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特許7569632いくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-09
(45)【発行日】2024-10-18
(54)【発明の名称】いくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20241010BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G01N35/00 C
G01N35/10 B
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020097364
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2020201257
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】19178702.7
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510259921
【氏名又は名称】シーメンス ヘルスケア ダイアグノスティクス プロダクツ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】トシュテン・ミヒェルス
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-150375(JP,U)
【文献】特開2009-288094(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141696(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置(1)であって、
試薬をピペッティングするためのピペット針(2)を含むピペットデバイスと、
第1の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第1の受容位置(5)を含む、第1のデバイス(3)と、
第2の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第2の受容位置(6)を含む、第2のデバイス(4)と
を含み、
ここで、該第2のデバイス(4)は、少なくとも一部、第1のデバイス(3)の上に配置され、
第2の平面は、少なくとも一部、第1の平面の上に配置され、
ピペット針(2)は、少なくとも一部、第1のデバイス(3)および第2のデバイス(4)の上に配置され、
第1の平面の第1の受容位置(5)および/または第2の平面の第2の受容位置(6)は、軸(7)周りに変位可能および/またはそれぞれ回転可能であり、
切抜き(8)が第2の平面の第2のデバイス(4)に設けられ、ピペットデバイスは、ピペット針(2)を用いて上から切抜き(8)に到達しその中を通ってピペッティングのために第1の受容位置(5)のうちの1つに配置された少なくとも1つの試薬コンテナにアクセスすることがで
試薬コンテナを、第1の受容位置(5)および/もしくは第2の受容位置(6)へ、ならびに/または該第1の受容位置(5)および/もしくは第2の受容位置(6)から移送する移送デバイスを含み、該移送デバイスは、上から切抜き(8)を通って第1の受容位置(5)のうちの少なくとも1つにアクセスすることができる、
前記装置。
【請求項2】
切抜き(8)は、第1の平面の第1の受容位置(5)および/もしくは第2の平面の第2の受容位置(6)の回転および/もしくは変位によって、ならびに/または、第1のデバイス(3)および/もしくは第2のデバイス(4)の回転および/もしくは変位によって、いずれの場合も、ピペットデバイスが、ピペット針(2)を用いて上から切抜き(8
)に到達しその中を通って第1の受容位置(5)に配置されたいくつかの試薬コンテナに連続的にアクセスすることができるように、配置することができる、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
ピペットデバイスは、ピペット針(2)を用いて第2の受容位置(6)に配置された試薬コンテナのすべてにアクセスすることができる、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
第1のデバイス(3)の軸(7)および第2のデバイス(4)の軸(7)は、共通軸(7)として構成され、第1のデバイス(3)および第2のデバイス(4)は、軸(7)周りに互いに独立して回転することができる、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
軸(7)は、第1および/または第2の平面の垂線に対して平行に延びる、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
