルが挿入される貫通孔が形成される。ハウジング42は、外周部に凹部43Cを有する。ハウジング42の凹部43Cの少なくとも一部は、第2領域R2に配置される。電気コネクタ90は、凹部43Cに少なくとも一部が配置される。第2領域R2に電気コネクタ90が配置される凹部43Cの少なくとも一部を配置することによって、ハウジング42を小型化できる。ハウジング42の凹部43Cの底部または側面部は、第2回路基板80に沿って延びる。ハウジング42の凹部43Cの底部または側面部と、第2回路基板80との間には、ハウジング42および第2回路基板80の両方に接触する伝熱シートが設けられてもよく、ハウジング42および第2回路基板80の両方に接触する熱伝導グリスが設けられてもよい。
【0066】
<第2実施形態>
図8から
図10を参照して、第2実施形態のドライブユニット40について説明する。第2実施形態のドライブユニット40は、保持部材を有する点以外は、第1実施形態のドライブユニット40と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
ドライブユニット40は、モータ44と、ハウジング42と、カバー部材92と、出力部46と、減速機48と、潤滑剤と、保持部材94と、を含む。モータ44は、出力軸44Bを有し、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。ハウジング42は、モータ44を収容し、人力駆動力が入力される入力軸12Aを支持する。出力部46は、入力軸12Aに直接または間接的に接続される。出力部46は、入力軸12Aに直接接続される。減速機48は、モータ44の駆動力を出力部46に伝達するように構成される。
【0068】
カバー部材92は、ハウジング42とは別体に形成されて、ハウジング42内に配置され、ハウジング42と共にモータ44の少なくとも一部が配置されるモータ配置空間を形成する。カバー部材92は、モータ44の出力軸44Bが挿通される貫通孔92Aを含む。
【0069】
潤滑剤は、減速機48に設けられる。潤滑剤は、例えばグリスである。好ましくは、潤滑剤は、第5回転体66の外周部および第6回転体68の外周部に設けられる。さらに好ましくは、潤滑剤は、各回転体54,58,60,64,66,68の外周部にそれぞれ設けられる。保持部材94は、ハウジング42とは別体に形成される。保持部材94は、減速機48に隣接して配置されて、潤滑剤を減速機48の近傍に保持するように構成される。カバー部材92と保持部材94とは、単一部材として一体に形成される。カバー部材92と、保持部材94とは、樹脂材料を含んでいてもよく、金属材料を含んでいてもよい。カバー部材92と、保持部材94とが、金属材料によって形成される場合、カバー部材92と保持部材94とは、例えば、単一部材として一体に形成されていてもよい。カバー部材92が金属材料によって形成され、保持部材94が、樹脂材料によって形成される場合、カバー部材92と保持部材94とは、インサート成型によって、一体に形成されていてもよい。
【0070】
ドライブユニット40は、モータ44に電気的に接続される電子回路基板72をさらに含む。保持部材94の少なくとも一部は、減速機48と電子回路基板72との間に配置される。減速機48は、モータ44の出力軸44Bに設けられる出力歯車45を含む。出力歯車45は、第6回転体68である。好ましくは、保持部材94は、モータ44の出力軸44Bの第4回転軸心C4まわりにおいて、出力歯車45の外周部の一部を覆う第1保持部94Aを有する。第1保持部94Aは、モータ44の出力軸44Bの第4回転軸心C4まわりにおいて、出力歯車45の外周部に沿って延びる。出力歯車45の径方向において、第1保持部94Aと出力歯車45との距離は、例えば1.0mm以上10mm以下である。第1保持部94Aは、モータ44の出力軸44Bの第4回転軸心C4まわりにおいて、出力歯車45の外周部の半分以上を覆う。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向において、第1保持部94Aは、カバー部材92から、出力歯車45のロータコア44Cから最も離れる端面の位置まで延びる。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向において、第1保持部94Aのカバー部材から最も遠い端面94Dは、第2回路基板80に対向する。出力歯車45の軸方向において、第1保持部94Aの端面94Dと、第2回路基板80との距離は、例えば1.0mm以上10mm以下である。第1保持部94Aは、薄板状に形成される。第1保持部94Aと、カバー部材92との間には、隙間93Aが設けられてもよい。例えば、第2回路基板80と、出力歯車45との間に、隙間93Aが配置される。