第1のデバイス(3)および/または第2のデバイス(4)は、回転可能な試薬ホイールのような軸(7)周りに回ることができる試薬ホイールとして構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
第1のデバイス(3)および/または第2のデバイス(4)は、互いに可動に連結される、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
第1および第2の平面の垂線は平行であり、第1および/または第2の平面の垂線は、重力の方向ベクトルに対して平行に延びる、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
ピペットデバイスおよび/またはピペット針(2)は、第1および/または第2の平面の垂線に対して平行および/または垂直に動くことができる、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
切抜き(8)は、扇形、円形、楕円形、方形または三角形の形状を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(1)を用いて自動分析機においていくつかの平面内に試薬コンテナを収納する方法であって:
少なくとも1つの第1の試薬コンテナを第1の受容位置(5)のうちの1つに配置する工程と、
ピペット針(2)を用いて上から切抜き(8)を通って第1の試薬コンテナにアクセスする工程と
を含む、前記方法。
【請求項12】
少なくとも1つの第2の試薬コンテナを第1の受容位置(5)のうちの1つに配置する工程と、
切抜き(8)が第2の試薬コンテナの上に配置されるように、第1の平面の第1の受容位置(5)および/もしくは第2の平面の第2の受容位置(6)の回転および/もしくは変位によって、ならびに/または、第1のデバイス(3)および/もしくは第2のデバイス(4)の回転および/もしくは変位によって、切抜き(8)を配置する工程と、
ピペット針(2)を用いて上から切抜き(8)を通って第2の試薬コンテナにアクセスする工程と
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
自動分析機であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(1)を含み、ここで、自動容器グリッパを含む、前記自動分析機。
【請求項14】
請求項1~10のいずれか1項に記載の装置(1)の使用および/または自動分析機における請求項11もしくは12に記載の方法の使用であって、自動分析機は、自動容器グリッパを含む、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体液試料または他の生物学的試料中の生理学的パラメータを決定する多数の検出および分析の方法は、昨今、自動分析機またはいわゆるインビトロ診断システムで自動方式で多数に実行される。
【0003】
現在の分析機は、多数の検出反応および分析を1つの試料で実行することができる。自動方式で多数の検査を実行できるようにするには、例えば把持機能を有する移送アーム、搬送ベルトまたは回転可能な搬送ホイールである、測定セル、反応コンテナおよび試薬コンテナを空間的に移送するための様々なデバイス、ならびに液体を移送するためのデバイス、例えばピペットデバイスが必要である。機器は、適切なソフトウェアによりほぼ独立した方法で所望の分析のための作業工程を計画し実行することができる制御ユニットを含む。
【0004】
このような自動運転分析機に使用される分析方法の多くは、光学的技術に基づいている。これらの方法は、試料中の分析物、すなわち検出予定または測定予定の物質の定性的および定量的検出を可能にする。例えば分析物の濃度または活性である臨床的に関係があるパラメータは、多くの場合、試料の一部分を、測定セルであってもよい反応容器内で1つまたはそれ以上の検査試薬と混合し、その結果、例えば、検査混合物の光学的または他の物理的特性に測定可能な変化をもたらす生化学的反応または特異的結合反応が開始することによって、決定される。
【0005】
例えば生物体液のインビトロ試料の自動分析および実験のための診断分析器などの医療機器では、必要な試薬は、例えば、ピペット針を有するピペットデバイスによって測定キュベットへと導入される。この場合、測定キュベットは、ロボットステーションの一部であるロボットアームによって、キュベットグリッパを用いて自動的に自動分析機内の異なる位置へ動かされる。測定後、使用済み測定キュベットは、廃棄物シャフトを通って廃棄物コンテナ内へ処分される。
【0006】
この種の自動分析器では、試薬などの消耗品は、より長い時間にわたる自動運転を可能にするため、またはより多い数の試料の分析を可能にするために、機器内に収納されている。これは、典型的には、機器内の回転可能試薬ホイールまたはトレイ上に水平に配置された試薬コンテナ内に試薬を配置することによって行われる。一般的に、より多い数の試薬が必要となるので、機器に試薬を収納するのに大きな表面積が必要となる。しかし、これは、分析器に必要な床面積または設置面積に関して、実験室においてそれ相応のサイズとなるので、特に不利である。
【0007】
したがって、従来の装置は、実験室における床面積または設置面積をそれ相応に増加させなければより多くの数の試薬コンテナを自動分析器内に配置することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、より長い時間にわたる分析器の自動運転を可能にすること、または、分析器が実験室における床面積もしくは設置面積のそれ相応の増加を必要とせずにより多い数の試料の分析を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、以下に記載の主題または方法によって本発明により達成される。
【0010】
自動分析器に試薬コンテナを収納する改善された装置は、試薬コンテナを互いに上下にあるいくつかの平面内に収納する場合に得ることができることが見いだされた。そこにおいて、配置は、すべての平面の薬剤コンテナにピペッタが上から垂直方向にアクセスできることを確実にするように構成される。
【0011】
本発明によれば、これは、互いに上下に配置された回転可能ホイールによって達成することができる。この場合、1つまたはそれ以上の上側ホイールの位置であって、そこにおいて例えば1つまたはそれ以上の下側ホイールにアクセスするためにピペット針または他の充填ユニットが1つまたはそれ以上の上側ホイールを通り抜けることができる位置が設けられなければならない。
【0012】
本発明によれば、これは、さらに、例えば1つまたはそれ以上の下側平面にアクセスするためにピペット針または他の充填ユニットが1つまたはそれ以上の上側平面を通り抜けることができるように、互いに対して簡単に変位されるまたは能動的に変位可能な平面内に容器が互いに上下に配置される場合に実現することができる。
【0013】
これには、必要な表面積が同じまま、容器または試薬コンテナの数を大幅に増加させることができ、したがって、より長い時間にわたる分析器の自動運転が可能になる、または、分析器が実験室における床面積または設置面積の増加を必要とすることなく、より多い数の試料の分析が可能になる、という利点がある。
【0014】
本発明の主題は、具体的には、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置であって、
- 試薬をピペッティングするためのピペット針を含むピペットデバイスと、
- 第1の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第1の受容(receiving)位置を含む、第1のデバイスと、
- 第2の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第2の受容位置を含む、第2のデバイスと
を含み、
ここで、第2のデバイスは、少なくとも一部、第1のデバイスの上に配置され、
第2の平面は、少なくとも一部、第1の平面の上に配置され、
ピペット針は、少なくとも一部、第1のデバイスおよび第2のデバイスの上に配置され、
第1の平面の第1の受容位置および/または第2の平面の第2の受容位置は、軸周りに変位可能および/またはそれぞれ回転可能であり、
切抜きが第2の平面の第2のデバイスに設けられ、ピペットデバイスは、ピペット針を用いて上から切抜きに到達しその中を通ってピペッティングのために第1の受容位置のうちの1つに配置された少なくとも1つの試薬コンテナにアクセスすることができる、
装置である。
【0015】
好ましい一実施形態では、装置は、複数の第2のデバイスを含む。第2のデバイスは、少なくとも一部、第1のデバイスの上にそれぞれ互いに上下に配置される。
【0016】
好ましい一実施形態では、切抜きは、第1の平面の第1の受容位置および/もしくは第2の平面の第2の受容位置の回転および/もしくは変位によって、ならびに/または、第1のデバイスおよび/もしくは第2のデバイスの回転および/もしくは変位によって、いずれの場合も、ピペットデバイスが、ピペット針を用いて上から切抜きに到達しその中を通って第1の受容位置に配置されたいくつかの試薬コンテナに連続的にアクセスすることができるように、配置することができる。
【0017】
好ましい一実施形態では、ピペットデバイスは、ピペット針を用いて第2の受容位置に配置された試薬コンテナのすべてにアクセスすることができる。
【0018】
好ましい一実施形態では、第1のデバイスの軸および第2のデバイスの軸は、共通軸として構成され、第1のデバイスおよび第2のデバイスは、軸周りに互いに独立して回転することができる。
【0019】
好ましい一実施形態では、軸は、第1および/または第2の平面の垂線に対して平行に延びる。
【0020】