【0071】
減速機48は、モータ44の出力軸44Bに設けられる出力歯車45に噛合い、出力歯車45よりも直径が大きい大径歯車47を含む。大径歯車47は、第5回転体66である。好ましくは、保持部材94は、大径歯車47の第3回転軸心C3まわりにおいて、大径歯車47の一部を覆う第2保持部94Bを有する。第2保持部94Bは、大径歯車47の第3回転軸心C3まわりにおいて、大径歯車47の外周部に沿って延びる。大径歯車47の径方向において、第2保持部94Bと大径歯車47との距離は、例えば1.0mm以上10mm以下である。好ましくは、第2保持部94Bは、大径歯車47の第3回転軸心C3まわりにおいて、大径歯車47の外周部の半分以上を覆う。好ましくは、大径歯車47の第3回転軸心C3の軸方向において、第2保持部94Bは、カバー部材92から、出力歯車45のロータコア44Cから最も離れる端面の位置まで延びる。好ましくは、モータ44の出力軸44Bの軸方向において、第2保持部94Bのカバー部材92から最も遠い端面94Eの少なくとも一部は、第2回路基板80に対向する。大径歯車47の軸方向において、第2保持部94Bの端面94Eと、第2回路基板80との距離は、例えば1.0mm以上10mm以下である。第2保持部94Bは、薄板状に形成される。第2保持部94Bの一部と、カバー部材92との間には、隙間93Bが設けられてもよい。例えば、第2回路基板80と、出力歯車45との間に、隙間93Bが配置される。好ましくは、第2保持部94Bは、大径歯車47のうちの出力歯車45と噛み合っている部分の付近を覆う。
【0072】
好ましくは、第1保持部94Aは、モータ44の出力軸44Bの第4回転軸心C4まわりにおいて、第2保持部94Bと連結される。第1保持部94Aは、第2保持部94Bと、単一部材として一体に形成される。第1保持部94Aは、例えば、第2保持部94Bを介してカバー部材92に接続される。
【0073】
好ましくは、カバー部材92は、大径歯車47の回転軸47Aの軸方向の第1端部47Bを回転可能に支持するように構成される。大径歯車47の回転軸47Aは、第2回転軸62である。好ましくは、カバー部材92は、第1端部47Bを回転可能に支持する軸受47Cが配置される凹部92Bを含む。第1端部47Bを回転可能に支持する軸受47Cは、第5軸受42Eである。
【0074】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0075】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、
図11に示すように、モータ44は、出力軸44Bを含み、第1回転軸56Aは、モータ44の出力軸44Bを含む。この場合、例えば、第6回転体68の内周部と、モータ44の出力軸44Bの外周部との間に第1ワンウェイクラッチ95が設けられる。減速機48は、第1回転体54および第6回転体68によって形成される。第1ワンウェイクラッチ95は、第1ワンウェイクラッチ52と同様の構成を有する。第1ワンウェイクラッチ95は、内輪体95A、および、内輪体95Aを外囲する外輪体95Bを含む。内輪体95Aは、出力軸44Bの外周部に設けられる。内輪体95Aは、単一部材として出力軸44Bと一体に形成されてもよい。内輪体95Aは出力軸44Bとは、別体に形成されて、出力軸44Bに相対回転不能に固定されてもよい。内輪体95Aは、例えば、金属によって形成される。外輪体95Bの少なくとも一部は、第6回転体68の内周部に設けられる。外輪体95Bは、単一部材として第6回転体68と一体に形成されてもよい。外輪体95Bは、第6回転体68とは、別体に形成されて、第6回転体68に相対回転不能に固定されてもよい。外輪体95Bは、例えば、金属によって形成され、第6回転体は樹脂によって形成されてもよい。内輪体95Aおよび外輪体95Bの間には、ローラ、スプラグまたは爪が配置される。
【0076】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、