好ましい一実施形態では、第1のデバイスおよび/または第2のデバイスは、好ましくは回転可能な試薬ホイールのような軸周りに回ることができる試薬ホイールとして構成される。
【0021】
好ましい一実施形態では、第1のデバイスおよび/または第2のデバイスは、互いに可動に連結される。
【0022】
好ましい一実施形態では、第1および第2の平面の垂線は平行であり、第1および/または第2の平面の垂線は、好ましくは、重力の方向ベクトルに対して平行に延びる。
【0023】
好ましい一実施形態では、ピペットデバイスおよび/またはピペット針は、第1および/または第2の平面の垂線に対して好ましくは平行および/または垂直に動くことができる。
【0024】
好ましい一実施形態では、切抜きは、扇形、円形、楕円形、方形または三角形の形状を有する。
【0025】
好ましい一実施形態では、試薬コンテナを、第1の受容位置および/もしくは第2の受容位置へ、ならびに/または第1の受容位置および/もしくは第2の受容位置から移送する、移送デバイスを含む。移送デバイスは、好ましくは、上から切抜きを通って第1の受容位置のうちの少なくとも1つにアクセスすることができる。
【0026】
あるいは、容器または試薬コンテナは、垂直方向に収納され、ピペットデバイスがそれらにアクセスすることが必要になったら、容器または試薬コンテナが、ここでは収納システムに相当する立体駐車場のあるレベルに自動車が入るのと同じように、アクセス平面へと送り出され、次に下または外に動き、そこで次に例えばアクセスが例えば道路レベルに相当するレベルで行われる。
【0027】
本発明のさらなる主題は、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する本発明による装置を用いて自動分析機においていくつかの平面内に試薬コンテナを収納する方法であって:
- 少なくとも1つの第1の試薬コンテナを第1の受容位置のうちの1つに配置する工程と、
- ピペット針を用いて上から切抜きを通って第1の試薬コンテナにアクセスする工程と
を含む、方法である。
【0028】
好ましい一実施形態では、方法は:
- 少なくとも1つの第2の試薬コンテナを第1の受容位置のうちの1つに配置する工程と、
- 切抜きが第2の試薬コンテナの上に配置されるように、第1の平面の第1の受容位置および/もしくは第2の平面の第2の受容位置の回転および/もしくは変位によって、ならびに/または、第1のデバイスおよび/もしくは第2のデバイスの回転および/もしくは変位によって、切抜きを配置する工程と、
- ピペット針を用いて上から切抜きを通って第2の試薬コンテナにアクセスする工程と
をさらに含む。
【0029】
本発明のさらなる主題は、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する本発明による上述した装置を含む分析機である。さらに、自動分析機は、有利には、自動容器グリッパを含むことが好ましい。
【0030】
本発明のさらなる主題は、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する本発明による装置の使用であり、ここで、自動分析機は、好ましくは、自動容器グリッパを含む。
【0031】
本発明の意味において、「試料」は、検出予定の物質(分析物)をおそらく含む材料を意味するものと理解すべきである。用語「試料」は、具体的には、ヒトまたは動物の生物学的液体、例えば、血液、血漿、血清、唾液、滲出物、気管支肺胞洗浄液、リンパ液、滑液、精液、膣粘液、便、尿、髄液、やはりまた、例えば、光度定量、好ましくは比濁分析決定のための均質性または細胞溶解により適切に用意された組織または細胞培養試料も含む。さらに、例えば植物液体または組織、法医学試料、水および排水試料、食品および医薬品も試料となることがあり、これらは、場合によっては、決定前に相応な試料前処理を受けるものとする。
【0032】
定量的検出は、試料中の分析物の量、濃度または活性の測定を含む。表現「定量的検出」は、半定量法も網羅し、半定量法は、試料中の分析物のおおよその量、濃度もしくは活性のみを検出することができ、または量、濃度もしくは活性の相対的な標示のみを提供するように働くことができる。定性的検出は、試料中に分析物が実際に存在することの検出、または、試料中の分析物の量、濃度もしくは活性が1つまたはいくつかの所定の閾値よりも下または上であることの標示と理解されるべきである。
【0033】
例えば、測定キュベットは、ガラス、プラスチックまたは金属から作られたキュベットまたは反応容器である。有利には、測定キュベットは、透光性材料から製造され、これは、特に光学的分析法を使用するときに有利となり得る。
【0034】
用語「測定キュベット」と「キュベット」は、同義として使用され、同じ対象物を示す。
【0035】
用語「分析機」と「分析器」は、同義として使用され、同じ対象物を示す。
【0036】
本発明を、図面を参照して例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置(1)の異なる実施形態の構造の概略図である。