図12に示すように、第2減速部分48Bは、遊星歯車機構96を有してもよい。例えば、モータ44は、出力軸44Bを含み、遊星歯車機構96は、太陽ギア98と、1または複数の遊星ギア100と、キャリア102と、リングギア104と、を含む。太陽ギア98は、出力軸44Bと一体に回転するように構成される。1または複数の遊星ギア100は、太陽ギア98に噛み合う。キャリア102は、1または複数の遊星ギア100を回転可能に支持する。リングギア104は、1または複数の遊星ギア100に噛み合う。第2回転体58は、キャリア102と一体に回転するように構成される。リングギア
104は、ハウジング42に固定される。この場合、第1ワンウェイクラッチ52は、例えば、キャリア102と、第2回転体58との間に設けられる。キャリア102は、第1回転軸56を含み、第2回転軸心C2まわりに回転する。好ましくは、第2回転体58と、第1回転体54とは、ベルト106を介して接続される。第2回転体58と、第1回転体54とは、1または複数の歯車を介して接続されていてもよい。
【0077】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、第2ワンウェイクラッチ70を省略し、入力軸12Aと出力部46とが、入力軸12Aの第1回転軸心C1まわりの両方向に一体に回転するように構成してもよい。この場合、例えば、動力伝達部材51と出力部46とが、セレーションによって結合されてもよく、単一部材として一体に形成されてもよい。
【0078】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、ドライブユニット40は、外部装置との通信を行う通信部が設けられる第5回路基板をさらに備えていてもよい。外部装置は、例えば、人力駆動車のコンポーネント、および、スマートフォン等を含む。好ましくは、第5回路基板に設けられる通信部は、外部装置と無線通信を行うように構成される。外部装置との通信を行う通信部は、第5回路基板ではなく、例えば、第1回路基板76または第2回路基板80に設けられてもよい。この場合、第5回路基板は省略される。
【0079】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、入力軸12A、動力伝達部材51、出力部46、および、減速機48は、必要に応じて変更されてもよい。例えば、出力部46には、フロントスプロケットとリアスプロケットの間においてチェーンに係合するプーリが取り付けられ、入力軸12Aから人力駆動力が入力されないように構成されてもよい。この場合、出力部46の回転軸心は、入力軸12Aの第1回転軸心C1から、離間する。入力軸12Aには、フロントスプロケットが直接、または、クランクアーム12Bを介して接続される。例えば、減速機48は、第3減速部分48Cを含まない。この場合、例えば、モータ44の出力軸44Bに設けられる第6回転体68の歯が、第3回転体60の歯と噛み合う。
【0080】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、第1ワンウェイクラッチ52は、第1回転軸56と第2回転体58との間ではなく、例えば、出力部46と第1回転体54との間、第1回転軸56と第3回転体60との間、第2回転体58と第2回転軸62との間、または、第6回転体68と出力軸44Bとの間、に設けられてもよい。
【0081】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、第1回路基板76および第2回路基板80は、単一部材の回路基板によって形成されてもよい。
【0082】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において第1ワンウェイクラッチ52は、第1回転軸と第2回転体との間ではなく、例えば、出力部と第1回転体との間、第1回転軸と第3回転体との間、第2回転体と第2回転軸との間、または、第6回転体と出力軸との間、に設けられてもよい。
【0083】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、モータ44は、第1駆動回転体24以外の動力伝達経路の部材に回転を伝達するように構成されてもよい。例えば、モータ44は、第1駆動回転体24とは異なる駆動回転体を介して、連結部材28に回転力を伝達するように構成される。第1駆動回転体24とは異なる駆動回転体は、例えばスプロケットを含む。