図2】自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置(1)の異なる実施形態の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
すべての図面において、同一の部材は同じ参照符号を備える。
【0039】
図1または図2による装置(1)は、多数の試料の分析を実行するように設計された分析機(図示せず)に組み込まれる。この目的のため、自動分析機は、多数のピペットデバイス(図示せず)および搬送デバイス(図示せず)と、さらには、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する本発明による装置を用いて自動分析機においていくつかの平面内に試薬コンテナを収納する本発明による方法の自動制御のための制御ユニットを含む。
【0040】
図1に示される、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置(1)の実施形態は、試薬をピペッティングするためのピペット針(2)を含むピペットデバイスを含む。
【0041】
さらに、装置(1)は、第1の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第1の受容位置(5)を含む、第1のデバイス(3)と、第2の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第2の受容位置(6)を含む、第2のデバイス(4)とを含む。第1のデバイス(3)および第2のデバイス(4)は、回転可能試薬ホイールのように構成される。
【0042】
第2のデバイス(4)は、第1のデバイス(3)の上に配置され、第2の平面は、第1の平面の上に配置されている。ピペット針(2)は、一部が第1のデバイス(3)および第2のデバイス(4)の上に配置される。第1の平面の第1の受容位置(5)および第2の平面の第2の受容位置(6)は、いずれの場合も、軸(7)周りに回転可能である。
【0043】
切抜き(8)は、第2の平面の第2のデバイス(4)に設けられ、ピペットデバイスは、ピペット針(2)を用いて上から切抜き(8)に到達しその中を通ってピペッティングのために第1の受容位置(5)に配置された試薬コンテナにアクセスすることができる。切抜き(8)は、扇形の形状に構成される。この扇形は、ピペット針(2)が切抜き(8)に到達しその中を通って第1の受容位置(5)に配置された試薬コンテナにアクセスできるほどの十分なサイズを有する。
【0044】
図2に示される、自動分析機用のいくつかの平面内に試薬コンテナを収納する装置(1)の実施形態は、試薬をピペッティングするためのピペット針(2)を含むピペットデバイスを含む。装置(1)は、第1の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第1の受容位置(5)を含む、第1のデバイス(3)をさらに含む。第1のデバイス(3)は、第1のプレート(9)と第1のトレイ(11)とを含み、第1の受容位置(5)は第1のトレイ(11)に配置されている。
【0045】
装置(1)は、第2の平面に配置された試薬コンテナのための複数の第2の受容位置(6)を含む、第2のデバイス(4)をさらに含む。第2のデバイス(4)は、第2のプレート(10)と第2のトレイ(12)とを含み、第2の受容位置(6)は第2のトレイ(12)に配置されている。
【0046】
第1のトレイ(11)は、第1のプレート(9)上で直線的に動くことができるように構成され、第2のトレイ(12)は、第2のプレート(10)上で直線的に動くことができるように構成される。
【0047】
第1のデバイス(3)および第2のデバイス(4)は、垂直連結要素(13)によって連結される。
【0048】
第2のデバイス(4)は、第1のデバイス(3)の上に配置され、第2の平面は、第1の平面の上に配置されている。ピペット針(2)は、一部が第1のデバイス(3)および第2のデバイス(4)の上に配置される。
【0049】
切抜き(8)は、第2の平面の第2のプレート(10)の第2のデバイス(4)に設けられ、ピペットデバイスは、ピペット針(2)を用いて上から切抜き(8)に到達しその中を通ってピペッティングのために第1の受容位置(5)に配置された試薬コンテナにアクセスすることができる。切抜き(8)は、円形アパーチャの形状に構成される。円形アパーチャは、ピペット針(2)が切抜き(8)に到達しその中を通って第1の受容位置(5)に配置された試薬コンテナにアクセスできるほど十分に大きな半径を有する。
【符号の説明】
【0050】
1 装置
2 ピペット針
3 第1のデバイス
4 第2のデバイス
5 第1の受容位置
6 第2の受容位置
7 軸
8 切抜き
9 第1のプレート
10 第2のプレート
11 第1のトレイ
12 第2のトレイ
13 連結要素
図1
図2