【0084】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、ドライブユニット40は、人力駆動力が入力される入力軸12Aを支持するハウジング42と、ハウジング42に設けられ、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ44と、ハウジング42内に設けられる電子回路基板72と、を含み、電子回路基板72は、モータ44に電力を供給するように構成されるインバータ回路74Aの少なくとも一部分を構成する少なくとも1つの第1電子部品74と、少なくとも1つの第1電子部品74が設けられる第1回路基板76と、少なくとも1つの第2電子部品78Aを含み、インバータ回路74Aに電気的に接続され、インバータ回路74Aを制御するように構成される制御部78と、第1回路基板76と別体に形成され、制御部の78少なくとも1つの第2電子部品78Aが設けられる第2回路基板80と、を含みさえすれば、他の構成については省略されてもよい。
【0085】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、人力駆動力が入力される入力軸12Aと、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ44と、第1回転軸心C1を有し、入力軸12Aの回転力が伝達されるように構成される出力部46と、モータ44と出力部46との間の第1動力伝達経路に設けられ、入力軸12Aが予め定める回転方向に回転する場合、入力軸12Aの回転力がモータ44に伝達されることを抑制する第1ワンウェイクラッチ52を有する減速機48と、を含み、減速機48は、出力部46と一体に回転するように、出力部46に設けられる第1回転体54と、第1回転軸心C1とは異なる第2回転軸心C2を有する第1回転軸56と、第1回転軸56に設けられ、第1回転体54に直接またはリング部材を介して接続される第2回転体58と、を含み、第1ワンウェイクラッチ52は、第1回転軸56と、第2回転体58との間に設けられさえすれば、他の構成については省略されてもよい。
【0086】
・第2実施形態、および、第2実施形態の変形例において、ドライブユニット40は、出力軸44Bを有し、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ44と、モータ44を収容し、人力駆動力が入力される入力軸12Aを支持するハウジング42と、ハウジング42とは別体に形成されて、ハウジング42内に配置され、ハウジング42と共にモータ44の少なくとも一部が配置されるモータ配置空間を形成し、モータ44の出力軸44Bが挿通される貫通孔92Aを含むカバー部材92と、入力軸12Aに直接または間接的に接続される出力部46と、モータ44の駆動力を出力部46に伝達するように構成される減速機48と、減速機48に設けられる潤滑剤と、ハウジング42とは別体に形成され、減速機48に隣接して配置されて、潤滑剤を減速機48の近傍に保持するように構成される保持部材94と、を含み、カバー部材92と保持部材94とは、単一部材として一体に形成されさえすれば、他の構成については省略されてもよい。
【0087】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、および、第2実施形態の変形例において、第3回路基板84および第4回路基板86は、省略されてもよい。
【0088】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0089】
12A…入力軸、38…電気ケーブル、40…ドライブユニット、42…ハウジング、44…モータ、44A…ロータ、44B…出力軸、45…出力歯車、47…大径歯車、50…ステータ、50A…コイル、46…出力部、48…減速機、48A…第1減速部分、48B…第2減速部分、52…第1ワンウェイクラッチ、54…第1回転体、56…第1回転軸、58…第2回転体、60…第3回転体、70…第2ワンウェイクラッチ、72…電子回路基板、74…第1電子部品、74A…インバータ回路、76…第1回路基板、78…制御部、78A…第2電子部品、80…第2回路基板、82…回転検出センサ、84…第3回路基板、84A…無線送信部、86…第4回路基板、86A…無線受信部、88…人力駆動力検出部、90…電気コネクタ、92…カバー部材、92A…貫通孔、92B…凹部、94…保持部材、94A…第1保持部、94B…第2保持部、96…遊星歯車機構、98…太陽ギア、100…遊星ギア、102…キャリア、104…リングギア。